JPH0950917A - ノイズフィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーブルに傷をつけず、該ケーブルの太さに
関係なく固定でき、また、機械的応力によって破損する
ことがないノイズフィルタを提供すること。 【解決手段】 ケーブルの内部に円筒状の分割型磁芯２
を収納し、ケーブルを固定するために該円筒状の分割型
磁芯２の貫通孔３の内周面に柔軟性が高く、かつ反発力
のある複数の固定片４を接着し設けることにより、該固
定片４が前記ケーブルを広い面積の面で接触し押さえ
て、前記ケーブルを確実に固定できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電力あるいは信号
ケーブル（以下ケーブルと呼ぶ）の輻射ノイズを取り除
くために使用する分割型磁芯を用いたノイズフィルタに
関する。

【０００２】

【従来の技術】図面を用いて従来のノイズフィルタを説
明する。図２に示すように、従来のノイズフィルタは、
分割型樹脂（６６ナイロン）製のケース５に円筒状の分
割型磁芯を収納し、該磁芯にケーブル８を挟持して輻射
ノイズを除去するものである。

【０００３】又、更に詳細に述べると、該円筒状の分割
型磁芯の貫通孔３に該ケーブル８を貫通し、貫通孔３の
内周面でケーブルを挟持し、前記ケーブル８をクランプ
後、前記ケーブル又はケースが動かないようにするた
め、前記ケース５の両端の開口部に対向するように一体
に成型した複数の突起６や爪７を設けて、前記ケーブル
８と複数の該突起６や該爪７とを先端の狭い面積で接触
させ、噛み合うように挟み込み、前記ケーブル８と前記
ケース５を固定する構造であった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来
のノイズフィルタにおいて、ケーブル８をケース５に固
定する場合には、前記ケース５の両端の開口部に対向す
るように一体に成型した前記突起６や前記爪７で直接、
前記ケーブル８を噛み合うように挟み込んで固定するた
め、前記突起６や前記爪７の先端部により、前記ケーブ
ル８の被覆表面に傷がついてしまい、導体部分がむき出
しになったり、又、前記突起や前記爪に自由度がないた
め、前記ケーブル８が細い場合には、固定できないとい
う問題があった。

【０００５】前記突起６や前記爪７は、材質上、低温時
や乾燥時には、機械的応力に対し非常に弱く、もろい性
質があり、前記ケーブルを引っ張ったり、折り曲げた時
の機械的応力によって、破損しやすかった。又、破損す
ると、前記ケースは使用できないという問題もあった。

【０００６】本発明の課題は、ケーブルに傷をつけず、
該ケーブルの太さに関係なく固定でき、又、機械的応力
によって破損することがないノイズフィルタを提供する
ものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、分割型樹脂製
のケースに分割型磁芯を収納し、該磁芯の貫通孔に電力
あるいは信号ケーブルを貫通し、前記貫通孔の内周面で
ケーブルを挟持してなるノイズフィルタにおいて、前記
ケーブルを固定するために、前記磁芯の貫通孔の内周面
に高弾性体からなる複数の固定片を接着し、前記固定片
で前記ケーブルを固定することを特徴とするノイズフィ
ルタである。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明のノイズフィルタでは、分
割型磁芯の貫通孔の内周面に柔軟性が高く、かつ反発力
のある複数の固定片を接着し設け、前記固定片の面でケ
ーブルを挟持するので、ケーブルの被覆表面に傷をつけ
ることがなく、又、該固定片の厚みを変えたものを使用
することによって、前記ケーブルが太い場合は、前記固
定片が縮んだ状態で、細い場合は、定形の状態で前記ケ
ーブルを固定するようにできる。

【０００９】又、前記固定片と前記ケーブルとが広い面
積の面で接触するため、固定強度もあり、低温時や乾燥
時に前記ケーブルを引っ張ったり、折り曲げた時の機械
的応力に対して、柔軟性の高い高弾性体の前記固定片が
緩衝材として働き、破損することがないノイズフィルタ
を提供できる。

【００１０】（実施例）以下、本発明の実施例について
図面を用いて説明する。図１は、本発明のノイズフィル
タを示す斜視図である。

【００１１】図１に示すように、本発明のノイズフィル
タは、分割型樹脂（６６ナイロン）製のケース１に円筒
状の分割型磁芯２を収納し、該円筒状の分割型磁芯２の
貫通孔３の内周面に柔軟性が高く、かつ反発力のある高
弾性体の発泡ウレタンでできた複数の固定片４を接着
し、該固定片４がケーブルに広い面積の面で接触し、該
ケーブルを挟持して、固定する構造である。

【００１２】本実施例では、前記固定片は、幅４ｍｍ、
長さ２０ｍｍ、厚さ２.５ｍｍの大きさのものを使用し
た。

【００１３】前記固定片４は、前述のように柔軟性が高
く、かつ反発力のある発泡ウレタンでできているため、
固定している前記ケーブルの被覆に傷をつけることがな
い。又、前記固定片４の厚みを変えたものを使用するこ
とによって、前記ケーブルの太さにも関係なく、簡単に
固定することができる。

【００１４】又、前記固定片４と前記ケーブルとは、広
い面積の面で接触しているため、固定強度もあり、前記
ケーブルを引っ張ったり、折り曲げた時の機械的応力に
対して、柔軟性の高い前記固定片４が緩衝材として、前
記円筒状の分割型磁心２を保護する働きをし、破損する
ことがない。

【００１５】本実施例では、固定片の材料として発泡ウ
レタンを例に記載したが、その他の実施例として、シリ
コーンゴム、天然ゴム、合成ゴム、フォームラバー、発
泡クロロプレンゴム等が使用することができ、同様の効
果を得ることができる。

【００１６】

【発明の効果】本発明によれば、ケーブルに傷をつけ
ず、前記ケーブルの太さに関係なく、簡単に固定するこ
とができ、又、機械的応力によって破損することがない
ノイズフィルタを提供できた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるノイズフィルタを示す斜視図。

【図２】従来のノイズフィルタを示す斜視図であり、図
２（ａ）は開口部に突起を有するノイズフィルタを示す
斜視図、図２（ｂ）は開口部に爪を有するノイズフィル
タを示す斜視図。

【符号の説明】

１，５ （分割型樹脂製の）ケース ２ 円筒状の分割型磁心 ３ 貫通孔 ４ 固定片 ６ 突起 ７ 爪 ８ （電力あるいは信号）ケーブル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 分割型樹脂製のケースに分割型磁芯を収
   納し、該磁芯の貫通孔に電力あるいは信号ケーブルを貫
   通し、前記貫通孔の内周面でケーブルを挟持してなるノ
   イズフィルタにおいて、前記ケーブルを固定するため
   に、前記磁芯の貫通孔の内周面に高弾性体からなる複数
   の固定片を接着し、前記固定片で前記ケーブルを固定す
   ることを特徴とするノイズフィルタ。