JPH09508142A - 抗腫瘍効果を有する新しいGnRH同族体およびその医薬品組成物 - Google Patents

抗腫瘍効果を有する新しいGnRH同族体およびその医薬品組成物

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JPH09508142A JP8507451A JP50745196A JPH09508142A JP H09508142 A JPH09508142 A JP H09508142A JP 8507451 A JP8507451 A JP 8507451A JP 50745196 A JP50745196 A JP 50745196A JP H09508142 A JPH09508142 A JP H09508142A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は式(I)で示される薬学的に活性のある化合物を提供する。この化合物は本発明によるGnRH同族体である。さらに、本発明は、活性成分として本発明による抗腫瘍効果を有する化合物を含んだ薬学的組成物を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 抗腫瘍効果を有する新しいGnRH同族体およ びその医薬品組成物 発明の背景発明の分野 本発明は一般的には生化学的内分泌学および抗新腫瘍薬理学の分野に関するも のである。より具体的には、本発明は抗腫瘍効果を有する新しいGnRH同族体 およびその医薬品組成物に関するものである。関連技術の説明 視床下部由来のこのファクター(10個のアミノ酸で形成されたペプチドホルモ ン)が黄体形成ホルモン(LH)および卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌に関 与していることは知られている。GnRHの多数のアゴニスティック(agonistic )およびアンタゴニスティック(antagonistic)同族体は生殖生理(reproducti on biology)に有益な影響を及ぼすだけでなく、抗腫瘍剤にも適していることが 分かっている。 GnRH同族体は、化学的な去勢効果(Chemical castration:)ばかりでなく 、腫瘍細胞に対して直接作用することによって選択的な方法でも抗腫瘍効果を発 揮することができる。ヒト乳腺、前立腺、卵巣、および膵臓の癌の細胞培養で、 GnRHあるいはGnRH同族体とそれぞれ特種的に結合する受容体の存在、およ びGnRH−mRNAの存在が示された。さらに、同じ細胞系でGnRH同族体の 試験管内での増殖抑制作用が証明された。我々の実験で、ヒトGnRHスーパー ア ゴニスト(super agonist)であるトリチウムでラベルしたD−phe6−GnRH (1−9)−エチルアミド(OVURELIN)のMCF−7およびMDA−M B−231ヒト乳腺悪性腫瘍細胞株の細胞に対する特異的な結合性が実証された。 これらの結果は直接的な影響の基礎的な条件であるGnRH同族体に特異的に結 合する受容体が確実に存在していることを示している。同様に、治療的な実践で 用いられたアゴニステイックな同族体であるD−Trp6−hGnRH(DECAP EPTYL)はMDA−MB−231腫瘍細胞株に関する受容体と、上に述べたヒ ト乳腺腫瘍細胞に対する直接的な成長抑制効果を有していることが示されている 。 有効な濃度を前提として、ひとつあるいは複数の低親和性結合部位が直接的な 抗腫瘍効果を形成する上で重要な役割を果していることが考えられる。文献によ れば、GnRH同族体の直接的な抗腫瘍作用は、ペプチド濃度が比較的高い場合 だけ(10-6−10-5M)に起きる。この医薬的な効果は、体内で、活性的な分子が 高濃度であるだけでなく、長期に存在している場合だけ、達成することができる 。GnRHは、長い間、種に特異的なホルモンであると考えられていなかったが 、1980年代の初めにある種の魚類や鳥のゴナドリベリンの構造が、それぞれ、ほ 乳類のそれとは違っていることが知られるようになった。ほ乳類のGnRHと比 較して、魚類および鳥類に特有のGnRHは、それぞれ、アミノ酸位置7および /または8において相違している。ほ乳類のLHおよびFSH のそれぞれの放出に関連して、ヒヨコのGnRHあるいはサケのGnRHの同族体 は極度に活性を示すものではなく、したがって、それらは対応する用量範囲で脳 下垂体の性腺刺激ホルモン細胞の感作性を失わせるものではない。ほ乳類、例え ばヒトのGnRHの組成は以下のとおりである。 pGlu−His−Trp−Ser−Tyr−Gly−Leu−Arg−Pro-Gly−NH2 1993年に、研究者たちはヤツメウナギからランプリー−III−GnRHデカペプ チド(pGly−His−Trp−Ser−His−Asp−Trp−Lys−Pro−Gly−NH2 )を分離、合成した。このランプリー−III−GnRH(以下、GnRH−III)は 、ヒト乳腺腫瘍細胞株に対するかなりの腫瘍成長抑制効果を発揮する。同時に超 溶融法を用いてネズミの脳下垂体に対するGnRH−IIIの内分泌効果に関する研 究で、このホルモンのLH−放出効果がヒトGnRHのそれと比較して数千倍弱 いことが見い出されている。生体内での研究の過程で、3つのサイクルに関する 長期間の措置の間に、高い用量の場合でも、雌のネズミの排卵を抑制しないこと 、したがって、感作性の喪失や化学的な去勢効果をもたらさないことが分かって いる。それと関連して、措置の最初に発生する“フレアアップ(flair up)”腫 瘍成長は、同じ作用メカニズムを通じて作用する他の知られているヒトホルモン 同族体とは対照的に、腫瘍を持った動物においては現れなかった。したがって、 GnRH−IIIは選択的な、非常に活性の高い抗腫瘍化合物である。 ペプチドホルモンおよびその合成同族体を治療目的で用いる際、しばしば出さ れる要求は、薬学的に活性のある分子の量を高いレベルで、そして安定した状態 で保持するということである。したがって、例えば、10個のアミノ酸から構成さ れ、黄体形成ホルモン(LH)および卵胞刺激ホルモン(FSH)の脳下垂体か らの放出を刺激するペプチドホルモンであるゴナドリベリン(GnRH)のいく つかの対抗する、および相反する合成同族体は、生殖生理に好影響を及ぼすプロ セスに対してだけでなく、抗腫瘍剤としての利用の可能性も持っている。使用法 に応じて、GnRHおよびその同族体は、ゴナドトロピンの分泌を促進したり、 抑制したりすることができる。GnRH同族体を用いて治療を繰り返し、または 長期間実行する場合、ゴナドトロピンおよびステロイド類の放出の著しい低下か ら、脳下垂体に対して示される非感作化効果の結果として、いわゆる薬学的生殖 腺除去が誘発される。ステロイドに依存した生殖腺疾病の措置においては、生殖 腺除去は必要な治療的措置である。同時に、生殖腺除去は可逆的な措置で、患者 を精神的に阻害するものではない。これらの同族体は、最も新しいデータによれ ば、前立腺、乳房、並びに子宮内腺の悪性腫瘍および膵臓と脳下垂体の癌に対し てさえも有効であることが分かっている。合成GnRHは、天然ホルモンを競合 的に抑制する誘導体である。強力な拮抗因子(antagonist)の場合、位置1−3 ,6および10のアミノ酸は通常、例えばD−構造など、コード表現されないアミ ノ 酸に変換される。GnRH拮抗因子の抗排卵効果は良く知られている。GnRH同 族体は、その抗腫瘍作用を化学的去勢効果を通じてのみではなく、腫瘍細胞に対 する直接的な効果をを通じて発揮しているのかもしれない。Eideneら[J.Clin .Endocrinol.Metab.64,423−432(1987)]は、MCF−7およびMDA− MB−231ヒト乳腺腫瘍の細胞培養物内に低親和性結合部位が存在していること を示し、アンタゴニスティック同族体の直接的な抑制効果に基づいて、彼らはG nRHが乳腺悪性腫瘍細胞においてオートクリン(autocrine)調整因子として振 る舞うという結論を導き出した。最も最近の文献で発表された結果は、授乳およ び悪性転換中に同様に起きる、乳房悪性腫瘍細胞中でのGnRH遺伝子の表現を 確認している[Harrisら;Cancer Res.51,2577−2581(1991)]。新腫瘍組織 内におけるGnRH結合部位の存在は、GnRHが乳房悪性腫瘍を患っている患者 の治療において、一時的に症状を緩和させる効果を持っている可能性が非常に高 いことを裏づけている。ヒト乳腺悪性腫瘍細胞株、あるいはそこから開発された 異種移植が、GnRHの直接的な作用を実証する上で、試験管内および生体内モ デルシステムにおいて有益である。GnRHアゴニストは、物質形態で単独で投 与された場合、蛋白質分解により崩壊され、急速に消失してしまい、したがって 、直接的、または間接的な抗腫瘍効果の形成に必要な安定した、そして高いGn RH同族体レベルは達成することができない。腫瘍を抑制するた めに必要な高い、そして安定したレベルの保持は、非常に高い頻度での投与の繰 り返し(1日数回程度)、あるいは長期間効果を示す薬学的組成物を用いること によって達成される。現在までのところ、臨床的な実践においては、マイクロカ プセルまたは微粒状のGnRH同族体が腫瘍抑制のために用い 効果を長期間にわたって保持するためにもうひとつの方法においては、薬学的 に活性を有する分子が体内からゆっくりと排出される分子(例えば、ポリマー) と化学的に結合される。このようにして得られる共役物は生物学的システムにお いてゆっくり拡散し、体内で分布と、その活性試薬の吸収特性を変えてしまう。 したがって、その薬学的に活性を有する分子の目標とする輸送と、望ましくない 副作用の抑制が達成される。 好ましい担体は水溶性の天然、または合成ポリマーであり、その例としては、 それぞれ合成ポリマーとしてのカルボン酸のホモポリマー、またはコポリマーで ある。スチレン/マレイン酸無水物コポリマーの分子量は約1600〜2000Dの範囲 で、7〜8のスチレン/および部分的に加水分解またはエステル化されたマレイ ン酸無水物単位で構成されており、新しい制癌剤の薬学的特性を改善するために 用いられて有効性を示した。このように、その活性剤の、体内におけるより好ま しい分布およびその毒性の低下の両方が達成された[H.Maedaら: J.Med.Chem.28,455−461(1985)]。 分子量が大きな多価陰イオン性巨大分子も、それ自体生物学的な活性(例えば 、抗腫瘍、免疫アジュバンド、およびインターフェロン誘発効果)を有している かもしれない。しかしながら、その分子量、および分子量分布が重要な意味を持 つこと、つまり、分子量が増大するとその毒性も増大することが示された[L.G ros:Encyclopedia ofPolymer Science and Technology,Vol.2,pp.243−26 7;およびG.Butler;J.Macromol.Sci.Chem.A 13,351−368(1979);お よびR.Ottenbrite;ibid.A 22.819−832(1985)]。 したがって、こうしたポリマーは良好な再現性、小さな多分散性(polydisper sity)で調製でき、毒性がなく、体内から最善の速度で消失する担体分子と考え ることができる。また、薬学的に活性のある分子が良好な再現性をもってこれら のポリマーを結合して、水に対する適切な溶解性と望ましい薬学的活性を有する 生成物を得られることが重要である。 現在までのところ、ペプチドホルモンおよびこれらの内部でのGnRHあるい はGnRH同族体は、担体としての公知のポリカルボン酸と結合された事例は報 告されていない。ビニルピロリドンおよびマレイン無水物からつくられたコポリ マーはハンガリア特許No.194,286に述べられている。これらのコポリマーは化粧 品としての利用を目的としてつくられたもので、それらは非常に有益な皮膚化粧 剤であり、親水性乳剤と疎水性乳剤の両方で用いることができる。添加される塩 基 の量にしたがって、それらの水溶液のpH値は広い範囲で変えることができ、高い 緩衝容量を有しており、狭い範囲の多分散性と良好な再現性で調製できる。ビニ ルピロリドンとマレイン酸無水物単位は1:1のモル比で、交互に分子内に組み 入れられる。 以前、N−ビニル−ポリピロリドン/マレイン酸コポリマー(NVP−MA) の毒性、除去および体内分布については詳しく調べられて、以下のような発表が 行われた[M.Azoriら:Marcomol.Chem.187,287−302(1986)]。pH7.2のナ トリウム塩の形態で(平均分子量が20,000の)ポリマーの腹膜内、および静脈内 投与によっては、最初の事例(i.p.)では体重1kgあたり900mg、そして第2 の事例(i.v.)では体重1kgあたり200mgの範囲まで、死亡は起こらなかった 。このことは、NVP−MAが同様の構造を有する他の多くの多価陰イオンより 毒性が低いことを示している。[同様の分子量を有するLD50価のジビニルエー テル/マレイン酸コポリマーを静脈注射する場合は74mg、ポリマレイン酸を静脈 注射する場合は110mg、そして、フラン/マレイン酸コポリマーを静脈注射する 場合は130mg]。14Cでラベルしたポリマー(平均分子量は8000)を用いて行っ た体内分布では、このポリマーは脳および脊髄には入り込むことができないこと が示された。このポリマーは主に尿内に排出され、導入された放射活性の84%が 24時間以内に除去されたのに対して、56時間後に導入された放射活性の合計95% が尿と大便内で検出す ることができた。NVP−MAおよびその公知の誘導体は現在までのところでは 治療に用いられていないが、その好ましい属性から考えれば、それらを毒性効果 なく体内に導入することは可能なようである。 先行技術は非常に多様な新腫瘍形成状態を抑制する有効な手段を欠いている点 で、不十分である。本発明はこの技術分野において長期にわたって続いているニ ーズおよび願望に応えるものである。 発明の要約 本発明は一般式(I)で示される新しい、薬学的に活性を有する化合物、その 塩、および錯体と、それらを調製するためのプロセスに関するものである。一般 式(I) Y(Wu,Vz,Xr,Ak) (I) において、Yは一般式(Ia)で示される分子部分を意味しており: ここで、nは10〜400の範囲、好ましくは20〜200の範囲の整数であり、R1とR2 のうちの一方は水素、そして他方は式(B)で示される基を示しており 3は、重合開始基、好ましくは(CH32CCN基を示しており; Wは、オプションとしてアルカリ金属イオン、好ましくはナトリウムイオンで形 成された塩としての水酸基を示しており、 VはC1-8、好ましくはC4-6のアミノ基または原子価結合で結合されたアルキル アミノ基であり; XはY基のN−末端を通じて結合され、また、オプションとしてそのC−末端上 に水酸基あるいは原子価結合を有している最大6つの構成要素のアミノ酸基また はオリゴペプチド基を示しており、上記アミノ酸はGly,Ala,Leu,Ile,V al,Phe,Tyr,Ahx,Pro,ArgまたはHisであり、 Aは、アミノ基を含んでおり、rがゼロの場合はそれを通じて上記Y基に結合さ れており、rが1以上の場合は、上記X基のC−末端に結合されている薬学的に 活性のあるポリペプチド基を示しており; rは、0から0.2nの範囲の整数であり、 kは、最大の場合rと等しい整数であり、 zは、0から(n−r)の範囲の整数であり、そして uは、nから2n−r−の範囲の整数で、これら化合物の塩および錯体である。 本発明は、さらに一般式(Ic)で示される新しい中間物に関するものであり 、 Y[Wu,V′z,(XOQ)r] (Ic) ここで、Yは一般式(Ia)で示される分子部分を意味しており、ここでnは10 〜400、好ましくは20〜200の範囲の整数であり、R1およびR2のいずれか一方は 水素原子を意味しており、他方は式(B)で示される基を意味しており; 3は、重合開始基、好ましくは(CH32CCN基を示しており; Wは、オプションとしてアルカリ金属イオン、好ましくはナトリウムイオンで形 成された塩としての水酸基を示しており; VはC1-8、好ましくはC4-6のアミノ基または原子価結合で結合されたアルキル アミノ基であり; Xは最大6つの構成要素を含む、そのN−末端を通じてY基に結合されているア ミノ酸基またはオリゴペプチド基であり; OQは、上記X基のC−末端上の活性化されたエステル基、好ましくはONp, OPcp,OPfpあるいはONSu基を意味しており; rは、0から0.2nの範囲の整数であり; zは、0から(n−r)の範囲の整数であり;、そして uは、nから(2n−r−z)の範囲の整数で、これら化合物の塩である。 さらに、本発明は活性成分として一般式(I)で示される化合物を含んだ腫瘍 抑制および免疫刺激性医薬品組成物に関連している。一般式(I)で示されるバ イオ接合体(bioconjugate)は選択的な腫瘍抑制効果を有しており、一般式(I )で示される上記化合物の一部はステロイドに依存した腫瘍と、ステロイドとは 無関係な腫瘍、特に乳腺悪性腫瘍の成長を抑制する。一般式(I)で示される化 合物は薬学的に活性のある分子部分がより増強されたレベルで、そしてさらに長 い期間、その効果を示す。 本発明は抗腫瘍効果を有する新しいペプチド類、およびその塩およびエステル 類に関連している。抗エストロゲンに加えて、ゴナドトロピン放出ホルモン(G nRH)同族体はホルモンに依存した悪性腫瘍の措置において重要な役割を果す 。悪性腫瘍の内部で、その利用範囲は前立腺、乳房(乳腺)、子宮内膜、および その他のホルモンに依存した腫瘍に及んでいる。本発明によれば、ヒト腫瘍細胞 培養物において抗腫瘍効果を示すヒトGnRH(hGnRH)およびランプリーGn RH−IIIの同族体の調製が可能である。この目的は一般式(IV)で示されるペ プチド類、および薬学的に受け入れられる塩類およびエステル類の調製によって 解決された。 本発明は、これらの化合物がヒト腫瘍細胞に対して直接の抗腫瘍作用を示すと いう認識に基づいている。予想されなか ったことであるが、天然のLアミノ酸だけを含んだ化合物も直接の抗腫瘍効果を 示す。つまり、現在の段階で知られている抗腫瘍GnRH同族体は、アゴニスト (agonist)の場合は非天然Dアミノ酸の少なくともひとつ、そして、アンタゴ ニスト(antagonist)の場合は通常いくつかの非天然Dアミノ酸を含んでいる。 さらに、抗腫瘍GnRH同族体のより多くのアミノ酸基の場合、Lys基を置換 しても、その分子の好ましい抗腫瘍効果はまったく減少しないことが知られてい る。Lysのε−アミノ基を通じて、このペプチドが適切に選択された、アシル化 基を含んだより大型の分子と結合することができるので、このことは有利である 。この場合、この巨大分子はペプチドの担体分子である可能性があり、それによ って、安定した、そして高いレベルのGnRH同族体を体内で保持する可能性を 高めることができる。 本発明は一般式(IV)で示されるペプチド類に関するものであり、 X−R1−R2−R3−R4−R5−R6−R7−R8−Pro−R10−Y (IV) ここで、 Xは、R1がpGlyと異なる場合には水素、アセチル基、またはプロピオニル基 ;そしてR1がpGluと同じ場合は分子内酸アミド結合を示しており; R1は、pGlu,Glu,D−Trp,D−Cpa,D−Nalまた はD−Pheに相当し; R2は、His、D−PheまたはD−Cpaを意味し; R3はオプションとしてはインドリル分子部分上で保護されているD−Cpa, D−PalあるいはLまたはD−Trpを示し、 R4は、Ser;またはオプションとしてε−アミノ基上に保護されたLysに相 当し; R5は、Tyr;またはオプションとしてε−アミノ基上に保護されたLys;ま たはHisを意味しており; R6はAsp,Glu、D−Lysおよびオプションとしてそれらのε−アミノメチ ル化誘導体およびD−Trp,D−Phe,D−Leu,D−Ala,D−Cpaあるいは D−Argを示し; R7は、Phe,Leu、またはN−Me−Leu、またはオプションとしてインドリ ル分子部分上に保護されたL−Trpを示しており; R8は、オプションとしてε−アミノ基上に保護されたLys,Arg,Glnを示 しており;また、R6とR8は、R6がAspでR8がLysを示している場合、Lysの ε−アミノ基を通じて分子内環を形成することができ; R10はGly,D−Ala、または原子価結合を示しており、 そして Yは、R10がGlyまたはD−Alaを示す時はOHまたはNH2を示し;R10が 原子価結合を示す場合はエチルアミド基、およびそれらの化合物の薬学的に受け 入れられる塩類または エステル類を示している。本発明はさらに、一般式(IV)で示されるペプチドお よび/または薬学的に受け入れられるそれらの塩および/またはエステル類を含 んだ医薬品組成物に関するものである。 説明で用いられている略語はペプチド化学で用いられ、J.Biol.Chem.241, 527(1966);247,977(1972)に発表されているものと同じで、D−Nalはβ −(2−ナフチル)−D−アラニンに相当し、D−Cpaはp−クロロフェニル− D−アラニンを意味し、D−Palはβ−(3−ピリジル)−D−アラニンに相当 している。特に別の注記がない限り、説明で用いられているすべてのアミノ酸は L構造である。 本発明によるペプチドにおいては、Trpのインドリル分子部分の好ましい保護 基はForであり、Lysのε−アミノ基の好ましい保護基はFmocである。一般式 (IV)で示されるペプチド類の薬学的に受け入れられる塩類は薬学的に受け入れ 可能な有機酸または無機酸、例えばアセテートあるいは塩酸塩などで形成された 酸付加塩である。 一般式(IV)で示される化合物はペプチド化学で知られている方法(適切に保 護されたアミノ酸またはそれからつくられた断片の濃縮を決められた手順で行う による)を用いて、あるいは別の好ましい方法で−−固体相ペプチド合成を用い て−−液相内で調製することができる。その塩の形態で得られるペプチドは、公 知の方法で他の塩に転換することができる。望むなら、得られるエステル化合物 のエステル基を切断 切断することも可能である。 一般式(IV)で示されるペプチドは、主に、注射可能な溶液、静脈への注入、 あるいは鼻腔内用組成物の形態で投与することができる。消化系で分解されるの で、それ自体を経口で投与することはできないが、他のルートで投与することが できる。注射は筋肉、静脈、あるいは皮下のいずれの形態ででも行うことができ る。 一般式(IV)の活性剤は薬学技術で知られている方法を用いて医薬品組成物に 調製することが可能である。この活性剤は通常の方法で(例えば、マイクロカプ セルや微粒などの形態で)作用期間の長い組成物に変えることができる。この活 性剤に加えて、注射目的のために有益な媒体(等張食塩水やリン酸緩衝液など) など、医薬品業界で一般的に用いられている補助剤を用いることも可能である。 必要であれば、その組成物は安定剤(アスコービック酸など)を含んでいてもよ い。 本発明によるペプチド類の製剤は以下の例で示される。中間製品と最終製品の 両方の化学的な純度、および表示は薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いて コントロールし、最終的な製品におけるそれら指標はHPLCクロマトグラフィ ーを用いて調べられた。 薄層クロマトグラフィーの値は、下記の溶媒混合物を用いてキーセルゲル(Ki eselgel)シート(DC Alufolien,Merck)で測定した。 1. エチルアセテート/ピリジン/水/酢酸 15:20:6:11 2. エチルアセテート/ピリジン/水/酢酸 30:20:6:11 3. エチルアセテート/ピリジン/水/酢酸 60:20:6:11 4. エチルアセテート/ピリジン/水/酢酸 120:20:6:11 5. エチルアセテート/ピリジン/水/酢酸 240:20:6:11 6. n−ブタノール/酢酸/水 4:1:1 7. n−ブタノール/酢酸/水 4:1:2 保護されたアミノ酸の側鎖は、TyrおよびSerの場合はベンジル基によって、 Lysの場合は中間的ペプチド同族体をつくる目的で(ベンジロキシ)カルボニル (Z)基、あるいは9−フルオレニル(メトキシカルボニル)(Fmoc)基で、 Argの場合はトシル(Tos)基で、そしてAspおよびGlueのカルボキシ基の場 合はシクロヘキシル(Chx)基でそれぞれ保護されている。 本発明を、以下に示す好ましい同族体の調製プロセスを説明することでより詳 細に示す。 1. [Lys(ε−Fmoc)]5−GnRH−III, 2. Lys5−GnRH−III, 3. Lys5,cyclo[Asp6−Lys8]−GnRH−III, 4. Lys5,[Lys(ε−Fmoc)]8−GnRH−III, 5. Lys4,[Lys(ε−Fmoc)]8−GnRH−III, 6. Lys4−GnRH−III, 7. [Lys(ε−Ac)]4−GnRH−III, 8. Glu6−GnRH−III, 9. cyclo[Asp6−Lys8]−GnRH−III, 10. D−Ala10−GnRH−III, 11. H−D−Trp1,[Lys(ε−Fmoc)]8,D−Ala10−GnRH−III, 12. Ac-D−Trp1,D−Ala10−GnRH−III, 13. H−D−Trp1,D−Ala10−GnRH−III, 14. [Trp(For−Ind)]3,7−GnRH−III, 15. Phe7−GnRH−III, 16. GnRH−III(1−9)−エチルアミド, 17. Lys5,D−Trp6−hGnRH, 18. Lys4,D−Trp6−hGnRH, 19. H−Glu1,D−Trp6−hGnRH, 20. Lys5,D−Phe6−hGnRH(1−9)−エチルアミド, 21. Lys4,D−Phe6−hGnRH(1−9)−エチルアミド, 22. Lys5,D−Cpa6−hGnRH(1−9)−エチルアミド, PHLCを用いての、重要性の高いいくつかの同族体の容量ファクターを調べ たところ、以下の結果が得られた。 ISCOモデル2350ポンプ 1ml/min,ISCO V4デテクタ(215nm)。 カラム:BST,ODSハイパーシル5μm、270×4mm 流出液:MeOH/0.1 M NaH2PO4(pH=2.22) 開示のために示される本発明の現段階での好ましい実施例についての説明を参 照することによって、本発明の他の、さらに詳細な側面、特徴、そして利点が明 らかになるであろう。 本発明の詳細な説明 説明で用いられている略語はペプチド化学で用いられ、J.Biol.Chem.241, 527(1966);247,977(1972)に発表されているものと同じで、D−Nalはa −(2−ナフチル)−D−5−アラニンに相当し、D−Cpaはp−クロロフェニ ル−D−アラニンを意味し、D−Palはa−(3−ピリジル)−D−アラニンに 相当している。特に別の注記がない限り、説明で用いられているすべてのアミノ 酸はL構造である。 一般式(I)で示される新しい化合物は、薬学的に活性なポリペプチド、好ま しくはGnRH同族体を以下のような方法で、一般式(Ia)で示される分子に 結合させることによってつくることができる。a)遊離アミノ基を含んでいる薬 学的に活性な化合物を一般式(Ib)で示される、それ自体は知られているもの の、現在までの段階では治療のために用いられていない、N−ビニルピロリドン /マレイン酸無水物コポリマーに結合させる。 ここで、R1,R2およびR3は一般式(Ia)の場合と同様である。b)一般 式(Ib)で示される化合物を一般式(III)のアミノ酸またはオリゴペプチド の活性化されたエステルと 反応させ H−X−OQ (III) 次に、この薬学的に活性のあるポリペプチド類をその活性化されたエステル基を 使って得られる一般式(Ic)の担体化合物に結合する。こうして得られた化合 物はpH値が7.2の塩、好ましくはナトリウム塩に転換される。 一般式(I)に現れる薬学的に活性のある分子(A)は好ましくはアゴスティ ックまたはアンタゴニスティックGnRH同族体である。一般式(I)で示され る化合物のX基は天然、または非天然アミノ酸で構成される最大6つの構成要素 によるアミノ酸基またはオリゴペプチド基を意味している。これらは、ペプチド 化学で公知のプロセスを用いてつくることができる。 本発明は以下の認識に基づいている。 1. 対応する薬学的に活性を有するペプチドホルモン、特にGnRH同族体と 比較して、そのペプチドホルモン分子の本来の効果との関連で、一般式(I)で 示される化合物がより増強された効果をより長い時間示すことができる。 2. X、つまりrがゼロ以外のスペーサー基を含んでいる一般式(I)で示さ れる化合物は、X基を含んでいない化合物より好ましい効果を示す。同時に、X 基を含んでいるこれらの化合物、あるいはX基を持たないこれらの化合物は、毒 性副作用を示さない。そして、これらの化合物は薬学的に活 性のあるポリペプチド分子Aのすべての効果を保持している。 3. AがペプチドホルモンのLys基の側鎖のアミノ基を通じて結合されている 式(IIa)のGnRH同族体を示しており、Y,W,V,X,r,k,zおよびu が一般式(I)で定義されているような場合の、一般式(I)で示される化合物 は、その同族体(IIa)、つまり、Glp−His−Trp−Ser−His−Asp−Trp −Lys−Pro−Gly−NH2;MI−1544;Ac−D−Trp1,3,D−Cpa2,D− Lys6,D−Ala10などの公知の薬学的効果と同等、あるいはそれを上回る効果 を保持する腫瘍抑制化合物であり、したがって、それらはステロイド依存型、お よびステロイド非依存型両方の腫瘍の成長を抑止する。加えて、それらは可逆的 な化学的去勢効果を示し、ステロイド依存型の場合の抗腫瘍作用を増強する。 4. Aが式(IIb)で示されるGnRHアンタゴニスト同族体、つまり、MI− 1892:位置5でリシンのn−アミノ基を通じて結合されているAc−D−Trp1,3 ,D−Cpa2,Lys5,[Asp(′−DEA)]6,D−Ala10−(Gln8-GnRH)で あり、Y,W,V,X,r,k,zおよびuが一般式(I)で定義されている通 りである場合の、一般式(I)で示される化合物は、そのアンタゴニスティック な性質により選択的な腫瘍抑制剤となり、したがって、それらはステロイド依存 型とステロイド非依存型の両方のタイプの腫瘍の成長を、実際上、式(IIb)の 化合物の影響を上回る程度まで抑制する能力を有している。式(IIb)のアンタ ゴニストと一般式 (I)で示されるその誘導体は非可逆的な化学的去勢効果を示し、この方が、そ の選択的な直接的腫瘍抑制効果と結びつけて考えれば、腫瘍抑制の観点から見て 、より好ましいといえる。予想外のことであるが、式(IIb)のアンタゴニスト も免疫システムを刺激する効果を持っており、この効果は一般式(I)の誘導体 によっても保持されているものであることが分かっている。現在までに知られて いる腫瘍抑制作用を有するGnRHアンタゴニストの治療目的のための利用が、 その免疫抑制作用の故に実現されなかったことを考えると、これは驚くべきこと である。 5. Aが位置8のリシン分子部分のn−アミノ基を通じて結合されたヤツメウ ナギのGnRH−IIIに相当し、Y,W,V,X,r,k,zおよびuが一般式( I)で定義されている通りである一般式(I)の化合物は生体内状態で選択的な 腫瘍抑制剤であり、したがって、それらは、GnRH−IIIだけが無視できる程度 の生体内効果を示すという事実があるにもかかわらず、ステロイド依存型および ステロイド非依存型両方の腫瘍の成長を抑止する。GnRH−IIIの一般式(I) の接合体(conjugate)は、抑制された放出hGnRH組成物の効果を上回って、 措置期間中実験動物に腫瘍のない状態をもたらし、公知の組成物を用いた場合、 腫瘍成長の低下だけが観察された。本発明による一般式(I)の最も好ましい化 合物は、式(IIa)−(IIi)の以下のGnRH同族体:ヒトGnRH(以下単にG nRHと記載)を接合することによって つくられる:Glp−His−Trp−Ser−Tyr−Gly−Leu−Arg−Pro−Gly− NH2;ヒヨコGnRH(以下、Gln8−GnRH): Glp−His−Trp−Ser−Tyr−Gly−Leu−Gln−Pro−Gly−NH2;ヤ ツメウナギGnRH(以下、GnRH−III): Glp−His−Trp−Ser−His−Asp−Trp−Lys−Pro−Gly−NH2;M I−1544:ヒトGnRHの式(IIa)のアンタゴニスト同族体であるAc−D−Tr p1,3,D−Cpa2,D−Lys6,D−Ala10−GnRH; MI−1892:Ac−D−Trp1,3,D−Cpa2,Lys5,[Asp(′−DEA)]6, D−Ala10−(Gln8−GnRH);ヒヨコGnRHの式(IIb)のアンタゴニスト 同族体; SJ1004:D−Phe2,D−Trp3,D−Lys6−GnRH;ヒトGnRHの式 (IId)のアンタゴニスト同族体; TH−614:Lys5,cyclo(Asp6−Lys8)−GnRH−III;ヤツメウナギGn RH−IIIの式(IIe)の同族体; HB−694:Lys4,[Lys(nFmoc)]8−GnRH-III;ヤツメウナギGnRH −IIIの式(IIf)の同族体; TH−602:ヤツメウナギGnRH−III;上記式を参照;式(IIc)のGnRH ; HB−685;Lys4−GnRH−III;ヤツメウナギGnRH−IIIの式(IIg)の 同族体; TH−609;D−Lys6−GnRH;ヒトGnRHの式(IIh) の同族体; TH−615:Lys5,D−Trp6−GnRH;ヒトGnRHの式(IIi)の同族体 ; GnRH同族体は、直接またはXグループ、つまりスペーサ部分を通じてPと して表わされるポリマーに結合された。上記各スペーサに名前をつけるために、 一文字マークのアミノ酸が使用される、例えば、H−GFLG−OH:H−Gly −Phe−Leu−Gly−OH(ナトリウム塩の形態をしたペプチド);P:ポリビ ニルピロリドン/マレイン酸コポリマーナトリウム塩、つまり式(Id)の塩で 、ここで、R1とR2の1つは水素を意味し、もう一方はグループ(B)であり、 nは66、NaHCO3の同等物nによってナトリウム塩に変えられる。 次の物質の生物学的研究が行われた: P−GLG−1892:一般式(I)の化合物、ここでX=−GLG−部分を通じて Y=(Ia)グループと結合するA=(IIb)グループ;それぞれ、n=66,r= 0.1n,k=0.3r,z=0,u=1.9n,W=OHまたはONa,pH=7.2;P− GFLG−1544:一般式(I)の化合物,ここで、X=−GFLG−部分を通じ てY=(Ia)グループと結合するA=(IIa)グループ;それぞれ、n=66,r =0.1n,k=0.3r,z=0、u=1.9n,W=OHまたはONa,pH=7.2; P−1892:一般式(I)の化合物,ここで、A=(IIb)グループで、それぞ れ、n=66,r=0,k=0.024n,z =0,u=1.9n,W=OHまたはONa,pH=7.2; P−GFLG−1892:一般式(I)の化合物,ここで、X=−GFLG−部分 を通じてY=(Ia)グループと結合するA=(IIb)グループ;それぞれ、n= 66,r=0.1n,k=0.3r,z=0,u=1.9n,W=OHまたはONa,pH=7. 2; P−GFLG−609:一般式(I)の化合物、ここで、20X=−GFLG−部 分を通じてY=(Ia)グループと結合するA=(IIh)グループ;それぞれ、n =66,r=0.1n,k=0.3r;z=0;u=1.9n,W=OHまたはONa,pH= 7.2; P−GFLG−1004:一般式(I)の化合物、ここで、25X=−GFLG−部 分を通じてY=(Ia)グループと結合するA=(IId)グループ;それぞれ、n =66、r=0.1n,k=0.3r;z=0;u=1.9n,W=OHまたはONa,pH= 7.2; P−GFLG−614:一般式(I)の化合物、ここで、X=−GFLG−部分 を通じてY=(Ia)グループと結合するA=(IIc)グループ;それぞれ、n= 66,r=0.1n,k=0.3r;z=0;u=1.9n,W=OHまたはONa,pH=7. 2; P−GFLG−685:一般式(I)の化合物、ここで、X=−GFLG−部分 を通じてY=(Ia)グループと結合するA=(IIg)グループ;それぞれ、n= 66,r=0.1n,k =0.3r;z=0;u=1.9n,W=OHまたはONa,pH=7.2; P−GFLG−602:一般式(I)の化合物、ここで、X=−GFLG−部分 を通じてY=(Ia)グループと結合するA=(GnRH−III)グループ;それ ぞれ、n=66,r=0.1n,k=0.3r;z=0;u=1.9n,W=OHまたはO Na,pH=7.2; P−GFLG−615:一般式(I)の化合物、ここで、X=−GFLG−部分 を通じてY=(Ia)グループと結合するA=(IIi)グループ;それぞれ、n= 66,r=0.1n,k=0.3r;z=0;u=1.9n,W=OHまたはONa,pH=7. 2; P−FLG−892:一般式(I)の化合物、ここで、X=−GFLG−部分を 通じてY=(Ia)グループと結合するA=(IIb)グループ;それぞれ、n=66 ,r=0.1n,k=0.3r;z=0;u=1.9n,W=OHまたはONa,pH=7.2 ; P−Ahx−1892:一般式(I)の化合物,ここで、X=−Ahx部分を通じてY =(Ia)グループと結合するA=(IIb)グループ;それぞれ、n=66,r=0. 1n,k=0.3r;z=0;u=1.9n,W=OHまたはONa,pH=7.2。 以下の物質および方法を用いて、生物学的なテストが行われた。ある種のヒト 乳腺悪性腫瘍細胞株、あるいはそれからつくられた異種移植(xenograft)はそ れら接合体の生物学的なテストにとって有益である。 ヒトの細胞株が生体内の実験で用いられた。MCF−7ヒト乳腺腫瘍細胞株は 、1973年にSouleらによって乳腺悪性腫瘍患者の胸膜液から安定化(stabilize) されたものである。この細胞は単層で成長し、その性格においては上皮性である 。MDA−MB−231ヒト乳腺悪性腫瘍細胞株はCaileauらによって、1974年に同 様に胸膜液から分離され、安定化された。これらの細胞も単層で成長する。PC 3ヒト前立腺悪性腫瘍細胞株は1979年にKaighnらによって確立されたもので、こ れらの細胞は単純な上皮性のもので、クロノジェニック(clonogenic)アッセイ で小さなコロニーを形成した。ヒト子宮内膜の腺悪性腫瘍からつくられたIshika wa細胞株[Nishidaら、Obstet.Gynecol.Jpn,37,25 1103−1111(1985)] は、上皮性の性質を持っており、ステロイド、およびGnRH受容体を含んでい る。ヒト腫瘍細胞株プラスティックフラスコ(Greiner)内でダルベッコ修正イ ーグル−MEM(DMEM GIBCO)栄養性培養液内で保持される。ここで 用いられた培養液は10%の仔ウシ胎児血清(PCS)を含んでいた。 MCF−7細胞株はエストラジオール受容体(ER)ポジティブであり、かつ GnRH受容体ポジティブである。したがって、それは受容体を媒介とするGnR Hの直接的効果を研究するのに適しており、生体内モデルシステムであるから、 それはGnRHの直接的影響と間接的影響の両方を調査する上で有益である。ま た、試験管内および生体内モデルシステ ムにおいてER−ネガティブおよびGnRH受容体ポジティブであるので、MD A−MB−231細胞株はGnRHの直接的な影響を調べるのに有益である。文献デ ータによれば、PC3ヒト前立腺悪性腫瘍細胞株はGnRHと特異的に結合する 受容体を含んでいるので、それによって、直接的な影響を発揮するための基本的 な条件が満たされている。Ishikawa細胞株はヒト子宮内膜からのものであり、E RおよびPgR蛋白質を含んでおり、そして、GnRH受容体ポジティブである。 したがって、それはGnRHの直接的な影響を調べるのに有益である。化学的に [D−Ser(tBu)]6,desGly10−hGnRH(1−9)EAと表現されるBus erelinは、臨床的な実践で作用の発現を緩和した形態で用いる腫瘍抑制性アゴニ ストであり、試験管内実験ではその物質だけでなく、その作用が緩和された形態 で用いられた。 公知のポリマー担体の調製と一般式(I)の化合物、および一般式Xのスペー サーの調査は以下の通り行われた。 ここで用いられたNVP−MAサンプルは文献[Boreddyら:Polymer 25,115 −120(1980)]に従って調製された。スペーサーとして用いられたオリゴペプ チドの活性化エステルは好ましくはペプチド化学の標準的な方法を用いて得られ たニトロフェニルエステルである。ペプチドのポリマーへの結合はジメチルスル フォキシド(DMSO)、ジメチルフォルムアミド(DMF)、あるいはジメチ ルアセトアミドなどの溶媒中で行うことができる。DMFが溶媒として用いられ た。 ペプチド類のニトロフェニルエステルはアミノ酸分析によって特徴づけられた 。対照とされた保持ファクターは以下の形成系(developing system)を用いてK ieselge160 F254上で判定された。 1. ピリジン:酢酸:水:酢酸エチル 20:6:12:62 2. クロロフォルム:メタノール:水 10:5:1 C−18逆相カラム上で、0.5ml/minの流量で、以下の要素を用いて高圧液体グ ロマトグラフィー(HPLC)検査が行われた; 流出液A:5%アセトニトリル+95%トリメチルアミン−フォスフェート緩衝液 (pH:2.25) 流出液B:80%アセトニトリル+20%トリメチルアミン−フォスフェート緩衝液 (pH:2.25);100%の流出液Aを5分目まで;流出液60%までを10分目まで、 流出液Aの35%までを30回目の25分単位まで;流出液Aの0%までを35分目まで ;流出液の0%を40分目まで;そして流出液Aの100%を45分目まで。検出は紫 外線検出器を用いて280nmで行われた。接合体はAMICONPM10薄膜上で限 外ろ過によって精製された。 この新しい化合物の結果上の利点は以下のように要約することができる。試験 管内試験の結果に基づけば、GFLGテトラペプチドスペーサ基を含んでいる接 合体P−GFLG−1544およびP−GFLG−1892の増殖およびコロニー形成抑 制効果は、GnRH同族体物質(すなわち、MI−1544またはMI−1892)の抗 腫瘍性効果、およびスペーサ含有担体(P−GFLG−OH)の同じ効果、そし て化合物P−1892の同効果さえをも上回っている。この接合体(すなわち、担体 およびGnRH同族体で構成された化合物)は20μMの濃度以上で100%のコロニ ー形成抑止効果を示した。こうした高いレベルの抑止効果は、現在までのところ 、シトスタティックス(cytostatics)を用いてのみ達成することができたもの である。こうした結果に基づいて、ポリマー開始物質とスペーサ含有ポリマーは それら自体が直接的な抗腫瘍効果を示し、GnRHアンタゴニストに共有結合で 結合されると、アンタゴニストの直接的抗腫瘍作用を増大すると言うことができ る。 生体内調査によれば、接合体P−GFLG−1544およびP−GFLG−1892お よび担体P−GFLG−OHは非毒性であることが分かっている。接合体P−G FLG−1544およびP−GFLG−1892は、ERポジティブ、GnRH受容体ポ ジティブMCF−7ヒト乳腺悪性腫瘍異種移植で措置を開始してから第2週目に 腫瘍体積を30−35%縮小させ、第4週目には37〜49%縮小させた。一方、ERネ ガティブ、GnRHポジティブMDA−MB−231ヒト乳腺悪腫瘍異種移植には37 〜42%の腫瘍体積の減少をみることができた。ヒト悪性腫瘍異種移植上で観察さ れた腫瘍抑制の程度は、より感作性の高いMXTマウス乳腺悪性腫瘍上で達成さ れたGnRHアン タゴニスト[Szepeshziら:Breast Canser Res.Treat.21,181−192(1992)] であるSB−75という抑制放出組成物(sustained-release composition)のそ れとほぼ同じであることから、この結果は重要であると考えられる。 物質MI−1892とその接合体であるP−GFLG−1892は直接的で選択的な腫 瘍抑制効果を有している。つまり、物質MI−1544およびその接合体であるP− GFLG−1544とは対照的に、それらは最低限の化学的去勢効果しか示さない。 この事実に基づいて、それらが広い範囲の乳腺悪性腫瘍に作用し、したがって、 ホルモン(エストロゲン)非依存型腫瘍にも作用すると考えることができる。 細胞および体液免疫システムに対するその化合物の影響について調べたことに 関連して、選択的ヒヨコGnRHアンタゴニストとしてのMI−1892、およびそ の接合体で、そのアンタゴニストを含んでいるP−GFLG−1892、そして、新 しい多価陰イオン高分子であるスペーサー含有P−GFLGは仔ウシ赤血球細胞 (BRBC)抗原に対するTリンパ球の活性を(ロゼッテ形成法を用いて)増大 させた。Bリンパ球の抗体生産の調査結果に基づいて、MI−1892とP−GFL G−OH、およびMI−1892を含有した接合体P−GFLG−1892は体液免疫応 答も強化した。 腫瘍治療に用いられるシトスタティックスの免疫抑制副作用は一般的に知られ ている。この効果は種々の免疫刺激因子(エンドトキシン、レバミゾル)などに よって一定程度相殺 することができる。分子量がずっと低い(40,000から80,000程度)ポリペプチド も免疫抑制効果に対して保護効果を発揮することができる[Galら:J.Biol.Re sp.Modif.5,148−159(1986)]。我々がテストした新しい多価陰イオン性 P−GFLG−OH高分子の分子量は10,000程度で、MI−1892にそれは2000程 度と比較的低く、したがって、その免疫刺激作用は期待できなかった。これらの 結果の重要性は、50μg/マウス、あるいは100μg/マウスの容量でマウスに投与 されたMI−1892がそれぞれ、体液免疫応答を2倍から3倍に増大させたという 事実にも示されている。P−GFLG−PHの場合、その増大率は2倍であった 。接合体P−GFLG−1892も免疫刺激効果を保有している。細胞免疫応答の調 査結果は、100μg/マウスの用量で与えられたMI−1892はその応答性をほぼ2 倍に増大させたことを示した。P−GFLG−OHおよびP−GFLG−1982の 場合、その増大率は2倍であった。接合体P−GFLG−1892も免疫刺激効果を 保有している。細胞免疫応答の調査結果は、100μg/マウスの用量で与えられた MI−1892はその応答性をほぼ2倍に増大させたことを示した。P−GFLG− OHおよびP−GFLG−1982の場合、その増大率は2倍であった。 本発明による新しいポリカルボン酸誘導体は、優れた再現性をもってつくるこ とができ、目的とする分子量範囲での分散性が低く、そして水溶性であるので、 ペプチド・ホルモンにとっての非常に好ましい担体である。 公知のポリカルボン酸誘導体も弱い腫瘍抑制作用を有しており、担体化合物と して同様に好ましく使用することができる。GnRH同族体など薬学的に活性の ある化合物を本発明によるポリマーに結合させることによって、その構造的一部 分の作用と比較してより強い効果を発揮する新しい化合物が得られる。 新しい接合体P−GFLG−1544は以下のような理由から好ましい治療効果を 有する化合物である。つまり、それは細胞増殖の直接的抑制によって実証された 選択的腫瘍抑制効果を有している。したがって、MDA−MB−231乳腺腫瘍細 胞で行われた調査によって示されているように、それはステロイド依存型ばかり でなく、ステロイド非依存型の腫瘍の成長も抑制する。そのアンタゴニスティッ ク効果によって、結合されたMI−1544は可逆的な去勢効果を示す。この効果は 生体内措置期間中に測定される子宮重量の変化と、子宮のシトソリックプロゲス テロン受容体(cPgR)の低下によって証明されている。この効果の非常に重要 なひとつの利点は、その措置を中断するとホルモンステータスが再び確立される ことである。これは非可逆的で、多くの患者が受け入れない外科的措置や放射線 照射措置とは対照的である。去勢効果の利点は、ステロイド依存型腫瘍の場合、 選択的で直接的な去勢効果は全体として腫瘍をより強く抑制する点にある。 この去勢効果は以下のデータによって示される。措置を4週間続けた後、MC F−7異種移植を有する動物の子宮重量 は42%減少した(コントロール=0.1980q0.0120g;P−CFLG−1544=0.11 49+0.110g);12週間の措置後、MDA−MB−231異種移植を有する動物の子 宮重量は50%減少した(コントロール=0.0263+0.0028g,P−GFLG−1544 =0.0133q0.0018g)。p−GFLG−OHalone(0.0337q0.0034g,128%) によっては子宮の重量は減少せず、やや増大した。プロゲステロンレベルの変化 はMCF−7異種移植を持った動物の子宮cPgRレベルのかなりの減少(54%) によって実証された(コントロール=517q45フェムトモル/mg蛋白質、P−GF LG−1544=241q28フェムトモル/mg蛋白質)。 いくつかの公知のGnRHアンタゴニストとは反対に、P−GFLG−1544は 免疫抑制効果を持っていない。要するに、接合体P−GFLG−1544は腫瘍抑制 効果および去勢効果を持っているだけでなく、特に腫瘍抑制に関してGnRHの アンタゴニスト同族体であるMI−1544のそれら効果をかなり上回る効果を有し ている。この接合体の調査期間中、悪影響を及ぼす副作用は認められなかった。 その効果を発揮する時間が長いことから、この新しいアンタゴニスト化合物は生 体内での腫瘍抑制のために用いることができる。この新しい接合体P−GFLG −1892は以下のような理由から、治療上の効果を持った望ましい化合物である。 つまり、それは選択的な腫瘍抑制効果を有している。したがって、それは、MD A−MB−231細胞に関する調査で実証されているように、ス テロイド依存型およびステロイド非依存型の両方のタイプの成長を抑止する。 GnRHアンタゴニストMI−1892およびそのアンタゴニストを含む接合体の 去勢効果はMI−1544およびその接合体と比較すると弱い。この接合体の去勢硬 化は生体内措置期間中に測定された子宮重量の変化と子宮におけるシトソリック (cytosolic;細胞分裂抑止的)プロゲステロン受容体(cPgR)レベルの低下 とによって実証された。4週間の措置の後、異種移植を有する動物の子宮の重さ は39%減少した(コントロール=0.1980q0.0120g,P−GFLG−1892=0.12 15q0.0130g)。12週間にわたる措置後、MDA−MB−231を持った動物の予 宮重量は20%減少した(コントロール=0.0263q0.0028g、P−GFLG−1892=0 .0215q0.0017g)。P−GFLG−OHだけでは子宮の重量は減少せず、多少 増大した(0.0337q0.0034g,128%)。プロゲステロンレベルの変化はMCF −7異種移植を持った動物における子宮cPgRレベルの23%の減少によって実証 された(コントロール=517q45フェムトモル/mg蛋白質,P−GFLG−1892= 376q33フェムトモル/mg蛋白質)。 いくつかの知られているGnRHアンタゴニストとは対照的に、この化合物は 免疫抑制効果は持っていない。この新しいGnRHアンタゴニスト同族体および この同族体を含有する接合体が体液、および細胞免疫応答調査で示されたような 免疫刺激性効果を有していることは新しい知見である。 健康な固体と比較して、腫瘍を患っている患者の保護メカニズムの機能性はあ まり好ましくない。この化合物によって保護(免疫)メカニズムは強化されるの で、その腫瘍抑制作用はより強力に有効となる。この新しい接合体P−GFLG −GnRH−IIIは以下のような理由から、好ましい治療効果をもった化合物であ る。同化合物は腫瘍抑制効果を有している。したがって、この化合物はステロイ ド依存型およびステロイド非依存型両方の腫瘍の成長を抑制し、そのことはMD A−MB−231細胞の調査で実証されている。雌ラットのサイクルは、観察され た3サイクル中に結合GnRH−IIIの用量を高くしても影響は認められなかった ので、この化合物は特別の影響は及ぼさない様である。この影響は去勢が心理的 な障害をもたらしてしまう若い乳腺腫瘍患者に対しては特に好ましい。他の接合 体とは違って、P−GFLG−GnRH−IIIは7週間もの長期にわたって続けら れる期間中持続的な増殖の程度の抑制を徐々に誘発する。そして、措置の終了時 、腫瘍をまったく持たない動物が認められるのに対して、他の接合体の場合には 、措置が開始されてから第5週目までだけ抑制度の増大が認められるが、その後 は抑制度は頭打ちになってしまう。 本発明による一般式(I)で示される化合物を含んだ医薬品組成物は、一般式 (I)で示される化合物、または、薬学的に受け入れられるその塩または錯体を 、薬学技術で知られている操作によって医薬品産業で一般的に用いられている担 体および/または添加剤を有する組成物に形質変換することによって調製するこ とができる。 治療的な目的に使用するための医薬品組成物は(炭酸カルシウム、タルクなど )治療で用いられる充填剤および担体:つまり、(水、エタノールおよび/また は多価アルコール、例えばポリエチレングリコールおよび/またはグリセロール などの)溶媒;(生理学的浸透圧を調節するための塩化ナトリウム;あるいは、 トレース要素を補うための、例えば、鉄、コバルト、亜鉛、あるいは銅の塩化物 などの)塩類;例えば錯体形成剤(シクロデキストリン、クラウンエーテル類、 天然蛋白質、サポニン類など)などの可溶化剤;エタノール、ポリオール類(ポ リエチレングリコールまたはグリセロール)などの溶剤の相対的誘電率を低下さ せるための化合物;錠剤分解剤;(水溶性シクロデキストリン誘導体、天然およ び人造ポリマー、クラウンエーテルなどの)抑制放出組成物で一般的に用いられ ている錯体形成剤;鉱物性および有機緩衝剤などのpH調節化合物;(てんさい 糖、フルクトースおよびデキストロース、サッカリン、転化糖などの)味覚改善 剤;(ビタミンCなどの)酸化防止剤、および、一般式(I)の活性剤の作用の 発現を促進する他の活性成分などを含むことができる。これら薬学的組成物は錠 剤、ピル、糖衣錠、固い、または柔らかいカプセル、マイクロカプセル、溶液、 乳剤あるいは懸濁液などの経口剤、あるいは浸出性が遅い、または急激な注射可 能な非経口的形状、あるいは、坐薬などの直 腸経由で投与するための薬学的組成物、さらにはクリームやジェリーなどであっ てもよい。また、上記の使用目的のために開発された薬学的組成物をリポゾーム に組み入れる可能性も存在している。一般式(I)で示される生物接合体(bioc onjugates)は皮膚表面や肺などを通じての吸収を目的とするエアロゾル組成物で 用いることもできる。錠剤をつくるためには、炭酸カルシウム、タルク、脂肪類 、ワックスまたは多価アルコールなど適切な密度を有する糖衣錠またはゲルカプ セルなどが有益な担体である。 溶液やシロップなどの調製には、例えば水、(ポリエチレングリコールやグリ セロールなどの)多価アルコール、てんさい糖、またはデキストロースなどを担 体として用いることができる。非経口的投与を目的とする組成物は、水、アルコ ール、多価アルコール、あるいはベジタブルオイルなどを担体として含んでいて もよい。坐薬の担体は、例えば、適切な密度を有するオイル、ワックス、脂肪、 あるいは多価アルコールなどであってよい。一般式(I)で示される生物学的接 合体は人造または天然の活性剤と組み合わせて治療的な目的に使用しても有益で ある。一般式(I)で示される生物学的接合体は腹膜、筋肉内、あるいは静脈注 射で投与される場合、0.01〜100μg/kgの用量範囲で有効である。実際に用いら れる用量は疾患のタイプと患者の病状や年齢に依存しており、医師が決めるべき である。 本発明はさらに、以下の非限定的な実例によって明らかに されるが、これらの実例において“活性のある物質”とはそれら接合体のGnR H同族体分子部分を意味している。以下の実施例は本発明の種々の実施例を説明 するために述べられるのであって、いかなる意味においても本発明の限定を意図 したものではない。 実施例1ポリ(N−ビニルピロリドン−共−マレイン酸)−Gly−Phe−Leu−Glyニト ロフェニルエステルの調製 ポリ(N−ビニルピロリドン−共マレイン酸無水物)[平均分子量:10,000, IR:1840cm-1,1790cm-1(無水物)、1660cm-1(ピロリドンのNCO)]をH −Gly−Phe−Leu−Glyニトロフェニルエステルトリフルオロアセテート(R fl:0.50)に溶かした後、同量のトリエチルアミンを加えた。3時間後、ジエチ ルエーテルを加え、ろ過し、エーテルで徹底的に洗浄することによって、生成物 が得られた。得られた生成物内にニトロフェニルエステル成分が存在しているこ とは赤外線分光分析で確認され(1840cm-1,1790cm-1無水物、1740cm-1 COO H,1660cm-1 NCO,1540cm-1,1359cm-1 NO2)、ナトリウム10炭酸水素溶 液(モル消滅係数:1660)内で400nmで測定された紫外線吸収によって判定され た。画分部分の限外ろ過によって、その生成物が非結合ペプチドニトロフェニル エステルを含んでいないようにコントロールされた。このポリマーを無水のDM F内に溶解した後、その無水物基を加水分解するために、計算量(2当量)の水 を加えた。加水分解の終了はサンプルの赤外線スペクトルによって判定した(I R:1740cm-1 COOH,1540cm-1,1350cm-1 NO2)。 実施例2ポリ(N−ビニルピロリドン−共−マレイン酸)−Phe−Leu−Gly−ニトロフ ェニルエステルの調製 この生成物は、H−Phe−Leu−Glyニトロフェニルエステル塩酸塩(Rf1 :0.59)(IR:1740cm-1 COOH,1540cm-1,1350cm-1 NO2)と結合させ ることによって実施例1で説明したように調製され、特徴づけられた。 実施例3ポリ(N−ビニルピロリドン−共−マレイン酸)−Gly−Leu−Glyニトロフェ ニルエステルの調製 この生成物は、H−Gly−Leu−Glyニトロフェニルエステルトリフルオロア セテート(Rf2:0.53).(IR:1740cm-1 COOH,1540cm-1,1350cm-1 NO2)と結合させることによって実施例1で説明したように調製され、特徴づ けられた。 実施例4ポリ(N−ビニルピロリドン−共−マレイン酸)−Ahxニトロフェニルエステル の調製 この生成物は、H−Ahxニトロフェニルエステルアセテート(Rf1:0.7). (IR:1740cm-1 COOH,1540cm-1,1350cm-1 NO2)と結合させることに よって実施例1で説 明したように調製され、特徴づけられた。 実施例5Ac−D−Trp1,3.D−Cpa2,{Lys[n−ポリ(N−ビニルピロリドン−共 −マレイン酸)−Gly−Phe−Leu−Gly−]}5,[a−Asp(DEA)]6 ,D−Ala10−GnRH(略語:P−GFLG−1892)の調製 MI−1892の(ニトロフェニルエステル基に対し計算された)1当量を実施例 1に従って調製した溶液を加えた後で、トリエチルアミンを加えることによって 、溶液のpHが7から8の間で調整された。24時間後、反応混合物は水を加えるこ とによって20倍の量に希釈され、5%のNaHCO3溶液が末反応ニトロフェニ ルエステル基を完全に加水分解するために加えられた。低分子物は限外ろ過によ って除去され、高分子画分は親液性化(lyophilize)凍結乾燥された。生成物の 純度はHPLC(Rt:34.38min、MI−1892の保持時間は20.61min)でコント ロールされ、活性成分含量は、200nmから450nmの範囲で(MI−1892の比吸収係 数は280nmで10400である)紫外線分光分析によって測定された。それと同時に、 その生成物が非結合ニトロフェノール(380nmから420nm)を含んでいなかった。 実施例6Ac-D−Trp1,3.D−Cpa2,{D−Lys[n−ポリ(N−ビニルピロリドン −共−マレイン酸)−Gly−Phe−Leu−Gly]}6,D−Ala10−GnRH( 略語:P−GFLG−1544)の調製 MI−1544がGnRH同族体として使われた以外は実施例5に準じた。その生 成物の純度はHPLC[保持時間(Rt):29.96min、MI−1544の保持時間Rt は22.93min]によってコントロールされ、その活性成分含量は、200から450nmの 範囲の紫外線の10分光測定によって判定された。MI−1544のモル比吸収係数は 280nmで11,000である。 実施例7{D−Lys[n−ポリ(N−ビニルピロリドン−共−マレイン酸)−Gly−Phe −Leu−Gly]}6,−GnRH(略語:P−GFLG−609)の調製 D−Lys6−GnRHがGnRH同族体として使われた以外は実施例5に準じた 。その生成物の純度はHPLCによってコントロールされ、その活性成分含量は 、200から450nmの範囲の20本の紫外線の分光測定によって判定された。 実施例8D−Phe2,D−Trp3,{D−Lys[n−ポリ(N−ビニルピロリドン−共− マレイン酸)−Gly−Phe−Leu−Gly−]}6,−GnRH(略語:P−GF LG−1004)の調製 SJ−1004がGnRH同族体として使われた以外は実 施例5に準じた。その生成物の純度はHPLC(Rt:20.7min、SJ−1544のR tは17.3min)によってコントロールされ、その活性成分含量は、200から450nmの 範囲の紫外線の分光測定によって判定された。 SJ−1004のモル比吸収係数は280nmで6500である。 実施例9{Lys[n−ポリ(N−ビニルピロリドン−共−マレイン酸)−Gly−Phe−L eu−Gly−]}5,cyclo(Asp6−Lys8−GnRH−III(略語:P−GFL G−614)の調製 TH−614がGnRH同族体として使われた以外は実施例5に準じた。その生成 物の純度はHPLC(TH−614のRt:16.4min)によってコントロールされ、 その活性構成成分は、200から450nmの範囲の紫外線の分光測定によって判定され た。TH−614のモル比吸収係数は280nmで8800である。 実施例10{Lys[n−ポリ(N−ビニルピロリドン−共−マレイン酸)−Gly−Phe−L eu−Gly−]}4,−GnRH−III(略語:P−GFLG−685)の調製 実施例1によって調製されたポリマー溶液に、遊離アミノ基を含むHB−694 ホルモン類似体の0.5当量(ニトロフェニルエステル基に対し計算した)を加え た。(ジイソプロピル)−エチルアミンを使うことによって、反応混合物のpH値 は10に調整された。数時間後、[Lys(n−Fmoc)]8誘導体から保護基を取 り除くために、ピペリジンを定量加えた。さら に2〜3時間撹拌した後で、水で希釈した反応混合物を限外ろ過したが、この限 外ろ過は、上澄み液が炭酸水素ナトリウムで希釈された後で繰り返し行われた。 このように精製した生成物は親液性化され、その純度はHPLCによってコント ロールされ、活性成分含量は、200nmから450nmの範囲での紫外線5分光測定によ って判定された。HB−685のモル比吸収係数は280nmで9800である。 実施例11{Lys[n−ポリ(N−ビニルピロリドン−共−マレイン酸)−Gly−Phe−L eu−Gly−]}8,−GnRH−III(略語:P−GFLG−602)の調製 TH−602がGnRH同族体として使われた以外は実施例5に準じた。その生成 物の純度はHPLC(Rt:14.8min,TH−602のRtは13.4min)によってコン トロールされ、その活性成分含量は、200から450nmの範囲の紫外線の分光測定に よって判定された。TH−602のモル比吸収係数は280nmで9800である。 実施例12Ac−D−Trp1,3,D−Cpa2,{Lys[n−ポリ(N−ビニルピロリドン−共 −マレイン酸)−Phe−Leu−Gly]}5[a−Asp(DEA)]6,D−Ala 10−GnRH(略語:P−FLG−1892)の調製 実施例2によって調製された生成物が担体として使われ、またMI−1892がG nRH同族体として採用される以外は実 施例5に準じた。その生成物の純度はHPLC(Rt:30.77min)によってコン トロールされ、その活性剤成分は、200から450nmの範囲の分光測定によって判定 された。 実施例13Ac−D−Trp1,3,D−Cpa2,{Lys[n−ポリ(N−ビニルピロリドン−共 −マレイン酸)−Gly−Leu−Gly]}5[a−Asp(DEA)]6,D−Ala 10−GnRH(略語:P−GLG−1892)の調製 実施例3によって調製された生成物が担体として使われ、またMI−1892がG nRH同族体として採用された以外は実施例12に準じた。その生成物の純度はH PLC(Rt:25.39min)によってコントロールされ、その活性成分含量は、200 から450nmの範囲の紫外線の分光測定によって判定された。 実施例14Ac-D−Trp1,3,D−Cpa2,{Lys[n−ポリ(N−ビニルピロリドン−共 −マレイン酸)−Ahx]}5,[a−Asp(DEA)]6,D−Ala10−GnR H(略語:P−Ahx−1892)の調製 実施例4によって調製された生成物が担体として使われ、またMI−1892がG nRH同族体として採用された以外は実施例12に準じた。その生成物の純度はH PLC(Rt:19.98min)によってコントロールされ、その活性成分含量は、200 nmから450nmの範囲の紫外線の分光測定によって判定された。 実施例15Ac-D−Trp1,3,D−Cpa2,{Lys[n−ポリ(N−ビニルピロリドン−共 −マレイン酸)−]}5,[a−A(DEA)]6,D−Ala10−GnRH(略 語:P−1892)の調製 ポリ(N−ビニルピロリドン−共−無水マレイン酸)をDMF内に溶かした後 、MI−1892とトリエチラミンの計算した量を加えた。12時間経過後、ジエチル エーテルを加え、沈澱させ、ろ過し、5%の炭酸水素ナトリウム溶液に溶かし、 前記の実施例で説明したように精製、分析された。 実施例16{Lys[n−ポリ(N−ビニルピロリドン−共−マレイン酸)−Gly−Phe−L eu−Gly−]}5,D−Trp6−GnRH(略語:A−GFLG−615)の調製 TH−615がGnRH同族体(実施例9参照)として使われた以外は実施例5に 準じた。d:10300 実施例17ポリ(N−ビニルピロリドン−共−マレイン酸)−ヘキシルアミド誘導体と結合 したGly−Phe−Leu−Gly−GnRH同族体の調製 ヘキシルアミンの計算量がジメチルホルムアミドのポリ(N−ビニルピロリド ン−共−マレイン酸無水物)溶液に、撹拌しながら加えられた。2時間後、ジメ チルエーテルを加え、沈澱物をろ過し、アミンフリー(ニンヒドリン陰性テス ト、IR:293cm-1 CH2)になるまでエーテルで洗浄して、生成物が得られた 。この物質はDMFで再び溶かされ、H−Gly−Phe−Leu−Glyニトロフェニ ルエステルヒドロクロライドが加えられた。反応混合物20のpH値はトリエチルア ミンで7から8に設定され、その後、3時間析出が繰り返された。GnRH同族 体の結合と生成物の純化については実施例5で説明したように行われた。生成物 の純度はHPLCでコントロールされ、活性剤成分は、200nmから400nmの範囲の 紫外線の25分光測定よって判定された。 実施例18投与量−生存関係に関する研究 この研究は被検物質の細胞破壊作用についての正確な情報を提供している。シ トスタティックス(細胞活性抑制剤)の場合は、細胞破壊作用は細胞特異性のも のではない。GnRH同族体は相特異性の作用を有し、G0/G1相の細胞をブロ ックはするが、殺すことはない。阻止(arrest)された細胞の一部は再度サイク ルの中に入り、その他の部分は消滅する(細胞消滅)。阻止された細胞から形成 されたコロニーは、判定される時には数え得る細胞群の大きさに達していない( 細胞群の数は同じだが、細胞群の大きさが違う)。ホルモン同族体の場合は、当 該ホルモンの受容体を持つ細胞に関して10%から30%の特異的抑制効果を達成す ることができる。この研究はMCF−7とMDA−MB−231ヒト乳腺悪性腫瘍 細胞株、PC3ヒト前立腺15悪性腫瘍細胞株、およびIshi kawaヒト子宮内膜悪性腫瘍細胞株に関して行われた。300の細胞が,それぞれ直 径3.5cmのペトリ皿に用意された。措置は一度、外植24時間後に行われ、形成さ れたコロニーが9日から12日後にカウントされた。 培養液内に物質を溶かした後、その培養体は、それぞれ活性物質と同量の1− 50μMのMI−1544ヒトGnRHアンタゴニスト;MI−1892ヒヨコGnRHアン タゴニスト;SJ−1004ヒトGnRHアンタゴニスト類似物;合成ヤルメウナギ GnRH−III物質、それにLys4−GnRH−IIIおよびLys5−cyclo(Asp6 ,Lys8)−GnRH−IIIランプリGnRH−III同族体;さらにP−GFLG− 1544,P−GFLG−1892,P−GFLG−GnRH−III,P−GFLG−Lys 4−GnRH−III,P−GFLG−Lys5−cyclo(Asp6,Lys8)GnRH− III接合体、またP−FLG−1892とP−GLG−1892接合体によって措置され た。 (50fmの濃度で投与された)MI−1892ヒヨコGnRHアンタゴニスト物質は 両方の乳腺悪性腫瘍細胞培養体(MCF−7、MDA−MB−231)のコロニー 形成を同じ程度に、つまり、それぞれ15〜20%、および35〜38%抑制した。50μ Mの濃度で投与すると、MI−1544hGnRHアンタゴニストはMCF−7細胞株 上では45%、そしてMDA−MB−231細胞株上では20%の抑制効果を示した。 接合体P−GFLG−1544および接合体P−GFLG−1892は両方とも10μM の濃度では80〜85%程度のコロニー形成 抑制効果を、そして活性物質が50μMの濃度の場合は100%の抑制効果を示した( 表I)。 トリペプチドスペーサー含有接合体P−FLG−1892およびP−GLG−1892 は活性物質濃度が50μMの場合細胞の残存に対する抑止効果が多少低く、70〜80 %程度であった。P−GFLG−1544およびP−GFLG−1892はPC3前立腺 およびIshikawa子宮内膜悪性腫瘍細胞株に対しても、最も強力な20の抑止剤であ ることを示した。30〜50μMの濃度を用いた場合、PC3とIshikawa細胞培養物 の両方で、100%の抑止効果が観察された(表I)。両方の接合体とも、50μMの 濃度を用いた場合、Ishikawa細胞株ではそれぞれ5%と10%、そしてPC3細胞 株ではそれぞれ20%および5%と観察されているMI−1544GnRHアンタゴニ ストおよびMI−1892ヒヨコGnRHアンタゴニスト同族体活性物質による25コ ロニー形成抑止効果をはるかに上回った。 50μMの濃度で投与された場合、弱いGnRHアンタゴニスト同族体物質である SJ−1004はMCF−7細胞株上では31%、そしてMDA−MB−231細胞株上 では26%のコロニー形成抑制度を示すが、PC3細胞株(0%)あるいはIshika wa細胞株(5%)上ではほとんど抑制作用を示さなかった。これとは対照的に、 活性物質の濃度を50μMとした場合、P−GFLG−1004接合体は乳腺悪性腫瘍 細胞株では92〜95%,PC3前立腺悪性腫瘍細胞培養体では100%、そしてIshik awa細胞株では46%の抑制効果を示した(表I)。ヒトおよびヒヨコGnRH同族 体とは対照的に、合成ヤツメウナギGnRHはMCF−7,MDA−MB−231お よびPC3細胞株上 で、接合体としてではなく、それ自体活性物質として、コロニー形成の最も大幅 な抑制をもたらした。50μmの濃度の場合、GnRH−IIIはコロニー形成を(M CF−7上で)65%、(MDA−MB−231上で)69%、そして(PC3上で )21%抑止し、一方、P−GFLG−GnRH−III接合体はどの細胞株上でも16 %以上の抑制効果は示さなかった(表I)。 Lys4−GnRH−IIIおよびLys5−シクロ(Asp6,Lys8)−GnRH− IIIヤツメウナギGnRH−III同族体の場合、これら接合体、つまりP−GFL G−Lys4−GnRH−IIIおよびP−GFLG−25Lys5−シグロ(Asp6,L ys8)−GnRH−IIIの抑制効果もより強力であることが分かった(表I)。活 性物質の形態で、Lys4−GnRH−IIIはコロニー形成に関して、MCF−7細 胞株で40%、MDA−MB−231細胞培養体38で35%、そしてIshikawa細胞で21 %の抑制効果をそれぞれ示した。PC3細胞の場合は抑制効果は示さなかった。 P−GFLG−Lys4−GnRH−III接合体はコロニー形成に関して、MCF −7細胞株で68%、5MDA−M8−231細胞培養体で75%、そしてIshikawa細 胞で25%の抑制効果を示した。興味深いことに、PC3細胞株ではコロニー形成 を94%抑制した(表I)。 Lys5−シクロ(Asp6,Lys8)−GnRH−IIIヤツメウナギ同族体は、コ ロニー形成に関して、MCF−7細胞株で44%、Ishikawa細胞株で13%の抑制効 果を示した。接合体 として、P−GFLG−Lys5−シクロ(Asp6,Lys8)−GnRH−IIIは乳 腺悪性腫瘍細胞培養体におけるコロニー形成を、上記活性物質より強力に抑制し た(78〜82%)。Ishikawa細胞では、この接合体の抑制効果(19%)は上記活性 物質の抑制効果(13%)とほぼ同じであった。この接合体はPC3細胞株上でコ ロニー形成を100%阻止した。 実施例19ヒト乳腺悪性腫瘍細胞株の増殖の試験管内での抑制 措置の手順は以下の通りである。細胞をトリプシン化した後、MCF−7,M DA−MB−231ヒト乳腺悪性腫瘍、PC3ヒト前立腺悪性腫瘍、またはIshikaw aヒト子宮内膜の細胞400,000個を直径10cmのペトリ皿に移した。移した翌日から 、それらの細胞を上記試験物質で措置し、指数関数的成長期間中、栄養媒体で調 製した溶液中でテストした。この培養物は1−50μM(培養体の総体積で計算し て)のMI−1544GnRHアンタゴニスト、MI−1892ヒヨコGnRHアンタゴニ スト、またはSJ−1004GnRHアンタゴニスト同族体、および合成ヤツメウナ ギGnRH−IIIホルモンで2日置きに措置して、7日目に細胞数をカウントした 。上記実験と同時に、これらの細胞を接合体P−GFLG−1544,P−GFLG −1892,P−GFLG−1004およびP−GFLG−GnRH−IIIを、活性物質の 1〜50μMの量でペトリ皿に移した翌日に措置し、その後、7日目に細胞数を判 定した。GnRHペプチドホルモン物質を30μMの濃度で用いた場合、細胞増 殖を最も強力に抑制した。濃度を増大させても、抑制効果は増大しなかった。 MCF−7エストラジオール受容体(ER)−ポジティブヒト細胞株(10%F CS)の場合、弱いGnRHアンタゴニストSJ−1004の直接的な抗腫瘍効果と GnRHアンタゴニストMI−1544またはヒヨコGnRHアンタゴニストMI−18 92との間にはかなりの相違が観察された。SJ−1004は細胞数を17%程度減少さ せただけだが、両方のアンタゴニスト共(30μMの濃度で)、5日間に一度ずつ 措置を続けた場合に34−36%の抑制効果を発揮した。 同じ濃度の活性物質を用いた場合,P−GFLG−1544接合体は58%の抑制を もたらした。MI−1544アンタゴニストの抗腫瘍効果は、それに共有結合で結び つけられたコポリマーによって付加的に強化されると考えることができるかもし れない(表II)。 活性物質を30μMの濃度で投与した場合、MI−1892を含有したP−GFLG −1892は細胞増殖を45%抑制した。措置がその接合体で1回だけ行われたことを 考えれば、このポリマーはこの場合も上記アンタゴニストの抑制効果を強化した と考えることができる(表II)。 MCF−7:ヒト由来の乳腺腫瘍細胞株;MDA−MB−231:ヒト由来の乳 腺腫瘍細胞株;PC3:ヒト由来の前立腺腫瘍細胞株;Ishikawa:ヒト由来の子 宮内膜腫瘍細胞株。 トリペプチドスペーサー基を含んでおり、活性物質の含有量が30μM程度のP −FLG−1892およびP−GLG−1892は30−35%程度の直接的な抗腫瘍効果を もたらしただけであ った。MDA−MB−231ERネガティブ細胞(10%FCS)の場合、SJ1004 で2日に一度ずつ措置すると、細胞数は23%程度減少したが、15MI−1544およ びMI−1892(30μM)で措置した場合は、細胞の数は35%−36%程度減少した 。 活性物質の濃度を30μMで投与した場合、P−GFLG−1544接合体は45%、 そしてP−GFLG−1892は42%の増殖抑制をもたらした(表II)。P−FLG −1892またはP−GLG−1892を用いた場合(20)、より低い、具体的には33− 35%程度の抑制効果が見られた(表II)。 PC3前立腺およびIshikawa子宮内膜悪性腫瘍細胞株の場合、有効なGnRH 同族体物質(MI−1544およびMI−1892)の増殖抑制効果は共有結合でそれに 結合されたコポリマーによってかなり増大された(25)。30μMの濃度で用いら れた場合、2日目および4日目での2回の措置後、MI−1544はIshikawa細胞株 の増殖を8%、そしてPC3の増殖を24%抑制した。一方、P−GFLG−1544 を一度投与した場合は、Ishikawa細胞株の増殖を95%、そしてPC3細胞株の増 殖を68.5%、それぞれ直接的に抑制した。 2回の措置後、MI−1892ヒヨコGnRHアンタゴニスト活性物質はIshikawa およびPC3細胞培養体でそれぞれ14%および33%の抑制効果を発揮した。1回 の投与後、P−GFLG−1892接合体はPC3細胞株で51%の直接的な増殖抑制 効果を示し、そして、Ishikawa細胞株では、より高いレベルで、91%という抑制 効果を示した(表II)。 弱いGnRHアンタゴニストとしてのSJ1004は弱い抗腫瘍効果を示した。2 回の措置後(2日目および4日目)、MCF−7細胞株では17%程度の抑制効果 を示しただけであったが(15)、MDA−MB−231細胞株で23%、Ishikawa細 胞株では20%、PC3では10%の抑制効果が認められた。接合体形態で一度投与 された場合、両方の乳腺悪性腫瘍細胞株ではほとんど同じ程度の抑制効果が示さ れた(63〜68%)(20)(表II)。 P−GFLG−1004接合体はP−GFLG−1554またはP−GFLG−1892よ り弱い増殖抑制効果を示した。これはPC3では35%、そしてIshikawa細胞株で は20%と観察された。GnRH−III合成ヤツメウナギGnRHまたはP−GFL G−GnRH−IIIの接合体の場合、増殖抑制に関する研究はMCF−7およびM DA−MB−231細胞株でだけ行われた。コロニー形成の抑制研究結果と同様、 P−GFLG−GnRH−III接合体で得られた結果と比較して、活性物質だけで コロニー形成あるいは増殖をより強度に抑制した被検アゴニスティックおよびア ンタゴニステイック誘導体のうちのひとつのGnRHホルモンが用いられた。こ の活性物質を用いて2回の措置を行ったところ(2日目と4日目)40〜39%の直 接抑制効果が認められたのに対して、P−GFLG−GnRH−IIIによる1回の 措置(2日目)後では10〜11%の抑制が観察されただけであった(表II)。 表IIに示されているように、増殖抑制効果は一定の誤差の 範囲で、コロニー形成の抑制結果とほぼ一致していた。我々の観察結果に基づけ ば、コロニー形成の抑止とそれらの物質の生体内での効果とには強い相関関係が 存在している。 実施例20P−GFLG−1892およびP−GFLG−1544接合体の生体内での毒性に関する 研究 これらの実験はコントロール(21)と措置された雌のCBA/Caマウス(20 )とで行われた。措置は以下のように行われた。7匹の動物はコントロールとし て用いられた。7匹の動物に対しては有効量(活性物質濃度:400μg/動物)の1 0倍を一回腹膜に注射した;7匹の動物に対しては有効量(活性物質濃度:400μ g/動物)の10倍を筋肉内に1回注射した。その結果、どの物質の毒性も認めら れなかった。筋肉内注射による措置から5日目と、腹膜内注射による措置から7 日目に、これらの動物の体重は10%増大したのに対して、コントロールの動物の 体重は変化しなかった。 実例21ヒトMCF−7またはMDA−MB−231異種移植を持った免疫抑制マウスでの P−GFLG−1892およびP−GFLG−1544接合体の生体内での抗腫瘍効果に 関する研究 免疫を抑制されたCBA/Caに接種した場合、MCF−7およびMDA−MB −231細胞はうまく移植された腫瘍を形成していた。マウスの免疫抑制はSteelら (1978)の方法を用いて実行された。 免疫抑制と異種移植 生後6週間程度のCBA/Ca雌マウスを胸腺切除した後、1週間後に、それら のマウスに60Coを照射した(全身照射:致死量は9.5グレイ)。24時間以内に、 5×105個の骨髄細胞を注入した。免疫抑制されたマウスの皮膚の下に、2×107 個の腫瘍細胞、あるいは後の期間(passage)では、2mm3の腫瘍細胞、あるいは さらに後の追加的期間では、2mm3程度の腫瘍片を移植した。異種移植後、MC F−7異種移植を有するマウスを50μgのエストラジオールヴァレレートと30μg のNorgestomet(IntervetInternational B.V.)の混合物で一度弱く措置した 。ステロイドホルモンによる措置は、調査の開始の少なくとも1週間前には停止 した(takeは通常24日間で行われた)。MCF−7腫瘍(異種移植)の場合、検 査はそれぞれ、37番および38番移植のフェーズ内の経路を使って行われた。観察 の結果によると、数年間の移植(transplantation of several years)後腫瘍の 成長は加速され、第4あるいは第5passage後の状態と比較すると2倍の成長速 度を示した。(コントロールの動物の場合、4〜5期間後の腫瘍は0.3gから3 〜4g程度に成長したのに対して、37番目または38番目の移植後の腫瘍の重量は 6週間で0.3gから8gに成長した。なお、これらの期間中に、クローン選択が 起きた。つまり、急速に成長するクローンがゆっくり成長する細胞群より優勢に なった(クローン選択)。 MCF−7異種移植を有するマウスの場合、措置は異種移 植を行ってから4週間目に開始された。この試験は50匹の動物を用いて行われた [腫瘍の量は255〜319mm3;(d12×d2×3.14):6]。措置は以下のように 行われた。1日2度、MI−1892(12時間ごとに2×25μg)s.cが8匹の動 物に対して与えられた。1日に1度5μg,または3日に1度150μgのP−GFL G−1892またはP−GFLG−1544接合体(活性物質で計算して)が8匹、また は6匹の動物にそれぞれ与えられた。6匹の動物に対しては活性物質50μgに対 応するs.c用量でP−GFLG−OHが与えられた。そして、8匹のコントロ ール動物に対しては150μgの生理食塩水が1日1度与えられた。措置を開始して 第4週の終わりには、MI−1892アンタゴニストによる1日2度の措置と、P− GFLG−1892およびP−GFLG−1544接合体による1日1度の措置を行った ところ、同じ年齢のコントロール群の腫瘍体積と比較して腫瘍体積が20〜30%減 少した。したがって、この措置は腫瘍成長の速度を遅らせ、1日2度上記物質を 投与した場合と接合体を1日1度投与した場合との効果はほぼ同じであった(前 者の措置では腫瘍成長の20%の減少、そして後者の措置では30%の減少がそれぞ れ認められた)。腫瘍成長の速度は、3日に1度ずつP−GFLG−1892または P−GFLG−1544を与えた場合、あるいはP−GFLG−OHを毎日1度ずつ 与えた場合には影響は認められなかった。 最近、MCF−7異種移植を有する28匹の動物と、MDA−MB−231異種移 植を有する28匹の動物についての調査が 開始された。MCF−7腫瘍を持った動物に対しては、移植が行われてから5週 目に措置が開始された。腫瘍の体積は205〜225mm3であった。MDA−MB0231 腫瘍を持った動物に対しては、措置は140〜150mm3の腫瘍を移植してから4週目 から措置が開始された。措置は1日1度、75μgのP−GFLG−1892接合体s .c(活性物質で計算した場合)、あるいは1日1度、50μgのP−GFLG−1 544接合体s.c.(活性物質で計算した場合)、あるいは1日1度、50μgのP −GFLG−ON担体s.c.(活性物質で計算した場合)をそれぞれ与える方 法で行われた。コントロールグループに対しては、1日1度生理食塩水s.cが 与えられた(各措置グループとも7匹の動物で構成)。 MCF−7異種移植を持ったマウスで繰り返し行われた調査で、P−GFLG −1892とP−GFLF−1544接合体は両方とも措置を開始してから2週目に、す でに腫瘍成長を30〜35%抑制したことを強調しておかねばならない。4週目には 前者の調査結果を上回って、同じ年齢のコントロール群と比較して、P−GFL F−1892によってもたらされた腫瘍体積の減少は37%(腫瘍体積は2,428cm3)、P −GFLF−1544によってもたらされた滅少は49%(腫瘍体積は1.806cm3)で あった。6週目には、両方の接合体の抑制甲かとも基本的には同じように見えた 。そして、P−GFLF−1544で措置したグループでは腫瘍を持たない動物も観 察された。43〜49%の腫瘍抑制が達成された(表III)。 6週間の措置後の腫瘍の体積と重量 MDA−MB−231腫瘍を持ったマウスの場合、同じ年齢(20)のコントロー ルグループと比較して、腫瘍体積の21〜34%の減少がすでに2週目から観察され た(表IV)。腫瘍の成長(エストラジオール受容体ネガティブ、エストラジオー ル−非依存型腫瘍)は化学的な去勢によっては抑制されなかった。したがって、 観察された効果は疑いもなく直接的抗腫瘍作用の結果であった。措置は6週目に 打ち切られた。2つの接合体(P−GFLG−1892およびP−GFLG−1544) による措置後、37〜42%のほぼ同じ抑制効果が観察された(表III)。これらの 接合体で措置されたグループでは6週目の終わりに腫瘍を含まない動物が開始さ れた。 より最近、MDA−MB−231異種移植を持った28匹の動物に関する調査が開 始された。措置は、移植後4週目または5週目に開始された。腫瘍体積は0.165 〜0.194cm3であった。措置は100μgの活性物質(それぞれGnRH−III,P−G FLF−GnRH−IIIまたはP−GFLF−1544で計算して)を皮下注射で投与 することによって行われた(コントロール群の措置に関しては、先の例参照。) 。 各グループは7匹の動物で構成されていた。措置期間中、腫瘍体積は9週間に わたって毎週測定された。結果を表IIIに要約して示してある。 GnRH−III活性物質それ自体では腫瘍の成長は抑制されなかった。P−GF LG−1544GnRHアンタゴニスト接合体の用量を増やしても(前のシリーズで は50μg、今回の実 験シリーズでは100μg)、それら接合体による腫瘍成長に対する抑制効果は増大 しなかった。P−GFLG−GnRH−IIIで措置された7匹の動物のうちの2匹 、そして、P−GFLG−1544で措置された7匹の動物のうちの1匹が措置を開 始してから6週目に腫瘍なしになったことは非常に重要な結果であると考えられ る。 措置開始後9週目の腫瘍の体積と重量 9週目の終わりには、P−GFLG−GnRH−III接合体によって、73〜78% という、これまでに観察されなかったような優れた抑制効果が得られた。措置さ れた動物とコントロール群の動物との間での体重は、措置中、および措置後にも 認められなかった。 実例25MXTマウス乳腺腫瘍を持ったマウスでのP−GFLF−1892およびP−GFL F−1544の生体内での抗腫瘍効果に関する調査 CBA/Caマウスに接種した場合、MXTマウス乳腺腫瘍 細胞は腫瘍を形成した。腫瘍の取り込み(take)は100%の例で発生した。した がって、腫瘍の発現より前に、つまり移植の翌日から、措置を開始することがで きた。このモデルのさらなる重要性は、ヒト異種移植を有するマウスの免疫シス テムとは対照的に、MXTマウス乳腺腫瘍の免疫システムは十分には抑制されな かった。したがって、このモデルは抗腫瘍効果と、免疫システムに対する作用の 両方を調べるのに同じように有益であった。MXTマウス乳腺悪性腫瘍はERお よびPgR蛋白質を含んでいる。さらに、それはGnRH受容体も含んでいる。し たがって、この生体内腫瘍モデルは直接的効果と間接的効果の両方を調査するの に適している。MXT乳腺腫瘍を持ったマウスの措置は移植3日後から開始され た。この調査は35匹の動物を対象として行われ、MI−1892,MI−1544,P −GFLG−1892およびP−GFLG−1544の75μgを1日1度各固体に皮下注 射する方法で行われ、措置を開始してから9日目に腫瘍の体積を測定した。結果 は表VIに示してある。 これらの動物に対しては、MXTマウス乳腺腫瘍の移植の翌日から皮下のルー トで1日1度の措置が行われた。措置は以下のように行われた。P−GFLG− 1544:MI−1544活性物質75μg/日/動物;P−GFLG−1892:MI−1892活 性物質75μg/日/動物;MI−1544:MI−1892 75μg/日/動物。 抑制のパーセンテージを表VIIに示す。腫瘍成長の最も強力な抑制は措置を開 始して2週間目の終わりに観察された。2週目および3週目の終わりに測定され た抑制のパーセンテー ジを表VIIに示す。この結果は、このモデルで、P−GFLG−1892接合体がM I−1982活性物質自体よりはるかに効率的であることを示している。MI−1544 とP−GFLG−1544との間では抑制効果に違いは見られなかった。 これらの動物に対しては、MXTマウス腫瘍を移植した翌日から、1日1度、 皮下注射のルートで措置が行われた。 実例26[Lys(εFmos)]5−GnRH−IIIの調製 このペプチドは自動ペプチド合成装置を用いて、ベンジルヒドリルアミン樹脂 (0.65ミリ当量/g容量)上で調製される。その樹脂の容量基準で計算して3当 量以上の保護アミノ酸Boc−グリシンが用いられ、さらに、上記保護アミノ酸と 等しい当量のDICが濃縮剤として、またHOBtが触媒として用いられる。Bo c−Gly−OHのその樹脂に対する結合は12時間継続する。したがって、樹脂に 対する結合の終了は樹脂/保護されたアミノ酸化合物のニンヒドリン反応によっ てコントロールされる。Boc−Gly−OHの上記樹脂に対する結合は、通常、最 初の結合で完了するが、いくつかの例でニンヒドリン反応がポジティブな結果を もたらした場合(これはベンズヒドリルアミン樹脂のアミノ基が十分に置換され ないことを意味している)、その樹脂に対する結合はシンメトリック無水物法を 用いて完全なものとすることができる(体積増加に基づいて判断すると、この樹 脂の容量(capacity)はメーカーが示している値の75〜80%程度に相当する)。通 常の方法でBoc−Gly−BHA樹脂を切断、中性化した後、以下の方法でペプチ ド合成を行う。 分 1. ジクロロメタンで3回洗浄 2 2. TFAとジクロロメタンの体積で1:2の 比率の混合物で一度切断 2 3. TFAとジクロロメタンの体積で1:2の 比率の混合物で一度切断 4. クロロメタンで3回洗浄 2 5. エタノールで3回洗浄 2 6. クロロフォルムで3回洗浄 2 7. トリメチルアミンとクロロフォルムの体積で 1:9の比率の混合物で二度中性化 8. クロロフォルムで二度洗浄 2 9. ジクロロメタンで3回洗浄 2 10. Boc−アミノ酸の追加 11. ジイソプロピルキャルボジイミドと1回結合 120〜300 13. エタノールで洗浄 Boc保護基を切断する際、副作用を防ぐために、重量で0.5〜10%のインドー ルと重量で0.2%のチオアニソールの混合物、または重量で2%のアニゾールと 重量で0.2%のL−メチオニンを用いる。保護アミノ酸は通常、カーボジイミド 法を用いて結合されるが、(Leu,Trp,Cpaなど)(高い立体要求=steric d emandを有する)大量のアミノ酸の場合はBOPを用いる。 ポジティブニンヒドリン反応の場合、結合はカーボジイミド結合後にシンメト リック無水物を用いて、あるいはBOP剤結合後にBOP剤を用いて行う。この 合成の過程で、モル比で、DICカップリング剤の3倍の量のBoc−アミノ酸お よびHOBt触媒を含有しているジメチルフォルムアミド(DMF)溶液と0.5ミ リモルのBHA樹脂で計算したHOBt触媒を手順の順で用いる。本例では、位 置5のアミノ酸をしてBoc−L−Lys(ε−Fmoc)−OH保護アミノ酸を用い た。 側鎖の保護基とペプチドはHF溶液を用いて、体積で10%のアニソルを含有し た−−クレゾール2.5mlと100mgのジチオスレイトールの存在下、0℃の温度で1 時間、0.25ミリモル のペプチド−BHA樹脂が20−25mlのHF内に保持されるような方法でその樹脂 から除去される。減圧下でHFを取り除いた後、無水ジエチルエーテルで残滓を 措置した後、ペプチドを15〜33体積%のアセチル酸溶液でその固体残滓から溶解 される。本例では、ペプチドのフッ化水素塩は33体積%のアセチル酸でセパデッ クスG−25カラム内でゲルろ過によって精製し、化学的純度が85%の粗生成物36 0mgが得られる。Rf2=0.5。その後、ペプチドをC18逆相シリカゲルカラム上 で傾斜溶液を用いて精製される。 実例27Lys5−GnRH−IIIの調製 240mgの粗中間ペプチド誘導体を10mlのDMFと水の1:1比率混合物内に溶 かし、撹拌しながら、また氷水で冷却しながら2mlのピペリジンを加える。2.5 時間後、この混合物を蒸発させ、残滓を33%の酢酸に溶かし、セファデックス G−25カラムで精製した。各画分をTLCで調べ、主要生成物を集める。粗生成 物はMPLC手順を用いて精製する。 カラムの作動条件は以下の通り:プリペックスC−18(25〜40μ,Phenomenex ,USA)カラム:400mm(長さ)×25mm(直径)、流出液A:70体積%の0.05 Mアンモニウムアセテート溶液(pH:4.00)および30体積%のメタノール、流出 液B:50体積%の0.05Mアンモニウムアセテート溶液(pH:4.00)および50体積 %のメタノール。 溶出は溶液AおよびBで構成される流出液を用いて傾斜溶 出によって行われる。純粋な主要画分が集められ、次に、塩を除去し、その後、 上のカラム上で傾斜溶出を実行することで精製される。流出液:A:10%酢酸40 0ml,B:Aとイソプロパノール400mlの80:20混合物。純粋な画分を集めて、残 滓を凍結乾燥して、目的生成物77mgを得る。Rf1=0.40,Rf2=0.15。 実施例28Lys5,シクロ「Asp6−Lys8]−GnRH−IIIの調製 a) 実施例26で述べた粗中間ペプチド誘導体(120mg)を、そのペプチド1を 6mlの水に溶かしてから2mlの0.1N塩酸溶液を加えることによって、その塩酸 塩に形質変換する。減圧状態下でその溶液を乾燥状態にまで蒸発させ、102mgの 塩酸塩を得る。Rf2=0.5。 b) 環化:DMF25ml内にステップ3/a)のペプチド塩化物29mgを含んでい る溶液を0℃まで冷却してから、200μlの1%炭酸水素ナトリウム溶液を加える 。同時に、10mgのBOP剤と10mgの1−ヒドロキシベンゾトリアゾルを5mlのD MFに溶解し、上記水溶液にゆっくり加える。その後、170μlのジイソプロピル エチルアミン(DIEA)と5mlのDMFを含有する原料溶液から、200μlを反 応混合物に加え、室温で一昼夜撹拌する。生成した中間ペプチド(Rf2=0.6) は分離せずに次の形質変換処理にかけられる。c) Fmoc基の除去。減圧下で反 応混合物3/b)を蒸発させた後、残滓をエチルアセテートと共に粉末化し、ろ 過する。その固体分 を5mlのDMFと200μlのピペリジンの混合物を付加して、反応混合物を減圧状 態下で蒸発させる。残滓を33体積%酢酸に溶かして、セファデックスG−25カラ ム上で精製する。主要生成物を含んだ画分をMPLC法でさらに精製する。 流出液A:70体積%の0.05M酢酸アンモニウム溶液および30体積%のメタノー ル、B:30体積%の0.05M酢酸アンモニウム溶液、および70体積%のメタノール 。純粋な留分を2度凍結乾燥して、目的の生成物11mgを得る。Rf2=0.35,Rf 7=0.187。 実施例29Lys5「Lys(ε−Fmoc)]8−GnRH−IIIの調製 Boc−L−Lys(ε−Fmoc)−OHが、GnRH−IIIの位置8にあるBoc− L−Lys(ε−Z)−OHの代わりに使われ、一方で位置5にあるBoc−L−L ys(ε−Z)−OHは保護されたアミノ誘導体としてBoc−His(Tos)−OH の代わりに採用されるという点が,実施例26で説明された方法とは異なる。精製 は実施例26の方法を使用して行う。335g(化学的純度は約80%)の収量で、粗 ペプチドが得られる;Rf2=0.55。 実施例30Lys4「Lys(ε−Fmoc)]8−GnRH−IIIの調製 1ミリモルのBHA樹脂を使うことによって、Boc−Lys(ε−Fmoc)−O Hが、ペプチドの8位置にある保護されたアミノ酸と位置4にあるBoc−Lys( ε−Z)−OHとし て使われる点が、実施例26と異なる。セファデックスG−25カラム上で精製後、 純度約80%、1.04gの収量で粗ペプチドが得られる;Rf2=0.29。 精製のため、20%の酢酸に550mgの粗ペプチドを含んだ溶液が実施例27の方法 でMPLCカラムにかけられ、最初に20体積%酢酸200mlで溶出が行われ(イソ クラティック流出)、次に溶液をそれぞれ400ml使った傾斜溶出により精製した 。溶液A:20体積%酢酸。溶液B:溶液Aとイソプロパノルが3:1の混合液。 画分は集められ凍結乾燥され、その結果、217mgの目的生成物が得られる;Rf2 =0.45,Rf7=200.18。 実施例31Lys4−GnRH−IIIの調製 10mlのDMFに実施例31で得た200mgの粗ペプチド溶液に、10%のピペリジン を含んだ15mlのDMFが氷水で冷した状態で加えられる。1時間後、反応混合物 を蒸発させ、残留物をMPLCと、25%酢酸から25%酢酸とメタノールの混合比 が最大2:1の混合液で傾斜溶出によって精製される。かくして、68mgの純粋生 成物が得られ、それらがTLCとHPLC分析によって均一であることが証明さ れた。;Rf1=0.5,Rf2=0.67,Rf3=0.05。 実施例32[Lys(i−Ac)]4−GnRH−IIIの調製 30mlのDMFに実施例31で得た200mgの粗ペプチドを含ん だ溶液に、DTEAと130mgのイミダゾールを加え、次いで5mlのジクロロメタ ン(DCM)と200μlの酢酸無水物の混合液を、撹拌、冷却しながら滴下させる 。1時間後、反応混合物が減圧状態下で蒸発させられる。残留物はジエチルエー テルと共に粉末化され、エーテル状の上澄み液はデカントされ、残留物は15mlの DMFに溶かされる。次に200μlのピペリジンを含む2mlのDMFが加えられ、 1時間後、蒸発させられる。残留物は20%酢酸に溶かされ、MPLC法を使って 精製される。傾斜溶出(20%酢酸と、10%酢酸とメタノールが6:4の混合液で 構成された)を使うことによって溶離が行われ、70mgの純粋生成物が得られ、そ れらがTLCとHPLC分析によって均一であることが証明された。Rf2=0.0 67,Rf7=0.087。 実施例33Glu6−GnRH−IIIの調製 Boc−Glu−25(OChx)−OHが、GnRH−IIIの位置6にあるアミノ酸の 保護に使われる点が、実施例26と異なる。精製は、実施例2により、アンモニア アセテート緩衝液における傾斜溶出を使うことによって行われる。生成物の特性 値は:Rf=18 0.19,Rf7=0.086。 実施例34cyclo[Asp6−Lys8]−GnRH−IIIの調製 出発物質としてヤツメウナギGnRH−IIIデカペプチドを使うことによって、 実施例28による塩酸塩を調製した後で、 環化が実施例28の方法で行われる。生成物は実施例27の方法で精製される。 実施例35D−Ala10−GnRH−IIIの調製 Boc−Gly−OHの代わりに、Boc−D−Ala−OH保護されたアミノ酸が、 最初のアミノ酸としてベンズヒドリルアミン樹脂に結合する点が、実施例26と異 なる。精製は、実施例27の方法で行われる。 実施例36H−D−Trp1,[Lys(ε−Fmoc)]8,D−Ala10−GnRH−IIIの調製 GnRH−III配列において、Boc−D−アラニンが最初のアミノ酸に結合する 点が、実施例26と異なる:位置8のリジンの場合は、保護されたアミノ酸Boc− Lys(ε−Fmoc)−OHはデカペプチドBoc−D−Trp−OH保護されたアミ ノ酸のN−末端と結合する。精製はセファデックスG−25カラム上で、実施例26 により達成される。中間誘導体は実施例26による傾斜溶出を使って精製される。 実施例37Ac−D−Trp1,D−Ala10−GnRH−IIIの調製 実施例36によって調製された、保護されたペプチド−BHA樹脂から、Boc基 が実施例26の方法によって取り除かれ、次いで遊離アミノ末端を有するペプチド −BHA樹脂が、酢酸無水物とイミダゾールの混合液でアセチル化される。その 後、目的ペプチドが上記樹脂から実施例1に従ってHF液によって切り離され、 保護基は実施例32の方法で分離され、生成物は実施例27の方法によって精製され る。 実施例38H−D−Trp1,D−Ala10−GnRH−IIIの調製 Fmoc保護基は、実施例36で調製された保護中間ペプチドより実施例32の方法 によって除去される。粗ペプチドの精製は実施例27に従って行われる。 実施例39[Trp(For−Ind)]3,7−GnRH−IIIの調製 GnRH−III配列Boc−Lys(ε−Z)−OHの位置8と、Boc−Trp(For −Ind)−Hの位置3および位置7とに、保護されたアミノ酸誘導体が使われて いる点が実施例26と異なる。精製は実施例26の方法に従って行われる。 実施例40Phe7−GnRH−IIIの調製 Boc−フェニルアラニンがGnRH−III配列の位置7に使われていることが、 実施例26と異なる。精製は実施例26の方法によって行われる。 実施例41GnRH−III(1−9)−エチルアミドの調製 GnRH−III配列の保護されたアミノ酸は、実施例26に従って調製された1.46 ミリモルのBoc−Pro−Merrifield樹脂から開始して、結合される。側鎖上に保 護されているペプチ ドは、DMFに20%のエチルアミンを入れた溶液で、10℃で48時間撹拌すること によってその樹脂から切断される。Rf2=0.5。 減圧下でDMFを蒸発させた後、残留物はジエチルエーテルと共に粉末化され る。実施例26の液体水素フッ化物を使うことによって、側鎖の保護基が、保護さ れた粗ペプチドから取り除かれる。粗ペプチド16はまず、セファデックスG−25 カラム上で、そして次に中圧液体クロマトグラフィで精製され、215mgの目的生 成物が得られる。Rf2=0.31。 実施例42Lys5,D−Trp6−hGnRHの調製 0.5ミリモルのBHA樹脂から始めて、実施例26の方法に従って、保護された アミノ酸として、ヒトGnRHのアミノ酸列による位置6のBoc−Glyの代わり に、Boc−D−Trp−OHが合成に使われ、また位置5のBoc−L−Trp(Bzl )−OHの代わりに、Boc−L−Trp(ε−Z)−OHが使わる。精製はセファ デックスG−25を使って実施例1の方法で行われる。傾斜溶出は400mlの次の各 溶液で行われる:A:0.05Mアンモニウムアセテート70%溶液と30%メタノール 25,B:0.05Mアンモニウムアセテート30%溶液(pH4.00)と70%メタノール。 得られた溶液はアンモニウムアセテートを除去するために3回凍結乾燥され、52 mgの目的生成物を得る。Rf2=0.34,Rf7=0.21。 実施例43Lys4,D−Trp6−hGnRHの調製 hGnRHのアミノ酸配列より、位置6のBoc−D−Trp−OHが使われ、位置 4の、保護されたアミノ酸誘導体であるBoc−L−Lys(ε−Z)−OHが、B oc−L−Ser(Bzl)−OHの代わりに使われる点が、実施例26と異なる。生成 物の精製は実施例42の方法で行われ、60mgの純粋生成物を得る。 実施例44H−Glu1,D−Trp6−hGnRHの調製 hGnRHのアミノ酸配列により、位置6のBoc−D−Trp−OHがBoc−グ リシンの代わりに使われ、一方、位置1の、保護されたアミノ酸誘導体であるB oc−L−Glu−(OChx)−OHが、パイログルタミン酸の代わりに使われる点 が、実施例26と異なる。生成物は以下の点を除いては実施例26の方法で精製され る。つまり、アンモニウムアセテートで傾斜溶出した後、塩を取り除くステップ が挿入され、そのステップで300mlの次の各溶液を使ってMPLCカラム上で傾 斜溶出が行われる;溶液A:20%酢酸;溶液B:A溶液とイソプロパノールが3 :1の混合液。純粋留分が集められ凍結乾燥され、53mgの目的生成物を得る。R f1=0.29;Tf17=0.19。 実施例45Lys5,D−Phe6−hGnRH(1−9)−エチルアミドの調製 実施例41により、Boc−Pro−Merrifield樹脂が出発物質 として使われるが、合成は、保護されるアミノ酸として、位置6のBoc−P−P he−OHと位置5のBoc−Lys(ε−Z)−OHが使われた以外は、ヒトGnR Hの配列に従って行われる。ペプチドは、エチルアミンの中で、0℃で8時間、 撹拌し、次にエチルアミンが蒸発している間、室温で一昼夜撹拌することによっ て樹脂から切断される。その後、メタノールとDMFで洗浄することによって、 保護された非ペプチドエチルアミドが樹脂から溶解される。得られた溶液は蒸発 させ、残留物はエーテルで砕いて結晶化させる。得られた生成物は実施例26に従 ってHF液で措置され、実施例27のHPLC法によって精製される。 実施例46Lys4,Phe6−hGnRH(1−9)エチルアミドの調製 位置4にある保護されるアミノ酸として、Boc−Lys(ε−Z)一OHが使わ れた以外は、実施例45に準ずる。 実施例47Lys5,D−Cpa6−GnRH(1−9)エチルアミドの調製 位置6にある保護されるアミノ酸として、Boc−D−Phe−OHの代わりに、 Boc−D−Cpa−OHが使われる以外は、実施例45に準ずる。試験管内実験で使われるヒト細胞株 ヒト乳腺悪性腫瘍細胞株MCF−7は、Souleらによって1973年に、乳腺悪性 腫瘍を持つ患者の胸膜液から安定化された。ヒト乳腺悪性腫瘍細胞株MDA−M B−231は、 Cailleauらによって1974年に胸膜液から同様に分離され、安定化された。両細胞 株は単一層で成長する。ヒト乳腺悪性腫瘍細胞株であるMCF−7とMDA−M B−231はプラスチックのフラスコ(Greiner)の、10%の子牛胎児の血清を含ん だ培養液ダルベッコ修正Eagle−MEM(DMEM,GIBCO)の中で保存さ れる。細胞株MFC−7は、GnRHを特殊な形で結合した蛋白質を含む陽性卵 胞ホルモン受容体(ER)である。したがって、上記細胞株は、GnRH受容体 が介在するGnRHの直接作用を研究するために、有効なモデルシステムである 。ERがネガティブで、GnRH受容体がポジティブであれば、MDA−MB−2 31細胞株は同様に、GnRHの直接作用を研究するのに適切である。ヒト前立腺 悪性腫瘍細胞株PC3は、Kaighnらによって1979年、細胞培養で安定化された。 これらの細胞は上皮組織タイプのもので、クローン遺伝子アッセイでコンパクト な細胞群を形成する。Ishikawa細胞株はヒト子宮内膜悪性腫瘍[M.Nishida et al.:Acta Obstet.Gynecol.Jpn.37,1103−1111(1985)]から得られるも ので、この細胞株もその特質上、上皮組織であり、ステロイドおよびGnRH受 容体を含んでいる。 実施例48MCF−7,MDA−MB−231ヒト乳腺悪性腫瘍、PC3前立腺癌およびIshik awa子宮内膜腫瘍細胞培養におけるGnRH同族体の用量−生残率の関係 この調査は用量を変化させた場合の被検物質の細胞損傷効果についての詳細な 情報を与えてくれる。措置は以下のようにして一度だけ行われた。生き残った細 胞から形成されたコロニーは8〜12日後にカウントされた。ホルモンを用いた場 合、これらの物質は一般的に毒性を示さず、それぞれ、細胞あるいは受容体に固 有の性質を示すという大きな利点を有していた。GnRH同族体は相特異性であ り、それらはGGI相で細胞を破壊した。捕捉(arrest)された細胞の一部は再 びサイクルに入り、他の一部は破壊することができた(apoptosis)。捕捉細胞 から形成されたコロニーはコロニーをカウントする日までに、カウントできるサ イズのコロニーか形成しなかった(コロニー数は同じであるかもしれないが、コ ロニーのサイズは同じであり得ない)。用量と反応の関係に関する調査では、細 胞15個以下を含んでいるコロニーはカウントされなかった。300個の細胞を直径3 .5cmの各ペトリ皿に入れた。措置はセット24時間後に一度行われ、そして8〜12 後に形成されたコロニーがカウントされた。細胞は24時間後に上の実施例で述べ た種々のGnRH類似部を1〜50μM、あるいはGnRH−IIIを1〜50μMそれぞ れ用いて一度行われた。MCF−7,MDA−MB−231,PC3およびIshikaw a細胞上で得られた抑制のパーセンテージを、用いられた活性剤の量と共に表VII Iに示す。 これらの調査結果に基づいて、50μMの容量で用いられた場合、公知のGnRH −IIIペプチドはMCF−7およびMD A−MB−231細胞培養体のコロニー形成に対してそれぞれ45%と49%の抑制効 果を示した。どのGnRHアゴニスト(オバレリン、ブセレリン)を用いた場合 、あるいはGnRHアンタゴニスト(MI−1544)を場合でさえ、今日までのと ころ、有意な抑制効果は認められていない。GnRH−IIIは用いられた用量範囲 ではIshikawa細胞株に対しては抑制効果を発揮せず、PC3前立腺細胞培養体の コロニー形成を21%抑制しただけであった。GnRH−IIIペプチドの効果は、M CF−7で65%、MDA−MB−231で63%の抑制効果を示した実施例17の化合 物を下回った。実施例42の化合物を除けば、実施例31および32のペプチドはMD A−MB−231乳腺悪性腫瘍細胞株上で最も効果的であった(32〜42%)(表VII I)。PC3前立腺細胞株上では、実施例8の化合物が50μMの用量で投与された 場合、最も強い抑制効果(31%)を示したのに対して、化合物6および7は影響 を示さず、化合物17は用いられた用量範囲でPC3細胞株のコロニー形成能力を わずかに抑制した(表VIII)。Ishikawa子宮内膜腫瘍細胞培養体上で50μMの用 量で用いられた場合、以下の結果が得られた。化合物3ではコロニー形成の14% 抑制;化合物6では21%;化合物7では14%;化合物8では2%;化合物17では 15%;そして化合物14では25%。 これらの研究で、腫瘍治療で一般的に用いられているD−Trp6−hGnRH同 族体(Sigma Co.)がコントロールとして用いられた。表VIIIのデータから、 テストされた同族体の 中で、実施例26および40の同族体は、効果があっても、弱かった。同族体14およ び19はコントロールの活性とほぼ同じであった。他の同族体(3,6,7および 8)はコントロールの抑制効果を上回っていた。同族体17は2倍強い抑制効果を 示した。 実施例49ヒト腫瘍細胞株の細胞分裂の抑制 トリプシンで措置した後、MCF−7,MDA−MB−231,PC3またはIsh ikawaのそれぞれ30万個をそれぞれ直径10cmのペトリ皿に入れた。セットの翌日 から、それらの細胞と指数的成長段階で、GnRH同族体1〜50μMで措置した。 5日間続けられた実験中、それらの細胞は2日に1度ずつ栄養液に溶解したペプ チドホルモンで措置し、次に、6日目に細胞数をカウントした。 30μMで用いられた場合、GnRH−IIIはMCF−7とMDA−MB−231細胞 の両方に対して35〜40%の抑制効果を示した。これらの調査によれば、hGnRH アゴニストとしてのオヴレリンまたはブセレリンは措置後6日目にMCF−7 ER−前立腺細胞株の細胞数に大幅な変化は引き起こさなかった(5−15%程 度の抑制)が、それらはDMA−MB−231 ERネガティブ細胞株の細胞増殖 は25〜30%程度抑制した。 30μMの用量で用いられた場合、GnRH−IIIの抗増殖効果は両方の乳腺腫瘍 細胞株で公知のGnRHアンタゴニスト (いくつかのDアミノ酸、MI−1892およびMI−1544を含有した乳腺GnRH 誘導体)と直接的な抗腫瘍効果と一致した。両方の物質6と7の増殖抑制効果は いくつかのD−アミノ酸(MI−1544,MI−1892,SJ−1004)を含有したG nRHアンタゴニストの直接的増殖抑制効果とほぼ同じであった(27〜31%)( 表IX)。 表IXに示されているいるように、化合物15を除けば、これらの物質の増殖抑制 効果は一定の限度内でコロニー形成抑制の結果と一致した。コロニー形成の抑制 とそれら物質のインビボでの効果との間にも強い相関関係が存在する。比較対象 として用いられたのペプチド類の組成は以下の通りである。 MI−1892: Ac−D−Trp1,3,D−Cpa2,Lys5[β−Asp(DEA)]6,D−Ala10−hG nRH MI−1544: Ac−D−Trp1,3,D−Cpa2,D−Lys6,D−Ala10−hGnRH [M.Kovcsら:Peptides 10,925-931(1989)] SJ−1004: D−Phe2,D−Trp3,D−Lys6−hGnRH GnRH−III: pGlu−His−Trp−Ser−His−Asp-Trp−Lys−Pro−Gly−NH2 Decapeptyl: pGlu−His−Trp−Ser−Tyr−D−Trp−Leu−Arg−Pro−Gly−NH2 この明細書で述べられているいずれの特許あるいは出版物も、本発明が関連す る技術に通じた人々のレベルに適したものである。これらの特許および出版物は 、個々の出版物が個 別的、具体的に参照されているのと同じ程度に、本明細書中に引例として組み入 れられるものである。 当業者であれば、本発明が上記目的を達成し、課題や利点、あるいはそれらと 本質的に関連した課題や利点を得るのに良く適合していることは容易に分かるで あろう。本実例はここに述べられている方法や手順、措置、分子、および具体的 な化合物は現在の段階で好ましい実施例を代表するものであり、具体例であって 、本発明の範囲を限定することは意図していない。特許請求の範囲に定義されて いるような発明の精神の範囲内で、変更や他の利用法は当業者には容易に想起で きるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI // C07K 105:00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ, VN (71)出願人 カルネイ,アドリエン ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1122 ラート ジャージィ ストリート 7―9 (71)出願人 ガアル,デザ ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1122 ラート ジャージィ ストリート 7―9 (71)出願人 パイジィ,イーシュトヴァーン ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1122 ラート ジャージィ ストリート 7―9 (71)出願人 テューリィ,ギゼラ ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1122 ラート ジャージィ ストリート 7―9 (71)出願人 ヴィンズ,バーバラ ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1122 ラート ジャージィ ストリート 7―9 (71)出願人 メゾ,イムレ ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1088 パスキン ユー.9 (71)出願人 タネイ,エンリエタ ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1088 パスキン ユー.9 (71)出願人 ヴァダーズ,ゾート ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1088 パスキン ユー.9 (71)出願人 タプラン イーシュトヴァーン ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1088 パスキン ユー.9 (71)出願人 セプローディ,ジャーノース ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1088 パスキン ユー.9 (74)上記14名の代理人 弁理士 佐田 守雄 (72)発明者 ラヴァス,シャーンドウ アメリカ合衆国 68178 ネブラスカ オ ウマハー,キャリフォーニア プラザ 2500 (72)発明者 マーフィー,リチャド,エフ. アメリカ合衆国 68178 ネブラスカ オ ウマハー,キャリフォーニア プラザ 500 (72)発明者 トウト,ゲイザ ハンガリィ セジド エイチ―6701 ピ ー.オー.ボックス 521 (72)発明者 カルネイ,アドリエン ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1122 ラート ジャージィ ストリート 7―9 (72)発明者 ガアル,デザ ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1122 ラート ジャージィ ストリート 7―9 (72)発明者 パイジィ,イーシュトヴァーン ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1122 ラート ジャージィ ストリート 7―9 (72)発明者 テューリィ,ギセラ ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1122 ラート ジャージィ ストリート 7―9 (72)発明者 ヴィンズ,バーバラ ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1122 ラート ジャージィ ストリート 7―9 (72)発明者 メゾ,イムレ ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1088 パスキン ユー.9 (72)発明者 タネイ,エンリエタ ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1088 パスキン ユー.9 (72)発明者 ヴァダーズ,ゾート ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1088 パスキン ユー.9 (72)発明者 タプラン イーシュトヴァーン ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1088 パスキン ユー.9 (72)発明者 セプローディ,ジャーノース ハンガリィ ビューダペスト エイチ― 1088 パスキン ユー.9 (72)発明者 ザボウ,エディート,ジィ. ハンガリィ 1088 パスキン ユー.9 ビューダペスト ゼマルヴィス ユーナヴ ァーサティ メディカル スクール,ファ ースト インスタテュート オブ バイオ ケミカル (72)発明者 パトウ,ジャーノウ ハンガリィ 1025 パズタザリ ユーティ 56―67 ビューダペスト セントラル リサーチ インスタテュート フォァ ケ ミカル オブ ザ ハンガリアン アカデ ミィ オブ サイエンス (72)発明者 モーラ,ミリンダ ハンガリィ 1025 パズタザリ ユーティ 56―67 ビューダペスト セントラル リサーチ インスタテュート フォァ ケ ミカル オブ ザ ハンガリアン アカデ ミィ オブ サイエンス

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.一般式(I) Y(Wu,Vz,Xy,Ak) (I) で示される薬学的に活性のある化合物。 ここで、Yは、一般式(Ia)で示される分子部分であり、ここでnは10〜40 0の範囲、好ましくは20〜200の範囲の整数であり、R1とR2のうちのひとつは水 素原子であり、他方は式(B)で示される基であり: 3は、重合開始基、好ましくは(CH32CCN基であり; Wは、水酸基であり、オプションとしてはアルカリ金属イオン、好ましくはナ トリウムイオンで形成された塩であり; Vは、C1−8、好ましくはC4−6のアルキル基がアミノ基に結合したアル キルアミノ基であり; Xは、上記Y基にそのN−末端を通じて結合されまた、オプションとしてその C−末端に水酸基または原子価結合を有する最大6つの構成要素で構成されたア ミノ酸基またはオリゴペプチド基である“スペーサ”基であり、 上記アミノ酸はGly,Ala,Leu,Ile,Val,Phe,Tyr,Ahx,Pro,Arg またはHisであり; Aは、アミノ基を含有し、rが0の場合はそれを通じて上記Y基に直接結合さ れ、rが0より大きい場合はX基のC−末端に結合された薬学的に活性のあるポ リペプチド基を示しており; rは、0〜0.2nの範囲の整数であり; kは、最大でrと等しく、0−(n−r)の範囲の整数であり;そして uは、nから2n−r−zの範囲の整数であり、これらの化合物の塩または錯 体であることを特徴とする化合物。 2.請求項1による薬学的に活性のある一般式(I)で示される化合物において 、 Aは、そのアミノ基を通じて結合されている薬学的に活性のあるペプチドホル モン基であり;k,r,u,z,X,Y,VおよびWは請求項1に定義されてい るようであり、これら化合物の塩および錯体であることを特徴とする化合物。 3.請求項2による薬学的に活性のある、一般式(I)で示される化合物におい て、 Aが、そのアミノ基を通じて天然のGnRHホルモン、あるいはその薬学的に 活性のある同族体であり、そしてk,r,u,z,X,Y,ZおよびWは、請求 項1に定義されている通りであり、同時にこれらの化合物の塩 および錯体であることを特徴とする化合物。 4.請求項3による、一般式(I)で示される薬学的に活性のある化合物におい て、 Aが以下のいずれかであり、 Glp−His−Trp−Ser−His−Asp−Trp−Lys−Pro−Gly−NH2, Ac−D−Trp1,3,D−Cpa2−D−Lys6,D−Ala10−GnRH, AC−D−Trp1,3,D−Cpa2−D−Lys5,[Asp(a−DEA)]6,Ala10−(Gl n8−GnRH), D−Phe2,D−Trp3,D−Lys6−GnRH, Lys5,cyclo(Asp6−Lys8)−GnRH−III, Lys4,[Lys(e−Fmoc)]8−GnRH−III, Lys4−GnRH−III, D−Lys6−GnRH, Lys5,D−Lys6−GnRH, これらはそのLys側鎖のe−アミノ基を通じてXまたはYに結合されており ;k,r,u,z,X,Y,V,およびWは請求項1に定義されている通りであ り、同時にこれらの化合物の塩および錯体であることを特徴とする化合物。 5.請求項1−4のいずれか1項による、一般式(I)によって示される薬学的 に活性のある化合物において、Xが4つの構成要素で構成されたオリゴペプチド 基、好ましくは−Gly−Phe−Leu−Gly−であり、k,r,u, z,A,Y,VおよびWは請求項1に定義されている通りであり、同時にこれら の化合物の塩および錯体であることを特徴とする化合物。 6.請求項1−4のいずれか1項による、一般式(I)で示される薬学的に活性 のある化合物において、Xは3つの構成要素によるオリゴペプチド基、好ましく は−Phe−Leu−Gly−または−Gly−Leu−Glyであり;そして、k,r,u ,z,A,Y,VおよびWで定義されている通りであり、同時にこれら化合物の 塩および錯体であることを特徴とする化合物。 7.請求項1−4のいずれか1項による、一般式(I)で示される薬学的に活性 のある化合物において、Xが−Ahx−基であり;そしてk,r,u,z,A,Y ,VおよびWは請求項1に定義されている通りであり、同時にこれらの化合物の 塩および錯体であることを特徴とする化合物。 8.請求項1〜4のいずれか1項による、一般式(I)で示される薬学的に活性 のある化合物において、rは0であり、そしてk,u,z,A,Y,VおよびW は請求項1〜4に定義されている通りであり、同時に、これら化合物の塩および 錯体であることを特徴とする化合物。 9.一般式(Ic): Y[Wu,V′z,(XOQ)r] (Ic) によって示される化合物において、 Yは、一般式(Ia)で示される分子部分を意味しており、さらにnは10〜40 0の範囲、好ましくは20〜200の範囲の整数であり;R1とR2の一方は水素原子で あり、他方は式(B)で示される基であり;R3は重合開始基、好ましくは(C H32CCNであり;Wは、オプションとしてはアルカリ金属イオン、好ましく はナトリムイオンで形成された塩としての水酸基であり;V′は、そのアミノ酸 を通じて結合されたC1−8、好ましくはC4−6のアルキルアミノ基であり; XはそのN−末端を通じて上記Y基に結合され、最大6つの構成要素で構成され たアミノ酸基またはオリゴペプチド基;OQはX基のC−末端状の活性化エステ ル基、好ましくはONp,OPcp,OpfpまたはONsu基であり;rは0−0.2n の範囲の整数であり;zは0から(n−r)の範囲の整数であり;そしてuはn から(2n−r−n)の範囲の整数であると同時に、これら化合物の塩であるこ とを特徴とする化合物。 10.請求項9による、請求項(Ic)で示される化合物において、Xが最大で4 つの構成要素によって構成されているオリゴヌクレオチド基、好ましくは−Gly −Phe−Leu−Gly−,−Gly−Phe−Gly−,−Phe−Leu−Gly−,または −Ahxであり;OQはONp基であり;k,r,u,z,A,Y,V′およびW が請求項9で定 義された通りであり、同時にこれらの化合物の塩であることを特徴とする化合物 。 11.活性成分として、請求項1〜8までのいずれか1項による一般式(I)で示 される新しい化合物を含んでいる化合物において、k,r,u,z,X,Y,V およびWは請求項1〜8のいずれか1項に定義されている通りであり、あるいは 、医薬品産業で一般的に用いられている担体および/または添加物と混合した、 薬学的に受け入れられるその塩または錯体であることを特徴とする化合物。 12.請求項3または4による、一般式(I)で示される化合物、医薬品産業で一 般的に用いられる担体および/または添加物と混合した、薬学的に受け入れられ るその塩または錯体で構成される腫瘍抑制性医薬品組成物。 13.活性成分として、一般式(I)で示される新しい化合物で構成される腫瘍抑 制性、および免疫刺激性医薬品組成物において、AがAc−D−Trp1,3,D−C pa2,Lys5,[Asp(′−DEA)]6,D−Ala10−(Gln8−GnRH)を意味し ており、k,r,u,z,X,Y,VおよびWは請求項1に定義されている通り であり、あるいは、医薬品産業で一般的に用いられている担体および/または添 加物と混合した、薬学的に受け入れられるその塩または錯体であることを特徴と する化合物。 14.一般式(IV): X−R1−R2−R3−R4−R5−R6−R7−R8−Pro−R10Y (IV) で示される化合物において: Xは、R1がGlyと違っている場合は水素、アセチル基、またはプロピオニ ル基;あるいはR1がpGluである場合は分子内酸アミド結合であり; R1はpGlu,Glu,D−Trp,D−Cpa,D−NalまたD−Pheであり; R2はHis、D−PheまたはD−Cpaであり; R3は、オプションとしてインドリル分子部分上に保護されているD−Cpa ,D−PalまたはL−またはD−Trpであり; R5はTyr;またはオプションとしてε−アミノ酸基上に保護されたLys; またはHisであり; R6はAsp,Glu,D−Lysおよびオプションとしてそのε−アミノメチル 化誘導体、およびD−Trp,D−Phe,D−Lue,D−Ala,またはD−Argで あり; R7はPhe,LeuまたはN−Me−Leu;またはオプションとしてインドリル 分子部分上に保護されたL−Trpであり; R8はオプションとしてε−アミノ基上に保護されたLys;Arg,Glnであ り:あるいはR6およびR8はR6がAspでありR8がLysを示す場合に分子内環で あり; R10はGly,D−Ala,あるいは原子価結合であり; そして YはR10がGlyまたはD−Alaを示す場合はOHまたはNH2であり、また R10が原子価結合である場合はエチルアミド基であり、同時に、薬学的に得られ るそれらの化合物の塩および/またはエステル類であることを特徴とする化合物 。 15. [Lys(ε−Fmoc)]5−GnRH−III, Lys6−GnRH−III, Lys5,cyclo(Asp6−Lys8)−GnRH−III, Lys5,[Lys(ε−Fmoc)]8−GnRH−III, Lys4,[Lys(ε−Fmoc)]8−GnRH−III, Lys4−GnRH−III, [Lys(ε−Ac)]4−GnRH−III, Glu6−GnRH−III, cyclo[Asp6−Lys8]−GnRH−III, D−Ala10−GnRH−III, H−D−Trp1,[Lys(ε−Fmoc)]8,D−Ala10−GnRH−III, Ac−D−Trp1,D−Ala10−GnRH−III, H−D−Trp1,D−Ala10−GnRH−III, [Trp(For−Ind)]3,7−GnRH−III, Phe7−GnRH−III, GnRH−III(1−9)−エチルアミド, Lys5,D−Trp6−hGnRH, Lys4,D−Trp6−hGnRH, H−Glu1,D−Trp6−hGnRH, Lys5,D−Phe6−hGnRH(1−9)−エチルアミド, Lys4,D−Phe6−hGnRH(1−9)−エチルアミド, Lys5,D−Cpa6−hGnRH(1−9)−エチルアミド; で構成されるグループから選択される請求項14の化合物、あるいは薬学的に受 け入れられるそれら化合物の塩およびエステル類。 16.活性成分として一般式(IV)で示される新しい化合物を含んでいる医薬品組 成物において、R1−R8,R10,XおよびYが請求項14に定義されている通り であり、あるいは医薬品産業で一般的に用いられている担体および/または添加 物と混合した、薬学的に受け入れられるそれらの塩またはエステルであることを 特徴とする医薬品組成物。 17.活性成分として、請求項15による化合物、または薬学的に受け入れられるそ の塩またはエステル類を含んでいる請求項16の医薬品組成物。
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