JPH09508437A - 酸性クリーニング組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 硬質表面の石灰スケールを除去するための水性組成物において、マレイン酸、界面活性剤またはその混合物、およびクエン酸、コハク酸またはそれらの混合物の群から選択される酸を含んでなり、処理表面の光沢を改良する組成物を開示する。この組成物は、金属表面ならびに器具などあらゆる硬質表面のスケールを除去するのに好適である。

Description

【発明の詳細な説明】 酸性クリーニング組成物 技術分野 本発明は、硬質表面のクリーニング組成物に関する。更に詳しくは、処理を行 なう表面に対して適当な光沢を確保しながら、石灰スケールの汚れおよび堆積物 の除去に最適な性能を示す組成物を記載するものである。 背景 水道水は、一定量の可溶化したイオンを含み、水が蒸発するとこの水としばし ば接触する表面上に炭酸カルシウムなどの塩として最終的に付着し、その表面の 外観を見苦しくする。この石灰スケールの形成および付着現象は、水が特に硬質 である場所においては一層深刻である。 典型的には、これらの石灰スケールの付着物は、酸またはその混合物であって 石灰スケールを「溶解する」マレイン酸などを含んでなるクリーニング組成物を 用いることによって除去される。しかしながら、マレイン酸自体は光沢にとって 有害であることが分かっている。実際に、マレイン酸だけを含む組成物は、表面 のスケール除去に用いると、表面に残渣が残り、水が蒸発してしまうとこれが筋 状に現れる。この問題は、「濯ぎなし」の使用条件下では一層深刻である。しか しながら、「光沢」品質、すなわち表面にフィルム形成や筋がないことは、この ような石灰スケール除去組成物の使用者にとって等しく重要なことである。 界面活性剤および／または溶媒の使用は、マレイン酸の光沢にとって不都合で あることを扱うのに寄与することは、当該技術分野で知られている。しかしなが ら、光沢性能を含む幾つかの観点で一層良好な性能を有する石灰スケール除去組 成物を開発する目的で常に努力が払われている。これは、界面活性剤の量をでき るだけ少なく維持することが望ましい用途には一層重要である。これは、器具の スケール除去の目的でまたは単に処理を行なう表面からの石灰スケール除去組成 物の濯ぎ操作を容易にする目的でデザイン去れた石灰スケール除去組成物の場合 である。 従って、本発明の目的は、石灰スケールを除去するための組成物において、優 れた光沢品質を有し、同時にまた石灰スケールの除去において特に効率的でもあ る組成物を提供することである。 マレイン酸および界面活性剤、またはそれらの混合物を含んでなる組成物にお いて、クエン酸、コハク酸またはそれらの混合物を添加すると、石灰スケール除 去能を低下させることなく表面の光沢が向上することを見いだした。実際に、マ レイン酸およびこのような第二の酸、すなわちクエン酸、コハク酸またはそれら の混合物を含んでなる本発明の組成物は、このような第二の酸を含まない同じ組 成物よりも著しく良好な光沢性能を提供し、一方、石灰スケールの除去において も特に効率的であることを見いだした。 本発明のもう一つの利点は、本発明の組成物の総重量の１％以下の濃度の界面 活性剤を含んでなる組成物は、水の硬度が極めて高いとき、または薬罐、コーヒ ー沸かし機、スチームアイロンなどのスケールの着いた器具において、金属また は合成物表面などあらゆる種類の表面に見られるような高率の炭酸カルシウムを 含む石灰スケール付着物に特に有効であることである。 米国特許第３，２７７，００８号明細書には、水と共に使用して水溶液を形成 し、ガラスでライニングして被覆した装置の被覆物の内部金属表面のスケールを 除去するのに好適な固形組成物が開示されている。この組成物は、スルファミン 酸、クエン酸または塩酸などのクリーニング剤、マレイン酸および腐蝕抑制剤を 含んでいる。界面活性剤は開示されていない。西ドイツ国特許第３，８２２，６ ５８号明細書には、銅またはブロンズなどの金属表面から酸化物層を除去するの に有用な組成物が開示されている。この組成物は、硝酸などの鉱酸、マレイン酸 、クエン酸またはそれらの混合物などのカルボン酸、ホスホン酸、およびチオ尿 素を含んでいる。ノニオン性界面活性剤は任意成分として開示されており、適当 量の具体的記載はない。他の界面活性剤は開示されていない。 更に、処理表面の残渣を少なくし光沢を改良させることに関する石灰スケール 除去組成物中のクエン酸、コハク酸またはそれらの混合物を使用することから得 られる利益については、まったく記載されていない。 発明の要約 本発明は、ｐＨが０．１〜４．５であり、硬質表面から石灰スケールを除去す るのに好適な水性組成物において、マレイン酸と、ノニオン性、アニオン性、両 性、双性イオン性、カチオン性界面活性剤またはそれらの混合物の群から選択さ れる界面活性剤を組成物総量の０．０１重量％〜３０重量％とを含んでなる組成 物である。この組成物は、クエン酸、コハク酸またはそれらの混合物の群から選 択される第二の酸も含んでいる。しかしながら、第二の酸がクエン酸であるとき には、界面活性剤はノニオン性界面活性剤またはその混合物とはならない。 本発明は、マレイン酸を含んでなる石灰スケール除去組成物において、クエン 酸、コハク酸またはそれらの混合物を使用することにより、表面の光沢を改良す ることも包含する。 本発明は、硬質表面の処理法において、本発明の組成物をそのニートのまたは 希釈した形態で使用する方法も包含する。 発明の詳細な説明 本発明による組成物は、石灰スケールを主成分として含んでなる石灰スケール または汚れを除去する目的でデザインされている。従って、それらは第一の本質 的成分としてマレイン酸を含んでいる。本発明による組成物は、マレイン酸を組 成物総量の０．１重量％〜４５重量％、好ましくは１％〜２５％、更に好ましく は８％〜２０％含む。この割合は、酸型の分子量に基づいて計算されるが、無水 マレイン酸も本発明による組成物に用いるのに好都合である。実際、無水マレイ ン酸の方が一般に廉価であり、水性媒体に配合されると酸型に変換される。石灰 スケールの除去に特に有効な他の酸、例えばスルホン酸、塩酸、硝酸、リン酸ま たはその混合物を、マレイン酸に加えて、用いることもできる。本発明では、マ レイン酸を単独でまたはスルファミン酸またはメタンスルホン酸のようなスルホ ン酸と共に用いるのが好ましい。 本発明による組成物は、良好な光沢品質を示す。従って、この組成物は第二の 本質的成分として、クエン酸、コハク酸またはそれらの混合物から選択される第 二の酸を含んでいる。本発明の組成物は、このような酸を組成物総量の０．１重 量％〜４０重量％、好ましくは１．０％〜２５％、更に好ましくは３％〜１０％ 含んでいる。 本発明による組成物は、もう一つの本質的成分として、アニオン性、ノニオン 性、カチオン性、両性、双性イオン性またはそれらの混合物を含んでいる。１種 類の界面活性剤または様々な種類のこれらの界面活性剤の混合物を用いることは 、本発明の精神から離反することなく可能である。好ましくは、本発明の組成物 は、上記の界面活性剤を組成物総量の０．０１重量％〜３０重量％、更に好まし くは０．０５％〜２０％、更に好ましくは０．１％〜１０％含んでいる。 本発明の組成物にカチオン性界面活性剤を用いるのが好ましい。実際に、これ らの界面活性剤は、良好な光沢品質を示すと同時に、石灰スケール除去性能にも 寄与することが見いだされた。更に、このカチオン性界面活性剤は酸性媒質中で も安定であり、消毒特性も有する。本発明で用いられる好適なカチオン性界面活 性剤としては、第四アンモニウム、ホスホニウム、イミダゾリウムおよびスルホ ニウム化合物の誘導体が挙げられる。本発明で用いるのに好ましいカチオン性界 面活性剤は、式Ｒ₁Ｒ₂Ｒ₃Ｒ₄Ｎ⁺Ｘ^-を有し、Ｘが対イオンであり、Ｒ₁が Ｃ₈〜Ｃ₂₀炭化水素鎖であり、Ｒ₂、Ｒ₃およびＲ₄はＨまたはＣ₁〜Ｃ₄炭化水素鎖 から独立して選択されるものである。本発明の好ましい態様では、Ｒ₁がＣ₁₀〜 Ｃ₁₈炭化水素鎖であり、最も好ましくはＣ₁₄、Ｃ₁₆またはＣ₁₈であり、Ｒ₂、Ｒ₃ およびＲ₄は総て３個ともメチルであり、Ｘはハロゲンであり、好ましくはブロ ミドまたはクロリド、最も好ましくはブロミドである。カチオン性界面活性剤の 例は、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム（ＳＴＡＢ）、臭化セチルトリメ チルアンモニウム（ＣＴＡＢ）、および臭化テトラデシルトリメチルアンモニウ ム（ＴＤＴＡＢ）である。 好適な双性イオン性界面活性剤は、比較的広範囲のｐＨにおいて、同一分子状 にカチオン性およびアニオン性の親水性基を両方とも含んでいる。典型的なカチ オン性基は第四アンモニウム基であるが、他の正に荷電した基、例えばホスホニ ウム、イミダゾリウムおよびスルホニウム基を用いることができる。典型的なア ニオン性親水性基はカルボキシレートおよびスルホネートであるが、スルフェー ト、ホスホネートなどの他の基を用いることもできる。幾つかの好ましい双性イ オン性界面活性剤に対する一般式は、下記の通りである。 Ｒ₁−Ｎ⁺（Ｒ₂）（Ｒ₃）Ｒ₄Ｘ^- （上記式中、 Ｒ₁は疎水性基であり、Ｒ₂およびＲ₃はそれぞれＣ₁〜Ｃ₄アルキル、ヒドロキ シアルキル、または他の置換アルキル基であって、結合してＮと共に環構造を形 成することもできるものであり、Ｒ₄はカチオン性窒素原子を親水性基に結合す る残基であり、典型的にはアルキレン、ヒドロキシアルキレンまたは１〜４個の 炭素原子を有するポリアルコキシ基であり、Ｘは親水性基であり、好ましくはカ ルボキシレートまたはスルホネート基である。）好ましい疎水性基Ｒ₁は、８〜 ２２、好ましくは１８個未満、更に好ましくは１６個未満の炭素原子を有するア ルキル基である。この疎水性基は、不飽和および／または置換基および／ま たは結合性基、例えばアリール基、アミド基、エステル基などを含むことができ る。一般に、単純なアルキル基が価格および安定性の点から好ましい。 他の特定の双性イオン性界面活性剤は、下記の一般式を有する。 Ｒ₁−Ｃ（Ｏ）−Ｎ（Ｒ₂）−（Ｃ（Ｒ₃）₂）_n−Ｎ（Ｒ₂）₂ ⁽⁺⁾−（Ｃ（Ｒ₃）２ ）ｎ−ＳＯ₃ ^(-)または Ｒ₁−Ｃ（Ｏ）−Ｎ（Ｒ₂）−（Ｃ（Ｒ₃）₂）_n−Ｎ（Ｒ₂）₂ ⁽⁺⁾−（Ｃ（Ｒ₃）₂）_n −ＣＯＯ^(-) （上記式中、 それぞれのＲ₁は炭化水素、例えば８〜２０、好ましくは１８個まで、更に好 ましくは１６個までの炭素原子を含むアルキル基であり、それぞれのＲ₂はいず れかが水素（アミド窒素に結合した場合）１〜４個の炭素原子を含む短鎖アルキ ルまたは置換アルキルであり、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ヒドロ キシ置換エチルまたはプロピル、およびそれらの混合物からなる群から選択され る基、好ましくはメチルであり、Ｒ₃は水素およびヒドロキシ基からなる群から 選択され、それぞれのｎは１〜４の数であり、好ましくは２〜３、更に好ましく は３であり、いずれの（Ｃ（Ｒ₃）₂）残基にもヒドロキシ基は１個だけである。 ）Ｒ₁基は分岐および／または不飽和であることができる。Ｒ₂同士も結合して環 構造を形成することができる。この種の界面活性剤は、Ｃ₁₀〜Ｃ₁₄脂肪族アシル アミドプロピレン（ヒドロキシプロピレン）スルホベタインであり、「Varion Companyから発売されている。 好適な両性界面活性剤は、双性イオン性界面活性剤に類似しているが第四基を 持たない界面活性剤である。しかしながら、それらは、組成物の低pＨでプロト ン化してカチオン性基を形成するアミン基を有しており、またそれらはこれらの ｐＨでアニオン性基を有することもできる。 本発明で用いるのに好適なアニオン性界面活性剤は、式Ｒ₁ＳＯ₃Ｍを有するも のであって、Ｒ₁は６〜２４個の炭素原子を有する直鎖または分岐したアルキル 基、およびアルキル基中に６〜１５個の炭素原子を有するアルキルフェニル基か らなる群から選択される炭化水素基であるものである。Ｍは、典型的にはナトリ ウム、カリウム、アンモニウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される 塩形成カチオンである。 他の好適なアニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸塩またはアルキルポリエト キシレートエーテル硫酸塩であって、アルキル基が６〜２４個の炭素原子および 好ましくはアルキルポリエトキシレートエーテル硫酸塩については１〜３０個の エトキシ基を有するもの、またはアルキルベンゼンスルホン酸塩であって、アル キル基が直鎖または分岐鎖状の９〜１５個の炭素原子を有するものの水溶性塩に よって表すことができる。アルキルベンゼンスルホン酸塩の例は、線状のＣ₁₀〜 Ｃ₁₄アルキルベンゼンスルホン酸塩のナトリウム塩である。 本発明で用いられる好適なノニオン性界面活性剤は、当該技術分野で周知の縮 合工程によって容易に製造することができるアルコキシル化アルコールノニオン 性界面活性剤である。しかしながら、極めて多種多様なこのようなアルコキシル 化アルコール、特にエトキシル化および／またはプロポキシル化アルコールも好 都合なことには市販されている。ノニオン性界面活性剤を包含する多数の界面活 性剤を記載した界面活性剤のカタログが入手可能である。 従って、本発明で用いられる好ましいアルコキシル化アルコールは、式ＲＯ（ Ｅ）ｅ（Ｐ）ｐＨを有するノニオン性界面活性剤であって、Ｒが２〜２４個の炭 素原子を有する炭化水素鎖であり、Ｅはエチレンオキシドであり、Ｐはプロピレ ンオキシドであり、それぞれ平均エトキシル化度およびプロポキシル化度を表す ｅおよびｐが０〜２４であるものである。ノニオン性化合物の疎水性残基は、８ 〜２４個の炭素原子を有する第一または第二直鎖または分岐アルコールで あることができる。本発明による組成物で用いられる好ましいノニオン性界面活 性剤は、エチレンオキシドと、６〜２２個の炭素原子を有する直鎖状アルキル鎖 を有するアルコール殿縮合生成物であって、エトキシル化度が１〜１５であり、 好ましくは５〜１２であるものである。このような好適なノニオン性界面活性剤 でShellから発売されている。これらのノニオン性界面活性剤が好ましく、それ らは安定剤またはヒドロトロープ剤を添加する必要なしに安定な生成物を形成す ることができることが見出だされているからである。 本発明による組成物は、第二の酸がクエン酸であるときには、ノニオン性界面 活性剤を含まない。 処理を行なう表面の光沢は、界面活性剤、マレイン酸、およびクエン酸、コハ ク酸またはそれらの混合物の群から選択される第二の酸を含んでなる本発明の組 成物を用いて改良されることが見いだされた。「表面の光沢が改良される」とい う表現は、硬質表面に対する本発明の組成物の残留性(residuality)が減少する と理解すべきである。換言すれば、所定の表面に目に見える残渣を残す組成物の 傾向が減少する。 実際に、本発明は、本発明の組成物の残留性は、これらの組成物を硬質表面の 処理に用いるときには、クエン酸、コハク酸またはそれらの混合物の群から選択 される第二の酸を含まない同じ組成物の残留性と比較して減少するという知見に 基づいている。この残留性減少の現象、すなわち残留物の可視度であるが、必ず しも残留物の量が明らかに目によって視認し得るものではなく、これは実施例で 後述するヘーズメーターを用いて定量することができる。このヘーズメーターは 、当該技術分野においてBTK Gardner GmbH製のApparatus XL-ZII Hazeguard^TMの 商品名で知られている。 処理表面の残留性の減少、すなわち光沢の改良は、組成物に含まれるクエン酸 、 コハク酸またはそれらの混合物の群から選択される第二の酸とマレイン酸との相 対量によって変化する。従って、所望な残留性の程度によって、所定量のマレイ ン酸に対して、多量のまたは少量のクエン酸、コハク酸またはそれらの混合物の 群から選択される酸を加えることができる。本発明の好ましい態様では、表面の 光沢が改良され同時に優れた石灰スケール除去性能が提供されるマレイン酸対前 記酸の重量比は、１／１０〜１０／１であり、好ましくは１／２〜８／１であり 、最も好ましくは１／１〜６／１である。 本発明による組成物のｐＨは、０．１〜４．５であり、好ましくは０．１〜３ であり、更に好ましくは０．５〜２である。 本発明による組成物は水性である。従って、本発明による組成物は、水を組成 物総量の１０重量％〜９５重量％、好ましくは５０％〜９０％、最も好ましくは ７０％〜８５％含んでいる。 本発明による組成物は、更に香料、着色料、殺菌剤、増粘剤、染料、キレート 化剤、顔料、溶媒、安定剤、腐蝕抑制剤、漂白剤などの多種多様な他の成分を含 むこともできる。 本発明による組成物は、アルミニウム、クロム鍍金した鋼またはステンレス鋼 のような金属表面、または合成表面などの各種の表面であって、良好な光沢品質 を必要とする表面を処理するのに特に好適であり、同時にそれらの表面にとって 安全でもある。 本発明による組成物は、水の硬度が極めて高いとき、または薬罐、コーヒー沸 かし機、スチームアイロンなどのスケールの着いた器具において、金属または合 成物表面などあらゆる種類の表面に見られるような高率の炭酸カルシウムを含む 石灰スケール付着物に特に有効である。上記の用途に好ましい組成物は低濃度の 界面活性剤を好ましくは組成物総量の０．０１重量％〜１重量％、更に好ましく は０．０１％〜０．９％、最も好ましくは０．０５％〜０．８％含む組成物であ る。 本発明は、硬質表面の処理法において、前記定義の組成物をそのニートの形態 で容器からこの表面に適用した後、この表面に作用させておき、次いで濯ぎによ って除去する、方法も包含する。この方法は、あらゆる種類の硬質表面または器 具を処理するのにも用いることができる。 本発明は、硬質表面の処理法において、前記定義の組成物を希釈した形態で用 いる、方法も包含する。本明細書における「希釈した形態で用いる」という表現 は、本発明の組成物の使用者による水への希釈を含んでいる。典型的な希釈の程 度は、組成物の０．５％〜５０％である。この方法は、器具のスケール除去に用 いることができる。 この組成物は、本明細書では低温条件だけでなく高温条件においても用いるの に特に好適でもある。例えば、コーヒー沸かし機のスケールを除去する場合には 、本発明の組成物をニートの形態でまたは希釈して、かつ高温（８０℃〜１８０ ℃）で用いることができる。 上記において用いられているように、「処理する」という表現は、本発明によ る組成物が界面活性剤を含んでいるので、洗浄、および石灰スケールの除去と同 時に、本発明の酸の適当な組み合わせによる光沢性能の改良を包含することがで きる。 本発明を、下記の実験データおよび実施例によって更に説明する。 実験データ 1) 本発明による組成物を、それらの光沢性能、すなわち残留性について、プレ ート中の光の透過を測定するヘーズメーター（BTK Gardner GmbH製のApparatus XL-ZII Hazeguard^TM）を用いて評価した。 この目的のため、試験を行なう組成物を水道水で希釈し、この組成物の２．５ ％溶液を得た。清浄なガラスプレートを溶液に浸漬し、濯ぎを行なわずにプレー トホルダー上で風乾する。乾燥したならば（１時間後）、それぞれのプレート上 の残渣をヘーズメーターを用いて測定する。それぞれのプレートについて９個の データ点を集めた後、平均して、平均等級を得る。同じ溶液について、２枚のプ レートを評価し、下表のデータは２個の平均値である。等級が低くなればなるほ ど、プレート上の可視残留物は少なくなり、表面の光沢は一層改良される。 前記の方法に従って試験した本発明による組成物の実施例は、下記の通りであ る。これらの組成物は、表記成分を表記割合（重量％）で含んでなるものが製造 される。 組成物 光沢試験法は、マレイン酸を含んでなる組成物では、例えばSTABのようなカチ オン性界面活性剤を用いるほうがノニオン性界面活性剤を用いることと比較して 光沢性能に関して良好であることを示している。組成物２と組成物１とを比較参 照されたい。 更に、これらのデータは、マレイン酸および所定の界面活性剤を含んでなる組 成物にクエン酸を添加すると、処理表面の光沢が改良されることを示している。 組成物３と組成物２、組成物７と組成物６とを比較参照されたい。 これらのデータは、マレイン酸とノニオン性界面活性剤とを含んでなる組成物 にコハク酸を添加すると、処理表面の光沢が改良されることを示している。組成 物８と組成物１とを比較参照されたい。 実施例 本発明による組成物の他の実施例は、下記の通りである。これらの組成物は、 表記成分を表記の割合（重量％）で含んでなるものが製造される。 上記組成物は優れた光沢品質を有すると同時に、石灰スケールの除去において も特に有効である。上記組成物は、器具のスケール除去に特に好適である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． ｐＨが約０．１〜約４．５であり、硬質表面の石灰スケール付着物を除 去するのに好適であり、アニオン性、ノニオン性、両性、双性イオン性、カチオ ン性界面活性剤またはそれらの混合物の群から選択される界面活性剤を組成物総 量の約０．０１重量％〜約３０重量％含んでなる水性組成物であって、上記組成 物が更にクエン酸、コハク酸またはそれらの混合物の群から選択される第二の酸 を含み、第二の酸がクエン酸であるときには、界面活性剤はノニオン性界面活性 剤またはそれらの混合物ではないことを特徴とする、組成物。 ２． マレイン酸を組成物総量の約０．１重量％〜約４５重量％含む、請求の 範囲第１項に記載の組成物。 ３． マレイン酸を組成物総量の約１重量％〜約２５重量％含む、請求の範囲 第２項に記載の組成物。 ４． マレイン酸を組成物総量の約８重量％〜約２０重量％含む、請求の範囲 第２項に記載の組成物。 ５． 第二の酸を組成物総量の約０．１重量％〜約４０重量％含む、請求の範 囲第１項に記載の組成物。 ６． 第二の酸を組成物総量の約１重量％〜約２５重量％含む、請求の範囲第 ５項に記載の組成物。 ７． 第二の酸を組成物総量の約３重量％〜約１０重量％含む、請求の範囲第 ５項に記載の組成物。 ８． 第二の酸がクエン酸である、請求の範囲第１項に記載の組成物。 ９． マレイン酸対前記第二の酸が約１／１０〜約１０／１である、請求の範 囲第１項に記載の組成物。 １０． マレイン酸対前記第二の酸の重量比が約１／２〜約８／１である、請 求の範囲第９項に記載の組成物。 １１． マレイン酸対前記第二の酸の重量比が約１／１〜約６／１である、請 求の範囲第９項に記載の組成物。 １２． 界面活性剤が下記の式を有するカチオン性界面活性剤である、請求の 範囲第１項に記載の組成物。 Ｒ₁Ｒ₂Ｒ₃Ｒ₄Ｎ⁺Ｘ^- （上記式中、 Ｘは対イオンであり、Ｒ₁はＣ₈〜Ｃ₂₀炭化水素鎖であり、Ｒ₂、Ｒ₃およびＲ₄ はＨまたはＣ₁〜Ｃ₄炭化水素鎖またはこれらの混合物から独立して選択される。 ） １３． ｐＨが約０．１〜約３である、請求の範囲第１項に記載の組成物。 １４． マレイン酸を含んでなる硬質表面の石灰スケール除去組成物において 、クエン酸、コハク酸またはそれらの混合物を使用することにより、その表面の 光沢を改良する、使用。 １５． 硬質表面の処理法において、請求の範囲第１項または第９項に記載の 組成物をそのニートの形態で容器から適用し、または希釈して前記表面に適用し た後、前記表面に作用させ、次いで濯ぎによって除去することによって、表面の 光沢を改良することを特徴とする、方法。