JPH0952207A - 集成材の熱圧成形装置 - Google Patents

集成材の熱圧成形装置

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JPH0952207A
JPH0952207A JP20442195A JP20442195A JPH0952207A JP H0952207 A JPH0952207 A JP H0952207A JP 20442195 A JP20442195 A JP 20442195A JP 20442195 A JP20442195 A JP 20442195A JP H0952207 A JPH0952207 A JP H0952207A
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pressing
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heating
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JP20442195A
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Shiyou Se
翔 施
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Koshii and Co Ltd
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Koshii and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストランドの積層状態が維持された強度の大
きい集成材を得ることできるようにする。 【解決手段】 コンベヤベルト3によって移送される表
面に接着剤の付与されたストランドの積層物W4を、コ
ンベヤベルト3を跨ぐように設けられた熱圧成形手段6
によって加熱圧締することにより集成材を製造するよう
に構成され、上記コンベヤベルト3は上流端および下流
端にそれぞれ水平軸回りに回転可能に設けられ、かつ駆
動手段によって間欠的に回転駆動する一対のローラ2間
に張設され、このコンベヤベルト3の往きベルト幅方向
両側部であって上流端および下流端に垂直軸回りに回転
可能な従動プーリ411および駆動プーリ410がそれ
ぞれ設けられ、これら両プーリ411,410間に幅方
向一対の側部ベルト4が張設され、これら一対の側部ベ
ルト4は上記コンベヤベルト3と同一速度で周回移動す
るように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木材の細片(ストラ
ンド)を積層して得られる積層物を加熱しながら圧締し
て集成材を製造する集成材の熱圧成形装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】天然の木材に、機械的あるいは化学的処
理を施した、いわゆる改良木材は素材のままの欠点が改
善され、原木を単に製材したものより寸法上あるいは各
種の性能上で優れたものが得られることから、現在では
各所で多用されている。このような改良木材はロータリ
ー単板を積層した合板と、木材の植物繊維を主原料にし
て成形されたファイバーボードと、木材の小片を有機質
の結合剤を介して加圧接着したパーティクルボードと、
製材ひき板や小角材等を多数集成し、接着によってある
一定の立体形状にブロック化した集成材とに大きく分類
することができる。これらの改良木材のうち、集成材は
建築用等の構造材として適用可能であることから、今後
ますます各所で多用される趨勢にある。
【0003】このような集成材は原料木材を断面寸法の
小さい長尺の細片(ストランド)に加工し、このストラ
ンドの表面に接着剤を付与し、この接着剤の付与された
多数のストランドを縦横に積層してから所定の圧締操作
を施すことによって製造される。従って、集成材の製造
においては上記圧締操作は欠かすことができない重要な
位置を占めている。
【0004】集成材を製造する上での上記圧締操作につ
いては例えば特開昭60−174607号公報に開示さ
れており、これには各種の長さ寸法を有する多くのスト
ランドに接着剤を付与し、それらを先端部から順次ラン
ダムに圧締機に送り込むことによって集成材が得られる
と記載されている。上記圧締機は上下に設けられた一対
の無端ベルトからなり、進行方向に向かって上下のベル
ト間隔が順次狭くなるように構成されており、ベルト間
に送り込まれた複数のストランドが最狭隘部分で加熱圧
締されて集成材が得られるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記特開昭6
0−174607号公報に記載された圧締機にあっては
上下の無端ベルトの幅方向両側部が開放状態になってい
るため、多くのストランドが両ベルト間の最狭隘部分に
送り込まれるまでの間に開放状態の両側部から外部にこ
ぼれ落ちるという不都合が存在する。このような不都合
をなくすために、無端ベルトの両側部にストランドの脱
落を防止する仕切り部材を設けることが考えられるが、
このような仕切り部材を設けると、ベルト上にストラン
ドを整然と積層するような場合にはベルト上の幅方向両
側部のストランドが上記仕切り部材に摺接し、せっかく
規則正しく積層されたストランドの積層状態が崩壊する
という問題点を有している。
【0006】また上記最狭隘部分でのストランドの加熱
圧締に際し、上流側のストランドに熱が移動することに
よって、未だ圧締されていないストランド表面の接着剤
が固化することに起因して加熱圧締時には接着剤の接着
効果が弱められ、その結果、強度の大きな集成材が得ら
れなくなるという問題点を有している。
【0007】さらに上記最狭隘部分の下流側の熱圧成形
物にも熱が移動するとともに、この熱に同伴して水分が
移動するため、この水分移動によって熱圧成形物に「そ
り」や「ねじれ」が生じ、その結果集成材の不良率が増
加するという問題点を有している。
【0008】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたものであり、ベルト上に積層されたストラ
ンドはその積層状態が崩されることなく確実に移送する
ことができ、熱圧成形時の熱がストランドの熱圧成形部
分の上流側および下流側に移動せず、その結果上記積層
状態が確実に維持された強度の大きい集成材を得ること
できる集成材の熱圧成形装置を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
集成材の熱圧成形装置は、コンベヤベルトによって移送
される表面に接着剤の付与されたストランドの積層物
を、コンベヤベルトを跨ぐように設けられた加熱圧締機
構によって加熱圧締することにより集成材を製造するよ
うに構成された集成材の熱圧成形装置であって、上記コ
ンベヤベルトは上流端および下流端にそれぞれ水平軸回
りに回転可能に設けられ、かつ駆動手段によって間欠的
に回転駆動する一対のローラ間に張設され、上記コンベ
ヤベルトの往きベルト幅方向両側部であって上流端およ
び下流端に垂直軸回りに回転可能な上流側プーリおよび
下流側プーリがそれぞれ設けられ、これら両プーリ間に
幅方向一対の側部ベルトが張設され、これら一対の側部
ベルトは上記コンベヤベルトと同一速度で周回移動する
ように構成されていることを特徴とするものである。
【0010】本発明の請求項2記載の集成材の熱圧成形
装置は、請求項1記載の集成材の熱圧成形装置におい
て、上記加熱圧締機構は往きベルトと平行な押圧面を備
えたプレス部材を有し、このプレス部材の押圧面に対向
し、かつ往きベルトの裏面に摺接する押圧受け台が設け
られ、上記押圧面はその上流側と下流側とに冷却領域が
形成されているとともに冷却領域に挟まれた部分に加熱
領域が形成され、上記押圧受け台の表面には上記冷却領
域および加熱領域に対応した冷却領域および加熱領域が
形成されていることを特徴とするものである。
【0011】本発明の請求項3記載の集成材の熱圧成形
装置は、請求項2記載の集成材の熱圧成形装置におい
て、上記プレス部材内および押圧受け台の加熱領域に対
応した部分に加熱オイルが供給されるとともに、同冷却
領域に冷却水が供給されるように構成されていることを
特徴とするものである。
【0012】本発明の請求項4記載の集成材の熱圧成形
装置は、請求項2または3記載の集成材の熱圧成形装置
において、上記加熱圧締機構は、上記プレス部材の昇降
用としてプレス部材の上方に縦横に配された少なくとも
4本のシリンダと、これらシリンダの各々に対応して設
けられたプレス部材の局部上下位置を検出する局部レベ
ル検出手段と、上記各シリンダに油圧を送る油圧機構
と、プレス部材の局部上下位置を常に同一レベルに制御
するコントローラとを有し、上記コントローラは、上記
各局部上下位置検出手段からの上下位置検出結果を基
に、プレス部材の下面部が常に水平姿勢を維持するよう
に各シリンダに供給される油量を調節する制御信号を油
圧機構に向けて出力する油量制御手段を有していること
を特徴とするものである。
【0013】上記請求項1記載の集成材の熱圧成形装置
によれば、駆動手段を駆動させることによって上流端お
よび下流端にそれぞれ水平軸回りに回転可能に設けられ
た一対のローラは少なくともその一方が回転し、この回
転によってローラ間に張設されたコンベヤベルトは間欠
的に周回する。この周回しているコンベヤベルトの上流
側往きベルトに接着剤の付与されたストランドを縦横に
積層すれば、積層物は往きベルトの移動によって下流側
に移送される。
【0014】そしてコンベヤベルトが停止中に加熱圧締
機構を駆動させることによって上記積層物は圧締され、
この圧締によって互いに隣接したストランドの表面同士
が押圧当接された状態になり、加熱されていることとも
相俟って表面に付与されている接着剤によりストランド
同士が強固に接着され、多くのストランドの集合物から
成る集成材が得られる。
【0015】そして往きベルトの幅方向両側部に設けら
れた上流側プーリと下流側プーリとの間に幅方向一対の
側部ベルトが張設され、これら一対の側部ベルトは上記
コンベヤベルトと同一速度で周回移動するようにしてい
るため、上記ストランドの積層物は上記側部ベルトに阻
止されてコンベヤベルトからの脱落が阻止されるととも
に、たとえ積層物が側部ベルトに当接したとしても、ス
トランドの積層状態が崩れることはなく、特にストラン
ドの長さ方向のずれが確実に阻止される。
【0016】上記請求項2記載の集成材の熱圧成形装置
によれば、コンベヤベルト上のストランドの積層物は加
熱圧締機構のプレス部材によって押圧された状態で、そ
の上流部分において、プレス部材および押圧受け台の冷
却領域によって冷却され、この冷却によって上流側の積
層物への伝熱が抑制され、未圧締の積層物の接着剤の熱
による事前硬化が抑制され、未だ圧締されていないスト
ランド同士の相互の接着が確実に抑制される。
【0017】また、上記積層物がプレス部材によって押
圧された状態で、その下流部分において下流側の冷却領
域で再度冷却されるため、この冷却によって加熱領域で
生じた水蒸気が凝縮し、下流側のすでに成形品(集成
材)になっている部分に水分が移動しない。
【0018】上記請求項3記載の集成材の熱圧成形装置
によれば、プレス部材内および押圧受け台内の加熱領域
への加熱オイルの供給によって両加熱領域は加熱され、
同冷却領域内への冷却水の供給によって両冷却領域は冷
却される。
【0019】上記請求項4記載の上記加熱圧締機構によ
れば、ストランドの積層物がプレス部材によって圧締さ
れるに際し、各局部レベル検出手段からのプレス部材の
上下位置検出結果がコントローラーに入力され、これに
よってコントローラの油量制御手段は、プレス部材の各
局部のレベルが同一レベルになるように各シリンダに供
給される油量を調節する制御信号を油圧機構に向けて出
力するため、この制御信号によってシリンダに供給され
る油量が調節され、プレス部材の積層物への当接面は常
に水平状態が維持される。従って、ストランドの積層物
は、上面全面に亘って常に同じ上下方向の距離だけプレ
ス部材によって圧締され、上下方向の圧締量に差がない
状態になる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明の熱圧成形装置が適
用される集成材の製造方法の一例を示す工程図である。
この図に示すように、集成材の製造方法は、原料木材W
を細長いストランドW1に加工するストランド製造工程
P1と、このストランド製造工程P1で得られたストラ
ンドW1の表面に接着剤を付与する接着剤付与工程P2
と、この接着剤付与工程P2において接着剤の付与され
た接着剤付きストランドW2を乾燥する乾燥工程P3
と、この乾燥工程P3から導出された乾燥ストランドW
3を所定の整列状態に整列させて積層する積層工程P4
と、この積層工程P4から排出される積層物W4に熱を
加えながら圧締して成形する熱圧成形工程P5と、この
熱圧成形工程P5から導出される熱圧成形物W5を所定
の立体形状に切断して集成材W6を得る切断工程P6と
から構成されている。切断工程P6には切断機300が
備えられている。
【0021】上記ストランド製造工程P1にはストラン
ド製造装置100が備えられ、このストランド製造装置
100によって、単板製造工場で発生した厚さ2.6m
m〜4.0mmで繊維方向寸法960mm〜1920m
mのロータりー単板の廃材を所定寸法の矩形状に切断し
たものが原料木材Wとして供給される。具体的には、上
記寸法のロータリー単板が、繊維方向に直交するように
切断されて繊維方向寸法を480mmにしたものが調製
され、この繊維方向寸法480mmのものがストランド
製造機1に順次供給されるようになっている。そして、
このストランド製造機1に供給された原料木材Wは順次
4mm幅で切断され、厚さ2.6mm〜4mm×幅4m
m×長さ480mmの立体寸法のストランドW1が連続
的に製造されるようになっている。
【0022】なお、原料木材Wはロータリー単板から得
られるものに限定されるものではなく、製材から得られ
る各種の廃材を用いてもよい。また、ストランドW1は
上記寸法に切断されることに限定されるものではなく、
原料木材Wの状況や、所望する集成材の寸法等を勘案
し、任意に寸法設定することが可能である。
【0023】上記接着剤付与工程P2および上記乾燥工
程P3には両工程を1台で賄う接着剤付与装置200が
設けられている。この接着剤付与装置200は上流側に
設けられ、かつ接着剤付与工程P2に対応した接着剤付
与部210と、この接着剤付与部210の下流側に連設
され、かつ乾燥工程P3に対応した乾燥部220とによ
って基本構成され、接着剤付与部210が接着剤付与工
程P2で用いられるとともに、乾燥部220が乾燥工程
P3で用いられるようになっている。上記接着剤は熱硬
化性のものが用いられる。
【0024】そして、本発明の熱圧成形装置はこのよう
な乾燥工程P3の下流側の積層工程P4および熱圧成形
工程P5に設けるのが好適である。この熱圧成形装置1
は上流側に設けられた積層部1aと、この積層部1aの
下流側に連設された熱圧成形部1bとによって基本構成
され、積層部1aで積層工程P4が実行されるととも
に、熱圧成形部1bで熱圧成形工程P5が実行されるよ
うになっている。
【0025】以下本発明に係る熱圧成形装置に付いて図
面を基に詳細に説明する。図2は熱圧成形装置の一例を
示す斜視図であり、図3はその側面断面視の説明図であ
る。これらの図に示すように、熱圧成形装置1は、前後
方向一対のローラ2と、これら一対のローラ2間に張設
されたコンベヤベルト3と、幅方向一対の側部ベルト4
と、上記コンベヤベルト3と側部ベルト4とを駆動させ
る駆動機構5と、ストランドの積層物W4を加熱状態で
圧締成形する熱圧成形手段(加熱圧締機構)6とから構
成されている。
【0026】上記前後方向一対のローラ2は、フロアF
上に据え付けられた幅方向一対のH型鋼からなる基礎材
11に立設固定された複数の支柱12のうちの、最上流
側(左方)の支柱12および最下流側(右方)の支柱1
2に水平軸回りに回転可能に軸支されている。これら一
対のローラ2間に張設されたコンベヤベルト3が張設さ
れている。
【0027】上記幅方向一対の側部ベルト4は、コンベ
ヤベルト3の移送面両側部の上流側および下流側にそれ
ぞれ互いに対向して垂直軸41a回りに回転可能に軸支
された一対ずつのプーリ41の、上流側と下流側のプー
リ41間に張設されている。また、上記駆動機構5は、
コンベヤベルト3の下流側上部に設けられたローラ2お
よびプーリ41を駆動させるように構成され、上記熱圧
成形手段6は、コンベヤベルト3上の移送途中のストラ
ンドの積層物W4を加熱状態で圧締成形するように構成
されている。
【0028】上記コンベヤベルト3は積層工程P4にお
いて、その往きベルト上に乾燥工程P3からの乾燥スト
ランドW3を縦横に積層して積層物W4を調製し、熱圧
成形工程P5に向けて移送するためのものであり、本実
施形態では、ゴムベルトが適用されている。また、上記
側部ベルト4はコンベヤベルト3上を移送中の積層物W
4が、コンベヤベルト3の側部からこぼれ落ちるのを阻
止するためのものであり、本実施形態ではキャタピラ式
のベルトが適用されている。
【0029】上記前後一対のローラ2のうち、下流側の
ものは駆動ローラ2aとされ、駆動軸21回りに共回り
するように軸支されているとともに、上流側のものは従
動ローラ2bとされ、従動軸22回りに回転自在に軸支
されており、駆動ローラ2aの回転駆動によってコンベ
ヤベルト3を介して従動するようになっている。
【0030】上記従動ローラ2bはその軸受がコンベヤ
ベルト3の往きベルト下部の上流側適所に設けられた油
圧シリンダ15によって左方に押圧され、この押圧によ
って駆動ローラ2aと従動ローラ2bとの間に張設され
たコンベヤベルト3は常に緊張状態が維持されるように
なっている。
【0031】また、コンベヤベルト3の往きベルト下部
の下流側適所には、コンベヤベルト3の蛇行を修正する
ための幅方向一対の蛇行修正用シリンダ16が設けら
れ、これら一対の蛇行修正用シリンダ16の一方は、そ
のピストンロッド16aの先端部が駆動軸21の一側部
を支持している軸受21aに接続されているとともに、
他方(図3には現れていない)の蛇行修正用シリンダ1
6は、そのピストンロッド16aの先端部が駆動軸21
の他側部を支持している軸受21aに接続されている。
上記幅方向一対の軸受21aは、前後方向に移動可能に
してあるため、駆動ローラ2aが水平方向に傾いたとき
は、いずれかの蛇行修正用シリンダ16を駆動させてピ
ストンロッド16aでいずれか一方の軸受21aを下流
側に押圧することによって上記傾きが解消される。
【0032】また、駆動ローラ2aの近傍適所には、幅
方向一対のリミットスイッチ17が設けられ、駆動ロー
ラ2aが水平方向に傾いたときには、いずれか一方のリ
ミットスイッチ17がそれを検出し、この検出結果に基
づいて駆動ローラ2aの傾きを修正するようにいずれか
の蛇行修正用シリンダ16が駆動するようにしている。
従って、熱圧成形装置1の運転中に駆動ローラ2aが水
平方向に傾いても自動的に傾きは修正されるため、コン
ベヤベルト3の蛇行は確実に抑制される。
【0033】上記前後のローラ2間のフロアF上には架
台13(図3)が設けられ、この架台13の上部には上
方のコンベヤベルト3を支持する複数の小さな支持ロー
ラ23が設けられ、これらの支持ローラ23によるコン
ベヤベルト3の支持によって負荷が加わったコンベヤベ
ルト3の下方への撓みを防止するようにしている。
【0034】上記幅方向一対の支柱12の頂部間には架
橋材14が差し渡され、この架橋材14によって立設さ
れた支柱12の構造的な強度を大きくしている。また、
支柱12には上記側部ベルト4の外側方を被覆するカバ
ー体42が設けられ、このカバー体42によって側部ベ
ルト4の外部への露出を防いでいる。
【0035】上記前後のプーリ41および垂直軸41a
のうち、下流側(右方)のものはそれぞれ駆動プーリ
(下流側プーリ)410および駆動軸41a′とされ、
駆動プーリ410は駆動機構5から垂下された駆動軸4
1a′回りに共回りするようになっている。一方、上流
側(左方)のプーリ41および垂直軸41aは、それぞ
れ従動プーリ(上流側プーリ)411および従動軸41
a″とされ、従動プーリ411は、駆動プーリ410の
回転駆動によって側部ベルト4を介して従動軸41a″
回りに回転するようになっている。
【0036】そして、図3において、コンベヤベルト3
の進行方向に対して左方の駆動プーリ410は上面視で
駆動軸41a′回りに反時計方向に回転駆動するととも
に、同右方の駆動プーリ410は上面視で駆動軸41
a′回りに時計方向に回転駆動するように駆動設定され
ており、これらの回転駆動によって幅方向一対の側部ベ
ルト4の互いに対向した往きベルトはコンベヤベルト3
と同一の方向、すなわち上流側から下流側に向かって移
動することになる。そしてコンベヤベルト3および側部
ベルト4は同一速度で周回移動するように速度設定され
ている。
【0037】上記側部ベルト4が設けられていることに
より、コンベヤベルト3上に供給された乾燥ストランド
W3の、コンベヤベルト3の幅方向への脱落が防止さ
れ、さらに乾燥ストランドW3の積層物W4が側部ベル
ト4に当接した状態で移動することにより、乾燥ストラ
ンドW3の所定の積層状態の崩壊が確実に防止される。
つまり仕切りである側部ベルト4がコンベヤベルト3と
同じ速度で移動することによって、たとえ乾燥ストラン
ドW3が側部ベルト4に当接しても、その載置姿勢は変
化しない。
【0038】上記駆動機構5は下流側の支柱12間に幅
方向に跨って設けられた棚板51上に配置されている。
この駆動機構5は、駆動モータ52と、この駆動モータ
52の駆動力を所定の連絡プーリを介して駆動ローラ2
aに伝達する第1チエン53と、同駆動力を所定の連絡
プーリおよび複数の傘歯車等からなるギヤ構造55を介
して駆動プーリ410に伝達する第2チエン54とから
構成されている。そして、上記各連絡プーリの径比およ
び互いに噛合している傘歯車の歯数比を適切に設定する
ことによってコンベヤベルト3の周回速度と側部ベルト
4の周回速度とが同一になるように速度設定されてい
る。
【0039】そして、本発明においては駆動モータ52
は図略の制御装置の制御によって一定の周期で駆動、停
止が繰り返されるように間欠運転される。従って、コン
ベヤベルト3上に供給された乾燥ストランドW3はコン
ベヤベルト3および側部ベルト4の移動、停止に従って
間欠的に上流側から下流側に移送される。
【0040】図4は、熱圧成形手段の一例を示す説明図
であり、(イ)は側面視の説明図を、(ロ)は平面視の
説明図をそれぞれ示している。図4および図2〜3に示
すように、上記熱圧成形手段6は、コンベヤベルト3お
よび側部ベルト4を跨ぐように設けられたケーシング6
1と、このケーシング61に設けられた油圧ユニット
(油圧機構)62と、上記ケーシング61の内部に設け
られ、かつ上記油圧ユニット62からの作動オイルによ
って駆動する上下方向に延びた4本のシリンダ64と、
これらシリンダ64のピストンロッド64aに吊持され
たプレス部材65と、コンベヤベルト3の往きベルトを
挟んだ状態でこのプレス部材65の下面部に対向するよ
うにフロアF上に据え付けられた押圧受け台66と、上
記各シリンダ64の各々に対応してケーシング61に取
り付けられたレベル検出手段(局部上下位置検出手段)
63と、プレス部材65の複数の局部の上下位置を常に
同一レベルに制御するコントローラ67とを有してい
る。
【0041】上記レベル検出手段63は、ケーシング6
1の正面および背面に2本ずつ固定された筒部63a
と、この筒部63aに貫通し、かつ、下端部がプレス部
材65の上面に固定された位置検出ロッド63bとから
構成されている。この位置検出ロッド63bの下端部か
ら筒部63aの所定位置までの距離が図略のセンサによ
って測定され、これによってプレス部材65が水平姿勢
を維持しているか否かが判別され得るようにしている。
【0042】上記油圧ユニット62から各シリンダ64
に到る油圧管路には、図4の(ロ)に示すように、それ
ぞれ電磁弁(油圧機構)62aが設けられ、これらの電
磁弁62aを介して油圧ユニット62からの作動オイル
が各シリンダ64内に供給されるようになっている。従
って、各電磁弁62aの弁開度を変えることによって各
油圧ユニット62に供給される作動オイル量が異なった
ものになり、これによって各ピストンロッド64aの動
作量を調節することが可能になっている。
【0043】上記コントローラ67は内部に油量制御手
段を有している。この油量制御手段は、上記各レベル検
出手段63からの上下位置検出結果(ピストンロッド6
4aの突出量)を基に、各位置検出ロッド63bの下方
への突出量が同一になるように制御するものである。
【0044】具体的には、各レベル検出手段63からの
上下位置検出信号(点線で表示)がコントローラ67に
入力されると、各入力値とその時点でのピストンロッド
64aの標準突出量とが比較され、ピストンロッド64
aの突出量の方が標準突出量よりも小さい場合には、コ
ントローラ67の油量制御手段からそのレベル検出手段
63に隣接したシリンダ64の電磁弁62aに弁開度を
大きくするための制御信号(一点鎖線で表示)が出力さ
れ、逆にピストンロッド64aの突出量の方が標準突出
量よりも大きい場合には弁開度を小さくする制御信号が
出力されるようになっている。
【0045】従って、シリンダ64の駆動でプレス部材
65を下降させ、ストランドの積層物W4を圧締するに
際し、プレス部材65のレベルが局部的に異なることに
よる積層物W4の圧締不均一が起こらず、圧締された積
層物W4の厚みは全ての部分で均一になる。
【0046】上記プレス部材65の上流端には、スキー
板の先端部のような円弧部65aが形成されている。従
って、コンベヤベルト3上でプレス部材65に圧締され
たストランドの積層物W4は、プレス部材65の上流側
の円弧部65aにおいて上記曲面に沿った状態で下流側
に向けて厚みが漸次薄くなり、これによってプレス部材
65による圧締部分と圧締されていない部分との境界部
分で起こり易いストランドの折損が確実に抑止される。
【0047】上記プレス部材65は、上流プレス板65
aと、中央プレス板65bと、下流プレス板65cとか
らなる圧締板650を有しており、これら各プレス板6
5a,65b,65cの内部には熱媒体を導入する熱媒
体導入室が設けられている。そして、上流プレス板65
aおよび下流プレス板65cの熱媒体導入室には、冷却
水が導入されるとともに、中央プレス板65bにはオイ
ルを加熱して得られる熱油が導入され、プレス部材65
の上流側および下流側は冷却されるとともに、中央部は
加熱されるようになっている。
【0048】また、上記押圧受け台66の上面部には上
記圧締板650に対応した押圧受け板660が設けら
れ、この押圧受け板660には、上記上流プレス板65
a、中央プレス板65bおよび下流プレス板65cにそ
れぞれ対応した、上流プレス受け板66a、中央プレス
受け板66bおよび下流プレス受け板66cが設けら
れ、これらにも上記同様の熱媒体導入室が設けられてい
る。上記上流プレス受け板66aおよび下流プレス受け
板66cの熱媒体導入室には、冷却水が導入されるとと
もに、中央プレス受け板66bには熱油が導入されるよ
うになっている。なお、中央プレス板65bおよび中央
プレス受け板66bに熱油を供給する代りに電気ヒータ
によって加熱するようにしてもよい。
【0049】そして、上流プレス板65aおよび下流プ
レス板65cによってプレス部材65の冷却領域が形成
されているとともに、中央プレス板65bによってプレ
ス部材65のプレス部材65の加熱領域が形成されてい
る。また、上流プレス受け板66aおよび下流プレス受
け板66cによって押圧受け台66の冷却領域が形成さ
れているとともに、中央プレス受け板66bによって押
圧受け台66の加熱領域が形成されている。
【0050】そして、プレス部材65を下降させたとき
には、コンベヤベルト3上での乾燥ストランドW3の積
層で形成された積層物W4は、コンベヤベルト3を介し
て上記プレス部材65の下面部と上記押圧受け台66の
上面部とによって挟持押圧され、この押圧によって積層
物W4は圧締されるとともに、圧締状態の積層物W4の
上流側は上流プレス板65aおよび上流プレス受け板6
6aからの伝熱によって冷却され、同中央部は中央プレ
ス板65bおよび中央プレス受け板66bからの伝熱に
よって加熱され、同下流側は下流プレス板65cおよび
下流プレス受け板66cからの伝熱によって冷却される
ようになっている。
【0051】上記中央プレス板65bおよびそれに対向
した中央プレス受け板66bによって積層物W4が加熱
される理由は、ストランドにはその表面に熱硬化性の接
着剤が付与されており、この接着剤に熱を加えて硬化さ
せ、ストランド同士を迅速に相互に接着させるためであ
る。
【0052】また、上記上流プレス板65aおよびそれ
に対向した上流プレス受け板66aによって積層物W4
が冷却される理由は、圧締直前の積層物W4に熱が伝わ
り、積層物W4が圧締されない状態でストランド同士が
接着されてしまうのを防ぐためであり、さらに、上記下
流プレス板65cおよびそれに対向した下流プレス受け
板66cによって熱圧成形物W5が冷却される理由は、
熱圧成形されている部分からの熱の移動に同伴して、下
流側のすでに成形された熱圧成形物W5に水分の移動が
起こることを防止するためである。このような水分の移
動が起こると、熱圧成形物W5に「そり」や「ねじれ」
が生じるが、冷却することによってそれらの発生が有効
に阻止される。
【0053】そして、プレス部材65の昇降動作と、コ
ンベヤベルト3および側部ベルト4の間欠駆動とは相互
に同期設定されており、ベルト3,4の移動中にはプレ
ス部材65は上昇状態に維持され、ベルト3,4が停止
中にのみプレス部材65が下降し、所定時間経過後に上
昇するようになっている。また、ベルト3,4の1回分
の間欠移動距離は、中央プレス板65bの前後方向の長
さ寸法に設定されており、コンベヤベルト3の移動によ
って前進するストランドの積層物W4は、中央プレス板
65bによって余すところなく熱圧成形されるようにし
ている。
【0054】上記構成の熱圧成形装置1によれば、乾燥
工程P3から導出された乾燥ストランドW3を、コンベ
ヤベルト3の上流側に後に詳述する整列方法で縦横に順
次積層すれば、その結果得られた積層物W4は、コンベ
ヤベルト3および側部ベルト4の間欠移動に従って順次
前進し、油圧ユニット62の下部に到達した積層物W4
は、コンベヤベルト3および側部ベルト4の停止中に油
圧ユニット62の下降によって加熱圧締される。そし
て、所定時間の加熱圧締状態の維持による接着剤の硬化
によって隣接したストランド同士が相互に接着され、熱
圧成形物W5が得られる。その後、プレス部材65の上
昇およびそれに続く下降に同期したベルト3,4の駆動
によって、上記熱圧成形物W5は下流側に順次移動し、
コンベヤベルト3の下流端から外部に導出される。
【0055】以下、積層部1aでの積層工程P4におけ
る乾燥ストランドW3の積層方法の一例について、図5
を基に詳細に説明する。図5はコンベヤベルト上におけ
るストランドの積層状態を例示する説明図であり、
(イ)は1段目のみの平面視の説明図、(ロ)は上方に
5段目まで積層された側面視の説明図である。なお、こ
れらの図においては、図示の都合でストランド等は実際
の寸法とは異なったものを模式的に描いている。
【0056】まず、図5の(イ)に示すように、乾燥工
程P3から導出された乾燥ストランドW3は、その長手
方向がコンベヤベルト3の進行方向に平行になるように
コンベヤベルト3上に載置される。そして、それぞれの
乾燥ストランドW3はコンベヤベルト3の幅方向に隣接
する他の乾燥ストランドW3に対して同一方向に均等に
ずらせて配置される。従って、すべての乾燥ストランド
W3が幅方向に整列された状態では各乾燥ストランドW
3の端部を結んだ直線はコンベヤベルト3の進行方向に
対して角αの傾斜が形成された状態になっている。
【0057】このようにして水平方向に積層された各群
の平面視が菱形状の単位集成板4aに、階段状の端面同
士を互いに重なりがなく当接させた状態で順次新たにコ
ンベヤベルト3上で他の単位集成板4aが継ぎ足され、
コンベヤベルト3の進行方向の全長に亘って帯状に水平
方向の単位集成板層4が形成されていく。
【0058】そして、図5の(ロ)に示すように、第1
段目の単位集成板層4の上に第2段目、第3段目・・と
順次上方に上記と同様の配列方法で乾燥ストランドW3
が積層される。図5の(ロ)に示す例では、5段まで積
層された積層物W4が形成されている。この場合、下の
単位集成板層4に対して上の単位集成板層4は長さtだ
けずらせて積層される。そして、乾燥ストランドW3の
長さをL、上下方向の積層数をN、熱圧成形物W5を長
手方向に切断して得られる集成材W6の製品幅をB(図
5の(イ)に示す例では、長手方向に2分されている)
とした場合、上記傾斜角αおよびtは、 α≦arctan(B×N/L) t=L/N の条件を満足するように設定される。傾斜角αがこのよ
うに設定されるのは、垂直方向および水平方向に積層さ
れた各群の単位集成板層4を、どの部分で幅方向に切断
しても、この切断面には最高で1個所にしかストランド
同士の当接端面(すなわち長手方向の継ぎ目)が存在し
ないようになり、後の熱圧成形工程P5で得られた熱圧
成形物W5の剛性が向上するとともに、均一な集成材が
得られるからである。
【0059】そして、α≦arctan(B×N/L)
で、かつ、t=L/Nのときには、熱圧成形物W5の長
手方向の全長に亘って継ぎ目が均一に分散された状態に
なるため、熱圧成形物W5は強度的に均質なものにな
る。なお、上記長さtについてはt>L/Nにしてもよ
い。
【0060】以上の実施形態においては、乾燥ストラン
ドW3はすべて同じ長さのものが用いられているが、す
べて同一長さにする代わりに、上下方向の両側部のもの
だけを2倍の長さにすることも可能である。このように
すると、2倍の長さのストランドで、長手方向に継ぎ目
のある複数の乾燥ストランドW3を挟持した状態にな
り、積層方向における継ぎ目と継ぎ目との距離が大きく
なるため、その分熱圧成形物W5の強度が向上する。
【0061】なお、本発明の熱圧成形装置は、積層部1
aにおいてストランドを上記のような条件で積層する代
りに、ストランドをランダムに積層したものにも適用可
能である。
【0062】つぎに、熱圧成形工程P5における作用に
ついて図6を基に詳細に説明する。図6は熱圧成形工程
における成形過程を説明するための側面視の説明図であ
り、(イ)はプレス部材が上昇している状態、(ロ)は
プレス部材が下降して熱圧成形処理が施されている状態
をそれぞれ示している。この図の(イ)に示すように、
コンベヤベルト3の前進によって移動してきた積層物W
4は、駆動機構5の間欠駆動によって押圧受け台66上
に停止する。この状態では積層物W4は積層工程P4に
おいて整列積層されたままであるため、積層状態は密で
はなく、ストランド間に隙間が存在したりして分厚くな
っている。押圧受け台66上の前後方向の中央部よりも
若干下流側の部分には、先の熱圧成形処理によって薄く
なった熱圧成形物W5が続いている。
【0063】この状態で油圧ユニット62が駆動され、
図6の(ロ)に示すように、プレス部材65が所定のス
トローク分だけ下降する。そして、上記プレス部材65
による積層物W4の圧締状態が、所定時間だけ維持され
る。そうすると、中央プレス板65bの下面部および中
央プレス受け板66bとに挟持押圧された積層物W4は
それらからの熱を受け、ストランドの表面に付与されて
いる接着剤が硬化し、ストランド同士が相互に結合した
熱圧成形物W5が得られる。所定時間経過後、プレス部
材65は上昇するとともに、それに同期してコンベヤベ
ルト3が駆動し、熱圧成形物W5は下流側に移動する。
【0064】上記切断工程P6には、通常の製材等に用
いられる公知の切断装置300(図1)が適用されてい
る。そして、熱圧成形工程P5から導出された熱圧成形
物W5はこの切断装置4によって所定の立体形状になる
ように切断され、集成材W6として系外に導出される。
そして、熱圧成形工程P5からは連続して熱圧成形物W
5が導出されるため、集成材W6はどのような長さにで
も寸法設定することが可能であり、生産される集成材W
6の自由度が大きく上昇する。
【0065】図7は、本発明の熱圧成形装置によって得
られた集成材を例示する斜視図であり、(イ)は、スト
ランドを幅方向および高さ方向に規則正しく積層して集
成材にしたものを示し、(ロ)は、ストランドの幅方向
および高さ方向の積層が規則正しく行われていない集成
材を示している。これらの図に示すように、集成材W
6,W6aは接着剤を付与され、その後乾燥された乾燥
ストランドW3が断面視で碁盤の目状((イ))または
ランダム((ロ))に縦横に積層され、かつ隣接したス
トランド同士は接着固定されている。
【0066】そして、いずれのストランドについても、
その端部と他のストランドの端部との継ぎ目7は縦横に
隣接する他のストランドの継ぎ目7とはずれた状態にな
っているため、構造的に弱いストランドの長手方向の継
ぎ目7は他の隣接する複数のストランドの胴部によって
挟持された状態になっており、集成材W6中のストラン
ドの端部同士の当接部分の構造的な弱さが補償され、集
成材W6は非常に剛性に富んだものになる。なお、上記
継ぎ目7は、図7の(イ)に示すように一のストランド
と他のストランドとが相互に当接した状態にしてもよい
し、(ロ)に示すように一のストランドと他のストラン
ドとの間に1〜2mmの隙間を設けるようにしてもよ
い。
【0067】また、図7の(ロ)の集成材W6aは、コ
ンベヤベルト3上に幅方向に亘る重量分布が一様になる
ようにストランドを配置して圧締したものであり、幅方
向および高さ方向の配列状態はランダムになっている。
この配列状態がランダムなものをプレス部材65で圧締
することによって断面視が長方形状に成形されるが、こ
のときにプレス部材65の下降距離を制御して集成材W
6aの厚さを変えることによって、種々の空隙率を有す
る集成材W6aが得られる。従って、プレス部材65の
下降距離を種々変えることによって種々の密度の集成材
W6aを製造することが可能になる。
【0068】従って、本発明に係る熱圧成形装置1を用
い、その積層部1aにおいて上記の条件で乾燥ストラン
ドW3積層して得られた集成材W6は、建築用等の木材
構造物の構造材として充分利用することが可能になる。
しかも、積層物W4の積層数を種々変化させることによ
って、集成材W6の断面寸法を任意に設定することが可
能になるとともに、熱圧成形工程P5において連続的に
熱圧成形物W5が生産されるため、長さ寸法は任意に設
定することが可能であり、その結果、通常の自然木の製
材では到底得ることのできなかった長大な構造材を製造
することが可能になり、木材の適用範囲を拡大する上で
極めて好都合である。
【0069】さらに、本発明の熱圧成形装置1は、原料
として使用する原料木材Wが、上記実施形態において適
用したロータリー単板の半端物に限定されるものではな
く、通常は廃棄処分や焼却処分に付される製材廃棄物
や、間伐材等をも適用することが可能であり、それらを
原料木材Wとして利用することにより、木材資源の有効
活用および環境保全が実現する。
【0070】また、上記実施形態においては、接着剤と
して熱硬化性のものが用いられているが、熱硬化性接着
剤の代わりに常温硬化性の接着剤を用いることも可能で
ある。この場合は、熱圧成形工程P5において、特に加
熱処理を施す必要はなくなる。
【0071】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の請求項1記
載の集成材の熱圧成形装置は、コンベヤベルトが駆動手
段によって間欠的に回転駆動する一対のローラ間に張設
され、このコンベヤベルトの往きベルト幅方向両側部で
あって上流端および下流端に垂直軸回りに回転可能な上
流側プーリおよび下流側プーリがそれぞれ設けられ、こ
れら両プーリ間に幅方向一対の側部ベルトが張設され、
これら一対の側部ベルトは上記コンベヤベルトと同一速
度で周回移動するように構成されてなるものであるた
め、駆動手段を駆動させることによって上流端および下
流端にそれぞれ水平軸回りに回転可能に設けられた一対
のローラは少なくともその一方が回転し、この回転によ
ってローラ間に張設されたコンベヤベルトは間欠的に周
回する。この周回しているコンベヤベルトの上流側往き
ベルトに接着剤の付与されたストランドを縦横に積層す
れば、得られた積層物は往きベルトの移動によって下流
側に移送される。
【0072】そして、コンベヤベルトが停止中に加熱圧
締機構を駆動させることによって上記積層物は圧締さ
れ、この圧締によって互いに隣接したストランドの表面
同士が押圧当接された状態になり、加熱されていること
とも相俟って表面に付与されている接着剤によりストラ
ンド同士が強固に接着され、多くのストランドの集合物
から成る集成材が得られる。
【0073】そして、往きベルトの幅方向両側部に設け
られた上流側プーリと下流側プーリとの間に幅方向一対
の側部ベルトが張設され、これら一対の側部ベルトは上
記コンベヤベルトと同一速度で周回移動するようにして
いるため、上記ストランドの積層物は上記側部ベルトに
阻止されてコンベヤベルトからの脱落が有効に阻止され
るとともに、たとえ積層物が側部ベルトに当接したとし
ても、ストランドの積層状態が崩れることはなく、その
結果常に適正な積層状態で押圧されて集成材が成形さ
れ、バラツキのない均質な集成材を製造する上で極めて
好都合である。
【0074】上記請求項2記載の集成材の熱圧成形装置
によれば、コンベヤベルト上のストランドの積層物は加
熱圧締機構のプレス部材によって押圧された状態で、そ
の上流部分において、プレス部材および押圧受け台の冷
却領域によって冷却され、この冷却によって上流側の積
層物への伝熱が抑制され、未圧締の積層物の接着剤の加
熱活性化が抑制されることによる、未だ圧締されていな
いストランド同士の相互の接着が確実に抑制され、未圧
締状態のストランド同士が接着してしまうことによって
圧締時の適正な接着が損なわれるという不都合が確実に
防止される。
【0075】また、上記積層物がプレス部材によって押
圧された状態で、その下流部分において下流側の冷却領
域で再度冷却され、この冷却によって加熱領域で生じた
水蒸気が凝縮するため、下流側のすでに成形品(集成
材)になっている部分への水分の移動が確実に抑制さ
れ、この水分の移動の抑制によって集成材の「ゆがみ」
や「捻じれ」が有効に抑止され、良質の集成材を製造す
る上で好都合である。
【0076】上記請求項3記載の集成材の熱圧成形装置
によれば、プレス部材内および押圧受け台の加熱領域に
対応した部分に加熱オイルが供給されるとともに、同冷
却領域に冷却水が供給されるように構成されているた
め、簡単な構造で確実に加熱領域および冷却領域をそれ
ぞれ加熱および冷却することが可能になる。
【0077】上記請求項4記載の上記加熱圧締機構によ
れば、ストランドの積層物がプレス部材によって圧締さ
れるに際し、各局部レベル検出手段からのプレス部材の
上下位置検出結果がコントローラーに入力され、これに
よってコントローラは、プレス部材の各局部のレベルが
同一レベルになるように各シリンダに供給される油量を
調節する制御信号を油圧機構に向けて出力するため、こ
の制御信号によってシリンダに供給される油量が調節さ
れ、プレス部材の積層物への当接面は常に水平状態が維
持される。この水平状態の維持によってストランドの積
層物は上面全面に亘って常に同じ上下方向の距離だけプ
レス部材によって圧締され、上下方向の圧締量に差がな
い状態になる。
【0078】従って、重量分布が一様になるようにスト
ランドを積層して積層物を形成し、これによって積層物
は厚み寸法にバラツキが生じるようになっても、プレス
部材による圧締によって形成された積層物の厚み寸法が
一様になるため、圧締された積層物の密度は均一にな
り、密度分布が均一な集成材を製造する上で極めて有効
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱圧成形装置が適用される集成材の製
造方法の一例を示す工程図である。
【図2】熱圧成形装置の一例を示す斜視図である。
【図3】図2の側面断面視の説明図である。
【図4】熱圧成形手段の一例を示す説明図であり、
(イ)は側面視の説明図を、(ロ)は平面視の説明図を
それぞれ示している。
【図5】コンベヤベルト上におけるストランドの積層状
態を例示する説明図であり、(イ)は1段目のみの平面
視の説明図、(ロ)は上方に5段目まで積層された側面
視の説明図である。
【図6】熱圧成形工程における成形過程を説明するため
の側面視の説明図であり、(イ)はプレス部材が上昇し
ている状態、(ロ)はプレス部材が下降して熱圧成形処
理が施されている状態をそれぞれ示している。
【図7】本発明の熱圧成形装置によって得られた集成材
を例示する斜視図であり、(イ)は、ストランドを幅方
向および高さ方向に規則正しく積層して集成材にしたも
のを示し、(ロ)は、ストランドの幅方向および高さ方
向の積層が規則正しく行われていない集成材を示してい
る。
【符号の説明】
P1 ストランド製造工程 P2 接着剤付与工程 P3 乾燥工程 P4 積層工程 P5 熱圧成形工程 P6 切断工程 W 原料木材 W1 ストランド W2 接着剤付きストランド W3 乾燥ストランド W4 積層物 W5 熱圧成形物 W6,W6a 集成材 1 熱圧成形装置 1a 積層部 1b 熱圧成形部 11 基礎材 12 支柱 13 架台 14 架橋材 15 油圧シリンダ 2 ローラ 2a 駆動ローラ 2b 従動ローラ 21 駆動軸 22 従動軸 23 支持ローラ 3 コンベヤベルト 4 側部ベルト 41 プーリ 41a 垂直軸 41a″ 従動軸 410 駆動プーリ 411 従動プーリ 5 駆動機構 51 棚板 52 駆動モータ 53 第1チエン 54 第2チエン 55 ギヤ構造 6 熱圧成形手段 61 ケーシング 62 油圧ユニット 63 レベル検出手段 62a 筒部 63b 位置検出ロッド 64 シリンダ 64a ピストンロッド 65 プレス部材 65a 上流プレス板 65b 中央プレス板 65c 下流プレス板 66 押圧受け台 66a 上流プレス受け板 66b 中央プレス受け板 66c 下流プレス受け板 7 継ぎ目

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンベヤベルトによって移送される表面
    に接着剤の付与されたストランドの積層物を、コンベヤ
    ベルトを跨ぐように設けられた加熱圧締機構によって加
    熱圧締することにより集成材を製造するように構成され
    た集成材の熱圧成形装置であって、上記コンベヤベルト
    は上流端および下流端にそれぞれ水平軸回りに回転可能
    に設けられ、かつ駆動手段によって間欠的に回転駆動す
    る一対のローラ間に張設され、上記コンベヤベルトの往
    きベルト幅方向両側部であって上流端および下流端に垂
    直軸回りに回転可能な上流側プーリおよび下流側プーリ
    がそれぞれ設けられ、これら両プーリ間に幅方向一対の
    側部ベルトが張設され、これら一対の側部ベルトは上記
    コンベヤベルトと同一速度で周回移動するように構成さ
    れていることを特徴とする集成材の熱圧成形装置。
  2. 【請求項2】 上記加熱圧締機構は往きベルトと平行な
    押圧面を備えたプレス部材を有し、このプレス部材の押
    圧面に対向し、かつ往きベルトの裏面に摺接する押圧受
    け台が設けられ、上記押圧面はその上流側と下流側とに
    冷却領域が形成されているとともに冷却領域に挟まれた
    部分に加熱領域が形成され、上記押圧受け台の表面には
    上記冷却領域および加熱領域に対応した冷却領域および
    加熱領域が形成されていることを特徴とする請求項1記
    載の集成材の熱圧成形装置。
  3. 【請求項3】 上記プレス部材内および押圧受け台の加
    熱領域に対応した部分に加熱オイルが供給されるととも
    に、同冷却領域に冷却水が供給されるように構成されて
    いることを特徴とする請求項2記載の集成材の熱圧成形
    装置。
  4. 【請求項4】 上記加熱圧締機構は、上記プレス部材の
    昇降用としてプレス部材の上方に縦横に配された少なく
    とも4本のシリンダと、これらシリンダの各々に対応し
    て設けられたプレス部材の局部上下位置を検出する局部
    レベル検出手段と、上記各シリンダに油圧を送る油圧機
    構と、プレス部材の局部上下位置を常に同一レベルに制
    御するコントローラとを有し、上記コントローラは、上
    記各局部上下位置検出手段からの上下位置検出結果を基
    に、プレス部材の下面部が常に水平姿勢を維持するよう
    に各シリンダに供給される油量を調節する制御信号を油
    圧機構に向けて出力する油量制御手段を有していること
    を特徴とする請求項2または3記載の集成材の熱圧成形
    装置。
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