JPH09503510A - ヘパリン様特性を有する高硫酸化マルトオリゴ糖 - Google Patents

ヘパリン様特性を有する高硫酸化マルトオリゴ糖

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JPH09503510A JP7511029A JP51102994A JPH09503510A JP H09503510 A JPH09503510 A JP H09503510A JP 7511029 A JP7511029 A JP 7511029A JP 51102994 A JP51102994 A JP 51102994A JP H09503510 A JPH09503510 A JP H09503510A
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Abstract

(57)【要約】 ヘパリン様活性を有する新規クラスの高硫酸化マルトオリゴ糖、並びに癌、網膜症および心血管疾患を含むある種の疾患を治療するためのこれらオリゴ糖の使用方法。

Description

【発明の詳細な説明】 ヘパリン様特性を有する高硫酸化マルトオリゴ糖発明の技術分野 本発明は、ヘパリン様特性を有する新規クラスの高硫酸化マルトオリゴ糖、お よびこれらオリゴ糖を単独または化学療法剤と組み合わせてある種の疾患の治療 に用いる方法に関する。発明の背景 ヘパリンおよび他の天然に存在するグリコサミノグリカン、たとえばデルマタ ン硫酸やヘパラン硫酸は、医学的に有用な性質を有する。最近、種々の化学的ま たは酵素的な脱重合工程から幾つかの低分子量ヘパリンが臨床用途に開発されて いる。トーマス(Thomas)ら、Thrombos.Res.(1982)28:343〜3 50;ワレンガ(Walenga)ら、Thrombos.Res.(1986)43:243〜2 48;コラー(Koller)ら、Thrombos Haemostas.(1986)56:243 〜246。たとえば、ヘパリンまたはヘパラン硫酸またはその分解産物が平滑筋 の増殖に関与することが当面認められている。ヘパリンおよびヘパラン硫酸は、 上記損傷に伴う血管増殖を遅延もしくは阻止することができる(クロウズ(Clowe s,A.W.)ら、Nature(1977)265:625〜626)。ヘパラン硫酸お よびヘパリンが平滑筋増殖に及ぼす影響はまた、マーカム(Marcum,J.A.)ら によっても記載されている(Biology of Proteoglycan、アカデミックプレス( 1987)301〜343頁)。ヘパリンによる血管平滑筋細胞増殖の抑制はさら にカステロット(Castellot,J.J.,Jr.)らによって記載され(J Biol C hem (1982)257:11256〜11260)、胎児組織における血管平滑筋 細胞増殖に及ぼすヘパリンの影響はベニッツ(Benitz,W.E.)らによって記載 されている(J Cell Physiol(1986)127:1〜7)。周皮細胞および平 滑筋細胞の両者の増殖のインヒビターとしてのヘパリンの作用はオーリッジ(Or lidge,A.)らによって示されており(Microvascular Research(1986)31 :41〜53)、これら著者はさらにコンドロイチン硫酸およびデルマタン硫酸 は該作 用を有しないことを示した。平滑筋細胞の増殖に対するヘパリンおよびヘパラン 硫酸の作用に関する総論が、ベニッツによって刊行されている(「ザ・パルモナ リー・サーキュレーション:ノーマル・アンド・アブノーマル(The Pulmonary Circulation:Normal and Abnormal)」、フィッシュマン(Fishman,A.P. )編、ユニバーシティーオブペンシルベニアプレス(1988))。 ヘパリンおよびある種の低分子量ヘパリンは、医学に応用するにはある意味で 不利である。一般に、両組成物とも抗血液凝固活性を示すので、相当の医学的管 理下で投与する必要がある。しかしながら、最近、この問題を回避するために抗 血液凝固活性を有しないヘパリンが開発され、目下臨床試験中である。第二に、 ヘパリンは天然由来であり、一般に動物から精製される。そのようなものとして 、少量のグリコサミノグリカンがアナフィラキシー反応、血小板数の減少、血栓 症および塞栓症を引き起こす。それゆえ、ヘパリンに匹敵する特性を有する合成 剤の調製または同定が望まれている。 ある種のヘパリン特性を示す生物学的に活性なヘキソースポリマーまたは修飾 ヘパリンは、以前に記載されている。米国特許第4,066,829号は、硫酸化 マルトデキストリンポリマー(分子量は開示されていない)について補体系調節活 性を開示している。同様の補体系調節活性が4−O−ポリヘキソース−チオ−ア リーレン硫酸誘導体について米国特許第4,470,976号および同第4,43 5,387号に開示されている。記載されたヘキソースポリマーは、置換二糖で ある。 EPA0338092号は、4〜10のD−グルコース単位がα−1,4結合 で連結した硫酸化された直線状ポリマーのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金 属塩を記載している。これら組成物は抗HIV活性があるとされている。 PCT特許出願、WO92/01003号は、ある種の抗血液凝固作用を有し ないヘパリンがヘパラナーゼ阻害剤として働くこと、およびこれらヘパリンが転 移性細胞変異体による肺コロニー形成を減少させもしくは防ぐことを示している 。フゲジ(Fugedi)らによる2つの科学要約が硫酸化マルトオリゴ糖を記載して いる。第XVI回国際炭水化物シンポジウム、1992年7月5〜10日、パリ 、 フランス:モデュレーション・オブ・bFGF・バイオロジカル・アクティビテ ィーズ・バイ・サルフェイテッド・マルトオリゴサッカライズ(Modulation of bFGF Biological Activities by Sulfated Maltooligosaccharides)、 402頁;およびアンティバイラル・アクティビティー・オブ・サルフェイテッ ド・マルトオリゴサッカライズ(Antiviral Activity of Sulfated Maltooli gosaccharides)、446頁参照。これら組成物が塩基性線維芽細胞増殖因子に結 合することができ、単純ヘルペスウイルスのプラーク形成を抑制しうることもま た記載されている。しかしながら、これら組成物の硫酸化の程度や、高レベルの 硫酸化が生物学的活性に対していかなる影響を及ぼすかについては記載されてい ない。発明の要約 本発明は、単独または化学療法剤と組み合わせて治療学的特性および/または 予防特性を有する高硫酸化マルトオリゴ糖組成物を提供する。ある種の側面にお いて、該組成物はヘパリンと同様の特性を有する。 他の側面において、本発明は、平滑筋細胞増殖の有効なインヒビターである高 硫酸化マルトオリゴ糖組成物を提供する。 本発明の第三の側面は、下記構造式: (式中、XはOまたはSを示す; 各R1は独立にアルキル、アリール、またはアラルキル基、還元または酸化され たグルコース単位、SO3MまたはHを示す; R2はSO3M基またはHを示す; Mは生物学的に許容しうるカチオンを示す; nは1〜9の整数を示す; ただし、R2基の少なくとも50%はSO3Mである)を有する高硫酸化マルトオ リゴ糖組成物を記載することである。 本発明の第四の側面は、硫酸化マルトテトラオース、硫酸化マルトペンタオー ス、および硫酸化マルトヘキサオースを含む好ましい高硫酸化マルトオリゴ糖組 成物を記載することである。 本発明の第五の側面は、硫酸化の程度に応じて細胞増殖への影響が異なる硫酸 化マルトオリゴ糖組成物を記載することである。 本発明の第六の側面は、癌、心血管疾患、網膜症、炎症およびウイルス由来の 疾患を含むある種の疾患の治療または予防に有利に応用できる高硫酸化マルトオ リゴ糖組成物を記載することである。図面の簡単な説明 図1は、bFGFをコーティングしたマイクロタイターウエルへのRO−12 UC細胞の結合に対して、ある種のマルトオリゴ糖における硫酸化の程度が及ぼ す影響を示す。 図2は、副腎皮質内皮細胞増殖の抑制に対して、ある種のマルトオリゴ糖の硫 酸化の程度が及ぼす影響を示す。 図3は、ある種のマルトオリゴ糖のサイズの関数として、bFGFをコーティ ングしたマイクロタイターウエルへのRO−12UC細胞の結合の抑制を示す。 図4は、ある種のマルトオリゴ糖のサイズの関数として、副腎皮質内皮細胞増 殖の抑制を示す。 図5は、ヌードマウスでの腫瘍細胞株MDA−231の増殖に対する高硫酸化 マルトテトラオースの作用を示す。 図6は、ヌードマウスでのCAPAN−2腫瘍細胞増殖に対する高硫酸化マル トテトラオースの作用を示す。 図7は、ヌードマウスでの腫瘍細胞株PC−3の増殖に対する高硫酸化マルト テトラオースの作用を示す。 図8は、平滑筋細胞の増殖に対する高硫酸化マルトテトラオースの抑制作用を 示す。抑制作用は、ブタ粘膜ヘパリンに対する相対値として示す。 図9は、平滑筋細胞の増殖に対する高硫酸化マルトペンタオースの抑制作用を 示す。抑制作用は、ブタ粘膜ヘパリンに対する相対値として示す。 図10は、平滑筋細胞の増殖に対する高硫酸化マルトヘキサオースの抑制作用 を示す。抑制作用は、ブタ粘膜ヘパリンに対する相対値として示す。 図11は、ヘパラナーゼ阻害に対する高硫酸化マルトテトラオースの作用を示 す。特定の態様の記載 本発明は、ヘパリンと同様の治療特性を有する組成物を提供する。本発明の組 成物は、式: (式中、XはOまたはSを示す; 各Rlは独立にアルキル、アリール、またはアラルキル基、還元または酸化され たグルコース単位、SO3MまたはHを示す; R2はSO3M基またはHを示す; Mは生物学的に許容しうるカチオンを示す; nは1〜9の整数を示す; ただし、R2基の少なくとも50%はSO3Mである)で示される一般構造を有す る高硫酸化マルトオリゴ糖である。 生物学的に許容しうるカチオンの典型例は、アルカリ金属、アルカリ土類金属 、アルミニウム、アンモニア、亜鉛、および置換アンモニア(該置換は、ジ−ま たはトリアルキルアミン(C1−C6)、ピペリジン、ピラゾン、アルカノールアミ ン(C2−C6)、またはシクロアルキルアミン(C3−C6)を生成してよい)である が、許容しうるカチオンはこれらに限られるものではない。妥当な溶解性を示し 、毒 性が低いかまたは有せず、親組成物の薬理特性に有意または悪い影響を及ぼさな いカチオンであれば、いかなるものであってもよい。 本発明の好ましい高硫酸化組成物は、マルトテトラオース、マルトペンタオー ス、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、マルトオクタオース、マルトノ ナオースおよびマルトデカオースである。 本発明の組成物は、マルトオリゴ糖または以下に記載するその誘導体を、当該 技術分野においてよく知られた方法により適当な溶媒中の硫酸化剤で処理するこ とにより製造することができる。本発明の組成物の合成のための出発物質である マルトオリゴ糖としては、1〜9のD−グルコース残基がα−1,4結合により 連結したオリゴ糖、またはこれらオリゴ糖の混合物が挙げられる。これらオリゴ 糖の誘導体、たとえばO−またはS−グリコシドまたは還元アルジトール誘導体 もまた出発物質として有用である。最終的な所望の硫酸化オリゴ糖の構造が出発 物質の性質を決定するであろうことは明らかであろう。 本発明の組成物を調製するのに有用な硫酸化剤としては、三酸化硫黄:ピリジ ン錯体、三酸化硫黄:トリメチルアミン錯体、およびクロルスルホン酸が挙げら れるが、これらに限られるものではない。本発明の組成物の調製に有用な有機溶 媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド、 およびピリジンが挙げられるが、これらに限られるものではない。当該技術分野 で知られた技術を用い、ヒドロキシル基上の選択的硫酸化を行うことができる。 硫酸化後、硫酸基を、Na、K、Li、Ca、Mg、NH4、Al、エタノール アミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピリジンおよびピペリジンを含む (これらに限られるものではない)生物学的に許容しうるカチオンで修飾すること ができる。 典型的な硫酸化反応は、出発物質(0.5g)をN,N−ジメチルホルムアミド( 20mL)中に溶解し、三酸化硫黄ピリジン錯体(2当量/OH基)を加えること により行う。この混合物を室温にて適当な時間、好ましくは2日間撹拌する。1 M NaOHを加えてpHを9に調整し、ついで得られた粗製の生成物を有機溶 媒(たとえば、エタノール)を加えることによって沈殿させるか、またはこれが適 当で ない場合には混合物を減圧下で蒸発乾固する。ついで、粗製の生成物を精製して 無機塩を除去し、最後に所望の塩の形態に変換する。 本発明の重要な側面は、生成物の硫酸含量である。生成物は元素分析によって 決定される硫黄含量として特徴付けられる。硫酸化組成物の吸湿性の性質のため 、これは信頼性のある方法とはいえず、それゆえ、本発明では硫酸含量の決定を 試料の水分含量に影響されない炭素/硫黄比から行った。生成物の硫酸含量は硫 酸比として示すことができる。硫酸比とは出発物質中のヒドロキシル基の全数に 対する硫酸化されたヒドロキシル基の比をいい、パーセントで表される。 使用した特定の硫酸化法に依存して、調製される硫酸エステルはスルホン酸置 換基の数および位置が異なるであろう。ほとんどの場合、出発物質のオリゴ糖の 硫酸エステルの混合物が得られるであろう。好ましい組成物は約50%のヒドロ キシル基が硫酸化されている。さらに好ましいのは、75%またはそれ以上のヒ ドロキシル基が硫酸化された組成物である。 異なるマルトオリゴ糖の混合物を硫酸化し、医学用途に利用することができる 。たとえば、四糖から十糖の直線状同族体を含むマルトオリゴマー混合物が市販 されている。かかる混合物を本明細書に記載する条件を用い(DMF(10ml) 中のマルトオリゴマー混合物(0.25g)を三酸化硫黄ピリジン錯体で処理)高硫 酸化した。標識形態の本発明の抗血液凝固作用を有しない組成物 本発明の組成物は、所望により、蛍光、放射性同位元素、または酵素標識を付 して提供することができる。炭水化物または関連残基に標識をカップリングする 常法を用いることができる。そのような技術は当該技術分野で充分に確立されて いる。たとえば、米国特許第4,613,665号を参照。本発明の標識混合物は 、競合イムノアッセイにおけると同様に疾患部位を同定するのに用いることがで き、またインビボで該組成物の薬動力学を追跡する手段として用いることができ る。この目的に適した放射性同位元素標識としては、水素3、ヨウ素131、インジ ウム111、テクネチウム99、リン32、および硫酸35が挙げられる。適当な酵素標 識としては、アルカリホスファターゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナー ゼ、および西 洋ワサビペルオキシダーゼが挙げられる。特に好ましい蛍光標識としては、フル オレセインおよびダンシルが挙げられる。これら3つのすべてのタイプの種々の 標識が当該技術分野で知られている。投与および使用 本発明の組成物は、癌、好ましくは転移性の癌、炎症、および血小板凝集また は血管形成によって引き起こされるまたは悪化する疾患を含む種々の疾患の治療 または予防のため、および過剰で破壊的な平滑筋細胞増殖を特徴とする状態また は疾患の治療のため、医学的応用に有用である。 本発明の組成物は、その血管静止(angiostatic)作用のため、血管形成に基づ く疾患の有利な治療に好ましく適用されるであろう。かかる疾患の一つのクラス は、癌または網膜症である。この後者のクラスの一つは糖尿病性網膜症であり、 本発明の組成物により有利に治療されるであろう。 本発明の組成物の投与経路は、一般にグリコサミノグリカン組成物に適したも のであり、一般に注射などの全身投与を含む。 皮下注射は長期間にわたる連続注射を持続することが容易であるので、特に好 ましい。管腔内投与や浸透圧ポンプまたはインプラントを用いた外膜投与により 血管系に導入するのもまた好ましい。典型的なインプラントには、コラーゲン、 ポリラクテート、ポリラクテート/ポリグリコシド混合物などの生分解性物質が 含まれる。これらはパッチまたはビーズとして調合することができる。典型的な 投与量は、5〜30日の期間での一定ベースで0.1〜100mg/kg/日の 範囲である。特に好ましい投与量は、約0.3mg/kg/時、または70kg の成人として21mg/時または約500mg/日である。癌を含むある種の適 用では、投与量および治療期間は医者によって患者に最適と認めるべく選択され るであろう。 他の投与法は好ましくはないが、一層便利であるかもしれない。静脈内注射に 比べて一層低投与量での皮下注射またはわずかに高投与量での経口投与、または 局所的な損傷のための経膜または経皮または他の局所投与もまた有効である。支 持マトリックスなどの連続放出デバイス(おそらく血管移植材料中に含まれる)に よる局所投与は、外傷の位置に接近できる場合に特に有用である。 上記投与法に適した調合物は当該技術分野で知られており、適当な調合物の大 要はレミングトンズ・ファーマシューティカル・サイエンスィズ(Remington's Pharmaceutical Sciences )、マックパブリッシングカンパニー、イーストン、 ペンシルベニア州、最新版に記載されている。 本発明の組成物はまた、放射性標識、蛍光標識、色原体または酵素などの典型 的な方法を用いて標識することができ、投与後の生物学的試料中の該組成物の量 をアッセイするのに用いることができる。生物学的試料中の分析対象物の競合ア ッセイに適したプロトコールは当該技術分野でよく知られており、一般に該試料 を標識競合物との混合物中で該分析対象物に反応する特異的結合相手(一般に、 免疫グロブリンやその断片など)で処理することを含む。以下に記載するように 、本発明に従って調製した抗体は、この目的のために有用である。分析対象物お よび競合物の該抗体への結合は、結合した複合体を除去し、該複合体かまたは上 澄み液のいずれかについて標識をアッセイすることにより測定することができる 。分離は、特異的結合相手を前以て固相支持体に結合しておくことによって一層 容易に行うことができる。かかる技術は当該技術分野でよく知られており、かか る競合アッセイに利用できるプロトコールも余りにも多く、また余りにもよく知 られているので本明細書では詳細に記載しない。 上記のように、本発明のオリゴ糖組成物は、過剰で破壊的な平滑筋細胞の増殖 を特徴とする状態または疾患の治療のための治療用途に有用である。これら状態 は、たとえば外科手術の患者の場合のように被験者が外傷を受けた場合に頻繁に 起こる。創傷または手術によって引き起こされた外傷は血管の損傷および二次的 な平滑筋細胞増殖となり、その結果、再発狭窄症となる。この望ましくない結果 は、血管移植手術、心臓移植、バルーンまたはレーザー血管形成術、動脈外傷性 障害、筋肉動脈(muscular arteries)の術後修復、動脈カテーテルの長期内在、 浸潤性(invasive)動脈診断手順、腎臓、肺または肝臓の移植、冠動脈バイパス手 術、頸動脈バイパス手術、大腿膝窩バイパス手術、および頭蓋内動脈バイパス手 術の後に起こり得る。 外傷の結果として起こる二次的な平滑筋細胞増殖事象に加え、ある種の疾患も また望ましくない血管増殖に関与するが、これら場合もまたある種の内部的な未 知の損傷が二次的な結果を引き起こすと思われる。これら疾患状態には、グッド パスチャー症候群、急性糸球体腎炎、新生児肺高血圧症、喘息、欝血性心不全、 成人肺高血圧症、および腎性高血圧症が含まれる。 本発明の組成物は平滑筋細胞増殖のインヒビターとして有用であり、好ましい 応用は、血管障害に応答して、またある種の疾患状態に関連して起こる血管壁中 の平滑筋細胞の増殖のインヒビターである(オースチン(Austin,G.E.)ら、 Am Coll Cardiol (1985):369〜375)。これら細胞の増殖は過 剰のタンパク質または他のマトリックス分子の産生により好ましくない影響を有 し、これら過剰産生のタンパク質または他のマトリックス分子が細胞自体と一緒 になって、たとえば動脈硬化、腎性高血圧症、肺高血圧症、血管炎、および術後 血管再発狭窄症の病理学的病変を形成する。これら結果は、血液凝固を特徴とす る外傷に対する急性応答とは区別される。 本明細書に記載する実験において、本発明の組成物をブタ粘膜ヘパリンと比較 した。ヘパリン出発物質の調製のための適当な手順は、たとえば、チャールズ( Charles,A.F.)らのBiochem J(1936)30:1927〜1933に記 載されており、この基本法の変法もまたコイン(Coyne)のChemistry and Biol ogyof Heparin 、エルセビエ・パブリッシャーズ、ノースホランド、ニューヨー ク、ランブラッド(Lunblad,R.L.)ら編(1981)に開示されているものなど により知られている。 「NAC−抗増殖性ヘパリン」とは、本明細書において市販のヘパリンを過ヨ ウ素酸塩で処理することにより得られる断片化されていないグリコサミノグリカ ン鎖の混合物をいい、該混合物は実質的に抗血液凝固活性は有しないが平滑筋細 胞の増殖を抑制する。血管形成の抑制 本発明の硫酸化マルトオリゴ糖の重要な特性は、該糖が抗血管形成作用または 血管静止作用を有することである。血管形成とは新たな血管が産生されるプロセ スである。これは、関節炎、網膜炎、および腫瘍の増殖および転移を含むある種 の疾患に付随するプロセスである。ミッチェル(Mitchell)およびウイルクス(W ilks)、Annual Reports in Medicinal Chemistry(アカデミックプレス)27 :139〜148;第15章を参照。 血管形成を刺激もしくは抑制する組成物は、当該技術分野で知られた幾つかの アッセイを用いて同定することができる。ニワトリ漿膜(CAM)アッセイが一般 に用いられる。CAMアッセイを用い、ある種のヘパリン様物質をある種のステ ロイドとともに投与したときに血管形成を抑制する。フォークマン(Folkman)お よびイングバー(Ingber)、Ann.Surg.(1987)206:374、フォー クマンら、Science(1983)221:719を参照。 本発明の組成物もまたCAMアッセイにおいて抗血管形成活性を示し、それゆ え血管形成に基づく疾患の治療に用いることができる。上記のように、かかる疾 患の一つは癌である。それゆえ、本願出願人は本発明の組成物の生物学的活性を 説明するために特定の一つの機構に固執するつもりはないが、本発明の高硫酸化 マルトオリゴ糖の抗血管形成活性がその抗癌活性の少なくとも一部を説明するで あろう。ヘパラナーゼの阻害 腫瘍細胞の体中の転移拡散は、腫瘍細胞によって分泌される酵素によって容易 になると考えられる。該酵素は基底膜の成分を分解することによって腫瘍細胞が 循環によってばらまかれるのを可能にする。かかる酵素の一つはエンド−β−D −グルクロニダーゼ、すなわちヘパラナーゼであり、これはヘパラン硫酸グリコ サミノグリカンを分解する。ヘパラン硫酸は実質組織細胞基底膜の顕著な成分で ある。本発明の高硫酸化マルトオリゴ糖は、標準アッセイを用いて明らかにされ るように有意のヘパラナーゼ阻害活性を示す。それゆえ、癌、および一つの要素 として望ましくないヘパラナーゼ活性を有する他の疾患は本発明の組成物を用い て有利に治療することができる。bFGF活性の抑制 塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)は小さなヘパリン結合性のポリペプチド 増殖因子であり、中胚葉および神経外胚葉由来の種々の細胞タイプに対して細胞 分裂促進性を示す。bFGFの細胞分裂促進活性は、チロシンキナーゼ遺伝子フ ァミリーに属する1または2以上の高親和性経膜レセプターとの特異的相互作用 によるものと思われる。 塩基性FGFはまた、細胞表面および細胞外マトリックスヘパラン硫酸プロテ オグリカン(HSPG)と相互作用することが知られており、かかる分子はしばし ば「低親和性」レセプターと呼ばれる。該タンパク質はまたヘパランとインビト ロで極めて強力に結合するので、これを利用して固定化ヘパリンのアフィニティ ーカラム上のbFGFを日常的に精製することができる。さらに最近では、HS PGのヘパリンまたはヘパラン硫酸(HS)鎖が実際にbFGFの高親和性レセプ ターへの結合を促進させるコファクターであるとの証拠が幾つかの研究により提 供されている。 ある種のヘパリンまたはヘパリン様分子のbFGF結合特性は、イシハラ(Is hihara,M.)らによって記載されている(Anal Biochem(1992)202:3 10〜315)。 本発明の組成物がbFGFに結合しbFGF依存性の細胞増殖を抑制する能力 は、ある種のアッセイを用いることによって示すことができる。bFGFに対す るヘパリン様物質の作用を測定するアッセイは当該技術分野で知られている。細 胞ベースの競合結合アッセイがイシハラらのAnal Biochem(1992)202 :310〜315に記載されている。このアッセイは、bFGFがリンパ芽球様 細胞株(ハムスターシンデカン(syndecan)でトランスフェクト(RO−12UC細 胞))に結合すること、およびこの相互作用がbFGFに結合する組成物によって 抑制されうるという観察に基づいている。 本発明の組成物の重要な側面は、bFGF依存性の細胞増殖の抑制がマルトオ リゴ糖組成物の硫酸化の程度に依存するということであり、本発明の高硫酸化組 成物が最も有効である。血小板抑制 ヘパリンは抗血栓症作用を有することが知られており、これは少なくとも一部 はヘパリンが血小板凝集を抑制する能力を有する結果による。血小板凝集を妨害 すると、患者において有意の出血しやすい傾向が生じる。ある種のNACヘパリ ンは抗血液凝集活性を示すし、血小板凝集も抑制する。たとえば、本願と同じ出 願人による米国特許出願第753,299号(1991年9月3日出願)またはP CT特許出願第US92/02516(1992年3月27日出願)を参照。本発 明の好ましい組成物は、ヘパリンと同様に血小板凝集を抑制する。 以下の実施例は本発明を説明するためのものであって本発明を限定するもので はない。たとえば、当業者であれば、下記記載のものに代わる材料および方法が 存在し、これらも実施例中に詳細に記載したものの範囲に包含されることがわか るであろう。 実施例 実施例1 マルトオリゴ糖の硫酸化が細胞結合および増殖に及ぼす影響 マルトオリゴ糖の硫酸化の程度が生物学的特性に及ぼす影響を調べるため、マ ルトヘキサオースをマルトヘキサオース1モル当たり6、12および18モルの 三酸化硫黄ピリジン錯体で硫酸化して、それぞれ表1中の組成物1、2、および 3を得た。最も高硫酸化された組成物である組成物4は、過剰の(2モル/ヒド ロキシル基)三酸化硫黄ピリジン錯体(DMF中)を用いて調製した。 生成物の硫酸化の平均の程度は、元素分析のデータから導いた。生成物の吸湿 特性のため、硫黄含量の代わりに炭素/硫黄比を用いた。 さらに詳しくは、硫酸化は以下の手順で行った:組成物1、2および3を3つ の平行実験で調製した。N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中のマルトヘ キサオース(0.198g)の溶液に三酸化硫黄ピリジン錯体(それぞれ、0.19 1g(実験1)、0.382g(実験2)、および0.573g(実験3))を加えた。 この混合物を室温で2日間撹拌した。pHを1M NaOHで9に調節し、混合 物を減圧下で蒸発乾固した。粗製の生成物を溶出液として0.5M NH4HCO3 を用いたバイオゲルP−2カラム上で脱塩し、ついで溶出液として水を用いたS PセファデックスC25(Na+)イオン交換ゲルに通すことによってさらに精製 し て、生成物をそれぞれ0.110g(実験1)、0.187g(実験2)、および0. 350g(実験3)得た。組成物1、2および3をそれぞれ実験1、2および3で 製造した。 高硫酸化マルトヘキサオースである組成物4は以下のようにして調製した:N ,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中のマルトヘキサオース(0.5g)を三酸 化硫黄ピリジン錯体(3.21g)で処理し、得られた混合物を室温で2日間撹拌 した。pHを1M NaOHで9に調節し、エタノールを加えて生成物を沈殿さ せた。粗製の生成物を濾過し、0.5M NH4HCO3を用いたバイオゲルP−2 カラム上で脱塩し、ついで水を用いたAG50W−X8(Na+)イオン交換樹脂 のカラムに通し、凍結乾燥後に1.24gの物質を得た。その結果を表1にまと めて示す。 bFGFコーティングしたマイクロタイターウエルへのRO−12UC細胞の 結合に対する組成物1、2、3および4の影響を、イシハラらのAnal Biochem (1992)202:310〜315の記載に従って決定した。結合した細胞は全 タンパク質として容易に定量される。RO−12UC細胞結合を抑制するヘパリ ンは正の対照として用いた。 アッセイは以下のようにして行った:50μlの10μg/ml ヒト組換え bFGFを96−ウエル組織培養プレートのウエルに加え、4℃にて一夜インキ ュベートした。ウエルをPBSで吸引して未結合のbFGFを除去し、PBSで 2 回濯ぎ、ついで5%(v/v)ウシ胎仔血清を含有するPBSとともに室温で1時 間インキュベートした。RO−12UC細胞を5%ウシ胎仔血清を含有するPB S中に3×106細胞/mlの密度で懸濁した。この混合物に所望の量の硫酸化 組成物またはヘパリンを加えた。これらをPBSプラス2.5%ウシ胎仔血清中 に調製した。PBSプラス2.5%ウシ胎仔血清のみを含有する対照も用いた。 つぎに、100μlの細胞懸濁液を直ちにマイクロタイターウエルに加え、5分 間インキュベートした後、ウエルをPBSで3回洗浄した。最後に、ウエルに結 合した細胞を20μlの5%SDS中に溶解し、細胞溶解液のタンパク質濃度を 測定することによってウエルに結合した細胞タンパク質の量を決定した。BSA を標準として用いた。 その結果を図1に示す。マルトヘキサオースが高度に硫酸化されればされるほ ど、bFGFコーティングウエルへのRO−12UC細胞接着を阻止する能力が 大きくなることが明らがである。 RO−12UC細胞で認められた効果を拡張するため、第二の実験を行った。 硫酸化マルトヘキサオースがbFGF依存性副腎皮質内皮(ACE)細胞株の増殖 を抑制する能力を決定した。この細胞株(ゴスポダロウイッツ(D.Gospodarowic z)、UCSFにより提供)は、aFGFかまたはbFGFのいずれかを増殖応答 に必要とする。細胞を2ng/ml bFGFの存在下でマイクロタイターウエ ル中に低密度で蒔き、硫酸化マルトヘキサオースの存在下で4日後の全タンパク 質として増殖を決定した。その結果を図2に示す。この場合も、マルトヘキサオ ース組成物が高度に硫酸化されればされるほど一層高い抗増殖活性を示した。 実施例2 硫酸化マルトテトラオースの合成および生物学的活性 マルトテトラオースはシグマ・コーポレーション(Sigma Corporation)より 購入することができるし、またはラタナクハノクチャル(Ratanakhanockchal)ら の手順を用いて酵素的に合成することもできる。Applied and Environmental Microbiology:vol.58、no.8、2490〜2494頁参照。マルトテトラオ ースの硫酸化は以下のようにして行う。 N,N'−ジメチルホルムアミド(20ml)中のマルトテトラオース(0.50g )を三酸化硫黄ピリジン錯体(3.34g)で室温にて処理した。褐色がかったシロ ップが約15分で沈澱した。この混合物を室温にて2日間撹拌し、ついで0℃に 冷却した。1N NaOHを用いてpHを約9に調節した。生成物をエタノール で沈殿させ、得られた固体を濾過し、エタノールで洗浄した。粗製の生成物(3. 22g)を0.5M NH4HCO3を用いたバイオゲルP−2カラム上で脱塩した 。フラクションを含有する炭水化物を凍結乾燥して1.44gのオフホワイトの 固体を得た。この物質を溶出液として水を用いたAGW50−X8(Na+)イオ ン交換樹脂のカラムに通して1.51gの生成物を得た。生成物(組成物5と称す る)の硫酸化の程度を表2に示す。 硫酸化マルトテトラオースが細胞結合および細胞増殖を抑制する能力を、実施 例1に示したアッセイを用いて記載し、その結果を図3および4に示す。この組 成物は両アッセイにおいて有意の活性を有することが明らかである。 実施例3 高硫酸化マルトペンタオースおよびマルトヘプタオースの合成 マルトペンタオースおよびマルトヘプタオースをシグマ・コーポレーションか ら入手し、実施例2でマルトテトラオースの硫酸化について記載したのと本質的 に同じ反応条件を用いて硫酸化した。マルトヘプタオースの調製は、サカイリ( N.Sakairi)らのJ.Chem.Soc.Chem.Commun.、(1991)289に記載され ているように、β−シクロデキストリンのアセトリシスにより行うこともできる 。マルトペンタオースおよびマルトヘプタオースの両組成物の硫酸化の程度を、 それぞれ組成物6および7として表3に示す。 高硫酸化マルトペンタオースおよび高硫酸化マルトヘプタオースが細胞結合お よび細胞増殖を抑制する能力を実施例1に示したアッセイを用いて試験し、その 結果をそれぞれ図3および4に示す。高硫酸化マルトテトラオースと同様、両組 成物は両アッセイにおいて有意の活性を示すことが明らかである。 実施例4 高硫酸化マルトースおよびマルトトリオースの合成および生物学的活性 高硫酸化マルトオリゴ糖のサイズが細胞の増殖または細胞の結合を制御するう えでの重要な因子かどうかを決定するため、マルトースおよびマルトトリオース を硫酸化し、上記アッセイで試験した。 マルトトリオースは市販のものを購入することもできるし、またはラタナクハ ノクチャルらの手順を用いて酵素的に合成することもできる。Applied Enviro nmental Microbiology:58、no.8、2490〜2494頁参照。マルトト リオースの硫酸化は以下のようにして行った。本質的にマルトテトラオースにつ いて記載した反応条件を用い、マルトトリオースおよびマルトースを硫酸化した 。マルトースの場合、pHを9に調節した後、生成物の回収はエタノールによる 沈殿によって行わず、減圧下で反応混合物を濃縮することにより行った。組成物 8の置換の程度を表4に示す。 硫酸化マルトトリオースが細胞の結合および細胞の増殖を抑制する能力を実施 例1に示したアッセイを用いて試験し、その結果をそれぞれ図3および4に示す 。この組成物は両アッセイにおいてほとんどまたは全く活性を示さないことが明 らかである。マルトースを高程度に硫酸化し、実施例1に記載した細胞結合およ び細胞増殖アッセイにおいて試験した。硫酸化の程度を表5に示し、生成物的デ ータをそれぞれ図3および4に示す。この組成物(表中で組成物9と表示)は、高 硫酸化マルトテトラオース組成物や図に示した他の一層大きな高硫酸化オリゴ糖 に比べてほとんどまたは全く活性を有しないことに注意されたい。 本実施例および実施例1〜3に示した結果に基づき、マルトオリゴ糖のサイズ および硫酸化の程度の両者が細胞結合および細胞増殖に影響を及ぼすことが明ら かである。n≧4である高硫酸化マルトオリゴ糖が両アッセイにおいて最も有効 である。対照的に、高硫酸化マルトトリオースおよび高硫酸化マルトースは両ア ッセイにおいて活性が低い。 実施例5 高硫酸化マルトテトラオースが腫瘍増殖に及ぼす影響 高硫酸化マルトテトラオース(組成物5、表2)が動物モデル系であるヌードマ ウスにおいて腫瘍増殖に対して及ぼす効果を試験するため実験を行った。ヌード マウスにおけるヒト腫瘍の増殖は、ヒトにおける腫瘍増殖と臨床的な関連を有す る。 3つのヒト腫瘍細胞株、すなわち哺乳動物腺癌、MDA231、膵臓腫瘍細胞 株、CAPAN−2、および前立腺腺癌細胞株、PC−3を用いた。これらすべ ての細胞株はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションから入手すること ができ、ヌードマウス中で攻撃的に増殖する。実験は以下のようにして行った: 雌の15〜20gヌードマウス(各群10匹)の皮下に0.1mlのPBS中の3 〜5×106の生きたMDA231、CAPAN−2、またはPC−3細胞株を 接種した。これら細胞を、10%ウシ胎仔血清を添加した標準DMEM組織培地 中、加湿5%CO2インキュベーター中にて37℃で増殖させた。細胞をトリプ シン−EDTAで回収し、PBSで2回洗浄し、3〜5×107細胞/mlの濃 度にて再懸濁し、注射する前に氷上に置いた。 毎日のベースでマウスにPBS中で調製し実施例2の記載に従って製造した高 硫酸化マルトテトラオース(100mg/kg)を皮下注射した。組成物を0.2 μmゲルマン(Gelman)フィルター単位で濾過滅菌した。 腫瘍の容量は下記式を用いて決定した: 硫酸化マルトテトラオースがMDA231腫瘍増殖に対して及ぼす影響を図5 に示す。対照のマウスにはPBSビヒクルのみを注射した。実験マウスおよび対 照マウスに腫瘍攻撃後の0〜40日目に開始して適当な溶液(0.05ml)を1 日に2回注射した。41〜70日目からは動物に注射当たり0.1mlの容量で 100mg/kg/日を1日に1回投与し、標準方法を用いて所定の時間に腫瘍 容量を測定した。 図5を参照すると、腫瘍増殖が有意に抑制されたことが明らかである。抑制は まず、およそ36〜37日目から明らかであり、68〜69日目に劇的である。 およそ59日目から実験の終わり(70日目)に至るまで、抑制は、<0.05の p値で有意であることに注意されたい。対照および硫酸化マルトテトラオース処 理動物における68〜69日目における腫瘍容量幅、それぞれ約375mm3お よび125mm3である。 CAPAN−2腫瘍細胞増殖に対する高硫酸化マルトテトラオースの影響の決 定は、以下の例外の他は上記材料および方法を用いて行った。20匹の雌ヌード マウスの2つの群を実験群および対照群として用い、これら動物に腫瘍攻撃の0 日目から開始して1日に1回投与した。その結果を図6に示す。この組成物もま た腫瘍増殖を有意に抑制することが明らかである。抑制は第20〜34日目およ び第41〜48日目に観察される。 最後に、高硫酸化マルトテトラオースがヒト前立腺腺癌株、PC−3に対して 及ぼす影響を決定した。この細胞株もまたアメリカン・タイプ・カルチャー・コ レクションから入手可能である。この場合も下記例外の他は上記材料および方法 を同様に用いた。組成物を80mg/kg/日の単回投与、投与当たり0.05 mlの容量にて皮下注射した。腫瘍攻撃後24時間から動物への投与を開始した 。前方の背側領域に5×106PC−3細胞を0.1mlの容量で皮下注射した( 12動物/処置群)。 実験を23日間行った。その結果を図7に示す。高硫酸化マルトテトラオース 組成物は、試験したすべての時点でPC−3細胞増殖を抑制した。15、19お よび21日目に増殖抑制はそれぞれp=0.06、0.058および0.093の p値で有意であることに注意されたい。 実施例6 平滑筋細胞増殖の抑制 マルトテトラオース、マルトペンタオースおよびマルトヘキサオースを実施例 1〜3の記載に従って硫酸化し、平滑筋細胞増殖に対する影響について該活性の 標準アッセイを用いてアッセイした。都合のよいアッセイの詳細は以下の通りで ある。 試験しようとする溶液を、10%ウシ胎仔血清およびペニシリン/ストレプト マイシンを含有するDMEM培地中に調製する。ウシ平滑筋細胞(SMC)をロス (Ross,R.)の方法(J Cell Biol(1971)172〜186)によりウシ大 動脈から単離する。継代3〜10からのSMCを上記培地中、96−ウェルマィ クロタイタープレート中にウエル当たり350〜700細胞でプレーティングし 、2〜4時間かけて付着させる。ついで、完全培地を0.1%ウシ胎仔血清を添 加したDMEMで置換し、細胞をさらに約24〜72時間インキュベートして細 胞増殖を阻止する。ついで、被験試料を含有する完全培地を低血清培地で置換す る。この培地に本発明の硫酸化マルトースオリゴ糖を加えて図に示す最終濃度と した。同濃度におけるヘパリンの作用も決定した。その結果をヘパリン抑制のパ ーセントとしてプロットした(SMC増殖の100%抑制を与えるヘパリンの濃 度は150μg/mlであった)。 規則的間隔でサンプリングする複製プレートで、細胞を7日間まで増殖させる 。細胞数の決定は、ブランドレイ(Brandley,B.)らのJ Cell Biol(1987 )262:6431に記載されているように、培地を除去し、細胞をリン酸緩衝 食塩水で洗浄し、75〜150μlの溶解緩衝液を加え、ついで乳酸脱水素酵素 (LDH)活性についてアッセイすることにより行う。LDHの活性は細胞数に比 例する。 上記結果を図8〜10に示す。図8は、高硫酸化マルトテトラオースの抗増殖 活性を示す。この組成物は有意の抗増殖活性を示すが、ヘパリンほど大きい活性 は示さない。ヘパリンに関しては、約50%抑制は約60μg/mlで観察され る。 図9は、高硫酸化マルトペンタオースの抗増殖活性を示す。この組成物は一層 小さなサイズの硫酸化マルトテトラオースに比べてSMC増殖の抑制において一 層有効である。実際、SMC増殖の100%抑制は約50μg/mlで観察され る。対照的に、高硫酸化マルトテトラオースでは100%抑制は150μg/m lの濃度でも観察されなかった。 図10は、高硫酸化マルトヘキサオースの抗増殖活性を示す。この組成物は高 硫酸化マルトペンタオースと比べて同様の活性を示す。これらデータは、本発明 の高硫酸化マルトオリゴ糖がSMC増殖のインヒビターであり、それゆえ、SM C 増殖の制御または排除が望まれる疾患の治療に有利に応用することができること を示している。 実施例7 血管静止活性 血管形成を刺激または抑制する組成物は、当該技術分野で知られた幾つかのア ッセイを用いて同定することができる。高硫酸化マルトテトラオース(組成物5 、表2)をニワトリ漿尿膜(CAM)アッセイを用いて血管形成活性について試験 した。このアッセイは、血管新生を抑制する能力について試料を評価した他はカ ステロットらのJ.of Cellular Physiology(1986)127:323〜32 9の記載に従って行った。50μgのヒドロコルチゾンかまたはヒドロコルチゾ ンに加えて種々の量の高硫酸化マルトテトラオースを含有するカルボキシメチル セルロースペレットを、結果をスコアする前にCAM上で3〜4日間インキュベ ートした。高硫酸化マルトテトラオースは実施例2の記載と同様にして調製した 。血管静止活性は、ペレットの周囲の部分的な除去(clearing)または無血管ゾー ンとして定義される。すべての場合において、各マルトオリゴ糖濃度のペレット には50μgのヒドロコルチゾンが含まれていた。表中の数字は、効果なしの胚 、部分的除去を示した胚(+)、または無血管ゾーンを示した胚(++)の数である 。表6はその結果を示す。 上記硫酸化組成物が血管静止活性を示したことが明らかである。低濃度(たと えば、3および6μg/ml)では、該組成物は緩衝液対照、またはヒドロコル チゾン単独に比べて新たな血管の形成を抑制する点でわずかに優れている。高濃 度の12.5、25、および50μg/mlでは、部分的除去領域および無血管 ゾーンの増加が観察される。 実施例8 ヘパラナーゼの阻害 ラットの肝細胞株を用い、高硫酸化マルトテトラオース(組成物5、表2)、マ ルトヘプタオースおよびマルトースをヘパラナーゼ阻害活性について試験した。 この細胞株はゲルシェンソン(Gerschenson)らのScience(1970)170: 859〜861に記載されている。さらに、その阻害活性をブタの粘膜ヘパリン と比較した。 肝細胞からヘパラナーゼを単離する手順および該酵素の活性をアッセイする方 法は当業者に知られている。以下の手順および材料を用いた。集密的なラット肝 細胞培養液を標準細胞培養フラスコ中で増殖させ、0.25Mスクロースおよび 0.14M NaClを含有する50mM Hepes溶液(pH7.4)(10ml)で3 回洗浄した。つぎに、0.14M NaCl、6mMアジ化ナトリウムおよびある 種のプロテアーゼインヒビターを含有する50mM MES緩衝液(pH5.2)( 1ml)を加え、使い捨て細胞スクレーパー(scraper)を用いてフラスコから細胞 を 除去した。下記プロテアーゼインヒビターが該MES緩衝液中に含まれていた: 0.2μg/ml アプロチニン、0.5μg/ml ロイペプチン、100μg/ ml ダイズトリプシンインヒビター、1mM PMSF、2mM EDTA(ナト リウム塩)、および15mM D−糖酸1,4ラクトン(エクソグルクロニダーゼイ ンヒビター)。 細胞を7mlダウンス(Dounce)ホモジナイザーに加え、エタノール/ドライ アイス浴中で3回凍結乾燥/融解し、固い乳棒を用いて15ストロークでホモジ ナイズした。得られた細胞溶解液を2ml容遠心管に入れ、4℃、16,000 ×gにて30分間遠心分離にかけた。上澄み液を除き、この上澄み液中のタンパ ク質濃度をマクロ(Macro)BCAプロテインアッセイを用いて決定した。BSA を標準として用いた。ヘパラナーゼ活性の定量は、セチルピリジニウムクロライ ド(CPC)沈殿によって区別される非開裂のN−3H−アセチル化膵臓ヘパラン 硫酸に由来する可溶性のN−3H−アセチル化膵臓ヘパラン硫酸断片を測定する ことにより行った。N−3H−アセチル化膵臓ヘパラン硫酸は約13,000の重 量平均分子量(またはMw)を有していた。以下の手順を用いた。 0.14M NaClを含有する10μlの200mM MES緩衝液(pH5. 2)中の3H−アセチル化膵臓ヘパラン硫酸(248ng、80,000cpm)を 1.5ml容のシリコン化ミクロ遠心管に加えた。つぎに、種々の濃度のブタ粘 膜ヘパリンまたは適当な高硫酸化マルトオリゴ糖を含有する10μlの蒸留水を 加えた。ついで、0.14M NaCl、6mMアジ化ナトリウムおよび上記プロ テアーゼインヒビターを含有する50mM MES緩衝液(pH5.2)中に7.5 〜10μgのタンパク質を含有する上記で単離したラット肝細胞上澄み液(30 μl)を、シリコン化1.5ml容ミクロ遠心管に加える。各濃度の高硫酸化マル トテトラオースに対して3〜6のレプリケートを行い、一方、各濃度のブタ粘膜 ヘパリンに対して3のレプリケートを行った。バックグラウンドのカウントを考 慮するため対照も行った。最高濃度のインヒビターも完全な放射性標識ヘパラン 硫酸基質の沈殿に影響を及ぼさないことが以前に示されている。 酵素基質インヒビター混合物を混合し、その後、管を37℃で20分間インキ ュ ベートした。20分後、反応管に150μlのヘパリン水溶液(0.33mg/m l)を加えることにより反応を停止させた。ついで、200μlの100mM酢 酸ナトリウム(pH5.5)および100μlのCPC(水中に0.6%)を加えた。 氷上に保持した3つのレプリケートをバックグラウンド対照(0分間)として行い 、この場合は酵素を管に加えた後直ちにヘパリンを加えて反応を停止させた。試 料を記載のようにして20分の時点で処理した。つぎに、管を回転撹拌し、室温 にて60分間インキュベートし、ついで5415Cエッペンドルフ遠心管中で4 ,000×gで10分間殷賑分離にかけた。上澄み液を除去し、3Hについて液体 シンチレーションカウントによりアッセイした。 示した値は、種々のヘパリンまたは高硫酸化マルトテトラオース、マルトヘプ タオース、およびマルトース濃度で20分で測定した可溶性CPMと、0μg/ ml+/−該20分および0分の変異の合計の標準偏差で0分で測定した可溶性 CPMとの平均差異である。 図11は、ヘパラナーゼ活性を阻害するうえで高硫酸化マルトテトラオースが ブタ粘膜ヘパリンに比べて約1/2の有効性を有することを示す。高硫酸化マル トテトラオースおよびブタ粘膜ヘパリンのIC50は、それぞれ9.0および4.1 μg/mlであった。 図にはマルトヘプタオース硫酸およびマルトース硫酸の結果については示して いない。前者は該アッセイにおいてヘパリンと同程度に活性であったのに対して 、高硫酸化マルトースは200μg/ml以上で活性を有しなかった。 実施例9 癌の治療における高硫酸化マルトオリゴ糖および化学療法剤の相乗効果 上記のように、高硫酸化マルトオリゴ糖が抗癌活性を示す一つの機構は血管形 成を阻止することによるものである。それゆえ、これら組成物が、癌の治療に有 効であることが知られている化学療法剤とともに相乗効果を示す実験を行うこと ができる。 かかる実験は腫瘍細胞株MDA231を用いて実施例5の記載と同様にして行 うことができるが、メトトレキセートを含む別の試験試料も用いる。その手順は 以下の通りである。毎日のベースで、実施例2の記載と同様にしてPBS中に調 製した100mg/kgの高硫酸化マルトテトラオース(組成物5、表2)をメト トレキセートとともにマウスに皮下注射する。メトトレキセートは4mg/kg の濃度で用いる。組成物を0.2μmゲルマンフィルターユニットで濾過滅菌す る。 実施例5と同様に腫瘍容量は下記式を用いて決定する。 3群の対照マウスも用いる。これらマウスには、PBSビヒクル、PBS中の 100mg/kgの高硫酸化マルトテトラオース、またはPBS中の4mg/k gのメトトレキセートのいずれかを注射する。実験マウス(高硫酸化マルトテト ラオースおよびメトトレキセート)および対照マウスに、腫瘍攻撃後の0〜40 日目に開始して適当な溶液(0.05ml)を1日に2回注射する。41〜70日 目から注射当たり0.1mlの容量にて100mg/kg/日で1日に1回投与 し、標準法を用いて定められた時点で腫瘍容量を測定する。 MDA231腫瘍増殖に対する高硫酸化マルトテトラオース単独の効果は図5 に示す通りである。すなわち、腫瘍増殖は、約36〜37日目に最初に抑制が認 められ、68〜69日目には劇的な抑制が認められるというように有意に抑制さ れる。対照(PBS)および高硫酸化マルトテトラオース処理動物における68〜 69日目における腫瘍容量は、それぞれ約375mm3および125mm3である 。 メトトレキセート単独で処理した第二群の対照マウスでは、高硫酸化マルトテ トラオース単独で処理したマウスで観察されるのと同様の結果が予想される。す なわち、PBS対照マウスに比べて腫瘍容量の有意の減少が認められる。約3倍 の減少が実現される。 しかしながら、対照的に、高硫酸化マルトテトラオースとメトトレキセートと の組み合わせで処理したマウスでは、これら単独で観察されるものに比べて小さ な平均腫瘍容量が示される。腫瘍容量は、約68〜69日目に60mm3未満で ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トレスラー,ロバート・ジェームズ アメリカ合衆国94038カリフォルニア、モ ス・ビーチ、ピー・オー・ボックス1051 (番地の表示なし) (72)発明者 スタック,ロバート・ジョセフ アメリカ合衆国94501カリフォルニア、ア ラメダ、リージェント・ストリート1128番 ナンバーシー (72)発明者 イシハラ,マサユキ アメリカ合衆国94501カリフォルニア、ア ラメダ、セントラル・アベニュー544番ナ ンバー205

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式: (式中、XはOまたはSを示す; 各R1は独立にアルキル、アリールまたはアラルキル基、還元されたまたは酸化 されたグルコース単位、SO3MまたはHを示す; R2はSO3M基またはHを示す; Mは生物学的に許容しうるカチオンを示す; nは1〜9の整数を示す; ただし、R2基の少なくとも50%は硫酸化されている)で示される組成物。 2.nが2〜7の整数を示す請求項1に記載の組成物。 3.XがSを示し、R1がHである請求項2に記載の組成物。 4.心血管疾患、網膜症および癌よりなる群から選ばれた疾患のためのヒトを 含む動物の治療方法であって、該動物に有効量の式: (式中、XはOまたはSを示す; 各R1は独立にアルキル、アリールまたはアラルキル基、還元されたまたは酸化 されたグルコース単位、SO3MまたはHを示す; R2はSO3M基またはHを示す; Mは生物学的に許容しうるカチオンを示す; nは1〜9の整数を示す; ただし、R2基の少なくとも50%は硫酸化されている)で示される組成物を投与 することを特徴とする方法。 5.nが2〜7の整数を示す請求項4に記載の方法。 6.XがSを示し、R1がSO3MまたはHを含む請求項5に記載の方法。 7.該組成物が、高硫酸化マルトテトラオース、高硫酸化マルトペンタオース 、高硫酸化マルトヘキサオースおよび高硫酸化マルトヘプタオースよりなる群か ら選ばれる請求項4に記載の方法。 8.該癌が膵臓癌、黒色腫および腺癌よりなる群から選ばれたものであり、該 組成物を有効量の化学療法剤とともに投与する、請求項7に記載の方法。 9.高硫酸化マルトテトラオース、高硫酸化マルトペンタオース、高硫酸化マ ルトヘキサオースおよび高硫酸化マルトヘプタオースよりなる群から選ばれる有 効量の高硫酸化マルトオリゴ糖にヘパラナーゼを接触させることを特徴とする、 ヘパラナーゼの阻害方法。 10.高硫酸化マルトテトラオース、高硫酸化マルトペンタオース、高硫酸化 マルトヘキサオースおよび高硫酸化マルトヘプタオースよりなる群から選ばれる 有効量の高硫酸化マルトオリゴ糖に内皮細胞を接触させることを特徴とする、内 皮細胞からの血管増殖を抑制する方法。 11.請求項1に記載の組成物および化学療法剤を含む組成物。
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