JPH09506415A - 軸方向保持力を備えた軸受組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 二重壁軸受カップが内側カップ部分と内側カップ部分に被せて固定された外側カップ部分を持っている。軸受カップの接合部分が軸受カップの軸に対する軸方向運動を制限するために軸受カップ内に置かれ、軸に被せて固定される保持座金と係合できる。軸受カップ内に置かれた転動部材が軸と直接に係合でき軸受カップが軸に対して自由に回転できるようにしている。軸受カップは、開いた、閉じた又はテーパ付き端を持って種々の用途において軸受組立体を使い易くしている。

Description

【発明の詳細な説明】 軸方向保持力を備えた軸受組立体 発明の背景 本発明は、一般的にいえば転動部材付き軸受組立体に関し、さらに詳しくいえ ば、軸上に軸方向に保持される転動部材を有する軸受組立体に関する。 このような軸受組立体の一つの用途は、例えば自動車のアンチロックブレーキ 装置（Ａ．Ｂ．Ｓ．）において用いられるように、ピストンポンプにおいてであ る。一つの現在の実用例によれば、軸受の切削された外輪が軸受組立体を取り囲 みポンプの軸に沿って軸受組立体の両端に押しつけられている二つの粉末冶金座 金によって軸方向に保持されている。この設計は多重粉末冶金座金につきものの 望ましくない費用と空間を必要とするとともに複雑な軸受装着法を必要とする。 もう一つの現在の実用例によれば、軸受組立体が内輪として働く内側スリーブ を備え半径方向に外向のフランジを備えている。内側スリーブはポンプの軸に圧 着され、内側スリーブのフランジは軸受組立体の軸方向位置を保つために軸受組 立体の二重壁外側スリーブによって捕らえられている。この設計は、多重粉末冶 金座金の必要をなくすが、内側スリーブに関連した費用と空間の必要性を大きく する。 一重壁引抜き外側カップ付き軸受組立体が外側カップと転動要素を保持する軸 受保持器との間に捕らえられたカラーによって与えられた軸方向保持力を備えた 形で提案された。しかし、Ａ．Ｂ．Ｓ．ポンプを備える多くの用途において、例 えば、一重壁引抜き外側カップは軸受動作に十分な強さを持たないことがある。 なお、カラーは、ころと軸受保持器の運動を妨げることがあり、軸受組立体を装 着する間軸受組立体を軸に圧着するとき軸受保持器を傷つけることがある。 前述のことは現在の装置と方法にあると知られている限界を例示している。し たがって、上述の限界の一つ以上を解消することを目的とした軸方向保持力を備 えた代替の軸受組立体を提供することが有益であることは明らかである。それゆ え、後でさらに詳しく開示する特徴を備える適当な代替品を提供する。 発明の概要 発明の一つの面において、これは軸に取付ける軸受を提供することによって達 成され、該軸受は二重壁軸受カップと軸受カップ内に置かれた保持座金を備えて いる。軸受カップは軸と共軸で内側カップ部分と内側カップ部分の上に固定され た外側カップ部分を備えている。軸受カップによって与えられた接合手段が軸受 カップの軸に被せて固定される保持座金に対する軸方向の運動を制限する。転動 部材が軸受カップ内に置かれ軸と直接に係合でき、軸受カップが軸に関して自由 に回転できるようする。 前述及びその他の面は添付図面と関連して考慮するとき発明の以下の詳細な説 明から明らかになる。 図面の簡単な説明 図１は、本発明の軸受組立体の第１の実施例を例示する断面図である。 図２は、本発明の軸受組立体の第２の実施例を例示する部分断面図である。 図３は、本発明の軸受組立体の第３の実施例を例示する断面図である。 詳細な説明 次に図面を参照すると、図１は、軸１２上に軸１２に対して共軸に取付けられ 、二重壁軸受カップ１４、転動部材１６及び保持座金１８を備える本発明の軸受 組立体１０を示している。 軸受カップ１４は、圧力ばめ、カシメまたはその他の手段によって内側カップ 部分２２に被せて固定された外側カップ部分２０を備え、都合のよいことにはこ れらの両方を金属薄板からプレス加工できる。カップ部分２０及び２２は軸受カ ップ１４の第１の端に円筒形側壁と半径方向に内向きのフランジ２４及び２６を それぞれ備えている。組立の間、保持座金１８は、保持座金の運動がフランジ２ ４との接合によって一方の軸方向に、フランジ２６との接合によって他方の軸方 向に制限されるようにフランジ２４及び２６によって一部分囲われている。 保持座金１８は、軸受カップ１４が保持座金１８に対して自由に動けるように 軸受カップ１４に十分な隙間を与える円板形状をしている。付加的環状リップ２ ８を保持座金１８の一端に設けて軸１２とフランジ２６の間の環状空間を閉じる か、又は軸１２に圧着したとき軸受組立体１０の各要素の相対位置を確実に保つ ようにできる。保持座金１８は粉末冶金で経済的に作ることができ、軸１２に圧 力ばめ又はその他手段の何れかによって固定される。 内側カップ部分２２の円筒形側壁の内面は、転動部材１６のための外輪となり 、転動部材１６は軸受カップ１４と軸１２の間の環状部に置かれる。転動部材１ ６は、内側スリーブを用いずに内輪として働く軸１２に直接に乗り、軸受カップ １４が軸１２に対して自由に回転できるようにする。転動部材１６を隙間なしに 入れて用いてもよいし、図示のように軸受保持器３０を設けて転動部材１６の所 望の位置を維持して軸受組立体１０の組立を容易にしてもよい。 外側カップ部分２０の第２の端は、カール３２又は軸受カップ１４と軸１２の 間の環状部を少なくとも一部分閉じる他の半径方向に内向きの部分を形成されて いる。転動部材１６の運動が一つの軸方向には転動部材１６又は軸受保持器３０ （設けられていれば）をカール３２又は半径方向に内向きの部分と接合させるこ とによって制限される。他方の軸方向の運動が内側カップフランジ２６と接合さ せることによって制限される。外側カップ部分２０の円筒形側壁は図１に示され ているように第２の端でいくぶん薄くされて軸受カップ１４の要素を組立てた後 に曲げることによってカール３２を形成し易くしている。 図２は、本発明の第２の実施例である改変外側カップ部分４４のある二重壁軸 受カップ４２を有する軸受組立体４０を示している。外側カップ部分４４のテー パ付き部分４６は、軸受組立体４０を装着する間Ａ．Ｂ．Ｓ．ポンプのピストン 又はその他の要素を広げて案内する円錐形くさびとなっている。保持座金４８は テーパ付き部分４６に一致するように形作られ、外側カップ部分４４のフランジ ５０又はテーパ付き部分４６と接合させることによって軸方向に位置決めされる 。 本発明の第３の実施例が図３に示されている。軸受組立体６０は、軸１２の端 に取付ける閉じた第１の端を持った二重壁軸受カップ６２を持っている。図１の 外側カップ部分２０のフランジ２４の代わりに、外側カップ部分６４は保持座金 ６８と接合する環状肩６６を備えている。軸受カップ６２の閉じた端は、事実上 平坦であってもよいし又は軸１２が保持座金６８を通して伸びる隙間を与える段 ７０を持っていてもよい。外側カップ部分２０の場合のように、外側カップ部分 ６４は、都合のよいことには金属薄板からプレス加工できる。 軸受カップ６２の内側カップ部分７２は、転動部材１６を軸方向に位置決めす る接合表面となるカール７４で形成される。外側カップ２０のカール３２の主な 機能がカール７４によって与えられるので、外側カップ部分６４の第２の端はカ ールなしに形成されてもよいし、又は短い距離だけ半径方向に内向きに伸びるカ ール７６を備え、内側カップ部分７２を適所に拘束するようにカール７４に接合 するがカール７６と軸１２の間に空間を残してもよい。この実施例は、軸受カッ プ６２の強さをますが外側カップ部分６４の製作を簡単にする。 上述の説明から、本発明が第２の保持座金と内側スリーブの両方の費用と空間 の必要性をなくす軸方向保持力を備えた改良軸受組立体を提供することは明らか であろう。軸受組立体の外側カップは、現在機械加工された外輪を用いるＡ．Ｂ ．Ｓ．ポンプ及びその他の用途において用いるのに十分な強さを与える二重壁を 経済的に形成されている。保持座金は軸受保持器に接合しないのでころ又は軸受 の運動を妨げず軸受組立体を装着する間軸受保持器を用いない。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．軸に取付ける軸受組立体において、 軸と共軸で内側カップ部分と内側カップ部分に被せて固定された外側カップ部 分を備えている二重壁軸受カップと、 軸受カップ内に置かれ軸に被せて固定される保持座金と、 軸受カップによって与えられ軸受カップの保持座金に対する軸方向の運動を制 限する接合手段と、 軸受カップ内に置かれ軸受カップが軸に関して自由に回転できるように軸と直 接に係合できる転動部材と、 を備える軸受組立体。 ２．前記接合手段が前記軸受カップの前記保持座金に対する一方の軸方向の 相対運動を制限する前記外側カップ部分の第１の止め面と、前記軸受カップの前 記保持座金に対する他方の軸方向の相対運動を制限する前記内側カップ部分の第 ２の止め面とを備える請求項１に記載の軸受組立体。 ３．前記外側カップ部分が前記軸受カップの第１の端に半径方向に内向きの フランジを備え、前記内側カップ部分が前記外側カップフランジから軸方向に間 隔をあけた半径方向に内向きのフランジを備え、前記保持座金が前記外側カップ フランジと前記内側カップフランジの間に置かれ、前記接合手段が前記外側カッ プフランジと前記内側カップフランジを備えている請求項１に記載の軸受組立体 。 ４．前記内側カップ部分が前記内側カップフランジから前記軸受カップの第 ２の端の方へ軸方向に伸びる円筒形側壁を備え、前記円筒形側壁は転動部材のた めの外輪となる請求項３に記載の軸受組立体。 ５．前記軸受カップが前記保持座金を少なくとも一部分囲う第１の端と転動 部材を少なくとも一部分囲む第２の端を備え、前記軸受カップの前記第２の端が 転動部材の一方の軸方向運動を制限する半径方向に内向きの部分を有する請求項 １に記載の軸受組立体。 ６．前記転動部材を保持する軸受保持器をさらに備える請求項５に記載の軸 受組立体。 ７．前記外側カップ部分が円筒形側壁から前記軸受カップの第１の端の方へ 向いた方向に内方にテーパのついている請求項１に記載の軸受組立体。 ８．前記外側カップ部分が閉じた第１の端を備える請求項１に記載の軸受組 立体。 ９．前記外側カップ部分の閉じた第１の端が保持座金と係合できる環状段を 備え、前記軸が前記軸受カップに係合しないで保持座金を越えて軸方向に伸びる ことができるようになっている請求項８に記載の軸受組立体。 １０．前記保持座金が前記軸に圧力ばめになるように形作られた環状リングで ある請求項１に記載の軸受組立体。