JPH0950715A - 通信ケーブル - Google Patents

通信ケーブル

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JPH0950715A
JPH0950715A JP22279495A JP22279495A JPH0950715A JP H0950715 A JPH0950715 A JP H0950715A JP 22279495 A JP22279495 A JP 22279495A JP 22279495 A JP22279495 A JP 22279495A JP H0950715 A JPH0950715 A JP H0950715A
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JP
Japan
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pair
pairs
end crosstalk
value
communication cable
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JP22279495A
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English (en)
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Yasushi Horie
靖 堀江
Kiyoshi Saito
清 齋藤
Kazuo Chiba
一夫 千葉
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周波数156MHzにおけるACR値を+1
0dBとして、156Mbpsの高速データ通信におい
て、良好な伝送特性を得る。 【解決手段】 通信ケーブル10は、集合撚り層12
と、シース層22とから成っている。集合撚り層12
は、4つの対14A乃至14Dを集合撚りして形成され
る。これらの4つの対のうち、任意に選択された2つの
対Ti 、Tj の撚りピッチPi 、Pj は、次の数式を満
足する領域から選択されている。 Pi <Pj の時は、Pi /Pj ≦0.8 Pi >Pj の時は、Pi /Pj ≧1.25

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速データ通信等
に用いられる通信ケーブルに関し、特に、複数の対を集
合撚りして形成された通信ケーブルの改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えば事務所やビル内等のように地域的
に限定された範囲で用いられる通信ケーブルとしては、
一般に、主に音声信号を伝送する屋内線若しくは構内ケ
ーブル、又は米国電子工業会/米国通信工業会(以下、
『EIA/TIA』という。)−568Aで規格が定め
られている10Mbpsまでのデータ伝送用の複数の対
を撚り合わせて成る通信ケーブルが用いられている。こ
れらの通信ケーブルにおいては、従来、隣り合う対を異
なる撚りピッチで撚り合わせたり、各対の撚りピッチ間
の関係が整数倍とならないように設定することにより、
漏話特性の向上を図っていた。
【0003】また、近年、事務所や商用ビルディング等
の構内配線システムにおいても、100Mbps程度の
高速データ通信の要求が高まってきていることに鑑み、
最近では、複数の対を撚り合わせて形成された100M
bpsまでのデータ伝送に使用することができる通信ケ
ーブルが、今後のマルチメディアアプリケーション対応
用として用いられている。この100Mbpsまでのデ
ータ伝送に使用することができる通信ケーブルについて
は、同様にEIA/TIA−568Aにおいてその標準
規格が定められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば、非同
期転送モードのコンピュータネットワーク(以下、『A
TM LAN』という)においては156Mbps程度
の高速データ通信が必要となる等、今後は更に100M
bps以上の高速データ通信の要求が高まる。このた
め、この100Mbps以上の、特に、ATM LAN
において必要な156Mbps程度の高速データ通信に
使用することができる通信ケーブルについて、減衰量、
近端漏話減衰量等の周波数特性を向上することが必要と
なる。
【0005】ここに、通信ケーブルの伝送特性を考慮す
る際しては、近端漏話減衰量の測定値(dB)から減衰
量の測定値(dB)を引いた値であるACR値が重要な
指標となる。すなわち、ディジタル信号を伝送する際に
は、0が1に又はその逆に伝送される等のデータの誤り
の発生率であるビットエラーレートが問題となり、この
ビットエラーレートが10-10 (100億回に1回のエ
ラー発生率)であることが良好なデータ伝送が可能とな
る目安となり、これはACR値で+10dBに相当す
る。このため、現状の100Mbpsまでの高速データ
通信に使用することができる通信ケーブルに関するEI
A/TIA−568Aのカテゴリー5において、通信ケ
ーブル100m、100MHzで+10dBのACR値
を確保している。
【0006】このEIA/TIA−568Aでは、10
0Mbpsを越える高速データ通信に関するACR値は
示されていないため、例えば、156Mbpsにおいて
はどの程度のACR値を確保すれば良好な伝送特性を得
ることができるかを検討する必要がある。この場合、E
IA/TIA−568Aにおいては、100Mbpsの
高速データ通信に関し、100MHzまでの周波数が規
格の上限であり、最大限100MHzで100Mビット
のデータを伝送する際のACR値が+10dBあればよ
いといことであるから、156Mbpsの高速データ通
信については、最大限156MHzにおけるACR値と
して、同様に+10dBを確保すれば、それ以下の周波
数におけるデータ伝送を含め、ほぼ必要な周波数帯域の
いずれにおけるデータ伝送についても、良好な伝送特性
を得ることができると考えられる。特に、ATM LA
Nでは、実際には、約50〜78MHzの周波数で15
6Mbpsのデータ伝送を行うため、この実用レベルの
周波数帯域においても確実に良好な伝送特性を確保する
ことができると考えられる。
【0007】本発明の課題は、上記の点に鑑み、近端漏
話減衰量を向上して通信ケーブル100mでの156M
HzにおけるACR値を+10dB以上とし、100M
bps以上の、特に、156Mbpsの高速データ通信
においても良好な伝送特性を得ることができる通信ケー
ブルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するための手段として、絶縁被覆された2芯の導体
を撚り合わせて成る複数の対を隣り合う対が異なる撚り
ピッチとなるように集合撚りして形成された通信ケーブ
ルにおいて、これらの複数の対のうち、任意に選択され
た2つの対Ti 、Tj の撚りピッチPi 、Pj が、下記
の数式を満足する領域から選択されていることを特徴と
する通信ケーブルを提供するものである。 Pi <Pj の時は、Pi /Pj ≦0.8 Pi >Pj の時は、Pi /Pj ≧1.25
【0009】複数の対の撚りピッチをこのように数値限
定すると、隣り合う対の撚りピッチが必ず異なり、しか
も、後に述べる実験例及び本発明の実施例に示すよう
に、各対が実験の結果得られた最適な値の撚りピッチで
撚り合わされているため、近端漏話減衰量が向上し、通
信ケーブル100mでの156MHzにおけるACR値
を+10dB以上とすることができ、100Mbps以
上の、特に、156Mbpsの高速データ通信において
も良好な伝送特性を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して詳細に説明すると、図1は本発明の通信ケーブル1
0を示し、この通信ケーブル10は、集合撚り層12
と、この集合撚り層12の上に設けられたシース層22
とから成っている。なお、シース層22は、例えば、ポ
リ塩化ビニル等から形成され、集合撚り層12を外部環
境から保護する。
【0011】集合撚り層12は、図1に示すように、複
数の対14を集合撚りして形成されている。図示の実施
の形態では、集合撚り層12は、4つの対14A乃至1
4Dから成っているが、必要に応じて他の適宜な数とし
てもよい。
【0012】各対14は、図1及び図2に示すように、
2つの絶縁電線16を撚り合わせて形成されている。こ
の絶縁電線16の各々は、特に図2に示すように、絶縁
体20により絶縁被覆された2芯の導体18から成って
いる。この導体18としては、例えば、軟銅線等を用い
ることができ、また、絶縁体20としては、例えばポリ
エチレン、ポリプロピレン等を用いることができ、特
に、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレンを用いる
と、低誘電率化することができるので好ましい。
【0013】これらの4つの対14A乃至14Dは、漏
話が生じないよう、隣り合う対14が異なる撚りピッチ
となるように撚り合わされている。従って、例えば、図
1に示す隣り合う対14Aと対14Bの一方の対14A
の撚りピッチPA と他方の対14Bの撚りピッチPB
異なり、このことは対14Bと対14C、対14Cと対
14D、また対14Dと対14Aとの間でも成立する。
すなわち対14Aの撚りピッチをPA 、対14Bの撚り
ピッチをPB 、対14Cの撚りピッチをPC 、対14D
の撚りピッチをPD とした場合、PA ≠PB 、PB ≠P
C 、PC ≠PD、PD ≠PA が常に成立する。なお、本
発明において、対14の撚りピッチとは、各対14を構
成する2つの絶縁電線16を撚り合わせるピッチをい
う。
【0014】本発明においては、これらの複数の対14
のうち、任意に選択された2つの対Ti 、Tj の撚りピ
ッチPi 、Pj が、下記の数式を満足する領域から選択
されている。 Pi <Pj の時は、Pi /Pj ≦0.8 Pi >Pj の時は、Pi /Pj ≧1.25
【0015】複数の対14の撚りピッチをこのように数
値限定して設定すると、後に述べる実験例及び本発明の
実施例から解るように、各対が実験の結果得られた最適
な値の撚りピッチで撚り合わされているため、近端漏話
減衰量が向上し、通信ケーブル100mでの156MH
zにおけるACR値を+10dB以上とすることがで
き、156Mbpsの高速データ通信において良好な伝
送特性を得ることができる。また、本発明の通信ケーブ
ル10においては、この数式を満たすために、複数の対
14は、全て異なる撚りピッチで撚り合わせれ、この結
果、隣り合う対14の撚りピッチも相互に異なることに
なる。
【0016】上記の数式、すなわち、複数の対14の撚
りピッチの関係について、例えば、図1を例に説明する
と、図1に示す実施の形態の通信ケーブル10は、4つ
の対14A乃至14Dを有しているため、これらの4つ
の対14A乃至14Dのうち、任意に選択された2つの
対14、例えば、対14Aと対14Bを選択した場合に
は、対14Aの撚りピッチPA と対14Bの撚りピッチ
B とが、PA <PBの時にはPB ≦0.8を、PA
B の時にはPA /PB ≧1.25を満足する領域から
選択されている。このことは、勿論、他の、例えば、対
14Aと対14C、対14Bと対14C等のいずれの対
14の組み合わせにおいても同様に成立し、図示の4つ
の対14A乃至14Dの場合には、計6通りの対14の
組み合わせのいずれについても成立する。
【0017】
【実施例】次に、上述した数式を導いた過程を実験例を
参照しながら説明すると共に、本発明の効果を実施例を
参照しながら立証する。
【0018】まず、外径が0.94mmである2つの絶
縁電線16を撚り合わせて形成された特性インピーダン
スが100Ωの4つの対14を、撚りピッチが相互に異
なるようにして集合撚りした通信ケーブル10におい
て、これらの4つの対14の撚りピッチの組み合わせを
変えて15の実験例を設定した。各実験例における対1
4の撚りピッチの具体的な値は、次の表1に示す通りで
ある。
【0019】
【表1】
【0020】この表1に示す各実験例につき、4つの対
14の全ての組み合わせ(1つの実験例につき対14の
組み合わせは、計6通り)について、近端漏話減衰量を
測定した。
【0021】次いで、対14の撚りピッチの組み合わせ
と、各組み合わせにおける近端漏話減衰量との関係を調
べた。
【0022】この場合において、対14の撚りピッチの
組み合わせを数値化する指標として、対14の撚りピッ
チの比を採用し、この対14の撚りピッチの比と近端漏
話減衰量との関係を調べた。これは、通常、近端漏話
は、対14の撚りピッチの比によって左右されると考え
られるためである。
【0023】
【表2】
【0024】また、対14の各組み合わせの近端漏話レ
ベルを示す指標は、以下のようにして定めた。すなわ
ち、表2に示すように、表1に示す各実験例における対
14の全ての組み合わせ(例えば、表1に示す実験例1
における対と対、対と対、対と対等の組み
合わせ)につき得られた近端漏話減衰量の測定値から、
EIA/TIA−568Aのカテゴリー5で定める規格
値を引いた値を算出し、これを各組み合わせにつき表2
に示す標準規格の全周波数帯域(表2に示す11の周波
数)にわたって求めた。そして、最悪の場合でも表2に
示すEIA/TIA−568Aのカテゴリー5で定める
規格値をクリアすることができるかが問題となるため、
対14の各組み合わせにつき、全周波数帯域において得
られた11通りの測定値−規格値の中から、最小値をも
って、各組み合わせの近端漏話レベルとした。
【0025】以上のようにして実験結果を数値化して、
その結果を得られた対14の撚りピッチの組み合わせ
と、各組み合わせにおける近端漏話減衰量との関係を図
3に示し、評価を行った。なお、1つの実験例につき対
14の組み合わせは6通りあり、これを15の実験例に
ついてデータを採取したため、計90のデータを得るこ
とができたが、例えば、実験例15については、表1に
示すように、4つの対14の撚りピッチの値が等しいた
め、計6通りある対14の組み合わせにつき得られた近
端漏話減衰量は全て重なり、プロットとしては1点のみ
に表示され(図3の横軸の1上のプロット参照)、ま
た、その他の対14の組み合わせにおいても、対14の
撚りピッチの比及び得られた近端漏話減衰量とも微小な
差であるものについては、プロットは重ねて示した。
【0026】この図3は、横軸に対14の撚りピッチの
比をとり、縦軸に表2に示す対14の各組み合わせにつ
き得られた近端漏話減衰量の測定値からEIA/TIA
−568Aのカテゴリー5で定める規格値を引いた値の
全周波数帯域の中での最小値をとって、各実験例におけ
る対14の組み合わせの近端漏話減衰量の評価を示した
ものである。
【0027】従って、この図3において、縦軸がOdB
以上の時には、測定値が規格値以上であったことを示し
(すなわち、測定値≧規格値)、規格値をクリアしてい
ることを示す。しかも、この場合、図3における各プロ
ットは、対14の各組み合わせにつき、全周波数帯域に
おいて得られた近端漏話減衰量の測定値から規格値を引
いた値の中での最小値を示しているため、このプロット
が縦軸のOdB以上にある場合には、その対14の組み
合わせにおいては、他の全ての周波数帯域においても規
格値をクリアすることができることを示している。
【0028】また、この図3の横軸は、対14の撚りピ
ッチの比、すなわち、例えば、一方の対TI の撚りピッ
チをPI と、他方の対TIIの撚りピッチをPIIとする
と、PI /PIIを示しているため、横軸が1より小さい
場合には、PI <PIIであることを示し、横軸が1より
大きい場合には、PI >PIIであることを示している。
なお、表2に示すように、実験例15の対14の撚りピ
ッチは、全て15mmに等しく設定しているため(すな
わち、PI =PII)、この実験例15における対14の
組み合わせに関するプロットは、図3に示すように、横
軸の1上に表示される一方、その他の実験例1乃至実験
例14については、対14の撚りピッチは、全て異なる
ように設定しているため、これらの実験例1乃至実験例
14においてPI /PII=1となることはあり得ず、図
3においても、実験例15における対14の組み合わせ
以外に関するデータは、全て横軸の1以外の箇所にプロ
ットされている。
【0029】この図3に示した実験結果の評価に際して
は、まず、近端漏話減衰量の測定値がEIA/TIA−
568Aのカテゴリー5で定める規格値に対し+9dB
のマージンを有することができる対14の組み合わせを
模索した。この+9dBというマージンを設定した理由
は、以下の通りである。
【0030】本発明においては、前述したように、15
6MbpsのATM LAN等の高速データ通信におい
て良好な伝送特性を得るために、156MHzにおける
ACR値(近端漏話減衰量−減衰量)を+10dBとす
る必要がある。そこで、まず、そのためには、どの程度
の近端漏話減衰量を確保すれば良いかを模索する必要が
ある。なお、ACR値で+10dBを確保するために
は、近端漏話減衰量又は減衰量のいずれか一方又は双方
の特性を向上する必要がある。すなわち、近端漏話減衰
量を大きくするか、減衰量を小さくするか、あるいはそ
れら双方を行うが、通信ケーブル10においては、減衰
量を低減するためには、遮蔽体等の別途の構成要素を必
要とすること、その一方で、一般に、近端漏話減衰量は
対14の撚りピッチを適切に選択することによって向上
することができ、また、通信ケーブル10においては主
に近端漏話が問題となり近端漏話特性を充分に向上する
必要があることから、本発明においては、近端漏話減衰
量の向上によって、この目標を達成することに主眼を置
いた。
【0031】ここに、通信ケーブル10の減衰量及び近
端漏話減衰量に関しては、EIA/TIA−568Aの
カテゴリー5において、下記の数式により、標準規格が
定められている。 減衰量:ATT(f)=K1・√(f)+K2・f+K3/√
(f) 近端漏話減衰量:NEXT(f) =NEXT(0.772) −15l
og(f/0.772) なお、上記の数式において、K1、K2、K3は定数であり、
それぞれ、K1=1.967、K2=0.023 、K3=0.050 を示
す。また、fは周波数(単位:MHz)を示す。
【0032】この標準規格は、周波数100MHzまで
の範囲に限定して適用されるものであり、ここに、実証
として、周波数100MHzを上記数式に代入して10
0MHzにおける減衰量及び近端漏話減衰量を算出して
みる。まず、減衰量は、ATT(100)=K1・√(100) +K2・
100 +K3/√(100) =21.97から21.97dBで
ある。また、近端漏話減衰量は、NEXT(100) =NEXT(0.7
72) −15log(100/0.772)=64−31.68≒3
2から32dBとなり、表2に示すEAI/TIA−5
68Aのカテゴリー5で定める100MHzでの標準規
格の通りである(表2参照)。なお、近端漏話減衰量に
関する数式において、『NEXT(0.772)』は、この表2
の最上段に示す数値から『64』となる。
【0033】次に、これらの減衰量及び近端漏話減衰量
の値から、100MHzにおけるACR値(NEXT(100)
−ATT(100))を求めると、32−21.97=10.0
3(dB)となることから、周波数100MHzにおい
ては、このEIA/TIA−568Aのカテゴリー5に
定める標準規格を満足すれば、確かに、+10dBのA
CR値を確保ができることが解る。
【0034】上記標準規格における数式は、周波数10
0MHzまでの範囲に限定して適用されるものである
が、次に、同様にして、上記数式に周波数156MHz
を代入して156MHzにおける減衰量及び近端漏話減
衰量を算出すると、減衰量は、ATT(156)=K1・√(156)
+K2・156 +K3/√(156) =28.16から28.16
dBであり、近端漏話減衰量は、NEXT(156) =NEXT(0.7
72) −15log(156/0.772)=64−34.58=2
9.42となる。このため、ACR値は、29.42−
28.16=+1.26(dB)となり、+10dBに
は全く及ばない。
【0035】従って、156MHzの周波数において、
+10dB以上のACR値を確保するためには、単に、
上記標準規格の数式通りの近端漏話減衰量を確保するだ
けでは足りず、周波数100MHzにおける規格値より
近端漏話減衰量を更に向上する必要があることが判明し
た。ここに、上記の通り、周波数156MHzにおける
減衰量の規格値は、ATT(156)=28.16(dB)であ
ることから、周波数156MHzにおいてACR値を+
10dB以上とするためには、28.16+10.0=
38.16(dB)より、近端漏話減衰量を38.16
dB以上とする必要がある。
【0036】そこで、この38.16dBという近端漏
話減衰量が、EIA/TIAで定める標準規格に照らし
て、どの程度のマージンであるかを考慮すると、上記標
準規格に定める数式によって算出した周波数156MH
zにおける近端漏話減衰量は、NEXT(156) =29.42
(dB)であることから、38.16−29.42=
8.74≒9(dB)となる。従って、近端漏話減衰量
として、EIA/TIA−568Aのカテゴリー5で定
める規格値に対して、+9dBのマージンを持たせるこ
とができれば、周波数156MHzにおけるACR値と
して、+10dBを確保することができると考えられ
る。
【0037】このため、図3において、規格値に対し、
この+9dBのマージンを持つことができる対14の組
み合わせを模索したところ、図3の斜線領域に示すよう
に、撚りピッチの比(PI /PII)が、PI <PIIの時
には(すなわち、横軸が1より小さい場合)、0.8以
下(PI /PII≦0.8)となる対14の組み合わせで
あることが判明した。
【0038】また、前述したように、PI とPIIの大小
関係を逆転して捉え、PI >PIIとした場合にも、近端
漏話減衰量の値は等しく、かつ、この場合の撚りピッチ
の比は、丁度逆数の関係になる。このことから、PI
IIの場合には、PI /PII≦0.8であれば規格値+
9dBという基準をクリアするということは、その逆の
I >PIIの場合には、この0.8という数値の逆数、
すなわち1.25をとって、PI /PII≧1.25の範
囲内であれば、同様に、規格値+9dBという基準をク
リアすることができる。実際に、図3においても、その
斜線領域に示すように、撚りピッチの比(PI /PII
が、PI >PIIの時には(すなわち、横軸が1より大き
い場合)、1.25以上(PI /PII≧1.25)の範
囲内では、規格値+9dBという基準をクリアしている
のを確認することができる。
【0039】この場合、1つの通信ケーブル10内にお
ける、いずれの対14の組み合わせにおいても、この図
3の斜線領域に示す範囲に含まれるように選択しなけれ
ば、良好な伝送特性を得ることができない。そこで、1
つの通信ケーブル10内において任意に選択された2つ
の対14の組み合わせが、図3の斜線領域の範囲に含ま
れるように、上記の撚りピッチPI 、PIIを任意に選択
された2つの対Ti 、Tj の撚りピッチPi 、Pj と置
き換えて、 Pi <Pj の時は、Pi /Pj ≦0.8 Pi >Pj の時は、Pi /Pj ≧1.25 という数式を導いたのである。
【0040】上記の数式は、4つの対14を用いて実験
した結果導き出されたものであるが、この数式は、対1
4の各組み合わせに関する数式であるため、1つの通信
ケーブル10内における対14の数には左右されず、い
ずれの対14の組み合わせをとっても、この数式を満た
すようにすれば、勿論、4つの以外の他の数の対14を
集合撚りする場合でも、良好な伝送特性を得ることがで
きる。
【0041】なお、このように、周波数156MHzに
おけるACR値を+10dBとするために、近端漏話減
衰量を向上させるに際して、対14の撚りピッチを適切
に選択する方法をとったのは、細径、軽量で、充分な可
撓性を備えつつ、高速データ通信において、良好な伝送
特性を得るためである。すなわち、各対14毎にシール
ドを施して各対14間の絶縁性を向上して近端漏話減衰
量を向上することも考えられるが、これでは、通信ケー
ブル10の直径が大きく、また、重量も重くなる上に、
通信ケーブル10にある程度必要とされる可撓性に欠け
る問題が生じ、更には、コストアップにもつながるから
である。
【0042】Pi <Pj の時はPi /Pj ≦0.8、P
i >Pj の時はPi /Pj ≧1.25という数式は、以
上のようにして導き出されたものであるが、次に、この
数式を満足する領域から、対14の撚りピッチを選択し
た本発明の実施例を挙げて、その効果を立証する。
【0043】具体的には、外径0.511mmの軟銅線
から成る導体18に、ポリエチレンから成る絶縁体20
を被覆した外径0.94mmの絶縁電線16から成る4
つの対14を用いて、図1に示すように、集合撚り層1
2とシース層22とを有する通信ケーブル10を製造し
た。
【0044】この場合において、各対14の撚りピッチ
は、上記の数式を満たす範囲から次のようにして選択し
た。まず、4つの対14の撚りピッチの最小値P1 をP
1 =10.0mmと設定し、以下、できるだけ小さい撚
りピッチを選択して4つの対14の撚りピッチの最大値
をできるだけ小さくすべく、上記数式を相互に満足する
範囲での最小値を順次選択していくことにした。
【0045】すなわち、撚りピッチの最小値P1 の次に
大きい撚りピッチP2 (4つの対14の撚りピッチの中
で、2番目に小さく、3番目に大きい撚りピッチ)は、
2/P1 ≧1.25より、P2 ≧1.25×P1
1.25×10≧12.5mmとなり、12.5mm以
上の中での最小値、すなわち、12.5mmと設定し
た。同様にして、その次に大きい撚りピッチP3 は、P
3 ≧1.25×P2 より16.0mmと、また撚りピッ
チの中の最大値P4 は、P4 ≧1.25×P3 より、2
0.0mmと設定した。このようにして、4つの対14
の撚りピッチP1 乃至P4 をそれぞれ10.0mm、
12.5mm、16.0mm、20.0mmに設
定した。また、このように設定していくことにより、対
14のすべての組み合わせにおいて、上記数式を満足す
ることができる。
【0046】以上の実施例につき、まず、対14の全て
の組み合わせ(合計6通り)につき、近端漏話減衰量を
測定し、その結果を図4に示した。具体的には、対14
の各組み合わせにつき、表2に示すEIA/TIA−5
68Aのカテゴリー5で定める全周波数帯域(表2に示
す11の周波数)と、本発明において問題となる156
MHzの計12の周波数において、近端漏話減衰量を測
定した。この図4から解るように、対14のいずれの組
み合わせに関する近端漏話減衰量をとっても、全周波数
帯域にわたってEIA/TIA−568Aのカテゴリー
5で定める規格値に対し+9dBのマージンを確保する
ことができ、特に、156MHzにおける近端漏話減衰
量も規格値に対して+9dBのマージンを確保すること
ができるのが解る。
【0047】次に、このようにして対14の組み合わせ
につき得られた近端漏話減衰量を基に、ACR値を算出
した。この場合、周波数が増加するに従い、減衰量は増
加し、近端漏話減衰量は減少するため、近端漏話減衰量
から減衰量を差し引いた値であるACR値は、通常、そ
の対14における最高の使用周波数において最小値とな
ることから、最高の周波数におけるACR値が+10d
B以上であれば、他の周波数においてもACR値として
+10dBを確保することができると共に、最高の周波
数において近端漏話減衰量の値が最小であった対14の
組み合わせに関するACR値が+10dB以上であれ
ば、他の対14の組み合わせについても、+10dB以
上のACR値を確保することができると考えられる。こ
のため、図4に示す近端漏話減衰量のうち、最高の周波
数である156MHzにおける近端漏話減衰量の値が最
小であった対14の組み合わせ(すなわち、図4に示す
ように、16.0mmと20.0mmの対14の組
み合わせ)につき、各周波数毎にACR値を算出して、
これを図5に示した。
【0048】この図5から解るように、いずれの周波数
においても、ACR値として、+10dB以上を確保す
ることができた。この場合、この図5に示すACR値
は、最高の周波数156MHzにおける近端漏話減衰量
の値が最小であった対14の組み合わせに関するACR
値を示したものであるため、図5に示すACR値の最小
値が+10dB以上という目標を達成しているというこ
とは、すなわち、他の対14の組み合わせについても、
いずれの周波数においてもACR値として+10dB以
上を確保することができることを示している。
【0049】また、図5から解るように、特に問題とな
る周波数156MHzにおけるACR値についても、+
10dB以上を確保することができた。このため、本発
明に示す対14の撚りピッチの範囲から選択すれば、1
56Mbpsの高速データ通信において良好な伝送特性
を得ることができることが解る。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、複数の
対の撚りピッチをこのように数値限定しているため、隣
り合う対の撚りピッチが必ず異なり、しかも、各対が実
験の結果得られた最適な値の撚りピッチで撚り合わされ
ているため、近端漏話減衰量が向上し、通信ケーブル1
00mでの156MHzにおけるACR値を+10dB
以上とすることができ、100Mbps以上の、特に1
56Mbpsの高速データ通信においても良好な伝送特
性を得ることができる実益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信ケーブルの断面図である。
【図2】本発明に用いられる対の断面図である。
【図3】本発明に関する実験例における対の組み合わせ
につき得られた近端漏話減衰量と、対の撚りピッチの比
との関係を示すプロット図である。
【図4】本発明の実施例における対の組み合わせにつき
得られらた近端漏話減衰量の測定値を示したプロット図
である。
【図5】本発明の実施例における対の組み合わせにつき
得られたACR値を示すプロット図である。
【符号の説明】
10 通信ケーブル 12 集合撚り層 14 対 16 絶縁電線 18 導体 20 絶縁層 22 シース層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁被覆された2芯の導体を撚り合わせ
    て成る複数の対を隣り合う対が異なる撚りピッチとなる
    ように集合撚りして形成された通信ケーブルにおいて、
    前記複数の対のうち、任意に選択された2つの対Ti
    j の撚りピッチPi 、Pj が、下記の数式を満足する
    領域から選択されていることを特徴とする通信ケーブ
    ル。 Pi <Pj の時は、Pi /Pj ≦0.8 Pi >Pj の時は、Pi /Pj ≧1.25
JP22279495A 1995-08-09 1995-08-09 通信ケーブル Pending JPH0950715A (ja)

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