JPH09508541A - 翼部をもつ胆管のステント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 例えば、胆管のような導管の開通性を維持するために複数の半径方向に延びる翼部（１４）を含むステント（１０）が提供される。翼部（１４）はガイドワイヤまたはワイヤ探り針管腔を有するコア（１８）から突出している。翼部（１４）の各々が腫瘍が内部に生長している場合ですらも胆汁の流れのための複数の微小の長手方向に延びるみぞ（１６）を含むことが好ましい。コアそれ自体はらせん形に予備成形されている。

Description

【発明の詳細な説明】 翼部をもつ胆管のステント 発明の背景 １．発明の分野 本発明は身体の導管（ｄｕｃｔｓ）内の流れを維持するために使用することが できるステントに関し、かつさらに特定すると、胆管の流路が、例えば、癌また は良性の疾病のために閉塞されている患者の胆管の排液（ｄｒａｉｎａｇｅ）の ためのステントに関する。 ２．関連した技術の説明 毎年、少なくとも４、０００種の胆管の癌の新しい症例があり、かつ膵臓の癌 の２５，０００種を超える症例があり、かつ発病率が増大しているように思われ る。これらの癌は胆管の閉塞に起因する黄疸を伴って発生する。残念なことには 、この段階に達する時間までに、腫瘍が通常病的に進んだ段階に入り、回復でき ない状態になっている。それゆえに、この段階における管理は、通常、病気の一 時抑えのみからなっている。 外科バイパス処置が病気の一時抑えの目的のために効果的であるけれども、こ れらの癌が発生している大多数の患者は大手術をうけるためには病状が進んでい るか、または手術をやりがいのあるものにするためには寿命が短すぎる。この理 由から、これらの胆管の癌における黄疸の一時抑えは、最もしばしば、閉塞され た領域を横切って胆管のステントまたは人工頭（ｅｎｄｏｐｒｏｓｔｈｅｓｉｓ ）の内視鏡挿入により行われる。これらには、二つの型式、すなわち、１）プラ スチック製ステントと、２）拡大可能な金属製のステントがある。慣用のステン トの両方の型式にはそれらの用途に付随する問題がある。慣用のプラスチック製 ステントは屑と生物濾過膜で比較的に初期に詰まる傾向がある。金属製ステント はより大きい初期の管腔（ｌｕｍｅｎ）を提供することによりこの問題を克服し ているが、しかし、腫瘍が内部に生長している場合には、詰まる傾向がある。ま た、金属製ステントは極めて高価であり、プラスチック製ステントの約２０倍高 価である。さらに、金属製ステントは挿入するために技術的により困難であり、 いったん所定位置に配置されると、除去することができない。 発明の要約 本発明者は上記の問題を克服し、かつ表面に沿った流れを使用しかつ胆管また は身体の任意のその他の導管内に流体の流れを維持するために中央の管腔の内部 に流れないステントを発明した。 従って、本発明の目的は、プラスチック製ステントの多数の利点を組み入れる と共に、生物濾過膜の増大とステントの閉塞に係わる諸問題を回避するステント を提供することにある。提案した発明によるステントは、従来技術の装置の場合 のように、閉塞した中央管腔を通じての管腔の流れ（ｌｕｍｅｎａｌ ｆｌｏｗ ）を必要としない。その代わりに、本発明は複数の表面に沿った流れに依存して いる。 本発明によれば、上記の目的とその他の目的は、ガイドワイヤまたはワイヤ探 り針を有する細長い主本体またはコア部材と、コア部材から外方に延びる複数の 翼部要素（ｗｉｎｇ ｅｌｅｍｅｎｔｓ）とを備えているステントを提供するこ とにより達成される。翼部要素はコア部材の周囲のまわりに均等に分布すること ができる。各々の翼部は少なくともコア部材の長さとほぼ同じ長さと、好ましく は、コア部材の横断面寸法よりも実質的に大きい幅とを有している。もしもステ ントを配置するために、ガイドラインまたはワイヤ探り針が使用されれば、コア 部材はガイドラインを配置するために中央に形成された小さい管腔を有すること ができる。 本発明の現在好ましい実施例によれば、複数の翼部要素が設けられ、かつ各々 の翼部は該翼部に沿った流体の層流の流れのためにその各々の表面上に形成され た複数のみぞを有している。さらに、コア自体はらせん形により合わせることが できる。 本発明のその他の目的、特徴および特性ならびに操作方法と構造体の関連した 機能と製造面での経済性は、以下の詳細な説明とすべてがこの明細書の一部分を 形成する添付図面に関する添付した請求の範囲とを考察することにより明らかに なろう。添付図面においては、同様な符号は種々の図面における対応した部分を 示す。 図面の簡単な説明 第１図は本発明により提供されるステントを部分的に斜視図で示した拡大略図 であり、かつ 第２図は第１図と類似し、しかも本発明による別のステントの構成を示した図 である。 現在好ましい実施例の詳細な説明 本発明によれば、細長いコアすなわち主本体１２と、コア１２からほぼ半径方 向に延びる複数の翼部すなわちフィン１４とを含むステント１０が提供される。 例示した実施例においては、８つの均等に分布されたフィン１４が提供されてい る。しかしながら、内部にステント１０が配置されるようになった身体の管また は導管とコア１２上のフィン１４の配置の如何により、より小数のフィンまたは より多数のフィンが有利であることが判明するかもしれないことを理解すべきで ある。 例示した実施例においては、翼部すなわちフィン１４の各々は、コアまたは主 本体１２の全長に沿って実質的に連続して延びている。そのうえ、各々のフィン または翼部１４はコア１２に平行にかつコア１２の長手方向に延びている。しか しながら、本発明は例示した構成に必ずしも限定されないことを理解すべきであ る。唯一の要求条件はこれらの表面に沿った流れを促進する複数の表面が存在す ることである。 最も好ましい実施例によれば、翼部１４の各々の長さに沿った毛管流作用を提 供するために各々の側に多数の小さいみぞを形成するために、各々の翼部１４の 各々の側にみぞまたは波形が形成され、かつ／または翼部１４が波形に形成され ている。ステント１０´のコア１２´それ自体をらせん状により合わせることが でき、または翼部１４´を第２図に例示したように、らせん形を描くようにその 他の方法で形成することができる。 ステントのコアを通してのこのような管腔は設けられていない。その代わりに 、ガイドワイヤすなわちワイヤ探り針管腔（ｗｉｒｅ ｓｔｙｌｅｔ ｌｕｍｅ ｎ）（１８）のみが設けられている。それゆえに、内部にステント１０が配置さ れた身体の管、例えば、胆管に沿った流れが翼部１４の表面上と翼部１４の中間 に形成された毛管状のみぞ１６に沿っている。みぞ１６はより大きい表面積を提 供し、 かつ表面積が大きければ大きい程、より大きい流体の張力が流体を表面に沿うよ うに引き寄せる。従って、翼部をもつ表面に沿ったみぞ１６が毛管状の流れを提 供することにより流れを増大させる。従って、流れのための大きい中央の管腔を なくすことにより、不可避的に生物濾過膜を形成する流れにおける乱流もまた回 避された。前記事項は慣用のプラスチック製ステントに付随した大きい問題であ った。 ステントのコア１２と翼部１４は、生物濾過膜の増大をさらに減らすように、 親水性物質でコーティングされたポリエチレンのようなプラスチック材料、例え ば、ハイドロマー（Ｈｙｄｒｏｍｅｒ）で形成されることが好ましい。腫瘍の内 部での生長がこの明細書に開示したステントの機能を阻害することは考えられな い。その理由は、ステントの独特の構成が、流れを完全に閉塞するには、腫瘍が 翼部１４の各々においてみぞ１６の各々の中に物理的に生長しなければならない ことを必要とするからである。このような腫瘍の内部での生長は患者の予期され た寿命の間に起きる見込みは極めてありえない。また、その他の物質、例えば、 抗生物質（バクテリアの生長を阻止するための）、腫瘍破壊性薬品（ｔｕｍｏｒ ｉｃｉｄａｌ ｄｒｕｇｓ）またはその他の治療用物質をステントをコーティン グする表面の中に包含することができる。 本発明のステントは内視鏡的に、経皮的に、または外科的に挿入することがで きる。特に、ガイドワイヤ（図示せず）が先ず妨害している障害に通される。そ の後、ステントがガイドワイヤを越えて探り針管腔１８に通される。その後、ス テントが通常の態様でガイドワイヤに対して包囲するように配置されたプッシャ ーチューブを使用して妨害している障害に押し込まれる。その後、プッシャーチ ューブとガイドワイヤが除去される。 本発明は特に胆管の閉塞に関して開示したが、本発明のステントが膵臓の障害 または実際に身体のその他の部位、例えば、尿道、ファロピーオ管（らっぱ管） または身体のその他の管内の種々の導管の閉塞に有用であることを理解すべきで ある。 ある実施例において特に例示していないが、内部にステントが配置された導管 内の移動を阻止するためにステントの各々の長手方向の端部に保持構造体を提供 することが望ましいかもしれない。 以上、本発明を現在において最も実用的であり、かつ好ましい実施例であると 考えられる事項について記載したが、本発明が開示した実施例に限定されるべき ではなく、一方、本発明が添付した請求の範囲の精神および範囲内に包含された 種々の変型と、同等の装置を包含することが意図されていることを理解すべきで ある。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カルー，アンソニー エヌ. アメリカ合衆国 21044 メリーランド州 コロンビア，サザン スター テラス 5007

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．第１長手方向端部と、第２長手方向端部と、それらの間に延びる長手方向の 軸線とを有する細長い主本体部材と、 前記主本体部材から外方に延びる複数の翼部要素とを備え、前記翼部要素は前 記主本体部材の外周のまわりに実質的に均等に分布され、前記翼部要素の各々が 少なくとも前記主本体部材の長さとほぼ同じ長さと、前記主本体部材の横断面寸 法よりも実質的に大きい幅とを有するステントにして、前記翼部要素の各々がそ の各々の側面に形成された複数の長手方向に延びるみぞを有しているステント。 ２．前記翼部要素の各々が前記主本体部材から半径方向に外方に延びている請求 の範囲第７項に記載のステント。 ３．前記主本体部材がガイドワイヤを配置するために前記の長手方向の軸線と一 致した軸線方向に貫通して形成された探り針管腔を有する請求の範囲第７項に記 載のステント。 ４．少なくとも４つの翼部要素が設けられている請求の範囲第７項に記載のステ ント。 ５．８つの翼部要素が設けられている請求の範囲第１０項に記載のステント。 ６．第１長手方向端部と、第２長手方向端部と、それらの間に延びる長手方向軸 線とを有する細長い主本体部材と、 前記主本体部材から外方に延びる複数の翼部要素とを備え、前記翼部要素が前 記主本体部材の外周のまわりに実質的に均等に分布され、翼部要素の各々が少な くとも前記主本体部材の長さとほぼ同じ長さと、前記主本体部材の横断面寸法よ りも実質的に大きい幅とを有するステントにして、前記翼部要素の各々が第１長 手方向側面と第２長手方向側面とを有し、前記長手方向側面の少なくとも一方が 該側面に形成され、かつ該側面の長手方向に延びる複数のみぞを有するステント 。 ７．前記翼部要素が前記主本体部材に沿ってらせん形に延びるように予備成形さ れている請求の範囲第７項に記載のステント。 ８．前記主本体部材がポリエチレンで形成されている請求の範囲第７項に記載の ステント。 ９．前記翼部要素が親水性物質でコーティングされている請求の範囲第７項に記 載のステント。 １０．前記翼部要素が治療用物質でコーティングされている請求の範囲第７項に 記載のステント。 １１．前記翼部要素が前記主本体部材と一体に形成されている請求の範囲第７項 に記載のステント。 １２．前記翼部要素の各々が前記主本体部材から半径方向に外方に延びている請 求の範囲第１３項に記載のステント。 １３．前記主本体部材がガイドワイヤを配置するために前記の長手方向の軸線と 一致した軸線方向に貫通して形成された探り針管腔を有している請求の範囲第１ ３項に記載のステント。 １４．少なくとも４つの翼部要素が設けられている請求の範囲第１３項に記載の ステント。 １５．前記翼部要素が前記主本体部材に沿ってらせん形に延びるように予備成形 されている請求の範囲１３項に記載のステント。 １６．前記翼部要素が親水性物質でコーティングされている請求の範囲第１３項 に記載のステント。 １７．前記翼部要素が治療用物質でコーティングされている請求の範囲第１３項 に記載のステント。 １８．第１長手方向端部と、第２長手方向端部と、それらの間に延びる長手方向 軸線とを有する細長い主本体部材と、 前記主本体部材から外方に突出する複数の翼部要素とを備え、前記翼部要素が 前記主本体部材の外周のまわりに実質的に均等に分布され、前記翼部要素の各々 が前記主本体部材の長さよりも大きい長さを有するように前記主本体部材に沿っ てらせん形に延びているステントにして、前記翼部要素の各々が第１長手方向側 面と第２長手方向側面とを有し、流体が前記長手方向側面に沿ってこのような表 面により提供された表面張力の作用に起因して流れるステント。 １９．前記長手方向側面の少なくとも一方が該側面に形成され、かつ該側面の長 手方向に延びる複数のみぞを有する請求の範囲第２５項に記載のステント。 ２０．前記長手方向側面が親水性物質でコーティングされている請求の範囲第２ ５項に記載のステント。 ２１．前記長手方向側面が治療用物質でコーティングされている請求の範囲第２ ５項に記載のステント。