JPH0952253A - 樹脂の多層成形方法および型締装置 - Google Patents
樹脂の多層成形方法および型締装置Info
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- JPH0952253A JPH0952253A JP20572695A JP20572695A JPH0952253A JP H0952253 A JPH0952253 A JP H0952253A JP 20572695 A JP20572695 A JP 20572695A JP 20572695 A JP20572695 A JP 20572695A JP H0952253 A JPH0952253 A JP H0952253A
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Abstract
御のみの極めて簡単な制御システムで再現性の高い高精
度な型締位置制御を行ない、高品質な多層成形品を低コ
ストで安定して供給する。 【解決手段】 油圧式の型締シリンダによってトグル機
構を駆動させ型締可能な射出成形装置を用いて樹脂の多
層成形を行なう際に、前記トグル機構が伸び切らない状
態下で充填された樹脂圧によって可動金型が開くことを
許容する第1の型締力を負荷させて型締を行なった後、
金型キャビティ内に第1層溶融樹脂を射出充填し、引続
き前記第1の型締力よりも小さい第2の型締力を負荷さ
せ、次いで可動金型と第1層充填物との隙間に第2層溶
融樹脂を射出充填した後、前記トグル機構を伸び切る方
向へ伸延させて高圧型締を行なう。
Description
出充填させた後、第2層溶融樹脂または塗装コーティン
グ材を射出充填させて、第1層充填物の表面に積層成形
させるか、あるいは第2層溶融樹脂を第1層充填物の内
部に射出充填させて複合成形する樹脂の多層成形方法お
よび型締装置に関するものである。
れる樹脂成形部品は、付加価値を高めたり、あるいは成
形工程の省力化によるコストダウンのため、成形と同時
に金型内で次のような多層成形が行なわれている。
ば、ソフト感を有した樹脂層、あるいは高級感を有した
着色樹脂層を貼合せる(貼合せ成形) 成形工程の省力化によるコストダウンのために樹脂
成形部品の表面に塗装コーティングをする(インモール
ドコーティング成形) リサイクル材の有効利用及び補強のために樹脂成形
部品の内部にリサイクル材または、補強材入り樹脂など
を充填する(サンドイッチ成形)などの多層成形を実施
する方法が実用化されつつある。
融樹脂を射出充填する際に金型の隙間、すなわち型開量
を制御すれば、比較的成形が容易となることから型締側
の型開制御が比較的容易とされている油圧式の型締シリ
ンダで型締を行なう直圧式の型締機構の射出成形機で行
なわれていた。
術においては次のような問題点があった。 (1)作動油の圧縮性、温度変化による粘性などの物性
変化により、油圧シリンダの制御精度が変動する。ま
た、一般的に長ストロークの型締シリンダであるので制
御応答性が低い。
開量、すなわち金型の移動量が1対1であるので型開量
の制御精度は数百μmが限界とされており、多層成形を
行なうにあたっては、精度が低く、高品質な成形品を得
ることはできない。
次のような構造のものが一部実用化されている。すなわ
ち、 可動金型と固定金型の間あるいは、可動金型と可動
盤の間にスライド式の例えば台形状のスペーサを挿入し
て、スペーサのスライド移動量を調整して型開量制御を
行なう。 メカロックが可能なストッパ機構を可動盤あるいは
型締シリンダロッドに装備して、ストッパのメカロック
位置の調整により型開量制御を行なう。 可動盤と固定盤の間に、圧縮シリンダなどを装備し
た型締別ユニットを取付けて、型開量制御および樹脂の
圧縮制御を取付けた別ユニットで行なう。
用する金型毎にスペーサの取付け、調整を必要とするた
め、生産性は極めて低い。また、スペーサを金型の摺動
部において、カジリ、異常摩耗などのトラブル発生によ
り、金型の寿命低下を招く。さらに、スペーサの加工に
は高い精度が要求されるとともに、複数のスペーサの動
きを同調させる必要性により、操作性は極めて低く、実
用の域に達していない。
幅な改造を必要とするとともに、多層成形における多段
の型開量制御は困難である。また、圧縮工程へ移行する
際には、一旦、ストッパを解除してから行なうため、タ
イムラグが生じ、その結果、金型内の樹脂流動の不連続
性に起因するフローマークなどの欠陥発生により、高品
質な成形品を得ることは難しい。
体の改造は、ほとんど必要としないものの、別ユニット
取付による金型取付有効寸法のスペックダウン、重量増
による摺動部、駆動系への過負荷となって成形機へ与え
るダメージは大きい。さらに、成形機本体との動作タイ
ミングを同調させるための制御信号の接続などを必要と
するため、操作性は極めて悪い。
わせ成形、インモールドコーティング成形ならびにサン
ドイッチ成形などの多層成形を高精度な型開量制御を行
なう目的で、可動盤に複数の油圧シリンダなどで形成さ
れたレベリング制御機構を具備した成形機を用いて多層
成形を行なうようにしている。
が残る。すなわち、長ストロークの型締シリンダによる
直圧式の型締機構に比べて、型開量の制御精度は、かな
り高精度化されたが、作動油の圧縮性、温度変化による
粘性などの物性変化の影響をいまだ受けるため、100
〜50μm程の型開量制御が限界とされており、10μ
mあるいはこれ以下の型開量制御を必要とする。多層成
形には、制御精度は低く、その結果、高品質な成形品を
安定して供給することはできない。
る成形機の複雑化・大型化、および複数の油圧シリンダ
の動きを同調させ、かつ成形機本体とのタイミング信号
の同期化を必要とするため、制御システムも複雑化・大
型化となり、その結果、大幅なコスト高、操作性の複雑
化によって生産性は著しく低下する。
で成形機の改造をほとんど必要とせず、圧力制御のみの
極めて簡単な制御システムで再現性の高い高精度な型締
位置制御を行ない、高品質な多層成形品を低コストで安
定して供給する樹脂の多層成形方法および型締装置を提
供するものである。
に、本発明に係る第1の発明では、油圧式の型締シリン
ダによってトグル機構を駆動させ型締可能な射出成形装
置を用いて樹脂の多層成形を行なう際に、前記トグル機
構が伸び切らない状態下で充填された樹脂圧によって可
動金型が開くことを許容する第1の型締力を負荷させて
型締を行なった後、金型キャビティ内に第1層溶融樹脂
を射出充填し、引続き前記第1の型締力よりも小さい第
2の型締力を負荷させ、次いで可動金型と第1層充填物
との隙間に第2層溶融樹脂を射出充填した後、前記トグ
ル機構を伸び切る方向へ伸延させて高圧型締を行なう。
第2の発明では、タイバに組込んだ型締力センサを用い
て、両金型がタッチした状態を検知した後、トグル機構
と連結された型締シリンダのストロークを原点設定し、
第1の型締力および第2の型締力を前記型締力センサで
検知した後、該原点設定位置からの各々の型締シリンダ
のストローク前進量で設定するとともに、第1層および
第2層溶融樹脂の射出充填中は各々設定した前進位置に
可動金型を保持するように型締シリンダの油圧を制御す
る。また、第1および第2の発明を主体とする第3の発
明では、第2層溶融樹脂を塗装コーティング材とし、さ
らに、第1および第2の発明を主体とする第4の発明で
は、第2層溶融樹脂の射出充填を、第1層充填物の内部
に充填するようにする。
層溶融樹脂を射出充填する際の第1の型締力および第2
の型締力を設定する型締力設定部と、型締シリンダのス
トロークを検出する型締シリンダストロークセンサと、
型締工程における金型タッチ点の検知をタイバに組込ん
だ型締力センサで行ない、該型締力センサの検出信号に
基づいて型締シリンダのストロークを原点設定する金型
タッチ点設定部と、前記型締力設定部の各々の設定値
と、前記型締力センサの検出信号と、前記型締シリンダ
ストロークセンサの検出信号を比較して、トグル機構と
連結される型締シリンダのストロークを制御して型締を
行なう型締制御部を備えるとともに、第1層溶融樹脂の
射出充填完了を検知して、前記型締制御部へ第2の型締
力信号を発信させるとともに、前記型締シリンダストロ
ークセンサの検出信号が前記第2の型締力設定値に達し
たことを検知して、第2層溶融樹脂の射出充填開始信号
を発信させ、かつ、第2層溶融樹脂の射出充填完了を検
知して、型締制御部へ型締開始信号を発信させるタイミ
ング制御部を有した構成にする。
締力センサで、両金型がタッチした状態を検知して、ト
グル機構と連結された型締シリンダのストロークを原点
設定した後、第1層および第2層溶融樹脂を射出充填す
る際の、トグル機構が伸び切らない状態で充填された樹
脂圧によって金型が開くことを許容する第1の型締力及
び第2の型締力を型締力センサで検知して、型締シリン
ダのストローク原点設定値からの各々のストローク前進
量で型締位置設定を行なう。初期設定完了後は、型締シ
リンダストロークセンサの検出信号に基づいて型締を行
なう。
保持した後、第1層溶融樹脂を射出充填する。次いで、
設定した第2の型締力位置に金型を保持した後、第1層
充填物と金型との隙間へ第2層溶融樹脂を射出充填す
る。第2層溶融樹脂の射出充填後、トグル機構を伸び切
る方向へ伸長させて高圧型締を行なう。
性により、すなわち、型締シリンダストロークセンサの
検出信号に基づいて各々の設定した型締位置に型締を行
なう際、型締シリンダストロークが、例えば1mm変動
したとしても、金型の位置変動は1/10mm(100
μm)以下であり、型締位置の設定精度は極めて高い。
実際には、型締シリンダストロークは1/10mmの精
度で型締制御は容易にできるので、型締位置の設定精度
は1/100mm(10μm)以下の極めて高精度、か
つ再現性の高い型締位置制御が容易に実現できる。
出充填に応じて金型は型開挙動(この場合はタイバが伸
長することによって生じる)を示すので、金型キャビテ
ィ内の樹脂は低圧化されるので高速充填が可能となり、
加えて、型締側からの圧縮作用の負荷により、変形・反
りのない、かつ2つの樹脂層の密着度の高い多層成形品
が得られる。
く、例えば樹脂成形部品の表面に表面材としての機能を
付加させた特殊樹脂層、あるいは装飾を目的とした着色
樹脂層を積層/貼合せ形成した高品質な多層成形品を安
定して低コストで供給できる。
材とすることにより、均一な薄膜に塗装コーティングさ
れた(インモルドコーティング成形)樹脂成形部品が安
定して供給できる。
1層充填物の内部に向けて行なうことにより、例えば樹
脂成形部品の内部に、リサイクル材の再利用を目的とし
たリサイクル樹脂層、あるいは強度アップを目的とした
補強材入り樹脂層を形成させた(サンドイッチ成形)多
層成形品が安定して供給できる。
詳細に説明する。
の制御概念図、図2は型締力とタイバの伸び量の関係を
示す関係図、図3は型締初期条件の設定手順を示すフロ
ー図、図4は成形動作手順を示すフロー図、図5は実施
例1の成形動作の手順を示す説明図、図6は本発明に係
る実施例2の射出成形機の制御概念図、図7は実施例2
の成形動作の順序を示す説明図である。
は、トグル式型締装置20、射出装置40および制御部
60から構成されている。
成形装置100を示し、中心線より上半分は第2層溶融
樹脂の射出充填中の低圧型締状態を示し、中心線より下
半分は圧縮工程完了後の高圧型締状態を示している。図
1におけるトグル式型締装置20は、リンクハウジング
1、固定盤(固定プラテン)2、可動盤(可動プラテ
ン)3、金型4(固定金型4bおよび可動金型4a)、
キャビティ5、トグル機構6、クロスヘッド7、型締シ
リンダ(ダイロックシリンダ)8、ピストンロッド9お
よびガイドロッド10より構成される。
置100では、図1に示すように、可動盤3とリンクハ
ウジング1との間に3つのトグルリンク6a、6b、6
cからなる上下一対のトグル機構6を備え、リンクハウ
ジング1の外端面の略中心部に型締シリンダ(ダイロッ
クシリンダ)8を装着し、型締シリンダ8のピストンロ
ッド9の先端をクロスヘッド7に連結し、該クロスヘッ
ド7を進退自在に挿通したガイドロッド10に沿って前
後進させるとともに、該クロスヘッド7を介して前記ト
グル機構6を作動させ、固定盤2に対して可動盤(可動
プラテン)3を移動して型締動作を行なうようになって
いる。符号11はタイバを示す。
施例における射出装置40はコア材用としての第1層溶
融樹脂43をキャビティ5へ射出充填する第1射出ユニ
ット41と、表皮材用としての第2層溶融樹脂44をキ
ャビティ5へ射出充填する第2射出ユニット42から構
成されている。
御部61、型締シリンダストロークセンサ62、型締力
設定部63、タイミング制御部64、タイマ65、金型
タッチ点設定部66、型締力センサ67、油圧制御弁6
8および油圧供給源68bから構成されている。
第1射出ユニット41および第2射出ユニット42に接
続され、トグル式型締装置20と射出装置40とを同期
させるように構成されている。
制御する油圧制御弁68に接続されている。なお、68
bは簡略化した油圧供給源である。さらに、タイミング
制御部64はタイマ65と型締力設定部63にそれぞれ
接続されている。
反クロスヘッド7側には型締シリンダストロークセンサ
62が配設されており、設定型締圧に達したときの型締
シリンダ8のストロークを検知して、その位置を保持す
ることにより型締シリンダ8の動作を固定させるための
手段として用いる。なお、型締シリンダストロークセン
サ62はクロスヘッド7に直接取付けてもよく、エンコ
ーダやリニアスケールなどを用いてもよい。
サ67は金型タッチ点設定部66に接続されている。こ
こで型締力センサ67をタイバ11に組込むことによ
り、トグル機構の型締力の発生原理のタイバ11の伸長
状態(応力変化挙動)を直接計測しているので、高精度
かつ高応答の型締力検知ができる。
ット41からコア材としての第1層溶融樹脂をキャビテ
ィ5内へ射出充填する際に、表皮材としての第2層溶融
樹脂通路側へ流入するのを防止するためのものであり、
例えば油圧式駆動シリンダとピストンとの組合せから構
成されている。
の作用について述べる。
が開くことを許容する第1及び第2の型締力の設定に際
して、トグル機構6の型締力の発生原理である型締力と
タイバ伸び量の関係について図2を用いて説明する。す
なわち、トグルを前進させて、両金型4a、4bがタッ
チした状態(型締力P0 =0、タイバ伸び量△l0 =
0)からさらにタイバ11を伸ばしながら(△l0 →△
lmax)トグルを前進させてトグルが伸び切ったいわ
ゆる(タイバ伸び量=△lmax)のときに、最大型締
力Pmaxが生じる。
lmaxが射出充填の際の型開量の最大調整可能範囲と
なる。したがって、第1層溶融樹脂43を射出充填する
際の型締力P1 (タイバ伸び量=△l1 )とすると、型
開量はX1 =△lmax−△l1 が確保できる。
際の型締力P2 (タイバ伸び量=△l2 )とすると、型
開量はX2 =△lmax−△l2 が確保できる。
力P1 またはP2 <射出充填樹脂圧の条件下で初めて生
じる。すなわち、このことは射出充填を行なう際の型締
力P 1 またはP2 の設定が変動すると、型開挙動がバラ
ツクこととなりその結果成形品の品質のバラツキの原因
となる。従って、高品質な成形品を安定して供給するた
めには高精度かつ再現性の高い型締力P1 、P2 が要求
される。なお、第2層溶融樹脂44充填時のキャビティ
空間<第1層溶融樹脂43充填時のキャビティ空間であ
るため、第2層溶融樹脂44充填時の型開挙動を容易に
するためには、第2層溶融樹脂44充填時の型締力P2
を第1層溶融樹脂43充填時の型締力P 4 より小さく
(すなわちP1 >P2 )型締力設定部63で設定する。
ち、射出充填時の型開量)の相関関係が求まると、次に
図3を用いて型締初期条件設定手順について述べる。
工程時(トグル機構6は直線状態)の最大型締力(Pm
ax)を設定しておく。
て可動金型4aを固定金型4b側へ前進させる。タイバ
11に組込んだ型締力センサ67で両金型4a、4bが
タッチしたことを検知すると、可動金型4aの前進動作
を停止させるとともに、型締シリンダストロークセンサ
62でトグル機構6と連結される型締シリンダストロー
クを検出して金型タッチ点(S0 )として金型タッチ点
設定部66で原点設定する。
を行ない、型締力センサ67の検出信号が先に型締力設
定部63で設定した第1層溶融樹脂43を射出充填する
際の第1の型締力設定値P1 値に達したときの型締シリ
ンダストロークを型締シリンダストロークセンサ62で
検出して、第1の型締力位置設定値(S1 値)として型
締力設定部63へ記憶させる。
後退移動させ、型締力センサ67の検出信号が、先に型
締力設定部63で設定した第2層溶融樹脂44を射出充
填する際の第2の型締力設定値P2 値に達したときの型
締シリンダストロークを型締シリンダストロークセンサ
62で検出して、第2の型締力位置設定値(S2 値)と
して、型締力設定部63へ記憶させる。
2の型締力位置設定値(S1 、S2)に基づいて、第1
層およびで第2層溶融樹脂43、44充填の際の型締動
作を制御する。
性により、すなわち、型締シリンダストロークセンサの
検出信号に基づいて各々の設定した型締位置に型締を行
なう際、型締シリンダストロークが、例えば1mm変動
したとしても、金型の位置変動は1/10mm(100
μm)以下であり、型締位置の設定精度は極めて高い。
実際には、型締シリンダストロークは1/10mmの精
度で型締制御は容易にできるので、型締位置の設定精度
は1/100mm(10μm)以下の極めて高精度、か
つ再現性の高い型締位置制御が容易に実現できる。
序を説明する。まず、先に型締力設定部63で設定した
第1の型締力位置設定値(S1 )に基づいて型締動作を
行なう。型締シリンダストロークセンサ62の検出信号
が設定値に達した後は設定値(S1 )を保持するように
型締シリンダ8の油圧を制御して位置保持制御を行なう
(低圧型締状態、すなわちトグルは屈折状態で、かつメ
カロック状態)(図5(a))。
出ユニット側のシャットオフバルブ45を用いて、コア
材となる第1層溶融樹脂43を金型キャビティ5内に射
出充填する。なお、充填樹脂量≦キャビティ容積となる
ようにあらかじめ金型設計を行なっておくことが望まし
い。ここで、第1の型締力設定値P1 は、充填された樹
脂圧によって金型が開く(この場合は、タイバ11が伸
長することによって型開挙動を示す)ことを許容する型
締力であるので、第1層溶融樹脂43の射出充填に応じ
て型開挙動を示し、その結果、射出充填による金型キャ
ビティ5内の樹脂の圧力偏差が解消されて、残留歪の少
ないかつ、変形・反りのない高品質のコア成形体が得ら
れるとともに、金型キャビティ5内の樹脂圧の低圧化に
よって、高速射出充填が可能となり、その結果、樹脂の
温度低下がなく射出充填されて、コア成形体の高品質化
が助長される。さらに、タイバ11の伸長による弾性回
復力が、射出充填に応じて適度に樹脂に負荷されている
ので、再び可動金型4aは閉じる方向へ作用し、その結
果コア成形体の形成が同時に行なわれることになる(図
5(b))。
ミング制御部64で検知した後、第1射出ユニット41
側のシャットオフバルブ45を閉じるとともに、先に型
締力設定部63で設定した第2の型締力位置設定値(S
2 )に基づいて型締動作を行なう。型締シリンダストロ
ークセンサ62の検出信号が設定値に達した後は、設定
値(S2 )を保持するように型締シリンダ8の油圧を制
御して位置保持制御を行なう(低圧型締状態、すなわ
ち、トグルは屈折状態で、かつメカロック状態)(図5
(C))。なお、型締力切替動作は第1層溶融樹脂43
の冷却固化状態に応じて、充填完了直後から任意の時間
で設定される遅延時間を経た後の範囲内で選択される。
ング制御部64で検知した後、ニードルバルブ70を開
くとともに第2射出ユニット側のシャットオフバルブ4
6を用いて、表皮材となる第2層溶融樹脂44を、コア
成形体と可動金型4aとの隙間へ射出充填する。この場
合においても第1層溶融樹脂43の射出充填の場合と同
様に射出充填に応じて型開挙動を示し、その結果、残留
応力の少ない、かつ変形・反りのない高品質の表皮材の
成形が達成できる。ここで、第2層溶融樹脂44に、質
感や高級感あるいはカラーリングを目的として、例えば
塩化ビニル樹脂(PVC)、着色したポリプロピレン
(PP)などの熱可塑性樹脂やポリウレタン(PU)な
どの熱硬化性樹脂を用いれば、コア成形体の表面に表皮
材としての機能を付加させた樹脂層を形成させた貼合せ
成形品が得られる。
エポキシアクリレートオリゴマーなどの過酸化物触媒に
よって硬化するバインダー成分を主体とした1液型コー
ティング材や、エポキシ樹脂/ポリアミン硬化系、ポリ
オール樹脂/ポリイソシアネート硬化系などの充填直前
に主剤/硬化剤を混合する2液型コーティング材を用い
れば、コア成形体の表面に塗装コーティングさせたイン
モールドコーティング成形品が得られる。
層厚さは通常10μm以下と極めて薄い場合が多い。従
来の射出成形機の型締装置では型停止制御精度は100
〜50μm程度が限界であったのに対して、本発明で
は、10μm以下の極めて高精度、かつ再現性の高い型
停止制御精度が容易に実現でき、これによって射出充填
された場合の型開量制御も極めて高精度、かつ高い再現
性が得られるので高品質なインモールドコーティング成
形品を安定して供給できる。
ルディング・コンパウンド(SMC)、バルク・モール
ディング・コンパウンド(BMC)などの熱硬性樹脂
や、ポリエチレン(PE)、PP、ABSなどの熱可塑
性樹脂を用いることができる(図5(d))。
ミング制御部64で検知した後、ニードルバルブ70お
よび第2射出ユニット42側のシャットオフバルブ46
を閉めるとともに、トグル機構6を伸び切る方向へ伸延
させて高圧型締を行なう(圧縮工程)。ここで、樹脂の
冷却固化収縮挙動に応じた、型締側での樹脂への圧縮力
の負荷により、射出充填の際に生じた金型キャビティ5
内の樹脂の圧力偏差および残留歪が緩和されて、変形・
反りが皆無となるとともに、コア成形体と第2層溶融樹
脂44の密着度が強化され、さらに第1層および第2層
溶融樹脂43、44の射出充填する際の型開挙動による
効果と相乗して、極めて高品質な多層成形品を得ること
ができる(図5(e))。
御は高圧型締の開始と同時に起動するタイマ65のタイ
ムアウト信号に基づいて行なわれる。すなわち、計量開
始時間t1 経過後は次回の成形に備えて第1射出ユニッ
ト41および第2射出ユニット42にて計量が行なわれ
る。
物性、金型の冷却能力などから樹脂の冷却完了時間を算
出)経過後は可動金型4aを後退させ型開し、製品取出
しを行なう(図5(f))。
0は図1(実施例1)に示す構造と同一部分について説
明を省略し異なる部分についてのみ説明する。
射出ユニット41と第2射出ユニット42から射出され
る樹脂通路を共有するミキシングノズル71の先端部が
当接配設されている。このミキシングノズル71の途上
にはロータリバルブ72が配設され、切替えることによ
り第1射出ユニット41または第2射出ユニット42の
いずれかの樹脂をキャビティ5内に射出充填可能に構成
されている。
チ成形品の表皮材としての第1層溶融樹脂43をキャビ
ティ5内へ射出充填するもので例えば、PP、PE、A
BSなどの熱可塑性樹脂が用いられる。
ッチ成形品のコア材として第2層溶融樹脂44をキャビ
ティ5内へ射出充填するもので、例えばPP、PE、A
BSなどの熱可塑性樹脂のリサイクル材、ガラス繊維な
どの補強材を混入させた樹脂材が用いられる。
圧縮成形装置の作用について述べる。なお、第1層およ
び第2層溶融樹脂43、44を射出充填する際の型締力
(P 1 、P2 )設定は図2(実施例1)と、また、型締
初期条件設定手順は図3(実施例1)と同様である。図
4および図7を用いて成形動作の順序を示す。
1の型締力位置設定値(S1 )に基づいて型締動作を行
なう。型締シリンダストロークセンサ62の検出信号が
設定値に達した後は設定値(S1 )を保持するように型
締シリンダ8の油圧を制御して位置保持制御を行なう
(低圧型締状態、すなわちトグルは屈折状態で、かつメ
カロック状態)(図7(a))。
ブ72を第1射出ユニット41側に経路を切替えた後、
第1射出ユニット41側のシャットオフバルブ45を開
いて、表皮材となる第1層溶融樹脂43を金型キャビテ
ィ5内に射出充填する。なお、あらかじめ、充填樹脂量
≦キャビティ容積となるように金型設計を行っておくこ
とが望ましい。
された樹指圧によって金型が開く(この場合は、タイバ
11が伸長することによって型開挙動を示す)ことを許
容する型締力であるので、第1層溶融樹脂43の射出充
填に応じて型開挙動を示し、その結果、金型キャビティ
5内の樹脂圧の低圧化によって高速充填が可能となり、
樹脂の温度低下がなく射出充填できる。このことは、第
2層溶融樹脂44を、第1層充填物の内部に射出充填す
る際、第1層充填物が未だ高温状態、すなわち高い流動
性を有している状態であるので、第2層溶融樹脂の充填
に伴なう第1層充填物の拡張挙動が極めて容易に行なわ
れ、その結果、第2層溶融樹脂44は無理なく充填でき
る(図7(b))。なお、タイバ11伸長による弾性回
復力が金型キャビティ5内の樹脂への圧縮力として負荷
されるため、再び可動金型4aは閉じる方向へ作用す
る。
ミング制御部64で検知した後、第1射出ユニット41
側のシャットオフバルブ45を閉じるとともに、ロータ
リーバルブ72を第2射出ユニット42側に経路を切替
えて、先に型締力設定部63で設定した第2の型締力位
置設定値(S2 )に基づいて型締動作を行なう。型締シ
リンダストロークセンサ62の検出信号が設定値に達し
た後は、設定値(S2)を保持するように型締シリンダ
8の油圧を制御して位置保持制御を行なう(低圧型締状
態=トグルは屈折状態で、かつメカロック状態)(図7
(C))。
ミング制御部64で検知した後、第2射出ユニット42
側のシャットオフバルブ46を用いて、コア材となる第
2層溶融樹脂44を第2層充填物の内部に向けて射出充
填する。 このとき、第1層充填物は未だ高い流動性を
有していること、かつ、第1層充填物の表層部は金型に
接触しているため薄いスキン層を形成していること、さ
らに、第2層溶融樹脂44の射出充填に応じて型開挙動
を示すことにより、コア材の充填は極めて容易となり、
コア材充填による表皮材の拡張挙動も極めてスムーズに
行なわれ、その上、コア材が表皮材を突破って表面に出
ることも全くなくなり、その結果、極めて高品質なサン
ドイッチ成形品が容易に得られる。(図7(d))。
ミング制御部64で検知した後、ロータリーバルブ72
を第1射出ユニット41側に経路を切替えるとともに第
2射出ユニット側のシャットオフバルブ46を閉めて、
トグル機構6を伸び切る方向へ伸延させて高圧型締を行
なう(圧縮工程)。ここで、樹脂の冷却固化収縮挙動に
応じた、型締側での樹脂への圧縮力の負荷により、射出
充填の際に生じた金型キャビティ5内の樹脂の圧力偏差
および残留歪が緩和されて、変形・反りが皆無となると
ともに、コア成形体を表皮材の密着度が強化され、さら
に、第1層および第2層溶融樹脂43、44を射出充填
する際の型開挙動による効果と相乗して、極めて高品質
な多層成形品を得ることができる。
圧縮工程を行なう前に、一旦、第1層溶融樹脂43を適
量射出充填することによって、 コア材充填の跡が成形品外観に残らない。 ミキシングノズル内が第1層溶融樹脂で充満されてい
るので、次成形サイクル時に表皮材とコア材の混入がな
くなる(図7(e))。
御は高圧型締の開始と同時に起動するタイマ65のタイ
ムアウト信号に基づいて行なわれる。すなわち、計量開
始時間t1 経過後は次回の成形に備えて第1射出ユニッ
ト41および第2射出ユニット42にて計量が行なわれ
る。
物性、金型の冷却能力などから樹脂の冷却完了時間を算
出)経過後は可動金型4aを後退させ型開し、製品取出
しを行なう(図7(f))。
樹脂43射出→型締力低下→第2層溶融樹脂44射出→
高圧型締の成形動作を基本としているが、成形に関する
全ての型締位置範囲において、10μm以下の極めて高
い精度の型停止制御が可能なことから、必要に応じて、
以下に示す成形動作の応用も実現可能である。
際の型締制御として、例えばコア成形体を一旦完全成形
させたい場合には、低圧型締→射出→高圧型締としても
よく、または型締動作の簡略化のために、高圧型締→射
出としてもよい。
填する際の型締制御としては、例えば表皮材の質感の損
傷を防止するために低圧型締→射出→型締としてもよ
い。
せと基本動作との組合わせによって成形動作を行なって
もよい。
に、 (1)あらかじめ、タイバに組込んだ型締力センサで、
両金型がタッチした状態を検知して、トグル機構と連結
された型締シリンダのストロークを原点設定した後、第
1層および第2層溶融樹脂を射出充填する際のトグル機
構が伸び切らない状態で、充填された樹脂圧によって金
型が開くことを許容する第1の型締力および第2の型締
力を型締力センサで検知して、型締シリンダのストロー
ク原点設定位置からの各々のストローク前進量で型締位
置設定を行なう。初期設定完了後は型締シリンダストロ
ークセンサの検出信号に基づいて型締を行なうことによ
り、成形機を大幅に改造することなく、また、複雑・高
性度なレベリング装置は付加されることなく、トグル機
構の倍力特性により、10μm以下の極めて高精度、か
つ再現性の高い型締位置制御が容易に実現でき、その結
果、極めて高品質な多層成形品を低コストで安定して供
給できる。 (2)コア材となる第1層溶融樹脂の射出充填に応じて
型開挙動を示し、さらに表皮材となる第2層溶融樹脂を
第1層充填物と金型キャビティとの隙間に充填し、充填
に応じて型開挙動を示し、その後、高圧型締を行なうこ
とにより、変形・反りのない、かつコア材と表皮材の密
着度の高い高品質な貼合せ成形の多層成形品が得られ
る。 (3)さらに、第2層溶融樹脂を塗装コーティング材と
することで、上記(2)により高品質なインモールドコ
ーティング成形の多層成形品が得られる。 (4)また、第1層溶融樹脂を表皮材とし、第2層溶融
樹脂をコア材とするとともに、第2層溶融樹脂を第1層
充填物の内部に向けて射出充填することで、上記(2)
により、高品質なサンドイッチ成形の多層成形品が得ら
れる。
図である。
ある。
る。
である。
る。
図である。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 油圧式の型締シリンダによってトグル機
構を駆動させ型締可能な射出成形装置を用いて樹脂の多
層成形を行なう際に、前記トグル機構が伸び切らない状
態下で充填された樹脂圧によって可動金型が開くことを
許容する第1の型締力を負荷させて型締を行なった後、
金型キャビティ内に第1層溶融樹脂を射出充填し、引続
き前記第1の型締力よりも小さい第2の型締力を負荷さ
せ、次いで可動金型と第1層充填物との隙間に第2層溶
融樹脂を射出充填した後、前記トグル機構を伸び切る方
向へ伸延させて高圧型締を行なうことを特徴とする樹脂
の多層成形方法。 - 【請求項2】 タイバに組込んだ型締力センサを用い
て、両金型がタッチした状態を検知した後、トグル機構
と連結された型締シリンダのストロークを原点設定し、
第1の型締力および第2の型締力を前記型締力センサで
検知した後、該原点設定位置からの各々の型締シリンダ
のストローク前進量で設定するとともに、第1層および
第2層溶融樹脂の射出充填中は各々設定した前進位置に
可動金型を保持するように型締シリンダの油圧を制御す
ることを特徴とする請求項1記載の樹脂の多層成形方
法。 - 【請求項3】 第2層溶融樹脂を塗装コーティング材と
することを特徴とする請求項1および2記載の樹脂の多
層成形方法。 - 【請求項4】 第2層溶融樹脂の射出充填を、第1層充
填物の内部に充填することを特徴とする請求項1および
2記載の樹脂の多層成形方法。 - 【請求項5】 第1層および第2層溶融樹脂を射出充填
する際の第1の型締力および第2の型締力を設定する型
締力設定部と、型締シリンダのストロークを検出する型
締シリンダストロークセンサと、型締工程における金型
タッチ点の検知をタイバに組込んだ型締力センサで行な
い、該型締力センサの検出信号に基づいて型締シリンダ
のストロークを原点設定する金型タッチ点設定部と、前
記型締力設定部の各々の設定値と、前記型締力センサの
検出信号と、前記型締シリンダストロークセンサの検出
信号を比較して、トグル機構と連結される型締シリンダ
のストロークを制御して型締を行なう型締制御部を備え
るとともに、第1層溶融樹脂の射出充填完了を検知し
て、前記型締制御部へ第2の型締力信号を発信させると
ともに、前記型締シリンダストロークセンサの検出信号
が前記第2の型締力設定値に達したことを検知して、第
2層溶融樹脂の射出充填開始信号を発信させ、かつ、第
2層溶融樹脂の射出充填完了を検知して、型締制御部へ
型締開始信号を発信させるタイミング制御部を有したこ
とを特徴とする樹脂の多層成形の型締装置。
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JP20572695A JP3301281B2 (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 樹脂の多層成形方法および型締装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1995
- 1995-08-11 JP JP20572695A patent/JP3301281B2/ja not_active Expired - Fee Related
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