JPH09512287A - 硫化および超アルカリ化アルカリ土類アルキルサリチレート・アルキルフェネート型潤滑油用清浄分散性添加物 - Google Patents

硫化および超アルカリ化アルカリ土類アルキルサリチレート・アルキルフェネート型潤滑油用清浄分散性添加物

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JPH09512287A
JPH09512287A JP7523881A JP52388195A JPH09512287A JP H09512287 A JPH09512287 A JP H09512287A JP 7523881 A JP7523881 A JP 7523881A JP 52388195 A JP52388195 A JP 52388195A JP H09512287 A JPH09512287 A JP H09512287A
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ル・ケント、ジョン−ルイ
カゼン、ジャック
トリコネ、ティエリ
ウィルス、ウィリアム・ウッドフォード,ジュニア
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シェブロン・ケミカル・エス・エー
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    • C10M159/00Lubricating compositions characterised by the additive being of unknown or incompletely defined constitution
    • C10M159/12Reaction products
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Abstract

(57)【要約】 直鎖アルキル置換基を35〜85%含有するアルキルフェノールから、中和、カルボキシル化、硫化−過アルカリ化、炭酸化、蒸留、ろ過、そして脱気により製造される潤滑油用の分散清浄性添加剤。この方法では、中和段階で、水と共沸混合物を形成して、中和反応にて生成する水の除去を促進する第三の溶媒の存在を必要としない。この発明の添加剤は、加水分解に対する改良された安定性、改良された分散性、改良された混和性、そして改良された泡形成性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 硫化および超アルカリ化アルカリ土類アルキルサリチレ ート・アルキルフェネート型潤滑油用清浄分散性添加物 本発明は、泡だち、オイル内での相溶性および分散性、さらに加水分解に対す る安定性といった点で改良された性質を有する、新しい硫化および超アルカリ化 アルカリ土類アルキルサリチレート・アルキルフェネート型潤滑油用清浄分散性 添加物とその製造法に関するものである。 1962年5月29日に発行されたU.S.A.特許第3036971号によ って、高い塩基性を持つアルカリ土類金属の硫化アルキルフェネートをベースと する清浄分散性添加物の製造法は既に公知である。この製造法は、アルキルフェ ノールの硫化、アルカリ土類塩基による硫化アルキルフェノールの中和、そして 硫化アルキルフェネート中に分散したアルカリ土類塩基の炭酸化による超(過) アルカリ化からなっている。このようなタイプの製品は加水分解に対して比較的 不安定であり、結晶状の炭酸カルシウムの沈殿を生じる。特に、このタイプの製 品が高度に超アルカリ化されていると、生じた炭酸カルシウムの沈殿が舶用エン ジンのフィルターの目づまりを引き起こす恐れがある。 また、1969年4月11日に発行されたフランス特許第1563557号に よって、硫化アルキルサリチル酸カルシウムをベースとする清浄性添加剤の製造 方法は既に公知である。この製造法は、カリウム・アルキルフェネートのカルボ キシル化、塩化カルシウムによる交換、そして得られたアルキルサリチル酸カル シウムを石灰、カルボン酸、アルキレン・グリコールまたはアルキレン・グリコ ールのアルキルエーテルの存在下で硫黄と反応させる硫化からなっている。この ような製造法は、交換反応を必要とするという欠点を持っている。 このような状況のもと、本出願人は1989年6月30日発行のフランス特許 出願第2625220号において、アルキルフェネートとアルキルサリチレート をベースとする超アルカリ化清浄分散性添加剤の製造法を開示した。この製造法 は以下のような工程からなっている。すなわち、 a)C8からC30のアルキル置換基を有するアルキルフェノールを、C1からC18 の酸と還流温度で反応液中の水分と共沸混合物を作る溶媒との存在下でアルカ リ金属塩基によって中和する工程、 b)溶媒を蒸留する工程、 C)加圧下で二酸化炭素を用いてアルキルフェネートをアルキルサリチレート に変換するカルボキシル化工程 d)グリコールと第三の溶媒との存在下での硫黄とアルカリ土類塩基とによる 硫化および超アルカリ化と、その後の炭酸化の工程、 e)そして、最後のろ過工程、である。 しかし、本出願人によって開発されたこの製造法と、この製造法によって得ら れる製品には、いくつかの欠点がある。 第一に、中和工程においてアルキルフェノールからアルキルフェネートへの変 換を充分な程度行うために、水と共沸混合物を作る溶媒を使用しなければならな い。 カルボキシル化工程は、アルキルフェネートをアルキルサリチレートに変換す るために、一般に5から15×105Paの間の高圧で行なわれる。 また、硫化および超アルカリ化工程は、制御できなくなった硫化水素が突然吹 き出す原因となるので、工業的見地から考えて危険である。 最後に、この前記の方法によって得られた製品は、分散性や潤滑油との相溶性 の面で同じアルカリ土類金属成分を持つアルカリサリチレートの製品に劣り、ま た、特に加水分解に対する安定性が悪いので舶用エンジンの潤滑系に用いられる とフィルターを頻繁に交換しなくてはならなくなる。 本出願人は、下記に示すような工程からなる製造法によって、特に、新しいオ イル内での泡立ち、相溶性および分散性に関する性能試験、加水分解に対する安 定性試験において、上述の添加剤の性能を実質的に改良できることを新たに見出 した。その工程とは、すなわち、 A)炭素数が12から40、好ましくは18から30の直鎖アルキルラジカル を含む、少なくとも35重量%、多くとも85重量%の直鎖アルキルフェノール と、炭素数が9から24、好ましくは12の分枝アルキルラジカルを含む、多く とも65重量%、少なくとも15重量%の分枝アルキルフェノールとが混ざった アルキルフェノールを、アルカリ土類塩基を用いて、炭素数1から4の少なくと も一つのカルボン酸の存在下で中和する工程で、操作は少なくとも215℃の温 度で行ない、中和反応が行なわれる反応容器内の圧力は反応液中の水を除くため に徐々に大気圧より低くした状態で、反応液中の水と共沸混合物を作るいかなる 溶媒もなしで行なう中和工程。ただし、使用する試薬の量は以下のモル比に合う ものとする。 −アルカリ土類塩基/総アルキルフェノール量は0.2から0.7の間、好ま しくは0.3から0.5の間、 −総カルボン酸量/総アルキルフェノール量は0.01から0.5の間、好ま しくは0.03から0.15の間。 B)出発物質のアルキルフェノールの少なくとも22モル%、好ましくは少な くとも25モル%をアルキルサリチレート(サリチル酸として測定)に変換する ために、工程A)で得られたアルキルフェネートを180から240℃、好まし くは190から220℃の間の温度、大気圧から15×105Pa(15bar s)の範囲の圧力で1から8時間、所望によっては、工程A)または工程B)の 最初または最後に加える希釈用オイル(例えば、100N)の存在下で、二酸化 炭素を作用させることによってカルボキシル化する工程、 C)アルカリ土類塩基、沸点が150℃以上、好ましくは175℃以上である モノアルコール、そして所望によりアルキレン・グリコールまたはアルキレン・ グリコールのアルキルエーテルの存在下で、元素状硫黄によってアルキルフェネ ートとアルキルサリチレートとの混合物を145から180℃、好ましくは15 0から160℃の間の温度で硫化および超アルカリ化する工程。ただし、使用す る試薬の量は以下のモル比に合うものとする。 −硫黄/総アルキルフェノール量は0.3から1.5の間、好ましくは0.8 から1.0の間、 −総アルカリ土類塩基量/総アルキルフェノール量は1.0から3.5の間、 好ましくは1.4から3.0の間、 −総アルカリ土類塩基量/沸点が150℃以上のモノアルコール量は0.3か ら0.5の間。 そして、アルキレン・グリコールまたはそのアルキルエーテルを加えたのち、 もしもまだ総アルカリ土類塩基量/アルキレン・グリコール量のモル比が1.0 から3.0、好ましくは1.4から1.8の間になるように加えられていなけれ ば、145から180℃の温度、大気圧に近い圧力で二酸化炭素によって反応液 の炭酸化を行なうが、その際に用いられるCO2の量は、反応液に完全に吸収さ れ得る量とそれより30%過剰な量との間である。 D)アルキレン・グリコールとモノアルコールとを蒸留によって除く工程、 E)沈殿物をろ過によって除去する工程、 F)そして最後に、80から160℃、好ましくは100から140℃の間の 温度で空気の脱ガスを行ない、ASTM D−130による試験を150℃で1 5分、好ましくは150℃で1時間行なって銅片試験の分類が1Aになるまでに する脱ガス工程、である。 また、本発明は硫化および超アルカリ化アルカリ土類アルキルサリチレート・ アルキルフェネート型の潤滑油用清浄分散性添加剤に関するものであって、 a)前記アルキルサリチレート・アルキルフェネートのアルキル置換基は、炭 素数が12から40、好ましくは18から30の間である直鎖アルキルの比率が 少なくとも35重量%、多くとも85重量%で、炭素数が2から24、好ましく は12の間である分枝アルキルの比率が多くとも65重量%であり、 b)アルキルサリチレート・アルキルフェネート混合物中のアルキルサリチレ ートの比率は、少なくとも22モル%、好ましくは、少なくとも25モル%であ り、そして c)アルキルサリチレート・アルキルフェネート全体に対するアルカリ土類塩 基のモル比が1.0から3.5の間 であることを特徴とするものであるとも言える。 本発明によって得られる添加物は高い塩基性を持ち、ASTM−D2896規 格に従って測定したこの添加物のBN値(塩基度)は250から350、さらに それ以上になることさえある。 本発明による添加物がアルカリ土類金属をベースにしており、特にナトリウム やカリウムといったアルカリ金属を排除するようにしている点は特記すべきこと である。 本出願人は、出発物質のアルキルフェノールとして、炭素数12から40のア ルキルラジカルが分枝でなく直鎖であるようなアルキルフェノールを少なくとも 35重量%、多くとも85重量%含むものを用いることで、泡だち、相溶性およ び分散性、そして加水分解に対する安定性といった点で添加剤の性能が改良され ることを見出した。 実際のところ、この種の添加剤を製造するのに従来から実用に用いられている アルキルフェノール中の炭素数12から40のアルキル基は、一般にプロピレン の四量体、すなわち分枝ドデシル基であった。 しかし、このような分枝アルキルフェノールの使用は、それが出発物質のアル キルフェノール中に65重量%以上存在していると、本発明による改良された性 質を有する添加剤を得ることを不可能にしてしまう。 フェノールと、一般にプロピレンから誘導される炭素数9から24の分枝オレ フィンとの反応によって得られる分枝アルキルフェノールは、モノ置換異性体の 混合物であって、その置換基の大部分はパラ位にあり、オルト位にはほとんどな く、メタ位には全くない。このためフェノール基の立体障害が実質的にないので アルカリ土類塩基に対して比較的反応しやすい。 その一方で、フェノールと、一般にエチレンから誘導される炭素数12から4 0、好ましくは炭素数18から30の直鎖オレフィンとの反応によって得られる 直鎖アルキルフェノールは、モノ置換異性体の混合物であっても、その直鎖置換 基はオルト位とパラ位、そしてメタ位にまでずっと良く分散している。そのため に、より近くにある一般により重いアルキル置換基による相当大きな立体障害の せいでフェノール基がかなり近づきにくくなるので、アルカリ土類塩基に対して ずっと反応しにくくなる。 このような事情があるので、従来からアルカリ土類金属に対してより反応活性 な分枝アルキルフェノールを作るために不可欠であると考えられている水と共沸 混合物を作る第三の溶媒を中和工程で排除して、85重量%以上の直鎖アルキル ラジカルを含むアルキルフェノール混合物から超アルカリ化アルカリ土類添加剤 を得ることができたのは、いっそう驚くべきことである。 これを、本出願人は最初の中和工程において、カルシウムを無機試薬から有機 試薬へと移す働きをするカルボン酸を存在させ、厳しい反応条件を維持すること で達成した。反応条件は、すなわち、少なくとも215℃の温度で、反応容器内 の圧力を大気圧以下に徐々に減圧して、前記温度で最大でも7000Pa(70 mbars)以下の極低圧にして、水の除去を促進するようにする。 本発明による添加剤を製造する各工程において使用し得るアルカリ土類塩基は カルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチウムの酸化物や水酸化物であ るが、特にカルシウムの酸化物や水酸化物である。 本発明においては、化学式Ca(OH)2をもつ消石灰が好ましく、後述する 種々の実施例では石灰の名で用いている。 中和工程で用いられる炭素数1から4(C1〜C4)のカルボン酸は、蟻酸、酢 酸、プロピオン酸、吉草酸酸であり、単独または混合して用いられる。 上記の酸は混合して用いることが好ましく、例えば、蟻酸/酢酸混合液を用い ることが好ましい。このときの酢酸/蟻酸のモル比は0.01から5、好ましく は0.25から2であり、特に好ましくは1程度である。これについては、オロ ジル(OROGIL)によって1987年12月23日に出願されたフランス特 許第2625220号に特に述べられている。 硫化・超アルカリ化工程において好適に用いられるアルキレン・グリコールの 例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール などが挙げられる。 最後に、同じ硫化・超アルカリ化工程において用いられる沸点が150℃以上 のモノアルコールとしては、エチル−2−ヘキサノール、オキソ・アルコール、 デシルアルコール、トリデシルアルコール、トリメチルシクロヘキサノールとい ったC6−C14のアルカノールまたはシクロアルカノール;ブトキシ−2−エタ ノール、ブトキシ−2−プロパノール、ヘキシロキシ−2−エタノールといった アルキレングリコールのエーテル;そしてジプロピレングリコールのメチルエー テル類などを挙げることができる。 最初に行なうアルキルフェノールの中和工程A)は、特定のアルキルフェノー ルを使用することと、特に温度と圧力に関して厳格に指定された反応条件に特徴 がある。 実際、多数の(18から30の)炭素原子を持つ直鎖アルキル基を有する直鎖 アルキルフェノールを少なくとも35重量%、場合によって最大85重量%含む アルキルフェノールを用いることは、長い直鎖アルキル基が潤滑油内での添加剤 の相溶性や溶解性を促進するので有利である。 しかし、アルキルフェノール内に比較的重い直鎖アルキル基が存在すると、分 枝アルキルフェノールよりも反応性が劣るようになる。そのため、より厳しい反 応条件でアルカリ土類塩基による中和を行なう必要がある。 中和反応は、少なくとも215℃の温度で、常圧から徐々に減圧し215℃で 最大7000Pa(70mbars)に達する極めて低い圧力で行う。 また、中和工程A)は少なくとも220℃の温度で、常圧から徐々に減圧し2 20℃で最大7000Pa(70mbars)に達する極めて低い圧力で行って もよい。 中和工程A)を行うのに特に有利なのは、少なくとも225℃の温度で、常圧 から徐々に減圧し225℃で最大7000Pa(70mbars)に達する極め て低い圧力で行う条件である。 また、別の態様においては、中和工程A)を少なくとも240℃の温度で、常 圧から徐々に減圧し240℃で最大7000Pa(70mbars)に達する極 めて低い圧力で行う。 中和工程の最後に、得られたアルキルフェネートを、好ましくは15時間を越 えない時間、一般的には2から6時間の間、少なくとも215℃の温度で、50 00から105Pa(0.05から1.0bar)、特に10000から200 00Pa(0.1から0.2bar)の範囲の圧力の中で静置する。 実際このような条件下で、与えられた比率のC1からC4のカルボン酸の存在に よって、アルキルフェノールからアルキルフェネートへの充分な転換が可能にな る。このことは添加剤内の最終的なアルカリ土類金属含有量を決定するものであ るから、結果としてオイル内の清浄分散剤の性能を決定するものである。 操作が充分に高い温度で行なわれ、反応容器内圧力が常圧から徐々に減圧され るならば、この中和反応では、反応で生じる水と共沸混合物を作る第三の溶媒を 工程中に加える必要はない。 第2段階のカルボキシル化工程B)の目的はアルキルフェネートの一部をアル キルサリチレートに転換することである。これは、上記の中和工程で得られた反 応混合物内に単に二酸化炭素を吹き込んでバブリングさせることで行われる。た だし、形成したサリチレートの脱炭酸を避けるために、この工程は加圧下で行な わなくてはならない。 相対的に不活性で重い直鎖アルキルフェネートを少なくとも35%含んでいる アルキルフェネートのカルボキシル化反応では、温度は容器内の圧力とは逆関係 になるように加熱しなくてはならない。すなわち、もし反応容器内の圧力が最大 で3.5×105Pa(3.5bars)を限度としているならば、温度は19 0℃もしくはそれ以上で操作しなくてはならない。 一つの態様としては、カルボキシル化工程B)を200℃もしくはそれ以上の 温度、4×105Pa(4bars)の圧力下で行うことが考えられる。 このカルボキシル化工程の間、アルキルフェネートからアルキルサリチレート への転換中にアルキルフェノールが生成することがあるが、これは以下の工程で アルキルフェネートに転換される。 本発明の添加剤の製造法における第3工程C)は硫化・超アルカリ化反応C1 と、それに続く炭酸化反応C2とに分けられる。 硫化・超アルカリ化反応C1を工業的規模で行うことには危険がある。なぜな らば、145から180℃で反応混合物に元素状硫黄を加えると、特定の条件下 でしか制御できない硫化水素が発生するからである。 本出願人は、カルボキシル化工程の最後で、得られた生成物を155℃まで冷 却し、この温度で元素状硫黄を加えて、それから1から2時間かけて徐々にアル カリ土類塩基、沸点が150℃以上のモノアルコール、そして所望によりアルキ レン・グリコールの混合物を150から160℃の温度で加えて行くことで、こ の反応を制御できることを見出した。 上記の混合物の充填を停止すると硫化水素の発生を停止させることができる。 このようにして硫化・超アルカリ化反応を行うことによって、得られたアルキ ルサリチレート・アルキルフェネートに約50モル%の硫黄を反応させて、残り の50%を硫化水素の形で除くことができる。 硫黄を、モル比で出発物質の総アルキルフェノール量に対して0.5から1. 5あるいは0.8から1.0の範囲で使用すると、硫化および超アルカリ化アル カリ土類アルキルサリチレート・アルキルフェネート中での硫黄のモル比は、0 .25から0.75、さらには0.4から0.5の範囲になる。 本発明の添加剤の製造法の各工程は以下の化学式で表される反応であると考え られるが、本出願はこれによって特に限定されるものではない。すなわち、 −中和反応では ここでAA/AFは酢酸と蟻酸との混合物を表し、(II)は主成分で(I)は副成分 である。 −カルボキシル化反応は −そして硫化/超アルカリ化反応は 炭酸化反応C2は、145から180℃で硫黄と反応したアルキルフェノール と、それに対して過剰なアルカリ土類塩基とを含む反応液に二酸化炭素を吹き込 んでバブリングさせることで行うが、C1の工程でアルキレングリコールを加え ていなければ、このC2工程で加える必要がある。このC2工程の目的は、加えら れたアルカリ土類塩基をアルキルフェネートと細かくされた炭酸カルシウムとに 転換することである。この炭酸カルシウムは硫化されたアルキルフェネートとア ルキルサリチレート分子の間に捕えられ、そのことによって添加剤の超アルカリ 化が行われる。 第4段階の蒸留工程D)の目的は、本発明の添加剤の硫化、超アルカリ化およ び炭酸化を促進するために、それまでの工程で反応液に加えられたアルキレン・ グリコールやモノアルコールを除くことである。 第5段階のろ過工程E)の目的は、沈殿物、特にそれまでの工程で形成される 恐れのある結晶状炭酸カルシウムを除くことである。この結晶状炭酸カルシウム は潤滑系のフィルターを目づまりさせる原因となる。 最後に、最終第6段階の脱ガス工程は重要である。なぜならば、この工程によ って加水分解に対する安定性試験に合格できるようになるからである。なお、プ ロピレン四量体をフェノールに加えることで得られるドデシルフェノールのよう な分枝アルキルフェノールだけから作られる添加剤では、この安定性試験に合格 することはできない。 本発明はまた、特に舶用エンジン用、あるいは自動車用や列車用にも用いられ る上記添加剤と潤滑油との組成物の製造法に関するものでもある。この組成物は 主成分が潤滑油で、本発明による清浄分散性添加剤を2から20重量%含むもの である。このような添加剤は、0.1から3重量%の割合で作動油のような工業 的用途に用いることもできる。 以下に実施例を示し、本発明の特定の態様について説明する。これは、当業者 が本発明の目的を果す添加剤を得る助けをするためである。 実施例1 A)中和工程; 分子量270のドデシルフェノール875g(3.24モル)と分子量約39 0の直鎖アルキルフェノール875g(2.24モル)とを4リットルの四つ首 フラスコの反応器に入れて、反応器の上部に耐熱ガラス製の分留カラムをとり付 けた。 撹拌器をスタートさせ、反応混合物を65℃まで加熱して、その温度で158 gの消石灰Ca(OH)2(2.135モル)と、蟻酸と酢酸との(重量比50 /50)混合物19gを加えた。 反応液をさらに120℃にまで加熱し、その温度で反応器を窒素雰囲気下にし てから、さらに165℃にまで加熱して窒素の導入を止めた。この温度で水の蒸 留が開始した。 温度を220℃にまで上げ、圧力を大気圧から徐々に下げて絶対圧力5000 Pa(50mbars)が得られるまでにした。この状態で反応液を5時間放置 した。 次に、反応液の温度を180℃にまで下げ、窒素を導入して真空状態を解除し てから、分析のため試料を採取した。 得られた蒸留物の総量は約114cm3;下層(62cm2の水層)にデミキシ ングが起きた。 B)カルボキシル化工程; 工程A)で得られた生成物を3.6lのオートクレーブに入れ、180℃まで 加熱した。この温度で二酸化炭素(CO2)を反応器に導入し始め、10分間掃 気を続けた。この工程で使用するCO2の量は20g程度であった。 温度を200℃にまで上げたあと、オートクレーブを極めて小さい流出口(リ ーク)を残して閉めて、圧力3.5×105Pa(3.5bars)が維持され るようにCO2を5時間、200℃で導入し続けた。 導入したCO2の量は50g程度であった。オートクレーブを165℃にまで 冷却したのち、圧力を大気圧にセットし直して、反応器内を窒素雰囲気で満たし た。生成物の総量は1916gだった。 C1)硫化および超アルカリ化工程; 工程B)で得られた生成物1114gを、加熱装置と撹拌器が備え付けられた 4lのガラス製の四っ首フラスコに移した。 加熱を開始してから、487gの100Nオイルと0.2gのあわ消し剤とを 撹拌しながら加えた。 155℃で、90gの硫黄(2.81モル)を加え、圧力をわずかに減圧して 0.96×105Pa(960mbars)にした。 反応液とは別に、193gのグリコールと273gの消石灰と2−エチルヘキ サノール589g(この内200gはすすぎ用)との混合物をビーカーに準備し た。反応器を前記の155℃、微減圧状態に保ったまま、前記の混合物を1時間 30分かけて反応液に加えた。このとき硫化水素の発生が見られた。 混合物を加えたのち、1時間かけて170℃まで加熱した。2層に分離した蒸 留物170gが得られたので、これを集めた。2層の内、下層には水とグリコー ルが含まれている。 上記の状態を1時間維持し、それから大気圧に戻した。 C2)炭酸化工程; 101gの二酸化炭素を流量(約)0.9g/分で導入した。集めた蒸留物は 総量が190gで、水とグリコールとの混合物からなる水層100gと2−エチ ルヘキサノールの有機層90gに分離していた。 D)グリコールと2−エチルヘキサノールの除去工程; 圧力を大気圧から徐々に下げて絶対圧力5000Pa(50mbars)にな るまでにしながら、混合液を195℃まで加熱した。この状態を1時間維持して から、試料を採取して粗沈殿物の割合を測定したところ1.2%であった。 E)加圧化でのろ過工程(150℃で4・105Pa) F)空気中での脱ガス工程; 上記の生成物を空気中、110℃で6時間脱ガスした。この脱ガス工程は15 0℃、15分間という条件下でのASTM規格D130試験で、1Aの銅片が得 られるまで行った。 最終的に得られた添加剤は下記のような特徴を示した。 実施例1で得られた生成物の分析結果 カルシウム、% 9.1 硫黄、% 2.25 BN値(ASTM D2896) 255 100℃での粘度 100 (m2/s ×106実施例2 A)中和工程 875gのドデシルフェノール(アルキル鎖がプロピレン四量体)、875g の直鎖アルキルフェノール(シェブロン・ケミカル社製の直鎖C20−C28アルフ ァーオレフィン・フラクシヨンを出発物質とするもの)、158gの消石灰と2 2gの蟻酸/酢酸混合物(2つの酸を各々、同じ重量で混ぜたもの)を、5lの 反応容器に入れた。最後の成分は80℃もしくは、それ以下の温度で加えなくて はならない。 加熱、撹拌を開始し、反応器内の空気を排出するために窒素で穏やかに掃気し た。 170℃で蒸留物の最初の一滴が生じた。220℃で窒素の供給を停止し、大 気圧からの減圧を開始した。 1時間後に最大真空度に達したので、この状態で生成物を4時間放置した。 採取した蒸留物は2層からなっていて、60cm3の上層は主としてアルキル フェノール、80cm3の下層は主として水を含んでいる。 窒素で真空を解除した後、生成物を200℃まで冷却し、試料を採取して沈殿 物の割合を測定したところ2.8%であった。 B)カルボキシル化工程 反応器を15分間CO2で満たし、それからCO2圧を3.5×105Pa(3 .5bars)にして、5時間この状態を維持してから解除した。 C)硫化および超アルカリ化工程 上記のカルボキシル化した生成物800gを、別の反応器内に導入して、35 0gのオイルを加えた。 別に、334gの2−ヘキサノールと139gのグリコールと196gの消石 灰との混合物をビーカー内で撹拌しながら調製した。 反応器の加熱を開始した。 155℃で64gの硫黄(2モル)を加え、10分間放置した後、上記の混合 物を導入した。この時、温度変化が152から170℃の間となるように、導入 時間を1時間半に調節した。 反応器の温度を170℃した。 消石灰を含む混合物が全部加えられると硫化反応が開始し、反応は2時間かか った。 170℃で1時間半の間CO2を導入した。沈殿物の割合は1%だった。 D)エチレングリコールと2−エチルヘキサノールを蒸留によって除去した。最 終的な条件は8000Pa(80mbars)、195℃、1時間であった。沈 殿物の割合は1%だった。 E)上記のようにして得られた生成物を加圧下でロ過した。 F)得られた生成物を120℃で6時間かけて脱ガスした。試料を採取して15 0℃、15分間という条件下でのASTM規格D130の銅片試験で検査した。 得られた添加剤は下記のような特徴を示した。 カルシウム(%) 9 硫黄(%) 2.34 BN値(D2896) 261 サリチル酸値 (mg KOH/g) 33.6 100℃での粘度 (m2/s ×106) 117 銅片試験(ASTM D130) 1a %沈殿(ASTM D2273) (体積) 0.02 実施例3、4、5、6および7 工程A)中和工程 下記の量の各物質を500lの反応器の中に撹拌しながら入れた。 −87.5kgのドデシルフェノール、 −87.5kgの直鎖アルキルフェノール(実施例2で用いたのと同じもの)、 −15.8kgの消石灰、 −1.1kgの蟻酸、 −1.1kgの酢酸。 蟻酸と酢酸とは80℃以下の温度で加えた。 反応器を加熱して220℃にし、その温度を維持した。この温度に達したら直 ちに、圧力を大気圧から6000Pa(60mbars)になるまで1時間かけ て減圧した。この状態で反応器を4時間保ち、それから二酸化炭素によって真空 を解除した。 工程B)カルボキシル化工程 CO2圧3.5×105Pa(3.5bars)、温度200℃、5時間の条件 で行った。 反応器内の圧力を解除し、反応器を冷却した。それから、生成物を保存用タン クに移した。この生成物の一部は工程C)において再び利用した。 工程C)硫化−超アルカリ化工程 充填物; −カルボキシル化した生成物 80kg −100Nのオイル 35kg −2−エチルヘキサノール1 33.4kg −2−エチルヘキサノール2 8.7kg −消石灰 19.6kg −グリコール 13.9kg −硫黄 6.5kg −CO2 7.5kg カルボキシル化した生成物とオイルを反応器に充填し、撹拌を開始し、反応混 合物を加熱した。 さらに、予め混合しておいた2−エチルヘキサノール1とグリコールとの混合 物に撹拌しながら消石灰を加えて、上記の比率の混合物を別のビーカーに調製し た。 温度が135℃に達したら、反応器を微減圧下(96000Pa、960mb ar)に置いた。 155℃で上記の混合物を1時間かけて反応器内に導入し、その後、導入管を 2−エチルヘキサノール2でゆすいだ。 そして、反応器を170℃に加熱し、この状態を2時間保った。 最後に1時間30分かけてCO2を導入した。工程D); エチレングリコールと2−エチルヘキサノールを蒸留によって除いた。最終的 な条件は6000Pa(60mbars)、195℃、1時間であった。工程E); 生成物を150℃、4barsの圧力下でろ過した。沈殿物の割合は2.4% だった。工程F); 上記の生成物を空気中、120℃で脱ガスした。この脱ガス工程は150℃、 1時間という条件下でのASTM規格D130試験で、1Aの銅片が得られるま で行なった。 実施例3、4、5、6および7の主な違いは中和工程に関するものである。 実施例3−220℃まで加熱し、それから大気圧より低く減圧した。 実施例4−減圧を180℃で開始した。 実施例5−加える消石灰の量を減らした。 実施例6−加える消石灰の量を減らし、減圧を165℃で開始した。 実施例7−実施例6と同じ。ただし、アルキルフェノールのロスを減らすた めに、反応器と冷却器の間にカラムを置き、カラム上部で還流が 行われるようにした。 これらの実施例の結果を表1に示した。 実施例8 工程A) 中和工程 以下のものを500lの反応器に充填した。 −87.4kgのドデシルフェノール −87.4kgのC20−C28の直鎖アルキルフェノール。 反応混合物を80℃に加熱してから、18kgの消石灰(水酸化カルシウム、 Ca(OH)2)を加え、撹拌を開始してから、0.53kgの酢酸と0.37 kgの蟻酸と66kgの100Nオイルを加えた。 220℃に加熱してから、圧力を徐々に大気圧より低く下げて、5000Pa (50mbars)になるまで減圧し、その状態を5時間維持した。工程B) カルボキシル化工程 この工程は次の条件で行った。すなわち、200℃、3.5×10Pa(3. 5bars)で7時間である。工程C) 硫化−超アルカリ化工程 充填物を下記のようにした以外は実施例1と同様に行なった。 充填物: −工程B)で得られた生成物 100kg −100Nのオイル 6kg −約20のTBNを有するスルホン酸カルシウム 12kg −消石灰 18kg −グリコール 12.8kg −硫黄 5.6kg −二酸化炭素 6.5kg −2−エチルヘキサノール1 23kg −2−エチルヘキサノール2 15kg 上記以外の工程、すなわちグリコールと2−エチルヘキサノールを除去する工程 D)、ろ過工程E)そして脱ガス工程F)は、実施例1と同様に行った。 ろ別し、脱ガスした生成物の分析結果は下記の通りである。 −カルシウム(%) 8.79 −硫黄(%) 2.03 −BN値(D2896) 242 −100℃における粘度(m2/s×106) 74 −沈殿物(体積%)ASTM D2273 0.004 −銅片試験 ASTM D130 1A 実施例9、10および11 硫化温度の影響 実施例4の工程A)と工程B)と同様の操作を行い、カルボキシル化工程B) の最後で得られた生成物の一部を三等分して、それぞれの試料にした。 それ以降の工程は実施例4と同様に行ったが、実施例9(三等分した生成物の うちの第一のものを試料とした)では硫化を165℃で行い、実施例10(三等 分した生成物のうちの第二のものを試料とした)では155℃で、実施例11( 三等分した生成物のうちの第三のものを試料とした)では145℃で硫化を行っ たことだけが異っている。 下記の表に示したように、分析結果からは顕著な差異は観察されなかった。 実施例12 硫化/炭酸化工程C)において、最初に消石灰を加え、その後にグリコールと エチルヘキサノールを徐々に加える以外は、実施例1と同様の操作を行った。 分析結果および性能の点で、最終生成物に顕著な差異は観察されなかった。 比較例13 すでに上述した本出願人によるフランス特許第2625220号の実施例7を 再度実施した。 この実施例の主な特徴は、30%の直鎖アルキルフェノール含むアルキルフェ ノール混合物を使用すること、中和温度が145から195℃であることと、共 沸溶媒として2−エチルヘキサノールを使用することである。 得られた結果は、中和温度が低すぎて、直鎖アルキルフェノールの反応が顕著 に起こらないことを示した。 同様に、コスモ石油のUSA特許第4902436号の実施例1も追試した。 160℃、3時間の中和温度では出発物質のアルキルフェノールを酸化カルシ ウムと顕著に反応させることはできなかった。 実施例14から18 中和温度の影響を測定するために、実施例14から18を行った。中和温度は 各々、実施例14では180℃、実施例15では200℃、実施例16では22 0℃、実施例17では230℃、実施例18では240℃であった。 実施例14から18の各々の条件と得られた結果を下記の表3に示したが、こ れらのうち、実施例16から18までだけが本発明の態様である。 特に、実施例16の操作条件について以下に詳細に述べる。 実施例16 分子量270のドデシルフェノール(DDP)875g(3.24モル)と炭 素数20から28(C20−C28)のアルファ・オレフィン部分に対応する分子量 約390の直鎖アルキルフェノール875g(2.24モル)とを、4リットル の四つ首フラスコの反応器に入れて、反応器の上部に耐熱ガラス製の分留カラム をとり付けた。撹拌器の回転数を毎分350回転にセットし、反応混合液を65 ℃まで加熱した。この温度で139gの消石灰Ca(OH)2(即ち、1.87 8モル)と蟻酸と酢酸との(重量比50/50)混合物18.9g(即ち、0. 36モル)を加えた。 反応液をさらに120℃にまで加熱し、その温度で反応器を窒素雰囲気下にし てから、さらに165℃にまで加熱して窒素の導入を止めた。この温度で水の蒸 留が始まった。 温度を1時間かけて220℃にまで上げ、圧力を大気圧から徐々に下げて絶対 圧力5000Pa(50mbars)が得られるまでにした。この状態で反応液 を3時間放置した。 反応混合液を180℃まで冷却してから、窒素雰囲気下で真空を解除し、分析 のため試料を採取した。 得られた蒸留物の総量は約94cm3;下層(51cm2の水層)にデミキシン グが起きていた。その後、100Nのオイルを640g加えた。 B)カルボキシル化工程; 工程A)で得られた生成物を3.6lのオートクレーブに入れ、180℃まで 加熱した。 この温度で二酸化炭素(CO2)を反応器に導入し始め、10分間掃気を続け た。この工程で使用するCO2の量は20g程度であった。 温度を200℃にまで上げたあと、オートクレーブを極めて小さい流出口(リ ーク)を残して閉めて、圧力3.5×105Pa(3.5bars)が維持され るようにCO2を6時間、200℃で導入し続けた。 導入したCO2の量は50g程度であった。オートクレーブを165℃にまで 冷却したのち、圧力を大気圧にセットし直して、反応器内を窒素雰囲気で満たし た。生成物の総量は2513gだった。 C)硫化および超アルカリ化工程; 工程B)で得られた生成物1516gを、加熱装置と撹拌装置(600rpm )が備え付けられた4lのガラス製の四っ首フラスコに移した。 加熱を開始してから、91gの100Nオイルと0.2gのあわ消し剤とを撹 拌しながら加えた。 110℃で、90.5gの硫黄を加え、圧力をわずかに減圧して0.96×1 05Pa(960mbars)にした。反応液とは別に、193.6gのグリコ ールと304gの消石灰と2−エチルヘキサノール589g(この内200gは すすぎ用)との混合物をビーカーに準備した。反応器を155℃、微減圧状態に 保ったまま、前記の混合物を1時間かけて反応液に加えた。このとき硫化水素の 発生が見られた。 混合物を加えたのち、1時間かけて170℃まで加熱した。二層に分離した蒸 留物170gが得られたので、これを集めた。二層の内、下層には水とグリコー ルが含まれていた。 上記の状態を1時間維持し、それから圧力を大気圧に戻した。 炭酸化工程; 103gの二酸化炭素を流量(約)0.9g/分で導入した。 集めた蒸留物は総量が220cm3で、水とグリコールとの混合物の水層90 gと2−エチルヘキサノールの有機層130gに分離していた。 D)グリコールと2−エチルヘキサノールの除去工程; 圧力を大気圧から徐々に下げて絶対圧力5000Pa(50mbars)にな るまでにしながら、混合液を195℃まで加熱した。 この状態を1時間維持してから、試料を採取して粗沈殿物の割合を測定したと ころ1.6%であった。 E)加圧化でのろ過工程(150℃で4×105Pa) 金属布フルターとろ過助剤を使用した。 F)空気中での脱ガス工程; 上記の生成物を空気中、110℃で6時間脱ガスした。この脱ガス工程は15 0℃、60分間という条件下でのASTM規格D130試験で、1Aの銅片が得 られるまで行なった。 最終的に得られた添加物は下記のような特徴を示した。 実施例16で得られた生成物の分析結果 カルシウム、% 9.1 硫黄、% 2.4 TBN値(ASTM D2896) 254 100℃での粘度 (m2/s×106) 87 サリチル酸値 28 mg KOH/g 実施例19から22 出発物質のアルキルフェノール混合物における直鎖アルキルフェノールの相対 比率の影響を測定するために、実施例19から22の実験を行なった。 前記比率は、実施例19で0%、実施例20で20%、実施例21で80%、 実施例22で100%であった。これらの内、実施例16から21までだけが本 発明の範囲である。 実験条件は上記した実施例16と同様であるが、実施例16では出発物質のア ルキルフェノール混合物における上記アルキルフェノールの相対比率が50重量 %になっているので、この部分は変えて行った。 これらの実験条件と結果は下記の表3に示した。性能試験の記述 1。加水分解に対する安定性 MAO29 この試験はASTM D2619試験を改良したものである。目的は、オイル 中の水分に対する感受性を研究することであり、舶用エンジン・オイルなどの性 能試験に応用される。 試料オイル中に脱ミネラルした水を加え、ビンに入れて温度制御された乾燥器 中で撹拌した。最後に、試料を乾燥させ、ろ過して分析する。加水分解に対する 安定性は、IRスペクトルによって結晶状炭酸塩の有無を調べることによって評 価した。結果は、結晶状炭酸塩が無ければ「良」とし、有れば「不良」と評価し た。 2。分散性 MAO60A この試験の目的は、オイルや添加剤の分散性を評価して、参照用オイルと比較 して性能(析出物、スラッジ)のレベルを予測することである。 これは、一般に自動車用や舶用エンジン・オイルの性能試験に応用される。 この試験では、試料オイルと人工スラッジの混合物を、下記のような条件でペ ーパー・クロマトグラフィーにかけてオイルの分散力を評価した。すなわち、そ の条件は、 スポット No.1 : 室温で水なし。 スポット No.2 : 水なしで200℃、10分間 スポット No.3 : 水なしで250℃、10分間 スポット No.4 : 室温で水あり。 スポット No.5 : 水ありで200℃、1分間 スポット No.6 : 水ありで200℃、10分間 である。 これらのスポットは48時間放置した後、目視もしくはCCDフォトメータに よって観察した。 混合物の拡散半径(d)とオイルだけの拡散半径(D)とを、各々のスポット ごとに測定して、d/D×100比を算出した。 オイルの分散力は、6っつのスポットについて得られた値の総和を、同じ条件 で試験した参照用オイルの値と比較することで評価した。 上記の6っつの条件下でのd/D×100比の総和は、すべての条件で100 %となる理想的な拡散に対応する600が最大値となる。この試験の結果は、数 値が高ければ高いほど、オイルの分散力が良好なものであることを示す。 3。相溶性 MAO25 この試験の目的は、添加剤とこれを含むオイルの分離および保存安定性を評価 することである。 この試験は潤滑油用添加剤の性能試験に応用される。 この試験では、添加剤とこれを含むオイルを一緒に室温および室温より高い温 度で決められた時間保存する。 保存の前後で、沈殿物が析出することなしに一つの相が維持できたか否かによ って、結果を「良」と「不良」とに分けて生成物の評価を行った。 4。泡だち性 この試験は、ASTM−D892規格の方法によって、試料が泡だつか否かを 判定した。結果は、数値が低ければ低いほど製品が良好であることを示す。 中和温度の影響を測定することを目的とした実施例14から18で得られた結 果から、以下のようなことが言える。 カルボキシル化工程B)の最後のサリチル酸値で表現されたサリチレートの含 有量は、12、23、26、29そして31(mg KOH/g生成物)と、中和温度と ともに増加することが示されている。 さらに、上述したフランス特許第2625220号で用いられた中和温度範囲 (145℃〜195℃)は、石灰による直鎖アルキルフェノールの中和には明ら かに不充分であることが分る。このことは粗沈殿物の割合(数字は石灰の混入量 の測定値である)と、生成物が下記の表に示したような加水分解に対する安定性 試験に合格するか否かで分る。 また、中和温度が上昇すると最終生成物の泡立ちが減少することは特記すべき ことである。これは、一般に直鎖アルキルフェノールは分枝のものよりも泡立ち が少ないが、高温で直鎖アルキルフェノールがずっと反応しやすくなったためで あると考えられる。さらにIRスペクトルから、中和温度が上昇するとオルソ− フェノール(これは主として直鎖の生成物に由来するものだが)の含有量が減少 する。 さらに、実施例19、20、16、21そして22の結果から以下のことが言 える。 上記の実施例の間では、出発物質の混合物内の直鎖アルキルフェノールの比率 だけが変えてある。その出発混合物は下記の表に示すような、直鎖アルキルフェ ノールおよび/または分枝アルキルフェノールからなっているものである。 これらの実施例では、他にも下記のような実験条件の設定がある。すなわち、 a)中和工程(A)では、 ・分枝アルキルフェノールと直鎖アルキルフェノールの合計重量 ・希釈オイルの量 ・(酢酸+蟻酸)/アルキルフェノールのモル比 ・石灰/アルキルフェノールのモル比 b)カルボキシル化工程(B)では、CO2圧とその他の操作条件 c)硫化および超アルカリ化工程(C)では、種々の試薬の充填量と操作条件、 である。 実施例19、20、16、21そして22における、これらの条件の設定は、 生成物が以下の4つの性能検査を満足するように決定した。すなわち、 −加水分解に対する安定性 MAO29 −新しいオイル内での分散性 MAO60A:数値が大きければ大きいほど、 よい製品である。 −相溶性 MAO25(合格=良、不合格=不良) −泡立ち性 ASTM D892:数値が小さければ小さいほど、よい製品である。 これらの実施例の結果を下記の表に示す。 直鎖アルキルフェノールよりも分枝アルキルフェノールの方が、はるかに徹底 して中和反応が起きることは、まず注意すべきことである。このことは以下の4 つのことで確認できる。すなわち、 −ASTM D2896のBN値。これは未反応の石灰をロ過で取り除いた後 の反応液の塩基性を示している。 −沈殿物の体積パーセント。これは未反応の石灰である。 −集めた水の量。これは、酸・塩基反応(アルキルフェノール十石灰)の結果 生じる水である。 −最終生成物中のサリチレートの含有量。これはサリチル酸 mg KOH/g 量の形 で表される。 上記した結果の一部は予想されていたことであった。というのは、短い、従っ て、より反応活性な側鎖を持つ分枝アルキルフェノールは、86%という大部分 がパラ異性体で、8%がオルソ異性体であるのに対して、直鎖アルキルフェノー ルでは、たった45%だけがパラ異性体で、55%はオルソ異性体であるからで ある。オルソ異性体の中和反応は立体障害のため、ずっと起こりにくい。 一方、直鎖アルキルフェノールの含有量が増すと加水分解安定性MAO29と 相溶性MAO25に予想外の改善が見られ、出発物質の直鎖アルキルフェノール の相対比率を0から80%に変化させると泡立ち性と分散性MAO60Aに改善 が見られた。 出発物質のアルキルフェノール混合物中の直鎖アルキルフェノールの比率が、 たった重量比20%である実施例20では、加水分解安定性MAO29や相溶性 MAO25の性能試験において満足できる結果が得られなかった。 補足実験の結果、上記の表に示した性能試験のすべて、特に加水分解安定性M AO29と相溶性MAO25の性能試験において満足できる結果を得るためには 出発物質のアルキルフェノール混合物中の直鎖アルキルフェノールの比率は、少 なくとも35重量%でなければならないことが分った。 さらに驚くべきことには、直鎖と分枝アルキルフェノールの50/50の化学 的な混合物(実施例16)は、直鎖アルキルフェノールと分枝アルキルフェノー ルとの物理的な混合物、すなわち に比べて、下記の表に示すように明らかに優れた性能を示すという予想外の結果 を得た。 上記の物理的混合物が相溶性試験と加水分解安定性試験に不合格だったのに対 して、化学的混合物(実施例16)はこれらの性能試験に合格するといった面か ら見て、上記の50/50化学的混合物の性能は予想外であった。さらに、泡立 ち性と分散性の性能試験においても予想外の現象が観察できた。これらの試験結 果は直鎖アルキルフェノールの含有量が増せば向上するが、100%直鎖アルキ ルフェノールを含むものでは悪くなった。従って、中和工程において同時に存在 する直鎖アルキルフェノールと分枝アルキルフェノールとの間に、最終生成物の 性能に関する相乗作用があるものと考えられる。 本出願人は、この直鎖アルキルフェノールと分枝アルキルフェノールとの間の 相乗作用について以下に述べるような説明を考えているが、本発明はこれに限定 されるものではない。 中和工程では、直鎖アルキルフェノールの中和は次のような理由で起こりにく い。すなわち、炭素鎖が長く、オルソ異性体が支配的であるために反応性が低い こと、さらに分子量が大きいため反応での水のエントレインメント効果が乏しい からである。これに対して、反応液中に分枝アルキルフェノールを導入すると、 以下のような理由で直鎖アルキルフェノールからアルキルフェネートへの変換の 度合が向上する。 消石灰は、まず最初に分枝アルキルフェノールR−φ−OHと反応して以下の ような生成物(I)を作る。 この生成物は、有機媒体中では消石灰よりも高い塩基性であり、直鎖のアルキ ルフェノールR’−φ−OHの中和をすることができる。 その上、分枝アルキルフェノールはこの温度で比較的揮発性が高いので、水の 蒸散を促進する。 分枝アルキルフェノールと直鎖アルキルフェノールとの混合物が存在するため に生じる相乗作用の証拠は、消石灰との中和工程で見ることができ、消石灰の取 り込みを測るBN ASTM D2896に示されている。この測定は、ロ過後 すなわち未反応の消石灰を除いた後に行われる。 下記の表には、純粋な分枝アルキルフェノールと純粋な直鎖アルキルフェノー ル、それに重量比20/80、50/50、80/20の混合物のBN値(AS TM D2896)を示した。 直鎖アルキルフェノールの比率が増せば増すほど、実際のBN値と理論上のB N値との不一致が大きくなることが分る(20/80、50/50、80/20 の混合物を参照)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トリコネ、ティエリ フランス共和国、モンフォール・スール・ リスル、エフ−27295、ラ・スルス、エヌ 5、リュ・ディ・“ラ・モト”(番地な し) (72)発明者 ウィルス、ウィリアム・ウッドフォード, ジュニア アメリカ合衆国、カルフォルニア州、 94654、コントラ・コスタ・カントリー、 ピノーレ、サイマス・アヴェニュー、2942

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1。下記の工程を含む製造法によって得られるものであることを特徴とする硫 化および超アルカリ化アルカリ土類アルキルサリチレート・アルキルフェネート 型潤滑油用清浄分散性添加剤。 工程: A)炭素数が12から40、好ましくは18から30の直鎖アルキル基を含む 、少なくとも35重量%、多くとも85重量%の直鎖アルキルフェノールと、炭 素数が9から24、好ましくは12の分枝アルキル基を含む、多くとも65重量 %、少なくとも15重量%の分枝アルキルフェノールとが混合されてなるアルキ ルフェノールを、アルカリ土類塩基を用いて、炭素数1から4の少なくとも一つ のカルボン酸の存在下で中和する工程で、操作は少なくとも215℃の温度で行 ない、中和反応が行なわれる反応容器内の圧力は反応液中の水を除くために徐々 に大気圧より低くした状態で、反応液中の水と共沸混合物を作るいかなる溶媒も なしで行なう中和工程。ただし、使用する試薬の量は以下のモル比に合うものと する。 −アルカリ土類塩基/総アルキルフェノール量は0.2から0.7の間、好ま しくは0.3から0.5の間、 −総カルボン酸量/総アルキルフェノール量は0.01から0.5の間、好ま しくは0.03から0.15の間。 B)出発物質のアルキルフェノールの少なくとも22モル%、好ましくは少な くとも25モル%をアルキルサリチレート(サリチル酸として測定)に変換する ために、工程A)で得られたアルキルフェネートを180から240℃、好まし くは190から220℃の間の温度、大気圧から15×105Pa(15bar s)の範囲の圧力で1から8時間、所望により、工程A)または工程B)の最初 または最後に加える希釈用オイル100Nの存在下で、二酸化炭素を作用させる ことによってカルボキシル化する工程、 C)アルカリ土類塩基、沸点が150℃以上、好ましくは175℃以上である モノアルコール、そして所望によりアルキレン・グリコールまたはアルキレン・ グリコールのアルキルエーテルの存在下で、元素状硫黄によってアルキルフェネ ートとアルキルサリチレートとの混合物を145から180℃、好ましくは15 0から160℃の間の温度で硫化および超アルカリ化する工程。ただし、使用す る試薬の量は以下のモル比に合うものとする。 −硫黄/総アルキルフェノール量は0.3から1.5の間、好ましくは0.8 から1.0の間、 −総アルカリ土類塩基量/総アルキルフェノール量は1.0から3.5の間、 好ましくは1.4から3.0の間、 −総アルカリ土類塩基量/沸点が150℃以上のモノアルコールは0.3から 0.5の間で、そして、アルキレン・グリコールまたはそのアルキルエーテルを 加えた後、もしもまだ総アルカリ土類塩基量/アルキレン・グリコールのモル比 が1.0から3.0、好ましくは1.4から1.8の間になるように加えられて いなければ、145から180℃の温度、大気圧に近い圧力で二酸化炭素によっ て反応液の炭酸化を行なうが、その際に用いられるCO2の量は、反応液に完全 に吸収され得る量とその量よりも30%過剰な量との間である。 D)アルキレン・グリコールとモノアルコールとを蒸留によって除く工程、 E)沈殿物をろ過によって除去する工程、 F)そして最後に、80から160℃、好ましくは100から140℃の間の 温度で空気の脱ガスを行ない、ASTM D−130による試験を150℃で1 5分、好ましくは150℃で1時間行ない、銅片試験の分類が1Aになるまでに する脱ガス工程。 2。前記中和工程A)を、少なくとも220℃の温度、常圧から徐々に減圧し 220℃で最大7000Pa(70mbars)に達する極めて低い圧力の下で 行うことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の添加剤。 3。前記中和工程A)を、少なくとも240℃の温度、常圧から徐々に減圧し 240℃で最大7000Pa(70mbars)に達する極めて低い圧力の下で 行うことを特徴とする請求の範囲第2項に記載の添加剤。 4。前記中和工程A)の最後に、得られたアルキルフェネートを、15時間を 越えない時間、好ましくは2から6時間の間、少なくとも220℃の温度で、5 000から105Pa(0.05から1.0bar)、好ましくは10000か ら20000Pa(0.1から0.2bar)の範囲の圧力の中で静置すること を特徴とする請求の範囲第1項に記載の添加剤。 5。前記カルボキシル化工程B)を、200℃もしくはそれ以上の温度、4× 105Pa(4bars)の圧力下で行うことを特徴とする請求の範囲第1項乃 至第4項のいずれか一つに記載の添加剤。 6。前記アルカリ土類塩基が酸化カルシウムもしくは酸化マグネシウムである ことを特徴とする前記請求の範囲のいずれか一つの項に記載の添加剤。 7。前記硫化および超アルカリ化工程C)において、カルボキシル化工程B) で得られたアルキルフェネートとアルキルサリチレートの混合物を155℃まで 冷却し、この温度で元素状硫黄を加えて、それから1から2時間かけて徐々にア ルカリ土類塩基、アルキレン・グリコールそして沸点が150℃以上のモノアル コールの混合物を150から160℃の温度を保ちながら加えて行くことを特徴 とする前記請求の範囲のいずれか一つの項に記載の添加剤。 8。前記中和工程A)において使用する炭素数1から4のカルボン酸が、蟻酸 と酢酸の混合物であり、好ましくはその両酸の重量比が50/50の混合物であ ることを特徴とする前記請求の範囲のいずれか一つの項に記載の添加剤。 9。主成分としての潤滑油と前記請求の範囲のいずれか一つの項に記載の清浄 分散剤添加剤を2から20重量%含む潤滑油組成物。 10。下記の工程を含むことを特徴とする硫化および超アルカリ化アルカリ土 類アルキルサリチレート・アルキルフェネート型潤滑油用清浄分散性添加剤の製 造法。 A)炭素数が12から40、好ましくは18から30の直鎖アルキルラジカル を含む、少なくとも35重量%、多くとも85重量%の直鎖アルキルフェノール と、炭素数が9から24、好ましくは12の分枝アルキルラジカルを含む、多く とも65重量%、少なくとも15重量%の分枝アルキルフェノールとが混ざった アルキルフェノールを、アルカリ土類塩基を用いて、炭素数1から4の少なくと も一つのカルボン酸の存在下で中和する工程で、操作は少なくとも215℃の温 度で行ない、中和反応が行なわれる反応容器内の圧力は反応液中の水を除くため に徐々に大気圧より低くした状態で、反応液中の水と共沸混合物を作るいかなる 溶媒もなしで行なう中和工程。ただし、使用する試薬の量は以下のモル比に合う ものとする。 −アルカリ土類塩基/総アルキルフェノール量は0.2から0.7の間、好ま しくは0.3から0.5の間、 −総カルボン酸量/総アルキルフェノール量は0.01から0.5の間、好ま しくは0.03から0.15の間。 B)出発物質のアルキルフェノールの少なくとも22モル%、好ましくは少な くとも25モル%をアルキルサリチレート(サリチル酸として測定)に変換する ために、工程A)で得られたアルキルフェネートを180から240℃、好まし くは190から220℃の間の温度、大気圧から15×105Pa(15bar s)の範囲の圧力で1から8時間、所望によっては、工程A)または工程B)の 最初または最後に加える希釈用オイル100Nの存在下で、二酸化炭素を作用さ せることによってカルボキシル化する工程、 C)アルカリ土類塩基、沸点が150℃以上、好ましくは175℃以上である モノアルコール、そして所望によりアルキレン・グリコールまたはアルキレン・ グリコールのアルキルエーテルの存在下で、元素状硫黄によってアルキルフェネ ートとアルキルサリチレートとの混合物を145から180℃、好ましくは15 0から160℃の間の温度で硫化および超アルカリ化する工程。ただし、使用す る試薬の量は以下のモル比に合うものとする。 −硫黄/総アルキルフェノール量は0.3から1.5の間、好ましくは0.8 から1.0の間、 −総アルカリ土類塩基量/総アルキルフェノール量は1.0から3.5の間、 好ましくは1.4から3.0の間、 −総アルカリ土類塩基量/沸点が150℃以上のモノアルコールは0.3か ら0.5の間で、そして、アルキレン・グリコールまたはそのアルキルエーテル を加えた後、もしもまだ総アルカリ土類塩基量/アルキレン・グリコールのモル 比が1.0から3.0、好ましくは1.4から1.8の間になるように加えられ ていなければ、145から180℃の温度、大気圧に近い圧力で二酸化炭素によ って反応液の炭酸化を行なうが、その際に用いられるCO2の量は、反応液に完 全に吸収され得る量とそれより30%過剰な量との間である。 D)アルキレン・グリコールとモノアルコールとを蒸留によって除く工程、 E)沈殿物をロ過によって除去する工程、 F)そして最後に、80から160℃、好ましくは100から140℃の間の 温度で空気の脱ガスを行ない、ASTM D−130による試験を150℃で1 5分、好ましくは150℃で1時間行ない、銅片試験の分類が1Aになるまでに する脱ガス工程。 11。作動油と請求の範囲第1項乃至第8項のいずれか一つに記載の清浄分散 性添加剤を0.1から3重量%含む作動油組成物。 12。硫化および超アルカリ化アルカリ土類アルキルサリチレート・アルキル フェネート型の潤滑油用清浄分散性添加剤であって、 a)前記アルキルサリチレート・アルキルフェネートのアルキル置換基は、炭 素数が12から40、好ましくは18から30の間である直鎖アルキルの比率が 少なくとも35重量%、多くとも85重量%で、炭素数が2から24、好ましく は12の間である分枝アルキルの比率が多くとも65重量%であり、 b)アルキルサリチレート・アルキルフェネート混合物中のアルキルサリチレ ートの比率は、少なくとも22モル%、好ましくは、少なくとも25モル%であ り、そして c)アルキルサリチレート・アルキルフェネート全体に対するアルカリ土類塩 基のモル比が1.0から3.5の間 であることを特徴とする添加剤。 13。硫化および超アルカリ化アルカリ土類アルキルサリチレート・アルキル フェネート中に存在する硫黄のモル比が0.25から0.75、好ましくは0. 4から0.5の範囲、にあることを特徴とする請求の範囲第12項に記載の添加 剤。
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