JPH06155747A - インクジェット記録ヘッド及び該インクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置、インクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及び該インクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置、インクジェット記録ヘッドの製造方法

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JPH06155747A
JPH06155747A JP21756593A JP21756593A JPH06155747A JP H06155747 A JPH06155747 A JP H06155747A JP 21756593 A JP21756593 A JP 21756593A JP 21756593 A JP21756593 A JP 21756593A JP H06155747 A JPH06155747 A JP H06155747A
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Minoru Nozawa
実 野沢
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電極の配線抵抗や電位勾配等を小さくし、高
密度のフルマルチ化を図る。 【構成】 第1の基板25上に、選択的にインクを吐出
させて飛翔的液滴を形成するための熱エネルギーを発生
する、電気熱変換体(不図示)15の一部である複数の
発熱抵抗部(不図示)が設けられている。電気熱変換体
15上には、複数の発熱抵抗部にそれぞれ個別に接続さ
れる複数の個別電極(不図示)と、前記複数の発熱抵抗
部に接続された第1の共通電極18とが設けられてい
る。第2の基板24の、第1の基板25と対向する面に
は第2の共通電極23が広範囲に設けられ、この第2の
共通電極23は、電気良導体からなりかつ等間隔に配設
された複数の接続部材171で第1の共通電極18に対
してほぼ均一に電気的に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録方式
に用いる、インク滴を発生するためのインクジェット記
録ヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、記録時にお
ける騒音の発生が無視し得る程度に極めて小さく、かつ
高速記録が可能であり、しかも、所謂普通紙に定着とい
う特別な処理を必要とせずに記録を行なえる点において
最近関心を集めている。
【0003】その中でも例えば特開昭54−51837
号公報、ドイツ公開(DOLS)第2843064号公
報に記載されてあるインクジェット記録方式は、熱エネ
ルギーを液体に作用させて、液体噴射のための原動力を
得るという点において、他の液体噴射記録方式とは、異
なる特徴を有している。
【0004】すなわち、上記の公報に開示されている記
録方式では、熱エネルギーの作用を受けた記録液が急峻
な体積の増大を伴う状態変化を起こし、その状態変化に
基づく作用力によって、記録ヘッド先端の吐出口から液
体が吐出され、飛翔的液滴が形成されて、その液滴を被
記録部材に付着させることにより記録が行なわれる。
【0005】殊に、DOLS第2843064号公報に
開示されているインクジェット記録方式は、所謂drop o
n demand記録法に極めて有効に適用されるばかりでな
く、記録ヘッド部をfull line タイプで高密度マルチオ
リフィス化された記録ヘッドとして容易に具現化できる
ので、高解像度、高品質の画像を高速で得られるという
特徴を有している。
【0006】ところで、このような高密度マルチオリフ
ィス化された記録ヘッドの特徴を最大限に活用する道と
して、例えば、A4版紙を記録ヘッドを走査することな
く記録することが可能な所謂固定式一体型フルマルチヘ
ッドの具現化を挙げることができる。
【0007】このようなフルマルチヘッドの代表的な構
成を図8及び9に示す。なお、図8はフルマルチヘッド
の全体斜視図、図9は吐出口近傍の拡大斜視図である。
【0008】このフルマルチヘッドに形成される吐出口
14は、A4版短手方向208mm幅に1mm当たり1
6個の割合で全部で3328個設けられている。
【0009】1はSi等からなるヒーターボードであ
り、この上面には前記吐出口に対応して吐出エネルギー
発生素子15を有する。電気熱変換体及びこれに電力を
供給するための電極配線(不図示)が設けられている。
2はガラスまたは金属等からなる天板であり、切削また
はエッチング等により、インク等の記録液(以下インク
という)を導入するためのインク導入口9、及び導入さ
れたインクを貯留すると共に各インク流路に連通する共
通液室用の凹部が天板に形成されている。
【0010】ここで、各インク流路はヒーターボード1
の吐出エネルギー発生素子に対応して固体層に形成され
ている。天板2は固体層上に接着され、ヒーターボード
1はベースプレート5に接着固定されている。ヒーター
ボード1の電気的接続パッドはフレキシブル基板3の電
気的接続パッドと位置合わせされ、フレキシブル基板3
後方のコネクタ4により装置と電気的に接続される。
【0011】次に、いま上述の記録方式に用いられる記
録ヘッドにおける従来の発熱抵抗体及び電極の構成の2
例を図10及び図11にそれぞれ示す。
【0012】これらの図において、101は発熱抵抗
体、102は個別電極、103は共通電極である。そこ
で、これらのような構成によってA4版の短手方向20
8mm幅に1mm当たり16ノズルの記録ヘッドを同一
基板上に作成しようとすると、ノズルの数が208×1
6=3328本にものぼり発熱抵抗体101及びその両
側の電極の数も同数必要となる。また、その個別電極1
02や共通電極103が導体の薄膜を同一プロセスで成
膜する工程によって得られるため、例えばAlで電極を
形成するとき5000×10-7mmの膜厚ではそのシー
ト抵抗が0.07Ω/mm2 となる。
【0013】図10に示すような電極構成とした場合、
上述のような高密度配線を行なうと、1組の電気熱変換
体当たりの幅は約60mmとなり個別電極102の幅が
小さくなることから、配線抵抗が100Ω以上となり電
気的な損失が非常に大きい。しかも、Al膜を208m
m幅にわたって、無欠陥に均一に製造することは高度の
製造技術を要する。
【0014】そこで、個別電極の幅を確保するために図
11に示すような電極構成が採られることもある。しか
しながら、図11に示すような電極構成の配線抵抗は、
図10に示すものに比べ半分となるが、共通電極103
が薄膜状でしかも208mmにも及ぶため、その両端側
の抵抗を小さくしなければ電位勾配が生じてしまう。薄
膜プロセスで電極を形成する以上、電極の面積を広げた
いがノズルの構成等からそれは困難である。
【0015】そこで、特開昭62−264961号では
共通電極の面積を確保するために、電気熱変換体が形成
されている基板の裏面に共通電極を引き出す構成を採っ
ている。しかしながら、この構成は基板の両面に薄膜が
形成されることになるため、製造工程が複雑となるばか
りか、電極の依頼性もあまり高いものとはいえなかっ
た。特に電極の配まわし部においてこの問題が顕著であ
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の構成では特に、高密度のマルチオリフィス化を図るに
は、その電極の配線形態に起因して、配線抵抗や電気勾
配が大きいという問題点があった。
【0017】そこで、本発明者は、上述の問題点を解消
するため鋭意研究をして本発明に至った。
【0018】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、配線抵抗や電位勾配等を小さくし、高密度フル
マルチ化を図ることができるインクジェット記録ヘッド
及び該インクジェット記録ヘッドを備えたインクジェッ
ト記録装置、インクジェット記録ヘッドの製造方法を提
供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】そして、上記目的を達成
するための本発明は、液体を吐出するためのエネルギー
を発生するエネルギー発生素子を具備する第1の基板と
第2の基板を接合することにより液流路を形成するイン
クジェット記録ヘッドにおいて、前記エネルギー発生素
子に電気的に接続される個別電極を前記第1の基板に、
前記エネルギー発生素子に電気的に接続される共通電極
を前記第2の基板にそれぞれ具備することを特徴とし、
このインクジェット記録ヘッドを具備するインクジェッ
ト記録装置も本発明に属する。
【0020】また、前記インクジェット記録ヘッドの前
記第2の基板が導電性の材料であり、該基板自体が共通
電極となっているものや、このインクジェット記録ヘッ
ドにおいて、前記第2の基板がエネルギー発生素子と電
気的に接続する部分以外は非導電性材料で覆われている
ものでもよい。
【0021】さらに、上記各インクジェット記録装置の
いづれかにおいて、前記エネルギー発生素子が電気熱変
換体であるものや、前記エネルギー発生素子が積層圧電
素子であるものでもよい。
【0022】また、上記目的を達成するための本発明
は、液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネル
ギー発生素子を具備する第1の基板と第2の基板を接合
することにより液流路を形成するインクジェット記録ヘ
ッドの製造方法において、前記エネルギー発生素子に電
気的に接続される個別電極を前記第1の基板に、前記エ
ネルギー発生素子に電気的に接続される共通電極を前記
第2の基板にそれぞれ具備することを特徴とする。
【0023】
【作用】上記の構成より本発明のインクジェット記録ヘ
ッドは、複数の発熱抵抗部に接続される電極のうち、一
方は、個別電極であり、他方は共通電極であるので、第
1の基板上の電極密度を発熱抵抗部の配設密度と同等に
保つことができることから、個別電極の幅を大きく設定
でき、配線抵抗が著しく低減される。
【0024】また、複数の発熱抵抗部に接続される電極
のうち、一方の電極を第1の共通電電極とし、第2の基
板に、複数の接続部材で第1の共通電極に電気的にほぼ
均一に接続される第2の共通電極を広範囲に設けたの
で、第2の共通電極から各発熱抵抗部までの電位勾配は
小さくなる。
【0025】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
説明する。
【0026】まず、インクジェット記録装置の全体構成
について図1を参照して説明する。
【0027】図1は、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドの一実施例を備えたインクジェット記録装置の概略斜
視図であり、フルカラー記録が可能なライン型のインク
ジェット記録ヘッドを複数個(図示の例では4個)備え
たインクジェット記録装置の場合を示す。
【0028】図1に示すように、符号201及び202
は、用紙やプラスチック薄板等の被記録材203を挟持
し、矢印Fで示す副走査方向(搬送方向)に被記録材2
03を搬送(紙送り)するためのローラ対である。20
4B、204Y、204M、204Cは、それぞれ、被
記録材204のほぼ全幅にわたって吐出口が配列された
フルマルチタイプのインクジェット記録ヘッド(インク
ジェット記録手段)である。なお、以下の説明では、こ
れらの記録ヘッドの任意の一つまたは全体を指す場合に
は、単に記録ヘッド(記録手段)204を示すことにす
る。
【0029】フルカラー記録の場合、上記4個の記録ヘ
ッド204から吐出されるインク色として、例えば、ブ
ラック、イエロー、マゼンタ、シアンが用いられ、図示
の例では、4個のインクジェット記録ヘッド204が被
記録材搬送方向上流側から(図示下から)この順序で配
置されている。206は各記録ヘッド204のインク吐
出不良を防ぐための回復系であり、吐出回復動作(処
理)のときには、各記録ヘッド204と被記録材203
との間へ移動して被記録材203に代わって前記各記録
ヘッド204に対面し、記録ヘッド204の回復動作
(回復処理)を行なう。また、前記各インクジェット記
録ヘッド204は、ヘッド装着部207に、相互位置関
係を規制されて装着されている。以上により、本発明を
適用したインクジェット記録装置、すなわち、インクジ
ェット記録ヘッド204を装着するためのヘッド装着部
207と、前記ヘッド装着部7に装着された記録ヘッド
204の記録位置へ被記録材203を搬送するための搬
送手段201,202と、を有するインクジェット記録
装置が構成されている。
【0030】次に、インクジェット記録ヘッド204に
ついて説明する。
【0031】図9に示したように、インクジェット記録
ヘッド204には、列状に設けられた複数個の吐出口1
4から記録液を吐出させるために、印加電圧が供給され
る熱エネルギーを発生させる電気熱変換体15が各液路
毎に配設されている。そして駆動信号を印加することに
よって、前記電気熱変換体15に熱エネルギーを発生せ
しめて膜沸騰を生じインク液路内に気泡を形成する。そ
してこの気泡の成長によって前記吐出口14からインク
滴を吐出させる。
【0032】図2は、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドの一実施例の一部を破断した斜視図である。図3は図
2に示したインクジェット記録ヘッドのA−A線断面図
である。なお、図2及び図3においては、後述する複数
の接続部材や第2の基板側の保護膜は図示されていな
い。
【0033】図2及び図3に示すように、ガラス、シリ
コンウェハー等からなる第1の基板25の一面には、櫛
形のエネルギー発生手段としての電気熱変換体15が配
設されており、電気熱変換体15の一面に、この電気熱
変換体15を露出するように所定の一部を欠落させた個
別電極19が順に積層されている。また、電気熱変換体
15の一面には、個別電極19に接続された第1の共通
電極18が積層されている。電気熱変換体15の複数の
露出した部分は発熱抵抗部151 となっている。そし
て、第1の基板25の一面には、絶縁酸化物からなる保
護膜26が積層され、この保護膜26の表面には、吐出
口14側の一端から他端に向かって、電気熱変換体15
までを覆う耐キャビテーション性を向上するための金属
膜27が積層されている。
【0034】第1の基板25の上方に第2の基板24が
第1の基板25と平行に設けられており、金属膜27と
凸に形成された面域を覆うようにノズル形成部材16が
第2の基板25と第1の基板24に挟持されている。こ
のノズル形成部材16は各ノズル壁間における露出され
た各発熱抵抗部151 に対応する空間が液路21となる
ように配設している。
【0035】ここで、各吐出口14からインクが吐出さ
れるときの動作について説明すると、不図示の液室に供
給されて一時的に貯えられたインクは毛細管現象により
液路21に侵入し、吐出口14でメニスカスを形成して
前記液流路を満たした状態を保つ。このとき、個別電極
19及び第1の共通電極18を介して発熱抵抗部15 1
が通電されて発熱すると、その発熱抵抗部151 上のイ
ンクが急激に加熱されて液路21内に気泡が発生し、こ
の気泡の膨張により吐出口14からインクが吐出され
る。
【0036】次に、インクジェット記録ヘッドの特徴と
する構造について説明する。図4は本発明のインクジェ
ット記録ヘッドの特徴を表す横断面図(図5のC−C線
断面図)であり、図5は図4のB−B線断面図である。
【0037】図4及び図5に示すように、第1の基板2
5上に、電気熱変換体15の一部である発熱抵抗部15
1 〜15n が所定の間隔をおいて並設され、電気熱変換
体15上には、HFB2 からなる該複数の発熱抵抗部1
1 〜15n にそれぞれ個別に電気信号を供給するAl
で形成された個別電極191 〜19n と、複数の発熱抵
抗部151 〜15n に対して共通に接続されたAlから
なる第1の共通電極18とが設けられている。第1の共
通電極18の、後述する複数の接続部材171〜17n/2
との接続部以外の部位は、SiO2 やポリイミド等の
保護膜26により記録液に対して電気的に絶縁されてい
る。ノズル形成部材16は、複数の液路21と、複数の
吐出口141 〜14n と、各液路21に接続された共通
液室20を形成するものであり、このノズル形成部材1
6は、樹脂等の電気絶縁体であることが好ましい。第2
の基板(天板)24の、第1の基板25と対向する面の
全域にはAl等からなる第2の共通電極23が設けられ
ており、この第2の共通電極23は、電気良導体からな
りかつ等間隔に配設された複数の接続部材171 〜17
n/2 により第1の共通電極18と電気的に接続されてい
る。本実施例では、複数の接続部材171 〜17n/2
同一の方法により形成された第3の共通電極22と第2
の共通電極23を電気的に接続することにより、第3の
共通電極22と、ドライバーICやプリント基板等の駆
動部(不図示)との接続がワイヤボンディング等により
容易な形態となっている。当然のことながら、第3の共
通電極22と複数の個別電極191 〜19n は前記保護
膜26により絶縁されている。
【0038】次に、上述したインクジェット記録ヘッド
の製造方法について説明する。
【0039】A4版の短手方向208mm幅に1mm当
たり16ノズルの記録ヘッドを同一基板上に構成するに
は、まず、第1の基板25上に複数の発熱抵抗部(HF
2)151 〜15n を、電気熱変換体15に複数の個
別電極(Al)191 〜19 n と第1の共通電極(A
l)18とを、成膜やフォトリソエッチング技術により
形成する。次いで、保護膜(SiO2 )26を成膜やフ
ォトリソエッチング技術により、各個別電極191 〜1
n と第1の共通電極18を含む第1の基板25のほぼ
全域に形成する。ここで、接続部材171 〜17n/2
形成する部分や各個別電極191 〜19n の端子部(不
図示)には保護膜26が被覆されていない。
【0040】次に、メッキ法により、数十μm程度の高
さの接続部材(Al)171 〜17 n/2 を第1の共通電
極18上に形成する。第1の基板25に、共通液室20
や複数の液路21の型材となるポジ型液体レジストをス
ピンナー、ロールコータ等の方法により塗布し、フォト
リソ技術によりパターニングすることにより、共通液室
20や複数の液路21を有するノズル形成部材16を形
成する。ここで、ポジ型液体レジストの厚さを複数の接
続部材171 〜17n/2 の高さよりも低くする必要があ
る。
【0041】そして、第2の共通電極23と第3の共通
電極22が形成された第2の基板24と、第1の基板2
5とを積層した後に、第1の基板25とノズル形成部材
16との間に硬化性樹脂を注入し、硬化性樹脂を硬化さ
せる。硬化性樹脂の硬化収縮により、複数の接続部材1
1 〜17n/2 と第2の共通電極23及び第2の共通電
極23と第3の共通電極22は互いに圧着される。本実
施例のインクジェット記録ヘッドでは、各液路21がノ
ズル形成部材16によって第2の基板24に連通しない
構造であるため、第2の基板24側には保護膜を形成す
る必要はない。
【0042】上述の構造では、第3の共通電極22が設
けられているので、複数の個別電極191 〜19n と不
図示の駆動部との実装密度を従来の半分にすることがで
きる。また、第1の共通電極18を、第2の基板24の
広い領域に設けられた第2の共通電極と複数の接続部材
171 〜17n/2 を介してほぼ均一に短絡するため、配
線抵抗を極端に小さくすることができ、電位勾配の問題
がなくなる。
【0043】第2の基板そのものを導体で形成してもよ
く、この場合、ディピング等の手段により第2の基板の
表面に絶縁膜を形成し、複数の接続部材や第3の共通電
極と接する部分は、フォトリソエッチング技術により絶
縁膜を取り除く必要がある。
【0044】また、ノズル形成部材として紫外線硬化型
樹脂を用いる場合には、第2の基板としては、ガラス等
の透明な材料が好ましく、第2の共通電極としては透明
電極が好ましく、その材質はIn23 ・SnO2 やB
23 /Au/Bi23等が適している。
【0045】図6及び図7は他の実施例であり、図6は
エネルギー発生素子が電気熱変換体、図7はエネルギー
発生素子が積層圧電素子となっている。どちらも第2の
基板24が導電性材料、具体的にはNi等の金属で形成
されており、この第2の基板24に直接、電気熱変換体
もしくは圧電素子31が電気的に接続されているもので
ある。このように第2の基板24自体を共通電極とする
ことによって、配線抵抗をさらに低くすることが可能で
あり、電力損失を低減することができるため、小型のイ
ンクジェット記録装置に適用することが好ましい。な
お、第2の基板24が導電性材料の場合、接続部以外は
非導電性材料30で覆われていることが電触防止のため
に好ましい。
【0046】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でもキャノン株式会社が提唱する、熱エネルギーを利
用してインクを吐出する方式の記録ヘッド、インクジェ
ット記録装置において、優れた効果をもたらすものであ
る。
【0047】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体(イ
ンク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形
状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明
細書、同第4345262号明細書に記載されているよ
うなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇
率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に
記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を
行なうことができる。
【0048】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含ま
れるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対し
て、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構
成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネ
ルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構
成を開示する特開昭59−138461号公報に基づい
た構成においても本発明は有効である。
【0049】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満
たす構成や一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよいが、本発明は、上述した効果を
一層有効に発揮することができる。
【0050】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0051】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対しての加圧手段、電気熱変換体あるいは
これとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによ
る予備加熱手段等を行なうことも安定した記録を行なう
ために有効である。
【0052】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極
めて有効である。
【0053】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化もしくは液体あるい
は上述のインクジェットではインク自体を30℃以上7
0℃以下の範囲内で温度調整を行なってインクの粘性を
安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的で
あるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすも
のであればよい。加えて、積極的に熱エネルギーによる
昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエ
ネルギーとして使用せしめることで防止するか、または
インクの蒸発防止を目的として放置状態で固化するイン
クを用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録
信号に応じた付与によってインクが液化してインク液状
として吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既
に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって
初めて液化する性質のインクの使用も本発明では適用可
能である。このような場合インクは、特開昭54−56
847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に
記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液
状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体
に対して対向するような形態としてもよい。本発明にお
いては、上述した各インクに対して最も有効なものは、
上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0054】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたもののほか、記録色や濃度を異にする複
数のインクに対応して複数個数設けられるものであって
もよい。
【0055】さらに加えて、本発明のインクジェット記
録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器
の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と
組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するフ
ァクシミリ装置の形態を採るものであってもよい。
【0056】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおりに構成さ
れているので、第1の共通電極を第2の基板の広い領域
に設けられた第2の共通電極とほぼ均一に短絡するた
め、配線抵抗を充分に小さくすることができ、電位勾配
の問題がなくなるという効果を奏する。その結果、フル
マルチインクジェット記録ヘッドを具現化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの一実施例
を備えたインクジェット記録装置の概略斜視図である。
【図2】本発明のインクジェット記録ヘッドの一実施例
の一部を破断した斜視図である。
【図3】図2に示したインクジェット記録ヘッドのA−
A線断面図である。
【図4】本発明のインクジェット記録ヘッドの特徴を表
す横断面図(図5のC−C線断面図)である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】本発明のインクジェット記録装置の他の実施例
の断面図である。
【図7】本発明のインクジェット記録装置のさらに他の
実施例の断面図である。
【図8】フルマルチヘッドの全体斜視図である。
【図9】吐出口近傍の拡大斜視図である。
【図10】従来のインクジェット記録ヘッドにおける発
熱抵抗体及び電極の構成を示す図である。
【図11】他の従来のインクジェット記録ヘッドにおけ
る発熱抵抗体及び電極の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 ヒーターボード 2 天板 3 フレキシブル基板 4 コネクタ 5 ベースプレート 9 インク導入口 14,141〜14n 吐出口 15 電気熱変換体 151〜15n 発熱抵抗部 16 ノズル形成部材 171〜17n/2 接続部材 18 第1の共通電極 191〜19n,102 個別電極 20 共通液室 21 流路 22 第3の共通電極 23 第2の共通電極 24 第2の基板(天板) 25 第1の基板 26 保護膜 27 金属膜 30 非導電性材料 101 発熱抵抗体 103 共通電極 201,202 搬送手段 203 被記録材 204 インクジェット記録ヘッド 206 回復系 207 ヘッド装着部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吐出するためのエネルギーを発生
    するエネルギー発生素子を具備する第1の基板と第2の
    基板を接合することにより液流路を形成するインクジェ
    ット記録ヘッドにおいて、 前記エネルギー発生素子に電気的に接続される個別電極
    を前記第1の基板に、前記エネルギー発生素子に電気的
    に接続される共通電極を前記第2の基板にそれぞれ具備
    することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記第2の基板が導電性の材料であり、
    該基板自体が共通電極となっている請求項1記載のイン
    クジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記第2の基板がエネルギー発生素子と
    電気的に接続する部分以外は非導電性材料で覆われてい
    る請求項2記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記エネルギー発生素子が電気熱変換体
    である請求項1または2記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 前記エネルギー発生素子が積層圧電素子
    である請求項1または2記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のインクジェット記録ヘッ
    ドを具備するインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 液体を吐出するためのエネルギーを発生
    するエネルギー発生素子を具備する第1の基板と第2の
    基板を接合することにより液流路を形成するインクジェ
    ット記録ヘッドの製造方法において、 前記エネルギー発生素子に電気的に接続される個別電極
    を前記第1の基板に、前記エネルギー発生素子に電気的
    に接続される共通電極を前記第2の基板にそれぞれ具備
    することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造
    方法。
JP21756593A 1992-09-01 1993-09-01 インクジェット記録ヘッド及び該インクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置、インクジェット記録ヘッドの製造方法 Pending JPH06155747A (ja)

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