JPH09508617A - 表面膜タンパク質および免疫応答に対するそれらの影響 - Google Patents

表面膜タンパク質および免疫応答に対するそれらの影響

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JPH09508617A JP7514017A JP51401795A JPH09508617A JP H09508617 A JPH09508617 A JP H09508617A JP 7514017 A JP7514017 A JP 7514017A JP 51401795 A JP51401795 A JP 51401795A JP H09508617 A JPH09508617 A JP H09508617A
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Abstract

(57)【要約】 p74は、T細胞および他の細胞に見出され、特定の薬剤と結合した場合、CTLの細胞傷害活性および分化の阻害を生じるタンパク質である。p74は、パリンドロームHLA-B2702.84-75-84ペプチドを使用して、細胞溶解物のアフィニティー結合によってT細胞および他の細胞から単離され得る。

Description

【発明の詳細な説明】 表面膜タンパク質および免疫応答に対するそれらの影響 序論 技術分野 本発明の分野は、免疫応答の改変である。背景 免疫系は、これまで増加し続けてきた科学的調査の対象である。免疫系に対す る多大の関心や絶え間なく増え続けてきた研究者数にもかかわらず、学術的にも 産業的にも、免疫系の完全な理解は未だに曖昧さを残している。1つの主要な進 歩は、T細胞レセプターと主要組織適合性複合体抗原との相互作用の同定であっ た。クラスIおよびクラスIIのどちらの主要組織適合性複合体抗原も小ペプチド に結合する裂け目を有するという同定は、T細胞特異性およびT細胞制限を理解 するための重大な鍵を提供した。 MHCは、マクロファージおよびB細胞に、それらの抗原提示細胞としての役割 において役立つ(ここで、このペプチドにより、どのT細胞がMHC-ペプチド複合 体に結合し得るかが規定される)という理解は、T細胞応答の多くの他の局面を 説明しなかった。T細胞レセプターの抗原提示細胞との結合だけではT細胞活性 化に至るには十分ではないように思われた。アネルギーまたは寛容化(tolerizat ion)のプロセスは、T細胞レセプターおよびMHC抗原が関与する活性化プロセス のみによっては説明され得なかった。さらに、ヘルパー細胞(CD4+)とサプレッサ ー/細胞傷害性細胞(CD8+)との間には違いがあった。いくつかのメカニズムが、 ヘルパー細胞とクラスII MHCとを、およびサプレッサー/細胞傷害性細胞とクラ スI MHCとを関連づけるのに必要であった。その後、CD4およびCD8はMHCのループ に結合することによりMHC TCR複合体に関係し、複合体の安定性を高めることが 見出された。さらに、別の相互作用が明らかになり、それはT細胞レセプター/ MHC複合体には明らかに直接的に関与しておらず、そこではCD28とB7とが結合し ていることが解った。従って、抗原提示細胞とT細胞との間の関係に関与する多 くの異なる相互作用があるようであり、その結果、T細胞の寛容化または活性化 をもたらし得る。 T細胞が免疫系の主要な成分の中心で働くという重大な役割のため、T細胞が どのようにして選択され、活性化されあるいは寛容化されるかを理解し得ること は今も非常に重要なことである。種々の関与物がT細胞活性化に果たす役割を理 解することによって、免疫応答を高めるか(ワクチン、病原体、新生物などを扱 っている場合)、または免疫応答を弱めるか(自己免疫または器官移植を扱って いる場合)して免疫系を調節する機会があり得る。 多くの免疫抑制剤は特定の細胞タンパク質を標的として有することが示されて きた。シクロスポリンAはシクロフィリンに結合し、FK506はFK結合タンパク質 に、そしてデオキシスペルグアリン(deoxyspergualin)はHsc70およびHsp70の両 方に結合する。Hsp70は、少なくとも1つの構造的に発現される同族体Hsc70を有 するマルチ遺伝子ファミリーの一員であることが示されている。DSGの効果は、 抗原提示細胞に対して特異的であるようであり、抗原提示および/またはプロセ シングに干渉する。免疫抑制剤の作用はそれらの細胞性結合タンパク質によって 仲介され、従って、標的およびその標的に結合する他の物質(免疫応答の調整を 提供し得る)を同定することは興味深い。関連文献 Wanら、(1986)J.Immunol 137:3671-4はBw4/Bw6エピトープを記載している。 Claybergerら、(1987)Nature 330:763-765は、HLA-A2ペプチドがヒト同種(allog eneic)Tリンパ球によって細胞溶解を調節し得ることを示している。WO93/17699 は、CTL活性の調整におけるHLA-AおよびHLA-Bのα1およびα2ヘリックス由来 のペプチドの活性を記載している。HLA-B2702.60-84ペプチドはその明細書に記 載される。 熱ショックタンパク質Hsp70の分子的特徴付けは、Immunogenetics(1990)32:24 2-251に記載され、そしてその構造的に発現された同族体は、Mol.Cell.Bio.(198 8)8;2925-2932に記載されている。 デオキシスペルグアリン(DSG)の免疫抑制効果の特徴付けは、Hoegerら、(1994 )J.Immunol.153:3908に見出し得る。DSGのHsp70およびHsc70への結合は、Nadle rら、(1992)Science 258:484およびNadeauら、(1994)Biochemistry 33:2561に記 載されている。 本発明の要旨 抗原提示細胞−T細胞相互作用の際のT細胞活性化に関与するT細胞タンパク 質を調製および単離する方法が提供される。このタンパク質はT細胞活性化に関 与し、HLA-B2702α1ヘリックスペプチドに結合することにより特徴付けられ、 そして熱ショックタンパク質同族体Hsc70と免疫学的に交差反応性である。この タンパク質、そのフラグメント、およびそのタンパク質をコードする核酸および オリゴヌクレオチド、ならびに、それらに結合する抗体が提供される。このタン パク質に結合する物質、またはこのタンパク質への他の物質の結合を阻害する物 質を用いることにより、T細胞活性化が調整され得る。 特定の実施態様の説明 哺乳動物のT細胞におけるT細胞活性化に関与する表面膜タンパク質としてT 細胞によって発現されるタンパク質(このタンパク質は、HLA-B2702α1ヘリッ クスペプチドに結合する)、このようなタンパク質をコードする核酸またはその フラグメント、およびT細胞活性化の調整においてそのようなタンパク質に関連 するシグナル変換を調整する物質を単離する方法および組成物が提供される。 目的のタンパク質はp74という。これは表面膜タンパク質であり、T細胞およ び限られた数の他の細胞に発現される。これは、HLA-B2702のα1ヘリックスの ペプチド(すなわち、RENLRIALRY配列)、そのペプチド伸長物、またはその二量 体、特にパリンドローム二量体(アミノ酸配列YRLAIRLNERRENLRIALRYを有する) を用いるT細胞溶解物からの抽出により容易に単離される。p74のHLA-B2702パリ ンドロームに対する親和性は、少なくとも約10-4Mである。抽出は、表面上(例 えば、粒子、マイクロタイターウエルの壁など)で、あるいは溶液中でペプチド を伴って行われ、この場合ペプチドはこのペプチドとの複合体の分離を可能にす る標識によって標識され得る。例えば、このペプチドのアミノ末端をリガンド、 またはビオチンで標識して複合体をそれぞれ抗体またはアビジンで沈澱させるか 隔離し得る。このタンパク質はペプチドから遊離され、適切に特徴付けられ得る 。 p74は、限られた数の細胞、特に活性化されたCTL、T細胞腫瘍PEER、およびEB V形質転換細胞株JY、実質的にはリンパ系T細胞およびB細胞に見出されるタン パク質てある。このp74タンパク質は、CHAPSのような両性界面活性剤で溶解する ことにより得られ得る。次いで、溶解物を適切なBw4エピトープを有するペプチ ドまたはタンパク質(例えばHLA-B2702.84-75-84パリンドロームペプチド)と組 み合わせ得る。適切な粒子に共有結合したペプチドを有するアフィニティーカラ ムを調製することにより、溶解物をそのカラムに通し、続いて溶解緩衝液または 他の都合の良い緩衝液によって溶出させ得る。効果的な溶出は比較的高いpH、都 合よくは約11〜12の範囲を用いて達成され得る。例えは、(Ey(1978)Immunochemi stry 15:429-436)を参照。あるいは、異なる界面活性剤を、Mescherら(1983)Met h.Enzymol.92:86-109によって記載されたように用い得る。支持体に結合したペ プチドを用いる他の分離技術(例えば、パニング、磁気ビーズなど)もまた用い 得る。通常、ペプチドとp74サンプルとの各接触の後、上清を取り除き、固相支 持体を洗浄して非特異的に結合したタンパク質および他の混入物を取り除く。洗 浄には任意の都合の良い緩衝溶液を、塩含量を変えて用い得る。洗浄工程はペプ チドとp74との間の複合体に深刻な影響を与えないようにすべきである。この方 法で、連続的な冨化を用いてタンパク質組成物を提供し得る。この組成物は、総 タンパク質の少なくとも約50重量%、好ましくは少なくとも約75重量%、より好 ましくは少なくとも約90重量%がp74タンパク質であり、上限は100%純粋である 。 別の精製スキームとして、p74と熱ショックタンパク質同族体であるHsc70との 免疫学的交差反応を利用し得る。Hsc70に対する抗体はp74と反応する。種々のア フィニティー精製方法が当該分野で公知である。抗体はビーズまたは別の不溶性 支持体に結合し得、そして細胞溶解物と混合される。結合したタンパク質は未結 合の溶解物がなくるように洗浄される。結合したタンパク質を、多くの方法(例 えば、熱、塩勾配、緩やかな界面活性剤など)により抗体から溶離させる。 アフィニティークロマトグラフィーの代わりに、溶解物のゲル電気泳動を行い 得る。それにより、適切に標識されたBw4エピトープ含有ペプチドを用いてp74の 存在を同定し得る。Bw4ペプチドは、蛍光剤、ラジオアイソトープなどで標識さ れ得、非特異的に結合したペプチドは洗い流され、そして適切なバンドを発色さ せる。 固相上またはゲル中の結合の代わりに、適切に標識された可溶性形態のペプチ ド(例えば、N末端ビオチン化など)を用いて、溶液中で結合を達成し得る。適 切な細胞を、ペプチドまたはそれらの二量体形態(特に、パリンドローム形態) と、緩やかに上昇させた温度(通常約25〜40℃)で、複合体が形成されるのに充 分な時間、インキュベートすることにより、ペプチドと細胞表面タンパク質との 特異的結合が得られる。次いで、複合体化した細胞を上記のように溶解し得る。 溶解後、複合体を標識という手段、例えばビオチン(固相表面に結合したアビジ ンという手段により単離される)により、単離され得る。あるいは、標識に相補 的に結合するメンバー複合体を形成し得、それを用いて上記のようにペプチドに 結合している特定のタンパク質を抽出し得る。次いで、サンプルを何度も洗浄し 、SDS中で煮沸し、SDS-PAGEゲル電気泳動を用いて分離し得る。 アフィニティー精製またはゲル電気泳動の前に、p74が結合するB2702.84-75-8 4パリンドローム配列とは異なるので、B7.84-75-84パリンドロームのペプチド配 列YGRLNRLSERRESLRNLRGYを用いてその配列に結合するいかなるタンパク質をも除 去することにより、所望のp74タンパク質を豊富にし得る。この様式で、p74は非 常に豊富になり、実質的に他のタンパク質を含まずに入手し得る。 目的のタンパク質は任意の哺乳動物種(例えば、齧歯類、ウシ、イヌ、霊長類 、特にヒトなど)から入手し得る。 少なくとも約80重量%の純度のサンプルにおいてタンパク質を個別に用いて、 タンパク質を基にして、そのタンパク質の配列を従来の方法に従って容易に決定 し得る。上記のように精製されたタンパク質は、従来の配列決定装置を用いて配 列決定され得る。精製タンパク質を、緩やかなタンパク質分解的分解、シアノゲ ンブロマイド、または他の開裂様式を用いて開裂し、約20アミノ酸未満のフラグ メントを提供し得る。次いで、このフラグメントを分画し(例えば、逆相HPLCま たは調製的(preparative)SDS-PAGEおよび電気溶出)、そのフラグメントを配列 決定し得る。次に、このフラグメントの配列を用いて各タンパク質の配列を導き 得る。 従来の技術を用いることにより、タンパク質の既知のアミノ酸配列から変性し たプローブが生成され得る。少なくとも約15ヌクレオチド(通常少なくとも約20 ヌクレオチド)のDNAプローブを用いて、そのタンパク質を発現することが知ら れている細胞(特にT細胞)のcDNAライブラリーをスクリーニングし得る。次に 、プローブに結合するこれらのcDNAを単離して配列決定し得る。その配列が適切 なペプチド配列をコードしている場合、単離されたcDNAが完全なcDNAでなければ 、単離されたcDNAをプローブとして用いて全体のタンパク質をコードする完全な cDNAを単離し得る。次いで、所望なら、cDNA遺伝子を用いて従来の技術に従って ゲノム遺伝子を単離し得る(例えば、Molecular Cloning; A Laboratory Manual ,第2版,J.Sambrook,E.F.Fritsch,T.Maniatis,CSHL,Cold Spring Harbor, NY,1989参照)。 遺伝子またはそのフラグメント(通常、少なくとも約25ヌクレオチド、好まし くは少なくとも約30ヌクレオチドで約60ヌクレオチド以下からなる)は細胞のプ ロービングに用いられ、目的のタンパク質が発現されているか、そのタンパク質 が発現されているのは細胞周期のどの時期か、分化のどのレベルで発現され得る かを決定し、そしてT細胞の活性化または脱活性化の間のメッセンジャーRNAの 量を定量し得る。 この遺伝子は幅広い種々の宿主(原核生物および真核生物の両方)における発 現のために発現ベクターに導入され得る。今日では多くのプロモーターが市販さ れており、それらは、遺伝子の挿入が発現宿主内で機能的である転写および翻訳 開始調節領域の転写制御および翻訳制御の下にあるようにポリリンカーの上流( 転写方向で)に含まれる。転写および翻訳開始調節領域のほかに、発現ベクター は、ポリリンカーの下流に、発現宿主内で機能的である転写および翻訳終結調節 領域を含み得る。従って、この遺伝子は、ポリリンカーに都合の良い部位で切断 する制限酵素でベクターを線状化した後、ベクターに挿入され得る。転写および 翻訳調節領域に加え、発現ベクターはまた、その発現ベクターを含む宿主の選択 を可能にする遺伝子を含み得る。大抵の場合、これらの遺伝子は抗生物質耐性を 提供するが、栄養要求性宿主を補足するように作用し得るか、あるいは他の様式 の選択も提供し得る。このベクターはまた、エピソーム保持のための起源を含み 得るかまたはこのベクターは発現宿主への組み込みを可能にし得る。このベク ターは、任意の都合の良い手段により発現宿主に導入され、それらにはエレクト ロポレーション、融合、カルシウム沈降DNA、トランスフェクションなどが挙げ られ、用いられる特定の様式は本発明にとっては重要でなく、発現宿主の選択に 依存する。 目的のタンパク質を生成するために発現構築物を用いることに加え、この発現 構築物はまたT細胞活性化の解明にも用いられ得る。例えばこれらの構築物を相 補性の研究に用い得る。例えば、目的のタンパク質の1つまたは両方を欠いてい る細胞、ならびにT細胞活性化に関与する別の表面膜タンパク質を欠いている細 胞は、1つまたは両方の目的のタンパク質を発現するように改変され得る。次い で、p74の結合が細胞内の種々の経路に与える影響を研究し得る。これらの研究 ではまた、変異がp74の活性に与える影響も試験し得る。さらに、p74の細胞質部 分を選択して用い、そしてその部分を異なる細胞外部分に結合させて融合タンパ ク質を提供し得る。この融合タンパク質は、その細胞外部分に対するリガンドま たは他の結合分子がその細胞外部分に結合する場合、シグナルを変換する。例え ば、種々のレセプター(例えば、EGFレセプター、IL2レセプター、インスリンレ セプター、CD4など)を既知のリガンドと共に用い得る。この場合、タンパク質 の結合では、特に表面上での架橋はシグナル変換を生じる。従って、シグナル変 換を提供するようにレセプターに対する天然のリガンドまたは抗体を用い得る。 p74の可溶性形態は、膜貫通領域の欠失により構築され得る。可溶性タンパク質 は天然のタンパク質の競合物として用いられ、それにより細胞性免疫応答が調整 される。 発現構築物はまた、融合タンパク質を生産するために用い得、ここでp74はβ- gal、CAT、lacZなどのようなマーカーに融合され得る。この融合タンパク質は、 アッセイで、翻訳発現のためのマーカー、抗体生産のためのマーカーなどとして 働き得る。この融合タンパク質は、p74の供給源の精製を助けるように働き、こ こでp74またはその短縮部分は、Qiagenプロセスまたは他のプロセスで精製を可 能にする配列に結合され得る。 p74は、(特にパリンドロームの二量体としての)HLA-B 2702.75-84に結合し、 そしてHLA-B7 75-84またはそのパリンドローム二量体に結合しない。これは、T 細胞の活性化のプロセスと関連する。p74に結合することにより、CTLによる細胞 溶解およびCTL分化の阻害を生じ得る。CTLのp74に結合する物質を使用すること により、免疫応答は非常に阻害され得る。あるいは、天然に生じるまたは合成の いずれかの物質のp74への結合を阻害することにより、CTL活性は維持され得、CT L活性に必要な他の局面が存在する。CTL活性の阻害のために、Bw4エピトープを 有するペプチドは、標的細胞の分化または細胞溶解の阻害に十分な量で使用され 得る。あるいは、p74に結合する抗体を用い、この抗体は、活性化または阻害を 提供し得る。抗体に依存して、それはCTLの活性化を可能にするp74への物質の結 合を阻害し得、表面メンバータンパク質の他の相互作用または細胞に変換されて 進入する他のシグナルと共にCTLの活性化を提供するか、またはp74との結合を介 してCTLを独立的に不活性化し得る。抗体全体を用いる必要はなく、その結合フ ラグメント(例えば、Fab、F(ab')2、Fvなど)、または天然に生じるまたは合成の いずれかの他の結合体を用いる。 B2702ペプチドに結合した場合のp74により、非形質転換T細胞での大量のカル シウムの流入を生じる。大きさおよびキネティクスは、本質的に、抗CD3抗体に より誘導される大きさおよびキネティクスと同じであり、細胞内カルシウムの上 昇がアネルギーの発達に関与するという結論を支持する。この応答は、B2702.75 -84ペプチドに特異的であるようである。 可溶性p74は、それぞれの遺伝子を短縮し、膜貫通配列および細胞内配列を除 去することにより調製され得る。短縮は、従来の方法により、制限酵素、プライ マー修復、エキソヌクレアーゼ、またはタンパク質の細胞外部分の合成を用いて 達成され得る。可溶性p74は、種々の目的のために用いられ得る。可溶性p74は診 断アッセイで用いられて、サンプル中のp74の存在および量を決定し得、従来の 結合アッセイによりp74に結合する化合物をスクリーニングするため、予防また は治療の目的のため(すなわち、天然タンパク質への物質の結合を阻害するため) 、およびT細胞活性化の機構を解明するための研究で用いられ得る。 可溶性p74は、p74に結合するAPCおよびこのような結合に干渉する物質を同定 するために用いられ得る。標識したp74を用いて、p74に結合する細胞は磁気分離 、蛍光発光などにより容易に検出され得る。可溶性p74はまた、インビボまたは イ ンビトロでのCTL応答をT細胞および抗原提示細胞(例えば、マクロファージおよ びB細胞)の混合物中で調整するために用いられ得る。 目的のタンパク質に対する抗体は、従来の方法により調製され得る。p74の天 然または可溶性の形態は免疫原として用いられ得、血管内、腹腔内、筋肉内、皮 下などに、通常はアジュバントとともに適切な哺乳動物(例えば、マウス、ラッ ト、モルモットなど)に注射され得る。通常、1回以上のブースター注射が抗血 清の特異性を増大するために用いられ得る。次いで、免疫化された宿主を屠殺し 、脾臓を単離し、そして任意の従来の手段(例えば、ハイブリドーマとの融合)に より脾臓細胞を不死化し得る。次いで、このハイブリドーマを、適切に、限界希 釈を用いて増殖させ、そしてp74との結合特性についてスクリーニングされ得る 。次いで、p74に結合親和性を示すハイブリドーマは増大され得、そして上清は モノクローナル抗体の単離のために用いられ得、またはハイブリドーマはモノク ローナル抗体の供給源として腹水の調製のために用いられ得る。次いで、ハイブ リドーマは、所望の結合親和性を有する抗体を同定するためにさらにサブクロー ニングされ、スクリーニングされ得る。次いで、これらの抗体は、抗体の生理的 な効果を決定し得る条件下でp74を有するT細胞でさらにスクリーニングされ得 る。モノクローナル抗体を調製する手順に関しては、Antibodies: A Laboratory Manual,Ed HarlowおよびDavid Lane編、Cold Spring Harbor Laboratory,Col d Spring Harbor,NY,1988を参照。 宿主中で予防剤または治療剤として用いるために、抗体は、抗体の定常領域お よびフレームワーク領域を処理されるべき宿主により利用される配列で置き換え ることにより改変され得る。重鎖および軽鎖の可変領域を単離し、宿主の本来の 可変領域にそれらを融合し、そして宿主の本来のフレームワーク領域を置換する ための技術は、多くの刊行物に記載されてきた。例えば、EPA 173,494およびWO9 2/16562を参照。 目的の治療剤は、薬学的に受容可能な媒体中、例えば、生理食塩水、PBS、グ ルコース中で、一般的には、薬理学的に有効な用量で、処方物として調製され得 る。この用量の濃度は特定の目的のために従来の手順により経験に基づいて決定 される。処方物は、殺菌剤、安定剤、緩衝液などを含み得る。宿主に投与する量 は、投与物、投与の目的(例えば、予防または治療)、阻害または活性化のいずれ が所望されるのか、宿主の状態、投与の様式などに依存して変化し得る。目的の ペプチド剤の半減期を増大するために、ペプチドは、カプセル化され、リポソー ムの内腔に導入され、コロイドとして調製され、IgGの定常領域のような安定な ペプチドもしくはポリアルキレンオキシ基に結合することにより、または他の従 来の技法により改変され得る。 混合リンパ球の反応、B細胞の活性化、および他の細胞または化合物の相互作 用におけるp74の役割が調べられ得る。例えば、培養物では、p74またはその生物 学的に活性なフラグメントは、約1〜500μg/1×105細胞で培養培地に添加さ れ得、ここでT細胞活性の阻害が研究される。さらに、p74は、CTL活性化に対す るアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性について新規の化合物をスクリーニ ングするために用いられ得る。従って、ペプチドに結合したタンパク質またはタ ンパク質に結合する他の物質を合わせ得、ここでペプチドまたは他の物質は検出 可能なように標識される。p74を含む複合体と分析される化合物で標識された物 質との間の競合を実施し、そして標識した物質のp74からの放出速度を測定する ことにより、p74に対する候補化合物の親和性を測定し得る。あるいは、ペプチ ドまたは他の物質が、タンパク質への結合に関して候補化合物と競合するCTLを 用いて、そしてCTL分化または細胞溶解活性に対する候補化合物の効果を候補化 合物が存在しない標準と比較して測定し得る。 以下の実施例は、例として提供されるのであって、限定として提供されるので はない。 実施例 種々のHLAペプチドのアミノ酸60-84およびHLA-B2702/05.145-169の 溶解に対する効果 以下のペプチドを合成した: HLA-A2、-B2705、-Bw46、-Bw62、および-Cw4に特異的な長期CTLの溶解に対す る上記配列の効果を決定し、それはHLA-B27およびHLA-Cw4に特異的なCTLを含ん でいた。B2702.60-84ペプチドを除いては、どのペプチドも溶解を阻害または促 進しなかった。このペプチドは、全てのCTLにより、それらのHLA特異性にかかわ らず溶解をブロックした。この効果は、前処理実験により示すようにCTLとの相 互作用に帰因し、標的細胞には帰因しない。 これらのペプチドを、限界希釈アッセイでCTL前駆体からのCTLの分化に対する 影響について試験した。手順は、以下のようにSkinnerおよびMarbrook(J.Exp.M ed. 143:1562;1976)を改変した:正常なHLA型のドナー由来のPBLをFicoll-Hypaq ue上で精製し、丸底マイクロタイターウエルで、目的のHLAアレル変異体を発現 する放射線照射した(10,000R)EBV形質転換Bリンパ芽球とともに共培養した。応 答PBLを3000、6000、10000、および30000細胞/ウエルで添加し、その一方刺激 物を6000細胞/ウエルで添加した。20-4複製物が、10%ウシ胎児血清およびL-グ ルタミンを追加したRPMI-1640培地中の各濃度の応答細胞について示された。プ レートを5%CO2/95%空気の加湿インキュベーターで6日間インキュベートし 、その時各ウエルの内容物をマルチチャンネルピペットで5回ピペッティングす ることにより混合した。50マイクロリッターのアリコートをV底マイクロタイタ ーウエルに移し、それに公知のHLA型の51Cr標識した標的を1000個添加した。4 時 間の細胞傷害アッセイで溶解を決定した。特異的な溶解が>10%である場合、ウ エルをポジティブとした。CTL前駆体頻度を、コンピュータープログラムを用い る線形回帰分析により決定した。 B2702.60-84、Bw46.60-84、およびBw62.60-84ペプチドは全てCTLの分化をブロ ックしたが、他のペプチドは効果を有さなかった。限界希釈分析で決定したHLA領域に対応するペプチドのCTL前駆体頻度に対する効 正常なドナー(HLA-A3; B-7.38; Cw4; DR4,6)由来のPBLを、ty(HLA-A2; B7; DR 4,6)またはHOM2(HLA-A3; B27)とともに10〜100μg/mlペプチドの存在下で培養し た。6日後、溶解をHLA-A2.5またはHLA-B2705のいずれかを発現する51Cr標識し たCIR細胞についてテストした。HLA-A2特異的溶解について結果を示すが、HLA-B 27特異的溶解についても同様の結果を得た。 多数の異なるHLA分子に特異的なCTLの分化が阻害されなかったので、効果は、 アレル変異体特異性を示さなかった。どのペプチドも、クラスIIの制限応答(混 合リンパ球応答およびマイトジェン誘導増殖を含む)に影響を及ぼさなかった。 正常なドナー由来のPBLを10%ウシ胎児血清およびL-グルタミンを追加したRPM I-1640中で5×105細胞/丸底マイクロタイターウエルで培養した。培養物に5 ×103の放射線照射(10,000R)PBV形質転換Bリンパ芽球または10μg/mlフィタヘ マグルチニンP(phytahemagglutinin P)(PHA-P)のいずれかを追加した。細胞を 、37℃で、PHA-Pについては3日間およびアロ抗原については5日間インキュベ ー トし、その時点で3Hチミジンを添加(2μli/ウエル)した。16時間後、ウエルを 回収し、そして3Hチミジンの取り込みをシンチレーションカウンターにより測定 した。短縮型配列の溶解および分化に対する影響 B2702.60-84およびB2705.60-84ペプチドは3アミノ酸だけが異なるので、別の ペプチドを調製してこれらの違いの影響を研究した。3つのさらなるペプチドを 以下のように合成した: HLA-B2702.75-84 RENLRIALRY HLA-B2705.75-84 REDLRTLLRY HLA-B2702/05.60-69 WDRETQICKA HLA-B2702/05の残基60-69に対応するペプチドは、上記のアッセイに影響を有 さなかった。HLA-B2702の残基75-84に対応するペプチドは、全てのクラスII特異 的CTL応答をブロックしたが、HLA-B2705の同じ領域に対応するペプチドはブロッ クしなかった。 どの残基が阻害効果を仲介するかを決定するために、さらに3つのペプチドを 合成した。それは1つのアミノ酸の変化を、残基77、80および81で導入し、この 位置でB2702配列をB2705配列に変換している。B2702.75-84(D)およびB2702.75-8 4(L)のペプチドは、存在しているCTLによる溶解およびプレ-CTLの分化をなおブ ロックしたが、B2702.75-84(T)ペプチドは阻害活性を有さなかった。従って、80 位のイソロイシンが、阻害に必要である。 HLA-B2702.75-84(D) REDLRIALRY HLA-B2702.75-84(T) RENLRTALRY HLA-B2702.75-84(L) RENLRILLEY プラスチックに予め結合した場合、B2702.60-84、B38.60-84、およびB2702.75 -84は細胞を結合することもまた以下のアッセイにより発見された。他のペプチ ドは、この効果を有することを見出されなかった。しかし、B2702.60-84ペプチ ドが残基67でシステインを介してウシ血清アルブミンまたはビーズに結合する場 合、ブロック効果および細胞をプラスチックに結合する能力を失った。 プラスチック結合手順は、以下の通りであった:ペプチド(100μg/ml)をPBSに 溶解し、そして50μlを丸底マイクロタイターウエルに添加するか、または5〜1 0μlをペトリ皿に添加した。37℃で60分または4℃で一晩の後、溶液を除去し、 そしてプレートを10%ウシ胎児血清を追加したRPMI-1640で2回洗浄した。細胞 を添加し、4℃で30分間インキュベートした。ペトリ皿への結合を、穏やかに振 動した後顕微鏡下で皿を調査し、決定した。マイクロタイターウエルへの結合を 、500rpmで3分間の遠心分離後決定した。結合しなかった細胞は、ウエルの底で 小さなペレットを形成したが、結合した細胞はペレットを形成しなかった。 結合は、4℃、25℃、または37℃で等しく起こり、そして結合がEDTAを含む培 地で観察されたので、外因的に添加した2価のカチオンに依存しなかった。しか し、細胞を、1% NaN3で予めインキュベートするか、またはパラホルムアルデ ヒドで固定した場合、結合は観察されず、生存可能な細胞および最も適切なATP の生成が必要であることを示している。p74の単離および特徴付け B2702.60-84、B2702.84-75-84、B2702.84-79/79-84、B2702.84-75T/75-84T、B 7.60-84、およびB7.84-75/75-84ペプチドのアミノ末端アミノ基を、ストレプト アビジン(strepavidin)−アガロース(SAA)との使用のためにビオチン-(CH)12-に 結合し、35S-メチオニンおよびシステイン標識細胞からペプチドレセプターを 単離した。 HLA-B2702.60-84 WDRETQICKAKAQTDRENLRIALRY B2702 84-75-84 パリンドローム YRLAIRLNERRENLRIALRY B2702 84-79-84 パリンドローム YRLAIRRIALRY B2702 84-75T/75-84T パリンドローム YRLAIRLNETRENLRIALRT B7.60-84 WDRETQICKAKAQTDRESLRNLRGY B7.84-75/75-84 パリンドローム YGRLNRLSERRESLRNLRGY 2つの異なるプロトコールを使用した。最初に、ビオチン化ペプチドをSAAと 複合体化し、そして4℃で30分間標識細胞に結合させた。この細胞を洗浄して過 剰な複合体を除き、溶解緩衝液を含むCHAPSの添加によって溶解した。この方法 は、細胞表面由来の物質を優先的に沈澱させる。第2のプロトコールでは、細胞 溶解物をCHAPS溶解緩衝液中に調製し、そしてこの溶解物を、ビオチン化ペプチ ド/SAA複合体と共に4℃で30分間インキュベートし、続いて大量洗浄(extensive washing)した。この方法は、細胞内物質を優先的に沈澱させる。 両方法のために、タンパク質をSDS-PAGEによって分離し、フルオログラフィー によって可視化した。B2702.84-75/75-84ペプチドは70および74kDの2つのバン ドを生じるが、密接に関連するB7.84-75/75-84ペプチドは生じない。この70およ び74kDのバンドはまた、B2702.60-84およびB2702.84-79/79-84ペプチドにより生 じたが、B7.60-84ペプチドでは生じなかった。これら2つのバンドは、CTL株お よび末梢血リンパ球の表面または溶解物から沈澱し得たが、試験した他のほとん どの細胞の溶解物からのみ沈澱し得た。いずれかのイソロイシンのトレオニンで の置換は、両バンドの濃度に顕著な減少を導いた。二重トレオニン置換(double threonine substituted)ペプチドであるB2702.84-75T/75-84Tは、いずれのバン ドも沈澱させなかった。 続いて、70および74kDのバンドは、熱ショックタンパク質ファミリーのメンバ ーに特異的な抗体と反応性であることが示された。ビオチン結合B2702.84-75/75 -84またはB7.84-75/75-84ペプチドを使用して、CTLからタンパク質を沈澱させた 。SDS-PAGEによる分離の後、タンパク質をナイロンメンブレンに電気泳動的に移 し、そしてこのウェスタンブロットを、Hsp70に特異的なモノクローナル抗体を 用いてプローブした。この抗体はp74タンパク質と特異的に反応することがわか る。 ペプチドまたは抗Hsc70 mAbのいずれかを用いた沈澱の後のp74タンパク質およ びHsc70についての等電点電気泳動法は、同じ分子量および等電点を示す。B2702 ペプチドはまた、通例Hsp70と呼ばれている熱誘導可能形態に結合するが、Hsc70 への結合はよりずっと顕著である。両形態とも細胞表面で発現し、43℃で1時間 の細胞処理後アップレギュレートされる。Hsc70タンパク質の発現は、ペプチド 誘導カルシウム増加および不応答性の誘導に相関する。 B2702ペプチドの非形質転換T細胞への結合は、大量のカルシウム流入を生じ ることが見出された。このカルシウム流入は、抗CD3抗体により誘導される大き さおよびキネティクスに匹敵する大きさおよびキネティクスを有し、表面膜タン パク質へのペプチド結合およびアネルギーの進展への関与を援護する。他のクラ スIHLAα1ヘリックス由来のペプチドは、匹敵する条件下でこの応答を誘導し なかった。 多くの異なる細胞タイプについてのペプチドにより誘導されるカルシウム増加 と表面からの70および74kDのバンドの沈澱との相関を表Iに示す。細胞内カルシ ウムの最大の増加は、ヒトCTL、PBL、ジャーカット、およびラット脾臓細胞にお いて観察される。ジャーカットを除いて、これらの細胞はまた、最高レベルの70 および74kDバンドを発現する。6μgのp70およびp74が精製されている。 ペプチドにより誘導される細胞内Ca2+の増加は、試験した細胞株のうちいくつ かおいてのみ観察された。細胞内Ca2+の最大の変化は、PBL、CTL株、およびヒト T細胞腫瘍ジャーカットにおいて示された。細胞内Ca2+のより小さいが有意な増 加は、逆転反復(inverted repeat)B2702.84-75/75-84ペプチドによって、2つの バ−キットリンパ腫細胞株であるDaudiおよびMSにおいて誘導された。B2702.84- 75/75-84ペプチドは、ヒトT細胞株であるPeer、HUT-78、HSB;JYおよび721,221 を含むヒトエプスタインバーウイルスで形質転換されたB細胞株;ナチュラルキ ラー細胞株YT2C2;またはK562およびHELを含むいくつかの前赤血球細胞株におい ては、Ca2+流動(flux)を引き起こさなかった。B2702.75-84ペプチドも逆転反復B 7.84-75/75-84ペプチドも、試験した全ての細胞において、Ca2+の流動化を開始 しなかった。 トレオニン置換ペプチドは、T細胞において不応答性を引き起こさず、Ca2+の 流動化もまた促進し得なかった。B2702.84-75/75-84TおよびB2702.84-75T/75-84 ペプチドにより誘導される最大の細胞内Ca2+レベルは、未置換のB2702.84-75/75 -84ペプチドで達成される最大の細胞内Ca2+レベルのわずか10〜30%であった。 二重置換B2702.84-75T/75-84Tペプチドは、いかなるCa2+流動も開始しなかった 。これらの結果は、B2702ペプチドが、T細胞の不応答性を生じる細胞内Ca2+の 増加を引き起こすことを示唆する。いかなるT細胞応答をも阻害するB2702.84-7 5T/75-84Tペプチドは、細胞内Ca2+の上昇を引き起こさなかった。 細胞内Ca2+の流動化は、少なくとも2つの主要なメカニズムによって仲介され る。IP3は、小胞体上のレセプターに結合することによって、表面レセプターの 活性化を内部貯蔵部位からのCa2+の放出に結びつける、1つのメッセンジャー分 子である。細胞におけるIP3のレベルは、Gプロテインにリンクするレセプター の活性化の後、またはチロシンキナーゼにリンクするレセプターによって上昇さ せられる。他の主要なメカニズムはCa2+誘導Ca2+放出(CICR)である。ニコチンア ミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)の代謝産物である環状アデノシン二リン酸リ ボース(cADPR)と呼ばれる分子が、リアノジンレセプターを通じてこのチャンネ ルを調節することに責任を負っているメッセンジャーである。T細胞株ジャーカ ットを使用して、本発明者らは、抗TCR mAbでの刺激がIP3の実質的な増加を生じ るが、B2702.84-75/75-84ペプチドでの処置はIP3のレベルに対して効果を有しな いことを観察した。ペプチドが誘導する細胞内Ca2+の増加は、リアノジンレセプ ターにより仲介されるようである。 T細胞活性化における別の初期事象は、多くのタンパク質のリン酸化のパター ンの変化である。従って、T細胞機能を阻害したペプチドが、タンパク質リン酸 化または細胞内カルシウムのレベルに影響するかどうかを決定した。これまで調 べたペプチドのいずれもが、T細胞由来の全溶解物におけるウェスタンブロット 分析によって観察されるチロシンリン酸化のパターンに対していかなる効果をも 有さなかった。 B2702 84-75-84パリンドロームの、他の既知の免疫抑制剤との効果の比較は新 規な活性パターンを示す。この結果を表2に要約する。 このデータは、B2702が、既知の免疫抑制剤、シクロスポリンA、FK506、ラパ マイシン(rapamycin)およびデオキシスペルグアリン(deoxyspergualin)と比較し て、新規なパターンの活性を有することを示す。 p74がCTL活性の調整において重要な役割を果たすことは、上記の結果から明ら かである。シグナル変換またはシグナル変換の不在を生じるタンパク質の相互作 用を制御することによって、CTL分化および細胞溶解活性を調整し得る。 本明細書中に引用した全ての刊行物および特許出願は、各個の刊行物または特 許出願が参考として援用されることを詳細にそして個別に示されているかのよう に、本明細書中で参考として援用される。 上記の発明は、理解を明確にするために例示および実施例によって、いくらか 詳細に記載されてきたが、本発明の教示に鑑みて、添付の請求の範囲の精神また は範囲から逸脱することなく特定の変化および改変を本発明に対してなし得るこ とが当業者に容易に明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI G01N 33/566 0276−2J G01N 33/566 (72)発明者 クレンスキー,アラン エム. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94305, スタンフォード,メイフィールド アベニ ュー 812

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.少なくとも50重量%の、p74と命名され以下によって特徴付けられるリン パ球系表面膜タンパク質、または少なくとも該タンパク質のHLA-B2702.84-75-84 への結合部分、膜貫通領域、細胞内領域または細胞外領域を含むそのフラグメン トを含む組成物: 少なくとも約10-4Mの該HLA-B2702.84-75-84ペプチドに対して親和性を有し、 SDS-PAGEゲル電気泳動によって測定される、約74kDの分子量を有し、 B細胞およびT細胞で発現し;そして 非形質転換T細胞の表面膜タンパク質として存在する場合、HLA-B2702.60-84 への結合によりカルシウム流入を誘導し、そして該T細胞によるCTL分化または 細胞溶解のうちの少なくとも1つを阻害する。 2.前記細胞外領域を含み、そして膜貫通領域を欠く、請求項1に記載の前記 タンパク質のフラグメントを含む、請求項1に記載の組成物。 3.少なくとも90重量%の前記タンパク質を含む、請求項1に記載の組成物。 4.前記タンパク質が、Bw4エピトープを含むポリペプチドを用いるアフィニ ティー精製によって得られる、請求項1に記載の組成物。 5.化合物を、T細胞の細胞溶解活性に対するそれらの効果についてスクリー ニングする方法であって: 候補化合物を前記p74の細胞外部分と組み合わせる工程;および 該化合物のp74への結合の量を測定する工程、 を包含する、方法。 6.前記p74の細胞外部分がT細胞の表面膜に存在する、請求項5に記載の方 法。 7.前記結合が前記T細胞の細胞傷害活性に関連する、請求項5に記載の方法 。 8.組成物を、p74を発現する細胞由来の溶解物からのp74について豊富にする 方法であって: 該溶解物を、固相支持体に結合したパリンドロームペプチドHLA-B2702.84-75- 84と組み合わせる工程; 該溶解物を該固相支持体から分離する工程; 該固相支持体を洗浄して非特異的に結合したタンパク質を除去する工程;およ び 該支持体に結合したタンパク質を単離してp74が豊富な組成物を提供する工程 、 を包含する、方法。 9.T細胞および抗原提示細胞(APC)を含む細胞性組成物において、CTL活性の 調整を阻害する方法であって: CTLおよびAPCの細胞性混合物に、細胞性表面膜がないp74の細胞外部分を、p74 に対するリガンドの結合に関して、p74と競合するに十分な量で添加する工程で あって、このことにより該CTLの活性が調整される工程、 を包含する、方法。 10.免疫抑制剤が前記細胞性混合物に前記CTLを免疫抑制する量まで添加さ れる、請求項9に記載の方法。
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