JPH0819816A - 円筒部材の製造方法 - Google Patents
円筒部材の製造方法Info
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- JPH0819816A JPH0819816A JP15186094A JP15186094A JPH0819816A JP H0819816 A JPH0819816 A JP H0819816A JP 15186094 A JP15186094 A JP 15186094A JP 15186094 A JP15186094 A JP 15186094A JP H0819816 A JPH0819816 A JP H0819816A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 略長方形を成す複数の平板素材12,14を
所定の位置関係で重ね合わせる重合せ工程に続いて、そ
れ等の平板素材12,14をプレス加工により一体的に
丸める丸め工程を行う。 【効果】 高価な引抜材を用いる必要がないとともに、
機械加工することなく段部を形成できるため、材料コス
ト,加工コストが低減される。また、個々の平板素材の
肉厚tを薄くできるため、その肉厚tと径寸法dとの比
d/tが大きくなり、芯金を用いることなく高い真円度
が得られるようになって設備コストが低減される。
所定の位置関係で重ね合わせる重合せ工程に続いて、そ
れ等の平板素材12,14をプレス加工により一体的に
丸める丸め工程を行う。 【効果】 高価な引抜材を用いる必要がないとともに、
機械加工することなく段部を形成できるため、材料コス
ト,加工コストが低減される。また、個々の平板素材の
肉厚tを薄くできるため、その肉厚tと径寸法dとの比
d/tが大きくなり、芯金を用いることなく高い真円度
が得られるようになって設備コストが低減される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は円筒部材の製造方法に係
り、特に、複数の平板素材を重ね合わせて一体的に丸め
加工することにより円筒部材を製造する方法に関するも
のである。
り、特に、複数の平板素材を重ね合わせて一体的に丸め
加工することにより円筒部材を製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】略円筒形状を成す円筒部材の製造に際し
ては、予め円筒形状に引抜き加工された引抜材が多用さ
れており、例えば両端部の外径が小さくされた段付きの
円筒部材を製造する場合、図7に示すように最大外径お
よび最大肉厚を有する引抜材70を用意し、両端部の外
周面を機械加工(旋盤等)により切削除去して段部72
を形成するか、図8に示すように径寸法が異なる2種類
の引抜材76,78を用意し、大径の引抜材76の内部
に小径の引抜材78を圧入固定するようにしているのが
普通である。引抜材を用いる代わりに、図9に示すよう
に平板素材80をプレス加工により円筒形状に丸めた丸
め材82を用いて、上記図7の場合と同様に機械加工で
両端部に段部84を形成することも考えられている。
ては、予め円筒形状に引抜き加工された引抜材が多用さ
れており、例えば両端部の外径が小さくされた段付きの
円筒部材を製造する場合、図7に示すように最大外径お
よび最大肉厚を有する引抜材70を用意し、両端部の外
周面を機械加工(旋盤等)により切削除去して段部72
を形成するか、図8に示すように径寸法が異なる2種類
の引抜材76,78を用意し、大径の引抜材76の内部
に小径の引抜材78を圧入固定するようにしているのが
普通である。引抜材を用いる代わりに、図9に示すよう
に平板素材80をプレス加工により円筒形状に丸めた丸
め材82を用いて、上記図7の場合と同様に機械加工で
両端部に段部84を形成することも考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
7,図8のように引抜材を用いる場合は、図9のように
平板素材を用いる場合に比較して材料コストが高く、特
に2種類の引抜材を用いる図8の場合には材料費が大幅
に高くなる。また、図7,図9のように、機械加工で外
周面を切削除去して段部を形成する場合は、加工が面倒
で時間が掛かり加工コストが高くなるばかりでなく、材
料の歩留りも悪くなる。更に、図9のように平板素材を
プレス加工で円筒形状に丸める場合、肉厚tに対する径
寸法dの比d/tが小さくなると、丸め加工によって互
いに突き合わされる両端部(巻合せ部分)の加工精度が
低下して真円度が損なわれるとともに、所定の真円度を
確保するためには芯金を用いなければならず、プレス設
備が複雑で大掛かりになり設備コストが高くなる。
7,図8のように引抜材を用いる場合は、図9のように
平板素材を用いる場合に比較して材料コストが高く、特
に2種類の引抜材を用いる図8の場合には材料費が大幅
に高くなる。また、図7,図9のように、機械加工で外
周面を切削除去して段部を形成する場合は、加工が面倒
で時間が掛かり加工コストが高くなるばかりでなく、材
料の歩留りも悪くなる。更に、図9のように平板素材を
プレス加工で円筒形状に丸める場合、肉厚tに対する径
寸法dの比d/tが小さくなると、丸め加工によって互
いに突き合わされる両端部(巻合せ部分)の加工精度が
低下して真円度が損なわれるとともに、所定の真円度を
確保するためには芯金を用いなければならず、プレス設
備が複雑で大掛かりになり設備コストが高くなる。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、比d/tが小さくて
も高い真円度が得られるとともに、材料コスト、加工コ
スト、および設備コストを共に低減できる円筒部材の製
造方法を提供することにある。
もので、その目的とするところは、比d/tが小さくて
も高い真円度が得られるとともに、材料コスト、加工コ
スト、および設備コストを共に低減できる円筒部材の製
造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するために、第1発明は、略円筒形状を成す円筒部材の
製造方法であって、(a)略長方形の複数の平板素材を
重ね合わせる重合せ工程と、(b)その重ね合わされた
複数の平板素材を一体的にプレス加工して略円筒形状に
丸める丸め工程とを有することを特徴とする。
するために、第1発明は、略円筒形状を成す円筒部材の
製造方法であって、(a)略長方形の複数の平板素材を
重ね合わせる重合せ工程と、(b)その重ね合わされた
複数の平板素材を一体的にプレス加工して略円筒形状に
丸める丸め工程とを有することを特徴とする。
【0006】
【作用および発明の効果】すなわち、複数の平板素材を
重ね合わせてプレス加工を行い、その複数の平板素材を
一体的に円筒形状に丸めた後、その丸められた複数の素
材を一体的に固設して所定形状の円筒部材を製造するの
である。ここで、平板素材を丸め加工するようにしてい
るため、引抜材を用いる場合に比較して材料費が低減さ
れるとともに、複数の平板素材をプレス加工によって一
体的に丸めるようにしているため、高い生産性が得られ
て加工コストも少なくて済む。また、かかる円筒部材は
複数の素材が重ね合わされたものであるため、円筒部材
全体の肉厚が厚い場合でも1つ1つの素材すなわち平板
素材の肉厚は薄くて良く、個々の素材の径寸法dと肉厚
tとの比d/tが大きくなって、芯金を用いることなく
巻合せ部分についても高い加工精度が得られるようにな
り、設備コストが低減される。更に、複数の平板素材の
寸法を適宜設定したり、丸める際に平板素材を軸方向へ
ずらしたりすることにより、軸方向において径寸法が変
化する段部を有する円筒部材を製造することも可能で、
従来のように機械加工により外周面や内周面を切削除去
して段部を形成する場合に比較して、加工コストを大幅
に低減できるとともに材料の歩留りが向上する。また、
複数の平板素材は必ずしも同じ材質である必要はなく、
円筒部材の各部位に要求される性質に応じて異なる材質
の平板素材を採用することも可能で、この点でも材料コ
ストの低減を図ることができる。
重ね合わせてプレス加工を行い、その複数の平板素材を
一体的に円筒形状に丸めた後、その丸められた複数の素
材を一体的に固設して所定形状の円筒部材を製造するの
である。ここで、平板素材を丸め加工するようにしてい
るため、引抜材を用いる場合に比較して材料費が低減さ
れるとともに、複数の平板素材をプレス加工によって一
体的に丸めるようにしているため、高い生産性が得られ
て加工コストも少なくて済む。また、かかる円筒部材は
複数の素材が重ね合わされたものであるため、円筒部材
全体の肉厚が厚い場合でも1つ1つの素材すなわち平板
素材の肉厚は薄くて良く、個々の素材の径寸法dと肉厚
tとの比d/tが大きくなって、芯金を用いることなく
巻合せ部分についても高い加工精度が得られるようにな
り、設備コストが低減される。更に、複数の平板素材の
寸法を適宜設定したり、丸める際に平板素材を軸方向へ
ずらしたりすることにより、軸方向において径寸法が変
化する段部を有する円筒部材を製造することも可能で、
従来のように機械加工により外周面や内周面を切削除去
して段部を形成する場合に比較して、加工コストを大幅
に低減できるとともに材料の歩留りが向上する。また、
複数の平板素材は必ずしも同じ材質である必要はなく、
円筒部材の各部位に要求される性質に応じて異なる材質
の平板素材を採用することも可能で、この点でも材料コ
ストの低減を図ることができる。
【0007】なお、丸められた複数の素材間に相対位置
精度や一体化強度等が要求される場合には、丸め工程に
続いて位置調整工程や固設工程などが必要に応じて施さ
れればよく、例えば粗い位置決め精度で丸め加工した後
に素材相互の位置調整が行われたり、丸められた複数の
素材を相対移動不能に溶接などによって固設することが
行われたりして、円筒部材に要求される寸法精度や強度
に関する条件に対応する工程が適宜追加される。
精度や一体化強度等が要求される場合には、丸め工程に
続いて位置調整工程や固設工程などが必要に応じて施さ
れればよく、例えば粗い位置決め精度で丸め加工した後
に素材相互の位置調整が行われたり、丸められた複数の
素材を相対移動不能に溶接などによって固設することが
行われたりして、円筒部材に要求される寸法精度や強度
に関する条件に対応する工程が適宜追加される。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は、本発明の円筒部材の製造方法によ
り図2に示す段付き円筒部材10を製造するための一対
の平板素材12,14を示す斜視図である。平板素材1
2,14はそれぞれ略長方形を成しているとともに、プ
レス加工される前には、図1のように板厚方向に重ね合
わされた状態とされるが、図2からも判るように、円筒
部材10の軸方向となる縦寸法は、上側の平板素材12
の方が下側の平板素材14よりも長いとともに、その縦
寸法と直角な横寸法は、平板素材14の方が平板素材1
2よりも長い。横寸法は円筒部材10の径寸法に対応し
て定まるもので、平板素材12,14の横寸法の違い
は、円筒形状とされたときの円周長さの違いによるもの
である。このような図1の工程が重合せ工程である。平
板素材12,14は、次の工程のプレス型に、予め重ね
合わされた状態で供給されてもよいし、それぞれ単独で
供給されて重ね合わされてもよい。
に説明する。図1は、本発明の円筒部材の製造方法によ
り図2に示す段付き円筒部材10を製造するための一対
の平板素材12,14を示す斜視図である。平板素材1
2,14はそれぞれ略長方形を成しているとともに、プ
レス加工される前には、図1のように板厚方向に重ね合
わされた状態とされるが、図2からも判るように、円筒
部材10の軸方向となる縦寸法は、上側の平板素材12
の方が下側の平板素材14よりも長いとともに、その縦
寸法と直角な横寸法は、平板素材14の方が平板素材1
2よりも長い。横寸法は円筒部材10の径寸法に対応し
て定まるもので、平板素材12,14の横寸法の違い
は、円筒形状とされたときの円周長さの違いによるもの
である。このような図1の工程が重合せ工程である。平
板素材12,14は、次の工程のプレス型に、予め重ね
合わされた状態で供給されてもよいし、それぞれ単独で
供給されて重ね合わされてもよい。
【0009】次の工程では、図3に示すように、平板素
材12,14が上記のような重合せ状態のまま一体的に
プレス加工される。まず、図3(a)のように、中央が
平坦な凹曲面状の成形面を有する下型16上に載置され
た上記平板素材12,14に対して、下型16に対応す
る凸曲面状の成形面を有する上型18が上方から下降さ
せられ、平板素材12,14の横方向の両端部が部分的
に丸められる。次に図3(b)のように、先端側が半円
形断面の上型(ポンチ)20が下降させられて一対の平
板素材12,14の中央部が下型22の半円形凹部に押
し込まれ、その中央部が略半円形状に丸められる。続い
て、図3(c)のように、円柱状の空間を形成する一対
の下型24および上型26間でプレスされることにより
素材12,14の残りの部分、すなわち上記各工程で円
弧形状に丸められた横方向の両端部と中央部との間の部
分が丸められ、略円筒形状を成す中間品28となる。そ
の場合に、各素材12,14の肉厚tに対する径寸法d
の比d/tは単一の平板素材を丸め加工する場合に比較
して大きくなるため、図3(c)の工程において芯金を
用いることなく高い真円度が得られる。上記3段階のプ
レス加工が丸め工程である。なお、上記中間品28およ
び円筒部材10の状態では、平板素材12,14を単に
素材12,14という。また、上記図3(c)の工程で
は、下型24として図3(b)の工程の下型22をその
まま用いることが可能である。
材12,14が上記のような重合せ状態のまま一体的に
プレス加工される。まず、図3(a)のように、中央が
平坦な凹曲面状の成形面を有する下型16上に載置され
た上記平板素材12,14に対して、下型16に対応す
る凸曲面状の成形面を有する上型18が上方から下降さ
せられ、平板素材12,14の横方向の両端部が部分的
に丸められる。次に図3(b)のように、先端側が半円
形断面の上型(ポンチ)20が下降させられて一対の平
板素材12,14の中央部が下型22の半円形凹部に押
し込まれ、その中央部が略半円形状に丸められる。続い
て、図3(c)のように、円柱状の空間を形成する一対
の下型24および上型26間でプレスされることにより
素材12,14の残りの部分、すなわち上記各工程で円
弧形状に丸められた横方向の両端部と中央部との間の部
分が丸められ、略円筒形状を成す中間品28となる。そ
の場合に、各素材12,14の肉厚tに対する径寸法d
の比d/tは単一の平板素材を丸め加工する場合に比較
して大きくなるため、図3(c)の工程において芯金を
用いることなく高い真円度が得られる。上記3段階のプ
レス加工が丸め工程である。なお、上記中間品28およ
び円筒部材10の状態では、平板素材12,14を単に
素材12,14という。また、上記図3(c)の工程で
は、下型24として図3(b)の工程の下型22をその
まま用いることが可能である。
【0010】そして、上記中間品28は、位置調整工程
において、図示しない位置決め治具などによって内側の
素材12の軸方向(縦方向)の両端部が外側の素材14
の両端から略均等に突き出す状態に相対位置が位置決め
された後、次の固設工程において、拡径不能および相対
移動不能に一体的に固設される。固設工程では、例え
ば、円筒形状を成す各素材12,14の互いに突き合わ
された巻合わせ部分が溶接などによって一体的に接合さ
れるとともに、2重に重ね合わされている一対の素材1
2,14が溶接などによって軸方向の相対移動不能に一
体的に固設される。本実施例では、予め縦方向の長さが
異なる平板素材12,14が用意され、略円筒形状に丸
められた一対の素材12,14の軸方向の端部がずれた
状態で固設されることにより、図2に示すように両端部
の外周面に一対の段部30,32が形成される。なお、
このような位置調整工程および固設工程は、円筒部材1
0に要求される寸法精度や強度に関する条件などに応じ
て適宜追加されるものであり、丸め工程後における寸法
精度や形状保持強度および一体化強度の程度でよい場合
には、これらの工程は省略される。
において、図示しない位置決め治具などによって内側の
素材12の軸方向(縦方向)の両端部が外側の素材14
の両端から略均等に突き出す状態に相対位置が位置決め
された後、次の固設工程において、拡径不能および相対
移動不能に一体的に固設される。固設工程では、例え
ば、円筒形状を成す各素材12,14の互いに突き合わ
された巻合わせ部分が溶接などによって一体的に接合さ
れるとともに、2重に重ね合わされている一対の素材1
2,14が溶接などによって軸方向の相対移動不能に一
体的に固設される。本実施例では、予め縦方向の長さが
異なる平板素材12,14が用意され、略円筒形状に丸
められた一対の素材12,14の軸方向の端部がずれた
状態で固設されることにより、図2に示すように両端部
の外周面に一対の段部30,32が形成される。なお、
このような位置調整工程および固設工程は、円筒部材1
0に要求される寸法精度や強度に関する条件などに応じ
て適宜追加されるものであり、丸め工程後における寸法
精度や形状保持強度および一体化強度の程度でよい場合
には、これらの工程は省略される。
【0011】ここで、本実施例の製造方法においては、
一対の平板素材12,14を重ね合わせて円筒形状に丸
め加工するようにしているため、素材として引抜材を用
いる場合に比較して材料費が低減されるとともに、複数
の平板素材12,14をプレス加工によって一体的に丸
めるようにしているため、高い生産性が得られて加工コ
ストも少なくて済む。また、円筒部材10は複数の素材
12,14が重ね合わされたものであるため、円筒部材
10全体の肉厚が厚い場合でも1つ1つの素材12,1
4の肉厚は薄くて良く、個々の素材12,14の径寸法
dと肉厚tとの比d/tが大きくなるため、芯金を用い
ることなく巻合せ部分についても高い加工精度が得られ
るようになり、設備コストが低減される。更に、一対の
平板素材12,14の縦寸法を互いに異ならせ、縦寸法
が小さい外側の素材14が内側の素材12の中央部分に
位置する状態で互いに一体的に丸められ、固設されるこ
とにより、軸方向において外径寸法が変化する一対の段
部30,32を有する円筒部材10が製造されるように
なっているため、従来のように機械加工により外周面を
切削除去して段部を形成する場合に比較して、加工コス
トを大幅に低減できるとともに材料の歩留りが向上す
る。また、2枚の平板素材12,14は必ずしも同じ材
質である必要はなく、円筒部材10の各部位に要求され
る性質に応じて異なる材質の平板素材を採用することも
可能で、この点でも材料コストの低減を図ることができ
る。
一対の平板素材12,14を重ね合わせて円筒形状に丸
め加工するようにしているため、素材として引抜材を用
いる場合に比較して材料費が低減されるとともに、複数
の平板素材12,14をプレス加工によって一体的に丸
めるようにしているため、高い生産性が得られて加工コ
ストも少なくて済む。また、円筒部材10は複数の素材
12,14が重ね合わされたものであるため、円筒部材
10全体の肉厚が厚い場合でも1つ1つの素材12,1
4の肉厚は薄くて良く、個々の素材12,14の径寸法
dと肉厚tとの比d/tが大きくなるため、芯金を用い
ることなく巻合せ部分についても高い加工精度が得られ
るようになり、設備コストが低減される。更に、一対の
平板素材12,14の縦寸法を互いに異ならせ、縦寸法
が小さい外側の素材14が内側の素材12の中央部分に
位置する状態で互いに一体的に丸められ、固設されるこ
とにより、軸方向において外径寸法が変化する一対の段
部30,32を有する円筒部材10が製造されるように
なっているため、従来のように機械加工により外周面を
切削除去して段部を形成する場合に比較して、加工コス
トを大幅に低減できるとともに材料の歩留りが向上す
る。また、2枚の平板素材12,14は必ずしも同じ材
質である必要はなく、円筒部材10の各部位に要求され
る性質に応じて異なる材質の平板素材を採用することも
可能で、この点でも材料コストの低減を図ることができ
る。
【0012】特に、本実施例においては丸め工程に続い
て位置調整工程および固設工程が設けられていることか
ら、段部30,32から突き出す小径部の軸方向長さが
正確で高い寸法精度が得られるとともに、溶接等の接合
手段による高い結合強度が得られて形状保持性に優れて
いる。
て位置調整工程および固設工程が設けられていることか
ら、段部30,32から突き出す小径部の軸方向長さが
正確で高い寸法精度が得られるとともに、溶接等の接合
手段による高い結合強度が得られて形状保持性に優れて
いる。
【0013】次に、本発明の他の実施例を説明する。図
4に示す円筒部材40は、軸方向(縦方向)の長さが等
しい平板素材42,44を用いて、両者の縦方向位置を
一致させた状態で重ね合わせ、プレス加工により一体的
に丸めたもので、段部を有しない単純なパイプ部材であ
る。この場合、各平板素材42,44の肉厚tは、目的
とする円筒部材40の肉厚の1/2程度で良いため、径
寸法dとの比d/tはそれだけ大きくなり、1枚の平板
素材を丸め加工して製造する場合に比較して、芯金を用
いることなく高い加工精度が得られる。また、例えば円
筒部材40の内周面46に耐腐食性が要求される場合に
は、内側の素材42のみを耐腐食性の高い材料で構成す
れば良いなど、平板素材42,44の材質を異ならせる
ことにより必要な物性を満たしつつ材料コストの低減を
図ることができる。
4に示す円筒部材40は、軸方向(縦方向)の長さが等
しい平板素材42,44を用いて、両者の縦方向位置を
一致させた状態で重ね合わせ、プレス加工により一体的
に丸めたもので、段部を有しない単純なパイプ部材であ
る。この場合、各平板素材42,44の肉厚tは、目的
とする円筒部材40の肉厚の1/2程度で良いため、径
寸法dとの比d/tはそれだけ大きくなり、1枚の平板
素材を丸め加工して製造する場合に比較して、芯金を用
いることなく高い加工精度が得られる。また、例えば円
筒部材40の内周面46に耐腐食性が要求される場合に
は、内側の素材42のみを耐腐食性の高い材料で構成す
れば良いなど、平板素材42,44の材質を異ならせる
ことにより必要な物性を満たしつつ材料コストの低減を
図ることができる。
【0014】図5に示す円筒部材50は、軸方向長さ
(縦寸法)が略等しい平板素材52,54が、予め軸方
向に所定寸法だけずらされた状態で重ね合わされて丸め
られ、或いは図4の実施例のように丸められた後におい
て軸方向に各素材52,54がずらされたもので、外周
側段部56および内周側段部58を有するタイプの一例
である。この円筒部材50の場合、機械加工で上記各段
部56,58を形成する場合よりも大幅に歩留りが向上
している。なお、平板素材52,54の重合せ部の軸方
向寸法は、適宜変更可能である。
(縦寸法)が略等しい平板素材52,54が、予め軸方
向に所定寸法だけずらされた状態で重ね合わされて丸め
られ、或いは図4の実施例のように丸められた後におい
て軸方向に各素材52,54がずらされたもので、外周
側段部56および内周側段部58を有するタイプの一例
である。この円筒部材50の場合、機械加工で上記各段
部56,58を形成する場合よりも大幅に歩留りが向上
している。なお、平板素材52,54の重合せ部の軸方
向寸法は、適宜変更可能である。
【0015】図6に示す円筒部材60は、前記円筒部材
10とは反対に内側の平板素材62の方が外側の平板素
材64よりも軸方向長さ(縦寸法)が短く、両端に内周
側段部66,68を有するタイプの一例である。
10とは反対に内側の平板素材62の方が外側の平板素
材64よりも軸方向長さ(縦寸法)が短く、両端に内周
側段部66,68を有するタイプの一例である。
【0016】以上、本発明の幾つかの実施例を図面に基
づいて詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施する
こともできる。
づいて詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施する
こともできる。
【0017】例えば、前記実施例では一対の平板素材1
2,14等が2重に重ね合わされる場合であったが、3
枚以上の平板素材が3重以上に重ね合わされて各工程が
それぞれ施されても良い。
2,14等が2重に重ね合わされる場合であったが、3
枚以上の平板素材が3重以上に重ね合わされて各工程が
それぞれ施されても良い。
【0018】また、前記実施例では一対の平板素材1
2,14等はそれぞれ軸方向に連続しているものであっ
たが、一方の平板素材が軸方向に分割された状態で重ね
合わされ、丸められても良い。
2,14等はそれぞれ軸方向に連続しているものであっ
たが、一方の平板素材が軸方向に分割された状態で重ね
合わされ、丸められても良い。
【0019】また、前記実施例では一対の平板素材1
2,14等は特に前加工されていないものであったが、
重合せ工程に先立って部分的に孔あけ加工やバーリング
加工等の所定の加工が施されている平板素材であっても
本発明を適用可能である。
2,14等は特に前加工されていないものであったが、
重合せ工程に先立って部分的に孔あけ加工やバーリング
加工等の所定の加工が施されている平板素材であっても
本発明を適用可能である。
【0020】また、前記図3では丸め工程が(a)〜
(c)の3段階のプレス加工より行われていたが、例え
ば平板素材12,14の中央部を最初に丸め加工してU
字形断面とするなど、他の種々の加工手順によっても平
板素材12,14を円筒形状に丸め加工することが可能
であり、プレス型なども種々の形態に変更可能である。
必要に応じて芯金を用いても差支えない。
(c)の3段階のプレス加工より行われていたが、例え
ば平板素材12,14の中央部を最初に丸め加工してU
字形断面とするなど、他の種々の加工手順によっても平
板素材12,14を円筒形状に丸め加工することが可能
であり、プレス型なども種々の形態に変更可能である。
必要に応じて芯金を用いても差支えない。
【0021】また、前記実施例では丸められた素材を溶
接などで固設するようになっていたが、食違い歯を巻合
わせ部分の端縁に設けて噛み合わせるようにしたり、外
周側に引抜管をたが状に圧入嵌合したりするなど、種々
の手段により固設することが可能である。
接などで固設するようになっていたが、食違い歯を巻合
わせ部分の端縁に設けて噛み合わせるようにしたり、外
周側に引抜管をたが状に圧入嵌合したりするなど、種々
の手段により固設することが可能である。
【0022】また、図2の円筒部材10を製造する第1
実施例では、丸め工程に続いて位置調整工程および固設
工程が設けられていたが、それらが省略されても差し支
えない。また、図4〜図6の第2〜第4実施例において
位置調整工程や固設工程が追加されてもよい。
実施例では、丸め工程に続いて位置調整工程および固設
工程が設けられていたが、それらが省略されても差し支
えない。また、図4〜図6の第2〜第4実施例において
位置調整工程や固設工程が追加されてもよい。
【0023】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図1】図2の円筒部材を構成する平板素材が重ね合わ
された重合せ工程を示す斜視図である。
された重合せ工程を示す斜視図である。
【図2】本発明方法に従って製造された円筒部材の一例
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図3】図1の平板素材を丸めて図2の円筒部材を製造
する際の丸め工程を説明する図である。
する際の丸め工程を説明する図である。
【図4】本発明方法に従って製造された円筒部材の他の
態様例を示す断面図である。
態様例を示す断面図である。
【図5】本発明方法に従って製造された円筒部材の更に
別の態様例を示す断面図である。
別の態様例を示す断面図である。
【図6】本発明方法に従って製造された円筒部材の更に
別の態様例を示す断面図である。
別の態様例を示す断面図である。
【図7】従来の円筒部材の製造方法の一例を示す図で、
引抜材を機械加工して製造する場合を説明する図であ
る。
引抜材を機械加工して製造する場合を説明する図であ
る。
【図8】従来の円筒部材の製造方法の別の例を示す図
で、一対の引抜材を圧入加工して製造する場合を説明す
る図である。
で、一対の引抜材を圧入加工して製造する場合を説明す
る図である。
【図9】従来の円筒部材の製造方法の更に別の例を示す
図で、単一の平板素材を丸めるとともに機械加工して製
造する場合を説明する図である。
図で、単一の平板素材を丸めるとともに機械加工して製
造する場合を説明する図である。
10,40,50,60:円筒部材 12,14,42,44 52,54,62,64:平
板素材
板素材
Claims (1)
- 【請求項1】 略円筒形状を成す円筒部材の製造方法で
あって、 略長方形の複数の平板素材を重ね合わせる重合せ工程
と、 該重ね合わされた複数の平板素材を一体的にプレス加工
して略円筒形状に丸める丸め工程とを有することを特徴
とする円筒部材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15186094A JPH0819816A (ja) | 1994-07-04 | 1994-07-04 | 円筒部材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15186094A JPH0819816A (ja) | 1994-07-04 | 1994-07-04 | 円筒部材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0819816A true JPH0819816A (ja) | 1996-01-23 |
Family
ID=15527832
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15186094A Pending JPH0819816A (ja) | 1994-07-04 | 1994-07-04 | 円筒部材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0819816A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003154411A (ja) * | 2001-09-10 | 2003-05-27 | Chuo Spring Co Ltd | プレス装置とプレス装置のプレス型 |
JP2008221310A (ja) * | 2007-03-15 | 2008-09-25 | Honda Motor Co Ltd | 中空部材及びその製造方法 |
US20100031914A1 (en) * | 2007-03-15 | 2010-02-11 | Honda Motor Co., Ltd | Hollow member, cylinder sleeve and methods for producing them |
JP2016017534A (ja) * | 2014-07-04 | 2016-02-01 | 三菱重工業株式会社 | 配管防護カバーの製造方法 |
JP2016059938A (ja) * | 2014-09-17 | 2016-04-25 | フタバ産業株式会社 | パイプの製造方法 |
CN115156854A (zh) * | 2022-07-26 | 2022-10-11 | 贵州航天电子科技有限公司 | 一种半圆形柱状壳体零件加工方法 |
-
1994
- 1994-07-04 JP JP15186094A patent/JPH0819816A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN115156854A (zh) * | 2022-07-26 | 2022-10-11 | 贵州航天电子科技有限公司 | 一种半圆形柱状壳体零件加工方法 |
CN115156854B (zh) * | 2022-07-26 | 2024-03-29 | 贵州航天电子科技有限公司 | 一种半圆形柱状壳体零件加工方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040106 |