JPH10259197A - ペプチド混合物の製造方法 - Google Patents

ペプチド混合物の製造方法

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JPH10259197A
JPH10259197A JP36074097A JP36074097A JPH10259197A JP H10259197 A JPH10259197 A JP H10259197A JP 36074097 A JP36074097 A JP 36074097A JP 36074097 A JP36074097 A JP 36074097A JP H10259197 A JPH10259197 A JP H10259197A
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peptide
mixture
polyhapten
amino acid
peptide mixture
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ホス エヴァ
Elke Dr Faatz
ファーツ エルカ
Beatus Dr Ofenloch-Haehnle
オフェンロック−ハーンレ ビータス
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 免疫学的測定方法を改良するこによって、少
なくとも部分的に従来技術の欠点をなくし、特に、最近
のセロコンバージョンおよび新しい微生物サブタイプが
関与する場合において免疫学的検出方法の適切な感度を
得る。 【解決手段】 ペプチドが、アミノ酸誘導体を含む固相
上で合成され;異なるアミノ酸の誘導体の混合物を使用
して、少なくとも1つのアミノ酸部位でカップリング反
応を行うペプチド混合物の製造方法であって;該異なる
アミノ酸の誘導体の混合物が使用された各カップリング
反応工程の後で、前のカップリング反応工程でアミノ酸
が結合されなかったペプチド配列の選択的鎖終結を行う
ための反応工程を実施し;更に、合成後、該ペプチド混
合物を該固相から切り離す;ことを特徴とする前記ペプ
チド混合物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の独自のペプ
チド配列を含むペプチド混合物を製造する方法ならびに
該ペプチド混合物を使用してポリハプテン組成物を製造
する方法に関する。更に、本発明は、免疫学的試験にお
けるペプチド混合物またはポリハプテン組成物の使用に
関する。
【0002】
【従来の技術】体液中(特に、ヒト血清中)の免疫グロ
ブリンの検出は、微生物感染症(特に、HIV、肝炎ウイ
ルスなどのウイルス感染症)の診断に使用される。検査
対象のサンプル中の特異的免疫グロブリンは、通常、特
異的免疫グロブリンと反応する1つまたは数種の抗原を
用いた反応により検出される。サンプル液中の特異的免
疫グロブリンを検出する方法は、感度、信頼性、簡便
性、および迅速性を備えたものでなければならない。
【0003】最近、こうした目的で非放射性標識基をベ
ースとした検出系が多数開発され、その件数は増大の一
途を辿っている。これらの系では、試験サンプル中の分
析対象物質(例えば、特異的抗原)の存在を、光学的
(例えば、ルミネセンスまたは蛍光)NMR活性検出系ま
たは金属析出検出系を用いて測定することができる。第
EP-A-0 307 149号公報には、架橋試験の考え方に従った
免疫学的検出方法が開示されている。この方法では、2
つの組換えポリペプチドが、標識抗原として、更にまた
固相に結合可能な抗原として使用される。いずれの組換
えポリペプチドにも同じエピトープ領域が含まれるが、
異なる生物体中で発現されるために試験の特異性が増大
する。この方法では、所定の構造を有するポリペプチド
が常に使用され、ポリペプチド混合物は使用されない。
【0004】最近、特にHIV感染症の診断分野におい
て、多大な努力が払われてきた。第EP-B-0 220 273号公
報には、HIVの異なるコード領域に由来する1つまたは数
種のペプチドを使用するHIV抗体の診断方法が開示され
ている。複数の統計的に存在するペプチド配列を含むペ
プチド混合物の使用は、開示されていない。第US-A 5,2
21,610号公報には、HIVウイルスの領域に由来する標識
ペプチド抗原が記載されている。第EP-A-0 379 949号公
報には、ビオチニル化gp41およびgp32HIVペプチドが開
示されている。しかしながら、免疫学的試験手順の中で
ペプチド混合物を使用することについては、該公報の中
にも記載されていない。
【0005】技術の現状から公知の免疫学的検出方法に
は、かなりの弱点がある。特に、測定される抗体とその
抗原との間の親和性が比較的低い場合、得られる感度は
かなり低い。こうしたことが特に顕著に現れるのは、最
近のセロコンバージョンおよび/または感染微生物のサ
ブタイプが存在する場合である。国際公開第WO 94/2052
1号公報には、セルロース担体上でのペプチドライブラ
リーの合成方法が記載されている。アミノ酸の混合物を
その成長する配列に数ヶ所で結合させることにより、配
列の変種が得られる。この方法では、ペプチド結合部位
の数に対してせいぜい等モル量のアミノ酸混合物が使用
される。アミノ酸混合物を使用した各カップリング工程
の後、カップリング工程中に混合物中のアミノ酸が結合
されなかった配列を、更なる過剰のアミノ酸を添加する
ことによって飽和させ、すべての配列が同じ長さになる
ようにする。しかしながら、この更なるアミノ酸の添加
を行うと、異なるペプチド配列の統計的な分布が得られ
なくなる。なぜなら、このアミノ酸を含有する配列が大
部分を占めて、他の配列の出現が抑えられるからであ
る。イムノアッセイにおいてペプチドライブラリーを多
重抗原として使用することについては、第WO 94/20521
号公報中では考慮されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、免疫
学的方法を改良するこによって、少なくとも部分的に技
術の現状の欠点をなくし、特に、最近のセロコンバージ
ョンおよび新しい微生物サブタイプが存在する場合にお
いて免疫学的検出方法で適切な感度を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的は、本発明に係
るペプチド混合物の製造方法を利用することにより達成
される。該方法では、ペプチドを固相上でアミノ酸誘導
体から合成し、異なるアミノ酸の誘導体の混合物を使用
して少なくとも1つのアミノ酸部位においてカップリン
グ反応を行う。この方法の特徴は、異なるアミノ酸の誘
導体の混合物が使用される各カップリング工程の後、前
のカップリング工程においてアミノ酸が結合されなかっ
たペプチド配列の鎖を選択的に終結させるための反応工
程を実施すること、更に、合成後にペプチド混合物を固
相から切り離すことである。
【0008】驚くべきことに、本発明の方法により得ら
れたペプチド混合物を用いると、特に、サブタイプA、
C、およびDなどの非B-HIVサブタイプの場合において、
サブタイプ認識に関して免疫学的試験が実質的に改良で
きることが見出された。更に、本発明の方法を用いる
と、単一バッチで複数の異なるペプチド抗原を合成する
ことが可能となる。その上、これまでに知られていなか
ったサブタイプの認識を可能にする新しい配列変種を合
成することも可能である。
【0009】固相ペプチド合成においては、通常、ペプ
チド結合部位の数に対して4倍〜10倍過剰の誘導体化ア
ミノ酸を使用してカップリングを行う。アミノ酸誘導体
の混合物を本発明に従って使用する場合、好ましくは、
ペプチド結合部位の数に対してせいぜい等モル量で該混
合物を使用する。すなわち、アミノ酸誘導体の全量は、
ペプチド結合部位の数以下である。この結果、個々のア
ミノ酸誘導体が結合されるときに、反応性が異なるにも
かかわらず、すべてのアミノ酸誘導体が同じ程度に反応
する。
【0010】更に、本発明の方法には次の特徴がある。
すなわち、アミノ酸誘導体の混合物が使用される各カッ
プリング工程の後、前のカップリング工程でアミノ酸が
結合されなかったペプチド配列の鎖を選択的に終結させ
る反応工程を実施する。この終結工程(該工程は、例え
ば、エンドキャッピングまたはストッピングにより実施
することができる)により、短い配列の出現(カップリ
ングが不十分なために、1回または数回のカップリング
工程中、アミノ酸がペプチド配列に結合されない場合に
起こる)が抑制される。終結工程を実施しないと、次の
カップリング工程で不完全配列にアミノ酸が結合する恐
れがあり、所望の配列よりも1つだけまたは数個のアミ
ノ酸が不足するペプチド配列が合成される可能性を生じ
る。終結工程により、不完全配列への更なる結合が抑制
される。不完全配列は、所望の完全鎖長を有する配列か
ら容易に分離することができる。好ましくは、例えば、
無水酢酸などの酸無水物を使用して鎖終結反応を行う。
【0011】合成が完了した後、公知の方法(例えば、
配列長に合った分取HPLC)によりペプチド混合物を精製
することができる。調製されるペプチド混合物の鎖長の
均一性は、95%を超えること、特に、98%を超えることが
好ましい。本発明の方法により、種々のペプチド種の混
合物が得られる。該実験混合物中に理論的に含まれるペ
プチド配列はまた、実際には、かなり統計的な量に近い
量で存在する。これとは対照的に、第WO 94/20521号公
報においては、カップリング反応の後で、過剰の更なる
単一アミノ酸を用いて飽和させるために、対応する部位
にこの追加されたアミノ酸を有する配列の割合が増大す
る。本発明の方法により得られるペプチド混合物では個
々の異なるペプチド混合物が所定の統計分布にかなり近
い形で存在し、イムノアッセイに使用するうえで特に好
適である。なぜなら、理論的に存在するすべての配列
が、実際には、混合物中に適切な量で存在するからであ
る。
【0012】ペプチドの固相合成は、周知の方法で行う
ことができるが、固相としてポリスチレン樹脂などの樹
脂を使用することが特に好ましい。本発明の方法を実施
する場合、通常、所定のペプチド配列を用いて反応を開
始し、少なくとも1つのアミノ酸結合部位に対して、単
一アミノ酸誘導体ではなく少なくとも2つのアミノ酸誘
導体の混合物を使用する。こうすることにより、任意の
所望の配列変種を得ることが可能となる。免疫学的反応
性を示す可変のエピトープ領域を含む配列を合成するこ
とが好ましい。このエピトープ領域は、例えば、病原
体、自己抗原、腫瘍抗原、またはアレルゲンに由来する
ものであってもよい。ウイルスエピトープ領域を含む配
列を合成することが特に好ましい。
【0013】異なるアミノ酸の誘導体の混合物が結合さ
れる部位において、エピトープ領域の既知の変種から選
ばれるアミノ酸の混合物、既知の変種から選ばれるアミ
ノ酸とランダムに選ばれるアミノ酸との混合物、および
/またはランダムに選ばれるアミノ酸の混合物を結合す
ることができる。ペプチド混合物の製造中、好ましく
は、既知のサブタイプ変種ごとに変化させうることが知
られているこうした部位で、異なるアミノ酸の誘導体の
混合物を使用する。
【0014】しかしながら、本発明によれば、部位およ
び/またはアミノ酸混合物がランダムに選択された新し
いペプチド配列を製造することが可能である。個々の配
列が反応性エピトープ領域またはその変種の他にスペー
サー領域を含むペプチド混合物を製造することが好まし
い。スペーサー領域は、好ましくは、1〜20アミノ酸
長、特に好ましくは1〜10アミノ酸長の免疫学的に不活
性なペプチド配列である。スペーサー領域のアミノ酸
は、好ましくは、グリシン、β-アラニン、γ-アミノ酪
酸、ε-アミノカプロン酸、およびリシンから成る群よ
り選ばれる。スペーサー領域は、好ましくは、エピトー
プ領域のアミノ末端および/またはカルボキシ末端にあ
る連続するアミノ酸配列である。
【0015】本発明の方法により任意の長さのペプチド
配列を製造することができる。合成されたペプチド配列
は、好ましくは、6〜50アミノ酸長を有する。病原性生
物体(例えば、細菌、ウイルス、および原生動物)由来
のエピトープ領域または自己免疫抗原からのエピトープ
領域を含有する配列由来のペプチド混合物を、本発明に
従って合成することが好ましい。反応性エピトープ領域
は、好ましくは、ウイルス抗原に由来する(例えば、HI
V-I、HIVサブタイプ0、HIV-II、またはC型肝炎ウイルス
(HCV)のアミノ酸配列)。
【0016】gp32、gp41、およびgp120由来のHIV-Iまた
はHIV-IIエピトープを配列として選択することが好まし
い。HCVエピトープは、好ましくは、コア-Env領域また
は非構造タンパク質領域NS3、NS4、もしくはNS5から選
ばれる。HIV-I、HIVサブタイプ0、またはHIV-IIのアミ
ノ酸配列のエピトープ領域は、次のアミノ酸配列: NNTRKSISIG PGRAFYT (I) NTTRSISIGP GRAFYT (II) QIDIQEMRIG PMAWYS (III) QARILAVERY LKDQQLLGIW GASG (IV) LGIWGCSGKL ICTTAVPWNA SWS (V) KDQQLLGIWG SSGKL (VI) ALETLLQNQQ LLSLW (VII) LSLWGCKGKL VCYTS (VIII) WGIRQLRARL LALETLLQN (IX) QAQLNSWGCA FRQVCHTTVP WPNDSLT (X) または、これらの部分配列(ただし、該部分配列は、少
なくとも6アミノ酸、好ましくは、少なくとも8アミノ酸
長を有する)から成る群より選ばれるものが特に好まし
い。アミノ酸配列I〜IIIは、HIV-Iのgp120領域に由来
し、アミノ酸配列IV〜IXは、HIV-Iのgp41領域に由来
し、アミノ酸配列Xは、HIV-IIのgp32領域に由来する。
配列IV、VIII、およびXの各々は、好ましくはジスルフ
ィド架橋の形態で存在する2つのシステインを含有す
る。配列には、好ましくは、先に規定したN-末端および
/またはC-末端のスペーサーが含まれる。また該スペー
サーには、必要に応じて、少なくとも1つの標識基、S
基、活性基、固相結合基、好ましくは、ビオチン、ビオ
チン類似体、金属キレート(例えば、BPRu)、またはシ
ステイン残基が含まれる。場合により、エピトープ領域
内に標識化された形でリシン残基を存在させてもよい。
【0017】本発明のペプチド混合物は、特に好ましく
は、上記のアミノ酸配列(I)および/または(II)をベー
スとするかあるいはアミノ酸配列(IV)またはその変種を
ベースとするペプチドの混合物である。本発明の方法を
使用すれば、線状ならびに環状および分枝状のペプチド
配列を製造することが可能である。分枝状のペプチド
は、好ましくは、分枝状部位をペプチド配列中に導入す
ることにより製造する。こうした分枝状部位は、例え
ば、免疫学的に不活性なスペーサーセクション内に導入
することができる。また、分枝状部位は、三官能性また
は更に多官能性のリンカー分子から構成することができ
る。好適な三官能性リンカー分子は、例えば、三官能性
アミノ酸(リシン、オルニチンなど)である。
【0018】分枝度は、リンカー分子中の分枝部位の数
および/または官能基の数により決定することができ
る。こうした分枝状ペプチド混合物はまた、multimer抗
原とも呼ばれ、例えば、ドイツ特許出願DE 44 30 972に
詳細に記載されている。本発明に係るmultimer抗原組成
物の抗原は、好ましくは、一般式p1 [p2 [p
3 (p4)t ]s ]r を有する。ただし、p1、p2、p3、および
p4は、本発明に従って製造された6〜50アミノ酸長を有
するペプチド混合物のペプチド配列を表し、免疫学的反
応性を有する同一または異なるエピトープ領域を含む少
なくとも2つのペプチド配列が該抗原中に存在し、rは1
または2であり、sは0〜4の整数であり、tは0〜8の整数
である。抗原には、好ましくは、少なくとも1つの分枝
部位が含まれる。ちなみに、ペプチド混合物の各ペプチ
ドp1、p2、p3、およびp4は、複数の統計的に存在する異
なる配列を含む。こうすることにより、本発明に係るmu
ltimer抗原組成物は、複数の異なるmultimer抗原を含有
し、従って、複数のエピトープ領域を含有する。
【0019】更に、本発明に係るペプチド混合物中の少
なくとも2つのペプチドが共有結合されているmultimer
抗原組成物を製造することも可能である。この場合、ス
ペーサー領域を介して数個のエピトープ領域を共有結合
で連結することができる。好ましくは、少なくとも部分
的に三官能リンカー分子により連結し、抗原組成物に少
なくとも1つの分枝部位(好ましくは、1個〜7個の分枝
部位)をもたせるようにする。こうしたmultimer抗原
は、分枝部位を有する樹枝状構造を形成するが、免疫学
的に反応性のエピトープ領域を含有することが好まし
い。
【0020】本発明に係るペプチド混合物中のペプチド
は、好ましくは、それぞれ少なくとも1つの標識基、活
性基、または固相結合基を含有する。これらの基は、例
えば、ペプチド配列の末端および/または反応性側鎖お
よび/またはスペーサーセクションに選択的に結合させ
ることができる。すべての公知の標識基、活性基、また
は固相結合基を、ペプチド混合物のペプチドに結合する
ことができる。好ましくは、少なくとも1つの標識基、
活性基、または固相結合基を、ペプチドのスペーサー領
域に結合する。
【0021】放射性または非放射性標識基を標識基とし
て使用できるが、非放射性標識基の方が好ましい。標識
基は、直接的および/または間接的に検出することがで
きる。間接的に検出される標識の場合、直接的な検出が
行えない基、例えば、ビオチン基またはハプテン基にペ
プチドを結合する。これらの基は、シグナル発生基を有
する好適な結合相手(ストレプトアビジン、アビジン、
抗ハプテン抗体)との反応により検出できる。
【0022】ペプチドを、直接的に検出可能な標識基に
結合させることもできる。こうした直接的シグナル発生
基としては、例えば、色原体(蛍光基、ルミネセンス
基、染料)、酵素、NMR活性基、または既知の方法でペ
プチド混合物に結合する金属粒子が挙げられる。直接的
に検出可能な標識基としては、電気化学発光により検出
できる金属キレート(ルテニウムキレート、レニウムキ
レート、イリジウムキレート、およびオスミウムキレー
トから選ばれる金属キレート)が好ましい。好適な配位
子としては、例えば、芳香族ヘテロ環式多座配位子が挙
げられるが、好ましくは、ビピリジル配位子、ビピラジ
ル配位子、テルピリジル配位子、およびフェナントロリ
ル配位子である。ビスピリジルルテニウム(BPRu)が特に
好ましい。金属キレートで標識化されたペプチドを製造
する方法は、例えば、ドイツ特許出願DE 44 30 998 A1
に記載されている。
【0023】一般的には、これらの基は、ペプチドと結
合相手(例えば、担体分子)との化学的共有結合を可能
にする活性基として使用される。活性基としては、例え
ば、システイン残基を介してペプチド中に導入できるSH
基が挙げられる。これらのSH基は、担体上のSH反応性基
(例えば、マレイミド基)に結合できる。一方、マレイ
ミド基をペプチド中に導入して担体のSH基と反応させる
ことができる。更に、活性エステルをペプチド中に導入
することもできる。例えば、担体のNH2 基と結合できる
N-ヒジロキシスクシンイミドを導入できる。
【0024】固相と非共有結合的に相互作用することが
でき、固相との高い親和性を有する固相結合基として、
これらの基をペプチド中に導入することが好ましい。好
適な固相結合基としては、例えば、抗ハプテン抗体がコ
ーティングされた固相に結合できるハプテンが挙げられ
る。ビオチンまたはビオチン類似体(イミノビオチン、
アミノビオチン、デスチオビオチンなど)が固相結合基
として好ましく、これらはストレプトアビジンがコーテ
ィングされた固相に結合することができる。
【0025】本発明の更なる主題は、ペプチドが遊離型
として存在する、上記の方法により得られるペプチド混
合物である。このペプチド混合物は、好ましくは6個〜5
0個のアミノ酸の長さを有する数種のペプチドを含み、
しかも該ペプチドはそれぞれ、所定の部位に、標識基、
活性基、および固相結合基から選ばれる少なくとも1つ
の基を有する。
【0026】本発明のもう1つの主題は、好ましくは6
個〜50個のアミノ酸の長さを有する数種のペプチドを含
有するペプチド混合物であって、しかも該ペプチドは免
疫学的活性を有するエピトープ領域の変異体であり、か
つそれぞれが、選択された所定の部位に、標識基、活性
基、および固相結合基から選ばれる少なくとも1つの基
を有するペプチド混合物である。
【0027】これに関連して、選択された所定の部位に
標識基、活性基、および固相結合基が存在するとは、こ
れらの基が化学合成により選択的に導入されることを意
味する。混合物中の個々のペプチドはいずれの場合にお
いても、免疫学的活性を有する基本配列に対して(すな
わち、抗原の天然ペプチド配列または数種のサブタイプ
から決定される抗原共通配列に対して)少なくとも30%
の配列相同性を有することが好ましい。ペプチド混合物
は、好ましくは2個〜2000個の独立種から成り、特に好
ましくは少なくとも3個、4個、または10個、多くとも10
00個の独立種から成る。しかしながら、ペプチド混合物
はまた、1010個までの独立種を含有することも可能であ
る。
【0028】本発明のペプチド混合物は、好ましくは、
抗体(例えば、ヒト血清由来の抗体)と反応できる免疫
学的反応性を有するエピトープ領域またはその変異体
と、好ましくは、少なくとも1つの標識基、活性基、ま
たは固相結合基を有する非反応性スペーサー領域と、を
含有する。スペーサー領域は、好ましくはペプチドのア
ミノ末端に配置する。またスペーサー領域は、1個〜20
個のアミノ酸、特に好ましくは1個〜10個のアミノ酸の
長さを有する。エピトープ領域は、好ましくは、ウイル
ス型エピトープ領域、特に、HIV-I、HIVサブタイプ0、
またはHIV-II由来のウイルス型エピトープ領域(これら
の変異体を含む)から選択されるが、アミノ酸配列(I)
〜(XI)のうちの1つ、またはこれらの部分配列が特に好
ましい。エピトープ領域は、最も好ましくは、HIV-Iお
よび/またはHIVサブタイプ0のgp41またはgp120から誘
導される。
【0029】更に、少なくとも1つの標識基、少なくと
も1つの活性基、または少なくとも1つの固相結合基は、
好ましくは、ペプチド混合物中のペプチドに結合させ
る。例えば、少なくとも1つのハプテンを、アミノ末端
および/またはアミノ側基に結合させることができる。
更に、ペプチド混合物中のペプチドを、上述の金属キレ
ートに結合させるかまたはビオチンもしくはビオチン類
似体に結合させることができる。
【0030】本発明の更なる主題は、本発明に係るペプ
チド混合物を、例えば、活性基を介して担体に結合する
ことを特徴とするポリハプテン組成物の製造方法であ
る。担体1つあたりのペプチド配列の数は、1より大きく
100以下であり、好ましくは、1より大きく40以下であ
る。この場合、様々なエピトープ領域を有するポリハプ
テンが形成される。好適な担体としては、エピトープ領
域が共有結合される特異的巨大分子中において測定対象
となる抗体との反応を起こさない物質が挙げられる。好
適な担体は、例えば、ペプチド、ポリペプチド、または
合成担体(例えば、デキストラン)である。好適なポリ
ペプチドは、例えば、アルブミン(例えば、ウシ血清ア
ルブミン)、非特異的免疫グロブリン、免疫グロブリン
断片、β-ガラクトシダーゼ、およびポリリシンであ
る。不活性担体を使用する場合、サンプル液中で抗体と
の交差反応を起こさないように注意を払う必要がある。
【0031】エピトープ領域は、好ましくは、二官能リ
ンカーを介して担体の反応性基(例えば、NH2基またはS
H基)と結合される。カップリングは、好ましくは、担
体のNH2 基を介して行われる。ポリハプテンの好適な製
造方法については、例えば、ドイツ特許出願DE 44 30 9
72 A1に記載されている。ポリハプテン中の標識基また
は固相結合基の数は、変化させることができる。すなわ
ち、1個または数個の基が存在してもよい。本発明の方
法のいくつかの実施態様において、少なくとも3個、特
に好ましくは3個〜20個の標識基または固相結合基を存
在させることが好ましい。この場合、固相結合基または
標識基は、ペプチドに結合させてもよいし、直接に担体
に結合させてもよい。
【0032】本発明に従って製造されるポリハプテン組
成物により、サンプル容器壁に対するローディング限界
に達することなしに、セロコンバージョン・サンプルに
おいて様々なサブタイプの抗体を認識することが可能と
なる。従って、本発明の更なる主題は、先に記載した方
法によって得られるポリハプテン組成物である。
【0033】本発明のさらにもう1つの主題は、担体と
該担体に共有結合されたペプチド混合物とを含むポリハ
プテン組成物であり、この場合、ペプチドは免疫学的活
性を有するエピトープ領域の変異体であり、選択された
所定の部位を介して担体に結合される。ポリハプテン組
成物は、好ましくは、担体分子に結合された2個〜2,000
個の独立ペプチド種、特に好ましくは3個〜1,000個の独
立ペプチド種を含む。ペプチド配列の長さは、好ましく
は、6個〜50個のアミノ酸である。
【0034】ペプチドは、N-末端もしくはC-末端を介し
て、または側鎖の反応性基を介して担体に結合させるこ
とができる。こうした結合を行うと、NH2基における既
知のリンカー物質(例えば、マレインイミドヘキサン
酸、マレインイミドプロピオン酸、マレインイミド安息
香酸)との反応により担体分子を活性化させることが可
能になるとともに、SH活性化ペプチド混合物を担体に共
有結合させることも可能になる。標識基または固相結合
基は、通常、担体分子および/または活性エステルの形
態でのエピトープ領域に結合させる。しかしながら、他
のカップリング方法を利用することも考えられる。例え
ば、二官能ホトリンカーの利用が考えられる(例えば、
ドイツ特許出願DE 44 30 972を参照されたい)。
【0035】ポリハプテンは、好ましくは、一般式(P-)
n T(-L)mまたはT(-P-Lm)nで表され、式中、Tは担体を表
し、Pは、担体に共有結合された本発明のペプチド混合
物のペプチド配列を表し、Lは、担体またはペプチド配
列に共有結合された標識基または固相結合基を表し、n
は1より大きく100以下の数、好ましくは1より大きく40
以下の数であり、mは1〜10、好ましくは≧2の数であ
る。
【0036】本発明のポリハプテン組成物は、好ましく
は、ペプチド混合物中に統計的に分布した配列のエピト
ープ領域含む複数の異なるポリハプテンを含有する。上
述のペプチド混合物、ポリハプテン組成物、および多量
体抗原組成物は、本発明に従って、特にサンプル液中の
抗体を測定用するための検出試薬として使用できる。免
疫学的方法の場合、好ましくは、こうした物質はブリッ
ジ試験で使用され、特に好ましくは、サブタイプ認識を
向上させるための多重抗原として使用される。
【0037】更に、本発明は、サンプル液中の分析対象
物質(特に抗体)の免疫学的測定方法に関する。該方法
は、サンプル液をペプチド混合物および/またはポリハ
プテン組成物と接触させることを特徴とするが、該ペプ
チド混合物および/またはポリハプテン組成物には、測
定される分析対象物質に特異的に結合するペプチドが含
まれており、免疫複合体の形成により、分析対象物質が
定性的および/または定量的に検出される。
【0038】分析対象物質を測定する場合、ペプチド混
合物またはポリハプテン組成物の量は、試験方式に合わ
せて変えることができる。各試験方式に対する最適量
は、血清の代表群を用いて容易に決定することができ
る。この場合に使用される量は、個々の抗原に対して使
用される量に対応させることができる。しかしながら、
多くの試験方式において、それよりも多くの量を使用す
ることが好ましい。例えば、個々の抗原に対して使用さ
れる最適量の少なくとも5倍の量(例えば、10倍の量)
を使用する。抗原の絶対量は、試験方式によって変わ
る。
【0039】本発明のさらにもう1つの主題は、分析対
象物質(特に抗体)の免疫学的測定用の試薬である。該
試薬は、該分析対象物質用に誘導された少なくとも1つ
のペプチド混合物および/またはポリハプテン組成物を
含有することを特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】以下の実施例により本発明を更に
詳細に説明する。
【0041】
【実施例】
(実施例1)ビオチニル化ペプチド、ビピリジル-ルテ
ニウム標識化ペプチド、またはチオール活性化ペプチド 以下の実施例において、「標識」という用語には、ビピ
リジルルテニウム錯体ならびにビオチンが含まれる。更
に、この用語には、一般に、蛍光体、化学発光体、発色
団、酵素、放射性ヌクレオチド、および粒子(例えば、
磁性粒子、金など)が含まれる。ペプチド中で使用され
るスペーサーは、安定化スペーサーおよび可溶化スペー
サーであり、そのいずれかは電荷を有するかおよび/ま
たは水素架橋を形成することができる。これらは、通
常、天然および/または人工アミノ酸誘導体の組合せ
(例えば、ε-アミノカプロン酸、β-アラニン、γ-ア
ミノ酪酸、および/またはリシンの組合せ)である。エ
ピトープには、反応性ペプチド配列またはヒト血清抗体
と反応するタンパク質が含まれる。タンパク質(例え
ば、BSA、β-Gal、div. IgGなど)または合成担体(例
えば、アミノデキストランなど)が担体として使用され
る。
【0042】バッチ式ペプチド合成機(例えば、Applie
d Biosystems製A431およびA433など)を用いてフルオレ
ニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)固相ペプチド合成を
行うことにより、HIVウイルスタンパク質のアミノ酸配
列の適切な部分配列を調製した。このために以下のFmoc
アミノ酸誘導体を使用した。 各合成サイクルにおいて、アミノ酸の異なる混合物を使
用した。規定のアミノ酸を結合する場合は、Fmocで保護
されたアミノ酸誘導体4当量を使用し、アミノ酸の混合
物を使用する場合は、等モル量のアミノカルボン酸を使
用した。こうすることの利点は、すべてのアミノ酸が同
じ確率で結合するために代表混合物が得れることであ
る。
【0043】環状ペプチドの場合、アミノ酸のメチオニ
ンをノルロイシンで置換し、環化によるループ形成の際
に酸化生成物を生じないようにした。アミノ酸またはア
ミノ酸誘導体は、N-メチルピロリドンに溶解した。400m
g〜500mgの4-(2',4'-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノ
メチル)-フェノキシ樹脂(Tetrahedron Letters 28 (19
87), 2107)を用いて、0.4mmol/g〜0.7mmol/gの仕込量
で、ペプチドを合成した(JACS 95 (1973), 1328)。Fm
ocアミノ酸誘導体に対して1当量〜4当量のジシクロヘキ
シルカルボジイミドおよびFmocアミノ酸誘導体に対して
1当量〜4当量のN-ヒドロキシベンゾトリアゾールを反応
媒質のジメチルホルムアミド中に溶解してカップリング
反応を20分間行った。各カップリング工程を行った後、
未反応のアミノ基を無水酢酸でキャップした。続いて、
20%のピペリジンを含有するジメチルホルムアミドを用
いて、20分間でFmoc基を切断した。ペプチドが分子内ジ
スルフィド架橋を含む場合は、スペーサーを合成を行う
前に、ヨウ素を含有するヘキサフルオロイソプロパノー
ルを用いて固相上で、Fmocで保護されたペプチド配列を
酸化した(Kober et al., "The Peptide", AcademicPre
ss, New York, 1981, p.145-147を参照されたい)。次
に、再び、N-末端Fmoc保護基を再度切断し、スペーサー
用アミノ酸および必要に応じて標識を標準的な方法で結
合させた。
【0044】ペプチドを合成用樹脂から遊離させ、トリ
フルオロ酢酸20ml、エタンジチオール0.5ml、チオアニ
ソール1ml、フェノール1.5g、および水1mlを用いて、室
温で40分間かけて酸活性保護基を切断した。続いて、反
応溶液を、冷却されたジイソプロピルエーテル300mlと
混合し、0℃で40分間保存し、ペプチドを完全に沈殿さ
せた。濃い黄色または橙色の沈殿を濾過し、ジイソプロ
ピルエーテルで洗浄し、少量の50%酢酸に溶解し、凍結
乾燥した。この粗製物質からアセチル化停止配列を分離
した。この際、適切な勾配(溶離剤A:水、0.1%トリフ
ルオロ酢酸、溶離剤B:アセトニトリル、0.1%トリフル
オロ酢酸)でDelta-PAK RP C18(50mm×300mmカラム、1
00Å、15μl)を用いて約120分以内に分取HPLC処理する
ことによって、該配列を得た。HPLC質量分析法により、
溶離物質の同定を行った。
【0045】多量体抗原もまた、同様な方法で合成する
ことができる。 (実施例2)実施例1に記載のアミノ酸誘導体を使用し
て以下のペプチド混合物を調製し、免疫学的評価を行っ
た。ペプチド混合物の免疫学的評価は、Boehringer Man
nheim Enzymun-Test Anti-HIV1+2(Boehringer Mannhei
m GmgH, Cat. No. 1 165062)と同様に行った。この試
験は、ストレプトアビジン固相を用いた2段階ELISAの原
理に従ったものである。しかしながら、本発明のペプチ
ド混合物を、ビオチニル化抗原の代わりに記載の濃度で
使用した。Boehringer Mannheim製の自動酵素分析機ES2
2またはES600を用いて、測定を行った。 a)混合物1:ランダムペプチドHIV gp120 V3
【0046】
【0047】
【0048】HIV gp120 V3から得られた標準抗原1のア
ミノ酸配列は、第1行に示されている。スペーサー配列
はXUZUである。得られたペプチド混合物は、24個の異な
るペプチド配列を含有する。 b)混合物2:ランダムペプチドHIV gp120 V3
【0049】
【0050】
【0051】HIV gp120 V3から得られた標準抗原1のア
ミノ酸配列は、第1行に示されている。スペーサー配列
はXUZUである。得られたペプチド混合物は、648個の異
なるペプチド配列を含有する。 c)混合物3:ランダムペプチドHIV gp41
【0052】
【0053】
【0054】HIV gp41から得られた標準抗原2のアミノ
酸配列は、第1行に示されている。スペーサー配列はXUZ
Uである。得られたペプチド混合物は、384個の異なるペ
プチド配列を含有する。本発明のペプチド混合物に関す
る結果は、以下の通りであった。異なるサブタイプのい
くつかの血清において、ペプチド混合物による認識は、
既に、同量の標準抗原1の配列B(サブタイプBに対する
共通配列)を用いた場合よりも改良されていた。 他の血清において、混合物の使用量を増加させることに
より試験結果が改良されることを見出した。 また、標準抗原2(サブタイプBに対する共通配列)の場
合についても、ペプチド混合物による認識は、同じ使用
量で既に改良されていた。
【0055】 他の血清において、改良を達成するためにはペプチド混
合物の使用量を増加させなければならない。
【0056】 (実施例3)ポリハプテン ポリハプテン(PH)を合成するために、例えば更にシステ
インを導入することによって、反応性メルカプト基を有
する適切なペプチドを調製した。この処理により、いわ
ゆるリンカーを用いて、ペプチドのN-末端もしくはC-末
端、または配列内の任意の部位を改質することができ
る。対応するペプチドの合成は、実施例1に記載したよ
うに行った。
【0057】ポリハプテンへの転化を行うために、最初
に、NH2基を含有する担体を、標識中の適切な活性エス
テルと反応させ、続いて、マレインイミドアルキル基
(好ましくは、マレインイミドヘキシル-N-ヒドロキシ
スクシンイミドエステル(MHS)またはマレインイミドプ
ロピル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MPS))で
処理した。この結果、タンパク質中のリシン残基のεア
ミノ側鎖のアミノ基が部分的にビオチン、ジゴキシゲニ
ン、またはビピリジルルテニウムで標識化され、残りの
部分がマレイミド基に転化された。
【0058】担体は、0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.0
〜8.5)中で、濃度5mg/ml〜20mg/mlの活性エステルと室
温で2時間〜4時間以内に反応させた。低分子量成分は、
透析またはゲルクロマトグラフィー(Aca202ゲル、溶離
剤0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH7〜8.5))により除去し
た。続く工程で、ペプチドまたはペプチド混合物中の反
応性メルカプト官能基と、MHS改質された標識化担体タ
ンパク質とを、0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH8.5)中
で室温にて6時間以内で結合させた。次に、未反応ペプ
チドを、透析またはゲルクロマトグラフィーにより分離
した。
【0059】ポリハプテンは、実施例2に記載の試験に
利用することができる。標識がペプチドに直接結合され
る場合も、同じようにポリハプテンが合成できるが、こ
の場合には、適切な標識化が行われたSH活性化ペプチド
を使用する。
【0060】
【発明の効果】本発明のペプチド混合物またはポリハプ
テン組成物を使用することによって、特に、セロコンバ
ージョンおよび新しい微生物サブタイプが関与する場
合、免疫学的検出方法の感度を高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エルカ ファーツ ドイツ連邦共和国 ディー−82386 ハー グルフィング ステインクレウツ 1 (72)発明者 ビータス オフェンロック−ハーンレ ドイツ連邦共和国 ディー−82398 ポー リング ゲオルグ−ルッカート−シュトラ ーセ 17

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペプチド混合物および/またはポリハプ
    テン組成物を使用することにより免疫学的検出感度を増
    大させる。該ペプチドは、アミノ酸誘導体を含む固相上
    で合成され;異なるアミノ酸の誘導体の混合物を使用し
    て、少なくとも1つのアミノ酸部位でカップリング反応
    を行い;該異なるアミノ酸の誘導体の混合物が使用され
    た各カップリング反応工程の後で、前のカップリング反
    応工程でアミノ酸が結合されなかったペプチド配列の選
    択的鎖終結を行うための反応工程を実施し;更に、合成
    後、該ペプチド混合物を該固相から切り離す;ことによ
    り調製される。
  2. 【請求項2】 反応性エピトープ領域およびスペーサー
    領域を含むペプチド配列を合成することを特徴とする請
    求項1記載のペプチド混合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 HIV-I、HIVサブタイプ0、またはHIV-II
    の次のアミノ酸配列: NNTRKSISIG PGRAFYT (I) NTTRSISIGP GRAFYT (II) QIDIQEMRIG PMAWYS (III) QARILAVERY LKDQQLLGIW GASG (IV) LGIWGCSGKL ICTTAVPWNA SWS (V) KDQQLLGIWG SSGKL (VI) ALETLLQNQQ LLSLW (VII) LSLWGCKGKL VCYTS (VIII) WGIRQLRARL LALETLLQN (IX) QAQLNSWGCA FRQVCHTTVP WPNDSLT (X) からなる群から迸ばれる1つまたは少なくとも6のアミノ
    酸長を有するこれらの部分配列に基づくペプチド混合物
    を合成することを特徴とする請求項1または2に記載の
    ペプチド混合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 数種のペプチド(ただし、該ペプチド
    は、それぞれ、選択された所定の部位に、標識基、活性
    基、および固相結合基から選ばれる少なくとも1つの基
    を有する)を含有することを特徴とする、請求項1〜3
    のいずれか1つに記載の方法により得られるペプチド混
    合物。
  5. 【請求項5】 数種のペプチドを含有するペプチド混合
    物であって、しかも該ペプチドは、免疫学的反応性を有
    するエピトープ領域の変種であり;更に、該ペプチド
    は、それぞれ、選択された所定の部位に、標識基、活性
    基、および固相結合基から選ばれる少なくとも1つの基
    を有する;ことを特徴とする前記ペプチド混合物。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載のペプチド混合
    物が担体に結合されることを特徴とするポリハプテン組
    成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の方法により得られるポリ
    ハプテン組成物。
  8. 【請求項8】 担体と、該担体に共有結合されたペプチ
    ド混合物とを含み、 該ペプチドは、免疫学的反応性を有するエピトープ領域
    の変種であり;更に、該ペプチドは、選択された所定の
    部位で該担体に結合される;ことを特徴とするポリハプ
    テン組成物。
  9. 【請求項9】 請求項4もしくは5記載のペプチド混合
    物または請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の方
    法により製造されたペプチド混合物および/または請求
    項7もしくは8記載のポリハプテン組成物または請求項
    6記載の方法により製造されたポリハプテン組成物の免
    疫学的検出用試薬としての使用。
  10. 【請求項10】 サンプル液中の分析対象物質の免疫学
    的測定方法であって、しかも該サンプル液と、請求項4
    もしくは5記載のペプチド混合物または請求項1〜3の
    うちのいずれか1つに記載の方法により製造されたペプ
    チド混合物および/または請求項7もしくは8記載のポ
    リハプテン組成物または請求項6記載の方法により製造
    されたポリハプテン組成物と、を接触させる工程を含
    み;該ペプチド混合物および/または該ポリハプテン組
    成物は、測定される該分析対象物質と特異的に結合し;
    更に、該分析対象物質は、免疫複合体を形成することに
    よって、定性的および/または定量的に検出される;こ
    とを特徴とする前記免疫学的測定方法。
  11. 【請求項11】 分析対象物質の免疫学的測定用試薬で
    あって、しかも該試薬は、測定される該分析対象物質に
    対するものである請求項4もしくは5記載のペプチド混
    合物または請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の
    方法により製造されたペプチド混合物および/または請
    求項7もしくは8記載のポリハプテン組成物または請求
    項6記載の方法により製造されたポリハプテン組成物、
    のうちの少なくとも1つを含む;ことを特徴とする前記
    免疫学的測定用試薬。
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