JPH09510609A - インテグリンの活性化の阻害剤を同定する方法 - Google Patents

インテグリンの活性化の阻害剤を同定する方法

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JPH09510609A JP7524075A JP52407595A JPH09510609A JP H09510609 A JPH09510609 A JP H09510609A JP 7524075 A JP7524075 A JP 7524075A JP 52407595 A JP52407595 A JP 52407595A JP H09510609 A JPH09510609 A JP H09510609A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、インテグリン活性化を阻害する化合物を細胞へ導入することを含む、細胞におけるインテグリンのリガンド結合を阻害する方法、インテグリン活性化を阻害する化合物を同定するための方法、およびキメラインテグリン分子を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 インテグリンの活性化の阻害剤を同定する方法 発明の背景 細胞は、成熟段階および環境的な刺激に応じて、その接着性を変化させる。こ のような適応は、しばしば二つの膜貫通サブユニットαおよびβからなる接着受 容体である、インテグリンを仲介して行われる(Hynes,Cell 69:11-25,1992)。イ ンテグリン機能の急速な変化は、細胞の移動、細胞の集合、および炎症における 白血球の移動に必要である(Hynes,Cell 69:11-25,1992;Albelda and Buck,FASEB 4:2868-2880,1990;Hemler,Annu.Rev.Immunol.8:365-400,1990;Dustin et al.,J .Immunol.148:2654-2663,1992;Springer,Nature 346:425-434,1990;Ginsberg et al.,Curr.Opin.Cell Biol.4:766-771,1992;Ruoslahti,J.Clin.Invest.87:1-5,1 991)。特定のインテグリンは、それが発現している細胞の細胞環境によって(Cha n and Hemler,J.Cell.Biol.120:537-543,1993;Masumoto and Hemler,J.Biol.Che m.268:228-234,1993;Weitzman et al.,J.Biol.Chem.268:8651-8657,1993;Elices and Hemler,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:9906-9910,1989;Kirchofer et al.,J. Biol.Chem.265:18525-18530,1990)、または分化段階によって様々な接着能力を 示す(Haimovich et al.,Cell Regulation 2:271-283,1991;Neugebauer and Reic hardt,Nature 350:68-71,1991;Adams and Watt,Cell 63:425-435,1990;Chan and Hemler,J.Cell Biol.120:537-543,1993)。このような機能の多様性は、特定の β3(Bennett and Vilaire,J.Clin.Invest.64:1393-1401,1979)、β2(Alitieri e t al.,J.Cell Biol.107:1893-1900,1988)、およびβ1(Faull et al.,J.Cell Bio l.121:155-162,1993)インテグリンで起こるようなリガンドの結合の親和性によ るものである。接着機能の変化はまた、リガンドの結合の親和性の変化がなくと も起こりうる。例えば、ホルボールエステルは、α5β1依存性の、チャイニーズ ハムスター卵巣細胞(Danilov and Juliano,J.Cell.Biol.108:1925-1933,1989)の ファイブロネクチン(Fn)への接着を、Fnの結合の親和性を変化させることなく刺 激する。同様に、特定のβ3変異体は、αIIbβ3依存性細胞のフィブリノーゲン( Fg)への接着を、Fgの結合の親和性を変化させることなく減少させる(Ylanne et al.,J.Cell Biol.122:223-233,1993)。このような、インテグリン機能における 親和 性に非依存的な変化は「受容体結合後の作用(post receptor occupancy events) 」によるものである(Danilov and Juliano,J.Cell.Biol.108:1925-1933,1989)。 それにも関わらず、可溶化したα2β1組み換え体のコラーゲンセファロースへの 結合能力は、宿主細胞が制御している(Chan and Hemler,J.Cell.Biol.120:537-5 43,1993)。この最後の結果は、インテグリン機能におけるいくつかの細胞型特異 的な違いが、リガンドの結合の親和性の違いによるものであることを示唆してい る。 インビトロにおける処理の多様性は、インテグリンの親和性を変化させうる。 精製されたαIIbβ3は、RGDペプチドで前処理すると、結果的にFgおよびPAC1と 結合するようになる(Du et al.,Cell 65:409-416,1991;Smyth et al.,J.Biol.Ch em.267:15568-15577,1992)。特定の抗β3抗体は、αIIbβ3のFgへの結合親和性 を直接増加させ(Frelinger et al.,J.Biol.Chem.266:17106-17111,1991)、また 特定の抗β1抗体はα5β1を、高親和性でFnへ結合するように活性化する(Faull et al.,J.Cell Biol.121:155-162,1993)。細胞外の媒体の二価のカチオンにおけ る組成の変化、蛋白分解による消化、および還元剤による処理もまた、インテグ リンを「活性化」する(Kirchofer et al.,J.Biol.Chem.265:18525-18530,1990;G ailit and Ruoslahti,J.Biol.Chem.263:12927-12932,1988;Altieri,J.Immunol.1 47:1891-1898,1991;Masumoto and Hemler,J.Biol.Chem.268:228-234,1993;Weitz man et al.,J.Biol.Chem.268:8651-8657,1993;Zucker and Nachmias,Arterioscl erosis 5:2-18,1985;Grant and Zucker,Proc.Soc.Exp.Biol.Med.165:114-117,19 80)。従って、細胞外ドメインと相互作用する部分は、インテグリンの親和性を 調節することができる。更に、脂質環境はインテグリンのリガンド結合能力を変 化させることができ(Smyth et al.,J.Biol.Chem.267:15568-15577,1992;Confort i et al.,J.Biol.Chem.265:4011-4019,1990)、また新規であると考えられる脂質 であるIMF-1は、αMβ2を調節しうる(Hermanowski-Vosatka et al.,Cell 68:341 -352,1992)。様々な処理がインビトロにおいてインテグリンの親和性を変化させ うるが、生理学上の調節の機構は明らかにされていない。 発明の概要 本発明者らは、インテグリン分子の細胞内ドメインがインテグリン細胞外ドメ インにおけるリガンドの結合活性の調節に関わることを示した。 それゆえ本発明は、一つの面において、候補化合物の標的インテグリンの活性 化を阻害する能力を測定する方法を特徴とする。該方法においてキメラインテグ リンを発現する細胞は、候補化合物存在下で培養される。次にこの細胞を、レポ ーターインテグリンが活性化された場合にのみこのインテグリンに結合するリガ ンドと接触させる。候補化合物存在下においてキメラインテグリンに結合したリ ガンドのレベルは、候補化合物の標的インテグリン活性化の阻害能力の尺度にな る。好ましい態様において、レポーターインテグリンはαIIbβ3である。他の好 ましい態様において、標的インテグリンはαVβ3、αMβ2、αLβ2、α2β1、α5 β1、α6Aβ1、α6Bβ1、αIIbβ3、およびα4β1からなる群より選択される。 ここで「インテグリン活性化」とは、インテグリンの細胞内ドメインが細胞外 ドメインのリガンド結合活性を刺激する過程と定義される。 ここで「キメラインテグリン」とは、レポーターインテグリン由来の細胞外ド メインおよび膜貫通ドメイン、ならびに標的インテグリン由来の細胞外ドメイン を含むインテグリンと定義される。したがって「レポーターインテグリン」とは 、キメラインテグリンの細胞外および膜貫通ドメインの由来するインテグリンと 定義され、また一方で「標的インテグリン」とは、キメラインテグリンの細胞内 ドメインに由来するインテグリンと定義される。 本発明のスクリーニング法において用いれられるリガンドは、例えば、レポー ターが活性化された場合にのみレポーターインテグリンに結合する抗体、のよう ないかなる分子でもよい。αIIbβ3レポーターインテグリンの場合、リガンドは 好ましくはPAC1抗体またはフィブリノーゲンである。 本発明のスクリーニング法において使用される細胞は、好ましくは標的インテ グリンが天然に発現され、活性化されるものがよい。本発明で使用され得る細胞 型は、白血球、繊維芽細胞、およびガン細胞を含むが、これらに限定されない。 有用な細胞の具体的な例は、ジャーカット(Jurkat)(例えばアメリカンタイプカ ルチャーコレクション(American type Culture Collection)より入手可能なジ ャーカットクローンE6-1、Rockville,Maryland;ATCC TIB 152)、K562(ヒト赤白 血球細胞;ATCC CCL 243)、CHO(チャイニーズハムスター卵巣細胞;ATCC CCL 61) 、 THP-1(ヒト単球;ATCC TIB 202)、U937(ヒト組織球リンパ腫細胞;ATCC CRL 1593 )、WI-38(ヒト肺繊維芽細胞;ATCC CCL 75)、およびMG63(ヒト骨肉腫細胞;ATC C CRL 1427)細胞である。さらに、末梢T細胞および血小板が本発明において使用 できる。これらはいずれも通常の方法で単離できる 他の面において、本発明は上記のように定義されたキメラインテグリンを特徴 とする。いかなるインテグリンも、レポーターおよび/または標的インテグリン として使用することができる。好ましい態様において、レポーターインテグリン はαIIbβ3である。好ましい標的インテグリンは、αVβ3、αMβ2、αLβ2、α2 β1、α5β1、α6Aβ1、α6Bβ1、αIIbβ3、およびα4β1を含むが、これらに 限定されない。 本発明はまた、インテグリン活性を阻害する化合物を細胞に導入することを含 む、細胞中のインテグリン分子のリガンドへの結合活性を阻害する方法を特徴と する。好ましくは、インテグリン活性を阻害する化合物は、小さな有機分子であ り、また化合物がインテグリン活性を阻害する際の好ましい細胞は、白血球、血 小板、またはガン細胞である。 本発明の阻害剤は、望ましくない免疫反応を起こしている、または起こす危険 のある、ヒトのような哺乳類を治療するために用いることができる。ここで望ま しくない免疫反応とは、例えば、炎症、または自己免疫疾患もしくは器官や組織 の移植の存在により起こる免疫反応である。さらに、本阻害剤は、ガンの進行し ている、もしくはその恐れのある患者、および血栓症を起こしている、もしくは その恐れのある患者の治療に用いることができる。 本発明は、インテグリン活性化の阻害剤を同定するための、多くの化合物をス クリーニングすることができる、迅速かつ容易な方法を提供する。キメラインテ グリンを使用することにより、標的インテグリンの活性特異的リガンドが同定さ れていなくても標的インテグリンを同定することができる。αIIbβ3の活性化特 異的リガンド、PAC1およびFgは、他の普遍的に発現する組織インテグリンとは結 合しないため、αIIbβ3は特に有用なレポーターインテグリンである。 本発明の特徴および利点は、以下の詳細な説明および請求の範囲から明らかに なるであろう。 詳細な説明 まず、図面を説明する。図面 図1Aは、「活性化」抗体8A2存在下で、CHO細胞、K562細胞、およびK562細胞に 結合したファイブロネクチンのレベルを示すグラフである。このグラフはまた、 抗α5抗体存在下で、上述の細胞に結合したファイブロネクチンのレベルも示し ている。図1Bは、無関係のマウスのIgG(点線)、抗β1抗体(実線)、および抗 α5抗体(破線)によって染色されたK562およびCHO細胞のフローサイトメトリー 解析の結果である。図1Cは、非活性化CHO細胞、抗α5抗体存在下のCHO細胞(PB1 )、デオキシグルコースおよびアジ化ナトリウムと共にインキュベートしたCHO 細胞(DOG/Az)、およびデオキシグルコースおよびアジ化ナトリウムを洗浄除去 し、グルコース培養液に戻したCHO細胞(洗浄+Glc)を示したグラフである。 図2は、野生型および変異型のインテグリン細胞内ドメインのアミノ酸配列を列 挙したものである(配列番号:1〜12)。 図3Aは、α5およびβ1の細胞内ドメイン、ならびにαIIbおよびβ3の細胞外 ドメインを含むキメラインテグリンを安定的に形質転換したCHOおよびK562細胞 をフローサイトメトリー解析した結果を示すグラフである。図3Bは、表面をヨー ド化された野生型K562細胞から調製した溶解物(なし)、またはSDS-PAGEによっ て分画されたレーンの一番上に示されるαサブユニットを発現する安定なK562形 質転換体(αIIbα55細胞内ドメインキメラ)の免疫沈降物のオートラジオグ ラフである。図3Cは、PCR解析に用いた2bsf、2bcyt、およびα5cytプライマーの 位置を示す図である。膜貫通(TM:斜線)、3'非翻訳(3'UT:斑点)、ならびに細胞内 および細胞外ドメイン(模様なし)の配列が、示されている。また、増幅された 産物を分離したアガロースゲルの写真も示されており、矢印は393および294bpの バンドの位置を示している。形質転換型は上に挙げ、使用された3'プライマーは 下に示した。 図4Aは、2mM GRGDSP(配列番号:13)非存在下(実線)および存在下(点線) における、α5およびβ1細胞内ドメインキメラを発現する安定なCHO形質転換体 のPAC1結合をフローサイトメトリー解析した結果を示すグラフである(阻害剤: デ オキシグルコース+NaN3)。図4Bは、グラフの下に示した細胞内ドメインを発現 する、安定なCHO形質転換体に結合するFgのレベルを示すグラフである。 図5Aは、示された細胞内ドメインと結合した、αIIbおよびβ3の細胞外および 膜貫通ドメインを含むサブユニットで一時的な形質転換を行ったCHO細胞へのPAC 1結合を、フローサイトメトリー解析した結果である。結合は、GRGDSP(配列番 号:13)ペプチドの非存在下(実線)および存在下(点線)で解析した。図5Bは 、示されている細胞内ドメインを含む組み換えαIIbβ3キメラを安定的に発現す るCHO細胞、CHO細胞系へのPAC1結合のフローサイトメトリー解析の結果を示した グラフである。結合は、GRGDSP(配列番号:13)ペプチドの非存在下(実線)ま たは存在下(点線)で解析した。図5Bは、示された細胞内ドメインを含む組換え αIIbβ3キメラを安定的に発現するCHO細胞、CHO細胞系へのPAC1結合を、フロー サイトメトリー解析した結果である。結合は、GRGDSP(配列番号:13)ペプチド の非存在下(実線)および存在下(点線)で解析した。 図6Aは、示されている細胞内ドメインをもつ細胞外および膜貫通αIIb、なら びにβ3を含むキメラαサブユニットで、一時的に形質転換を行ったCHO細胞の活 性化指数を示すグラフである。図6Bは、示された細胞内配列を含むキメラαサブ ユニット、および細胞内ドメインの切り取られたβ3サブユニット(β3△724) 、S725→P変異を含むβ3サブユニット(S725P)、またはβ1の相同的な領域を交 換されたβ3サブユニットを用いて一時的に形質転換されたCHO細胞の活性化指数 を示すグラフである。 図7Aは、示されたα細胞内ドメインを含むαIIbと野生型β3とを、安定的に共 形質転換したCHO細胞系へのPAC1の結合のフローサイトメトリー解析の一連の結 果を示すグラフである。図7Bは、示された細胞外ドメインに結合したαIIbβ3の 細胞外および膜貫通ドメインのキメラを用いて一時的に形質転換したCHO細胞に 結合するPAC1のフローサイトメトリー解析の一連の結果を示すグラフである。 図8は、インテグリンの親和性調節の模式図である。阻害剤 本発明者らは、インテグリン細胞内ドメインは、インテグリン細胞外ドメイン のリガンド結合活性の活性化において役割を果たすことを示した。インテグリン −リガンド結合は、いくつもの生理学的過程の中心的役割を果たす。生理学的過 程は、免疫反応の活性化、炎症、鬱血、血栓症、細胞の移動、ガン細胞の侵入を 含む。従って、インテグリン活性を阻害することにより、これらの過程を調節す ることができる。 インテグリンのリガンド結合活性の阻害は、インテグリン活性を阻害する化合 物を投与することにより行うことができる。このような化合物は、合理的な薬物 の設計から、ランダムな化合物のスクリーニングまでの範囲にわたる方法により 同定することができる。この方法を行うための簡便かつ迅速なアッセイとしては 、後者の方法が好ましい。小さな有機分子は、細胞膜を通過することができるた め、インテグリン細胞内ドメインに作用することができる可能性があり、この解 析のための望ましい候補化合物である。 膜透過性の有機小分子の、インテグリン活性化の阻害能力についてのスクリー ニングは、以下のように行われる。まず、化合物はキメラインテグリン分子を発 現している培養細胞において試験される。次に、培養細胞における試験で陽性で あった化合物は、動物モデル系において試験される。 細胞培養に基づくスクリーニング法において使用されるキメラインテグリン分 子は、標的インテグリンの細胞内ドメインに融合したレポーターインテグリンの 細胞外および膜貫通ドメインを含む。本発明において好ましいレポーターインテ グリンはαIIbβ3であり、その既知のリガンドであるPAC1(Shattil et al.,J.Bi ol.Chem.260:11107-11114,1985)およびFgは、活性型αIIbβ3と特異的に結合し 、不活性型αIIbβ3または他のインテグリンとは結合しない。活性特異的リガン ドが利用可能ならば、他のインテグリンも本発明において使用することができる 。好ましい標的インテグリンは、αVβ3、αMβ2、αLβ2、α2β1、α5β1、α6A β1、α6Bβ1、αIIbβ3、およびα4β1を含むが、これらに限定されない。キ メラインテグリンは、分子生物学における標準的な技法を用いて作出することが できる(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd,Cold Sp ring Harbor Laboratory Press,1989)。 インテグリン活性化の阻害剤を同定するための細胞培養アッセイは、候補細胞 の存在下または非存在下においてキメラインテグリンを発現する細胞を培養する ことを含む。また、細胞をレポーターインテグリンが活性化している場合にのみ レポーターインテグリンに結合するリガンドに接触させることによりレポーター インテグリン活性のレベルを測定することも含む。細胞培養アッセイにおいては 、化合物存在下においてレポーターインテグリンに結合するリガンドの量が、非 存在下における結合の量より少量であれば、化合物は陽性であると判定される。 例えば活性化特異的抗体のように、活性化されている場合にのみレポーターイ ンテグリンと特異的に結合する試薬であればいかなるものでも本発明のスクリー ニング法においてリガンドとして使用することができる。αIIbβ3レポーターイ ンテグリンの場合、PAC1およびFgが好ましいリガンドである。リガンドは、当業 者においてフローサイトメトリー解析、直接的放射性リガンド結合アッセイ、お よびELISAを含む標準的な技法を用いて検知することのできる、例えば酵素、色 素、放射能、蛍光などにより標識することができる。リガンドの、レポーターイ ンテグリンへの結合は、通常の方法を用いて検知することができるリガンドに特 異的に結合する抗体を使用することによっても検知することができる。 細胞培養アッセイにおいてインテグリン活性に影響を与えることが見出された 化合物については、動物モデル系を用いてさらに試験することができる。例えば MHCの適合しない皮膚を移植された免疫能力のあるマウスのような適切な動物に 、候補化合物を投与し、マウスの免疫反応をモニターすることによって化合物の 効果を決定することができる。インテグリン活性における細胞内末端部分の役割 細胞型特異的かつインテグリンα5β1のエネルギー依存的な親和性 インテグリンの接着機能の細胞型特異的な調節が証明されている。リガンドの 細胞特異的な調節を調べるにあたってまず、本発明者らは可溶性ファイブロネク チン(Fn)の、インテグリンα5β1を発現している細胞への結合を解析した。解 析された細胞は、二つの群に分類した。例えばK562、THP1、U937、および末梢T 血液細胞などのような、低い親和性(Kd>1μM)のみでFnと結合するもの、およ び例えばCHO、WI-38、およびMG63細胞のような適度の親和性(Kd〜100nM)で結 合するものである。低親和性のα5β1インテグリンは、8A2モノクローナル抗体 により「活性化」されたのちにFnに結合するので、本質的に機能的である(Faull et al .,J.Cell Biol.121:155-162,1993)。Fnのα5β1への高親和性の結合の特異性は 、抗α5抗体での阻害により確認した。(図1A;125I-Fn(50nM)を、CHOもしく はK562細胞と共に22℃でインキュベートした。30分後結合したFnは、下記に述べ られた、ショ糖を溶媒とした遠心分離により評価した。α5β1特異的結合は、抗 ハムスターα5抗体であるPB1を用いてCHO細胞へのFnの結合を阻害することによ り確認した。K562細胞への結合は、20nMの「活性化」抗体(8A2)を加えること により促進され、抗α5抗体(BIIG2)によって阻害される。二つの細胞型におけ るα5β1の表面における発現のレベルも調べた(図1B;CHOおよびK562細胞は、 無関係のマウスのIgG(点線)、抗β1抗体(K562:8A2、CHO:7E2)(実線)または 抗α1抗体(K562:BIIG2,CHO:PB1)(破線)により染色され、下記に述べられて いるようにフローサイトメトリーによって解析された)。 α5β1へのFnの自発的な高親和性の結合が能動的な過程であるかを調べるため に、本発明者らは酸化的リン酸化(NaN3)および無酸素解糖(2-デオキシグルコー ス)の阻害剤の組み合わせを用いてCHO細胞を処理した。これは、特異的高親和性 Fn結合の喪失を引き起こした。代謝阻害剤を洗浄すると高親和性の結合の75%が 回復したため、この効果は一部可逆的である(図1C;CHO細胞(非活性化)、2mM デオキシグルコースおよび0.1%アジ化ナトリウムを含む溶媒でインキュベート した細胞(DOG/Az)、またはこれらの阻害剤の非存在下で洗浄しグルコースを 含む溶媒に戻した細胞(洗浄+Glu)、への125I-Fnの結合を調べた。α5β1への結 合特異性は、PBI抗体を用いた阻害により証明された)。従って、インテグリン α5β1への高親和性Fn結合は細胞型特異的であり、能動的な細胞の過程である。 α5β1の細胞内ドメインは、特定の細胞においてαIIbβ3にエネルギー依存的な 高親和性状態を与えるが、他の細胞においては与えない α5β1の細胞内ドメインが細胞型特異的親和性の調節に関わっているかを調べ るため、本発明者らはαIIbおよびβ3の細胞内ドメインがα5およびβ1の対応す る配列に置き換えられたキメラを作製した(図2;野生型およびインテグリン細 胞内ドメインの変異体のアミノ酸配列である。一文字アミノ酸表記を用いた。αIIb (残基990)およびβ3(残基727)の配列の下に示されている矢印は、キメラ 細胞内ドメインがαIIbおよびβ3の細胞外および膜貫通ドメインへと結合した位 置 をあらわしている。細胞内配列の短縮を生じる終止コドンの位置は、三角形であ らわしてあり、またβ3におけるS752→P点突然変異も示されている。αL△細胞 内ドメインにおいて欠失された残基は、上に太線を引いた。)。αおよびβキメ ラを、CHOまたはK562細胞に共形質転換し、細胞外αIIbβ3レポーター群の親和 性の状態を、αIIbβ3の高親和性に特異的な抗体であるPAC1の結合によりアッセ イした(Shattil et al.,J.Biol.Chem.260:11107-11114,1985)。二重キメラ(do uble chimera)は、CHO細胞において発現したときPAC1を結合する。野生型αIIb β3はCHO細胞において発現したとき、PAC1を結合しないため(O'Toole et al.,Ce ll Regulation 1:883-893,1990)、α5β1細胞内ドメインはαIIbβ3に高親和性 の状態を与えると結論された。これとはっきり対照的にK562細胞においては、PA C1は二重キメラに結合しなかった。しかし、活性化抗体、抗KIBS6を添加すると 、PAC1は結合した。このことより、リガンド結合部位が完全であったことが示さ れた(図3A;CHO細胞またはK562細胞に、α5およびβ1の細胞内ドメインを含む キメラを安定的に形質転換し、1mM GRGDSP(配列番号:13)の非存在下(実線) または存在下(点線)におけるPAC1への結合能により、αIIbβ3細胞外ドメイン の親和性の状態を調べた。フローサイトメトリーのヒストグラムを示す。K562形 質転換体は、活性化抗体、6μMの抗KIBS6と共にインキュベートした後にのみPAC 1に特異的に結合した。)。したがって、親和性を調節する細胞型特異的な因子 の能力は、インテグリン細胞内ドメインにより決定される。 K562細胞は、ある条件下において内因性のαIIbを発現するため(Burger et a l.,Exp.Cell Res.202:28-35,1992)、αキメラ形質転換体において発現するαII b 全てに、α5細胞内ドメインが含まれていることを確認する必要があった。表面 をヨウ素化したαキメラ形質転換体を、抗α5細胞内ドメイン抗体で免疫沈降す ることにより、形質転換されたαIIbおよびβ3キメラ、並びに内因性のαIIbβ1 に相当するポリペプチドを単離した。対照的に、抗αIIb細胞内ドメイン抗体で は、標識ポリペプチドは免疫沈降しなかった。抗α5細胞内抗体では、野生型αI IB β3形質転換体から内因性α5β1のみが沈降した(図3B;K562形質転換体の免 疫沈降分析。野生型K562細胞(なし)、または図中に示されたαサブユニットを 発現する安定的な形質転換体(αIIbα5=α5細胞内ドメインキメラ)を、表面 をヨウ素 化し、溶解し、α5およびαIIB細胞内ドメインに特異的なポリクローナル抗体、 またはαIIbβ3の細胞外ドメインと反応性のモノクローナル抗体(2G12)で免疫 沈降させた。沈降物は、SDS-PAGEにより分離し、含まれていたポリペプチドをオ ートラジオグラフィーで可視化した。)。 さらに、本発明者らは、mRNAレベルで発現の信頼性を確認した。αIIbの細胞 外ドメインに特異的な5'プライマー、およびαIIbまたはα5の細胞内ドメインに 特異的な3'プライマーを用いて、逆転写酵素−ポリメラーゼチェーン反応を行っ た。3'のαIIbオリゴヌクレオチドをプライマーに用いた場合に、αキメラ形質 転換体で特異的な393塩基対のバンドが観察された。不適当な3'プライマーを用 いた場合には、バンドは全く観察されなかった(図3C;逆転写酵素−ポリメラー ゼチェーン反応(RT-PCR)分析。RT-PCRを、以下に示すようにして、5'の2bsfプ ライマー、およびαIIbまたはα5の3'非翻訳配列に特異的な3'プライマーを用い て行い、増幅された産物をアガロースゲル電気泳動によって分析した。)。 図1に示すように、高親和性のFnのα5β1への結合は、活発な細胞の代謝に依 存する。従って、本発明者らは、CHO細胞における二重キメラの親和性の状態に 対するNaN3および2-デオキシグルコースの効果を分析した。これらの阻害剤はPA C1の結合(図4A;α5およびβ1細胞内ドメインを発現する安定なCHO形質転換体 を、フローサイトメトリーにより2mM GRGDSP(配列番号:13)の非存在下(実線 )または存在下(点線)におけるPAC1への結合についてアッセイした。2mg/mlデ オキシグルコースおよび0.1%NaN3(いずれも阻害剤)と共にインキュベートし た形質転換体では、以下に示すようにして、特異的な結合が失われた。6μMの抗 LIBS2を添加するか(阻害剤+抗LIBS2)、またはこれらの阻害剤を洗浄し(阻害 剤+洗浄)、それからグルコース含有培地へと戻すことにより、特異的なPAC1結 合が回復した。)およびFgの結合(図4B;グラフの下に示した細胞内ドメインを 発現する安定なCHO形質転換体を、以下に示すようにしてFg結合を分析した。α5 およびβ1キメラを発現する形質転換体への構成的な結合は、2mg/mlデオキシグ ルコースおよび0.1%NaN3により阻害された。;αIIb△991またはαL△変異体を 発現する形質転換体への結合は、阻害されなかった(以下を参照)。)両方を阻 害した。活性化抗体である抗LIBS2(Frelinger et al.,J.Biol.Chem.266:17106- 17111,1991)に より、高親和性の結合が回復した。さらに、阻害剤を洗浄除去すると高親和性リ ガンド結合が復活するため、代謝の阻害は可逆的である(図4A)。これらの結果 より、α5β1細胞内配列が、αIIbβ3の細胞外ドメインに対して、細胞型特異的 な、エネルギー依存的な、高親和性の状態を与えることが示された。 αおよびβ細胞質ドメインはいずれも、親和性の調節に関与している いずれの細胞質ドメインが、CHO細胞における高親和性状態を規定しているの かを決定するため、本発明者らは、相補的な野生型サブユニットをもつ各サブユ ニットキメラを形質転換した。αおよびβキメラ両方を発現する形質転換体、ま たはキメラαと野生型β3サブユニットを発現する形質転換体PAC1に結合した。 対照的に、野生型αIIbをもつβキメラを発現する細胞は、低親和性状態にあり 、抗LIBS2を添加して初めてPAC1に結合した(図5A;CHO細胞を、示された細胞質 ドメインに結合したαIIbおよびβ3の細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインを含 むサブユニットで一時的に形質転換した。αIIbβ3細胞外部分の親和性状態は、 PAC1結合により調べた。結合を、GRGDSP(配列番号:13)ペプチドの非存在下( 実線)または存在下(点線)で分析した。6μMの抗LIBS2の存在下でインキュベ ーションを行った細胞のグラフを下側に示した。特異的なPAC1結合が、β3サブ ユニット上にβ3またはβ1細胞質ドメインが存在するか否かに関わらず、α5細 胞質ドメインを含む両方の形質転換体に存在した。対照的に、PAC1は、活性化抗 体、抗LIBS2の存在下でのみ、αIIb細胞質ドメインを含む形質転換体に特異的に 結合した。)。これらの結果は、α細胞質配列が親和性状態の規定に関わってい ることを示す。 βサブユニットもまた、CHO細胞における高親和性状態の規定に関わっている か否かを明らかにするため、本発明者らは、二つのβ3細胞質変異体、β3△724 およびβ3(S752→P)を構築した。前者は、D723で終止する短縮変異体であり、 後者は、Ser752→Pro置換を起こす一つのヌクレオチドの変化を含む(図2)。 これらのβ3細胞質ドメイン変異体をαキメラと共に形質転換した。野生型β3と 対照的に、いずれのβ3変異体をキメラαと共発現させても、PAC1に構成的に結 合することができない受容体が生じた(図5B;示された細胞質ドメインを含む組 換えαIIbβ3キメラを発現する安定なCHO細胞株をPAC1と反応させ、結合した抗 体を後述のようなフローサイトメトリーにより検出した。結合を、GRGDSP(配列 番号:13) ペプチドの非存在下(実線)または存在下(点線)で分析した。各構築体の固有 の機能性を、6μMの抗LIBS2(下側)の存在下でのPAC1結合により調べた。β3細 胞質の短縮(△724)および一つのアミノ酸置換(S752→P)いずれによっても、 α5の細胞質ドメインにより与えられる構成的な高親和性状態が消滅する。)。 したがって、αサブユニットと同様に、βサブユニットのドメインも、親和性の 調節に関与している。 αサブユニット細胞質ドメインによるインテグリン親和性の調節は、αサブユニ ット特異的である これらのデータにより、αIIbおよびα5の細胞質ドメインがCHO細胞における 異なる親和性状態、即ち、αIIbが低親和性状態そしてα5が高親和性状態を規定 するということが示された。コンセンサスな「活性化」配列が存在するのか否か を決定するため、本発明者らは、6つの付加的なαサブユニットの細胞質ドメイ ンをもつキメラを構築し、CHO細胞へβ3と共に形質転換した後の親和性の状態を 分析した。3つの他のβ1ファミリーのメンバーのα細胞質ドメイン(α2、α6A 、α6B)は、PAC1結合を与えたが(図6A)、β2(αM、αL)またはβ3(αV) ファミリーからのαサブユニット細胞質ドメインを含むキメラはPAC1結合を与え なかった(図6A;細胞外および膜貫通αIIbを、示された細胞質ドメインと共に 含むキメラαサブユニットを、β3と共にCHO細胞に一時的に形質転換した。PAC1 結合は、フローサイトメトリーにより定量し、活性化指数を、以下のようにして 計算した。100*(FO-FR)/FR、ここで: FO=阻害剤の非存在下における平均蛍光強度 FR=GRGDSP(配列番号:13)の存在下における平均蛍光強度。各αキメラについ て、少なくとも3回独立に試験を行い、その平均±標準偏差を示した。)。同様 の結果が、関連するβサブユニットパートナー(α2、αV、α6A、およびα6Bに 対してはβ1、またはαLおよびαMに対してはβ2)の細胞質ドメインを含むβキ メラで得られた。α5キメラと同様に、構成的なPAC1結合は、β細胞質ドメイン にも依存していた。それは、α2、α6A、またはα6Bキメラを、β3△724または βS752Pと共形質転換すると消滅した(図6B;示された細胞質配列を含むαサブ ユニットキメラを、細胞質ドメインを短縮したβ3サブユニット(β3△724)、S752 →P変異 (S752P)を含むβ3サブユニット、またはβ1の相同的な領域と交換したβ3サブ ユニットと共形質転換した。PAC1結合は、図6Aの記載と同様に分析した。各αβ 対について、少なくとも3回独立に試験を行い、その平均±標準偏差を示した。 )。このように、αサブユニット細胞質ドメインは、インテグリン特異的な親和 性の違いを決定する。βサブユニット細胞質ドメインは、高親和性状態にはあま り影響を与えない。保存されたα細胞質配列の欠失により、代謝エネルギーおよ びβサブユニット細胞質ドメインと無関係な高親和性リガンド結合がもたらされ る 本発明者らは、αIIbβ3への構成的なリガンド結合が、αIIbの細胞質ドメイ ンの短縮により生じることを報告した(O'Toole et al.,Science 254:845-847,1 991)。欠失したαIIb細胞質の残基のうち重要な残基を同定するため、本発明者 らは、さらにいくつかの異型を作成した。インテグリンαサブユニット細胞質ド メインは、NH2末端に、高度に保存されたGFFKR(配列番号:14)配列を含む(図 2)。以前の報告のように(O'Toole et al.,Science 254:845-847,1991; Ylanne et al.,J.Cell Biol.122:223-233,1993)、αIIb△911短縮では、このモチーフ が除去され、その結果構成的なPAC1結合が生じるが、GFFKR(配列番号:14)よ り後の短縮(αIIb△996)ではそのようなことは起こらない(図7A)。このこと から、インテグリン親和性の調節因子としての、保存されたモチーフの位置が正 確に示された。この理論を確かめるため、本発明者らは、αL細胞質ドメインキ メラの細胞質ドメインから、LGFFK(配列番号:15)残基を除去した(図2)。こ のキメラを選択した理由は、このキメラが最も長いα細胞質ドメインを有してい るためである。このキメラ内部欠失変異体(αL△)をCHO細胞にβ3と共形質転 換すると、高親和性のPAC1結合が得られた(図7B)。最後に、下流のα配列の影 響を排除するために、本発明者らは、24残基のランダムな細胞質配列を含む異型 を作成した(図2)。この構築体(αRa)もまた、CHO細胞に野生型β3と共に発 現させると、高親和性結合を与えた(図7A;図に示された細胞質ドメインを含む αIIbを野生型β3と共形質転換することにより、安定なCHO細胞系を樹立した。G RGDSP(配列番号:13)の非存在下(実線)および存在下(点線)におけるPAC1 結合をフローサイトメトリーにより調べた。GFFKR(配列番号:14)を欠失した αIIb△991形質転換 体は、PAC1に特異的に結合する。対照的に、GFFKR(配列番号:14)を保持して いるαIIb△996形質転換体は、抗LIBS2での活性化の後にのみ結合する。αIIb細 胞質ドメインをランダムな配列と置換することによっても、PAC1結合が誘導され る(αRa)。)。 GFFKR(配列番号:14)欠失変異体により与えられた高親和性の結合の機構を 詳細に明らかにするため、本発明者らは、細胞の代謝およびβ細胞質配列の必要 性を調べた。構成的に活性なキメラと対照的に、GFFKR(配列番号:14)欠失変 異体における高親和性PAC1結合は、短縮β3サブユニットとの共発現した場合に 維持された(図7B)。さらに、構成的に活性なαキメラを発現する形質転換体と 対照的に、GFFKR(配列番号:14)欠失を発現する形質転換体は、代謝阻害剤で あるNaN3および2-デオキシグルコースで処理した場合に、FgおよびPAC1に対する 高親和性を保持した(図7B)。最後に、αL△変異体は、CHO細胞だけでなく、K5 62(図7B;CHO細胞を、図に示された細胞質ドメインに結合したαIIbβ3の細胞 外ドメインおよび膜貫通ドメインのキメラで一時的に形質転換した。αIIbβ3を 発現する細胞群への特異的なPAC1結合を、図7Aのようにして調べた。GFFKR(配 列番号:14)「ループアウト」変異体は、0.1%NaN3および2mM 2-デオキシグル コース(阻害剤)の存在下で維持されるPAC1結合(αL△α3)を示した。この処 理により、α5β1の細胞質ドメインを有するαIIbβ3へのリガンド結合が消滅し た。α5β1キメラへのPAC1結合を消滅させるβ3細胞質ドメインの広範な欠失( αL△β3△724)によっても、高親和性状態は維持された。同様の結果が、αIIb △991およびαRa形質転換体でも得られた。GFFKR(配列番号:14)欠失変異体を 有する安定なK562細胞系は、PAC1に特異的に結合したが(αL△β3)、α5β1キ メラはこれらの細胞で活性でなかった。)およびCOSにおいても活性であったた め、細胞型非依存的な活性化を与える。このように、高度に保存されたGFFKR( 配列番号:14)モチーフにおける欠失により、代謝阻害剤およびβサブユニット の短縮に影響を受けない、細胞型非依存的な高親和性状態が生じる。 実験方法: 抗体および試薬 抗αIIbβ3抗体D57は、以前に開示されている方法(Frelinger et al.,J.Biol .Chem.265:6346-6352,1990)を用いて作成した。それは、αIIbβ3で形質転換し たチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞には結合するが、αVβ3で形質転換 したCHO細胞には結合せず、αIIbβ3へのFgの結合は遮断しない。この抗体を、 製品説明書に従い、ビオチン−N−ヒドロキシ−スクシニミド(Sigma Chemical, St.Louis,MO)でビオチン化した。αIIbβ3複合体特異的抗体、2G12(Plow et a l.,Blood 66:724-727,1985)は、腹水で希釈して用いた。抗ハムスターα5抗体 (PB1)、抗β1抗体(7E2)、β1活性化抗体8A2(Kovach et al.,J.Cell Biol. 116:499-509,1992);ヒト抗α抗体、BIIG2(Werb et al.,J.Cell Biol.109:877 -889,1989);ヒトα5の細胞質ドメインに対するポリクローナル抗ペプチド抗体 (Hynes et al.,J.Cell Biol.109:409-420,1989);抗LIBS6、抗LIBS2、抗αIIb 細胞質ドメイン抗体(Frelinger et al.,J.Biol.Chem.265:6346-6352,1990;O'To ole et al.,Science 254:845-847,1991);およびPAC1(Shattil et al.,J.Biol .Chem.260:11107-11114,1985)がこれまでに開示されている。グルコースおよび 2-デオキシグルコースはシグマ(Sigma)から購入し、アジ化ナトリウムはフィ ッシャー・サイエンティフィック社(Fisher Scientific Co.)(Pittsburgh,PA )から購入した。ペプチドGRGDSP(配列番号:13)は、ペニンシュラ・ラボラト リーズ(Peninsula Laboratories)(Belmont,CA)から入手した。その純度およ び組成は、高速液体クロマトグラフィーおよび高速原子衝撃質量分析(FAB質量 分析)により確認した。 細胞培養および形質転換 ヒト細胞系K562、U937、W1-38、およびMG63は、アメリカン・タイプ・カルチ ャー・コレクション(ATCC;Rockville,MD)から入手し、10%胎児ウシ血清(Bi owhittaker,Walkersville,MD)、1%グルタミン(Sigma)、および1%のペニシ リンおよびストレプトマイシン(Sigma)を含むRPMI1640培地(Biowhittaker,Wa lkersville,MD)中で継代した。THP-1細胞(ATCC;Rockville,MD)は、10mMヘペ ス(Hepes)および20mM 2-メルカプトエタノールを添加した同培地で継代した。 チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(ATCC;Rockville,MD)は、10%胎児 ウシ血清、上記の抗生物質、および1%の非必須アミノ酸(Sigma)を含むDMEM培 地(Biowhittaker,Walkersville,MD)中で継代した。ヒトTリンパ球は、正常な 提供者の 末梢血から、フィコール・パック(Ficoll-Paque)勾配(Pharmacia Fine Chemi cals,PiscataWay,NJ)により精製し、血清被覆ディッシュ上の単球で増殖させ、 ナイロンウールカラムを通過させた。 CHO細胞は、エレクトロポレーションにより一時的に形質転換させた。対数増 殖器の細胞をトリプシン(Irvine Scientific)で回収し、PBSで洗浄し、適当な cDNA(10μgの各サブユニット)と合わせた。0.5mlの増殖培地中の3×107個の細 胞に対して、BTX(BTX,SanDiego,CA)エレクトロポレーターで、350ボルト、960 μFでエレクトロポレーションを行った。培地を24時間後に交換し、48時間後に 細胞表面の発現またはPAC1結合について細胞を分析した。安定なCHO形質転換体 を、0.6μgのCDNeoの共形質転換により上述のように樹立した。48時間後に、こ れらの細胞を、700μg/mlのG418(Gibco)中で2週間選別し、FACStar(Becton D ickinson)における単一細胞選別によりクローン系を樹立した。安定なK562形質 転換体は、0.8mlのPBS中の1×107個の細胞に対して、300ボルトおよび500μFで エレクトロポレーションを行うことにより樹立した。48時間後、細胞を1mg/mlの G418を含む培地中で継代し、クローン系を限界希釈クローニングにより樹立した 。 フローサイトメトリー インテグリンの表面における発現は、記載されている特異的な抗体(Loftus e t al.,Science 249:915-918,1990; O'Toole et al.,Blood 74:14-18,1989)を用 いたフローサイトメトリーにより分析した。簡単に説明すると、5×105個の細胞 を一次抗体と共に30分間氷上でインキュベートし、洗浄し、FITC結合ヤギ抗マウ ス(Tago,Burlingame,CA)二次抗体と共に30分間氷上でインキュベートした。細 胞をペレットにし、再懸濁させ、それからFACScan(Becton Dickinson)で分析 した。PAC1結合は、二色フローサイトメトリーで分析した。細胞染色は、2mM Mg Cl2およびCaCl2および1mg/ml BSA(Sigma)およびデキストロースを含む、タイ ロード(Tyrode's)緩衝液(Ginsberg et al.,Blood 55:661-668,1980)で行っ た。単一細胞懸濁液は、3.5mM EDTAで集め、1mg/ml TPCKトリプシン(Worthingt on)中で5分間インキュベートし、10%胎児ウシ血清および0.1%のダイズトリプ シン阻害剤(Sigma)を含む等量のタイロード(Tyrode's)緩衝液で希釈するこ とにより得た。洗浄後、5×105個の細胞を、1mM GRGDSP(配列番号:13)ペプチ ドの存在 下または非存在下で、0.1%PAC1腹水を含む50μlの最終容量中でインキュベー トした。室温で30分間インキュベーションを行った後、細胞を冷タイロード(Ty rode's)緩衝液で洗浄し、ビオチン化した抗体D57と共に氷上でインキュベート した。30分後、細胞を洗浄し、それから10%のFITC結合ヤギ抗マウスIgM(Tago )および4%フィコエリストリン−ストレプトアビジン(Molecular Probes Inc. ,Junction City,OR)を含むタイロード緩衝液と共に氷上でインキュベートした 。30分後、細胞をタイロード緩衝液で0.5mlに希釈し、記述に従い(O'Toole et al.,Cell Regulation 1:883-893,1990)、FACScan(Becton Dickinson)フロー サイトメトリーで分析した。PAC1結合(FITC染色)は、αIIbβ3発現(フィコエ リスリン染色)について陽性の選ばれた細胞サブセットについてのみ分析した。 親和性の状態を決定するため、1mM GRGDSP(配列番号:13)の非存在下または存 在下におけるPAC1染色を示すヒストグラムを重ね合わせた。RGDペプチドは、PAC IのαIIbβ3に対する結合の阻害剤であるため(Bennett et al.,J.Biol.Chem.26 3:12948-12953,1988)、RGDペプチドの非存在下においてヒストグラムが右方向 にシフトした場合、それは、高親和性のαIIbβ3インテグリンの存在を示してい る。複数のαサブユニットの効果を比較するためには、異なる日における実験に 関するデータを収集することが必要であった。それを行うため、数値で表される 活性化指数を以下のように定義した。 100*(FO-FR)/FR、ここで: FO=阻害剤の非存在下における平均蛍光強度、 FR=GRGDSP(配列番号:13)の存在下における平均蛍光強度。 DNA構築体 αIIb、αIIb△991、αIIb△996、β3、およびβ3△728をコードするCDM8構築 体の作製が、これまでに開示されている(O'Toole et al.,Blood 74:14-18,1989 ; O'Toole et al.,Science 254:845-847,1991; Ylanne et al.,J.Cell Biol.122 :223-233,1993)。まず、β3短縮、△724、およびアミノ酸置換、S752→Pを、オ リゴヌクレオチド部位特異的変異誘発法(Kunkel,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:4 88-492,1985)によりBS3aで行い、コーディング配列を単離するためにHincIIで 消化し、BstXIリンカー(InVitrogen)に結合させ、CDM8のBstxl部位にサブクロ ーニング した。β1細胞質ドメインを含むβ3キメラは、まず、β1cDNA配列の2387-2392位 にEcoRI部位を作出することにより構築した。HindIIIで消化した後、完全なβ1 細胞質ドメインおよび3'非コーディング配列の一部を含む400bpの断片を単離し 、CDM8のHindIII部位にサブクローニングした。この構築体をEcoRIで消化し、CD 3a(O'Toole et al.,Blood 74:14-18,1989)の膜貫通および細胞外ドメインを含 む2.2kbのEcoRI断片とライゲーションした。β2細胞質配列をまず、β2cDNAから ポリメラーゼチェーン反応(PCR)により単離し、それからCDM8のMluIおよびXho I部位にサブクローニングした。次に、MluIおよびHindIIIで消化し、細胞外およ び膜貫通配列を含むCD3aの対応するMluI-HindIII断片とライゲーションすること によって、β2細胞質ドメインキメラを作出した。キメラαサブユニットは、以 下のような既に記載されている方法(O'Toole et al.,Science 254:845-847,199 1)により作出した。αV、αM、α2、α6A、およびα6Bの細胞質配列を、適当な cDNAクローンからPCRにより単離した(Loftus et al.,Science 249:915-918,199 0)。増幅された産物を、HindIIIおよびXbaIで消化し、HindIIIおよびXbaIで切 断したCDM8中にサブクローニングした。HindIIIで消化した後、これらの構築体 を、膜貫通および細胞外ドメインを含むCD2b(O'Toole et al.,Blood 74:14-18, 1989)のHindIII断片とライゲーションした。αL△のためのPCRオリゴヌクレオ チドは、VGFFK(配列番号:16)配列を含まないように設計した。その構築は、 他のαキメラの工程に従った。αRa変異体は、まず、3061-3066位に相当するCD2 bコーディング配列にSalI部位を作出することにより作製した。それから、この ベクターをSalIおよびXbaIで消化し、SalI-XbaIブルースクリプト(Bluescript )ベクター配列(674-731位)とライゲーションした。構築体は全て、形質転換 する前に、DNA配列を決定することにより確認し、CsCl遠心分離により精製した 。オリゴヌクレオチドは、モデル391DNA合成機(Applied Biosystems)で合成し た。 リガンド結合 125I-Fgまたは125I-Fnの培養細胞への結合は、記述(O'Toole et al.,Cell Re gulation 1:883-893,1990; Faull et al.,J.Cell Biol.121:155-162,1993)に従 い行った。フローサイトメトリーのため、上述のようにEDTAおよびトリプシンで 細胞を集め、それから修飾タイロード緩衝液(150mM NaCl、2.5mM KCl、2mM NaH CO3、2mM MgCl2、2mM CaCl2、1mg/ml BSA、および1mg/mlデキストロース)に再 懸濁した。典型的には、アッセイは、120μlの細胞(1チューブにつき2×106個 の細胞)、40μlの放射標識タンパク質、および40μlの阻害剤(GRGDSP(配列番 号:13)ペプチド、ブロッキング抗体)またはアゴニスト(活性化抗体)を用い て行った。室温で30分後、50μl分を3つ別々に0.3mlの20%ショ糖に載せ、12,00 0rpmで3分間遠心分離した。細胞ペレットに結合した125I-標識タンパク質を、シ ンチレーションスペクトロメトリーにより決定した。非飽和結合を、2mM GRGDSP (配列番号:13)ペプチドの存在下で決定した。データを、非線形最小二乗曲線 −フィッティングLIGANDプログラム(Munson and Rodbard,Anal.Biochem.107:22 0-239)により、平衡結合モデルに適合させた。代謝阻害剤を利用した結合実験 において、放射標識リガンドを添加する前に、細胞をまず、2mg/mlの2-デオキシ グルコースおよび0.1%アジ化ナトリウムと共に室温で30分間インキュベートし た。洗浄実験において、このようにして処理した細胞を洗浄し、1mg/mlのデキス トロースを含むタイロード緩衝液と共に室温で30分間インキュベートし、それか らリガンド結合を分析した。 免疫沈降 形質転換体を、製品説明書に従い(Pierce Chemical)、イオドゲン(Iodogen )法により表面標識し、溶解緩衝液(10mMヘペス(pH7.5)、0.15M NaCl、50mM オクチルグルコシド、1mM CaCl2、1mM MgCl2、1mMフェニルメチルスルフォニル フロリド、0.1mMロイペプシン、および10mM N-エチルマレイミド)で可溶化した 。細胞抽出物を、αIIbまたはα5細胞質ドメインに対するポリクローナル抗血清 、およびαIIbβ3複合体に対するモノクローナル抗体(2G12)で沈殿させた。抗 体を、4℃で一晩インキュベートすることにより、予め膨張させたプロテインAセ ファロースビーズ(Pharmacia LKB Biotechnology Inc.)に結合させた。抗体が 結合したセファロースビーズを洗浄し、遠心分離によりペレットにし、それから 振とうにより一晩表面を標識した細胞を界面活性剤で溶解したものと共にインキ ュベートした。セファロースビーズを溶解緩衝液で十分洗浄し、試料緩衝液(La emmli,Nature 227:680-685,1970)中に再懸濁し、5分間加熱した。遠心分離後、 沈殿したタンパク質をSDS-PAGE(非還元、7.5%アクリルアミドゲル)により分 離した 。ゲルを乾燥させ、放射標識されたポリペプチドをオートラジオグラフィーによ り可視化した。 ポリメラーゼチェーン反応 106個の形質転換細胞から、RNAzol試薬(Cinna Biotecx)を用いて全RNAを単 離した。5μgのRNAから第一鎖のcDNAを、プライマーとしてオリゴdTを用い、cDN Aサイクルキット(Invitorogen,San Diego,CA)で合成した。αIIb膜貫通領域の 下流のコーディング配列を、膜貫通αIIbに特異的な5'プライマー(2bsf:CGGGC CTTGGAGGAGAGGGCCATTC(配列番号:17))、ならびにαIIbの細胞質配列に特異 的な3'プライマー(αIIbcyt:CTCTGTTGGGAGGGAAACGA(配列番号:18)およびα5 α5cyt:TGTAAACAAGGGTCCTTCAC(配列番号:19))で特異的に増幅した。増幅 した産物は、アガロースゲル電気泳動で分析した。阻害剤の使用 本発明は、インテグリン活性化を阻害する化合物を同定するための方法を提供 する。インテグリンは、免疫反応の活性化、炎症、および血栓症を含む多数の生 理学的過程において役割を果たしている表面接着分子である。したがって、本発 明の阻害剤は、上に挙げた生理学的過程を調節する方法において用いられうる。 正常な細胞の移動における機能に加え、インテグリンは、腫瘍細胞の移動または 転移にも関与している。このように、本発明の阻害剤は、腫瘍または癌の患者の 治療に有用である可能性がある。 阻害剤は、例えば経口、静脈、非経口、経皮、または粘膜からの投与のような 、個々の阻害剤に適したいかなる適当な方法によっても患者に投与されうる。治 療のための用量は、各阻害剤について特異的に決定されるが、ほとんどが0.001 〜100.0mg/kg体重の範囲内、または当業者によって適当に臨床的に決定された範 囲内で投与される。その他の態様 上記の説明より、当業者は、本発明の本旨および範囲から逸脱することなく、 本発明の本質的な特徴を容易に確認することができ、様々な用途および条件に適 合させるため本発明を様々に変化させ、修飾することができる。その他の態様は 、以下の請求の範囲に含まれる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.候補化合物の標的インテグリンの活性化を阻害する能力を測定する方法であっ て、 (a)該標的インテグリンの細胞内ドメインに融合したレポーターインテグリン の細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインを含むキメラインテグリンを発現する細 胞を提供する段階、 (b)該細胞を該候補化合物の存在下で培養する段階、 (c)該レポーターインテグリンが活性化された場合にのみ該レポーターインテ グリンに結合するリガンドに、該細胞を接触させる段階、および (d)該候補化合物の該標的インテグリンの活性化を阻害する能力の測定として 、該レポーターインテグリンに結合した該リガンドのレベルを決定する段階、 を含む方法。 2.レポーターインテグリンがαIIbβ3である、請求の範囲1の方法。 3.標的インテグリンがαVβ3、αMβ2、αLβ2、α2β1、α5β1、α6Aβ1、α6 B β1、αIIbβ3、およびα4β1からなる群より選ばれる、請求の範囲1の方法。 4.リガンドが抗体である、請求の範囲1の方法。 5.抗体がPAC1である、請求の範囲4の方法。 6.リガンドがファイブロネクチンである、請求の範囲1の方法。 7.標的インテグリンの細胞内ドメインに融合したレポーターインテグリンの細胞 外および膜貫通ドメインを含むキメラインテグリン分子。 8.レポーターインテグリンがαIIbβ3である、請求の範囲7のキメラインテグリ ン分子。 9.標的インテグリンがαVβ3、αMβ2、αLβ2、α2β1、α5β1、α6Aβ1、α6 B β1、αIIbβ3、およびα4β1からなる群より選ばれる、請求の範囲7のキメラ インテグリン分子。
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