JPH09510047A - 無電極低圧放電ランプ及びこのようなランプをそなえた照明ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明の無電極低圧放電ランプ（１０）は、イオン化封入物を気密に取囲む光線透過性の放電容器（１１）を備えている。このランプ（１０）は、そのほかに、動作中に高周波電流を通す第１巻線（２０）と第２巻線（２３）を備えている。第１巻線（２０）は、放電容器（１１）で取囲まれた空洞部（２８）内を縦軸（２９）に沿って延在する。第２巻線（２３）は、空洞部（１８）の外側に、放電容器（１１）で取囲まれて、第１巻線（２０）の延長方向に縦軸（２９）に沿って配設される。動作中、第１巻線（２０）と第２巻線（２３）内の電流は縦軸（２９）に対して同じ切線方向を有する。このランプは比較的僅かな磁気障害しか生じないと同時に、第２巻線（２３）がランプ点弧を邪魔したり或いは不安定なランプ動作を生じることを防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】 無電極低圧放電ランプ及びこのようなランプをそなえた照明ユニット 本発明は、イオン化封入物を気密に含む放電スペースを取囲む透光性の放電容 器をそなえ、更に、動作中に高周波電流を通す第１巻線と第２巻線とをそなえ、 第１巻線は放電容器で取囲まれた空洞部内を縦軸に沿って延在しまた第２巻線は 前記第１巻線の延長方向に縦軸に沿って配設された無電極低圧放電ランプに関す るものである。 本発明は更に、このようなランプをそなえた照明ユニットに関するものである 。 このようなランプは米国特許第４，２４０，０１０号より既知である。この既 知のランプの放電容器はその端で端部を介して互いに連結された内側部分と外側 部分とを有する。ランプの放電スペースには、水銀とアルゴンが封入されている 。放電容器の内側部分は、中に第１巻線と第２巻線が配設された空胴部分を取囲 む。動作中にこれ等巻線を通る電流は、放電スペース内に放電を維持する高周波 磁界を発生する。ここでいう“高周波”というのは、少なくとも２０ｋＨｚの周 波数をいうものと了解され度い。第２巻線内の電流は第１巻線内の電流と反対の 切線方向を有するので、第１巻線と第２巻線は互いの磁気ダイポールモーメント を相殺する。この対策によって、ランプの高周波磁界に起因する障害を比較的小 さくすることができる。けれども、欠点は、この対策は点弧上の問題及び不安定 なランプ動作を招来することである。 本発明の目的は、前記の欠点を除く構造を有する冒頭記載の種類のランプを供 することにある。 この目的を達成するために、本発明は、第２巻線が空洞部の外側に放電容器で 取囲まれて置かれ、動作中、第１巻線と第２巻線内の電流は、縦軸に対して同じ 切線方向を有することを特徴とするものである。 驚くべきことには、第２巻線は、全く期待外の磁気障害の低減を生じることが 見いだされた、すなわち、切線方向の電流が第１巻線と第２巻線において同じで あり、これ等第１及び第２巻線は実際に同方向の磁気ダイポールモーメントを有 するからである。けれども、第２巻線が空洞部の外側で放電容器で取囲まれるこ とが必要条件であることが実際に見出された。既知のランプが有する欠点は、本 発明によるランプでは見出されなかった。 第１巻線は、例えば放電スペース内に置くことができる。本発明のランプの魅 力ある実施態様では、放電容器は外側部分と内側部分を有し、この内側部分は、 中に第１巻線が延在する空洞部を取囲み且つこの空洞部を放電スペースより分離 することを特徴とする。ランプのこの実施態様は、第１巻線を、リードスルー導 線のように、放電内に存する状態から保護する必要が無いので比較的簡単な構造 にすることができる。放電容器の内側部分は、例えば、凹入部によって形成され る。代わりに、放電容器は、例えば、内側及び外側円筒壁を有する例えば円環体 の形を有することもできる。 イオン化封入体は、稀ガスのほかに例えばナトリウム蒸気のような金属蒸気を 有してもよい。一実施態様では、封入体は例えば水銀蒸気と稀ガスを有する。ラ ンプの放電容器は、全面的または部分的に、発光層或いは反射層のような光学的 に活性な層をそなえることができる。 本発明による無電極低圧放電ランプの好ましい実施態様は、第２巻線が、第１ 巻線にくらべて、縦軸を横切る大きな平面積を取囲むことを特徴とする。この実 施態様では、磁気障害の大きな低減を、比較的小さなターン数、例えば１ターン の半分のターンを有する第２巻線で既に実現することができる。 本発明によるランプは、ほかに給電ユニットを有する照明ユニットの部分を形 成することができる。例えば、給電ユニットは数ＭＨｚの周波数を有する電流を 供給する。ランプは例えば同軸ケーブルを経て給電ユニットに接続されることが できる。代わりに、給電ユニットは例えばランプに固定されたハウジング内に入 れられ、このハウジングが、そのほかにランプキャップを支持するようにしても よい。このような照明ユニットは、白熱ランプの代わりとしての役をすることが できる。 放電容器は、例えば、若し所望されるならば例えば異なる封入体を有する放電 容器と取換えることができるように、ハウジングから取外し可能とすることもで きる。 本発明の無電極低圧放電ランプを有する照明ユニットの好ましい形態は照明ユ ニットは、更に、大地に対して高周波電圧変化のない第１出力端子と大地に対し て高周波で変化する電圧を有する第２出力端子をそなえた給電ユニットを有する と共に、第１巻線と第２巻線は給電ユニットの第１出力端子と第２出力端子に互 いに直列に接続され、また照明ユニットは更に、動作中に第２出力端子と第１出 力端子間の電圧差と反対の電圧差が第３巻線の第１端部と第２端部間に発生する ように、自由な第１端部と給電ユニットの第１出力端子に接続された第２端部と をもった該第３巻線を備えたことを特徴とする。 前述の（非対称的な）タイプの給電ユニットは、出力端子が共に大地に対して 高周波で変化し且つ互いに反対の位相を有する電圧を供給するようにした対称的 な給電ユニットにくらべて比較的有利なコストプライスを有する。第３巻線は、 非対称的な給電ユニットで引き起こされることのある高周波磁界による障害を防 ぐ。 本発明の以上述べた及びその他の観点を図面を参照して更に詳細に説明する。 第１図は、本発明によるランプをそなえた照明ユニットを一部縦断面及び一部 平面図で示す。 第２図は、第１図の照明ユニットの構成要素間の相互接続を示したダイヤグラ ムである。 第３図は、本発明によるランプの磁気障害（Ｌ_M）と本発明によらないランプ の磁気障害（Ｌ_M）をランプ消費電力（Ｐ）の関数として示したグラフである。 第１図に示した照明ユニットは、本発明による無電極低圧放電ランプ１０を有 する。この無電極放電ランプ１０は、放電スペース１４を気密に取囲む放電容器 １１を備えている。放電スペース１４はイオン化封入物、ここでは３３Ｐａの封 入圧を有するアルゴンと水銀の封入物を含む。５．５ｍｇの水銀を有する合金Ｂ ｉ₅₆Ｉｎ₄₄（原子％）の主アマルガム１６が、動作中比較的冷たいスポットを構 成する排気管１５内に配される。この主アマルガムは、動作中放電スペース１４ 内に広がっている水銀蒸気圧を略０．５Ｐａに安定化する。これに加えて、補助 アマルガム１７が放電スペース１４内に配される。放電容器１１は、可視光線を 透過するガラスの外側部分１２と、凹入部の形の内側部分１３を有する。ランプ １０は更に０．２５ｍｍの太さの銅線の第１及び第２巻線２０，２３をそなえて いる。第１巻線２０は、放電容器１１の内側部分１３で取囲まれ且つ放電スペー ス１４と分離された空洞部１８内を縦軸２９に沿って延在する。第１巻線２０は 、１，２，４，９及び３ターン２２の５つの部分２１Ａから２１Ｅにわたって夫 々分布された直径１４ｍｍの１９ターンを有する。図の実施例では、この第１巻 線は、ここでは１２ｍｍの直径と５０ｍｍの長さを有する軟磁性材料のロッド状 コア２８のまわりに設けられている。代わりに、このコアは無くてもよい。２つ のターン２４を有する第２巻線２３は、縦軸２９に沿って第１巻線２０の延長方 向に配される。動作中、２．６５ＭＨｚの周波数を有する電流が第１及び第２巻 線２０，２３を流れる。 第２巻線２３は、空洞部１８の外側で放電容器１１に囲まれている。この第２ 巻線２３から凹入部１３及び外側部分１２のある平面迄の距離は略２０ｍｍであ る。第２巻線２３から第１巻線迄の距離は略４０ｍｍである。動作中、第２巻線 ２３の電流は第１巻線と同じ切線方向を有する。第２巻線のターン２４は４０ｍ ｍの直径を有し、このため第２巻線２３は第１巻線２０にくらべて縦軸２９を横 切って大きな表面積を取囲む。第２巻線２３のターン２４は、図面を見易くする ために第１図では互いに比較的大きな距離で描いてある。実際には、この第２巻 線２３のピッチは略１ｍｍである。 瞬間的な電流方向が第２巻線２３のターン２４と第１巻線２０の幾つかのター ンに矢印２４で示されている。 更に、第３巻線２５（第１図の破線）がコア２８のまわりに設けられ、そのタ ーン２６は第１巻線２０のターン２２に夫々向き合っている。図面をより見易く するために、図の紙面に面する第１及び第３巻線２０，２５のターンの部分のみ が示されている。 第２図のダイヤグラムでは、見易いようにコア２８と第３巻線２５とは縦軸２ ９に対してずらされていると共に、第１及び第３巻線２０及び２５の少数のター ンしか示されていない。前述した瞬間的な電流方向はやはり第１図におけるよう に矢印で示してある。図の紙面より離れて面するターン部分はこの図では破線で 示されている。 第１図及び第２図に示された照明ユニット４０は、大地Ｍに対して高周波電圧 変化のない第１出力端子４１Ａと大地Ｍに対して高周波で変化する電圧を供給す る第２出力端子４１Ｂを有する。第１及び第２巻線２０，２３は、給電ユニット ４０の出力端子４１Ａ，４１Ｂに互いに直列に接続されている。第３巻線２５は 自由な第１端子２７Ａと給電ユニット４０の第１出力端子４１Ａに接続された第 ２端部２７Ｂを有する。同軸ケーブル４３のシースとコアを形成する第１及び第 ２給電導体４２Ａ，４２Ｂが給電ユニット４０の出力端子４１Ｂ，４１Ａを巻線 ２０，２３，２５に接続する。動作中、第２及び第１出力端子４１Ｂ，４１Ａ間 に得られる電圧差と反対の電圧差が第３巻線内に第１及び第２端部間に誘起され る。給電ユニット４０は主電源の接点Ｐ，Ｎに接続される。 第２巻線の効果を調べるためにランプＡ，Ｂ，Ｃ及びＤがつくられた。これ等 のランプはすべて３３Ｐａの封入圧を有するアルゴンだけの封入物を有するので 、測定間の水銀蒸気圧の変化の影響はない。本発明によるランプＡは、封入物の 性質は別として、第１図に関して説明した実施例に相応する。やはり本発明によ るランプＢでは、第２巻線は１ターンを有する。本発明によらないランプＣは第 ２巻線が無く、やはり本発明によらないランプＤは、電流が第１巻線の電流と反 対の切線方向を有する単一の第２巻線をそなえる。その他の点ではこの等のタイ プＡ，Ｂ，Ｃ及びＤのランプ間に相違はない。 ランプＡからＤにより生起された磁気障害の軸方向成分が、３０から８０Ｗの 範囲のランプ負荷に対する基準ＥＮ５５０１５に従って測定された。磁界の他の 成分は軸方向成分にくらべて無視し得る程に小さい。第３図は、測定された磁気 障害の値（ｄＢμＡで表したＩｍ）をランプ負荷（Ｗで表したＰ）の関数として プロットしたものである。この図面から、第２巻線の電流が第１巻線の電流と同 じ切線方向を有する本発明のランプ（Ａ，Ｂ）の第２巻線の存在が、特に比較的 高いランプ電力において、高周波磁界による障害を著しく低減することが明らか である。第２巻線内の電流方向が第１巻線内の電流方向と反対であるランプＤで は、第２巻線の無いランプＣにくらべて障害が事実上生じる。本発明によるラン プ（Ａ，Ｂ）の点弧挙動は、第２巻線の無いランプ（Ｃ）のそれに匹敵するもの であった。本発明によるランプ（Ａ，Ｂ）は安定したランプ動作を示した。 比較のために別の無電極低圧放電ランプが作られた。これ等の別のランプは、 夫々放電容器により取囲まれた空洞部内に共に配設された第１及び第２巻線を有 する１つのコイルをもつと共に、動作時に第２巻線内の電流は第１巻線内の電流 と反対の切線方向を有する。第１及び第２巻線は夫々それ等自身の軟磁性材料の コアを取巻く。他の点に関しては、これ等のランプは前記のランプＡからＤに相 応する。これ等のランプの点弧電圧は、本発明によるランプのそれよりも略５０ ％高かった。これ等のランプは、特に比較的低い電力において、不安定なランプ 動作を示した。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．イオン化封入物を気密に含む放電スペースを取囲む透光性の放電容器をそな え、更に、動作中に高周波電流を通す第１巻線（２０）と第２巻線（２３）とを そなえ、第１巻線（２０）は放電容器（１１）で取囲まれた空洞部（１８）内を 縦軸（２９）に沿って延在しまた第２巻線（２３）は前記第１巻線（２０）の延 長方向に縦軸（２９）に沿って配設された無電極低圧放電ランプ（１０）におい て、第２巻線（２３）は、空洞部（１８）の外側に放電容器（１１）で取囲まれ て置かれ、動作中、第１巻線（２０）と第２巻線（２３）内の電流は、縦軸（２ ９）に対して同じ切線方向を有することを特徴とする無電極低圧放電ランプ。 ２．放電容器（１１）は外側部分（１２）と内側部分（１３）を有し、この内側 部分（１３）は、中に第１巻線（２０）が延在する空洞部（１８）を取囲み且つ この空洞部（１８）を放電スペース（１４）より分離することを特徴とする請求 の範囲１記載の無電極低圧放電ランプ。 ３．第２巻線（２３）は、第１巻線（２０）にくらべて、縦軸（２９）を横切る 大きな表面積を取囲むことを特徴とする請求の範囲１または２記載の無電極低圧 放電ランプ。 ４．照明ユニットは、更に、大地（Ｍ）に対して高周波電圧変化のない第１出力 端子（４１Ａ）と大地（Ｍ）に対して高周波で変化する電圧を有する第２出力端 子（４１Ｂ）をそなえた給電ユニットを有すると共に、第１巻線（２０）と第２ 巻線（２３）は給電ユニット（４０）の第１出力端子（４１Ａ）と第２出力端子 （４１Ｂ）に互いに直列に接続され、また照明ユニットは更に、動作中に第２出 力端子（４１Ｂ）と第１出力端子（４１Ａ）間の電圧差と反対の電圧差が第３巻 線（２５）の第１端部（２７Ａ）と第２端部（２７Ｂ）間に発生するように、自 由な第１端部（２７Ａ）と給電ユニット（４０）の第１出力端子（４１Ａ）に接 続された第２端部（２７Ｂ）とをもった該第３巻線を備えたことを特徴とする照 明ユニット。