JPH09503206A - ウイルス誘導腫瘍の予防及び治療用組成物 - Google Patents

ウイルス誘導腫瘍の予防及び治療用組成物

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JPH09503206A JP7510195A JP51019595A JPH09503206A JP H09503206 A JPH09503206 A JP H09503206A JP 7510195 A JP7510195 A JP 7510195A JP 51019595 A JP51019595 A JP 51019595A JP H09503206 A JPH09503206 A JP H09503206A
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Abstract

(57)【要約】 ウイルス誘導腫瘍の予防及び治療用予防及び治療剤、特に、アスペルギルス発酵抽出液から誘導された組成物及び哺乳動物においてウイルス誘導腫瘍を予防及び治療するための直接のその使用又は製剤を調製するためのその使用。かかる腫瘍としては乳頭腫誘導腫瘍が含まれる。該組成物は局所投与される。

Description

【発明の詳細な説明】 ウイルス誘導腫瘍の予防及び治療用組成物発明の分野 本発明は、ウイルス誘導腫瘍を予防及び治療するための予防及び治療剤に関し 、特に、哺乳動物において乳頭腫ウイルス誘導腫瘍のようなウイルス誘導腫瘍の 予防及び治療用局所剤として有用なアスペルギルス (Aspergillus)発酵抽出液か ら誘導された組成物に関する。発明の背景 哺乳動物において腫瘍を誘導するウイルスは、極めて広範である。実際に、腫 瘍の発生を誘導することができるヒト乳頭腫ウイルス(HPV)だけで68種類 を超える。これらのHPVは普通のいぼのような良性腫瘍に付随したものもある が、感染した哺乳動物の口腔及び性器の異形成及びがん腫の病因として強く関係 したものもある。腫瘍を引き起こすことができる他の種類のウイルスとしては、 種々のRNAウイルス及びヘルペスウイルスが挙げられる。 最近、後天性免疫不全症候群(エイズ)の感染者のような免疫系の低下した個 体が、全身に腫瘍増殖を引き起こすことがあるヒト乳頭腫ウイルス感染症にかか る傾向があり、罹患した個体に大きな精神的及び肉体的苦痛をもたらすことも見 出された。 ウイルス誘導腫瘍を治療するための現在の方法は、(1)外科的介在方法(レ ーザー又は手術);(2)氷酢酸及び/又はサリチル酸のような有機酸を塗布して 腫瘍を“焼く”方法;(3)摩砕した腫瘍から調製された抗腫瘍ワクチンを腫瘍 に注入する方法;及び小さい程度までは(4)薬剤治療の適用[例えば、ポドフ ィリン;インターフェロン及び5−フルオロ−2,4−(1H,3H)−ピリミ ジンージオン;2,4−ジオキソ−5−フルオロピリミジン−フルオロウラシル 又は5−FUとも呼ばれる]のいずれかによって腫瘍を取り除くことを含む。 現在用いられている治療法はウイルス誘導腫瘍を取り除くのに有効であるが、 次の欠点を1つ以上持っている:(1)健康な感染していない組織の破壊を引き起 こすことがある;(2)傷跡が残り外観を損じることがある;(3)治療される哺乳動 物を不快にすることがある;及び(4)周囲組織に維持される潜伏ウイルスDN Aの破壊を必ずしも引き起こさない。更に、これらの治療で患者は有意の全身性 副作用、不完全な回復及び腫瘍の頻繁な再発を受けた。 また、喉頭乳頭腫症腫瘍を取り除くために光線療法を用いることが開示された 。かかる光線療法は腫瘍増殖を約50%まで減少させるが、少なくとも6週間全 身性皮膚光線過敏症を生じ他の重要でない反応も生じる。更に、この手法の見掛 けの成功にもかかわらず、潜伏ウイルスDNAの存在はなお周囲組織に維持され ている。 米国特許第 5,073,630号には、抗ウイルス性、抗腫瘍性及び免疫刺激性を有す る高分子無水物又はマグネシウム及びタンパク質アンモニウムホスホリノエート が開示されている。この抗ウイルス剤は、選択アスペルギルス種系の無細胞ろ液 中で生産された。しかしながら、その化合物は、水に不溶でありかつ高分子量を 有する(316,000ダルトン)。更に、その化合物の回収は問題がある。 従って、哺乳動物において健康な感染していない組織を破壊せず、有意の全身 性副作用を引き起こさず、治療された哺乳動物に傷跡を残さず外観を損じること がなく及び/又は不快にすることがなくかつ周囲組織に維持される潜伏ウイルス DNAの破壊を引き起こさないので、不完全な回復及び腫瘍の頻繁な再発の場合 を減じて、ウイルス誘導腫瘍を予防及び治療することができる予防及び治療用組 成物が依然として求められていることが認められる。更に、かかる予防及び治療 用組成物を提供する方法及び哺乳動物においてウイルス誘導腫瘍を予防及び治療 するためのかかる予防及び治療用組成物の使用方法が依然として求められている ことが認められる。発明の要約 本発明の主要な目的は、哺乳動物において健康な感染していない組織を破壊せ ず、有意の全身性副作用を引き起こさず、治療した哺乳動物に傷跡を残さず外観 を損じることなく又は不快にすることなくかつ周囲組織に維持される潜伏ウイル スDNAの破壊をもたらすので、不完全な回復及び腫瘍の頻繁な再発の場合を減 じる、ウイルス誘導腫瘍を予防及び治療するための予防及び治療用組成物を提供 することである。 更に、本発明の主要な目的は、哺乳動物においてウイルス誘導腫瘍を予防及び 治療するための予防及び治療用組成物を供給する簡便で容易な方法を提供するこ とである。 更に、本発明の主要な目的は、哺乳動物において健康な感染していない組織を 破壊せず、有意の全身性副作用を引き起こさず、治療した哺乳動物に傷跡を残さ ず、外観を損じることなく又は不快にすることなくかつ周囲組織に維持される潜 伏ウイルスDNAの破壊をもたらすので、不完全な回復及び腫瘍の頻繁な再発の 場合を減じる、ウイルス誘導腫瘍を予防及び治療する方法を提供することである 。 本発明の教示に従って、哺乳動物においてウイルス誘導腫瘍を予防及び治療す るための予防及び治療用組成物が開示される。これらの組成物は、健康な感染し ていない組織を破壊せず、有意の全身性副作用を引き起こさず、治療した哺乳動 物に傷跡を残さず、外観を損じることなく、不快にすることもない。更に、これ らの組成物は、周囲組織に維持される潜伏ウイルスDNAの破壊をもたらすので 、不完全な回復及び腫瘍の頻繁な再発の場合を減じる。 これらの予防及び治療用組成物は局所用に適することが好ましい。 本発明の予防及び治療用組成物は、発酵抽出液及び/又はその誘導体であるこ とが好ましい。更に、これらの発酵抽出液はアスペルギルス発酵抽出液であるこ とが好ましい。好ましいアスペルギルス発酵抽出液は、アスペルギルス・ニガー (Aspergillus niger)発酵抽出液である。アスペルギルス・ニガー 1.2 AN29 及 びアスペルギルス・ニガー 1.2 AN39 発酵抽出液が特に好ましい。 更に、本発明の組成物は、薬学的に許容しうる担体中にこれらの発酵抽出液及 び/又はその誘導体を含むことが好ましい。 好適実施態様においては、本発明の組成物は濃縮発酵抽出液を含む。所望され る場合、これらの抽出液は凍結乾燥される。 特に好適な実施態様においては、これらの発酵抽出液は粗無細胞全抽出液であ る。更に詳細には、かかる粗無細胞全抽出液は10000分子量(MW)区分膜 で限外ろ過され、もって、保持液は10000分子量(MW)透過液である。 所望される場合、本発明の組成物は本明細書に開示される発酵抽出液の誘導体 及び/又はそれから誘導された酵素組成物であることができる。 本発明の具体的な態様においては、本明細書に記載されるアスペルギルス発酵 抽出液(及び/又はその誘導体)は哺乳動物におけるウイルス誘導腫瘍を予防及 び治療するための予防及び治療用組成物の調製に用いられる。アスペルギルス発 酵抽出液(及び/又はその誘導体)は、それを必要としている哺乳動物に局所適 用されるかかる予防及び治療用組成物の調製に用いることが好ましい。 更に、本発明の教示に従って、本発明の予防及び治療用組成物を供給する方法 が開示される。これらの方法としては、適切な培地上でアスペルギルス種を培養 することが含まれる。この培地は、固形表面培地であることが好ましい。これら の方法は、更に、培地からの細胞外化合物を水で抽出することを含むので、液体 発酵抽出液が得られる。更に、これらの方法は得られた発酵抽出液をろ過して細 胞バイオマス及び胞子を除去することを含み、もって、液体発酵抽出液が得られ る。更に、所望される場合、その開示された方法はその使用まで液体発酵抽出液 を冷凍することを含む。その冷凍は、約4℃で行うことが好ましい。 他の具体的な好適実施態様においては、発酵抽出液は凍結乾燥により濃縮され る。その凍結乾燥から得られる凍結乾燥末(発酵抽出液の)は、使用まで乾燥剤 を用いて室温で貯蔵される。 具体的な好適実施態様においては、発酵抽出液を更に10000MW区分膜で 限外ろ過した後、保持液が冷凍される。この10000MW限外フィルター保持 液は乾燥固形分7.6%(w/v)を有する。所望される場合、保持液は、例えば蒸発 により濃縮される。 本明細書に開示される方法は、予防及び治療用局所組成物の調製に用いること が好ましい。 更に、本発明の教示に従って、哺乳動物におけるウイルス誘導腫瘍の予防及び 治療方法が開示される。これらの方法の使用は、健康な感染していない組織を破 壊せず、しかも有意の全身性副作用を引き起こさず、治療される哺乳動物に傷跡 を残さず、外観を損じることなく、不快にすることもない。更に、これらの方法 の使用は、周囲組織に維持される潜伏ウイルスDNAの破壊をもたらすので、不 完全な回復及び腫瘍の頻繁な再発の場合を減じる。これらの方法は、薬学的に許 容しうる担体中で発酵抽出液及び/又はその誘導体を調製することを含むので、 予防及び/又は治療用組成物は哺乳動物においてウイルス誘導腫瘍を予防及び/ 又は治療する。これらの方法は、更に、その組成物の治療上有効な量をそれを必 要としている哺乳動物に投与することを含む。予防処置の場合には、かかる予防 治療を必要としていると予想される哺乳動物のその面に投与されるか、治療処置 の場合には、それを必要としている哺乳動物のウイルス誘導腫瘍に直接投与され る。局所適用されることが好ましい。 本発明の予防及び治療用組成物を供給する方法は、発酵抽出液、特にアスペルギルス の発酵抽出液を調製することを含むことが好ましい。その方法は、アスペ ルギルス・ニガー の発酵抽出液を供給することを含むことが更に好ましい。その 方法は、アスペルギルス・ニガー 1.2 AN29 又は 1.2 AN39 の発酵抽出液を供給 することを含むことが最も好ましい。 所望される場合には更に、その方法は発酵抽出液の誘導体の調製が含まれる。 所望される場合には更に、その方法は無細胞全A.ニガー発酵抽出液を1000 0MW区分膜で限外ろ過し、10000MW限外フィルター保持液を回収するこ とが含まれる。更に所望される場合には、その方法は蒸発により保持液を濃縮す ることが含まれる。 所望される場合には、その方法は発酵抽出液を凍結乾燥することが含まれ、も って、抽出液が濃縮され、粉末が形成され、凍結乾燥した粉末の貯蔵は乾燥剤の 存在下に室温で行われる。 本発明の具体的な態様においては、哺乳動物におけるエプスタイン・バールウ イルス誘導腫瘍を予防及び治療するための予防及び治療用局所組成物及びその使 用方法が開示される。 本発明の更に具体的な態様においては、哺乳動物におけるワタオウサギ乳頭腫 ウイルス誘導腫瘍を予防及び治療するための予防及び治療用局所組成物及びその 使用方法が開示される。 本発明の更に他の具体的な態様においては、哺乳動物において乳頭腫ウイルス 誘導腫瘍を予防及び治療するための予防及び治療用局所組成物及びその使用方法 が開示される。 本発明のこれらの及び他の目的及び利点は、下記の本発明をその実施例と共に 読み取ることにより容易に明らかになるであろう。好適実施態様の説明 本発明は、哺乳動物においてウイルス誘導腫瘍を予防及び治療するための予防 及び治療用局所組成物に関する。これらの組成物は、発酵抽出液及び/又はその 誘導体から調製される。次に、これらの発酵抽出液及びその誘導体は本発明の治 療用組成物を製造するために薬学的に許容しうる担体と混合される。 “発酵抽出液”なる語は、適切な微生物の培養物を接種しその微生物を培養( 増殖)した環境、特に発酵環境の抽出液を意味する。 発酵抽出液について用いられる“誘導体”及び“誘導された”なる語は、発酵 抽出液から得られた(誘導された又は単離された)具体的な酵素又は酵素の組合 わせのような組成物又は成分を意味する。具体的な説明として、かかる誘導体の 例は濃縮又はろ過された発酵抽出液である。“誘導体”及び“誘導された”なる 語は同様に用いられ、発酵抽出液の組成物又は成分と同一でありかつ発酵抽出液 と同じ予防及び治療特性を示す組成物及び化合物を意味する。具体的な説明とし て、その定義としては、発酵抽出液から単離された(及び所望される場合には精 製された)発酵抽出液(例えばその活性剤)の成分が含まれる。更に具体的な説 明として、その定義としては、本発明の発酵抽出液の予防及び治療特性を有する 活性剤に似ているように構築された(即ち、合成的に構築された)組成物又は化 合物も含まれる。 更に詳細には、本明細書に開示される発酵抽出液及びその誘導体は、適切な微 生物の培養物を接種した表面発酵の水性抽出液(又はその水性抽出液の誘導体) である。 発酵抽出液は、好ましくはアスペルギルス発酵抽出液、更に詳細にはアスペル ギルス・ニガー 発酵抽出液である。アスペルギルス・ニガー 1.2 AN29 発酵抽出 液及びアスペルギルス・ニガー 1.2 AN39 発酵抽出液が最も好ましい。 特に好適な実施態様においては、発酵抽出液は10000MW限外ろ過保持液 [乾燥固形分含量7.6 %(w/v)]である。保持液は、例えば蒸発により濃縮される 。 特に、アスペルギルス・ニガー培養物を接種した表面発酵の水性抽出液は哺乳 動物においていぼの予防及び消失に効果があることが認められた。 薬学的に許容しうる担体は、当業者に周知の担体であることができる。かかる 担体は、予防及び治療用組成物が皮膚を浸透することを援助する親水性物質であ ることが好ましい。かかる担体の例としては、メタノール水溶液、水、プロピレ ングリコール、ラノリン、ブチルアルコール、無水アルコール、イソプロピルア ルコール、ジメチルスルホキシド、乳酸エチルエーテル及びその混合液が挙げら れるが、これらに限定されない。かかる担体の他の例は、周知の“VEHICLE N” であり、組成はエチルアルコール、イソプロピルアルコール、精製水、LAURETH- 4(界面活性剤)及びプロピレングリコールから構成される。 本発明の予防及び治療用組成物を調製するのに用いる発酵抽出液(及び/又は その誘導体)の正確な量及び薬学的に許容しうる担体は、約1%(w/v)〜約15 %(w/v)の濃度の凍結乾燥発酵抽出液(又はその誘導体)であることが好ましい 。約8%(w/v)の濃度の凍結乾燥発酵抽出液が特に好ましい。 予防及び治療用組成物は、保護されるべき哺乳動物の面或いはそれを必要とし ている哺乳動物のいぼのような罹患腫瘍に局所適用するのに所望されるように処 方される。かかる製剤としては、液状組成物、例えば、油性軟膏剤、リニメント 剤及びチンキ剤組成物が挙げられる。皮膚及び/又は腫瘍と長時間の接触させた 予防及び治療用組成物を十分な時間保持する能力に対してはクリーム剤、石ケン 類及びゲル剤が特に好ましい。 厳密には理解されていないが、本発明の組成物の作用機序は必ずしも本来は直 接の抗ウイルス性又は抗腫瘍性でないと考えられる。どちらかというと、本明細 書に開示される組成物の作用機序は免疫系の全身刺激作用の結果であることが可 能であると考えられる。細胞仲介応答は、腫瘍増殖に影響する全身性免疫応答を 誘導することができるAN−1抗原に重要なものである。この点で、我々は本発 明の組成物が免疫増強剤であることができると考える。実際に、以前の研究によ り、細胞仲介応答がおそらく良性及び前がん性腫瘍形成に誘導される乳頭腫ウイ ルスの退縮に関与することが示された。 また、発酵抽出液の活性成分は分子量約1000〜約10000ダルトンを有 すると考えれる。更に詳細には、発酵抽出液の活性成分は分子量約10000ダ ルトンを有すると考えられる。 本発明の予防及び治療用組成物は、ウイルス誘導腫瘍、例えば、ヒト乳頭腫ウ イルス(HPV)、ワタオウサギ乳頭腫ウイルス(CRPV)、ウマ乳頭腫ウイ ルス(EPV)及びウシ乳頭腫ウイルス(BPV)から生じるものの予防及び治 療に有効である。 本発明の予防及び治療用組成物は、まず適切な増殖培地を調製することにより 与えられる。固形表面培地が好ましい。使用する正確な培地は、確認する当該技 術の熟練の範囲内で良好であるように、培養されるべき微生物に従って変動する 。アスペルギルスが培養されるべきである場合には、培地は7.9%(w/w)SOLKA FLOC BNB 100(James River Corp.,U.S.A.);7.9%(w/w)オート麦外皮;7.9 %(w/w)落花生ミール;15.8%(w/w)ビートパルプ;0.39%(w/w)KH2PO4 ;13 ppmZnSO4;及び60%(w/w)水を含むことが好ましい。 次に、培地を滅菌し、冷却し、培養されるべき正確なアスペルギルス種の胞子 を接種する。接種及び混合後、培地を約0.75インチの深さの多孔性金属トレ ーに移す。次に、これらのトレーを高湿度環境中30〜32℃で約72時間イン キュベートし、その間にアスペルギルス種が培養される。次に、水中で数時間攪 拌(水抽出)することにより内容物を回収するので、液体発酵抽出液が得られる 。次に、その液体発酵抽出液をろ過して(最終フィルターに通過させて)抽出液 から細胞バイオマス、胞子及び他の不溶分を除去する。 所望される場合には、液体ろ過抽出液がそれだけで用いられるか又は例えば、 濃縮されることにより更に処理されるので、適切なその誘導体が与えられる。 かかる処理の例としては、10000MW−UF保持液を得るように、発酵抽 出液を10000MW区分膜で限外ろ過することが含まれる。かかる保持液は、 例えば、7.6%(w/v)の乾燥固形分組成物を有する。かかる処理の他の例は、蒸 発による濃縮(即ち、2.5倍)である。この点で、粗無細胞発酵抽出液或いは 10000MW(又は他のサイズ)保持液は蒸発によりそのように濃縮されるこ とが認められる。 すぐに用いられない場合には、使用するまで液体ろ過抽出液(及び/又はその 誘導体)を4℃で凍結することが好ましい。 長時間の貯蔵が所望される場合には、液体ろ過抽出液(又はその誘導体)は真 空濃縮され、次に澄明化ろ過される。次に、ろ液(又はその誘導体)が凍結乾燥 される。次に、それから得られる凍結乾燥末を乾燥剤を用いて室温で使用するま で貯蔵される。 得られた発酵抽出液(又はその誘導体)の凍結乾燥末は水に非常に可溶である 。その使用が所望されると、凍結乾燥末は水のような液体及び/又は薬学的に許 容しうる担体に再び溶解される。 本発明の予防及び治療用組成物は、哺乳動物におけるウイルス誘導腫瘍の予防 及び治療方法に用いられる。これらの方法は、薬学的に許容しうる担体中アスペ ルギルス 発酵抽出液(又はその誘導体)を含む予防及び治療用組成物の治療上の 有効量をそれを必要としている哺乳動物に投与することを含む。 “治療上の有効量”なる語は、問題の新規な又は既存のウイルス誘導腫瘍の増 殖を予防又は治療する予防或いは治療目的に有効である量であることを意味する 。 適用されるべき予防及び治療用組成物の正確な量は、それを必要としている哺 乳動物の皮膚の(罹患)面(例えば、ウイルス誘導腫瘍が位置する面)を薄く浸 すのに必要な本発明の予防及び治療用局所組成物の量である。 予防及び治療用組成物は、当業者に周知の適切な方法で投与することができる 。かかる方法としては、皮下又は静脈内注射が含まれる。この投与は、所望され る点眼びん、浸透性塗布具(ガーゼ、綿棒又はクロス、ロールトップ塗布具)、 ブラシ又は他の適切な適用手段によって皮膚又は腫瘍の表面(又はそれを必要と している患部)に適用することによるといった局所投与であることが好ましい。 所望される場合には、予防及び治療用組成物は、最初の感染を予防する予防処 置において感染する前に適用される。我々は、予防及び治療用組成物が感染直後 に適用されるか或いは既存の腫瘍に適用されると顕著な腫瘍減少能を有すること を見出した。腫瘍が存続する限り1日少なくとも1〜2回適用することが企図さ れる。しかしながら、所望又は必要とされるこれらの適用の正確な回数は、決定 する当該技術の熟練の範囲内で良好であるように増減される。組成物に対する皮 膚反応の発生を避けるために注意しなければならないが、いずれにしても我々は かかる反応が試験される被検動物に対して有害でなく最後には消えることを見出 した。 このように本発明の予防及び治療用組成物及びその調製方法及び使用を記載し てきたが、下記の実施例はここでは具体的な説明のためにだけ示され、制限する ものとして読み取ることを意味せずまた読み取るべきものでもない。実施例1 アスペルギルス・ニガー 1.2 AN39 発酵抽出液の調製 まず、7.9%(w/w)SOLKA FLOC BNB 100(James River Corp.,米国);7.9%( w/w)オート麦外皮;7.9%(w/w)落花生ミール;15.8%(w/w)ビートパルプ; 0.39%(w/w)KH2 PO4;13 ppmZnSO4;及び60%(w/w)水から構成さ れる適切な増殖培地を調製した。 次に、培地を滅菌し、冷却し、ブダペスト条約の規定で農事試験場カルチュア コレクション(NRRL)、815 N.ユニバーシティーSt.、ピオリア、イリノイ (米国)に1993年7月30日に受託番号 21126として寄託されたアスペルギルス・ ニガー 1.2 AN39 の胞子を接種した。 接種及び混合後、培地を約0.75インチの深さの多孔性金属トレーに移した 。次に、これらのトレーを高湿度(水飽和)環境中30〜32℃で約72時間イ ンキュベートして所望のアスペルギルス・ニガー 1.2 AN39 培養物を生産した。 次に、この培養物を水中で数時間攪拌(水抽出)した後、ろ過する(最終フィル ターに通過させる)ことにより回収して細胞バイオマス、胞子及び他の不溶分を 除去した。 次に、ろ液を真空濃縮した後、澄明化ろ過した。得られた組成物は、“AN− 1”と称するアスペルギルス・ニガ ー 1.2 AN39 発酵抽出液であった。 次に、液体ろ過抽出液の一部を凍結乾燥してAN−1発酵抽出末を生成した。 次に、発酵抽出液のこの凍結乾燥末を乾燥剤を用いて室温で使用するまで貯蔵し た。実施例2 アスペルギルス・ニガー 1.2 AN29 発酵抽出液の調製 冷却滅菌培地にブダペスト条約の規定で農事試験場カルチュアコレクション( NRRL)、815 N.ユニバーシティー St.、ピオリア、イリノイ(米国)1993 年9月7日に受託番号 21139として寄託されたアスペルギルス・ニガー 1.2 AN2 9の胞子を接種した以外は、上記実施例1に記載されたアスペルギルス・ニガー 1.2 AN39 発酵抽出液と同様の方法でアスペルギルス・ニガー 1.2 AN29 発酵抽 出液を調製した。この組成物を、“AN−2”と称した。 次に、液体ろ過抽出液の一部を凍結乾燥してAN−1発酵抽出末を生成した。 次に、発酵抽出液のこの凍結乾燥末を乾燥剤を用いて室温で使用するまで貯蔵し た。実施例3 A.ニガー発酵抽出液の試験管内治療指数 生体内で本発明の治療用組成物の有用性の可能性を明らかにするために、エプ スタイン・バールウイルス(EBV)、ヘルペス型ウイルスに対する本発明の酵 素組成物の効能の試験管内評価を求めた。 抗ウイルス剤の効力の標準評価は、細胞毒性に対して得られたED50のウイル ス抑制に対して得られたED50に対する比率の比較によるものである。この関係 は“試験管内治療指数”又は“選択性指数”と呼ばれる。本物質に関して、抗ウ イルス剤の選択性指数は(1)に記載される動物実験においてウイルス抑制につ いて有効な作用を示すために100を超えなければならない。 ここでなされた評価は、Raji細胞にP3HR−1と一般に呼ばれるEBV ウイルス細胞系を重感染することにより行った。P3HR−1は標準実験用EB V種である。重感染後、培養物の初期抗原産生を分析した。 1.ヒト前皮膚線維芽細胞の調製 新生児ヒト前皮膚を、包皮切除術を行った後できるだけ早く入手し、50μg バンコマイシン、3μg フンギゾン、100単位ペニシリン及び25μg ゲンタ マイシン(DMEM1mlあたり)で補足したダルベッコの最小必須培地(DME M)(GIBCO BRL,Life Technologies社、ゲイザースバーグ、メリーランド、米国 )に37℃で4時間入れた。 次に、培地を取り出し、前皮膚を小片に切り刻み、カルシウム及びマグネシウ ムを取り除いたダルベッコのリン酸塩緩衝食塩水(DPBS)(GIBCO BRL)で、赤 色細胞が見えなくなるまで繰り返し洗浄した。 次に、0.25%(w/v)のトリプシンを用いてCO2インキュベーター中37℃ で15分間連続的に攪拌しながらトリプシン処理した。15分間の終わりに、組 織がフラスコの底に沈降した。次に、細胞を含む上清を滅菌チーズクロスを介し てDMEM及び10%(v/v)ウシ胎児血清(Hyclone,米国)を含む第2フラスコに 注ぎ入れた。細胞を各々ろ過した後、チーズクロスを少量のDMEM含有血清で 洗浄した。新たなトリプシンを上記のように再び前皮膚片に加え、細胞が有効で なくなるまで手順を繰り返した。 第2フラスコ(培地とトリプシン処理細胞を含む)はトリプシン処理手順を通 して氷上に保持した。 次に、第2フラスコ中の細胞含有培地を約1000 RPM(約100g)、4℃ で10分間遠心した(細胞を損傷させずに沈降させるのに要した最小遠心力)。 上清液を捨て、10%(v/v)ウシ胎児血清を含む約50mlのDMEMに懸濁した 。 次に、その細胞を適当な数の25cm2組織培養フラスコに入れた。その細胞を 50μg/mlDMEMバンコマイシン及び3μg/mlDMEMフンジゾン上で37℃ で約72時間細胞が準密集するまで保持した。次に、その細胞をより大きなフラ スコと新たな培地を用いる以外は上記のように継代培養した。次に、この手順を 2回以上4継代が得られるまで繰り返した。 2.EBVのスクリーニング分析 A.ウイルス 使用される感染性EBVの始原型は、(12)に記載された手順に従ってP3 HR−1細胞系(アメリカン・タイプ・カルチュア・コレクション(ATCC) 、ロックビル、メリーランド(米国)から受託番号VR603として入手した) の上清液に由来するウイルスとした。この細胞系は、B細胞系の一次感染又は重 感染後に初期抗原(EA)を産生させる非形質転換ウイルスを産生する。 B.細胞系 Raji(アメリカン・タイプ・カルチュア・コレクション(ATCC)、ロ ックビル、メリーランド(米国)から受託番号CCL86として入手した)は、 60EBVゲノム/細胞を含むバーキットリンパ腫細胞系であり、EBV初期抗 原(EA)発現に対して抗ウイルス活性をスクリーニングするために用いた初代 細胞であった。 全ウイルス細胞系(P3HR−1及びRajiウイルス細胞系)を10%(v/v )ウシ胎児血清、2.05 mM/ml培地L-グルタミン及び25μg/ml培地ゲンタマイ シンで補足したRPMI−1640培地(GIBCO BRL)中に維持した。1週間に2 回培地の半量を新たな培地と置き換え(12)で記載されたように細胞濃度を3 ×105/mlに調整した。次に、細胞を5%(v/v)CO2で湿度を調節した(90% )雰囲気中37℃で使用するまで維持した。 3.モノクローナル抗体による免疫蛍光分析 Raji細胞にEBVのP3HR−1株を(12)で記載されたように感染さ せた。次に、37℃で45分間受動吸着させかつカルシウムとマグネシウムを含 まないほかはダルベッコのリン酸塩緩衝食塩水(DPBS)を用いて細胞培養物 を洗浄した後、上記実施例1のように得られた組成物を加えた。次に、その培養 物をRPMI−1640培地(上記)中37℃で2日間インキュベートしてウイ ルス遺伝子発現した。48時間インキュベートした後、各試料の細胞数を(12 )に記載されたように血球計算板を用いて計数し、次にトキソプラズマ症スライ ド(Bellco Glass社、米国)のウェルにスポットし、風乾した。 次に、初期抗原EA(D)(DuPont、米国)を拡散するために(Dr.Gary Pearson, ジョージタウン大学、米国の好意で提供された)モノクローナル抗体を(12) に記載されたスライドのウェル中のRaji細胞に加えた。この後、(12)に 記載された手順によりフルオレセイン結合ヤギ抗マウスIgG抗体(Fisher Scie ntific、米国)を加え、スライドのウェル中の蛍光陽性細胞数を蛍光顕微鏡を用 いて目で計数した。次に(12)で記載されたように、EA(D)に陽性の培養 物中の全細胞数を計算及び比較すると、EBVの初期抗原発現は蛍光を示さない Raji細胞中で抑制された。 4.試験管内細胞毒性 AN−1の試験管内細胞毒性を、上記のように得られたヒト前皮膚線維芽(H FF)細胞中で次のように変更した(13)で記載された手法及び条件によって 求めた:分析の24時間前に、低継代HFF細胞を96ウェル組織培養プレ ート(8×12平底ウェル)(Becton Dickinson Labware、米国)に1ウェルあたり 2.5×104細胞濃度を塗布した。その細胞は、10%(v/v)ウシ胎児血清(Hycl one、米国)を含有する0.1mlのDMEM中とした。次に、その細胞をCO2イン キュベーター中37℃で24時間インキュベートした。次に、培地を吸引し、2 %(v/v)ウシ胎児血清を含有する100μl のDMEMを第1列中8ウェルを除 く全部に加えた。上記実施例1のように得られた凍結乾燥発酵抽出液(AN−1 )を2%(v/v)ウシ胎児血清を含有するDMEMに100μg/mlの濃度まで溶解 した。次に、第1列の各ウェルに125マイクロリットルのAN−1を加えてか ら、Cetus Liquid Handling Machine(Perkin-Elmer社,米国)を用いて25μl を移すことにより残りのウェル全部を連続して1:5(100〜0.03μg/ml のウェルにおけるAN−1濃度範囲を示す)に希釈した[2%(v/v)ウシ胎児血 清を含有するDMEMで]。次に、このプレートをCO2インキュベーター中3 7℃で7日間インキュベートした。次に、AN−1溶液を含む無細胞培地を吸引 し、ダルベッコのリン酸塩緩衝溶液中200μl/ウェルの0.01%(v/v)ニュウ トラルレッドを加えた。これをCO2インキュベーター中37℃で1時間インキ ュベートした。次に、その染料を吸引し、細胞をNunc Plate Washer(Nunc社、米 国)を用いて洗浄した。DPBS洗浄液を除去した後、200μl/ウェルの50 %(v/v)EtOH/1%(v/v)氷酢酸(H2O中)を加えた。そのプレートを軌道 シェーカーにより15分間回転させることにより内容物を混合した。次に、各ウ ェルの光学濃度をプレートリーダー(Beckman Instruments社、米国)を用いて5 50nmにおいて読み取った。 100μg/mlのAN−1で処理した各分析系におけるHFF細胞(通常静止細 胞)の目視検査は毒性を示さなかった。 また、AN−1の細胞毒性をHFF細胞増殖分析で求めた(急速増殖HFF細 胞)。急速増殖ヒト前皮膚線維芽細胞のAN−1の細胞増殖分析を行った。分析 の24時間前に、HFF細胞(上記のように得られた)を6ウェル組織培養プレ ート(2×3平底ウェルを有する)(Becton Dickinson Labware、米国)に10%(v /v)ウシ胎児血清を含有するDMEM中1ウェルあたり2.5×104細胞の濃度 で播種した。分析日に、AN−1を10%(v/v)ウシ胎児血清を含有する DMEMに連続的に1:5の増加分で希釈し、100〜0.03μg/mlの範囲に わたる種々のウェルの各々のAN−1濃度を得た。次に、細胞からの培地を吸引 してから、各ウェルに2mlのAN−1濃縮物を加えた。次に、その細胞をCO2 インキュベーター中37℃で72時間インキュベートした。次に、溶液中AN− 1を含有する無細胞培地を取り出し、その細胞(単層)をカルシウムもマグネシ ウムも含まないDPBSで洗浄した。次に、DPBSを吸引除去した。各ウェル に1mlの0.25%(w/v)トリプシンを加え、細胞がプレートのウェルの底から分 離し始めるまでインキュベートした。次に、細胞−培地混合液をピペットで激し く上下して細胞浮遊液を分解し、0.2mlの混合液を9.8mlの希釈剤 ISOTON II I (Coulter Electronics社、米国)に加え、細胞をCoulter カウンター(Coulter Electronics社、米国)を用いて計数した。次に、各試料を1試料あたり3つの 繰り返しウェルで3回計数した。 毒性に対するこの緊縮分析に関して100μg/mlレベルでAN−1の毒性はな かった。 また、AN−1は100μlg/mlレベル(IC50は100μg より大きい)の トランスフェクションされていない(無EBV)Rajiバーキットリンパ腫細 胞系に対して有毒でなかった。トランスフェクションされていない(無EBV) Rajiバーキットリンパ腫細胞に対するAN−1の毒性分析に用いた方法は8 5頁の(12)で記載した。 5.結果 これらのスクリーニングの結果を以下に示す。ここで、EC50(50%有効濃 度)はウイルス細胞変性を50%だけ阻止するのに要した濃度であり、IC50( 50%阻止濃度)は細胞増殖を50%だけ阻止するのに要した濃度であり、S.I. は“選択性指数”を表す。SI=IC50/EC50 (1) RAJI細胞中エプスタイン・バールウイルス(EBV)の初期抗原(EA) 発現(〜60EBVコピー/細胞)に対するAN−1の抗ウイルス活性を試験す ると、得られた選択性指数(SI)は次の通り137(IC50>100μg/ml+ EC50 0.73μg/ml)より大きかった。 EBV(RAJI細胞) 免疫蛍光−マイクログラム(MCG)/ml EC50=0.73;IC50>100;SI>137 AN−1のSIはRAJI細胞中100(>137)を超えたので、哺乳動物 実験におけるウイルス阻止に関して有効な効果を示す。 アシクロビルに対するEC50(数種のヘルペスウイルスに対して阻止活性を有 する抗ウイルス標準)は4.9μg(ACVEC504.9)であった。即ち、粗A N−1試料はアシクロビルより6.71倍効力があった。精製後、AN−1組成 物の比活性が増大することは予想される。 [アシクロビルは、2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−[(2−ヒドロキシエ トキシ)メチル]−6H−プリン−6−オン;アシクログアノシン;9−[(2−ヒ ドロキシエトキシ)メチル]グアニンである。C81153;分子量225.21 。数種のヘルペスウイルスに対して阻止活性を有する経口的に活性な非環式ヌク レオシドである。アシクロビルの調製は、米国特許第 4,199,574号に記載されて いる。] 抗ウイルス剤AN−1の粗標品は、単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペス ウイルス2型、ヒトサイトメガロウイルス又は水痘帯状ヘルペスウイルスを10 0μg/mlレベルで試験管内で阻止しなかった。実施例4 A.ニガー発酵抽出液の局所用治療剤としての使用 ヒト乳頭腫ウイルス関連疾患の生体内実験に対して優れた動物モデル系は、N IH(アメリカ国立予防衛生研究所)ワタオウサギ乳頭腫ウイルス(CRPV) ウサギモデル系を用いるウサギに見出すことができる。この系は、以前には推定 ウイルス剤の試験に用いられた。 CRPVは米国中西部のワタオウサギに特有ものであり、これらの病変の約2 5%が侵入がん腫に進行する皮膚乳頭腫を生じる。CRPVを飼育のウサギの皮 膚に接種すると、一致していぼを生じる。即ち、CRPVウサギモデル系はいぼ 増殖を予防又は治療する能力に対する種々の抗ウイルス剤の効能を試験するため に用いることができる。 上記実施例1のように得られた粗無細胞凍結乾燥発酵抽出液(AN−1)の治 療効果の制御された実験は、NIH CRPVウサギモデル系で行った。本実験の第1段 階においては、腫瘍の存在及び大きさをa)50%(v/v)グリセロールのみで局 所治療されたウサギ(グループ1)或いはb)50%(v/v)グリセロール中8%( w/v)AN−1で治療したウサギ(グループ2)或いはc)CRPVに感染後9週 まで全く治療せず、次に50%(v/v)グリセロール中8%(w/v)AN−1で治療し たウサギと比較した。この方法で、本発明の組成物の予防特性及び治療特性の双 方をグループ2(予防特性の場合)及びグループ3(治療特性の場合)について グループ1及び対照グループと比べて実験することができた。方法と技術 1.ウイルスの調製 CRPVを野生のウサギの腫瘍から単離し、細胞デブリを清澄化したワタオウ サギいぼの10%(w/v)ホモジェネートを生じる(2)に記載される標準法で調 製した。(3)に記載されるように、飼育の雌オランダ産ベルトウサギについて 連続希釈及び乱切することによりウイルスの力価を測定し、もって、約3〜4週 間でいぼを生じた。次に(4)に記載されるように、このウイルスの一部を等密 度CsCl濃度勾配により精製し、精製ビリオンを得た。 次に、切除した腫瘍を液体窒素中で凍結し、乳鉢と乳棒で粉末にし、10%(w /v)浮遊液を(4)で記載されるように調製した。次に(2)で記載されるよう に、ウイルス上清を43g/100ml、32g/100ml及び27g/100ml のCsClの速度段階勾配に加え、70,000g(SW27ローターで)、18℃ で2時間遠心した。次に(2)で記載されるように、ウイルスバンドを集め、4 8時間透析し、希釈し、CsClで1.34g/mlの濃度にした。次に(2)で記 載されるように、ウイルスを SW 50.1ローターで100,000g、18℃で4 0時間バンドにかけ、集め、透析した。 2.実験プロトコール 2匹のウサギ(C1及びC2)を(2)に記載されるように精製CRPVビリ オン(上記のように得た)で免疫した。 各々7匹のウサギの3グループに上記のように得られたCRPVを感染させた 。各ウサギの背の8部位(左側に4部位及び右側に4部位)に50μl の保存ウ イ ルス(約32ID50単位)の1:4希釈液を感染させた。(3)に記載されるよ うに、かかる感染は乱切することにより行った。 1週間後、局所治療を開始した。グループ1(対照グループ)の被検動物を脱 イオン水中100μl の50%(v/v)グルセロールで1日2回処置した。グルー プ2の被検動物を脱イオン水中50%(v/v)グルセロール中100μl の8%(w/ v)AN−1で1日2回処置した。グループ3の被検動物をグループ2の被検動物 に示したのと同じ組成物100μl で1日2回処置したが、かかる処置はほとん どの感染部位が既に腫瘍を発生した感染後9週目の開始まで開始しなかった。各 グループに対して2ヵ月間処置を続けた。 感染した腫瘍部位を個々の処置物と接触させかつ“ラバーポリスマン”で約5 秒間接触を維持して処置物を入れることにより処置を行った。 3.細胞DNAの単離 2項の3グループの被検動物の各々からの腫瘍組織を、(5)で記載されるよ うに抽出し、切り刻み、プロテイナーゼで処理(消化)した。次に、塩化カリウ ムとエタノールを冷却した消化物に加えて(5)で記載されるタンパク質複合体 及び全細胞核酸を各々沈澱した。次に(5)で記載されるように、リボヌクレア ーゼAで処理した後、硫酸ドデシルナトリウム−プロテイナーゼ消化、フェノー ル−クロロホルム抽出及びエタノール沈澱によりRNAを取り出した。 4.放射能標識CRPV DNAの調製 次に、CRPV DNAを上記3項のように単離したDNAから得、(2)に記載され るようにpBR322(Clontech Laboratories、米国)中に分子クローン化した 。次に(2)に記載されるように、クローン化したCRPV DNAをEcoRIで処理 した後、アガロースゲル電気泳動及び適切なDNAバンドを電気溶出してプラス ミドベクターから切除した。次に(6)に記載されるように、このCRPV DNAをニ ックトランスレーションにより32P−dCTPで放射能標識した。約3×108c pm/μgの比活性が慣用的に得られた。 5.DNA分析 DNAフィルターハイブリッド形成を(5)で記載されるように緊縮条件下で 行った。上記3項のように単離したDNAからプロテアーゼ及び界面活性剤、フ ェノール及びクロロホルムで(5)に記載されるように細胞DNAを抽出し、引 き続きGeneAmp(TM)(Perkin-Elmer、米国)及びCPRV E6オープン リーディングフレーム由来のオリゴマープライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反 応(PCR)で分析した。プライマーとして用いられる配列は下記配列とした。 35サイクル後、0.5μg の細胞DNAを増幅した後、放射能標識CRPV DNA プローブに対してハイブリッド形成して原試料中に1fg未満のCRPV DNAを検出す ることができた。(3)参照。 6.血清学的分析 CRPVビリオンタンパク質に対する体液性抗体の酵素結合免疫吸着検定法( ELISA)試験のために2項の被検動物の各々から末梢血を採った。本実施例 の上記1項の精製ビリオンを完全及び不完全フロイントアジュバントと組合わせ て用いて(7)に記載される抗CRPVを産生した。(7)に記載される標準E LISA分析に10ngの精製ビリオンタンパク質を用いて、これらの血清が力価 7.7×104〜4.7×105であることがわかった。これらの血清は、実験動物 における体液性CRPV抗体の検出のためのELISA分析[(7)に記載]で陽性 対照とした。アスペルギルス・ニガー発酵抽出液(AN−1)に対する血清反応 性は、抗原として1mgの凍結乾燥末(上記実施例1のように得られた)を用いて 求めた。両組の分析において、感染前及び実験の終わりの両方のウサギの血清を 分析した。力価が少なくとも4倍だけ増大した比較を有意であるとみなした。 7.統計的分析 対照グループと比較した個々の試料グループのいぼの有無の有意性を(8)に 記載されるx2検定によって測定した。血清抗体応答の陽性の差を(9)、(1 0)及び(11)に記載される Fisher Exact Testを用いて評価した。“p値” を、Fisher Exact Testを用いる(9)〜(11)に記載される方法で算出した 。本明細書に用いられるp値は、確率値を意味する。確率値(p)0.05以下 を有意であるとみなし、5%未満の見込みがありかかる結果がランダムに生じた ことを示す。 8.結果 A.臨床所見 下記に論じる臨床所見の結果を、次の通り表1に纏める。 治療開始の8週後、グループ1の動物の感染部位の96%(いずれも組成物を 受けていない)及び何の治療もまだ受けていないグループ3(p<0.01)の 動物の94%に腫瘍が観察された。それと比べて、グループ2では動物の80% にしか腫瘍が観察されなかった。グループ2は組成物で予防処置したグループで あり、被検動物はこのときまで任意の組成物を受けた唯一のグループであった。 即ち、CRPVによる感染の1週間以内に開始して長期間局所適用した場合、8 週後の対照と比べたときに観察された腫瘍の数が17%減少したことがわかる。 更に9週後(更に処置せずに)、被検動物は対照と比べたときに観察された腫瘍 の数が43%の減少を示した。 これらの17%及び43%の腫瘍の減少は、本発明の組成物の予防特性を示す ものである。 グループ3の被検動物に関して(このグループは組成物で治療処置を受けた) 、既存の腫瘍(CRPV感染の9週後に存在する)を有する被検動物にAN−1 を繰り返し局所適用すると、約8週後にかかる被検動物は対照被検動物より腫瘍 が 24%減少することがわかった(グループ3の被検動物の場合腫瘍を有する感染 部位の%はp>0.05で57%であった)。この24%の腫瘍の減少は、本発 明の組成物の治療特性を示すものである。 要するに、本実験により、ウイルス誘導腫瘍を予防及び治療するための本発明 の組成物の予防特性及び治療特性の双方が証明される。 1)皮膚反応 各グループの被検動物の数匹は、AN−1投与の数週後に最初は薬剤投与の付 近にのみ“発疹”(発赤、腫瘍面)を発生したことがわかる。しかしながら、実 験が進むにつれて、更に広がっている発疹が見出された。 観察された皮疹は、発赤及び患者におけるいぼを退縮させる際に観察される痒 疹を追憶するものである。 被検動物は、アスペルギルス・ニガー抗原に以前に又は長く曝した結果として 遅延アレルギー応答があったことが疑われる。観察されたような遅延過敏症は、 細胞免疫応答である。動物の解剖により、主要臓器に都合の悪い副作用がないこ とがわかった。AN−1治療動物の腫瘍部位には、表在性真皮を中位の数のリン パ球及び少数のマクロファージ及び形質細胞で浸透したものがあった。同様の浸 透物は、過敏症応答に付随した非乳頭腫ウイルス結節にも見られた。 2)いぼの退縮 感染の112日後に、全グループが腫瘍退縮を示した。このとき、グループ1 の腫瘍のある感染部位の%は75%であった。従って、25%の腫瘍退縮があっ た。発酵抽出液で治療したことにより、グループ3の被検動物の腫瘍では更に2 4%のいぼの退縮があった。しかしながら、退縮したグループ3の腫瘍には、中 間腫瘍サイズ測定で求められるようにAN−1で治療する以前に退縮過程にある 腫瘍もあった。 B.血清学的所見 全被検動物からの実験前血清及び実験後血清双方のELISA分析によりCR PV及びAN−1抗原に対する反応性を試験する血清学的実験を表2に示す。C 1及びC2は各々対照被検動物#1及び対照被検動物#2を表し、本ELISA分析 の対照とした。 血清を1:10に希釈し、その後2倍に希釈した。陽性対照血清を1:10に 希釈し、その後6倍に希釈した。力価は希釈度の逆数である。終点は、490ナ ノメートルにおける吸光度0.1以上を有する最後の希釈度である。4倍以上の 増加を有意であるとみなす。対照は、上記(3)のように精製CRPVビリオン で免疫化した被検動物から構成された。 上記表2に関してわかった結果は、グループ1の1被検動物のみと反対に、グ ループ3の5動物はCRPV抗原に対して有意な血清陽性応答を有した(前血清 に対する後血清の比率4以上)ことを示す。グループ1の被検動物(いずれも本 発明の組成物を受けなかった)とグループ3の被検動物(本発明の組成物の治療 処置を受けた)間のCRPV抗原に対する応答のこの差は Fisher Exact Testで 有意であった(p=0.05)。 また、グループ3の4被検動物は、グループ1の1被検動物のみと比べてAN −1抗原に対する血清陽性応答を有したことがわかる。これは本発明の組成物の 効能を示していると思われるが、統計的にはかかる比率はグループ1の対照動物 の応答とあまり差異がない。 高抗原応答は観察された腫瘍増殖又はその欠除と関係なかったことがわかり、 一般にグループ2及び3において1抗原に対する応答の増強は他の抗原に対する 応答の増強に類似した。このいぼの退縮に対する血清学的応答の役割は明らかで ない。これらの結果から、皮膚反応によって観察されたように、AN−1が乳頭 腫の退縮を高めた経路としての全身性過敏症が示された。 C.分子所見 実際にすべてのCRPV誘導腫瘍におけるCRPVの存在を検出するために、 本実験における3グループの被検動物において腫瘍陰性部位の(3)に記載され たPCR−ハイブリッド形成分析を行った。この実験により、グループ2の試験 部位の6.5%(31中2つ)及びグループ3の試験部位の9.5%(21中2つ )のみと比べてグループ1の試験部位の23%(13中3つ)でCRPV DNAの存在 が示された(表3参照)。対照的に、CRPV DNAは陽性対照として用いた腫瘍サン プリングの76%に見られた。 これらのウサギモデル系における結果は、ヒト及び他の哺乳動物おける予防及 び治療用組成物の効能を示すと考えられる。実施例5 A.ニガー発酵抽出液の局所用治療剤としての使用 鼻にいぼ型腫瘍を各々有する2頭のウマを2週間治療した。上記実施例1に記 載されたように得られた液体ろ過発酵抽出液組成物(凍結乾燥する前のもの)を 各々のウマの鼻の片側のいぼに綿ガーゼで局所適用した。対照として、滅菌リン 酸塩緩衝食塩水(PBS)を各々のウマの鼻の反対側のいぼに綿ガーゼで局所適 用した。 1.プロトコール 数層のガーゼに30mlの溶液(PBS対照の組成物)を置きいぼにしみ込むま で軽くたたくことにより治療した。罹患面にしみ込むように、これを各々の治療 中に2回繰り返した。0、1、2、3、7及び14日に治療した。0、1、2、 3、7、14、21及び30日に観察した。 2.結果 約7日まで、組成物で治療される鼻面の半分のいぼの治療を開始した後、外観 が変化し始めた(白く見え、他はピンクに見えた)。 21日まで、PBS半分のいぼは非常に大きく、数が増えたかのように見えた ことがわかった。これらのいぼは、ピンク色でかなり生存しうるように見えた。 組成物治療面のいぼはなお存在したが、サイズ或いは数が増えたように見えなか った。また、白色でかなりかさぶたのように見えた。 30日まで、21日からは変化がないように見えた。 3.結論 本発明の組成物は、いぼに治療効果を示した。PBS治療したいぼは大きくな り広がり、いぼが両方の治療の開始には若かったことを示した。従って、30日 におけるPBS治療いぼと組成物治療いぼ間の外観の差はかなりのものである。実施例6 A.ニガー発酵抽出液の局所用治療剤としての使用 ヒト乳頭腫ウイルス関連疾患の生体内実験に対して他の優れた動物モデル系は 、 重症複合型免疫不全症(SCID)マウスである。 SCIDマウスは、マウスに他の動物からの細胞を移植したキメラ動物である 。これらのSCIDマウスは、移植片対宿主疾患はほとんど示さない。移植した SCIDマウスの導入細胞が感染を支持するために、SCIDマウスは治療及び 予防組成物の試験に興味深いモデルである。SCIDマウスに関する詳細な説明 は、Milman,G.& D'Souza,P.,ASM News(1990)Vol.56,No.12,p.639-642 に見られ、その内容を本明細書に引用する。 このモデルは、SCIDマウスの背中に移植したニュージーランドホワイト( NZW)ウサギの耳の皮膚にワタオウサギ乳頭腫ウイルス(CRPV)を感染す ることを含む。次に、可能性のある抗PV療法のいぼ増殖阻止能を評価した。S CIDマウスはT及びB細胞機能に免疫的に欠陥があるので、このモデルにより これらの免疫因子からの導入に関係なく本発明の治療及び予防化合物(A.ニガー 発酵抽出液AN−1)の効能が試験される。 上記実施例1に記載されるように得られた凍結乾燥粗無細胞発酵抽出液(AN −1)の治療効果の対照実験を次のように行った。材料及び方法 CRPV貯蔵液 : ワタオウサギのいぼを摩砕して10%(w/v)ホモジェネートを作り、次に遠心 して細胞デブリを除去することによりウイルス貯蔵液を調製した。上清を−70 ℃で使用するまで貯蔵した。NZW皮膚の移植と感染 : NZWウサギの耳の皮膚を麻酔したマウスの背中の左右両方に移植し、数週間 治療した。次に、両脇腹の組織を27G針(100×)で引っ掻きかつ擦り剥い た組織に5μl 滴の非希釈CRPV接種物を置くことにより感染させた。化合物の調製 : 化合物は全て最終濃度8%(w/v)の凍結乾燥抽出液に水性クリームに調製し、 10%(v/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)を加えた。400mgの化合物を 4.1gのクリームに加え、15分間攪拌した。化合物の溶解を援助するために 、56℃の水浴に1時間入れた。最後に、0.5mlのDMSOを加え、化合物を 再び 攪拌した。化合物は治療の間は4℃で貯蔵した。病変の治療 : 左右両CRPV感染移植片に1日2回局所療法を適用し、感染後(PI)3日 目に開始し感染後(PI)6週間続けた。10感染移植片/グループの全体に対 して5マウス/治療グループであった。効能の評価 治療効能は、次の病変評点システムを用いて2週から8週まで毎週評価した。評点 臨床的説明 0 目に見える感染はない 1 感染部位の皮膚が厚くなる 2 小さな分離している乳頭腫 3 大きな分離している乳頭腫 4 半融合乳頭腫 5 融合乳頭腫 6 密集ケラチン角様構造 データ分析として、治療グループ中の移植片の病変評点を共に平均した。求め た薬物血中濃度時間曲線下面積(AUC)及び各治療に対するAUCの低下%を 非治療対照動物に対して算出した。結果 : 結果を下記表4に纏める。 このモデルにおいて、20%より大きいAUCの低下は非治療動物と著しく異 なるとみなされ、効果的な治療を示すことができる。粗無細胞A.ニガー発酵抽出 液(AN−1)を使用すると21.1%のAUCの低下が生じた。即ち、このモ デルで試験した場合、AN−1発酵抽出液を使用するといぼの発生の著しい低下 が生じたことがわかる。 本発明の基本的な真意から逸脱することなく多くの変更が行われる。従って、 下記請求の範囲内で、本明細書に詳細に記載された以外の本発明が実施されるこ とは当業者に理解されるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12R 1:685)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.薬学的に許容しうる担体中アスペルギルス発酵抽出液又はその誘導体を含む 、哺乳動物においてウイルス誘導腫瘍を予防及び治療するための予防及び治療用 組成物。 2.該アスペルギルス発酵抽出液がアスペルギルス・ニガー発酵抽出液である請 求項1記載の予防及び治療用組成物。 3.該アスペルギルス・ニガー発酵抽出液がアスペルギルス・ニガー 1.2 AN29 発酵抽出液である請求項2記載の予防及び治療用組成物。 4.該アスペルギルス・ニガー発酵抽出液がアスペルギルス・ニガー 1.2 AN39 発酵抽出液である請求項2記載の予防及び治療用組成物。 5.哺乳動物においてウイルス誘導腫瘍を予防及び治療するための予防及び治療 用組成物を製造するためのアスペルギルス発酵抽出液の使用。 6.予防及び治療用局所組成物を製造するために該アスペルギルス発酵抽出液を 用いる請求項5記載の使用。 7.哺乳動物においてウイルス誘導腫瘍を予防及び治療するための予防及び治療 用組成物の調製方法であって、アスペルギルス種を適切な培地上で培養する工程 、該培地からの細胞外化合物を水で抽出して液体発酵抽出液を得る工程、その得 られた液体発酵抽出液をろ過して細胞バイオマス及び胞子を除去し、もって、該 予防及び治療用組成物を調製する工程を含む方法。 8.培養工程が該アスペルギルス種を適切な固形表面培地上で培養することを含 む請求項7記載の方法。 9.更に該液体発酵抽出液を使用するまで凍結する工程を含む請求項7記載の方 法。 10.該アスペルギルス種を培養する工程がアスペルギルス・ニガーを適切な培地 上で培養することを含む請求項7記載の方法。 11.該アスペルギルス・ニガーアスペルギルス・ニガー 1.2 AN29 である請求 項10記載の方法。 12.該アスペルギルス・ニガーアスペルギルス・ニガー 1.2 AN39 である請求 項10記載の方法。 13.哺乳動物においてウイルス誘導腫瘍を予防及び治療する方法であって、アス ペルギルス 発酵抽出液又はその誘導体及び薬学的に許容しうる担体を含む予防及 び治療用組成物の治療上有効な量をそれを必要としている哺乳動物に投与するこ とを含む方法。 14.該治療上有効な量をそれを必要としている哺乳動物のウイルス誘導腫瘍のよ うな面に局所適用する請求項13記載の方法。 15.該アスペルギルス発酵抽出液がアスペルギルス・ニガー発酵抽出液である請 求項13記載の方法。 16.該アスペルギルス発酵抽出液がアスペルギルス・ニガー 1.2 AN29 発酵抽出 液である請求項13記載の方法。 17.該アスペルギルス発酵抽出液がアスペルギルス・ニガー 1.2 AN39 発酵抽出 液である請求項13記載の方法。 18.該ウイルス誘導腫瘍が乳頭腫ウイルス誘導腫瘍である請求項13記載の方法。 19.アスペルギルス・ニガー 1.2 AN29 の発酵抽出液及びその誘導体。 20.アスペルギルス・ニガー 1.2 AN39 の発酵抽出液及びその誘導体。
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