JPH0952282A - 真空成形用型とそれを用いた真空成形方法 - Google Patents

真空成形用型とそれを用いた真空成形方法

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JPH0952282A
JPH0952282A JP20477995A JP20477995A JPH0952282A JP H0952282 A JPH0952282 A JP H0952282A JP 20477995 A JP20477995 A JP 20477995A JP 20477995 A JP20477995 A JP 20477995A JP H0952282 A JPH0952282 A JP H0952282A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンダーカットを有する樹脂成形品を、割型
なしに、成形する真空成形用型を提供する。 【解決手段】 この成形用型を用いた真空成形方法は、
熱可塑性樹脂シート1を加熱するシート加熱工程と、通
気性芯材3とシリコンゴム2とを嵌合し、アンダーカッ
ト成形用型部2bを形成する型形成工程と、上記型形成
工程で形成した成形用型8の上面に熱可塑性樹脂シート
1を覆い、この熱可塑性樹脂シート1と成形用型8との
間の空間を気密にする気密工程と、熱可塑性樹脂シート
1と成形用型8との間の空間中の空気を外部に吸引し、
この吸引と同時に熱可塑性シート1の成形用型8への密
着によりアンダーカット部を形成する脱気工程と、脱気
終了後、通気性芯材3とシリコンゴム2とを離間する一
次脱型工程と、アンダーカット部を形成してでき上がっ
た樹脂成形品からシリコンゴム2を抜き取る二次脱型工
程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンダーカットを
有する樹脂成形品の真空成形用型とそれを用いた真空成
形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アンダーカットを有する樹脂
成形品を形成する場合、成形用型により成形した成形品
を切削加工により後加工する方法が一般的である。しか
し、この方法は、後加工が必要であるため、製品の製造
コストが高くなるという問題がある。
【0003】一般に、アンダーカットを有する樹脂成形
品を割型で成形する方法は知られている。このアンダー
カットを有する樹脂成形品を割型を用いて成形すると、
割型により成形された成形品の外周に型の割線が発生す
るため、この型の割線を後加工にて切削除去し、仕上加
工する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アン
ダーカットを有する樹脂成形品を、割型なしに、成形可
能な真空成形用型を提供することにある。本発明の他の
目的は、アンダーカットを有する樹脂成形品を、後加工
なしに、成形可能な、アンダーカットを有する樹脂成形
品の真空成形方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
真空成形用型は、アンダーカットを有する樹脂成形品を
製造するための真空成形用型であって、形状が容易に変
形可能な通気性を有する通気性外型と、この通気性外型
と嵌合する通気性芯材とからなり、前記通気性外型がア
ンダーカット成形用型部を形成することを特徴とする。
【0006】本発明の請求項2記載の真空成形用型は、
請求項1記載の真空成形用型において、前記通気性芯材
が定板部と芯材部からなり、前記芯材部にて前記通気性
外型と嵌合することを特徴とする。本発明の請求項3記
載の真空成形用型は、請求項1記載の真空成形用型にお
いて、前記通気性外型は凹状部を有し、前記通気性芯材
は前記凹状部に嵌合する凸状部を有することを特徴とす
る。
【0007】本発明の請求項4記載の真空成形用型は、
請求項1、2または3記載の真空成形用型において、前
記通気性外型は、シリコンゴムからなることを特徴とす
る。本発明の請求項5記載の真空成形用型は、請求項
1、2または3記載の真空成形用型において、前記通気
性芯材は、焼結金属または多孔質セラミックスからなる
ことを特徴とする。
【0008】本発明の請求項6記載のアンダーカットを
有する樹脂成形品の真空成形方法は、熱可塑性樹脂シー
トを加熱するシート加熱工程と、請求項1記載の通気性
芯材と通気性外型とを嵌合し、アンダーカット成形用型
部を形成する型形成工程と、上記型形成工程で形成した
型の上面に熱可塑性樹脂シートを覆い、この熱可塑性樹
脂シートと上記型との間の空間を気密にする気密工程
と、前記熱可塑性樹脂シートと前記型との間の空間中の
気体を外部に吸引し、この吸引と同時に熱可塑性樹脂シ
ートの前記型への密着によりアンダーカット部を形成す
る脱気工程と、脱気終了後、前記通気性芯材と前記通気
性外型とを離間する一次脱型工程と、前記アンダーカッ
ト部を形成してでき上がった樹脂成形品から前記通気性
外型を抜き取る二次脱型工程とを含むことを特徴とす
る。
【0009】本発明の請求項7記載のアンダーカットを
有する樹脂成形品の真空成形方法は、請求項6記載の樹
脂性成形品の真空成形方法において、前記二次脱型工程
は、前記樹脂成形品と前記通気性外型との間に気体を供
給した後、前記通気性外型から前記樹脂成形品を離型す
ることを特徴とする。
【0010】
【作用及び発明の効果】請求項1記載の真空成形用型に
よると、アンダーカットを有する樹脂成形品を割型なし
に、真空成形することができるため、型成形後の後加工
なしに、アンダーカットを有する樹脂成形品を製造する
ことができる。型合わせ時、通気性を有する通気性外型
と、同じく通気性を有する通気性芯材とを嵌合すると、
型合せ部において、アンダーカット成形用型部を容易に
形成できる。脱型時には、通気性外型と通気性芯材との
嵌合を解除し、次いで、通気性外型から樹脂成形品の抜
き取りを容易に行える。これにより、アンダーカットを
有する樹脂成形品を後加工なしに成形することができ
る。
【0011】請求項2記載の真空成形用型によると、脱
気工程において、定板部の内部を通して脱気することが
でき、また、熱可塑性樹脂シートが通気性外型にたわむ
ことなく密着させることができる。請求項3記載の真空
成形用型によると、通気性外型が凹状部を有するため、
通気性外型と通気性芯材との嵌合を解除した後の脱型
時、凹状の通気性外型が容易に形状変形し、通気性外型
から樹脂成形品の抜き取りを容易に行える。
【0012】請求項4記載の真空成形用型によると、通
気性外型としてのシリコンゴムはその材質の特性上酸素
ガスよりも大きな孔を有しているため、この孔を通して
酸素ガスを透過させることができる。このため、脱型
時、酸素ガスを樹脂成形材料とシリコンゴムの間に供給
する。これによってアンダーカット形状によって樹脂と
シリコンゴムからなる外型の吸着力をやぶることができ
る。その後シリコンゴムを吸引してやれば容易に形状変
形し、シリコンゴムを樹脂成形品から容易に離型するこ
とができる。
【0013】請求項5記載の真空成形用型によると、前
記通気性芯材が焼結金属または多孔質セラミックスから
なるため、真空引き時に型内部を低圧にし、この低圧環
境を通気性外型の内部に伝達し、通気性外型の外形面に
沿って樹脂成形材料を型成形する。また、離型時、通気
性芯材を通気性外型から容易に離脱でき、その後に、通
気性外型と樹脂成形品との離型を容易に行わせる。仮
に、通気性芯材と通気性外型との嵌合を保ったままであ
ると、成形用型が収縮し難いので、離型が困難になるか
らである。
【0014】請求項6記載の真空成形方法によると、脱
型時、通気性外型と通気性芯材との嵌合を解除する一次
脱型工程と、その後通気性外型を形状変形させる二次脱
型工程とにより、アンダーカット成形用型部から樹脂成
形品の抜き取りが段階的に容易に行える。これにより、
アンダーカットを有する樹脂成形品を後加工なしに成形
することができる。
【0015】請求項7記載のアンダーカットを有する樹
脂成形品の真空成形方法によると、、前記二次脱型工程
において、前記樹脂成形品と前記通気性外型との間に気
体を供給した後、通気性外型から樹脂成形品を離型すれ
ば、通気性外型に樹脂成形品が吸着することなくまた樹
脂成形品に比べ通気性外型が容易に形状変形するため、
通気性外型から樹脂成形品を容易に型抜きすることがで
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。本発明は、自動車の車室内に搭載する
変速機操作用シフトレバーのノブ部を被覆する樹脂成形
品に適用した実施例について説明する。このシフトレバ
ーのノブは、三次曲面をもち、このノブの上に被覆され
るカバーの一つとして、アンダーカット部を有する樹脂
成形品がある。このアンダーカットを有する樹脂成形品
の製造工程を順次説明する。
【0017】まず、アンダーカット部を有する樹脂成形
品を成形する真空成形装置に使用する主な構成部品を図
1に示す。この真空成形装置に用いる構成要素として
は、熱可塑性樹脂シート1、通気性外型としてのシリコ
ンゴム2および通気性芯材3ならびに図示しない真空ポ
ンプ、図2に示す加熱装置としての遠赤外ランプ6など
からなる。図10において、(A)に示す熱可塑性樹脂
シート1が樹脂成形品の材料であり、(B)に示す5
は、真空成形方法により成形されたアンダーカットを有
する樹脂成形品を示している。
【0018】熱可塑性樹脂シート1は、真空脱気時に気
密を保持する時に使用するシートであり、また樹脂成形
品の材料となる。通気性外型としてのシリコンゴム2
は、その材質の特性から酸素ガスを通すが窒素ガスは透
過し難い。従って、シリコンゴム2は、選択された特定
ガス例えば酸素ガスのみを透過し、選択されないガスを
通さないという選択通気性を有する。このシリコンゴム
2は、成形品を型成形する型面2aとなる部分を外周に
有する。シリコンゴム2の一部には、図10(B)に示
すように成形品5のアンダーカット部5aを形成するた
めのアンダーカット成形用型部2bが形成されている。
【0019】通気性芯材3は、焼結金属、多孔質セラミ
ックス等の多孔質材からなり、基台となる定板部3a
と、シリコンゴム2の嵌合凹部2cと嵌り合う被嵌合凸
部としての芯材部3bとからなり、この定板部3aと芯
材部3bが一体に形成されている。ここで嵌合凹部2c
は特許請求範囲に記載の凹状部に相当し、芯材部3bは
特許請求範囲に記載の凸状部に相当している。この通気
性芯材3は、図1に示す矢印A方向に定板部3aの下方
へ真空引きすることにより芯材部3b、シリコンゴム2
を通してその上側に密着する熱可塑性樹脂シート1をシ
リコンゴム2aに密着させて樹脂成形品の型成形の保型
を行う。
【0020】以下、製造工程を順次説明する。 (1) シート加熱工程 まず図2に示すように、熱可塑性樹脂シート1を加熱装
置としての遠赤外線ランプ6により加熱し、熱可塑性樹
脂シート1を柔軟にする。図2において、熱可塑性樹脂
シート1は、熱変形温度以上に加熱する。
【0021】(2) 型形成工程 次に、図3に示すように成形用型を作るために通気性芯
材3の芯材部3bにシリコンゴム2の嵌合凹部2cを嵌
合することにより成形用型を作成する。 (3) 気密工程 次に、図4に示すように、図3に示す成形用型8の上に
熱可塑性樹脂シート1を覆い被せ、樹脂シート1の下面
の四方を定板部3aに密着し、定板部3aの上面と熱可
塑性樹脂シート1の下面との間で気密空間を作る。
【0022】(4) 脱気工程 次に、図5および図6に示すように、矢印方向に真空ポ
ンプにより真空に引く。すると熱可塑性樹脂シート1
は、図4に示す状態から図5に示すように、シリコンゴ
ム2と通気性芯材3の定板部3aと芯材部3bを介して
脱気され、次第に定板部3aの上面およびシリコンゴム
2の型面2aに密着し、さらに図6に示すように定板部
3aの上面とシリコンゴム2の型面2aならびにアンダ
ーカット成形用型部2bに完全に密着する。このよう
に、熱可塑性樹脂シート1と成形用型8を構成するシリ
コンゴム2と定板部3aとが密着し、そのまま冷却さ
れ、アンダーカット成形用型部2bにたまった空気も抜
け出て、熱可塑性樹脂シート1はアンダーカットのある
成形品としての形状を保つ。このようにして熱可塑性樹
脂シート1が冷却されると共に熱可塑性を喪失し、熱可
塑性樹脂シート1の低温化によりアンダーカット部をも
つ樹脂成形品5に固形化される。これにより成形を終了
する。
【0023】(5) 一次脱型工程 次に型抜を行う。図7に示すように、通気性芯材3の芯
材部3bからシリコンゴム2の嵌合凹部2cを離脱す
る。すると、シリコンゴム2と熱可塑性樹脂シート1を
そのまま残し、シリコンゴム2から通気性芯材3を離間
することができる。
【0024】(6) 二次脱型工程 次に、シリコンゴム2を樹脂成形品5から脱型する。こ
の状態では、シリコンゴム2はアンダーカット形状を有
しており、シリコンゴム2と樹脂成形品5の間は大気開
放されていないため、樹脂成形品5からシリコンゴム2
を容易に脱型することはできない。そのため、図8
(A)に示すように、外部からシリコンゴム2中に空気
を供給すると、シリコンゴム2中の孔を酸素ガスが通過
し、図8(B)に示すように、シリコンゴム2と樹脂成
形品5の間に酸素ガスが侵入する。すると、シリコンゴ
ム2と樹脂成形品5との間の吸着力をやぶることができ
る。この後、シリコンゴム2の内部を吸引すれば、図9
に示すように、シリコンゴム2の型が芯材部を抜かれた
部分にへこみ、変形してアンダーカット成形用型部2b
より離れ、樹脂成形品5のみを取り出すことができる。
この樹脂成形品5は、図10(B)に示すような形状で
ある。この樹脂成形品5は、アンダーカット部5aを有
している。
【0025】以上(1) から(6) の工程を順次踏むことに
よりアンダーカットを有する樹脂成形品5を型割するこ
となしに成形することが可能となる。したがって、後工
程を不要とし、真空成形工程のみでアンダーカットを有
する成形品を製作することができる。上記真空成形法に
よるアンダーカットを有する樹脂成形品の成形品として
は、例えば自動車のオートマチックシフトレバーのノブ
のような三次元をもつ部分のカバー部品がある。このよ
うなカバー部品を上記真空成形法により極めて単純な工
程で後工程なしに、真空成形することができる。したが
って、低コストに、アンダーカットを有する樹脂成形品
を成形することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で用いた真空成形装置の各部
品を示す説明図である。
【図2】真空成形法の製造工程を示す説明図である。
【図3】真空成形法の製造工程を示す説明図である。
【図4】真空成形法の製造工程を示す説明図である。
【図5】真空成形法の製造工程を示す説明図である。
【図6】真空成形法の製造工程を示す説明図である。
【図7】真空成形法の製造工程を示す説明図である。
【図8】真空成形法の製造工程を示す説明図である。
【図9】真空成形法の製造工程を示す説明図である。
【図10】真空成形法の製造工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 熱可塑性樹脂シート 2 シリコンゴム(通気性外型) 2a 型面 2b アンダーカット成形用型部 2c 嵌合凹部(凹状部) 3 通気性芯材 3a 定板部 3b 芯材部(凸状部) 5 樹脂成形品 5a アンダーカット部 6 遠赤外線ランプ(加熱装置) 8 成形用型

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンダーカットを有する樹脂成形品を製
    造するための真空成形用型であって、 形状が容易に変形可能な通気性を有する通気性外型と、
    この通気性外型と嵌合する通気性芯材とからなり、 前記通気性外型がアンダーカット成形用型部を形成する
    ことを特徴とする真空成形用型。
  2. 【請求項2】 前記通気性芯材が定板部と芯材部からな
    り、前記芯材部にて前記通気性外型と嵌合することを特
    徴とする請求項1記載の真空成形用型。
  3. 【請求項3】 前記通気性外型は凹状部を有し、前記通
    気性芯材は前記凹状部に嵌合する凸状部を有することを
    特徴とする請求項1記載の真空成形用型。
  4. 【請求項4】 前記通気性外型は、シリコンゴムからな
    ることを特徴とする請求項1、2または3記載の真空成
    形用型。
  5. 【請求項5】 前記通気性芯材は、焼結金属または多孔
    質セラミックスからなることを特徴とする請求項1、2
    または3記載の真空成形用型。
  6. 【請求項6】 アンダーカットを有する樹脂成形品の真
    空成形方法であって、 熱可塑性樹脂シートを加熱するシート加熱工程と、 請求項1に記載の前記通気性芯材と前記通気性外型とを
    嵌合し、アンダーカット成形用型部を形成する型形成工
    程と、 上記型形成工程で形成した型の上面に熱可塑性樹脂シー
    トを覆い、この熱可塑性樹脂シートと上記型との間の空
    間を気密にする気密工程と、 前記熱可塑性樹脂シートと前記型との間の空間中の気体
    を外部に吸引し、この吸引と同時に熱可塑性樹脂シート
    の前記型への密着によりアンダーカット部を形成する脱
    気工程と、 脱気終了後、前記通気性芯材と前記通気性外型とを離間
    する一次脱型工程と、 前記アンダーカット部を形成してでき上がった樹脂成形
    品から前記通気性外型を抜き取る二次脱型工程とを含む
    ことを特徴とするアンダーカットを有する樹脂性成形品
    の真空成形方法。
  7. 【請求項7】 前記二次脱型工程は、前記樹脂成形品と
    前記通気性外型の間に気体を供給した後、前記通気性外
    型から前記樹脂成形品を離型することを特徴とする請求
    項6記載のアンダーカットを有する樹脂成形品の真空成
    形方法。
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