JPH09504762A - 圧力調整弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は圧力調整弁に関する。この圧力調整弁は弁突棒（２）と相対的に摺動可能な弁閉鎖部材（３）を備えている。それによって、第３の圧力媒体ポート（１７）が弁突棒（２）によって操作可能な弁閉鎖部材（１８）により、第２の圧力媒体ポート（６）から遮断されている間、第１と第２の圧力媒体ポート（５，６）の間の圧力媒体流れが調整される。

Description

【発明の詳細な説明】 圧力調整弁 本発明は、請求項１の上位概念に記載した圧力調整弁、特にスリップ制御式油 圧ブレーキ装置のための、電気的に制御可能な多方向切換弁に関する。 ドイツ連邦共和国特許第２９０９５０４号公報により、圧力調整のために弁突 棒が滑り弁として形成された圧力調整弁が既に知られている。この場合、滑り弁 の第１の切換操作位置で、第１と第２の圧力媒体ポートの間の圧力媒体接続部が 開放され、弁滑り弁の第２の切換操作位置で前記の圧力媒体接続部が遮断される 。第３の切換操作位置では、弁突棒が球逆止弁を開放するので、第２の圧力媒体 ポートに通じる他の圧力媒体ポートが開放される。 しかしながら、この圧力調整弁は、滑り弁が一方では、製作および温度に依存 する漏洩流れを制御するために、高い嵌め合い精度を必要とし、他方では滑り弁 が閉鎖位置で引掛かって動かないときに、接続された管系の圧力を低下させるた めの手段が設けられていない。 そこで、本発明の課題は、簡単な手段によって、確実に機能する圧力調整と、 コンパクトで小型化された構造を保証するように、前記種類の圧力調整弁を改良 することである。 この課題は本発明に従い、請求項１記載の特徴によって解決される。この特徴 によれば、弁ケーシング内に設けられた両弁閉鎖閉鎖部材の一方が弁突棒と相対 的に摺動可能であり、かつ弁ケーシング内に設けられた弁座に当接可能であるの で、シート弁として形成された他の弁閉鎖部材の閉鎖位置で、第１の圧力媒体ポ ートが第２の圧力媒体ポートから遮断されている。 次に、実施の形態に基づいて本発明の特徴および効果を説明する。 図１は、何倍にも拡大して示した圧力調整弁の縦断面図である。この圧力調整 弁の弁ケーシング１はカートリッジ（かしめカートリッジ、ねじ込みカートリッ ジ、締め付けカートリッジ）の構造をしている。鋼合金または軽金属合金からな る弁ケーシング１内には、磁気アーマチュア１２を有する、深絞り法で製作され た弁スリーブ１１が、弁スリーブ１１の端領域に設けられたかしめ部によって保 持されている。弁スリーブ１１の丸屋根状領域内には、比例磁石として形成され た磁気アーマチュア１２が設けられ、この磁気アーマチュアには弁突棒２が取付 けられている。この弁突棒は磁石鉄心１３の穴を通って、いわゆる他の弁閉鎖部 材３を有する圧力室１４まで延びている。弁コイル１５が弁スリーブ１１に嵌め 込まれている。この弁スリーブは磁気アーマチュア１２の電磁的な操作を行う。 電磁的に励起されない、圧力調整弁の基本位置では、磁石鉄心１３と磁気アーマ チュア１２の間に挟持されたばね１５が、弁突棒２を、第１の圧力媒体ポート５ と第２の圧力媒体ポート６との間で圧力媒体接続部を開放する基本位置に保持す る。第１の圧力媒体ポート５はスリーブ状の弁閉鎖部材３の上方で、圧力室１４ に開放している。一方、第２の圧力媒体ポート６は両弁座４，４′を有する下側 の区間の領域において圧力室１４に開口している。互いに直径方向に配置された 弁座４，４′は、円錐状密封座として、スリーブ状の弁インサート１６内に設け られている。この弁インサートは特に、下方へ先細になっていて段付穴として形 成された圧力室１４内で自己かしめによって固定されている。下側から弁対称軸 線方向に弁ケーシング１に開口する第３の圧力媒体ポート１７は、弁基本位置に おいて、弁インサート１６内でばね力で付勢された弁閉鎖部材１８によって、前 述の圧力媒体ポート５，６から分離されている。弁をきれいにするために、弁ケ ーシング１の中と外に、環状フィルター１９または板形フィルター２０が設けら れている。本発明にとって重要な特徴は、弁突棒２と同軸に案内された、いわゆ る他の弁閉鎖部材３の配置および協働作用にある。この弁閉鎖部材３はスリーブ として形成され、そして連行部７を介して、その都度弁突棒２のくびれている横 断面の移行範囲において、そのストローク運動を制限される。従って、圧力調整 弁の非作用の基本位置で、突起としてスリーブにプレス成形された連行部７が、 くびれたシャフト横断面の下側つば２１に接触している。スリーブ状の弁閉鎖部 材３は管や棒の材料からなる簡単な薄板部品として製作可能であるので、切り屑 を生じない変形によって、円錐状弁閉鎖体８と連行部７を比較的に容易にかつ正 確に製作可能である。スリーブ状の弁閉鎖体３は同時に、運動の自由のために必 要な、弁突棒２上でのその嵌め合い遊びによって、第２と第１の圧力媒体ポート ６，５の間のバイバス接続を可能にするので、環状パッキン１０を経て第１の圧 力媒体ポート５内のマスターシリンダ圧力が低下することにより、圧力媒体は第 ２の圧力媒体ポート６（車輪ブレーキ）からマスターシリンダ２４に逃げること ができる。図に従って、環状パッキン１０は磁石鉄心１３の下側の穴段部に挿入 され、前に置かれた円板２３によって動かないように位置決めされている。この 円板は磁石鉄心１３と弁ケーシング２の穴段部との間に挟持されている。環状パ ッキン１０は逆止弁として形成され、車輪ブレーキ２４からマスターシリンダ２ ５の方へ開放している。磁気アーマチュアは車輪圧力を受けている。 次に、スリップ制御式油圧制動装置と関連して、圧力調整弁の機能を説明する 。 図は電磁的に励起されていない切換位置にある圧力調整弁を示している。この 切換位置は、スリップ制御式制動装置のために弁を使用する場合には同時に、ブ レーキ解放位置および普通ブレーキ相に相当する。このブレーキ解放位置および 普通ブレーキ相では、マスターシリンダ２５から第１の圧力媒体ポート５と、環 状フィルター要素１９と、開放したスリーブ状弁閉鎖部材３と、弁インサート１ ６と弁突棒２の間の通路とを経て、第２の圧力媒体ポート６へ、圧力媒体が妨害 されずに流れる。この第２の圧力媒体ポート６は車輪ブレーキ２４に接続してい る。 過剰制動の際に電子式信号評価装置の適当な手段によって認識可能である、許 容されないほど大きな車輪スリップ信号が発生すると、コイル１５の特に電流制 御による励起が行われるので、磁石鉄心１２は電流に比例してストローク運動を 行う。このストローク運動は、連行部７を介して突棒２上を案内されるスリーブ 状弁閉鎮部材３を閉鎖することになる。それによって、圧力室１４内に発生する 圧力（マスターシリンダ圧力およびまたはポンプ圧力）が、第２の圧力媒体ポー ト６ひいては車輪ブレーキ２４に伝達されないので、圧力調整弁は圧力保持相と なる。圧縮はね５０は弁閉鎖部材１８を支持し、圧力媒体ポート（車輪ポート） ６内の小室内の圧力に抗して弁閉鎖部材を弁座４′に保持する。 車輪ブレーキ２４内の圧力降下相を開始するために、磁石鉄心１２が完全に制 御されると、弁突棒２が更にストローク運動し、球逆止弁に突き当たることにな る。それによって、車輪ブレーキが第２の圧力媒体ポート６と第３の圧力媒体ポ ート１７を経て、圧力媒体捕集器２６に達する。この圧力媒体捕集器は通常は圧 力媒体ポンプ２７に接続している。遅くとも圧力媒体降下相の開始によって、ポ ンプ２７が作動し、それによって一方では迅速な圧力媒体降下を良好にし、他方 では新たな圧力媒体上昇サイクルの開始時にマスターシリンダ２５または圧力調 整弁のために充分な圧力媒体を準備する。 圧力保持相または圧力上昇相の間、マスターシリンダ２５を介して手動で圧力 降下が開始される（ブレーキペダルが解放位置へ移動する）方向に、電気油圧式 圧力調整を過剰制御する必要があると、いつでも、弁突棒２と弁閉鎖部材３の間 でバイパス通路として作用する嵌め合い遊びを経て、マスターシリンダ２５の方 へ開放する逆止パッキン１０の方向へ、車輪ブレーキ２４内の圧力降下が行われ る。 本発明は、騒音が非常に小さく、簡単でコンパクトな弁構造が得られるという 効果がある。この弁構造は、従来知られている２／２方向制御弁として形成され た、ＡＢＳ（アンチロックブレーキ装置）の入口シート弁および出口シート弁の 利点を、類似の弁装置と連携する。上述の本発明において、マスターシリンダ圧 力は磁力に対して影響を与えない。なぜなら、シート弁として作用する入口弁閉 鎖部材を使用するため、タンデムマスターシリンダ圧力がつり合っているからで ある。必要な出力が小さな小型のコイルを使用することができる。更に、第２と 第３の圧力媒体ポートの間の提案した圧力調整に基づいて、電子装置を簡単化す ることができる。というのは、球逆止弁の操作のために、付加的な電気アクチュ エータが不要であるからである。 参照符号一覧表 １ 弁ケーシング ２ 弁突棒 ３ 弁閉鎖部材 ４，４′ 弁座 ５ 圧力媒体ポート ６ 圧力媒体ポート ７ 連行部 ８ 弁閉鎖体 ９ 圧縮ばね １０ 逆止パッキン １１ 弁スリーブ １２ 磁気アーマチュア １３ 磁石鉄心 １４ 圧力室 １５ 弁コイル １６ 弁インサート １７ 圧力媒体ポート １８ 弁閉鎖部材 １９ 環状フィルター ２０ 板形フィルター ２１ つば ２２ つば ２３ 円板 ２４ 車輪ブレーキ ２５ マスターシリンダ ２６ 圧力媒体捕集器 ２７ ポンプ ５０ 圧縮ばね

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シール・ロタール ドイツ連邦共和国、デー‐65719 ホーフ ハイム、アン・デア・ターン、16

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．弁ケーシング内に軸方向に移動可能に設けられた弁突棒を備え、この弁突棒 が第１の切換操作位置で、弁ケーシングに開口する第１の圧力媒体ポート（マス ターシリンダポート）と弁ケーシングに開口する第２の圧力媒体ポート（車輪ブ レーキポート）との間の圧力媒体接続部を開放し、第２の切換操作位置で、第１ の圧力媒体ポート（マスターシリンダポート）と第２の圧力媒体ポート（車輪ブ レーキポート）との間の圧力媒体接続部を遮断し、第３の切換操作位置で、第２ の圧力媒体ポート（車輪ブレーキポート）と第３の圧力媒体ポート（圧力媒体捕 集器）との間の圧力媒体接続部を開放し、そのために弁突棒によって軸方向に摺 動可能な弁閉鎖部材がその弁座から離れている、圧力調整弁、特にスリップ制御 式油圧ブレーキ装置のための、電気的に制御可能な多方向切換弁において、他の 弁閉鎖部材（３）が弁突棒（２）と相対的に摺動可能に弁ケーシング（１）内に 設けられ、この他の弁閉鎖部材（３）が弁ケーシング（１）内に設けた弁座（４ ）に当接可能であり、この他の弁閉鎖部材が閉鎖位置で、第１の圧力媒体ポート （５）を第２の圧力媒体ポート（６）から遮断していることを特徴とする圧力調 整弁。 ２．他の弁閉鎖部材（３）が弁突棒（２）に対して同軸方向に向いたシート弁と して形成されていることを特徴とする請求項１記載の圧力調整弁。 ３．他の弁閉鎖部材（３）が弁突棒（２）上で形状拘束的に案内されていること を特徴とする請求項１または２記載の圧力調整弁。 ４．弁突棒（２）の小さなシャフト横断面に接触する、他の弁閉鎖部材（３）の 連行部（７）によって、形状拘束的な連結部が形成されていることを特徴とする 請求項３記載の圧力調整弁。 ５．連行部（７）が弁突棒（２）の第１と第２のつば（２１，２２）の間で案内 され、連行部（７）が弁閉鎖部材（３）の部分的なくびれによって形成されてい ることを特徴とする請求項４記載の圧力調整弁。 ６．他の弁閉鎖部材（３）がほぼスリーブの形をしていることを特徴とする請求 項１〜５の少なくとも一つに記載の圧力調整弁。 ７．弁閉鎖部材（３）のスリーブが弁座（４）側に、円錐台状の弁閉鎖体（８） を備え、弁突棒（２）がこの弁閉鎖体を同軸に貫通していることを特徴とする請 求項６記載の圧力調整弁。 ８．他の弁閉鎖部材（３）が弁閉鎖方向に作用する圧縮ばね（９）によって付勢 されていることを特徴とする請求項１〜７の少なくとも一つに記載の圧力調整弁 。 ９．他の弁閉鎖部材（３）の外壁上に環状パッキン（１０）が設けられ、この環 状パッキンが他の弁閉鎖部材（３）の閉鎖位置で、第１の圧力媒体ポート（５） から第２の圧力媒体ポート（６）への圧力媒体供給を遮断し、逆方向において第 ２の圧力媒体ポート（６）を第１の圧力媒体ポート（５）に接続することを特徴 とする請求項１〜８の少なくとも一つに記載の圧力調整弁。