JPH0952363A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

Info

Publication number
JPH0952363A
JPH0952363A JP20446495A JP20446495A JPH0952363A JP H0952363 A JPH0952363 A JP H0952363A JP 20446495 A JP20446495 A JP 20446495A JP 20446495 A JP20446495 A JP 20446495A JP H0952363 A JPH0952363 A JP H0952363A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
ink jet
area
jet recording
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20446495A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Fujii
雅彦 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP20446495A priority Critical patent/JPH0952363A/ja
Priority to US08/692,481 priority patent/US6022098A/en
Priority to EP96112790A priority patent/EP0758585A3/en
Priority to TW085109673A priority patent/TW305806B/zh
Publication of JPH0952363A publication Critical patent/JPH0952363A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる色あるいは異なる濃度のインク滴を噴
射するインクジェット記録装置において、ノズルの電気
的な駆動条件を同じにしながら、噴射されるインク滴量
を適正値とし、画質を向上させたインクジェット記録装
置を提供する。 【解決手段】 Si基板上に発熱抵抗体としての多結晶
シリコン層を積層し、発熱領域25および低抵抗部26
を形成する。このとき、発熱領域25は、対応するノズ
ルから噴射されるインクの物性などに応じてその面積が
設定される。これにより、噴射されるインク滴量はそれ
ぞれ適正値となり、画質が向上する。さらに、発熱領域
25の面積が小さいほど、発熱領域25のアスペクト値
が大きくなるように形成する。これにより、単位面積当
たりのエネルギー量が等しくなり、同一の駆動パルスに
よる駆動が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発熱抵抗体の発熱
により発生するバブルの圧力によって、インク滴をノズ
ルから噴射し、記録を行なうインクジェット記録装置に
関するものであり、特に、異なる色、あるいは異なる濃
度のインクを噴射するノズルを有するインクジェット記
録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、高速記録が
可能であり、記録の際に発生する騒音がほとんどなく、
普通紙に直接印字でき、定着処理等を必要としないた
め、装置の小型化が図れるという点で商品化が進んでい
る。
【0003】インクジェット記録方式には、ノズルから
インク滴を噴射させる手段として、電気・機械変換素子
を用いて、入力信号に対するその機械的変形に伴う運動
によってインク滴を噴射する方式や、電気・熱変換素子
(発熱抵抗体)を用い、電圧パルスが印加されることに
より発熱抵抗体が発熱し、この発熱により発熱抵抗体上
で発生するバブルの圧力によってインク滴を噴射する、
いわゆるサーマルインクジェット方式がある。
【0004】図14は、従来のサーマルインクジェット
ヘッドの一例を示すもので、(A)図はチャンネル溝の
軸方向の垂直に切った断面図、(B)図は(A)図のB
−B’で切った平面図、(C)図はノズル側からみた正
面図である。図中、1はチャネル基板、2は発熱抵抗体
基板、3はチャネル溝、4は共通液室、5はノズル、6
は未エッチング部、7は発熱抵抗体、8は絶縁層、9は
厚膜絶縁層、10は第1の凹部、11は第2の凹部、1
2は隔壁、13はインク滴、14はインク供給口であ
る。図14には、特開平5−155020号公報に記載
されているサーマルインクジェットヘッドを一例として
示している。
【0005】チャネル基板1には、異方性エッチングに
よりチャネル溝3と共通液室4が形成され、チャネル溝
3の開口部がノズル5となっている。各チャネル溝3
は、ピッチPnの間隔で設けられており、隔壁12によ
って仕切られている。また、各チャネル溝3と共通液室
4との間には、未エッチング部6が存在する。共通液室
4はチャネル基板1を貫通するように形成され、貫通孔
がインク供給口14となっている。
【0006】発熱抵抗体基板2には、発熱抵抗体7が形
成され、発熱抵抗体7に駆動信号を供給するための図示
しない電極、保護膜等が形成される。また、発熱抵抗体
基板2には、絶縁層8、厚膜絶縁層9が形成されてい
る。発熱抵抗体7の上部の絶縁層8及び厚膜絶縁層9は
除去され、第1の凹部10が形成されている。また、チ
ャネル溝3と共通液室4を連通させるための第2の凹部
11が、厚膜絶縁層29に形成されている。これら2枚
の基板、すなわちチャネル基板1と発熱抵抗体基板2が
接合された後、個々のヘッドチップに切断分離され、サ
ーマルインクジェットヘッドが作製される。
【0007】インク供給口14から共通液室4に供給さ
れたインクは、厚膜絶縁層9に形成された第2の凹部1
1を経て、インク流路であるチャネル溝3に導かれ、発
熱抵抗体7の発熱により第1の凹部10に発生するバブ
ルの圧力によりノズル5からインク滴13となって被記
録媒体へと飛翔する。
【0008】図15は、従来のインクジェット記録ヘッ
ドの一例における発熱抵抗体周辺の詳細断面図、図16
は、同じく平面図である。図中、図14と同様な部分に
は同じ符号を付して説明を省略する。21は共通電極、
22は個別電極、23はTa層、24はSi3 4 層、
25は発熱領域、26は低抵抗部、27は第1のガラス
層、28は第2のガラス層、29はSiO2 層、30は
Si基板、31,32はスルーホールである。
【0009】Si基板30に蓄熱層となるSiO2 層2
9を積層後、発熱抵抗体としての多結晶シリコン層が積
層される。多結晶シリコンは抵抗値が高いので、発熱抵
抗体としての適当な抵抗値に下げる必要がある。さら
に、バブルを発生させる所定の場所においてのみ発熱す
るように、発熱領域25となる多結晶シリコン層以外の
領域、すなわち共通電極21および個別電極22に達す
るまでの電極となる多結晶シリコン層の部分の抵抗値を
下げて低抵抗部26を形成する必要がある。抵抗値を下
げる方法としては、不純物イオン(PやAs)を打ち込
む(インプランテーション)方法等が用いられている。
【0010】図16において、多結晶シリコンを積層後
パターニングして、多結晶シリコン層を形成する。そし
て、インプラテーションによって抵抗値を適当な値に下
げて発熱領域25を形成し、発熱領域25と共通電極2
1および個別電極22を接続するために、再度インプラ
ンテーションによって抵抗値が更に下げられ、低抵抗部
26を形成する。
【0011】次に、層間絶縁膜としての第1のガラス層
27が成膜される。この第1のガラス層27には、低抵
抗部26と共通電極21、個別電極22とを電気的に接
続するためのスルーホール31,32が形成される。そ
の後、発熱領域25上には絶縁層となるSi3 4 層2
4および金属保護層となるTa層23が形成される。ま
た、発熱領域25へ通電するため、Al層により共通電
極21および個別電極22がパターニングされる。この
とき、第1のガラス層27に形成されたスルーホール3
1,32を介して共通電極21、個別電極22が多結晶
シリコン層の低抵抗部26と接続する。そして、第2の
ガラス層28、絶縁層28、厚膜樹脂層29がこの順で
形成される。
【0012】このように作成されたサーマルインクジェ
ットヘッドにおいて、ノズルから噴射するインク滴の大
きさは、インクの物性とともに、発熱抵抗体のサイズ、
位置、流路の長さや幅といった、いわゆる流路パラメー
タによって決まる。従って、異なる色のインクを噴射す
る複数のインクジェットヘッドを用いてカラー画像を記
録するインクジェット記録装置や、濃度の異なるインク
を噴射する複数のインクジェット記録装置を用いて階調
を再現するインクジェット記録装置においては、それぞ
れのインクジェット記録ヘッドからそれぞれのインクに
必要な大きさのインク滴を噴射させるために、サーマル
インクジェットヘッドの流路パラメータを変える必要が
ある。
【0013】特開昭57−87960号公報には、縦置
きインクジェットヘッドにおいて、ノズルごとに受ける
インク圧力の違いによる噴射インク滴量の差を補正する
ために、発熱抵抗体の大きさを変えることが記載されて
いる。このように、インク滴の大きさを変える場合にお
いては、流路パラメータのうち発熱抵抗体の大きさを変
えることが最も効果的である。
【0014】しかしながら発熱抵抗体の大きさが異なる
と、発熱抵抗体上でバブルを発生させるために必要なエ
ネルギーや、発熱抵抗体の抵抗値が異なるので、インク
ジェットヘッドを駆動するための電圧パルスの電圧値や
パルス幅を変えなければならない。従って、それぞれの
ノズル(発熱抵抗体)やインクジェットヘッドに対応し
た電圧の高速な制御回路を設けたり、あるいは複数の電
圧を得るために電源を複数用意しなければならず、イン
クジェット記録装置のコストを上昇させてしまう。
【0015】電圧を同じにしたまま、電圧パルスのパル
ス幅を変える方法も考えられる。図5は、印加パルス幅
を変えたときの発熱抵抗体に印加した電圧と噴射するイ
ンク滴量の関係を示している。図中、41はフラットな
領域である。曲線a〜dは、それぞれ、パルス幅として
2.5μs,3μs,3.5μs,4μsとした場合を
示している。
【0016】曲線aや曲線bに示すように、比較的短い
パルス幅で印加した場合、噴射するインク滴量が印加電
圧に依存しないフラットな領域41を持つ。噴射するイ
ンク滴量が電源電圧の変動に影響を受けにくくするた
め、インクジェット記録装置の駆動電圧は、このフラッ
トな領域41に設定するのが好ましい。しかし、パルス
幅が長くなると、曲線cや曲線dに示されるように、噴
射するインク滴の大きさが電圧変動に対して影響を受け
ないフラットな領域41を持たなくなるため、電源電圧
が環境条件等によって変動した場合には、噴射するイン
ク滴の大きさが大きく変わってしまう可能性がある。
【0017】逆に、パルス幅が短くなりすぎると、バブ
ルが発生しなくなる。すなわち、発熱抵抗体上に形成さ
れる層は、バブル消滅時のキャビテーションダメージか
ら発熱抵抗体を保護するため、複数の層によって形成さ
れており、ある程度の厚みをもっている。この層の熱容
量のため、インクに接する面の温度変化が電圧パルスに
応答できなくなり、バブルを発生するために必要な温度
に達しなくなるので、バブルが発生せず、インク滴が噴
射しなくなる。このように、インク滴を安定して噴射す
るためには、最適なパルス幅によって駆動することが望
ましく、それぞれのインクジェットヘッドによってパル
ス幅を変えることは好ましくない。また、パルス幅の変
更によって駆動回路が複雑になるという問題もある。
【0018】さらに、インクジェット記録装置における
インクジェットヘッドの数を減らすために、1つのイン
クジェットヘッドを分割して複数のインクに割り当てる
ことも考えられている。この場合には、異なる大きさ、
幅の電圧パルスを1つのヘッド内の異なる色のインクに
相当する発熱抵抗体に供給するのは、配線数の増加や駆
動回路の構成上、なおさら好ましくない。
【0019】必要なエネルギーが異なる発熱抵抗体を、
同じ電圧パルス(電圧値、パルス幅)で駆動した場合に
は、以下の問題が生じる。すなわち、高いエネルギーを
必要とする発熱抵抗体にとって十分なようにパルス条件
を設定すると、低いエネルギーでよい発熱抵抗体にとっ
て、過剰なエネルギー条件となり、発熱抵抗体の寿命低
下や、噴射時のインクのコゲによる特性変化を加速する
ことになる。また、低いエネルギーでよい発熱抵抗体に
とって適当なパルス条件を設定すると、高いエネルギー
を必要とする発熱抵抗体にとっては、噴射するインク滴
量等が、電圧変動の影響を受けやすくなったり、長期噴
射時による発熱抵抗体上に付着するコゲ等により、イン
クが噴射しなくなる可能性がある。
【0020】一方、特開平3−224743号公報に
は、発熱領域よりもバブル発生領域を小さくする構成が
記載されている。後述するように、このバブル発生領域
を小さくすることによって、インク滴量を少なくするこ
とが可能であるが、この文献では単にキャビテーション
ダメージをなくすためにこのような構成を採用したもの
である。上述のような複数色あるいは複数濃度のインク
に対する適正なインク滴量を得ることについては、何等
記載されておらず、示唆もされていない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、異なる色あるいは異なる濃
度のインク滴を噴射するインクジェット記録装置におい
て、ノズルの電気的な駆動条件を同じにしながら、噴射
されるインク滴量を適正値とし、画質を向上させたイン
クジェット記録装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、複数色あるいは複数濃度ごとに1以上設けられたノ
ズルから発熱抵抗体の発熱によりインク滴を噴射して印
字を行なうインクジェット記録装置において、前記発熱
抵抗体は各色あるいは濃度に応じた発熱面積を有し、前
記発熱抵抗体の発熱領域の流路方向の長さをL、配列方
向の幅をWとしたとき、前記発熱面積が小さいほど前記
発熱領域のアスペクト比AR=L/Wを大きくしたこと
を特徴とするものである。
【0023】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のインクジェット記録装置において、前記複数色あるい
は前記複数濃度のノズルを複数のインクジェット記録ヘ
ッドに配置したことを特徴とするものである。
【0024】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
のインクジェット記録装置において、前記複数色あるい
は前記複数濃度のノズルを1つのインクジェット記録ヘ
ッド内に配置したことを特徴とするものである。
【0025】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
のインクジェット記録装置において、前記複数色あるい
は前記複数濃度のノズルを略同一の電気的条件で駆動す
る駆動手段を有することを特徴とするものである。
【0026】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
のインクジェット記録装置において、前記駆動手段は、
略同一の電圧およびパルス幅で前記ノズルを駆動するこ
とを特徴とするものである。
【0027】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、複数色あるい
は複数濃度ごとに、発熱抵抗体の発熱面積を設定した。
これにより、インクの物性等によって噴射するインク滴
量を変える必要がある場合に、発熱面積を設定すること
によって噴射するインク滴量を変えることができる。こ
のとき、発熱面積が小さいほど発熱領域のアスペクト比
を大きくすることによって、単位面積当たりの投入エネ
ルギー量を等しくすることができ、請求項4に記載の発
明のように、異なるインク滴量を噴射する発熱抵抗体に
対して略同一の電気的条件で、特に請求項5に記載の発
明のように略同一の電圧およびパルス幅で、ノズルを駆
動することが可能となる。
【0028】このような発泡面積を色や濃度によって設
定する構成は、例えば、請求項2に記載の発明のよう
に、複数色あるいは複数濃度のノズルが複数のインクジ
ェット記録ヘッドに配置された構成のインクジェット記
録装置に適用することができる。
【0029】あるいは、請求項3に記載の発明のよう
に、複数色あるいは前記複数濃度のノズルを1つのイン
クジェット記録ヘッド内に配置した構成のインクジェッ
ト記録装置に適用することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のインクジェット
記録装置の第1の実施例におけるインクジェット記録ヘ
ッドの一例の正面図、図2は、同じく発熱抵抗体付近の
一例の断面図、図3は、同じく発熱抵抗体付近の一例の
概略平面図である。図中、図14ないし図16と同様の
部分には同じ符号を付して説明を省略する。4c,4
m,4y,4kはそれぞれシアン,マゼンタ,イエロ
ー,黒用の共通液室、5c,5m,5y,5kはそれぞ
れシアン,マゼンタ,イエロー,黒用のノズル、15
a,15bは色間仕切壁、33はバブル発生領域であ
る。
【0031】この実施例では説明するインクジェット記
録装置は、2つのインクジェットヘッドを有している。
1つは、黒のインクを噴射するインクジェットヘッドA
であり、図1(A)に示されている。このインクジェッ
トヘッドAに配列されているノズル5kは全て黒インク
の噴射に用いられる。例えば、256個のノズルが30
0spiの解像度に対応するピッチ(Pn=84.5μ
m)で配列されるように構成することができる。
【0032】もう1つのインクジェットヘッドBは、イ
エロー,マゼンタ,シアンの3色のインクを噴射するヘ
ッドであり、図1(B)に構成が示されている。このイ
ンクジェットヘッドBは、各色ごとに3分割されてお
り、例えば、84個ずつのノズルを各色に割り当てる。
このとき、各色内のノズルのピッチは、インクジェット
ヘッドAと同様に例えば300spiの解像度に対応す
るピッチとすることができる。また、各色間には、色間
仕切壁15a,15bが設けられている。この部分は、
ノズルを設けない、あるいはインクを吐出しないノズル
を設け、隣接する色のインクによる混色などを防止して
いる。このような複数色一体型のインクジェットヘッド
は、例えば、特願平7−1267号等に記載されてい
る。
【0033】これら2つのインクジェットヘッドAおよ
びBにより、4つの色、すなわち黒,イエロー,マゼン
タ,シアンのインクを噴射することにより、カラー記録
が可能である。イエロー,マゼンタ,シアンのインクの
みでも黒の印字は可能であるので、インクジェットヘッ
ドAを用いずにカラー記録を行なうことも可能である。
その場合には、黒の発色性が低下する。ここでは、黒の
発色性の向上と、黒のみの印字が多い実状から、インク
ジェットヘッドAを設けている。また、1つのインクジ
ェットヘッドを4分割し、黒も1つのインクジェットヘ
ッドに含める構成としてもよい。もちろん、使用するイ
ンクの色は任意であるし、濃度の違うインクを用いるこ
とも可能である。
【0034】各ノズルにおけるチャンネル溝の軸方向の
垂直に切った断面は、例えば、上述の図14に示した構
成と同様であり、例えば、特開平5−155020号公
報に記載されたインクジェット記録ヘッド等、従来のイ
ンクジェットヘッドと同じ作製技術によって作製するこ
とができる。
【0035】それぞれのインクジェットヘッドで用いら
れるインクは、例えば、特開平4−325574号公報
や特開平5−140496号公報、特願平6−5835
6号に開示された組成を有するものを用いることができ
る。一般に、各色のインクは、その物性等によって、適
正なインク滴量が存在する。例えば、粘性が高いために
十分なインク滴量が吐出されなかったり、発色性が他の
色よりもよく、カラーバランスが崩れたりする場合も発
生する。従来のように、異なるインク間で同じ条件でイ
ンクを噴射させると、各色のインク滴量が適正値となら
ず、画質の向上は望めない。駆動パルスの電気的な条件
を変えることによってインク滴量を変化させることがで
きるが、上述のように好ましいことではない。
【0036】駆動パルスの条件を変えずにインク滴量を
変化させる方法の一つとして、発熱抵抗体の発熱領域2
5で発生する熱量のうちの一部をバブルの発生のために
用いないように構成する。すなわち、図2および図3に
示すように、この実施例では、絶縁層8、厚膜絶縁層9
によって、発熱領域25上の第1の凹部10を発熱領域
25よりも小さくする。すると、発熱領域25で発生し
た熱のうち、第1の凹部10の大きさに対応したバブル
発生領域33の分の熱がバブルの発生に寄与することに
なる。そのため、このバブル発生領域33の大きさを調
節することによって、インク滴量を調節することができ
る。
【0037】図4は、本発明のインクジェット記録装置
の第1の実施例におけるインクジェット記録ヘッドの発
熱抵抗体付近の別の例の断面図である。図中の符号は図
2と同様である。図2に示した例では、絶縁層8および
厚膜絶縁層9の両方によってバブル発生領域33の大き
さを規定する例を示したが、バブル発生領域33の大き
さを規定する方法としてはこれに限らない。例えば、図
4に示すように、絶縁層8のみによってバブル発生領域
33の大きさを規定するように構成してもよい。あるい
は、熱伝導性の低い別の膜を形成し、パターニングする
ことによって、バブル発生領域33の大きさを規定して
もよい。
【0038】以下、具体例を用いて説明する。図6は、
用いたインクの物性値と必要なインク滴量の具体例の説
明図である。図6では、黒、イエロー、マゼンタ、シア
ンの4色について、それぞれのインクの25℃における
粘度、表面張力と、適正なインク滴量の例を示してい
る。黒の適正なインク滴量が多いのは、濃度を上げるた
めと、黒単独で用いられることが多いことによる。他の
イエロー、マゼンタ、シアンでは、混合して多数の色を
再現することが多いため、黒よりも適正なインク滴量を
少なくしている。また、これら3色の間で適正なインク
滴量が相違するのは、インクの物性によるものである。
【0039】図7は、従来のインクジェットヘッドによ
る噴射インク滴量の具体例の説明図である。従来と同
様、インクジェットヘッドAとBの全ての発熱抵抗体の
発熱領域の大きさおよびバブル発生領域の大きさを、図
7にに示すように同じにした。ここで、黒インクだけ
は、適正なインク滴量が他の色に比べて多いので、チャ
ネル溝3の幅、すなわち三角形状のノズルの底辺の長さ
を変えている。このインクジェットヘッドAおよびB
を、電圧3.7V、パルス幅3μsの駆動パルスで噴射
した。その結果、実際に噴射されたインク滴量と、噴射
の際のインク速度を図7に示している。
【0040】黒インクは、チャネル幅を広くしているの
で、図7に示したように適正なインク滴量が得られた。
しかし、その他のインクについてはほぼ同じインク滴量
となり、図6に示した適正なインク滴量にはならなかっ
た。
【0041】黒以外の色のインクについて、さらにチャ
ネル幅を調節することで所望のインク滴量に近づけるこ
とができる。この場合、以下の点から望ましくない。チ
ャネル幅を小さくし過ぎると、図14に示した隔壁12
の部分が大きくなり、2枚の基板を接着するための接着
領域が大きくなり、チャネル基板と発熱抵抗体基板を圧
力をかけて接着したときに、接着剤のチャネル内へのは
み出し量が大きくなって、噴射方向性の悪化につなが
る。
【0042】また、発熱抵抗体の大きさが同じで、発生
するバブルの大きさ、圧力が同じ場合には、ノズルから
噴射するインク滴速度はインク物性や組成にも影響され
るが、チャネル幅、すなわちノズル幅が小さいほど早く
なる。図7に示したように、チャネル幅の小さい黒以外
の色のインクは、黒インクよりインク滴速度が早くなっ
ている。色間で噴射インク滴速度が異なると、キャリッ
ジの往復で印字を行なう場合、キャリッジの走査方向で
インク滴の着弾位置が異なってしまう。そのため、チャ
ネル幅を小さくし過ぎると、往復印字時に画質が劣化す
ることになる。
【0043】このように、噴射するインク滴量を少なく
する場合に、ノズル幅を小さくすることは好ましくな
い。そのため、上述のように、例えば、バブル発生面積
33を発熱領域よりも小さくすることによって、噴射イ
ンク滴量を少なくすることができる。図8は、バブル発
熱領域を変化させた具体例の説明図である。図7に示し
たように、バブル発生領域が発熱領域と等しい場合に
は、例えば、イエロー、マゼンタでは噴射インク滴量が
図6に示した適正なインク滴量よりも多かった。また、
噴射インク速度が黒に比べて速かった。そのため、噴射
インク速度を揃えるように、チャネル幅を広げ、画質の
向上を図っている。チャネル幅を広げることによってさ
らに噴射されるインク滴量は増加するが、その分も考慮
してバブル発生領域の面積を設定する。また、シアンに
ついても、図7に示した噴射インク滴量は適正なインク
滴量よりも少ないが、噴射インク速度が黒に比べて速い
ので、チャネル幅を広げ、それによって増加するインク
滴量も考慮してバブル発生領域の面積を設定する。図8
では、バブル発生領域の幅を、発熱領域の幅よりも狭く
して、バブル発生領域を発熱領域よりも小さくしてい
る。ここでは、バブル発生領域は、絶縁層8および厚膜
絶縁層9によって形成される第1の凹部10の大きさに
よって設定した。
【0044】図9は、バブル発生領域設定後の実際の噴
射インク滴量の具体例の説明図である。図8に示すよう
に、バブル発生領域を設定することによって、図9に示
すように、各色のインクとも、適正なインク滴量が噴射
され、さらに、噴射される際のインク速度もほぼ同じ速
さにすることができた。
【0045】この場合、発熱領域の大きさは等しいの
で、発熱抵抗体を駆動するパルスの電圧、幅が同じであ
れば、単位面積当たりのエネルギーは等しく、電気的な
条件は変わらない。すなわち、各色ごとに電気的な条件
を変更せずに、各色について適正なインク滴量を得るこ
とができた。
【0046】駆動パルスの条件を変えずにインク滴量を
変化させる別の方法について説明する。いま、発熱抵抗
体に投入される全エネルギーをE、発熱領域の面積を
S、駆動パルスの電圧値をV、パルス幅をt、発熱抵抗
体の発熱領域のシート抵抗値をRS 、発熱領域の電流方
向の長さをl、発熱領域の電流と垂直方向の幅をwとし
たとき、発熱抵抗体の単位面積当たりのエネルギー量△
Eは
【数1】 となる。
【0047】このように、発熱領域の単位面積当たりの
エネルギー量△Eは、電圧パルスの条件である駆動パル
スの電圧値Vとパルス幅tの他に、発熱領域の長さlと
発熱抵抗体に用いられる多結晶シリコン層の発熱領域で
のシート抵抗値RS に依存する。上述のように、例え
ば、単位面積当たりのエネルギー量△Eが多いと、発熱
抵抗体の劣化が激しく、逆に単位面積当たりのエネルギ
ー量△Eが少ないと、バブルの発生に影響する。そのた
め、単位面積当たりのエネルギー量△Eはほぼ同じとす
ることが望まれる。
【0048】上述の式より、異なる面積の発熱抵抗体に
電圧値Vとパルス幅tが同じ駆動パルスを印加し、単位
面積当たりのエネルギー量△Eを同じにするためには、
発熱抵抗体のシート抵抗値が同じ場合には、発熱領域の
流路方向の長さを同じにすればよい。一方、長さlとシ
ート抵抗RS の両方を変えることによっても、単位面積
当たりのエネルギー量△Eを一定にすることができる。
【0049】まず、発熱抵抗体のシート抵抗値が同じ場
合について説明する。この場合には、単位面積当たりの
エネルギー量△Eを等しくするため、発熱領域の長さを
同じにしたまま、発熱領域の面積を変化させればよい。
すなわち、発熱領域の幅を変化させればよい。ここで、
発熱領域の流路方向の長さをL、流路の配列方向の幅を
Wとしたとき、L/Wで規定される値をアスペクト比と
呼ぶ。発熱領域の幅を変化させることによって、アスペ
クト比が変化する。発熱領域の面積を小さくするほど、
発熱領域の幅Wが小さくなり、アスペクト比は大きくな
る。
【0050】発熱領域の面積を小さくしてアスペクト比
を大きくすると、単位面積当たりのエネルギー量△Eを
ほぼ一定としたことから、発熱領域全体での発熱量は少
なくなる。そのため、噴射されるインク滴量は減少す
る。
【0051】図10は、発熱領域の面積およびアスペク
ト比を変化させた具体例の説明図である。ここで、図6
に示す物性および適正インク滴量のインクを用いること
とする。図10に示したように、黒以外の色について、
図7に示す従来の場合に比べて発熱領域の幅を狭くして
面積を狭くし、アスペクト比を大きくしている。これに
より、インク滴量を減少させている。
【0052】実際には、発熱抵抗体の形状によって、発
熱領域内での熱分布や、平面方向の熱の拡散条件、さら
には共通電極や個別電極まで延びる多結晶シリコン層に
よる低抵抗部の抵抗値が異なるので、発熱領域の長さを
全く同じにはできない。また、上述したように、インク
滴が噴射する速度等、インク滴量以外の特性を、それぞ
れの色の間で揃えるために、発熱領域以外の流路パラメ
ータをさらに変えることもある。発熱領域の大きさ、形
状を決めるときは、これらの影響も加味しなければなら
ない。図10には、以上を考慮して決めたそれぞれのイ
ンクに対応する発熱領域の面積とアスペクト比、チャネ
ル幅を示している。また、図10には、単位面積当たり
のエネルギーを、黒のインクの場合を1をとした相対値
で示している。
【0053】図10に示すようにそれぞれのインクに対
応する発熱領域の面積とアスペクト比、チャネル幅を設
定することによって、図9に示した噴射インク滴量およ
び噴射インク速度を得ることができた。このように、図
10に示した例により、噴射インク滴量は適正な値にな
り、また噴射されるインク滴の速度も、各インク間でほ
ぼ揃った。
【0054】発熱領域の規定は、長さ方向は、多結晶シ
リコン層に低抵抗部を作るためのインプランテーション
の工程においてマスキングする領域を変えることで、ま
た、幅方向は、多結晶シリコン層の幅を変えることで実
現できる。
【0055】次に、印加する駆動パルスの条件が同じ
で、発熱抵抗体の長さlとシート抵抗RS の両方を変え
る場合について説明する。シート抵抗RS が異なる発熱
抵抗体は、作製プロセス上、同一のSiウェハ上に作製
することは困難である。したがって、図1(B)に示し
たように、1つのヘッドで3つの異なる色のインクを噴
射し、さらに噴射するインク滴量を変えるために発熱面
積をそれぞれ変える場合には適用は困難であるので、以
下に示す第2の実施例で説明する。
【0056】図11は、本発明のインクジェット記録装
置の第2の実施例におけるインクジェットヘッドの一例
の正面図である。図中、図1と同様の部分には同じ符号
を付して説明を省略する。4k1 ,4k2 は共通液室、
5k1 ,5k2 はノズルである。この実施例では、イン
クジェットヘッドAは、濃度の濃い黒インクk1 を噴射
するヘッドであり、インクジェットヘッドCは、濃度が
薄い黒インクk2 を噴射するヘッドである。濃度の異な
るインクを用いることにより、階調再現性を広くするこ
とができる。これら2つのインクは、それぞれ別のイン
クジェットヘッドA,Cから噴射される。各インクジェ
ットヘッドAおよびCでは、それぞれのインクを、全て
のノズルを用いて噴射する。
【0057】このように、各インクを別々のインクジェ
ットヘッドから噴射する構成においても、上述のバブル
発生領域を変化させたり、発熱領域の面積およびアスペ
クト比を変化させることによって、適正なインク滴量を
得ることができる。これらについては、第1の実施例と
同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0058】発熱抵抗体の長さlおよび発熱抵抗体のシ
ート抵抗RS を変えることにより、単位面積当たりのエ
ネルギーの量を同じにしつつ、適正なインク滴量を得る
場合について、具体例を用いて説明する。ここでは、適
正なインク滴量として、濃い黒インクk1 については図
6に示したように90plとし、薄い黒インクk2 に要
求される適正なインク滴量は60plであるものとす
る。
【0059】図12は、発熱抵抗体の発熱領域とシート
抵抗の具体例の説明図である。ここでは比較のため、発
熱領域のアスペクト比を保ったまま、発熱領域の長さl
を異ならせている。ここでは、薄い黒インクk2 の発熱
領域の長さを、濃い黒インクk1 の発熱領域の長さより
も小さくしている。
【0060】また、単位面積当たりのエネルギー量を一
定とするようにシート抵抗を決定している。このとき、
発熱領域の大きい濃い黒インクk1 の多結晶シリコン層
のシート抵抗は45Ω/□、発熱抵抗体面積の小さい薄
い黒インクk2 のシート抵抗は51Ω/□とした。これ
は、多結晶シリコン層に打ち込む不純物イオンの量を制
御することで実現できる。この例では、不純物としてP
イオンを用い、シート抵抗が45Ω/□の場合には1平
方センチメートル当たり6.75×1015、シート抵抗
が51Ω/□の場合には6.19×1015個のPイオン
を打ち込んだ。なお、共通電極および個別電極までの接
続を行なう低抵抗部では、さらにAsイオンを4.3×
1015個打ち込み、シート抵抗値をそれぞれ32.2Ω
/□、34.2Ω/□にした。このようにシート抵抗を
調整すれば、上述の式から明らかなように、同じ電圧パ
ルスによって単位面積当たりのエネルギー量を等しくす
ることができる。
【0061】図12に示すように、インクジェットヘッ
ドAとCのシート抵抗値および発熱領域の長さを設定す
ることによって、適正なインク滴量を得ることができ
た。このとき、駆動パルスの電圧およびパルス幅は2つ
のヘッドとも同じでよく、電源や駆動回路などを共通化
することができた。なお、図12に示した例では、噴射
するインクの速度をほぼ等しくするため、チャネル幅を
多少変えており、この分のインク滴量の増減も考慮して
いる。
【0062】シート抵抗を変えるためには、打ち込む不
純物イオンの量をインクジェットヘッドAとCで変える
必要がある。そのため、作製プロセスを分けなければな
らないが、インクジェットヘッドAとCの発熱抵抗体基
板を、別々のSiウェハ上に作製し、プロセスを別々に
すればよい。
【0063】上述の例では、イオン打ち込み量を制御す
ることでシート抵抗を変えたが、発熱抵抗体となる多結
晶シリコン層の膜厚を変えることによってもシート抵抗
を変えることができる。この場合、例えば、Pイオンの
打ち込み量を6.75×1015にしたまま、図12にお
ける発熱抵抗体5の多結晶シリコン層の厚みを発熱抵抗
体1の膜厚の約88%にすれば、所望のシート抵抗値が
得られる。具体的には、発熱抵抗体1の膜厚は1.20
μm、発熱抵抗体5の厚みを1.06μmにすればよ
い。しかし、この膜厚を変える作製方法は、上記イオン
の打ち込み量を変える場合より、多少、作製プロセスへ
の負荷が大きくなる。
【0064】上述の第2の実施例では、濃度の異なる2
つのインクについて、それぞれ別々のインクジェットヘ
ッドを用いる例を示したが、3つ以上のインクについ
て、それぞれのインクジェットヘッドを用いてもよい。
さらに、上述の第1の実施例のように、各色のインクを
用いる場合にも、各色ごとにインクジェットヘッドを用
いることができる。例えば、イエロー、マゼンタ、シア
ンの3色を用いるのであれば3つ、これらに黒を加えて
4つ、さらには濃度の違うインクを加えて5つ以上のイ
ンクジェットヘッドを用いる構成としてもよい。もちろ
ん、第1および第2の実施例において、使用するインク
の色および濃度は任意であり、それぞれの実施例に限ら
れるものではない。
【0065】図13は、複数のインクジェットヘッドの
配置例の説明図である。図中、51はインクジェットヘ
ッド、52はキャリッジである。複数のインクジェット
ヘッド51を例えばキャリッジ52に組み付ける際に
は、インクジェット記録装置の印字方法によって、図1
3(A)や(B)に示すように配置される。図13
(A)に示した例は、例えば、特開平5−185608
号公報などに記載されているものであり、インクジェッ
トヘッドのノズルの配列方向に、複数のインクジェット
ヘッド51を配列している。なお、この構成を1つのイ
ンクジェットヘッドで実現したものが、例えば、図1
(B)に示したような複数色一体型のインクジェットヘ
ッドである。
【0066】また、図13(B)に示すように、インク
ジェットヘッドのノズルの配列方向と直交する方向に、
複数のインクジェットヘッド51を配列した構成も用い
られる。例えば、図1(A)に示したインクジェットヘ
ッドAと、図1(B)に示したインクジェットヘッドB
とは、図13(B)に示すように配置することができ
る。
【0067】上述の第1および第2の実施例で説明した
ように、同じ駆動パルスによって各色や各濃度のインク
に最適なインク滴量を得るため、各色、各濃度ごとに、
バブル発生領域の大きさを変えたり、発熱領域の面積と
アスペクト比を変えたり、発熱領域の長さとシート抵抗
値を変えた。上述のように、これらはそれぞれがインク
滴量の設定に寄与するが、これらを組み合わせて適正な
インク滴量を得るように構成することができる。例え
ば、上述の第1の実施例におけるインクジェットヘッド
Bでは、発熱領域の面積とアスペクト比を調整するとと
もに、バブル発生領域の大きさを調整することによっ
て、使用するインクの物性に応じた適正なインク滴量を
得ることができる。また、第2の実施例におけるインク
ジェットヘッドAとCや、第1の実施例におけるインク
ジェットヘッドAとBのように、異なるヘッドについて
は、さらに発熱領域の長さとシート抵抗値を調節して、
適正なインク滴量を得るように構成することができる。
もちろん、他の組み合わせによって適正なインク滴量を
得るようにすることもできる。これらを設定する際に
は、上述したように、インク滴が噴射する速度等、イン
ク滴量以外の特性をも考慮して設定することによって、
さらに画質を向上させることが可能である。
【0068】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、異なる複数の色または複数の濃度のインク滴
を噴射するインクジェットヘッドにおいて、各色または
各濃度ごとに、発熱抵抗体の発熱面積を変えたので、噴
射するインク滴量をそれぞれの色または濃度に最適な値
に設定することができ、画質を向上させることができ
た。このとき、発熱面積が小さいほど発熱領域のアスペ
クト比を大きくしたので、単位面積当たりのエネルギー
をほぼ等しくすることができた。そのため、噴射するイ
ンク滴量が異なる場合においても、共通の電圧パルスを
用いて駆動することができるので、複数の電源を用いる
必要はなく、駆動回路も簡単になり、記録装置の大型化
やコスト増加を防ぐことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェット記録装置の第1の実
施例におけるインクジェット記録ヘッドの一例の正面図
である。
【図2】 本発明のインクジェット記録装置の第1の実
施例における発熱抵抗体付近の一例の断面図である。
【図3】 本発明のインクジェット記録装置の第1の実
施例における発熱抵抗体付近の一例の概略平面図であ
る。
【図4】 本発明のインクジェット記録装置の第1の実
施例におけるインクジェット記録ヘッドの発熱抵抗体付
近の別の例の断面図である。
【図5】 印加パルス幅を変えたときの発熱抵抗体に印
加した電圧と噴射するインク滴量の関係を示している。
【図6】 用いたインクの物性値と必要なインク滴量の
具体例の説明図である。
【図7】 従来のインクジェットヘッドによる噴射イン
ク滴量の具体例の説明図である。
【図8】 バブル発熱領域を変化させた具体例の説明図
である。
【図9】 バブル発生領域設定後の実際の噴射インク滴
量の具体例の説明図である。
【図10】 発熱領域の面積およびアスペクト比を変化
させた具体例の説明図である。
【図11】 本発明のインクジェット記録装置の第2の
実施例におけるインクジェットヘッドの一例の正面図で
ある。
【図12】 発熱抵抗体の発熱領域とシート抵抗の具体
例の説明図である。
【図13】 複数のインクジェットヘッドの配置例の説
明図である。
【図14】 従来のサーマルインクジェットヘッドの一
例を示すもので、(A)図はチャンネル溝の軸方向の垂
直に切った断面図、(B)図は(A)図のB−B’で切
った平面図、(C)図はノズル側からみた正面図であ
る。
【図15】 従来のインクジェット記録ヘッドの一例に
おける発熱抵抗体周辺の詳細断面図である。
【図16】 従来のインクジェット記録ヘッドの一例に
おける発熱抵抗体周辺の平面図である。
【符号の説明】
1…チャネル基板、2…発熱抵抗体基板、3…チャネル
溝、4,4c,4m,4y,4k…共通液室、5,5
c,5m,5y,5k…ノズル、6…未エッチング部、
7…発熱抵抗体、8…絶縁層、9…厚膜絶縁層、10…
第1の凹部、11…第2の凹部、12…隔壁、13…イ
ンク滴、14…インク供給口、15a,15b…色間仕
切壁、21…共通電極、22…個別電極、23…Ta
層、24…Si3 4 層、25…発熱領域、26…低抵
抗部、27…第1のガラス層、28…第2のガラス層、
29…SiO2 層、30…Si基板、31,32…スル
ーホール、33…バブル発生領域、41…フラットな領
域、51…インクジェットヘッド、52…キャリッジ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数色あるいは複数濃度ごとに1以上設
    けられたノズルから発熱抵抗体の発熱によりインク滴を
    噴射して印字を行なうインクジェット記録装置におい
    て、前記発熱抵抗体は各色あるいは濃度に応じた発熱面
    積を有し、前記発熱抵抗体の発熱領域の流路方向の長さ
    をL、配列方向の幅をWとしたとき、前記発熱面積が小
    さいほど前記発熱領域のアスペクト比AR=L/Wを大
    きくしたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記複数色あるいは前記複数濃度のノズ
    ルを複数のインクジェット記録ヘッドに配置したことを
    特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記複数色あるいは前記複数濃度のノズ
    ルを1つのインクジェット記録ヘッド内に配置したこと
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装
    置。
  4. 【請求項4】 前記複数色あるいは前記複数濃度のノズ
    ルを略同一の電気的条件で駆動する駆動手段を有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装
    置。
  5. 【請求項5】 前記駆動手段は、略同一の電圧およびパ
    ルス幅で前記ノズルを駆動することを特徴とする請求項
    4に記載のインクジェット記録装置。
JP20446495A 1995-08-10 1995-08-10 インクジェット記録装置 Pending JPH0952363A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20446495A JPH0952363A (ja) 1995-08-10 1995-08-10 インクジェット記録装置
US08/692,481 US6022098A (en) 1995-08-10 1996-08-06 Ink-jet recorder
EP96112790A EP0758585A3 (en) 1995-08-10 1996-08-08 Ink jet recorder
TW085109673A TW305806B (ja) 1995-08-10 1996-08-09

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20446495A JPH0952363A (ja) 1995-08-10 1995-08-10 インクジェット記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0952363A true JPH0952363A (ja) 1997-02-25

Family

ID=16490975

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20446495A Pending JPH0952363A (ja) 1995-08-10 1995-08-10 インクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0952363A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0934829B1 (en) Ink jet recording method
KR100977645B1 (ko) 액체 토출 헤드
US6126277A (en) Non-kogating, low turn on energy thin film structure for very low drop volume thermal ink jet pens
US8876242B2 (en) Liquid ejection head
US5144341A (en) Thermal ink jet drivers device design/layout
US9216575B2 (en) Recording-element substrate and liquid ejection apparatus
US6805432B1 (en) Fluid ejecting device with fluid feed slot
EP3050707A2 (en) Element substrate and liquid ejection head
JPH0911463A (ja) インクジェット記録装置、インクジェット記録装置の駆動装置、インクジェット記録方法
US6022098A (en) Ink-jet recorder
US6137506A (en) Ink jet recording head with a plurality of orifice plates
JPH0952361A (ja) インクジェット記録装置
JPH0952363A (ja) インクジェット記録装置
JPH0952362A (ja) インクジェット記録装置
JP3127646B2 (ja) インクジェット記録装置
US6231165B1 (en) Inkjet recording head and inkjet apparatus provided with the same
JP3127663B2 (ja) インクジェット記録装置および記録方法
JP2001180015A (ja) インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録ヘッド
JPH0820110A (ja) サーマルインクジェットプリンタ
JPH11198387A (ja) インクジェット記録ヘッドの製造方法
JP2001219563A (ja) インクジェットヘッド、およびインクジェットヘッドの駆動方法
JP2000141663A (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出方法及び液体吐出装置
JP2004009744A (ja) インクジェットプリントヘッドおよび記録方法
JPH06316075A (ja) サーマルインクジェット・プリントヘッド
JPH06155747A (ja) インクジェット記録ヘッド及び該インクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置、インクジェット記録ヘッドの製造方法