JPH09511033A - ヒンジ構造体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ヒンジはその内部を貫通するヒンジピン（１４）を収納する一組の連結ひじ（２０）を有する先端連結要素（１２）を備える。連結ひじ（２０）はピンの通路内に部分的に延びる保持要素（２２）を備える。ピンに形成された環状溝（３８，４０）はヒンジ内またはヒンジの外部でピン（１４）が容易にスライドしないように保持要素（２２）を受け入れる。これらの溝の一つ（４０）は直立面（４４）とテーパー面（４６）とを有する。もう一つの溝（３８）は保持要素（２２）に対して第２の溝（３８）を通過させるが、第１の溝（４０）を通過させないようにするための一対のテーパー面（４２）を備えている。前記手段で、ピン（１４）は保持要素（２２）を越えて強制的に移動されないとともに、次に、取り外すために第１の連結ひじに引き出したときにも、定位置に保持される。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒンジ構造体 発明の背景 １．発明の分野 本発明はヒンジ、とくに単一のヒンジ連結片を有する自己保持ヒンジに関する ものである。 ２．先行技術の説明 ヒンジ本体とその中に挿入するピンを有するヒンジはよく知られている。例え ば、連結片を取り外したり、またはカバーやドアを取り外すため等何らかの理由 により、ピンが取り外される場合、ピンを保持する機能を備えるヒンジは有利で ある。しかし、ピンが取り外されると、容易に置き忘れられたり、無くしたりす る。それゆえ、ヒンジの回りで回転移動する２個の部分を分離するために、ヒン ジ本体からピンをスライド移動させることができて、なおかつピンを保持するヒ ンジを提供することは有益である。 ピンの不注意な取り外しを防止する試みが、Ｈａｒｔの米国特許第1,979,894 号明細書に開示されている。しかしながら、このヒンジではピンが一旦保持位置 から取り外されると定位置でピンを保持しなくなる。さらにこのヒンジでは、ピ ンを保持するために、ヒンジ本体以外の別の要素が必要になる。Ｆｅｒｒｙの米 国特許第2,817,871 号明細書もまた、ピンの保持特性を有するヒンジを開示して いるが、連結片の一つを解放する位置にピンを保持するものではない。このヒン ジはピンを逆動させるようになっておらず、未だ適正な保持方法とはいえない。 完全に組み立てられるとき、または２個の連結片が分離されるときにピンを保 持することのできる改良されたヒンジが必要とされることが理解されよう。この ようなヒンジはまた、ピンを正しく保持している間、ピンが逆動され得るように 融通性のある組立体を提供するよう形成されるべきである。 発明の概要 本発明は、ピンを保持すると同時に、分離するためにその位置からピンを取り 外すことのできるヒンジを提供することを目的とするものである。本発明のヒン ジは、取り外し可能なピンと、連結される主要本体部分と、連結片部分とを有す る。ピンは連結ひじによって主要本体部分及び連結片部分上に保持される。ヒン ジの主要本体部分は、内部に形成された保持要素を有する一組の連結ひじ(knuck les)を備える。この保持要素は、ピン方向へ偏寄して設けられており、ピンに形 成された環状溝に嵌合する。ピンはテーパー面を有する第１の溝、及び一つの直 立面と一つのテーパー面とを有する第２の溝を備える。このような形状を備える ことによって、ピンは位置方向に挿入され、テーパー面を越えてスライドしなが ら、保持部分でスライド保持される。しかしながら、保持要素が第２の溝の直立 面に接すると、直立面が保持要素と当接してこれ以上スライドされない。 ピンがこの嵌合位置から引き出されるときには、連結片要素はヒンジの主要本 体部分から分離され得る。しかし、第２の連結ひじの保持要素はその溝に対して 偏寄しており、連結ひじの一つの中でピンを保持する。それゆえ、ピンは置き忘 れられたり失せたりはしない。連結片及び主要本体部分が再び合体すると、ピン はお互いに枢軸回転する２つの構成部分によって定位置内に容易にスライドして 戻る。 本発明を特徴づけるこれらの利点、及び様々なその他の利点、及び新規な特徴 は、これに付け加えられたりまたはその一部を形成するクレームの中で詳細に示 されている。しかしながら、本発明とその利点、及び使用することによって得ら れる対象物をより良く理解するために、更に付加される部分を形成する引用図及 び付記事項への言及が必要であろうし、その中に本発明に好適な具体例が例示記 載されている。 図面の簡単な説明 図面中、参照文字及び数字は、複数面から見た関連要素を表している。 第１図は、本発明の原理に従うヒンジの透視図。 第２図は、第１図に示されたヒンジの分解組み立て図。 第３図は、第１図に示されたヒンジ本体とピンの平面図。 第４図は、ヒンジピンの側方正面図。 第５図は、第３図の５−５に沿うヒンジの断面図。 第６図は、表面にカバーを搭載したヒンジの側面図。 好適な実施形態の詳細な説明 ここで図面について説明すると、参照の数字は各図を通して関連す構成要素を 示しており、また特に第１図に関しては、全体として１０で表されるヒンジを示 している。ヒンジ１０はピン１４の周囲に連結片１６で回転可能に連結した主要 ヒンジ本体１２を有する。ヒンジ１０の構成要素は真鍮またはその他の任意な材 料を用いることができる。主要ヒンジ本体１２は、面に対してこの主要ヒンジ本 体１２を取り付けるために内部に形成された取り付け用穴５０を有する基台１８ を備える。支持部２４は基台１８から上方へ延びており、以下で説明されるピン １４を収納し、かつ取り囲むために配置形成された環状の連結ひじ２０を備える 。連結ひじ２０は各々連結ひじ２０の環状部分から切り取られるとともに、支持 部分へ延長する部分を備える。保持要素２２は切断除去部分内に形成され、支持 部分２４から部分的に第４図にも示されているように、各々の連結ひじによって 囲まれた空間内へと延びている。保持要素２２はピンのための開口部のいずれか 一方の側面へ延長形成することができる。 第２図に最も明確に示されているように、連結片要素１６もまた連結ひじ２８ を有し、カバーまたはその他の回転可能な連結部内に成形することができる。連 結片要素１６の様々な形状及び取り付け方法が利用できることは評価すべきであ る。 第４図に関しては、ピン１４が示されている。ピン１４はテーパー状突出部分 ３２を有する先端部３０を備える。他方の端部３４には拡大されたピンの取り外 し部分３６が把持されるように、またはピン１４の取り外しの手掛かりとなるよ うに形成されている。先端部３０に近接して第１の環状溝３８及び第２の環状溝 ４０が形成されている。第１の環状溝３８は一対のテーパー面４２を有する。第 ２の環状溝４０は、先端部３０に近い側にかつ放射状に外側へ広がった直立面４ ４を有する。他方の面４６は、他方の端部３４側で放射状に外側へ広がったテー パー状に形成されている。 ヒンジピン１４は、連結ひじ２０，２８を介して挿入されて、ヒンジ本体部分 １２及び連結片部分１６に回転可能に連結する。ピン１４が、第１の連結ひじ２ ０内に挿入されると、先端部３０は保持要素２２と嵌合する。テーパー部分３２ が保持要素２２と強制的に外側へ押しのけてピンを通過させる。同様にして、保 持要素２２は第１の環状溝及びそのテーパー面４２を通過させる。次いで、保持 要素２２は直立面４４を通過させたように第２の環状溝４０を通過させる。 ピン１４は、連結片状連結ひじ２８を通り抜け、第２の連結ひじ２０に嵌合す る。第１の連結ひじに嵌合されたときと同様に、保持要素２２は環状溝３８を通 過させる。この時点において、ピン１４は第１図に示されているように充分な嵌 合状態にある。ピン１４の先端部３０において、保持要素２２は環状溝３８内に とどまっている。ピン１４は取り外し部分が連結ひじ２０に当接するとき、それ 以上ヒンジ本体１２内へ挿入することができない。 ピン１４を取り外すためには、これを他方の端部３４方向へヒンジ本体から引 き出す。保持要素２２は容易に放射状外側方向に押圧されて、環状溝３８のテー パー面４２を通過させる。ピン１４は、ピンの他方の端部３４により、近辺に位 置していた連結ひじ２０上の保持要素２２が第２の環状溝４０内に偏寄されるま でさらに通過させられる。この時点で、連結ひじは解放されるとともに、接合片 要素１６はヒンジ本体構成要素１２と分離され得る。 ピン１４はこのとき、保持要素２２が第２の環状溝４０内にとどまっているが 、これ以上引き出すことはできない。より大きな押圧力が第２の環状溝４０の直 立面４４に対抗して保持要素２２の側面にかかる。これによって、保持要素に関 するピン１４の引き出し操作は阻止される。しかしながら、保持要素２２が環状 溝４０内にとどまっているので、要素の偏寄力はどちらかの方向へピン１４が移 動しないようにするには充分である。 しかしながら、以上の記載の中で、本発明に関するどのような特徴及び利点が 、本発明の構成及び機能とともに開示されたとしても、その開示は例証に過ぎず 、いかなる変更も、とくに形状、寸法及び部品の配置など、発明の原理・原則の 範囲内で、付加クレームが使用している語句の普遍的な意味によって表される広 範な領域まで応用は可能である。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年１１月１０日 【補正内容】 請求の範囲 １．基台１８及び立ち上がり部分２４を有し、前記立ち上がり部分は基台から上 方に延長するとともに、一直線に並ぶ管状空隙を形成する複数個の管状連結ひじ (knuckles)を支持しているヒンジ本体１２； テーパー状の先端部３０及び前記テーパー状先端部に近接して形成された第１の 環状溝３８を有し、前記第１の環状溝３８はテーパー面４２を備えているととも に、第２の環状溝４０はテーパー端部に近い方の一方側に直立面４４及び他側の テーパー面４６とを備えており、前記管状空隙を通して適合するように形成され たピン１４；から成り、 連結ひじ２０が基台１８から離れた位置に空間を置いて支持されており、各々の 連結ひじは開口部分を限定する壁を有し、また立ち上がり部分２４の偏寄片部分 ２２は開口部分内に延びるとともに、部分的に管状空隙内へ延びており、それに よって前記偏寄片部分(biasing portion)２２は、溝３８，４０が対応する偏寄 片部分２２と整合するとき、溝３８，４０内に入り込む連結ひじ２０を有するこ とを特徴とするヒンジ１０。 ２．ヒンジ本体１２を面に取り付けるための取り付け手段５０をさらに含む請求 項１に記載のヒンジ１０。 ３．ピン１４が、このピンをヒンジから取り外すためのピン取り外し手段３６を さらに含む請求項１に記載のヒンジ１０。 ４．偏寄片部分２２がテーパー状溝面４２，４６を越えてスライドさせるように 形成されるとともに、溝４０の直立面４４とは当接する請求項１に記載のヒンジ １０。 ５．ピン１４の他方端部にピン取り外し手段３６をさらに含み、前記取り外し手 段は管状の空隙よりも幅広く形成されている請求項４に記載のヒンジ１０。 ６．ピン１４を収納するために形成されたヒンジ本体１２上の２個の連結ひじ２ ０の中間に位置する連結ひじ２８を含む連結片をさらに有する請求項１に記載の ヒンジ１０。 ７．偏寄片部分２２はヒンジ本体１２とともに全体を構成する要素を成すもので ある請求項１に記載のヒンジ１０。 ８．基台１８及び立上がり部分２４を有し、前記立上がり部分２４は基台部分か ら上方へ延長するとともに、基台から離れて位置する複数個の連結ひじ２０を支 持しており、前記連結ひじの各々は一直線に並んだ管状の空隙を形成し、前記連 結ひじの各々は内部に壁開口部を限定する連結ひじの壁を有し、かつ各々の壁開 口部に近接して形成された偏寄片部分２２は、立上がり部分２４から部分的に管 状空隙内に延びている一体的に形成されたヒンジ本体１２。 ９．偏寄片部分２２がヒンジ本体１２とともに全体を構成する要素を成すもので ある請求項８に記載のヒンジ本体１２。 １０．連結要素１６が、ピン１４を収納するために形成されたヒンジ本体上の２ 個の連結ひじの中間に位置する連結ひじ２８をさらに含む請求項８に記載のヒン ジ本体１２。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．（ａ）基台及び立上がり部分を有し、前記立上がり部分が基台部分から上方 に延長されているとともに、一直線に並んだ管状の空隙を形成する複数の連結ひ じを支持しており、各々の連結ひじが部分的に管状の空隙内に延びる偏寄片部分 (biasing portion)を備えているヒンジ本体と、 （ｂ）テーパー状先端部、及びこの先端部に近接してピンに形成された第１の環 状溝を有し、前記環状溝がテーパー状先端部に近接して第１の直立面及び対向す る側にテーパー面を備えるとともに、もう一つの溝は両方にテーパー面を備えて おり、各偏寄片部分が各溝内に入り込み、かつ管状の空隙を通過できるように形 成されたピンとからなる ヒンジ。 ２．ヒンジ本体を面に取り付けるための取り付け手段をさらに含む請求項１に記 載のヒンジ。 ３．ピンが、このピンをヒンジから取り外すためのピン取り外し手段をさらに含 む請求項１に記載のヒンジ。 ４．偏寄片部分がテーパー状溝面を通過させるとともに、溝の直立面とは当接す る請求項１に記載のヒンジ。 ５．ピンの他方端部にピン取り外し手段をさらに含み、前記取り外し手段は管状 の空隙よりも大きく形成されている請求項４に記載のヒンジ。 ６．ピンを収納するために形成されたヒンジ本体上の２個の連結ひじの中間に位 置する連結ひじを含む連結片をさらに含む請求項１に記載のヒンジ。 ７．偏寄片部分はヒンジ本体とともに全体を構成する要素を成すものである請求 項１に記載のヒンジ。 ８．（ａ）基台及び立上がり部分を有し、前記立上がり部分が基台部分から上方 に延長されているとともに、一直線に並んだ管状の空隙を形成する複数の連結ひ じを支持しており、各々の連結ひじが部分的に管状の空隙内に延びる偏寄片部分 を備えているヒンジ本体と、 （ｂ）テーパー状先端部、及びこの先端部に近接してピンに形成された第１の環 状溝を有し、前記環状溝がテーパー状先端部に近接して第１の直立面及び対向す る側にテーパー面を備えるとともに、もう一つの溝は両方にテーパー面を備えて おり、各偏寄片部分はテーパー状溝面を通過させるとともに、溝の直立面とは当 接するピンとからなるヒンジ。 ９．ピンが、他方の端部に拡大された部分を有する請求項８に記載のヒンジ。 １０．ピンを収納するために形成されたヒンジ本体上の２個の連結ひじの中間に 位置する連結ひじを含む連結片をさらに含む請求項８に記載のヒンジ。 １１．偏寄片部分はヒンジ本体とともに全体を構成する要素を成すものである請 求項８に記載のヒンジ。 １２．基台及び立上がり部分を有し、前記立上がり部分が基台部分から上方に延 長されるとともに、複数個の連結ひじを支持しており、前記連結ひじの各々は一 直線に並んだ管状の空隙を形成し、かつ前記連結ひじの各々は部分的に前記管状 の空隙へ延びる偏向片を備えてなるヒンジ本体。 １３．偏寄片部分はヒンジ本体とともに全体を構成する要素を成すものである請 求項１２に記載のヒンジ本体。 １４．ピンを収納するために形成されたヒンジ本体上の２個の連結ひじの中間に 位置する連結ひじを含む連結片をさらに有する請求項１２に記載のヒンジ本体。