JPH09510382A - 糸切断用装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 特に内視鏡（１）を使用して行う外科手術中における縫合糸（１０）の切断のための装置である。この装置は、少なくとも一つの貫通孔（７）を有する切断部材（３）を備え、この切断部材（３）の貫通孔（７）は、外科用縫合糸（１０）を摺動自在に挿通させるのに十分な寸法を有するとともに、糸切断面を有している。使用に際して、上記切断部材（３）は、内視鏡（１）の末端部に配置される。

Description

【発明の詳細な説明】 糸切断用装置 本発明は、糸切断用装置に関する。それは特に、外科手術、とりわけ内視鏡を 使用して行う外科手術中における、縫合糸の切断に使用するためのものである。 本発明の第一に意図された適用分野は、たわみ内視鏡（flexible endoscope）を 使用して行う外科手術の分野であるが、硬性内視鏡（rigid endoscope）が使用 される外科手術にも適用可能である。 公知の外科手術において、例えば縫い合わせを形成するために用いられる縫合 糸は通常、鋏を使用して切断される。しかしながら、このような選択は、たわみ 内視鏡に沿って手術を行う者には利用されないであろう。そのような手術におい ては、使用される器具は、内視鏡の末端部に配置されるとともに、通常、内視鏡 内部のチャンネル（channel）に沿って延びる操作手段によって遠隔操作されな ければならない。このような方法で公知の鋏を遠隔操作することは、少なくとも 困難であり、おそらく不可能であろう。切除器具を使用することも知られている が、内視鏡的使用のために十分な切除器具の存在は、一般に認められていない。 本発明は、外科用縫合糸を切断するための糸切断用装置において、少なくとも 一つの貫通孔を有する切断部材と、この切断部材を内視鏡の末端部に配置可能と するための配置手段とを備え、前記切断部材の貫通孔は、前記外科用縫合糸を摺 動自在に挿通させるのに十分な寸法を有するとともに、糸切断面を有するもので ある。 ここで、添付図面の図１乃至図４を参照して、本発明の一実施形態について更 に詳細に説明する。これらの図面は、この実施形態の使用の連続した段階を示す ものである。 図１は、他の図面と同様、本発明による縫合糸切断装置が挿通可能な生検チャ ンネル（biopsy charmel）２を有する内視鏡１の末端部を示している。実際には 、もちろん、内視鏡は他にも、例えば観察チャンネル（viewing channel）のよ うな種々の特徴部分を有しているであろうが、これらは図示されておらず、公知 のものであると仮定されている。 本発明による糸切断用装置は、柔軟なワイヤ４の末端に取り付けられた切断部 材３を備えている。例示すれば、ワイヤ４は、外科手術に使用可能な鋼鉄製の１ ｍｍワイヤである。他の実施形態においては、このワイヤ４がボーデン式ケーブ ル（Bowden cable）に置き換えられる。このワイヤ４の先端は、取付け部材５内 に固着されている。この取付け部材５は、糸切断装置を使用する際に外科医によ って把持されるのに十分な寸法と形状とを有している。ワイヤ４は、プラスチッ ク管６によって覆われている。このプラスチック管６は、切断部材３にも、取付 部材５にも連結されておらず、その内部をワイヤ４が摺動自在となっている。こ の管６は、好ましくは四フッ化エチレン樹脂か、その他の低摩擦材料で作られ、 切断部材とそのワイヤが容易にチャンネル２に沿って通ったり、引き出されたり できるよう配慮されている。実際には内視鏡１は、患者の内部にある場合に多く の屈曲部を有するであろうから、これらの屈曲部の存在にかかわらず、切断部と そのワイヤとがチャンネル２に沿って自由に動けるよう考慮する必要がある。 切断部材３は、その前端面８から側面９まで延びる２つの貫通孔７を有してい る。切断部３は、好ましくは円柱形状を有し、貫通孔７は、好ましくは横断面に おいて円形をなしている。貫通孔７は、外科用縫合糸を摺動自在に挿通させられ るような寸法を有していなければならず、直径０．６ｍｍの貫通孔を用いるのが 適していると確認されている。貫通孔７が上記側壁９を貫通して開口する部分に おいて、貫通孔７の円形横断面によって楕円形状の開口が形成されることになる 。各楕円開口の湾曲した端部は、後述するような縫合糸切断のためのアーチ状に 曲 がった切刃（arcuately curved cutting edge）を有している。 図面は、本発明による切断装置の使用例を示している。この使用例においては 、外科医が外科用縫合糸１０を、Ｕ字型の患者組織片１１に通し、そこに結び目 １２を結んでいる。このような処置をなすことにより、患者の体内通路を通って 身体開口部から延出する２つの縫合糸尾部１３が残る。例えば、縫合糸が患者の 胃の内層に挿入されていた場合は、縫合糸の端部が患者の食道を通って口から延 出することになる。 そして、糸切断用装置は内視鏡内に挿入され、このことにより、切断部材３が 内視鏡の末端部外方に配置されるとともに、取付け部材５が内視鏡の先端部外方 に配置される。そして縫合糸尾部１３は、各々貫通孔７の一つに通され、縫合糸 切断装置の入った内視鏡が患者の口から挿入される。この挿入は、切断部材３が 上記結び目１２に隣接するまで継続されるが、その事実は内視鏡の内視チャンネ ルを通して確認することができる。このような挿入の過程において、縫合糸尾部 １３は、それらの自由端部が常に患者の口から延出した状態のまま、貫通孔７内 を摺動する。以上のようにして、図１に示す状態に到達することになる。 次に、外科医は、図２において各々矢印で示すように、切断部材３を結び目１ ２から遠ざけるとともに、内視鏡１を結び目１２に近づけながら、縫合糸尾部３ を引っ張って張力を生じさせる。このことにより、縫合糸尾部１３が上記曲がっ た切刃に対して押し付けられることになる。この切刃は、上述したように、貫通 孔７の末端部に形成されている。これらの切刃が曲がっているという事実は、縫 合糸が切刃の長さ方向に対してほぼ中心部に保持される傾向にあることを意味す る。もし、切刃の形成される開口部が例えば長方形であって、切刃が真っ直ぐで あるとすれば、縫合糸尾部１３は、切刃の一端側や他端側へ滑って、効果的な切 断動作が妨げられてしまうであろう。 図３に示すように、上述したような手順によって、縫合糸尾部１３は切断され 、 患者の口から取り出される。そして、最終的な結果が、図４に図示されている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 外科用縫合糸を切断するための糸切断用装置において、 少なくとも一つの貫通孔を有する切断部材と、 この切断部材を内視鏡の末端部に配置可能とするための配置手段と を備え、 前記切断部材の貫通孔は、前記外科用縫合糸を摺動自在に挿通させるのに十分 な寸法を有するとともに、糸切断面を有する、糸切断用装置。 ２． 前記糸切断面はアーチ形状である、請求項１記載の糸切断用装置。 ３． 前記貫通孔は、前記切断部材の湾曲した表面と交わることにより、前記 糸切断面を形成する、請求項２記載の糸切断用装置。 ４． 前記切断部材は、円柱形状をなすとともに、その前端面から円筒状表面 までを貫通して延びる前記貫通孔を少なくとも一つ有する、請求項３記載の糸切 断用装置。 ５． 一対の前記貫通孔が設けられた、請求項４記載の糸切断用装置。 ６． 前記一対の貫通孔は、互いに直径方向に向かい合っている、請求項５記 載の糸切断用装置。 ７． 前記配置手段は、延長部材を有し、 この延長部材は、その一端が前記切断部材に連結され、他端が使用者の操作用 の取付部材に連結されている、請求項１乃至６のいずれかに記載の糸切断用装置 。 ８． 前記延長部材は、鞘によって覆われるとともに、この鞘の中で摺動自在 となっており、 前記鞘は、前記切断部材にも、前記取付部材にも連結されていない、請求項７ 記載の糸切断用装置。 ９． 内視鏡に取付けられる、請求項１乃至８のいずれかに記載の糸切断用装 置。