JPH09507014A - 拡散スペクトル通信システムにおけるコヒーレント通信受信方法および装置 - Google Patents

拡散スペクトル通信システムにおけるコヒーレント通信受信方法および装置

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JPH09507014A JP8511728A JP51172896A JPH09507014A JP H09507014 A JPH09507014 A JP H09507014A JP 8511728 A JP8511728 A JP 8511728A JP 51172896 A JP51172896 A JP 51172896A JP H09507014 A JPH09507014 A JP H09507014A
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Abstract

(57)【要約】 コヒーレント通信受信を容易にする方法および装置が提供される。受信された基準記号符号化拡散スペクトル通信信号は、拡散符号により拡散解除され、基準サンプルのストリーム152と、データ・サンプルのストリーム158とが導出される。基準サンプルのストリーム152を利用することにより、チャネル応答が推定される。オフセット周波数デコーダ443が、周波数ロック・ループ456を介して被受信信号に印加されるオフセットを決定し、タイミング制御176が基準サンプルのストリーム152および/またはデータ・サンプルのストリーム158から導かれた電力推定値に基づいて、低速のタイミング・ドリフトおよび高速のフェーデイングを補正する。速度推定器は、情報が符号化された速度を判定し、その速度情報を用いて、タイミング制御176,周波数オフセット・デコーダ443およびチャネル推定器154を最適化する。これにより、受信されたデータ・サンプルのストリーム158からの被推定データ記号の検出の改善が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】 拡散スペクトル通信システムにおける コヒーレント通信受信方法および装置 本出願は、1994年10月4日出願の米国特許出願第08/317,501 号の部分継続出願である。 発明の分野 本発明は、拡散スペクトル信号を採用する通信システムに関し、さらに詳しく は、拡散スペクトル通信システムにおけるコヒーレント通信受信方法および装置 に関する。 発明の背景 通信システムには多くの形態がある。通信システムの1種に、多重接続拡散ス ペクトル・システムがある。拡散スペクトル・システムにおいては、被送信信号 が通信チャネル内の広い周波数帯域に拡散される変調法が利用される。この周波 数帯域は、送出される情報を送信するために要する最小帯域幅よりもはるかに広 い。たとえば、音声信号は、情報そのものの帯域幅のわずか2倍の帯域幅で振幅 変調(AM)により送出することができる。低偏差周波数変調 (FM)または単側帯波AMなどの他の形態の変調でも、情報そのものの帯域幅 と同等の帯域幅内で情報を送信することができる。しかし、拡散スペクトル・シ ステムにおいては、送信される信号の変調には、わずか数キロヘルツの帯域幅を もつベースバンド信号(たとえば音声チャネルなど)を取り入れて、送信される 信号を何メガヘルツもの広さの周波数帯域上に分配する工程が含まれることが多 い。送出されるべき情報と広帯域の符号化信号とで送信される信号を変調するこ とにより、これが実行される。 一般的な拡散スペクトル通信法には3種類あるが、これらは直接順序変調と、 周波数および/または時間ホッピング変調と、チャープ変調である。直接順序変 調では、情報信号の帯域幅よりもはるかにビット速度の高いデジタル符号シーケ ンスにより搬送波信号が変調される。 情報(すなわち、音声および/またはデータで構成されるメッセージ信号)は 、いくつかの方法で直接順序拡散スペクトル信号に埋め込むことができる。1つ の方法は、拡散変調に用いる前に、情報を拡散符号に追加することである。送出 される情報は、拡散符号に追加する前にデジタル形式にしなければならないこと に留意すること。これは拡散符号と情報,バイナリ符号の組み合せには、モジュ ーロ2(排他的論理和)加算が含まれることが多いためである。あるいは、情報 またはメッセージ信号を用いて、拡散前に搬送波を変調することもできる。 このような直接順序拡散スペクトル通信システムは、多重接続通信システムと して容易に設計することができる。たとえば、拡散スペクトル・システムを直接 順序符号分割多重接続(DS-CDMA)システムとして設計することができる 。DS-CDMAシステムでは、2つの通信ユニット間の通信は、各々の被送信 信号を独自のユーザ拡散符号を有する通信チャネルの周波数帯域上にに拡散する ことにより行われる。その結果、被送信信号は、通信チャネルの同一の周波数帯 域内にあり、独自のユーザ拡散コードでのみ隔てられる。これらの独自のユーザ 拡散コードは、好ましくは互いに直交しており、拡散符号間の相互相関がほぼゼ ロになる。 特定の被送信信号は、通信チャネルから回収しようとするその被送信信号に関 わるユーザ拡散符号で、その通信チャネル内の信号の和を表す信号の拡散を解除 する(despread)ことにより通信チャネルから回収することができる。さらに、 ユーザ拡散符号が互いに直交する場合には、回収された信号は特定のユーザ拡散 符号と相関することができるので、その特定の拡散符号に関わる所望のユーザ信 号だけが強化され、他のすべてのユーザに関する他の信号は強化されない。 DS-CDMA通信システム内でデータ信号を互いに分離するために用いるこ とのできる異なる拡散符号がいくつか存在することは、当業者には理解頂けよう 。これらの拡散符 号には、疑似雑音(PN)符号およびウォルシュ符号(Walsh code)などが含 まれる。ウォルシュ符号は、アダマール行列の1行または1列に相当する。 さらに、拡散符号を用いて、データ信号をチャネル符号化することができるこ とも、当業者には理解頂けよう。データ信号は、被送信信号が雑音,フェーディ ング,通信妨害などの種々のチャネル障害の効果により耐えうるようにすること で、通信システムの性能を改善するためにチャネル符号化される。通常、チャネ ル符号化を行うと、ビット誤りの確率が下がり、さらに/あるいは、普通は雑音 密度あたりの誤りビットとして表現される所要の信号対雑音比(すなわち情報ビ ット当りのエネルギと雑音スペクトル密度の比として定義されるEb/N0)が下 がり、チャネル符号化を行わない場合にデータ信号を送信するために必要とされ るより広い帯域幅を使うという犠牲を払って信号を回復する。たとえば、ウォル シュ符号を用いて、次の送信のためにデータ信号を変調する前にそのデータ信号 をチャネル符号化することができる。同様に、PN拡散符号を用いて、データ信 号をチャネル符号化することもできる。 しかし、チャネル符号化のみでは、特定数の(すべてが最低の信号対雑音比を 有する)同時通信をシステムが処理できることを必要とするある種の通信システ ム設計に関しては、所要の信号対雑音比を提供することができない。このような 設計上の制約は、場合によっては、通信システム が非コヒーレント受信技術を用いずに被送信信号をコヒーレント検出するよう設 計することで満たされる。コヒーレント受信機は、同じビット誤り率を有する非 コヒーレント受信機よりも小さい信号対雑音比(Eb/N0で)を必要とすること (すなわち、特定の設計上の制約が受容範囲内の干渉レベルを示す)は当業者に は理解頂けよう。簡単に述べると、レイリー・フェーデイング・チャネル(Ray leigh fading channel)に関してこれらの間には3デシベル(dB)の差がある 。コヒーレント受信機の利点は、ダイバーシティ受信が用いられた場合にさらに 明白であるが、これは非コヒーレント受信機に関して合成損失が常に存在するの に対して、最適なコヒーレント受信機については合成損失が存在しないからであ る。 被送信信号のコヒーレント検出を容易に行うための方法に、パイロット信号を 用いる方法がある。たとえば、セルラ通信システムにおいては、順方向チャネル またはダウンリンク(すなわち基地局から移動ユニットに向かう方向)は、基地 局がパイロット信号を送信するとコヒーレント検出することができる。次に、す べての移動ユニットがパイロット・チャネル信号を用いて、チャネル位相と強度 パラメータの推定を行う。しかし、逆方向のチャネルまたはアップリンク(すな わち移動ユニットから基地局へ)については、このような共通のパイロット信号 を用いることができない。その結果、当業者はアップリンク通信には非コヒー レント検出法のみが適していると考えることが多い。 コヒーレント・アップリンク・チャネルの必要性に関する解決策は、本出願と 共にモトローラ社に譲渡されたFuyun Ling出願の米国特許第5,329,54 7号に見られる。この特許は、拡散と送信に先立ち情報データストリーム内に基 準ビットを導入して、次にチャネル応答の推定を行う際にこれらの基準サンプル を抽出し使用する方法を開示する。この推定されたチャネル応答を用いて、推定 されたデータ記号をコヒーレント検出する。 この解決策によりコヒーレント検出が可能になるが、より多くのあるいはより 少ない標準同期および速度検出技術が用いられることになる。しかし、このよう な技術は、既知の同期パターンを利用せず、この既知の同期パターンを利用すれ ばさらに改善することのできる受信機性能に対して障害が加わる。このような問 題には、周波数オフセット,「ファット」フィンガ・フェーディング(fat fing er fading)およびπ/4QPSK(四相移相変調)同期がある。周波数オフセ ットは、たとえば水晶発振器が不正確なために送信機/受信機のクロックが完全 にロックされない場合や、ドップラ周波数シフトが大きい場合(野外を高速で移 動する自動車などからの場合)に起こる。「ファット」フィンガとは、1チップ 未満の差分遅延を有する光線(ray)を2つ以上発射する復調器回路のフィンガで ある。「ファット」フィンガがある種の補正なしに起こると、そのフィンガが より弱い光線に集中して、信号品質が結果として低下することがある。さらに、 速度検出がすべての音声速度下に常に占有されるフレームのみ(すなわち1/8 速度の音声符号化中に励起されるフレーム)に制約されたり、あるいはすべての フレーム上で実行されると、速度判定に誤りが非常に起こりやすくなり、その結 果、信号獲得とチャネル推定を低下させる。そのため、これらとその他の問題を 補正する改善されたコヒーレント通信システムが必要である。 図面の簡単な説明 第1図は、本発明による好適な実施例の通信システムを示すブロック図である 。 第2図は、第1図に示される通信システムと共に用いられる好適な実施例の通 信チャネル・フレーム構造である。 第3図は、第1図に示される受信機に用いられる好適な実施例の受信機フロン トエンドおよびサンプラを示すブロック図である。 第4図は、第1図に示される受信機に用いられる好適な実施例の復調回路構成 を示すブロック図である。 第5図は、第1図に示される受信機に用いられる第2実施例の復調回路構成を 示すブロック図である。 第6図は、第1図に示される受信機に用いられる好適な実施例のバッファおよ びタイミング制御を示すブロック図 である。 第7図は、第1図に示される受信機に用いられる好適な実施例の電力推定器お よびタイミング制御回路構成を示すブロック図である。 第8図は、第1図に示される通信システムに用いられる異なる速度における通 信チャネル・フレーム構造である。 第9図は、第1図に示される受信機に用いられる好適な実施例の速度推定およ びチャネル推定回路構成を示すブロック図である。 第10図は、第1図に示される受信機において速度推定およびチャネル推定を 行う好適な実施例の方法を示す流れ図である。 第11図は、第10図の速度推定方法を用いた場合の被受信信号とその被濾波 セグメントを示す。 第12図は、第1図に示される受信機内でのチャネル推定出力の比較を示すグ ラフである。 第13図は、第1図に示される受信機内でのタイミング推定出力の比較を示す グラフである。 好適な実施例の説明 以下の説明では、アップリンクDS-CDMA通信に関する改善が提示される 。この方法では、基準記号に基づくチャネル推定によるコヒーレント検出、特に 被受信信号を最適 に検出するための改善されたタイミング,周波数および速度推定技術が採用され る。他の種類の通信システム(たとえばパーソナル通信システム,被中継システ ム,衛星通信システム,データ網など)も、本件で説明される原理を用いるため に適用および/または設計することができることは、当業者には理解頂けよう。 アップリンクDS-CDMA通信にコヒーレント検出を適用することにより、非 コヒーレント検出技術に比較して信号品質における大きな利得(Eb/N0)が得 られることはすでに示されている;以下に説明する改善点により、受信機の同期 とチャネル推定の強化を通じて、さらに大きな性能上の利得が得られる。 効果的なコヒーレント検出を実行するためには、正確なチャネル推定値を得る ことが必要である。基本的には2種類のチャネル推定方法がある:すなわちデー タ準拠法と基準準拠法である。データ準拠チャネル推定は、意志決定指向のもの と非意志決定指向のものとして実現することができる。DS-CDMAアップリ ンク通信については、チャネル推定器は、低い信号対雑音比で動作しなければな らず、フェーディングは比較的速い。その結果、意志決定指向の方法は、意志決 定誤り率が高くなるために適当ではない。一方、A.J.ViterbiおよびA.M.V iterbiが「Nonlinear Estimation of PSK-Modulated Carrier Phase wi th Application to Burst Digital Transmission」(IEEE Trans.on Info.Theory,Vol.IT-29, No.4,pp.543-551;1983年7月)という記事に記述したものなどの非意 志決定指向の方法は、常に位相上のアンビギュイティ、たとえばチャネル推定値 において、二相移相変調(BPSK)信号化については180度のアンビギュイ ティ、四相移相変調(QPSK)信号化については90度のアンビギュイティを 有する。その結果、この効果を除去するために差分符号化を用いることが必要に なる。しかし当業者には認識頂けるように、レイリー・フェーディング・チャネ ル上を送信される差分符号化された信号を有する通信システムにおいては、コヒ ーレント検出をもってしても、差分符号化されない移相変調(PSK)信号化よ り3dB以上高いEb/N0を必要とする。 意志決定の誤りと位相のアンビギュイティの問題を解決するための方法の1つ は、チャネル推定に基準記号を用いることである。基準記号に準拠したチャネル 推定を以下に説明する。受信機に既知の基準記号が、被符号化記号となるデータ ・ビットを内包する情報のシーケンスに挿入される。受信機では、基準記号に相 当する被受信信号サンプルがチャネル推定値生成のために使用される。基準記号 は、コヒーレント直接順序拡散スペクトル受信機に既知であるので、意志決定の 誤りが起こることはなく、その結果得られるチャネル推定値にも位相のアンビギ ュイティは起こらない。その結果、差分符号化されない信号を有する強固な通信 システムが提供される。 挿入された基準記号は、ブロック毎に編成されるか、あるいは均等に配分する ことができる。フラット・フェーディング・チャネルにおいては、基準記号を周 期的に均等にデータ・ストリーム内に挿入することが望ましい。フロントエンド 処理のためにRAKE受信機を有するDS-CDMAアップリンクについては、 各々のRAKE「フィンガ」の出力をフラット・フェーデイングされた信号とし て扱うことができる。そのため、好適な実施例の通信システムは、符号化された M個のデータ記号毎に1つの基準記号を均等に挿入する。 RAKE受信機の基本的動作は、R.PriceおよびP.E.Green,Jr.による 「A Communication Technique for Mutipath Channels」(Proceedings o f the IRE,1958年3月;pp555-570)の記事に説明される。簡潔には、 RAKE受信機は、被受信信号に特徴的な多重経路の継続的で詳細な測定を実行 する。この知識が活用されて、相関法を用いて各経路から個別に信号を検出し、 これらの反響信号を1つの被検出信号に合成することにより、選択的フェーディ ングを克服する。 第1図を参照して、コヒーレント通信拡散スペクトル通信システムのためのシ ステムが図示される。以下に開示される好適な実施例の受信機をよりよく理解す るために、この受信機と共に用いると有利な好適な送信機を先に説明する。通信 システムの送信機101の符号化および挟み込み 部分104から始まり、トラフィック・チャネル・データ・ビット102が特定 のビット速度(たとえば毎秒9.6キロビット)でエンコーダに入力される。入 力されたトラフィック・チャネル・データ・ビットには、ボコーダによりデータ に変換される音声,純粋なデータ(ビデオを含む),これら2種類のデータの組 み合せなどが含まれる。エンコーダは、入力データ・ビット102を、一定の符 号化速度(1/r)で、符号化アルゴリズムにより符号化する。このアルゴリズ ムは、その後の、被受信データ・サンプルのデータ・ビットへの最大確率解読を 容易にする(たとえば重畳またはブロック符号化アルゴリズム)。たとえば、エ ンコーダは、入力データ・ビット102(たとえば9.6キロビット/秒の速度 で受信された192個の入力データ・ビット)を、1データ・ビット対3個の符 号化されたデータ・ビット(すなわち1/3)の一定の符号化速度で符号化して 、エンコーダはデータ・ビット、たとえば28.8キロビット/秒の速度で出力 される576個のデータ・ビットを出力する。これらのデータ・ビットは、次に インターリーバ(interleaver)に入力され、このインターリーバはこれらのデ ータ・ビットをブロック(すなわちフレーム)に編成し、入力データ・ビットに ブロック挟み込みを行う。インターリーバでは、データ・ビットは、所定のサイ ズのブロックのデータ・ビットを定義する行列に個々に入力される。データ・ビ ットは、行列が行毎に埋まるように行列 内の位置に配置される。データ・ビットは、行列が行毎に空になるよう行列内の 位置から個々に出力される。通常、行列は、列の数に等しい数の行を有する正方 形の行列である。しかし、連続的に入力された挟み込まれないデータ・ビット間 の出力挟み込み距離を大きくするために他の行列の形態を選択することもできる 。挟み込まれたデータ・ビット110は、インターリーバに入力されたのと同じ データ・ビット速度(たとえば28.8kb/s(キロビット/秒))でエンコーダ /インターリーバ104により出力される。行列により定義される所定のサイズ のデータ・ビットのブロックは、所定の長さの送信ブロック内で符号化されたビ ット速度で送信することができる最大数のデータ・ビットから導かれる。たとえ ば、データ・ビットがエンコーダから28.8キロビット/秒の速度で出力され 、所定長の送信ブロックが20ミリ秒とすると、所定のサイズのデータ・ビット のブロックは、28.8キロビット/秒に20ミリ秒を掛けたもので、18x3 2の行列を規定する576個のデータ・ビットとなる。 挟み込まれたデータ・ビット110は、次に基準ビット挿入器112に入力さ れ、挿入器112はL個の既知の基準ビット対(ボコーダから、図示されたケー スではエンコーダ104を介して速度情報105を受信する同期ビット発生器1 1により生成される)をM個の挟み込まれたデータ・ビット対110毎に挿入す る。以下の説明を簡単にするた めに、(第2図に示されるように)L=1,M=3として、4記号のグループを 作るとする。L,Mは、本発明の範囲と精神を逸脱せずに任意の数とすることが できることは、当業者には理解頂けよう。好適な実施例においては、挿入された 基準ビットは、所定のシーケンスを形成する値を有し、このシーケンスから受信 機は適切な速度情報を決定することができる。そのため、たとえば、フレーム毎 に24個の記号からなる16の電力制御グループのIS-95様の構造を、本発明の 基準ビット構造(たとえば、それぞれ1個の基準記号(L=1)と3個のデータ 記号(M=3,ただしMは基準ビット対間のデータ・ビット対の数)という6個 のセグメントを有する各電力制御グループ)を用いる場合には、以下のシーケン スを用いることができる:1)全速度については基準記号(r0〜r95,すなわち 16の電力制御グループについてすべての(それぞれ6個)値1+J(=r0) を挿入する;2)半速度については、第1および第9グループに記号=r0を、 偶数記号=r0と奇数記号=-r0を第3,第5,第7,第9,第11,第13お よび第15グループに、そして残りのすべての記号はXとする(ただしXは、こ れらのグループが送信されないため「無関係」を意味する);3)1/8速度に ついては、第1および第9グループに偶数符号=r0と奇数符号=-r0を挿入し 、残りの符号を0とする。電力グループ位置の無作為化が採用されると、無作為 化により選択されたグループに対する被励起グループのシーケ ンスの割当を容易に実行することができる。(IS-95無作為化を行うには、第8 図に図示されるように、可能な1/8速度グループが、可能な1/4速度グルー プの下位群となり、それが可能な1/2速度群の下位群となることが必要である )。異なるシーケンス系を採用することもできること、また追加の情報メッセー ジを送出する場合にはこれを延長することができることは、当業者には理解頂け よう。そのため、たとえば、更なる情報ビットB(たとえば電力制御ビットまた は送信ユニット101の被受信フレーム誤差率)をフレーム毎に送出しようとす る場合は、第1基準シーケンス系をB=0に関して用いることもできる(上記の ように)。B=1の場合、別のシーケンスを用いることもできる: 1)全速度については、奇数(1,2,...15)グループに全記号=r0, 偶数(2,4,...16)グループに-r0;2)半速度については、グループ 3,7,11,15を除き全速度と同じシーケンスを用いる、このときグループ 基準記号パターンは、rhalf={r0r0r0−r0−r0−r0};3)1/4速度 については、グループ5,13にパターンrhalfを割り当て、グループ1,9は 前と同じ;4)1/8速度については、グループ1,9にもパターンrhalfを割 り当てる。全速度下でBを正確に送信する確率は高い(この目的のためにはPr {error}<10%が許容)が、誤差の確率は、速度が低くなると高くなる。これは 、速度が低いとシーケンスがゼロの相互相関に維持されないためである。 L=1,M=3のとき、基準ビット挿入器112は、各ブロック(すなわちフ レーム)につき768個の基準符号化ビット114を出力するので、6個のデー タ・ビットからなる各グループ間に2個の基準ビットが挿入される。48ビット からなる、拡散のための基準符号化データ・ビット114のブロック(フレーム )の例を第2図に示す(ここではdはデータ・ビットを表し、rはそれぞれ基準 ビットを表す)。 基準符号化データ・ビット114が、通信システムの変調部116に入力され る。データ・ビット114は、バッファ118内に受信され、その後、ここから ビットストリームの実数部と虚数部が読み出され、乗数器120〜121を介し てウォルシュ符号WjおよびPN符号シーケンスPNiにより別々に拡散される。 あるいは、実数部と虚数部に関して異なる符号シーケンスPNi,PNqが用いら れることもある。実数部および虚数部のデータストリームに関して同じPNi符 号が用いられる場合、ウォルシュ符号は記号のユーザ別シーケンスまたは独自の ユーザ符号として機能する。基準符号化データストリームは、38.4キロビッ ト/秒の速度で変調部116に到達する。6グループ(すなわち3対(1対が1 個のQPSK記号となる)のデータ・ビット,1対の基準ビットx6グループ= 48ビット)の各セクションが拡散されて、入力された記号1つについて1つの 64記号長符号がより高い固定記号速度(たとえば1228.8キロ記号/秒, 1.2288メガチップ/秒とも言う) で出力される。基準符号化データ・ビット114のストリーム内の基準ビットと データ・ビットとは、本発明の範囲および精神から逸脱せずに、他の多くのアル ゴリズムに従って、より長い符号シーケンス内に拡散されることがあることを当 業者には理解頂けよう。 π/4QPSK変調に関しては、拡散された記号ストリームは、乗数器122 を介してπ/4チップだけ回転される。QPSKなどの代替の変調では、この過 程は省略される。記号ストリームは、次にFIR(有限衝撃応答)濾波されて、 設定値より低いバンド・エネルギ外に削減され、アナログ信号ストリームに変換 されて、さらにフィルタ/DAC(デジタル−アナログ変換器)124,125 を介して低域通過濾波される。アナログ信号に変換後、2つの記号ストリームか らの信号は直角変調され、乗数器126,127および加算器128を介して加 算される;あるいは、信号は直接デジタル合成を介して合成されることもある。 最後に変調された信号はLPA(線形電力増幅器)129により増幅されて、ア ンテナ130に送られ、通信チャネル131上を送信される。 通信システムの好適な実施例の受信機135は、通信チャネル131上を送信 された拡散スペクトル信号をアンテナ137を通じて受信する。受信された基準 記号符号化拡散スペクトル信号はアナログ・フロントエンド139により濾波お よび下方変換され、復調器回路構成140に入力さ れる。信号の空間ダイバーシティ受信のために、アンテナ136および復調器1 38が同様に設けられる。 拡散スペクトル信号は、次にデスプレッダ(despreader)およびサンプラ14 6により拡散解除サンプル148内にサンプリングされる。これらのサンプル1 48には、基準サンプルとデータ・サンプルが両方とも含まれるので、基準サン プル抽出器150を用いてデータ・信号サンプルから基準サンプル情報を分離す る。基準サンプル152は、チャネル推定器154に出力され、拡散解除サンプ リング信号148の残りのデータ・サンプル158は、コヒーレント検出器16 0に出力されて、後で、データ・サンプル158からデータ記号162がコヒー レント検出される。最後に、検出されたデータ記号162〜164が加算器18 0内で他のフィンガまたはダイバーシティ経路から来た他の被検出データ記号と 加算され、通信システムの解読部182に出力される。 デスプレッダおよびサンプラ146は、好ましくは所定の速度(たとえば1. 2288x8=9.8304メガサンプル/秒)で、受信した拡散スペクトル信 号をサンプリングする。その後、サンプリングされた信号は、1.2288メガ サンプル/秒に繰り下げられて、被受信サンプリング信号を拡散符号と相関させ ることにより拡散解除される。その結果得られた拡散解除サンプリング信号14 8は、所定の速度でサンプリングされ、基準サンプル抽出器15 0に出力される(たとえば、19.2キロサンプル/秒でサンプリングされるの で、被受信拡散スペクトル信号の64サンプルのシーケンスが1つのデータ・サ ンプルに拡散解除される、さらに/あるいは1つのデータ・サンプルにより表さ れる)。 基準サンプル抽出器150は、好ましくは、拡散解除されたサンプリング信号 148から基準サンプル152を抽出し、基準サンプル152をチャネル推定器 154に出力する。拡散解除されたサンプリング信号148からのデータ・サン プル158は、コヒーレント検出器160に出力され、その後でデータ記号がコ ヒーレント検出される。 しかし、チャネル推定器154の出力が標準的な同期方法のみと共に用いられ ると、問題が起こることがある。この場合は、被受信信号の位相回転速度が数キ ロヘルツにもなり、信号獲得を妨害する。同期と獲得とを改善するためには、基 準サンプル152およびデータ・サンプル158も同期装置、好ましくは周波数 オフセット推定器172とタイミング制御176を含む同期装置に入力する。同 期とチャネル推定の品質をさらに改善するには、速度推定器171が符号化され たデータが多数の出力に分離(デマルチプレクス:demultiplex)された基準サ ンプル151(下記に説明)から送付される速度(たとえば全,半または1/8 速度)を決定し、各被受信フレームの終点で速度推定値172を周波数オフセッ ト推定器172およびタイミン グ制御176とチャネル推定器154とに出力する。速度推定器をこのように用 いることにより、すべての速度に関して励起されたスロットだけでなく、励起さ れたフレームのスロットまたは電力制御グループをすべて用いて、他の推定値を 導くことができる。周波数オフセット推定器172は、大きなドップラ・シフト または精密でない発振器により起こるようなオフセット周波数の推定値を導き、 この推定値により周波数ロック・ループを駆動して制御信号177を送り、局部 発振器,デジタル位相修正器(回転装置)またはアナログ・フロントエンド13 9またはサンプラ/デスプレッダ146の同様の回路の周波数を調整する。これ によって、残留した周波数オフセット周波数が50Hz(ヘルツ)未満にロック されて、信号の獲得および検出を大幅に改善する。その他の性能上の利得は、基 準信号およびデータ信号152,158(バイアスされない場合もある)の電力 推定値を導き、合成するタイミング制御176により提供され、差分化および濾 波され、遅延ロックループに入力されてタイミングを制御し、長期の平均光線到 着時刻を中心としてフィンガを置く。高速タイミング(すなわち通常は1チップ 未満)の修正も、複数のタイミング・ブランチのタイミング差出力を比較して、 最大値を有するブランチを選ぶことにより行われ、復調がピーク電力に追随でき るようにする。この修正は、高速タイミング補正信号178を介してゲート17 9を制御することにより行わ れる。タイミング制御176,周波数オフセット推定器172,ゲート179お よびこれらの動作については、第3図ないし第7図に関連して、より詳細に後述 する。 最後に、チャネル推定器154は、選択されたタイミング・ブランチの位相回 転され抽出された基準サンプル152を、速度推定値に基づいてフィルタで濾波 し、バイアスされていないが雑音の多いチャネル推定値を得る。よりよいチャネ ル推定値156を得るためには、これらの雑音の多い推定値を固定または適応低 域通過フィルタに通して、高周波ノイズ成分を取り除く。その結果得られたチャ ネル推定値156は、比較的雑音がなく、コヒーレント検出に用いることができ る。低域通過濾波は、(M+1)T毎にチャネル推定値を与えるだけであること に留意されたい。ただし、Mは基準ビット挿入器112により挿入される各基準 ビット対間のデータ・ビット対の数(たとえばM=3)で、Tは各データ・ビッ ト対(またはQPSKの記号)の時間間隔である。被送信データ・サンプルのコ ヒーレント検出を実行するためには、T毎にチャネル推定値を得る必要がある。 (M+1)Tがチャネル変化時定数に比べて短い場合は、各Tについてチャネル 推定値を得るための簡単だが有効な方法は、(M+1)Tで隔てられた2個のチ ャネル推定値間の線形補間を行うことである。しかし、当業者にはおわかりのよ うに、必要に応じてより高度な補間技術を用いることもできる。 好適な実施例のコヒーレント通信システムにおいては、 システム全体の性能を上げるために電力制御を用いることもできる。電力制御ア ルゴリズムは、非コヒーレント通信システムで用いられるアルゴリズムと非常に 似ている。好適な実施例の電力制御アルゴリズムには、好ましくは1.25ms( ミリ秒)毎に(すなわち、タイム・スロットまたは電力制御グループ毎に)、あ るいは6個の基準情報サンプル毎に、すなわち18個の符号化データ・サンプル または24個の被受信信号サンプル毎に、被受信電力を推定することが含まれる 。電力推定値は、いくつかの異なる方法で計算することができる。1つの方法は 、各24サンプル長グループ内の6個の基準信号サンプル(すなわち基準サンプ ル抽出器150の基準サンプル152)を用いて、電力推定器146でチャネル 推定値を計算することである。チャネル推定値の大きさの2乗を、電力推定器1 66により電力推定値168として出力する。 チャネル推定値156が生成された後は、受信機の残りの部分は従来通りであ る。コヒーレント検出器160は、拡散解除されたサンプリング信号148の残 りのデータ・サンプル158を、チャネル推定値156の共役数で乗じ、コヒー レント検出された記号162を生成する。 当業者には認識頂けようが、複数の受信機ブランチ138,140およびアン テナ136,137は、それぞれ空間ダイバーシティによる受信を改善するため に用いられる。N個すべてのダイバーシティ受信機ブランチは、実質的に 上記の受信機ブランチ140と同じ方法で動作して、通信チャネル131内の被 受信拡散スペクトル信号からデータ・サンプルを検索する。N個の受信機ブラン チの出力162〜164は、加算器180に入力され、加算器180は入力され たデータ記号をコヒーレント検出されたデータ記号181の複合ストリームにダ イバーシティ合成する。 軟意志決定データ(soft decision data)を形成する個々のデータ記号181 は、次に、個別のデータ・レベルで入力された軟意志決定データ(すなわち検出 されたデータ記号)181の挟み込みを解除するデインターリーバを有する解読 部182に入力される。デインターリーバにおいては、軟意志決定データ181 は、このデータの所定のサイズのブロックを定義する行列に個別に入力される。 軟意志決定データは、行列が行毎に埋まるように行列内の位置に入力される。挟 み込みを解除された軟意志決定データは、行列が列毎に空になるように行列内の 位置から個別に出力される。挟み込みを解除された軟意志決定データは、入力さ れたのと同じ速度(たとえば28.2キロメトリック/秒)でデインターリーバ により出力される。行列により定義される軟意志決定データのブロックの所定の サイズは、所定の長さの送信ブロック内に受信された拡散スペクトル信号からデ ータ・サンプルをサンプリングする最大速度から導かれる。 挟み込みを解除された軟意志決定データは、次にデコー ダに入力され、デコーダは最大確率解読法を用いて推定されたトラフィック・チ ャネル・データ記号185を生成する。最大確率解読法は、ビタビ解読アルゴリ ズム(Viterbidecoding algorithm)と実質的に同様のアルゴリズムを用いるこ とにより強化することができる。デコーダは、個別の軟意志決定データのグルー プを用いて、1組の軟意志決定遷移メトリックを形成し、最大確率シーケンス推 定デコーダの特定の時刻状態で用いる。各組の軟意志決定遷移メトリックを形成 するために用いられるグループ内の軟意志決定データの数は、各入力データ・ビ ット102から生成された重畳エンコーダ104の出力のデータ・ビット対の数 に相当する。各組内の軟意志決定遷移メトリックの数は、各グループ内の軟意志 決定データ数を2乗した数に等しい。たとえば、1/3重畳エンコーダを送信機 101で用いると、各入力データ・ビット102から3個のデータ・ビットが生 成される。そのため、デコーダ182は、3個の個別の軟意志決定データのグル ープを用いて8個の軟意志決定遷移メトリックを形成して、最大確率シーケンス 推定デコーダの各時刻状態で用いる。推定されたデータ記号185は、軟意志決 定データがデコーダに入力された速度と入力データ・ビット102を当初符号化 するために用いられた固定速度とに相対する速度で生成される(たとえば軟意志 決定データが28.8キロメトリック/秒で入力され、当初の符号化速度1/3 のばあい、推定されるデータ 記号185は9600ビット/秒の速度で出力される)。この情報は、各フレー ム内の種々の時間スロットの占有度を決定する際に用いることができるが、好適 な実施例においては、この情報は速度推定器171(第9図に後述)によって、 すでに供給されている。 第3図ないし第7図を参照して、受信機135の好適な実施例のより詳細な説 明を示す。明確にするために、2つ以上の図に現れる各要素を識別するために1 つの番号しか用いない。図示される実施例は、π/4QPSK(または回転がゼ ロの場合はQPSK)変調信号のために特に設計されたものであることは、当業 者には理解頂けよう。しかし、本発明はQPSK信号の受信に適用されるだけで はなく、OQPSKおよびBPSK(2相移相変調)信号などコヒーレント受信 することのできる任意の被変調信号に適応することができる。 第3図は、受信機135のアナログ部分を図示する。拡散スペクトルのIF( 中間周波数,下方変換)部分は目的の周波数バンド付近で、フィルタ301によ り帯域通過濾波される。濾波された出力は、AGC(自動利得制御)302によ り利得制御され、LO(局部発振器)305によって虚数(Im)信号ストリー ムと実数(Re)信号ストリームとに分離される。LO305の周波数オフセッ トを制御するために、第4図の周波数ロック・ループ・フィルタ456から入力 「I」を介して、推定されたオフセット周波数 がLO305に入力される。次にIm,Re信号が低域通過濾波され、サンプラ3 10のA/D(アナログ−デジタル)変換器311,312によりデジタル化さ れる。Im,Reのデジタル化されたサンプル・ストリーム313,314は、復 調器140の各フィンガと、AGC制御回路構成とに出力される。AGC制御回 路構成は、拡散スペクトル受信機によく見られるもので、A/D311,312 の性能ならびに受信機全体の性能を最適化するために用いられている。この制御 回路構成は、デジタル化されたIFサンプル・ストリームを2乗および加算し、 結果として得られた信号を差分増幅器315に入力し、出力を平均化してするこ とにより動作して、AGC制御信号を生成する。 第4図ないし第7図を参照して、受信機135のフィンガの1つの復調器部分 をさらに図示する。π/4QPSK変調が用いられる場合、Im,Reデジタル化 サンプル313,314は、乗数器/位相回転器420によりπ/4だけ反回転 される。これにより、π/4QPSK信号がRF(無線周波数)ではなくベース バンドにおいてシフトされるという利点がある。サンプルは、バッファ/タイミ ング制御装置421に受信される。装置421は第6図に、より詳細に図示され る。各記号は、好ましくは1.2288メガチップ/秒のチップ速度の8倍オー バーサンプリングされる。このためレジスタ510,512は、たとえばタップ 513〜515を介して分岐またはアドレスすることのできる 同一チップ(すなわち拡散記号)の連続サンプルを8個有することになる。アド レスされる実際のレジスタ位置は、タイミング・ブランチ入力コントローラ52 0により制御される。好適な実施例においては、3つの異なるタイミング・ブラ ンチ入力リード422〜424がコントローラ520を介して接続される。コン トローラ520は、タイミング制御信号177(「G」)に応答して、バッファ 510,512のアドレス化を調整して、信号が中間の「オンタイム(適時の) 」リード422上に最適化されるようにする。残り2つのリード423、424 は、ほぼ同じ電力を有する記号の遅延サンプル(または遅れたレプリカ)または 早期サンプル(または進んだレプリカ)のいずれかになると最適な信号をサンプ リングする。サンプル・エネルギが最大化されない場合、すなわち遅延タイミン グ・ブランチと早期タイミング・ブランチの電力間に差がある場合は、コントロ ーラは、次のチップを読み取る前に(すなわち1/1.2288μs毎に)、タ ップまたはリード・アドレスを1つのサンプル(すなわち1つのバッファ・レジ スタ)分だけ調整する。これは、中央のタップ514が再び最大エネルギを得る (すなわち「オンタイム」ブランチに乗る)まで続けられる。これは、早期タイ ミング・ブランチと遅延タイミング・ブランチの電力推定の間の差分動作を実行 することにより好適な実施例で行われる。好適な実施例は第7図で示され、下記 により詳細に説明される。 バッファおよびタイミング制御421に続き、Re,Imサンプルは、デスプレ ッダ425により拡散解除される。デスプレッダ425には、Re,Imサンプル をPNおよびウォルシュ符号シーケンス(拡散解除信号)で乗算する乗数器42 6,427が含まれ、それにより被受信信号を割り当てられた拡散符号に相関さ せる。基準符号化データ・ビットを拡散するために送信機101内で複素拡散シ ーケンス(すなわちPNi,PNq)が用いられると、これは用途によっては不可 欠でありBPSKには必要とされるが、複素被受信拡散記号の拡散を解除するに は2つの乗数器が用いられることは、当業者には理解頂けよう。デスプレッダ4 25は、各タイミング・ブランチで複製されるので、早期,遅延およびオンタイ ム拡散解除信号(サンプル)が形成される。オンタイム・ブランチで得られた信 号は、積分およびダンプ回路428,429によって各サンプル期間にわたり積 分され、実数直角位相サンプルおよび虚数直角位相サンプルRe,Imに相当する I(同相)サンプルおよびQ(直角位相)サンプル431,432を出力する。 基準サンプル抽出回路150の好適な実施例は、I,Qサンプル431,43 2のそれぞれを同期(I)(乗数器/相関器433,437を介する)と同期( Q)(乗数器434,436を介する)で乗算し、加算器435,438を介し てIブランチとQブランチをそれぞれ加算することにより動作する。同期(I) および同期(Q)は、既知の基準(同期) 記号の複素共役数、たとえばすべて−1または1で、正確なシーケンスは速度推 定値Rがフレームの終点で得られた後にわかる。この構造の目的は、I,Q成分 から、チャネル応答の雑音を含む推定値を導くことである。DS-CDMAアッ プリンクは、複数のフラットフェーディング・チャネルと見なすことができるの で、各フラットフェーディング・チャネルについて、拡散解除後の被受信信号は 以下の式で表すことができる: r(n)=h(n)a(n)+z(n) (式1) ただしr(n)はn(またはnT:ただしTは目的の信号、たとえば基準サンプル が拡散解除後に現れる間隔)に受信されるサンプル;a(n)は対応する被送信記 号;h(n)はフェーディング・チャネルを特徴化する低域通過乱数複素変数;z (n)は追加のノイズまたは干渉で、略ホワイト・ノイズまたはガウシアン・ノイ ズである。被送信基準記号aref(n)のみが既知であるので、チャネル推定値は 、被送信基準記号に対応する受信されたI,Qサンプルを用いて生成される。こ の場合、チャネル係数の雑音を含む推定値を以下の式で表すことができる: 直角複素数で表すと、次の式になる: r(n)が受信された基準サンプルのとき、式4の第1項目は、基準サンプルのI 成分出力439と等価であり、式4の第2項目は基準サンプルのQ成分出力44 0と等価である(これらは共に第1図の入力152と等価である)。基準サンプ ルI,Q出力439,440は、両方ともチャネル推定器154に送られ、I, Qデータ・サンプルはコヒーレント検出器160に送られる。 チャネル推定器154は、基準サンプルI,Q出力439,440を用いて、 チャネルの瞬間位相と強度をコヒーレント検出のために判断することができるが 、これは周波数ドリフトには弱い。相対的に安定した大きな周波数オフセットは 、送信機/受信機クロックに不完仝なロックを起こす不正確な発振器や大きい定 常的なドップラ・シフトなどの影響から起こりやすい。従来の通信システムのこ のようなオフセットは、通常は位相ロック・ループ(PLL)により修正される 。しかし、好適な実施例においては、チャネル推定器154は瞬間的な位相をき わめて正確に推定することができるので、周波数ロック・ループ(FLL)をP LLの代わりに用いてもよい。 好適な実施例においては、周波数オフセット推定器172には、2つの部分が 含まれ、各部はデータ出力信号(431,432)と基準出力信号(439,4 40)にそれぞれその推定値の基準を有する。後者の場合、オフセット周波数検 出器445は、2つの遅延446,447と、2つの乗数器448,449と、 加算器450とを備える。デコーダは、乗数器448内で、遅延されたI成分信 号にQ成分信号440を乗算し、乗数器449内で、遅延されたQ成分信号44 0にI成分信号439を乗算することにより動作する。検出器の加算された出力 は、以下の式で表すことができる: ただしfestは、オフセット周波数のスケーリングされた推定値である。 オフセット周波数は、(データの)被受信信号サンプル431,432を内包 する情報を用いても推定することができる。実際に送信されたデータ・ビットは わかっているので、位相推定値には90度(またはBPSKでは180度)の位 相アンビギュイティがあることになる。このアンビギュイティを排除するために 、回路442内で被受信信号サンプル(BPSKに関しては2乗する)のそれぞ れについて、 複素4乗演算を実行する。4乗されたサンプルの実数成分(I)と虚数成分(Q )は、オフセット周波数検出器443に送られる。この検出器は、基準サンプル のオフセット周波数検出器445と等しい。このように、オフセット周波数検出 器443も、オフセット周波数のスケーリングされた推定値を生成する。 これらの2つの検出器443,445のオフセット周波数のスケーリング推定 値のどちらを用いても、周波数ロック・ループを駆動することができる。一方、 これらを組み合わせてより良いオフセット周波数推定値を形成することもできる 。これは周波数ロック・ループを駆動するために用いられる。基準サンプル43 9,440とデータ・サンプル431,432の周波数推定値をそれぞれfd, frで表すと、合成された推定値は以下の式のようになる: fc=wrr+wdd (式6) ただしwr,wdは、2つの重み係数で、この値は検出されたオフセット周波数を 2乗した値とその分散の比を最大にするよう選択される。これらの重み定数の最 適な値は、サンプル信号対雑音比の関数で、その算出法は当業者には周知である 。拡散解除サンプルの信号対雑音比が比較的高い場合は、単純にwr=wdとする ことができる。これらの重み係数は乗数器451,452を介して検出器443 ,445 に与えられ、重みをかけた出力は加算器453を介して加算される。図示された 実施例のように、いくつかのRAKEフィンガが受信機135内に用いられる場 合は、すべてのフィンガのオフセット周波数検出器の出力を合成器454を介し て合成し、スケーリングされた全体オフセット周波数推定値を生成することがで きる。これらの出力にも、たとえば閾値未満の値で出力を拒否するとか、さらに /あるいは強度により増大するスケーリングされた重みをもたせるなどして、重 みをつけることができる。 このスケーリングされた全体オフセット周波数推定値は、ゲート455(この 機能については後述する)を介してループ・フィルタ456に送られる。最も簡 単な一次FLLに関して、ループ・フィルタはスケーリング定数と積分器とで構 成される。一次FLLは、多くの用途について充分である;ループ・フィルタに 極を有する、より高次のFLLは、特別な場合には有用なことがある。FLLの 設計と、パラメータの選択は、当業者には周知である。(たとえば1986年の Phase-Locked Loops(W.C.Lindsey,C.M.Chie編集)のF.M.Gardner 著「Characteristics of Frequency-Tracking Loops」IEEE Press,ニ ューヨークを参照のこと。)ループ・フィルタの出力「I」457電圧は、それ をLO305に送ることにより周波数オフセットを修正するために用いられる。 あるいは、出力457を、位相回転器420などのデジタル位相修正器(回転 器)に送ることもできる。このような場合の例を第5図に示す。ここでは出力4 57はLO305ではなく位相回転器420に送られる。 電力推定器467は、基準サンプル439,440およびデータ・サンプル4 31,432の出力も受信する。推定器467の好適な実施例は第7図に示され る。基準サンプル出力439,440は、FIR611により濾波されて、さら にノイズが除去される。濾波された出力は、回路612で2乗され、2乗された 強度は基準サンプル(干渉)信号電力測定値となる。 タイミング制御にはコヒーレント信号電力推定で充分であるが、データ・サン プル出力431,432に基づいて信号電力測定値を形成することにより、改善 された制御を行うことができる。好適な実施例においては、これらの出力は、回 路615(複素電力推定器でもよい)で4乗に複素乗算され、累算器616で各 基準サンプル期間毎に(すなわち上記の実施例では基準サンプルにつき3個のデ ータ・サンプル、または1.25ms/スロット÷(42サンプル/スロット÷3 対の基準サンプル)=89.3μs(ミリ秒))累算または平均化される。累算 器出力の強度の平方根は、回路617により導かれ、この回路が非コヒーレント ・ブランチの信号電力推定値を提供する。最後に、両方の信号電力推定値が、た とえば電力推定値とその分散の比を最大にすることにより重みをつけられ、合成 器/加算器 618内で加算されてそのタイミング・ブランチの電力推定値となる。 タイミング・ブランチ602のこの推定値は、タイミング・ブランチ604, 606(第6図で説明した早期および遅延タイミング・ブランチに対応)の同様 の測定値と共に、ゲート468,624,626を介してタイミング制御ユニッ ト176に送られる。(ゲート468,624,626の機能は、速度推定器1 71と共に後述する)。タイミング制御176は、通常毎秒1チップ程度にまで なるタイミング・ドリフトを補正する役割を果たす。 タイミング・ドリフトは、2つ以上のタイミング・ブランチの電力測定値を差 分化することにより補正される。「オンタイム」,「遅延」および「早期」ブラ ンチ602〜606の3つのタイミング・ブランチが用いられる好適な方法では 、遅延および早期ブランチ604,606を用いて、サンプル・タイミングtn+ τ,tn-τを有するサンプルに関して電力測定値を得ると便利である。ただしtn は「オンタイム」のサンプル・タイミングである。差分器632が決定する遅 延タイミング・ブランチと早期タイミング・ブランチの推定値間の差は、正しい タイミングのドリフトの方向を示す。この差は時間平均することができ、また、 この差が平均でゼロの場合は、サンプリング・タイミングが正しいので、調整は 行われない。濾波された差が正または負の値である場合、遅延ロック・ループ・ フィルタ63 4が制御信号177(「G」)を生成し、この信号によりコントローラ520( 第6図参照)は、以前のサンプリング時刻、すなわち正しいサンプリング時刻が 置かれたところから+τ,-τに向かってサンプリング・タイミングを調整する。 システム設計などの他の要因により、遅延ロック・ループおよびフィルタ634 に適切なパラメータを設定する方法は、当業者には理解頂けよう。(たとえば1 985年Computer Science Press Vol.3のSimon他著のSpread Spectrum Communicationsを参照のこと)。たとえば、基地局に対して150km/hr(キ ロメートル/時)で移動中の移動ユニットを補正するためのフィルタ定数は、約 6秒(すなわち((299706km/sec(光速))÷(1228800チップ/ 秒))÷((150km/hr))÷(3600秒/時))=5.8秒/チップ)と なり、移動ユニットの移動により5.8秒毎に全チップ・クロックのずれが起こ ることが示される。非常に高速の列車の場合や初期の誤設定を補正するためには 、所要の最大ずれ率が2ないし5倍速くなる場合がある。このような長期にわた る補正の結果、フィンガが長期平均光線到達時刻の中心に置かれる。 「ファット・フィンガ」などの環境または1チップ内で互いに独立してフェー ドする2つの光線を得るような環境を補正するには、短期間のタイミングも望ま しい。高速タイミング調整のための好適な方法は、比較器636により、 タイミング・ブランチ602,604,606のゲート電力推定値のいずれが最 大値を有するかを決定することである。短期定数(たとえば1秒未満)の低域通 過フィルタ(図示せず)が、比較に先立ってゲート電力推定値のノイズ成分を削 減するために任意で用いられることがある。比較器636は、制御信号178( 「F」)をセレクタまたはゲート179に出力し、セレクタまたはゲート179 は最大の推定電力をどれが有するかにより、種々のタイミング・ブランチのデー タおよび基準サンプル出力間で切り替わる。第4図に示される例では、セレクタ 179のゲート462,463は、早期タイミング・ブランチ606の抽出器出 力Kr,Kd側に閉じられ、バッファ421のタップ513から最大信号電力が受 信されたと判定されたことが示される。これによって、この瞬間にフィンガに関 して最大の電力を有すると判定されたただ1つだけのタイミング・ブランチ出力 が、その瞬間のそのフィンガのチャネル推定とコヒーレント検出に利用されるこ とになる。ウィンドウ制限サイクルは、通常は、長期タイミング補正ブランチに より決定される値を中心とし、この限度は通常は約±0.5チップ以下である。 通常、別のフィンガは時間的に隣接するエネルギに割り当てられているので、こ れ以上の移動は必要ない。 通信信号がTDM(時分割多重)信号である場合、さらに強化を行うことがで きる。第8図は、フレームにつき16 個の1.25msスロット(たとえば電力制御グループ)を有する20msフレーム を持つこのような信号を示す。全速度信号未満の信号が送付されると、未使用の スロットがゲートまたはマスク・アウトされて、ノイズを削減しチャネル推定値 を改善するという利点が得られる。信号が2,4,8または16すべてのスロッ トを用いるか否かは、所要の速度により決まるが、全速度を除き、使用されるス ロットは速度によりフレーム毎に異なる。さらに、1/8速度のスロット・グル ープは、1/4速度のスロット・グループのサブセットであり、1/4速度のス ロット・グループは、1/2速度のスロット・グループのサブセットである。こ の構造を第8図に示す。ここでは斜線部の期間は被送信エネルギを表す。 第4図の積分およびダンプ回路428,429は、1.25msスロット期間に 渡るよう設定される。速度推定器171は、基準出力(すなわち出力439,4 40)を受信する。実際の速度情報が(上記のシーケンス系を介して)送信され なくても、多少効率が悪くなるが速度情報を判定することはできる。このような 場合は、速度推定器171を以下に説明され、第5図の代替の実施例に図示され るように設計することができる。まず、速度推定器171は、出力431,43 2と共に、他のフィンガからの同様の出力も受信することができ、さらに他のフ レーム・デコーダから情報を受信することもできる。そしてこれらの出力を 用いて、どの間隔を加算し、どの間隔をマスク・アウトしなければならないを決 定する。長期のタイミング補正については、速度推定器171の占有度(電力) 推定値を、フレーム解読決定とそのスロット占有度の判定がなされるまで遅延す ることができる。短期のタイミング補正ブランチについては、あるスロットと次 のスロットとの電力差を測定することにより、スロット占有度を推定するとさら に便利である。この推定を行う際には、最も強い被受信信号を有するフィンガの 入力にさらに大きな重みをかけると便利である。各フレームは、少なくとも2つ の占有されたスロットを有するので、次の2つの占有度は、これらのスロット内 の電力を最初の2つの電力と比較することにより推定することができる。より強 い電力フィンガに関しては、この推定値にさらに大きな重みをかける。可能な手 順には、最も強力なフィンガ(または、2つの最も強力なフィンガがほぼ等しい 場合にはその平均)の入力だけで、速度を決定する方法がある。代替の方法は、 推定値全体に関して推定値を電力加算することである。予測されるノイズ電力は 、通常この時点のサンプル電力より大きいので、次の2つの候補スロットの24 個のサンプルの平均を取ることにより、推定値で6.9dBの改善が得られる。 これは、最も強いフィンガを用いて推定値を一定にするとき、たいていの場合ス ロット占有度を正しく推定するのに充分な値である。1/8速度フレームが受信 されていると初期決定された場合は、 この手順を継続してこれが正しい決定であると確認することが好ましい。この方 法では、次の4つのスロットが平均化され、それが充分に大きければ、初期の1 /8速度の決定は変更される。これは、全速度間隔電力の検証まで続けることが できる。 同様のゲート構造が、周波数オフセット推定器172に用いられる。この場合 、オフセット周波数検出器443,445の出力に重みをかけて、ゲート455 を介してゲート処理しなければならない。周波数が急速に変化している場合、そ の更新は20msデータ・フレーム程度にしなければならない。チャネル推定器1 54は、ドップラ・シフトによる高速の位相変化を処理することができるので、 周波数ロック・ループの目的は、不都合な追加のノイズを導入せずに、大きいが 比較的安定した周波数オフセットのゆっくりとした変動を補正することである。 そのため、周波数ロック・ループは、長期の平均化制御を行い、周波数オフセッ トと定常的なドップラ周波数シフト(リシアン・フェーディング(Rician fadi ng)無線チャネルの基地局に向かって移動するような)に対処する。長期的な制 御では、信号入力をFLLフィルタ456にゲート処理することにより、デコー ダ182の速度決定を利用することができる。 しかし、速度推定を行うこの好適な方法は、各々が異なる速度を定義し、それ により異なるスロット占有度を定義する基準記号シーケンス系を送ることができ るという能力 を利用する。これにより、より正確な速度推定を、あまり複雑でなく、またデコ ーダ182の古くなった、あるいは遅延された情報を用いずに行うことができる 。 速度推定器171のこの好適な実施例の動作を第9図ないし第11図にさらに 示す。第9図は、第4図の受信機の速度およびチャネル推定に関する好適な方法 の論理ブロック図を、第10図は流れ図を示す。速度推定器171は、基準サン プルが抽出されるとデマルチプレクサ430(データ・サンプルから基準サンプ ルを多数の出力に分離するために充分な精度をもって拡散解除されたサンプルの 位置を知っている)から雑音を含む弱化した基準サンプル151を受信する(ス テップ802〜804)。これらの基準サンプル151は、フレームの全記号が 受信されるまで(たとえば全速度で96記号)、速度推定器171のバッファ7 05内に記憶される。タイミング制御176への基準記号ストリーム,周波数オ フセット推定器172およびチャネル推定器154は、すでに格納されていて( たとえばデマルチプレクサ430の後のバッファ707を参照。これにより適当 なシーケンス系が回転器433,434,436,437に送られるまで回転さ れないで複数の出力に分離された基準サンプルが記憶される)、速度推定値17 3が受信されるまでその処理が遅延される。受信されたすべての「記号」が被送 信記号に対応するわけではない(たとえば全速度未満では、情報を含む電力制御 グループのエン ベロープだけがキーオンされて、残りの情報はノイズとなる)ので、速度推定器 171は、速度判定器706において、受信された基準記号ストリームの疑似コ ヒーレント相関を行う(これは、好適な実施例においては、適切にプログラミン グされたASIC(用途別集積回路)またはDSP(デジタル信号プロセッサ) により行われる)。チャネルは電力制御グループの期間は干渉性を持つので(す なわちレイリー・フェーディング・チャネルで100km/hr,900MHzでは、 チャネルは4ms以下の間は干渉性を持つ)、疑似コヒーレント相関が用いられる 。この相関は、可能な送信シーケンスのそれぞれ、たとえば上記の全,半,1/ 4および1/8速度の各々に関して実行される(ステップ812)。好ましくは 部分内積(Miと記される)の2乗の和が用いられ係数kiでスケーリングされる 。Miは、以下の式により決定することができる: ただしrnは、被受信基準記号で、sn,iは、全速度から1/8速度までの各々に 関する可能なシーケンス{s0},{s1},{s2},{s3}の1つである。1 6個の電力制御グループの各々には、6個の基準記号があるので、各電力制御グ ループの時間間隔にわたりコヒーレント相関が行われる。部分相関の結果は、各 グループ毎に2乗され、16グループの2乗 の和が決定される。これは、係数ki=1,2,4または8(ただしi=0,1 ,2または3)によりスケーリングされる。スケーリング済みの結果の最大値の 指標は、速度推定値173またはRとして出力される。あるいは、基準シーケン スを拡大して、送信側加入者ユニットからの他の情報、たとえば電力制御を入れ ることもできる。たとえば、全,半および1/8速度の送信では、電力制御情報 の1ビットをプラスして、6つのシーケンス{si}(i=0,...5)が用 いられる。 この速度推定の方法は、ここで説明されるIS-95同様の無線に適用されるIS-95 アップリンク通信に関して提案されている方法よりはるかに複雑でなく、全速度 では正確である。提案されているIS-95方法では、速度の判定は、256状態ビ タビ・デコーダを4回、それぞれの速度で1回ずつ動作させることにより行われ る。次にパリティ・チェック・ワード(CRCまたは巡回冗長性チェックまたは その他のフレーム品質指標)が、4つの解読されたストリームの各々について検 証され、どれが最も可能性の高い(すなわち誤差がない)速度かが示される。こ のような方法は、本発明の解決策より演算集中的で、不正確であることは当業者 には理解頂けよう。シミュレーションにより、エネルギに基づく速度検出器また は消耗的なデコーダ方法は、全速度フレームを時刻の約0.3ないし0.5%の 下位速度として誤って識別するが、基準記号に基づく速度検出器の誤 り率は0.1%未満である。 速度推定値171の決定の後で、これはチャネル推定器154,周波数オフセ ット推定器172およびタイミング制御176の各々に入力される(ステップ8 14〜818)。速度推定値171は、抽出器150内で、複数の出力に分離さ れたデマルチプレクサ430の基準記号を回転するために用いられる基準復調シ ーケンス(第4図の同期(I)および同期(Q);第9図のブロック171の{ sR}と等価;式2のaref(n)とも等価)を選択するために用いられる。速度推 定値が入手され、回転器入力とチャネル推定器フィルタが選択された後で、回転 器とフィルタの動作が平行して実行される。すなわち、回転器サンプルが入手さ れるたびに、1つのチャネル推定フィルタ出力が計算される。速度推定値171 を用いて、チャネル推定器154における回転器出力に関して動作するフィルタ の選択を制御する。速度推定値R=0(すなわち全速度)のとき、フレームの全 記号が全速度フィルタ711に入力される。これは第11図で信号905により さらに図示されるが、フィルタ711により動作されているフレーム期間906 内にある信号ストリーム902からの基準記号905のみを示す。全速度フィル タの出力712が次にチャネル推定器154から、チャネル推定値156として 出力される。速度推定値がR=0以外の場合(たとえば1,2または3)、基準 記号152がフィルタ714に、出力715と共に送られる。これ はチャネル推定値156としても機能する。フィルタ714に対する入力(第1 1図に図示)は、励起された電力制御グループ期間904内の基準記号903に 制限される。2つのフィルタしか図示されていないが、各速度推定値173につ いて異なるフィルタ(またはアルゴリズム)を用いることができることは当業者 には理解頂けよう。たとえば、半速度では、2つおよび3つの連続した励起され た電力制御グループを無作為にグループ化する。その場合は、良好なチャネル推 定フィルタが、フレーム内の特定のグループのチャネル推定値を生成する際に、 隣接する励起グループにゼロ以外の重みを与えることになる。基準記号そのもの がフィルタ伝達関数を決定するので、濾波関数全体は非線形であることも認識さ れたい。 チャネル推定器フィルタ711,714は、受信された雑音を含む弱化した記 号ストリームの少なくとも一部分からチャネル推定値156を構築する役割を果 たす。チャネルは、フレーム期間中大幅に変動するので、チャネル推定値は繰り 返し計算される;チャネル推定値のシーケンスは156で出現する。たとえば、 チャネルは、被受信フレームの電力制御グループ・セグメント毎に1つずつ出力 があるように、すなわち1つのフレームに16個の推定値があるように推定され る。これらのチャネル推定値は、検出器160により用いられて、全フレームの 間に被受信データ記号158のすべてを0位相の基準に位相整合する(ステッ プ820)。そのようにして、推定値は、ビタビ・デコーダ182内でほぼ最適 に解読される前に、他のアンテナまたは他のチャネル遅延からの同じシーケンス の歪んだ複製と効率的に合成される。デコーダの入力がフレーム長にわたり干渉 性を持つとデコーダ182の性能がより良くなるように、チャネル推定フィルタ 711または714は、その入力が問題の期間全体にわたり干渉性をもてばより 良いチャネル推定値を生成する。たとえば、全速度の被受信フレームを考える。 すなわち情報エネルギは16個の電力制御グループのすべてに存在する。チャネ ル推定フィルタ711または714は、チャネル干渉時間Tcにほぼ等しい雑音 を含む弱化サンプルの時間期限Tfで動作すると、その出力のノイズを大幅に減 じる(そして信号対雑音比の最も高い信号を産出する)。チャネル推定器154 は、ある意味では「濾波」ではなく「平滑化」の考え方の応用である。推定器1 54は、時刻t0におけるチャネルを推定し、T=-∞からT=+∞までの測定デ ータに効果的にアクセスする。100km/hr,900MHzの条件では、Tcは約 4ms、または3つの電力制御グループ(電力制御グループにつき1.25ms)で ある。Tcは、車速に反比例して変化する。TfがほぼTcに等しい場合は、推定 値の信号対雑音比は最も高くなる(フェーディングとノイズ・プロセスの数値が わかっている場合は、フィルタの正確な形状は、ウェイナのフィルタ原理から容 易に導かれる);フィルタは、3つの電力 制御グループについて動作しなければならない。 この後者のポイントは重要である。フィルタ711または714が3つの電力 制御グループについて常に動作されると、下位速度のデータについて次善のチャ ネル測定値を提供することになる。これは、励起されていない電力制御グループ を介して、フィルタ内に純粋なノイズが定期的に注入されるためである。従来の 技術の代替の方法では、被受信フレームが全速度であることがわかっていれば、 下位速度用に設計されたフィルタを動作させることが次善の策である(Tf<< Tcなので次善)。本発明では、チャネル推定を行う前に高精度で音声/速度を 推定することにより、この問題を解決する。これにより、現在のフレームについ て適切なフィルタ711または714が実現されて、全速度の場合に最良のチャ ネル推定値が得られ、また下位速度の場合には良好な推定値が得られる。フィル タの数が拡大される代替の実施例においては、種々の快速どのケースのそれぞれ (たとえば半速度,1/4および1/8速度)が最適に濾波される。 チャネル推定器154と同様に、速度推定値173がタイミング制御176に より用いられて、励起された電力制御グループを濾波し、周波数オフセット推定 器172により用いられて励起されていないグループをマスク・アウトする(ス テップ814〜816)。適切に濾波されると、タイミング制御176は、タイ ミング測定値(すなわち差) を計算して、励起グループに基づき上記の要領でタップを調整する(ステップ8 08)。ステップ806は、雑音を含む基準ビットを用いて計算された、オンタ イム・ブランチのエネルギ推定値が電力制御グループ毎に計算され、ダウンリン ク電力制御ビットを設定またはクリアする(すなわち、電力が高すぎるか低すぎ るかを移動ユニットに通知する)ために用いられる。さらに、速度情報が用いら れて、どのスロットが占有されていないかを知らせる。たとえば、雑音を含むサ ンプルがどこにあるかという情報をビタビ・デコーダ182に与え、下位速度フ レーム中にデコーダ182に対する入力をスケーリングするために信号対雑音比 推定器が用いる。 第12図および第13図は、速度推定値情報を用いることにより得られる利点 をいくつか説明する。第12図は、チャネル推定器154からの実際の出力で、 入力信号910のフィルタに対する信号対雑音比(SNR)は−0.5dBであ る。Tf<<Tcである下位速度フィルタ714は、計算された出力SNR=8. 0dBでチャネル推定値916を生成する。一方で、Tf=Tcである全速度フィ ルタは、計算されたSNRが10.9dBという改善されたチャネル推定値91 4を生成する。 タイミング推定の場合は、速度情報が入手できる場合に、全速度フレーム中に 、どのようにすればタイミングの誤差を非常に良好に追跡できるかを第13図に 示す。本発明を 用いて、16すべてが励起されているときは16全部のグループを用い、必要な 場合には16のうち2つしか用いない(すなわち1/8速度)。第13図では、 真のチャネル・タイミング920は、正弦状にずれて、0の平均値から1/2チ ップ期間ずれたピーク値に到達するとシミュレーションされる。曲線924は、 タイミング回路の追跡を示す。第3の直線926は最終的な誤差を示す。10秒 ないし10.2秒の経過時間の間に、誤差は0.2チップ期間の値まで増大する 。この間に、受信されたほとんどすべてのフレームは下位速度であり、タイミン グの更新は起こるのが遅れる。約10.38秒の時点で、全速度フレームのバー ストの受信が開始されている。速度推定器171は、フレームがまだ全速度でな いことを検出して、タイミング回路がすべての被受信記号に関して動作できるよ うにした。これにより、迅速で正確なタイミング修正が可能になり、タイミング 誤差をほぼ0に戻した。 本発明はある程度の独自性をもって説明および図示されているが、実施例の本 開示は単に例として行われたに過ぎず、部品および段階の構造および組み合せに おいて、請求された発明から逸脱せずに多くの変更が当業者に可能であることは 明白である。たとえば、説明された好適な実施例の通信システムの変調器,アン テナおよび復調器部分は、無線通信チャネル上に送信されるCDMA拡散スペク トル信号のためのものである。しかし、当業者には理解頂けよう が、ここで説明され請求される符号化および解読法は、時分割多重接続(TDM A)および周波数分割多重接続(FDMA)に準拠したものなどの他の種類の送 信システムにも利用することができる。さらに、本通信チャネルは、電子データ ・バス,ワイヤ配線,光ファイバ・リンク,衛星リンクまたは他の任意の種類の 通信チャネルとすることもできる。そのため、本発明は特定の実施例に関して説 明されたが、前述の説明に照らして多くの改変,修正および変形が可能であるこ とは明白である。従って、本発明は、添付の請求項の精神と範囲内のこのような すべての改変,修正および変形を包含するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),BR,CA,CN,FI,J P,KR,PL,RU (72)発明者 ブラッカート,ジーン アメリカ合衆国イリノイ州アーリントン・ ハイツ、ウエスト・ノイズ203

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.受信された拡散スペクトル信号をデジタル化するサンプラと、サンプラの 後で、受信された拡散スペクトル信号をデータ信号に拡散解除するデスプレッダ とを備える受信機により、拡散スペクトルをコヒーレント受信する方法であって : (a)前記データ信号から基準サンプル情報を抽出する段階;および (b)速度推定器により、第1フレームのどのスロットが前記基準サンプル情 報により占有されているかを推定し、速度推定値を出力する段階; によって構成されることを特徴とする方法。 2.(c)前記基準サンプル情報を、前記速度推定値により決定される既知の シーケンスと相関させることによりチャネル推定値を決定して、チャネル推定値 を出力する段階; によってさらに構成される請求項1記載の方法。 3.(c)前記基準サンプル情報を、前記速度推定値に基づいて、複数のフィ ルタのうち所定の1つのフィルタで濾波することによりチャネル推定値を決定し て、チャネル推定値を出力する段階; によってさらに構成される請求項1記載の方法。 4.(c)前記速度推定値に基づき、前記被受信拡散スペ ペクトル信号の位相および周波数からなるグループの1つを周波数オフセット調 整する段階: によってさらに構成される請求項1記載の方法。 5.(c)前記速度推定値と、前記データ信号および前記基準サンプル情報の うち少なくとも1つとの両者に基づき、前記被受信拡散スペクトル信号のタイミ ングを調整する段階; によってさらに構成される請求項1記載の方法。 6.受信された拡散スペクトル信号をデジタル化するサンプラと、サンプラの 後で、受信された拡散スペクトル信号をデータ信号に拡散解除するデスプレッダ とを備えるコヒーレント拡散スペクトル受信機であって: (a)前記デスプレッダに結合されて、前記データ信号から基準サンプル情報 を抽出する抽出手段;および (b)前記抽出手段に結合されて、第1フレームのどのスロットが前記基準サ ンプル情報により占有されているかを推定し、速度推定値を出力する速度推定器 手段; によって構成されることを特徴とする受信機。 7.前記基準サンプル情報が複数の基準サンプルであり、前記速度推定器手段 が前記第1フレームのすべての基準サンプルを格納し、スロット上に格納された 前記基準サンプルをスロット毎に出力するバッファと、どのスロットが占有され ているかを決定する速度決定手段とによって構成される請求項6記載の受信機。 8.(c)前記抽出手段と速度推定器手段とに結合され、前記基準サンプル情 報を前記速度推定値によって決定される既知のシーケンスと相関することにより チャネル推定値を決定して、チャネル推定値を出力するチャネル推定器手段; によってさらに構成される請求項6記載の受信機。 9.(c)前記抽出手段と速度推定器手段とに結合され、チャネル推定値を決 定するチャネル推定器手段であって、前記基準サンプル情報を、前記速度推定値 に基づく複数のフィルタのうち所定の1つにより濾波する複数のフィルタ手段に よって構成され、チャネル推定値を出力するチャネル推定器手段; によってさらに構成される請求項6記載の受信機。 10.(c)前記抽出手段と速度推定器手段とに結合され、前記速度推定値に 基づいて前記被受信拡散スペクトル信号の位相および周波数からなるグループの 1つを調整する周波数オフセット手段; によってさらに構成される請求項6記載の受信機。 11.(c)前記抽出手段と速度推定器手段とに結合され、前記速度推定値と 前記データ信号および前記基準サンプル情報の少なくとも1つとの両者に基づい て前記被受信拡散スペクトル信号のタイミングを調整するタイミング制御手段; によってさらに構成される請求項6記載の受信機。
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