JPH09509838A - クニッツドメイン拮抗剤蛋白質 - Google Patents

クニッツドメイン拮抗剤蛋白質

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JPH09509838A JP7523045A JP52304595A JPH09509838A JP H09509838 A JPH09509838 A JP H09509838A JP 7523045 A JP7523045 A JP 7523045A JP 52304595 A JP52304595 A JP 52304595A JP H09509838 A JPH09509838 A JP H09509838A
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Abstract

(57)【要約】 VIIa因子、XIa因子、血漿カリクレインまたはプラスミンを阻害することのできる強力なセリンプロテアーゼ阻害剤を提供する。この阻害剤はVIIa因子、XIa因子、血漿カリクレインまたはプラスミンの阻害を必要とする疾患の処置用に医薬的組成物の形で提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 クニッツドメイン拮抗剤蛋白質 発明の分野 この発明は組織因子−VIIa因子阻害活性を有する新規クニッツドメイン蛋 白質、これら蛋白質をコードするDNAおよびこれら因子VIIa阻害剤の組換 え物質および製造方法に関する。本発明は、さらにVIIa因子、XIa因子、 血漿カリクレインおよびプラスミンの阻害が必要とされる疾患に対する処置のた めのVIIa因子阻害剤を含有する医薬的組成物に関する。 発明の背景 血栓症は米国における死因の約40%を占める。最新の血栓症疾患の治療は非 特異的作用機構を持つ抗凝固剤(たとえば、ヘパリン、クマジン)の使用を包含 する。これら薬剤は出血を起こすことがあり、それらの使用は限定される。凝血 カスケードの初期段階を阻害し、内因性または外因性経路のどちらかに特異的な (図1参照)抗凝固剤は出血症状を誘発せずに血栓発生の事態を抑制するので、 効果および安全性に優れた特性を持つに違いない。VIIa因子 組織因子−VIIa因子複合体(TF−FVIIa)は血液凝固の一次的開始 剤である(Carson,S.D.とBrozna,J.P.、Blood・C oag.Fibrinol.、4巻:281〜292頁[1993年];Dav ie,E.W.など、Biochemistry、30巻:10363〜103 70頁[1991年];Rapaport,S.I.とL.V.M.Rao、A rterioscler.Thromb.、12巻:1111〜1121頁[1 992年])(図1参照)。50kDaのビタミンK依存性血漿セリンプロテア ーゼであるVIIa因子(FVIIa)は血漿中に約0.5μg/mLで存在す るチモーゲンであるVII因子(FVII)からペプチド結合一個の蛋白分解に よって発生する。組織因子(TF)は263残基を含有し、血管内皮により血漿 から分離される細胞中に構成的に発現する膜内在性補助因子である(Carso n,S.D.とJ.P.Brozna、Blood・Coag.Fibrino l.、4巻:281〜292頁[1993年])。組織が傷害を受けると、露出 したTFの細胞外ドメインはFVIIに結合し、活性化して高親和性のTF−F VIIa複合体を形成する。XIIa因子(FXIIa)もFVIIの活性化に 関連付けられている。TF−FVIIa複合体はX因子(FX)をXa因子(F Xa)まで、IX因子(FIX)をIXa因子(FIXa)まで、さらにFVI IをFVIIaまで活性化することによって、凝固カスケードの外因性経路を開 始する。これがプロトロンビンのトロンビンへの変換を招き、これが多数の生物 学的機能を発揮する(Badimon,L.など、Trends・Cardio vasc.Med.、1巻:261〜267頁[1991年])。トロンビンの 最重要な機能の中にはフィブリノーゲンのフィブリンへの変換かあり、これが重 合して血餅を形成する。 血液凝固の制御は止血の維持に重要である。血液凝固カスケード開始に続き、 TF−FVIIaはそれ以上のチモーゲン基質活性化を止めるフィードバック阻 害剤の一つである組織因子経路阻害剤(TFPI)の制御を受ける(Broze ・Jr.G.J.など、Biochemistry、29巻:7539〜754 6頁[1990年];Broze・Jr.,G.J.、Semin.Hemat ol.、29巻:159〜169頁[1992年])。TFPIはリポ蛋白質関 連凝固阻害剤LACIおよび外因性経路阻害剤EPIとも呼ばれる。TFPIは 酸性アミノ末端領域、続いてクニッツドメイン3個および塩基性カルボキシ末端 領域を包含する。TFPIは最初に第2クニッツドメインでFXaに結合し、続 いて第1クニッツドメインでFVIIaに結合する様式でFXa依存的にTF− FVIIaを阻害すると推測されている(Girard,T.J.など、Nat ure、338巻:518〜520頁[1989年])。FXa不在下ではTF PIはTF−FVIIa複合体の弱い阻害剤である(Girard,T.J.な ど、Science、248巻:1421〜1424頁[1990年])。最近 、セルピンの一つアンチトロンビンIII(ATIII)もヘパリン存在下にT F− FVIIa活性を阻害することが示された(Rao,L.V.M.など、Blo od、81巻:2600〜2607頁[1993年];Lawson,J.H. など、J.Biol.Chem.、268巻:767〜770頁[1993年] ;Broze・Jr.G.J.など、Blood、82巻:1679〜1680 頁[1993年];Mann,K.G.、Blood、82巻:1680〜16 81頁[1993年])。TFPIによるTF−FVIIaの阻害は可逆的であ るが、ATIIIによる阻害は本質的に不可逆的である。TF−FVIIaにつ いてATIII/ヘパリン阻害対TFPI阻害の生体内での相対的重要性は知ら れていない。 TF−FVIIa活性を阻害するTFPIの変種が作製されている。殊に最初 のクニッツドメイン2個(第1〜161残基)を含む変種が作製され、特徴付け された(Hamamotoなど、J.Biol.Chem.、268巻:870 4〜8710頁[1993年];Patersonなど、J.Biol.Che m.、268巻:13344〜13351頁[1993年])。TFPIおよび その変種が、血栓溶解後の動脈再閉鎖(Haskel,E.J.など、Circ ulation、84巻 821〜827頁[1991年])、蛇毒血栓症(H olst,J.など、Haemostasis、23巻(補1):112〜11 7頁[1993年])および敗血症ショック由来汎発性血管内凝固症(Crea sey,A.A.など、J.Clin.Invest.、91巻:2850〜2 860頁[1993年])の動物モデルにおいて止血に影響を与えることが示さ れている。しかしながら、TFPIは血栓症疾患の処置用抗凝固剤に望まれるす べての性質を持ちえない。TF−FVIIaの阻害以前のTFPIによるFXa 阻害の依存性は望ましくない効果を持ちうる。例えば、FXaは内因性および外 因性経路の双方により生産されるので、FXaの阻害は凝固を全般的に阻害し、 例えば出血のような望ましくない副作用を招きうるが、外因性または内因性経路 の選択的阻害剤ならこの問題を招かないであろう。これに加え、ヘパリンはTF PIの活性に影響しうる。TFPIのカルボキシル末端は最大活性に必須であろ う(Wesselschmidt,R.など、Blood、79巻:2004〜 2010頁[1992年];Nordfang,O.など、Biochemis try、30巻:10371〜10376頁[1991年])。さらにTFPI はヒト白血球エラスターゼによって最初のクニッツドメイン2個の間で切断され てTF−FVIIa阻害活性の喪失を招く(Higuchi,D.A.など、B lood、79巻:1712〜1719頁[1992年])。 アプロチニンとも呼ばれるウシ膵臓トリプシン阻害剤(BPTI)は最近、親 和性は比較的弱い(Ki=30μM)けれども、TF−FVIIa活性を競合的 に阻害することが証明された(Chabbat,J.など、Thromb.Re s.、71巻:205〜215頁[1993年])。これに加えて、BPTIが 最近になってTF−誘発凝固を阻害することを示された。しかしながら、PT− 検定による凝血時間を1.4倍延長するためには約75μMが必要であった(v an・den・Besselaar,A.M.H.P.など、Thromb.H aemostas.、69巻:298〜299頁[1993年])。 XIa因子 XIa因子(FXIa)はチモーゲンであるXI因子(FXI)から血液中で 生産されたグリコシル化セリンプロテアーゼである。これはジスルフィド結合を した各々分子量80000Daを持つ同一蛋白質2個のホモ2量体から構成され ている(Kitchens,C.S.、Semin.Thromb.Haemo stas.、17巻:55〜72頁[1991年])。血中では、この蛋白質の 殆どは高分子量キニノーゲン(HMWK)に結合して循環している。FXIは正 常には約4.5μg/mLの濃度で存在している。これは多種のセリンプロテア ーゼにより活性化されることができる。FXIIaは主な活性化剤であると考え られているが、最近、トロンビンも関連付けがなされた(Galiani,D. とBroze・Jr.,G.J.、Science、253巻:909〜912 頁[1991年])。高分子量キニノーゲン存在下、FXIIaはプレカリクレ インをカリクレインに、FXIをFXIaに活性化でき、ここに生成したカリク レインは追加的なXII因子をFXIIaに活性化することができる。FXIa はFIXをFIXaに活性化し、これがVIII因子存在下にFXa形成を、究 極的にはフィブリン血餅の形成を招く(図1参照)。 FXIaの主要な生理学的阻害剤はα1−プロテイナーゼ阻害剤としても知ら れているセルピンであるα1−アンチトリプシンであると考えられている(Sc ott,C.F.など、J.Clin.Invest.、69巻:844〜85 2頁[1982年])。たとえばα1−プロテイナーゼ阻害剤のようなセルピン (セリンプロテアーゼ阻害剤)は血栓症、ショックおよび炎症疾患における蛋白 質分解を制御する治療上の潜在的可能性の故に(Schapira,M.など、 Trends・Cardiovasc.Med.、4巻:146〜151頁[1 991年];Patston,P.A.など、J.Biol.Chem.、26 5巻:10786〜10791頁[1990年])、およびP1残基での自然突 然変異(M358R、α1−プロテイナーゼ阻害剤、ピッツバーグ)がプロテア ーゼ阻害剤特異性を劇的に変える故に(Scott,C.F.など、J.Cli n.Invest.、77巻:631〜634頁[1986年])、種々のプロ テアーゼに対する阻害能についてよく特徴付けられている。しかしながら、他の セルピンもFXIaを阻害するかもしれない。これらには、C1阻害剤、α2− アンチプラスミンおよびアンチトロンビン−IIIを包含する。α2−マクログ ロブリンはもう一つのFXIa阻害剤である。PIXIと命名された低分子量阻 害剤も血小板から確認された(Cronlund,A.L.とWalsh,P. N.、Biochemistry、31巻:1685〜1694頁[1992年 ])。 FXIaのもう一つの阻害剤はプロテアーゼであるネキシン−2で、アルツハ イマー病アミロイドのβ−蛋白質前駆体の分泌型であって、時にはこの蛋白質の 異なるアイソフォームはAβPP751およびAβPP770と呼ばれる(Van・N ostrand,W.E.など、J.Biol.Chem.、265巻:959 1〜9594頁[1990年];Wegner,S.L.など、Biochem .Biophys.Res.Commun.、186巻:1138〜1145頁 [1992年];Smith,R.P.など、Science、248巻:11 26〜1128頁[1990年])。この蛋白質はクニッツドメインを含有し、 KP I(61残基)(Wagner,S.L.など、Biochem.Biophy s.Res.Commun.、186巻:1138〜1145頁[1992年] )またはAPPI(58残基)(Hynes,T.R.など、Biochemi stry、29巻:10018〜10022頁[1990年])と命名されてい る。このKPIドメイン自体もFXIaに対する強力な阻害剤である(Wagn er,S.L.など、Biochem.Biophys.Res.Commun .、186巻:1138〜1145頁[1992年])。ヘパリンはプロテアー ゼであるネキシン−2によるFXIaの阻害を強化することが示されているが、 KPIドメイン自体では阻害しない(Wagner,S.L.など、Bioch em.Biophys.Res.Commun.、186巻:1138〜114 5頁[1992年])。15位にアルギニンを持つBPTIの変種が半合成的に 調製され、相対的に高い親和性でFXIaを阻害することが発見されている(S cott,C.F.など、Blood、69巻:1431〜1436頁[198 7年])。 カリクレイン プレカリクレインは単一のポリペプチド鎖からなるグリコプロテインで、分子 量80000Daを持ち、正常な血漿には約50μg/mL(600nM)の濃 度で存在する。プレカリクレインの75%は血中ではHMWKに結合して循環し ている。これはセリンプロテアーゼのチモーゲンであって、FXIIaによって 活性化されることができる(図1参照)。カリクレインは43000および33 000〜36000Daのジスルフィドで結合した鎖2本から構成される。カリ クレインの軽鎖は酵素ドメインを含むが、重鎖は表面依存性活性化凝固を必要と するように思われる。 カリクレインはHMWKを切断してブラジキニン(強力な血管拡張剤であり、 内皮細胞活性化剤である)を形成し、プロウロキナーゼおよびプラスミノーゲン を活性化する(フィブリン分解的)ことができ、表面結合FXIIをFXIIa に逆に活性化してフィードバックする(図1参照)。それに加え、これはまた好 中球を刺激してエラスターゼの放出を起こす。XIIa因子およびカリクレイン は双方ともプラスミン発生を招いてフィブリン分解を起こす。 カリクレインの主要な生理学的阻害剤は不可逆的に阻害するセルピンであるC 1阻害剤である。精製された系内ではこれらの両蛋白質はカリクレインの異なる 部位に結合するのであるが、HMWKはC1阻害剤による阻害からカリクレイン を保護することが証明されている。α2−マクログロブリンはカリクレインの別 の主要な阻害剤の一つである。アンチトロンビン−IIIもカリクレインを阻害 できるがヘパリン存在下でさえ低速である。α2−アンチプラスミンおよびα1 −アンチトリプシンはカリクレインの弱い阻害剤である。α1−プロテイナーゼ 阻害剤の変異体(α1−プロテイナーゼ阻害剤−ピッツバーグ)はP1位にAr g、P2位にAlaを含有しており、XIIf因子(FXIIf)およびカリク レインの阻害剤であることが証明されているが、これらプロテアーゼの最強力天 然阻害剤であるC1阻害剤と比較してもさらに強力である(Schapira, M.など、J.Clin.Invest.、80巻:582〜585頁[198 7年];Patston,P.A.など、J.Biol.Chem.、265巻 :10786〜10791頁[1990年])。この変異体で処理したラットは FXIIfの注射が起こした低血圧から部分的に保護された。 塩基性膵トリプシン阻害剤(BPTI、アプロチニン)は血漿カリクレインな らびにプラスミンおよび他の多数のセリンプロテアーゼを可逆的に阻害するが、 BPTIのP1残基はLysである。15位にアルギニンを持つBPTIの変種 の一つが半合成的に調製され、Ki=15nMというBPTIよりも約20倍も 高親和性で血漿カリクレインを阻害することが発見された(Scott,C.F .なと、Blood、69巻:1431〜1436頁[1987年])。BPT Iは急性膵臓炎の患者の処置に使用されている(Fritz,H.とWunde rer,G.、Arzneim.−Forsch.Drug・Res.、33巻 :479〜494頁[1983年])。外科手術後出血の削減(Royston ,D.、Blood・Coag.Fibrinol.、1巻:55〜69頁[1 990年])および心肺バイパス手術においてまた体外循環モデルでの使用につ いて(Fuhrer,G.など、Blood・Coag.Fibrinol.、 3巻:99〜104頁[1992年];Wachtfogel,Y.T.など、 J. Thorac.Cardiovasc.Surg.、106巻:1〜10頁[1 993年])、アプロチニンの利用および接触経路の関与(下記参照)も記載さ れている。同様に、大豆トリプシン阻害剤がブラジキニン形成およびラットにお けるエンドトキシンが誘発する初期低血圧を阻害することが証明されている(K atori,M.など、Br.J.Pharmacol.、98巻:1383〜 1391頁[1989年])。 疾病におけるTF−FVIIa(血栓症) TF−FVIIa複合体の形成は凝固カスケード開始の鍵となる現象であると 考えられている(Carson,S.D.とJ.P.Brozna、Blood ・Coag.Fibrinol.、4巻:281〜292頁[1993年];D avie,E.W.など、Biochemistry、30巻:10363〜1 0370頁[1991年];Rapaport,S.I.とL.V.M.Rao 、Arterioscler.Thromb.、12巻:1111〜1121頁 [1992年])。TFは内皮ならびに単球の表面に見られ、炎症反応の間に活 性化されてくるようである(Altieri,D.A.、Blood、81巻: 569〜579頁[1993年])。そこで、TF−FVIIa複合体の阻害剤 は抗凝固剤として、および抗炎症剤として有用でありうる。TFに対するモノク ローナル抗体は敗血症ショックのヒヒのモデルにおいて死亡を防御することが証 明されている(Taylor・Jr.,F.B.など、Circ.Shock、 33巻:127〜134頁[1991年])。TF抗体はTFが病巣脳虚血で一 定の役割を果たすことを証明した(Thomas,W.S.など、Stroke 、24巻:847〜854頁[1993年])。血栓症のウサギモデルで、ウサ ギTFに対するモノクローナル抗体は頚動脈において血栓形成を阻害した(Pa washe,A.B.など、Circ.Res.、74巻:56〜63頁[19 94年])。 疾患における接触活性化経路 接触活性化は、凝固、キニン、フィブリン分解、補体および他の関連する経路 を介して、炎症および血栓症を部分的に調節する能力のある表面介在経路である (図1参照)。この経路に関与する蛋白質にはFXII(Hageman因子) 、プレカリクレイン(Fletcher因子)、FXI、高分子量キニノーゲン (HMWK)、およびC1阻害剤を包含する(DeLa・Cadena,R.A .など、「止血および血栓症:基本原理と臨床診療(Hemostasis・a nd・Thrombosis:Basic・Principles・and・C linical・Practice)」(Colman,R.W.、Hirsh ,J.、Marder,V.、Salzman,E.W.編)、219〜240 頁、J.B.Lippincott社、フィラデルフィア[1994年];Wa chtfogel,Y.T.など、Thromb.Res.、72巻:1〜21 頁[1993年])。この血漿プロテアーゼ系の関与が敗血症ショック、成人呼 吸困難症候群(ARDS)、汎発性血管内凝固症(DIC)、心肺バイパス手術 、外科手術後出血およびその他の疾患状態を含む種々の臨床的症状の発現に重要 な役割を演じていることが示唆されている(Colman,R.W.、N.En gl.J.Med.、320巻:1207〜1209頁[1989年];Bon e,R.C.、Arch.Intern.Med.、152巻:1381〜13 89頁[1992年])。 敗血症ショック 敗血症ショックは米国の集中治療病棟における、ヒトの最も通常の死因である (Parillo,J.E.など、Ann.Int.Med.、113巻:22 7〜242頁[1990年];Schmeichel,C.J.とMcCorm ick,D.、BioTechnol.、10巻:264〜267頁[1992 年])。これは通常、血流に侵入する感染症の局所的病巣によって開始される。 敗血症およびショックの発症はグラム陰性、グラム陽性いずれの細菌または真菌 微生物での感染症から起きることがある。これらの生物はすべて循環器機能障害 という共通なパターンを誘発するように思われる。近年、積極的補液点滴療法が 敗血症ショックの一次的処置法として受入れられている。補液の適当な補充は心 排出量増強および血管抵抗低下に関連がある。処置にもかかわらず、敗血症ショ ックは全身的血管抵抗の重篤な減少および一般的な血流分布不全をもたらす。積 極 的治療はショックおよび死50%の症例で逆転する。非常に低い血管抵抗に由来 する無反応の低血圧は補液点滴によっては修正できない。これら敗血症ショック による死亡例の中で、約75%が継続的低血圧で死亡し、残りは多臓器不全によ って死亡する(図1参照)。 敗血症ショックにおける心排出量増加および血管拡張は炎症媒介物質の作用に 起因する。敗血症ショック、DICおよび低血圧を招く実際の事象は解明されて はいないが、多数の生理学的系内の様々な成分の間の解明済み相互作用が図1に 示すように接触経路の活性化が敗血症ショック、多臓器不全、および死の症状を 招きうることを示唆する(Bone,R.C.、Arch.Intern.Me d.、152巻:1381〜1389頁[1992年])。内因性凝固の接触系 および補体系は敗血症および敗血症ショック、特に致死的敗血症ショックの症例 では過剰に活性化される。接触系はたとえばブラジキニン、FXIIa、FXI IfおよびC5aのように致死的ショックの病因論に一定の役割を果たすと思わ れる血管作用性媒介物質多数の発生に関与できる。ブラジキニン、FXIIaお よびFXIIfは強力な低血圧の誘発剤であるが、C5aは血管拡張および血管 透過性誘発剤である。FXII、プレカリクレインおよび高分子量キニノーゲン の水準は非致死的ショックの間には明確に低下するが、致死的敗血症ショックの 間には各々正常値の約30%、57%および27%まで激しく低下する。これら の変化は敗血症症状がグラム陽性またはグラム陰性の細菌のいずれで起きている かに関わらず観察される。接触活性化経路はフィブリン沈着および分解ならびに 好中球活性化の始動、補体の活性化および血圧の調節にも関与している。 プレカリクレイン水準の低下は肝臓疾患、DIC、慢性腎不全および腎炎症候 群においても観察される。敗血症ショックにおいてはカリクレイン−キニン系の 成分が欠乏して、この系の活性化が示唆される。これは心臓性ショックでは起き ず、カリクレイン−キニン系が敗血症ショックにおける中心的存在であることを 示唆する(Martinez−Brotons,F.など、Thromb.Ha emostas.、58巻:709〜713頁[1987年])。 ARDS ARDSは複雑な肺疾患であって米国では毎年150000人が罹患し、死亡 率50%を示す。白血球、血小板および凝固や補体の蛋白質分解経路がARDS を媒介する。ARDSは接触活性化経路の活性化およびC1阻害剤の欠乏に関与 する。敗血症誘発ARDSは外傷誘発性ARDSに比較してさらに重症のDIC およびフィブリン分解、フィブリン分解産物増加およびATIII濃度低下を招 く(Carvalho,A.C.など、J.Lab.Clin.Med.、11 2巻:270〜277頁[1988年])。 汎発性血管内凝固症 汎発性血管内凝固症(DIC)は組織損傷および微生物侵入に反応して起きる 疾患であって、フィブリンの広範な沈着およびフィブリノーゲン水準の低下によ って特徴付けられる(Muller−Berghaus,G.、Semin.T hromb.Hemostasis、15巻:58〜87頁[1989年])。 プロトロンビンおよび活性化部分トロンボプラスチン時間の延長が存在する。D ICは種々の疾患の臨床的設定において観察されている(Fruchtman, S.M.とRand,J.H.、「循環器疾患における血栓症(Thrombo sis・in・Cardiovascular・Disorders」(Fus ter,V.とVerstraete,M.編)、501〜513頁、W.B. Saunders社、フィラデルフィア[1992年])。 低血圧、DICおよび好中球活性化はすべてXIIa因子、血漿キニノーゲン およびカリクレインの相互作用によって始動する。これら3蛋白質のどれかが不 足すると血小板、他種凝固因子および内皮細胞に起因する系内での余剰によって 欝血性疾患は起きない。 敗血症ショックなど関連疾患に対しては、サイトカイン拮抗剤、Mab(エン ドトキシン、組織因子、腫瘍壊死因子(TNF)、好中球などに対する)、キニ ン拮抗剤、細菌性透過性増加蛋白質、PAF拮抗剤、C1阻害剤、DEGR−F Xa、活性化C蛋白質および他種の手法多数を含む、治療的手法多数が確認され ている。この疾患の複雑な性質のために、多くの経路に影響する薬剤または多数 の薬剤を含む手法が敗血症ショックの処置において成功するであろう可能性もあ る(Schmeichel,C.J.とMcCormick,D.、BioTe chnol.、10巻:264〜267頁[1992年])。 セリンプロテアーゼのクニッツドメイン阻害剤 TFPIに認められるクニッツ型プロテアーゼ阻害剤ドメインは、BPTI、 アルツハイマーアミロイドβ−蛋白質前駆体およびインター−α−トリプシン阻 害剤を含む他種の哺乳類蛋白質の中にも発見される(Creighton,T. E.とI.G.Charles、Cold・Spring・Harbor・Sy mp.Quant.Biol.、52巻:511〜519頁[1987年];S alvesen,G.とPizzo,S.、「止血および血栓症:基本原理と臨 床診療(Hemostasis・and・Thrombosis:Basic・ Principles・and・Clinical・Practice)」(C olman,R.W.、Hirsh,J.、Marder,V.、Salzma n,E.W.編)中、241〜258頁、J.B.Lippincott社、フ ィラデルフィア[1994年])(図2)。クニッツ型プロテアーゼ阻害剤はヒ トVI型コラーゲンのα−3鎖からも調製されている(WO93/14119参 照)。これらは多数のヘビの蛇毒中にも確認されている。最近、TF−FVII aのクニッツ阻害剤がBPTIからファージディスプレー技術を使用して調製さ れた(De・Maeyerなど、血栓症および止血抄録集、国際血栓症および止 血学会第XIV次総会、888頁、抄録番号1245[1993年])。これら 著者はKi=0.5nMを持っているTF−FVIIa変異体BPTI(T11 D、K15R、R17L、I18H、I19L、V34Y、R39LおよびK4 6E)を報告している。 クニッツドメインは一般に安定な蛋白質であって、約60残基およびジスルフ ィド結合を形成して特異的な間隔を持つシステイン6個が存在する。これらはセ リンプロテアーゼに対する低速で、強固に結合する、可逆的な阻害剤であって活 性部位に結合して、標準的機序に従って阻害することが知られている。それに続 くP1とP1’残基との間の切断はあるとしても非常に低速で起きる(Bode, W.とHuber,R.、Eur.J.Biochem.、204巻:433〜 45 1頁[1992年];Laskowski,M.,Jr.とKato,I.、A nnu.Rev.Biochem.、49巻:593〜626頁[1980年] )。セリンプロテアーゼのサブサイトとクニッツドメインの一次結合ループ(P5 −P4’)の側鎖との間には多数の相互作用が存在する(Bode,W.とHu ber,R.、Eur.J.Biochem.、204巻:433〜451頁[ 1992年];Laskowski,M.,Jr.とKato,I.、Annu .Rev.Biochem.49巻:593〜626頁[1980年])。しか しながら、P1残基と特異性ポケットとの間の相互作用はエネルギー的に最重要 であって、それ故に、一次特異性決定基を代表する(図3参照)。TF−FVI Iaおよび、たとえばFXIaおよびカリクレインのような他のトリプシン様プ ロテアーゼの基質と阻害剤とはP1残基にArgまたはLysを持つ。それ故に 、15位(P1)において、ArgもLysもどちらも一般的には好適である。 しかしながら、P1には時々メチオニンが見られ、これもセリンプロテアーゼの 良好な阻害には好適でありうる(McGrath,M.E.など、J.Biol .Chem.、266巻:6620〜6625頁[1991年])。クニッツド メインのP1位に、たとえばVal、Leu、Ileのような残基を導入すると ヒトの白血球エラスターゼ(HLE)に対する強い阻害作用および同時に野生型 阻害活性の喪失に到る(Beckmann,J.など、Eur.J.Bioch em.、176巻:675〜682頁[1988年];Sinha,S.など、 J.Biol.Chem.、266巻:21011〜21013頁[1991年 ])。天然起源アミノ酸以外の残基もクニッツドメインおよびその他関連プロテ アーゼ阻害剤ドメインに化学的合成法によって置換されている(Beckman n,J.など、Eur.J.Biochem.、176巻:675〜682頁[ 1988年];Bigler,T.L.など、Proc.Sci.、2巻:78 6〜799頁[1993年])。 クニッツドメインの結晶構造はFVIIaおよび他種セリンプロテアーゼのセ リンプロテアーゼドメインに接触させると思われる鍵となる残基を明示する(H ynes,T.R.など、Biochemistry、29巻:10018〜1 0022頁[1990年];Bode,W.とHuber,R.、Eur.J. Biochem.、204巻:433〜451頁[1992年]:Kossia koff,A.A.など、Biochem.Soc.Trans.、21巻:6 14〜618頁[1993年])。P1位にあるアミノ酸は一般にセリンプロテ アーゼ活性部位に対する阻害剤の親和性を支配する(Scott,C.F.など 、Blood、69巻:1431〜1436頁[1987年];Laskows ki,M.,Jr.とKato,I.、Annu.Rev.Biochem.、 49巻:593〜626頁[1980年];Beckmann,J.など、Eu r.J.Biochem.、176巻:675〜682頁[1988年];Si nha,S.など、J.Biol.Chem.、266巻:21011〜210 13頁[1991年])けれども、この領域外の残基も結合親和性およびセリン プロテアーゼに対する特異性に一定の役割を演じることも知られている(Kos siakoff,A.A.など、Biochem.Soc.Trans.、21 巻:614〜618頁[1993年];Roberts,B.L.など、Pro c.Natl.Acad.Sci.,USA、89巻:2429〜2433頁[ 1992年])。結合ループ内の接触残基のいくつか(11、15、17および 19位)はクニッツドメインの内部では比較的に変化可能である(Creigh ton,T.E.とI.G.Charles、Cold・Spring・Har bor・Symp.Quant.Biol.、52巻:511〜519頁[19 87年])。13位は正常にはProである。しかしながら、ここには他の残基 も時々見出される。12位は殆ど常にGlyである。何か側鎖相互作用を補充す ることに加え、Proの代わりの他の残基による置換およびその逆も結合に影響 できるかも知れない主鎖における高次構造の変化を招きうる。ジスルフィド結合 を形成する14位および38位におけるシステイン残基はクニッツドメインに常 に見出される。しかしながら、たとえばAla、Gly、SerまたはThrの ような他種残基もシステインに置換しうる(Marks,C.B.など、Sci ence、235巻:1370〜1373頁[1987年])。 APPIおよびその他のクニッツドメインにおいて、残基13と39ならびに 残基17と34は近接している(図3)(Hynes,T.R.など、Bioc hemistry、29巻:10018〜10022頁[1990年])。それ 故に、残基34および39とAPPIの一次結合ループとの潜在的相互作用がこ れらの位置が結合に影響するかどうかに注目して研究した。残基16および18 は一般にクニッツドメイン内では比較的不変である(Creighton,T. E.とI.G.Charles、Cold・Spring・Harbor・Sy mp.Quant.Biol.、52巻:511〜519頁[1987年])。 しかしながら、これらの位置における他の残基も結合を変化しうる。それ故に、 11位から19位、34、38および39位における残基はすべて結合親和性お よびセリンプロテアーゼに対する特異性に影響しうる(図3)。しかしながら、 他の残基も同様に重要である。例えば、APPIおよびBPTIは52位にメチ オニンを持つけれども、他種のクニッツドメインはこの位置に様々な残基を持つ (図2)。この位置のメチオニンはこの蛋白質の形成に関して有益であろう種々 の残基により置換できる。例えば、メチオニンは酸化されてメチオニンスルホキ シドを形成できるが、これが精製を困難にする。蛋白質は組換え的に融合蛋白質 として製造し、続いてメチオニン残基において切断するCNBrによって切断す ることができる(Auerswald,E.W.など、Biol.Chem.H oppe−Seyler、369巻:27〜35頁[1988年])。それ故、 無傷の生成物を調製するためには、目的蛋白質内の他のメチオニン残基を除去す ることが必要である。52位における置換はクニッツドメインの一次結合ループ からかなり離れているので、阻害活性に対して重要な影響を与えるとは期待され ない(図3)。 アルツハイマーアミロイドのβ−蛋白質前駆体(KPI)のクニッツプロテア ーゼ阻害ドメイン61残基は高い親和性で哺乳類セリンプロテアーゼであるトリ プシン、キモトリプシンおよびXIa因子の活性部位に結合する(Wagner ,S.L.など、Biochem.Biophys.Res.Commun.、 186巻:1138〜1145頁[1992年])。同様な結果はこのドメイン を含有する融合蛋白質でも見出されている(Sinha,S.など、J.Bio l. Chem.、266巻:21011〜21013頁[1991年])。KPIド メインもそれから誘導されてきたプロテアーゼであるネキシン−2よりも強度は 小さいけれども、FIXa活性を阻害することが証明されている(Schmai er,A.H.など、J.Clin.Invest.、92巻:2540〜25 45頁[1993年])。100μMにおけるKPIドメインは血漿中でXa因 子およびVIIa因子の両者の凝固活性を対照の2倍以上独立に阻害した。しか しながら、この阻害はKPIドメインによるXIa因子の阻害が〜0.5μMに おいてXIa因子凝固検定法での2倍の延長を示したのと比較して少なくとも2 桁弱かった。我々は(a)大腸菌のような細菌(Castro,M.など、FE BS・Lett.、267巻:207〜212頁[1990年])およびP.p astorisのような酵母内で容易に発現されること、(b)この蛋白質のX 線結晶構造が既知であること(Hynes,T.R.など、Biochemis try、29巻:10018〜10022頁[1990年])および(c)これ がヒトの配列から誘導されたものであって、治療上有用な変種に対する免疫原性 を最低にするであろうことから、APPIを手懸かりとして選択した。ヒトおよ び他種哺乳類源からの他のクニッツドメインも同様に使用しうる。 従って、この発明の目的の一つは凝固、接触活性化、フィブリン分解、炎症、 補体活性化および低血圧経路のプロテアーゼを可逆的に阻害する強力なセリンプ ロテアーゼ阻害剤をこれらの経路により影響される疾患の処置のために提供する ことである。この発明の別の目的はVIIa因子、XIa因子、カリクレインお よびプラスミンを阻害あることのできる強力な阻害剤を提供することである。こ れらに加えて、治療的処置のためにこれらの阻害剤を製造するための合成方法を 提供することも目的の一つである。これらおよび他の目的はこの出願全体を考慮 すれば明白となる。 発明の要約 本発明によって前記の諸目的が達成されることになり、従ってここにVIIa 因子、XIa因子、血漿カリクレインおよびプラスミンから選択されたセリンプ ロテアーゼを阻害することができ、構造式I: R1−Xaa11−Xaa12−Xaa13−Xaa14−Xaa15−Xaa16−Xaa1 7 −Xaa18−Xaa19−R2−Xaa34−R3−Xaa38−Xaa39−R4 (I) [ここに、 R1は天然起源アミノ酸残基5個から250個までを含有するペプチドを示す が、その中で少なくとも1残基はCであるものとする。 R2はアミノ酸残基14個を持つペプチドを示すが、その中で少なくとも1残 基はCであるものとする。 R3はトリペプチドを示す。 R4はアミノ酸残基12個から250個までを含有するペプチドを示すが、そ の中で少なくとも1残基はCであるものとする。 Xaa11はP、R、A、E、GおよびTの群から選択された天然起源アミノ酸 残基である。 Xaa12はGを示す。 Xaa13はP、L、W、V、G、F、H、Y、A、I、EおよびQの群から選 択された天然起源アミノ酸残基である。 Xaa14はC、A、S、TおよびGから選択された天然起源アミノ酸残基であ る。 Xaa15はM、RおよびKから選択された天然起源アミノ酸残基である。 Xaa16はGおよびAから選択された天然起源アミノ酸残基である。 Xaa17はM、L、I、R、YおよびSの群から選択された天然起源アミノ酸 残基である。 Xaa18はI、H、L、M、YおよびFの群から選択された天然起源アミノ酸 残基である。 Xaa19はL、R、A、KおよびIの群から選択された天然起源アミノ酸残基 である。 Xaa34はF、I、S、L、Y、WおよびVの群から選択された天然起源アミ ノ酸残基である。 Xaa38はC、A、S、TおよびGから選択された天然起源アミノ酸残基であ る。 Xaa39はY、G、W、HおよびFの群から選択された天然起源アミノ酸残基 である。 但しここに、R1はX1DICKLPKD(配列番号1) [ここに、X1はHまたはアミノ酸残基1個から5個までである] ではなく、さらに Xaa11からXaa19までは PGFAKAIIR(配列番号2)、 TGLCKAYIR(配列番号3)、 TGLCKARIR(配列番号4)または AGAAKALLA(配列番号5) ではないものとする。] で示されるアミノ酸配列を持つ精製ポリペプチドを含む物体が提供される。 式Iで示される好適なポリペプチドは組織因子−VIIa因子に関して見掛け の解離定数(Ki*)約100nM以下、より好ましくは10nM以下、さらに、 最も好ましくは3nMまたはそれ以下を持つ。要すれば、この好適なポリペプチ ドはXIa因子およびカリクレインの両方に関しても見掛けの解離定数(Ki*) 約10nM以下、さらに最も好ましくは2nMまたはそれ以下を持つ。TF−F VIIa、FXIaおよびカリクレインの三者全ての強力な阻害剤である式Iで 示されるポリペプチドは、好ましくはXaa18−Xaa19としてI−Lを持つ。 要すれば、この好適なポリペプチドはTF−FVIIaを特異的に阻害し、XI a因子およびカリクレインの双方に関する見掛けの解離定数(Ki*)約50nM 以上、さらに最も好ましくは約80nM以上を持つ。TF−FVIIaの特異的 な強力な阻害剤である式Iで示されるポリペプチドは好ましくはXaa18−Xa a19としてM−K/Rを持つ。 構造式Iで示される好適なポリペプチドは約58アミノ酸残基を含み、ここに R1は10残基ペプチドであり、R2は14残基ペプチドであり、R3はトリペプ チドであり、R4は19残基ペプチドであって、ここでは残基5、14、30、 38、51および55はCであるものとする。また、好ましくは、残基12およ び37はGであり。残基33および45はFであり、残基35はYであり、残基 43はNである。 構造式Iで示されるポリペプチドの好適例は次の通りである: R1は次の群から選択する: VREVCSEQAE(配列番号6)、 MHSFCAFKAD(配列番号7)、 KPDFCFLEED(配列番号8)、 GPSWCLTPAD(配列番号9)、 KEDSCQLGYS(配列番号10)、 TVAACNLPIV(配列番号11)、 LPNVCAFPME(配列番号12)および RPDFCLEPPY(配列番号13)。 R2は次の群から選択する: RWYFDVTEGKCAPF(配列番号14)、 RFFFNIFTRQCEEF(配列番号15)、 RYFYNNQTKQCERF(配列番号16)、 RFYYNSVIGKCRPF(配列番号17)、 RYFYNGTSMACETF(配列番号18)、 LWAFDAVKGKCVLF(配列番号19)、 KWYYDPNTKSCARF(配列番号20)、 RWFFNFETGECELF(配列番号21)および RYFYNAKAGLCQTF(配列番号22)。 R3は次の群から選択する: YGGおよびYSG。 R4は次の群から選択する: GNRNNFDTEEYCAAVCGSA(配列番号23)、 GNRNNFDTEEYCMAVCGSA(配列番号24)、 GNQNRFESLEECKKMCTRD(配列番号25)、 GNMNNFETLEECKNICEDG(配列番号26)、 GNENNFTSKQECLRACKKG(配列番号27)、 GNGNNFVTEKECLQTCRTV(配列番号28)、 GNGNKFYSEKECREYCGVP(配列番号29)、 GNENKFGSQKECEKVCAPV(配列番号30)、 GNSNNFLRKEKCEKFCKFT(配列番号31)および AKRNNFKSAEDCMRTCGGA(配列番号32)。 Xaa11はPである。 Xaa12はGである。 Xaa13はP、V、LおよびWの群から選択する。 Xaa14はCである。 Xaa15はRまたはKである。 Xaa16はAである。 Xaa17はMまたはLである。 Xaa18はMまたはIである。 Xaa19はL、KまたはRである。 Xaa34はF、V、IまたはYである。 Xaa38はCである。 Xaa39はY、G、またはHである。 さらに好適な態様において、式: R1−Xaa11−Xaa12−Xaa13−Xaa14−Xaa15−Xaa16−Xaa1 7 −Xaa18−Xaa19−R2−Xaa34−R3−Xaa38−Xaa39−R4 [ここに、いずれの場合も R1は配列:VREVCSEQAE(配列番号6)を持つ。 R2は配列:RWYFDVTEGKCAPF(配列番号14)を持つ。 R3は配列YGGを持つ。 R4は配列:GNRNNFDTEEYCAAVCGSA(配列番号23)また はGNRNNFDTEEYCMAVCGSA(配列番号24)を持つ。] で示される配列のポリペプチドは特に好適である。それ故、次の呼称と構造式と を持つポリペプチドは好適である: I−18 R1PGVCRALILR2FR3CGR4(配列番号43) I−49 R1PGWCRALILR2FR3CGR4(配列番号44) I−14 R1PGFCRALILR2FR3CGR4(配列番号45) I−16 R1GGWCRALILR2FR3CGR4(配列番号46) [ここに、R4は配列番号24で示される配列である]および II−4 R1PGPCRAMISR2FR3CYR4(配列番号47) II−3 R1PGWCRAMISR2IR3CGR4(配列番号48) II−6 R1PGPCKAMISR2IR3CWR4(配列番号49) III−27 R1TGPCRALISR2WR3CGR4(配列番号50) III−30 R1TGPCRALISR2YR3CGR4(配列番号51) TF71−VY R1PGVCRALILR2FR3CYR4(配列番号52) TF71−LY R1PGLCRALILR2FR3CYR4(配列番号53) TF71−WY R1PGWCRALILR2FR3CYR4(配列番号54) TF71−PG R1PGPCRALILR2FR3CGR4(配列番号55) IV−47C R1PGPCRAMMKR2IR3CHR4(配列番号56) IV−54C R1PGPCRALMKR2VR3CYR4(配列番号57) IV−31B R1PGPCRALMKR2VR3CFR4(配列番号58) IV−49C R1PGPCRAMMKR2IR3CYR4(配列番号59) IV−50C R1PGPCRAMYKR2IR3CYR4(配列番号60) IV−57C R1PGVCRAMMKR2IR3CGR4(配列番号61) IV−51C R1PGPCKALMRR2YR3CYR4(配列番号62) IV−35B R1PGPCKAIMKR2IR3CHR4(配列番号63) IV−58C R1PGPCKALMKR2YR3CHR4(配列番号64) IV−48C R1PGPCKALMKR2WR3CWR4(配列番号65) IV−46C R1PGPCKAMIKR2LR3CYR4(配列番号66) IV−55C R1PGPCKALMKR2FR3CYR4(配列番号67) IV−32B R1PGPCKALMKR2YR3CYR4(配列番号68) IV−36B R1PGPCKALMKR2VR3CYR4(配列番号69) IV−40B R1PGACKAMYKR2IR3CGR4(配列番号70) 53b R1PGPGRALILR2FR3AYR4(配列番号71) TF71−C R1PGPCRALILR2FR3CYR4(配列番号72) [ここに、R4は配列番号23で示される配列である]。しかしながら前記の通 り本発明に従えば、R1はアミノ酸残基5個から250個を持ついかなるペプチ ドであることもできるが、ここでは少なくとも残基1個がCである。特定的態様 ではR1は(配列番号6)、(配列番号7)、(配列番号8)、(配列番号9) 、(配列番号10)、(配列番号11)、(配列番号12)または(配列番号1 3)から構成される群から選択される。R2はアミノ酸14個を持ついかなるペ プチドであることもできるが、ここでは少なくとも残基1個がCである。特定的 な態様では、R2は(配列番号14)、(配列番号15)、(配列番号16)、 (配列番号17)、(配列番号18)、(配列番号19)、(配列番号20)、 (配列番号21)、(配列番号22)から構成される群から選択される。R3は トリペプチドであって、特にYGGまたはYSGから構成される群から選択され る。R4はアミノ酸残基12個から250個を持ついかなるペプチドであること もできるが、ここでは少なくとも残基1個がCである。特定的な態様ではR4は (配列番号23)、(配列番号24)、(配列番号25)、(配列番号26)、 (配列番号27)、(配列番号28)、(配列番号29)、(配列番号30)、 (配列番号31)、(配列番号32)から構成される群から選択される。 本発明では前記の変化に加えて、APPIの残基20、44および46に対応 する残基が修正されたポリペプチドも意図されている。本発明のこの側面に従え ば、このポリペプチドと凝固カスケードの特定のセリンプロテアーゼとの間の好 ましい相互作用を促進するアミノ酸置換も意図されている。本発明のこの側面に 従えば、R2の第一アミノ酸残基と均等な残基20が修飾される。本発明のこの 側面に従えば、好ましくはAPPIの位置20におけるアミノ酸はA、V、S、 T、N、Q、D、E、LまたはIに修正される。それ故に、R2の第一アミノ酸 がXaa20で表され、ここにXaa20がA、V、S、T、N、Q、D、E、Lお よびIから構成される群から選択したものが好適である。 本発明のこの側面に従えば、R4の第5および第7残基に相当するAPPIの 残基44および46が修飾されてポリペプチドと、たとえば組織因子−VIIa 因子複合体のような凝固カスケードの特定のセリンプロテアーゼとの間の望まし い相互作用を促進する。それ故に、Xaa44とXaa46とで示される44位およ び46位が各々そのポリペプチドと組織因子−VIIa因子との間の望ましい相 互作用を促進するように修飾されているポリペプチドが好適である。Xaa46に おける例示的残基にはDまたはEを包含する。他の置換基は本出願の教示を基に すれば、当業者には明白となろう。得られるポリペプチドは組織因子−VIIa 因子に関して見掛けのKi*が約100nM以下、より好ましくは10nM以下、 および最も好ましくは3nMまたはそれ以下になる。要すれば、このポリペプチ ドはXIa因子およびカリクレインの両者に関して見掛けのKi*が約10nM以 下、より好ましくは2nMまたはそれ以下である。 さらに別の態様では、本発明は構造式Iで示されるポリペプチドを含む物体の 蛋白質成分をコードする分離された核酸、好ましくはDNA、を含む物体も包含 する。本発明はさらにこのDNA分子に作動可能に連結している発現制御配列、 発現ベクター、好ましくはDNA分子を含むプラスミドであって、制御配列がそ のベクターで形質転換された宿主細胞によって認識されるもの、およびこのベク ターで形質転換された宿主細胞も包含する。 本発明の好適な発現ベクターはpBR322、phGH1、pBO475、p RIT5、pRIT2T、pKK233−2、pDR540およびpPL−ラム ダから選択しうるが、最も好適なベクターはpSAlz1である。 本発明の発現ベクターを含有する好適な宿主細胞は、大腸菌K12の294株 (ATCC31466)、大腸菌JM101株、大腸菌B株、大腸菌X1776 株(ATCC31537)、大腸菌c600株、大腸菌W3110株(F−、ガ ンマー、原栄養株、ATCC27325)、枯草菌、サルモネラ・チフィムリウ ム菌およびセラチア・マルセッセンス菌およびシュードモナスの種から選択しう るが最も好適な宿主細胞は大腸菌W3110株(ATCC27325)または、 たとえばプロテアーゼ欠失株27C7のようにそれから誘導された菌である。 本発明の物体は前記アミノ酸配列のいずれかをコードする核酸配列を分離また は合成する段階、その核酸配列を適切な宿主中でその核酸配列を発現できる適当 な発現ベクター中に結合する段階、その核酸配列を結合した発現ベクターでその 宿主を形質転換する段階、その核酸配列の発現に適する条件下に宿主を培養し、 それによって選択した核酸配列がコードする蛋白質を宿主により発現する段階を 包含する工程によって製造しうる。この工程において、結合段階ではさらに、核 酸が適当な分泌シグナルに作動可能に連結して宿主がアミノ酸配列を分泌するよ う、核酸を適当な発現ベクター中に結合することも意図しうる。分泌シグナルは stII、lamB、ヘルペスgD、lpp、アルカリホスファターゼ、インベ ルターゼおよびα因子から構成される群から選択しうるが、好ましくはstII である。 本発明はさらに本文に記載した物体の治療的応用にも展開する。かくして本発 明は医薬的に許容される添加剤および精製された式Iで示されるアミノ酸配列を 含有する医薬的組成物を包含する。 これらの応用は、例えば、哺乳類に医薬的有効量の医薬的物体を投与すること からなる哺乳類で血栓形成を阻害する方法を包含する。医薬的有効量は約0.0 01nMおよび1.0mMとの間でありうるが、好ましくは約0.1nMと10 0μMとの間、最も好ましくは約1.0nMと50μMとの間である。これに加 えて、医薬的物体は、たとえば組織プラスミノーゲン活性化剤、ストレプトキナ ーゼ、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼおよびこれらの修飾体のようなフィブリ ン溶解剤または血栓溶解剤の投与前、後または同時に投与しうる。あるいは医薬 的物体は抗凝固剤と組合せても投与しうる。 これに加えて、他の応用は、例えば、本医薬的物体の医薬的有効量を哺乳類に 投与することからなるVIIa因子、XIa因子、血漿カリクレインまたはプラ スミンの阻害が指示される哺乳類の処置法を包含する。このような徴候には、炎 症、敗血症ショック、低血圧、ARDS、DIC、心肺バイパス手術、および外 科手術後の出血が含まれる。 図面の簡単な説明 図1.凝固、接触、フィブリン溶解、炎症および補体の各経路を制御する酵素 および媒介物質の代表的なものの図式的概要。これら経路の活性化が記載の臨床 的症状を招くことになる。 図2.哺乳類源からのクニッツドメインの配列列記。列記したものは本文記載 のTF71−C(残基1〜58)(配列番号33)、APPI(残基1〜58) (配列番号34);ヒトのアルツハイマー病アミロイドβ−前駆体残基287〜 344(Castro,M.など、FEBS・Lett.、267巻:207〜 212頁[1990年]);各々ヒトTFPIからのTFPI−KDI(残基2 2〜79)(配列番号35)、TFPI−KD2(残基93〜150)(配列番 号36)およびTFPI−KD3(残基185〜242)(配列番号37)(B roze・Jr.G.J.など、Biochemistry、29巻:7539 〜7546[1990年]);各々ヒトのインター−α−トリプシン阻害剤のI TI−KD1およびITI−KD2(残基22〜79および78〜135)(配 列番号38および39)(Vetr,H.など、FEBS・Lett.、245 巻:137〜140頁[1989年]);コラーゲンα3(VI)鎖前駆体のコ ラーゲンα3(VI)(残基2899〜2956)(配列番号40)(Chuな ど、EMBO・J.、9巻:385〜393頁[1990年]);ヒトのクニッ ツ型プロテアーゼ阻害剤HKIB9のHKIB9(7〜60)(配列番号41) (Norris,K.、Genbankデータベース中(1993年12月31 日、リリース39.0)、サブミット1994年1月19日;ウシ塩基性膵トリ プシン阻害剤アプロチニンのBPTI(1〜58)(配列番号42)(Crei ghton,T.E.およびCharles,I.G.、Cold・Sprin g・Harbor・Symp.Quant.Biol.、52巻:511〜51 9頁[1987年])である。非変異残基のモチーフを比較した。 図3.APPIおよびその他のクニッツドメインの模型。番号はAPPIその 他のクニッツドメインにある残基を示し、残基15はP1残基に相当する。影付 きの部分はAPPIおよびその他のクニッツドメインの一次(残基11〜19) および二次(残基34〜39)結合ループを示す。 図4.クニッツドメイン変異体の配列および見掛けの平衡解離定数。APPI におけるものに対応するアミノ酸位置を表示した。 図5.TF7IおよびAPPIとTF−FVIIaに関する見掛けの平衡解離 定数の測定。阻害活性は様々な阻害剤濃度における比活性(阻害された速度/阻 害されていない速度)として表現した。この測定のために、FVIIaおよびT F1〜243濃度は各々10nMおよび50nMであった。見掛けの平衡解離定数は 等式1を使用してデータの非線形回帰分析によって決定し、Ki*値としてTF7 I−C(●)には2.1nM、APPI(○)には300nMを得た。曲線は算 出したKi*に対するデータの等式1への最適適合を表す。データはTF7I−C では9回、APPIでは7回の独立した測定を代表する。1:1化学量論的阻害 に対する比活性を破線で表示した。 図6.PT検定による正常ヒト血漿中での凝血時間延長。TF7I−C(●) およびAPPI(○)の濃度をTF膜での始動による凝血時間延長倍数に対して プロットする。非阻害凝血時間は31秒であった。 図7 APTT検定による正常ヒト血漿中での凝血時間の延長。TF7I−C (●)およびAPPI(○)の濃度をエラジン酸での始動による凝血時間延長倍 数に対してプロットする。非阻害凝血時間は31秒であった。 発明の詳細な説明 A.定義 請求項および明細書に使用する用語は特段の指摘がない限り次に記載する通り に定義する。 本文で使用する用語「アミノ酸またはアミノ酸残基」は特段の指摘がない限り 天然起源のL−α−アミノ酸または残基である。アミノ酸について通常に使用す る1字および3字の略号をここでは使用する(Lehninger,A.L.、 Biochemistry、2版、71〜92頁、Worth出版社、N.Y. [1975年])。 変異体または変種を示す時に、野生型アミノ酸残基に続けて残基番号および新 または置換アミノ酸残基を記載する。例えば、11位の野生型TをPで置換する 時にはT11Pと称する。 P1残基はSchechterおよびBergerが定義したように、基質ま たは阻害剤の切断可能なペプチド結合の前の位置を示す(Schechter, I.およびBerger,A.、Biochem.Biophys.Res.C ommun.、27巻:157〜162頁[1967年])。 「発現ベクター」は適当な宿主中でDNAがコードする蛋白質の発現を起こす ことができる適当な制御配列に作動可能に結合するDNA配列を含むDNA構築 物を示す。かかる制御配列は一般に転写を起こすプロモーター、要すれば転写を 制御するオペレーター配列、適当なmRNAリボソーム結合部位をコードする配 列、および転写および翻訳の終止を制御する配列を含有する。このベクターはプ ラスミド、ファージ粒子または「ファージミド」または単に潜在的可能性のある ゲノム挿入物でありうる。 適当な宿主中に形質転換されると、このベクターは宿主のゲノムとは独立に複 製されて機能するか、または、ある場合には、ゲノム自体の中に組み込まれる。 現在プラスミドは最も通常にはベクターの形で使用されるので、この明細書では 「プラスミド」、「ベクター」および「ファージミド」は場合により互換的に使 用する。しかしながら、本発明は均等な機能を果たすことが当該技術分野で公知 であるか公知となる別型の発現ベクターも包含することを意図している。 DNAまたはポリペプチド配列2個の間の関連で記載する時、「作動可能に連 結」は、単にそれらが互いに機能的に関連していることを意味する。例えば、も しもシグナル配列として機能し、多分シグナル配列の切断を含む成熟型蛋白質の 分泌に参画しているなら、ある前駆配列はペプチドに作動可能に連結している。 もしもその配列の転写を制御するなら、プロモーターはコード配列に作動可能に 連結している。もしも転写させるように位置しているなら、リボソーム結合部位 は作動可能にコード配列に作動可能に連結している。 本文中で使用する略号は次の通りである。TF:組織因子。FVIIa:VI Ia因子。TFPI:組織因子経路阻害剤。ATIII:アンチトロンビンII I。FXa:Xa因子。FXIa:XIa因子。FXIIa:XIIa因子。A PPI:アルツハイマー病アミロイドβ−蛋白質前駆体阻害剤。T1〜243:残基 1〜243を含有する大腸菌誘導組換えヒト組織因子。BPTI:塩基性膵トリ プシン阻害剤。Ki*:見掛けの平衡解離定数。CHAPS:3−[(3−コラミ ドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸塩。PBS:燐酸 緩衝生理食塩水。BSA:ウシ血清アルブミン。HPLC:高速液体クロマトグ ラフィー。PT:プロトロンビン時間。APTT:活性化部分トロンボプラスチ ン時間。B.発見および好適な態様 本発明者はクニッツドメインセリンプロテアーゼ阻害剤の一次および二次結合 ループ内および周囲にある鍵となるあるアミノ酸位置における置換が組織因子− FVIIa複合体に対する阻害剤の力価を劇的に改善できることを発見した。そ れ故、本発明はこれら変異クニッツドメインセリンプロテアーゼ阻害剤1個また はそれ以上を含有するポリペプチドを提供する。本発明に従って、APPIおよ びその他のクニッツドメイン蛋白質の特定のアミノ酸残基を変化させて新規セリ ンプロテアーゼ阻害剤を提供ある。このクニッツドメイン変異体は多数の蛋白質 のいずれかの一部を含有して、凝固カスケードの組織因子−FVIIaならびに その他のセリンプロテアーゼを阻害できる蛋白質を提供できる。例えば、本発明 のクニッツドメイン変異体はクニッツドメインを持つことが公知の他の蛋白質の クニッツドメインを置換し組織因子−FVIIaならびに凝固カスケードにおけ るその他のセリンプロテアーゼを阻害できる新規ポリペプチドを提供できる。 本発明に従って、残基11〜19、34および38〜39が実施例1に記載の ようにしてクンケル変異によって変換された。変異体を次にTF−FVIIaと 他の数種のセリンプロテアーゼとを阻害する性能について検定した。最善のTF −FVIIaクニッツドメイン阻害剤は15位におけるArgおよびLysに強 い優先性を示した。しかしながら、15位にMetを持つ蛋白質も阻害剤であっ た。予期の通り、12位のGlyおよび16位のAlaは最良の阻害剤を与えた (図4参照)。Glyは殆ど常にクニッツドメインの残基12に見出される(C reighton,T.E.とI.G.Charles、Cold・Sprin g・Harbor・Symp.Quant.Biol.、52巻:511〜51 9頁[1987年])。クニッツドメインの16位で通常GlyまたはAlaで ある(Creighton,T.E.とI.G.Charles、Cold・S pring・Harbor・Symp.Quant.Biol.、52巻:51 1〜519頁[1987年])。これに加え、14位および38位にCysを維 持することで一般により良好な阻害剤に到るが、この要件は絶対的ではない。 結合ループ内の他の位置における最好適な残基は11位におけるPro、17 位におけるLeuおよびMet、18位におけるMetおよびIleおよび19 位におけるLeuおよびLysであった。しかしながら、TF−FVIIaの阻 害は11位にArg、Ala、Glu、GlyまたはThr、17位にIle、 Arg、TyrまたはSer、18位にLeu、Tyr、HisまたはPhe、 および19位にArg、AlaまたはIleがクニッツドメインに導入された時 にも観察された。34位ではVal、IleおよびTyrを含む多数の残基が最 も好適である。ここでは他の残基はLeu、Phe、TrpおよびSerを包含 していた。互いに近接する13位および39位にする残基も(Hynes,T. R.など、Biochemistry、29巻:10081〜10022頁[1 990年])(図3参照)TF−FVIIa阻害活性に影響した。39位におけ る最適切な残基にはGlyおよびTyrが包含されていた。Trp、Pheおよ びHisも好適であった。Glyが39位に存在する時は、13位の残基はTF −FVIIa阻害に対して明瞭な効果を持っていた。13位における親水性の嵩 高なアミノ酸はこの位置ではProよりも4倍強力であった。Tyrが39位に 存在する時には、最も強力な阻害剤(Ki*=2〜3nM)が発見され、13位の 残基は結合親和性には殆ど差を示さなかった。それ故、TF−FVIIaの強力 な阻害に関しては13位および39位のどちらかまたは双方における親水性残基 が好適である。これら望ましい相互作用の除去は強度の低下した阻害剤に到る。 図4に掲載した阻害剤数種はFXa不在下にTF−FVIIaを強力に阻害す ることのできるクニッツドメイン阻害剤を代表する。例えば、TF7I−C変種 は野生型APPIと比較して主要アミノ酸4個が相違し(T11P、M17L、 S19LおよびG39Y)、TF−FVIIa複合体に対する親和性は150倍 よりも大きい増加に到った。BPTIは最近TF−FVIIa活性を競合的に阻 害することが証明されたが、その親和性は比較的に弱い(Ki=30nM)(C habbat,J.など、Thromb.Res.、71巻:205〜215頁 [1993年])。これに加えて、TFPIの一次クニッツドメイン自体はKi* 約600nMを持ち、TF−FVIIaを阻害しない。 TF−FVIIaに関してAPPIと比べてTF7I−Cの強い親和性はプロ トロンビン時間検定における凝血時間延長性能に反映している(図6)。40μ MではAPPIは殆ど影響がない(1.5倍延長)が、TF7I−CはTF膜で 始動する凝血時間を3.5倍に延長した。BPTIは最近TF誘発凝固を阻害す ることが証明された。しかしながらPT検定法で凝血時間を1.4倍に延長する には約75μMが必要であった(van・de・Besselaar,A.M. H.P.など、Thromb.Haemostas.、69巻:298〜299 頁[1993年])。 興味深いことに、TF−FVIIaに対する結合親和性増加に到った阻害剤の 多くはFXIaおよびカリクレインの強力な阻害剤を与えた。これはFVIIa とFXIaとの活性部位がある程度似ていることを暗示しているが、このことは FIXが両プロテアーゼの基質であることから、それ程驚くべきことではなかろ う。APPIはFXIaの強力な阻害剤である(Wagner,S.L.など、 Biochem.Biophys.Res.Commun.、186巻:113 8〜1145頁[1992年])。カリクレインの阻害は予期できなかったが、 カリクレインの活性部位も類似しているかも知れないことを示唆する。これとは 対照的に、例えばTF7I−Cはトロンビン、XIIa因子または活性化C蛋白 質(Ki*>10μM)を阻害せず、FXa(Ki*=90nM)およびプラスミン (Ki*=40±6nM)の阻害はごく弱かった。TF7I−Cは内因性凝固経路 を測定するAPTT検定では凝血時間延長ではAPPIよりもはるかに有効であ る(図7)。これはFXIaおよびカリクレインがAPPIよりTF7I−Cに 強く阻害されることと一致する。血漿検定における凝血時間延長には試験管内で の強力な阻害に必要な条件と比較してさらに高い阻害剤濃度(>100Ki*)が 必要である。可能性ある説明には試験管内凝血検定において提供される結合条件 が最適でないこと、プロテアーゼ阻害の溶液対膜結合、阻害の機構、および他種 セリンプロテアーゼとの交差反応性が含まれる。 一方、図4の阻害剤数種はFXIaおよびカリクレインに対するKi*>100 nMを持ちつつTF−FVIIaを特異的に阻害するに到った。これら阻害剤で は一般に19位にLysおよび18位にMetが存在する。19位では、Lys またはArgがTF−FVIIaの特異的阻害のためには好適である。FXIa およびカリクレインを阻害する性能は低下しているが、なおTF−FVIIaの 強力な阻害剤である(図4参照)。 本発明に従い、APPIの残基20および46ならびに残基44は、一次結合 ループにおける推測上の接触残基(残基11〜19)および二次結合ループにお ける推測上の接触残基(残基34、38および39)(図2参照)に加えて、主 要な鍵となる残基であると確認された。クニッツドメインに関するセリンプロテ アーゼのX線結晶構造から誘導された情報に加えて、トリプシンとFVIIaの セリンプロテアーゼドメインとのアミノ酸配列を並列してFVIIaとAPPI との間の潜在的可能性ある相互作用を比較研究できる。FVIIaにおける可変 領域2(残基59〜62、キモトリプシノーゲン番号系、例えばGeer,J. (1990年)、Proteins、7巻:317〜334頁参照)はトリプシ ン中における3個のみと比較して8個を含有する。どの理論に限定される訳では ないが、これは、この表面ループが結合したクニッツドメインに接触させるもの でありうる。FVIIaにおいて、このループの59b残基はLysであり、こ れがどの理論に限定されるものでもないが、APPIにおけるArg20残基と 立体的にオーバーラップするかもしれない。これは望ましくない相互作用である (立体的と静電気的との両方で)。APPI結晶構造では表面残基Arg20は おそらくAPPIにおける他の側鎖の詰込みのため殊に明確に決っており、どの 理論に限定されるものではないが、FVIIaにおけるLys59bとの衝突を 避ける回転が不可能であることを示唆する。対照的に、依拠する理論はないので あるが、FVIIaの残基59bはおそらく自由に回転でき、APPIのAsp 46またはAPPIの18位の適当な残基と望ましい接触をするかもしれない。 これに加えて、APPIの18位はFVIIa(Lys59b)およびAPPI (Arg20)に近く、これらの結合相互作用において一定の役割を演じうる。 これらの観察を基に、APPIのクニッツドメインの残基20および44、お よび46ならびに本文中に記載するポリペプチドを改変した。本発明のこの側面 に従って、Arg20はAla、Val、Ser、Thr、Asn、Gln、A sp、Glu、LeuまたはIleに改変しうる。残基46ではいかなる水素結 合受容体もAspに置換しうる。態様の一つではAspまたはGluが46位に 存在する。44位ならびに20位および46位における残基、ならびに一次およ び二次結合ループの残基はすべてクニッツドメイン蛋白質と組織因子−VIIa 因子複合体との間の望ましい相互作用の促進を志向する。そのような望ましい相 互作用は本文中に記載する組織因子−VIIa因子に関する見掛けのKi*を測定 する検定法に従って評価できる。C.有用性 前記のように、ヒトの病気の多くが特性としては過凝固症状に関連し、血管内 血栓および塞栓を導く(「循環器疾患における血栓症(Thrombosis・ in・Cardiovascular・Diseases)」(Fuster, V.とVerstraete,M.編)、W.B.Saunders社、フィラ デルフィア[1992年])。これらは静脈炎、梗塞、および発作を招く医学的 病的状態および肺臓および心臓塞栓からの死亡の主要な原因である。このような 患者の大多数は先行危険因子を持たず、判明した原因なしに血管血栓静脈炎およ び後続する肺塞栓を発症する。静脈血栓を形成する他の患者はこれらの症候群に 素因のあることが知られている基礎疾患を持つ。 これら患者のある者では、たとえばアンチトロンビンIIIのように正常なら 過凝固性を阻止する因子に遺伝的または後天的不全がある。他の者は血管流に、 たとえば腫瘍塊のような機械的閉塞があり、流量低下状態および血栓症に到る。 悪性腫瘍の患者では理由不明確の血栓現象が高率で起きる。この状態での、現在 入手可能な薬剤による抗血栓療法は危険であり、また、しばしば無効である。 アテローム状動脈硬化症の患者には様々な理由から動脈血栓塞栓現象の素因が ある。アテローム状動脈硬化斑は血小板栓および血栓の病巣を形成し、血管狭窄 および閉塞を招き、心筋および脳虚血疾患を起こす。分離して循環に放出された 血栓は、特に脳、四肢、心臓および腎臓など種々の器官に梗塞を起こす。心筋梗 塞の後、弱く、機能の劣った心室内に血餅が生じて循環に放出されて塞栓を起こ す。心房細動の患者は全て発作の危険が大で、抗血栓療法を必要とするものと感 じられる。 これに加え、急性心筋梗塞の血栓溶解療法は多くの患者について確立された処 置になってきた(Collen,D.とStump,D.、Ann.Rev.M ed.、39巻:405〜423頁[1988年])。しかしながら、現在入手 可能な血栓溶解剤は患者全部に有効なのではなく、再閉塞、再潅流への抵抗、正 常な冠状動脈流達成に到る長時間などの徴候が現れる。 たとえば人工器官の合成心臓弁または股関節置換または体外潅流装置のような 人工的表面を血液が流れる患者には血小板栓、血栓および塞栓の発症の危険があ る。人工心臓弁を持つ患者に慢性的に抗凝固療法を行うのは標準的処置である。 このように、癌、アテローム状動脈硬化症、冠状動脈疾患(PTCA、CAB G、ポストMIなど)、不安定狭心症、人工心臓弁、および一過性虚血発作、心 房細動、深部静脈血栓症、静脈炎または肺臓塞栓の発作病歴を持つ患者の大多数 は限定的または慢性抗血栓療法の対象である。しかしながら、この療法はしばし ば無効であるか、それ自身として病的状態である。この原因は部分的には入手可 能な治療薬の数が少ないことである。アスピリンのような抗血小板剤は血小板の シクロオキシゲナーゼー誘発活性化のみを阻害し、しばしば治療用には不適当で ある。入手可能な抗凝固剤にはヘパリンおよびワルファリンを含むが、これらは 必ずしも有効ではなく、しばしば出血の危険増加の副作用およびこれらの療法監 視に関連する問題を伴う。 フィブリノーゲンからのフィブリン形成を有効に阻害する薬剤は、それ故、過 凝固状態が特徴である疾患の大部分の患者への治療的処置には殊に有用である。 しかしながら、一般的に血栓塞栓および炎症疾患の管理において、本発明の化 合物は医薬的に許容される注射投与用添加剤とともに組成物として、または経口 投与用の、たとえば錠剤、カプセル剤またはエリキシール剤のような混合物中で 利用される。本発明の化合物を用いる処置が必要な動物には最適な効果を提供す るであろう用量を投与できる。用量および投与方法は動物ごとに異なり、体重、 食餌、同時的医療およびその他医学関係者なら認識すべき因子に依存する。 血液凝固の制御への手法には現在使用されている非特異的阻害剤ワルファリン およびヘパリンから、たとえばトロンビンまたはFXa阻害剤のような選択性の ある阻害剤に到る多数が存在する。外因性または内因性経路による凝固を始動ま たは関与できるので、FVIIa、FXIaおよび血漿カリクレインは血液凝固 の制御用の他の標的を代表する。これらチモーゲンは血漿中にプロトロンビンよ りも低濃度で存在し、それらの止血に対する効果はかなり増幅される。このよう に非阻害酵素はこのカスケードのさらなる活性化に寄与するので、これら酵素の 阻害剤は非常に強力でなけらばならない。現用の抗凝固剤療法(ヘパリン、ワル ファリン)は非特異的阻害剤である。特異的阻害剤は、たとえば出血のような副 作用に関して有利でありうる。一方、数種のプロテアーゼの共同的阻害はある種 の徴候に対して望ましいと思われる。凝固の制御と病気との関係は非常に錯綜し た過程である。 カスケードを始動する(図1参照)と思われるので(Broze・Jr.,G .J.など、Biochemistry、29巻:7539〜7546頁[19 90年];Broze・Jr.,G.J.、Semin.Hematol.、2 9 巻:159〜169頁[1992年])、TF−FVIIaは凝固過程での臨床 的処理への適切な標的である。こうしてFVIIa、FXIaおよび/または血 漿カリクレインの本文記載の薬剤による阻害は種々の血栓疾患における臨床的処 置の一つの手法を代表する。こうして本文記載の薬剤は血栓症の処置において有 用である。さらに特定的には、本阻害剤は血栓症、不安定狭心症、深部血管血栓 症、股関節置換、冠状動脈バイパス移植、経皮管腔経由冠状動脈血管形成術、肺 塞栓、敗血症ショックおよびDICのためのアジュバント療法として特に有用で ある。 本文記載の薬剤はまた接触経路または好中球の活性化における処理を指示すべ き疾患(たとえば、炎症、凝固、フィブリン分解および補体活性化)の処置にも 有用である。より特定的には本阻害剤はFXIa、カリクレイン、FXIIa、 FXaおよびHLE、補体の阻害を指示すべき疾患(図1参照)、たとえば敗血 症または敗血症ショック、炎症、ARDS、DIC、低血圧、心肺バイパス手術 の処置および外科手術後の出血の処置には特に有用である。 本文記載の薬剤は急性的または慢性的治療を要する臨床的状況において有用で ありうる。急性的治療を指示すべきものは慢性的治療を指示すべきものより好適 であると予想される。外来蛋白質またはヒト変異体蛋白質の医薬的使用は免疫原 的でありうる。しかしながら、外来蛋白質は急性の徴候を処置するためには使用 される。このような蛋白質の一例はストレプトコッカス由来の蛋白質で、フィブ リン分解剤として作用し、急性心筋梗塞の処置に使用されるストレプトキナーゼ である。本文記載の薬剤は免疫反応を誘導するかもしれない。しかしながら、た とえばBPTIのような関連する外来蛋白質はヒトで臨床的に使用されており、 重症な免疫反応を誘導するとは予想されていない。本文記載の薬剤へのポリエチ レングリコール(PEG)の共有結合的付加は免疫原性および毒性を低下させ、 他種蛋白質について観察されているように(Katre,N.V.、J.Imm unol.、144巻:209〜213頁[1990年];Poznansky ,M.J.など、FEB、239巻:18〜22頁[1988年];Abuch owski,A.など、J.Biol.Chem.、252巻:3582〜35 8 6頁[1977年])、半減期を延長することもありうる。D.製造方法 化学合成 式Iで示されるクニッツドメインポリペプチドの製造法の一つはこの蛋白質の 化学合成および、それに続く野生型高次構造、即ち、正しいジスルフィド結合を 得るのに適切な酸化条件下の処理を含む。これは当業者に公知の方法論を使用し て達成される(Kelly,R.F.とWinkler,M.E.、「遺伝子工 学・原理および方法(Genetic・Engineering・Princi ples・and・Methods)」、(Setlow,J.K.編)中、P lenum・Press社、N.Y.、12巻:1〜19頁[1990年];S tewart,J.M.とYoung,J.D.、「固相ペプチド合成(Sol id・Phase・Peptide・Synthesis)」、Pierce・ Chemical社、ロックフォード、IL[1984年]参照)。 本発明のポリペプチド、特にアミノ酸残基58個またはそれ以下を含有するも のは、固相ペプチド合成(Merrifield、J.Am.Chem.Soc .、85巻:2149頁[1964年];Houghten、Proc.Nat l.Acad.Sci.,USA、82巻:5132頁[1985年])を使用 して製造しうる。固相合成は前記StewartとYoungの2頁および4頁 に記載の図1−1および図1−2に示すように推測上のペプチドのカルボキシ末 端において保護アミノ酸を適当な樹脂に結合することによって開始する。 本発明のポリペプチド合成においてα−アミノ基を適切に保護したカルボキシ 末端アミノ酸をクロロメチル化ポリスチレン樹脂に結合する(前記Stewar tとYoungの10頁に記載の図1−4参照)。α−アミノ保護基を、例えば 塩化メチレン中でトリクロロ酢酸(TFA)で除去し、例えばTEAで中和すれ ば、合成の次サイクルを進める準備が完了する。 残ったα−アミノ−および、要すれば側鎖保護アミノ酸を次に順次所望の順序 で縮合して樹脂に結合する中間体化合物を得る。あるいは、ある種のアミノ酸を 互いに結合してペプチドを形成してからそのペプチドを成長させている固相ポリ ペプチド鎖に付加する。 アミノ酸2個の間またはアミノ酸とペプチドとの間またはペプチドとペプチド との間の縮合は、たとえばアジド法、混合酸無水物法、DCC(ジシクロヘキシ ルカルボジイミド)法、活性エステル法(p−ニトロフェニルエステル法、BO P[ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニ ウムヘキサフルオロホスフェート]法、N−ヒドロキシサクシンイミドエステル 法、その他)およびウッドワード試薬K法のような通常の縮合方法に従って実施 できる。固相法でペプチド鎖を伸長する場合には、ペプチドを不溶性担体にC− 末端アミノ酸で付着させる。不溶性担体にはC−末端アミノ酸のカルボキシ基と 反応して結合を生じ、後で容易に切断される、例えばクロロメチル樹脂およびブ ロモメチル樹脂のようなハロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、アミノメチル 樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂およびt−アルキルオキシカルボニル−ヒドラ ジド樹脂を使用できる。 ペプチドの化学合成に共通であるが種々のアミノ酸基の活性側鎖基を適当な保 護基で鎖が完全に結合し終わった後に除去するまでそれを保護する。また、その 化合物のカルボキシ基での反応と後続するα−アミノ保護基の選択的除去でその 場所で後続反応を起こさせる間のアミノ酸または断片上のα−アミノ基の保護も 共通である。それ故合成の一段階として、ペプチド鎖中の所望の配列に位置し、 側鎖保護基を持つ種々の残基を持つ各アミノ酸残基を含む中間体化合物を製造す ることも共通である。次に所望の目的生成物を得、続いて精製するように実質的 に同時にこれらの保護基を常法で除去する。 α−およびε−アミノ側鎖基の保護のために適用可能な保護基としてはベンジ ルオキシカルボニル(略号Z)、イソニコチニルオキシカルボニル(iNOC) 、o−クロロベンジルオキシカルボニル[Z(NO2]、p−メトキシベンジル オキシカルボニル[Z(OMe)]、t−ブトキシカルボニル(Boc)、t− ア ミルオキシカルボニル(Aoc)、イソボルニルオキシカルボニル、アダマンチ ルオキシカルボニル、2−(4−ビフェニル)−2−プロピルオキシカルボニル (Bpoc)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、メチルスル ホニルエトキシカルボニル(Msc)、トリフルオロアセチル、フタリル、ホル ミル、2−ニトロフェニルスルフェニル(NPS)、ジフェニルホスフィノチオ イル(Ppt)、ジメチロホスフィノチオイル(Mpt)、その他によって例示 される。 カルボキシ基の保護基としては、例えばベンジルエステル(OBzl)、シク ロヘキシルエステル(Chx)、4−ニトロベンジルエステル(ONb)、t− ブチルエステル(Obut)、4−ピリジルメチルエステル(OPic)、その 他を例示できる。アミノ基およびカルボキシル基の他に官能基を持つアルギニン 、システインおよびセリンのような特定のアミノ酸は要すれば適当な保護基で保 護するのが望ましい。例えば、アルギニン中のグアニジノ基はニトロ、p−トル エンスルホニル、ベンジルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、 p−メトキシベンゼンスルホニル、4−メトキシ−2,6−ジメチルベンゼンス ルホニル(Mds)、1,3,5−トリメチルフェニルスルホニル(Mts)、 その他で保護しうる。システインにおけるチオール基はp−メトキシベンジル、 トリフェニルメチル、アセチルアミノメチル エチルカルバモイル、4−メチル ベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル(Tmb)、その他で保護しうる。 およびセリンのヒドロキシ基はベンジル、t−ブチル、アセチル、テトラヒドロ ピラニル、その他で保護できる。 前記StewartとYoungはペプチド製造のための操作に関する詳細な 情報を提供する。α−アミノ基の保護は14〜18頁に記載し、側鎖の閉鎖は1 8〜28頁に記載している。アミン、ヒドロキシルおよびスルフヒドリル官能基 のための保護基の表は149〜151頁に記載がある。 所望のアミノ酸配列が完成した後、中間体ペプチドを樹脂担体から、たとえば 液体HFのような試薬および含硫スカベンジャー1種またはそれ以上で処理し、 ペプチドを樹脂から切断するのみならず、残余の側鎖保護基も切断する。HFで の切断後、蛋白質配列をエーテルで洗浄し、多量の希酢酸に移し、撹拌し、水酸 化アンモニウムでpHを約8.0に調整する。 好ましくはポリペプチド中の残基のアルキル化を回避するために(例えば、メ チオニン、システインおよびチロジン残基のアルキル化)、チオークレゾールお よびクレゾール捕捉剤混合物を使用する。樹脂をエーテルで洗浄し、直ちに大量 の希酢酸に移し、溶解して分子間交差連結を減少させる。250μM−ポリペプ チド濃度を0.1M−酢酸溶液2L中に希釈する。次に溶液を撹拌し、そのpH を水酸化アンモニウムを使用して約8.0に調整する。pH調整に際し、ポリペ プチドは所期の高次構造を取る。 クニッツドメインは前記化学合成または半合成により製造できる。化学合成ま たは半合成法は非天然アミノ酸残基を導入する可能性を与える。これは報告され ているように(Beckmann,J.など、Eur.J.Biochem.、 176巻:675〜682頁[1988年];Bigler,T.L.など、P rot.Sci.、2巻:786〜799頁[1993年])、クニッツドメイ ンおよび関連する蛋白質について実施できる。 遺伝子合成、クローニングおよび発現 一般的操作 式Iに記載したアミノ酸配列から、精製蛋白質を標準的組換えD NA技術を使用して製造しうる。これらの技術は単純化された形で言えば、式I で示されるクニッツドメインポリペプチドをコードする遺伝子を取り、それを適 切なベクターに挿入し、そのベクターを適当な宿主細胞に挿入し、その宿主細胞 を培養して式Iで示されるクニッツドメインポリペプチドの発現を起こさせ、そ こで製造された蛋白質を精製するものを企図する。 幾分特定的には、式Iで示されるクニッツドメインポリペプチドをコードする DNA配列をクローニングし、便利な宿主中で発現しうるように操作する。式I で示されるポリペプチドをコードするDNAはDNA配列を合成的に構築するこ とによって得ることができる(Sambrook,J.など、「分子クローニン グ(Molecular・Cloning)」(2版)、Cold・Sprin g・Harbor・Laboratory,N.Y.[1989年])。 式IペプチドをコードするDNAを次に適当なプラスミドまたはベクターに挿 入して宿主細胞を形質転換するために使用する。一般に、宿主細胞に適合する種 から由来する複製および制御配列を含むプラスミドベクターをその宿主に関して 使用する。ベクターは通常複製部位ならびに形質転換された細胞の中で表現型の 選択を提供できる蛋白質をコードする配列を持っている。 例えば、大腸菌はpBR322を使用して形質転換しうるが、このプラスミド は大腸菌の種に由来する(Mandel,M.など、J.Mol.Biol.、 53巻:154頁[1970年])。プラスミドpBR322はアンピシリンお よびテトラサイクリン耐性用遺伝子を含有し、選択用の簡単な手段を提供する。 他のベクターはたとえば発現でしばしば重要になる種々のプロモータのような種 々の特性を含む。例えば、プラスミドpKK223−3、pDR720およびp PL−ラムダはtac、trp、PLプロモーターを持ち、現在入手可能(Ph armacia・Biotechnology社)な発現ベクターを代表する。 式Iで示されるクニッツドメインポリペプチドの直接発現 好適なベクターの 一つはpSA1zlである。このベクターは実施例1に記載のように作製し、大 腸菌用の複製開始点、アルカリホスファターゼプロモーター、stIIシグナル 配列およびAPPI変種遺伝子およびアンピシリン耐性遺伝子を含む。他の好適 なベクターはpBO475、pR1T5およびpR1T2T(Pharmaci a・Biotechnology社)である。これらのベクターは適当なプロモ ーターと、それに続いてA蛋白質のドメインを含み、ベクターに挿入された遺伝 子に融合蛋白質としての発現をさせる。これらのベクターに関するさらに詳細な 議論は後記する。 他の好適なベクターは標準的技術を用いて本文記載のベクター関連特性を結合 して構築できる。このベクター関連特性には、プロモーター、リボソーム結合部 位、APPI変種遺伝子または遺伝子融合(A蛋白質のZドメインおよびAPP I変種およびそのリンカー)、シグナル配列、抗生物質耐性マーカー、コピー数 および適切な複製開始点を包含する。 大腸菌において、クニッツドメインは無傷の分泌蛋白質(Castro,M. など、FEBS・Lett.、267巻:207〜212頁[1990年])、 細胞内発現蛋白質(Altman,J.D.など、Protein・Eng.、 4巻:593〜600頁[1991年])または融合蛋白質(Sinha,S. など、J.Biol.Chem.、266巻:21011〜21013頁[19 91年];Lauritzen,C.など、Prot.Express.Pur if.、2巻:372〜378頁[1991年];Auerswald,E.A .など、Biol.Chem.Hoppe−Seyler、369巻:27〜3 5頁[1988年])として発現されている。 宿主細胞は原核生物または真核生物でありうる。原核生物はDNA配列をクロ ーニングし、発現して、親ポリペプチド、断片置換ポリペプチド、残基置換ポリ ペプチドおよびポリペプチド変種を生産するには好適である。例えば、大腸菌K 12の294株(ATCC31446)は大腸菌B株、大腸菌X1776株(A TCC31537)、大腸菌c600株、大腸菌c600hfl株、大腸菌W3 110株(F−、ガンマ−、原栄養株/ATCC27325)、枯草菌のような バチルス属菌およびその他腸内細菌科の、たとえばサルモネラ・ティフィムリウ ムまたはセラチア・マルセッセンスおよび種々のシュードモナス属の種と同様に 使用しうる。好適な原核生物は大腸菌W3110株(ATCC27325)であ る。原核生物により発現される時、ポリペプチドは典型的にはN−末端メチオニ ンまたはホルミルメチオニンを含有し、グリコシル化されていない。融合蛋白質 の場合には、N−末端メチオニンまたはホルミルメチオニン残基は融合蛋白質の アミノ末端または融合蛋白質のシグナル配列上に存在する。これら実例は勿論、 例示のためであって、限定のためではない。 原核生物に加え、たとえば酵母培養物または多細胞生物に由来する細胞のよう な真核生物も使用しうる。原理的にはいかなる細胞培養物も使用できる。しかし ながら、脊椎動物細胞が最も注目に価し、培養基での脊椎動物細胞の増殖(組織 培養)は再現性ある操作になってきている(「組織培養(Tissue・Cul ture)」(KruseとPatterson編)、Academic.Pr ess社[1973年])。このように有用な宿主細胞系列の例はVEROおよ びHeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系列、W138、 293、BHK、COS−7およびMDCK細胞系列である。酵母発現系はクニ ッツドメインの製造に使用されている(Wagner,S.L.など、Bioc hem.Biophys.Res.Commun.、186巻:1138〜11 45頁[1992年];Vedvick,T.など、J.Indust.Mic robiol.、7巻:197〜202頁[1991年])。殊に酵母Pich ia・pastorisはサッカロミセス・セレビシエα−接合因子のプレプロ シグナル配列およびP.pastorisのアルコールオキシダーゼAOX1プ ロモーターおよび終止配列を使用して成功裡に使用されている。異種蛋白質発現 のために通常使用されている他の酵母発現ベクターおよび宿主も意図するもので ある。 遺伝子融合 前記操作の変種として遺伝子融合の使用を企図しており、そこで はAPPI変種をコードする遺伝子がベクター中で他種蛋白質またはその断片を コードする遺伝子と結合している。これで宿主細胞により生産されるAPPI変 種は他種蛋白質との融合体として与えられる。「他種」蛋白質はしばしばその細 胞が分泌できる蛋白質またはペプチドであり、培養培地から分離、精製でき、細 胞内部に所期の蛋白質が残留する時に起きる宿主細胞破壊の必要性を排除するこ とを可能にする。あるいは融合蛋白質を細胞内に発現できる。これは発現の高度 な融合蛋白質を使用するために有用である。 遺伝子融合の使用は、必須ではないが、大腸菌内での異種蛋白質の発現ならび に後続する遺伝子生成物の精製を促進できる(Harris,T.J.R.、「 遺伝子工学(Genetic・Engineering)」、(William son,R.編)、Academic社、ロンドン、4巻:127頁[1983 年];Uhlen,M.とMoks,T.、Methods・Enzymol. 、185巻:129〜143頁[1990年])。A蛋白質、より特定的にはA 蛋白質のZドメイン、のIgGへの結合は融合蛋白質精製に「親和性ハンドル」 を提供するので、A蛋白質融合は度々使用される(Nilsson,B.とAb rahmsen,L.、Methods・Enzymol.、185巻:144 〜1 61頁[1990年])。大腸菌中で直接発現される時には異種蛋白質多数が分 解されるが、融合蛋白質として発現される時には安定であることも証明されてい る(Marston,F.A.O.、Biochem.J.、240巻:1頁[ 1986年])。 融合蛋白質として発現されたAPPI変種は正しく折畳まれているかもしれな いし、天然構造を得るには折畳みを要するかもしれない。正しく折畳まれた融合 蛋白質は活性があり、セリンプロテアーゼ阻害剤として有用でありうる。さらに 好適なものは、融合蛋白質から当分野で公知の方法により得られた正しく折畳ま れた天然蛋白質であろう。融合蛋白質は、たとえばメチオニンにおいて切断する 臭化シアノーゲンまたはAsnとGlyとの間で切断するヒドロキシルアミンの ような化学薬剤を使用して切断できる。標準的組換えDNA方法論を使用して、 これらのアミノ酸をコードするヌクレオチド塩基対をAPPI変種遺伝子の5’ −末端の直前に挿入できる。 あるいは、最近の綜説にある融合蛋白質の蛋白分解的切断を採用できる(Ca rter,P.、「蛋白質の精製:分子機構から大量生産プロセスまで(Pro tein・Purification:From.Molecular・Mec hanism・to・Large・Scale・Processes)」(La disch,M.R.、Willson,R.C.、Painton,C.C. とBuilder,S.E.編)、米国化学会シンポジウム・シリーズ番号42 7、Ch13、181〜193頁[1990年])。 Xa因子、トロンビン、サブチリシンおよびこれらの変異体のようなプロテア ーゼは融合蛋白質を切断するために成功裡に使用されている。典型的には、使用 するプロテアーゼによる切断に利用できるペプチドリンカーを「他種」の蛋白質 (たとえば、A蛋白質のZドメイン)と、例えばAPPI変種のような目的蛋白 質との間に挿入する。組換えDNA方法論を使用して、リンカーをコードするヌ クレオチド塩基対を、他種の蛋白質をコードする遺伝子または遺伝子断片の間に 挿入する。正しいリンカーを含み、部分的に精製された融合蛋白質の蛋白分解的 切断は、生成した融合蛋白質または還元または変性した融合蛋白質について実施 できる。 この蛋白質は融合蛋白質として発現された時には正しく折畳まれていてもいな くてもよい。また、切断部位を含有する特異的ペプチドリンカーはそのプロテア ーゼが利用できてもできなくてもよい。これら因子はその融合蛋白質を変性し、 再折畳みしなければならないかどうか、もしそうなら、この操作を切断前または 切断後のどちらで採用するのかを決定する。 変性および再折畳みが必要な時には、典型的には蛋白質を、たとえば塩酸グア ニジンのようなカオトロープ剤で処理し、次に、例えば還元型および酸化型ジチ オスレイトールまたはグルタチオンを適当な比率、pHおよび温度で含む酸化還 元緩衝液で、目的蛋白質が再折畳みして天然型構造になるように処理する。 変異DNAの製造 前記討議の通り種々の技術が入手でき、これを親APPI 分子と比べて得られる蛋白質のアミノ酸配列中の付加、欠失または変化をコード する変異体APPIのDNAの生産に採用しうる。 例示としては、APPIをコードする発現ベクターを手にすれば、部位特異的 突然変異(Kunkelなど、Methods・Enzymol.、204巻: 125〜139頁[1991年];Carter,P.など、Nucl.Aci ds.Res.、13巻:4331頁[1986];Zoller,M.J.な ど、Nucl.Acids.Res.、10巻:6487頁[1982年])、 カセット突然変異(Wells,J.A.など、Gene、34巻:315頁[ 1985年])、制限選択的突然変異(Wells,J.A.など、Philo s.Trans.R.Soc.London、Ser.A、317巻:415頁 [1986年])または他の公知技術をAPPIのDNAについて実行できる。 親DNAの代わりにこの変異体DNAを前記の発現ベクターに挿入して使用でき る。変異体DNAを持つ発現ベクターを含有する宿主細菌の成育は、本文記載の ように単離できる変異体APPI(すなわち、APPIの類似体または同族体) の生産を可能にする。 精製および構造決定 APPI変種の精製と同定はゲル濾過、イオン交換、親 水性相互作用および親和性クロマトグラフィーを含むいずれの標準的技術によっ ても実施しうる。本件の場合は、組換えAPPI変種を10L発酵槽または振盪 フラスコ中で大腸菌を成長させた培地からトリプシン親和性カラム上のクロマト グラフィーおよびそれに続く逆相C18HPLCによって精製される。 APPI遺伝子の部位指向突然変異およびDNA配列分析によるクローンの確 認に続いて、変種蛋白質を大腸菌中に発現させ、それから精製する。クニッツド メインを濃縮し、親和性カラムを使用して培地から部分的に精製する。最終精製 は逆相C18によるHPLCを使用して実施例2に記載のようにして実行する。 殆どの変種の発現水準は振盪フラスコ中で約1mg/L、10L発酵槽中で80 〜100mg/Lである。精製に続き、蛋白質配列を質量スペクトル術によって ジスルフィド結合3個全てが形成されているものと仮定して配列から予測される 正当な質量について、およびこの測定の誤差範囲内(±2amu)であることを 検証する。Metを含有する阻害剤のHPLCでは通常、主な阻害剤ピークの少 し前または少し後に小さな溶離ピークが見られる。これはメチオニンがスルホキ シドに酸化された結果である。E.分析方法 見掛けの平衡解離定数(Ki*)はクニッツドメインとセリンプロテアーゼとの 相互作用で観察されている(Bode,W.とR.Huber、Eur.J.B iochem.、204巻:433〜451頁[1992年];Laskows ki,M.Jr.とI.Kato、Annu.Rev.Biochem.、49 巻:593〜626頁[1980年])ように酵素と阻害剤とが1:1の化学量 論的に可逆的複合体を形成すると仮定して、強固に結合する阻害剤用に誘導され た方法(Bieth,J.、Protease・Inhibitors、463 〜469頁[1974年];Williams,J.W.とMorrison, J.F.、Methods・Enzymol.、63巻:437〜467頁[1 979年])を使用して決定した。データは等式1: [ここに、Vi/V0は比活性(定常状態阻害速度を非阻害速度で割った商)、 [E0]はFVIIa活性部位の全濃度、 [I0]は阻害剤の全濃度である] の非線形回帰分析に適合した。変種はそのTF−FVIIaに対する結合親和性 について検定し、約1〜500nMの範囲にわたるKi*値を持つ物を図4に表示 した。平衡条件下におけるTF7I−CおよびAPPIによるTF−FVIIa の阻害は図5に表示した。TF−FVIIaについての見掛けのKi*値1.9± 0.4nMおよび301±44nMが各々TF7I−CおよびAPPIについて 算出された(図4)。 ヒト血漿中に存在するその他の関連セリンプロテアーゼについて見掛けのKi* 値を測定して、野生型APPI、TF7I−C、およびその他の変異体阻害剤の 相対的特異性を決定した。順次希釈した阻害剤の適量に活性化C蛋白質、トロン ビン、FXa、FXIa、FXIIa、血漿カリクレインまたはプラスミンのい ずれかを添加した。インキュベーションおよび適切な基質の添加後に、比活性対 阻害剤濃度のプロットを実施例3のようにして作成した。見掛けの平衡解離定数 (Ki*)を等式(1)から算出し、図4に報告する。前記報告の結果と良く一致 してAPPIはFXIaの強力な阻害剤であり(Wagner,S.L.など、 Biochem.Biophys.Res.Commun.、186巻:113 8〜1145頁[1992年])、TF−FVIIa、プラスミンおよび血漿カ リクレインの中庸な阻害剤であった。活性化C蛋白質、トロンビン、FXaまた はFXIIaのKi*は>10μMであった。強力に阻害するTF−FVIIaに 加え、TF7I−CもFXIaおよび血漿カリクレインの強力な阻害剤であり、 プラスミンの中庸な阻害剤である(図4)。Ki*はFXaでは90nMであり、 活性化C蛋白質、トロンビンまたはFXIIaには>10μMであった。他の阻 害剤はFXIa、血漿カリクレインまたはプラスミンとの関連でさらに特異性の あるTF−FVIIaの阻害剤であった。 実施例4に記載した、組織因子開始プロトロンビン時間(PT)検定法によれ ば、TF7I−CおよびAPPIは凝血時間を濃度依存的に延長した(図6)。 これはTF−FVIIa複合体の阻害を通じてこれら阻害剤がFX活性化を阻止 する性能と一致する。この検定でTF7I−Cは凝血時間を約40μMにおいて 3.5倍延長したが、一方、同濃度のAPPIは凝血時間の1.5倍しか増加し なかった。実施例4に記載した活性化部分トロンボプラスチン時間検定法(AP TT)による測定によれば、TF7I−Cは約7μMにおいて10倍を越える凝 血時間の延長が観察され(図7)、表面媒介接触活性化経路の濃度依存的阻害も 示した。APTTではTF7I−Cと比較してAPPIは同じ濃度で約3倍の凝 血時間を持ち、いくらか弱かった。F.医薬的組成物 治療的応用のために使用する本発明の化合物の用量製剤は無菌でなければなら ない。無菌性は、たとえば0.2μ膜のような無菌濾過膜を通す濾過により容易 に達成される。蛋白質製剤は通常は凍結乾燥型または水溶液として保存される。 蛋白質製品のpHは典型的には約3と11との間、より好ましくは約5から9ま で、最も好ましくは約7から8とする。好適な投与経路は皮下注射針によるもの である。 治療用蛋白質製剤は一般に無菌アクセスポートを持つ容器、例えば皮下注射針 により穿孔できる栓を持つ静脈内溶液バッグまたはバイアル中に入れる。 治療的に有効な用量は試験管内(前記検定法参照)または生体内法のいずれか によって決定しうる。かかる検定技術を基にして、治療的に有効な用量範囲を決 定しうる。治療的に有効な用量範囲が投与経路によって影響を受けるのは当然で ある。皮下注射針による注射ではその用量が体液内に放出されることを仮定しう る。他の投与経路については、薬学においてよく公知な方法によって各APPI 変種について吸収効率を個々に測定しなければならない。 治療的用量は約0.001nMから約1.0mMまで、より好ましくは約0. 1nMから約100μMまで、また最も好ましくは約1.0nMから約50μM までの範囲でありうる。 医薬的組成物としてのAPPI変種の典型的製剤は約0.5から500mgま での化合物または化合物混合物を遊離酸型または塩基型のいずれかとしてまたは 医薬的に許容される塩として含有する。これら化合物または混合物を次に生理学 的に許容しうる基剤、担体、添加剤、結合剤、保存剤または安定化剤、その他と 共に許容された医薬的慣例が要求するように混合する。これらの組成物中の活性 成分の量は先に指摘した適切な用量が得られるようなものである。 注射のための無菌組成物は通常の医薬的慣例に従って製剤化できる。例えば、 水またはゴマ油、ピーナッツ油または綿実油などような天然起源植物油またはオ レイン酸エチルなどのような合成脂肪酸基剤、その他の基剤中に活性化合物の溶 解または懸濁を所望しうる。緩衝剤、保存剤、抗酸化剤、その他も許容された医 薬的慣例に従って加えることができる。 本文中では必要に応じてある特定の方法および物質に関連させて本発明を討議 した。これら特定の方法および物質の討議は決して本発明の範囲にいかなる限定 をも構成するものではなく、本発明の帰結を達成するに適当な選択肢全ての物質 および方法にも展開することを理解すべきものである。 実施例 材料 ヒトVIIa因子、Xa因子、XIa因子、活性化C蛋白質およびトロンビン はHaematologic・Technologies社(エセックスジャン クション、VT)から購入した。ヒトの血漿カリクレインおよびXIIa因子は Enzyme・Research・Laboratories社(サウスベンド 、IN)から購入した。組換えヒト組織因子1〜243(TF1〜243)は以前の記載 通りに大腸菌中で製造し、精製した(Paborsky,L.R.など、Bio chemistry、28巻:8072〜8077頁[1989年];Pabo rsky,L.R.など、J.Biol.Chem.、266巻:21911〜 21916頁[1991年])。ウシのトリプシン、4−メチルウンベリフェリ ルp−グアニジノ安息香酸およびCHAPSはSigma・Chemicals 社から購入した。ウシ血漿アルブミン(BSA)、第V分画はCalbioch em社(ラホヤ、CA)から入手した。Nα−ベンゾイル−L−アルギニン−p −ニトロアニリドはBachem・California社(Torrance 、C A)から購入した。ヒトのプラスミン、S−2302、S−2251およびS− 2366はKabi・Vitrum社(スウェーデン)から購入し、Spect rozyme・fXaはAmerican・Diagnostica社(グリニ ッチ、CT)から購入した。Affigel−10はBio−Rad・Labo ratories社(リッチモンド、CA)から入手した。他の試薬は全て商業 的に入手できる最高級のものを入手した。 実施例1 プラスミド構築および変異誘発 APPI配列をコードする合成遺伝子を適当な発現ベクターに挿入して、周縁 細胞質および培地にAPPIを分泌するようにプラスミドpSAlz1を構築し た。このpSAlz1ベクターはCastroなど(Castro,M.など、 FEBS・Lett.、267巻:207〜212頁[1990年])が記載し た通り、アルカリホスファターゼプロモーター、stII分泌シグナル、APP I遺伝子、f1およびcolE1複写開始点およびアンピシリン耐性遺伝子を含 有していた。pSAlz1ベクターを使用するAPPI変異体の構築は部位指向 オリゴヌクレオチド変異誘発法を使用して以前の記載通り(Kunkel,T. A.など、Methods・Enzymol.、204巻:125〜139頁[ 1991年])に行い、選択したクローンをジデオキシ配列分析法(Sange r,F.など、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA、74巻:5 463〜5467頁[1977年])によって分析した。 実施例2 阻害剤の発現、精製および特性 APPIかまたは選択した変異体かをコードするファージミドで大腸菌W31 10株に由来する大腸菌27C7株を形質転換し、クニッツドメイン阻害剤を発 現させた。一夜で飽和した培養物をアンピシリン50μg/mLを含有する低燐 酸最小培地(Chang,C.N.など、Gene、55巻:189〜196頁 [1987年])250mL中に植種(1%)し、37℃で20時間培養した。 阻害剤はstIIシグナル配列のため周縁細胞質に分泌され、最終的には培地中 に漏出した。細胞および破砕物を遠心分離(8000×g、10分間)して除去 し、上清液を1M−NaOHでpH7.5〜8.5に調整し、次に製造社の推薦 に従って調製したトリプシン−Affigel・10親和性カラム1mL上に負 荷した。カラムを100mM−トリス、pH8、100mM−NaClおよび2 0mM−CaCl2で洗浄し、阻害剤を10mM−HCl、0.5M−KCl4 mLで溶離した。阻害剤はC18逆相HPLC(250×4.6mm、VYDA C社)を使用してさらに精製した。これに0.1%トリフルオロ酢酸を負荷し、 5%から40%までのCH3CN勾配で、1mL/分で溶離した。溶離物の特性 はA214およびA280の双方で監視した。各阻害剤について単一の良好に分離した ピークが30から35%CH3CNまでの間で検出された。阻害剤の配列は質量 分析用に明瞭化エレクトロスプレー装置を装着したSciex・API・3質量 スペクトロメータを使用して正しい質量について検証した。ウマのミオグロブリ ン(MW=16951Da)の多重荷電イオンを装置の補正に使用した。 実施例3 平衡解離定数の決定 酵素阻害検定をマイクロタイター形式で行い、Biometallics社の DeltaSoftIIソフトウエアを装着したMacintosh・SE・コ ンピュータで制御しつつSLT・EAR340ATプレートリーダーで吸光度を 監視した。KaleidaGraph・v3.01(Synergy・Soft ware社)を使用して非線形回帰分析を行った。 貯蔵阻害剤を5〜2000nMの範囲に希釈し、4−メチルウンベリフェリル ・p−グアニジノ安息香酸を使用して活性部位を滴定しておいた(Jameso n,G.W.など、Biochem.J.、131巻:107〜117頁[19 73年])トリプシンでの滴定により濃度を精密に決定した。80nM−トリプ シンに加え適量の希釈した阻害剤を50mM−トリス、pH8.0、100mM −NaCl、10mM−CaCl2および0.05%トリトンX−100中、室 温で1時間のインキュベーション後、5mM−Nα−ベンゾイル−L−アルギニ ン−p−ニトロアニリド20μLを添加して全容150μLとした。405nm における吸光度を次に監視した。決定した濃度は阻害剤とトリプシンとの1:1 化学量論を仮定してある。 APPI、TF7I−Cおよびその他の変異体の凝固プロテアーゼに対する活 性を試験する検定は次の形式を使用して行った。順次希釈した阻害剤を含むマイ クロタイタープレートの各ウェルからの適量(25μL)を種々のプロテアーゼ (100μL)を適切な緩衝液中に入れた新しいマイクロタイタープレートに移 した。検査したプロテアーゼ(プロテアーゼ濃度、緩衝液、基質)はFVIIa (10nM)緩衝液A、0.7mM−S2366)、FXIa(1.0nM、B SA1mg/mL含有緩衝液B、0.7mM−S2366)、血漿カリクレイン (3.5nM、緩衝液B、0.5mM−S2302)およびプラスミン(15n M、緩衝液B、1mM−S2251)であった。緩衝液Aは50mM−トリス、 pH7.5、100mM−NaCl、10mM−CaCl2、0.5%BSA、 60nM−TF1〜243および1mM−CHAPS(Sigma社)を含有する。 緩衝液Bは50mM−トリス、pH7.5、100mM−NaCl、2mM−C aCl2、0.005%トリトン・X−100を含有する。 基質/阻害剤混合物を室温で1〜3時間インキュベーション後に、適切な基質 (20μL)を添加し、405nmにおける吸光度を監視した。阻害剤と酵素と を含まない対照も検定して非阻害体と基質加水分解速度との各々を測定した。比 速度対阻害剤濃度のプロットは等式1への非線形回帰分析に適合し、見掛けの平 衡解離定数(Ki*)を決定した。FXa、FXIIaおよびカリクレインの濃度 は大腸菌から得たこれら酵素の可逆的強固結合阻害剤であって、以前の記載通り 過剰発現して精製したエコチンの標本(米国特許出願SN08/121004、 1993年9月14日出願)を使用して活性部位滴定で測定した。FVIIa、 FXIaおよびカリクレインの濃度は定量してあるTF7I−C標本を使用して 活性部位滴定で測定した。TF7I−Cおよびエコチンは双方とも活性部位滴定 したトリプシンを使用して定量した。FVIIa、FXa、FXIa、FXII aおよびカリクレインの濃度は製造社の規格書と良く一致(±10%)した(デ ータ不記載)。活性化C蛋白質、トロンビンおよびプラスミンの濃度は提供各社 記載の濃度に基づいたものである。 結果 野生型APPI、TF7I−Cならびに変異体阻害剤29種のTF−FVII a、時にはFXIa、カリクレインおよびプラスミンに対する見掛けのKi*値を 決定した。APPI、TF7I−Cおよび他種変異体阻害剤のアミノ酸配列は図 4に記載した。変異体阻害剤I−18、I−49、I−14、I−16、II− 4、II−3、II−6、III−27、III−30、TF7I−VY、TF 7I−LY、TF7I−WY、TF7I−PG、IV−47C、IV−54C、 IV−31B、IV−49C、IV−50C、IV−57C、IV−51C、I V−35B、IV−58C、IV−48C、IV−46C、IV−55C、IV −32B、IV−36B、IV−40Bおよび53b、ならびにTF7I−Cの 配列は全て: R1−Xaa11−Xaa12−Xaa13−Xaa14−Xaa15−Xaa16−X aa17−Xaa18−Xaa19−R2−Xaa34−R3−Xaa38−Xaa39−R4 で示される野生型APPIの配列に基づく。いずれの場合も R1は配列:VREVCSEQAE(配列番号6)を持つ。 R2は配列:RWYFDVTEGKCAPF(配列番号14)を持つ。 R3は配列:YGGを持つ。 R4は配列:GNRNNFDTEEYCAAVCGSA(配列番号23)または GNRNNFDTEEYCMAVCGSA(配列番号24)を持つ。 それ故、本実施例で検査した変異体阻害剤の配列は次の通り: I−18 R1PGVCRALILR2FR3CGR4(配列番号43) I−49 R1PGWCRALILR2FR3CGR4(配列番号44) I−14 R1PGFCRALILR2FR3CGR4(配列番号45) I−16 R1GGWCRALILR2FR3CGR4(配列番号46) [ここに、R4は配列番号24で定義される配列である] II−4 R1PGPCRAMISR2FR3CYR4(配列番号47) II−3 R1PGWCRAMISR2IR3CGR4(配列番号48) II−6 R1PGPCKAMISR2IR3CWR4(配列番号49) III−27 R1TGPCRALISR2WR3CGR4(配列番号50) III−30 R1TGPCRALISR2YR3CGR4(配列番号51) TF7I−VY R1PGVCRALILR2FR3CYR4(配列番号52) TF7I−LY R1PGLCRALILR2FR3CYR4(配列番号53) TF7I−WY R1PGWCRALILR2FR3CYR4(配列番号54) TF7I−PG R1PGPCRALILR2FR3CGR4(配列番号55) IV−47C R1PGPCRAMMKR2IR3CHR4(配列番号56) IV−54C R1PGPCRALMKR2VR3CYR4(配列番号57) IV−31B R1PGPCRALMKR2VR3CFR4(配列番号58) IV−49C R1PGPCRAMMKR2IR3CYR4(配列番号59) IV−50C R1PGPCRAMYKR2IR3CYR4(配列番号60) IV−57C R1PGVCRAMMKR2IR3CGR4(配列番号61) IV−51C R1PGPCKALMRR2YR3CYR4(配列番号62) IV−35B R1PGPCKAIMKR2IR3CHR4(配列番号63) IV−58C R1PGPCKALMKR2YR3CHR4(配列番号64) IV−48C R1PGPCKALMKR2WR3CWR4(配列番号65) IV−46C R1PGPCKAMIKR2LR3CYR4(配列番号66) IV−55C R1PGPCKALMKR2FR3CYR4(配列番号67) IV−32B R1PGPCKALMKR2YR3CYR4(配列番号68) IV−36B R1PGPCKALMKR2VR3CYR4(配列番号69) IV−40B R1PGACKAMYKR2IR3CGR4(配列番号70) 53b R1PGPGRALILR2FR3AYR4(配列番号71) TF7I−C R1PGPCRALILR2FR3CYR4(配列番号72) [ここに、R4は配列番号23で定義される配列である] Ki*値の測定結果を図4に示す。場合によってはKi*はFXIa、カリクレイ ンおよびプラスミンならびにTF−FVIIaについて測定した。図示の通り、 II−6、III−27、III−30およびIV−40Bを例外として、野生 型APPIよりもさらに強力なTF−FVIIa阻害剤を得られた。 実施例4 凝固検定 正常ヒト血漿の凝血時間をACL300Research・Coagulat ion・Analyzerを使用して測定した。プロトロンビン時間(PT)検 定法ではインキュベーション時間を120秒に、捕捉時間は予期される検定結果 に応じて120から600秒に設定した。全長TFを発現する細胞293(Pa borsky,L.R.など、Biochemistry、28巻:8072〜 8077頁[1989年])からの膜をCaCl2と前混合した。2分間37℃ でインキュベーション後、標本(血漿および阻害剤)および試薬(CaCl2/ TF)を自動混合した。凝血時間は光学的評価によって決定した。CaCl2/ TF添加前における阻害剤と血漿との全インキュベーション時間は約5分間であ った。最終濃度は2から20μM−阻害剤、3.7nM−TF(蛋白質含量で0 .9μg/mL)、22.5mM−CaCl2および50%血漿で全容は160 μLであった。 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)検定については、活性化時間 は120秒に、捕捉時間は予期される検定結果に依存して300から600秒に 設定した。クエン酸化正常ヒト血漿および阻害剤を合わせてインキュベーション した。標本(血漿および阻害剤)と活性化剤(Instrumentation ・Laboratories社のエラジン酸/ホスホリピドミックス試験試薬) とを自動でピペット採取し、合わせて2分間37℃でインキュベーションし、次 にCaCl2を添加して凝血時間を光学的評価によって決定した。活性化剤添加 前における阻害剤と血漿との全インキュベーション時間は約3分間、CaCl2 添加前においては5分間であった。最終濃度は0.01から15μM−阻害剤、 15.3μg蛋白質/293細胞膜mL、8.3μM−エラジン酸、8.3mM −CaCl2および33.3%血漿で全容は162μLであった。 結果 結果を次の表Iに示す。 阻害剤不在下での凝血時間はPTについて30秒、APTTについては31秒で あった。表記した延長倍数は40μM−阻害剤濃度におけるものである。 実施例5 ウサギ深在中央外傷モデル 雄性ニュージーランド白ウサギ(〜4kg)をケタミン/キシラキシンの筋肉 内注射で麻酔して手術用麻酔プレーンに固定した。ウサギを拘束ボード上で背位 に置き、37℃に温め、頚部および内大腿部分を剃毛した。テフロンカテーテル を各々薬剤投与および標本採取のために周縁耳静脈および大腿動脈に挿入した。 処置前に血液標本を取り、凝固試験(APTTおよびPT)を行った。出血時間 は後肢爪の表皮部分に作った切口から評価した。頚部を切開し、左総頚動脈とそ の枝部を外科的に分離した。超音波流量計(Transonics(商品名)) を総頚動脈上、総内分岐の約5cm尾側に設置した。血流が安定なベースライン に達した後、薬剤(食塩水または被検化合物)を周縁耳動脈から注入した。収縮 した塞栓切除カテーテル(Fogarty(商品名)、3F)を総管腔に舌分枝 の切開口を通して導入した。カテーテル挿入の間暫時動脈を通る血流を止め、さ らに2−0絹紐で切開部位を緩く固定した。カテーテルの位置が決まり、固定し たら、血流を再開した。収縮したバルーンを流量計の2mm以内まで進めて食塩 水で血管壁の抵抗を感じるまで膨張させた。カテーテルを一様な動きで第一分岐 まで引戻し、次に収縮させた。この操作を各動物について6回反復した後、カテ ーテルを取外した。バルーン操作は最初の挿入からカテーテルの取外しまで3分 から5分を要し、長さ1.5から2cmまでの損傷領域ができた。40分にわた ってAPTTおよびPT測定用に血液標本を採取し、表皮出血時間を評価し、頚 部 を通る血流を監視した。開通性の継続時間は観測可能な血流が動脈に検出された 全時間(最大=40分)として定義した。開通率は頚動脈血流≧5分間を持った 被検動物の百分率を示す。実験終了後、ウサギを安楽死させ、頚動脈を取り、切 開した。もし血栓が存在したら取出して水分を除き、重量を記録した。 結果 ウサギ血漿の標本をMLA800凝固計およびDade試薬を使用して検定し た。APTT検定ではActin・FS(商品名)を活性化剤とした。Ca++を 含むウサギトロンボプラスチンをPT検定に使用した。ウサギトロンボプラスチ ンを2倍希釈した。検査した全変異阻害剤は凝血を少なくとも1倍延長した。活 性化部分トロンボプラスチン時間検定では表面媒介接触活性化経路について、T F7I−Cが最大の阻害を示した。10倍より大きい凝血時間の延長が40mM において観察された。 [ヘパリンは25u/kgを一括投与し、続いて(1)0.5u/kg/分また は(2)1u/kg/分を連続点滴した。他の試薬は2mg/kgIV−括投与 した。開通性データ以外の測定値は平均±標準誤差平均値を表示した] 食塩水対照と比較して、ヘパリンおよび変異APPI阻害剤TF7I−Cおよ びIV−49Cは検討した時間内には開通性を明瞭に延長し、血餅サイズを低下 させた。TF7I−CおよびIV−49Cの両者では開通が5分間に等しいか、 それ以上であった動物の百分率は、野生型APPIの40%と比較して、83% であった。 次の表3は投薬10分後における表皮出血時間検定法の結果を示す。 表皮出血時間検定法の結果が示すように、たとえばTF7I−CおよびIV− 49Cのような変異体APPI阻害剤はヘパリンのような現用抗凝固薬剤と比較 して改善された安全性特性を持つようである。これら変異体阻害剤2種は10分 後では食塩水対照と比較して出血延長を誘発しなかった。 ********** 本文中に示す文献は全て参考として引用するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07K 14/81 9051−4C A61K 37/02 ACB C12N 9/99 9051−4C 37/465 C12P 21/02 9051−4C 37/553 //(C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.構造式(I): R1−Xaa11−Xaa12−Xaa13−Xaa14−Xaa15−Xaa16−Xaa1 7 −Xaa18−Xaa19−R2−Xaa34−R3−Xaa38−Xaa39−R4 (I) [ここに、 R1はアミノ酸残基5個から250個までを持つペプチドであるが、その中で 少なくとも残基1個はCである。 R2はアミノ酸残基14個を持つペプチドであるが、その中で少なくとも残基 1個はCである。 R3はトリペプチドである。 R4はアミノ酸残基12個から250個までを持つペプチドであるが、その中 で少なくとも残基1個はCである。 Xaa11はP、R、A、E、GおよびTの群から選択される。 Xaa12はGである。 Xaa13はP、L、W、V、G、F、H、Y、A、I、EおよびQの群から選 択される。 Xaa14はC、A、S、TおよびGから選択される。 Xaa15はM、RおよびKから選択される。 Xaa16はGおよびAから選択される。 Xaa17はM、L、I、R、YおよびSの群から選択される。 Xaa18はI、H、L、M、YおよびFの群から選択される。 Xaa19はL、R、A、KおよびIの群から選択される。 Xaa34はF、I、S、L、Y、WおよびVの群から選択される。 Xaa38はC、A、S、TおよびGから選択される。 Xaa39はY、G、W、HおよびFの群から選択される。 但しここに、X1がHまたは1〜5個のアミノ酸残基の場合、R1はX1DICK LPKD(配列番号1)ではなく、 さらに Xaa11からXaa19までは PGFAKAIIR(配列番号2)、 TGLCKAYIR(配列番号3)、 TGLCKARIR(配列番号4)および AGAAKALLA(配列番号5) ではないものとする] で示されるポリペプチド。 2.R1が残基10個のペプチドであって、その10残基ペプチドの第5残基が Cである請求項1のポリペプチド。 3.ポリペプチドの第30残基がCである請求項2のポリペプチド。 4.ポリペプチドの第51残基がCである請求項3のポリペプチド。 5.R4が残基19個のペプチドであって、そのポリペプチドの第55残基がC である請求項4のポリペプチド。 6.R3がYGGおよびYSGの群から選択される請求項5のポリペプチド。 7.R1が: VREVCSEQAE(配列番号6)、 MHSFCAFKAD(配列番号7)、 KPDFCFLEED(配列番号8)、 GPSWCLTPAD(配列番号9)、 KEDSCQLGYS(配列番号10)、 TVAACNLPIV(配列番号11)、 LPNVCAFPME(配列番号12)および RPDFCLEPPY(配列番号13) の群から選択される請求項6のポリペプチド。 8.R2が: RWYFDVTEGKCAPF(配列番号14)、 RFFFNIFTRQCEEF(配列番号15)、 RYFYNNQTKQCERF(配列番号16)、 RFYYNSVIGKCRPF(配列番号17)、 RYFYNGTSMACETF(配列番号18)、 LWAFDAVKGKCVLF(配列番号19)、 KWYYDPNTKSCARF(配列番号20)、 RWFFNFETGECELF(配列番号21)および RYFYNAKAGLCQTF(配列番号22) の群から選択される請求項7のポリペプチド。 9.R4が: GNRNNFDTEEYCAAVCGSA(配列番号23)、 GNRNNFDTEEYCMAVCGSA(配列番号24)、 GNQNRFESLEECKKMCTRD(配列番号25)、 GNMNNFETLEECKNICEDG(配列番号26)、 GNENNFTSKQECLRACKKG(配列番号27)、 GNGNNFVTEKECLQTCRTV(配列番号28)、 GNGNKFYSEKECREYCGVP(配列番号29)、 GNENKFGSQKECEKVCAPV(配列番号30)、 GNSNNFLRKEKCEKFCKFT(配列番号31)および AKRNNFKSAEDCMRTCGGA(配列番号32) の群から選択される請求項8のポリペプチド。 10.Xaa11がP、R、A、E、GおよびTの群から選択され、 Xaa12がGであり、 Xaa13がP、W、V、L、F、QおよびEの群から選択され、 Xaa14がC、G、AおよびSの群から選択され、 Xaa15がRおよびKから選択され、 Xaa16がA、GおよびSから選択され、 Xaa17がL、MおよびIの群から選択され、 Xaa18がM、I、LおよびYの群から選択され、 Xaa19がK、LおよびRの群から選択され、 Xaa34がF、V、I、Y、LおよびWの群から選択され、 Xaa38がC、GおよびAから選択され、 Xaa39がY、G、W、HおよびFの群から選択される ものである請求項9のポリペプチド。 11.Xaa11がPであり、 Xaa12がGであり、 Xaa13がP、V、LおよびWの群から選択され、 Xaa14がCであり、 Xaa15がRおよびKから選択され、 Xaa16がAであり、 Xaa17がL、MおよびIの群から選択され、 Xaa18がM、I、LおよびYの群から選択され、 Xaa19がL、KおよびRの群から選択され、 Xaa34がF、V、I、WおよびYの群から選択され、 Xaa38がCであり、 Xaa39がH、YおよびGから選択される ものである請求項10のポリペプチド。 12.R1がVREVCSEQAE(配列番号6)である請求項11のポリペプ チド。 13.R2がRWYFDVTEGKCAPF(配列番号14)である請求項12 のポリペプチド。 14.R4がGNRNNFDTEEYCAAVCGSA(配列番号23)である 請求項13のポリペプチド。 15.Xaa11がPであり、 Xaa12がGであり、 Xaa13がP、V、LおよびWの群から選択され、 Xaa14がCであり、 Xaa15がKおよびRの群から選択され、 Xaa16がAであり、 Xaa17がMおよびLの群から選択され、 Xaa18がMおよびIの群から選択され、 Xaa19がK、RおよびLの群から選択され、 Xaa34がV、I、YおよびFの群から選択され、 Xaa38がCであり、 Xaa39がG、HおよびYから選択される ものである請求項14のポリペプチド。 16.医薬的に許容される添加剤および請求項1のポリペプチドを含む医薬的組 成物。 17.請求項16の組成物の医薬的有効量を哺乳類に投与することを含む哺乳類 における血栓形成を阻害する方法。 18.該組成物を血栓溶解剤と組合せて投与することをさらに含む請求項17の 方法。 19.該組成物を抗凝固剤と組合せて投与することをさらに含む請求項17の方 法。 20.請求項16の組成物の医薬的有効量を哺乳類に投与することを含むVII a因子、XIa因子、血漿カリクレインまたはプラスミンの阻害が必要とされる べき哺乳類を処置する方法。 21.請求項1のポリペプチドをコードする分離されたDNA分子。 22.さらに該DNA分子に作動可能に連結する発現制御配列を含む請求項21 のDNA分子。 23.制御配列がそのベクターで形質転換した宿主細胞によって認識される請求 項22のDNA分子を含む発現ベクター。 24.プラスミドである請求項23のベクター。 25.請求項24のプラスミドで形質転換した宿主細胞。 26.請求項25の宿主細胞を該阻害剤の発現に適する条件下に培養することを 含む宿主細胞中でセリンプロテアーゼ阻害剤をコードするDNA分子を発現する 方法。 27.培養培地から阻害剤を回収することをさらに含む請求項26の方法。
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