JPH09502491A - 低延伸性形状安定性床カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 重合体含有第一裏張り（３）に保持された重合体含有パイル材料（２）を有し、その第一裏張りの裏面には下の第二裏張り層（５）が間挿接着剤層（４）によって保持されている、低延伸性形状安定性床カバー（１）。第二裏張り層（５）は、加熱により相互に固定した熱可塑性重合体含有連続繊維又はステープルファイバーの、ニードルされた繊維構造体からなる。接着剤層（４）は、熱の適用によって活性化される有機重合体含有結合剤からなる。本発明によれば、少なくとも第二裏張り層及び（又は）結合剤層は、実質的に再使用可能な材料からなる。形成した後、カーペットは所謂広幅織りローラー上に巻かれ、もし望むならば、部分的に切断してカーペットタイルにすることができる。従って、カーペットタイル及び広幅織り絨毯を同じ製造方法で製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 低延伸性形状安定性床カバー 〔技術分野〕 本発明は、第一裏張り層にパイル材料が保持され、その裏張り層の裏面には間 挿接着剤層によって下の第二裏張り層が維持されているものからなる低延伸性で 形状の安定な床カバーに関する。本発明は、更に、最初に述べた種類の床カバー を製造する方法に関し、その方法では最初の製造工程で、パイル材料が第一裏張 り層に保持されたものからなるウエブ状半製品材料が製造される。 〔背景技術〕 低延伸性で形状の安定な床カバーには、縦方向及び（又は）横方向に示す収縮 性及び（又は）膨張性が小さく、従って、使用中の湿度の変化及び熱衝撃に対し 高度に耐えることができるすみからすみまで広い一枚の(wall-to-wall)絨毯〔屡 屡広幅織り(broadloom)絨毯とも呼ばれている〕及びカーペットタイルが含まれ る。特に請負業務用(contract application)の分野では、カーペットタイルの形 状安定性は、今日ではそれらの構造のために、広幅織り絨毯のものよりもかなり 大きい。広幅織り絨毯の低い形状安定性を補うため、現在請負業務用では、永久 的接着剤によって下張り床に接着させている。カーペットタイルは、単に設置し 、粘着化剤によって接着するか、又はそれらの大きな重量により適所に単に保持 させればよい。 広い一枚絨毯として用いられた場合の既知の低延伸性形状安定性床カバーは、 第二裏張り層を有する第一裏張り層にパイル材料を保持させたものからなる半製 品材料を有し、その第二裏張り層は、例えば、天然ゴム、チョーク充填（炭酸カ ルシウム充填）ＳＢＲラテックス発泡体又はポリウレタン発泡体等からなってい る。これらの裏張り層は、通常２〜８ｍｍの厚さで適用されている。発泡裏張り 層は、それらが弾力性を持つため、非常に快適な歩行性を与える。更に、発泡裏 張り層は、良好な温度及び音遮断性を与える。 しかし、これらの既知の発泡裏張り層は、著しく悪い環境問題を与え、それは 現在の環境に優しく、再使用可能な製品に対する強い要望を考慮に入れると、特 に望ましくないものである。再使用できる製品とは、溶融して再び製造工程へ入 れることができる成分、又は焼却しても残留灰が殆ど０％になるような成分を含 む製品を意味する。発泡裏張り層は、屡々製造後も長い期間に亙って残留ガスを 放出し、その絨毯が敷かれた部屋の室内空気に害を与える危険性を有する。同時 に、次のような問題がある。床カバーを或る期間使用すると、発泡裏張り層が下 の床に非常によく粘着し、摩耗した床カバーを取り除こうとすると、屡々非常に 大きな領域の発泡裏張り層が床カバーから分離されてしまう。次に、発泡裏張り 層が付着して残ったその大きな領域を、新しい床カバーを床の上に敷くことがで きるようにするためには除去しなければならず、それは時間のかかる作業操作に なる。 しかし、発泡裏張り層を有する既知の床カバーの最も大きな欠点は、使用済み カーペットカバーを捨てることが簡単にはできず、それに伴う都合の悪い環境障 害を起こすことにある。例えば、摩耗した広い一枚絨毯の発泡チョーク充填ＳＢ Ｒラテックス裏張り被覆の場合には、実際には「エネルギー回収のない焼却」水 準を達成することができるだけで廃棄される。チョーク充填発泡裏張り層は、高 濃度の無機材料を含み、それらは焼却後灰として残る。 一般に既知のカーペットタイルは、所謂カーペット敷設企画事業として特に広 く用いられており、即ち、特に請負業務用及び工業的用途のためのカーペットと して用いられている。カーペットタイルとは、ここでは全ての条件下で連続的床 カバーを形成するのに充分な形及び大きさの安定性（例えば、ＴＮＯのような検 査機関によってその目的のために設定された基準に従って測定される）を有する １枚の規則的な形をしたカーペットのことであると理解されたい。 そのような用途では、カーペットタイルは、従来の広幅織りカーペットと比較 して大きな利点を有する。例えば、タイルは持ち上げ易く、従って、例えばコン ピューターや電気ケーブルを（再）設置するために床下の空間へ容易に到達でき るようにすることができる。カーペットタイルは、部屋の中で通常の活動を不必 要に妨害することなく、容易に敷くことができる。更に、カーペットタイルは簡 単なやり方で局部的に取り替えることができ、そのことは部屋の特定の部分が他 の部分よりも一層頻繁に使用されるような場合に有利である。それらは小型にす ることもでき、従って、持ち運びが簡単で、巻いたカーペットを運ぶのに大きな 問題を生ずるような高層オフィスビルディングでは特に持ち運びを簡単にするこ とができる。 既知のカーペットタイルには、通常比較的重い第二裏張り層が付けられており 、それらの形及び大きさの安定性を確実に与えるため接着剤層が与えられている 。第二裏張り層は一般にガラス補強ビチューメン(bitumen)又はガラス補強ＰＶ Ｃ被覆の強い被覆から作られている。従って、慣用的カーペットタイルの比重量 (specific weight)は、大略５ｋｇ／ｍ²に達する。 そのようなカーペットタイルの代表的な例はＥＰ０２７８６９０Ａ２に記載さ れている。良好な形状安定性、良好な据え付け平坦特性を有し、インライン製造 法で製造することができるカーペットタイルを与えるため、 第一裏張りシートに固定された繊維状摩耗表面、 前記第一裏張り表面上の、ホットメルトビチューメン又は石油樹脂組成物から なる第一前被覆(precoat)層、 前記第一被覆層に固定された第二前被覆層で、ビチューメンホットメルト組成 物からなる第二前被覆層、 ビチューメンホットメルト組成物からなる第三被覆裏張り層、及び カーペットに形状安定性を与え、第三被覆裏張り層へ固定された第二裏張りシ ート材料、 からなるカーペットタイルが示唆されている。形状安定性は、不織又は織ったガ ラス繊維スクリム(scrim)からなる第二裏張り、及びタイルの大きな全重量によ り達成されている。 形状安定性を更に改良するために、ＥＰ０４２０６６１Ａ２には、摩耗表面、 固体ホットメルト組成物からなる第一裏張り、及び多孔質ガラス繊維シート材料 、例えば、織物、不織ガラス繊維、及び多孔質繊維状シート材料の隣接した層か ら構成された第二裏張りからなり、繊維状シート材料をその第二裏張り層の外側 表面として用い、ホットメルト組成物がガラス繊維材料に浸透し飽和しているが 、前記繊維シート材料を結合するのに充分な程度に繊維状シート材料に部分的に し か浸透していないカーペットタイルが記載されている。典型的には、カーペット タイルは、第一裏張りがビチューメン又はビチューメン変性ホットメルト組成物 である繊維状カーペット材料からなる。第二裏張りは、多孔質軽量ガラス繊維織 物シート材料で、それ自体カーペットタイルに改良された形状安定性を与える材 料の別の隣接した層からなる。本発明によれば、ポリプロピレン不織シート材料 は、それ自体第二裏張りキャリヤーシートとしては満足できる材料ではない。 ＥＰ０５９０１８９Ａ１は、１９９２年１２月３０日に出願され、１９９４年 ４月６日にドイツ、フランス、英国、オランダに対し公告されている〔ＥＰＣ第 ５４（３）条〕。それは、ビチューメン／アスファルト裏張り部材又はＰＶＣ裏 張りを有する従来法のカーペットタイルの欠点を確認している。この発明の一つ の態様によれば、裏張り部材、及びその裏張り部材の上に形成された上層を有し 、その両方がプロピレン樹脂から作られているタイル型カーペットが与えられる 。好ましくはその上層は基礎織物層及びパイル層を含み、それらの両方がプロピ レン樹脂から製造されている。上層の一部分としてプロピレン繊維を挙げること ができるが、裏張り部材は、プロピレン、プロピレン及びエチレンブテン−１等 の単独重合体又は共重合体のいずれから作られていてもよいものとして記載され ているだけであり、それらはプロピレン樹脂の再生生成物からなっていてもよい 。無定形α−オレフィン共重合体を用いるのが好ましく、実際、特に記載されて いる一つの態様は、押出し成形支持部材である。この文献は、ニードルされた(n eedled)及び織物状裏張り部材については何も述べていない。 しかし、既知のカーペットタイルは、多数の欠点を有する。例えば、それらの 使用寿命が終わった時、タイルを廃棄及び処理することは、用いられた材料の性 質及び量のため大きな問題を起こす。それらを燃焼させると、ビチューメン含有 タイルの約６０重量％までのかなりの部分が灰の形で残る。 ＰＶＣ裏張り層を有するタイルのような製品を焼却するには、ＰＶＣが塩素を 含み、それが焼却中にエネルギーを発生する代わりにエネルギーを消費するため 、焼却中に大きなエネルギーを供給する必要がある。塩素も毒性のある腐食性ガ スで、容易に他の無機及び有機物質と反応し、そのためＰＶＣ裏張り層を有する 床カバーの焼却には、その焼却工程中に特別な環境対策を必要とする。 廃棄タイルの処理に伴う問題は将来一層緊急を要するものになることが予想さ れる。なぜなら、年間敷設及び取り替えられているカーペットタイルの膨大な数 に関し（ヨーロッパで約２００，０００ｔの重量を持つ四千万平方メートルを越 える）その環境に優しい処理に関する法律規制が近いうちに予想されるからであ る。 更に、比較的重量が大きいため、既知のカーペットタイルは比較的少量でしか 同時に運んだり敷設したりすることができない。更に、カーペット据え付け業者 の不法行為の危険性がかなりある。 前に述べたように、カーペットタイルと広幅織り絨毯の構造は完全に異なって いる。従って、カーペットタイルと広幅織り絨毯とは従来異なった方法により、 異なった型の製造装置で製造されてきた。これは、これら二種類の異なった製品 に対する使用条件に合うように今日までカーペット工業が用いなければならなか った上述の異なった材料によるものであった。カーペットタイルを製造するため に、ビチューメン又はＰＶＣとガラスとの比較的固くて重い裏張りが用いられて きており、或は広幅織り絨毯のためには、裏張りは従来比較的可撓性があり、カ ルシウム充填発泡体又は同等の材料から構成されてきた。従って、今までの所、 これら二種類のカーペットを一つの同じ方法で製造するように一体化することは 不可能であった。 ＥＰ０５４７５３３Ａ１により、敷設した時に屡々縦及び横方向に何％も延伸 し、然る後、その延伸可能な床カバーの縁を釘リスト等によって隣接するパネル へ固定する延伸可能な床カバーが知られている。第二裏張り層は、従来知られて いた発泡被覆の代わりに、織物結合により繊維構造体が埋め込まれるか又は覆わ れ、延伸可能な床カバーとして用いるための第二裏張り層に許容可能な強度特性 を与えるようにした裏張り層によって構成されている。織物結合とは、織物構造 体が、例えば下の強度付与用ウエブにニードルパンチされているか、又は繊維構 造体が、例えば既知のマリワット(Maliwatt)又はケッテンウィルク(Kettenwirk) 原理に従い、長手方向及び断面方向にステッチ又はループが与えられていること を意味する。しかし明細書は、既知のカーペットタイルと同じ形状安定性及び発 泡裏張り層を有する既知の床カバーと同じ強度及び形状安定性及び快適な歩行性 を有する低伸縮性及び形状安定性床カバーを製造することができるようにするた め、繊維構造体が長手方向及び断面方法に充分大きな形状安定性を持つようにし た裏張り層についての指針は与えていない。 〔発明の開示〕 従って、本発明の目的は、望ましくない発泡裏張り層を有する広幅織り絨毯及 びガラススクリム補強ＰＶＣ−又はビチューメン−含有裏張り層を有するカーペ ットタイルのような既知の床カバーと同じ強度及び形状安定性及び快適な歩行性 を有し、同時に使用済み床カバーを廃棄した時、望ましくない環境汚染を与えな いようにすることができる低延伸性及び形状安定性床カバーを与えることである 。新規な床カバーは、請負分野のような同じ分野で任意に用いられる広い一枚絨 毯及びカーペットタイルの両方として適用することができ、然も、広い一枚絨毯 についても或はカーペットタイルについても前述のような欠点を持たないように すべきである。 本発明による低延伸性形状安定性床カバーは、裏張り層が熱可塑性重合体含有 連続繊維又はステープルファイバーの、ニードルされた(needled)繊維構造体を 、その繊維構造体中の繊維材料の最低軟化温度に少なくとも相当する温度に加熱 することによりそれら繊維を相互に固定したものからなり、接着剤層が、熱を加 えることにより活性化し、前記繊維構造体中に含まれる繊維材料の大部分の溶融 温度よりも低い反応温度を有する有機重合体含有結合剤からなることを特徴とす る。 本発明による低延伸性形状安定性床カバーを製造する方法は、熱可塑性重合体 含有連続繊維又はステープルファイバーの、ニードルされた繊維構造体からなる ウエブ状第二裏張り層を、前記繊維構造体中の繊維材料の最低軟化温度に少なく とも相当する温度へ加熱し、ウエブ状半製品材料の裏側を前記ウエブ状第二裏張 り層と、接着剤層（予め被覆した結合剤層）を間に入れながら接合し、然も、そ の接着剤層は前記繊維構造体中に含まれる繊維材料の大部分の溶融温度よりも低 い反応温度を有し、熱を加えることにより活性化する有機重合体含有結合剤から なることを特徴とする。 それによって達成されるものとして、ニードルされた繊維構造体の第二裏張り 層を有し、広い一枚絨毯又はカーペットタイルのどちらについて話す場合でも、 従来の望ま しくない裏張り層を有する既知の床カバーと同じ縦方向、横方向、及び断面方向 の強度及び安定性を有し、更に快適な歩行性も有する低延伸性形状安定性床カバ ーを製造することができる。本発明は、既知の床カバーと比較して、廃棄した時 の環境問題を完全に無くしている。このことは、本発明によるこれら二種類の床 カバー製品が今度は同じなので、広い一枚絨毯及びカーペットタイルの両方につ いて当て嵌まる。 本発明により、広い一枚カーペットとしても、或はカーペットタイルとしても 任意に用いることができる床カバーを同じ装置で製造できることは思いもよらな かったことである。 ＥＰ０２７８６９０Ａ２、ＥＰ０４２０６６１Ａ２、及びＥＰ０５９０１８９ Ａ１に記載されているタイルの実質的な厚さ及び構造を考慮すると、幅広織絨毯 及びカーペットタイルの両方として適した満足できる床カバーを、ビチューメン 、ガラス繊維等の多数の層を使わずに得ることができると言うことは非常に驚く べきことである。環境的利点及び材料消費量減少等の外、本発明は、今までカー ペットタイルを製造する立場にはなかった広幅織り絨毯製造業者にとっても大き な商業的価値のあるものである。本発明は、現在存在する装置を用いて適用する ことができ、比較的僅かな投資で、広幅織り絨毯製造業者にカーペットタイル市 場へ参入する機会を与えるものである。 第二裏張り層は、連続繊維又はステープルファイバーの、ニードルされた熱可 塑性繊維ウエブをその繊維の軟化温度まで加熱し、それによってそれら繊維を一 緒に接着して、繊維が互いに固定された三次元的に機械的に相互に結合された繊 維構造体を有する裏張り層を形成することによって製造する。三次元的に配向し た繊維は、押し付けられたり緩められたりしている間（歩行効果）引張り力に抵 抗し、それらの元の繊維構造体へ幾らか戻る。この性質は再び立ち上がる能力（ レジリエンス）と呼ばれている。本発明による繊維構造体では、個々の繊維は互 いに結合及び固定され、三次元的繊維構造体を形成しており、それは、繊維が互 いに機械的に維持されているだけで、従って、押し付けられた時に互いにずれ落 ち、その結果安定性が著しく減少し、再び立ち上がる能力が急速に失われて行く 繊維構造体とは対照的なものと見ることができる。三次元的繊維構造体を相互に 固定するこ とにより、第二裏張りの安定性及び快適性が向上する。 繊維構造体に熱を加える場合、それは繊維構造体の一方の側又は両側をカレン ダー掛けすることにより行うか、繊維構造体を通して熱風を吹き付けることによ り行うか、又はそれら二つの熱処理方法を組合せて行うことができる。熱の適用 は、ＩＲ輻射線、即ち赤外線による処理、又は同様な方法により行うこともでき る。 繊維構造体は、２０〜２００ｍｍの長さ、及び１．５ｄｔｅｘ〜５０ｄｔｅｘ の繊維の太さを有する連続繊維又はステープルファイバーのどちらからなってい てもよい。４０〜１１０ｍｍの範囲の繊維長さ及び３．３〜２０ｄｔｅｘの繊維 太さを持つステープルファイバーが一番よく選択されている。第二裏張り層の繊 維構造体の重量は、本質的に７０ｇ／ｍ²〜１０００ｇ／ｍ²、特に１００ｇ／ｍ² 〜６００ｇ／ｍ²の範囲にある。最も重い裏張り層は、特に大きな快適歩行性が 要求される用途のカーペットに用いられる。 繊維構造体は、１００％純粋又は混合物として用いられる種類の繊維からなっ ていてもよく、種々の厚さ及び長さを有する。例えば、繊維構造体は、ウール、 木綿、亜麻又はジュートのような天然繊維、及びポリアミド、ポリエステル、ポ リオレフィン（ポリプロピレン及びポリエチレン）、又はポリアクリレートを基 にした重合体及び共重合体のような合成繊維の混合物からなっていてもよい。適 用可能な共重合体は、例えばテレフタル酸及び種々のポリグリコール及び（又は ）他の芳香族カルボン酸及びアルコールを基にしたものでもよい。適用可能な共 重合体は、２、３、又は４種類の異なったポリアミド、例えばポリアミド６、ポ リアミド６，６、及びポリアミド１２からなっていてもよい。現在好ましい熱可 塑性重合体はポリプロピレンである。 繊維構造体に充分な安定性及び強度を得るために、少なくとも２５％の熱可塑 性重合体の繊維含有量を通常持たせなければならない。熱可塑性重合体の量が多 くなる程、形状安定性は大きくなる。 即ち、第二裏張り層の快適な歩行性及び再び立ち上がる能力の両方に関して、 繊維構造体が１００％同じ熱可塑性重合の繊維を含むか、又は同じ重合体群か、 又は異なった種類の重合体の中に入るが、異なった軟化温度を有する熱可塑性重 合体の混合物からなる繊維を含有する場合に、精密な結果が得られている。例え ば、中に含まれている低い軟化温度を有する重合体の繊維は、含まれている残り の繊維に対する熱的結合を増大するのに用いることができる。 最も低い軟化温度及び融点を有する繊維は、熱を加えている間、結合剤として 働くが、一層高い軟化温度を有する繊維はそのままになっている。種々の繊維の 間の軟化温度の差は、上記性質を利用したい場合には、通常少なくとも１０℃な ければならない。 本発明によれば、繊維構造体は、二種類の異なった繊維材料の組合せから製造 され、それら個々の繊維の芯が一方の種類の繊維材料から構成され、表面が変性 された又は他の種類の繊維材料から構成されている繊維からなっていてもよい。 本発明により有機重合体含有結合剤からなる接着剤層は、重合体粒子の水溶液 であるエマルジョン結合剤でもよく、或はホットメルト／粉末接着剤としても知 られている熱可塑性結合剤から１００％なっていてもよい。結合剤は化学的に反 応性で、例えば、ポリスチレンブタジエン、ポリアクリレート、ポリスチレンア クリレート、ポリビニルアセテート、共ポリアミド、共ポリエステル、又はニト リルブタジエンの重合体及び（又は）共重合体からなっていてもよく、更に熱可 塑性充填剤を含んでいてもよい。ポリオレフィン、ポリエステル、又はポリアミ ドの重合体及び（又は）共重合体からなる熱可塑性結合剤の場合には、それは製 造中懸濁物として分散させパスタ（pasta）状にしてもよく、或はそのまま用い てもよい。現在好ましい結合剤はＳＢＲ−ラテックス、及びポリエチレン充填剤 を含むポリアクリル系ラテックスである。 エマルジョン結合剤の場合、毛細管作用による移動により半製品材料の第一裏 張り層の裏側へ拡散し、更に第二裏張り層の繊維構造体の上側へ拡散し、続く熱 の適用中、その結合剤が活性化し、精密な保持を達成する。特に、第二裏張り層 の繊維構造体の表面が未処理で重ねられている場合、結合剤の良好な浸透が達成 され、従って、結合剤が良好に保持される。 第二裏張り及び接着剤層の材料は、防水性重合体であるのが好ましい。このこ とは、使用中のカーペットが水分及び熱の変動に曝された時、大きさが変化しな いので有利である。カーペットカバーの安定性は、その重量が比較的小さいまま 確実に与えられる。裏張り構造体（結合剤及び接着剤層）の重量が少なく、カー ペットを容易に巻き上げることができると言うことは、更にその製造に関し新し く有利な可能性を与える結果になる。 本発明によれば、裏張り及び結合剤層の固さ及び材料を、このようにして形成 されたカーペットが、カーペットタイル及び広い一枚カーペットの両方の用途と して充分な安定性をもち、比較的小さな重量をもち、形成後、カーペットを所謂 広幅織りローラーに巻き、部分的にカーペットタイルへ切断することができるよ うに選択する。 半製品層と第二裏張り層との間の特に強い接着は、結合剤と第二裏張り層の繊 維構造体との間の相乗的安定化効果を確立することにより得ることができる。そ のような相乗的効果は、例えば、繊維の重合体が互いに異なった軟化温度を持つ ような繊維を含み、結合剤反応温度が、少なくとも繊維構造体中の最初に溶融す る繊維重合体の溶融温度とその軟化温度との間に存在するような、繊維構造体に より与えることができる。それによって、繊維構造体の表面に浸透した結合剤が 反応し、前記最初に溶融した繊維と一緒になって結合する。それにより繊維構造 体と結合剤の両方が接着に寄与する。同時にカーペットカバーの安定性を与える 強度が得られる。 カーペットの機械的形状安定性に関連して、本発明の第二裏張り及び接着剤（ 前被覆及び結合剤）によって与えられる前記有意義な性質の外に、それらは気候 の変化に関し、カーペットの形状安定性にとっても非常に重要である。 気候による形状安定性に関する主な問題の一つは、半製品材料が、例えば、ポ リアミド又はウール「パイル材料」からなる半製品材料が、形状安定性第一裏張 り上に構成されている場合でも、温度及び湿度の変化により収縮及び伸びを起こ すと言うことである。 この形状安定性に関する問題は、「背景技術」で述べたガラス繊維補強層又は ビチューメン又はＰＶＣの重い裏張り層を使用することにより従来は解決されて いた。 本発明によるカーペット構造により、反対に、防水性重合体でカーペットの安 定化部分を浸潤（saturation）させる。これらの重合体による浸潤は、新しいカ ーペットの全ての態様で、湿分の浸透による安定性の劣化を防ぐのに充分なもの である。 第二裏張りが非水分吸収性材料からなり、接着剤層の主要部分が、その結合後 、非水分吸収性重合体からなる場合に特に良好な形状安定性が得られている。前 述したように、半製品材料の裏側及び第二裏張りへ浸透する接着剤層により浸潤 される。カーペット構造体の浸潤は、防水性膜を形成するのに充分なものにする ことができ、或はカーペットを通って或る空気が浸透できるようにするのにも丁 度充分なようにすることができる。 請負業務用では、カーペットは、実際上接着剤層及び第二裏張り層中主に熱可 塑性及び非水分吸収性材料を基礎にしているであろう。 上で述べたことから、同じ種類の熱可塑性重合体が繊維及び接着剤としてかな りの程度まで適用できることが分かる。当業者は、余計な実験を行うことなく、 例えば、繊維、ホットメルト接着剤、又は接着剤のための熱可塑性充填剤が望ま しいか否かにより、適切な溶融特性を持つようにするため、適切な成分を選択す ることができるであろう。典型的には、正確な配合は、特定の性質に従い製造業 者により選択される。 本発明により、床カバーを捨てる際に特別な環境的利点が得られる。全床カバ ーの構成、即ち、パイル、第一裏張り層、接着剤及び裏面が有機重合体から作ら れている場合、使用済み床カバーはエネルギー回収を伴う制御された焼却により 焼却することができる。上で述べたように、それは、例えば、ポリエステル、ポ リアミド、ポリアクリレート等の純粋な熱可塑性重合体及び共重合体、及び（又 は）亜麻、木綿、ジュート、及びウールのような天然材料、及びそれらの組合せ の場合でもよい。多くの国では、デンマークのように、使用済みカーペット床カ バーのような廃棄物を捨てる場合にはエネルギー回収を伴う焼却が利用される。 本発明により、使用済み床カバーを溶融するか、又はそれを化学的に処理し、 後で新しい繊維床カバー或は他の製品を製造するのに用いることができるように する特に有利な方法の可能性も与えられている。これに関連してパイル、第一裏 張り層、結合剤、及び第二裏張り層からなる全床カバー構造体を、リサイクル可 能な互いに相容性のある材料から製造することができる。例えば、１００％ポリ オレフィン（ポリエチレン／ポリプロピレン）、１００％ポリエステルを基礎に した床カバー構造体、又はポリアミドを基礎にした構造体を使用することができ る。もし結合剤を１００％熱可塑性重合体から構成すれば、特に有利であろう。 〔図面の簡単な説明〕 次に、種々の態様及び図面を参照して本発明を一層詳細に説明する。図中、 第１図は、第一裏張り層が、織った材料からなる場合の本発明による床カバー の概略的断面図を示す。 第２図は、第１図の場合と同じやり方で、第一裏張り層が不織繊維構造体から なる場合の別の態様を示す。 第３図は、床カバーを製造する本発明による方法の工程を示す図である。 第４図は、本発明によるカーペットタイルの一部分を通る断面図である。 第５図は、本発明による製造方法の一例を概略的に示す図である。 第６図〜第１２図は、更に下で述べるように、本発明による床カバーに適用可 能な重合体材料の代表的選択を行うための示差走査熱量分析（ＤＳＣ）曲線を示 す図である。 〔本発明の詳細な説明〕 第１図及び第２図に示した床カバー１及び１′の場合には、ウエブ状半製品材 料を最初の製造工程で製造し、その材料は、重合体含有パイル材料２及び２′が 重合体含有第一裏張り層３及び３′に保持されたものからなる。本明細書の最初 に述べたように、パイル材料及び第一裏張り層の両方が、天然繊維及び合成繊維 の両方、又はそれらの混合物からなっていてもよい。第１図に示した態様では、 第一裏張り層３は織った第一裏張り層によって構成され、パイル材料はループパ イル２である。第２図に示した態様では、第一裏張り層３′は繊維構造体、例え ば、既知の紡糸結合した繊維構造体によって構成されており、パイル材料はカッ トパイル２′である。 ウエブ状半製品材料２、３、又は２′、３′は、本発明に従い、夫々間挿接着 剤層４、４′によって下の第二裏張り層５、５′に結合されており、同時に熱を 適用することにより夫々ウエブ状床カバー１、１′を形成する。ウエブ状床カバ ーは、希望の大きさを持つ広い一枚絨毯又はカーペットタイルへ後で切断する。 熱の適用により活性化された有機重合体含有結合剤４、４′は、夫々、繊維構 造体に含まれる繊維材料の大部分についての溶融温度よりも低い反応温度を有す る。熱を加えることにより結合剤を６０〜２５０℃の範囲の温度に加熱し、その 熱の適用は勿論結合剤の反応温度に依存するが、以下に説明するように、繊維構 造体中の繊維材料の種類の大部分についての溶融温度に適合する。 前に述べたように、エマルジョン結合剤は、重合体粒子を水溶液中に入れた形 にすることができ、そのエマルジョン結合剤は化学的に反応性の結合剤と熱可塑 性結合剤のグループに分けることができる。化学的反応性のエマルジョン結合剤 は、ポリスチレンブタジエン、ポリアクリレート、ポリスチレンアクリレート、 ポリビニルアセテート、及びニトリルブタジエンの基礎重合体及び共重合体を基 にすることができる。熱可塑性エマルジョン結合剤に関し、それらはパスタ状に 懸濁物内に分散した熱可塑性物である。それらの熱可塑性物は、ポリオレフィン 、ポリエステル、ポリアミド等の重合体及び共重合体を基にしたものでもよい。 この種の結合剤は、特に床カバー及び複合構造体中の材料をリサイクルできるよ うにしたい場合に用いられる。例えば、ポリエチレン含有結合剤は、カーペット 構造体がポリプロピレン及び（又は）ポリエチレン繊維を含有する場合に用いら れる。 接着剤もポリオレフィン、ポリエステル、及びポリアミドの重合体及び共重合 体を基にした１００％純粋な熱可塑性物の形で存在していてもよい。熱可塑性物 を、乾燥状態の半製品材料及び第二裏張り層の繊維構造体上に適用する。幾つか の異なった適用及び積層方法、例えば、粉末適用又は溶融適用（ホットメルト） を利用することができる。 粉末適用では、熱可塑性結合剤は粉末の形でウエブ状半製品材料とウエブ状第 二裏張り層との間に適用され、然る後、それらの層に熱衝撃を与えて一緒にプレ スし、熱可塑性物を活性化し、溶融し、二つの層を接着し、最終的ウエブ状床カ バー材料にする。 溶融適用では、熱可塑性結合剤を加熱して液体状にし、それをウエブ状半製品 材料と第二裏張り層との間に、例えば、押出しにより配置し、それを次に一緒に 、例えば、ローラーの間でプレスする。続く冷却で液体結合剤は硬化し、二つの 層 は一緒に固定された状態に維持され、最終的ウエブ状床カバー材料になる。 １００％熱可塑性材料からなる結合剤を用いるのが、特に床カバーが互いに相 容性があり、従って、リサイクル可能な材料から構成する場合には有利である。 更に、接着剤層が１枚ずつ重ねた幾つかの層から作ることができることを示す ことは重要である。例えば、ポリエチレン充填剤を含有するポリアクリルラテッ クスの層を前被覆層として配置し、然る後、ポリエチレンのホットメルト層又は 粉末接着剤層を第二接着剤層として配置することができる。別の例は、前の結合 剤層（ホットメルト又は粉末層）よりも低い粘度を有する前被覆としてホットメ ルト層を適用することである。 次に第二裏張り層５、５′の構成について夫々説明する。 裏張り層の典型的な構造は、８０％のポリプロピレン繊維が約５〜１５ｄｔｅ ｘで６０〜１００ｍｍの長さを有し、２０％が７〜２０ｄｔｅｘで６０〜１００ ｍｍの長さを有する延伸高密度ポリエチレン繊維である、約３００ｇ／ｍ²の重 量を有する繊維構造体である。その繊維構造体を通して約１１０〜１４０℃の熱 風を吹き込むことにより非延伸ＨＤＰＥ繊維は軟化し、約３０％収縮する。ポリ プロピレン繊維はその熱風を吹き込んでいる間影響を受けない。ＨＤＰＥ繊維は ＰＰ繊維の周りに収縮し、それに接着し、それによって繊維構造体中で固定され る。然る後、繊維構造体の裏面をカレンダー掛けしてもよい。それによって水平 方向の安定性と同様、垂直強度及び形状安定性の両方を有する繊維構造体が形成 される。 第二裏張り層の別の典型的な態様として、繊維構造体は１００％ポリプロピレ ン繊維からなり、６００ｇ／ｍ²の重量を有する。この場合、ポリプロピレンの 広い分子量分布が利用される。即ち、短い分子鎖のものが最初に軟化し、繊維を 一緒に接着し、固定するのに利用する。 第二裏張り層の精密な強度及び形状安定性は、このようにして構造体中の繊維 を相互固定により達成される。裏面のカレンダー掛けは、繊維材料が抜けてほぐ れることなく、均一な表面を与えるのに役立つ。それによって最終的床カバー材 料は、両面接着テープ、粘着化剤、又は接着剤のような現在存在する接着方法に よって下の床又は基礎に接着固定することができる。均一な表面であることの別 の利点は、裏面に目で見て均等な織物状表面が与えられており、そのことが販売 及び取引に関連してその最終的床カバーを一層独占的なものにするのに役立つこ とである。 第二裏張りに凹凸を付けたり、印刷したりすることも、床カバーの目で見た外 観を改良する手段になることがある。 本発明による構造を有する広幅織り絨毯を敷設することにより、多くの利点が 与えられる。本発明の広幅織り絨毯はカーペットタイルと同様な形状安定性を有 し、均一な表面を有すると言うことにより、永久的接着剤によって下張り床に広 幅織り絨毯を接着するような今日用いられている方法とは対照的に、粘着化剤を 用いてそれを敷設することができる。現在永久的接着剤が用いられている理由は 、チョーク等を含む広幅織りカーペットは温度及び湿度の変化により膨張及び収 縮すると言うことにある。粘着化剤をそのようなカーペットに用いると、不安定 になり、後でしわが生ずることがある。本発明による広幅織り絨毯を敷設する際 に粘着化剤を用いると、結合剤の量が少なくてすみ、使用後、結合剤を容易に除 去することができると言うことによりコストを大きく節約することができる。従 って、永久的接着剤の除去、平坦化、及び下張り床の補修に関連した問題は起き ない。 低い表面及び遷移(transition)電気抵抗、例えば、１０⁹Ωより小さな電気抵 抗が要求される床カバーをそのように利用するためには、繊維構造体を電気伝導 し易い繊維と混合するか、電気伝導し易い液体を含浸させてもよいことを述べて おきたい。鋼繊維又は銅及びニッケル被覆繊維を５％位使用することにより、或 は伝導し易い液体を約０．８％まで繊維構造体に含浸させることにより、裏張り に、ＤＩＮ５４３４５に従って測定して１０⁶Ωまでの低い表面遷移電気抵抗を 与えることができる。 カーペットタイル１１（第４図）は、第二裏張り層１２、結合剤層１３、及び 最上層１４からなる。最後の層は第一裏張り層１５及びその中に編み込んだ糸１ ６からなる。第二裏張り層１２及び結合剤層１３は比較的可撓性で軽く、夫々再 使用可能な材料、例えば、再使用可能な重合体からなる。 第二裏張り層１２及び（又は）結合剤層１３の再使用可能な重合体は防水性に することができる。タイル１１の形及び大きさの安定性は、第二裏張り層１２及 び（又は）結合剤層１３の材料が実際的に湿分を吸収しないので、かなり増大し ている。裏張り１２は、この目的のために例えば、不織ポリプロピレンから製造 することができ、一方結合剤としてラテックスとポリエチレンとの混合物を用い ることができる。結合剤成分の正確な混合比は、特定のカーペット構造で特定の 性質が得られるように変えることができる。混合物の例は、例えば、４０％のＳ ＢＲラテックスと６０％のポリエチレンを含んでいる。タイル１１の安定性を増 大するため、その最も重要な性質に関連して、第二裏張り層１２に非常に近い材 料を第一裏張り層１５に用いるのが好ましい。この場合、紡糸結合ポリエステル の第一裏張り層１５を選択するのが適切である。上記材料は、更に大部分再使用 することができ、従って、投棄又は燃焼のための廃棄量が既に著しく減少してい る安定なカーペットタイル１１を与えるのみならず、それらはタイル重量自体の かなりの減少を与え、それによって廃棄量を更に一層減少させる結果を与えてい る。安定で処理し易く、軽いタイル１１が得られる材料及び層の厚さの別の組合 せも、勿論考えることができる。 第二裏張り層１２の比重量は、上記材料を用いることによって例えば３００ｇ ／ｍ²程度にすることができるが、結合剤層１３は例えば約９００ｇ／ｍ²の比重 量を持っていてもよい。ここで、この態様の第二裏張り層１２及び結合剤層１３ は一緒になって全タイル重量の３５〜７０％を占める。なぜなら、数ｍｍの厚さ を持つ典型的な最上層１４が、５００〜２，０００ｇ／ｍ²程度の比重量（この 態様では、糸１６についてほぼ１，１００ｇ／ｍ²、第一裏張り１５については 約１００ｇ／ｍ²）を有するからである。従って、カーペットタイル１１の比重 量は、合計で大略２．４ｋｇ／ｍ²になり、従って慣用的カーペットタイルの約 半分である。第二裏張り１２及び（又は）結合剤層１３のために再使用可能な材 料を選択することにより、使用及び焼却後に残った捨てる量は、最初の材料の２ ００ｇ／ｍ²より少ない。 カーペットタイル１１の材料が比較的可撓性で軽いため、巻き上げるのが簡単 である。それによりカーペットを広幅織りローラー上に巻くことが可能になり、 それを広幅織りカーペットとして、又はカーペットタイルとしてどちらでも供給 することができ、それによって例えば、部屋の床の比較的使用されない部分を広 幅織りカーペットで当てがい、部屋の一層頻繁に使用される部分、例えば通路に は同様なカーペットタイルを敷き、或る期間後、それを容易に取り替えることが できるようにすることができる。それによってカーペット敷設費用をかなり節約 することができ、然も、廃棄材料の量をこのようにして著しく減少させることが できる。 カーペットをこのような二つの形態で製造することができる製造方法を、第５ 図に概略的に示してある。ここで、ローラー１７及び１８に夫々巻かれた別々に 形成された第二裏張り１２及び最上層１４を、結合剤層１３を排出口２１を有す る貯槽２０から最上層１４に先ず適用した後、互いに重ねて二つの加圧ローラー １９の間に通す。加圧ローラー１９の間で得られたカーペット２２は、任意に加 熱又は乾燥した後、最終的に広幅織りローラー２３上に巻き、後の段階で任意に 部分的に切断してカーペットタイル１１にする。このようにして製造業者は、簡 単で安価なやり方で二つのよくマッチした製品、即ち、広幅織り絨毯と、それか ら切断した同じカーペットタイルを供給することができる。 次の実施例では、第二裏張り層の繊維構造体の特定の構成を与える： １．１ 重量： ３００ｇ／ｍ² 材料： １００％ポリプロピレン（第６図ＤＳＣ曲線） 繊維混合物： ５／１１／１５ｄｔｅｘ、６０／７０／８０／９０ｍｍ 熱処理： １５０〜１９０℃の温度範囲で裏面上をカレンダー掛け。 １．２ 重量： ３００ｇ／ｍ² 材料： ７０％ポリプロピレン（第６図ＤＳＣ曲線）及び ３０％ポリエチレン（第７図ＤＳＣ曲線） 繊維混合物： ポリプロピレン５／１１／１５ｄｔｅｘ、６０〜１００ｍｍ ポリエチレン７〜２０ｄｔｅｘ、６０〜１００ｍｍ 熱処理： Ａ）１３０〜１５０℃の温度範囲で熱風を吹き込む Ｂ）１４０〜１８０℃で裏面上をカレンダー掛け。 １．３ 重量： ６００ｇ／ｍ² 材料： ７０％ポリエステル（ＰＥＴ、第８図ＤＳＣ曲線）及び ３０％共ポリエステル（第９図ＤＳＣ曲線） 繊維混合物： ポリエステル７／１５ｄｔｅｘ、６０〜８０ｍｍ 共ポリエステル６，７ｄｔｅｘ、６０〜８０ｍｍ 熱処理： Ａ）１５０〜２３０℃の温度範囲で熱風を吹き込む Ｂ）２００〜２６０℃で裏面上をカレンダー掛け。 １．４ 重量： ６００ｇ／ｍ² 材料： ７０％ポリアミド６及び ２０％共ポリアミド（第１０図ＤＳＣ曲線） 繊維混合物： ポリアミド６、５／１１／１５ｄｔｅｘ、６０／８０ｍｍ 共ポリアミド４，２／１１ｄｔｅｘ、５０／８０ｍｍ 熱処理： １２０〜２２０℃の温度範囲でＩＲ照射 次の実施例では、本発明による床カバーの好ましい態様を与える： ２．１（５／３２ゲージ ループパイル） パイル材料： １００％ポリプロピレン、フィラメントヤーン、 ６５０ｇ／ｍ² 第一裏張り層： １００％ポリプロピレン、織物、１２０ｇ／ｍ² 第二裏張り層： 例１．１と同じであるが、重量は一層大きく、例えば、４５ ０ｇ／ｍ² 全重量： １６２０ｇ／ｍ²、第１図参照 廃棄量： 溶融により材料リサイクリング。 ２．２（１／８ゲージ カットパイル） パイル材料： １００％ポリエステル、紡糸ヤーン、８００ｇ／ｍ² 第一裏張り層： １００％ポリエステル、紡糸結合、１２０ｇ／ｍ² 接着剤層： １００％共ポリエステル溶融接着剤〔スイス、ドマ・エムズ （Domat-Ems）のエムズ・ケミー（Ems Chemie）により商標 名グリルテックス（Griltex）１１として供給されている〕 ４００ｇ／ｍ² 第二裏張り層： １００％ポリエステル、５００ｇ／ｍ² 全重量： １８２０ｇ／ｍ²、第２図参照 廃棄量： 溶融及び化学的処理により部分的材料リサイクリング。 ２．３（１／１０ゲージ カットパイル） パイル材料： １００％ポリアミド、フィラメントヤーン、 １１００ｇ／ｍ² 第一裏張り層： １００％ポリアミド、織物、１４０ｇ／ｍ² 接着剤層： 共ポリアミドに基づくペースト接着剤（スイス、ドマ・エム ズのエムズ・ケミーにより商標名グリルテックス８として供 給されている）、２５０ｇ／ｍ² 第二裏張り層： １００％ポリアミド、６００ｇ／ｍ²、又は例１．４と同じ 全重量： ２０９０ｇ／ｍ²、第１図参照 廃棄量： 溶融及び化学的処理により部分的材料回収。 ２．４（１／４ゲージ ループパイル） パイル材料： １００％ポリアミド、フィラメントヤーン、 １０００ｇ／ｍ² 第一裏張り層： １００％ポリプロピレン、織物、１２０ｇ／ｍ² 接着剤層： 〔ベルギー、テセンデルロのダウ・ベネルックス（Dow Benelux）により供給されている〕ポリエチレン充填剤含有 カルボキシル化スチレンアクリレート共重合体に基づく変性 前被覆（precoat）８００ｇ／ｍ²及び変性結合剤４８０ ｇ／ｍ² 第二裏張り層： 例１．１と同じ 全重量： ２７００ｇ／ｍ²、第１図参照 廃棄量： 焼却によりエネルギー回収。 ２．５（１／１０ゲージ カットパイル） パイル材料： １００％ウール、１１００ｇ／ｍ² 第一裏張り層： １００％ポリプロピレン、織物、１２０ｇ／ｍ² 接着剤層： （ベルギー、テセンデルロのダウ・ベネルックスにより供給 されている）ポリエチレン充填剤含有カルボキシル化スチレ ンブタジエン共重合体に基づく変性前被覆７５０ｇ／ｍ²及 び変性結合剤４５０ｇ／ｍ² 第二裏張り層： 例１．１と同じ 全重量： ２７２０ｇ／ｍ²、第１図参照 廃棄量： 焼却によりエネルギー回収。 ２．６（１／８ゲージ カットパイル） パイル材料： １００％ポリアミド、フィラメントヤーン、 １１００ｇ／ｍ² 第一裏張り層： １００％ポリエステル、紡糸結合、１２０ｇ／ｍ² 接着剤層１： （ダウ・ベネルックスにより供給されている）カルボキシル 化スチレンアクリレート共重合体に基づく変性前被覆、 ４５０ｇ／ｍ² 接着剤層２： １００％ポリプロピレン溶融接着剤（ヒュールズ／ダウによ り供給されている）、２００ｇ／ｍ² 第二裏張り層： １．１と同じであるが、重量は一層大きく、例えば、６００ ｇ／ｍ²、４５０ｇ／ｍ² 全重量： ２３２０ｇ／ｍ²。 ２．７（５／３２ゲージ ループパイル） パイル材料： １００％ポリプロピレン、フィラメントヤーン、 ６００ｇ／ｍ² 第一裏張り層： １００％ポリプロピレン、織物、１００ｇ／ｍ² 接着剤層１： （ダウ・ベネルックスにより供給されている）カルボキシル 化スチレンアクリレート共重合体、充填剤としてポリエチレ ン、に基づく変性前被覆、４００ｇ／ｍ² 接着剤層２： １００％ポリエチレン溶融接着剤（ヒュールズ／ダウによ り供給されている）、２００ｇ／ｍ² 第二裏張り層： １．１と同じであるが、重量は一層大きく、例えば、４５０ ｇ／ｍ²、３００ｇ／ｍ² 全重量： １６００ｇ／ｍ²。 ２．８（１／１０ゲージ カットパイル） パイル材料： １００％ポリアミド、紡糸ヤーン、８００ｇ／ｍ² 第一裏張り層： １００％ポリエステル、紡糸結合、１２０ｇ／ｍ² 接着剤層１： （ダウ・ベネルックスにより供給されている）カルボキシル 化スチレンアクリレート共重合体、充填剤としてポリエチレ ン、及び３００部の水酸化アルミニウムに基づく変性前被覆 、６００ｇ／ｍ² 接着剤層２： １００％ポリエチレン溶融接着剤（ヒュールズ／ダウによ り供給されている）、２００ｇ／ｍ² 第二裏張り層： １．１と同じであるが、重量は一層少なく、例えば、４５０ ｇ／ｍ²、６００ｇ／ｍ² 全重量： ２３２０ｇ／ｍ²。 ２．９（１／８ゲージ クロスオーバーカット） パイル材料： １００％ポリアミド、フィラメントヤーン、 １０００ｇ／ｍ² 第一裏張り層： １００％ポリエステル、紡糸結合、１２０ｇ／ｍ² 接着剤層１： （ダウ・ベネルックスにより供給されている）カルボキシル 化スチレンアクリレート共重合体、充填剤としてポリエチレ ン、及び２００部の水酸化アルミニウムに基づく変性前被覆 、６００ｇ／ｍ² 接着剤層２： １００％ポリエチレン粉末接着剤（ヒュールズ／ダウによ り供給されている）、２００ｇ／ｍ² 第二裏張り層： １．１と同じであるが、重量は一層少なく、例えば、３００ ｇ／ｍ²、４５０ｇ／ｍ² 全重量： ２３７０ｇ／ｍ²。 前に述べたように、繊維構造体は二種類の異なった繊維材料の組合せから作る られ（二成分繊維）、個々の繊維の芯が一方の種類の繊維材料から構成され、表 面が他方の種々の繊維材料から構成されているのが有利である。例えば、ポリプ ロピレン芯及びポリエチレン表面を有する繊維を用いることができる。この型の 典型的な繊維のＤＳＣ曲線は第６図に示されている。約２５６℃の融点を有する ポリエステル芯、及び約２２５℃の融点を有するポリエステルを用いたポリエス テル繊維を利用することもでき、この型の典型的な繊維についてのＤＳＣ曲線は 第７図に示されており、或は例えば、１４０℃の融点を有する別のポリエステル 組成物を用いた繊維を利用することもできる。 例２．１〜２．９による態様の床カバーの試料を試験し、ＩＳＯ ３４５５１ ／１−１９８１（Ｅ）に従って、デンマーク技術協会(Danish Technological In stitute)による慣用的ビチューメンタイルと比較し、６００℃で全て焼却した時 の残留灰％を決定する検討を行なった。結果の代表的例を表Ａに示す。 本発明の考えから離れることなく、多くの変更を行うことができる。例えば、 第二裏張り層が、加熱することにより相互に固定された熱可塑性重合体含有繊維 の、ニードルされた繊維構造体からなり、接着剤が熱の適用により活性化される 重合体含有結合剤からなる限り、床カバーの複合体層に多くの異なった材料の組 合せを用いることができる。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年９月２６日 【補正内容】 請求の範囲 １．広い一枚絨毯（広幅織り絨毯）及びカーペットタイルの両方として適用す ることができ、カーペットタイル、特に請負いカーペット敷設のための仕様に従 った気候変化に対する形状安定性を示し、広幅織りローラーに巻き取ることがで きる低延伸性床カバー材料（１）において、 第一裏張り層（３）、 前記第一裏張り層（３）にパイル材料（２）を保持させて形成した最上層（２ 、３）、 本質的に非水分吸収性熱可塑性連続繊維又はステープルファイバーの、ニード ルされた繊維構造体で、その繊維構造体中の繊維材料の最も低い軟化温度に少な くとも相当する温度へ加熱することによって相互に固定された繊維の構造体から なる下の第二裏張り層（５）、 を有し、 然も、前記第二裏張り層（５）は、前記第一裏張り層（３）の裏面に有機重合 体含有結合剤からなる間挿接着剤層（４）により保持されており、前記結合剤は 、熱の適用によって活性化され、前記繊維構造体中に含まれる繊維材料の大部分 についての溶融温度よりも低い反応温度を有し、前記結合剤はその結合後、本質 的に非水分吸収性であり、 前記第二裏張り層（５）が７０〜１０００ｇ／ｍ²の比重量を有し、前記第二 裏張り層（５）及び前記接着剤層（４）は一緒になって最大１，８００ｇ／ｍ² の比重量を有する、 床カバー材料。 ２．第二裏張り層が、１００〜６００ｇ／ｍ²、好ましくは３００〜６００ｇ ／ｍ²の比重量を有する、請求項１に記載の床カバー材料。 ３．熱可塑性繊維材料が、ポリオレフィン、好ましくはポリプロピレン、及び ポリエチレン；ポリエステル、ポリアミド、及びポリアクリレート、及びそれら の組合せからなる群から選択されている、請求項１に記載の床カバー材料。 ４．熱可塑性繊維材料が、少なくとも二種類の異なった繊維材料で、最も低い 軟化温度を有する種類の繊維材料と、第二に低い軟化温度を有する種類の繊維材 料との間に、少なくとも１０℃の軟化温度差を有する種類の繊維材料からなる、 請求項１に記載の床カバー材料。 ５．繊維構造体が、二種類の異なった繊維材料の組合せにより製造された熱可 塑性繊維（二成分繊維）で、個々の繊維の芯が一方の種類の繊維材料から構成さ れ、表面が別の種類の繊維材料によって構成されている繊維からなる、請求項１ に記載の床カバー材料。 ６．接着剤層（４）に用いられている結合剤が、重合体粒子の水溶液によって 構成されたエマルジョン結合剤である、請求項１に記載の床カバー材料。 ７．結合剤が化学的に反応性であり、ポリスチレンブタジエン、ポリアクリレ ート、ポリスチレンアクリレート、ポリビニルアセテート、又はニトリルブタジ エンのいずれかの重合体及び（又は）共重合体からなる、請求項６に記載の床カ バー材料。 ８．化学的に反応性の結合剤が熱可塑性充填剤を更に含む、請求項７に記載の 床カバー材料。 ９．接着剤層（４）に用いられる結合剤が、懸濁物に分散してペーストを形成 した熱可塑性物からなる、請求項６に記載の床カバー材料。 １０．接着剤層（４）に用いられた結合剤が、熱可塑性粉末接着剤、又は熱可 塑性ホットメルト接着剤である、請求項１に記載の床カバー材料。 １１．熱可塑性物が、ポリオレフィン、ポリエステル、又はポリアミドのいず れかの重合体及び（又は）共重合体からなる、請求項８〜１０のいずれか１項に 記載の床カバー材料。 １２．間挿接着剤層（４）が、パイル材料（単数又は複数）の第一裏張り層（ ３）への保持を改良するための第一接着剤層（前被覆層）と、第二裏張り層（５ ）の前記第一裏張り層（３）への保持を確実にするための第二接着剤層（結合剤 層）の両方からなる、請求項１に記載の床カバー材料。 １３．前被覆層が、任意に熱可塑性充填剤を含む、水性エマルジョン結合剤か らなる、請求項１２に記載の床カバー材料。 １４．結合剤が、ポリアクリルラテックス、ＳＢＲラテックス、又はスチレン アクリレートラテックスで、任意にポリエチレン充填剤を含むものである、請求 項１２に記載の床カバー材料。 １５．第二接着剤層が、溶融接着剤、好ましくはポリプロピレン、ポリエチレ ン、又は共ポリエステル溶融接着剤である、請求項１２に記載の床カバー材料。 １６．第二接着剤が、熱可塑性粉末接着剤、好ましくはポリエチレン粉末接着 剤である、請求項１２に記載の床カバー材料。 １７．第二接着剤が、水性エマルジョン結合剤、好ましくはポリエチレン充填 剤を含むカルボキシル化スチレンブタジエン共重合体ラテックスである、請求項 １２に記載の床カバー材料。 １８．第二裏張り層（５）、接着剤層（４）、第一裏張り層（３）を有する最 上層（２、３）からなり、然も、前記第二裏張り層（５）及び（又は）前記接着 剤層（４）が実質的に再使用可能な材料からなる、請求項１に記載の床カバー材 料。 １９．再使用可能な材料が重合体である、請求項１８に記載の床カバー材料。 ２０．再使用可能な材料が防水性である、請求項１８又は１９に記載の床カバ ー材料。 ２１．第二裏張り層（５）が、ポリプロピレンからなり、接着剤層（４）がポ リエチレンからなる、請求項１〜２０のいずれか１項に記載の床カバー材料。 ２２．最上層（２、３）が、第一裏張り層（３）及びそこに縫い付けた糸（２ ）からなり、前記第一裏張り層（３）及び第二裏張り層（５）が夫々不織シート により形成されている、請求項１〜２１のいずれか１項に記載の床カバー材料。 ２３．第一裏張り層（３）が、ポリエステルからなる、請求項２４に記載の床 カバー材料。 ２４．請求項１に記載の床カバー材料（１）を製造する方法において、 第一裏張り層（３）に保持されたパイル材料（２）からなるウエブ状半製品材 料を最初に製造し、 本質的に非水分吸収性熱可塑性連続繊維又はステープルファイバーの、ニード ルされた繊維構造体からなる、７０〜１０００ｇ／ｍ²の比重量を有するウエブ 状第二裏張り層（５）を、前記繊維構造体中の繊維材料についての最も低い軟化 温度に少な くとも相当する温度へ加熱し、繊維の相互固定を行い、 前記ウエブ状半製品材料（２、３）の裏側を前記ウエブ状裏張り層（５）に、 接着剤層（４）を、前記第二裏張りと前記接着剤との比重量が１８００ｇ／ｍ² を超えない量で間に入れることにより接合し、然も、前記接着剤層が、前記繊維 構造体中に含まれる繊維材料の大部分についての溶融温度よりも低い反応温度を 有する有機重合体含有結合剤からなり、そして熱を適用することによって前記結 合剤を活性化し、 前記形成された床カバー材料（１）を冷却して本質的に非水分吸収性結合接着 剤層（４）を与え、 前記材料（１）を広幅織りローラーへ巻き取り、そして任意に前記材料を全体 又は部分的に切断してカーペットタイルにする、 諸工程からなる床カバー材料製造方法。 ２５．ウエブ状第二裏張り層（５）を、本質的に１１０℃〜２６０℃の範囲内 の温度にカレンダー掛けすることにより加熱する、請求項２４に記載の方法。 ２６．ウエブ状第二裏張り層（５）を、本質的に１１０℃〜２６０℃の範囲内 の温度に熱風を吹き付けることにより加熱する、請求項２４に記載の方法。 ２７．ウエブ状第二裏張り層（５）を、本質的に１００℃〜２６０℃の範囲内 の温度に赤外線照射により加熱する、請求項２４に記載の方法。 ２８．ウエブ状半製品最上層（２、３）の裏面か、又は第二裏張り層（５）の 上面に結合剤を予め適用した後、それらを接合することにより、結合剤層を間に 入れる、請求項２４に記載の方法。 ２９．間挿接着剤層（４）が、第一接着剤層（前被覆層）及び第二接着剤層（ 結合剤層）からなり、然も、前記第一前被覆層を最初に最上層（２、３）の裏側 へ適用し、然る後、前記第二結合剤層を第二裏張り層へ適用してから、それらを 接合する、請求項２４に記載の方法。 ３０．最終的に製造されたウエブ状床カバー材料（１）を、少なくとも進行方 向を横切って切断し、例えば、カーペットタイルとして用いられる、希望の大き さの床カバー片を形成することを更に含む、請求項２４に記載の方法。 ３１．第一裏張り層（３）を有する最上層（２、３）を形成し、第二裏張り層 （５）を形成し、両者を一緒にし、結合剤（４）をそれらの間に入れ、前記最上 層（２、３）と前記第二裏張り層（５）とを相互に接合することにより床カバー 材料（１）を製造し、然も、前記第二裏張り層（５）及び結合剤層（４）の固さ 及び材料が、そのようにして形成された床カバー材料がカーペットタイルとして 適用するのに充分な気候変化に対する形状安定性を有し、比較的軽い重量をもち 、床カバー材料を形成した後、それを所謂広幅織りローラー上に巻き、部分的に 切断してカーペットタイルにすることができるように選択されている、請求項２ ４に記載の方法。 ３２．請求項１〜３１のいずれか１項に記載の床カバー材料の、粘着化剤を使 用した下張り床への敷設。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 ０８／１６６，３７９ (32)優先日 1993年12月14日 (33)優先権主張国 米国（ＵＳ） (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ)，ＡＭ，ＡＴ， ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｚ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ， ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＬ，Ｎ Ｏ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＩ ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 マッドセン，ヨルゲン ベック デンマーク国 ディーケイ ― 9000 オ ールボルグ，スト．ティブ．，アエロガデ ３ (72)発明者 ニィガールド，モゲンス オベセン オランダ国 エヌエル ― 6714 エルエ ス エデ，ランゲホルスト 12

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．低延伸性形状安定性床カバー（１）において、 第一裏張り層（３）、 前記第一裏張り層（３）に保持されたパイル材料（２）、 熱可塑性重合体含有連続繊維又はステープルファイバーの、針で縫った繊維構 造体で、その繊維構造体中の繊維材料の最も低い軟化温度に少なくとも相当する 温度へ加熱することによって相互に固定された繊維の構造体からなる下の第二裏 張り層（５）、 を有し、 然も、前記第二裏張り層（５）は、前記第一裏張り層（３）の裏面に有機重合 体含有結合剤からなる間挿接着剤層（４）により保持されており、前記結合剤は 、熱の適用によって活性化され、前記繊維構造体中に含まれる繊維材料の大部分 についての溶融温度よりも低い反応温度を有する、 床カバー。 ２．熱可塑性重合体含有繊維材料の含有量が、第一裏張り層（５）の繊維構造 体の少なくとも２５％を占める、請求項１に記載の床カバー。 ３．熱可塑性重合体含有繊維材料が、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリア ミド、ポリエチレン、それらの共重合体、及びそれらの組合せからなる群から選 択されている、請求項１に記載の床カバー。 ４．熱可塑性重合体含有繊維材料が、少なくとも二種類の繊維材料で、最も低 い軟化温度を有する種類の繊維材料と、第二に低い軟化温度を有する種類の繊維 材料との間に、少なくとも１０℃の軟化温度差を有する種類の繊維材料からなる 、請求項１に記載の床カバー。 ５．繊維構造体が、二種類の異なった繊維材料の組合せにより製造された繊維 （二成分繊維）で、個々の繊維の芯が一方の種類の繊維材料から構成され、表面 が別の種類の繊維材料によって構成されている繊維からなる、請求項１に記載の 床カバー。 ６．接着剤層（４）の結合剤が、重合体粒子の水溶液によって構成されたエマ ルジョン結合剤である、請求項１に記載の床カバー。 ７．結合剤が化学的に反応性であり、ポリスチレンブタジエン、ポリアクリレ ート、ポリスチレンアクリレート、ポリビニルアセテート、又はニトリルブタジ エンの重合体及び（又は）共重合体からなる、請求項６に記載の床カバー。 ８．化学的に反応性の結合剤が熱可塑性充填剤を含む、請求項７に記載の床カ バー。 ９．結合剤が熱可塑性であり、製造中、懸濁物に分散してペーストにされる熱 可塑性物からなる、請求項６に記載の床カバー。 １０．結合剤が熱可塑性であり、製造中、粉末の形で適用されるか、又は製造 中、加熱されて液体物質（ホットメルト）になる、請求項１に記載の床カバー。 １１．熱可塑性物が、ポリオレフィン、ポリエステル、又はポリアミドの重合 体及び（又は）共重合体からなる、請求項８〜１０のいずれか１項に記載の床カ バー。 １２．第二裏張り層（５）が、７０〜１０００ｇ／ｍ²の重量を有する、請求 項１に記載の床カバー。 １３．第二裏張り層、接着剤層、及び第一裏張り層を有する最上層を有するカ ーペットタイルにおいて、少なくとも前記第二裏張り層及び（又は）前記結合剤 層が、実質的に再使用可能な材料からなることを特徴とするカーペットタイル。 １４．再使用可能な材料が重合体である、請求項１３に記載のカーペットタイ ル。 １５．再使用可能な材料が防水性である、請求項１３又は１４に記載のカーペ ットタイル。 １６．第二裏張り層がポリプロピレンからなり、結合剤層がポリエチレンから なる、請求項１〜１５のいずれか１項に記載のカーペットタイル。 １７．最上層が第一裏張り層及びそこに縫い付けた糸からなり、前記第一裏張 り層及び第二裏張り層が夫々不織シートにより形成されている、請求項１〜１６ のいずれか１項に記載のカーペットタイル。 １８．第一裏張り層がポリエステルからなる、請求項１７に記載のカーペット タイル。 １９．第二裏張り層及び結合剤層が一緒になって、最大１，８００ｇ／ｍ²の 比重量を有する、請求項１〜１８のいずれか１項に記載のカーペットタイル。 ２０．請求項１に記載の床カバーを製造する方法において、 第一裏張り層（３）に保持されたパイル材料（２）からなるウエブ状半製品材 料を最初に製造し、 熱可塑性重合体含有連続繊維又はステープルファイバーの、針で縫った繊維構 造体からなるウエブ状第二裏張り層（５）を、前記繊維構造体中の繊維材料につ いての最も低い軟化温度に少なくとも相当する温度へ加熱し、そして 前記ウエブ状半製品材料（２、３）の裏面を、前記繊維構造体中に含まれる繊 維材料の大部分についての溶融温度よりも低い反応温度を有し、熱の適用によっ て活性化される有機重合体含有結合剤からなる接着剤層（４）を間に挿入するこ とにより前記ウエブ状裏張り層（５）と接合する、 諸工程からなる床カバー製造方法。 ２１．ウエブ状第二裏張り層（５）を、温度が１１０℃〜２６０℃の範囲内に 本質的に存在するカレンダー掛けにより加熱する、請求項２０に記載の方法。 ２２．ウエブ状第二裏張り層（５）を、１１０℃〜２６０℃の範囲内に本質的 に存在する温度まで熱風を吹き付けることにより加熱する、請求項２０に記載の 方法。 ２３．ウエブ状第二裏張り層（５）を、１１０℃〜２６０℃の範囲内に本質的 に存在する温度まで赤外線を照射することにより加熱する、請求項２０に記載の 方法。 ２４．ウエブ状半製品層（２、３）の裏面か、又は第二裏張り層（５）の上面 に結合剤を予め適用した後、それらを接合することにより、結合剤を間に挿入す る、請求項２０に記載の方法。 ２５．最終的に製造されたウエブ状床カバー（１）を、少なくとも進行方向を 横切って切断し、例えば、カーペットタイルとして用いられる、希望の大きさの 床カバー片を形成することを更に含む、請求項２０に記載の方法。 ２６．第一裏張り層を有する最上層を形成し、第二裏張り層を形成し、両者を 一緒にし、結合剤をそれらの間に入れ、前記最上層と前記第二裏張り層とを相互 に接合することによりカーペットを製造する方法において、前記第二裏張り層及 び結合剤層の固さ及び材料を、そのようにして形成されたカーペットがカーペッ トタイルとして適用するのに充分な安定性を有し、比較的軽い重量をもち、カー ペットを形成した後、それを所謂広幅織りローラー上に巻き、部分的に切断して カーペットタイルにすることができるように選択されていることを特徴とする、 カーペット製造方法。 ２７．請求項１〜２６のいずれか１項に記載のカーペットの、粘着化剤を使用 した下張り床への敷設。