JPH09506037A - 煙道ガスの冷却及び浄化方法 - Google Patents

煙道ガスの冷却及び浄化方法

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Abstract

(57)【要約】 廃棄物焼却プラントの焼却炉からの煙道ガスを冷却し且つ浄化するため、本発明は、第1段階(1)で、煙道ガスを流動化ガスとして流動床リアクタ(6)内に供給し、同時に、収着剤を流動床リアクタ(6)内に供給してガス状汚染物質を除去する。流動床リアクタ(6)から排出された固形物を、流動床クーラ(15)を通して再循環するのが好ましい。第1段階(1)では、温度は600℃以上の特にSO2の除去のために最適な条件が作られ、煙道ガスは第2段階(2a、2b、2c)で更に冷却され且つ処理される。600℃以下の温度の第2流動床では、条件はHClの除去のため最適化されている。ガスの最適浄化に加え、本発明はまた、効率的に冷却し、これにより伝熱界面での腐食を確実に防止する。

Description

【発明の詳細な説明】 煙道ガスの冷却及び浄化方法 本発明は、請求の範囲第1項の前提部に記載された煙道ガスの冷却及び浄化方 法に関する。 廃棄物処理の機能は、今やごみ焼却プラントに移行している。廃棄物は、廃棄 物中に含まれる熱エネルギを利用して実質的に鉱物化される。これにより2つの 主要な問題が発生する。1つの問題は、熱い煙道ガスからの最も完全なエネルギ 回収可能性であり、他の問題は煙道ガスの浄化、すなわち熱い煙道ガスからの環 境的に問題のある物質の除去である。 廃棄物に含まれる物質の多様性から、焼却時に多数の汚染物質が形成される。 煙道ガス中の留意すべき最も重要なガス状汚染物質は、PVC含有廃棄物の焼却 から生じる塩酸HCl(及びCl2)と、ゴム、下水汚泥、紙及び染料の焼却か ら生じる二酸化イオウである。このような材料の焼却時には、例えば石炭のよう な他の燃料とは異なり、非常に多量のHClが形成される。 殆どの国では、今や、これらの汚染物質の排出についての厳格な排出規制値が 法令、例えばスイス国ではクリーン空気法(LRV)、ドイツ国では連邦空気汚 染抑制法(BImSchV)及びECでは都市ごみの焼却に関する指令により定 められている。従って、ドイツ国の第17次BImSchVは、HClについて 10mg/m3(S.T.P.)のクリーンガス規制値(11%のO2を含有する乾燥 煙道ガスに基づく)を制定した。 典型的なごみ焼却プラントは次のように構成されている。すなわち、廃棄物は アフターバーニング(後燃焼)チャンバを備えた炉プラント内で焼却される。焼 却時に生成された煙道ガスは、炉の下流側の熱回収用廃棄熱ボイラを通って流れ 、次いで、下流側の煙道ガス浄化装置に流入し、汚染物質が低温で分離される。 この場合、煙道ガスの浄化に単段又は多段ウエットスクラバ内で煙道ガスが処理 される「ウエットプロセス」が使用される。時には「ドライプロセス」が使用さ れ、このドライプロセスでは、ガス状汚染物質が微粒固形収着剤に収着される。 これ らの固形収着剤は、この目的のための適当な方法で煙道ガス流と接触させられる 。 ごみ焼却プラントのこの典型的構造には、幾つかの欠点がある。煙道ガスの浄 化はボイラ側の下流側でのみ行なわれるので、非常に攻撃的な汚染物質がボイラ を通って流れ、該汚染物質は重大な腐食問題を招く。この場合の最高腐食速度は 最も熱い伝熱面、すなわち過熱器の加熱面上に生じる。この場合、2つの主要メ カニズムがある。1つのメカニズムは、煙道ガス中の腐食性物質(より詳しくは HCl)による伝熱面の直接高温腐食であり、他のメカニズムは、付着し易い腐 食性物質を含有する炉のフライアッシュによる伝熱面上の堆積物形成である。こ れらの堆積物の下には酷い腐食が生じる。ここでも、HClは支配的な役割を演 じる。熱い伝熱面上でのこれらの重大な腐食現象は、得られる蒸気温度を制限し 、従って、蒸気を発電に使用する場合には焼却プラントの効率を制限する。また 、腐食は伝熱面上の堆積物を除去するためのプラントの周期的な停止と多大な費 用をかけたボイラの複雑なオーバーホールをもたらす。 ボイラの下流側に乾燥浄化法を採用すると、反応速度上の理由から低温が支配 的であるので、SO2を充分に除去するには多量の過剰収着剤を使用しなければ ならないという別の欠点が生じる。 SO2及びHClの乾燥除去も知られている。適当な収着剤として、天然石灰 化カルシウム、水酸化カルシウムCa(OH)2及び類似のアルカリ土類金属化 合物(例えば、MgO、Mg(OH)2等)がある。除去生成物として、CaSO4及 びCaCl2が形成される。未浄化煙道ガス中の一般的な汚染物質濃度は、1,000 mg/m3(S.T.P.)のHCl及び300mg/m3(S.T.P.)のSO2であ る。家庭ごみの焼却時の一般的な煙道ガス組成は、70%N2、11%CO2、7 %O2及び12%H2Oである。 H.Micheleの「乾燥収着剤による煙道ガス浄化−その可能性と制限(Rauchga- - Ing.-Tech.56(1984)、第11号、第819〜829頁)には、除去に適した 反応の平衡位置及び動力学が開示されている。出発物質の水酸化カルシウムCa (OH)2は、脱水と呼ばれる反応において400℃以上の温度で分解され、 酸化カルシウムCaOを形成する。出発物質の炭酸カルシウムCaCO3は、脱 炭酸と呼ばれる反応において750℃以上の温度で分解され、酸化カルシウムC aOを形成する。100mg/m3(S.T.P.)のHClのクリーンガス濃度の 場合、HClと収着剤との反応の平衡温度は、煙道ガス中の5〜20%の含水率 で、570〜540℃の間にある。従って、温度が高いほど、充分な除去が行な われなくなる。SO2の除去は、満足できない反応速度で、600℃以下の温度 で行なわれる。 C.Weinell等の「石灰及び石灰石と塩化水素との反応:動力学及び収着能力( Hydrogen Chloride Reaction with Lime and Limestone)」(Ind.Eng.Chem.R es.1992、第31号、第164〜171頁)には、HClの除去は可逆的に行な われること、すなわち既に除去されたHClは600℃以上の温度で再び解放さ れることが開示されている。 ドイツ国特許DE 3023480号には、石灰又はドロマイト又は同類の焼成生成物( 脱硫剤)を用いた、燃焼ガス又は還元ガスの高温脱硫方法が開示されており、こ の方法では、燃焼ガス又は還元ガスが、流動化ガスとして、脱硫剤を収容する流 動床リアクタ内に導入される。流動床リアクタでは、700〜1,100 ℃の温度及 び1.2〜2.0(Ca:Sとして計算)の化学量比(stoichiometric ratio)が設定 される。流動床リアクタから煙道ガスと一緒に排出される固形物は、ダストセパ レータ内で除去され且つ再び流動床リアクタに戻され、これにより循環流動床が 形成される。この方法は、選択された温度及び化学量比では、家庭用ごみの焼却 の場合、満足できない量のHClが除去されるに過ぎないという欠点を有してい る。1,000 mg/m3(S.T.P.)のHCl及び300mg/m3(S.T.P.)の SO2という一般的な汚染物質濃度の場合には、Ca:Sとして計算された2.0の 化学量比は、Ca:(S+0.5 Cl)として計算された0.5の化学量比に等しい 。すなわち、SO2及びHClの組合せ除去には、収着剤が殆ど利用されない。 しかしながら、より詳しくは、収着反応の高温ではガス状出発物質HClの側に 移行する好ましくない平衡位置のため、充分なHCl除去が妨げられる。従って 、700℃の温度及び5%の含水量のガス相HClの平衡濃度は既に450 mg/m3 (S.T.P.)になっている。すなわち、少量のHClが除去されるに 過ぎない。 ドイツ国特許DE 33 07 848には、冶金時の可燃性成分を含有する排ガス(off- gases)をアフターバーニング及び浄化する方法が開示されている。この方法で は、燃焼に必要なプロセス排ガス及び酸素含有ガスが、循環流動床の流動床リア クタ内に別々に導入され、流動床リアクタ内ではプロセスガスが同時に再燃焼及 び浄化される。流動床リアクタでは、700〜1,100℃の温度及び1.2〜3.0(C a:Sとして計算)の化学量比が設定される。流動床リアクタから煙道ガスと共 に排出される固形物は、ダストセパレータ内で除去され且つ再び流動床リアクタ に戻され、これにより循環流動床が形成される。また、この方法は、選択された 温度及び化学量比で除去されるHClは極く僅かであるという欠点を有する。 国際公開WO 88/08 741には、循環流動床内の熱いプロセス排ガスを冷却する技 術が開示され、プロセスガスは、再循環され且つ冷却された固形物とプロセスガ スとを収容する混合チャンバ内で冷却される。しかしながら、流動床ではガスの 浄化は全く行なわれず且つ再循環するガスは煙道ガスの量を増大させ、これは、 下流側装置のサイズの増大させるので欠点である。また、煙道ガスの量の増大は 、排出空気の熱損失が大きくなるのでボイラ内で回収可能な熱量を減少させる。 これはボイラ効率を低下させる。 ドイツ国特許DE 40 23 060には、熱いプロセス排ガスを、中央オリフィスを通 してバス状の固定流動床内に導入する技術が開示されている。冷却された固形物 は流動床からバスの内縁部を通ってプロセスガス流内に流入し、プロセスガスを 冷却する。ここでもガスの浄化は行なわれず、この欠点により、必要とされる付 加流動化空気が煙道ガスを増大させ、不利な結果を招く。 欧州特許公開EP-A-0 529 243には、第1流動床リアクタ内の触媒材料によりプ ロセスガス中のダイオキシンの完全分解を行なう技術が開示されている。下流側 の第2流動床リアクタでは、迅速な冷却が行なわれるため、ダイオキシンがこれ 以上形成されることはない。 欧州特許公開EP-A-0 328 874には、管束熱交換器として構成された複数の直列 排気ガスクーラ内での段階的な間接伝熱によりごみ焼却排気ガスを同時に冷却及 び浄化する技術が開示されている。この場合には、少なくとも3段階の各々にお いて、収着剤の一部の量が排気ガス流中に導入される。この量は、排気ガス中に 存在する汚染物質の量に対して不足当量(substoichiometric)である。 本発明の目的は、冒頭に述べた形式の方法であって、煙道ガスの最適浄化及び 効率的冷却が可能で、同時に、伝熱面の腐食の危険性を実質的になくすことがで きる方法を提供することにある。 本発明によれば、上記目的は、請求の範囲第1項の特徴部分に記載された特徴 により達成される。 本発明により達成される長所は、より詳しくは、2段ガス浄化により、その第 1段階を循環流動床で行い、且つ予め定めた温度条件により、収着剤の同時最適 利用を行なってSO2及びHClの両者の最適除去が達成される。 ガス/固形物の流れは、ガス流よりも壁への伝熱が非常に良いという特徴があ るため、乾燥ガス浄化と流動床ボイラとの組合せにより、更に、高効率のヒート デカップリング(heat decoupling)が可能になる。この結果、ボイラサイズを、 従来のボイラに比べ大幅に縮小できる。 第1段階の流動床リアクタでは、壁は伝熱面として設計され、且つ流動床内に は任意の追加伝熱面が直接配置される。 また、循環流動床として設計すると、腐食の問題が解決できる。一方では、ガ ス/固形物の流れの侵食作用は、流動床の伝熱面上への腐食性堆積物の形成を防 止する。他方では、流動床リアクタ内に導入される付着し易い煙道ダストは、煙 道ダストが伝熱面に接触する前でも、循環する固形物と結合する。 また、煙道ガス中の腐食性物質との接触による伝熱面の高温腐食を防止するた め、すなわち、より高温の蒸気温度に転換できるようにするため、第1段階の伝 熱面のいくらかを煙道ガス経路から外して、外部流動床クーラ内に移す。固形物 粒子は、流動床リアクタから流動床クーラ内に熱を伝達するための中間媒体とし て作用し、固形物粒子のいくらかは流動床クーラに通される。流動床クーラから の冷却された固形物は流動床リアクタに再循環され、ここで、これらの固形物は 煙道ガス流からの熱を吸収する。この場合、本発明の状況において、腐食により 最も過酷な影響を受ける伝熱面は、煙道ガス経路外にある流動床クーラ内に配置 するのが好ましい。これらの伝熱面は、最も熱い伝熱面、すなわち過熱器の面で ある。これにより、腐食速度は最大限に低下される。蒸気温度がより高い温度に 変換されると、焼却プラントの電気的効率がかなり改善される。同時に、これら の手段は、堆積物の形成及び腐食を低下させるため、オーバーホールに関する出 費が節約され、従ってプラントの有効利用性を向上できる。 以下、添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。 添付図面には本発明の3つの実施例が示されており、これらの実施例を以下に より詳細に説明する。 図面において、 第1図は、本発明の第1実施例による方法を示す流れ図である。 第2図は、本発明の第2実施例による方法を示す流れ図である。 第3図は、本発明の第3実施例による方法を示す流れ図である。 第1図に示すように、廃棄物の熱処理を行なうプラントの炉からの熱い煙道ガ ス(図示せず)を、流動化ガスとして流動床リアクタ6内に導入される(矢印5 で示す)。流動床リアクタ6の壁は伝熱面として設計されている。流動床には、 別の伝熱面を直接的に配置することもできる。第1図では、これらの冷却面の全 体が参照番号7で示されている。流動床リアクタ6は、少なくとも固形物粒子の いくらかが煙道ガス流と一緒に流動床リアクタ6から排出されるような大きさの ガス速度で作動される。例えば、サイクロン、ダストフィルタ又は静電集塵器と して設計できるダストセパレータ10にライン9を通って到達した固形物粒子は 、煙道ガス流から分離される。固形物のいくらかは流動床リアクタ6に再循環さ れ、これにより循環流動床が形成され、この場合、固形物を、ライン11を通し て直接的に、或いは、少なくとも一部をライン12、外部流動床クーラ15及び ライン14を通して流動床リアクタ6に戻すことができる。流動床クーラ15を 通って導入される固形物の部分は、直接的又は間接的な伝熱により固定流動床( 流体床)内で冷却される。対応する伝熱面が、参照番号16で示されている。流 動床クーラ15の作動に必要な流動化ガスは、ライン17を通って流動床クーラ 15に供給され、そして、流動床の上方で再び取り出されて(ライン18)、更 に利用される。 第1図の流れ図において、参照番号1で示されている本発明による方法の第1 段階は、流動床リアクタ6及びこれに関連するダストセパレータ10と、流動床 クーラ15とにより行なわれる。ライン8を通して微粒乾燥収着剤を流動床リア クタ6内に導入し、流動床の固形物粒子と混合する。第1段階の循環流動床は、 非常に良好なガス/固形物混合が行なわれるという特徴を有する。また、再循環 される固形物は、流動床リアクタ6の全体に亘って高度に均一な温度分布をもた らす。これらの前提条件は、600℃以上の温度で行なわれる良好なSO2除去 のための最適条件をつくり出す。好ましくは、第1段階は、600〜1,200℃の 間の温度で作動する。この温度範囲では、SO2の収着は、充分な反応速度で行 なわれる。 第1段階は、Ca:(S+0.5 Cl)として計算される少なくとも1.0の化学 量比で作動する。煙道ガス中の1,000 mg/m3(S.T.P.)のHCl及び300 m g/m3(S.T.P.)のSO2の一般的な汚染物質濃度で、これは、Ca:Sと して計算された少なくとも3.9の化学量比と等価である。すなわち、収着剤の過 剰が大きい場合には、主としてこの段階で生じるSO2の除去に基づいて定まる 。これは、優れたSO2除去を可能にする。 ダストセパレータ10を出る煙道ガスは、流動化ガスとして、ライン21を通 って第2流動床リアクタ20に供給されることにより、プロセスの第2段階2a に導入される。第2流動床リアクタ20では、HClの除去及び煙道ガスの更な る冷却が行なわれる。流動床リアクタ20には伝熱面すなわち冷却面22が設け られている。この場合にも、壁は、流動床内に直接配置される伝熱面すなわち追 加の伝熱面として設計される。流動床リアクタ20は充分に高いガス速度で同様 に作動され、これにより、少なくとも固形物粒子のいくらかが煙道ガスと一緒に 流動床リアクタ20から排出され且つライン23を通ってダストセパレータ24 に供給される。固形物はガス流から分離され且つライン25を通って流動床リア クタ20に再循環される。この場合も、外部流動床クーラを用いることができる 。 第1段階1のダストセパレータ10内で分離された固形物の1部分は、再循環 されることなく、ライン19を介して第2段階2aの流動床リアクタ20に供給 される。これらの固形物と一緒に、多量の未使用収着剤も第1段階1から第2段 階2aに通される。第2段階2aの収着剤条件はこのようにしてまかなわれる。 なぜならば、第1段階はSO2の除去に関して大きな過剰量で作動されるからで ある。第2段階2aの循環流動床は、非常に良好なガス/固形物混合と、収着剤 の長い滞留時間とにより、HCl除去にとって非常に良好な前提条件(precondit ions)を創出する。この段階は600℃以下の温度で作動されるため、HClの 充分な除去が確保される。固形物は第2段階2aから第1段階に全く戻らないた め、既に除去されたHClが、可逆HCl収着の結果として再び解放される危険 性が防止される。 浄化され且つ冷却された煙道ガスは、ライン26を通って慣用的なボイラ(図 示せず)に導かれる。ボイラ内で、煙道ガスは、熱回収され、排気筒(図示せず )に供給される前に、所望温度(好ましくは約200℃)に冷却される。第2段 階での充分な冷却により、慣用ボイラは、必要ならば完全に省略できる。 本発明の方法の第2図に示す実施例の場合には、この方法の第1段階は前述と 同様に行なわれる。第1図に示された構成要素と同じ構成要素は、第2図におい て同じ参照番号で示されている。この作動例では、第2段階2bにおいて、流動 床リアクタ20は流動床クーラ27により延長されており、ガス流動床クーラ2 7では、ダストセパレータ24内で分離され且つライン28を介して供給された 固形物の少なくともいくらかが冷却される。冷却された固形物のいくらかは、次 いで、ライン29を介して流動床リアクタ20に戻される。流動床クーラ27を 作動させるのに必要な流動化ガスは、ライン41を介して流動床クーラ27に供 給され且つ流動床の上方のライン42を介して再び取り出される。この実施例で は、流動床クーラ27内で冷却された固形物が第1段階1からの依然として熱い 煙道ガスから熱を吸収して冷却するので、流動床内の付加冷却面は不要である。 ダストセパレータ24の下流側は、好ましくは、複数のダストセパレータ段階 31、32、33からなる多段浮遊形ガスクーラ30に連結される。個々のダス トセパレータ段階31、32、33は、サイクロン、ダストフィルタ、静電集塵 器等で構成できる。第2図に示す作動例では、最終ダストセパレータ段階33に 、例えば静電集塵器が設けられる。 種々の設計及び種々の個数のダストセパレータ段階31、32、33を用いる ことができることは明白であろう。 煙道ガスは、ダストセパレータ24から、ライン35を介して第1ダストセパ レータ段階31へと流れる。ダストセパレータ段階31と32との間及びダスト セパレータ段階32と33との間の連結ラインは、それぞれ参照番号36及び3 7で示されている。 流動床クーラ27内で冷却された固形物のいくらかは、流動床クーラ27から 取り出され、ライン38を介して、最終のダストセパレータ段階33の直ぐ上流 側の煙道ガス流中に導入される。煙道ガスを冷却する固形物粒子は煙道ガス流に 帯同され且つライン37を通ってダストセパレータ段階33に移送される。ダス トセパレータ段階33から分離された固形物粒子はライン36内に導入され、こ こで、固形物粒子は再び煙道ガス流に帯同されて、第2番目のダストセパレータ 段階32に移送される。このダストセパレータ段階32から取り出されて、固形 物粒子は、再び煙道ガス流と共にライン35を通ってダストセパレータ段階31 に入る。このダストセパレータ段階31から、固形物粒子は、ライン39を通っ て流動床リアクタ20に戻される。 従って、煙道ガスは、順次、次のより低温のダストセパレータ段階へと流れ、 固形物は、順次、次のより高温の段階へと移送され、ついには再び流動床クーラ 27内で冷却される。 第3図に示される実施例では、第1図及び第2図に示した第2流動床リアクタ 20が省略されている。第2段階2cを遂行するのに、流動床クーラ27c及び 浮遊形熱交換器30cのみが存在する。この実施例でも、浮遊形熱交換器30c は、多段に設計するのが好ましい。第3図に示す作動例では、第2図の実施例と 同様に、3つのダストセパレータ段階31、32、33が示されている。しかし ながら、この実施例でも、個々の段階の個数及び設計は、条件に基づいて自由に 選択することができる。 この実施例では、第1段階1のダストセパレータ10は、煙道ガスと一緒にラ イン21を通って第1段階1から排出される収着剤の量が、第2段階2cでのH Clの除去にとって充分なものとなるように設計される。ダストセパレータ10 から分離された固形物のいくらかを、未使用の全部の収着剤と一緒に流動床 クーラ27cに供給することもできる(この固形物の供給は、第3図に破線43 で示されている)。第3図の浮遊形熱交換器30cにおいても、第2図の第2実 施例と同様に、流動床クーラ27cから発生する固形物により冷却される煙道ガ スは、順次、次のより低温のダストセパレータ段階に通される。一方、固形物は 、順次、次のより高温の段階に移送され、最後に再び流動床クーラ27c内で冷 却される。 ライン21内の煙道ガス速度は、いかなる固形物粒子をも第1段階1に戻さな いようにする速度であり、このため、この実施例でも、既に除去されたHClが 再び解放されることはない。 第1図及び第2図の実施例でも、ダストセパレータ10を適当に設計すること により、第1段階1からの未使用収着剤を、煙道ガスと一緒に、ライン21を介 して第2段階2a又は2bに導入できることは明白であろう。これらの3つの全 ての実施例では、とにかく、収着剤は互いに独立的に両段階に導入することがで きる。 上記既知の微粒物質は、例えばSO2、HCl又はこのような物質の混合物の 乾燥収着を行なうための収着剤として使用できる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.煙道ガスのガス状汚染物質、より詳しくはSO2及びHClを固形収着剤に 収着させるため、廃棄物の熱処理の下流側で煙道ガスの冷却及び浄化を行なう方 法において、煙道ガスは、600℃以上の温度の循環流動床(6)内の流動化ガ スとして、第1段階において収着剤と接触され、流動床(6)から排出された固 形物粒子のいくらか及び収着剤が、煙道ガス流から分離され且つ少なくとも一部 が流動床(6)に再循環され、第1段階からの煙道ガスが、第2段階(2a又は 2b又は2c)において600℃以下の温度で収着剤と接触されることを特徴と する請求の範囲第1項に記載の方法。 2.収着剤は、第1段階において、好ましくは1.0〜5.0の化学量比Ca:(S+ 0.5 Cl)の過剰量で使用されることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方 法。 3.流動床(6)内の煙道ガスのガス速度(表面速度)は2〜10m/sであるこ とを特徴とする請求の範囲第1項及び第2項のいずれか1項に記載の方法。 4.第1段階の下流側の煙道ガス流から分離された固形物粒子の少なくともいく らかが流動床クーラ(15)を通って流動床(6)に戻され、流動床(6)内の 温度は、流動床クーラ(15)内で冷却された固形物を導入することにより制御 されることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか1項に記載の方 法。 5.プロセスの第2段階(2a又は2b)が第2流動床(20)内で行なわれ、 流動床(20)から未使用の収着剤と一緒に煙道ガスにより排出された固形物が 、少なくとも1つの分離段階(24)で煙道ガス流から分離され且つ少なくとも 一部が第2流動床(20)に再循環されて、循環流動床を形成することを特徴と する請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか1項に記載の方法。 6.分離段階(24)において第2段階(2b)で煙道ガス流から分離された固 形物粒子の少なくともいくらかは、流動床クーラ(27)を通って第2流動床( 20)に戻され、流動床(20)内の温度は、流動床クーラ(27)内で冷却さ れた固形物を導入することにより制御されることを特徴とする請求の範囲第5 項に記載の方法。 7.第1段階(1)の下流側で未使用の収着剤と一緒に除去された固形物粒子の いくらかが、第2段階(2a又は2b)の第2流動床(20)内に導入されるこ とを特徴とする請求の範囲第5項乃至第6項のいずれか1項に記載の方法。 8.第2流動床(20)及び分離段階(24)の下流側の煙道ガスが複数のダス トセパレータ段階(31、32、33)に通され、流動床クーラ(27)内で冷 却された固形物粒子のいくらかが煙道ガス流に混合されて煙道ガス流を冷却し、 この後に、ダストセパレータ段(31、32、33)で煙道ガス流から再び除去 された固形物粒子が第2流動床(20)に再循環されることを特徴とする請求の 範囲第6項及び第7項のいずれか1項に記載の方法。 9.流動床クーラ(27)内で冷却された固形物粒子は、最終のダストセパレー タ段(33)の上流側で煙道ガス流中に導入され且つ煙道ガス流から除去され、 前記固形物粒子は、煙道ガス流が1つのダストセパレータ段階から次のより低温 のダストセパレータ段階に流れる間に、固形物粒子が煙道ガス流により1つのダ ストセパレータ段階から次のより高温のダストセパレータ段階に移送されるよう に、煙道ガス流に再び供給されることを特徴とする請求の範囲第8項に記載の方 法。 10.第1段階(1)を出る煙道ガスは、第2段階(2c)において、好ましくは 多段浮遊形熱交換器(30c)を通って流れ、第1ダストセパレータ段階(31 )で除去された固形物粒子は、流動床クーラ(27c)内で冷却され且つ煙道ガ ス流に供給されて煙道ガスを冷却し、好ましくは再び複数のダストセパレータ段 階(31、32、33)内で除去され、且つ流動床クーラ(27c)に再循環さ れることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか1項に記載の方法 。 11.流動床クーラ(27c)内で冷却された固形物粒子は最終のダストセパレー タ段階(33)の上流側で煙道ガス流中に導入され且つ最終のダストセパレータ 段階の中で除去され、前記固形物粒子は、煙道ガス流が1つのダストセパレータ 段階から次のより低温のダストセパレータ段階に流れる間に、固形物粒子が煙道 ガス流により1つのダストセパレータ段階から次のより高温のダストセ パレータ段階に移送されるように、煙道ガス流に再び供給されることを特徴とす る請求の範囲第10項に記載の方法。 12.第1段階(1)のダストセパレータ(10)内で除去された幾分かの固形物 粒子は、未使用収着剤と一緒に、第2段階(2c)の流動床クーラ(27c)内 に導入されることを特徴とする請求の範囲第10項乃至第11項のいずれか1項 に記載の方法。 13.第1段階(1)で未使用の収着剤は、煙道ガス流と共に第2段階(2c)に 供給されることを特徴とする請求の範囲第10項乃至第12項のいずれか1項に 記載の方法。 14.下流側の第1ダストセパレータ(10)を備えた第1流動床リアクタ(6) が第1段階に設けられ、下流側の第2ダストセパレータ(24)を備えた第1流 動床リアクタ(20)が第2段階に設けられ、固形物粒子が除去された煙道ガス を第2流動床に導入するため、第1ダストセパレータ(10)と第2流動床リア クタ(20)との間が連結されており、ダストセパレータ(9、24)内で除去 された固形物粒子を再循環させるための、各ダストセパレータ(10、24)か ら各流動床リアクタ(6、20)への戻り経路(11、25)が設けられている ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法を実施するための装置。 15.下流側の第1ダストセパレータ(10)を備えた第1流動床リアクタ(6) が第1段階に設けられ、好ましくは複数のダストセパレータ段(31、32、3 3)を備え且つ流動床クーラ(27c)と協働するように連結された浮遊形熱交 換器(30c)が第2段階に設けられ、固形物粒子が除去された煙道ガスを浮遊 形熱交換器(30c)に導入するため、第1ダストセパレータ(10)と浮遊形 熱交換器(30c)との間が連結されていることを特徴とする請求の範囲第1項 に記載の方法を実施するための装置。 16.第1流動床リアクタ(7)の壁が伝熱面として設計されていることを特徴と する請求の範囲第14項及び第15項のいずか1項に記載の装置。 17.第1ダストセパレータ(10)内で除去された固形物粒子を再循環させるた め、外部流動床クーラ(15)を通って第1流動床リアクタ(6)に通じる再 連結路(12、14)が設けられていることを特徴とする請求の範囲第14項乃 至第16項のいずれか1項に記載の装置。 18.第2流動床リアクタ(20)の壁が伝熱面として設計されていることを特徴 とする請求の範囲第14項に記載の装置。 19.第2ダストセパレータ(24)内で除去された固形物粒子を再循環させるた め、外部流動床クーラ(27)を通って第2流動床リアクタ(20)に通じる再 連結路(28、29)が設けられていることを特徴とする請求の範囲第14項又 は第16項のいずれか1項に記載の装置。 20.好ましくは複数のダストセパレータ段階(31、32、33)を備え且つ流 動床クーラ(27)と協働するように連結された浮遊形熱交換器(30)を有し 、浮遊形熱交換器(30)内で除去された固形物粒子を再循環させるため、浮遊 形熱交換器(30)と第2流動床リアクタ(20)との間に再連結路が設けられ ていることを特徴とする請求の範囲第19項に記載の装置。
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