JPH09502022A - 顔用ファンデーション製品のオーダーメード化方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 顧客への販売時に顔用ファンデーション製品をオーダーメード化する方法および装置を提供する。三つの基本モジュールは、肌の性質を測定する肌分析装置、その測定結果を受信し、それを予めプログラムされた処方の組み合わせの最適な処方に相関させるプログラマブル装置、および種々の化粧品用化学組成物から顔用ファンデーション製品を調製する調合機である。調合機はプログラマブル装置から最適な処方に関する命令を受信する。この処方は異なる化粧品用化学組成物を含む一連のディスペンサから受容びんへ投入調合される。最適な処方は顧客の希望に応じて選択された最適な処方の手動修正により変更することができる。

Description

【発明の詳細な説明】顔用ファンデーション製品のオーダーメード化方法および装置 発明の背景 発明の分野 本発明は顧客への販売時における顔用ファンデーション製品のオーダーメード 化方法および装置に関する。関連技術 顔用化粧品の購入にあたって、最適な色合いを選択することは顧客が最も関心 をもつことである。当業界の多くの会社はこの選択方法のより簡素化を追及して いる。クリニークとクラリオンはセールスカウンターに顧客が使用するコンピュ ーターを設置している。色合い、油性およびその他の顧客の肌の性質の情報をコ ンピューターに入力し、コンピューターはその会社の最も良く適合している製品 を決定する。 別の販売戦略のポイントとしては得意客用調合が採用されている。プレスクリ プティブ（エスティーローダーの１部門）とビサージュ（レブロンの１部門）の 大手二社は販売の始めに被験者の肌の色のマニュアル評価をする。販売員が既製 のファンデーションを評価した肌の色に合うように調整する。残念なが ら、得意客用調合には多くの欠点がある。最も顕著な欠点は調整に時間がかかり すぎることで、３０〜４５分かかることもある。多くの場合、肌への適合性およ び再現性に乏しく、販売員に対する多大な訓練を必要とする。 特許文献では、米国特許第４８７１２６２号（クラウスら）は選択された添加 物を化粧用基剤に混合する自動化粧品調合方法を開示している。この方法は小売 店での使用を目的としている。類似の方法がドイツ特許第４１１０２９９Ｃ１号 （アートマン）に開示されているが、これにはさらに顔用センサーの要素が導入 されている。上記の方法はこの技術分野を発展させたが、製品の引き渡しの速さ と確実性の面から商業的に受け入れられるためにはさらなる工夫が必要になって きている。 したがって、本発明の目的は、肌の性質を特定の最適な処方に適合させるため に要する時間を短縮する方法および装置を提供することにある。 本発明の別の目的は、正確で再現性のある方法で肌の性質を最適な化粧品の処 方に適合させるための方法および装置を提供することである。 本発明の別の目的は、販売員が適当な製品を選択するために 最低限の訓練しか必要としない肌の性質を最適な化粧品の処方に適合させるため の方法および装置を提供することである。 本発明の別の目的は、肌の性質を最適な化粧品の処方に適合させ、迅速にかつ 高い確実性をもって選択された化粧製品を分配するための方法および装置を提供 することである。 本発明の上記その他の目的は、下記の概要、図面および詳細な説明を検討する ことによりさらに容易に明らかになるであろう。発明の概要 (i) 色調を測定する装置を顧客の肌に接近させて顧客の自然の肌の色調を測定す る段階と、 (ii)測定した情報をプログラマブル装置に送信し、予めプログラムされている処 方に相関させて最適な顔用ファンデーションの処方を選択する段階と、 (iii) 選択された予めプログラムされている処方を作業指示としてその処方を自 動的に調整する調合機に転送する段階と、 (iv)少なくとも一種の顔料を含有する、選択された予めプログラムされている処 方の情報に従って選ばれた、複数の化粧品用化学組成物を一緒に調合機で調合す る段階と、 (v) 顧客向けに調合された処方を顔用ファンデーション製品として容器に投入す る段階とを含む、 顧客への販売時に顔用ファンデーション製品をオーダーメード化する方法を提供 する。 (i) 顧客の自然の肌の色調を測定し、測定された自然の肌の色調の情報を送信す るための信号を発信する装置、 (ii)その信号を受信し、その信号を予めプログラムされている処方の組み合わせ の一つに相関させ、その予めプログラムされている組み合わせから最適な処方を 選択するプログラマブル装置、および (iii) (a) １組の作業指示として最適な処方を受信する機構、 (b) 少なくとも一種の顔料を含有する異なる化粧品用化学組成物を別々に含む複 数のディスペンサ、 (c) 作業指示によって決定されたある化粧品用化学組成物をある濃度で共通の調 合チャンバで調合することを促進する機構、および (d) 顧客向けに顔用ファンデーション製品として調合された処方を容器に投入す る機構 を含む顔用ファンデーション製品を調製するための調合機、 を備える、顧客への販売時に顔用ファンデーション製品をオーダーメード化する ための装置も提供する。 自然の肌の色調だけでなく、保湿性、油性、きめおよび刺激感受性などの種々 の肌の特質を測定してもよい。測定装置は分光光度計であってもよい。一つまた はそれ以上の発光ダイオードが分光光度計のセンサ部分を構成してもよい。発光 ダイオードに関して可視および赤外波長光線がともに利用できる。 少なくともいくつかの化粧品用化学組成物は単色の乳剤であることが好ましい 。最も好ましくは調合機が赤、黄、黒および白の単色組成物を別々に含む少なく とも四つのディスペンサを有するものであることである。各々のディスペンサに 、または単色乳剤の成分として、肌軟化剤、日焼け止め、保湿剤、香料、溶剤お よびしわ／肌老化防止剤を含有していてもよい。 各々のオーダーメードされた顔用ファンデーション製品に識別記号を付しても よい。その記号はプログラマブル装置に保存し、その顧客を永久的に識別するだ けでなく、容器にラベルを貼ってもよい。バーコードによる記号付けが特に有用 である。図面の簡単な説明 本発明の特徴および利点は唯一の図であるオーダーメード化方式を示している 図面を参照することによってより完全に理解されるであろう。詳細な説明 本発明による方式は三つの基本モジュールを有する。これらのモジュールは電 気肌分析装置、予めプログラムされた処方を含むコンピュータ、および化粧品用 化学組成物の分配／調合機からなる。これらのモジュールは互いに電気的に接続 することができる。 肌分析モジュールは好ましくは手で持って操作できる分光光度計であり、少な くとも一つ、好ましくは四つ以上の発光ダイオード（LED ）で動作するものであ る。好適な肌分析装置は日本のミノルタカメラ社（ミノルタ分光光度計 CM-200 2）およびカラーアソシエーツ（分散光／分散視）スペクトロフォトメータから 市販されている。 この装置の二番目の必須要素はプログラマブル装置であり、肌分析装置とは別 のモジュールであっても、一緒に収容されていてもよい。このプログラマブル装 置は特定の顔用ファンデー ション製品のための少なくとも２５の、好ましくは数百の、最適には数千の顔用 ファンデーションの処方のプレプログラムメニューを有する。 この装置の三番目の基本モジュールは調合機である。この機械は各々異なる化 粧品用化学組成物を含む一連のディスペンサを有する。各ディスペンサは共通の 調合チャンバにそれぞれの配管を通して接続する。電気制御板もこの機械の一部 である。この制御板は分配すべき最適な処方に関する電気的命令をプログラマブ ル装置から受け取る。また、この機械は各ディスペンサの排出バルブを操作する サーボ機構を内蔵する。選択された最適な処方に応じて、必要なバルプが開き、 その開口時間は分配される特定の化粧品用化学組成物の必要量に応じて制御され る。好ましくは、調合チャンバは顧客に直接提供することができる使い捨ての小 分け容器の形であり、包装されたびんである。この機械はまた調合された最適な 処方の量を調節することができるものである。 この機械に記号付け機構がついていてもよく、調合機に一緒に収容されている ことが好ましい。記号付け機構は、例えば、顧客の氏名、社会保険番号および／ または他の身分証明など、 肌測定方法により選択された最適な化粧品と関連づけるために数字で表せるもの であればどのようなものでも利用することができる。好ましくは記号付けはバー コード記号により行われる。 顧客が予めプログラムされた最適な処方を変更したいと思うことも時々あるか もしれない。そのためには顧客の希望をキーボードからプログラムに入力できる モジュールがさらに追加される。 この装置をかなり概略して表したものを図に示す。図中、顧客１が示されてお り、その顔の肌を肌分析装置２で測定している。その測定結果または信号は電気 的にライン４を介してプログラマブル装置６に送信される。そこで肌の測定結果 と相関させるために予めプログラムされた処方の組み合わせが検討される。そし て、最適の処方が決定され、その情報はライン８を通して制御装置１２に接続し ている調合機１０に送信される。サーボ機構式装置１４は最適な処方に関する情 報に連動して作動する。 特定の顔用ファンデーションが必要である場合、それぞれのディスペンサから 投入される単色組成物を混合することによって最適な色合いが提供される。これ らのディスペンサは四つの 単色、すなわち、赤１６、黄１８、黒２０および白２２、のうちのどれか１色を 示す化粧品用化学組成物を含有する。これらの色は典型的にはそれぞれの酸化鉄 顔料（例えば、赤酸化鉄、黄酸化鉄または黒酸化鉄）を含有させることにより得 られる。白は酸化チタンから得られる。 サーボ機構式装置１４はそれぞれのディスペンサに付属している一連のバルブ を操作し、適量の各単色組成物を投入する。投入は共通の調合チャンバ２６に連 結している配管機構２４を通して行われる。調合チャンバは顧客へ販売するため に用意されている空の化粧びんとして表されている。 保湿組成物Ｍ’または調節仕上剤Ｍ”も別のディスペンサ２８、３０から調合 チャンバ２６へ導入することができる。オーダーメードされた顔用ファンデーシ ョン製品３２は顧客の検査を受ける。顧客による変更は端末キーボード３６から 打ち込みで命令を送ることによって予めプログラムされた最適な処方を変更する ようプログラマブル装置６に入力できる。そして、変更された顔用ファンデーシ ョン最終製品が分配、混合、びん詰めされる。化粧びん３２にはコーダー３４か ら印刷されたバーコードを貼付する。 化粧製品のオーダーメード化方法は下記のように行われる。顧客の顔のある部 分を測定に先立ってきれいにしておく。LED 装置をきれいにした顔の部分に接近 させる。LED が照射する可視光線が肌表面で反射し、変化した波長を測定する。 首／あごの線に沿って全部で３回測定する。測定にかかる総時間は約３０秒であ る。 収集した波長情報はその後プログラマブル装置に送信される。この装置のプロ グラムはLED の測定値を予めプログラムされた最適な処方と相関させる。この処 方の情報は調合機の制御装置に送信される。この情報はディスペンサへの作動指 示に翻訳される。選択された化粧品用化学組成物とその量は小分け容器用に調合 される。最初は５−１０ｍｌの試作品がつくられ、確認のため顧客に渡される。 色合いの変更等処方のどのような必要な変更も端末キーボードからプログラマブ ル装置へと打ち込みによりプログラムされる。そして、再度指示が調合機の制御 装置へ送られ、調製されたサンプルが分配混合され、全量が空の容器びんに投入 される。色合いと処方の情報を含んだバーコードがサンプルに貼付される。販売 した化粧品の処方の情報は中央コンピューターに保存される。その後いつでも、 顧客は購入 店または他のこの機構にアクセスできる店へ再び訪れることができる。バーコー ドの情報に基づいて、全く同一の最適な処方を詰め替え用に調製することができ る。 本発明の方法は相対的に、例えば、色合いなどの、無数の異なる非常に多様な 化粧用調合品を調製することを可能にする。これらの製品は販売時において新た に製造されるため、保存中の沈殿や分解を回避することができる。最も重要な点 は、多くが売れ残るであろう、多くの異なった色合いの化粧品の在庫を維持する 必要がないことである。さらに、この方法はある特定の色合いまたは処方を売れ ないからといって中止することはないことを保証する。オーダーメードされた処 方はこの方式が設置されている場所ならどこででも入手可能である。 上記の説明は本発明の選択された態様を例示するものであり、このことから当 業者は変更修正することを考えつくであろうが、このような変更修正も本発明の 意図および範囲に含まれるものである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ)，ＡＭ，ＡＴ， ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｚ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＴ，ＬＵ， ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，Ｐ Ｌ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 カストロ，ジヨン・リチヤード アメリカ合衆国、コネチカツト・06880、 ウエストポート、ベイベリー・レーン・ 128 (72)発明者 ペトロ，パメラ・アン アメリカ合衆国、コネチカツト・06484、 シエルトン、ジヨナサン・レーン・21 (72)発明者 スウエダ，ジヨン・アンソニー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07675、リバー・ベイル、オレンジバー グ・ロード・683

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．(i) 色調を測定する装置を顧客の肌に接近させて顧客の自然の肌の色調を測 定する段階と、 (ii)プログラマブル装置に測定した情報を送信し、その情報を予めプログラムさ れている処方に相関させて最適な顔用ファンデーションの処方を選択する段階と 、 (iii) 選択された予めプログラムされている処方を作業指示としてその処方を自 動的に調整する調合機に転送する段階と、 (iv)少なくとも一種の顔料を含有する、選択された予めプログラムされている処 方の情報にしたがって選ばれた、複数の化粧品用化学組成物を一緒に調合機で調 合する段階と、 (v) 顧客向けに調合された処方を顔用ファンデーション製品として容器に投入す る段階とを含む、 顧客への販売時に顔用ファンデーションをオーダーメード化する方法。 ２．肌の色調に加えて、顧客の自然の肌の保湿性、油性、きめおよび刺激感受性 の中から選ばれる少なくとも一つの肌の特徴の測定結果を得る段階をさらに含む 請求の範囲第１項に記載の 方法。 ３．色調を測定する装置が肌に作用する可視および／または赤外波長光線を測定 する分光光度計である請求の範囲第１項または第２項に記載の方法。 ４．前記複数の化粧品用化学組成物が、それぞれ別のディスペンサに入っており 、赤、黄、黒および白の色を有する少なくとも４種の組成物を含み、また前記複 数の化粧品用化学組成物が任意に肌軟化剤、日焼け止め、保湿剤、香料、溶剤、 およびしわ／肌老化防止剤の中から選ばれた成分を含有する請求の範囲第１項か ら第３項のいずれか一項に記載の方法。 ５．選択された最適調合を変更するために得意客が修正を入力する段階を更に含 む請求の範囲第１項から第４項のいずれか一項に記載の方法。 ６．さらに、識別記号、好ましくはバーコードを各オーダーメードされた顔用フ ァンデーション製品に付し、容器にその記号を貼付し、永久的にそのオーダーメ ードされた顔用ファンデーション製品で顧客を識別するためにプログラマブル装 置にその識別記号を保存する段階を含む請求の範囲第１項から第５項のいずれか 一項に記載の方法。 ７．(i) 顧客の自然の肌の色調を測定し、測定された自然の肌の色調に関する情 報を送るための信号を発信する装置であって、また任意に、顧客の自然の肌の保 湿性、油性、きめおよび刺激感受性の中から選ばれる少なくとも一つの肌の特徴 を測定することができる装置、 (ii)その信号を受信し、その信号を予めプログラムされている処方の組み合わせ の一つに相関させ、その予めプログラムされている組み合わせから最適な処方を 選択するプログラマブル装置、および (iii)(a)１組の作業指示として最適な処方を受信する手段、 (b) 少なくとも一種の顔料を含有する異なる化粧品用化学組成物を別々に含む複 数のディスペンサ、 (c) 作業指示によって決定されたある化粧品用化学組成物をある濃度で共通の調 合チャンバで調合することを促進する手段、および (d) 顧客向けに調合された処方を顔用ファンデーション製品として容器に投入す る手段、 を含む顔用ファンデーション製品を調製するための調合機 を備える、顧客への販売時に顔用ファンデーション製品をオ ーダーメード化する装置。 ８．測定装置が肌に作用する可視および／または赤外波長光線を測定する分光光 度計である請求の範囲第７項の装置。 ９．測定装置によって発信された信号に修正を入力する顧客用装置をさらに含む 請求の範囲第７項または第８項に記載の装置。 １０．識別記号、好ましくはバーコードを各オーダーメードされた顔用ファンデ ーション製品に付与する装置および永久的にその識別記号で顧客を識別するため にプログラマブル装置にその記号の記録を保存する装置を含む請求の範囲第７項 から第９項のいずれか一項に記載の装置。