JPH09502959A - バリウムおよびストロンチウムの少なくとも1つとタリウム、銅、酸素およびフッ素を含有する超伝導体 - Google Patents
バリウムおよびストロンチウムの少なくとも1つとタリウム、銅、酸素およびフッ素を含有する超伝導体Info
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Abstract
(57)【要約】
MがBaでありそしてxが約0.10から約0.65であるか或はMがSrでありそしてxが約0.35から約0.75である名目上の式TlM2CuO5-xFxで表される超伝導組成物を開示する。
Description
【発明の詳細な説明】
バリウムおよびストロンチウムの少なくとも1つとタリウム、銅、酸素およ
びフッ素を含有する超伝導体発明の分野
本発明は新規なフッ素置換Tl−M−Cu酸化物超伝導体を提供し、ここでM
はBa、Srまたはこれらの混合物である。発明の背景
Tl−Ca−Ba−Cu−O系で数多くの超伝導化合物が見いだされているが
、BaがSrで置き換えられた類似超伝導化合物を高純度相として合成するのは
一般に不可能である。Tl−Ca−Ba−Cu−O系では単一(single)
および二重(double)両方のTl−O層構造材料が合成されているが、T
l−Ca−Sr−Cu−O系で合成されたのは単−Tl−O層構造材料のみであ
り、このような相を有する構造物の安定化は置換体を導入することで行われてい
た。
Z.Y.Chen他はSolid State Commun.83、895
(1992)の中で、名目上の組成がTlSr2CaCu2O7-xAx[ここで、A
はFであり、そしてx=0.0−1.5である]のサンプルはほぼ単一相であり
そして35−50Kの転移温度で超伝導を示すことを開示している。AがClで
x=0−0.5の場合、少量のClが上記サンプルの超伝導性を壊しそして12
12相の生成を妨害することを確認した。
カルシウムを全く含まない単一Tl−O層構造材料は式TlSr2CuO5およ
びTlBa2CuO5で表される。A.K.GanguliおよびM.A.Sub
ramanianはJ.Solid State
Chem.93、250(1991)の中で、TlSr2CuO5は金属質であり
そして4.2Kになると超伝導性が観察されなくなることを開示している。従っ
て、本出願者らは単に公知超伝導体にフッ素を付加させようとするものでない。
Tl−Sr−Cu−O組成物が超伝導を示すようになるには別の元素、例えばL
aまたはNdなどを加える必要があることを見い出した。M.A.Subram
anianはMat.Res.Bull.25、191(1990)の中で、式
TlSr2-xRxCuO5[式中、RはLaまたはNdであり、そしてx=0.6
から1.0である]で表される酸化物は正方晶系構造を有する単一相であること
を開示している。このような酸化物は35−48Kの範囲の転移温度で超伝導性
を示す。バリウム含有組成物に関しては、H.C.Ku他がJpn.J.App
l.Phys.28、L923(1989)の中で、TlBa2CuO5は金属質
であり、準安定な超伝導転移が約25Kの開始点で起こりそしてゼロ抵抗になる
のは10Kであることを開示している。再び、安定な超伝導組成物を達成するに
はLaまたはNdを存在させる必要がある。式TlBa2-xRxCuO5[式中、
RはLaまたはNdであり、そしてx=0.2から0.6である]で表される酸
化物は正方晶系構造を有し、40K以上の転移温度で超伝導を示す。
本発明は、Ca、LaまたはNdが存在していない新規なTl−M−Cu−O
型超伝導体を提供するものである。
発明の要約
本発明は、名目上の式TlM2CuO5-xFx[式中、MはBa、Srまたはこ
れらの混合物であり、MがBaの時のxは約0.10から約0.65であり、そ
してMがSrの時のxは約0.35から約0.75であ
る]で表される単一相超伝導体を包含する。MがBaとSrの混合物である場合
、M中のSr量が0から100%に上昇するにつれてxの下限は約0.10から
約0.35に上昇すると共にxの上限は約0.65から約0.75に上昇する。
このような組成物は少なくとも約35Kの温度に超伝導開始点を示す。
本発明は更に導電材料内に電流を電気抵抗損(electrical res
istive losses)なしに流す方法を包含し、この方法は、名目上の
式TlM2CuO5-xFx[式中、MがBaでありそしてxが約0.10から約0
.65であるか、或はMがSrでありそしてxが約0.35から約0.75であ
る]で表される組成物を含む導電材料を上記組成物のTcより低い温度に冷却し
た後、上記導電材料を上記温度より低い温度に維持しながらこの材料の中に電流
の流れを開始させることを含む。
図の簡単な説明
図1に、実施例2の組成物TlSr2CuO4.5F0.5に関するX線粉末回折パ
ターンを示す。
図2に、実施例2の組成物および比較組成物BおよびCに関する抵抗を温度の
関数として示す。
発明の詳細な説明
本発明は、名目上の式TlM2CuO5-xFx[式中、MがSrでありそしてx
が約0.10から約0.65であるか、或はMがBaでありそしてxが約0.3
5から約0.75である]で表される超伝導組成物を包含する。好適な組成物に
は、MがSrでありそしてxが約0.40から約0.60である組成物、および
MがBaでありそしてxが約0.4
0から約0.50である組成物が含まれる。
本発明の超伝導組成物は以下に示す方法で製造可能である。Tl:M:Cuの
原子比が1:2:1になりそしてF:Tlの比がxに等しくなるように反応体M
O2、MO、TlF、Tl2O3およびCuOの量を選択する。xが種々の値を有
する名目上の式TlM2CuO5-xFxで表される酸化物を生じさせるに必要な、
種々の反応体の適切な相対的特定重量を、本実施例の中に開示する。めのう乳鉢
の中で上記反応体を徹底的に粉砕する。この混合した粉末を直接加熱してもよい
か、或はこれを成形してペレットまたは他の成形物にした後これを加熱すること
も可能である。この粉末またはペレットを加熱するに先立って、これらを、反応
性を示さない金属、例えば金などで出来ている管の中に密封する。少なくとも約
0.5Kバール(50MPa)の外部圧力を用い、1分当たり約5℃の速度で上
記管を加熱して約800℃の温度にする。好適には、この圧力を約3Kバール(
3MPa)にする。この反応体が入っている管を上記条件下に少なくとも約1時
間保持する。次に、この管を室温に冷却した後、圧力を大気圧に戻す。次に、こ
の管を切り開いてサンプルを回収してもよい。揮発性のあるタリウムに加えて酸
素およびフッ素が失われないようにするには該反応体を密封容器内で加熱する必
要がある。フッ素置換されたTlM2CuO5-xFx酸化物を製造するには大気圧
以上の圧力を用いる必要がある。
本分野の技術者に知られている通常の手段でTlM2CuO5-xFx生成物を粉
砕して粉末にし、そしてこの粉末を用いてX線回折粉末パターンを得ることがで
きる。上記X線回折粉末パターンから本発明の超伝導体の格子パラメーターを測
定し、正方晶系単位格子を基準にして割り出
した結果、MがSrの時、格子パラメーターaは約0.38nmで格子パラメー
ターcは約0.90nmであり、そしてMがBaの時、格子パラメーターaは約
0.38nmで格子パラメーターcは約0.96nmであった。上記格子パラメ
ーターはフッ素含有量が高くなるに伴って上昇した。このX線回折パターンは、
上記超伝導体が本質的に単一相であることを示している。
よく知られている四探針技術を用いて抵抗測定を行うか或は磁気フラックスエ
クスクルージョン(magnetic flux exclusion)、即ち
マイスナー効果を観察することで、超伝導性を実証することができる。この効果
は、E.PolturakおよびB.FisherがPhysical Rev
iew B、36、5586(1987)(引用することによって本明細書に組
み入れられる)の論文中で記述している方法で測定可能である。本発明の超伝導
組成物は少なくとも35Kの温度に超伝導開始点を示す。温度に対する抵抗の曲
線がゼロに降下し始める温度か或はフラックスエクスクルージョンが起こり始め
る温度が、超伝導開始点であり、これを本明細書の以下でTcと呼ぶものとする
。
本発明は更に導電材料内に電流を電気抵抗損なしに流す方法を包含し、この方
法は、名目上の式TlM2CuO5-xFx[式中、MがBaでありそしてxが約0
.10から約0.65であるか、或はMがSrでありそしてxが約0.35から
約0.75である]で表される組成物を含む導電材料を上記組成物のTcより低
い温度に冷却した後、上記導電材料を上記温度より低い温度に維持しながらこの
材料の中に電流の流れを開始させることを含む。本明細書で用いる好適な組成物
は、MがBaであり
そしてxが約0.40から約0.50である組成物、或はMがSrでありそして
xが約0.40から約0.60である組成物である。本分野の技術者によく知ら
れている様式で上記材料を液体窒素または液体ヘリウムに接触させることにより
、超伝導転移温度Tcより低い温度に至る冷却を達成することができる。好適に
は、この導電材料をワイヤーまたはバーの形状にする。次に、本分野の技術者に
よく知られている方法、例えば起電力または磁場誘導などを用いて電流の流れを
開始させる。上記流れは全く電気抵抗損なしに得られる。最小限の電力損失で非
常に高い磁場を得るには、上述したワイヤーを巻いてコイルまたはソレノイドに
してもよく、そしてこのコイル中に何らかの電流を誘導する前に、これを液体ヘ
リウムまたは液体窒素に接触させてもよい。また、上記場を用いて鉄道車両の如
き大型物体を空中に浮かすことも可能である。
非常に高い効率で電流を流す目的か或は医学用途の磁気画像形成または粒子加
速装置のための磁場を与える目的で、本発明の超伝導組成物および方法を用いる
ことができる。本超伝導組成物はまたジョセフソン装置、例えば超伝導量子干渉
装置(superconducting quantum interfere
nce devices)(SQUIDS)などおよびジョセフソン効果を基と
する装置、例えば高速サンプリング回路および電圧標準などで用いるにも有用で
ある。
発明に関する実施例
実施例1−4
比較実験A−D
各実施例1−4および比較実験A−Dに関して、表Iに示す量でSrO2、T
lF、Tl2O3およびCuOをめのう乳鉢内で約30分間粉砕
することを通して、名目上の式TlSr2CuO5-xFxにおいてx=0.2、0
.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8および1.0に相当する組成物
を調製した。
各組成物に関して、上記粉末をプレス加工して直径が10mmで厚さが約3m
mのペレットにした。一定組成物の2つのペレットを金製管に入れ、この管を溶
接で密封した。次に、このペレットが入っている金製管をオーブンの中に入れ、
3Kバール(3x108Pa)の圧力下、1分当たり5℃の速度で加熱して80
0℃にし、そして上記条件下に3時間保持した。次に、この炉をオフにして上記
管を室温に冷却した。次に、この管を切り開いてペレットを回収した。各組成物
のペレットの1つを粉砕して粉末にし、これを用いてX線粉末回折パターンを得
た。正方晶系単位格子を基準にしてこれらのパターンを割り出した。上記超伝導
組成物に関するX線粉末回折パターンは、この組成物が本質的に単一相であるこ
とを示していた。このX線粉末回折パターンから決定した格子パラメーターaお
よびcを表IIIに示す。実施例2の組成物TlSr2CuO4.5F0.5の場合に
得られたX線粉末回折パターンを図1に示し、
そして観察および計算d面間隔、相対強度および観察反射指数を表IIに示す。
約10,000psi(7x107Pa)の圧力を用いて各組成物の粉末をプ
レス加工して2mmx2mmx4mmのバーにした。電流が10μaの四探針技
術を用いて抵抗測定を行った。実施例2と比較実験BおよびCの組成物に関する
温度に対する抵抗のプロットを図2に示す。比較実験AおよびBの組成物は金属
質でありそして比較実験CおよびDの組成物は半導質であることを確認した。実
施例1−4の組成物に関する導電開始点Tcもまた表IIIに示す。磁気フラッ
クスエクスクルージョン測定により、実施例1−4が超伝導性を示すことを実証
した。
実施例5−9
比較実験E−H
各実施例5−8および比較実験E−Hに関して、表IVに示す量でBaO2、
BaO、TlF、Tl2O3およびCuOをめのう乳鉢内で約30分間粉砕するこ
とを通して、名目上の式TlBa2CuO5-xFxにおいてx=0.1、0.2、
0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8および1.0に相当する組成
物を調製した。
各組成物に関して、上記粉末をプレス加工して直径が10mmで厚さが約3m
mのペレットにした。一定組成物の2つのペレットを金製管に入れ、この管を溶
接で密封した。次に、このペレットが入っている金製管をオーブンの中に入れ、
3Kバール(3x108Pa)の圧力下、1分当たり5℃の速度で加熱して80
0℃にし、そして上記条件下に3時間保持した。次に、この炉をオフにして上記
管を室温に冷却した。次に、この管を切り開いてペレットを回収した。各組成物
のペレットの1つを粉砕して粉末にし、これを用いてX線粉末回折パターンを得
た。正方晶系単位格子を基準にしてこれらのパターンを割り出した。上記超伝導
組成物に関するX線粉末回折パターンは、実施例5−8の組成物が本質的に単一
相であることを示していた。実施例9のX線粉末回折パターンには弱い不純ライ
ンが含まれていた。このX線粉末回折パターンから決定した格子パラメーターa
およびcを表Vに示す。比較実験F−Hの組成物は不純相であり、超伝導の証拠
を全く示さなかった。
約10,000psi(7x107Pa)の圧力を用いて各組成物の粉末をプ
レス加工して2mmx2mmx4mmのバーにした。電流が10μaの四探針技
術を用いて抵抗測定を行った。実施例5−9の組成物に関する導電開始点Tcも
また表Vに示す。実験Eの組成物は弱い超伝導を示す不純相であった。磁気フラ
ックスエクスクルージョン測定により、実施例5−9が超伝導性を示すことを実
証した。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年8月18日
【補正内容】
s.Bull.25、191(1990)の中で、式TlSr2-xRxCuO5
[式中、RはLaまたはNdであり、そしてx=0.6から1.0である]で表
される酸化物は正方晶系構造を有する単一相であることを開示している。このよ
うな酸化物は35−48Kの範囲の転移温度で超伝導性を示す。バリウム含有組
成物に関しては、H.C.Ku他がJpn.J.Appl.Phys.28、L
923(1989)の中で、TlBa2CuO5は金属質であり、準安定な超伝導
転移が約25Kの開始点で起こりそしてゼロ抵抗になるのは10Kであることを
開示している。再び、安定な超伝導組成物を達成するにはLaまたはNdを存在
させる必要がある。式TlBa2-xRxCuO5[式中、RはLaまたはNdであ
り、そしてx=0.2から0.6である]で表される酸化物は正方晶系構造を有
し、40K以上の転移温度で超伝導を示す。
本発明は、Ca、LaまたはNdが存在していない新規なTl−M−Cu−O
型超伝導体を提供するものである。
発明の要約
本発明は、名目上の式TlM2CuO5-xFx[式中、MはBa、Srまたはこ
れらの混合物であり、MがBaの時のxは0.1から0.65であり、そしてM
がSrの時のxは0.35から0.75である]で表される単一相超伝導体を包
含する。MがBaとSrの混合物である場合、M中のSr量が0から100%に
上昇するにつれてxの下限は0.10から0.35に上昇すると共にxの上限は
0.65から0.75に上昇する。このような組成物は少なくとも35Kの温度
に超伝導開始点を示す。
本発明は更に導電材料内に電流を電気抵抗損(electrical
resistive losses)なしに流す改良方法を包含し、この方法
は、名目上の式TlM2CuO5-xFx[式中、MがBaでありそしてxが0.1
0から0.65であるか、或はMがSrでありそしてxが0.35から0.75
である]で表される組成物を含む導電材料を上記組成物のTcより低い温度に冷
却した後、上記導電材料を上記温度より低い温度に維持しながらこの材料の中に
電流の流れを開始させることを特徴とする。
図の簡単な説明
図1に、実施例2の組成物TlSr2CuO4.5F0.5に関するX線粉末回折パ
ターンを示す。
図2に、実施例2の組成物および比較組成物BおよびCに関する抵抗を温度の
関数として示す。
発明の詳細な説明
本発明は、名目上の式TlM2CuO5-xFx[式中、MがSrでありそしてx
が0.10から0.65であるか、或はMがBaでありそしてxが0.35から
0.75である]で表される超伝導組成物を包含する。好適な組成物には、Mが
Srでありそしてxが0.40から0.60である組成物、およびMがBaであ
りそしてxが0.40から0.50である組成物が含まれる。
本発明の超伝導組成物は以下に示す方法で製造可能である。Tl:M:Cuの
原子比が1:2::1になりそしてF:Tlの比がxに等しくなるように反応体
MO2、MO、TlF、Tl2O3およびCuOの量を選択する。xが種々の値を
有する名目上の式TlM2CuO5-xFxで表される酸化物を生じさせるに必要な
、種々の反応体の適切な相対的特定
重量を、本実施例の中に開示する。めのう乳鉢の中で上記反応体を徹底的に粉砕
する。この混合した粉末を直接加熱してもよいか、或はこれを成形してペレット
または他の成形物にした後これを加熱することも可能である。この粉末またはペ
レットを加熱するに先立って、これらを、反応性を示さない金属、例えば金など
で出来ている管の中に密封する。少なくとも約0.5Kバール(50MPa)の
外部圧力を用い、1分当たり約5℃の速度で上記管を加熱して約800℃の温度
にする。好適には、この圧力を約3Kバール(3MPa)にする。この反応体が
入ってい
に降下し始める温度か或はフラックスエクスクルージョンが起こり始める温度が
、超伝導開始点であり、これを本明細書の以下でTcと呼ぶものとする。
本発明は更に導電材料内に電流を電気抵抗損なしに流す改良方法を包含し、こ
の方法は、名目上の式TlM2CuO5-xFx[式中、MがBaでありそしてxが
0.10から0.65であるか、或はMがSrでありそしてxが0.35から0
.75である]で表される組成物を含む導電材料を上記組成物のTcより低い温
度に冷却した後、上記導電材料を上記温度より低い温度に維持しながらこの材料
の中に電流の流れを開始させることを特徴とする。本明細書で用いる好適な組成
物は、MがBaでありそしてxが0.40から0.50である組成物、或はMが
Srでありそしてxが0.40から0.60である組成物である。本分野の技術
者によく知られている様式で上記材料を液体窒素または液体ヘリウムに接触させ
ることにより、超伝導転移温度Tcより低い温度に至る冷却を達成することがで
きる。好適には、この導電材料をワイヤーまたはバーの形状にする。次に、本分
野の技術者によく知られている方法、例えば起電力または磁場誘導などを用いて
電流の流れを開始させる。上記流れは全く電気抵抗損なしに得られる。最小限の
電力損失で非常に高い磁場を得るには、上述したワイヤーを巻いてコイルまたは
ソレノイドにしてもよく、そしてこのコイル中に何らかの電流を誘導する前に、
これを液体ヘリウムまたは液体窒素に接触させてもよい。また、上記場を用いて
鉄道車両の如き大型物体を空中に浮かすことも可能である。
非常に高い効率で電流を流す目的か或は医学用途の磁気画像形成または粒子加
速装置のための磁場を与える目的で、本発明の超伝導組成物お
よび方法を用いることができる。本超伝導組成物はまたジョセフソン装
請求の範囲
1. 名目上の式TlM2CuO5-xFx[式中、MはBa、Srまたはこれら
の混合物であり、MがBaの時のxは0.10から0.65であり、そしてMが
Srの時のxは0.35から0.75であり、そしてMがBaとSrの混合物で
ある時、M中のSr量が0から100%に上昇するにつれてxの下限が0.10
から0.35に上昇しそしてxの上限が0.65から0.75に上昇する]で表
される超伝導組成物。
2. 少なくとも35Kの超伝導転移温度を示す請求の範囲第1項の超伝導組
成物。
3. 単一相である請求の範囲第1項の超伝導組成物。
4. MがBaでありそしてxが0.40から0.50である請求の範囲第1
項の超伝導組成物。
5. MがSrでありそしてxが0.40から0.60である請求の範囲第1
項の超伝導組成物。
6. 電気的損失を起こさせることなく導電材料内に電流を流す方法であって
、名目上の式TlM2CuO5-xFx[式中、MがBaでありそしてxが0.10
から0.65であるか、或はMがSrでありそしてxが0.35から0.75で
ある]で表される組成物を含む導電材料を上記組成物のTcより低い温度に冷却
した後、上記導電材料を上記温度より低い温度に維持しながら上記導電材料の中
に電流の流れを開始させることを特徴とする方法。
7. MがBaでありそしてxが0.40から0.50である請求の範囲第6
項の方法。
8. MがSrでありそしてxが0.40から0.60である請求の
範囲第6項の方法。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 名目上の式TlM2CuO5-xFx[式中、MはBa、Srまたはこれら の混合物であり、MがBaの時のxは約0.10から約0.65であり、そして MがSrの時のxは約0.35から約0.75であり、そしてMがBaとSrの 混合物である時、M中のSr量が0から100%に上昇するにつれてxの下限が 約0.10から約0.35に上昇しそしてxの上限が約0.65から約0.75 に上昇する]で表される超伝導組成物。 2. 少なくとも約35Kの超伝導転移温度を示す請求の範囲第1項の超伝導 組成物。 3. 単一相である請求の範囲第1項の超伝導組成物。 4. MがBaでありそしてxが約0.40から約0.50である請求の範囲 第1項の超伝導組成物。 5. MがSrでありそしてxが約0.40から約0.60である請求の範囲 第1項の超伝導組成物。 6. 電気的損失を起こさせることなく導電材料内に電流を流す方法であって 、名目上の式TlM2CuO5-xFx[式中、MがBaでありそしてxが約0.1 0から約0.65であるか、或はMがSrでありそしてxが約0.35から約0 .75である]で表される組成物を含む導電材料を上記組成物のTcより低い温 度に冷却した後、上記導電材料を上記温度より低い温度に維持しながら上記導電 材料の中に電流の流れを開始させることを含む方法。 7. MがBaでありそしてxが約0.40から約0.50である請求の範囲 第6項の方法。 8. MがSrでありそしてxが約0.40から約0.60である請求の範囲 第6項の方法。
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