JP4337120B2 - 真空成形方法および真空成形型 - Google Patents

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Description

本発明は真空成形方法およびそれに用いられる真空成形型に係り、特に、成形品の凸状箇所における厚みを一定に確保できる真空成形方法およびそれに用いられる真空成形型に関する。
熱可塑性樹脂製などのシート状の素材を成形する際には、一般に真空成形方法が用いられている。この方法では、以下説明するように一つの型を用いたり、雄雌の一対の型を用いたりしている。
以下、一つの型で真空成形を行う従前の方法を説明する。
図5は一つの型で真空成形を行う従来の方法を説明する概略説明図で、(a)〜(c)は各工程での概略断面図である。
先ず、シート状の素材10の両端部をクランパー11で保持して素材10を熱変形温度域に加熱して軟化させ、図5(a)に示すように、素材10の下に型12を配置する。次に、図5(b)に示すように型12を矢印aの方向に上昇させて、型12の凸部12aに素材10を当接させる。そして、図5(c)に示すように、型12に設けられた図示しない空気孔を介して素材10と型12との間の空気を抜き、すなわち、矢印bの示す方向に空気抜きを行い、素材10を型面に密着させて、素材10を型面形状に成形する。
図6(a)は、図5(b)の状態での型12の凸部12a近傍の断面図、(b)は図6(a)の状態で空気抜きを行って成形途中の状態での型12の凸部12a近傍の断面図、(c)は図5(c)の状態、すなわち成形が終了した状態での型12の凸部12a近傍の断面図である。
この一連の工程において、型12を上昇させて型12の凸部12aに素材10を当接させると、図6(a)に示すように、当接した素材10の箇所は延びており、当接箇所近傍の素材10は薄くなっている。さらに、矢印bの方向に空気抜きを行うと、図6(b)および(c)に示すように、凸部12aへの当接箇所近傍の素材10は益々薄くなる。
そこで、特許文献1および2に開示されているように、基材となるフォーム層が表皮材と一体に積層形成された積層材を用い、積層材の端部をクランプで挟持させて積層材を引張支持して加熱軟化処理後、真空成形型の中央が相対的に高く起伏した型面に、積層材を接触させて真空引きを行う際に、全体として均一の厚みの成形品を得ようとしている。特許文献1および2では、中央が膨出するように成形しようとしている。
特許文献1では、積層材を真空成形型に組み付ける際、積層材の中央寄り成形面が真空成形型の中央寄り型面に接触すると、クランプを真空成形型の側部方向に近接移動させて引張力を緩和させつつ、積層材の中央寄り成形面から端部寄り成形面を真空成形型の型面に組み付けるようにしている。
特許文献2では、積層材を真空成形型の型面に接触する際、中央寄り成形面が真空成形型の中央寄り型面に接触させる方向の所定位置まで、積層材の端部寄り成形面を突き上げて支持し、積層材の端部寄り成形面の突き上げを解除して積層材の成形面全面を真空成形型の型面に接触させるようにしている。
次に、雄雌の一対の型で真空成形を行う従前の方法を説明する。
図7は一対の型で真空成形を行う従来の方法を説明する概略説明図で、(a)〜(d)は各工程での概略断面図である。
先ず、シート状の素材10の両端をクランパー11で保持して素材10を熱変形温度域に加熱して軟化させ、図7(a)に示すように、素材10の下に雄型13を配置し素材10の上に雌型14を配置する。次に、図7(b)に示すように、雄型13を矢印cの方向に上昇させて、雄型13の凸部13aに素材10を当接させる。そして、図7(c)に示すように、雌型14を矢印dの方向に下降させて、素材10を雄型13と雌型14とで挟む。その後、図7(d)に示すように、雌型14に設けられた図示しない空気孔を介して雌型14と素材10との間の空気を抜き、すなわち、矢印eの示す方向に空気を抜きつつ雌型14を矢印dの方向に移動させて、素材10を雌型14の型面に吸引させて、型面形状に素材10を成形する。
図8(a)は、図7(b)の状態での雄型13の凸部13a近傍の断面図、(b)は図7(c)の状態での雄型13の凸部13a近傍の断面図、(c)は図7(d)の状態での雄型13の凸部13a近傍の断面図である。
この一連の工程において、雄型13を上昇させて雄型13の凸部13aに素材10を当接させると、図8(a)に示すように、凸部13aが当接した箇所近傍の素材10は延びており、当接箇所の厚みは薄くなっている。そして、雌型14とで素材10を挟むようにすると、図8(b)に示すように、雄型13の凸部13aに当接した箇所はさらに延ばされる。その後、雌型14を下降させて矢印eの方向に空気抜きを行うと、図8(c)に示すように益々当接箇所の素材10は極端に薄くなる。
また、一対の型でアンダーカット部のある形状を成形する方法として、特許文献3に下記の点が開示されている。一対の型として、アンダーカット部を持つ雌型と、上記アンダーカット部に対応する位置に上記アンダーカット部に向かって突出するスライドコアを持つ雄型とを用い、次の第1〜第3の成形工程を経て絞り形状を形成することで、表皮部の絞り部分で肉厚を極端に薄くしないようにしている。
この技術では、先ず、第1成形工程として、加熱軟化したシート状素材を挟持して、一対の型を組み合わせて型締めを行って上記シート状素材の一部を成形する。次に、第2成形工程として、雄型のスライドコアを突出させることにより、シート状素材の所定部分、すなわち絞り形状となる部分を、雌型のアンダーカット部の型面に向かって強制的に押圧してアンダーカット部の型面に沿って延伸させる。そして第3成形工程として、雌型の型面に向かってシート状素材を吸引することで、雌型の型面に沿ってシート状素材を成形する。つまり、第2成形工程では、第3成形工程で真空成形される前に、雌型のアンダーカット部の型面に沿って予備成形されている。
また、表皮素材を移動させて真空成形させる技術として、特許文献4には、表皮素材の保持を一種類の保持手段で行い、部分的に表皮素材を移動させる量を制御して真空成形を行う技術が開示されている。
特開平06−198728号公報 特開平06−198730号公報 特開平05−169524号公報 特開平06−23834号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているように、図5のクランパーに対応するクランプを移動させても、個々の型の凹凸によりクランプの移動量は異なり、クランプの制御を個別に行う必要がある。また、中央が膨出するように成形する場合には、特許文献2に開示されているように、積層材の端部寄り成形面を中央寄り成形面が真空成形型の中央寄り面に接触させる方向の所定位置まで突き上げて支持することで、積層材の厚さを一定にすることは可能であるものの、図5に示したように、断面視で両サイドが突出して中央が平坦面である場合には、同様な手段を適用しても、成形品の厚みを均一化することはできない。また、図7に示したように、一対の型で真空成形を行う場合にも、成形品の厚みは一定とならない。
以上の方法で成形して製品を完成しても、成形品の剛性が悪いため触感が悪く、製品としては品質不良となる。
さらには、成形品の凸部に所定の肉厚を確保するために、試行錯誤して成形手順を構築しても、型毎に多大な時間と労力を費やすことになり、コスト増加となる。
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、コスト増加をまねくことなく、厚みを確保して端部が凸状となるように容易に成形できる真空成形方法およびこれに用いられる真空成形型を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の真空成形方法は、両端部を凸部とし該凸部同士の間に押出コアを出没可能に配置している雄型と、雄型に対向する型面から突出しかつ雄型の凸部側に移動しつつ没入できるスライドコアを配設している雌型との間に、シート状の素材を挟んで成形する真空成形方法であって、上記押出コアを雄型の平坦面から突出させながら雄型を上記素材側に移動させて、凸部に素材を当接させる工程と、スライドコアを雌型の平坦面から突出させながら雌型を素材側に移動させるとともに押出コアを雄型内に没入させる工程と、スライドコアを素材に当接させた状態で雄型の凸部側に移動させ、雌型を介して素材を雌型の型面に吸引する工程と、を経て、素材の両端の厚みを確保して素材の両端部を凸状に成形することを特徴とする。
この構成により、押出コアを突出させることで、成形品の凸状箇所における厚みを事前に確保し凸状箇所での素材が薄くなることを事前に防止でき、さらに、素材の内スライドコアが当接した面を雄型の凸部に移動させることで、厚みを確保して凸状に素材を成形することができる。
また、本発明の真空成形方法は、両端部を凸部とし該凸部同士の間に押出コアを出没可能に配置している雄型と、雄型に対向する型面から突出しかつ雄型の凸部側に移動しつつ没入できるスライドコアを配設している雌型との間に、シート状の素材を挟んで成形する真空成形方法であって、押出コアを雄型の平坦面から突出させながら雄型を素材側に移動させて、凸部に素材を当接させる工程と、スライドコアを雌型の平坦面から突出させながら雌型を素材側に移動させるとともに押出コアを雄型内に没入させる工程と、スライドコアを素材に当接させた状態で雄型の凸部側に移動させ、雄型を介して素材を雄型の型面に吸引する工程と、を経て、素材の両端の厚みを確保して素材の両端部を凸状に成形することを特徴とする。
この構成により、押出コアを突出させることで、成形品の凸状箇所における厚みを事前に確保し凸状箇所での素材が薄くなることを事前に防止でき、さらに、素材の内スライドコアが当接した面を雄型の凸部に移動させることで、厚みを確保して凸状に素材を成形することができる。
一方、本発明の真空成形型は、シート状の素材を成形する一対の真空成形型において、両端部を凸部とし該凸部同士の間に押出コアを出没可能に配設している雄型と、雄型に対向する型面から突出しかつ雄型の凸部側に移動しつつ没入できるスライドコアを配設している雌型とから構成されていることを特徴とする。この構成により、押出コアの出没とスライドコアの雄型の凸部側への移動とで、成形品の凸状箇所における素材を薄くしないで素材を成形することができる。
好ましくは、雄型には凹みが形成されており、該凹みに、押出コアを移動させるシリンダーと、シリンダーに挿通されたロッドとを備え、押出コアがロッドの先端にシリンダーを覆うように固着されている。この好ましい構成により、押出コアを容易に出没でき、成形品の凸状箇所における厚みを事前に確保できる。
好ましくは、前記雌型には凹みが形成されており、該凹みに、雄型側が平坦面のスライダーと、傾斜して配置されているストッパー付のロッドと、ロッドに挿通されている弾性体とからなるスライドコアが配置される。この好ましい構成により、スライドコアのスライダーを容易に雄型の凸部側に移動させることができ、成形品の凸状箇所でシワが生じたり、厚みが薄くなることを防止することができる。
本発明における真空成形方法では、雄型の押出コアを突出させつつ雄型を素材側に移動させて、雄型の凸部に素材を当接させる工程を採ることによって、事前に成形品の凸状箇所での素材の伸びを防止できる。また、雌型のスライドコアを突出させながら雌型を素材側に移動させるとともに押出コアを雄型内に没入させる工程により、スライドコアを素材に当接させつつ素材を雄型の凸部側に移動させることができる。さらに、スライドコアを素材に当接させた状態で雄型の両端の凸部側に移動させつつ、素材を雌型、雄型の何れかの型面に吸引する工程によって、成形品の凸状箇所での素材の伸びを防止できる。以上の各工程を経ることで、シート状の素材の両端の厚みを確保して凸状に成形することができる。よって、コスト増加をまねることなく、厚みを確保して端部が凸状となるように素材を容易に成形できる。
一方、本発明の真空成形型では、両端を凸部とし該凸部同士の間に押出コアを出没可能に配設している雄型と、雄型に対向する型面から突出しかつ雄型の凸部側に移動しつつ没入できるスライドコアを配設した雌型とから構成されていることにより、押出コアを出没させることとスライドコアを雄型の凸部側へ移動することができるので、成形品の凸状箇所における素材を薄くしないで素材を成形できる。ここで、雄型に凹みを形成し、この凹みに、押出コアを移動させるシリンダーと、シリンダーに挿通されたロッドとを備え、押出コアがロッドの先端にシリンダーを覆うように固着されていることで、容易に押出コアを出没できる。また、雌型に形成されている凹みに、スライドコア、すなわち、雄型側が平坦面のスライダーと、傾斜して配置されているストッパー付きのロッドと、ロッドに挿通されている弾性体とを配置することで、スライドコアのスライダーを容易に雄型の凸部側に移動させることができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
(第1の実施形態)
第1の形態として、一対の型を用いて真空成形を行う方法を説明する。
図1は第1の形態である真空成形方法を説明するための概略説明図で、(a)〜(d)は各工程の断面図である。図2(a)〜(c)はそれぞれ図1(b)〜(d)での雄型1の凸部1aおよび雌型2の凹部2a近傍の拡大断面図である。図1および図2には、用いる一対の真空成形型も同時に示している。
第1の形態では、雄型1と雌型2との間にシート状の素材10を挟んで型締めして、雌型の型面にシート状の素材10を吸引させることで、素材10を成形する場合を示している。なお、シート状の素材10およびクランパー11については従前と同様であるので、同一の符号を用いることにする。
雌型2の型面は、素材10に施したい形状となっている。ここで、施したい形状とは、断面視で、中央部が平坦となっているが、両端部が尖鋭した凸状となっている。よって、雌型2の型面では、断面視で、中央部が平坦となり両端部は対応した凹部2aとなっている。また、雌型2の型面中央には複数の凹み2b(図2参照)が形成されており、凹み2bには、両端部側にスライドしつつ凹み2b内に没入できるように複数のスライドコア2cが配設されている。
一方、雄型1の型面は、雌型2の型面に対応するように、断面視で上部中央が平坦となっており両端部が例えば尖端部のような凸部1aを形成している。また、雄型1の上部には凹み1bが形成されており、凹み1bには押出コア1cが出没可能に挿入されている。押出コア1cは、雄型1に内蔵された後述の上下動手段で型の対向する平坦面1dから突出するとともに雄型1内に没入可能になっている。
ここで、具体的な雄型1および雌型2を、図2(a)を参照して説明する。
雄型1の上部、すなわち雌型2側の凸部1aの内側は、凹み1bを形成した平坦面1dとなっている。凹み1b内にはシリンダー1eが配置されており、シリンダー1eにはロッド1fが挿通されている。ロッド1fの先端にシリンダー1eを覆うように押出コア1cが固着されている。前述の上下動手段は、シリンダー1eとロッド1fとで構成されている。
一方、雌型2の下部内側、すなわち雄型1側の凹部2aの内側は、凹み2bを形成した平坦面2dとなっている。凹み2b内には、スライドコア2cが配置されている。スライドコア2cは、雄型1側が平坦面のスライダー2eと、傾斜して配置されたストッパー2f付きのロッド2gと、コイルバネなどの押縮する弾性体2hとで構成されている。すなわち、スライダー2eに形成された挿入孔にロッド2gが挿通され、弾性体2hに対するスライダー2eの係合面2e1と凹み2bの内面2b1とに当接するように弾性体2hがロッド2gに挿通されている。これで、スライダー2eに上向きの力が作用した場合に、弾性体2hが圧縮されてスライダー2eを斜めに、すなわち、スライダー2eを凹部2a側にスライドさせつつスライダー2eを凹み2b内に没入できる。
ここで、図示したように、雄型1と雌型2とで型締めした場合、雄型1の押出コア1cと雌型2のスライダー2eとが対向できる位置に、それぞれ押出コア1cおよびスライダー2eが配置される。
ここで、一対の型を用いた真空成形方法の一連の工程について説明する。
先ず、素材10の端部をクランパー11で挟持させる。そして、図示しないヒータにより、素材10を加熱して軟化させ、図1(a)に示すように、雄型1と雌型2とを所定の間隔を開けその間に素材10が配置された状態にする。この時、雄型1の押出コア1cは凹み1bに没入しており、雌型2のスライダー2eは雌型2の中心よりに寄っている。
次に、雄型1を移動手段(図示しない)により矢印Aの方向に、すなわち素材10側に移動させるとともに、押出コア1cを上下動手段で矢印Bの方向に移動させる。これにより、図1(b)や図2(a)に示すように、雄型1の凸部1aに素材10が傾斜して当接し、かつ、押出コア1cの上端面が素材10に当接している。
引き続き、雌型2を別の移動手段(図示しない)により矢印Cの方向、すなわち、素材10側に移動させつつ、同時に、雄型1の押出コア1cを雄型1の凹み1bに完全に没入させる。これにより、図1(c)や図2(b)に示すように、雄型1の平坦面1dには押出コア1cが突出していない状態で素材10に当接し、同時に雌型2のスライダー2eの下端面が素材10に当接している。すなわち、素材10をスライドコア2cと押出コア1cとで挟んだ状態となる。この時、スライドコア2cのストッパー2fにはスライダー2eが当接しており、弾性体2hには圧縮力が作用していない状態である。つまり、弾性体2hの弾性係数の大きさは、雌型2を別の移動手段で素材側に移動させても、弾性体2hとしてのコイルバネが押縮されない程度である。
そして、雌型2をさらに矢印Cの方向に移動させることで、図1(d)や図2(c)に示すように、雌型2のスライダー2eを雄型1の凸部1a側に移動させつつスライダー2eを凹み2b内に没入させることができる。この状態で、雌型2に略均一に設けられた無数の孔(図示せず)から矢印D側に、素材10と雌型2の型面との間の空気を抜き取り、素材10を雌型2の型面に吸引して、雌型2の型通りの形状を素材10に施すことができる。
ここで、雌型2のスライドコア2cの弾性体2hについて説明する。弾性体2hとしては例えばコイルバネを用いることができ、スライダー2eが図1(b)から図1(c)になる過程ではスライドせず、図1(c)から図1(d)になる過程ではスライドできるコイルバネであることが好ましい。すなわち、図1(b)から(c)になる過程(図2(a)から(b)になる過程)で、雌型2を矢印C方向に移動させても弾性体2hには圧縮力が生じないで押出コア1cを没入させることができ、かつ、図1(c)から図1(d)になる過程(図2(b)から(c)になる過程)で、雌型2をさらに矢印C方向に移動させることで弾性体2hに圧縮力が生じスライドコア2cのスライダー2eが雄型1の凸部1a側にスライドできるような、弾性体であることが好ましい。
以上により、雄型1に配設した押出コア1cの出没と雌型2に配設したスライドコア2cの移動とで、シート状の素材10に施される凸状の箇所を薄くせずに、簡便に真空成形することができる。
また、以上の説明においては、シート状の素材10に施したい形状を雌型2に形成し、雌型2側に減圧して雌型2に素材10を吸引して真空成形したが、施したい形状を雄型1に成形し、雄型1側に減圧して雄型1に素材10を吸引して真空成形してもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態として、一つの型を用いて真空成形を行う場合を説明する。
図3は第2の形態である真空成形方法を説明するための概略説明図で、(a)〜(c)は各工程の断面図である。図4(a)は図3(a)での真空成形型3の凸部3a近傍の拡大断面図、図4(b)は図3(b)から(c)に至る途中の真空成形型3の凸部3a近傍の拡大断面図、図4(c)は図3(c)での真空成形型3の凸部3a近傍の拡大断面図である。
第2の実施形態では、真空成形型3の上方にシート状の素材10を配置し、真空成形型3の型面に素材10を吸引させることで、素材10を成形する場合を示している。なお、シート状の素材10およびクランパー11については従前と同様であるので、同一の符号を用いることにする。
真空成形型3の上部は、シート状の素材10に施したい形状に形成されており、特に、図示したように、断面視で、中央は平坦面となっているが、上部の両端部は例えば尖端部のような凸部3aを形成している。また、真空成形型3の上部中央には凹み3bが形成されており、凹み3bには、押出コア3cが挿入されている。押出コア3cは、真空成形型3に内蔵された上下動手段で真空成形型3の上面から突出させて真空成形型3内に没入できるようになっている。ここで、上下動手段は、第1の実施形態で説明したように、凹み3b内に配置されたシリンダーと、シリンダーに挿通されたロッドとで構成されており、ロッドの先端にシリンダーを覆うように押出コア3cが固着されている。
ここで、真空成形型3を用いた真空成形方法の一連の工程について説明する。
先ず、シート状の素材10の端部をクランパー11で挟持させる。そして、図示しないヒータにより、素材10を加熱して軟化させ、図3(a)に示すように、素材10の下に真空成形型3が配置された状態にする。
次に、真空成形型3を移動手段(図示しない)により矢印Dの方向、すなわち、素材10側に移動させるとともに、押出コア3cを上下動手段で矢印Eの方向に、すなわち素材10側に所定長移動させる。そして、図3(b)や図4(a)に示すように、真空成形型3の凸部3aに素材10が当接し、かつ、押出コア3cの上端面が素材10に当接するようにする。
ここで、押出コア3cを突出させる長さについて説明する。
所定長は、図4(a)に示すように、素材10が当接している押出コア3cの上面、すなわち上端左端と凸部3aの先端との直線距離L1が、押出コア3cの側面と凸部3aとの真空成形型3の型面に沿った距離L2に等しくなるようにする。これにより、成形品の凸状箇所でシワが生じたり、厚みが薄くなることを防止することができる。
引き続き、押出コア3cを上下動手段で矢印Fの方向に移動させて、真空成形型3の凹み3b内に没入させる。この途中の状態を示したのが図4(b)である。そして、真空成形型3に略均一に設けられた無数の孔(図示せず)から矢印G側に、素材10と真空成形型3の型面との間の空気を抜き取ることにより、素材10が真空成形型3の型面に吸引されて、真空成形型3の型通りの形状が素材10に施すことができる。
以上により、真空成形型3に配置した押出コア3cを上下動させることで、シート状の素材10に施される凸状の箇所を薄くせずに、簡便に真空成形することができる。
以上説明した第1の実施形態や第2の実施形態により、車両の室内を構成する部品、例えばセンターコンソール部のインナーパネルなどに用いられる表皮を、所定の一定の厚さで、効率良く、歩留まりを上げて成形することができる。よって、表皮成形にかかるコストを削減することができる。
また、以上の説明においてはシート状の素材10は、一種類の材質からなるもののみならず、ソフト層などが付与されて一体となった積層材であってもよい。
以上説明した実施の形態は、本発明の一例に過ぎず、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々変更が可能である。
本発明を実施するための最良の形態である真空成形方法を説明するための概略説明図で、(a)〜(d)は各工程の断面図である。 図1の拡大断面図で、(a)〜(c)はそれぞれ図1(b)〜(d)での雄型の凸部および雌型の凹部近傍の拡大断面図である。 図1とは異なる真空成形方法を説明するための概略説明図で、(a)〜(c)は各工程の断面図である。 (a)〜(c)はそれぞれ図3の雄型の凸部近傍を拡大した各工程の断面図である。 背景技術に関し、一つの型で真空成形を行う方法を説明するための概略説明図で、(a)〜(c)は各工程の概略断面図である。 図5の拡大断面図で、(a)〜(c)は図5(b)〜(c)に示した工程での型の凸部近傍の断面図である。 背景技術に関し、一対の型で真空成形を行う方法を説明するための概略説明図で、(a)〜(d)は各工程の概略断面図である。 図7の拡大断面図で、(a)〜(c)は図7(b)〜(c)に示した工程での雄型の凸部近傍の断面図である。
符号の説明
1 雄型
1a,3a 凸部
1b,2b,3b 凹み
1c,3c 押出コア
1d,2d 平坦面
1e シリンダー
1f ロッド
2 雌型
2a 凹部
2b1 内面
2c スライドコア
2e スライダー
2e1 係合面
2f ストッパー
2g ロッド
2h 弾性体
3 真空成形型
10 素材
11 クランパー

Claims (5)

  1. 両端部を凸部とし該凸部同士の間に押出コアを出没可能に配置している雄型と、該雄型に対向する型面から突出しかつ上記雄型の上記凸部側に移動しつつ没入できるスライドコアを配設している雌型との間に、シート状の素材を挟んで成形する真空成形方法であって、
    上記押出コアを上記雄型の平坦面から突出させながら上記雄型を上記素材側に移動させて、上記凸部に上記素材を当接させる工程と、
    上記スライドコアを上記雌型の平坦面から突出させながら上記雌型を上記素材側に移動させるとともに上記押出コアを上記雄型内に没入させる工程と、
    上記スライドコアを上記素材に当接させた状態で上記雄型の凸部側に移動させ、上記雌型を介して上記素材を上記雌型の型面に吸引する工程と、
    を経て、上記素材の両端の厚みを確保して素材の両端部を凸状に成形することを特徴とする真空成形方法。
  2. 両端部を凸部とし該凸部同士の間に押出コアを出没可能に配置している雄型と、該雄型に対向する型面から突出しかつ上記雄型の上記凸部側に移動しつつ没入できるスライドコアを配設している雌型との間に、シート状の素材を挟んで成形する真空成形方法であって、
    上記押出コアを上記雄型の平坦面から突出させながら上記雄型を上記素材側に移動させて、上記凸部に上記素材を当接させる工程と、
    上記スライドコアを上記雌型の平坦面から突出させながら上記雌型を上記素材側に移動させるとともに上記押出コアを上記雄型内に没入させる工程と、
    上記スライドコアを上記素材に当接させた状態で上記雄型の凸部側に移動させ、上記雄型を介して上記素材を上記雄型の型面に吸引する工程と、
    を経て、上記素材の両端の厚みを確保して素材の両端部を凸状に成形することを特徴とする真空成形方法。
  3. シート状の素材を成形する一対の真空成形型において、
    両端部を凸部とし該凸部同士の間に押出コアを出没可能に配設している雄型と、
    上記雄型に対向する型面から突出しかつ上記雄型の上記凸部側に移動しつつ没入できるスライドコアを配設している雌型と、
    から構成されていることを特徴とする真空成形型。
  4. 前記雄型には凹みが形成されており、
    該凹みに、前記押出コアを移動させるシリンダーと、該シリンダーに挿通されたロッドとを備え、前記押出コアが前記ロッドの先端に前記シリンダーを覆うように固着されていることを特徴とする、請求項3に記載の真空成形型。
  5. 前記雌型には凹みが形成されており、
    該凹みに、前記雄型側が平坦面のスライダーと、傾斜して配置されているストッパー付のロッドと、該ロッドに挿通されている弾性体とからなる前記スライドコアが配置されることを特徴とする、請求項3または4に記載の真空成形型。
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