JPH09505667A - 金属イオンのための酵素増幅競合アッセイ及びサンドイッチキレート化アッセイ - Google Patents

金属イオンのための酵素増幅競合アッセイ及びサンドイッチキレート化アッセイ

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JPH09505667A JP7515153A JP51515395A JPH09505667A JP H09505667 A JPH09505667 A JP H09505667A JP 7515153 A JP7515153 A JP 7515153A JP 51515395 A JP51515395 A JP 51515395A JP H09505667 A JPH09505667 A JP H09505667A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、試料中の金属イオンを測定する方法を提供する。1つの態様において、本発明は酵素増幅サンドイッチアッセイに関する。この方法は、2つのキレート化剤と共に錯体を生成する、金属イオンの能力に依存する。このような会合は、金属イオンがサンドイッチの中間層を形成するため、サンドイッチ錯体と呼ばれる。この方法では、1次キレート化剤は固体支持体に固定されており、2次キレート化剤はリポーター基と結合している。この構造は、金属イオンの定量検出のために選択性及び感度が高い便利なシステムを生成する。このアプローチは、1次及び2次キレート化剤による金属イオンの特異的な認識を、酵素又は他のリポーター基によって提供される大きなシグナルの増幅と組み合わせている。別の態様において、本発明は、固体支持体に固定されるキレート化剤と、リポーター基に結合した有機金属化合物との間の錯体生成を、試料中の対象金属イオンによって競合阻害することに依存する競合アッセイに関する。

Description

【発明の詳細な説明】 金属イオンのための酵素増幅競合アッセイ及び サンドイッチキレート化アッセイ発明の分野 1つの態様において、本発明は、酵素増幅サンドイッチキレートアッセイの使 用に基づいて金属イオンを検出し定量するための方法及びキットに関する。別の 態様において、本発明は、キレート化剤のために試料中に存在する金属イオンと 競合する有機金属化合物の使用に基づいて、金属イオンを検出し定量するための 競合方法に関する。これらの方法は、種々の酸化状態を有する種々の軽金属、遷 移金属、重金属、ランタナイド金属及びアクチナイド金属の検出及び定量に特に 好適である。このような金属イオンは、これらに限定されないが、以下を含む: アンチモン、砒素、ベリリウム、カドミウム、セリウム、クロム、コバルト、銅 (Cu (II))、金、鉛、マンガン、水銀(Hg(II))、ニッケル、パ ラジウム、セレン、銀、タリウム、ウラン、亜鉛及びジルコニウム。より詳細に は、本発明は水銀イオンの選択的及び定量的検出方法に関する。本発明の方法を 使用して、ppb/ppt濃度で試料に存在する金属イオンを検出できる。政府の権利に関する記述 本発明は、米国国立衛生研究所(National Institute of Health)によって与え られた認可番号P42 ES−04699の下で政府の支持を得てなされた。政 府は、この発明において一定の権利を有する。本発明はまた、カリフォルニア大 学システムワイド・トキシックス・プログラム(the University of California Systemwide Toxics Program)の支持も得てなされた。発明の背景 水銀及びその誘導体の殆どは、生物圏に遍在する非常に有毒な物質である。主 な生因は人類の活動による源からであるが、水銀汚染の主要源は地殻の天然の気 体放出である。双方の源からの放出量は地球全体の規模では問題を生じないが、 局地的な規模での増大により、長期的な結果として、影響を受けた住民に対して 深刻な健康の問題が生じうる。従って、環境における水銀の検出のために、簡潔 で、感度が高く信頼性のある手順が必要である。 遷移金属/重金属を百万分率(ppm)/高い十億分率(ppb)範囲の感度 で検出するための多数のアプローチが、文献においてみられる(例えば、Blanco , M.ら、Mikrochim.Acta,108: 53-59(1992)を参照)。これらの方法は主に、 分子吸収分光測光法(例えば、UV−VIS、IR)又は電気分析技術による適 切な金属誘導体の検出に基づいている。これらの技術の多くは、分析される試料 中に存在する金属イオンから誘導されるキレートを使用する。錯体マトリックス 中の金属イオンもまた、ガスクロマトグラフィー(GC)及び液クロマトグラフ ィー(LC)の双方によってキレートの形態で測定されている。 光学技術(例えば、UV−VIS測光法など)を使用するキレートの検出に基 づく簡潔な水銀分析は、異なるイオンによる妨害をしばしば受け(Sharma,R.ら 、Talanta,36: 457-461(1989)を参照)、通常これらの分析は必要な高感度が 不足している(Mariscal,M.、J.Anal.Chem.,342: 157-162(1992)及びKamb urova,M.、Talanta,40(5): 719-723(1993)を参照)。このことは、これらの 方法がしばしばキレート抽出技術(例えば、予備濃縮技術)と組み合わされると いう事実に関わらず、真実である。0.1ppm未満の検出限度が文献において 報告されているのは時折のみである(Marlscal,M.の上掲書を参照)。 従って、十億分率(ppb)/一兆分率(ppt)レベルの遷移金属/重金属 の検出に利用可能である、簡潔で信頼性のある選択的な技術は比較的少ない。最 も一般的に使用される方法は機器分析を含み、これらには、例えばフレームレス 原子吸収分光分析法、誘導結合プラズマ質量分光測光法、特殊な電気分析方法な どがある(Daniels,R.ら、Sci.Total Environ.,89: 319-339(1989)を参照 )。しかし、これらの方法は、機器分析を使用する際に典型的に遭遇する以下の ような制限の多くを有する:試料の処理量が制限される;複数の試料を並行して 処理できない;フィールド(野外)の現場分析には不適切であり、またそのため に修正又は改変不可能である(Wylie,D.ら、Anal.Biochem.,194: 381-387 (1991)を参照)。 興味深い代わりの方法は、特定のランタニド元素及び重金属を検出するための イムノアッセイ手順を含む(Reardanら、Nature,316: 265-268(1985);Wylie, D.ら、上掲書(1991);Wylie,D.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89: 410 4-4108(1992)を参照)。これらの方法では、金属キレートに対して抗体が生成さ れる。Reardan らは、担体タンパク質と結合した同一のキレートによって生成さ れたモノクローナル抗体により、EDTAタイプのインジウムのキレートを認識 することに成功した。この抗体はインジウムのキレートに対して最も高い親和性 を示したが、種々の重金属イオンのキレートはインジウムのキレートよりも10 〜1,000倍低い親和性を有するのみであった。中〜高濃度の他の金属イオン を含有する実際の試料がこの方法を使用して分析される場合、この選択性の不足 はかなりの困難を生じうる。更に、Wylie,D.らの上掲書では、HgCl2−グ ルタチオン−KLHを用いてねずみに免疫性を与えた。得られたモノクローナル 抗体のいくつかは、グルタチオン−BSAにキレート化された又は単独の水銀イ オンを選択的に認識した。最も有効な抗体の使用に基づいて得られたELISA のうちの1つは、0.5〜10ppbの範囲において光学濃度とlog〔Hg2+ 〕との間に線形関係を示した。これらの方法はある程度の特異性を示すが、調製 が困難で高価な特異性の高いモノクローナル抗体の使用を必要とするという点で 、これらは共に著しい制限を有する。 従って、環境実験室及び臨床実験室において水銀を測定するのに最も日常的に 使用される方法は、冷蒸気方式原子吸収分光測定法(即ち、CVAAS)である (Magos,L.ら、J.Assoc.Of Anal.Chem.,55: 966-971(1972);Lindら、Frese nius J.Anal.Chem.,345: 314-317(1993);Guo,T.ら、J.Anal.Chim.Acta. ,278: 189-196(1993)を参照)。しかし、この技術もまたいくつかの制限を有 する。機器分析を含む他の方法のように、分析可能な試料の数は、一度に1つの 試料しか分析できないという事実によって制限される。更に、最大感度で行われ るアッセイはしばしば高精度に欠けるが、最大感度を確実にするために大きな容 量の試料(即ち、5mlまで)が必要とされる。更に、CVAASは高価な設 備及び非常に熟達した職員を必要とし、フィールドの現場分析には不適切であり 修正不可能である(Wylie,D.らの上掲書(1991)を参照)。 水銀の場合、化学的種分別(即ち、無機水銀対有機水銀)は毒物学上で最も重 要である。特に重要なのはメチル水銀である。水沈降物中のHg(II)の細菌 によるメチル化によって生成されるメチル水銀は、最も有毒であり、最も一般的 に生じる有機水銀種である(Palmisano,F.ら、J.Anal.Chem.,346:648-652( 1993)を参照)。メチル水銀は、Hg(II)、即ち無機水銀よりもはるかに有 毒である。メチル水銀は魚に蓄積し、食物連鎖を介して拡張される。従って、自 然水中のメチル水銀の濃度は最も重要な水質パラメータの1つである(Bloom,N .ら、Water Air Soil Pollut.,53: 251-265(1990)を参照)。水環境における Hg(O)とHg(I)の存在度及びこれらの毒物学上の重要性は、些細なもの にすぎない。CVAAS技術は、Hg(II)、即ち無機水銀の量を検出する。 しかし、有機水銀(即ち、全水銀−無機水銀)の定量は、有機種をHg(II) に分解し、次に全水銀含有量を決定することによって間接的に可能である(Mago s,L.ら、上掲書;Lindら、上掲書;Guo,T.ら、上掲書を参照)。水銀の種を 同定する他の一般的な方法は、種々の検出システムを使用して水銀誘導体のクロ マトグラフィー分離と組み合わせている(Bulska,E.ら、Analyst,117: 657-66 3(1992);Palmisano,F.ら、上掲書;Lindら、上掲書を参照)。しかし、これら の方法は全て、高価な装置及び非常に有能な分析者を必要とする。更に、一度に 1つの試料しか測定できないため、分析速度は制限される。 従って、環境的及び生物的試料中の水銀及び他の金属イオンを検出するための 簡潔で感度が高く信頼性のある方法が、なお必要とされる。本発明は、このよう な方法を提供することによってこの必要性を満たす。発明の概要 本発明は、金属イオンを含有すると思われる試料において、このような金属イ オンを検出し定量するための迅速で精密かつ選択的な方法及びキットを提供する 。より詳細には、本発明は種々の酸化状態を有する種々の軽金属、遷移金属、重 金属、ランタナイド金属及びアクチナイド金属のイオンの存在及び/又は量を検 出 する方法及びキットに関する。このような金属イオンは、これらに限定されない が、以下を含む:アンチモン、砒素、ベリリウム、カドミウム、セリウム、クロ ム、コバルト、銅(Cu(II))、金、鉛、マンガン、水銀(Hg(II)) 、ニッケル、パラジウム、セレン、銀、タリウム、ウラン、亜鉛及びジルコニウ ム。 1つの態様において、本発明は、金属イオンを含有すると思われる試料中の金 属イオンの存在及び必要に応じて量を測定する方法を提供し、この方法は以下を 含む:(a)試料を固体支持体に接触させる(1次サンドイッチキレート化剤が 、金属イオンと結合してキレート錯体を生成できるような様態でこの固体支持体 に固定されている);(b)試料を2次サンドイッチキレート化剤に接触させる (2次サンドイッチキレート化剤がキレート錯体と結合してサンドイッチキレー ト錯体を生成できるような様態で、リポーター基がこの2次サンドイッチキレー ト化剤に固定されている);(c)リポーター基の存在又は不在によって、サン ドイッチキレート錯体の存在を検出する。 この特定の方法は、2つの鎖体生成剤(即ち、キレート化剤)で集塊又は錯体 を生成する、分析物(即ち、金属イオン)の能力に依存する。このような会合は 、分析物又は標的化合物がサンドイッチの中間層を形成するため、サンドイッチ 錯体と呼ばれる。この方法では、錯体生成剤のうちの一方(即ち、1次サンドイ ッチキレート化剤)は固体支持体に固定されており、他方の錯体生成剤(即ち、 2次サンドイッチキレート化剤)はリポーター基(例えば、酵素)と結合してい る。この構造は、標的分析物の定量検出のために選択性及び感度が高い便利な系 を生成する。このアプローチは、サンドイッチ錯体生成剤(即ち、1次及び2次 サンドイッチキレート化剤)による標的化合物の特異的な認識を、酵素又は他の 適切なリポーター基又は系によって提供されるシグナルの大きな増幅と組み合わ せている。この方法の使用によって、生成が高価でかつ困難な、親和性が高く非 常に特異的な抗体の必要がなくなる。更に、この方法は高価な設備及び非常に熟 達した職員を必要とせず、フィールドの現場分析に適切であり修正可能である。 別の態様において、本発明は、金属イオンを含有すると思われる試料中の金属 イオンの存在を測定するための競合方法を提供し、この方法は以下を含む:( a)固体支持体に試料を接触させる(キレート化剤が、金属イオンと結合してキ レート錯体を生成できるような様態でこの固体支持体に固定されている); (b)キレート化剤と結合してキレート錯体を生成できる有機金属化合物を試料 に添加する(この有機金属化合物にはリポーター基が固定されている); (c)リポーター基の存在又は不在によって、金属イオンの存在を検出する。 この競合アッセイの形態は、コーティングリガンド(即ち、固体支持体と結合 したキレート化剤)と、リポーター基又は系(例えば、酵素)に結合した有機金 属化合物との間の錯体生成を、試料中に存在する対象金属イオンによって競合阻 害することに依存する。キレート化剤と結合する有機金属化合物の量は試料中に 存在する金属イオンの量に反比例するため、光学濃度応答も存在する金属イオン の量に反比例する。図10のような標準曲線が生成可能である。対応する光学濃 度応答が標準曲線の線形範囲に入るように試料を希釈することによって、未知の 金属濃度を含有する試料を評価でき、金属イオンの濃度を決定できる。この競合 アッセイ形態を使用して、ppb/ppt濃度の金属イオンを検出できる。酵素 増幅サンドイッチアッセイのように、この方法は生成が高価でかつ困難な、親和 性が高く非常に特異的な抗体の必要がなくなる。更に、酵素増幅サンドイッチア ッセイのように、この方法は高価な設備及び非常に熟達した職員を必要とせず、 フィールドの現場分析に適切であり修正可能である。 本発明の方法は、非常に低いレベルで、即ちppb/ppt濃度で存在する有 害な金属、環境汚染物質及び他の有生分子の選択的な検出に好適である。更に、 本発明の方法は、人間及び環境の健康に深刻な害を及ぼし、そして非常に低いレ ベルで、即ちppb/ppt濃度でしばしば存在する、特定の非常に有毒な金属 (水銀、鉛、カドミウムなど)の環境モニターに特に好適である。図面の説明 図1は、本発明の方法に使用される酵素増幅サンドイッチ錯体アッセイの一般 的原理を示す。 図2は、本発明の方法に使用されるジチオカルバメート含有結合体の構造を示 す。 図3は、下の図4に示される形態に基づくアッセイ系の標準曲線を示す。垂直 な誤差範囲線は、4つの試料の標準偏差を表す。 図4は、コーティングキレート化剤#142を酵素結合キレート化剤#153 と結合させるアッセイ系の構造の表示を示す。P(タンパク質)はオボアルブミ ンを表す。酵素はアルカリホスファターゼ(AP)を表す。 図5は、系#142−CONA/#196−APによって例示される酵素増幅 金属錯体アッセイの競合形態を示す。プレートコーティング結合体(#142− CONA)に結合したジチオカルバメートキレート化剤の構造と、酵素(#19 6−AP)に結合した水銀含有基の構造が示される。 図6は、ジチオカルバメートキレート化剤#142(A)及びジチオカルバメ ートキレート化剤#153(B)を調製するのに使用される反応スキームを示す 。 図7は、ジチオカルバメートキレート化剤#160(A)及び競合アッセイ形 態に使用される有機水銀化合物#196(B)を調製するのに使用される反応ス キームを示す。 図8は、未知の試料中のHg(II)を決定するためのプレート形態を示す。 図9は、96ウェルマイクロタイタープレート(4つの試料)上のサンドイッ チキレート化剤のための2次元滴定スキームを示す。 図10は、上の図5に示される形態に基づくアッセイ系の標準曲線を示す。実 験は、6つの別個のプレート上に2列で行われた。 図11は、系#142−CONA/#196−APのpH依存性を示す。 図12は、系#142−CONA/#196−APに及ぼす塩化物イオンの影 響を示す。 図13は、系#142−CONA/#196−APに及ぼすアセテート緩衝液 のイオン強度の影響を示す。 図14は、系#142−CONA/#196−APに及ぼす界面活性剤の影響 を示す。 図15は、系#142−CONA/#196−APに関する交差反応性の調査 を示す。本発明の詳細な記述及び好適具体例 1つの態様において、本発明は、金属イオンを含有すると思われる試料中の金 属イオンの存在を測定する方法を提供し、この方法は以下を含む:(a)試料を 固体支持体に接触させる(1次サンドイッチキレート化剤が、金属イオンと結合 してキレート錯体を生成できるような様態でこの固体支持体に固定されている) ;(b)2次サンドイッチキレート化剤に試料を接触させる(2次サンドイッチ キレート化剤がキレート錯体と結合してサンドイッチキレート錯体を生成できる ような様態で、リポーター基がこの2次サンドイッチキレート化剤に固定されて いる);(c)リポーター基の存在又は不在によって、サンドイッチキレート錯 体の存在を検出する(図1を参照)。 本発明のこの方法は、試料中に存在する金属イオンを選択的に検出し、必要に 応じて定量するのに使用できる。より詳細には、本発明は種々の酸化状態を有す る軽金属、遷移金属、重金属、ランタナイド金属及びアクチナイド金属を選択的 に検出するのに使用できる。このような金属イオンは、これらに限定されないが 、以下を含む:アンチモン、砒素、ベリリウム、カドミウム、セリウム、クロム 、コバルト、銅(Cu(II))、金、鉛、マンガン、水銀(Hg(II))、 ニッケル、パラジウム、セレン、銀、タリウム、ウラン、亜鉛及びジルコニウム 。本明細書中に使用されるように、「試料」という用語は、対象金属イオンを含 有すると思われる生物的源(例えば血清、尿)、環境的源(例えば地下水、池、 湖、河川、海洋)、工業的源(例えば化学的製造作業)又は商業的源(例えば食 品)から得られるあらゆる試料を指す。更に、本明細書中に使用されるように、 「接触する」という用語は以下と互換可能に使用できる:〜と結合する、〜に添 加する、〜と混合する、〜を通過する、〜の上を流動する等。 1次及び2次サンドイッチキレート化剤という用語は、本明細書中に使用され るように、錯体を又は(互換可能)分析物(即ち、金属イオン)が検出される配 位化合物を、生成できる化合物を指す。本発明のこの方法に用いられるキレート 化剤は対象分析物を選択的に検出できなくてはならず、また熱力学的に安定した サンドイッチキレート錯体(即ち、キレート化剤−分析物−キレート化剤錯体) を生成できなくてはならない。適切な1次及び2次サンドイッチキレート化剤の 例は、これらに限定されないが、以下を含む:ジチオカルバメート、2,3−ジ メルカプトプロパンスルホン酸、2,3−ジメルカプトプロパノール−1、D, L−ペニシルアミン、2−(3−スルホベンゾイル)ピリジン−2−ピリジルヒ ドラゾン、セレノヒドリル含有化合物、4−(2−ピリジルアゾ)レゾルシノー ル、ジフェニルチオカルバゾン、1−(2−ピリジルアゾ)−2−ナフトール、 6−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、ヒスチジン及びアセチルアセト ン。 本発明のこの方法に使用される特定のキレート化剤はどの金属イオンが検出さ れるかに依存し、あらゆる所与のケースにおける選択は当業者には明白であろう 。例えば水銀(Hg(II))を検出する場合、以下のキレート化剤を使用でき る:ジチオカルバメート(Bond,A.M.及び Scholz,F.、J.Phys.Chem.,95 : 7460-7465(1991)を参照);2,3−ジメルカプトプロパンスルホン酸(即ち 、ユニチオール)(Casas,J.S.ら、J.Inorg.Nucl.Chem.,42: 99-102(1980) を参照);2,3−ジメルカプトプロパノール−1(Casas,J.S.ら、上掲文献(19 80)を参照);D,L−ペニシルアミン(Casas,J.S.ら、上掲書(1980)を参照); 2−(3−スルホベンゾイル)ピリジン−ピリジル−ヒドラゾン(Going及びSyko ra、Anal.Chim.Acta,70: 127-132(1974)を参照);及びセレノヒドリル含有化 合物(Arnold,A.P.ら、Inorg.Chem.,25: 2433-2437(1986)を参照)。タリウ ムの検出には、以下のキレート化剤を使用できる:4−(2−ピリジルアゾ)レ ゾルシノール(Hnilickova ら、Talanta,16: 83-94(1986)を参照)。コバルト を検出する場合、以下のキレート化剤を使用できる:4−(2−ピリジルアゾ) レゾルシノール(Yotsuyanagi,T.ら、Anal.Chem.,44: 1091-1093(1972)を参 照)。鉛の検出には、以下のキレート化剤を使用できる:ジフェニル−チオカル バゾン(即ち、ジチゾン)(Budesinsky及びSagat、Talanta,20: 228-232(1973) を参照)。ウランを検出する場合、以下のキレート化剤を使用できる:1−(2 −ピリジルアゾ)−2−ナフトール(即ち、PAN)(Cheng,K.L.、Anal.Chem ,30: 1027-1030(1958)を参照)。セレンの検出には、以下のキレ ート化剤を使用できる:6−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸(即ち、 J酸)(Ramachandran,K.N.ら、Talanta,40: 781-784(1993)を参照)。銅( Cu(II))を検出する場合、以下のキレート化剤を使用できる:ヒスチジン (Meyer及びBauman、J.Amer.Chem.Soc.,92: 4210-4216(1970)を参照)。ベ リリウムの検出には、以下のキレート化剤を使用できる:アセチルアセトン(All er,A.J.、Appl.Spectr.,44: 1159-1162(1990)を参照)。このようなキレ ート化剤は、当業者に公知の標準の方法及び技術を使用して調製される(例えば 、下記の実施例セクションを参照)。前述の出版物は全て本明細書中に援用され る。 本発明のこの方法が前述のキレート化剤の使用に限定されないことは、当業者 には容易に明白であろう。本発明のこの方法を有用にするためには、キレート化 剤は対象分析物を選択的に検出できなくてはならず、サンドイッチキレート錯体 (即ち、キレート化剤−分析物−キレート化剤錯体)を生成できなくてはならな い。従って、本発明の検出方法を行うために、適切な反応速度下に(即ち、分析 時間と比較して生成速度が速く)標的分析物と熱力学的安定性が高いサンドイッ チキレートを選択的に生成できるあらゆる錯体生成剤(即ち、現在公知のもの又 は後に開発されるもの)を使用できる。サンドイッチキレート錯体の生成速度を 決定するために慣用の反応速度論的実験を使用できることが、当業者によって理 解されるであろう。更に、サンドイッチキレート錯体の熱力学的安定性の直接的 な尺度である条件付安定定数β2を、当業者に公知の多数の方法を使用すること によって測定できる。これらの方法は主に、錯体を生成する成分の既知の量を含 有する一連の溶液の調製と、適切な分析方法を使用して反応物又は生成物のうち の1つの濃度(即ち、生成又は除去)を直接的又は間接的のいずれかによってモ ニターすることに基づいている。このような分析方法は当業者に公知であり、例 えば、電位差法、分光測光法、ポーラログラフィー法、抽出法及びイオン交換法 を含む。 ジチオカルバメートによって生成されるような水不溶性サンドイッチキレート 錯体の条件付安定性の評価には、パラフィンを含浸させた黒鉛電極上にサンドイ ッチキレート錯体を機械的に付着させることを含む環状ボルタメトリー法(ポー ラログラフィーの1タイプ)を使用できる(本明細書中に援用されるBond,A.M .及びScholz,F.の上掲書(1991)を参照)。サンドイッチキレート錯体が付着し た電極を電解液に浸漬し、電位を系に付与する。続いてサンドイッチキレート錯 体は(電解液に溶解する)水溶性のジチオカルバメートを遊離させて減少し、( 電極上に残る)金属は減少する。この反応の見かけ電位を測定することにより、 一般的な電気化学的原理を使用してβ2を計算することが可能である。この特定 の方法、及び原理がこの方法に類似する他の方法を、サンドイッチキレート錯体 の熱力学的安定性を計算するのに使用できることが、当業者には容易に明白であ ろう。 緩衝液のpH、緩衝液のイオン強度、マスキング剤(即ち、異なるイオンによ る妨害を減少させるために系に添加される追加のキレート化試薬)の存在などが サンドイッチアッセイの選択性に影響しうることは、当業者によって更に理解さ れるであろう。例えば、同じキレート化剤が、アッセイに用いられる反応条件に よって、異なる金属イオンを有する有用な系を生成できる(例えば4−(2−ピ リジルアゾ)レゾルシノールは、タリウム又はコバルトのいずれかの検出のため のキレート化剤として使用できる)。更に、いくつかの例では、試料の単純な清 浄(例えば、キレート抽出)はアッセイ(例えば、ベリリウム/アセチルアセト ン系)の選択性を改良し高めるのに有益に使用できる。本明細書中に以下に述べ られるような日常的な滴定実験を行うことによって、当業者は、使用される特定 のキレート化剤及び検出される特定の金属イオンのための反応条件を最適化する ことができる。 本発明のこの方法において、1次サンドイッチキレート化剤は、金属錯体と結 合してキレート錯体、即ち1次サンドイッチキレート−金属イオン錯体を生成で きるような様態で固体支持体又は固相(即ち、不溶性ポリマー物質、有機又は無 機マトリックス、ゲル、凝集体、沈殿物又は樹脂)に固定又は結合される。本発 明による好適な固体支持体は、これらに限定されないが、以下を含む:セルロー ス、アガロース、デキストラン、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ スチレン、ポリ塩化ビニル、又はこれらの誘導体、キチン、セファロース、オキ シラン置換アクリルビーズ、澱粉、酸化澱粉(即ち、ポリマー性ジアルデヒド) 、コラーゲン、ケラチン、エラスチン、ウシ皮の粉末、細菌細胞壁のペプチドグ リカン又はそのフラグメント、ジアゾ化紙、ナイロン、ポリエチレンテレフタレ ート、ポリカーボネート、金属粒子及び調節孔ガラス。これらのうち、いくつか の固体支持体が目下好適である。即ち、セルロース及びセルロース誘導体(例え ばニトロセルロース)、アガロース、デキストラン、ポリアクリレート、ポリア クリルアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル及びガラスである。固体支持体と しての使用に更に好適なのは、ニトロセルロース、ポリスチレン及びポリ塩化ビ ニルである。ポリスチレン及びポリ塩化ビニルは通常マイクロタイタープレート として使用され、ニトロセルロースは通常シートで使用される。 固体支持体への1次サンドイッチキレート化剤の固定は、当業者に公知であり 当業者によって理解される従来の方法及び手順を使用して行われる。1次サンド イッチキレート化剤はしばしば、架橋結合試薬及び必要に応じてリンカー分子又 は(互換可能)スペーサー分子を使用することによって固体支持体に固定される 。架橋結合試薬は公知であり、かなりの範囲のこのような試薬が市販されている 。概して、架橋結合試薬は共有結合した2つ又はそれより多くの反応性官能基を 一緒に含む。共有結合は直接的でもよいが、多くの場合反応性官能基は個々にス ペーサー結合に共有結合することによって互いから隔てられている。反応性官能 基は同一でよい(即ち、同質官能基の架橋結合剤)し、又は異なっていてもよい (即ち、異質官能基の架橋結合剤)。 本発明による適切な架橋結合試薬は、これらに限定されないが、以下を含む: S−アセチルチオグリコール酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル;N−( 5−アジド−2−ニトロベンジルオキシ)スクシンイミド;p−アジドフェナシ ルブロミド;N−(4−アジドフェニルチオ)フタルイミド;4−アジドサリチ ル酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル;ブロモ酢酸N−ヒドロキシスクシ ンイミドエステル;1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル;2−ジアゾ −3,3,3−トリフルオロプロピオン酸p−ニトロフェニルエステル;ジメ チルアジピミデートジヒドロクロリド;ジメチル3,3′−ジチオビスプロピオ ンイミデートジヒドロクロリド;ジメチルピメルイミデートジヒドロクロリド; ジチオビス(プロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル);エチレン グリコールビス−(琥珀酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル);4−フル オロ−3−ニトロフェニルアジド;ビス(4−フルオロ−3−ニトロフェニル) スルホン;4−(N−マレイミド)ベンゾフェノン;γ−マレイミドブチル酸N −ヒドロキシスクシンイミドエステル;ε−マレイミドカプロン酸N−ヒドロキ シスクシンイミドエステル;4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1 −カルボン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル;β−マレイミドプロピオ ン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル;N,N′−ビス(3−マレイミド プロピオニル)−2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミン;N,N′−o− フェニレンジマレイミド;ポリオキシエチレンビス(グリシジルエーテル);ポ リオキシエチレンビス(イミダゾリルカルボニル);及びスベリン酸ビス(N− ヒドロキシスクシンイミド)エステルなど。 更に、本発明による適切なリンカー分子は、これらに限定されないが、以下を 含む:タンパク質、炭水化物、脂質、ペプチド、ポリエステル、核酸及び合成ポ リマー(例えば、ポリ−L−リシン)(開示内容が本明細書中に援用されるAoutsuk a,S.ら、J.Immunol.Methods,28: 149-162(1979); Presentini,R.ら、J.I mmunoassay,10: 395-412(1989); Verschoor,J.A.ら、J.Immunol.Methods ,127: 43-49(1990)を参照)。リンカー分子は2価官能性(即ち、2つの反応部 位を有することができる)でもよく、その場合反応部位のうちの一方は固体支持 体への結合に使用され、他方の反応部位はキレート化剤を結合するのに使用され る。概して、1次サンドイッチキレート化剤はリンカー分子に、ひいては、上記 架橋結合試薬を用いて固体支持体に;アルデヒド基とのシッフ塩基生成反応にお いて;アミン又はカルボン酸基とのアミド生成反応においてペプチド結合試薬( 例えば、上記のカルボジイミド、酸塩化物など)を使用して;ヒドロキシル又は カルボン酸基とのエステル生成反応において縮合剤を使用して;スルフィド生成 反応において上記のスルフィド結合剤を使用して;芳香族ジアゾニウム塩との アゾ結合生成反応において;又は有機分子をタンパク質に結合させるための他の 公知の結合反応において、固体支持体に結合できる。次のような方法及び技術の 文献を参照のこと:例えば、開示内容が本明細書中に援用されるKabat,E.A.、 Structural Concepts In Immunology and Immunochemistry(2nd Ed.,Holt,Rin ehart and Winston,New York(1976); Eyzaguirre,J.、Chemical Modificatio ns of Enzymes: Active Site Studies(JohnWiley & Sons(1982)); Wong,S.S. 、Chemistry of Protein Conjugation and Cross-Linking(CRC Press,Inc.,Bo ca Raton,1991);及びBrinkley,M.、Bioconjugate Chem.,3: 2-13(1992)。 固定のための2価官能性剤の使用の代わりに、リンカー基がプレートの表面に 結合した市販の特殊なマイクロタイタープレートを使用できることが、当業者に よって更に理解されるであろう。これらのリンカーは、1次サンドイッチキレー ト化剤のミクロタイタープレートへの直接的な共有結合を可能にする(例えば、 開示内容が本明細書中に援用されるRoch,A.M.ら、J.Immunol.Methods,133 : 1-11(1990);及びSondergard-Andersen、J.ら、J.Immunol.Methods,131: 99 -104(1990)を参照)。固定のための架橋結合試薬の使用の代わりとなる別の方 法は、スペーサー分子又は固体支持体との直接的結合が可能である特殊な1次サ ンドイッチキレート化剤(例えば、リンカー基又は分子に結合したキレート部分 を有する化合物)を用いることである。 目下好適な具体例では、タンパク質が1次サンドイッチキレート化剤を固体支 持体に結合させるのに使用されるリンカー分子である。このようなタンパク質は 、これらに限定されないが、以下を含む:ウシ血清アルブミン、コンアルブミン 、キーホールリンペット(鍵孔笠貝)のヘモシアニン、オボアルブミン。また、 本発明の更に好適な具体例では、タンパク質(例えば、BSA、CONA、KL A、OVAなど)と結合した1次サンドイッチキレート化剤は、マイクロタイタ ープレートをコーティングするためにイムノアッセイ分野において使用される方 法を使用して、ポリスチレン又はポリ塩化ビニルマイクロタイタープレート(即 ち、ELISAプレート)の表面にドープされる。しかし、1次サンドイッチキ レート化剤を固相又は固体支持体に結合させるのに他の方法を使用できることが 当業 者には容易に明白であろう。従って、1次サンドイッチキレート化剤をリンカー 分子へ結合させ、リンカー分子を固体支持体へ結合させる方法は、本発明の重要 な特徴ではない。 2次サンドイッチキレート化剤はリポーター基又は(互換可能)リポーター系 を有する。2次サンドイッチキレート化剤がキレート錯体(即ち、1次サンドイ ッチキレート−金属イオン錯体)と結合してサンドイッチキレート錯体を形成で きるような様態で、そのリポーター基又はリポーター系は2次サンドイッチキレ ート化剤に固定又は結合されている。本明細書中に使用されるように、「リポー ター基」という用語は、対象分析物(例えば金属イオン)が試料中に存在する場 合に検出可能なシグナル又は変化を生じるあらゆる部分、分子、原子又は種を指 す。リポーター基自体が検出可能なシグナル(即ち検出可能な標識、例えば125I )として存在でき、あるいは、リポーター基は検出可能な変化を受ける又は検出 可能な変化を生じることができる。検出可能なシグナル又は変化の存在は、対象 分析物が試料中又は検体中に存在することを示す。 本発明によると、適切なリポーター基は、これらに限定されないが、以下を含 む:酵素、色原体、蛍光体、ラジオアイソトープ、ビオチン、又はサンドイッチ キレートを認識する抗体と結合したこれらの基。本発明の目下好適な具体例では 、酵素がリポーター基として使用される。酵素がリポーター基として使用される 場合、酵素は指示薬、即ち反応の結果として又は酵素が試料中に存在する際に生 じる反応の頂点の結果として検出可能な変化を受ける化学種又は基質、と組み合 わせて使用される。好適な指示薬は、可視指示薬、特に色原体指示薬、即ち酵素 の作用の際に可視変化が色の変化であるもの(無色物質における色の生成を含む )である。あるいは、酵素は蛍光シグナル、燐光シグナル、生物発光シグナル、 化学発光シグナル又は電気化学シグナルの生成を触媒することが可能であっても よい。更に、例えば凝固物、凝集物、沈降物又は透明化ゾーンなどの他の可視又 は検出可能なシグナルが生成可能であってもよい。これらの場合、指示薬は所望 の検出可能なシグナル又は変化を生じるために酵素が必要とする化学種又は基質 である。 本発明によると、リポーター基としての使用に目下好適な酵素は、これらに限 定されないが、以下を含む:ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)及 びアルカリホスファターゼ(AP)。ホースラディッシュペルオキシダーゼ及び アルカリホスファターゼがリポーター基として使用される場合、多種の色原体基 質(即ち、色原体)を用いることができる。HRPに適切な色原体は、これらに 限定されないが、以下を含む:テトラメチルベンジジン(TMB)、クロロナフ トール、アミノエチルカルバゾール及びジアミノベンジジン。APに適切な色原 体は、これらに限定されないが、以下を含む:p−ニトロフェニルリン酸(NP P)及びブロモクロロインドリルリン酸−ニトロブルーテトラゾリウム(BCI P/NBT)。適切なキレート化剤に結合でき、そして検出可能な変化(例えば 、変色)を生成する反応を触媒できるのであれば、他の酵素をリポーター基とし て使用できることが当業者には明白であろう。更に、あらゆる所与の酵素に最も 適切な色原体基質は、酵素が触媒できる即ち開始できる反応に依存し、あらゆる 所与のケースにおける選択は当業者には容易に明白であろう。 更に、上記のように、2次サンドイッチキレート化剤を放射性化合物(例えば125 I)、ビオチン、蛍光体などと結合する、即ちこれらによって標識付けするこ とができる。ヨウ素標識リポーター基は、オートラジオグラフィー又はガンマカ ウンターによる直接的な計数のいずれかによって検出可能である。ビオチン標識 リポーター基は、アビジン又はストレプトアビジンの使用によって検出される。 これらのタンパク質はビオチンにしっかりと結合し、本質的に不可逆の錯体を生 成する。アビジン及びストレプトアビジンは共にヨウ素又は酵素によって標識付 けされることができ、双方とも市販されている。更に、UV−VIS吸光度、蛍 光、蛍光偏向、発光、IR、電子スピン共鳴分光学、非酵素触媒(例えば合成酵 素モデル)又はあらゆる他の特定の効果(例えば分光的、電気化学的など)を直 接的又は間接的のいずれかで生じるあらゆる他の化合物が、本発明のこの方法に おいてリポーター基として使用可能である。標的金属イオンと一緒になって生成 されるサンドイッチキレート錯体は、それ自体が、キレートの検出を直接的に可 能にするいくつかの化学的又は物理的特徴(例えば、触媒特性又は分光特性)を 示すことも考えられる。 2次サンドイッチキレート化剤は、1次サンドイッチキレート化剤を固体支持 体に結合させるのに述べられた方法と類似する方法を使用してリポーター基又は リポーター系に固定される(即ち、結合される)ことが、当業者によって理解さ れるであろう。従って、有機分子(即ち、キレート化剤)をタンパク質及び他の 分子に結合させる架橋結合剤の使用に関する先の論述は、ここで十分に適用でき る。当業者は、上述の架橋結合試薬を使用し、当業者に公知の従来の結合反応を 使用して2次サンドイッチキレート化剤をリポーター基又はリポーター系に容易 に結合させることができる。固定のための架橋結合試薬の使用の代わりとなる方 法は、リポーター系との直接的結合が可能である特殊な2次サンドイッチキレー ト化剤(例えば、リンカー基に結合したキレート部分を有する化合物)を用いる ことである。 目下好適な具体例では、水銀イオンが本発明のこの方法において定量的に検出 される金属イオンである。本発明のこの特定の方法では、ジチオカルバメートが キレート化剤として用いられる。何故なら、この化合物は特定の重金属イオン、 特に水銀(II)イオンに対して非常に高い親和性を有するからである。1次サ ンドイッチキレート化剤(即ち、タンパク質と結合したジチオカルバメートキレ ート化剤)及び2次サンドイッチキレート化剤(即ち、ジチオカルバメートキレ ート化剤と結合した酵素)の双方を調製するのに使用される化学反応は、非常に 類似している。簡潔に言えば、常用の手順によって第2級アミノ基を高分子(即 ち、タンパク質及び酵素)の表面に生成し、次に対応するジチオカルバメートを 得るために二硫化炭素を添加する(図2)。(本発明のこの方法に有用なジチオ カルバメートキレート化剤の調製に使用される手順のより詳細な記述は、下記の 実施例セクションを参照のこと。)第2級アミンから得られるジチオカルバメー トが酸化剤不在の非酸性条件下でかなり安定性があることは公知である。第1級 アミンは化学的に不安定なジチオカルバメートを生成し、アッセイに使用される タンパク質及び酵素の延長した架橋結合を生じるため、第1級アミンはこの方法 ではキレート化剤としてあまり有用ではない(本明細書中に援用されるValentin e,W.ら、Chem.Res.Toxicol,5: 254-262(1992)を参照)。一度生成される と、1次サンドイッチキレート化剤、即ちタンパク質(例えばBSA、CONA 、KLH、OVA)に結合したジチオカルバメートキレート化剤を、マイクロタ イタープレートをコーティングするためにイムノアッセイ分野において一般に使 用される方法を利用して、ELISAプレートの表面に簡便にドープできる。 連続的インキュベーション形態又は同時インキュベーション形態のいずれかを 使用して、本発明のこの方法を行うことができる。概して、連続的インキュベー ション形態では、金属イオンを含有すると思われる試料を固体支持体(例えばマ イクロタイタープレート)に固定された1次サンドイッチキレート化剤(即ち、 キレート化タンパク質結合体)に接触させる(即ち、結合させる、添加する、混 合する、通過させる、流動させるなど)。インキュベーション期間の後、固体支 持体を洗浄して全ての不結合分子及び物質を除去する。次に、酵素(例えば、ア ルカリホスファターゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼなど)と結合した 2次サンドイッチキレート化剤を添加する。インキュベーション期間の後、固体 支持体を再び洗浄して全ての不結合分子及び物質を除去する。最後に、検出可能 な色を生成するために酵素が必要とする基質を添加する。基質の色原体生成物へ の酵素触媒転化が、短い発色期間中に進行する。最後に、電子プレートリーダー を用いて(例えば、ELISA−プレートリーダー、即ちUV−VIS分光法に よって)各ウエル中の液体の光学吸収を適切な波長で読み取る。次に、図3に示 されるような用量反応曲線をデータから生成でき、試料中に存在する金属イオン の濃度を決定するのに使用できる。 あるいは同時インキュベーション形態において、1次サンドイッチキレート化 剤が固定されている固体支持体を、金属イオンを含有すると思われる試料と、リ ポーター基(例えば酵素)と結合した第2の固体支持体の双方と同時にインキュ ベートする。十分なインキュベーション期間の後、固体支持体を洗浄して全ての 不結合物質を除去する。最後に、連続的インキュベーション形態のように、検出 可能な色を生成するために酵素が必要とする基質を添加し、例えばELISA− プレートリーダーを使用して(即ち、UV−VIS分光法によって)光学濃度を 読み取る。得られたデータから用量反応曲線を生成でき、試料中に存在する金属 イオンの濃度を決定するのに使用できる。 二部位アッセイ、即ちサンドイッチアッセイの光学濃度パターン又は用量反応 曲線は、「フック効果」、即ちベル状標準曲線(OD対1g〔濃度〕)を示して いる(開示内容が本明細書中に援用されるNomura,M.ら、J.Immunol.Methods, 56: 13-17(1983)を参照)。この「フック効果」の理論的根拠は、以下の通りで ある:試料中の分析物(即ち、金属イオン)の濃度が高いほど、サンドイッチキ レート錯体が2つの「2次(即ち、移動)サンドイッチキレート化剤」と、検出 される分析物、即ち金属イオンとの間に形成される可能性が高くなる。この錯体 は移動する(即ち、固体支持体と結合しない)ため、後で洗い落とされ、結果と してイオン濃度が増大し、光学濃度が減少する。曲線の下降部分は、通常分析物 の濃度が非常に高い場合にのみ見られる。従って殆どの分析では、アッセイの低 濃度の増大線形範囲が用いられる。結局、光学濃度がこの間隔内に実際に入るこ とを確実にするために未知の試料を少なくとも2桁離れた希釈度でテストしなく てはならず、又は他の予防測定をしなくてはならない(開示内容が本明細書中に 援用されるCole,T.ら、Clin.Chem.,39: 695-696(1993)を参照)。 本発明のこの方法を使用して、水銀(II)イオンを低ppb濃度で簡便にか つ容易に検出できることを見出した。例えば、本発明の連続的インキュベーショ ンアッセイ系のうちの1つ(図4)の標準曲線(図3)は、約6ppbの水銀( II)−イオン濃度のOD50値(即ち、最大光学濃度の50%が得られる金属イ オン濃度)と、1ppbの検出限度と、2〜約20ppbの線形範囲とを有する 。この後者の範囲において、光学濃度は金属イオン濃度の対数に比例する。線形 範囲内に入るように適切に希釈された未知の溶液の金属含有量は、得られた光学 濃度を標準曲線によって表される値と比較することにより適切に定量されうる。 曲線の減少部分は図3に示されていないが、光学濃度は約60ppbを上回る水 銀イオン濃度で減少し始める。このアッセイの感度は、最も一般的な分析問題に 十分すぎる程に適切である。しかし、いくつかの環境における使用では、水銀の 超微量レベルの検出を必要とする。このような場合、本発明のアッセイの感度を 更に増大及び増進させるために、例えばキレート抽出、イオン交換クロマトグラ フィーなどによる試料の予備濃縮を使用できる。 別の態様において、本発明は、金属イオンを含有すると思われる試料中の金属 イオンの存在を測定するための競合方法を提供し、この方法は以下を含む:(a )固体支持体に試料を接触させる(キレート化剤が、金属イオンと結合してキレ ート錯体を生成できるような様態でこの固体支持体に固定されている);(b) キレート化剤と結合してキレート錯体を生成できる有機金属化合物を試料に添加 する(この有機金属化合物にはリポーター基が固定されている);(c)リポー ター基の存在又は不在によって、金属イオンの存在を検出する。 上述の方法のように、本発明のこの方法を、試料中に存在する金属イオンを選 択的に検出し、必要に応じて定量するのに使用できる。より詳細には、本発明は 種々の酸化状態を有する軽金属、遷移金属、重金属、ランタナイド金属及びアク チナイド金属を選択的に検出するのに使用できる。このような金属イオンは、こ れらに限定されないが、以下を含む:アンチモン、砒素、ベリリウム、カドミウ ム、セリウム、クロム、コバルト、銅(Cu(II))、金、鉛、マンガン、水 銀(Hg(II))、ニッケル、パラジウム、セレン、銀、タリウム、ウラン、 亜鉛及びジルコニウム。前述の方法のように、「試料」という用語は、本明細書 中に使用されるように、対象金属イオンを含有すると思われる生物的源(例えば 血清、尿)、環境的源(例えば地下水、池、湖、河川、海洋)、工業的源(例え ば化学的製造作業)又は商業的源(例えば食品)から得られるあらゆる試料を指 す。更に、「接触する」という用語は、本明細書中に使用されるように、以下と 互換可能に使用できる:〜と結合する、〜と添加する、〜と混合する、〜を通過 する、〜の上を流動する等。 本明細書中に使用されるように、「キレート化剤」という用語は、錯体を又は (互換可能)分析物(即ち、金属イオン)が検出される配位化合物を、生成でき る化合物を指す。本発明のこの方法に用いられるキレート化剤は、対象分析物を 選択的に検出できなくてはならず、また熱力学的に安定したキレート錯体(即ち 、キレート化剤−分析物錯体)を生成できなくてはならない。適切なキレ ート化剤の例は、これらに限定されないが、以下を含む:ジチオカルバメート、 2,3−ジメルカプトプロパンスルホン酸、2,3−ジメルカプトプロパノール −1、D,L−ペニシルアミン、2−(3−スルホベンゾイル)ピリジン−2− ピリジルヒドラゾン、セレノヒドリル含有化合物、4−(2−ピリジルアゾ)レ ゾルシノール、ジフェニルチオカルバゾン、1−(2−ピリジルアゾ)−2−ナ フトール、6−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、ヒスチジン及びアセ チルアセトン。本発明のこの方法に使用される特定のキレート化剤はどの金属イ オンが検出されるかに依存し、あらゆる所与のケースにおける選択は当業者には 明白であろう(種々の金属イオンを検出するのに有用な特定のキレート化剤に関 する詳細の論述は、以下を参照)。 更に、本発明のこの方法が前述のキレート化剤の使用に限定されないことは、 当業者には容易に明白であろう。本発明のこの方法を有用にするためには、キレ ート化剤は対象分析物を選択的に検出できなくてはならず、キレート錯体(即ち 、キレート化剤−分析物錯体)を生成できなくてはならない。従って、本発明の 検出方法を行うために、適切な反応速度下に(即ち、分析時間と比較して生成速 度が速く)標的分析物と熱力学的安定性が高いサンドイッチキレート化剤を選択 的に生成できるあらゆる錯体生成剤(即ち、現在公知のもの又は後に開発される もの)を使用できる。目下好適な具体例では、水銀イオンが定量的に検出される 金属イオンである。従って、この特定の方法では、ジチオカルバメートがキレー ト化剤として用いられる。何故なら、この化合物は水銀(II)イオンに対して 非常に高い親和性を有するからである。 緩衝液のpH、緩衝液のイオン強度、マスキング剤(即ち、異なるイオンによ る妨害を減少させるために系に添加される追加のキレート化試薬)の存在などが アッセイの選択性に影響しうることは、当業者によって更に理解されるであろう 。本明細書中に以下に述べられるような日常的な滴定実験を行うことによって、 当業者は、使用される特定のキレート化剤及び検出される特定の金属イオンのた めの反応条件を最適化することができる。 本発明のこの方法において、キレート化剤は、金属錯体と結合してキレート錯 体、即ちキレート−金属イオン錯体を生成できるような様態で固体支持体又は固 相(即ち、不溶性ポリマー物質、有機又は無機マトリックス、ゲル、凝集体、沈 殿物又は樹脂)に固定又は結合される。本発明による好適な固体支持体は、これ らに限定されないが、以下を含む:セルロース、アガロース、デキストラン、ポ リアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、又はこ れらの誘導体、キチン、セファロース、オキシラン置換アクリルビーズ、澱粉、 酸化澱粉(即ち、ポリマー性ジアルデヒド)、コラーゲン、ケラチン、エラスチ ン、ウシ皮の粉末、細菌細胞壁のペプチドグリカン又はそのフラグメント、ジア ゾ化紙、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、金属粒子 及び調節孔ガラス。これらのうち、いくつかの固体支持体が目下好適であり、即 ちセルロース及びセルロース誘導体(例えばニトロセルロース)、アガロース、 デキストラン、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリ塩 化ビニル及びガラスである。固体支持体としての使用により更に好適なのは、ニ トロセルロース、ポリスチレン及びポリ塩化ビニルである。ポリスチレン及びポ リ塩化ビニルは通常マイクロタイタープレートとして使用され、ニトロセルロー スは通常シートで使用される。 固体支持体へのキレート化剤の固定は、当業者に公知であり当業者によって理 解される従来の方法及び手順を使用して行われる。上述のように、キレート化剤 はしばしば、架橋結合試薬及び必要に応じてリンカー分子又は(互換可能)スペ ーサー分子を使用することによって固体支持体に固定される。従って、1次サン ドイッチキレート化剤を固体支持体に結合させる架橋結合試薬の使用に関する先 の論述は、ここで十分に適用できる。当業者は、上述の架橋結合試薬を使用し、 当業者に公知の従来の結合反応を使用してキレート化剤を固体支持体に容易に結 合させることができる。 目下好適な具体例では、タンパク質がキレート化剤を固体支持体に結合させる のに使用されるリンカー分子である。このようなタンパク質は、これらに限定さ れないが、以下を含む:ウシ血清アルブミン、コンアルブミン、キーホールリン ペットのヘモシアニン、オボアルブミン。また、本発明の更に好適な具体例では 、 タンパク質(例えば、BSA、CONA、KLA、OVAなど)と結合したキレ ート化剤は、マイクロタイタープレートをコーティングするためにイムノアッセ イ分野において使用される方法を使用して、ポリスチレン又はポリ塩化ビニルマ イクロタイタープレート(即ち、ELISAプレート)の表面にドープされる。 しかし、キレート化剤を固相又は固体支持体に結合させるのに他の方法を使用で きることが当業者には容易に明白であろう。従って、キレート化剤をリンカー分 子へ結合させ、リンカー分子を固体支持体へ結合させる方法は、本発明の重要な 特徴ではない。 本発明のこの方法では、キレート化剤と結合するために、試料中に存在する金 属イオンと競合する化合物として有機金属化合物が使用される。有機金属化合物 はリポーター基又は(互換可能)リポーター系を有し、これは有機金属化合物に 固定又は結合されている。本明細書中に使用されるように、「有機金属化合物」 という用語は炭素−金属結合を含む化合物を指す。炭素−金属結合の性質は広く 異なり、本質的にイオン結合であるものから主に共有結合であるものまでに及ぶ 。本発明の目的にとって、有機金属化合物の有機部分の構造は重要ではない。必 要とされるのは、有機金属化合物の金属部分がキレート化剤と共に錯体を生成で きるように接近可能である、ということのみである。更に、有機金属化合物中に 存在する金属が試料中に検出される又は定量される金属イオンと同一であること は、重要ではない。必要とされるのは、有機金属化合物の金属部分はキレート化 剤に対して高い親和性を有し、そしてキレート化剤と共に錯体を生成できるよう に接近可能である、ということのみである。従って、本発明のこの方法の競合化 合物として広範囲の有機金属化合物を使用できる。 本発明の使用に適切な有機金属化合物は、当業者に公知の標準技術及びプロト コルを使用して、オレフィン、有機ハロゲン化物、芳香族化合物、ジアゾニウム 塩などからしばしば調製される(例えば、開示内容が本明細書中に援用されるCa rey,F.A.& Sundberg,R.J.、Advanced Organic Chemistry.Part B: Reacti ons and Synthesis(Plenum Press,New York,1980 ;及びWilkinson,G.ら、 Comprehensive Organometallic Chemistry.The Synthesis,Reactions and Str uctures of Organometallic Compounds.Vols 1-9(Pergamon Press,Oxford,Ne w York,1982)を参照)。しかし、本発明の使用に適切な有機金属化合物を調製 するために他の方法を使用できることが当業者には容易に明白であろう。従って 、このような化合物を調製するのに使用される方法は、本発明の重要な特徴では ない。 更に、本明細書中に使用されるように、「リポーター基」という用語は、対象 分析物(例えば金属イオン)が試料中に存在する場合に検出可能なシグナル又は 変化を生じるあらゆる部分、分子、原子又は種を指す。前述のように、リポータ ー基自体が検出可能なシグナル(即ち検出可能な標識、例えば125I)として存在 でき、あるいは、リポーター基は検出可能な変化を受ける又は検出可能な変化を 生じることができる。本発明による適切なリポーター基は、これらに限定されな いが、以下を含む:酵素、色原体、蛍光体、ラジオアイソトープ、ビオチン、又 はキレート錯体を認識する抗体と結合したこれらの基。種々のリポーターキレー ト及びリポーター系の使用に関する先の論述は、本発明のこの方法に十分適用で きることが理解されるべきである。更に有機金属化合物は、キレート化剤を固体 支持体に結合させるのに使用する反応と類似する結合反応を使用して、リポータ ー基又はリポーター系と結合できることが理解されるべきである。従って、架橋 結合試薬の使用に関する先の論述は、ここで十分適用できる。 前述の方法のように、本発明の競合アッセイ方法を、連続的インキュベーショ ン形態又は同時インキュベーション形態のいずれかを使用して行うことができる 。連続的インキュベーション形態では、まずテスト試料又はリポーター基と結合 した有機金属化合物のいずれかを、固体支持体に固定したキレート化剤に接触さ せる。第1ステップでどの成分を固定したキレート化剤に接触させるかに依存し て、残りの成分を第2ステップで添加する。反対に、同時インキュベーション形 態の場合、試料及び有機金属化合物(予め混合されたもの又は同時に添加された もののいずれか)を固定したキレート化剤に単一ステップで接触させる。 この競合アッセイ形態の1つの例が、図5に示される。このアッセイでは、有 機水銀化合物はリポーター系、即ち酵素に結合しており、一方硫黄含有キレート 化剤は固体支持体に結合している(図5の系#196AP/#142−CONA を参照)。この競合アッセイ形態を使用して、ppb/ppt濃度の金属イオン を検出できる。更に、この競合アッセイ形態を使用して、試料中に存在する金属 イオンの量、即ち濃度を、キレート化剤、更に固体支持体に結合した有機金属化 合物の量によって定量することができる。キレート化剤に結合する有機金属化合 物の量は試料中に存在する金属イオンの量に反比例するため、光学濃度応答もま た試料中に存在する金属イオンの量に反比例する。図10のような標準曲線を生 成できる。対応する光学濃度応答が標準曲線の線形範囲内に入るように試料を希 釈することによって、未知の濃度の金属を含有する試料を評価でき、金属イオン の濃度を決定できる。 有機金属化合物を固体支持体(例えば、マイクロタイタープレートの表面)に 固定し、キレート化剤をリポーター酵素又は他のリポーター系に結合する反対の 構造も可能であることが、当業者によって理解されるであろう。従って、金属イ オンの存在を測定するためのこの競合方法は、以下を含む:(a)金属イオンと 結合してキレート錯体を形成できるキレート化剤に試料を接触させる(このキレ ート化剤にはリポーター基が固定されている);(b)試料を固体支持体に接触さ せる(有機金属化合物が、キレート化剤と結合してキレート錯体を形成できるよ うな様態でこの固体支持体に固定されている);(c)キレート錯体の存在を検出 し、リポーター基の存在又は不在によって金属イオンの存在を検出する。前述の 競合アッセイ方法のように、競合アッセイ形態のこのアレンジメントを、連続的 インキュベーション又は同時インキュベーション形態を使用して行うことができ る。 更なる態様において、本発明は金属イオンを含有すると思われる試料中の金属 イオンの存在を測定するキットを提供し、このキットは以下を含む:1次サンド イッチキレート化剤が金属イオンと結合してキレート錯体を形成できるような様 態で1次サンドイッチキレート化剤が固定された固体支持体;及び2次サンドイ ッチキレート化剤がキレート錯体と結合してサンドイッチキレート錯体を形成で きるような様態でリポーター基が固定された2次サンドイッチキレート化剤。キ ットはまた、サンドイッチキレート化剤錯体、即ちキレート化剤−分析物−キレ ート化剤錯体の存在、ひいては金属イオンの存在の決定のためにリポーター基が 必要とする検出、可視又は標識物質を含んでもよい。 更に別の態様において、本発明は金属イオンを含有すると思われる試料中の金 属イオンの存在(及び量)を競合測定するキットを提供し、このキットは以下を 含む:キレート化剤が金属イオンと結合してキレート錯体を形成できるような様 態でキレート化剤が固定された固体支持体;及びキレート化剤と結合してキレー ト錯体を形成できる、リポーター基が固定された有機金属化合物。前述のキット のように、このキットもまた、金属イオンの存在又は不在の決定のためにリポー ター基が必要とする検出、可視又は標識物質を含んでもよい。 本発明の方法及びキットを金属イオン以外の標的の検出に使用できることは、 当業者には容易に明白であろう。例えば、本発明の方法は金属イオン以外のカチ オン、アニオン、両性イオン、ラジカル及び電荷も不対電子も持たない有機化合 物の検出に十分適用できる。本発明の方法では、広範囲の結合力を使用できる。 このような結合力は、これらに限定されないが、以下を含む:水素結合、疎水力 、電荷輸送の安定化及び共有結合。 更に、本発明の方法のためのアッセイ形態はELISAタイプの方法に制限さ れない。他の適切な形態は、これらに限定されないが、ラジオラベルを伴うアッ セイ、流動カラム、ディップスティック形態及びセンサを含む。多数のタイプの センサが文献において報告されており、このうち最も重要なものは電気化学的変 換及び光学的変換に基づき、これらは共に酵素増幅に関連しうる(例えば、開示 内容が本明細書中に援用されるHilditch,P.ら、Analyst,116: 1217-1220(1991 ); Ivnitskii,D.ら、Anal.Chim.Acta.,261: 45-52(1992); Anis,N.ら、J .Agric.Food Chem.,41: 843-848(1993); Griffits,D.ら、Trends Biotechno l.,11: 122-130(1993); 及びWang,J.、J.Anal.Chem.,65: 450R-453R(1993) を参照)。分析器のコンセプトによって、このような装置はオフライン(例えば 、離散試料の分析のための使い捨て可能センサ)、オンライン(例えば、流動注 入系)及びインライン(例えば、連続的環境モニターのためのin situ 使 用の埋めこみ可能センサ)で動作する。サンドイッチ錯体アッセイ、即ち化学的 認識系としてのサンドイッチキレート錯体の使用の基本原理を、公知のセンサ形 態の殆どに適用できる。更に、組織化されたプロセスコントローラにつながる非 常に精密な研究室分析から、オンサイトモニター用のフィールドポータブルアッ セイにわたる多くの目的のためにアッセイを形態づけることができる。 上記に述べられた全ての参照文献及び出版物は、本明細書中に全て援用されて 本発明の一部とする。 ここで、本発明は具体例の実施例によって、より詳細に述べられる。以下の実 施例は例示的な目的で提供されるものであり、いかなる態様においても本発明を 制限することを意図しない。本発明の概念内での変更は、当業者には明白であろ う。実施例 以下のプロトコル及び実験の詳細は、後に続く実施例において参照される。下 記に述べられる全ての参照事項は、本明細書中に全て援用されて本発明の一部と する。A.使用される略語及び一般的な手順 AP、アルカリホスファターゼ;BSA、ウシ血清アルブミン;CONA、コ ンアルブミン;DMF、ジメチルホルムアミド;EDC、1−(3−ジメチルア ミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド;ELISA、酵素 結合イムノソルベントアッセイ;HRP、ホースラディッシュペルオキシダーゼ ;KLH、キーホールリンペットのヘモシアニン;N−ヒドリキシスルホスクシ ンイミド、(±)−1−ヒドロキシ−2,5−ジオキソ−3−ピロリジンスルホ ン酸;OD、光学濃度;OD50:分析物濃度が最大光学濃度の50%を生じる; OVA、オボアルブミン;PBS、0.2Mのリン酸緩衝液及び0.8%のNa Cl(pH7.5);THF、テトラヒドロフラン;TMB、3,3′,5,5 ′−テトラメチルベンジジン。 結合反応の生成物の同定に使用されるコードの系は、以下の例によって示され る: 初めの3桁(例えば、149)はハプテンの化学的構造を指し; 第1の文字は結合体が生成された実験を示し(例えば、149AのA); 第2の文字は、以下のように結合したタンパク質又は酵素を示す: 149AB:BSA; 149AC:CONA; 149AK:KLH; 149AO:OVA; 149AA:AP; 149AR:HRP。 シブロン/バーンステッドナノピュア(Sybron/Barnstead Nanopure)II 浄水シ ステムは、水性溶液の調製のため水(16.7megオーム/cm)をナノピュ ア水とした。得られた結合体を徹底的な透析によって、4〜5リットル容量、4 ℃で攪拌しながら精製した。透析緩衝液の連続的取り換えの間に少なくとも6時 間が経過した(透析緩衝液の取り換えの数は、例えば6×など、各実験の後にか っこ内に設けられる)。酵素及び酵素結合体を伴う全ての化学的手順の後、高い 酵素活性を示した。タンパク質結合体を−20℃で保存した。酵素誘導体を、短 期間の間4℃に保った。等量のエチレングリコールと混合した後、酵素結合体を −20℃で長期保存したところ、数カ月間酵素活性の大幅な減少はみられなかっ た。Nunc-Immuno プレートブランド96−ウェルポリスチレンマイクロタイター プレート(Nunc InterMed 社、デンマーク)を、アッセイに使用した。Vmax電 子マイクロプレートリーダー(Molecular Devices 社、メンロパーク、カリフォ ルニア)を使用し、色原体生成物の光学吸収を適切な波長で測定した。アッセイ に使用される緩衝液(例えば、コーティングのためのpH9.6の50mMカー ボネート緩衝液、pH5.5の100mM酢酸ナトリウム緩衝液)を、ケレック ス(Chelex)100ブランドイオン交換樹脂(Bio-Rad Laboratories、リッチモン ド、ヴァージニア)のカラムに通過させて精製し、微量の水銀及び妨害の可能性 がある他の金属イオンを取り除いた(Holmquist,B.、Methods Enzymol.,158:6 -12(1988))。例えばタンパク質(BSA、CONA、OVA、KLH)、AP( 1mMのMgCl2、0.1mMのZnCl2及び30mMのトリエタノールアミ ンを含有する3.0MのNaCl溶液に溶解した7.2又は17mgのタンパク 質/ml、pH7.6、活性:2600単位/mgタンパク質〔37℃において pH9.8〕、製品番号:P−0405)、p−ニトロフェニルリン酸ジナ トリウム及びTMBなどのイムノケミカル品の殆どを、Sigma Chemicals Co.( セントルイス、ミズーリ)から購入した。HRPは、Boehringer社(マンハイム 、ドイツ)から購入した。例えばN−ヒドロキシスルホスクシンイミド−ナトリ ウム塩(97%)、EDCなどの一般的な溶剤及び薬品は、他に述べられない限 り、Aldrich Chemical Co.(ミルウォーキー、ウィスコンシン)から得た。B.1次及び2次サンドイッチキレート化剤の合成のための一般手順 以下に述べられる実施例のいくつかでは、タンパク質及び酵素の表面において 第1級アミノ基(例えば、リシン誘導体のε−アミノ基)をカルボニル化合物( 例えば、アルデヒド又はケトン)及びテトラヒドロボレートナトリウム(即ち、 実験#141及び#158)によって還元アミノ化することにより、第2級アミ ノ基を形成した。このような反応では、例えばシアノヒドリドボレートナトリウ ム(Borchら、J.Amer.Chem.Soc.,93: 2897-2904(1971))及びアミンボラン(Ca bacungan,J.ら、Anal.Biochem.,124: 272-278(1982); Wong,W.ら、Anal. Biochem.,139: 58-67(1989); Stults,N.ら、Anal biochem.,180: 114-119(1 989); Tainturier,G.ら、J.Agric.Food Chem.,40: 760-763(1992))などの、 テトラヒドロボレートナトリウム(Means 及びFeeney、Biochemistry,7: 2192-2 201(1968))以外の還元剤も使用できる。更に、第2級アミノ基を生成するための 電気化学的還元も可能である(Tainturier,G.ら、上掲書、40: 760-763(1992) を参照)。 あるいは、バイオポリマーへの結合のために、別の基を有するN保護第2級ア ミンをキレート化剤の合成に用いることもできる。L−プロリル誘導体を調製す るために、このアプローチを使用した(実験#149及び#152)。 水溶性カルボジイミドと、ハプテンカルボン酸のタンパク質へのカルボジイミ ド媒介結合反応を高めるN−ヒドロキシスルホスクシンイミドとの組み合わせを 使用する新規の方法によって、N−トリフルオロアセチル−L−プロリンを結合 した(Staros,J.ら、Anal.Biochem.,156: 220-222(1986); Anjaneyulu,P.ら 、Int.J.Pept.Protein Res.,30: 117-124(1987); Bekheit,H.ら、J.Agric .Food Chem.,41(1993))。水不溶性ハプテンの、反応中間物、即ち水溶性がよ り高い対応するN−ヒドロキシスルホスクシンイミドエステルへの変化は、通常 水性溶液中のタンパク質への結合効率を向上させる。この技術は結合手順に使用 される有機補助溶剤の量を最小にもし、これは高い酵素活性を保つという点で酵 素トレーサーの合成に明らかに有利である。 この合成方法は、Nブロック基の開裂を必要とする。対照的に、N−トリフル オロアセチル(TFA)基を取り除く方法は、N−TFA−プロリルペプチド中 のN末端保護基の還元開裂を特に容易にすることに関するWeygand F.ら、Chem. Ber.,103: 2437-2449(1970)による報告に基づいている。テトラヒドロボレー トナトリウムによるTFA基の分裂とブロックされたプロリンの結合は、BSA 結合の場合のF−NMR−分光学によって確認された。 タンパク質上に第2級アミノ基を生成するために、更なる可能な合成方法が存 在する。例えば、結合のための反応基及びカルボニル基を有する二価官能性ハプ テンによってまず誘導されたバイオ高分子を、カルボニル部分の還元アミノ化に よって標的構造に転化できる。C.金属含有試薬の合成のための一般手順 10−ウンデセン酸(CH2=CH−(CH2)8−CO2H)のメトキシ水銀処理 によって、有機水銀化合物+Hg−CH2−CHX−(CH2)8−CO2H(X:OC H3)を得た。(異なるX置換基を有する同族体及び類似する化合物も同様に調製 できることが、当業者によって理解されるであろう。)次に、この水銀含有酸を 、水溶性カルボジイミド及びN−ヒドロキシスルホスクシンイミドによってタン パク質及び酵素に結合した(HRP結合の構造については図5を参照)。水銀原 子が炭素又はヘテロ原子によって結合した種々の他の有機水銀化合物を、このア ッセイに使用できる。更に、他の種類の有機水銀化合物をこのタイプのアッセイ に使用してもよい。D.1次及び2次サンドイッチキレート化剤の調製 図6及び図7は、本発明の方法に使用されるジチオカルバメートキレート化剤 及び有機水銀化合物を調製するのに使用される反応スキームを示す。使用される プロトコルの詳細については、下記の実験を参照のこと。1.実験#141 a.実験#141A テフロンでふたをしたガラスバイアル中で激しく電磁攪拌して反応を行った。 水とPBS(各タンパク質毎に12ml)の1:1混合物中に溶解したタンパク 質(BSA、CONA、KLH、OVA:各10mg)を、氷で冷却した。TH F(3ml)中のml単位のイソブチルアルデヒド(0.3ml、3.3mmo l、濃度:0.794)を、4℃で数分間にわたって各水性タンパク質溶液に滴 加した。これらの反応混合物を4℃で15分間攪拌し、10℃で1時間攪拌し、 再び氷で冷却した。次に、テトラヒドロボレートナトリウム(各100mg、2 .64mmol)を4℃で数分間にわたってこれらの混合物に数回に分けて添加 した。これらの反応混合物を同じ温度で30分間攪拌し、室温で一晩中攪拌した 。これらのタンパク質結合体(141AB、141AC、141AK及び141 AO)を、透析によってPBS中で精製した(5×)。 APの結合反応を、4℃で行った。AP溶液(0.06ml、酵素0.43m g)を、低温の0.15Mホウ酸塩緩衝液(pH:9、7.5ml)及び水(3 ml)と混合した。THF(0.1ml)中のイソブチルアルデヒド(5μl) を攪拌しながら混合し、この反応混合物を2時間攪拌した。次に、テトラヒドロ ボレートナトリウム(7.5mg)を数回に分けて添加した。この混合物を1時 間攪拌した。この結合体(141AA)を、透析によってPBS中で精製した( 5×)。 b.実験#141B 丸底フラスコ中で4〜6℃で激しく電磁攪拌して反応を行った。水とPBS( 各15ml)の1:1混合物中に溶解したタンパク質(BSA、CONA、OV A:各100mg)を、氷で冷却した。THF(3ml)中のイソブチルアルデ ヒド(0.5ml、5.5mmol)を数分間にわたって各タンパク質溶液に滴 加し、次にこれらの反応混合物を1時間攪拌した。次に、テトラヒドロボレート ナトリウム(各100mg、2.64mmol)及び水(各2ml)を数分間数 回に分けてこれらの反応混合物に添加した。これらの反応混合物を3時間攪拌 した。これらのタンパク質結合体を、透析によってPBS中で精製した(6×)。 手順の間、特に141BOにおいてある程度の変性が生じたため、遠心分離によ って固体沈殿物を取り除いた。これらの結合溶液のタンパク質含有量を決定した (141BB:3.8mg/ml、141BC:2.2mg/ml及び141B O:0.7mg/ml)。2.実験#142 a.実験#142A テフロンでふたをしたガラスバイアル中で4℃で激しく電磁撹拌して反応を行 った。実験#141Aで得られたタンパク質結合体141AB、141AC、1 41AK及び141AO(各3.5ml)を、水(各1.5ml)で希釈した。 これらの溶液のpH値を、IMのNaOH溶液によって約10に調整した。TH F中の0.5mlの0.1M二硫化炭素溶液を滴加し、次にこれらの反応混合物 を3時間攪拌した。これらの結合体(142AB、142AC、142AK及び 142AO)を、透析によって水中で精製した(4×)。 酵素結合溶液141AA(10.5ml)を、低温の0.13Mバイカーボネ ート/カーボネート緩衝液(pH:9.6、8ml)で希釈した。THF(0. 2ml)中の0.1Mの二硫化炭素溶液を数分間滴加し、次にこれらの反応混合 物を4時間半攪拌した。この結合体(142AA)を、透析によってPBS中で 精製した(7×)。 b.実験#142B テフロンでふたをしたガラスバイアル中で4℃で電磁攪拌して反応を行った。 実験#141Aで得られたタンパク質結合体141AB(7ml)を水(3.5 ml)及びPBS(7ml)で希釈し、次にこの混合物を氷中で冷却した。この 溶液のpH値を、0.1MのNaOH溶液によって約10に調整した。THF中 の0.5mlの0.1M二硫化炭素溶液を滴加し、次にこの反応混合物を4℃で 4時間攪拌し、この間0.1MのNaOH溶液を時折添加することによって9〜 10のpH値を維持した。この結合体(142BB)を、透析によってPBS中 で精製した(5×)。 c.実験#142C テフロンでふたをしたガラスバイアル中で初めから終わりまで4℃で電磁攪拌 して反応を行った。実験#141Bで得られたタンパク質結合体(141BB: 2.63ml、141BC:3.68ml、141BO:10ml)を、低温の 0.13Mバイカーボネート/カーボネート緩衝液(各pH:9.7、13.5 ml)で希釈した。THF(各0.3ml)中の0.1M二硫化炭素溶液を数分 間滴加し、次にこれらの反応混合物を7時間撹拌した。これらの結合体(142 CB、142CC及び142CO)を、透析によってPBS中で精製した(6× )。3.実験#149A テフロンでふたをしたガラスバイアル中で電磁攪拌して反応を行った。N−ト リフルオロアセチル−L−プロリン(Steglich,W.ら、Synthesis,399-401(197 6)(22.9mg、108.5μmol)、N−ヒドロキシスルホスクシンイミ ド一ナトリウム塩(38.7mg、173μmol)、次にEDC(24.9m g、130μmol)を添加してDMF(7ml)を乾燥した。この反応混合物 を窒素下で室温で一日激しく攪拌した。生成された溶液を6つのアリコートに分 けた。 PBS(各7ml)中に溶解したタンパク質(BSA、CONA、OVA:各 30mg、KLH:15mg)を氷で冷却した。20%容量のDMF溶液(前記 を参照)を、各氷冷したタンパク質溶液に数分間激しく攪拌しながら滴加した。 これらの反応混合物を4℃で1時間攪拌し、次に室温で一晩中攪拌した。生成さ れた結合体(149AB、149AC、149AK、149AO)を、透析によ ってPBS中で149AA(下記を参照)と共に精製した(5×)。 AP溶液(0.3ml、酵素2.2mg)を氷冷したPBS(16ml)と混 合した。10%容量のDMF溶液を、4℃で激しく攪拌した酵素溶液に数分以内 に滴加した。この反応混合物を、同じ温度で一晩中攪拌した。生成された結合体 (149AA)を、透析によってPBS中でタンパク質誘導体(例えば149A B、前記を参照)と共に精製した(6×)。 HRP(2.0mg)を、149AA(前記を参照)の手順と同一の手順によ って結合したが、PBSの代わりに0.13MのNaHCO3を使用した。生成 された結合体(149AR)を、0.13MのNaHCO3中で透析によって精 製した(6×)。4.実験#152A テフロンでふたをしたガラスバイアル中で初めから終わりまで4℃で電磁攪拌 して反応を行った。先の実験で得られたタンパク質及び酵素の結合体(149A B:4.7ml、149AK:5.3ml、149AO:5.7ml及び149 AR:2.8ml)の溶液を、低温の0.13Mのバイカーボネート/カーボネ ート緩衝液(pH:9.6、各タンパク質毎に10ml、149ARには17m l)で希釈し、次にテトラヒドロボレートナトリウム(各タンパク質毎に25m g、149ARには1.5mg)を数分間これらの反応混合物に滴加した。これ らの混合物を22時間攪拌し、次に透析によってタンパク質錯体(152AB、 152AC、152AK及び152AO)に対してはPBS中で(7×)、15 2ARに対しては0.13MのNaHCO3中で(7×)精製した。 テトラヒドロボレートナトリウム(3.7mg)を低温のPBS(pH:9. 5、17ml)に添加し、次にこの混合物に酵素結合体149AA(2ml)を 添加することによって反応を開始した。8時間後、別の部分のテトラヒドロボレ ートナトリウム(1.2mg)をこの反応混合物に添加し、次にこの混合物を1 4時間攪拌した。この結合体(152AA)を、透析によってPBS中で精製し た(6×)。5.実験#153 a.実験#153A テフロンでふたをしたガラスバイアル中で初めから終わりまで4℃で電磁攪拌 して反応を行った。先の実験で得られたタンパク質及び酵素の結合体(152A B:3ml、152AC:2ml、152AK:2ml及び152AO:2ml )の溶液を、0.13Mのバイカーボネート/カーボネート緩衝液(pH:9. 6、152ABには4.5ml、152AC、152AK及び152AOの各々 には4ml)で希釈した。THF(各0.1ml)中の0.1Mの二硫化炭素溶 液を数分間滴加し、次にこれらの反応混合物を5時間攪拌した。これらの結合体 (153AB、153AC、153AK及び153AO)を、透析によってPB S中で精製した(8×)。 先の実験で得られた低温の攪拌酵素結合体溶液(152AA:10ml、15 2AR:7ml)のpH値を、希釈したNaOH溶液を滴加することによって9 .6〜9.7に調整した。THF(各0.2ml)中の0.1Mの二硫化炭素溶 液を数分間滴加し、次にこれらの反応混合物を6時間攪拌した。これらの結合体 を透析によって、153AAに対してはPBS中で(6×)、153ARに対し ては0.13MNaHCO3中で(6×)精製した。 b.実験#153B テフロンでふたをしたガラスバイアル中で4℃で電磁攪拌して反応を行った。 実験#152A(152AA:9.5ml)で得られた低温の攪拌結合体溶液を 、0.1MのNaOH溶液を滴加することによって9.7に調整した。THF( 各0.2ml)中の0.1Mの二硫化炭素溶液を数分間滴加し、次にこれらの反 応混合物を5時間半攪拌し、この間0.1MのNaOH溶液を時折添加すること によって8〜10のpH値を維持した。これらの反応混合物を透析によってPB S中で精製し(5×)、結合体153BAを生成した。6.実験#158A テフロンでふたをしたガラスバイアル中で激しく電磁攪拌して反応を行った。 タンパク質(BSA、CONA、OVA:各20mg、KLH:10mg)を、 アセトン(各0.5ml)及び0.15Mのホウ酸塩緩衝液(pH:9、各5m l)の氷で冷却した混合物に添加した。これらの反応混合物を4℃で1時間攪拌 し、0.15Mのホウ酸塩緩衝液(pH:9、各2.5ml)で希釈し、次に室 温で1時間攪拌した。テトラヒドロボレートナトリウム(50mg)を4℃で数 分間数回に分けてこの反応混合物に添加し、次に同じ温度で一晩中攪拌した。こ れらの結合体(158AB、158AC、158AK及び158AO)を透析に よってPBS中で精製した(7×)。 酵素結合体158AAを同様の方法で得たが、全ての操作にわたって4℃を維 持した。AP溶液(0.05ml、酵素0.36mg)を、アセトン(各0.2 5ml)及び0.15Mのホウ酸塩緩衝液(pH:9、各5ml)の氷で冷却し た混合物に添加した。1時間後、この反応混合物を0.15Mのホウ酸塩緩衝液 (pH:9、2.5ml)で希釈し、次にテトラヒドロボレートナトリウム(3 2mg)を数回に分けて添加した。この混合物を2時間攪拌し、次に透析によっ てPBS中で精製した(8×)。7.実験#160A テフロンでふたをしたガラスバイアル中で4℃で電磁攪拌して反応を行った。 先の実験で得られたタンパク質結合体(158AB:8.5ml、158AC: 9.5ml、158AK:9ml、158AO:3.2ml)を、0.13Mの バイカーボネート/カーボネート緩衝液(pH:9.6、各7.5ml)で希釈 した。THF(各0.3ml)中の0.1Mの二硫化炭素溶液を数分間滴加し、 次にこれらの反応混合物を15時間攪拌した。これらの結合体(160AB、1 60AC、160AK及び160AO)を透析によってPBS中で精製した(7 ×)。 酵素結合体160AAを非常に類似した方法で得た。錯体158AA (7. 5ml)を、0.13Mのバイカーボネート/カーボネート緩衝液(pH:9. 6、7.5ml)で希釈した。THF(各0.1ml)中の0.1Mの二硫化炭 素溶液を数分間滴加し、次にこの反応混合物を2時間攪拌した。この結合体を、 透析によって対応するタンパク質錯体と共にPBS中で精製した(7×)。8.実験#196A テフロンでふたをしたガラスバイアル中で電磁攪拌して反応を行った。THF (2ml)中の10−ウンデセン酸(98%、37.6mg、0.20mmol )及びメタノール(2ml)中の水銀アセテート(63.7mg、0.20mm ol)を混合し、一晩中攪拌した。N−ヒドロキシスルホスクシンイミド一ナト リウム塩(49.3mg、0.22mmol)と、次にEDC(42.2mg、 0.22mmol)を、氷で冷却したこの反応混合物に添加した。4℃で15分 攪拌し、室温で9時間攪拌した後、溶解性を高めるためにDMF(8ml)を添 加した。この混合物を室温で一晩中攪拌し、次に5つの等量アリコートに分けた 。 タンパク質(BSA、CONA、OVA:各30mg)を0.13MのNaC HO3(各12ml)中に溶解した。上記の反応混合物のうち1つのアリコート を、各氷で冷却したタンパク質溶液に数分間激しく攪拌しながら滴加した。これ らの反応混合物を4℃で1時間攪拌し、次に室温で一晩中攪拌した。AP(17 mg/ml溶液、60μl、酵素1.0mg)及びHRP(2.6mg)を同じ ように結合したが、全ての操作にわたって4℃を維持した。これらの結合体(そ れぞれ196AB、196AC、196AA及び196AR)を透析によって0 .13MのNaCHO3中で精製した(5×)。E.非競合アッセイの実施例 直接的な二部位又は(互換可能)「サンドイッチ」酵素イムノアッセイにある ように、酵素増幅サンドイッチ錯体アッセイを実施する際の初めのステップは、 1次サンドイッチキレート化剤の液相から固体支持体、即ち固相への吸着である 。この場合、固体支持体は、タンパク質に対して高い親和性を有する96ウェル ポリスチレンマイクロタイタープレートである。適切なインキュベーション時間 の後、プレートを緩衝溶液で洗浄した。次に、水銀イオン標準液の溶液及び試料 の溶液をプレートの各ウェルに添加した。短いインキュベーション期間の後、再 びプレートを洗浄した。次に、酵素標識2次サンドイッチキレート化剤を適切に 希釈したものをプレートの各ウェルに添加した。再び、短いインキュベーション 期間後にプレートを洗浄し、適切な酵素基質をプレートの各ウェルに添加した。 基質の色原体生成物への酵素触媒転化が、短い発色期間中に進行した。最後に、 電子プレートリーダーを用いて各ウェル内の液体の光学吸収を適切な波長で読み 取った。次に、図3のような用量反応曲線をデータから生成した。 先に略述した手順は、連続的にインキュベートした二部位アッセイの1つの例 である。このアッセイを、標準液/試料及び2次サンドイッチキレート化剤の同 時インキュベーションを伴って行うことも可能である。結果は類似しており、イ ンキュベーションステップが1つ取り除かれるため結果がより速く得られる。し かし、この形態は、試料が広範囲の分析物濃度を有する場合、連続的インキュベ ーションよりも信頼性が低い結果を生じる可能性がある。 用量反応曲線を得るため、異なるキレート化剤の組み合わせが双方の形態にお いてうまく使用された。図4に示される、コーティングキレート化剤#142( タンパク質:OVA)を酵素結合キレート化剤#153(酵素:AP)と組み合 わせる連続的インキュベーション形態を用いるアッセイ系は、最も検討又は特徴 付けられたアッセイのうちの1つである。この実験手順に関する具体的なステッ プは以下の通りである: 1.1次サンドイッチキレート化剤でのインキュベーション 1次サンドイッチキレート化剤#142OVAの1:40希釈液を、pH9. 6の50mMカーボネート緩衝液中で生成した。次に、この溶液をウェルあたり 100μlの容量でマイクロタイタープレートのウェルに添加した。次に、プレ ートを5℃で12〜15時間インキュベートし、吸着プロセスは平衡に達した。 2.標準液及び試料でのインキュベーション 水銀標準液を、0.5log連続的増分で300.0〜0.1nMに及ぶ濃度 でpH5.5の100mMの酢酸ナトリウム緩衝液中で混合した。未知の試料を 、酢酸ナトリウムを用いて種々の割合で希釈した。上記に指摘されたように、光 学濃度がアッセイの増加線形範囲内に入ることを確実にするために、未知の試料 をいくつか間のあいた希釈度でテストしなければならない。 コーティング溶液、即ち1次サンドイッチキレート化剤でプレートを所定の時 間インキュベートした後、酢酸ナトリウム緩衝液(5x400μl/ウェル)を 用いて洗浄し、軽くたたいて乾燥した。ウェル特有の不適合効果を減少させるた め、ウェルあたり100μlの水銀イオン標準液又は試料のいずれかを4つに分 けてプレートに添加した(図8)。次に、プレートを25℃で1時間インキュベ ートした。 3.2次サンドイッチキレート化剤でのインキュベーション 2次サンドイッチキレート化剤#153−APの1:40希釈液を酢酸ナトリ ウム緩衝液中で生成した。このキレート化剤がプレート表面又は1次サンドイッ チキレート化剤と非特異的結合するのを減少させるため、この酢酸ナトリウム緩 衝液は0.05%のトゥイーン(Tween)20界面活性剤を含有する。水銀イオン 標準液及び未知の試料で1時間インキュベートされたプレートを次に5回洗浄し 、上述のように乾燥した。このステップの後に、2次サンドイッチキレート化剤 溶液を100μl/ウェルの容量でプレートに添加し、次に25℃で1時間イン キュベートした。 4.酵素基質との反応 2次サンドイッチキレート化剤、即ち#153−APでの1時間のインキュベ ーションの後にプレートを5回洗浄し、次に100μl/ウェルの適切な基質溶 液を添加した。使用されたリポーター酵素は、AP及びHRPであった。HRP トレーサーのための基質は、0.004%w/vのH22及び0.01%w/v のTMBを含有するpH5.5の100mMアセテート緩衝液から構成された。 約15分の発色の後に最大の色対照を得て、ウェルあたり50μlの4MのH2 SO4を添加して更なる発色を停止した。APトレーサーの場合では、0.1% w/vのMgCl2及び0.1%w/vのジナトリウムp−ニトロフェニルリン 酸塩を含有する10%v/vのジエタノールアミン溶液を使用し、次に30〜6 0分の発色期間を設けた。TMB生成物を450nmで読み取り、一方ジナトリ ウムp−ニトロフェニルリン酸塩生成物を405nmで読み取った。 表Iは、コーティングキレート化剤#142−OVA(即ち、1次サンドイッ チキレート化剤)及び酵素結合キレート化剤#153−AP(即ち、2次サンド イッチキレート化剤)の組み合わせの実施に関するデータを含む。驚くべきこと に、調べられた金属イオンの殆どが水銀分析の妨害をしなかった。銀(Ag(I ))イオンに対して有限レベルの交差反応が検出されたが、この金属に対するア ッセイの感度は、Hg2+に対する感度ほど高くない。更に、水銀の存在が問題と なる殆どの環境媒体において銀が豊富な汚染物質であることは通常予期されない 。銀又は他の金属からの妨害が問題となる場合、水銀分析の前に適切な浄化手順 (例えば、キレート抽出、イオン交換クロマトグラフィー)を必要としうる。あ るいは、マスキング剤をこの系に使用することによって標的の特異性を高める ことができる。図2に示されるこのアッセイ系及びテストされたあらゆる他のキ レートの組み合わせがメチル水銀に対して全く交差反応を示さないことは、全く 役に立たないということである。アッセイのこの重要な特徴は、濃縮したHNO3 又は類似する薬剤によって完全に酸化した試料アリコートと、同じ試料の未処 理のアリコートとの間の反応の差を評価することによって、環境試料中のメチル 水銀の定量を可能にする(有機Hg=全Hg−無機Hg)。上述のように、水性 環境試料中の水銀の殆どはメチル水銀又は水銀(Hg(II))イオンのいずれ かの形であるため、殆どの使用において他の水銀の種を無視できる。他の種の分 析が重要である場合、分析のために標準的な技術を使用してこれらの種をHg( II)に転化できることが、当業者に容易に明白であろう。 F.非競合アッセイの条件を最適化するために行われる実験 本明細書中に述べられるような常用の実験を行うことによって、非競合アッセ イの条件を最適化できる。類似する実験を使用してあらゆるキレート化剤−金属 の結合のためのアッセイ条件を最適化できることが、当業者には容易に明白であ ろう。 1.コーティング緩衝液 タンパク質のポリスチレン表面への吸着を高めるのに成功することが実証され ているため、汎用のコーティング緩衝液(pH9.6の50mMカーボネート緩 衝液)を選択した。しかし、文献に述べられたように、pH値は吸着にわずかの 影響しか与えないし、例えば7〜8のpH範囲のリン酸塩緩衝液の使用も変わら ず有効に作用する。 2.洗浄緩衝液 洗浄と、標準液/試料及び2次サンドイッチキレート化剤でのインキュベーシ ョンのために、pH5.5の100mM酢酸ナトリウム緩衝液を使用する。10 0mM濃度の種々の緩衝液と、緩衝液のpH値の影響をテストした: 緩衝液 テストされたpH HEPES 7.0、7.5、8.0 Bis Tris 6.0、6.5、7.0 酢酸ナトリウム 4.5、5.0、5.5 各緩衝液のpHの間隔は、特定の緩衝液の有効なpH範囲に基づいて選択され た。pH5.5の酢酸ナトリウムはS/N比に関して最良の結果を生じることが 観察された。次に、10mM〜100mMの酢酸ナトリウムに及ぶイオン強度を テストした。この範囲内のイオン強度のばらつきからは、アッセイの結果に及ぼ す影響は検出されなかった。未知の水性試料と混合する際に最大限の緩衝能力を 確実にするため、このアッセイにおける使用には100mMを任意的に選択した 。 pH5.5の使用は、2つの対抗する好ましくない条件の間の中間である。よ り酸性の条件下では(pH≦ジチオカルバン酸のpKa)、キレート化剤の分解 、従って二硫化炭素の分離が重大になることが、文献の報告から公知である。対 照的に、pH値が高すぎると、水銀(II)イオンは溶液中に残らないことがあ る。 3.インキュベーション時間 化学的平衡に達するのに十分な時間を設けられるように、標準液/試料でコー ティングされたプレートのインキュベーションと、酵素標識2次サンドイッチキ レート化剤でコーティングされたプレートのインキュベーションの双方に対し、 1時間のインキュベーション時間を任意的に選択した。 4.試薬の濃度 1次及び2次サンドイッチキレート化剤の最適な濃度の組み合わせを決定する ために、単純な2次元滴定を標準的に行った。ウェル特有のプレート誤差を最小 にするため、各ケースにおいて4つの同じ試料を処理した。プレートウェルの半 分には300nMのHg2+を使用し、残り半分にはゼロ濃度のHg2+を使用した (図9)。最も高い光学濃度対照を生じたコーティングキレート及び酵素結合キ レートの濃度の組み合わせが最適と考えられた。コーティングキレート化剤及び リボーターキレート化剤配合物の種々のバッチのための最適な条件は、双方とも 1:20〜1:40に及んだ。 5.界面活性剤 固相又は1次サンドイッチキレート化剤への非特異的結合の発生を減少させる ため、2次サンドイッチキレート化剤でのインキュベーションの間に洗剤を有益 に使用した。適切な界面活性剤を使用しない場合、非特異的結合によって高いバ ックグラウンドシグナルを生じる可能性がある。臨界ミセル濃度で調べられた洗 剤は、以下の通りである: 界面活性剤 タイプ a.3−[(コルアミドプロピル)−ジメチルアミノ]− 両性イオン性 1−プロパン−スルホネートジヒドレート b.ドデシルエチルジメチル−アンモニウム−臭化物 カチオン性 c.ドデシル硫酸ナトリウム アニオン性 d.グリコデオキシコル酸 アニオン性 e.アリコート336 カチオン性 (塩化トリカプリルメチルアンモニウム) f.n−ドデシルβ−D−グルコピラノシド ノニオン性 g.トゥイーン20 アニオン性 (ポリオキシエチレン−ソルビタンモノラウリン酸塩) 0.05%のトゥイーン20を使用すると最も低いバックグラウンドシグナル を生じることが見出された。G.競合アッセイの実施例 系#142−CONA/#196APは、前述のアッセイとは本質的に異なる 。この系は、コーティングリガンド(即ち、1次サンドイッチキレート化剤)と 、水銀が結合した酵素との間の錯体生成を、水銀イオンによって競合阻害するこ とに依存する(図5を参照)。 #142−CONAを96ウェルミクロタイタープレートにおいて一晩中イン キュベートした後、酢酸ナトリウム緩衝溶液を用いてプレートを4回洗浄した。 #196−APを含有する溶液をプレートの各ウェルに添加し、次に種々の濃度 の水銀イオンを含有する標準溶液の等量を添加した。1時間のインキュベーショ ンの後、酢酸塩緩衝溶液を用いてプレートを4回洗浄し、色原体酵素基質を含有 する溶液を添加した。得られた色は、インキュベーション混合物中の阻害水銀イ オンの濃度と反比例した。実験手順に関連する具体的なステップは、以下の通り である: 1.キレート化剤の固定 #142−CONAの1:80希釈液をpH9.6の50mMカーボネート緩 衝液中で生成した。次に、この溶液をウェルあたり100μlの容量でマイクロ タイタープレートのウェルに添加した。次に、プレートを5℃で12〜15時間 インキュベートし、吸着プロセスは平衡に達した。 2.水銀結合トレーサー及び標準液でのインキュベーション 水銀標準液を、0.5log連続的増分で6,000〜0.2nMに及ぶ濃度 で、ケレックス(Chelex)100イオン交換樹脂で前処理された水中で調製した。 #196−APの1:160希釈液を、pH6.0の400mM酢酸ナトリウム 溶液中で生成した。トゥイーン20を添加して、溶液の最終濃度を0.10%と した。#142−CONAで一晩中インキュベートしたプレートを、pH5.5 の100mM酢酸ナトリウム溶液で4回洗浄した。50μlの#196−AP溶 液をプレートの各ウェルに添加し、その後すぐにウェルあたり50μlの適切な 水銀標準液を添加した。この同時インキュベーションを1時間進行させた。 3.酵素基質との反応 #196−AP及び標準液を1時間インキュベートした後、プレートを4回洗 浄した。次に、0.1%w/vのMgCl2及び0.1%w/vのp−ニトロフ ェニルリン酸塩ジナトリウムを含有する、ウェルあたり100μlの10%ジエ タノールアミン溶液を添加し、続いて90分のインキュベーション期間を設けた 。次に、得られたp−ニトロフェノールを405nmで読み取った。 図10は、最適化した#142−CONA/#196−AP系によって得るこ とができる典型的な標準曲線を示す。OD50は約8ppb(40nM)、検出限 度は約600pptの水銀イオンである。このグラフは、6つの別個のプレート からの(2列で行われた)標準曲線の合成である。垂直の誤差範囲線は、水銀イ オンの濃度が低いほど変動性がより高くなることを示す。H.アッセイの条件を最適化するために行われる実験 アッセイの全体的な実施を最適化するため、pH、塩素イオン、アッセイ緩衝 液のイオン強度及びいくつかの界面活性剤の影響を調べた。類似する実験を使用 してあらゆるキレート化剤−金属の結合のためのアッセイ条件を最適化できるこ とが、当業者に容易に明白であろう。 1.pHの影響 pHの影響をテストするため、100mMの酢酸ナトリウム溶液を調製し、9 つの量にアリコートした。次に、これらの緩衝液の各々をケレックス100樹脂 (緩衝液100mlあたり5g)で一晩中処理し、微量の妨害金属イオンを取り 除いた。アリコートの各々のpH値を、4.5〜8.5に及ぶ値に調整した。こ れらの各々に対し、#196−AP及びトゥイーン20を添加した。次にこれら の溶液(ウェルあたり50μl)をプレートに添加し、続いて適切な水銀イオン 標準液(ウェルあたり50μl)を添加した。(ウェル容量あたり100μl中 の)#196−APの最終希釈度は1:160であり、トゥイーン20の最終希 釈度は0.05%であった。これらのプレートを、100mMの酢酸ナトリウム 緩衝液(pH5.5)で洗浄した。300nMと0nMとの水銀イオン濃度の間 で、pH6.0の値が最も高い光学濃度対照であった(図11を参照)。 2.塩化物の影響 1Mの塩化ナトリウム原液及び水をケレックス100で精製し、次に1mM、 10mM及び100mMの塩化ナトリウム溶液を調製した。これらの3つの希釈 液を、浄水と共に、水銀イオン標準液を生成するのに使用した。これらの標準液 を、#196−APで同時に1時間インキュベートし、続いて洗浄し、基質を添 加した。同時インキュベーションのためにpH6.0の酢酸ナトリウム緩衝液を 使用し、洗浄にはpH5.5の酢酸ナトリウム緩衝液を使用した。塩素イオンの 存在は、塩素イオンが不在の際に観察される非常に高い水銀イオン濃度(>10 00nM)における光学濃度の増大を阻止した(図12を参照)。 3.イオン強度の影響 先の実験の結果は、イオン強度がアッセイの重要なパラメータであることを示 唆した。インキュベーションステップに使用される酢酸塩緩衝液のイオン強度の 影響をテストするため、#196−APトレーサーを、pH6.0の50、10 0、200及び400mMの4つの個別の酢酸ナトリウム緩衝溶液を用いて希釈 した。次に、得られた溶液を、水中の水銀イオン希釈液で同時にインキュベート した。1時間のインキュベーション期間の後、プレートを洗浄して基質溶液を添 加した。図13は、高い水銀イオン濃度における光学濃度の上昇傾向を取り除く ことによって、及びより良い光学濃度対照を生じることによって、酢酸塩緩衝液 の濃度が高いほど標準曲線が改良されたことを示している。 4.界面活性剤の影響 トゥイーン20の3つの濃縮物の他に、4つの他の界面活性剤を臨界ミセル濃 度でテストした(図14)。#196−APトレーサー溶液を、種々の量の界面 活性剤を含有する400mMの酢酸塩緩衝液(pH6.0)中で調製した。界面 活性剤及びこれらのウェル濃縮物は、0.025%、0.050%及び0.10 0%のトゥイーン20、14mMのドデシルエチルジメチルアンモニウムブロミ ド(DEDMAB)、8mMの3−[(3−コルアミドプロピル)−ジメチルア ンモニオ]−1−プロパン−スルホネートジヒドレート(CHAPS)、8.2 7mMのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)及び2mMのグリコデオキシコル酸 (GDCA)であった。最も高い光学濃度は、DEDMABを使用して得られた 。しかし、この界面活性剤の高いブランク値は、この界面活性剤によってトレー サーが裸のプレート表面に非特異的結合をすることを示す。SDSは、固定され たリガンドにトレーサーが結合することを主に阻害し、CHAPSは低い水銀イ オン濃度において0.050%のトゥイーン20よりもわずかに高い光学濃度を 生じた。トゥイーン20の濃度を0.050%から0.100%へ増大すること による顕著な改良はみられなかった。 最適化実験の間に得られたデータから、競合アッセイ形態は以下の条件下で行 われるべきであることが決定された: 1.pH5.5の100mM酢酸ナトリウムを用いて洗浄し、 2.#196−APの希釈にはpH6.0の400mM酢酸ナトリウムを使用 し、 3.0.10%濃度のトゥイーン20をトレーサー溶液中に使用する(標準溶 液を添加して最終的に0.05%のウェル濃度に希釈される)。I.他の金属イオンとの交差反応 系がテストされた金属化合物が、表IIに列挙される。以下の金属に対しては 殆ど又は全く交差反応(CR)が検出されなかった:Al3+、Cd2+、Cr3+、 Cr6+、Co2+、Fe2+、Fe3+、Mg2+、Mn2+、Ni2+、Pd2+、Pb2+、 Pt2+(図15を参照)。以下の金属は適度の反応を示した:Au3+(CR:< 1%)、Cu2+(CR:10%)。高い交差反応は、Ag+のみに生じた(C R:82%)。予期せぬ反応、即ち金属濃度が増大すると光学濃度がより高くな ることが、MeHg+及びZn2+にみられた。しかし、この上昇傾向は、異なる アッセイプロトコル(例えば、より低い緩衝液濃度)を適用した場合には観察さ れなかった。銀(Ag(I))イオンに対する有限レベルの交差反応が検出され たが、この金属に対するアッセイの感度はHg2+に対する感度ほど高くない。更 に、水銀の存在が問題となる殆どの環境媒体において銀が豊富な汚染物質である ことは通常予期されない。銀又は他の金属からの妨害が問題となる場合、水銀分 析の前に適切な浄化手順(例えば、キレート抽出、イオン交換クロマトグラフィ ー)を必要としうる。 本明細書中で上述の全ての出版物及び参照物は、本明細書中にすべて援用され て本発明の一部とする。更に、前述は主に例示の目的で提供される。本明細書中 に述べられた方法の操作条件、物質、手順ステップ及び他のパラメータを、本発 明の精神及び範囲から逸れることなく種々の方法で更に変更又は代用できること が、当業者には容易に明白であろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ズードウキ、フェレンク アメリカ合衆国 95616 カリフォルニア 州 デイヴィス ジェイ.ストリート 1111 アパートメント 22 (72)発明者 キド、ホラシィオ アメリカ合衆国 95616 カリフォルニア 州 デイヴィス ナンバー 207―サウス シィカモア レーン 515

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.金属イオンを含有すると思われる試料中の前記金属イオンの存在を測定す るための方法であって、 (a)前記試料を固体支持体に接触させるステップを含み、前記固体支持体に は、1次サンドイッチキレート化剤が金属イオンと結合してキレート錯体を生成 できるような様態で前記1次サンドイッチキレート化剤が固定されており、 (b)前記試料を2次サンドイッチキレート化剤と接触させるステップを含み 、前記2次サンドイッチキレート化剤には、前記2次サンドイッチキレート化剤 が前記キレート錯体と結合してサンドイッチキレート錯体を生成できるような様 態でリポーター基が固定されており、 (c)前記リポーター基の存在又は不在によって前記サンドイッチキレート錯 体、ひいては前記金属イオンの存在を検出するステップを含む、 金属イオンの測定方法。 2.前記金属イオンが、アンチモン、砒素、ベリリウム、カドミウム、セリウ ム、クロム、コバルト、銅(Cu(II))、金、鉛、マンガン、水銀(Hg( II))、ニッケル、パラジウム、セレン、銀、タリウム、ウラン、亜鉛及びジ ルコニウムからなる群から選択される、請求の範囲1に記載の方法。 3.前記金属イオンが水銀(Hg(II))である、請求の範囲2に記載の方 法。 4.前記固体支持体が、セルロース、アガロース、デキストラン、ポリアクリ レート、ポリアクリルアミド、ポリスチレン及びこれらの誘導体からなる群から 選択される、請求の範囲1に記載の方法。 5.前記1次及び前記2次サンドイッチキレート化剤が、ジチオカルバメート 、2,3−ジメルカプトプロパンスルホン酸、2,3−ジメルカプトプロパノー ル−1、D,L−ペニシルアミン、2−(3−スルホベンゾイル)ピリジン−2 −ピリジルヒドラゾン、セレノヒドリル含有化合物、4−(2−ピリジルアゾ) レゾルシノール、ジフェニルチオカルバゾン、1−(2−ピリジルアゾ)−2− ナフトール、6−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、ヒスチジン及びア セ チルアセトンからなる群から選択される、請求の範囲1に記載の方法。 6.前記1次及び前記2次サンドイッチキレート化剤がジチオカルバメートで ある、請求の範囲5に記載の方法。 7.前記1次サンドイッチキレート化剤が、タンパク質、炭水化物、脂質、ペ プチド、ポリエステル、核酸及び合成ポリマーからなる群から選択されるリンカ ー分子を介して前記固体支持体に固定される、請求の範囲1に記載の方法。 8.前記リンカー分子が、ウシ血清アルブミン、コンアルブミン、キーホール リンペットのヘモシアニン及びオボアルブミンからなる群から選択されるタンパ ク質である、請求の範囲7に記載の方法。 9.前記リポーター基が、酵素、色原体、蛍光体、ラジオアイソトープ及びビ オチンからなる群から選択される、請求の範囲1に記載の方法。 10.前記リポーター基が、ホースラディッシュペルオキシダーゼ及びアルカリ ホスファターゼからなる群から選択される酵素である、請求の範囲9に記載の方 法。 11.前記試料中に存在する前記金属イオンの量を定量するステップを更に含む 、請求の範囲1に記載の方法。 12.金属イオンを含有すると思われる試料中の前記金属イオンの存在を測定す るためのキットであって、 1次サンドイッチキレート化剤が前記金属イオンと結合してキレート錯体を生 成できるような様態で前記1次サンドイッチキレート化剤が固定されている固体 支持体を含み、また 2次サンドイッチキレート化剤を含み、前記2次サンドイッチキレート化剤が 前記キレート錯体と結合してサンドイッチキレート錯体を生成できるような様態 でリポーター基が前記2次サンドイッチキレート化剤に固定されている、 金属イオンの測定キット。 13.前記金属イオンが、アンチモン、砒素、ベリリウム、カドミウム、セリウ ム、クロム、コバルト、銅(Cu(II))、金、鉛、マンガン、水銀(Hg( II))、ニッケル、パラジウム、セレン、銀、タリウム、ウラン、亜鉛及び ジルコニウムからなる群から選択される、請求の範囲12に記載のキット。 14.前記固体支持体が、セルロース、アガロース、デキストラン、ポリアクリ レート、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル及びこれらの誘導 体からなる群から選択される、請求の範囲12に記載のキット。 15.前記1次及び前記2次サンドイッチキレート化剤が、ジチオカルバメート 、2,3−ジメルカプトプロパンスルホン酸、2,3−ジメルカプトプロパノー ル−1、D,L−ペニシルアミン、2−(3−スルホベンゾイル)ピリジン−2 −ピリジルヒドラゾン、セレノヒドリル含有化合物、4−(2−ピリジルアゾ) レゾルシノール、ジフェニルチオカルバゾン、1−(2−ピリジルアゾ)−2− ナフトール、6−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、ヒスチジン及びア セチルアセトンからなる群から選択される、請求の範囲12に記載のキット。 16.前記1次及び前記2次サンドイッチキレート化剤がジチオカルバメートで あり、前記金属イオンが水銀(Hg(II))である、請求の範囲12に記載の キット。 17.前記1次サンドイッチキレート化剤が、タンパク質、炭水化物、脂質、ペ プチド、ポリエステル、核酸及び合成ポリマーからなる群から選択されるリンカ ー分子を介して前記固体支持体に固定されている、請求の範囲12に記載のキッ ト。 18.前記リンカー分子が、ウシ血清アルブミン、コンアルブミン、キーホール リンペットのヘモシアニン及びオボアルブミンからなる群から選択されるタンパ ク質である、請求の範囲17に記載のキット。 19.前記リポーター基が、酵素、色原体、蛍光体、ラジオアイソトープ及びビ オチンからなる群から選択される、請求の範囲12に記載のキット。 20.前記リポーター基が、ホースラディッシュペルオキシダーゼ及びアルカリ ホスファターゼからなる群から選択される酵素である、請求の範囲19に記載の キット。 21.金属イオンを含有すると思われる試料中の前記金属イオンの存在を測定す るための競合方法であって、 (a)前記試料を固体支持体に接触させるステップを含み、前記固体支持体に は、キレート化剤が金属イオンと結合してキレート錯体を生成できるような様態 でキレート化剤が固定されており、 (b)前記キレート化剤と結合してキレート錯体を生成できる有機金属化合物 を前記試料に添加するステップを含み、前記有機金属化合物にはリポーター基が 固定されており、 (c)前記リポーター基の存在又は不在によって前記金属イオンの存在を検出 するステップを含む、 金属イオン測定の競合方法。 22.前記金属イオンが、アンチモン、砒素、ベリリウム、カドミウム、セリウ ム、クロム、コバルト、銅(Cu(II))、金、鉛、マンガン、水銀(Hg( II))、ニッケル、パラジウム、セレン、銀、タリウム、ウラン、亜鉛及びジ ルコニウムからなる群から選択される、請求の範囲21に記載の方法。 23.前記固体支持体が、セルロース、アガロース、デキストラン、ポリアクリ レート、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル及びこれらの誘導 体からなる群から選択される、請求の範囲21に記載の方法。 24.前記キレート化剤が、ジチオカルバメート、2,3−ジメルカプトプロパ ンスルホン酸、2,3−ジメルカプトプロパノール−1、D,L−ペニシルアミ ン、2−(3−スルホベンゾイル)ピリジン−2−ピリジルヒドラゾン、セレノ ヒドリル含有化合物、4−(2−ピリジルアゾ)レゾルシノール、ジフェニルチ オカルバゾン、1−(2−ピリジルアゾ)−2−ナフトール、6−アミノ−1− ナフトール−3−スルホン酸、ヒスチジン及びアセチルアセトンからなる群から 選択される、請求の範囲21に記載の方法。 25.前記キレート化剤がジチオカルバメートであり、前記金属イオンが水銀( Hg(II))である、請求の範囲21に記載の方法。 26.前記キレート化剤が、タンパク質、炭水化物、脂質、ペプチド、ポリエス テル、核酸及び合成ポリマーからなる群から選択されるリンカー分子を介して前 記固体支持体に固定される、請求の範囲21に記載の方法。 27.前記リンカー分子が、ウシ血清アルブミン、コンアルブミン、キーホール リンペットのヘモシアニン及びオボアルブミンからなる群から選択されるタンパ ク質である、請求の範囲26に記載の方法。 28.前記リポーター基が、酵素、色原体、蛍光体、ラジオアイソトープ及びビ オチンからなる群から選択される、請求の範囲21に記載の方法。 29.前記リポーター基が、ホースラディッシュペルオキシダーゼ及びアルカリ ホスファターゼからなる群から選択される酵素である、請求の範囲28に記載の 方法。 30.前記有機金属化合物が有機水銀化合物である、請求の範囲21に記載の方 法。 31.前記試料中に存在する前記金属イオンの量を定量するステップを更に含む 、請求の範囲21に記載の方法。
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