JPH0952069A - 潤滑性に優れた塗装鋼板およびその製造方法 - Google Patents

潤滑性に優れた塗装鋼板およびその製造方法

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JPH0952069A
JPH0952069A JP22739795A JP22739795A JPH0952069A JP H0952069 A JPH0952069 A JP H0952069A JP 22739795 A JP22739795 A JP 22739795A JP 22739795 A JP22739795 A JP 22739795A JP H0952069 A JPH0952069 A JP H0952069A
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JP
Japan
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layer
baking
steel sheet
primer layer
resin
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JP22739795A
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English (en)
Inventor
Keiji Yoshida
啓二 吉田
Takashi Anyashiki
孝思 庵屋敷
Saburo Ito
三郎 伊藤
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動販売機のデリバリーシューターなどのよ
うに、物品を滑らせて移動させる部位に使用するのに適
した、塗膜表面の潤滑性に優れ且つ加工性および耐食性
も優れた性能を有する塗装鋼板を提供する。 【解決手段】亜鉛系めっき鋼板の表面上に形成された化
成処理層と、化成処理層の上に形成されたプライマー層
と、プライマー層の上に形成された塗膜層とからなり、
プライマー層は、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)とポリエ
ーテルサルフォン樹脂(PES) とを主成分とし、PTFE/PES
比が10/90 〜60/40 の範囲内であり、塗膜層は、4フッ
化エチレン樹脂およびポリエーテルサルフォン樹脂を主
成分とする塗料を塗布し、焼付け時間Xと焼付け温度Y
とが、Y≧(4000/X)+320 、Y≦(7000/X)+320 (但し
Y≦420, X≦100)を満足する条件で焼付けることにより
形成され、且つ、塗膜層とプライマー層との合計膜厚は
6〜30μm の範囲内である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、自動販
売機のデリバリーシューターなどのように、物品を滑ら
せて移動させる部位に使用するに適した、塗膜表面の潤
滑性に優れ且つ加工性および耐食性の優れた塗装鋼板お
よびその製造方法に関するものである。
【0002】近年、塗装鋼板の用途が多様化しており、
従来のような、屋根などの建材用や家庭電器製品の材料
用として使用されるだけでなく、調理容器や自動販売機
のデリバリーシューター用としても使用されるようにな
りつつある。これに伴って、塗装鋼板に要求される特性
についても、従来の成形加工性、耐疵つき性、耐薬品
性、耐食性、耐候性などに加え、耐熱性や潤滑性などの
様々な特性が求められるようになってきた。
【0003】このうち、自動販売機のデリバリーシュー
ター用材料としては、特に物品の移送性すなわち潤滑
性、加工性および耐食性が重要な特性として要求されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】建材用や家庭電器製品
用の塗装鋼板として、一般にポリエステル系樹脂、フッ
化ビニリデン系樹脂、シリコンポリエステル系樹脂等を
主成分とする塗膜が形成された鋼板が使用されている
が、このような塗装鋼板は、デリバリーシューター等に
要求されている潤滑性を有していない。
【0005】調理容器用の塗装鋼板として、4フッ化エ
チレン(PTFE)などのフッ化オレフィン樹脂とポリエーテ
ルサルフォン(PES) などの他の耐熱性樹脂との組合せか
らなる塗膜を有する、非粘着性および耐熱性に優れた塗
膜を有する塗装鋼板(以下、先行技術という)が、例え
ば特開昭61-111177 、特開昭61-112639 、特開昭61-111
378 、特開昭61-193842 、特開平2-92536 号公報等に開
示されており、一部では実用化されている。
【0006】しかしながら、上記先行技術の塗装鋼板に
おいては、下地鋼板として、クロムめっき鋼板(TFS) 、
アルミニウム板、ステンレス鋼板等が使用されているた
めに、クロムめっき鋼板の場合には耐食性が不十分であ
り、アルミニウム板の場合には強度が不十分であり、ま
た、ステンレス鋼板の場合には打ち抜き性などの加工性
が劣り且つコスト高になる等の問題があった。
【0007】このように、従来の塗装鋼板では、例え
ば、自動販売機のデリバリーシューターなどのように、
物品を滑らせて移動させる部位に使用するに適した、塗
膜表面の潤滑性に優れ且つ加工性および耐食性も優れた
性能は得られない。
【0008】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、例えば、自動販売機のデリバリーシューター
などのように、物品を滑らせて移動させる部位に使用す
るに適した、塗膜表面の潤滑性に優れ且つ加工性および
耐食性も優れた塗装鋼板およびその製造方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の塗装鋼板は、
亜鉛系めっき鋼板の少なくとも1つの表面上に形成され
た化成処理層と、前記化成処理層の上に形成されたプラ
イマー層と、そして、前記プライマー層の上に形成され
た塗膜層とからなっており、前記プライマー層は、4フ
ッ化エチレン樹脂とポリエーテルサルフォン樹脂とを主
成分とし、前記プライマー層中の4フッ化エチレン樹脂
/ポリエーテルサルフォン樹脂の重量比が10/90〜
60/40の範囲内である塗料を塗布しそして焼付ける
ことによって形成されており、前記塗膜層は、4フッ化
エチレン樹脂およびポリエーテルサルフォン樹脂を主成
分とする塗料を塗布し、焼付け時間X(秒)と焼付け温
度Y(℃)とが下記式を満足する条件で焼き付けること
により形成されており、 Y≧(4000/X)+320・・・・(1) Y≦(7000/X)+320・・・・(2) 但し、Y≦420、 X≦100 そして、前記焼付けられた塗膜層と前記プライマー層と
の合計膜厚は、前記鋼板の片面当り6〜30μm の範囲
内であることに特徴を有するものである。
【0010】また、この発明の方法は、亜鉛系めっき鋼
板に対し化成処理を施して前記亜鉛系めっき鋼板の少な
くとも1つの表面上に化成処理層を形成し、次いで、前
記化成処理層の形成された亜鉛系めっき鋼板に対し、4
フッ化エチレン樹脂とポリエーテルサルフォン樹脂と
が、4フッ化エチレン樹脂/ポリエーテルサルフォン樹
脂の重量比で10/90〜60/40の範囲内で含有す
るプライマーを塗布し、そして、これを、180〜25
0℃の範囲内の温度で焼付けることにより、前記化成処
理層の上にプライマー層を形成し、次いで、前記プライ
マー層の上に、4フッ化エチレン樹脂およびポリエーテ
ルサルフォン樹脂を主成分とする塗料を、焼付け後の膜
厚が、前記プライマー層との合計で、鋼板片面当り6〜
30μm の範囲内となるように塗布し、焼付け時間X
(秒)と焼付け温度Y(℃)とが下記式 Y≧(4000/X)+320・・・・(1) Y≦(7000/X)+320・・・・(2) 但し、Y≦420、 X≦100 を満足する条件で、これを焼付けることによって、前記
プライマー層の上に塗膜層を形成することに特徴を有す
るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明の塗装鋼板について説明
する。下地鋼板としては、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜
鉛めっき鋼板等の亜鉛めっき鋼板、または、鉄−亜鉛合
金系めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム合金系めっき鋼
板、亜鉛−ニッケル合金系めっき鋼板等の亜鉛合金系め
っき鋼板が使用される。
【0012】上記鋼板のなかでも、耐食性および加工性
の観点から、亜鉛めっき量が、鋼板片面当り15〜90
g/m2の範囲内である溶融亜鉛めっき鋼板または電気亜鉛
めっき鋼板が好ましい。亜鉛めっき量が、鋼板片面当り
15g/m2未満では耐食性が不十分であり、一方、鋼板片
面当り90g/m2を超えると、成形加工時にめっき層に起
因する割れが生じやすくなる。
【0013】亜鉛系めっき鋼板の少なくとも1つの表面
上に形成される化成処理層としては、特に限定されるも
のではないが、リン酸亜鉛処理、リン酸鉄処理などのリ
ン酸塩処理、または、電解クロメート処理、反応クロメ
ート処理、塗布型クロメート処理などのクロメート処理
によって形成される。
【0014】最上層の塗膜層形成時における加熱温度が
高温であることを考慮すると、化成処理層は、上記のう
ちクロメート処理によって形成することがより好まし
い。化成処理層を、リン酸塩処理によって形成した場合
には、加工時において密着性がやや劣化するおそれが生
ずる。化成処理層をクロメート処理によって形成するに
際し、耐食性および密着性の向上のために、クロメート
処理液中に、シリカ、リン酸、樹脂成分等を添加しても
よい。形成されたクロメート皮膜の量は、鋼板片面当
り、金属クロム換算で10〜150mg/m2 の範囲内とす
ることが好ましい。
【0015】化成処理層の上には、耐食性および密着性
の向上のために、プライマー層が形成される。プライマ
ー層は、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)とポリエーテル
サルフォン樹脂(PES)とを主成分とし、プライマー層中
のPTFE/PES の重量比が10/90〜60/40の範囲
内である塗料を塗布し、これを焼付けることによって形
成される。PTFE/PES の重量比が上記範囲を外れ、樹脂
100重量部中、PTFE成分が10重量部未満または60重量部
を超えると、加工性および密着性が劣化する。
【0016】プライマー層のベース樹脂として、プレコ
ート鋼板に主として使用されているポリエステル樹脂や
エポキシ樹脂を使用した場合には、最上層の塗膜層の焼
付け温度が360 ℃以上であることから、その焼付け時に
樹脂が熱によって劣化し、塗膜密着性等の性能が低下す
る。
【0017】プライマー層の膜厚は特に限定されるもの
ではないが、耐食性、密着性および経済性の観点から、
4〜10μm の範囲内であることが好ましい。なお、プ
ライマーには、耐食性付与のための、いわゆる防錆顔料
を配合することができる。
【0018】プライマー層の上に形成される塗膜層とし
ては、4フッ化エチレン(PTFE)樹脂およびポリエーテル
サルフォン(PES) 樹脂を主成分とする塗料が使用され
る。上記4フッ化エチレン(PTFE)樹脂によって、塗膜の
表面に高潤滑層が形成される結果、鋼板に優れた潤滑性
が付与される。
【0019】塗料中の4フッ化エチレン(PTFE)樹脂とポ
リエーテルサルフォン(PES) 樹脂との比率は、特に限定
されるものではいが、樹脂100重量部中、PTFE成分が
40〜70重量部の範囲内であることが好ましい。なお、必
要に応じて、塗料中にアルミニウム粉末を添加してもよ
い。
【0020】上記塗料が塗布された塗膜の焼付けは、焼
付け時間X(秒)と焼付け温度Y(℃)とが下記式を満
足する条件で行うことが必要である。なお、ここで焼付
け温度は、焼付け時における鋼板の到達最高温度を意味
している。 Y≧(4000/X)+320・・・・(1) Y≦(7000/X)+320・・・・(2) 但し、Y≦420、 X≦100
【0021】塗膜の焼付け条件が、上記(1) 式を満足せ
ず、焼付けが低温、短時間の場合には、ポリエーテルサ
ルフォン(PES) 樹脂の溶融が不十分になるために、潤滑
性および加工性を向上させることができない。また、塗
膜の焼付け条件が上記(2) 式を満足せず、焼付けが高
温、長時間の場合には、亜鉛めっき層に溶融、酸化劣
化、合金化反応等が生ずるために、塗膜の加工性が著し
く劣化する。
【0022】塗膜層の膜厚は、潤滑性、耐磨耗性、加工
性および塗装・焼付け作業性等の観点から、プライマー
層との合計で、鋼板の片面当り6〜30μm の範囲内で
あることが必要である。塗膜層とプライマー層との合計
膜厚が、鋼板の片面当り6μm 未満では、潤滑性および
耐磨耗性を向上させることができない。一方、上記合計
膜厚が、鋼板の片面当り30μm を超えると、塗膜にそ
の焼付け時に生ずる膨れなどのような表面欠陥が発生す
る。塗膜層とプライマー層とのより好ましい合計膜厚
は、鋼板の片面当り8〜25μm の範囲内である。
【0023】上述した、この発明の塗装鋼板は、次のよ
うにして製造される。鋼板に溶融亜鉛めっき処理または
電気亜鉛めっき処理を施して、鋼板の表面上に、所定め
っき量の溶融亜鉛めっき層、溶融亜鉛合金めっき層、電
気亜鉛めっき層、電気亜鉛合金めっき層等からなる亜鉛
系めっき層を形成する。次いで、このような、亜鉛系め
っき層が形成された亜鉛系めっき鋼板に対し、クロメー
ト処理またはリン酸塩処理等の化成処理を施して、亜鉛
系めっき層の上に化成処理層を形成する。
【0024】次いで、4フッ化エチレン(PTFE)樹脂およ
びポリエーテルサルフォン(PES) 樹脂を主成分とする塗
料を化成処理層の上に塗布した後これを焼付けることか
らなるプライマー処理を施して、化成処理層の上にプラ
イマー層を形成する。
【0025】プライマーの焼付け温度は、180 〜250 ℃
の範囲内であることが必要である。焼付け温度が180 ℃
未満では、加工性および塗膜密着性が不十分になり、一
方、焼付け温度が250 ℃を超えると、加工性および塗膜
密着性に加えて、塗膜外観も劣化する。
【0026】次いで、プライマー層の上に、4フッ化エ
チレン(PTFE)樹脂およびポリエーテルサルフォン(PES)
樹脂を主成分とする塗料を、焼付け後の膜厚が、上記プ
ライマー層との合計で鋼板片面当り6〜30μm の範囲
内になるように塗布した後、これを焼き付けることによ
り、プライマー層の上に上塗り塗膜層を形成する。この
ときの塗膜の焼付けは、前述した(1) 式および(2) 式を
満足する条件で行うことが必要である。
【0027】上述したプライマー層および塗膜層の形成
のための塗料の塗布は、ロールコータ、カーテンフロー
等の公知の塗布方法によって行われる。また、上記によ
り塗布された塗料の焼付けは、熱風乾燥方式、誘導加熱
方式、赤外線加熱方式などの公知の焼付け方法によって
行われる。
【0028】このようにして、鋼板の表面上に形成され
た亜鉛系めっき層と、前記亜鉛系めっき層の上に形成さ
れた化成処理層と、前記化成処理層の上に形成されたプ
ライーマー層と、そして、前記プライーマー層の上に形
成された塗膜層とからなる本発明の塗装鋼板が製造され
る。
【0029】
【実施例】次に、この発明の塗装鋼板およびその製造方
法を、実施例によって比較例と対比しながら更に説明す
る。板厚0.5mm の鋼板の表面上に、電気亜鉛めっき処理
または溶融亜鉛めっき処理を施して、表1に示すめっき
量の電気亜鉛めっき層または溶融亜鉛めっき層を形成し
た。このようにして調製された亜鉛系めっき鋼板に対
し、この発明の方法により、クロメート処理またはリン
酸塩処理等の化成処理を施して、亜鉛系めっき層の上に
化成処理層を形成した。
【0030】次いで、化成処理層の形成された亜鉛系め
っき鋼板に対し、この発明の方法により、プライマー処
理を施して、化成処理層の上にプライマー層を形成し、
次いで、プライマー層の上にこの発明の焼付け条件によ
り塗膜層を形成して、この発明の塗装鋼板の供試体(以
下、本発明供試体という)No.1〜13を調製した。
【0031】プライマー層および塗膜層は、下記塗料を
ロールコータを使用して塗布し次いで熱風乾燥炉により
焼付けることにより形成した。 プライマー層:PTFE/PES(重量比は表1に記
載) 塗膜層 :PTFE/PES(50/50重量比) アルミニウム粉末3重量部(/樹脂100重量部)
【0032】化成処理は、塗布型クロメート処理または
リン酸亜鉛処理により下記条件で行った。 塗布型クロメート処理:塗布量40mg/m2 (Cr量換算) リン酸亜鉛処理 :塗布量1.2 mg/m2
【0033】表1に、本発明供試体No.1〜13のめっき層
種別およびめっき量、化成処理層の種別、プライマー層
のPTFE/PES重量比、焼付温度および膜厚、およ
び、塗膜層の焼付け温度、焼付け時間、膜厚を示す。な
お、亜鉛系めっき鋼板の他方の表面には、一方の表面と
同様の膜厚5μm のプライマー層を形成した。
【0034】
【表1】
【0035】比較のために、本発明が規定する条件の少
なくとも1つが外れた塗装鋼板の供試体(以下、比較用
供試体という)No.1〜13を調製した。表2に、比較用供
試体No.1〜13のめっき層種別およびめっき量、化成処理
層の種別、プライマー層のPTFE/PES重量比、焼
付温度および膜厚、および、塗膜層の焼付け温度、焼付
け時間、膜厚を示す。なお、比較用供試体No. 1のティ
ンフリースチールの厚さは0.4mm であった。
【0036】
【表2】
【0037】本発明供試体および比較用供試体の各々に
ついて、塗膜外観、摩擦係数、耐磨耗性、加工性、二次
密着性および耐食性を、以下に述べる性能試験によって
評価し、評価結果を表1および表2に併せて示した。
【0038】(1) 塗膜外観:焼付け後の塗膜を目視で観
察し、観察結果を下記によって評価した。 ◎:ワキ、膨れなどが全くない場合 ○:ワキ、膨れなどがほとんどない場合 △:ワキ、膨れなどが少し生じた場合 ×:ワキ、膨れなどが顕著に生じた場合
【0039】(2) 摩擦係数:摩擦係数測定装置「HEIDON
10 」を使用し、傾斜させた供試体の上に載せた重量15
0gのステンレス性ボードが滑り始めるときの傾斜角度θ
から静摩擦係数μ(=tan θ) を求め、下記によって評価
した。 ◎:μが0.12未満の場合 ○:μが0.12〜0.18未満の場合 △:μが0.18〜0.22未満の場合 ×:μが0.22以上の場合
【0040】(3) 耐磨耗性:テーバー磨耗試験機を使用
し、CS-17 型磨耗輪を用い、供試体を1000回転させたと
きの磨耗による重量減少を測定し、下記によって評価し
た。 ◎:重量減少が 50mg 未満の場合 ○:重量減少が 50 〜100mg 未満の場合 △:重量減少が100 〜150mg 未満の場合 ×:重量減少が150mg 以上のものまたは1000回転未満で
下地が露出した場合
【0041】(4) 加工性:供試体に対し、これと同じ厚
さの鋼板を1枚挟んで180 °曲げを行うことからなる1
T曲げを施した後、曲げ部に接着テープを貼り次いでこ
れを剥がし、曲げ部に生じた塗膜の剥離面積によって、
下記により評価した。 ◎:剥離がない場合 ○:剥離面積が1〜5%未満の場合 △:剥離面積が5〜30%未満の場合 ×:剥離面積が30%以上の場合
【0042】(5) 二次密着性:供試体の塗膜にカッター
ナイフで1mm間隔の碁盤状の刻み目を10×10の100 枡と
なるように入れ、このような刻み目の入れられた供試体
に対し、エリクセン試験機で9mmの押し出しを施し、次
いで、上記押し出しの施された供試体を沸水中に3時間
浸漬した後、24時間放置し、次いで、刻み目部分に接
着テープを貼りそしてこれを剥がしたときの、供試体に
生じた剥離面積に基づき、下記により評価した。 ◎:剥離面積が5%未満の場合 ○:剥離面積が5〜10%未満の場合 △:剥離面積が10〜30%未満の場合 ×:剥離面積が30%以上の場合
【0043】(6) 耐食性:供試体に対し、その塗膜に金
属素地まで達するクロス状の刻み目を入れ、このような
クロス状の刻み目の入った供試体について、JIS Z 2371
に基づく500 時間の塩水噴霧試験を施し、生じた発錆部
の面積により、発錆部面積の全体面積に対する比率を発
錆率として、下記により評価した。 ◎:発錆率が10%未満の場合 ○:発錆率が10〜25%未満の場合 △:発錆率が25〜50%未満の場合 ×:発錆率が50%以上の場合
【0044】表1と表2とを比較すれば明らかなよう
に、下地鋼板としてティンフリースチールを使用した比
較用供試体No. 1は、耐食性が悪かった。プライマー層
が形成されていない比較用供試体No. 2は、加工性、二
次密着性および耐食性が悪かった。塗膜層とプライマー
層との合計膜厚が本発明の範囲を外れて少ない比較用供
試体No. 3は、耐磨耗性および耐食性が悪かった。塗膜
層とプライマー層との合計膜厚が本発明の範囲を超えて
多い比較用供試体No. 4は、焼付け後の塗膜に膨れが生
じ、塗膜外観、摩擦係数、加工性、二次密着性および耐
食性がすべて悪かった。
【0045】式(1) 、(2) で示す塗膜層の焼付け条件に
おける焼付け温度が本発明の範囲を外れて低い比較用供
試体No. 5は、摩擦係数が高く潤滑性に劣っており、且
つ、耐磨耗性も悪かった。上記焼付け条件における焼付
け温度が本発明の範囲を超えて高い比較用供試体No. 6
は、塗膜外観、摩擦係数、加工性、二次密着性および耐
食性が悪く、そして、比較用供試体No. 7は、塗膜外
観、加工性および二次密着性が悪かった。焼付け時間が
本発明の範囲を外れて長い比較用供試体No. 8は、加工
性が悪かった。
【0046】化成処理層の形成されていない比較用供試
体No. 9は、加工性、二次密着性および耐食性が悪かっ
た。プライマー層のPTFE/PES重量比が本発明の範囲を外
れて低い比較用供試体No.10 は、加工性、二次密着性お
よび耐食性が悪かった。プライマー層のPTFE/PES重量比
が本発明の範囲を超えて高い比較用供試体No.11 は、加
工性および二次密着性が悪かった。プライマー層の焼付
温度が本発明の範囲を外れて低い比較用供試体No.12
は、加工性および二次密着性が悪かった。そして、プラ
イマー層の焼付温度が本発明の範囲を超えて高い比較用
供試体No.13 は、塗装外観、加工性および二次密着性が
悪かった。
【0047】これに対し、本発明供試体No.1〜13は、塗
膜外観、摩擦係数、耐磨耗性、加工性、二次密着性およ
び耐食性の総てにおいて優れていた。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
例えば、自動販売機のデリバリーシューターなどのよう
に、物品を滑らせて移動させる部位に使用するに適し
た、塗膜表面の潤滑性に優れ且つ加工性および耐食性も
優れた塗装鋼板が得られる工業上優れた効果がもたらさ
れる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛系めっき鋼板の少なくとも1つの表
    面上に形成された化成処理層と、前記化成処理層の上に
    形成されたプライマー層と、そして、前記プライマー層
    の上に形成された塗膜層とからなっており、 前記プライマー層は、4フッ化エチレン樹脂とポリエー
    テルサルフォン樹脂とを主成分とし、前記プライマー層
    中の4フッ化エチレン樹脂/ポリエーテルサルフォン樹
    脂の重量比が10/90〜60/40の範囲内である塗
    料を塗布しそして焼付けることによって形成されてお
    り、 前記塗膜層は、4フッ化エチレン樹脂およびポリエーテ
    ルサルフォン樹脂を主成分とする塗料を塗布し、焼付け
    時間X(秒)と焼付け温度Y(℃)とが下記式を満足す
    る条件で焼き付けることにより形成されており、 Y≧(4000/X)+320・・・・(1) Y≦(7000/X)+320・・・・(2) 但し、Y≦420、 X≦100 そして、前記焼付けられた塗膜層と前記プライマー層と
    の合計膜厚は、前記鋼板の片面当り6〜30μm の範囲
    内であることを特徴とする、潤滑性に優れた塗装鋼板。
  2. 【請求項2】 亜鉛系めっき鋼板に対し化成処理を施し
    て前記亜鉛系めっき鋼板の少なくとも1つの表面上に化
    成処理層を形成し、 次いで、前記化成処理層の形成された亜鉛系めっき鋼板
    に対し、4フッ化エチレン樹脂とポリエーテルサルフォ
    ン樹脂とが、4フッ化エチレン樹脂/ポリエーテルサル
    フォン樹脂の重量比で10/90〜60/40の範囲内
    で含有する塗料を塗布し、そして、これを、180〜2
    50℃の範囲内の温度で焼付けることにより、前記化成
    処理層の上にプライマー層を形成し、 次いで、前記プライマー層の上に、4フッ化エチレン樹
    脂およびポリエーテルサルフォン樹脂を主成分とする塗
    料を、焼付け後の膜厚が、前記プライマー層との合計
    で、鋼板片面当り6〜30μm の範囲内となるように塗
    布し、焼付け時間X(秒)と焼付け温度Y(℃)とが下
    記式 Y≧(4000/X)+320・・・・(1) Y≦(7000/X)+320・・・・(2) 但し、Y≦420、 X≦100 を満足する条件で、これを焼付けることによって、前記
    プライマー層の上に塗膜層を形成することを特徴とす
    る、潤滑性に優れた塗装鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007203534A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Jfe Steel Kk プレコート鋼板およびその製造方法

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