JPH09509892A - リングカラー、特に自動車用クラッチ機構のためのリングカラーを製造する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 金属バンドを用意し、バンドを螺旋状に巻き、螺旋の１ピッチに対応するバンドの長手方向部分（２９）を切断し、バンドの長手方向部分（２９）の２つの端部（３０Ａ、３０Ｂ）を互いに対向する位置に移動させるように、これら端部に軸方向に力を加え、一致した端部（３０Ａ、３０Ｂ）を共に溶接して、円筒形リングを形成し、リングを切頭円錐形とすることにより、切頭円錐形リングを製造する。この方法は、特に自動車用のあるタイプのクラッチ機構におけるリングカラーの製造に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】 リングカラー、特に自動車用クラッチ機構のための リングカラーを製造する方法 本発明は、あるタイプのダイヤフラムクラッチ機構のカバーの底部における軸 方向支持体と反対側で、ダイヤフラムに対する軸方向支持体を構成する、ダイヤ フラムクラッチ機構で使用されるリングカラーに関する。 このリングカラーは、全体として切頭円錐形となっており、金属素材を切断し 、スタンピング加工することによって製造することができる。 しかし、このような製造方法によると、得られるリングカラーの内側に多量の 廃棄物が発生し高価につく。 また、チューブを切断し、スタンピング加工することも可能である。 しかし、このような製造方法においても、あらかじめチューブを製造するため 、同じように費用がかかり、またこのチューブがめくらチューブである場合、チ ューブの端部にかなりの量の廃棄物が生じる。 本発明の目的は、より経済的なリングカラーの製造方法を提供することにある 。 本発明のリングカラーの製造方法においては、金属ストリップからスタートし 、このストリップを螺旋状に巻き、このストリップから、螺旋の１ピッチに対応 する長さ方向の部分を切断し、この長さ方向の部分の２つの端部が互いに対向す るように軸方向の力を加え、こうして合致させた２つの端部を、互いに溶接して 円筒形のリングとし、ついでこのリングを切頭円錐体に成形することを特徴とす る。 廃棄物を生じないこれらの作業のすべてを、同じ装置で順次有利に実行するこ とができる。 添付図面を参照して、実施例について行う次の説明により、本発明の特徴およ び利点は、更に明らかとなると思う。 図１は、リングカラーを使用するクラッチ機構の軸方向の一部断面図である。 図２は、リングカラーの軸方向の一部断面図である。 図３は、図２におけるブロックＩＩＩで示す部分を拡大して示す図である。 図４Ａ、４Ｂ、４Ｃは、本発明のリングカラーの製造方法の最初の３つの段階 を示す斜視図である。 図４Ｄおよび４Ｅは、本発明のその後の段階を示す平面図である。 図５は、本発明のこの段階で得られる円筒形リングの平面図である。 図６Ａは、本発明の方法のオプション的な補足的段階を示すリングの端部の部 分図である。 図６Ｂは、本発明の方法の更に別のオプション的な補足段階を示すリングの軸 方向の部分断面図である。 図６Ｃは、本発明の製造方法の終了時に得られるリングカラーの軸方向の断面 図である。 図７は、本発明の製造方法の実施前におけるオプション的な段階を示す斜視図 である。 図１は、クラッチ機構１０を示し、このクラッチ機構１０は、全体として環状 部品状をしたカバー１１（このカバーは、その横方向リム１２によって、反作用 プレート１３に接続されるようになっている。反作用プレート１３は、図１では 破線によって示されている）と、ダイヤフラム１４と、圧力プレート１５とを有 する。 ダイヤフラム１４自体は、ベルビーユワッシャーを形成する周辺部分１６と、 スリットによりラジアルフィンガー１８に分割された中心部分１７とを有する。 ダイヤフラム１４の周辺部分１６は、カバー１１の底部２０に当接し、かつ圧 力プレート１５に当接して、この圧力プレート１５を反作用プレート１３の方向 に押圧し、もって図１に破線で略示するように、圧力プレート１５と反作用プレ ート１３との間に挿入された摩擦ディスク２１を、軸方向にクランプしている。 カバー１１の底部２０とは反対側で、ダイヤフラム１４の周辺部分１６を軸方 向に支持するためのリングカラー２２が設けられている。このリングカラー２２ 自体は、円周方向の所々で作用し、カバー１１に設けられた受部２３に対する軸 方向支持体となっている。 この受部２２は、ラグによって形成されており、このラグは、カバー１１の中 心開口部からスタートして、カバー１１の底部２０と一体的に形成されており、 直角に折り曲げられ、ワッシャー２４を介して、この受部２３にリングカラー２ ２が当接し、ワッシャー２４は、この受部２３を折り曲げた際にカウンター工 具として働き、この受部２３の折り曲げ部で、リングカラー２２がロックするの を防止している。 リングカラー２２は、全体として切頭円錐形となっている。 このリングカラー２２は、径の大きい方の周辺部が、ダイヤフラム１４の周辺 部分１６に当接する。 従って、ここで対応するエッジ２５は、広い丸くされた部分を備えた適当な形 状となっている。 リングカラー２２は、径の小さい方の周辺部がワッシャー２４に当接する。 従って、ここでその対応するエッジ２６は、広い丸くされた部分を備えた形状 となっている。 従って、リングカラー２２の横方向部分は特定の形状を有する。 このような形状は、本発明に関連するものではないので、ここでは詳細には説 明しない。 １つの円に沿って連続的に延びるリングカラー２２を製造するために、本発明 に係わる次の方法を実行できる。 金属ストリップ２８（図４Ａ）からスタートして、このストリップ２８を螺旋 状に巻き（図４Ｂ）、この螺旋の１つのピッチに対応する長手方向部分２９を、 このストリップ２８から切断する（図４Ｃ）。 次に、図４Ｄに示すように、互いに軸方向にずれたこの長手方向部分２９の２ つの端部３０Ａ、３０Ｂを、図４Ｅに示すように、互いに正確に対向するように 、軸方向の力を加える。 例えば、図４Ｄおよび４Ｅに略示してあるように、図４Ｄにおける矢印Ｆ１の 方向に、クランプ３２の２つの移動自在なアーム３１Ａを、長手方向部分２９の ２つの端部３０Ａ、３０Ｂに軸方向に作用させながら、別のクランプ３４の固定 アーム３３Ａ、３３Ｂを、これら端部３０Ａ、３０Ｂと径方向反対側で、これら 長手方向部分２９に支持壁として作用させる。 こうして一致した長手方向部分２９の２つの端部３０Ａ、３０Ｂを、次に互い に溶接し、図５Ａに示すように円筒形リング３５とする。 次に、例えばプレス加工により、このリング３５を切頭円錐形となるように成 形する。従って、図６Ｃに示すような所望のリングカラー２２が得られる。 本発明の第１の可能な実施例によれば、横方向断面が、製造すべきリングカラ ー２２の横方向断面の所望する形状となっているストリップ２８を、図４Ａに示 すようなスタートストリップとして選択する。 変形例として、図７Ａに示すように、スタートストリップとして、横方向断面 が長方形となっているストリップ２８’を選択し、螺旋に巻く前に、このストリ ップ２８’の横方向断面を、製造するべきリングカラー２２における横方向断面 に従う形状とする。 例えば、図７に示すように、このスタートストリップ２８’は、このストリッ プの両面に同時に作用する２つの成形ロール３６の間に矢印Ｆ２の方向に係合す る。 従って、この成形ロール３６の出口では、横方向断面が製造するべきリングカ ラー２２の横方向断面に対応する形状となっているストリップ２８が得られる。 このリング３５は、その溶接線３８に沿って外側表面および内側表面の双方で 突出する溶接シームを必ず有しているので、このリング３５を切頭円錐形状に成 形する前に、この溶接線３８に沿って、確実にバリ取りを行う。 このバリ取りは、図６Ａに示すように、２つのホイール３９、３９１を使用し て行う。このホイールの一方は、リング３５の外側表面に作用し、他方のホイー ルは、内側表面に作用し、これによりリングは、適切な形状にされる。 最後に、リング３５を切頭円錐体として成形する前に、図６Ｂに示すように、 そのエッジ２５、２６も確実にバリ取りをする。 このバリ取りは、摩擦ホイール４０、４１を用いて行う。一方のホイールはエ ッジ２５に作用し、他方のホイールはエッジ２６に作用するので、適切な形状と なる。 当然ながら、本発明は、これまで説明し、図示した実施例だけに限定されるも のでなく、あらゆる変形実施例を含むものである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．金属ストリップ（２８、２８’）からスタートし、このストリップ（２８ 、２８’）を螺旋状に巻き、このストリップ（２８、２８’）から螺旋の１ピッ チに対応する長手方向部分（２９）を切断し、この長手方向部分の２つの端部（ ３０Ａ、３０Ｂ）が互いに対向するように軸方向に力を加え、こうして一致させ た２つの端部を、互いに溶接して円筒形リング（３５）とし、このリング（３５ ）を切頭円錐体に成形することを特徴とする、リングカラーを製造する方法。 ２．横方向断面が、製造するべきリングカラー（２２）の所望の横方向断面の 形状となっているストリップ（２８）を、スタートストリップ（２８）として選 択することを特徴とする、請求項１記載の方法。 ３．横方向断面が長方形のストリップ（２８’）を、スタートストリップ（２ ８’）として選択し、ストリップを螺旋状に巻く前に、このストリップ（２８’ ）の横方向断面を製造すべきリングカラー（２２）の所望の横断面に対応する形 状とすることを特徴とする、請求項１記載の方法。 ４．リング（３５）を切頭円錐体に成形する前に、その溶接母線（３８）に沿 って、このリング（３５）についてバリ取りを行うことを特徴とする、請求項１ 記載の方法。 ５．リング（３５）を切頭円錐体に成形する前に、そのエッジ（２５、２６） についてバリ取りを行うことを特徴とする、請求項１記載の方法。 ６．プレス加工により、リング（３５）を切頭円錐形に成形することを特徴と する、請求項１記載の方法。