JPH11507943A - 抗ウィルス剤 - Google Patents

抗ウィルス剤

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JPH11507943A JP9503706A JP50370697A JPH11507943A JP H11507943 A JPH11507943 A JP H11507943A JP 9503706 A JP9503706 A JP 9503706A JP 50370697 A JP50370697 A JP 50370697A JP H11507943 A JPH11507943 A JP H11507943A
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ベン−グリオン ユニバーシティ オブ ザ ネゲブ リサーチ アンド ディベロップメント オーソリティ
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Abstract

(57)【要約】 抗ウィルス性組成物は、抗ウィルスに有効な量の、紅色微小藻類ポリサッカリド、又は2もしくはそれ超の紅色微小藻類のポリサッカリドの混合物を含む。

Description

【発明の詳細な説明】 抗ウィルス剤 発明の分野 本発明は、抗ウィルス剤に関する。より詳しくは、本発明は、抗ウィルス材料 としての紅色微小藻類のポリサッカリドの使用に関する。 発明の背景 種々の藻類のポリサッカリドは、異なるウィルスに対する抗ウィルス活性を有 することが見い出されている。藻類のポリサッカリドの潜在的な抗ウィルス活性 は、ゲリジウム・カルチラゲニウム(Gelidium cartilagenium)及び(コンドル ス・クリスプス(Chondrus crispus)からの)カラゲーニンから抽出されたポリ サッカリドが、インフルエンザB及びマンプスウィルス(流行性耳下腺炎ウィル ス)に対して胚を有する卵を保護することを観察した。Girberら(Proc.Soc.Ex p.Biol.Med.99,590〜593,1958)により最初に示された。これらの抗ウィル ス活性を有するポリサッカリドは、高度に硫酸化されたポリサッカリドとして同 定された。DEAE−デキストランのようなポリカチオンの添加は、負電荷インヒビ ターの阻害作用を打ち消した。 これらの研究から、ヘパリンのようないくつかの生物的合成的硫酸化ポリアニ オンは、異なる哺乳動物ウィルスの複製を阻害することが示されている。ヘパリ ンのようなポリアニオンは、感染の早期段階の間に添加された時にのみウィルス 感染を防ぐことができることが見い出されている。他方カラゲーニンのような藻 類のポリサッ カリド状ウィルスの宿主細胞への付着及び浸透に効果がないことが見い出されて いる。硫酸化された藻類のポリサッカリドは、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)逆転 写酵素(R.T.)及び試験管内での複製を選択的に阻害することも見い出されてい る。生体内の研究においては、ヘパリンは、マウスにおいて腫瘍後退を促進する ことができることが見い出されている。いくつかの天然及び合成のポリアニオン が、試験管内及び生体内の両方でインターフェロン産生を誘導することが見い出 されている。 EP 295956は、細胞から抽出され、そして比較的低分子量を有する異なる藻類 、特に海藻から得られた非硫酸化抗ウィルス性ポリサッカリドを扱い、これらの 記載されるポリサッカリドは、細胞抽出液の形態であり、おそらく種々の成分も 含む。典型的なポリサッカリドは、本発明の新規ポリサッカリドよりかなり小さ い103〜3×106の範囲だけの分子量を有するものとしてEP 295956に記載されて いる。更に、これらのポリサッカリドは、レトロウィルス、特にAIDSの感染の治 療に用いられると言われている。他方、EP 497341は、ウィルス感染の治療のた めの医薬組成物であって、単純ヘルペスウィルス(HSV)及びHIVのようなウィルス に対して用いられる、繊維芽細胞成長因子と硫酸化ポリサッカリドとの組合せを 含む組成物を開示する。ポリサッカリドは、種々の型のものであり得、そしてと りわけ、紅色藻類から得ることができ、この場合、それは、交互のβ(1→4) D−ガラクトース及びα(1→3)L−ガラクトース繰り返し単位から構成され るアガロイド(agaroid)型の骨格を有する。しかしながら、周知の抗ウィルス性 ポリサッカリド、例えばEP 497341のもののいくつかの1つの欠点はそれらの毒 性であり、従ってEP 497341に記載されるタイプのいくつかのポリサッカリドは 、それらの哺乳動物細胞に対する毒性のために抗ウィルス剤と して有効に治療に用いられ得るポリサッカリドを示さない。 発明の概要 紅色微小藻類由来の硫酸化ポリサッカリドが有効な抗ウィルス剤であることが 見い出され、これが本発明の対象である。 紅色微小藻類のポリサッカリドは、ホスト細胞中のウィルス複製を阻害するの に用いることができることが更に見い出され、これが本発明の他の対象物である 。 健康な細胞の紅色微小藻類はポリサッカリドでの処理がウィルス感染を防ぐの に有効であることも見い出され、これが本発明の他の対象物である。 本発明の更なる目的は、種々の耐性HSV株、例えばアシクロビル耐性 HSV株を 処理するのに有効である、周知の抗ウィルス剤と一緒の紅色微小藻類のポリサッ カリドに基づく抗ウィルス性組成物を提供することである。 本発明の目的は、周知の抗ウィルス性ポリサッカリドの欠点を克服する紅色微 小藻類のポリサッカリドを含む抗ウィルス性組成物を提供することである。本発 明の他の目的は、この先の記載より明らかになるであろう。 図面の簡単な記載 図1は、HSV-1細胞障害効果の進行へのポルフィリジウム種ポリサッカリド(P orphyridium sp .polysaccharide )(以後、P.spPと略す)の効果を示す。 図2は、細胞増殖へのP.spPの効果を示す。 図3は、HSV−1へのVero細胞感染へのP.spPの効果を示す。 図4は、水痘−帯状疱疹ウィルス細胞障害効果の進行へのP.spP の効果を示す。 図5は、P.spP除去後のHSV-1細胞障害効果の進行を示す。 図6は、予め感染した細胞培養物へのP.spPの添加を示す。 図7は、単一複製サイクルにおける感染性ウィルスの生産へのP.spPの効果を 示す。 図8は、P.spPと比較したカラゲーニンK及びデキストランスルフェートの細 胞毒性効果を示す。 発明の詳細な記載 一態様において、本発明は、活性成分として抗ウィルスに有効な量の、紅色微 小藻類由来のポリサッカリド又は2又はそれ超の紅色微小藻類のポリサッカリド の混合物を含む抗ウィルス性組成物に関する。 本発明の好ましい実施形態によれば、本抗ウィルス性組成物は、活性成分とし て有効に感染を阻害する量の紅色微小藻類由来のポリサッカリドを含む。ポリサ ッカリドはもちろん、異なる手順により、例えば抽出により、細胞壁から得るこ とができるが、ポリサッカリドの本質的に純粋な形態である増殖培地内に藻類に より排泄されたポリサッカリドを用いることが好ましい。これは、抽出手順が用 いられる時に存在する不要な材料の同時抽出の危険をより少くするというような 他の考慮とは別に、もちろん工業上の視点から非常により便利であり、経済的で ある。前記組成物は、ホスト細胞内でのウィルスの複製を阻害し、ウィルスの再 感染を防ぐことにより、哺乳動物におけるウィルス感染の創傷のような既に感染 した細胞を治療するのに役立つ。もちろん、ウィルスの複製の阻害及びウィルス の再感染の防止は、ウィルス感染の症状を消滅させる。 本発明の他の好ましい実施形態によれば、本抗ウィルス性組成物 は、活性成分として、所定量の、ウィルス感染に対して保護するのに有効である 紅色微小藻類由来のポリサッカリドを含む。本発明のこの実施形態によれば、健 康な細胞は、その存在がウィルスによるそれらの感染を防ぐポリサッカリドで処 理される。 もちろん、本発明の抗ウィルス性組成物は、いずれかの適切なビヒクルにおい て供され得る。これにより、例えば、紅色微小藻類由来の抗ウィルスに有効なポ リサッカリドは、医薬として許容されるビヒクル及び/又は担体及び/又はアジ ュバントと一緒に供され得る。適切な投与ビヒクルは、例えばクリーム、軟膏並 びに溶液及び懸濁液(液状形態)を含む。しかしながら、本ポリサッカリドは“ そのまま(as is)”で、即ち微小藻類の細胞により排泄されたその天然の形態で 用いることができ、即ちそれが培地から単離された後、それはいずれの担体又は 賦形剤の添加なしに便利に用いることができる少し粘性のある形態で存在するこ とに注意すべきであり、そして本発明の実質的な利点である。もちろん、要求さ れる限り、それは適用の特定の形態であり、又は他の活性材料と一緒にポリサッ カリドを供するために、ポリサッカリドは、医薬の実施に慣用されており、当業 者に明らかである多くの異なる方法で製剤化することができる。 更に、本発明の抗ウィルス性組成物は、更なる慣用的抗ウィルス剤、例えばア シクロビル、ファミシクロビル、ベラシクロビル、イドキスリジン、リフルリジ ン、ビダラビン、及びインターフェロン等を更に含み得る。ポリサッカリド及び 周知の抗ウィルス剤、例えばアシクロビルの両方を含む抗ウィルス性組成物を提 供とすることが便利であることが見い出されており、そして本発明の目的である 。これは、本発明者らが見い出したいくつかのアシクロビル耐性HSV株が、紅色 微小藻類ポリサッカリドで有効に処理されるからであ る。これにより、例えばアシクロビル−ポリサッカリド混合製剤を供することに より、全てのHSV感染の型は、その被検体をテストし、及び被検体が患う特定の 株がアシクロビルに対して耐性があるか否かを決定する必要なく、処理すること ができる。同様に、本発明のポリサッカリドは、特に他のウィルスの株がそれら の治療に用いられる慣用的な剤に耐性になっている場合に、そのウィルスによる 感染を治療するのにも用いることができる。ここで、本発明のポリサッカリドと 1又は複数の前記慣用的剤との組合せは、このような組合せが、ウィルスが慣用 的剤に対して耐性であるかセンシティブであるかにかかわらずウィルスに対して 有効であろう点でこれらの他のウィルスの処置に最も有効である。 本発明はいずれかの特定のウィルスが原因である感染の治療及び防止に限定さ れないが、特に役立つ1つの有用で広範囲のウィルスは、単純ヘルペスウィルス (1型及び2型)である。他のウィルス、例えば水痘−帯状疱疹ウィルス(VZV) 、RSウィルス(RSV)、マウス白血病及び肉腫ウィルス(MuLV及びMuSV)は、本発 明により処理され得る。 紅色微小藻類は当該技術で公知であり、当業者に直ちに認められよう。異なる 紅色微小藻類から排泄されたポリサッカリドの形態で得られた本発明のポリサッ カリドは、それらは全て活性であるが、有効性において種々である、抗ウィルス 性ポリサッカリドが得られる好ましい微小藻類は、ポルフィリジウム種(Porphyr idium sp. )、P.アエルギネウム(P .aerugineum)及びR.レチクラタ(R .recu lata )の中から選択される。微小藻類は、当業者に公知であるいずれかの慣用的 方法で、例えば本明細書と同じ出願人のEP576870に記載される方法及び装置によ り、増殖させることができる。 それゆえ、一態様において、本発明は、活性剤として抗ウィルス に有効な量の紅色微小藻類由来のポリサッカリドを含む組成物のウィルス感染の 治療又は防止のための使用に関する。 他の態様において、本発明は、抗ウィルス医薬の調製のための紅色微小藻類の 使用に関する。 用いられるポリサッカリドの種々の成分の単糖組成及び化学量論は、種々の条 件下での酸加水分解、次にクロマトグラフィー技術によって測定することができ る。紅色微小藻類種のポリサッカリド内に見い出される主要な単糖類はキシロー ス、グルコース及びガラクトースである。 以下の記載に例示される紅色微小藻類のポリサッカリドの特徴の概要を、以下 の表1に示す。 凡 例: P.spP=ポルフィリジウム種ポリサッカリド(Porphyridium sp. polysaccharide); P.aP =P.アエルギネウムポリサッカリド(P .aerugineum po lysaccharide); R.rP =R.レチクラタ・ポリサッカリド(R .reticulata poly saccharide) 上述の紅色微小藻類ポリサッカリドは、Simonら(J.Phycol.28,460〜465(1 992))に記載されるようなポルフィリジウム細胞のオープン培養から単離された 渦鞭毛藻類の抽出液、又はArad(Malis)ら(Phytochem.,32,2,287〜290(1993) )により記載されるような土壌バクテリアもしくは渦鞭毛藻類の混合物を適用す る時に酵素的デグラデーションを有することを更に特徴とし得る。 これらのポリサッカリドは、10〜20g/lの典型的な溶解度、25〜40cpのその 溶液の粘度及び5〜7×106の分子量を有する物理特性も特徴とし得る。それら は、広範囲のpH、温度、浸透圧重量モル濃度、種々の塩濃度(saltiness)に対す る安定性及び生分解に対する耐性も特徴とする。本発明のポリサッカリドを開裂 するカルボヒドロラーゼは知られておらず、それゆえ生分解を行うために、土壌 バクテリア又は渦鞭毛藻類に変えることが必要とされる。 ポリサッカリドの温度耐性は、その抗ウィルス活性に悪影響を与えずにそのオ ートクレーブ滅菌を行うことを可能にする。これは、当業者により理解されるよ うに、工業上及び実際の観点から本発明のポリサッカリドの実質的な利点である 。 本発明は、以下の実施例を参照してより詳細に記載されよう。用いられる実施 例、材料及び方法は、本発明を限定することを意図せず、むしろ詳説する目的の ためだけに供される。 材料及び方法 以下の材料及び方法を、以下の実施例全体を通して用いた。 細胞及びウィルス ミドリザル腎臓細胞(Vero細胞)を、10%新生ウシ血清が補給され、抗生物質 (ペニシリン、ストレプトマイシン及びネオマイシン)を含むRPMI培地中で増殖 させた。 単純ヘルペスウィルス1型及び2型(HSV-1及びHSV-2)を用い、Vero細胞上で 増殖させた。そのウィルス濃度をプラークアッセイによって評価した。 微小藻類のポリサッカリドの調製及び精製 要約すると、それらの増殖のために最適な条件下で増殖された紅色微小藻類( ポルフィリジウム種“P.sp”;ポルフィリジウム・アエルギネウム“P.a”及び ロデラ・リチクラタ(Rhodella reticulata,“R.r”))からポリサッカリドを調 製した。その藻類を増殖の静止相で収集し、遠心によりその増殖培地から細胞を 分離し、その後その上清を、最初に塩を除去し、次に濃度を増加させるクロス・ フローろ過にくり返しかけた。 より詳しくは、以下に、ポルフィリジウム種を増殖させるための詳細な手順を 示す。この手順は、当業者に知られているような各々の異なる種の特定の最適な 要求に合致するような小さな改良で、上述の他の微小藻類にも役立つ。 ポルフィリジウム種をJonesら(Jones,R.F.,Speer H.L.及びKury,W.(196 3),Physiol.Plant 16,636〜693)に従って、人工海水(ASW)中で増殖させた。A SWは、次の構成液から調製した。 マクロ要素溶液 NaCl 27 g/l MgSO4・7H2O 6.6 g/l MgCl2・6H2O 5.6 g/l CaCl2・2H2O 1.5 g/l KNO3 1.0 g/l KH2PO4 0.07g/l NaHCO3 0.04g/l ミクロ要素溶液 ZnCl2 4.0mg/100ml H3BO3 60.0mg/100ml CoCl2・6H2O 1.5mg/100ml CuCl2・2H2O 4.0mg/100ml MnCl2・4H2O 40.0mg/100ml (NH4)Mo7O24・4H2O 37.0mg/100ml イオン溶液 240mg FeCl3を100ml Na2 EDTA中に溶かした(0.05M、pH 7.6)。 トリス緩衝液 pH7.6の1モーラー保存緩衝液を、121.1g/lのTrizma HCl及び27.8g/lの Trizma塩基で調製した。 1リッターのASWの調製のために、上述のマクロ要素溶液に、1mlのミクロ要 素溶液、1mlのイオン溶液及び20mlのトリス緩衝液を加え、pH7.6のASWを供した 。 ASW中でのポルフィリジウム種の培養を、先に記載(Adda,M.,Merchuk,J.G. 及びArad(Malis),S.(1986)Biomass 10,131〜140)されるように室内で始め た。次にその培養物を室外のポリエチレンスリーブに移し、ASWで8×106細胞1 mlに希釈した。その培養物を4〜5日間、対数増殖を有するバッチ管理で増殖さ せ、この段階でそれは増殖の静止期に達し、ここでその増殖培地は本発明のポリ サッカリドが豊富であった。藻類をこのようなバッチモードで増殖させた時、そ の増殖期の間に栄養素は供給しなかった。培養開 始後15〜30日に、その培養物を遠心し、次に本発明のポリサッカリド(即ち細胞 から排泄されているポリサッカリド)が豊富な上清をそのペレット化した細胞か ら分離し、以下に記載の通りに処理した。培養物の増殖の間、次のパラメータ: 細胞数、生物量、(細胞から排泄された)培地中のポリサッカリドの量及び粘度 を連続的にモニターした。 排泄されたポリサッカリドが豊富な上述の上清を、ろ過領域2.1m2、孔サイズ 0.45μ、ファイバー内径1mm及びハウジングアイデンチファー(housing identi fier)サイズ55の中空ファイバーマイクロフィルトレーションカートリッジを用 いるクロス・フローろ過にかけた。 このように得られたポリサッカリドを以下の実施例全体を通して用いた。 細胞増殖への藻類のポリサッカリドの効果 Vero細胞を、9.6cm2プレートに、プレート当り平均5×105細胞で種つけした 。それらに種々の濃度のポリサッカリドの存在下で10%新生ウシ血清を含むRPMI 培地を供し、37℃でインキュベートした。その培地を、適切な濃度のポリサッカ リドを含む新鮮な培地と、3日毎に置換した。各々の日に、各々の処理からの3 つのプレートの細胞をトリプシン処理し、Neubauerヘマサイトメーターで計数し 、そして平均値を計算した。 細胞障害効果(CPE)の評価 Vero細胞の単層に、種々の濃度のポリサッカリドの存在下でHSVを感染させた 。ポリサッカリドの存在下でのいくつかのウィルス複製回(37℃のインキュベー ション24〜48時間)の後、細胞デグラデーション、顆粒化及び変形した細胞核、 粗い細胞膜、プレート表面への細胞固定の部分的又は完全な損失、並びに細胞内 液胞の発達に より規定される細胞障害効果(以後“CPE”と略す)を、位相差顕微鏡下で細胞 培養物中で検査した。CPEの進展を、本実験終了まで24時間毎に検査した。 細胞感染 Vero細胞単層を、2時間、37℃で2%血清中でHSVと共にインキュベートした 。次に吸着しなかったウィルス粒子を除去し、2%血清を含む新鮮な培地を加え 、細胞単層を37℃でインキュベートした。 プラークアッセイ 37℃で2時間の吸着期間の後、吸着しなかったウィルスを除去し、0.6%寒天 及び2%ウシ血清を含む培地のオーバーレイを加えた。全ての単層を、細胞障害 効果が観察されるまで、数日間(4〜7日)、空気中5% CO2の加湿雰囲気下で 、37℃でインキュベートした。次にそのオーバーレイを除去し、その細胞単層を ホルモル/塩類溶液(塩類溶液中10%ホルマリン)で固定し、その細胞をクリ スタル・バイオレットで染色し、そしてプラークを数えた。 実施例1 Vero 細胞におけるHSV−1及びHSV−2細胞障害効果(CPE)への紅色微小藻類の ポリサッカリドの阻害効果 細胞に、種々の濃度の3のバリエーションの藻類のポリサッカリドの存在下で HSV−1又はHSV−2を感染させた。CPE50は、細胞障害効果の50%保護を供する ポリサッカリドの濃度を表す。その結果は、これらのポリサッカリドの使用によ るHSV−1及びHSV−2の大きな阻害を示す(表2)。最も優れた結果は、CPE50 保護を得るのに必要とされるのより100倍大きい濃度でさえ、いずれの細胞障害 効果も示さなかったP.spPを用いる場合に得られた。 実施例2 HSV −1細胞障害効果(CPE)の進展へのP.spPの効果 HSV-1の1多重度の感染(以後、“moi”と略す)で感染させたVero細胞にお けるCPEの発達及び進行へのP.spP濃度の効果を測定するために、種々の濃度のP. spPを用いて一連の実験を行った。得られた結果を図1に示す。曲線“A”は、P .spPの欠如下での細胞障害効果を示す。曲線“B”は、1μg/mlのP.spPの使 用を示し;曲線“C”は、10μg/mlの P.spPの使用を示し;曲線“D”は50 μg/mlのP.spPを示し;そして“E”は100μg/mlのP.spPを示す。増加する 濃度のP.spPの存在下で細胞にHSV−1を感染させる結果として、CPEの出現が遅 れるようである。更に、CPE発達及び進行の速度は、P.spP濃度の増加の結果とし てかなりよりゆっくりになった。100μg/mlのP.spPは、本実験の期間(2週間 )、HSV−1による細胞単層の破壊に対して完全に保護したことを見ることがで きる。このP.spPの濃度は、実施例3で示されるように、未感染の細胞に有害な 効果はなかった。 実施例3 細胞増殖へのP.spPの効果 細胞培養物へのP.spPの細胞障害効果の可能性をテストするため に、その細胞形態及び細胞増殖への効果を検査した。Vero細胞を低濃度で種つけ し、実施例1に説明されるように、7日間、種々の濃度のP.spPで処理した。図 2は、9.6cm2プレート当り0.9×106細胞の濃度で種つけされたVero細胞を示す。 これらの細胞を、P.spPの欠如下(曲線A)又は25μg/ml(曲線B)、250μg /ml(曲線C)もしくは1,000μg/ml(曲線D)の存在下で37℃でインキュベ ートした。他のVero細胞単層を、P.spPの欠如下(曲線E)又は1,000μg/mlの 存在下(曲線F)で1moiでHSV−1に感染させた。顕微鏡での観察は、1,000μ g/mlの P.spPを用いた場合でさえ細胞多形性に影響を与えなったことを示した 。図2は、P.spPは、250μg/mlの濃度のP.spPを用いた時でさえVero細胞の増 殖に影響を与えなかったことを示す。1,000μg/mlのP.spPで処理した細胞は、 最初の3日間、制御レベルで増殖し、次にそれらの増殖を停止した。更に、HSV −1に感染した細胞は、それらが感染の始めからP.spPで処理した場合に未感染 の細胞のように増殖することができた。 実施例4 一次感染へのP.spPの効果 集密的Vero細胞培養物に、種々の濃度のP.spPの存在下で1moiのHSV−1を感 染させた。一次感染した細胞の数を、プラークアッセイにより測定した。図3( 曲線A)は、種々の濃度のP.spPの存在下で1moiのHSV−1に感染させたVero細 胞を示す。Pfu(プラーク形成単位)を、標準的プラークアッセイによって評価 した。結果(図3−曲線A)は、10μg/mlのP.spPがプラーク形成の90〜95% 保護を引きおこしたことを示した。HSV−1により形成されたプラークの50%保 護は、1μg/mlのP.spPに相当する。 実施例5 P.spP −ウィルス相互作用 5moiのHSV−1を30分間、37℃で種々の濃度のP.spPと共にインキュベートし た。次に、遊離ポリサッカリドの効果を、(1)感染前に2%血清を含む培地で の混合物の連続的な希釈物を作り、又は(2)20%スクロース層を通してウィル ス−P.spP混合物を沈殿させ、その沈殿したウィルスの一連の希釈物を作りそし てVero細胞を感染させるこのいずれかにより、削減した。HSV−1感染へのP.spP の効果を、プラークアッセイにより測定される形成されたプラークの数により評 価した。10-3までのウィルス−P.spP混合物の高い希釈を行った場合(図3−曲 線B)又はこの混合物をスクロース層を通して沈殿させた場合(表3)のいずれ かに、プラーク形成が強く阻害された。更に、10μg/mlのP.spPの濃度におい て同濃度のP.spPを感染の時に加えた場合の90〜95%と比べて、プラーク形成の 約70〜80%阻害が得られた(図3−曲線A)。 ******は、PFU/mlの計数不能な数の種々の程度を示す。 実施例6 P.spP −細胞相互作用 ウィルス吸着を妨害し得るP.spPとホスト細胞との間の相互作用の可能性をテ ストするために、Vero細胞を、2時間、37℃で、異なる濃度のP.spPを含む培地 とインキュベートした。インキュベーションの後、未結合のP.spPを除去し、細 胞単層をPBSで3回、洗った。次にこれらの細胞培養物に1moiのHSV−1を感染 させ、そして形成されたプラークの数を、プラークアッセイによって測定した。 その結果(図3の曲線C)は、これらのP.spPでプレ処理された細胞培養物の ウィルス感染の弱い阻害を示す。 実施例7 水痘−帯状疱疹ウィルス(VZV)CPEの進展へのP.spPの効果 1moiの水痘−帯状疱疹ウィルス(Varicella zoster virus)(VZV)1moiに 感染させたVero細胞におけるCPEの発達及び進行へのP.spP濃度の結果を測定する ために、種々の濃度のP.spPを用いて、一連の実験を行った。得られた結果を図 4に示す。VZVの細胞障害効果を、P.spPの欠如下(曲線A)又は0.1μg/ml( 曲線B)、1μg/ml(曲線C)、100μg/ml(曲線D)もしくは1,000μg/ ml(曲線E)の存在下で測定する。P.spPの増加する濃度の存在下でのVZVを細胞 に感染させた結果として、実施例2に説明したようなHSV−1での現象と同様のC PEの出現の遅れを生じるようである。 実施例8 HSV −1 CPEの進展へのP.spP除去の効果 Vero細胞単層に、100μg/mlの P.spPの存在下で0.1moiのHSV−1を感染させ た。2時間の感染の後、吸着していないウィルス粒子を除去し、そして細胞単層 をPBSで3回、洗浄し、そしてP.spPが供された(曲線A、図5)又は供されない (曲線B、図5)新鮮 な培地を加えた。細胞培養物を、倒立顕微鏡観察によりCPEの出現について検査 した。図5に示される結果は、実験の終了までにP.spPで処理された単層がHSV −1 CPE進展に対して完全な保護を示したのに対し、感染の時のみにP.spPで処 理された単層においては、CPEの出現が4日遅れたことを示す。 これらの結果は、感染性ウィルス粒子のいくつかはP.spPの存在下で細胞に感 染するのに成功する可能性により、説明することができた。感染後のP.spPでの 連続的処理は、ホスト細胞内でのウィルスの複製を阻害した。 実施例9 プレ感染された細胞培養物へのP.spPの添加 P.spPでの処理なしに、Vero細胞単層に、0.1moi(図6の曲線A及びB)又は 1moi(曲線C、図6)のHSV−1を感染させた。感染の終りに、単層をPBSで3 回、洗い、P.spP 100μg/mlを有する(曲線B及びC、図6)又はそれを含ま ない(曲線A)新鮮な培地を加えた。各々の日に、CPEの出現及び進展について 単層を検査した。 その結果は、P.spPが低moiで感染した培養物中のCPEの出現を完全に防いだ( 曲線C、図6)。これらの培養物のいくつかにおいて、感染後10日に、P.spPを 除去し、そして培養物にP.spPを含まない2%血清を含む新鮮な培地を供した。P .spP除去後3日に、CPEが出現した(曲線C、図6)。高moiで感染した培養物に おいて、P.spPでの処理の結果としてCPEの出現が4日、遅れた(曲線B、図6) 。また、これらの培養物におけるCPEの進展比率は、P.spP未処理の培養物(曲線 A、図6)と比べて極めてゆっくりであった。 実施例10 1回の複製におけるHSV−1生産へのP.spPの効果 Vero細胞単層に1moiのHSV−1を感染させた。感染の終りに、過剰なウィルス を除去し、細胞培養物をPBSで3回洗い、そして種々の濃度のP.spPを含む新鮮な 培地を供した。37℃での24時間のインキュベーションの後、その培地を除去し、 細胞培養物をPBSで3回、洗浄し、細胞を収集し、そして3回の凍結−解凍サイ クルにより破砕した。細胞デブリスを沈殿させ、生産された感染性ウィルスを、 標準的プラークアッセイにより評価した。 陽性対照(P.spP未処理細胞)の割合(%)として供される図7に示される結 果は、1μg/ml程度の少いP.spPが、複製の第1の単一サイクルの間に、感染 性HSV−1の生産を大いに阻害することを示す。 その結果は、P.spPが、ホスト細胞内での生産に影響を与えることによってもH SV−1複製を阻害することができることを示す。 実施例11 Vero 細胞への種々のポリサッカリドの細胞毒性効果 Vero細胞を、9.6cm2プレート当り4×105細胞の濃度で種つけした。これらの 細胞を、欠如下(曲線A、図8)、又は100μg/mlのP.spP(曲線B)、1μg /ml(曲線C)及び10μg/ml(曲線E)のデキストランスルフェート、1μg /ml(曲線D)及び10μg/ml(曲線F)のカラゲーニンKの存在下で37℃でイ ンキュベートした。その細胞をトリプシン処理し、ポリサッカリドでの最初の処 理の後、種々の時間の間隔で計数した。 実施例2(図2)で明らかに示されるように、50μg/ml又はそれ超の濃度で P.spPを用いて、実質的な抗ウィルス効果が得られた。しかしながら、カラゲー ニンK及びデキストランスルフェートを用いる場合、その50μg/ml又はそれ超 の濃度は、それらの毒性挙 動のため、図8に示すように、10μg/ml程度の低い濃度でさえ用いることがで きなかった。これにより、カラゲーニンK及びデキストランスルフェートは、低 濃度(例えば1μg/ml又はそれ未満)でのP.spPと同様の(低い)抗ウィル ス活性を有するが、カラゲーニンKとデキストランスルフェートとの両方は、そ れらがml当り約1μgを超える濃度で細胞に毒性であるため、より高い抗ウィル スに有効な濃度で用いることができない。それゆえこれは、ml当り100μgを超 える濃度でさえ細胞に毒性なく用いることができる点での本発明のP.spPの有利 性を示す。 実施例12 ウサギの眼のHSV−1感染へのP.spPの効果 手順及び実験 1.5kgのウサギの眼に、その角膜をシリンジ針でひっかき、そしてそのひっか いた領域に0.1mlのウィルス懸濁液(106Pfu/ml)を適用することにより、HSV− 1を感染させた。適切な眼を、実験の終りまで(3〜4週)、1日2回、液滴の 形態で、1000μg/mlのポルフィリジウム種ポリサッカリド(P.spP)で処理し た。 以下の実験を行った: 1)対照の眼−リン酸緩衝塩類溶液(PBS)で1日2回、処理した未感染の眼 2)P.spP−P.spPで1日2回処理した未感染の眼 3)感染した眼−眼にポリサッカリドでの処理なしにウィルスを感染させた。 4)感染したP.spP処理した眼−眼に感染させ、そして15分後に、それらをポ リサッカリドで処理した。その処理を、1日2回、実験の終りまで(3〜4週) 、続けた。 5)プレ感染した症候性の眼のP.spP処理−臨床的症状を有する 感染した眼を、感染後5〜6日に、P.spPで処理した。 結果: 1)P.spPのみで処理した眼には毒性効果は観察されなかった。 2)(ポリサッカリド処理のない)HSV−1を感染させた眼は、感染後5〜6 日に、臨床的症状(分泌の角膜炎)を示した。 3)(ポリサッカリド処理のない)感染した眼を有する全ての動物は、感染後 2〜3週で死んだ。 4)感染した、感染後15分にポリサッカリドで処理された眼は、いずれの臨床 的症状も示さなかった。その処理した動物は生き残った。 5)HSV−1症状を示す眼を感染後5〜6日にポリサッカリドで処理した。全 ての臨床的症状が消え、そしてその動物は未処理の動物と比較してより長期間、 生き続けた。感染後約4週で、死んだ。 実施例13 新生ラットにおけるHSV−1感染の進展へのP.spPの効果 新生ラット(3日を経たもの)に、皮下(s.c.)注射により又はひっかくこと (Scr.)により0.1mlの107Pfu/mlの HSV−1を感染させた。感染後30分に、動 物に、0.2mlのP.spPを、その感染した(s.c.)領域にs.c.注射した。ひっかいた 場合には、P.spPをそのひっかいた領域に加えた。その処理を実験が終わる(動 物の死)まで、1日2回、くり返した。100〜1000μg/mlのポリサッカリド濃 度は、皮膚の症状の出現及び進展を大きく遅らせ、動物の死を遅らせた(表4) 。 実施例14 更なるウィルスへのP.spPの効果 実施例2,4,5及び13に示される一般的手順を、更なるウィルス、即ち、RS ウィルス(RSV)、ネズミ白血病及び肉腫ウィルス(MuLV及びMuSV)でくり返した 。細胞のウィルス感染及び本発明のポリサッカリドでの処理の後、細胞へのウィ ルスの効果を、各々のタイプのウィルスに特異的な標準テストによって、測定し た。その結果(示さない)は、更にこれらのウィルスについて、本発明のポリサ ッカリドにより、それらの増殖及び感染性が大きく阻害されることを示した。 実施例15 微小藻類細胞から抽出されたポリサッカリド(細胞のポリサッカリド)の抗ウ ィルス効果 ポルフィリジウム種細胞を二重蒸留水で洗い、遠心によりペレット化した。そ の細胞ペレットを二重蒸留水に溶かし、4時間、90℃に加熱した。次にその混合 物を遠心し、上清を分離して、そしてその中に含まれるポリサッカリドの量を評 価した。この上清に、いわゆる細胞のポリサッカリド、即ち微小藻類細胞内のも のを含み、従って、これらは、本質的に純粋な形態である上述の排出されたポリ サッカリドと対照的に、種々の他の細胞の構成物(不純物)をもおそらく含む抽 出されたポリサッカリドである。 上述の得られた上清を、先の実施例と同様にテストした。それは、HSV−1に 対する優れた抗ウィルス活性を示したが、その活性は、排出されたポリサッカリ ドで見られたのよりいくらか少かった。 全ての上述の記載及び実施例は、詳説の目的のために供され、請求の範囲の記 載を除いて本発明を限定することを意図しない。上述の種々の方法及び材料にお いて多くの改良を行うことができる。例えば、異なる紅色藻類を用いることがで き、このような藻類は異なる条件下で増殖させることができ、そして異なる方法 でポリサッカリドを抽出することができ、又は増殖培地から排出されたポリサッ カリドとして回収することができる。更に、排出されもしくは抽出されたポリサ ッカリド、もしくはそれらの混合物、又は異なる紅色藻類由来の2もしくはそれ 超のポリサッカリドの混合物を、それ自体で又は周知の抗ウィルスもしくは他の 医薬的な活性剤、添加物、担体もしくは賦形剤と一緒に用いることができる。本 ポリサッカリドは、本発明に従って、種々の段階で異なるウィルス由来の感染を 治療し又は防止するのに用いることができ、異なる領域及び細胞型に影響を与え る前記感染、並びに異なる適用方法、技術及びビヒクルを、本発明の範囲を超え ずに、全て用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 タル,ヤコブ イスラエル国,84428 ビア−シェバ,ウ ィンゲイト ストリート 68

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.抗ウィルスに有効な量の、紅色微小藻類のポリサッカリド又は2もしくは それ超の紅色微小藻類のポリサッカリドの混合物を活性成分として含む抗ウィル ス性組成物。 2.有効に複製を阻害する量の、紅色微小藻類のポリサッカリド又は2もしく はそれ超の紅色微小藻類のポリサッカリドの混合物を活性成分として含む請求項 1に記載の抗ウィルス性組成物。 3.ウィルス感染に対して保護するのに有効な量の紅色微小藻類のポリサッカ リドを活性成分として含む請求項1記載の抗ウィルス性組成物。 4.前記抗ウィルスに有効な量の紅色藻類のポリサッカリドが、医薬として許 容されるビヒクル、担体及び/又はアジュバントを本質的に含まないで供される ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の抗ウィルス性組成物。 5.前記抗ウィルスに有効な量の紅色藻類のポリサッカリドが、医薬として許 容されるビヒクル、担体及び/又はアジュバントと一緒に供されることを特徴と する請求項1〜3のいずれかに記載の抗ウィルス性組成物。 6.前記紅色微小藻類のポリサッカリドが、硫酸化ポリサッカリドであること を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の抗ウィルス性組成物。 7.10〜20g/lの溶解度、25〜40c.p.のその溶液の粘度、及び5〜7×106 の分子量を特徴とするポリサッカリドを含む請求項1〜3のいずれか一に記載の 抗ウィルス性組成物。 8.クリーム形態である請求項5に記載の組成物。 9.軟膏形態である請求項5に記載の組成物。 10.液状形態である請求項5に記載の組成物。 11.慣用的な抗ウィルス剤を更に含む請求項5に記載の組成物。 12.前記ウィルスが単純ヘルペスウィルスであることを特徴とする請求項11に 記載の組成物。 13.前記慣用的な抗ウィルス剤がアシクロビルであることを特徴とする請求項 11又は12に記載の組成物。 14.前記ウィルスが、水痘−帯状疱疹ウィルスであることを特徴とする請求項 1に記載の組成物。 15.前記紅色微小藻類が、ポルフィリジウム種(Porphyridium sp.)、P.ア エルギネウム(P.aerugineum)及びR.レチクラタ(R .reticulata)の中から 選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。 16.紅色微小藻類のポリサッカリドである抗ウィルス性化合物、又は2もしく はそれ超の紅色微小藻類のポリサッカリドの混合物。 17. P.spP,P.aP及びR.rPから選択される請求項16に記載の化合物。 18.ウィルスの感染を治療し又は防ぐための請求項16又は17に記載の化合物の 使用。 19.10〜20g/lの溶解度、25〜40c.p.のその溶液の粘度、及び5〜7×106 の分子量を特徴とするポリサッカリドである請求項16又は17に記載の化合物。 20.抗ウィルス薬剤の調製のための紅色微小藻類の使用。 21.抗ウィルス剤を製造するための方法であって、適切な培地中で、細胞ポリ サッカリド増殖及び前記培地内への排出を促進するのに適した条件下で、紅色微 小藻類を培養し、前記培地からの排出されたポリサッカリドを収集及び濃縮し、 そして前記抗ウィルス剤の活性成分としてそれを用いることを含む方法。 22.請求項21に記載の方法によって調製された抗ウィルス剤。 23.抗ウィルス剤として用いるための紅色微小藻類から排出されたポリサッカ リド。
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