JPH09501914A - セレクチン結合性糖ペプチド - Google Patents
セレクチン結合性糖ペプチドInfo
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Abstract
(57)【要約】
請求項1に示すように一般構造式(I)で示され、官能基の呈示のための三次元的に安定な立体配置、遊離のカルボン酸基を有するアミノ酸またはペプチドに共有結合したフコースまたはその類似体またはその誘導体を有し、これら官能基とセレクチン上のレセプターとの間の結合を容易にする糖−アミノ酸または糖ペプチド。構造式(I)の糖ペプチドは、炎症を治療するために患者に投与することができる。
Description
【発明の詳細な説明】
セレクチン結合性糖ペプチド発明の技術分野
本発明は、一般に医薬化学の分野に関し、好ましくは、1または2以上のセレ
クチン(E−セレクチン、L−セレクチンおよびP−セレクチン)に結合する能
力によって特徴付けられる医学的に有用な糖アミノ酸(glyco-amino acids)ま
たは糖ペプチドを合成および同定する方法に関する。発明の背景
炭水化物−タンパク質相互作用は、多くの生物学的プロセスの基礎をなす(ク
ラーク(Clarke A.E.)およびウイルソン(Wilson,I.A.)編(1988)
、Carbohydrate−protein interactions(スプリンガー、ハイデルベルク);
およびリーナー(Liener)ら(1986)、The Lectins:Properties,Fun ctions
and Applications in Biology and Medicine(アカデミア、オーラン
ド、フロリダ))。生理学的に関連する認識における炭水化物の役割は広く考察
されている(ブランドリー(Brandley)ら、J Leuk Biol(1986)40
:97;およびシャロン(Sharon)ら、Science(1989)246:227
)。たとえば、細胞−表面は細胞−細胞接着(スプリンガーら、Nature(19
90)346:425)およびリンパ組織によるリンパ球接着(ストゥールマン
(Stoolman,L.M.)、Cell(1986)56:907)などのプロセスを媒
体する。炭水化物認識は、代謝および細胞構造の維持において本質的な役割を果
たしている多糖、糖タンパク質および糖脂質の酵素的合成および分解の中心であ
る。
腫瘍関連糖脂質が、胎児組織およびCML細胞を含む種々のヒト癌において報
告されている(フクダ(Fukuda)ら、J Biol Chem(1986)261:2
376;マグナニ(Magnani)ら、J Biol Chem(1982)257:143
65;ハコモリ(Hakomomri)ら、Biochem Biophys Res Comm(1983)113
:791)。このことから、これら構造が多くの発達過程および発癌過程
において重要であるという仮説が導かれることになった(マグナニら、J Biol Chem
(1982)257:14365)。これら炭水化物のほとんどは、一層少
量で正常ヒト組織にも認められているが(フクシ(Fukushi)ら、J Exp Med
(1984)160:506)、今までのところ、これら構造の機能については
何ら報告されていない。
剌激された血管内皮への循環している好中球の接着は、炎症応答の最初の事象
である。この相互作用に、L−セレクチン(gp90MEL、Leu8)、P−セレ
クチン(GMP−140、PADGEM)およびE−セレクチン(ELAM−1
)を含む推定レクチンのファミリーを含む幾つかのレセプターが関与している(
ゴング(Gong)ら、Nature(1990)343:757;ジョンストン(John
ston)ら、Cell(1989)56:1033;ジオフリー(Geoffrey)ら、J Cell Biol
(1989)109:2463;ラスキー(Lasky)ら、Cell(1
989)56:1045)。これらレセプターは、それぞれ、カルシウム依存性
レクチンと相同な配列を有するドメインを含有している。レセプターgp90MEL
は炭水化物を認識することが示されている(ジオフリーら、J Cell Biol(1
989)109:2463参照)。これらレセプターに対する内生リガンドの特
徴付けが開始されている(1992年9月1日に発行された米国特許第5,14
3,712号を参照、本明細書中に参照のため引用される)。
E−セレクチンすなわちELAM−1は、IL−1またはTNFに応答して内
皮細胞上で一過性の発現を示すため特に興味深い(ベビラクア(Bevilacqua)
ら、Science(1989)243:1160)。この誘発発現の時間経過(2〜
8時間)は、感染および損傷に応答した最初の好中球管外遊出における該レセプ
ターの役割を示唆している。さらに、ベビラクアらは(ベビラクアら、Proc N atl Acad Sci USA
(1987)84:9238)、ELAM−1レセプタ
ーをコードするcDNAを含むプラスミドがトランスフェクションしたCOS細
胞にヒト好中球またはHL−60細胞が接着するであろうことを示している。
幾つかの他のグループが、ELAM−1リガンド(該リガンドはまたLECA
M−2リガンドとしても言及されている)に関する論文を出版している。ロウエ
(Lowe)ら(1990)は、HL−60細胞変異体とトランスフェクション細
胞株とのLECAM−2依存性接着と、そのシアリルルイスx(sialyl Lewis
x)オリゴ糖、Neu NAc α2−3Gal−β1−4(Fuc α1−3)−
GlcNAcの発現との間に正の相関を示した。彼らは、シアリル化されフコシ
ル化されたラクトサミノグリカンからなるオリゴ糖のファミリーの1または2以
上の成員がLECAM−2のレクチンドメインのリガンドであると結論した。フ
ィリップス(Phillips)らは(1990)、sLexに対する特異性を有すると
報告された抗体を用い、活性化された内皮細胞へのHL−60細胞またはLEC
11CHO細胞のLECAM−2依存性の接着を抑制させた。末端sLex構造
を有するジフコシル化糖脂質を含有するリポソームは接着を抑制したが、シアリ
ル化されていないLex構造を含有するリポソームは部分的に抑制した。ワルツ
(Walz)らは(1990)、sLexに対して向けられたモノクローナル抗体を
用い、またはsLex構造を有する糖タンパク質によって、HL−60細胞への
LECAM−2−IgGキメラの結合の抑制を示すことができたが、CD65ま
たはCD15抗体では抑制を示すことができなかった。両グループとも、sLex
構造がLECAM−2のリガンドであると結論した。
活性化された血小板上で発現されるP−セレクチンは、複数の白血球タイプへ
の結合を媒体する(ベビラクアら、J.Clin.Invest.(1993)91:37
9)。内皮のP−セレクチンもまた白血球接着を支持する。
LECAM−1は好中球の流入を阻止する能力を有するので特に興味深い(ワ
トソン(Watson)ら、Nature(1991)349:164〜167)。LEC
AM−1は、HEVに結合する慢性リンパ球性白血病細胞において発現された(
スペルチーニ(Spertini)ら、Nature(1991)349:691〜694参
照)。
慢性炎症部位におけるHEV構造は、慢性関節リウマチ、乾癬および多発性硬
化症などの疾患の兆候に付随すると思われる。
内皮細胞−白血球接着分子をコードするDNA配列に関する情報は、1990
年11月15日に公開されたPCT出願公報WO90/13300号(参照のた
め本明細書中に引用する)に開示されている。該PCT公報は、内皮細胞−白血
球接着分子に関連する多くの論説を引用している。該PCT公報は、ELAM−
リガンドの同定方法、並びに該リガンドを用いて白血球と内皮細胞との間の接着
を抑制する方法をクレームしており、内皮細胞への白血球の接着に関与する分子
(molecules involved in leukocyte adhesion to endothelial cells)として
記載されたMILAsに特に言及している。
一般に、上記刊行物は、炭水化物である内生リガンドを同定および特徴付ける
ことに向けられている。
炭水化物特異的なタンパク質の強力なインヒビターを開発することは、新たな
治療薬を生み出すうえで非常に重要である。オリゴ糖は、細胞表面上に位置する
こと、および構造的な多様性のゆえに、認識分子として働くとの位置付けが充分
にされている。しかしながら、これら炭水化物は天然では非常に複雑であり、合
成には費用と時間がかかる。オリゴ糖の化学合成には、生成物の立体化学および
位置化学を制御する巧妙な戦略を必要とする。化学合成に替わる実行可能なやり
方として、グリコシルトランスフェラーゼを用いた酵素的合成があるが、これは
適当な特異性を有する酵素を入手することに限界がある。
炭水化物特異的なレセプターに対する多糖リガンドの合成のための別法として
ペプチドが示唆されている(オルデンバーグ(Oldenburg)ら、Proc.Natl.A cad.Sci
.(1992)89:5393)。
生物活性な物質に結合させた細胞特異的糖ペプチドリガンドが、該生物活性な
物質を選択部位へ送達するための手段として用いられている(1982年10月
27日に公開されたヨーロッパ特許出願公開第63373号;および1983年
5月31日に発行された米国特許第4,386,026号を参照、これらは参照の
ため本明細書中に引用される)。発明の要約
本発明の第一の目的は、ある種のセレクチンに結合する能力を有し、合成の費
用効果のあることで特徴付けられる、医学的に有用な糖−アミノ酸または糖ペプ
チド(本明細書において化合物とも称する)を提供することにある。
本発明の第二の目的は、ある種のセレクチンに結合する(すなわち、セレクチ
ンリガンド活性を有する)、遊離のカルボン酸基を有するアミノ酸またはペプチ
ドに結合したフコースまたはその類似体または誘導体からなる、ある種の糖−ア
ミノ酸または糖ペプチドを記載することにある。知られたセレクチンリガンドで
あるsLexに比べ、本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドは合成の費用効果
を有する。
本発明の第三の目的は、ある種の官能基、荷電された基、好ましくはカルボン
酸基またはサルフェート基の呈示のために三次元的に安定な立体構造と、フコー
スまたはその類似体または誘導体とを有する糖−アミノ酸または糖ペプチドを、
フコースが遊離のカルボン酸基を有するアミノ酸またはペプチドに共有結合し、
該官能基の方向が該基とある種のセレクチンとの結合を容易にするように設計お
よび合成することを記載することにある。
かかる本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドは、以下の一般構造式(I)で
表される。
(式中、mおよびuは1または2の整数;p、qおよびwは1〜6の整数;rお
よびsは0または1の整数;tは0〜3の整数;
Aは−COOHまたは−CH2OSO3H;
Bは−R1、−CH(R1)2、−CH2OCH2R1または−CH2SCH2R1;
Dは−L1−[(CH2)w−M]rまたは−L2−[(CH2)w−M]r;
EはHまたは−(CH2)w−[K−(CH2)q]r−M1、ただしEが−(CH2)w−[K
−(CH2)q]r−M1である場合はGがHであるかまたはM2がHである;
GはHまたは−[K−(CH2)q]r−M2、ただしGが−[K−(CH2)q]r−M2であ
る場合はEがHであるかまたはM1がHである;
Dが−L1−[(CH2)w−M]rである場合はJは−SO2−であるか;またはDが
−L2−[(CH2)w−M]rである場合はJは−CO−または−CS−である;
Kは−O−、−S−、−NH−、−S−S−、−CO−、−CONH−;
L1は−NH−、−CH2−,−NHR1または−R4、ただしrが0である場合は
L1はR4かまたは−NHR1のいずれかである;
L2は−O−、−S−、−NH−、−CH2−、−OR4、−SR4、−NHR1ま
たは−R4、ただしrが0である場合はL2は−OR4、−SR4、−NHR1また
は−R4のいずれかである;
M、M1およびM2は、それぞれ独立にHまたは−[CO−Q]s
Qは多価化合物を得るための担体残基、該担体残基は−N(CH2CH2NH−)3
などのアミン、タンパク質およびペプチドよりなる群から選ばれる;
Xは−R2、−OR2または−CH2OR2;
Yは−(CHR3)t−、ただし2を越えるOH基は存在しない;または
−O−(CHR3)u−,ただし1を越えるOH基は存在しない
R1およびR2はそれぞれ独立にH、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基また
はアリールアルキル基;R3はHまたはOH;
R4は炭素数1〜6のアルキル基、アリール基またはアリールアルキル基;
Zは
糖−アミノ酸または糖ペプチドは、プロドラッグの形態であってよいし、また
は構造式(I)の化合物の多価誘導体の形態であってよい。
本発明の第四の目的は、糖−アミノ酸または糖ペプチドを用いて疾患を治療ま
たは診断する方法を記載することにある。
本発明の第五の目的は、検出可能な標識および/または抗炎症剤などの薬理学
的に活性な医薬に結合させた本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドを含む組成
物を提供することにある。
本発明の第六の目的は、ある種の疾患の治療または診断に有用な本発明の糖−
アミノ酸または糖ペプチドを含む医薬調合物を提供することにある。
本発明の第七の目的は、炎症の治療に有用な本発明の糖−アミノ酸または糖ペ
プチドを含む医薬調合物を提供することにある。
本発明の第八の目的は、上記タイプの調合物を投与することによる、炎症の治
療方法および炎症部位の決定方法を提供することにある。
他の目的は、癌を治療するのに有用な本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチド
を含む医薬調合物を提供することにある。
本発明のこれらおよび他の目的、利点および特徴は、以下に記載する単離、構
造、調合および用途に関する詳細を読む当業者には明らかとなるであろう。以下
の記載では添付の図面および本発明の一部を構成する一般構造式を参照しており
、その際、同記号は同分子残基を示す。図面の簡単な説明
以下の添付の図面を参照することにより、本発明は一層よく理解されるであろ
うし、本発明の多くの目的、利点および特徴が当業者に明らかとなるであろう。
図1は、白血球細胞と活性化内皮細胞との相互作用を示す横断面模式図である
。
図2は、いかにして本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドがELAM−1を
阻止する医薬として使用しうるかを示す横断面模式図である。
図3は、いかにして本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドがLECAM−1
を阻止する医薬として使用しうるかを示す横断面模式図である。
図4は、N−[(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)アセチル]−L−プロ
リン−L−フェニルアラニン(#1)、N−[(1−デオキシ−α−L−フコピラ
ノシル)アセチル]−L−アラニン−L−プロリン−L−フェニルアラニン(#2
)、N−ω−t−ブトキシカルボニル−N−α一[(1−デオキシ−α−L−フコ
ピラノシル)アセチル]−L−リシン(#3)、N−[4−(1−デオキシ−α−L
−フコピラノシル)n−ブタノイル]−L−プロリン−L−フェニルアラニン(#
4)、N−[(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)アセチル]−L−プロリン
−L−フェニルグリシン(#5)、およびN−[4−(1−デオキシ−α−L−フ
コピラノシル)n−ブタノイル]−L−フェニルアラニン(#6)がsLexのL
−セレクチンへの結合を抑制することを示すグラフである。これら化合物を幾つ
かの濃度で試験し、その結果を対照結合のパーセントとして示す。
図5は、N−[(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)アセチル]−L−プロ
リン−L−フェニルアラニン(#1)、N、N−ω−t−ブトキシカルボニル−
N−α−[(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)アセチル]−L−リシン(#
3)、N−[4−(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)n−ブタノイル]−L
−プロリン−L−フェニルアラニン(#4)、およびN−[(1−デオキシ−α−
L−フコピラノシル)アセチル]−L−プロリン−L−フェニルグリシン(#5)
がsLexのP−セレクチンへの結合を抑制することを示すグラフである。これ
ら化合物を幾つかの濃度で試験し、その結果を対照結合のパーセントとして示す
。
図6は、N−[(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)アセチル]−L−プロ
リン−L−フェニルアラニン(#1)、およびN−[(1−デオキシ−α−L−フ
コピラノシル)アセチル]−L−アラニン−L−プロリン−L−フェニルアラニン
(#2)がHL−60アッセイにおいてsLexのP−セレクチンへの結合を抑
制する能力を示すグラフである。これら化合物を幾つかの濃度で試験した。
図7は、スタンパー−ウッドルフ(Stamper−Woodruff)アッセイにおける
N−[(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)アセチル]−L−プロリン−L−
フェニルアラニン(#1)、N−[(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)ア
セチル]−L−アラニン−L−プロリン−L−フェニルアラニン(#2)、N−
ω−t−ブトキシカルボニル−N−α−[(1−デオキシ−α−L−フコピラノシ
ル)アセチル]−L−リシン(#3)、N−[4−(1−デオキシ−α−L−フコピ
ラノシル)n−ブタノイル]−L−プロリン−L−フェニルアラニン(#4)、お
よびN−[(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)アセチル]−L−プロリン−
L−フェニルグリシン(#5)の抑制効果を示すグラフである。発明の詳細な記載
プロドラッグとは、保護された化合物であって、該化合物の活性形がエステラ
ーゼなどの酵素による加水分解の結果として患者の体内に放出されるものをいう
。本明細書中に言及する刊行物はすべて参照のため引用される。
本発明に関連して使用される幾つかの標準的な略語としては、以下のものが挙
げられる:BSA、ウシ血清アルブミン;DEAE、ジエチルアミノエチル;D
MSO、ジメチルスルホキシド;ELAM−1、内皮/白血球接着分子−1;H
PTLC、高速薄層クロマトグラフィー;LECAM−1、白血球/内皮細胞接
着分子−1;PVC、ポリ塩化ビニル;TLC、薄層クロマトグラフィー;TF
A、トリフルオロ酢酸;トリス、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;B
SA、ウシ血清アルブミン;TBS、トリス緩衝食塩水;DMF、ジメチルホル
ムアミド;Ab−AP、アルカリホスファターゼに対する抗体;Ac、アセテー
ト;Bn、ベンジル。本発明の開発
ELAM−1は、以下に構造式(II)において示すシアリルルイス(sLex
)四糖を認識するレクチン様ドメインを有する。
SLexがELAM−1に結合する能力については、ロウエら、Cell(199
0)63:475;フィリップスら、Science(1990)250:1130;
ワルツら、Science(1990)250:1132;およびチレル(Tyrell)
ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1991)88:10372に記載され
ている。
また、ELAM−1およびGMP−140(P−セレクチンとしても知られる
)の両者が以下に構造式(III)において示す異性体四糖sLeaを認識すること
も示されている(バーグ(Berg)ら、J Biol Chem(1991)265:14
869;ハンダ(Handa)ら、Biochem Biophys Res Commun(1991)1 81
:1223)。
sLexおよびsLeaの構造を調べてみると、これらが三次元的な配置におい
て構造的な類似性を有することが示される。とりわけ、シアル酸環およびフコー
ス環はセレクチンによる認識に適した仕方で空間的に同様の方向を向いている。
アミノ酸およびペプチドはカルボキシル末端およびアミノ末端からなる。本発
明者らは、sLexに付随するシアル酸のカルボン酸基を置換するためにアミノ
酸またはペプチドのカルボキシル末端を用いることができると理論付け、さらに
sLexを模倣するため、本発明者らはアミノ酸またはペプチドのN−末端にフ
コースまたはその類似体または誘導体を結合させることを考えた。フコースをア
ミノ酸またはペプチドに結合させることは、これら糖−アミノ酸または糖ペプチ
ドの合成を著しく簡略化するものである。
sLexのガラクトースの1面は脂質親和性であり、本発明者らはこれがセレ
クチンへの結合に関与していると考える。それゆえ、本発明者らは、sLexに
付随する該ガラクトースを脂質親和性または芳香族性のアミノ酸、好ましくはフ
ェニルアラニン、ジフェニルフェニルアラニン、チロシン、メトキシ−チロシン
、
ヒスチジンまたはフェニルグリシンで置換することにより、sLexを一層模倣
できることを理論付けた。
本発明者らは、ELAM−1およびおそらく他のセレクチンのレクチンドメイ
ン上の対応エピトープが同様の三次元立体配置で空間的に配置されており、それ
ゆえ、遊離のカルボン酸基を有するアミノ酸またはペプチド(該アミノ酸または
ペプチドは脂質親和性または芳香族性のアミノ酸を有するのが好ましい)にフコ
ースまたはその類似体または誘導体を結合させることにより、天然のリガンドと
は明らかに異なる活性なリガンドが得られることを導き出した。
以上の仮説に従い、本発明者らはセレクチンに結合する最も簡単な形態の同様
な構造を設計した。このことは、L−フコースまたはその類似体または誘導体を
ペプチドカップリング法を用い、シアル酸人工産物(mimic)として働く遊離の
カルボン酸を有するN−末端アミノ酸またはペプチドに結合させて構造式(I)
の一連の糖−アミノ酸または糖ペプチドとすることにより行った。この一連の糖
−アミノ酸または糖ペプチドは、セレクチンが天然のリガンドに結合するのを競
合的に抑制するように設計されている。これら糖−アミノ酸または糖ペプチドは
、薬理学的に許容しうる賦形剤と組み合わせて広範囲の治療に有用な医薬組成物
とすることができる。
適当な反応性の官能基を含む糖−アミノ酸または糖ペプチドは、セラミドやセ
ラミド人工産物、ステロイド、ジグリセリドまたはリン脂質のような適当に保護
された疎水性担体と反応させて免疫調節剤として働く分子を生成させることがで
きる。
本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドは、セレクチンと結合し、剌激された
内皮細胞に循環好中球が結合するのを妨害することによってアンタゴニストリガ
ンド分子、すなわち生化学的抑制剤として働き、それによって炎症応答を含むあ
る種の疾患に関与する最初の事象を妨害することができる。アゴニストリガンド
は反対の効果を有する。
本発明の合成糖−アミノ酸または糖ペプチドは官能基にとって三次元的に安定
な立体配置をとるように設計されており、その際、フコースまたはその類似体ま
たは誘導体を有するリガンドが遊離のカルボン酸基を有するN末端アミノ酸また
はペプチドと結合し、これら基と天然のセレクチン上のレセプターとの結合が可
能なようになっている。
かかる糖−アミノ酸または糖ペプチドは、以下の一般構造式(I)で表される
。
(式中、mおよびuは1または2の整数;p、qおよびwは1〜6の整数;rお
よびsは0または1の整数;tは0〜3の整数;
Aは−COOHまたは−CH2OSO3H;
Bは−R1、−CH(R1)2、−CH2OCH2R1または−CH2SCH2R1;
Dは−L1−[(CH2)w−M]rまたは−L2−[(CH2)w−M]r;
EはHまたは−(CH2)w−[K−(CH2)q]r−M1、ただしEが−(CH2)w−[K
−(CH2)q]r−M1である場合はGがHであるかまたはM2がHである;
GはHまたは−[K−(CH2)q]r−M2、ただしGが−[K−(CH2)q]r−M2であ
る場合はEがHであるかまたはM1がHである;
Dが−L1−[(CH2)w−M]rである場合はJは−SO2−であるか;またはDが
−L2−[(CH2)w−M]rである場合はJは−CO−または−CS−である;
Kは−O−、−S−、−NH−、−S−S−、−CO−、−CONH−;
L1は−NH−、−CH2−、−NHR1または−R4、ただしrが0である場合は
L1はR4かまたは−NHR1のいずれかである;
L2は−O−、−S−、−NH−、−CH2−、−OR4、−SR4、−NHR1ま
たは−R4、ただしrが0である場合はL2は−OR4、−SR4、−NHR1また
は−R4のいずれかである;
M、M1およびM2は、それぞれ独立にHまたは−[CO−Q]s
Qは多価化合物を得るための担体残基、該担体残基は−N(CH2CH2NH−)3
などのアミン、タンパク質およびペプチドよりなる群から選ばれる;
Xは−R2、−OR2または−CH2OR2;
Yは−(CHR3)t−、ただし2を越えるOH基は存在しない;または
−O−(CHR3)u−、ただし1を越えるOH基は存在しない
R1およびR2はそれぞれ独立にH、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基また
はアリールアルキル基、好ましくはベンジル;
R3はHまたはOH;
R4は炭素数1〜6のアルキル基、アリール基またはアリールアルキル基;
Zは
図1を参照すると、血管1の横断面が示されている。血管壁2の内部側には内
皮細胞3が並んでいる。内皮細胞3は活性化されることによってELAM−1を
合成するようになる。ELAM−1は図1において三角形の表面レセプター4と
して示されている。赤血球細胞5および白血球細胞6の両者は血管1内を流れて
いる。白血球細胞6は炭水化物リガンド7を呈示し、該リガンド7は該リガンド
7のレセプター4への結合を可能にするような化学的および物理的特性を有して
いる。リガンド7がレセプター4に結合すると、図に白血球細胞6Aとして示さ
れているように、白血球細胞6は血管壁2を通過させられる。周囲組織8中に移
行された白血球細胞6Bは、感染と戦うなどの正の効果、および炎症などの負の
効果を有しうる。
本発明の重要な側面は、図2に言及することによって記載することができる。
構造式(I)の糖−アミノ酸または糖ペプチドは7Aとして示されており、それ
自体でELAM−1などのセレクチンに接着することができ、医薬組成物として
調合することができるが、これを投与したときにELAM−1を有効に阻止し、
白血球細胞6に連結したレセプター7の接着を妨害する。薬理学的有効量の糖−
アミノ酸または糖ペプチド7Aを投与することにより、すべてとは言わないまで
もいくらかの白血球細胞は周囲組織8に達しないであろう。白血球細胞が周囲組
織に到達する速度を遅くすることにより、炎症を防ぎ、および/または改善する
ことができる。
本発明の他の重要な側面は図3を参照して記載することができる。図3におい
て、白血球細胞6上のLECAM−1レセプター8は、8Aで示される式(I)
の糖−アミノ酸または糖ペプチドにより阻止される。本発明者らは、構造(I)
において示される立体配置において水素結合供与基を呈示する所定の糖−アミノ
酸または糖ペプチド8Aが、E−セレクチン、L−セレクチンおよび/またはP
−セレクチンを阻止しうることを見いだした。
急性の炎症応答が起こるためには、循環している好中球が血管壁に結合および
付着し、損傷部位に接近する必要があることが知られている。推定炭水化物リガ
ンドおよびそのレセプターのファミリーを含む幾つかの分子が、この相互作用に
関与している。以前に同定されている一つの分子は、ELAM−1に対する内生
炭水化物リガンドである。本発明は、内生リガンドとして結合することによって
LECAM−1レセプターなどの他のセレクチンレセプターを阻止する糖−アミ
ノ酸または糖ペプチドのファミリーを提供する。
本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドはまた、分析目的または診断目的のた
めに標準的な放射性標識、蛍光標識、酵素標識その他の標識を用いて標識するこ
ともできる。
本発明者らは、本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドがセレクチンレセプタ
ーに結合することができるためには、該糖ペプチドは構造式(I)の糖−アミノ
酸または糖ペプチドと同一の立体配置にある同一の原子を含む必要はなく、(1
)構造(I)に示す安定な三次元立体構造を有するか、または(2)構造式(I
)に示すものと実質的に等価な立体配置を有するのが好ましいことを発見した。
他のリガンドとの等価性は、物理的な三次元構造および分子の電子立体配置およ
びとりわけ電荷および脂質親和性に関連する特性と関連するであろう。本発明の
糖−アミノ酸または糖ペプチドが構造式(I)に示すものと実質的に等価な構造
を有するためには、該糖−アミノ酸または糖ペプチドを生理条件下でセレクチン
レセプターに結合させたときに該分子が該レセプターに結合するものであること
が好ましい。
構造式(I)の「D」、「E」または「G」は、セラミドまたはタンパク質ま
たはペプチドを含む適当なまたは結合可能な残基に結合したリンカーであってよ
く、基体または薬理学的に活性な医薬に共有結合させることができるように反応
性基を有する基であるのが好ましい。本発明の一つの態様において、「リンカー
」は1または2以上のリガンドを支持体ベースに連結させる。ついで、この支持
体ベースを試料と接触させて該試料中の所望のセレクチンの存在についてアッセ
イする。
この「リンカー」は、薬理学的に有効な医薬を該糖−アミノ酸または糖ペプチ
ドに「D」、「G」または「E」部位にて結合させるために用いることができる
。ただし、Eが−(CH2)w−[K−(CH2)q]r−M1である場合はGがHであるか
ま
たはM2がHであり、Gが−[K−(CH2)q]r−M2である場合はEがHであるか
またはM1がHである。かくして生成された(糖−アミノ酸または糖ペプチド−
リンカー−医薬)結合体は、該結合医薬の有効なドラッグデリバリーシステムを
提供する。
抗炎症剤として働くナプロキセンやイブプロフェンなどのNSAIDすなわち
非ステロイド抗炎症剤を修飾した糖−アミノ酸または糖ペプチドに結合させて投
与することができ、炎症部位において等価かまたは一層大きな抗炎症作用を発揮
しながら通常より少量で全身投与することができる。結合させることのできる他
の医薬としては、抗生物質、血管拡張薬および鎮痛薬が挙げられるが、これらに
限られるものではない。そのようなドラッグデリバリーシステムは、通常の投与
量の半分から1/10の量で投与しながら炎症部位において同じ抗炎症結果が得
られるという点で、医薬によって通常引き起こされる全身作用を軽減することが
できる。本発明の化合物のアッセイ
糖−アミノ酸または糖ペプチドを、セレクチンレセプターに結合し、および/
または該レセプターの結合部位を阻止し、それによって天然のリガンドがセレク
チンレセプターに結合するのを妨害する能力についてアッセイすることができる
。以下に記載する幾つかのアッセイを用いることができる。ELISAアッセイ
以下の3工程からなるELISAアッセイ(フォクサル(Foxall)ら、The Journal of Cell Biology
(1992)117:895)を用いるのが好まし
い。
1.2,3sLex糖脂質を溶液としてマイクロタイターウエルに移し、つい
で蒸発させる。過剰の結合せずに残った該脂質を水で洗い落とす。ついで、ウエ
ルをブロッキング剤、好ましくはBSAでブロックする。
2.セレクチン−IgGキメラの「多価」レセプターの調製を、各キメラをビ
オチン標識ヤギF(ab')2抗ヒトIgG(Fc特異的)およびストレプトアビジ
ン−アルカリホスファターゼ(適当に希釈)と混合し、インキュベートすること
3.構造(I)の糖−アミノ酸または糖ペプチドなどの可能性のあるインヒビ
ターを上記可溶性レセプターと反応させる。ついで、この溶液を工程1で調製し
たマイクロタイターウエル中に入れる。プレートをインキュベートして可溶性レ
セプターをその天然のリガンドに結合させる。強力なインヒビターの存在下では
わずかなレセプターのみが天然リガンドをコーティングしたマイクロタイタープ
レートと結合することができる。
正の対照は、インヒビターの不在下で可溶性レセプターを天然のリガンドとマ
イクロタイターウエル中で反応させたときに該レセプターによって産生されるシ
グナルである。これは100%の結合と考えられる。インヒビターで前以て処理
したレセプターによって産生されるシグナル(吸光度として記録する)を正の対
照によって産生されるシグナルで割り、これを100倍して、該インヒビターの
存在下でウエルに結合したレセプターの%を計算する。この逆数が抑制%である
。組換え法で調製したレセプターを用いた推定ELAM−1リガンドの同定
ELAM−1レセプターの完全なcDNAを、IL−1剌激したヒト臍静脈内
皮から単離した全RNAから出発するPCRにより得た。得られたcDNAをC
DM8プラスミド(アルフォ(Aruffo)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(
1987)84:8573を参照)中に挿入し、このプラスミドを大腸菌中で増
幅させた。個々のコロニーからプラスミドDNAを単離し、COS細胞をトラン
スフェクトするのに用いた。HL−60細胞接着を支持するCOS細胞を生成す
る能力により陽性のプラスミドを選択した。DNA配列決定により、これらクロ
ーンのうちの一つがELAM−1をコードするものとして明確に同定された(ベ
ビラクアら、Science(1989)243:1160;ポルテ(Polte)ら、N ucleic Acids Res
(1990)18:1083;ヘッション(Hession)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
(1990)87:1673)。これら文献は
、ELAM−1およびその産生をコードする遺伝子材料を開示するものとして本
明細書中に引用する。ELAM−1 cDNAの完全なヌクレオチド配列および
ELAM−1タンパク質の予測されるアミノ酸配列は上記ベビラクアらによる論
説に記載されており、該DNA配列およびアミノ酸配列を本明細書中に参照のた
め
引用する(1990年11月15日公開のPCT特許出願WO90/13300
号公報(参照のため本明細書中に引用する)をも参照)。
膜結合ELAM−1を発現するCOS細胞を32PO4で代謝的に放射標識した
。これら標識細胞は、構造(I)の糖−アミノ酸または糖ペプチドの認識をスク
リーニングするための2つのアッセイにおいてプローブとして用いることができ
る。さらに詳しくは、リガンドをPVCマイクロタイターウエルに吸着させるか
、またはTLCプレート上で解析することができる。いずれのアッセイにおいて
も、制御された脱離力の条件下、ELAM−トランスフェクトしたCOS細胞、
トランスフェクトしていないCOS細胞、または関連のないcDNAを含有する
プラスミドでトランスフェクトしたCOS細胞の接着を支持する能力について化
合物をプローブすることができる(スワンク−ヒル(Swank−Hill)ら、Anal Biochem
(1987)183:27;およびブラックバーン(Blackburn)ら
、J Biol Chem(1986)261:2873を参照;両文献とも、かかるア
ッセイ法の詳細を開示するものとして本明細書中に参照のため引用する)。P−セレクチン/HL−60アッセイ
構造(I)の糖−アミノ酸または糖ペプチドは、P−セレクチンのその天然の
リガンドへの結合を抑制する能力について試験することができる。リガンドを試
験する一般的手順を以下に記載する。以下の工程からなるP−セレクチン/HL
−60アッセイを用いるのが好ましい。
1.HL−60細胞を回収し、遠心分離によりペレット化する。細胞を洗浄し
、カウントし、容量を適当に調節する。
2.PVCマイクロタイタープレートをブロッキング剤でブロックし、TBS
−BSAで洗浄する。
3.P−セレクチンを、ヤギF(ab')2抗ヒトIgG(Fc特異的)およびス
トレプトアビジン−アルカリホスファターゼを含むBSA−TBS Ca中に適
当に希釈する。正の対照は、試料化合物中のDMFの最高濃度と等しいDMFを
加える。
4.リガンドを活発に回転させながら室温にてインキュベートする。試験管を
遠心分離にかけて不溶性物質をペレット化する。遠心分離からの上澄み液を4つ
ずつのウエルに適用し、細胞を加える。プレートの対照はHL−60細胞単独、
Ab−APを含むHL−60細胞、細胞を含まないP−セレクチン溶液、および
上記正の試験対照である。プレートをインキュベートし、細胞を遠心分離により
ペレット化し、洗浄する。
パラ−ニトロフェニルホスホネートをプレートに加える。発色させる。各ウエ
ルからのアリコートをポリスチレンマイクロタイタープレートに移し、405n
mにおける吸光度を読み取る。正の対照は、可溶性レセプターをインヒビターの
不在下で天然のリガンドと反応させたときに該レセプターによって産生されるシ
グナルである。これは100%の結合と考えられる。インヒビターで前以て処理
したレセプターによって産生されるシグナル(吸光度として記録する)を正の対
照によって産生されるシグナルで割り、これを100倍して、該インヒビターの
存在下でウエルに結合したレセプターの%を計算する。この逆数が抑制%である
。スタンパー−ウッドルフアッセイ(一般法)
リンパ球はリンパ節上の高内皮細静脈(high endothelial venules)(HEV
)を介して血液からリンパ組織に循環することが知られている。L−セレクチン
はリンパ球の表面上に発現され、HEV上の天然リガンドに結合することにより
リンパ球の接着を媒体すると考えられている。構造式(I)の糖−アミノ酸また
は糖ペプチドを、セレクチンレセプターに結合し、および/または該レセプター
の結合部位を阻止し、それによって天然のリガンドがセレクチンレセプターに結
合するのを妨害する能力について試験することができる。たとえば、ストゥール
マン(Stoolman)ら、The Journal of Cell Biology(1983)96:7
22参照。スタンパー−ウッドルフアッセイは当該技術分野でよく知られており
、一般に以下の3つの工程からなる。
1.リンパ球の調製:
(a)雌のスイスウエブスターマウスの腸間膜リンパ節組織をリン酸緩衝食塩
水(PBS)とともに穏やかに細砕することにより、該組織からリンパ球を得る
。細胞を組織から穏やかに圧搾することにより得る。細胞を分散させ、細胞塊を
除
去する。単一細胞懸濁液を懸濁し、洗浄し、使用するときまで(2時間未満)氷
上に保持する。細胞をカウントし、適当な濃度に調製する。
(b)雌スプラーグ−ドーリーラットの浅頚リンパ節および深頚リンパ節を切
開し、マウスの場合と同様に調製する。
2.凍結切片の調製:
浅頚リンパ節および深頚リンパ節を動物から切開し、急速冷凍し(snap froze
n)、薄片調製のためにクリオスタット中に直ちに入れる。10μmの切片を調
製し、ガラススライド上に移し、空気乾燥させる。
3.結合アッセイの開始10〜30分前にリンパ球懸濁液に可能なインヒビタ
ーを加え、特に断らない限り、その後の結合インキュベーションを通じて存在さ
せる。
凍結切片は切断した順序で使用する。未処理のリンパ球(正の対照)、フコイ
ジンを含有する懸濁液(負の対照)および可能なインヒビターを含有する懸濁液
のアリコートを、対照および各被験物質が系列中で一度だけ現れるように切片上
に任意の順序で重層する。
HEVへのリンパ球の結合は、組織学的に特徴的なHEVに重層した、隙間な
く密集し(tightly packed)濃く染色されたリンパ球の特徴的な映像によってい
ずれの結合からも容易に区別がつく。各HEV上に接着したリンパ球の数をカウ
ントし、HEV当たりの接着細胞(HEV当たりに結合した細胞)の数の平均を
計算する。その結果を相対結合のパーセントとして表す。その場合、正の対照は
100%の結合であると考えられる。
本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドが細胞間事象を媒体する一つの機構に
は、一方の細胞(たとえば内皮細胞)上のこれら糖−アミノ酸または糖ペプチド
が他方の細胞(たとえば白血球)上の特異的な炭水化物結合性タンパク質(レク
チン)によって認識されることが含まれる。本発明に関連して得られたデータは
、白血球から単離された酸性糖脂質とELAM−1とがかかるオリゴ糖−レクチ
ンペアとして機能し、好中球と活性化血管内皮の細胞表面との相互作用に参画す
ることを示した。多くのタンパク質−タンパク質相互作用が好中球−内皮移行に
関
与している(ロ(Lo)ら、J Immunol(1989)143:3325;オズボ
ーン(Osborn)ら、Cell(1989)59:1203;ラーセン(Larsen)
ら、Cell(1989)59:305;およびアーノート(Arnaout)Blood(
1990)75:1037参照)。本発明者らはいかなる理論にも拘泥するつも
りはないが、このレクチン−炭水化物相互作用は、好中球の遊出をもたらす一連
の事象の一つの過程にすぎないように思われる。
本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドへのセレクチンの接着を試験した。従
って、かかる糖−アミノ酸または糖ペプチドは、特異的だがおそらく弱い接着を
媒体するのに有用であり、ついで該接着は他のレセプターの参画によって安定化
および巧妙化される。本明細書に記載する構造および機能特性を有する糖−アミ
ノ酸または糖ペプチドまたはこれら構造の修飾体は、ELAM−1によって媒体
された活性化血管内皮と好中球との相互作用を阻止することができ、それゆえE
LAM−1と循環好中球との相互作用に関与する副作用を中断しうる、たとえば
炎症を防御または減少させうる有用な薬理学的に活性な剤を提供する。しかしな
がら、本出願人は、本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドの予防または治療効
果を説明する上記作用機構に限定することを意図するものではない。合成法(一般法)
構造式(I)の糖−アミノ酸または糖ペプチドは、以下の反応式Iに記載する
一般的な合成反応を用いて製造することができる。反応式I中、
XはR1、OR1またはCH2OR1;
YはR2またはOR3;
R1はH、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基;
R2は炭素数0〜3のアルキル基;該アルキル基は2個までのOH基で置換され
ていてよい;
R3は炭素数1または2のO−アルキル基;該O−アルキルは1個のOH基で置
換されていてよい;
R5、R6は保護基、好ましくはアセテート基またはベンジル基;
R7、R8はアルキル基またはアリール基。
一般に、反応式Iに示すように、化合物(1a)を活性化し、保護アミノ酸(
1b)、好ましくはプロリン、ホモプロリン、ロイシン、イソロイシン、チロシ
ン、トリプトファンまたはヒスチジンを該化合物(1a)と反応させて化合物(
1c)を得る。一般構造式(1c)の糖ペプチドを脱保護し、活性化し、他の保
護アミノ酸(1d)、好ましくはフェニルアラニン、O−ベンジルセリン、ジフ
ェニル−フェニルアラニン、メトキシチロシン、ブロモ−フェニルアラニンまた
はフェニルグリシンと反応させて化合物(1e)を得る。ついで、一般構造式(
1e)の糖ペプチドを脱保護して一般構造式(1f)の糖ペプチドを得る。
別法として、化合物(1a)はまた、遊離のアミノ末端を有する適当に保護し
たペプチド(通常のペプチド合成により調製)と反応させて化合物(1e)を得
ることもできる。
使用および投与
構造式(I)の糖−アミノ酸または糖ペプチドは、炎症を予防的に防御するか
または炎症が開始した後に炎症を軽減させることにより、必要とする患者を治療
するために患者に投与することができる。糖−アミノ酸または糖ペプチドは薬理
学的に許容しうる担体とともに投与するのが好ましいが、該担体の性質は投与方
法により異なり、たとえば経口投与では通常固体担体を用い、静脈内投与では液
体の塩溶液担体を用いる。調合の選択は、たとえば、医薬グレードのマンニトー
ル、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンセルロース
ナトリウム、炭酸マグネシウムなどを含む種々の賦形剤を用いて行うことができ
る。経口組成物は、液剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、徐放製剤、または
散剤の形態とすることができる。特に好ましいのは、糖−アミノ酸または糖ペプ
チドをDMSOなどの浸透促進剤とともに経皮組成物の形態で直接投与すること
である。他の局所調合物も皮膚炎症を治療するために投与することができる。
炎症を防御または寛解することができるように、炎症を引き起こすと思われる
または実際に炎症を引き起こしているセレクチンレセプターの実質部分に結合す
るに充分な量の本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドを投与すべきである。そ
れゆえ、本明細書において使用する「治療」とは、炎症および/または炎症に付
随する兆候を防御または寛解することを意味する。一般に、本発明の組成物は1
%未満から約95%の活性成分、好ましくは、約10%から約50%の活性成分
を含むであろう。約10mg〜50mgを子供に投与し、約50mg〜1000
mgを成人に投与するのが好ましいであろう。投与の頻度は、患者の応答性に基
づいて与えられるケアにより決定されるであろう。他の有効投与量は、用量−応
答曲線を確立する常法により当業者が容易に決定することができる。
セレクチンレセプターを阻止するために投与すべき本発明の糖−アミノ酸また
は糖ペプチドの投与量を決定する際に、すべてのセレクチンレセプターを完全に
阻止することを望まなくてもよいことに留意すべきである。正常な快癒過程が進
行するためには、白血球細胞または好中球の少なくとも幾つかは損傷、感染また
は疾患状態の起こっている部位の組織中に到達する必要がある。阻止剤として投
与する本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドの投与量は、治療しようとする疾
患の種類などの種々の因子を考慮に入れながら患者の特別の必要に基づいて注意
深く決定する必要がある。
本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドは、慢性関節リウマチ、多発性硬化症
および癌を含む広範囲の疾患を治療するために用いることができると思われる。
本発明の組成物は、免疫系が生体に有害な作用を及ぼすようになって、組織損傷
、腫脹、炎症および/または疼痛を引き起こす程度まで白血球細胞の蓄積がもた
らされた疾患状態を治療するために適用すべきである。たとえば、慢性関節リウ
マチの炎症は、多数の白血球細胞が疾患部位の関節内に素早く入り込み、周辺組
織を攻撃する場合に生じる。
本発明の組成物はまた、心臓発作の結果生じる組織損傷の望ましくない後遺症
を防ぐためにも投与することができる。心臓発作が起こり、抗凝血剤や血栓溶解
剤(たとえば、tPA)の投与によって患者が蘇生した場合には、血塊が生成し
た部分の内皮の並びがしばしば損傷を受ける。抗血栓剤が血塊を取り除いた後、
酸素を奪われた血塊の下の損傷組織および内皮細胞の並び中の他の損傷組織が活
性化される。ついで、活性化された内皮細胞は、該細胞が損傷を受ける数時間以
内にELAM−1レセプターを合成する。これらレセプターは血管内に延びてい
き、そこで白血球細胞の表面上の本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドと接着
する。多数の白血球細胞が速やかに捕捉され、活性化された内皮細胞の領域の周
囲の組織中に取り込まれ、その結果、炎症、腫脹および壊死をもたらし、これに
よって患者の生存の可能性が低下する。
心臓発作の結果生じる外傷を患う患者を治療することに加えて、生体の領域が
ひどい外傷を受けた後に通常生じる炎症および腫脹の量を軽減するために本発明
の調合物を用いて実際の物理的外傷を患う患者を治療することができる。本発明
の調合物を用いて治療することのできる他の疾患状態としては、種々のタイプの
関節炎および成人呼吸障害症候群が挙げられる。当業者であれば本発明の開示を
読んだ後、本発明の調合物を投与することによって治療および/または軽減が可
能な他の疾患状態および/または兆候を認識することができるであろう。
他の投与法もまた本発明に用いることができるであろう。たとえば、本発明の
糖−アミノ酸または糖ペプチドは坐剤の形態に調合することができ、また、ある
場合にはエアロゾルおよび鼻内組成物の形態に調合することができる。坐剤の場
合、ビヒクル組成物としては、ポリアルキレングリコールやトリグリセリドなど
の通常の結合剤および担体が挙げられる。かかる坐剤は、約0.5%〜約10%
(w/w)、好ましくは約1%〜約2%の範囲で活性成分を含有する混合物から
生成することができる。
鼻内調合物には、通常、鼻粘膜を剌激もせず絨毛機能を有意に妨害もしないビ
ヒクルが含まれるであろう。水、食塩水または他の公知の物質などの希釈剤を本
発明に用いることができる。鼻内調合物にはまた、クロロブタノールや塩化ベン
ザルコニウムなど(これらに限られるものではない)の保存剤も含まれていてよ
い。本発明のタンパク質の鼻粘膜による吸収を促進するために界面活性剤も含ま
れていてよい。
本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドはまた注射剤として投与することもで
きる。一般に、注射用組成物は、液体の溶液または懸濁液として調製する;注射
前に液体ビヒクル中に溶解または懸濁させるのに適した固体形態を調製すること
もできる。調製物はまた乳濁化することもでき、または活性成分をリポソームビ
ヒクル中に包括することもできる。構造式(I)の糖−アミノ酸または糖ペプチ
ドを、混和しうる薬理学的に許容しうる賦形剤と混合することができる。
適当なビヒクルは、たとえば、水、食塩水、デキストロース、グリセロール、
エタノールなど、またはこれらの組み合わせである。加えて、所望なら、ビヒク
ルにはまた湿潤剤やpH緩衝剤などの補助物質が少量含まれていてよい。かかる
剤型を実際に調製する方法は知られているか、または当業者には明らかであろう
。たとえば、レミングトンズ・ファーマシューティカル・サイエンスィズ(Rem
ington's Pharmaceutical Sciences)、マック・パブリッシング・カンパニー
、イーストン、ペンシルベニア、第17版、1985を参照。投与すべき組成物
または調合物は、いずれにしても、治療しようとする患者において所望の状態を
達成するのに適当な所定量の本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドを含
有するであろう。
本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドは、それ自体で、または上記薬理学的
に許容しうる賦形剤物質と組み合わせて用いることができる。しかしながら、本
発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドは該糖−アミノ酸または糖ペプチドが何か
らの仕方で標識に結合した結合体として調製することができる。かかる結合体を
調製することにより、本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドは、炎症部位を検
出することができるように該標識の生化学的送達システムとして働く。
本発明の糖−アミノ酸または糖ペプチドはまた、試料中のセレクチンレセプタ
ーの存在を試験するための研究室プローブとして用いることもできる。かかるプ
ローブは、放射性標識を用いるなどして標識するのが好ましい。放射性標識原子
、たとえば、放射性C、O、N、PまたはS、蛍光染色および酵素標識を含む多
数の標識が知られており、これらは公知手順を用いて本発明の糖−アミノ酸また
は糖ペプチドに結合させることができる。標識並びに糖残基に標識を結合させる
方法は、1989年7月18日に発行されたスミス(Smith)らの米国特許第4
,849,513号(標識および標識を結合する方法を開示するものとして参照の
ため本明細書中に引用する)に開示されている。
本発明を本明細書中において最も実際的で好ましい態様において示し記載する
。本明細書中に掲げる公報は、本発明の調製および/または使用法に関する特定
の手順を開示するものとして参照のため本明細書中に引用する。さらに、本発明
の範囲内において上記記載から離脱すること、および該開示を読むことによって
当業者に自明な修飾を施すことも理解される。
実施例
以下の実施例は、当業者に本発明の化合物および組成物の製造法の完全な開示
および記載を提供するためのものであるが、本発明者らが発明と考える範囲を限
定することを意図するものではない。特に断らない限り、部は重量部であり、温
度は℃であり、圧力は大気圧または大気圧付近である。
実施例1 N−[(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)アセチル]−L−プロリン−L− フェニルアラニン(2f) 方法1
アセトニトリル:四塩化炭素:水(80ml:80ml:120ml)の混合
溶媒中の1−アリル−1−デオキシ−2,3,4−トリ−O−アセチル−α−L−
フコピラノース(2a、10.0g、31.9ミリモル、ルエンゴ(Luengo)ら
、Tetrahedron Lett.(1992)33:6911)の撹拌混合物に、過ヨウ
素酸ナトリウム(28.0g、131.2ミリモル)を加え、ついで三塩化ルテニ
ウム水和物(145mg)(カールセン(Carlsen)ら、J.Org.Chem.(19
81)46:3936、グリーン(Green)ら)を加えた。この反応液は10分後
には発熱反応となり、室温にて一夜撹拌した。この混合物を水(300ml)で
希釈し、ジクロロメタン(2×300ml)で抽出した。コンバインした有機層
を水(100ml)で洗浄し、濃縮した。得られた油状物を酢酸エチル(200
ml)中に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム(30ml)で抽出した。有機層を再
び水(20ml)で洗浄し、これを重炭酸ナトリウム溶液抽出物とコンバインし
た。このコンバインした水性抽出物を6N塩酸溶液でpH1まで酸性にし、ジク
ロロメタン(2×200ml)で抽出した。コンバインした有機抽出物を水(1
00ml)で洗浄し、ついで飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム
で乾燥させ、濾過し、濃縮して6.9g(20.8ミリモル、65%)の(1−デ
オキシ−2,3,4−トリ−O−アセチル−α−L−フコピラノシル)酢酸(2b
)を得、これをさらに精製することなく次工程に用いた。
ジクロロメタン(20ml)中の上記酸(2b)(3.5g、10.5ミリモル
)の溶液をペンタフルオロフェノールトリフルオロアセテート(1.8ml、1
0.5ミリモル)、ついでピリジン(0.85ml、10.5ミリモル)と混合し
た(グリーンら、Tetrahedron Letters(1990)31:5851)。この
溶液を室温にて一夜撹拌し、L−プロリンベンジルエステル塩酸塩(2.3g、
9.55ミリモル)、ついでジイソプロピルエチルアミン(5.76ml、33ミ
リモル)
と混合した。この混合物を室温にて一夜撹拌し、酢酸エチル(300ml)で希
釈した。これを5%硫酸水素カリウム溶液(50ml)、ついで飽和重炭酸ナト
リウム溶液(50ml)および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、濾過し、濃縮
して粗製のベンジルエステル(2c)を得た。
上記粗製のエステルを酢酸エチル(100ml)中に溶解し、炭素上の10%
パラジウム(1.0g)を負荷し、水素雰囲気下(バルーン圧)で一夜撹拌した
。これをセライト濾過し、濾液を5%重炭酸ナトリウム溶液(50ml)で抽出
した。この水性抽出物を6N塩酸溶液で酸性にし、酢酸エチル(2×100ml
)で抽出した。コンバインした有機抽出物を水(50ml)、ついで飽和塩化ナ
トリウム溶液(50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾液し、濃縮
してN−[(1−デオキシ−2,3,4−トリ−O−アセチル−α−L−フコピラノ
シル)アセチル]−L−プロリン(2d)(3.5g、8.4ミリモル、80.5%
)を得た。
ジクロロメタン(1ml)中の上記酸(2d)(150mg、0.36ミリモ
ル)の溶液にL−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(78mg、0.36
ミリモル)を加え、ついでベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノ
ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(188mg、0.36ミリモル)お
よびジイソプロピルエチルアミン(0.197ml、1.1ミリモル)を加えた(
コステ(Coste)ら、Tetrahedron Letters(1990)31:205)。こ
の混合物を室温にて一夜撹拌し、シリカゲルカラム上で酢酸エチルで溶出して(
50ml)保護されたC−糖ジペプチド(2e)(180mg、0.31ミリモ
ル、85%)を得た。
メタノール(2.4ml)および水(1.2ml)中の化合物(2e)(180
mg、0.31ミリモル)の溶液に2N水酸化カリウム溶液(1.2ml)を加え
た。この溶液を室温にて一夜撹拌し、酸性にし、蒸発乾固させた。得られた残渣
を2−プロパノール(3ml)で抽出した。抽出した2−プロパノールの濾過お
よび濃縮を行って化合物(2f)(60mg)を得た。方法2
化合物(2b)(1.97g、6.16ミリモル)の試料をジクロロメタン(2
5ml)中に溶解し、この溶液にN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS、1.
0g、8.69ミリモル)を加え、この溶液を温めてNHSを溶解させた。ジシ
クロヘキシルカルボジイミド(DCC、1.41g、6.83ミリモル)をジクロ
ロメタン(5ml)中に溶解し、上記反応混合物に撹拌しながら加えた。5時間
後、反応混合物を4℃に冷却し、濾過し、蒸発させた。得られたシロップ状の残
渣を酢酸エチル(50ml)中に取り、濾過し、水(2×25ml)で洗浄した
。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。高真
空下で乾燥させた後、2.5g(94%)のアモルファスな白色固体(1−デオ
キシ−2,3,4−トリ−O−アセチル−α−L−フコピラノシル)酢酸N−ヒド
ロキシスクシンイミドエステル(3a)を得た。
ジメチルホルムアミド(2ml)中のL−プロリン−L−フェニルアラニン(
262mg、1ミリモル)の溶液をN,O−ビストリメチルシリルアセトアミド
(0.057ml)とともに800℃にて10分間加熱した。これを上記N−ヒ
ドロキシスクシンイミドエステル(3a)(430mg、1ミリモル)に加えた
。この溶液を室温にて一夜撹拌し、濃縮した。この混合物をシリカゲルカラム上
で溶出して(50ml、クロロホルム:メタノール:水、300:10:5)、
保護されたC−糖ジペプチド(3b)(500mg、0.87ミリモル,87%
)を得、これを上記化合物(2e)の場合と同様の仕方で加水分解して化合物(
2f)を得た。
実施例2 N−[(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)アセチル]−L−プロリン−L− フェニルグリシン(4b)
ジクロロメタン(1ml)中の酸(2d)(150mg、0.36ミリモル)
の溶液にL−フェニルグリシンメチルエステル塩酸塩(78mg、0.36ミリ
モル)を加え、ついでベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホス
ホニウムヘキサフルオロホスフェート(188mg、0.36)およびジイソプ
ロピルエチルアミン(0.197ml、1.1ミリモル)を加えた。この混合物を
一夜撹拌し、シリカゲルカラム上で酢酸エチルで溶出して(50ml)、保護さ
れたC−糖ジペプチド(4a)(180mg、0.31ミリモル、85%)を得
た。
メタノール(2.4ml)および水(1.2ml)中の化合物(4a)(180
mg、0.31ミリモル)の溶液を2N水酸化カリウム溶液(1.2ml)と混合
した。この溶液を室温にて一夜撹拌し、酸性にし、蒸発乾固させた。得られた残
渣を2−プロパノール(3ml)で抽出した。抽出した2−プロパノールの濾過
および濃縮を行って化合物(4b)(60mg)を得た。
実施例3 N−[(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)アセチル]−L−アラニン−L− プロリン−L−フェニルアラニン(5c) 方法1
ジメチルホルムアミド(0.5ml)中のL−アラニン−L−プロリン−L−
フェニルアラニン(5a、50mg、0.15ミリモル)の溶液をN,O−ビスト
リメチルシリルアセトアミド(75μl)とともに80℃にて5分間撹拌した。
これを活性化エステル(3a)(65mg、0.15ミリモル)に加え、ついで
触媒量の4−N,N'−ジメチルアミノピリジンを加えた。この混合物を室温にて
一夜撹拌し、濃縮した。得られた残渣をクロロホルムおよび希塩酸溶液で処理し
た。粗製の保護されたC−糖トリペプチド(5b)を実施例1と同様にして加水
分解して化合物(5c)(40mg、0.076ミリモル、51%)を得た。方法2
ジクロロメタン(20ml)中のL−アラニン−L−プロリン−L−フェニル
アラニンメチルエステルトリフルオロ酢酸塩(6a、2.5g、5.4ミリモル)
(通常のペプチド合成法により調製)および活性エステル(3a)(3.3g、
5.4ミリモル)の溶液をジイソプロピルエチルアミン(1.0ml、5.4ミリ
モル)と混合した。この混合物を室温にて4時間撹拌し、酢酸エチル(300m
l)で希釈した。このコンバインした混合物を5%硫酸水素カリウム(50ml
)、ついで飽和重炭酸ナトリウム溶液(30ml)、飽和塩化ナトリウムで洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲル
カラム上で精製して(200ml、ジクロロメタン:メタノール、92:8)、
保護されたC−糖ペプチド(6b)(2.4g、3.9ミリモル、73%)を得た
。この試料を実施例1と同様の仕方で加水分解して化合物(5c)を得た。
実施例4 N−ω−t−ブトキシカルボニル−N−α−[(1−デオキシ−α−L−フコピラ ノシル)アセチル]−L−リシン(7c)
水とジメチルホルムアミドとの1:1溶媒混合物(1ml)中の活性化エステ
ル(3a)(100mg、0.23ミリモル)およびN−α−t−ブトキシカル
ボニル−L−リシン(7a、59mg、0.23ミリモル)の溶液を重炭酸ナト
リウム(100mg)と混合し、室温にて一夜撹拌した。この混合物を酢酸エチ
ル(6ml)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2ml)で洗浄した。水性
層を分離し、他の部分の酢酸エチル(2ml)で洗浄し、6N塩酸溶液で酸性に
した。これをジクロロメタン(6ml)で抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム
溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して粗製の酸(7b)
(95mg)を得た。この粗製の酸(7b)を実施例1の記載と同様の仕方で加
水分解して化合物(7c)(32mg)を得た。
実施例5 N−[4−(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)−n−ブタノイル]−L−プ ロリン−L−フェニルアラニン(8g)
化合物(2a)のオゾン酸化により得られたアルデヒド(8a)(2.46g
、7.78ミリモル)をジクロロメタン(10ml)中に溶解し、イリドt−ブ
チルトリフェニルホスホラニリデンアセテート(3.51g、9.34ミリモル)
を加えた。この反応液を室温にて48時間撹拌し、濃縮乾固した。得られた残渣
をシリカゲルカラム上のクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%酢酸エチル)
で精製して所望の生成物(8b)(2.41g、75%)を無色油状物として得
た。
上記オレフィン(8b)(2.41g、5.83ミリモル)をメタノール(15
ml)中に溶解した。この溶液にメタノール(5ml)中の炭素上の10%パラ
ジウム(200mg)の懸濁液を加えた。この反応液を水素下、大気圧にて28
時間撹拌した。触媒をセライトで濾去した。濾液を濃縮して生成物(8c)(2
.38g、98%)を無色油状物として得た。
上記t−ブチルエステル(8c)(117mg、0.43ミリモル)ををジク
ロロメタン(5ml)中に溶解し、これにトリフルオロ酢酸(0.5ml)を加
えた。この反応液を室温にて2時間撹拌し、濃縮乾固して所望の生成物(8d)
(154mg、100%)を得た。
ジクロロメタン(10ml)中の上記粗製の酸(8c)(2.2g、5.8ミリ
モル)の溶液にN−ヒドロキシスクシンイミド(667mg、5.8ミリモル)
および1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(5.8ミリモル)を加えた。こ
の混合物を室温にて一夜撹拌し、濾過した。得られた固体をジクロロメタン(5
ml)で濯ぎ、コンバインした濾液を濃縮して所望の活性化エステル(8e)を
得た。
ジメチルホルムアミドと水との1:1溶媒混合物(10ml)中の化合物(8
e)(387mg、0.88ミリモル)およびL−プロリン−L−フェニルアラ
ニン(231mg、0.88ミリモル)の混合物を重炭酸ナトリウム(370m
g)とともに室温にて一夜撹拌した。重炭酸ナトリウム溶液、クロロホルムおよ
び希
塩酸を用いた塩基および酸抽出により酸(8f)(130mg)が得られた。
上記酸(8f)を実施例1に記載の仕方と同様にして加水分解して化合物(8
g)(60mg)を得た。
実施例6 N−[4−(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)−n−ブタノイル]−L−フ ェニルアラニン(9b)
ジクロロメタン(2ml)中のエステル(8e)(166mg、0.36ミリ
モル)、L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(81mg、0.36ミリ
モル)およびジイソプロピルエチルアミン(210ml、1.2ミリモル)の溶
液を室温にて一夜撹拌した。全混合物をシリカゲルカラム上で溶出して(50m
l、酢酸エチル:ヘキサン、3:1)保護されたエステル(9a)(160mg
、85%)を得た。
エステル(9a)を実施例1に記載の仕方と同様にして加水分解して化合物(
9b)を得た。
実施例7 N−[(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)アセチル]−L−プロリン−D− フェニルアラニン(10b)
ジクロロメタン(1ml)中の酸(2d)(150mg、0.36ミリモル)
の溶液にD−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(78mg、0.36ミリ
モル)を加え、ついでベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホス
ホニウムヘキサフルオロホスフェート(188mg、0.36ミリモル)および
ジイソプロピルエチルアミン(0.197ml、1.1ミリモル)を加えた。この
混合物を室温にて一夜撹拌し、シリカゲルカラム上で酢酸エチルで溶出して(5
0ml)保護されたC−糖ジペプチド(10a)(170mg)を得た。
この保護されたジペプチド(10a)を実施例1に記載の仕方と同様にして加
水分解して化合物(10b)を得た。
実施例8 1−アリル−1−デオキシ−2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラ ノース(11b)
0℃のアセトニトリル(100ml)中の2,3,4−トリ−O−ベンジル−L
−フコピラノース(11a、10.0g)の溶液にアリルトリメチルシラン(1
2ml)を加え、ついでトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(1
4.5ml)を加えた。この溶液を室温に温め、室温にて14時間撹拌した。こ
の混合物の反応を氷−水浴中の水(100ml)で停止させた。アセトニトリル
を真空下で蒸発させ、混合物を酢酸エチル(3×100ml)で抽出した。コン
バインした有機抽出物を飽和炭酸ナトリウム溶液、ついで飽和塩化ナトリウム溶
液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。この粗製の混合物
をシリカゲルカラム上で溶出して(150ml、ヘキサン:酢酸エチル、10:
1)1−アリル−1−デオキシ−2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコ
ピラノース(11b、9.2g、79%)を得た。
別法として、2段階法において、2,3,4−トリ−O−ベンジル−L−フコピ
ラノース(11a、25g)を最初にピリジン(25ml)および無水酢酸(2
5ml)でアセチル化し、粗製のアセテートをアセトニトリル(150ml)中
に溶解し、この溶液にアリルトリメチルシラン(20ml)および三フッ化ホウ
素エーテル錯化合物(16.5ml)を加え、この反応混合物を室温にて14時
間撹拌した。反応液を上記と同様にして処理し、精製した。得られた粗製の生成
物(11b)はさらに反応させるに充分純粋であった。
実施例9 (1−デオキシ−2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル)酢 酸(11c)
アセトニトリル(80ml)、四塩化炭素(80ml)および水(120ml
)の溶媒混合物中の1−アリル−1−デオキシ−2,3,4−トリ−O−ベンジル
−α−L−フコピラノース(11b、10.0g、31.9ミリモル)の撹拌混合
物に過ヨウ素酸ナトリウム(40g、8当量)を加え、ついでルテニウムトリク
ロライド水和物(1.4g)を加えた。反応液は10分後に発熱反応となり、室
温にて一夜撹拌した。この混合物を水(300ml)で希釈し、ジクロロメタン
(3×200ml)で抽出し、コンバインした有機層を水(100ml)で洗浄
し、濃縮した。残留する油状物を酢酸エチル(200ml)中に溶解し、飽和重
炭酸ナトリウム(30ml)で抽出した。有機層を再び水(20ml)で洗浄し
、これを重炭酸ナトリウム溶液抽出物とコンバインした。このコンバインした水
性抽出物を6N塩酸でpH1の酸性にし、ジクロロメタン(2×200ml)で
抽出した。コンバインした有機抽出物を水(100ml)、ついで飽和塩化ナト
リウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して(1−デオ
キシ−2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル)酢酸(11c
、4.6g)を得た。
実施例10 3(1−デオキシ−2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル) プロピオン酸(11d)
テトラヒドロフラン中の9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN、0
.5mMを39.3ml)の溶液を室温にて1−アリル−1−デオキシ−2,3,4
−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノース(11b、12.0g)に加え
た。この溶液を一夜撹拌した。1N水酸化ナトリウム(120ml)、ついで3
0%過酸化水素溶液(10ml)を非常に注意深く加え、この反応混合物を室温
にて3時間撹拌した。揮発性の溶媒を真空下で除去し、得られた溶液を酢酸エチ
ル(3×150ml)で抽出した。コンバインした有機抽出物を食塩水で洗浄し
、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた粗製の混合物をシリ
カゲルカラム上で精製して(200ml、ヘキサン:酢酸エチル、1:1)3(
1−デオキシ−2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル)−1
−プロパノール(6.8g)を得た。
上記アルコール(2.5g)をアセトン(10ml)中に溶解し、これにジョ
ーンズ試薬(6ml)を0℃にて加えた。この混合物を室温にて3時間撹拌し、
蒸発させた。得られた残渣を水(50ml)で希釈し、酢酸エチル(2×100
ml)で抽出した。コンバインした有機抽出物を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウ
ムで乾燥させ、濾過し、濃縮して3(1−デオキシ−2,3,4−トリ−O−ベン
ジル−α−L−フコピラノシル)プロピオン酸(11d、1.8g)を得た。
実施例11 4(1−デオキシ−2,3,4−トリ−O−アセチル−α−L−フコピラノシル) 2−ブテン酸(11f)
化合物(11e)(3.44g、8.31ミリモル)の試料をジクロロメタン(
10ml)中に溶解し、これにトリフルオロ酢酸(10ml)を加えた。この溶
液を室温にて3時間撹拌し、濃縮乾固した。得られた残渣を酢酸エチル(100
ml)中に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(5×10ml)で洗浄した。水
性層を6N塩酸でpH3の酸性にし、ジクロロメタン(3×20ml)で洗浄し
た。有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固して酸(11
f、100%)を濃厚な油状物として得、このものは静置すると析出した。
実施例12 (N)−[1−(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)アセチル]−L−プロリン −L−フェニルアラニンオール硫酸ナトリウム
化合物(2d)(310mg、0.72ミリモル)の試料をテトラヒドロフラ
ン(5ml)中に溶解し、カルボニルジイミダゾール(CDI、1174mg、
0.72ミリモル)を加えた。この反応液を室温にて1時間撹拌し、フェニルア
ラニンオール(12a、109mg、0.72ミリモル)を加えた。反応液を室
温にて48時間撹拌し、ついで反応液を濃縮乾固した。得られた残渣を酢酸エチ
ル(30ml)中に溶解し、1N塩酸(3×10ml)、ついで飽和重炭酸ナト
リウム溶液(3×10ml)および飽和塩化ナトリウム溶液(10ml)で洗浄
した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。得
られた残渣をシリカゲル(酢酸エチル)上で精製して(N)−[1−(1−デオキシ
−α−L−フコピラノシル)アセチル]−L−プロリン−L−フェニルアラニンオ
ール(12b、195mg、48%)を得た。
ピリジン(15ml)中の化合物(12b)(0.19b、0.34ミリモル)
および三酸化硫黄−ピリジン錯体(0.19g、1.2ミリモル)の混合物を55
〜60℃にて30分間撹拌した。反応混合物を冷却し、メタノール(2ml)を
加え、混合物を15分間撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、シリカゲルで精製
して(クロロホルム;メタノール、9:1)化合物(12c)(230mg)を
得た。
化合物(12c)をメタノール(20ml)中に溶解し、この溶液にナトリウ
ム片を加え、混合物を室温にて一夜撹拌した。この混合物を(H+)カチオン交
換樹脂で脱イオン化し、(Na+)交換樹脂に直接濾過し、混合物を40分間撹
拌した。反応混合物を濾過し、水に溶解し、凍結乾燥して化合物(12d)(0
.135g)を得た。
実施例13
セレクチン結合
構造式(I)の糖−アミノ酸または糖ペプチドを、セレクチンレセプターに結
合し、および/または該レセプターの結合部位を阻止し、それによって天然のリ
ガンドがセレクチンレセプターに結合するのを妨害する能力について試験するこ
とができる(フォクサル)ら、The Journal of Cell Biology(1992)117
:895)。リガンドを試験する一般手順は以下に記載する通りである。
以下の3工程からなるELISAアッセイを用いるのが好ましい。
1.2,3sLex糖脂質(25ピコモル/ウエル)を溶液としてマイクロタ
イターウエルに移し、ついで蒸発させた。過剰の結合せずに残った該脂質を水で
洗い落とした。ウエルを5%BSAで室温にて1時間ブロックし、1mMカルシ
ウムを含有するPBSで洗浄した。
2.セレクチン−IgGキメラの「多価」レセプターの調製を、各キメラ(1
μg/mL)をビオチン標識ヤギF(ab')2抗ヒトIgG(Fc特異的)および
ストレプトアビジン−アルカリホスファターゼ(1%BSA−PBS(1mMカ
ルシウム)中に1:1000に希釈)と混合し、37℃にて15分間インキュベ
ートすることにより行った。これにより、可溶性の多価レセプター複合体が生成
した。
3.構造式(I)の糖−アミノ酸または糖ペプチドなどの可能性のあるインヒ
ビターを上記可溶性レセプターと37℃で45分間反応させた。この試験は、可
溶性相レセプター複合体とインヒビター(非天然リガンド)との間の最適結合が
この時間枠内で起こるであろうことを仮定している。この溶液を工程1で調製し
たマイクロタイターウエル中に入れた。プレートを37℃で45分間インキュベ
ートして可溶性レセプターをその天然のリガンドに結合させた。強力なインヒビ
ターの存在下ではわずかなレセプターのみが天然リガンドをコーティングしたマ
イクロタイタープレートと結合することができる。
正の対照は、インヒビターの不在下で可溶性レセプターを天然のリガンドとマ
イクロタイターウエル中で反応させたときに該レセプターによって産生されるシ
グナルであった。これは100%の結合と考えられた。インヒビターで前以て処
理したレセプターによって産生されるシグナル(吸光度として記録する)を正の
対照によって産生されるシグナルで割り、これを100倍して、該インヒビター
の存在下でウエルに結合したレセプターの%を計算した。この逆数が抑制%であ
った。図4および5に示した結果は、化合物がその推定天然リガンドに結合する
能力においてL−セレクチンおよびP−セレクチンを抑制することを示した。
実施例14
P−セレクチン/HL−60アッセイ
構造式(I)の糖−アミノ酸または糖ペプチドは、P−セレクチンがその天然
のリガンドへ結合するのを抑制する能力について試験することができる。リガン
ドを試験する一般的手順を以下に記載する。以下の工程からなるP−セレクチン
/HL−60アッセイを用いるのが好ましい。
1.HL−60細胞を回収し、遠心分離によりペレット化した。細胞をCaを
含有しないTBSで3回洗浄し、カウントし、使用の直前に容量を1%BSA−
TBS Ca中の1.9×106/mlに調節した。
2.PVCマイクロタイタープレートを5%BSA−TBS Ca(1mM)
で室温にて1時間ブロックした。プレートをTBS Caで洗浄した。
3.P−セレクチンを、1:1000希釈のヤギF(ab')2抗ヒトIgG(F
c特異的)およびストレプトアビジン−アルカリホスファターゼを含む1%BS
A−TBS Ca中に200ng/mlに希釈した。正の対照は、試料化合物中
のDMFの最高濃度と等しいDMFを加えた。
4.構造(I)の糖−アミノ酸または糖ペプチドを活発に回転させながら室温
にて1時間、ローテーター上でインキュベートした。試験管を遠心分離にかけて
不溶性物質をペレット化した。遠心分離からの上澄み液を4つずつのウエルに5
0μl/ウエルにて適用し、細胞を50μl/ウエルにて加えた。プレートの対
照はHL−60細胞単独、Ab−APを含むHL−60細胞、細胞を含まないP
−セレクチン溶液、および上記正の試験対照であった。プレートを40℃にて1
時間インキュベートした。細胞を遠心分離によりペレット化し、TBS中で3回
洗浄した。
パラ−ニトロフェニルホスホネートを1Mジエタノールアミン緩衝液(pH9
.8)に1mg/mlにて加え、75μl/ウエルをプレートに加えた。約45
分間発色させた。各ウエルから50μlをポリスチレンマイクロタイタープレー
トに移し、405nmにおける吸光度を読み取った。
図6は、P−セレクチンへのsLexの結合をN−[(1−デオキシ−α−L−
フコピラノシル)アセチル]−L−プロリン−L−フェニルアラニン(#1)、お
よびN−[(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)アセチル]−L−アラニン−
L−プロリン−L−フェニルアラニン(#2)が抑制する能力を示すグラフを有
する。化合物の試験は幾つかの濃度で行った。
実施例15
スタンパー−ウッドルフアッセイ
リンパ球はリンパ節上の高内皮細静脈(HEV)を介して血液からリンパ組織
に循環することが知られている。L−セレクチンはリンパ球の表面上に発現され
、HEV上の天然リガンドに結合することによりリンパ球の接着を媒体すると考
えられている。構造式(I)の糖−アミノ酸または糖ペプチドを、セレクチンレ
セプターに結合し、および/または該レセプターの結合部位を阻止し、それによ
って天然のリガンドがセレクチンレセプターに結合するのを妨害する能力につい
て試験した。たとえば、ストゥールマンら、The Journal of Cell Biology
(1983)96:722参照。スタンパー−ウッドルフアッセイは当該技術分
野でよく知られており、一般に以下の3つの工程からなる。
1.リンパ球の調製:
(a)雌のスイスウエブスターマウス(23〜27g)の腸間膜リンパ節組織
をリン酸緩衝食塩水(PBS)とともに穏やかに細砕することにより、該組織か
らリンパ球を得た。2以上の異なる動物からの2または3の腸間膜リンパ節を用
いた。該リンパ節を6ウエルプレートのウエル上に置き、1mlのPBSを加え
た。細胞を組織から穏やかに圧搾することにより得た。細胞を分散させ、細胞塊
を除去した。単一細胞懸濁液を0.5%BSAを含有するハンクス平衡溶液
(BSS)中に懸濁し、洗浄し(2×3ml)、使用するときまで(2時間未満
)氷上に保持した。細胞をカウントし、3〜4×107細胞/mlに調製した。
(b)雌スプラーグ−ドーリーラット(180〜200g)の浅頚リンパ節お
よび深頚リンパ節を切開し、マウスの場合と同様に調製した。リンパ球の調製の
ため、4つの大きなリンパ節(各ラットから2つ)を用いた。
2.凍結切片の調製:
浅頚リンパ節および深頚リンパ節を動物から切開し、−70℃(ドライアイス
−アセトン)にて急速冷凍し、薄片調製のためにクリオスタット中に直ちに入れ
た(IECクリオスタット、−20℃)。10μmの切片を調製し、ガラススラ
イド上に移した。切片を1〜2時間空気乾燥させた。
3.結合アッセイの開始10〜30分前にリンパ球懸濁液(1〜2×107細
胞/ml、40℃)に可能なインヒビターを加え、特に断らない限り、その後の
結合インキュベーションを通じて存在させた。結合インキュベーションを、ガラ
ススライド上、1.4または2cm直径のワックスサークル中で行った。
凍結切片は切断した順序で使用した。未処理のリンパ球(正の対照)、フコイ
ジンを含有する懸濁液(100μg/ml、負の対照)および可能なインヒビタ
ーを含有する懸濁液のアリコートを、対照および各被験物質が系列中で一度だけ
現れるように切片上に任意の順序で重層した。所望の数の繰り返しが得られるま
で、この系列を繰り返した。
40℃の細胞懸濁液を切片(室温)上に重層することによってアッセイを開始
した。スライドを金属トレー上に置き、充填した氷上で支持し、旋回するシェー
カー上、60〜100rpmにて撹拌した。スライドの温度を7〜10℃に平衡
化した。30分間インキュベートした後、細胞懸濁液をデカントし、切片を3%
グルタルアルデヒド中で固定した(40℃で20分間)。スライドをラックに置
き、ダルベッコのリン酸緩衝食塩水で洗浄し(5回、1秒間浸漬する)、20%
エタノール溶液中の0.5%トルイジン−ブルーで染色し(1回、15〜60秒
間浸漬する)、95%エタノールで洗浄し(1回、2秒間浸漬する)、グリセロ
ール中に入れた。
スライドをエマルジョン−オイル(emersion−oil)中に入れ、位相差顕微鏡
で×100にて簡単に細胞接着を観察した。細胞接着を各HEVで×400にて
カウントした。HEVへのリンパ球の結合は、組織学的に特徴的なHEVに重層
した、隙間なく密集し濃く染色されたリンパ球の特徴的な映像によっていずれの
結合からも容易に区別がつく。各HEV上に接着したリンパ球の数を各HEVに
ついてカウントし、HEV当たりの接着細胞(HEV当たりに結合した細胞)の
数を計算した。その結果を、相対結合のパーセントとして表した。その場合、正
の対照は100%の結合であると考えられる。
図7に示す結果は、合成糖ペプチド{N−[(1−デオキシ−α−L−フコピラ
ノシル)アセチル]−L−プロリン−L−フェニルアラニン(#1)、N−[(1−
デオキシ−α−L−フコピラノシル)アセチル]−L−アラニン−L−プロリン−
L−フェニルアラニン(#2)、N−ω−t−ブトキシカルボニル−N−α−[(
1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)アセチル]−L−リシン(#3)、N−
[4−(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)n−ブタノイル]−L−プロリン
−L−フェニルアラニン(#4)、N−[(1−デオキシ−α−L−フコピラノシ
ル)アセチル]−L−プロリン−L−フェニルグリシン(#5)およびフコイジン
}が細胞接着に及ぼす効果を示す。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C07D 405/12 207 0276−2J G01N 33/50 P
C07H 21/04 0276−2J 33/566
C07K 5/078 9051−4C A61K 37/02 ABE
G01N 33/50 ADU
33/566 ABC
(72)発明者 ホルム,ケビン・ロス
アメリカ合衆国94501カリフォルニア、ア
ラメダ、マリーナ・ビュー・タワーズ307
番
(72)発明者 アバス,サイード・アブダラ
アメリカ合衆国94591カリフォルニア、バ
レッジョ、ハーウィッチ・プレイス100番
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.下記構造式(I): (式中、mおよびuは1または2の整数;p、qおよびwは1〜6の整数; rおよびsは0または1の整数;tは0〜3の整数; Aは−COOHまたは−CH2OSO3H; Bは−R1、−CH(R1)2、−CH2OCH2R1または−CH2SCH2R1; Dは−L1−[(CH2)w−M]rまたは−L2−[(CH2)w−M]r; EはHまたは−(CH2)w−[K−(CH2)q]r−M1、ただしEが−(CH2)w−[K −(CH2)q]r−M1である場合はGがHであるかまたはM2がHである; GはHまたは−[K−(CH2)q]r−M2、ただしGが−[K−(CH2)q]r−M2であ る場合はEがHであるかまたはM1がHである; Dが−L1−[(CH2)w−M]rである場合はJは−SO2−であるか;またはDが −L2−[(CH2)w−M]rである場合はJは−CO−または−CS−である; Kは−O−、−S−、−NH−、−S−S−、−CO−、−CONH−; L1は−NH−、−CH2−、−NHR1または−R4、ただしrが0である場合は L1はR4かまたは−NHR1のいずれかである; L2は−O−、−S−、−NH−、−CH2−、−OR4、−SR4、−NHR1ま たは−R4、ただしrが0である場合はL2は−OR4、−SR4、−NHR1また は−R4のいずれかである; M、M1およびM2は、それぞれ独立にHまたは−[CO−Q]s Qは多価化合物を得るための担体残基、該担体残基は−N(CH2CH2NH−)3 からなるアミン、タンパク質およびペプチドよりなる群から選ばれる; Xは−R2、−OR2または−CH2OR2; Yは−(CHR3)t−、ただし2を越えるOH基は存在しない;または −O−(CHR3)u−、ただし1を越えるOH基は存在しない R1およびR2はそれぞれ独立にH、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基また はアリールアルキル基; R3はHまたはOH; R4は炭素数1〜6のアルキル基、アリール基またはアリールアルキル基; Zは で示される化合物。 2.Zが であり、 mおよびuは1または2の整数;qおよびwは1〜6の整数; rおよびsは0または1の整数;tは0〜3の整数; Aは−COOHまたは−CH2OSO3H; Bは−R1、−CH(R1)2、−CH2OCH2R1または−CH2SCH2R1; EはHまたは−(CH2)w−[K−(CH2)q]r−M1、ただしEが−(CH2)w−[K −(CH2)q]r−M1である場合はGがHであるかまたはM2がHである; GはHまたは−[K−(CH2)q]r−M2、ただしGが−[K−(CH2)q]r−M2であ る場合はEがHであるかまたはM1がHである; Kは−O−、−S−、−NH−、−S−S−、−CO−、−CONH−; M、M1およびM2は、それぞれ独立にHまたは−[CO−Q]s Qは多価化合物を得るための担体残基、該担体残基は−N(CH2CH2NH−)3 からなるアミン、タンパク質およびペプチドよりなる群から選ばれる; Xは−R2、−OR2または−CH2OR2; Yは−(CHR3)t−、ただし2を越えるOH基は存在しない;または −O−(CHR3)u−、ただし1を越えるOH基は存在しない R1およびR2はそれぞれ独立にH、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基また はアリールアルキル基; R3はHまたはOHである、請求項1に記載の構造式(I)で示される化合物。 3.Zが であり、 mおよびuは1または2の整数;qおよびwは1〜6の整数; rおよびsは0または1の整数;tは0〜3の整数; Aは−COOHまたは−CH2OSO3H; Bは−R1、−CH(R1)2、−CH2OCH2R1または−CH2SCH2R1; GはHまたは−[K−(CH2)q]r−M2; Kは−O−、−S−、−NH−、−S−S−、−CO−、−CONH−; M、M1およびM2は、それぞれ独立にHまたは−[CO−Q]s Qは多価化合物を得るための担体残基、該担体残基は−N(CH2CH2NH−)3 からなるアミン、タンパク質およびペプチドよりなる群から選ばれる; Xは−R2、−OR2または−CH2OR2; Yは−(CHR3)t−、ただし2を越えるOH基は存在しない;または −O−(CHR3)u−、ただし1を越えるOH基は存在しない R1およびR2はそれぞれ独立にH、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基また はアリールアルキル基; R3はHまたはOHである、請求項1に記載の構造式(I)で示される化合物。 4.Zが であり、 uは1または2の整数;pおよびwは1〜6の整数; rおよびsは0または1の整数;tは0〜3の整数; Aは−COOHまたは−CH2OSO3H; Dは−L1−[(CH2)w−M]rまたは−L2−[(CH2)w−M]r; Dが-L1−[(CH2)w−M]rである場合はJは−SO2−であるか;またはDが− L2−[(CH2)w−M]rである場合はJは−CO−または−CS−である; L1は−NH−、−CH2−、−NHR1または−R4、ただしrが0である場合は L1はR4かまたは−NHR1のいずれかである; L2は−O−、−S−、−NH−、−CH2−、−OR4、−SR4、−NHR1ま たは−R4、ただしrが0である場合はL2は−OR4、−SR4、−NHR1また は−R4のいずれかである; Mは、Hまたは−[CO−Q]s Qは多価化合物を得るための担体残基、該担体残基は−N(CH2CH2NH−)3 からなるアミン、タンパク質およびペプチドよりなる群から選ばれる; Xは−R2、−OR2または−CH2OR2; Yは−(CHR3)t−、ただし2を越えるOH基は存在しない;または −O−(CHR3)u−、ただし1を越えるOH基は存在しない R2はH、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基またはアリールアルキル基; R3はHまたはOH; R4は炭素数1〜6のアルキル基、アリール基またはアリールアルキル基である 、請求項1に記載の構造式(I)で示される化合物。 5.Zが であり、 uは1または2の整数;tは0〜3の整数; Aは−COOHまたは−CH2OSO3H; Bは−R1、−CH(R1)2、−CH2OCH2R1または−CH2SCH2R1; Xは−R2、−OR2または−CH2OR2; Yは−(CHR3)t−、ただし2を越えるOH基は存在しない;または −O−(CHR3)u−、ただし1を越えるOH基は存在しない R1およびR2はそれぞれ独立にH、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基また はアリールアルキル基; R3はHまたはOHである、請求項1に記載の構造式(I)で示される化合物。 6.請求項1に記載の化合物および薬理学的に許容しうる賦形剤担体の混合物 からなる医薬組成物。 7.請求項2に記載の化合物および薬理学的に許容しうる賦形剤担体の混合物 からなる医薬組成物。 8.請求項3に記載の化合物および薬理学的に許容しうる賦形剤担体の混合物 からなる医薬組成物。 9.請求項4に記載の化合物および薬理学的に許容しうる賦形剤担体の混合物 からなる医薬組成物。 10.請求項5に記載の化合物および薬理学的に許容しうる賦形剤担体の混合 物からなる医薬組成物。 11.治療学的有効量の下記構造式(I): (式中、mおよびuは1または2の整数;p、qおよびwは1〜6の整数; rおよびsは0または1の整数;tは0〜3の整数; Aは−COOHまたは−CH2OSO3H; Bは−R1、−CH(R1)2、−CH2OCH2R1または−CH2SCH2R1; Dは−L1−[(CH2)w−M]rまたは−L2−[(CH2)w−M]r; EはHまたは−(CH2)w−[K−(CH2)q]r−M1、ただしEが−(CH2)w−[K −(CH2)q]r−M1である場合はGがHであるかまたはM2がHである; GはHまたは−[K−(CH2)q]r−M2、ただしGが−[K−(CH2)q]r−M2であ る場合はEがHであるかまたはM1がHである; Dが−L1−[(CH2)w−M]rである場合はJは−SO2−であるか;またはDが −L2−[(CH2)w−M]rである場合はJは−CO−または−CS−である; Kは−O−、−S−、−NH−、−S−S−、−CO−、−CONH−; L1は−NH−、−CH2−,−NHR1または−R4、ただしrが0である場合は L1はR4かまたは−NHR1のいずれかである; L2は−O−、−S−、−NH−、−CH2−、−OR4、−SR4、−NHR1ま たは−R4、ただしrが0である場合はL2は−OR4、−SR4、−NHR1また は−R4のいずれかである; M、M1およびM2は、それぞれ独立にHまたは−[CO−Q]s Qは多価化合物を得るための担体残基、該担体残基は−N(CH2CH2NH−)3 からなるアミン、タンパク質およびペプチドよりなる群から選ばれる; Xは−R2、−OR2または−CH2OR2; Yは−(CHR3)t−、ただし2を越えるOH基は存在しない;または−O−(C HR3)u−、ただし1を越えるOH基は存在しない R1およびR2はそれぞれ独立にH、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基また はアリールアルキル基; R3はHまたはOH; R4は炭素数1〜6のアルキル基、アリール基またはアリールアルキル基; Zは で示される化合物をヒトを含む動物に投与することを特徴とする、動物における 疾患の治療方法。 12.治療学的有効量の請求項2に記載の化合物をヒトを含む動物に投与する ことを特徴とする、動物における疾患の治療方法。 13.治療学的有効量の請求項3に記載の化合物をヒトを含む動物に投与する ことを特徴とする、動物における疾患の治療方法。 14.治療学的有効量の請求項4に記載の化合物をヒトを含む動物に投与する ことを特徴とする、動物における疾患の治療方法。 15.治療学的有効量の請求項5に記載の化合物をヒトを含む動物に投与する ことを特徴とする、動物における疾患の治療方法。 16.該疾患が炎症、自己免疫疾患および癌よりなる群から選ばれる請求項1 1に記載の方法。 17.該疾患が炎症、自己免疫疾患および癌よりなる群から選ばれる請求項1 2に記載の方法。 18.該疾患が炎症、自己免疫疾患および癌よりなる群から選ばれる請求項1 3に記載の方法。 19.該疾患が炎症、自己免疫疾患および癌よりなる群から選ばれる請求項1 4に記載の方法。 20.該糖−アミノ酸または糖ペプチドを、静脈内、経口、経皮および吸入よ りなる群から選ばれた経路で投与する、請求項11に記載の方法。 21.試料中のE−セレクチン、L−セレクチンまたはP−セレクチンの存在 をアッセイする方法であって、 構造式(I)で示される化合物を基体表面上に接着させ、 該E−セレクチン、L−セレクチンまたはP−セレクチンが該化合物に結合する に充分な時間、該試料を該基体に接触させ、ついで 該化合物に結合した該E−セレクチン、L−セレクチンまたはP−セレクチンの 存在を決定する ことを特徴とする方法。 22.炎症の治療を必要とする患者に薬理学的有効量の請求項6に記載の組成 物を投与し、 該患者の状態をモニターし、ついで 所望なら該投与を繰り返す ことを特徴とする炎症の治療方法。 23.検出可能な標識に結合させた請求項1に記載の化合物を患者に投与し、 該標識化合物を該患者中を充分な時間循環させて該患者における炎症部位を位置 付け、ついで該標識を検出して該患者におけるその位置を決定し、それにより炎 症部位を決定することを特徴とする、患者における炎症部位の決定方法。 24.該化合物が薬理学的に活性な医薬に結合した「リンカー」に結合してい る、請求項6に記載の医薬組成物。 25.該医薬が抗炎症性の非ステロイド剤である、請求項24に記載の医薬組 成物。 26.下記構造式: (式中、R9はAcまたはBn;R10はHまたはCOOH)で示される化合物。 27.下記構造式: (式中、R9はAcまたはBn;nは1、2または3の整数)で示される化合物 。 28.下記構造式: (式中、R9はAcまたはBn;nは1、2または3の整数)で示される化合物 。 29.化合物N−[(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)アセチル]−L− プロリン−L−フェニルアラニン。 30.化合物N−ω−t−ブトキシカルボニル−N−α−[(1−デオキシ−α −L−フコピラノシル)アセチル]−L−リシン。 31.化合物N−[(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)アセチル]−L− アラニン−L−プロリン−L−フェニルアラニン。 32.化合物N−[4−(1−デオキシ−α−L−フコピラノシル)−n−ブタ ノイル]−L−プロリン−L−フェニルアラニン。
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