JPH09508374A - 抗体に対して特異的な結合物質およびイムノアッセイまたはワクチンへのその使用 - Google Patents

抗体に対して特異的な結合物質およびイムノアッセイまたはワクチンへのその使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、抗体に対する免疫学的結合物質、およびその物質のイムノアッセイにおける使用とワクチンとしての使用に関する。免疫学的結合物質は、天然型アミノ酸配列を有するエピトープに対して特異的に反応する抗体に特異的に結合し、さらに、検出可能な標識を担うか、または固相に結合しているか、または特異的結合分子を介して固相に結合できるか、またはT細胞エピトープを含有する免疫学的に活性な分子または担体タンパク質分子に結合できるか、のいずれかであり、この物質は、特異的結合物質が天然エピトープに相当するアミノ酸配列を構成し、ここにおいて、その配列は少なくとも一つのペプチド結合またはアミノ酸に相当する箇所で修飾されるが、その修飾は以下のものであり、a)1または2以上の-CO-NH-ペプチド結合基がそれらとは異なる2原子または3原子ブリッジによって置換される、b)アミノ酸側鎖が-CH2-基によって短縮され、または-CH2,-S,-O,-NH,-SO2または-CO基によって伸長される、または、c)1または2以上のアミノ酸が、HR'N-Y-COOH型のような生物起源でないL-またはD-アミノ酸によって置換される、〔ここにおいてR'は水素原子を表し、およびYはn=2-8であるような(CH2)n基、またはm=0-3であるような-CH-(CH2)m-CR1R2R3基を表し、ここで、R1、R2およびR3は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、枝分れのある、または枝分れのないC1-C4アルキル残基、またはフェニル、ナフチルまたはO、S、またはNを含有する5−6員環ヘテロアリール残基を含み、これらはメチル、ハロゲン、NH2、OHまたはカルボキシで置換されてもよい、またはYはCHR基であり、ここでRは天然型アミノ酸の側鎖であり、ここにおいて -CH2-基は、-S-、-HN-、-CH=、-SO2-、-CO-または-O-によって置換され、あるいは1または2以上のH原子がメチル、NH2、カルボキシ、SH、ハロゲンまたはヒドロキシによって置換されている天然型アミノ酸の側鎖を表わす、ここにおいて、すべての場合において、Yは、いかなる天然型アミノ酸にも存在しない基となり、または、R'はメチル、エチルまたはフェニルであり、YはRが天然型アミノ酸の側鎖であるCHR基を表す〕ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 抗体に対して特異的な結合物質およびイムノアッセイ またはワクチンへのその使用 本発明は、抗体に対して特異的な結合物質、イムノアッセイにおけるその使用 、およびワクチンとしてのその使用、ならびに抗体に対する結合パートナーとし てこの特異的結合物質を使用する免疫学的定量方法に関する。 抗体は、対応する抗原ときわめて特異的に結合することが知られている。抗体 が、あるタンパク質の部分的なアミノ酸配列(エピトープ)に対して反応性であ る場合には、このような部分配列のみを結合に使用できることが知られている。 二つの生体分子の特異的な結合は、最初は、酵素−基質結合の場合、鍵−錠の 原理にたとえられた。しかしながら、60年代に、Linus Paulingは、酵素−基 質結合と抗体−抗原結合には根本的な違いがあることを認識した。酵素の結合部 位は、必ずしも完全に基質にぴったりと合っているわけではない。むしろ、酵素 の結合部位は、基質反応の遷移状態の構造の方に非常によく類似していると考え られ、したがって、酵素の基質に対する結合特性を失うことなしに、基質がある 程度の構造上の自由度を有することが許容される。これに対して、抗体結合に関 してエピトープの空間的変化を基本的に排除する抗原一抗体結合にとっては、抗 原エピトープが抗体の結合部位に完全にぴったりと合うことが必要である。この ような特異的なエピトープ抗体結合によってこそ、抗体によって生体から外来の 物質を特異的に排除することができる。 抗体が特異的に反応するエピトープは、主に二つの用途に使用される。ひとつ には、エピトープが、通常は担体と結合して、こうしたエピトープに対して、ま たはこうしたエピトープを含有する抗原に対して反応性である抗体の生産を生体 に生じさせる免疫原(ワクチン)として機能する。またひとつには、このような エピトープを含有する抗原に対する免疫反応によって抗体が産生された体液中の その抗体を特異的に検出するためのイムノアッセイに、こうしたエピトープを使 用する(たとえば感染性生物による感染後)。 エピトープがポリペプチドである場合には、それらが生体内でワクチンとして 使用される場合、または診断上の使用において血清のような体液と接触する場合 、代謝分解によって、特に体液中に存在するプロテアーゼによって、ポリペプチ ドが分解されてその機能を失うという問題が生じる。 治療のために、すなわち酵素またはホルモンレセプターに結合させるために生 体において使用されるポリペプチドは、アミノ酸配列を修飾することによって体 内の代謝分解から保護することができることが知られている。このような治療薬 としてのいわゆるペプチド擬似物およびその製造に関する説明は、特に、Gianni S、”Angewandte Chemie”105(1993)1303-1326;Lee,Bull Chem.Soc.Jpn 66 (1993)2006-2010 およびDorsch ら、”Kontakte”(Darmstadt)1993(2)に述 べられている。しかしながら、周知のとおりエピトープ−抗体結合の高い特異性 ゆえに、この修飾方法は抗体に結合するエピトープおよび抗体産生のための免疫 原としてのエピトープには適用できないと思われた。 最近、ロンドンで行われた第三回 European BIAcore Symposium 1993で、ペプ チド-ヒト血清アルブミン融合産物がこのようなポリペプチドエピトープの安定 化のために提唱された(S.Reboulら、発見部門におけるバイオコアの統合)。 しかしながら、ペプチドエピトープとヒト血清アルブミンとの結合は、単にポリ ペプチドの酵素的分解をある程度遅延させるのみで、分解を阻止するわけではな い。 本発明の目的は、抗体を産生するためにワクチンのエピトープとして機能する ことができ、イムノアッセイにおいては、一定の天然型アミノ酸配列を有するエ ピトープに対して反応性の抗体を検出するために機能することができる結合物質 であって、さらに、代謝安定性、特にプロテアーゼ安定性を変化させ、または動 物体内での免疫原として作用の持続時間、または試料として体液を使用するイム ノアッセイにおける結合パートナーとしての作用の持続時間を変化させたが、そ れにもかかわらず、対応する天然型エピトープに対して反応性の抗体と、特異的 かつ選択的に結合することができ、またはこうした抗体を免疫応答において産生 することができる結合物質を提供することであった。 この目的は、請求の範囲に明記したように本発明によって達成される。驚くべ きことには、抗原−抗体反応の極めて高い特異性にもかかわらず、本発明の方法 でアミノ酸配列を修飾することによって生じた天然型エピトープポリペプチド配 列における構造的な変化は、非修飾エピトープに対して反応性の抗体に対する修 飾エピトープの結合を妨げないことが明らかになった。しかしながら、非修飾エ ピトープと比較して、修飾エピトープは、体液との接触に際して、または動物の 代謝に際して、たとえば内因性プロテアーゼに対する安定性の変化といった、異 なる代謝上の特性を示す。 本発明によれば、天然型エピトープのアミノ酸配列の中のアミノ酸の修飾とし て、以下のような可能性が考えられる: a) 少なくとも一つのペプチド結合の-CO-NH-基の、2原子または3原子ブリッジに よる置換(骨格修飾)。 2原子ブリッジは、-NH-CO-,-CH2-CH2-,-CH=CH-,-CH2-NH-,-NH-CH2-,-O- CH2-,-CH2-O-,-CH2-S-,または-S-CH2-基と考えるのが適当である。3原子ブ リッジは、-CH2-CH2-CH2-基と考えるのが望ましく、ここで-CH2-は、やはり-O- または-NH-、-S-または-CO-基で置換可能である。2原子ブリッジの方が望まし い。 -CH2-CH2-,-CH2-NH-または-NH-CO-基が特に望ましい。もし、たとえば、ペプ チドの-CO-NH-基が-NH-CO-基に置換されると、形式的には天然型エピトープの二 つのアミノ酸からジアミンおよびジカルボン酸が得られる。もし、たとえば、-C O-NH-基が-CH2-CH2-基に置換されると、形式的には本発明の結合物質の配列内に アミノ吉草酸誘導体が含まれる。 b) 天然型エピトープの1または2以上のアミノ酸側鎖の伸長または短縮。 この場合、追加の-CH2-,-S-,-O-,-NH-,-SO2-,-CO-基を組み込むこと、ま たは側鎖のβ−メチレン基を除くことが望ましい。エピトープのすべてのアミノ 酸に存在する側鎖においてこれを実施することが望ましい。側鎖だけが修飾され ている場合、天然型アミノ酸はこの方法で製造されるはずである。 c) 1または2以上の、HR'N-Y-COOH型のような生物起源でないL−またはD−アミ ノ酸による、天然型エピトープ中の天然型アミノ酸の置換。 ここにおいて、R'は水素原子を表し、Yはn=2-8であるような(CH2)n基、または m=0-3であるような-CH-(CH2)m-CR1R2R3基を表す。後者において、R1、R2およびR3 は、同一でも、異なっていてもよく、水素原子、枝分れのある、または枝分れ のないC1-C4アルキル残基、またはフェニル、ナフチルまたはO、S、またはN を含有する5−6員環ヘテロアリール残基を表すが、これらはメチル、ハロゲン 、NH2、OHまたはカルボキシルで置換されてもよい。 または、上記アミノ酸において、YはCHR基を表し、ここでRは天然型アミノ酸 の側鎖を表すが、ここにおいて-CH2-基は、-S-、-HN-、-CH=、-SOB-、-CO-また は-O-によって置換され、あるいは1または2以上のH原子がCH3、NH2、カルボキ シル、SH、ハロゲンまたはヒドロキシルによって置換される。 ここにおいて、すべての場合において、Yは、いかなる天然型アミノ酸にも存 在しない基となり、または、R'はメチル、エチルまたはフェニルであり、YはR が天然型アミノ酸の側鎖であるCHR基を表す。 上記の場合、ハロゲンはF、Cl、Br、またはヨウ素であるが、特にClと考えら れる。ヘテロアリール残基の中で、ピリジン、ピロール、フランおよびチオフェ ンが特に望ましい。 本発明の結合物質は、天然型アミノ酸配列からなる対応するエピトープを有す る抗原に対して反応性であるような抗体と結合する。特に、こうした抗体は、感 染性生物のエピトープに対して反応性の抗体を包含する。例は、HCVまたはHIVウ イルスである。 天然型アミノ酸配列を有するエピトープは、たとえば感染性生物のような天然 抗原の天然型アミノ酸からなる、抗原によって産生された抗体と結合するために 必要な、最小のアミノ酸配列であると考えられる。これは、最低6個のアミノ酸 、望ましくは少なくとも10個のアミノ酸からなるアミノ酸配列である。もちろん 、それ以上のアミノ酸をエピトープのアミノ酸配列に、そのC-またはN-末端で連 結することができる。しかしながら、これらは、もはや抗体結合に重要な寄与を しない。本発明の免疫学的結合物質は、少なくともこのような天然エピトープの アミノ酸配列に相当するはずであるが、本発明の方法により修飾されるこうした アミノ酸配列内に最低1部位を有する。 ペプチド結合の-CO-NH-基は、本発明にしたがって置換されることが望ましく 、特に配列内の随伴するアミド結合が特にプロテアーゼによる切断を受けやすい 位置で置換されることが望ましい。これに関して、考えられうるそれぞれのプロ テアーゼ切断部位について-CO-NH-基を加水分解に安定な原子団で置換する必要 はない。さまざまな体液中で問題となるプロテアーゼの濃度および種類は当業者 に公知である。しばしば見出されるプロテアーゼとしては、たとえば、トリプシ ン、キモトリプシン、コラゲナーゼ、エラスターゼ、トロンビン、プラスミンま たはカリクレインがある(例、N.Katunumaら、Japan,Sci.Soc.Press.Tokyo /Springer Verlag Berlin,37-44ページ(1983))。さらに、さまざまなプロテア ーゼの切断部位のそれぞれのアミノ酸配列も当業者に公知である。また、非特異 的プロテアーゼも存在する。たとえば、アミノ酸配列の末端にあるプロテアーゼ 切断部位は特に切断を受けやすい。この場合、そうしたアミノ酸配列はエキソペ プチダーゼによる分解のために特に危険な状態である。さらに、グリシンを含有 するペプチド配列は、グリシンに側鎖がないことで特に非特異的プロテアーゼに よる加水分解攻撃が助長されるため、特に切断を受けやすい。ペプチダーゼ攻撃 を受けやすいアミド結合、特にグリシンのペプチド結合だけを本発明にしたがっ て修飾することによって、天然型エピトープと比較して、プロテアーゼによる分 解に関して本発明の結合物質の安定性を向上させることができる。 本発明の結合物質を、たとえば、パンクレアチン、しばしば存在するプロテア ーゼの混合物(カルボキシペプチダーゼAおよびB、トリプシン、ペプシン、キ モトリプシン、エラスターゼを包含する)またはプロナーゼ(アミノペプチダー ゼ、カルボキシペプチダーゼ、アルカリ性および中性ペプチダーゼを包含する) に曝すことによって、本発明の結合物質のプロテアーゼ安定性を好適に判定する ことが可能である。ペプチド断片の出現したときのHPLC分析によって、結合物質 の酵素分解による減少を測定することができる。 -CO-NH-基を-CH2-CH2-、-CH2-NH-または-NH-CO-基で置換することが特に望ま しい。 配列の末端をさらにブロックすることによって、結合物質はエキソペプチダー ゼに対していっそう安定化される。 免疫学的結合物質は、検出可能な標識分子、固相、または固相に特異的に結合 可能な特異的結合分子のいずれかに結合される。この結合は、結合物質のC−ま たはN−末端を介した直接的な、またはスペーサーを介した、共有結合であるこ とが望ましい。 たとえば、放射能、化学ルミネセンス、りん光、蛍光または電気化学ルミネセ ンスによって、または目に見える色によって、検出可能な標識が直接、間接に測 定可能なシグナルを生じる。間接的な測定可能なシグナルはたとえば酵素標識の 場合である。この場合、酵素基質の添加によって着色が生じる。酵素標識の例と しては、β-ガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼ、またはパーオキシダ ーゼによる標識がある。 結合物質は、当業者に公知の方法にしたがって固相に結合される。たとえば、 ビーズ、プラスチックチューブ、マイクロタイタープレートまたは試験用検査担 体が固相として機能する。 また、免疫学的結合物質は、それを介して固相に結合できるような特異的な結 合分子と結合することもできる。望ましい例としては、ビオチンがあり、ビオチ ンは結合物質のN-末端に結合し、ストレプトアビジンで被覆した表面に特異的に 結合することができる。 本発明の結合物質は、イムノアッセイに有利に使用することができる。抗体に 特異的に結合する二つの結合パートナーとともに抗体試料をインキュベートし、 抗体-結合パートナー複合体の形成を結合パートナーのうちの少なくとも一方が 、本発明の結合物質であることを特徴とする適当な方法で定量することによって 、対応する天然型アミノ酸配列を有するエピトープに対して反応性を有する抗体 を検出するための、サンドイッチ原理に基づくイムノアッセイにおいて、発明の 結合物質を特に有利に使用することができる。 このようなイムノアッセイは、不均一系イムノアッセイとして実施することが 望ましい。この方法において、結合パートナーの一方は、直接またはスペーサー を介して固相に結合するか、たとえばビオチンのような、イムノアッセイ中に固 相に結合できる特異的結合部位に結合するか、のいずれかである。本発明の結合 物質をこのような結合パートナーとして使用する。 第2の結合パートナーは標識される。標識分子を付与された本発明の結合物質 はこのような結合パートナーのために使用することが可能であり、検出すべき抗 体に対して反応性の標識された抗-抗体のために使用することもできる。望まし い標識は、酵素標識であり、または、たとえば金属コロイド溶液を用いた直接標 識である。 イムノアッセイを実施するために、検出すべき抗体試料を第1の結合パートナ ー、標識された結合パートナー、および固相とともに同時にまたは連続的にイン キュベートし、第1の結合パートナー、抗体および標識された結合パートナーか らなる固相−結合複合体を生成させる。次に、液相中の結合していない標識結合 パートナーを固相に結合した標識結合パートナーから分離することが望ましく、 二相のうちの一方において、測定すべき抗体の存在または濃度の指標として、標 識を測定する。たとえば、酵素標識の場合、測定のために上記に酵素基質溶液を 添加する。測定は、たとえば、可視的に、または光度測定によって、行なうこと ができる。 本発明のもう一つの主題は、T−細胞エピトープを含有するアミノ酸配列また は担体分子に結合した本発明の結合物質を含有する免疫原またはワクチンである 。 ワクチンは、それぞれの天然型アミノ酸配列を有するエピトープを含有する抗 原によって引き起こされる感染の予防処置のために使用される。免疫原として使 用されるためには、本発明の結合物質のC-またはN-末端を、キーホールリンペッ トヘモシアニン、ヘモシアニン、ウシ血清アルブミンまたはエデスチンのような 適当な高分子担体タンパク質に結合させなければならない。たとえば、アミノ酸 配列のN-末端にマレインイミドヘキサン酸-N-ヒドロキシスクシンイミドエステ ルを介して結合することができる。一般に、ワクチン(免疫原)は本来はペプチ ドであるTまたはB細胞のエピトープでもあるので、本発明の結合物質はT細胞 エピトープを含有するアミノ酸配列にも結合することができる。 ワクチンは、薬理学上有効な用量および製剤学上許容しうる剤型として存在す る。 天然型エピトープと異なるアミノ酸構造を有する人工エピトープに対する抗体 が免疫応答において産生されるが、このような抗体は天然型エピトープにも結合 し、したがってそれをこうしたエピトープを含有する抗原に対する免疫防御のた めに使用することができる。しかしながら、その配列が修飾されているため、動 物体内での代謝について変化した挙動、たとえばプロテアーゼ安定性の変化を示 す。 天然型エピトープのアミノ酸配列を含有する抗原を免疫学的定量法で検出する ために使用することができる抗体を、一般的な免疫感作の方法によって得るため に、本発明の免疫原を使用することもできる。 したがって、本発明の別の主題は、たとえば担体タンパク質分子のような、T 細胞エピトープを含有する分子に結合した該当する本発明の結合物質を用いて、 哺乳動物を免疫感作すること、および産生された抗体をたとえば血清や脾臓から 公知の方法によって単離することを特徴とする、天然型アミノ酸配列を有するエ ピトープに対して反応する抗体の製造方法である。 本発明の結合物質は、一方では、生物体内において変化した代謝挙動、特に変 化したプロテアーゼ安定性を示す。このような変化にもかかわらず、上記物質は 天然型エピトープに対して反応性の抗体に対するイムノアッセイにおいて選択的 に結合する。さらに驚くべきことには、本発明の結合物質、特にCONH基置換(骨 格修飾)を有する物質は、感染直後の患者をモニターする時、ごく初期の段階で 血清転換をしばしば検出することができることが明らかになった。さらに、本発 明の結合物質を用いて、特に側鎖修飾を有する同物質を用いて、陽性の血清に対 する感度は天然型エピトープに匹敵するが、ゼロ血清の特異的な検出が可能であ る。 当業者に公知のペプチド合成法にしたがって、本発明の結合物質を製造するこ とができる(たとえば、Merrifield,JACS 85(1964),2146)。したがって、本発 明のもう一つの主題は、天然型エピトープ配列のうち少なくとも一つのペプチド 結合の位置で、配列中にこのペプチド結合を形成する第1のアミノ酸NH2-CHR1-C OOHおよび第2のアミノ酸NH2-CHR2-COOHの代わりに非-天然型アミノ酸NH2-CHR1- X-CHR2-COOHをペプチド合成のために使用すること(ここで、R1およびR2は同一 でも異なっていてもよいが、天然型アミノ酸の側鎖を構成し、Xはプロテアーゼ に安定な原子団、特に2原子または3原子鎖、たとえば-NH-CO-,-CHB-CHB-,-C H=CH-,-NH-CHB-,-CHB-NH-,-CHB-O-,-O-CHB-,-CHB-S-,-S-CHB-または-CHB- CHB-CHB-基を表す)を特徴とする、C-末端となるアミノ酸の担体への結合、C-末 端から開始する任意のアミノ酸配列の逐次合成、次にこのアミノ酸配列の担体か らの切断、および担体からの切断前または後の標識分子、特異的固相結合分子、 固相、または担体分子との結合からなる、本発明の結合物質の製造方法である。 修飾が、アミノ酸側鎖における変化である場合、または天然型エピトープの天 然型アミノ酸を人工的な、非天然のアミノ酸によって置換することである場合、 本発明の製造方法は、エピトープに属する天然型アミノ酸の代わりに適切に修飾 されたアミノ酸を使用することを特徴とする。このような人工アミノ酸の一部は 市販されており、または当業者に公知の方法によって合成可能である(例、L.G azerroら,Solid phase synthesis,403ページ、1990;G.Jung,Peptides 1988 ,Walter de Gruyter,Berlin,New York 1989,646-648ページ;A.Jager,Pep tides 1992,Escom Science PublisherB.V.1993,47-49ページ;R.Varrel,P eptides 1990,Escom Science Publishers B.V.1991,642-664ページ,393-39 4ページ,385-386ページ,370-371ページ)。 アミノ酸配列を合成するために、特に、アミノ酸のC-末端をそのカルボキシル 基を介して、容易にろ過することのできる不溶性ポリマーに結合し、次に、C-末 端で開始してペプチド鎖を段階的に合成する。この目的のために、N-末端保護ア ミノ酸をポリマーの反応性基と反応させる。N-α保護基を担体に共有結合したア ミノ酸からはずし、得られたアミノアシルポリマーを次のN−保護アミノ酸と反 応させる。N-α保護基を担体に共有結合したジペプチドからはずし、得られたア ミノアシルポリマーを次のN−保護アミノ酸と反応させる。すべての過剰な試薬 および副生成物は、単純なろ過によって除去される。この方法で必要とする修飾 ペプチド配列を合成したならば、ポリマー担体の結合基とC−末端アミノ酸との 共有結合を切断する。溶液中に存在するペプチドから不溶性担体を単純なろ過に よって除去する。ペプチドをクロマトグラフィーの手法によって精製する。ペプ チドの、固相、担体分子、特異的固相結合部位、または標識との結合は、公知の 方法にしたがって行われ、ペプチド配列のN−末端で行なうことが好ましい。ビ オチニル化は、たとえば PNAS USA 80,1983,4045にしたがって行なうことがで きる。望ましいビオチニル化剤はビオチニルアミノカプロン酸−N−ヒドロキシ スクシンイミドエステルである。このような原子団を固相合成の最後に修飾アミ ノ酸配列のN−末端に導入しておくこともできる。実施例1 HCVウイルスのコア−エピトープに対して反応性の抗体に対して本発明のビ オチニル化結合物質を用いたイムノアッセイの方法。 使用した結合物質において、1または2以上のCO-NHペプチド結合基を本発明 にしたがって置換し(コア2mI−コア2mVI)、天然型エピトープ”コア2m”と比 較した。 それぞれの場合について、血清20μlをBoehringer Mannheim Company製のスト レプトアビジン被覆ES22チューブに入れた(陰性血清、陽性血清、陽性血清A− C)。次に、1000μlのペプチド溶液(コア2mまたはコア2mI−VII濃度、40 mmol/l,pH7.0のリン酸カリウムバッファー中100ng/ml)をピペットにより添加 し、Boehringer Mannheim Company製ES22装置内で60分間放置した。60分のイン キュベーション後、ペプチド/血清溶液をピペットにより除去し、チューブを試 験洗浄溶液:40mmol/lリン酸カリウムバッファー、pH7.0で洗浄する。次に1000 μlのパーオキシダーゼ結合体溶液(抗Fcγ抗体と結合したパーオキシダーゼ、0. 5U/ml)をピペットにより添加し、さらに60分間インキュベートする。結合体溶液 をピペットにより除去し、チューブを洗浄溶液で洗浄する。その後、1000μlの ABTS溶液(1.9mmol/l)をピペットにより添加し、さらに60分間インキュベート する。60分のインキュベーション後、溶液をピペットによりチューブから光度計 に移し、405nmで測定する。表1には、天然型エピトープ(コア2m)と比較した人 工エピトープ、コア2mI−VIの相対反応性を示す。反応性は、標準曲線と比較 したイムノアッセイの測定結果から導かれた。修飾にもかかわらず、人工エピト ープは特異的かつ選択的に結合する(たとえばコア2mI)。 相対反応性 ペプチド抗原I-VIについて使用した相対濃度は、それらのHPLC積分値から導 いた。抗原I−VIの反応性は、同一濃度の対照抗原コア2mと比較して定量した。実施例2 パンクレアチンを用いたコア2m消化のための実験方法。 まず最初に、およそC=1-3mg/mlとなるよう蒸留水でコア2m溶液を調製した。こ の溶液を分析用HPLCに注入した(注入量=40μl)。 次に、再度HPLCに注入するときその面積が40 000となるようにこの溶液を希釈 した。たとえば、コア2mIV溶液の面積は、注入量40μlについて分析用HPLCで60 0 000であった。そこで、この溶液の2容量を1量の蒸留水で希釈する。 それぞれの場合において、200μlの上記のように調整されたコア2m溶液を50μ lのパンクレアチン溶液(C=1mg/ml)と混合した。 上記溶液試料を55分後と125分後に分析用HPLCに注入した。対照として、それ ぞれのコア2m溶液試料200μlを50μl蒸留水と混合し、分析用HPLCに注入した。 それぞれのペプチドの分解率を分析用HPLCにおけるペプチドのピーク面積から 決定することができる。 表2は、55分後と125分後の、個々のエピトープ配列のプロテアーゼ分解に対 する抵抗性の割合を%で示す。天然型エピトープ“コア2m”が完全に分解される (0%抵抗性)のに対して、人工エピトープコア2mI-VIは、それよりもかなりプ ロテアーゼに対して抵抗性である。 実施例3 血清中で安定なHCV抗原コア2mIの合成 Zinsser Analytics Company製 SMPS 350 ペプチド合成装置を用いたFmoc(フ ルオレニルメトキシカルボニル)固相ペプチド合成によって、Advanced Chemtec h Company製 4-(2',4'-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)-フェノキシ 樹脂SA-5030 15mg上で、0.52mmol/gをロードして抗原を合成した。270μlのジメ チルホルムアミド溶液中の90μmol の1-ヒドロキシベンゾトリアゾールおよび90 μmol のN,N-ジイソプロピルカルボジイミドおよび105μlジメチルホルムアミド 溶液とともに、以下のN-Fmocアミノ酸誘導体のそれぞれ90μmolを、合成してい る固相結合ペプチドに2回続けて結合させた:バリン、δ-アミノ吉草酸、バリ ン、グリシン、グリシン、グリシン、プロリン、フェニルアラニン、リジン(te rt.ブチルオキシカルボニル)、アスパラギン酸(tert.ブチルエステル)、グル タミン(トリチル)、プロリン、β-アラニン、ε-アミノカプロン酸、β-アラ ニン、tert.ブチルオキシカルボニル-リジン、ジメトキシトリチルビオチン。結 合時間は、40および50分である。Fmoc保護基の切断段階は、それぞれの2回結合 の後、50%ピペリジン/ジメチルホルムアミド溶液600μlを用いて行なった。切 断時間は20分である。洗浄段階は、各反応段階の後、各場合において700μlジメ チルホルムアミドを用いて8回行なう。90%トリフルオロ酢酸、3%チオアニソ ール、3%エタンジチオールおよび3%チオクレゾールの混合物750μlで処理す ることによってペプチドが遊離される。15ml冷ジイソプロピルエーテルを合わせ た濾液に加えることによって生成物を沈殿させ、濾過によって単離する。残渣を 3mlの50%酢酸に溶解し、凍結乾燥する。凍結乾燥工程を2回繰り返す。逆相HPL Cによって、純度94%の粗精製物が17mg得られる(LSIMS: M-+; マトリクス:mNBA 、加速電圧:6kV)。実施例4: プロテアーゼに対する抵抗性の増加したテトラマーHCVワクチンコンポーネント の合成 ワクチンは、エプスタイン−バーウイルス(EBV LMP 43-53)由来のT細胞エピ トープに結合したHCV抗原(HCVコア18-33)のB細胞エピトープからなり、ここに おいて天然型エピトープのグリシン−グリシンペプチド結合は、いずれのエピト ープにおいてもCH2-CH2基に置換される(δ-アミノ吉草酸の組み込みに相当する )。 合成ワクチンを、Zinsser Analytics Company製 SMPS 350ペプチド合成装置を 用いたFmoc(フルオレニルメトキシカルボニル)−固相ペプチド合成によって、 Advanced Chemtech Company製 4-(2',4'-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメ チル)-フェノキシ樹脂SA-5030 15mg上に、0.22mmol/gをロードして合成した。 の270μlのジメチルホルムアミド溶液中90μmol のl-ヒドロキシベンゾトリアゾ ールおよび90μmol のN,N-ジイソプロピルカルボジイミドの105μlのジメチルホ ルムアミド溶液とともに、以下のN-Fmocアミノ酸誘導体のそれぞれ90μmolを、 合成している固相結合ペプチドに2回続けて結合させた:Nε-Fmocリジン、Nε- Fmocリジン、β−アラニン、β−アラニン、ロイシン、ロイシン、アラニン、δ -アミノ吉草酸、スレオニン(tert.ブチルエステル)、トリプトファン、アス パラギン酸(tert.ブチルエステル)、セリン(tert.ブチルエステル)、メチ オニン、バリン、バリン、δ-アミノ吉草酸、バリン、イソロイシン、グルタミ ン(トリチル)、グリシン、δ-アミノ吉草酸、プロリン、フェニルアラニン、 リジン(tert.ブチルオキシカルボニル)、バリン、アスパラギン酸(tert.ブ チルエステル)、グルタミン(トリチル)、プロリン、酢酸。結合時間は、40お よび50分である。Fmoc保護基の切断段階は、それぞれの2回結合の後、50%ピペ リジン/ジメチルホルムアミド溶液600μlを用いて行なった。切断段階は20分で ある。洗浄段階は、各反応段階の後、各場合において700μlのジメチルホルムア ミドを用いて8回行なう。ろ過により溶媒を除去した樹脂を、20分以内に、その 後140分間、90%トリフルオロ酢酸、3%チオアニソール、3%エタンジチオー ルおよび3%チオクレゾールの混合物750μlで処理することによってペプチドが 遊離される。15mlの冷ジイソプロピルエーテルを、合わせた濾液に加えることに よって生成物を沈殿させ、濾過によって単離する。残渣を3ml の50%酢酸に溶解 し、凍結乾燥する。凍結乾燥工程を2回繰り返す。逆相HPLCによって、純度42% の粗精製物13mg得られ、そのうち4mgは分取用逆相HPLCによって精製した。 収量:0.7mg(LSIMS: M-H+;マトリクス:mNBA、加速電圧:6kV)。実施例5 HCVエピトープ”コア1”[表3および図1および図2の”12 D1”]の様々な 側鎖修飾を受けた本発明の結合物質(ミメトープ)、およびHCVエピトープ”コ ア2”[表4および図3の”1B2”]のペプチド結合-修飾エピトープの反応性。 様々な血清B3からB20について標準抗原コア1(12D1)およびコア2(1B2)と 比較したミメトープの反応性を示す(図1〜7)。血清RSおよびRS2(図1およ び図2)およびB112,B119,B126,B129およびB117(図3)は、陰性血清である 。図1は側鎖修飾ミメトープを用いて、陰性血清が特異的に検出されることを示 す。 ミメトープは天然型エピトープに匹敵する反応性を示し、場合によってはより 高い反応性を示すことさえある。 図4−7は、最近感染した個体の血清をモニターする場合、比較的早期に、ま たはごく早期に、血清変化をミメトープによって検出することができることを示 す。 反応性は、実施例1と同様に判定した。 実施例6 HIVウイルスのgp32エピトープに対して反応する抗体に対する本発明のビオチニ ル化した結合物質を用いたイムノアッセイ法。 使用した結合物質(gp32-4からgp32-20)において、天然型エピトープ(HIV g p32Bi”標準配列”)と比較して1または2以上のアミノ酸を非天然アミノ酸1 −7(表3)で置換した。 実施例1と同様に5種類の異なる血清についてイムノアッセイを行った。図8 は様々な結合物質の天然型エピトープと比較した相対反応性を示す。場合によっ ては、天然型より高い反応性を測定することさえ可能であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI G01N 33/531 0276−2J G01N 33/531 A 33/547 0276−2J 33/547 (72)発明者 ホース,エヴァ ドイツ連邦共和国 ディー−82319 スタ ーンベルグ,アム ミュールベルグ 1エ イ番地 (72)発明者 バッツ,ハンス−ゲオルグ ドイツ連邦共和国 ディー−82327 テュ ーツィング,トラウビンガー シュトラー セ 63番地

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.特異的結合物質は天然エピトープに対応するアミノ酸配列に相当し、ここに おいて、その配列は少なくとも一つのペプチド結合またはアミノ酸のところで修 飾されるが、その修飾は以下のものであり、 a)1または2以上の-CO-NH-ペプチド結合基がそれとは異なる2原子または3 原子ブリッジによって置換される、 b)アミノ酸側鎖が-CH2-基によって短縮され、または-CH2,-S,-O,-NH,-SO2 ,-CO基によって伸長される、または、 c)1または2以上のアミノ酸が、HR'N-Y-COOHのような生物起源でないL-また はD-アミノ酸によって置換される、 〔ここにおいて R'は水素原子を表し、 Yはn=2-8であるような(CH2)n基、またはm=0-3であるような-CH-(CH2)m-CR1R2R3 基を表し、および R1、R2およびR3は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、枝分れのある、 または枝分れのないC1-C4アルキル残基、またはフェニル、ナフチルまたはO、 S、またはNを含有する5−6員環ヘテロアリール残基を表すが、これらはメチ ル、ハロゲン、NH2、OHまたはカルボキシで置換されてもよい、または YはCHR基を表し、ここでRは天然型アミノ酸の側鎖を表し、ここにおいてRは-C H2-基が、-S-、-HN-、-CH=、-SO2-、-CO-または-O-によって置換されているか、 あるいは1または2以上のH原子がメチル、NH2、カルボキシル、SH、ハロゲンま たはヒドロキシによって置換されている天然型アミノ酸の側鎖を表わす、 ここにおいて、すべての場合において、Yは、いかなる天然型アミノ酸にも存 在しない基となり、または、 R'はメチル、エチルまたはフェニルであり、YはRが天然型アミノ酸の側鎖であ るCHR基を表す〕 ことを特徴とする天然型アミノ酸配列を有するエピトープに対して特異的に反応 する抗体に特異的に結合し、さらに、検出可能な標識を担うか、または固相に結 合しているか、または特異的結合分子を介して固相に結合できるか、またはT細 胞エピトープを含有する分子または担体タンパク質分子に結合しているか、のい ずれかである、免疫学的結合物質。 2.ペプチド結合の-CO-NH-基が、-NH-CO-,-CH2-CH2-,-CH-CH-,-CH2-NH-,-N H-CH2-,-S-CH2-,-CH2-S-,-CH2-O-,-O-CH2-,または-CH2-CH2-CH2-基によって 置換される、請求項1記載の免疫学的結合物質。 3.-CO-NH-基が、-CH2-CH2-,-CH2-NH-,-NH-CO-基によって置換される、請求 項1または2記載の免疫学的結合物質。 4.プロテアーゼ切断を受けやすいペプチド結合の箇所で-NH-CO-基が置換され る、請求項1−3記載の免疫学的結合物質。 5.少なくとも一方がグリシンである二つのアミノ酸の間で-CO-NH-基が置換さ れる、請求項1−4記載の免疫学的結合物質。 6.すべてのアミノ酸側鎖が-CH2基によって伸長される、請求項1記載の免疫学 的結合物質。 7.結合物質が固相結合部位に特異的な結合分子と結合している、請求項1−6 記載の免疫学的結合物質。 8.特異的な結合分子がビオチンである、請求項7記載の免疫学的結合物質。 9.免疫学的結合物質が、天然型アミノ酸配列を有するエピトープに対して反応 する抗体に特異的に結合し、担体分子と一緒になって免疫応答として前記の抗体 を産生することができ、前記結合物質が免疫学的に活性な担体に結合した請求項 1−8記載の結合物質であるような、担体分子またはT細胞エピトープを含有す る免疫学的に活性な分子に結合した免疫学的結合物質を免疫原として含有するワ クチン。 10.請求項9記載の免疫原を用いて哺乳動物を免疫感作し、抗体を常法により 単離する、天然型アミノ酸配列を有するエピトープに対して反応する抗体の製造 方法。 11.請求項1−8記載の少なくとも一つの結合物質を抗体に対する結合パート ナーとして使用する、抗体に特異的に結合する二つの結合パートナーとともに抗 体試料をインキュベートし、抗体-結合パートナー複合体の形成を適当な方法で 定量することによって、天然型アミノ酸配列を有するエピトープに対して反応性 の抗体を検出するためのイムノアッセイ。 12.抗体試料を特異的な結合物質、標識された結合パートナーおよび固相と接 触させること、および固相または液相における標識を被検体の量の指標として測 定することを含んでなる、固相に結合しているか、または特異的な結合分子を介 して固相に結合でき、抗体に特異的に結合する第1の結合物質、および抗体に特 異的に結合する標識された結合パートナーをもちいて、天然型アミノ酸配列を有 するエピトープに対して反応性である抗体を検出するための免疫学的定量方法で あって、 前記特異的な結合物質が請求項1−8記載の結合物質であることを特徴とする方 法。 13.標識された結合パートナーもまた請求項1−8記載の標識された特異的結 合物質である、請求項3記載の免疫学的定量方法。 14.標識された結合パートナーが抗体に対して反応する抗−抗体である請求項 3記載の方法。 15.結合パートナーが酵素または化学ルミネセンスまたは蛍光標識によって標 識される、請求項3−5記載の方法。 16.請求項1−8記載の特異的結合物質のイムノアッセイへの使用。 17.請求項9記載の特異的結合物質のワクチン生産への使用。 18.ペプチド合成するにあたって、プロテアーゼ切断を受けやすいペプチド結 合または天然型エピトープ配列のアミノ酸の箇所で以下の修飾を行う、 a)ペプチド結合を連続的に形成するアミノ酸NH2-CHR1-COOHおよびNH2-CHR2-CO OHの代わりに非-天然型アミノ酸NH2-CHR1-X-CHR2-COOHをペプチド合成のために 使用する 〔ここにおいて、R1およびR2は同一でも異なっていてもよいが、天然型アミノ酸 の側鎖を構成し、Xは2原子または3原子ブリッジをあらわす〕 b)天然型エピトープのアミノ酸の代わりに、アミノ酸側鎖が-CH2-基によって 短縮され、または-CH2-,-S-,-O-,-NH-,-SO2-,-CO基によって伸長されたア ミノ酸を使用する、またはHR'N-Y-COOHのような生物起源でないL-またはD-アミ ノ酸を使用し 〔ここにおいて R'は水素原子を表す、および Yはn=2-8であるような(CH2)n基、またはm=0-3であるような-CH-(CH2)m-CR1R2R3 基を表す、および R1、R2およびR3は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、枝分れのある、 または枝分れのないC1-C4アルキル残基、またはフェニル、ナフチルまたはO、 S、またはNを含有する5−6員環ヘテロアリール残基を表すが、これらはメチ ル、ハロゲン、NH2、OHまたはカルボキシで置換されてもよく、または YはCHR基を表し、 ここでRは天然型アミノ酸の側鎖を表し、ここにおいて-CH2-基は、-S-、-NH- 、-CH=、-SO2-、-CO-または-O-によって置換され、あるいは1または2以上のH 原子がCH3、NH2、カルボキシル、SH、ハロゲンまたはヒドロキシによって置換さ れる、 ここにおいて、すべての場合において、Yは、いかなる天然型アミノ酸にも存 在しない基となり、または、 R'はメチル、エチルまたはフェニルであり、YはRが天然型アミノ酸の側鎖であ るCHR基を表す〕 ことを特徴とする、C−末端となるアミノ酸の担体への結合、公知の方法による アミノ酸配列の逐次合成、前記担体からのこの配列のC−末端の切断、および担 体からの切断前または後のこの配列の標識分子、特異的固相結合分子、固相、担 体分子またはT細胞エピトープを含有する分子への結合による、請求項1記載の 特異的結合物質の製造。
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