JPH09505408A - 装飾リングを有する腕時計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、時計構造（１８）を包む実質的に円形のケース（２１）を有する腕時計（１０）に関し、ケースの上側はガラスカバー（１１）を取付けたリム（１４）で、ケース底部はベース（２６）で終わっており、又腕時計はケース（２１）に固定された装飾リング（２３）を有する。融通性があり製造が容易な装飾リング（２３）は、ケース外側からこれを覆うように滑らせることによりケース（２１）に固定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 装飾リングを有する腕時計 技術分野 本発明は、時計の分野に関し、更に詳しくは腕時計であって、実質的に円形の ケースを有し、ケースは時計構造を囲んでおり、ケース頂部がガラスカバーを取 付けたリムで、また底部がベースの上で終わっており、更にケースに固定される 装飾リングを有する腕時計に関する。 このような腕時計は、例えばスイス特許第640、690号により知られている。 背景技術 腕時計では、ケースとその他の部品、例えばリムやベースは時計構造の保護容 器としての純粋に技術的な機能ばかりでなく、時計に特徴的な外観を与え、美的 感覚に訴えるように設計されていることも多い。 しかし、腕時計ケースの場合、美的なデザインを設計し得る可能性は、以下の 理由により制限されている。ケースは、その本質的な形状は主として円形である にもかかわらず、回転させて装飾物や装飾素子を形成することは、一般的に限定 された範囲でしか可能でない。なぜならケースには、ストラップを固定するため 外側に角(horn)，突起、その他の部品が取付けられており、回転させて加工する ことは困難であるからである。 上記特許には、腕時計ケースの頂部に特殊なスチール線の形の補足的な装飾リ ングを設け、いくつかの曲げフィンガで着脱自在に固定することを提案している 。このことは、実際のケースを改変することなく時計の外観を変えることを可能 にする。 しかし、このような装飾によっては、他の難点を排除できない。ケースを金な どの重い金属或いは重い金属合金による実質のある形で製造することは困難であ る。なぜなら必要とされる壁厚のため、時計は比較的重くなり、そのため装着感 を損なうからである。 更に、頂部に装飾リングを用いたケースの場合、実際のケースが横から見える ため、頂部の装飾の視覚的効果が限定される。最後に良く知られた型の装飾リン グの場合、固定するという押し付けがましい処置のため、視覚的にはケースと外 観的に一体にみえない。 発明の開示 本発明の課題は、単純な方法でケースに柔軟性があり容易に製造でき、交換で きる装飾を与え、実質のある形で重い金属を使用しながら、しかも装着感を損な い腕時計を提供することである。 上記の型の腕時計ケースの場合、この課題は、装飾リングを外側からケースに 係合させてケースを覆うようにすることにより解決される。本発明の要旨は、時 計ケース全体が共軸的に係合している二つのリング、即ち内側ケースと外側装飾 リングから形成されるようにすることである。このようにして、容易に作業可能 な装飾リングを交換することにより、時計の装飾を簡単に変更し得る。同様にし て装飾リングを金で作り、また内側時計ケースは、より軽量の鋼等の材料で形成 することができる。かくして不都合な程に重量が増大することなく、金時計の外 観が現れるようにすることができる。 本発明の第一の好ましい実施態様によれば、装飾リングがリムとベースとの間 に着脱自在に保持され、リム及び／又はベース外部が延長して少なくともその外 端がケースの外端を越え、装飾リングをその突出部分で所定位置に保持すること を特徴とする。この方法は、ケースに特別な手段を設けることなく簡単かつ確実 に装飾リングを固定し得る。他方、実際のケースは外部からは事実上見えず、そ の結果一体的な構造の印象が与えられる。 本発明の好ましい実施態様によれば、リム及び／又はベースをケースに、対応 するネジ構造によりネジ固定することができる。又、装飾リングは、ネジ止め可 能なリムか或いはネジ止め可能なベースに、対応するネジツールを取付けるため にその外周に複数の分散した凹部が設けられているようにすれば、容易に取り付 けられ、取り外され、或いは交換することができる。 本発明の好ましい実施態様によれば、ケースの外側に二組の外方に向いた角が 、対向する位置にストラップを固定するために設けられ、また角及び／又は装飾 リングに、切削凹部が、装飾リングをケース上で完全に摺動させるために設けら れているようにする。装飾リングの外側には装飾体が設けられ、装飾体は角のペ アの外側の部分に限定されている。装飾体を外から見える域にのみ限定すること により材料費及び加工費用はさらに節減される。 本発明のその他の実施態様は請求の範囲から明らかになろう。 図面の簡単な説明 次に本発明を添付図面に示す実施態様を参照しつつ説明する。図面において 第１図は、本発明の好ましい実施態様による腕時計内部構造の縦断正面図（３ 〜９時方向からの断面図）であり、 第２図は、第１図の腕時計の側面図（３時方向からの図）であり、 第３図は、第１図の時計のケースの平面図であり、 第４図は、第１図の時計の装飾リングの平面図であって、管及び角の切削凹部 が示され、 第４ａ図は、第４図の装飾リングの側面図（３時方向からの図）であり、 第５図は第１図の時計のリムの平面図であり、 第６図は第１図の時計のベースの底面図である。 発明を実施するための最良の形態 第１図は、本発明の好ましい実施態様による腕時計構造の縦断正面図である。 腕時計１０は、円形ケース２１を有し、ケース２１は、頂部がガラスカバー１１ を有するリム１４で、また底部は、ベース２６により境界ずけられている。ケー ス２１は、時計構造１８を囲んでおり、概略的にのみ図示されている。時計構造 １８は、文字板１６の下に位置しており、針軸１７は、文字板１６から突出して 文字板１６とガラスカバー１１との間に位置している。関係する針は、簡単化の ため図示されていない。 リム１４の内側にあるガラスカバー１１がリムリング中に挿入されており、シ ール１３で密閉されている。装飾目的のためガラスカバー１１も装飾リム１２に より囲まれており、リム１２は、リムリング（第５図）の対応するロック溝中に 押入されている。リム１４は、捩じ込みリムの形で形成される。例えばリム１４ は、ケース２１の対応するネジ２０ａ，２０ｂ（外側ネジ２０ａがリム１４上に 、内側ネジ２０ｂがケース２１上に設けられている、第３図参照）により捩じ込 まれる。ベース２６もネジベースの形であり、適当なネジ２７ａ，２７ｂ（外側 ネジ２７ａがベース２６上に、内側ネジ２７ｂがケース２１上に設けられている ）によりケース２１に捩じ込まれている。 ケース２１、リム１４及びベース２６により形成される組体をシールするため に二つのＯリング１９，２４が設けられており、Ｏリングは、ケースの頂部及び 底部の対応する溝（第３図の３１）に挿入されている。ケース２１から側部方向 に管２２が突出しており、これは、内側から外側に時計構造の作動素子を誘導し ている。リム１４及びベース２６の双方ともその外周に、適当なネジツールを適 用するための複数の（この例の場合６個）の分散した凹部１５及び２５を有する （第５図及び第６図も参照）。 ケース２１の外壁３５は、円筒形面となっており、一定の外径ｄ_aを有する（ 第３図）。ケース２１の外方は、装飾リング２３と係合しており、装飾リング２ ３の円筒状内壁３６は、一定の内径ｄ_iを有し、内径ｄ_iは、前記外径ｄ_aより僅 かに大きい。装飾リング２３は、外方からケース２１を囲んでおり、従って第３ 図に示すストラップのための角２８ａ〜２８ｄを除き、ケース２１は、外部から 見えない。 装飾リング２３は、リム１４とベース２６の間の位置に着脱自在に保持される 。好ましくはリム１４及び／又はベース２６の外端が少なくとも部分的にケース ２１の外端から突出しており、装飾リング２３の少なくとも頂部及び底部をその 突出部分で保持するようにする。しかし他の取付け手段を考えることもできる。 ケースと装飾リングのこの組み合わせによって、基本的な時計の型をベースとし て異なる設計の装飾リングを取付けることにより、外観が異なる種々の時計を容 易に作り出すことができる。 第４図に平面図で示す装飾リング２３がケース２１に装飾的機能を付与する。 従って、美的印象に関しては、ケース２１に特別な作用は必要でない。装飾機能 は、専ら装飾リング２３により発揮されるのであり、リングは、円形に設計され ているため作業は、比較的容易である。第２図の側面図から明らかなように、ケ ース２１の角２８がケース２１の高さ全面に亙って延びている。装飾リング２３ をケース２１の全面に被せるようにするために、リング上（第４図、第４ａ図） 及び角２８ａ〜２８ｄ（第２図、第３図）切削凹部３３ａ〜３３ｄ又は２９及び ２９ａ〜２９ｄが設けられている。同じ理由で装飾リング２３上には、別の切削 凹部３０が設けられ、これは管２２がリングと係合する空間となる。 図示の実施態様には、三つの水平に周回する峰３７が、装飾体として装飾リン グ２３の外側に設けられている。しかし、本発明は他の装飾形状体を使用しても 良いことは明らかである。角ペア２８ａ，２８ｂ或いは２８ｃ，２８ｄの間の装 飾リング２３の位置は、装着された時に外側からは限定された範囲しか見えない ため、峰状装飾体は角ペアの外側の部分３２ａ，３２ｂに限定されることが好ま しい。このようにして装飾リング２３の部分的な厚さ削減が可能になる。 厚さ削減が可能であるため、本発明の一実施態様によれば、金等の重い金属か ら装飾リング２３を作り、ケース２１、リム１４、ベース２６等の残る部分を鉄 等の比較的軽量の標準的な材料で作ることにより、重量の軽減が可能になる。こ のような”二色(Bicolor)”構造のため、かかる純粋に装飾的な効果のほか、装 飾リング２３は衝撃等の機械的荷重や、水滴などに対する保護機能も果たす。 本発明は上述実施例のみに限定されないことは明らかである。例えば、ケース ２１、リム１４及びベース２６の捩じ込み式組体に変えて、他の組み付け方式、 例えば先述特許に記載された方法を用いても良い。又、他の方法でケース２１の 外側に装飾リング２３を一体的に固定することもできる。最後に、上述単一のリ ングを使用する代わりに、複数の、重なり合った、或いは係合した装飾リングを を用いることもできる。かくして本発明は、異なる装飾を容易かつ必要に応じて 融通性良く取付けることのできる腕時計を提供する。 符号の説明 １０ 腕時計 １１ ガラスカバー １２ 装飾リム １３ シール １４ リム １５，２５ 凹部 １６ 文字板 １７ 針軸 １８ 時計構造 １９，２４ Ｏリング ２０ａ，２０ｂ ネジ ２１ ケース ２２ 管 ２３ 装飾リング ２６ ベース ２７ａ，２７ｂ ネジ ２８，２８ａ〜２８ｄ 角 ２９，３０ 切削凹部 ３１ 溝 ３２ａ，３２ｂ 部分 ３３ａ〜３３ｄ 切削凹部 ３４ ロック溝 ３５ 外側壁（ケース） ３６ 内側壁（装飾リング） ３７ 峰 ｄ_a 外径（ケース） ｄ_i 内径（装飾リング）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．時計構造（１８）を囲む実質的に円形のケース（２１）を有する腕時計で あって、前記ケース（２１）は頂部がガラスカバー（１１）を取付けたリム（１ ４）で、また底部がベース（２６）の上で終わっており、更にケースに固定され る装飾リング（２３）を有する腕時計において、前記装飾リング２３がケース２ １に外部から係合して、これを覆っていることを特徴とする腕時計。 ２．前記装飾リング（２３）が、リム（１４）とベース（２６）の間の位置に 着脱自在に保持されている請求の範囲第１項記載の腕時計。 ３．前記リム（１４）及び／又はベース（２６）の外端が、少なくとも部分的 にケース（２１）の外端から突出しており、装飾リング２３をその突出部分で保 持している請求の範囲第２項記載の腕時計。 ４．前記リム（１４）及び／又はベース（２６）が、対応するネジ（２０ａ， ２０ｂ，２７ａ，２７ｂ）によりケース（２１）に捩じ込まれている請求の範囲 第３項記載の腕時計。 ５．前記捩じ込み可能なリム（１４）又は捩じ込み可能なベース（２６）が、 対応するネジツールの取付けのため、外周に、複数の分散した凹部を有する請求 の範囲第４項記載の腕時計。 ６．前記ケース（２１）が、一定の外径（ｄ_a）をその高さ全体に亙って有し 、装飾リング（２３）が、一定の内径（ｄ_i）をその高さ全体に亙って有し、前 記内径（ｄ_i）が、前記外径（ｄ_a）よりも少し大きい請求の範囲第１〜５項のい ずれかに記載の腕時計。 ７．前記装飾リング（２３）が、ケース（２１）及び／又はリム（１４）及び ／又はベース（２６）の材料とは異なる材料から形成されている請求の範囲第１ 〜６項のいずれかに記載の腕時計。 ８．前記ケース（２１）、リム（１４）及びベース（２６）が銅から形成され 、装飾リングが貴金属、特に金又は貴金属合金から形成されている請求の範囲第 ７項記載の腕時計。 ９．前記装飾リング（２３）外部に装飾体が設けられている請求の範囲第１〜 ８項のいずれかに記載の腕時計。 10．前記ケース（２１）の外側に二組の外方に向いた角（２８，２８ａ，２８ ｂ，２８ｃ，２８ｄ）が対向する位置に、ストラップを固定するために設けられ ており、角（２８，２８ａ，２８ｂ，２８ｃ，２８ｄ）及び／又は装飾リング（ ２３）に、切削凹部（２９，２９ａ〜２９ｄ）或いは（３３ａ〜３３ｄ）が、装 飾リング（２３）をケース（２１）上に完全に係合させるために設けられている 請求の範囲第１〜９項のいずれかに記載の腕時計。 11．前記装飾リング（２３）の外側に装飾体を有し、この装飾体が角のペア（ ２８ａ，２８ｂ，２８ｃ，２８ｄ）の外側の部分（３２ａ，３２ｂ）に限定され ている請求の範囲第10項記載の腕時計。 12．前記作動素子の通路として、ケース（２１）に外方に向いた管（２２）が 設けられ、装飾リング（２３）に切削凹部２３が設けられ、切削凹部により装飾 リング（２３）がケース（２１）上に完全に係合されるようにした請求の範囲第 １〜11項のいずれかに記載の腕時計。