JPH09501571A - モノクローナル抗体 - Google Patents

モノクローナル抗体

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Abstract

(57)【要約】 VH鎖の配列が、 あるいはVH鎖の配列が、VHCDR1の最初のアミノ酸残基がグルタミンであること以外は上と同じであり、どちらの場合でもVL鎖の配列が であるIgG1グループIIA重鎖とκグループV軽鎖とを備える完全なマウスモノクローナル抗体以外の分子であって、(i)膜結合性ヒト癌胎児性抗原を結合し、(ii)ヒト癌胎児性抗原の490残基〜C末端に結合(N−C)したヒトの胆汁糖タンパク質の1〜314残基からなるハイブリッドポリペプチドを結合し、かつ(iii)ヒトの胆汁糖タンパク質に結合しない分子。好ましくは、前記分子がモノクローナル抗体である。

Description

【発明の詳細な説明】 結腸直腸癌の診断および治療に使用されるモノクローナル抗体 本発明は、結腸大腸癌の診断および治療に使用できる抗体に関する。 抗体が、癌胎児性抗原(CEA)と反応することが知られているが、膜結合C EAと可溶型CEAの両方と反応するため、結腸大腸癌の診断には使用されてい ない。 モノクローナル抗体PR1A3は、NS1(P3/NS1/I-Ag-4-1) ミエローマ細胞と正常な結腸大腸上皮細胞で免疫されたマウスの脾臓細胞とを融 合することによって産生される(Richman & Bodmer 1987)。PR1A3は、両 方と非常に強く反応し、結腸直腸癌腫をほとんど区別せず、腫瘍に固定された抗 原は見えるが、腫瘍を流出するリンパ管またはリンパ節内では見られないことか ら、他の結腸直腸上皮反応性抗体以上の利点を備えている(Granowska等 1989) 。PR1A3は、59/60の結腸大腸腫瘍と反応したが(Richman & Bodmer 1 987)、CEA反応性B72.3は75%しか反応しなかった(Salvatore等 198 9)。胃、回腸、oesophagus、気管およびbreastの正常細胞に 弱く結合することがいくつか証明されているが、in vivo試験により、基 底膜がこれらの組織への上記抗体の接近を妨げることが示された(Granowska等 1990)。 PR1A3は、イムノグロブリンとして一般に普及しているが、そのハイブリ ドーマは利用されていない。PR1A3が結合する的確なエピトープは、知られ ていなかった。 本発明は、結腸直腸癌に対してPR1A3と同等以上の特異性を備えたモノク ローナル抗体を含む分子を提供する。このような抗体は、癌胎児性抗原(CEA )、すなわち結腸直腸癌腫に提示された腫瘍マーカーの一部であることが判明し た新 規に見出されたPR1A3エピトープに対するモノクローナル抗体(MAbs) を産生することによって調製することができる。 本発明の第一の態様は、(i)膜結合性ヒト癌胎児性抗原(CEA)を結合し 、(ii)完全なヒトCEAの490残基〜C末端に結合(N−C)したヒトの胆 汁糖タンパク質(BGP)の1〜314残基からなるハイブリッドポリペプチド を結合し、(iii)ヒトのBGPに結合しない分子であって、 VH鎖の配列が、 あるいはVH鎖の配列が、VHCDR1の最初のアミノ酸残基がグルタミンである こと以外は上と同じであり、どちらの場合でもVL鎖の配列が であるIgG1グループIIA重鎖とκグループV軽鎖とを備える完全なマウス モノクローナル抗体以外の分子を提供する。 VH鎖の配列は、以下のようにも記載できる。 また、VL鎖の配列は以下のようにも記載できる。 HCDR1の最初のアミノ酸残基は、上記VH配列の31位である。 前記分子は、抗体であることが好ましい。 ヒトCEAの(A3のCターミナルハーフ)-B3-GPIドメインに結合(N −C)したBGPのN-A1-B1-(A2のNターミナルハーフ)ドメインから なるハイブリッドポリペプチドが、実施例1に詳細に記載され、図8にキメラ1 として図式的に示されている。これは、BGPの1〜314残基をCEAの49 0残基〜c末端にN−C型に融合したものである。完全なCEAのC末端は、6 68残基である。 “膜結合”という用語により、例えばAmerican Type Culture Collection,12 301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland 20852.USA カタログナンバー ATCC HTB 38の適度に良く分化したグレードIIヒト結腸アデノカルノノーマ(adenoca rcinoma)セルライン、HT−29セルライン等の結腸癌腫細胞に見られるよう なCEAを意味する。 “結合”という用語は、カバーガラスで生育したアセトン固定CEA陽性細胞 単層の間接免疫蛍光法によって評価する際に、陽性ソグナルは、その後の蛍光複 合抗マウス(またはヒト)IgG抗体を用いたインキュベーションによって見る ことができることを意味する。実施例7は、細胞のアセトン固定および結合の決 定について記載する。 抗体重鎖がIgG1であることは、免疫拡散法ゲル(Ouchterlony technique) におけるイソタイプ血清に特異的な抗血清との反応によって、または酵素結合免 疫測定法(ELISA)によって決定することができる。マウスIgG重鎖に反 応し、診断に使用できるモノクローナル抗体は、市販のものを利用することがで き、例えば9x108-1の結合活性を備えたSerotec社、22 Bankside,Station Approach,Kidlington,Oxford OX5 IJE,UKのラットモノクローナル抗体クロ ーンLO-MG1-2を利用することができる。 抗体軽鎖がκであることは、免疫拡散法ゲルにおける特異的抗血清との反応お よびELISAによって決定することができる。マウスκ軽鎖と反応し診断に使 用できるモノクローナル抗体は、市販のものを利用することができ、例えばSero tec社のラットモノクローナル抗体クローンMRC OX-20を利用することが できる。 IgGグループIIAおよびκグループVは、V領域のサブタイプと称され、 参照として取り込んだKabatら(1991)Sequence of Proteins of Immunological I nterest,fifth edition,US Department of Health and Human Services,NIH Publication No91-3242に記載されたV領域フレームワークの配列によって明確 にされている。 上記分子は、ヒトの体内に存在し、腸に位置する自然に産生した他のヒトタン パクに実質的に結合しないことが好ましい。このようなタンパクには、コラーゲ ンおよび血清アルブミンが含まれる。 この分子が、N-A1-Fc、N-A1-B1-FcもしくはN-A1-B1-A2- Fcに結合しないことが好ましい。ここで、A1、B1およびA2はCEAのド メインであり、FcはイムノグロブリンのFcタンパクである。 この分子が、B3ハイブリッドに結合しないことがさらに好ましい。ここでG PIアンカーは除去されているか、GPIアンカーはBGPトランスメンブレン セグメントで置換されている。 この分子が抗体である場合には、ヒトフレームワーク領域および少なくとも請 求項1記載のVH鎖およびVL鎖の相補性決定領域を含有することが好ましく、こ こでVH鎖のCDR1はVFGMN(SEQ ID No3)、CDR2はWIN TKTGEATYVEEFKG(SEQ ID No4)およびCDR3はWDF YDYVEAMDY(SEQ ID No5)であり、VL鎖のCDR1はKAS QNVGTNVA(SEQ ID No6)、CDR2はSASYRYS(SEQ ID No7)およびCDR3はHQYYTYPLFT(SEQ ID No8) である。 PR1A3は、IgG1グループIIA重鎖およびκグループV軽鎖を有する マウスモノクローナル抗体であり、VH鎖の配列が本発明の第一の態様から除外 した上述のものもしくはVHCDR1の最初のアミノ酸残基がグルタミンである もの、並びにVL鎖の配列が本発明の第一の態様から除外した上述のものである 。 CEAは、免疫グロブリンスーパージーンファミリー(Thompson & Zimmerman n 1988; Thompsonら1991参照)の一つである。CEAは、N-A1-B1-A2-B 2-A3-B3-GPIのドメイン構造を備えており、GPIはグリコホスファチ ジルイノシトール膜アンカーである。かなりの程度の配列相同性が、CEAのド メインおよびNCA等のファミリーの他のメンバーとの間に存在する。 胆汁糖タンパク(BGP)も、免疫グロブリン遺伝子スーパーファミリーの一 つであり、N-A1-B1-A2-TMのドメイン構造をとりTMはトランスメンブ レンドメインであるが、BGPのA1、B1およびA2ドメインは、CEAのA 1、B1およびA2と称されるドメインとは別である。 “抗体”という用語に、モノクローナル抗体とポリクローナル抗体、抗体断片 を含める。この抗体断片は、(i)ヒトCEA、(ii)ヒトCEAの490残基 〜C末端に結合(N−C)したヒトのBGPの1〜314残基からなるハイブリ ッ ドポリペプチドに特異的かつ可逆的に結合するが、(iii)ヒトBGPには結合 しないものであって、IgG1グループIIA重鎖とκグループV軽鎖とを備え る完全なマウスモノクローナル抗体、すなわちVH鎖の配列が(図1に示された もの)かもしくはVHCDR1の最初のアミノ酸残基がグルタミンでありかつ、 VL鎖の配列が(図2に示されたもの)である抗体を除く。 抗体または抗体断片が、モノクローナル抗体から誘導されることが好ましい。 モノクローナル抗体は、参照として取り込まれたZola,H.(1988)("Monoclona l Antibodies−A manual of techniques" CRC Press)の技術によって一般的に調 製することができる。Fab、(Fab)2、Fv、scFvもしくはdAb断 片等の抗体断片は、これに基づいて既知の方法で調製することができる。抗体は 、例えばヒトの抗体のフレームワークにマウスの抗体のCDR領域を挿入するこ とによって既知の方法でヒューマナイズ(humanized)することができる。抗体様 分子は、国際特許第84/03712号の組換えDNA技術を用いて調製するこ とができる。このタンパクに特異的な領域を、McCaffertyら(1990)Nature 348 ,552-554の技術を用いてバクテリオファージの一部として発現させることがで きる。 本発明の抗体様分子は、細胞内で発現されたCEAまたはハイブリッドタンパ クを固定してファージを選別するのに使用するGriffithsら(1993)EMBO J.12, 725-734に記載された方法を用いてファージディスプレイライブラリー(phage di splay libraries)から選別することができる。また、単層で生育され、ホルムア ルデヒドまたはグルタルアルデヒドで固定もしくは固定されていない適切な細胞 もファージを結合するのに使用することができる。関係の無いファージを洗い流 して、結合したファージを回収した。CEAまたはハイブリッドタンパクへの結 合を切断し、バクテリアで再度増幅(reamplifying)して回収した。この選別およ び増幅工程は、本発明の抗体様分子である上記分子に係るファージを増すために 数回行う。 また、本発明の抗体様分子にファージディスプレイライブラリーからのペプチ ドと同様にして、ランダムペプチドライブラリーから選別されたペプチドも含め る。 抗体の可変重(VH)領域と可変軽(VL)領域は抗原認識に関与し、これは初 期のプロテアーゼ分解実験で最初に認識された事実である。げっ歯類抗体の“ヒ ューマナイゼーション(humanisation)”によってさらなる確証が得られた。得 られた抗体が、げっ歯類を親とする抗体の抗原特異性を保有するように、げっ歯 類に由来する可変領域を、ヒトに由来する定常領域に融合することができ(Morr isonら(1984)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 81,6851-6855)、げっ歯類の抗体 をヒューマナイズするために“CDR移植”を用いることができる。追加的また は選択的に、組換えモノクローナル抗体を“プリマタイズ(primatised)”、すな わち重鎖および軽鎖の可変領域またはその一部並びに定常領域を二つの異なる霊 長類の種から誘導することができ、好ましくは抗体の可変領域をマカクザル、定 常領域をヒトから誘導する。このような抗体の利点としては、ヒト免疫グロブリ ンに対する高い相同性、ヒトエフェクター機能(human effector functions)の存 在、低い免疫原性およびより長い血清半減期(serum half-life)(Newmanら(199 2)Biotechnology 10,1455)が含まれる。 抗原特異性が可変領域によって付与され、定常領域とは別であることは、抗体 断片の細菌発現を含む実験からわかっており、全てが一つ以上の可変領域を含ん でいる。これらの分子は、Fab様分子(Betterら(1988)Science 240,1041 );Fv分子(Skerraら(1988)Science 240,1038);VHおよびVLパートナ ー領域が柔軟なオリゴペプチドを介して連結されたシングルチェーンFv(Sc Fv)分子(Birdら(1988)Science 242,423,Hustonら(1988)Proc.Natl. Acad.Sci.USA 85,5879)および単離されたV領域を含有するシングルドメイ ン抗体(dAbs)(Wardら(1989)Nature 341,544)を含む。特異的結合部 位を保有する抗体断片の合成に係る技術の一般的な書評は、Winter & Milstein (1991)Nature 349,293-299に見られる。 “ScFv分子”とは、VHおよびVLパートナー領域が柔軟なオリゴペプチド を介して連結された分子を意味する。 ある状況では、抗体全体より抗体断片を用いた方が有利である。より小さい大 きさの断片は、クリアランスを早め、かつ非腫瘍に対する腫瘍の割合を改善する ことができる。Fab、Fv、ScFvおよびdAb抗体断片は、E.coli で発現および分泌され、大量の前記断片を容易に産生することができる。 全体の抗体およびF(ab’)2フラグメントは“二価”である。“二価”と は、前記抗体およびF(ab’)2フラグメントが二つの抗原結合部位を有する ことである。対照的に、Fab、Fv、ScFvおよびdAbフラグメントは一 価であり、一つだけの抗原結合部位を有する。 Tan,L.K.およびMorrison,S.L.(1988) Adv.Drug Deliv.Rev.2: 129-142、 Williams,G.(1988) Tibtech 6: 36-42およびNeuberger,M.S.ら(1988) 8th Int ernational Biotechnology Symposium Part 2,792-799(これらの全てを参照と してここに取り込む)に記載されているように、“抗体技術”は急速に進んでお り、本発明の抗体から誘導された抗体様分子を調製するのに良く適している。 抗体が特異的に結合する抗原の研究もしくは単離および精製、並びに抗原提示 細胞の視認化(イメージング)および処置に係る種々の目的にこれらの抗体を使 用することができる。他の実施態様では、本発明の抗体を、シンチグラフィック ラジオラベル(sclntigraphic radiolabel)、細胞毒性化合物またはラジオアイソ トープ、非毒性のプロドラッグを細胞毒性の薬剤に変換する酵素、得られた複合 物を結腸の腫瘍に向けるために免疫系を活性化する化合物、もしくは細胞刺激性 化合物に結合する。このような複合物は、本発明の抗体からなる“結合部位”と 、ラジオラベル、毒素または酵素等からなる“機能部位”とを備える。 この抗体は、他の化合物の結合を物理的に妨害することによって、単にCEA 抗原の活性をブロックするためのみに用いることもできる。 この複合体(ペプチドまたはポリペプチド)の結合部位と機能部位は、O'Sull ivanら(1979) Anal.Biochem.100,100-108に一般に記載されたような、クロス リンキングポリペプチドの何らかの通常の方法によって互いに結合することがで きる。例えば、ある部位にチオール基を増し、他の部位をこれらのチオール基と 反応する二価性の試薬、例えばヨード酢酸のN-ヒドロキシスクシンイミドエス テル(NHIA)またはN-スクシニミジル-3-(2−ピリジルジチオ)プロピ オナート(SPDP)と反応させる。例えば、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒ ドロキシスクシンイミドエステル等のアミドおよびチオエーテル結合は、一般的 にジスルヒド結合よりin vivoでより安定である。 結合部位が炭水化物を含有する場合、抗体またはある抗体断片の場合等では、 欧州特許第0088695号の結合技術を用いて機能部位を炭水化物部位を介し て結合することができる。 複合体の機能的部位は、例えばBagshaweとその共同者の複合体(Bagshawe(19 87)Br.J.Cancer 56,531; Bagshaweら(1988)Br.J.Cancer 58,700; 国際 特許第88/07378号)またはシアニド放出システム(国際特許第91/1 1201号)等の非毒性のプロドラッグを毒性の薬剤に変換するための酵素とす ることができる。 複合体に酵素全体が存在する必要はないが、当然に触媒部位は存在しなければ ならない。いわゆる“アブザイム(abzymes)”を用いることができ、モノクロー ナル抗体は、通常は反応仲間状態である、触媒反応を望む反応に係る化合物に対 して産生される。得られた抗体は、反応のための酵素として作用することができ る。 複合体は、サイズ排除またはアフィニティークロマトグラフィーで精製するこ とができ、二重の生物学的活性を試験することができる。抗原免疫反応性は、固 定化した抗原を用いたenzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)およ び生きた細胞内におけるラジオイムノアッセイを用いて測定することができる。 エンザイムアッセイは、グルコース残基が加水分解されたときに吸収に変化を与 える基質、例えば遊離した2-ニトロフェノールが405nmで分光光学的に測 定されるoNPG(o-ニトロフェニル-β-D-グルコピラノシド)等を用いて、 β-グルコシダーゼに使用することができる。 複合体の安定性は、血清中で37度でインキュベートすることによって最初に in vitroで試験を行い、次いでサイズ排除FPLC分析を行った。in vitroでの安定性は、複合体を注射してから様々な時間経過後に血清を分析 することによってマウスにおいても同様に試験することができる。さらに、複合 体形成前に125Iで抗体を、また131Iで酵素を放射能標識することができ、マウ ス内における複合体、遊離した抗体および遊離した酵素の生物学的拡散(バイオ ディストリビューション)を測定することができる。 あるいは、前記複合体を組換えDNA技術により融合化合物として産生するこ ともでき、この技術によれば、互いに隣接した、もしくは複合体の所望の特性を 壊さないリンカーペプチドをコードする領域で分けられた複合体の二つの部位を コードする各領域を一本のDNAが備えている。 考えられるところでは、化合物の二つの機能的部位は、完全または部分的にオ ーバーラップしてもよい。次いで、DNAを、既知の方法を用いて適切な宿主中 で発現させる。 この複合体は、例えば等張生理食塩水(静脈内投与する場合)等の、標準的な 無菌の非発熱原性の希釈および輸送剤とあわせて、通常は静脈内または腹腔内( intraperitoneally)等の非経口的に適切な方法で投与することができる。複合 体が標的細胞に結合して(必要であれば)血流から除去されたら(普通は一日く ら いかかる)、一般的には一回の注入量としてプロドラッグを投与するか、腫瘍を 視認(イメージ)できるようにする。 必要であれば、複合体が抗原性であることから、より長い間治療できるように シクロスポリンまたは他の免疫抑制剤を投与することができるが、普通は必要と しない。 複合体の投与とプロドラッグの投与との間の時間は、非発明的方法で最適化す ることができる。複合体の腫瘍/正常組織比は(少なくとも静脈輸送が続く)、 約4−6日後に最高となるが、このとき腫瘍に結合した複合体の絶対量、すなわ ちグラムあたりの注入量のパーセントに換算すると前に比べて低くなる。 それゆえ、複合体の投与とプロドラッグの投与との間の最適な間隔は、酵素の ピーク腫瘍濃度と、腫瘍と正常な組織との間の最適な分散率との間の折衷となる 。複合体の投与量は、通常の基準に従って医師によって選択される。少なくとも β-グルコシダーゼ等の標的化された酵素と毒性プロドラッグとしてアミグダリ ンの静脈内投与を用いる方法の場合には、体の表面積の平方メートルあたり0. 1〜10.0gの1〜50の日々の投与、好ましくは1.0〜5.0g/m2が 適切であろう。経口治療では、0.05〜10.0g、好ましくは1.0〜5. 0gの一日3回投与を1〜50日間行うのが適切である。どの複合体の投与量も 、特に腫瘍のタイプ、段階および位置並びに患者の体重を参考に通常の基準に従 って同様に選択される。治療の持続期間は、複合体に対するあらゆる免疫反応の 急速性および範囲に部分的に依存する。 複合体を診断に使用する際には、通常はこの複合体の機能的部位が、例えばテ クネチウム99m(99mTc)またはヨウ素123(123I)等のシンチグラフィ ーの研究のための放射活性原子、もしくはヨウ素123、ヨウ素131、インジ ウム111、フッ素19、炭素13、窒素15、酸素17、ガドリニウム(gadol inium)、マンガンもしくは鉄等の核磁気共鳴(nmr)イメージング(磁気共鳴 イメージング、mriとしても知られる)用のスピンラベルを備える。 腫瘍の選択的破壊のための化合物に用いる場合には、機能的部位は、隣接する 細胞を破壊するのに十分なエネルギーを照射するヨウ素131、レニウム186 、レニウム188、イッテリウム90または鉛212等の高度に放射活性を備え た原子、あるいはメトトレキセート、アドリアマイシン、ビンカアルカロイド(v inca alkaloids)(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド(etoposide)) 、ダウノルビシンもしくは他の挿入剤等の細胞毒性化学化合物を含有することが できる。 放射線または他の標識は、既知の方法で複合体に取り込むことができる。例え ば、ペプチドは、生合成によりもしくは、例えば水素の位置にフッ素19を含む 適切なアミノ酸前駆物質を用いた化学的アミノ酸合成方法によって合成すること もできる。99mTc、123I、186Rh、188Rhおよび111In等の標識は、ペプ チドのシステイン残基を介して取り付けることができる。イッテリウム90はリ ジン残基を介して取り付けることができる。ヨードゲン方法(The IODOGEN metho d)(Frakerら(1978)Biochem.Biophys.Res.Commun.80:49-57)は、ヨウ素 123の取り込みに使用できる。“イムノシンチグラフィーにおけるモノクロー ナル抗体(Monoclonal Antibodies in Immunoscintigraphy)”(Chatal,CRC Pre ss 1989)は、詳細に他の方法を記載している。 本発明の第二の態様は、医薬に用いるための本発明の第一の態様に定義したよ うな分子、好ましくは抗体を提供する。 本発明の第三の態様は、結腸のがん腫を診断または治療することに用いる医薬 の製造における、本発明の第一の態様に定義した分子、好ましくは抗体の使用を 提供する。 本発明の第四の態様は、単一特異的な抗体を作成する方法を提供するものであ って、この方法は、(i)ヒトの膜に基づくCEAに結合し、(ii)ヒトCEA の490残基〜C末端に結合(N−C)したヒトBGPの1〜314残基からな るハイブリッドポリペプチドに結合するが、(iii)ヒトBGPには結合しない 単一特異的抗体を選択するために抗体のプールをスクリーニングすることを含む 。 単一特異的抗体がモノクローナル抗体であり、抗体のプールがモノクローナル 抗体のプールであると好ましい。プール内の抗体は、組換えDNA方法によって 産生された抗体を有するとさらに好ましい。 好ましい態様では、スクリーニング段階で抗体が以下の条件合うものである: (1)結腸の癌腫細胞(RichmanとBondmer(1987)Int.J.Cancer 39,317-328 )等のヒトの腫瘍細胞およびヒトの胃の癌腫セルラインMKN45(Kojamaら( 1990)Jpn.J.Cancer 81,967-970)に結合するもの。例えばアセトンを用いて 細胞をスライドガラスまたはカバーガラスに固定し、第二の蛍光標識化抗種抗体 、例えばもし最初の抗体がマウスIgGであればFITC標識化した抗マウスI gGによって抗体の結合を検出する間接的な免疫蛍光アッセイで結合を検出する 。もしくは懸濁液中の細胞に結合する抗体を測定することができ、抗体結合を放 射線活性標識した第二抗体、例えば125I標識化抗マウスIgGによって検出す ることができる。 (2)ヒトCEAが移入され、ヒトCEAを発現する細胞に結合するもの。例え ば、ベクターpCDM8(Invitrogen)内のCEA cDNA(Beaucheminら(1 987)Mol.Cell.Biol.7,3221-3230)を用いてエレクトロポレーションによっ て移入されたサルウイルス40-形質転換されたサルの繊維芽細胞ラインCOS- 7;デキサメタゾン(dexamethasone)誘発性ベクターpMAMneo(Clontech) 内のCEA cDNAを用いてエレクトロポレーションによって形質転換された チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO):プラスミドpSVneo2を用い たリポフェクションによってマウス結腸直腸の癌腫セルラインCMT93に共形 質転 換(co-transfected)されたCEAのコスミドクローン(Willcocks,T.C.とCra ig,I.W.(1990)Genomics 8,492-500);CEA遺伝子クラスター、例えばクロ モソーム19の長い腕のq13.1−q13.3領域のICRFy9000C0 2400を含有し、かつ、pYAC4の右腕のベクターアームを備えたプラスミ ドベクターpRAN4(Ragoussisら(1992)Nucleic Acids Res.290,3135-31 38)を用いた相同的組換え(homologous recombination)によってネオマイシン耐 性(neoR)遺伝子を含むように修飾されたイーストの人工的染色体(yeast a rtificial chromosome)すなわちYACで形質転換したCHO細胞であって、形 質転換はイーストスフェロプラスト細胞融合(Burgers,P.とPercival,K.(198 7)Anal.Biochem 163,391-397)によって成されたものとすることができる。 (3)例えばハイブリッド遺伝子を有するプラスミドpCDM8を用いたエレク トロポレーションで形質転換されたCOS-7細胞等の、ハイブリッド遺伝子B GP-CEAB3-GP1が移入され、これを発現する細胞に結合するもの。エレ クトロポレーションは実施例6に記載されている。 (4)CEAを発現せずにBGPを発現する細胞には結合しないもの。例えば、 BGPのcDNAを有するプラスミドpCDM8を用いて形質転換されたCOS -7細胞など。 (5)CEAを発現せずにNCAを発現する細胞には結合しないもの。例えば、 NCAのcDNAを有するプラスミドpCDM8を用いて形質転換されたCOS -7細胞など(Heftaら(1990)Cancer Res.50,2397-2403)。 (6)GPIアンカーが無くハイブリッドBGP-CEAB3を発現する細胞に は結合しないもの。これらの細胞では、正常に処理されればGPIアンカーで置 換されるCEAB3配列内の疎水性テール部の最初の位置にストップコドンが取 り込まれた、BGP-CEAB3のハイブリッド遺伝子を有するプラスミドpC DM8を用いて形質転換した形質転換型COS-7がある。PCRは、このよう なスト ップコドンを取り込むのに使用することができる。 (7)BGP-CEAB3-BGP TMを発現する細胞には結合しないもの。例 えば、CEAの処理された疎水性セグメントに代えてCEAのB3ドメインにB GPのトランスメンブレンドメインが付加されたハイブリッド遺伝子を有するp CDM8を用いて形質転換されたCOS-7など。 CEAに結合しない使用可能な対照の抗体は、例えばT細胞マーカーCD4を 認識するものである。適切な抗CD4抗体は、例えばOKT4(抗ヒトヘルパー T細胞サブセット;ATCC CRL 8002)等のATCCから利用できる。 本発明の抗体の選択は、どの順序で上記工程を行ってもよい。 最初のスクリーニングを、ヒト腫瘍セルラインまたはcDNAまたはコスミド のCEAを発現するトランスフェクトマ(transfectoma)等のCEA発現細胞ラ インで行うことが好ましい。 第二のスクリーニングを、上述の遺伝子およびハイブリッド遺伝子を用いて形 質転換されたセルラインで行うことが好ましい。 NCAは非特異的交差反応抗原であって、N、A1およびB1ドメインとGP Iアンカーを備えている(ThomsonとZimmerman(1988)Tumour Biol.9,63-83 並びにThomsonら(1991)J.Clin.Lab.Analysis 5,344-366参照)。 発現に適切な親セルラインは、CEAを発現しないCOS細胞およびCHO細 胞を含む。 本発明を、以下の実施例および図面を参照しながら詳細に記載する。 図1は、マウスのモノクローナル抗体のVH鎖の推測されるアミノ酸配列(マ ウスの重鎖;SEQ ID No1)、ヒューマナイゼーション(humanisation) 用のフレームワーク配列を提供するために用いたヒト抗体RF-TS3’CLの VH配列との比較(RF-TS3バックボーン;SEQ ID No27)および作 成したヒューマナイズ化配列(ヒューマナイズ化重鎖;SEQ ID No28) を示す。RF-TS3’CLの配列は、参照としてここに取り込まれたPascualら (1990)J.Clin.Invest.86,1320-1328に開示されている。 図2は、マウスのモノクローナル抗体のVL鎖の推測されるアミノ酸配列(マ ウスのκ;SEQ ID No2)、ヒューマナイゼーション用のフレームワーク 配列を提供するために用いたヒト抗体REIのVL配列との比較(REIバック ボーン;SEQ ID No29)および作成したヒューマナイズ化配列(ヒュー マナイズ化κ;SEQ ID No30)を示す。 図3は、CEAとNCA−50とのアミノ酸配列の比較を示す。対応するドメ インは共にグループ化されている。どちらの場合も、点は各グループの一番上の 行に示されたCEAドメインのアミノ酸と同一であることを示す。ダッシュは、 CEAと比較した場合のアミノ酸の欠失を示す。N-グリコシル化の可能性のあ る位置に下線を付した。 図4は、BGPのcDNA配列(SEQ ID No31)と推測されるアミノ 酸配列(SEQ ID No32)とを示す。 図5は、GPIの構造を示す。 図6は、ヒューマナイズ化した重鎖の構成を示す。FRは、フレームワーク領 域(framework regions)を示す;CDRは、相補性決定部位を示す;=はヒト 重鎖をコードする二本鎖DNAを示す;→は、オーバーラッピングPCR(overl aping PCR)のためのプライマーとして用いられた5’−3’の方向を示す合成オ リ ゴヌクレオチドを示す。 図7は、ヒューマナイズ化した軽鎖の構造を示す。FRは、フラグメント領域 を示す;CDRは相補性決定領域を示す;=ヒューマナイズ化した重鎖をコード する二本鎖DNAを示す;→は、オーバーラップPCRのためのプライマーとし て用いられた5’−3’の方向を示す合成オリゴヌクレオチドを示す。 図8は、BGP−CEAキメラ構造物を示す。 図9は、ヒューマナイズ化抗体のVドメインのモデルを示す。軽鎖(L)およ び重鎖(H)の相補性決定部位(CDRs)1〜3の位置を示す。抗原認識に関 係する二つのグルタミン酸残基、E(H:106)−重鎖の106位およびE( H:57)−重鎖の57位にしるしを付した。 図10は、CEAのB3ドメインのモデルを示す。リジンとアルギニン残基の 位置にしるしを付した。KG36(636位がリジン)とR594(594位が アルギニン)のin vitro変異は、抗原へのPR1A3結合を破壊する。 図11は、NCAのcDNA配列(SEQ ID No33)および推測される アミノ酸配列(SEQ ID No34)を示す。 図12は、CEAのcDNA配列(SEQ ID No35)および推測される アミノ酸配列(SEQ ID No36)を示す。 図13は、PR1A3κ軽鎖のcDNA配列(SEQ ID No37)および 推測されるアミノ酸配列(SEQ ID No38)を示す。 図14は、PR1A3重鎖のcDNA配列(SEQ ID No39)および推 測されるアミノ酸配列(SEQ ID No40)を示す。実施例1:PR1A3によって認識されるエピトープの同定 YAC(イーストの人工的クロモソーム)およびコスミドの研究は、PR1A 3抗原をコードする遺伝子を、CEA遺伝子が位置する染色体の領域にマッピン グし、CEA様のPR1A3エピトープがγ-インターフェロンによってアップ レギュレートされることが示された。CEAのcDNAの種々の細胞への移入に より、これらの細胞上にPR1A3が出現し、モノクローナル抗体PR1A3は CEAのエピトープを認識することが示唆された。 CEAのドメインは、N-A1-FC、N-A1-B1-FcおよびN-A1-B1- A2-FcとしてイムノグロブリンのFc部位への融合物としてCOS細胞内に 発現した。これらのどの構造物もPR1A3と反応するタンパク質を産生しなか ったことから、前記エピトープはN-A1-B1-A2領域に位置していない。 BGPとCEAのハイブリッド構造物は、CEAの(A3のC末端ハーフ)- B3-GPIドメインが、BGPのN-A1-B1-(A2のN末端ハーフ)ドメイ ンに融合するように調製された。CEAとBGPのアミノ酸配列は、図3および 4に示されている。このハイブリッド構造物ナンバー1は、BGPのシステイン 314までとCEAのグルタミン酸490〜C末端までを含む(図8参照)。こ のハイブリッド構造物は、発現プラスミドpCDM8からCOS細胞内に発現さ れた。免疫蛍光アッセイで分析すると、形質転換されたCOS細胞は、マウスP R1A3抗体とヒト/マウスキメラ抗体との両方で正のシグナルを与えた(以下 を参照)。これは、PR1A3エピトープがB3-GPI領域の領域内にあるこ とを確証する。プラスミドpCDM8は、SeedとAruffo(1987)Proc.Natl.Ac ad.Sci.USA 84,3365-3369に記載されている。 GPIアンカーがタンパク質に添加されないように、ハイブリッド構造物ナン バー1にストップコドンを導入した。CEA部は、もはや膜結合型ではないが、 可溶化され分泌される。ストップコドンは、CEAの644残基の位置に導入さ れ、(N-A1-B1-(A2のN末端ハーフ))BGP−((A3のC末端ハー フ)-B3)CEAが形成された(構造物ナンバー2;図8)。ベクターpCD M8を用いたこの構造物のCOS細胞への移入(トランスフェクション)により 、BGPと交差反応する抗体3B10を用いた免疫蛍光的研究で陽性であるが、 PR1A3に陰性な細胞を得た。これは、ハイブリッドタンパクが発現したが、 ハイブリッドが膜結合型でないときにはPR1A3エピトープが欠如しているこ とを確証する。 キメラ構造物3aおよび3bを作成した。これらは、図8に示すような構造で ある。発現構造物の作成に用いたPCR法 BGPのクローニングに以下のプライマーを用いた: CEAのクローニングに以下のプライマーを用いた: キメラ1用にBGPとCEAフラグメントを親分子からPCRで増幅した。生 産物をClaIで切断し、連結した。アニールした産物の5’と3’末端を、C OS-7細胞内における一過性の発現のためのpCDM8ベクターのHindIII -XbaI部位に連結するために、HindIIIとXbaIで切断した。 以下のプライマーを用いた: キメラ2は、キメラ1から増幅して、pCDM8への連結のためにHindII IとXbaIで切断した。 以下のプライマーを用いた: キメラ3aと3bを作成するために、分子の5’部位を、BGP5’プライマ ーと必要な継ぎ目に相補的なアンチセンスオーバーラッピングプライマーとを用 いてキメラ1の鋳型から増幅した。このBGPトランスメンブレンドメインを、 センスオーバーラッピングプライマー(sense overlapping primer)とBGP3’ プライマーとを用いたBGPから増幅した。 アニール化した分子を集めるために、“プライマー-ダイマー”を形成するた めに二つの相補的フラグメントを18PCRサイクルにかけ、12の更なるPC R サイクル用のBGP5’および3’アウトサイド(outside)プライマーを添加し た。 構造物3a用に以下のプライマーを用いた: 以下のプライマーを構造物3b用に用いた: アンカーの構造は、Ferguson(1992)に記載されており、哺乳類のGPIの遺伝 子構造は図5に示されている。GPIアンカーから脂質の尾部(テール)を切断 して可溶生産物を与えるホスホリパーゼでインキュベートすることによってMK N45細胞から放出されたCEAを用いた研究により、PR1A3エピトープを 含有するCEAを生産される。SDS PAGEおよびウェスタンブロッティン グ で試験する際に、ジスルフィド結合を切断する還元剤ジチオトレイトールを含む 2%SDSサンプルバッファーでこの抗原を煮沸した場合に、弱いシグナルが得 られる。還元剤がジスルフィド結合を完全には維持しないことを除いては同様の 方法で、この抗原を試験した場合には、強いシグナルが得られた。このことから 、このエピトープが少なくとも部分的に配座的(コンホメーショナル)であるこ とが示唆される。さらに、NCAは高度の配列相同性を備えた点でCEAと関係 しており、GPIアンカーを備えているが、PR1A3と反応しない。従って、 GPIは、このエピトープに十分なものではない。実施例2:分子モデルおよびin vitro変異 抗体PR1A3の分子モデルは、抗体のCDR領域に通常のものではない二つ の不対のネガティブチャージがあることを示している。これらのチャージは、抗 体によって認識されたエピトープに相補的なチャージが存在することを示唆して いるのだろう(図9および10参照)。 CEAのB3ドメインの分析および他のファミリーメンバーであるNCAとの 比較により、抗原-抗体反応で重要な役割を演ずるポジティブチャージを有する 3つの残基があることが示唆された。この残基は、CEA B3ドメインの61 0位および636位のリジンと514位のアルギニンであった。抗体PR1A3 によって認識されるエピトープにおける個々のチャージの役割を調べるために、 これらの残基をリジンまたはアルギニンからアラニンに変えた。DNA配列を変 えることによりアミノ酸を変更することが可能である。ポリメラーゼチェーン反 応は、増幅プライマーの一つに取り込まれる部分変異(ポイントミューテーショ ン)を導入するために使用することができる。このフラグメントを、クレノウフ ラグメントを備えた平滑末端とするか制限エンドヌクレアーゼで切断し、産物を 配列決定するために適切なベクターに連結する。あるいは、配列の中部に変異を 導入するために、ミューテーションを包括する二つのフラグメントを互いにアニ ールし、相互に開始される合成法(mutually primed synthesis)によって延長 する。次い で、このフラグメントを切断し、配列決定するのに適した適切なベクターに連結 する。 TaqポリメラーゼおよびTaqリガーゼで増幅する際に、リン酸化オリゴヌ クレオチドを取り込むためにPCRを使用することもできる(Michel,BioTechn iques 16(3),410-412)。 変異は、全体的に合成された遺伝子もしくは遺伝子の一部の調製によっても導 入することができる。 配列に変化を導入するのに使用した方法は、KunKelの方法(1985 Proc. Natl.Acad.Sci.USA 82,488-492)によるオリゴヌクレオチド向け変異誘発(o ligonucleotide directed mutagenesis)である。 CEAの反復特性は、変異誘発を行うためにCEAのB3ドメインおよび下流 配列が類似の上流配列から単離される必要があることを意味する。この領域を、 ClaI5’部位とXbaI3’部位を導入するプライマーを用いて増幅し、このフラグ メントをpBluescriptII KS-にクローン化した。このプラスミドを、チミジンの 代わりに多量のウラシル残基を含むプラスミドを産生するE.coliのdut- ung-F’株(CJ236)に形質転換した。一本鎖鋳型をヘルパーファージ M13 K07を用いたスーパーインフェクション(superinfection)で産生し た。変異配列を含有するリン酸化オリゴヌクレオチドをこの鋳型にアニールし、 二本鎖環状分子を産生するためにT4 DNAポリメラーゼおよびリガーゼの存 在下で伸長した。このヘテロ二本鎖分子を野生株(dut+ung+)に導入する ことにより、ウラシル含有野生型鎖の分離および変異鎖の複製を引き起こした。 コロニーを単離し、変異遺伝子型が存在することを確かめるためにDNAの配列 を決定した。 変異 変異構造物の配列決定を行った後、これらのB3ドメインをBGPの1−31 4残基およびCEAの490−668残基からなるキメラタンパクを作成するた めに用いた。これらの製造物は、COS細胞で一時的に発現された場合に、PR 1A3に陽性であることが示された。 pCDM8に挿入してCOS細胞で発現した後に、免疫蛍光実験によって、K 2(リジン636→アラニン)およびR3(アルギニン594→アラニン)変異 を有する製造物はPR1A3にもはや認識されないが、K1(リジン610→ア ラニン)変異は結合に何の影響も与えないことが証明された(図10参照)。こ れらの結果は、エピトープのK2およびR3残基がPR1A3によって認識され ることを示す。実施例3:CEAに反応するモノクローナル抗体の調製および特性 RichmanとBodmer(1987)の方法でCEAに反応するモノクローナル抗体を調製 した。 組織、細胞、細胞培養 正常な大腸および結腸の腫瘍の新鮮なサンプルを用いた。これらを、液体窒素 で素早く凍結し−70℃で保存した。結腸外(extra-clonic)正常成人および胎児 の組織の冷凍サンプルを用いた。 使用した結腸癌腫セルラインは、異なる腫瘍に由来する。HT29結腸癌腫セ ルライン(FoghとTrempe,1975)は、10%ウシ胎児血清(FCS)を含有する 培地RPM1 1640で、37℃、5%CO2を空気中に含み100%の湿度で 維持した。LS174T、SW1222、SW48、SW620およびSW83 7結腸癌腫セルライン(Tomら,1976;Leibovitzら,1976)を10%FCSを含 有するダルベッコの調節イーグル培地(Dulbecco's modified Eagle's medium)で 、37℃、10%CO2を空気中に含み100%の湿度で維持した。 P3/NS1/1-Ag-4-1(NS1)は、8-アザグアニン耐性BALB/ cミエローマセルラインである。これを、10%FCSと2x10-5M 6-チオ グアニンを有するRPMI 1640で維持した。 この研究で産生されたハイブリドーマは、20%FCS、10-4M ヒポキサ ンチン、1.6x10-5M チミジンおよび10-5 メトトレキセート(HAT) を有するRPMI 1640で最初に培養した。クローニング後、ハイブリドー マ細胞からHATを除き、10%FCSを有するRMPI 1640で維持した 。 免疫材料 BALB/cマウスを4種の異なる標品で免疫した。 1.正常な結腸粘膜の検体。正常な大腸のサンプルをコルク板(cork board)上に ピンでとめた。冷えた無菌リン酸緩衝液A,pH7.4(PBS-A)で(10 回)すすいだ後、粘膜をメスでこすり落として粘膜筋板から切開した。粘膜の検 体を液体窒素で素早く凍結し、タングステンボールベアリング(tungsten ballb earing)を備えたポリプロピレンバイアル中でパウダー状になるまで機械的に振 動を 与えた。この物質を、0.2mlの完全フロイントアジュバントと0.2mlの PBS-Aで懸濁した。一度の接種につき、0.4mlのエマルション中の0. 2gの湿組織(wet tissue)を動物に与えた。 2.正常な結腸上皮のクルードな膜調製物。新鮮な正常結腸粘膜検体は上述のよ うにして調製した。湿組織1グラムを、各膜調製物のために使用した。組織サン プルを、ジチオトレイトール(DTT)を含有する10mlスクロースバッファ ーに解かし(戻し)、Dounce-ホモジェナイズを行った(250mM スクロール -RNアーゼ フリー:50mM トリエタノールアミン-HCl pH7.5;6 0mM MgCl2;2mM DTT)。40000gで15分間遠心した後、核 およびミトコンドリアのペレットを捨てた。その上清を30分間20000gで 遠心した。このミクロソームペレットを保持し、10mMのTris HCl p H7.4中の40%スクロースに再度懸濁した。このスクロース溶液を屈折計の 値が1.392−5となるように調節して、10mMのTris HCl pH7 .4中の25%スクロース(屈折計の値が1.375)を上層し、スクロース勾 配を4℃で65000gで15時間遠心した。膜を境界から回収し、10mMの Tris pH7.4で二度洗浄した;タンパク質含量をLowryら(1951)の方法で 概算した。1gの湿組織から約1mgの膜タンパクを回収した。注射用に、この 膜をPBS-Aおよび完全フロイントアジュバントに懸濁した。一度の接種につ き0.4mlのエマルションを動物に与えた。 3.HT29結腸癌腫セルライン。一度の接種につき、0.4mlのPBS-A に懸濁した2x106の生きたトリプシン処理細胞を与えた。 4.免疫原としてのエピトープ。免疫原は、ハイブリッドBGP-CEA B3- GPIタンパクを保有する細胞またはCEAのcDNAまたはコスミドを移入し た細胞である。CEA遺伝子を移入したマウスのL細胞を、CEAに対する抗体 を与えるのに適したマウスの系統を免疫するために用いた。CEAを発現するヒ ト腫瘍細胞を使用することもできる。 免疫化とハイブリドーマの作成 以下のプロトコールに従って、腹腔内接種によって免疫したBALB/cマウ ス由来の脾臓を用いて3つの融合(fusions)を行った。融合1と2では、粘膜の 検体と正常な結腸直腸の上皮の膜調製物で免疫および上昇(ブースト)させた( 上記“免疫材料”参照)。融合3では、最初の免疫化を正常な結腸の膜調製物で 行い、次のブースター(二次免疫)接種をTH29結腸癌腫細胞で行った。各融 合の6週、2週および4日前にこれらの材料の腹腔内注射を動物に行った。それ ぞれの場合に、脾臓を無菌状態で取り出し、単一細胞懸濁液を機械的に調製し、 RPMI 1640中の50%ポリエチレングリコール4000(Merck)を用い て脾臓細胞を108NSIミエローマ細胞と融合した。これらの細胞を、HAT +20%FCSを含むRPMI 1640および支持細胞層のマウス脾臓細胞を 入れた24または96ウェルプレートに塗布(プレート)した。このプレートを 37℃、100%の湿度、5%CO2の空気中でインキュベートした。ハイブリ ドーマは、一般的に14−21日で顕微鏡で見ることができる。所望のコロニー を同定するための最初のスクリーニングをクローニングの前に行った。引き延ば されたパスツールピペットで単一の細胞を拾うことによって、これらのコロニー を二度クローン化し、2mlのRPMI 1640、HATおよび20%のFC Sを上層したマウス脾臓細胞支持層を備えた96ウェルのミクロタイタープレー トの各ウェルに移し、37℃、100%の湿度、5%CO2の空気中で培養した 。 抗体産生のスクリーニングアッセイ 全ての融合物からの抗体産生のスクリーニングを、間接的イムノペルオキシダ ーゼ技術を用いた組織切片で行った。クリオスタットの切片(6μm厚)を正常 な大腸の凍結立法体から切断した。この切片を、0.1%ポリ-1-リジンで予備 被覆(precoated)された10ウェルマルチテストスライド(C.A.Hendley-Essex, England)に載せ、室温で30分間空気乾燥した。この切片を15分間アセトン で 固定した。各ウェルを多湿のチャンバーで室温で30分間20μlの非濃縮ハイ ブリドーマ組織培養上清でインキュベートした。スライドをTrisバッファー 食塩水(TBS)pH7.6(1lの蒸留水中にTris,605mg、NaC l,8g)で二度洗浄した後、5%正常ヒト血清を含有するTBSに1:50で 希釈したペルオキシダーゼ結合ウサギ抗マウスイムノグロブリン(DAKO,コ ペンハーゲン、デンマーク)と共に室温で30分間インキュベーションを行った 。このスライドをTBSで再度洗浄し、0.03%過酸化水素を含有する10m lのTris HCl pH7.6中のジアミノベンジジン(Sigma.St.Louis, MO)5mgの新鮮な濾過液に浸した。5分後に、水道水で洗浄することによって ペルオキシダーゼ基質反応を止め、Heyerのヘマトキシリンで染色し、アル コールで脱水してDPX(BDX、Poole,UK)に載せた。 免疫組織化学法(Immunohistochemical methods) 1.ホルマリン固定組織の間接的イムノペルオキシダーゼ染色。ホルマリン固定 、パラフィン包理組織とMAbsとの反応性を調べるために、(a)10%中性 緩衝化ホルマリンもしくは(b)酸性ホルマリン(10%ホルマリン中の2%酢 酸)のそれぞれに2時間固定した。一定の処理をした後、3−4μmの切片を上 述の間接ペルオキシダーゼ技術で染色した(“スクリーニング”参照)。染色の 前に、メタノール中の0.5%過酸化水素の新鮮な調製液を用いて室温で多湿の チャンバー内で10分間組織片をインキュベーションすることによって内因性の ペルオキシダーゼ活性をブロックした。水道水で洗浄した後、用いた固定液のタ イプに関わらず3つの方法の一つでスライドを処理した。(i)直接的染色;(i i)トリプシンで切断。切断用にスライドを蒸留水中で37℃に温め、0.1% トリプシン(Sigma,type II)、0.1%CaCl2、NaOHでpH7.8に 調節した新鮮な溶液に5−40分間移した。(iii)他のプロテアーゼ溶液で分 解した。温められたスライドを、TBS中のプロテアーゼ(Sigma,type IV), 0.025%pH7.6の溶液に5−15分間移した。 上記(i)および(ii)では、酵素反応を冷えた流動水で止めた。水とTBS で洗浄した後、分解された切片を間接的なイムノペルオキシダーゼ技術で染色し た。 2.凍結組織切片の間接イムノペルオキシダーゼ染色。正常な大腸の凍結切片、 他の正常な組織および結腸の腫瘍を上述のように調製した(“スクリーニング” 参照)。これらを4ウェルのマルチテストスライド(C.A.Hendly-Essex)に拾 い、染色した。これらは酵素分解されず、内因性ペルオキシダーゼ活性はブロッ クされていなかった。全ての組織をMeyerのヘマトキシリンで染色し、段階 的なアルコールで脱水し、キシレンでクリアーにしてDPXに載せた。 3.凍結切片の免疫蛍光。正常な結腸組織と腫瘍の両方の凍結切片は、間接的免 疫蛍光によって調べることもできる。アセトンで15分間固定した後、切片をリ ン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄した。切片を多湿チャンバーで30分間20μ lの非濃縮ハイブリドーマの上清でインキュベートし、PBSで3度洗浄し、P BSに1:40で希釈した蛍光結合ウサギ抗マウスIgG(DAKO)でさらに 30分間インキュベートした。PBSでさらに3度洗浄して、蒸留水で最後の洗 浄を行った後、切片をGelvato 20/30(Monsanto,Springfield,MA)に載せ、エピ フルオレセンス(epifluorescence)を備えたLeitz Orthoplan顕微鏡で観察した。 4.セルラインの免疫細胞化学的試験。癌腫系統の細胞を、スライドガラス状で 生育する。PBS−Aでこれらを三度洗浄し、生きているものか10分間アセト ンで固定したもののいずれかを染色する。 5.コントロール。イムノヒストケミカル(Immunohistochemical)染色は、一次 層として非ハイブリドーマ組織培養培地(10%FCSを含むRPMI 164 0)の使用によって調節される。さらに、イムノペルオキシダーゼ染色用の第二 の抗体酵素複合体およびジアミノベンジジン溶液は別々に使用することもできる 。免疫蛍光には、FITC結合ウサギ抗マウスIgGを単独で使用することがで きる。これらの試薬による非特異的染色は観察されなかった。 結腸直腸腫瘍の評価 結腸腺癌は、ヘマトキシリンおよびエオシン(eosin)で染色された切片を用い てBlenkinsoppら(1981)の基準で組織学的に分類した。各抗体に対して、腫瘍を “陰性”(全く反応しない細胞)、“不均一”(ある細胞は反応する)もしくは “陽性”(全ての細胞が反応)と評価した。同じ腫瘍の異なる細胞間、もしくは 腫瘍細胞と隣接した正常な上皮との間の染色強度の違いは時々観察されるが定量 できない。 抗体は、空気乾燥してカバーガラス上にアセトン固定したCEA陽性細胞を用 いて間接的免疫蛍光アッセイでスクリーニングできる。また、CEAを有する全 ての細胞または組織切片は使用され、ELISAまたはラジオイムノアッセイ( IRA)で調べることができる。 CEA発現セルラインに陽性、BGP-およびNCA-発現セルラインに陰性、 BGP-CEA B3-発現およびBGP-CEA B3-BGPTM-発現セルライ ンに陰性である抗体は、本発明の抗体を含むものである。実施例4:CEAに対して反応する単一特異的ポリクローナル抗体の調製 CEAに対して反応する単一特異的ポリクローナル抗体を調製するために、適 切な動物(ウサギ、ヤギ等)をBGP-CEA B3-GPIで免疫化する。次い で、BGP反応性抗体を除去して本発明に係るCEA反応性抗体を残すために、 このようにして得られた抗血清を、精製したBGPまたはBGPを発現する細胞 で吸収する。実施例5:結腸癌のラジオイムノシンチグラフィー(RIS) Nuclear Medicine,trends and possibilities in nuclear medicine,pp.53 1-534 SchmidtとBuraggi(eds.),Schattauer,New York.にGranowskaら(1989) が記載したRISでは抗体を用いる。実施例2の方法で得られたモノクローナル 抗体を、Hnatovichら(1987)の二価性キレート法を用いてインジウム−111で 標識する。イメージングは、メディアム・エナジー・パラレル・ホール’ガリウ ム’コリメーターを備え、Nodecrest V77コンピューターに連結さ れたSiemans75チューブ・ディジトラック回転ガンマカメラセットを用 いて行われる。イメージは、透明なフィルム上およびコンピューターのディスプ レイ上にカラーで表示される。 結腸直腸癌が最初からもしくは再発する疑いのある患者は、外科医によって選 択されRISを受ける。この研究は、保険社会福祉省(Department of Health)の 放射活性物質投与顧問委員会(Administration of Radioactive Substances Advi sory Committee)に承認されている。サインの入った通知された同意書を各患者 から得られた。外因性のタンパクにアレルギーの経験がある患者または、抗体に 対して陽性の皮膚試験を有する患者は除外する。低い直腸の腫瘍を有する患者は 、リンホシンチグラフィー(lymphoscintigraphy)を行うために抗体の直腸の粘膜 下注入として多様のものを用いて研究された。 既知の量の活性の2−3mCi(80−120MBq)の注入後、イメージン グを、放射の断層撮影法(トモグラフィー)で直ちに、時には4時間、24時間 後に行い、さらに48、72もしくは96時間後に行った。患者の還納(reposit ioning)および各時点における像をチェックするためにボーン・ランド-マーク(t he bone land-marks)に見られる6つの放射活性マーカー源と共に、下方の胸部 および上方の腹部、および下方の腹部および骨盤の前方および後方の像を得る。 ガンマカメライメージも、削除された外科的検体から作成される。腫瘍の組織学 的な段階および等級付けが行われる。標準および適切な背景サンプルと共に、腫 瘍に関係するかしないかがわかった粘膜およびリンパ節の近くの腫瘍の被検物は 選別され数えられる。連続的な血液および尿のサンプルもまたアッセイされる。 24時間での血液クリアランスは、平均で5分のサンプル体積を100%とし て注射量の51%;48時間で33%、並びに72時間で27%である。尿での 排出は、3%未満である。 結腸直腸癌の根本的および再発のイメージは、質が高い。腫瘍部位は、4時間 ほどで腹部および骨盤にはっきりと同定される。時がたつにつれて、徐々に活性 を上昇させる早期イメージでは、焦点欠陥として肝臓転移が同定される。In− 111抗CEA(すなわち、PR1A3によって認識されるエピトープを認識し ない抗CEA抗体)で慣れているものより正常な腸での取り込みがかなり低い。 骨髄と肝臓の取り込みは似ている。間違った陽性もしくは間違った陰性の結果は 得られない。平面画像が良好であったので、単一のフォトンの放出トモグラフィ ーは特定の利益があるものではない。 外科的な被検物のイメージングは、腫瘍およびポリープは高度の取り込みを備 えること、並びに他のCEA抗体(PR1A3によって認識されるエピトープを 認識しないもの)と違って正常な節は視認されないことを示す。粘膜に対する腫 瘍の割合は、47:1と広範である。ほとんど分化していない腫瘍は、この抗体 をかなり良く取り込み、平均してIn−111抗CEA(PR1A3によって認 識されるエピトープを認識しない)より優れている。実施例6:マウスモノクローナル抗体のヒューマナイジング(CDR移植) モノクローナル抗体の種々の領域をコードする相補的DNA(cDNA)をク ローン化して配列決定した。重鎖V領域のPCRクローニングに使用したプライ マーはOrlandiら(1989)のものであり、軽鎖V領域に用いたものはJonesとBendig (1991)のものであった。それぞれの場合で、二つの配列は与えられ、それぞれ親 のNS1軽鎖および重鎖のもので、重鎖と軽鎖に独特の配列である。 独特な配列の特異性を確かめるために、これらを、マウス抗体V領域がヒトの 定常領域に融合されたヒト-マウスキメラ抗体として発現させた。マウス抗体VH 領域クローンは、PCR技術でヒトIgG1重鎖NEWM(Kabatら(1991)上述) のC領域のcDNAクローンに連結した(図1参照)。マウス抗体VL領域をP CR技術によってヒトκ軽鎖REI(Kabatら(1991)上述)のcDNAクローン に連結した(図2参照)。 NEWM配列はPoljakら(1977)Biochemistry 16,3412-3420に開示され、RE I配列はPalmとHilschmann(1973)Z.Physiol.Chem.354,1651-1654に開示さ れており、参照としてこれらの両方をここに取り込む。 キメラ軽鎖および重鎖を発現ベクターpCDM8に挿入し、二つのプラスミド をCOS細胞に共移入(co-transfected)した。培養して8日後、約1μg/m lの抗体レベルをヒトIgG Fc特異的ELISAで調べ、このキメラ抗体は PR1A3が同定する決定基を備えたヒトの胃癌腫セルラインMKN45細胞上 に陽性免疫蛍光染色を与えた。 V領域のDNA配列は、ヒューマナイズ化した抗体を設計するのに用いられた 。データベースの分析により、マウス抗体に類似したヒト抗体の選択が可能であ る(約75%の相同性)。このヒト抗体の配列は、オーバーラッピングオリゴヌ クレオチドおよびPCRから構成され、次いでNEWM重鎖のcDNAに連結さ れたヒューマナイズ化された抗体の配列を設計するための鋳型として用いられる 。 マウスの軽鎖は、ヒトの軽鎖に対して70%の相同性を有していた。次いで、 この軽鎖を、LewisとCrowe(1991)の方法によりオリゴヌクレオチドおよびPCR を用いてヒューマナイズ化されたPR1A3軽鎖を作成するための鋳型として用 いた。 方法 重鎖(図6参照) 合成オリゴヌクレオチド,1−6は、モノクローナル抗体の重鎖の可変領域を コードする。これらのオリゴヌクレオチド(90mers)は、各配列オリゴヌクレ オチド間に12塩基対のオーバーラップ(重複)があり、DNAのセンスもしく はアンチセンス鎖をコードする。オリゴヌクレオチド対間のプライマーダイマー フォーメーションを起こした後に、PCR増幅を行う。 定常領域は、プラスミド内に含まれたヒト重鎖配列から開始された。これらの プライマーに取り込まれたものは、可変領域の3’末端との5’のオーバーラッ プおよび遺伝子の3’最末端のクローニング部位である。PCRの条件 軽鎖(図7参照) 軽鎖を重鎖と同様の方法で作成した。オーバーラッピングフラグメントを産生 するためにプライマー1+2、3+4、5+6、7+8をPCR増幅する。用い たプログラムは、重鎖と同様である。次いでこのフラグメントをPCRプログラ ムに用いて連結した。 最初にフラグメントだけを添加する。 外側のプライマーを添加する。 この作成物の鋳型は、プラスミド内に含まれていたヒト軽鎖配列であった。プ ライマー(20−30mers)は、ヒトのフレームワークに相補的な3’領域およ び外因性の5’領域(制限酵素部位または部分的なモノクローナル抗体CDR) を有するように設計された。このフラグメントを増幅し、5’外因性配列をこの 増幅の間に取り込んだ。個々のフラグメントを末端でオーバーラップさせ、完全 な遺伝子を形成すべくオーバーラッピングPCRによって結合させた。 軽鎖および重鎖を発現ベクターpCDM8に挿入し、抗体をCOS細胞で発現 させ、MKN45細胞に対する結合活性を免疫蛍光法によって確かめた。 PR1A3のV領域は、X線結晶学的研究から知られた抗体の構造の相関性(c o-ordinates)を用いてモデル化した。相補性決定領域(CDRs)は、Chothia ら(1992)から引き出されたカノニカル(canonical)ループ構造を用いたフレーム ワーク構造に適合するものであった。このモデルの顕著な特徴は、付加的な残基 を含 むことであり、軽鎖のCDR3にチロシンならびに重鎖のCDR2と重鎖のCD R3にグルタミン酸残基を一つずつ含むことである。二つのグルタミン酸は、通 常は不対のチャージを有するが、このループをねじらせ、構造を安定化するため にCDR3-Lループの二つのチロシンとVHの不対グルタミン酸との間に塩橋 を形成する。これらの特徴があることにより、これらが抗原認識のキーポイント であり、このエピトープが陽性チャージを有することが強力に示唆される。 マウスPR1A3重鎖V領域を配列決定することにより、CDR1-Hの最初 のアミノ酸の二つの残基の選択が一貫して与えられ、バリンとグルタミンの両方 が見出された。両方のイソタイプのキメラ抗体は、MKN45細胞を用いた免疫 蛍光的研究で同様に活性であり、モデル化は、両方のアミノ酸を構造上強いられ る拘束のない場所に位置させる。実施例7:細胞のアセトン固定と結合の決定 細胞懸濁液、約105細胞/リン酸緩衝塩溶液(PBS)ml、を顕微鏡のス ライドガラスに滴下し、乾燥させ、10分間アセトンに浸してPBSですすいだ 。もしくは、10ウシ胎児血清を含有するRPMI 1640等の培養液を含有 するペトリ皿にカバーガラスを配置し、細胞をこのカバーガラス上にまく。次い で、このペトリ皿を48〜72時間、37℃でインキュベートし、ペトリ皿から 移し、PBSですすぎ、10分間アセトンに浸してPBSですすぐ。このスライ ドガラスまたはカバーガラスを適切な試験抗体とインキュベートして洗浄した。 この試験抗体は、この細胞に結合するか否かのいずれかである。 試験抗体の結合を調べるために、フルオレセインイソチオシアナート(FIT C)で標識した抗種抗体(anti-species antibody)を添加して細胞を洗浄した。 結合は、蛍光を測定して調べた。 マウスIgGを試験抗体とする場合には、FITC結合ヒツジ抗マウス抗体( Sigma Chemical Co,Poole,Dorset,UK)をプローブとして用いる。 結合の研究に用いた細胞は、結腸癌腫セルラインHT-29(ATCC HTB 38);CEA cDNAを移入したCOS-7細胞;および実施例1に記載し たDNAキメラ作成物のいずれかを移入したCOS-7細胞である。 COS-7細胞の移入は、エレクトロポレーションによる。 エレクトロポレーション:200μgのプラスミドDNAを、107−108細胞 /mlの濃度のPBS中の0.8mlの細胞と混合した。細胞をBio-Rad Gene P ulserを用いて1kv、25μFDのキャパシタンスでパルスした。細胞を少な くとも10分間氷上に置いてから培養液に移した。37℃のオーバーナイトイン キュベーションの後に新鮮な培地を細胞に添加した。実施例8:マウスモノクローナル抗体のヒューマナイズ化 マウスモノクローナル抗体の種々の領域を、配列の5’末端にHindIII制限部 位を添加し、3’末端がヒト抗体REIのκ鎖の定常ドメインの5’末端とオー バーラップする領域を有するように設計したプライマーを用いたPCRで増幅し た。これは標準的な増幅工程を用いて増幅される(95℃で1分間の後、95℃ で1分間、60℃で2分間、72℃で2分間のサイクルを30回繰り返し、最後 に72℃で10分間)。このREIκ定常フラグメントを、モノクローナル抗体 κ可変部位の3’末端との5’オーバーラップと3’XbaI部位を添加するプライ マーで同じ条件で増幅する。これらのフラグメントを結合させ、相互開始合成(m utually primed synthesis)で伸長して、マウスモノクローナル抗体のκ鎖の可 変領域とヒト抗体REIのκ鎖の定常ドメインとを含有する配列を作成した。P CRの条件は、両方のフラグメントを含有する反応を95℃で2分間および72 ℃で4分間で7回増幅し、その後、外側プライマーを添加して標準増幅工程を行 う。 重鎖を、マウスモノクローナル抗体の重鎖の可変領域とヒト重鎖のNEWMの 定常ドメインとを用いて類似の方法で作成した。 これらのフラグメントをHindIIIとXbaIを用いた制限エンドヌクレアーゼ分解 によって取り出した。これらをベクターpCDM8に個別に配置し、COS細胞 に共移入(co-transfected)した。キメラ抗体が培地に分泌され、MKN45細 胞の表面に発現したCEAに対する免疫蛍光によって試験するとマウスを起源と する構成物の特徴の全てを示した。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年8月21日 【補正内容】 明細書 モノクローナル抗体 本発明は、結腸大腸癌の診断および治療に使用できる抗体に関する。 抗体が、癌胎児性抗原(CEA)と反応することが知られているが、膜結合C EAと可溶型CEAの両方と反応するため、結腸大腸癌の診断には使用されてい ない。 モノクローナル抗体PR1A3は、NS1(P3/NS1/I-Ag-4-1) ミエローマ細胞と正常な結腸大腸上皮細胞で免疫されたマウスの脾臓細胞とを融 合することによって産生される(Richman & Bodmer 1987)。PR1A3は、両 方と非常に強く反応し、結腸直腸癌腫をほとんど区別せず、腫瘍に固定された抗 原は見えるが、腫瘍を流出するリンパ管またはリンパ節内では見られないことか ら、他の結腸直腸上皮反応性抗体以上の利点を備えている(Granowska等 1989) 。PR1A3は、59/60の結腸大腸腫瘍と反応したが(Richman & Bodmer 1 987)、CEA反応性B72.3は75%しか反応しなかった(Salvatore等 198 9)。胃、回腸、oesophagus、気管およびbreastの正常細胞に 弱く結合することがいくつか証明されているが、in vivo試験により、基 底膜がこれらの組織への上記抗体の接近を妨げることが示された(Granowska等 1990)。 Sheahanら(1990)Am.J.Clin.Path.94,157-164は、癌胎児性抗原に対す る特異性を示す二つのモノクローナル抗体(D14とB7.1)について言及し ている。 Sakuraiら(1989)J.Surg.Oncol.42,39-46は、癌胎児性抗原に対する特異 性を示す種々のモノクローナル抗体について述べている。 PR1A3は、イムノグロブリンとして一般に普及しているが、そのハイブリ ドーマは利用されていない。PR1A3が結合する的確なエピトープは、知られ ていなかった。 本発明は、結腸直腸癌に対してPR1A3と同等以上の特異性を備えたモノク ローナル抗体を含む分子を提供する。このような抗体は、癌胎児性抗原(CEA )、すなわち結腸直腸癌腫に提示された腫瘍マーカーの一部であることが判明し た新規に見出されたPR1A3エピトープに対するモノクローナル抗体(MAb s)を産生することによって調製することができる。 本発明の第一の態様は、(i)膜結合性ヒト癌胎児性抗原(CEA)を結合し 、(ii)完全なヒトCEAの490残基〜C末端に結合(N−C)したヒトの胆 汁糖タンパク質(BGP)の1〜314残基からなるハイブリッドポリペプチド を結合し、(iii)ヒトのBGPに結合しない分子であって、 VH鎖の配列が、 あるいはVH鎖の配列が、VHCDR1の最初のアミノ酸残基がグルタミンである こと以外は上と同じであり、どちらの場合でもVL鎖の配列が であるIgG1グループIIA重鎖とκグループV軽鎖とを備える完全なマウス モノクローナル抗体以外の分子を提供する。 VH鎖の配列は、以下のようにも記載できる。 また、VL鎖の配列は以下のようにも記載できる。 H CDR1の最初のアミノ酸残基は、上記VH配列の31位である。 前記分子は、抗体であることが好ましい。 ヒトCEAの(A3のCターミナルハーフ)-B3-GPIドメインに結合(N −C)したBGPのN-A1-B1-(A2のNターミナルハーフ)ドメインから なるハイブリッドポリペプチドが、実施例1に詳細に記載され、図8にキメラ1 として図式的に示されている。これは、BGPの1〜314残基をCEAの49 0残基〜C末端にN−C型に融合したものである。完全なCEAのC末端は、6 68残基である。 “膜結合”という用語により、例えばAmerican Type Culture Collection.12 301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland 20852,USA カタログナンバー ATCC HTB 38の適度に良く分化したグレードIIヒト結腸アデノカルシノーマ(adenoca rcinoma)セルライン、HT-29セルライン等の結腸癌腫細胞に見られるような CEAを意味する。 “結合”という用語は、カバーガラスで生育したアセトン固定CEA陽性細胞 単層の間接免疫蛍光法によって評価する際に、陽性シグナルは、その後の蛍光複 合抗マウス(またはヒト)IgG抗体を用いたインキュベーションによって見る ことができることを意味する。実施例7は、細胞のアセトン固定および結合の決 定について記載する。 抗体重鎖がIgG1であることは、免疫拡散法ゲル(Ouchterlony technique) におけるイソタイプ血清に特異的な抗血清との反応によって、または酵素結合免 疫測定法(ELISA)によって決定することができる。マウスIgG重鎖に反 応し、診断に使用できるモノクローナル抗体は、市販のものを利用することがで き、例えば9x108-1の結合活性を備えたSerotec社、22 Bankside,Station Approach,Kidlington,Oxford OX5 1JE,UKのラットモノクローナル抗体クロ ーンLO-MG1-2を利用することができる。 抗体軽鎖がκであることは、免疫拡散法ゲルにおける特異的抗血清との反応お よびELISAによって決定することができる。マウスκ軽鎖と反応し診断に使 用できるモノクローナル抗体は、市販のものを利用することができ、例えばSero tec社のラットモノクローナル抗体クローンMRC OX-20を利用することが できる。 IgGグループIIAおよびκグループVは、V領域のサブタイプと称され、 参照として取り込んだKabatら(1991)Sequence of Proteins of Immunological I nterest,fifth edition,US Department of Health and Human Services,NIH Publication No91-3242に記載されたV領域フレームワークの配列によって明確 にされている。 上記分子は、ヒトの体内に存在し、腸に位置する自然に産生した他のヒトタン パクに実質的に結合しないことが好ましい。このようなタンパクには、コラーゲ ンおよび血清アルブミンが含まれる。 この分子が、N-A1-Fc、N-A1-B1-FcもしくはN-A1-B1-A2- Fcに結合しないことが好ましい。ここで、A1、B1およびA2はCEAのド メインであり、FcはイムノグロブリンのFcタンパクである。 この分子が、B3ハイブリッドに結合しないことがさらに好ましい。ここでG PIアンカーは除去されているか、GPIアンカーはBGPトランスメンブレン セグメントで置換されている。 この分子が抗体である場合には、ヒトフレームワーク領域および少なくとも請 求項1記載のVH鎖およびVL鎖の相補性決定領域を含有することが好ましく、こ こでVH鎖のCDR1はVFGMN(SEQ ID No3)、CDR2はWIN TKTGEATYVEEFKG(SEQ ID No4)およびCDR3はWDF YDYVEAMDY(SEQ ID No5)であり、VL鎖のCDR1はKAS QNVGTNVA(SEQ ID No6)、CDR2はSASYRYS(SEQ ID No7)およびCDR3はHQYYTYPLFT(SEQ ID No8) である。 PR1A3は、IgG1グループIIA重鎖およびκグループV軽鎖を有する マウスモノクローナル抗体であり、VH鎖の配列が本発明の第一の態様から除外 した上述のものもしくはVH CDR1の最初のアミノ酸残基がグルタミンである もの、並びにVL鎖の配列が本発明の第一の態様から除外した上述のものである 。 CEAは、免疫グロブリンスーパージーンファミリー(Thompson & Zimmerman n 1988;Thompsonら 1991参照)の一つである。CEAは、N-A1-B1-A2- B2-A3-B3-GPIのドメイン構造を備えており、GPIはグリコホスファ チジルイノシトール膜アンカーである。かなりの程度の配列相同性が、CEAの ドメ インおよびNCA等のファミリーの他のメンバーとの間に存在する。 胆汁糖タンパク(BGP)も、免疫グロブリン遺伝子スーパーファミリーの一 つであり、N-A1-B1-A2-TMのドメイン構造をとりTMはトランスメンブ レンドメインであるが、BGPのA1、B1およびA2ドメインは、CEAのA 1、B1およびA2と称されるドメインとは別である。 “抗体”という用語に、モノクローナル抗体とポリクローナル抗体、抗体断片 を含める。この抗体断片は、(i)ヒトCEA、(ii)ヒトCEAの490残基 〜C末端に結合(N−C)したヒトのBGPの1〜314残基からなるハイブリ ッドポリペプチドに特異的かつ可逆的に結合するが、(iii)ヒトBGPには結 合しないものであって、IgG1グループIIA重鎖とκグループV軽鎖とを備 える完全なマウスモノクローナル抗体、すなわちVH鎖の配列が(図1に示され たもの)かもしくはVH CDR1の最初のアミノ酸残基がグルタミンでありかつ 、VL鎖の配列が(図2に示されたもの)である抗体を除く。 抗体または抗体断片が、モノクローナル抗体から誘導されることが好ましい。 モノクローナル抗体は、参照として取り込まれたZola,H.(1988)("Monoclona l Antibodies -A manual of techniques"CRC Press)の技術によって一般的に調 製することができる。Fab、(Fab)2、Fv、scFvもしくはdAb断 片等の抗体断片は、これに基づいて既知の方法で調製することができる。抗体は 、例えばヒトの抗体のフレームワークにマウスの抗体のCDR領域を挿入するこ とによって既知の方法でヒューマナイズ(humanized)することができる。抗体様 分子は、国際特許第84/03712号の組換えDNA技術を用いて調製するこ とができる。このタンパクに特異的な領域を、McCaffertyら(1990)Nature 348 ,552-554の技術を用いてバクテリオファージの一部として発現させることがで きる。 本発明の抗体様分子は、細胞内で発現されたCEAまたはハイブリッドタンパ クを固定してファージを選別するのに使用するGriffithsら(1993)EMBO J.12,7 25-734に記載された方法を用いてファージディスプレイライブラリー(phage dis play libraries)から選別することができる。また、単層で生育され、ホルムア ルデヒドまたはグルタルアルデヒドで固定もしくは固定されていない適切な細胞 もファージを結合するのに使用することができる。関係の無いファージを洗い流 して、結合したファージを回収した。CEAまたはハイブリッドタンパクへの結 合を切断し、バクテリアで再度増幅(reamplifying)して回収した。この選別およ び増幅工程は、本発明の抗体様分子である上記分子に係るファージを増すために 数回行う。 また、本発明の抗体様分子にファージディスプレイライブラリーからのペプチ ドと同様にして、ランダムペプチドライブラリーから選別されたペプチドも含め る。 抗体の可変重(VH)領域と可変軽(VL)領域は抗原認識に関与し、これは初 期のプロテアーゼ分解実験で最初に認識された事実である。げっ歯類抗体の“ヒ ューマナイゼーション(humanisation)”によってさらなる確証が得られた。得 られた抗体が、げっ歯類を親とする抗体の抗原特異性を保有するように、げっ歯 類に由来する可変領域を、ヒトに由来する定常領域に融合することができ(Morr isonら(1984)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 81,6851-6855)、げっ歯類の抗体 をヒューマナイズするために“CDR移植”を用いることができる。追加的また は選択的に、組換えモノクローナル抗体を“プリマタイズ(primatised)”、すな わち重鎖および軽鎖の可変領域またはその一部並びに定常領域を二つの異なる霊 長類の種から誘導することができ、好ましくは抗体の可変領域をマカクザル、定 常領域をヒトから誘導する。このような抗体の利点としては、ヒト免疫グロブリ ンに対する高い相同性、ヒトエフェクター機能(human effector functions)の存 在、低い免疫原性およびより長い血清半減期(serum half-life)(Newmanら(199 2)Biotechnology 10,1455)が含まれる。 抗原特異性が可変領域によって付与され、定常領域とは別であることは、抗体 断片の細菌発現を含む実験からわかっており、全てが一つ以上の可変領域を含ん でいる。これらの分子は、Fab様分子(Betterら(1988)Science 240,1041 );Fv分子(Skerraら(1988)Science 240,1038);VHおよびVLパートナ ー領域が柔軟なオリゴペプチドを介して連結されたシングルチェーンFv(Sc Fv)分子(Birdら(1988)Science 242,423;Hustonら(1988)Proc.Natl. Acad.Sci.USA 85,5879)および単離されたV領域を含有するシングルドメイ ン抗体(dAbs)(Wardら(1989)Nature 341,544)を含む。特異的結合部 位を保有する抗体断片の合成に係る技術の一般的な書評は、Winter & Milstein (1991)Nature 349,293-299に見られる。 “ScFv分子”とは、VHおよびVLパートナー領域が柔軟なオリゴペプチド を介して連結された分子を意味する。 ある状況では、抗体全体より抗体断片を用いた方が有利である。より小さい大 きさの断片は、クリアランスを早め、かつ非腫瘍に対する腫瘍の割合を改善する ことができる。Fab、Fv、ScFvおよびdAb抗体断片は、E.coli で発現および分泌され、大量の前記断片を容易に産生することができる。 全体の抗体およびF(ab’)2フラグメントは“二価”である。“二価”と は、前記抗体およびF(ab’)2フラグメントが二つの抗原結合部位を有する ことである。対照的に、Fab、Fv、ScFvおよびdAbフラグメントは一 価であり、一つだけの抗原結合部位を有する。 Tan,L.K.およびMorrison,S.L.(1988)Adv.Drug Deliv.Rev.2:129-142、W illiams,G.(1988)Tibtech 6:36-42およびNeuberger,M.S.ら(1988)8th Intern ational Biotechnology Symposium Part 2,792-799(これらの全てを参照とし てここに取り込む)に記載されているように、“抗体技術”は急速に進んでおり 、本発明の抗体から誘導された抗体様分子を調製するのに良く適している。 抗体が特異的に結合する抗原の研究もしくは単離および精製、並びに抗原提示 細胞の視認化(イメージング)および処置に係る種々の目的にこれらの抗体を使 用することができる。他の実施態様では、本発明の抗体を、シンチグラフィック ラジオラベル(scintigraphic radiolabel)、細胞毒性化合物またはラジオアイソ トープ、非毒性のプロドラッグを細胞毒性の薬剤に変換する酵素、得られた複合 物を結腸の腫瘍に向けるために免疫系を活性化する化合物、もしくは細胞剌激性 化合物に結合する。このような複合物は、本発明の抗体からなる“結合部位”と 、ラジオラベル、毒素または酵素等からなる“機能部位”とを備える。 この抗体は、他の化合物の結合を物理的に妨害することによって、単にCEA 抗原の活性をブロックするためのみに用いることもできる。 この複合体(ペプチドまたはポリペプチド)の結合部位と機能部位は、O'Sull ivanら(1979)Anal.Biochem.100,100-108に一般に記載されたような、クロス リンキングポリペプチドの何らかの通常の方法によって互いに結合することがで きる。例えば、ある部位にチオール基を増し、他の部位をこれらのチオール基と 反応する二価性の試薬、例えばヨード酢酸のN-ヒドロキシスクシンイミドエス テル(NHIA)またはN-スクシニミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオ ナート(SPDP)と反応させる。例えば、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒド ロキシスクシンイミドエステル等のアミドおよびチオエーテル結合は、一般的に ジスルヒド結合よりin vivoでより安定である。 結合部位が炭水化物を含有する場合、抗体またはある抗体断片の場合等では、 欧州特許第0088695号の結合技術を用いて機能部位を炭水化物部位を介し て結合することができる。 複合体の機能的部位は、例えばBagshaweとその共同者の複合体(Bagshawe(19 87)Br.J.Cancer 56,531;Bagshaweら(1988)Br.J.Cancer 58,700;国際 特許第88/07378号)またはシアニド放出システム(国際特許第91/1 1201号)等の非毒性のプロドラッグを毒性の薬剤に変換するための酵素とす ることができる。 複合体に酵素全体が存在する必要はないが、当然に触媒部位は存在しなければ ならない。いわゆる“アブザイム(abzymes)”を用いることができ、モノクロー ナル抗体は、通常は反応仲間状態である、触媒反応を望む反応に係る化合物に対 して産生される。得られた抗体は、反応のための酵素として作用することができ る。 複合体は、サイズ排除またはアフィニティークロマトグラフィーで精製するこ とができ、二重の生物学的活性を試験することができる。抗原免疫反応性は、固 定化した抗原を用いたenzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)およ び生きた細胞内におけるラジオイムノアッセイを用いて測定することができる。 エンザイムアッセイは、グルコース残基が加水分解されたときに吸収に変化を与 える基質、例えば遊離した2-ニトロフェノールが405nmで分光光学的に測 定されるoNPG(o-ニトロフェニル-β-D-グルコピラノシド)等を用いて、 β-グルコシダーゼに使用することができる。 複合体の安定性は、血清中で37度でインキュベートすることによって最初に in vitroで試験を行い、次いでサイズ排除FPLC分析を行った。in vitroでの安定性は、複合体を注射してから様々な時間経過後に血清を分析 することによってマウスにおいても同様に試験することができる。さらに、複合 体形成前に125Iで抗体を、また131Iで酵素を放射能標識することができ、マウ ス内における複合体、遊離した抗体および遊離した酵素の生物学的拡散(バイオ ディストリビューション)を測定することができる。 あるいは、前記複合体を組換えDNA技術により融合化合物として産生するこ ともでき、この技術によれば、互いに隣接した、もしくは複合体の所望の特性を 壊さないリンカーペプチドをコードする領域で分けられた複合体の二つの部位を コードする各領域を一本のDNAが備えている。 考えられるところでは、化合物の二つの機能的部位は、完全または部分的にオ ーバーラップしてもよい。次いで、DNAを、既知の方法を用いて適切な宿主中 で発現させる。 この複合体は、例えば等張生理食塩水(静脈内投与する場合)等の、標準的な 無菌の非発熱原性の希釈および輸送剤とあわせて、通常は静脈内または腹腔内( intraperitoneally)等の非経口的に適切な方法で投与することができる。複合 体が標的細胞に結合して(必要であれば)血流から除去されたら(普通は一日く らいかかる)、一般的には一回の注入量としてプロドラッグを投与するか、腫瘍 を視認(イメージ)できるようにする。 必要であれば、複合体が抗原性であることから、より長い間治療できるように シクロスポリンまたは他の免疫抑制剤を投与することができるが、普通は必要と しない。 複合体の投与とプロドラッグの投与との間の時間は、非発明的方法で最適化す ることができる。複合体の腫瘍/正常組織比は(少なくとも静脈輸送が続く)、 約4−6日後に最高となるが、このとき腫瘍に結合した複合体の絶対量、すなわ ちグラムあたりの注入量のパーセントに換算すると前に比べて低くなる。 それゆえ、複合体の投与とプロドラッグの投与との間の最適な間隔は、酵素の ピーク腫瘍濃度と、腫瘍と正常な組織との間の最適な分散率との間の折衷となる 。複合体の投与量は、通常の基準に従って医師によって選択される。少なくとも β-グルコシダーゼ等の標的化された酵素と毒性プロドラッグとしてアミグダリ ンの静脈内投与を用いる方法の場合には、体の表面積の平方メートルあたり0. 1〜10.0gの1〜50の日々の投与、好ましくは1.0〜5.0g/m2が 適切であろう。経口治療では、0.05〜10.0g、好ましくは1.0〜5. 0gの 一日3回投与を1〜50日間行うのが適切である。どの複合体の投与量も、特に 腫瘍のタイプ、段階および位置並びに患者の体重を参考に通常の基準に従って同 様に選択される。治療の持続期間は、複合体に対するあらゆる免疫反応の急速性 および範囲に部分的に依存する。 複合体を診断に使用する際には、通常はこの複合体の機能的部位が、例えばテ クネチウム99m(99mTc)またはヨウ素123(123I)等のシンチグラフィ ーの研究のための放射活性原子、もしくはヨウ素123、ヨウ素131、インジ ウム111、フッ素19、炭素13、窒素15、酸素17、ガドリニウム(gadol inium)、マンガンもしくは鉄等の核磁気共鳴(nmr)イメージング(磁気共鳴 イメージング、mriとしても知られる)用のスピンラベルを備える。 腫瘍の選択的破壊のための化合物に用いる場合には、機能的部位は、隣接する 細胞を破壊するのに十分なエネルギーを照射するヨウ素131、レニウム186 、レニウム188、イッテリウム90または鉛212等の高度に放射活性を備え た原子、あるいはメトトレキセート、アドリアマイシン、ビンカアルカロイド(v inca alkaloids)(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド(etoposide)) 、ダウノルビシンもしくは他の挿入剤等の細胞毒性化学化合物を含有することが できる。 放射線または他の標識は、既知の方法で複合体に取り込むことができる。例え ば、ペプチドは、生合成によりもしくは、例えば水素の位置にフッ素19を含む 適切なアミノ酸前駆物質を用いた化学的アミノ酸合成方法によって合成すること もできる。99mTc、123I、186Rh、188Rhおよび111In等の標識は、ペプ チドのシステイン残基を介して取り付けることができる。イッテリウム90はリ ジン残基を介して取り付けることができる。ヨードゲン方法(The IODOGEN metho d)(Frakerら(1978)Biochem.Biophys.Res.Commun.80:49-57)は、ヨウ素 123の取り込みに使用できる。“イムノシンチグラフィーにおけるモノクロー ナル抗体(Monoclonal Antibodies in Immunoscintigraphy)”(Chatal,CRC Pre ss 1989)は、詳細に他の方法を記載している。 本発明の第二の態様は、医薬に用いるための本発明の第一の態様に定義したよ うな分子、好ましくは抗体を提供する。 本発明の第三の態様は、結腸のがん腫を診断または治療することに用いる医薬 の製造における、本発明の第一の態様に定義した分子、好ましくは抗体の使用を 提供する。 本発明の第四の態様は、単一特異的な抗体を作成する方法を提供するものであ って、この方法は、(i)ヒトの膜に基づくCEAに結合し、(ii)ヒトCEA の490残基〜C末端に結合(N−C)したヒトBGPの1〜314残基からな るハイブリッドポリペプチドに結合するが、(iii)ヒトBGPには結合しない 単一特異的抗体を選択するために抗体のプールをスクリーニングすることを含む 。 単一特異的抗体がモノクローナル抗体であり、抗体のプールがモノクローナル 抗体のプールであると好ましい。プール内の抗体は、組換えDNA方法によって 産生された抗体を有するとさらに好ましい。 好ましい態様では、スクリーニング段階で抗体が以下の条件合うものである: (1)結腸の癌腫細胞(RichmanとBondmer(1987)Int.J.Cancer 39,317-328 )等のヒトの腫瘍細胞およびヒトの胃の癌腫セルラインMKN45(Kojamaら( 1990)Jpn.J.Cancer 81,967-970)に結合するもの。例えばアセトンを用いて 細胞をスライドガラスまたはカバーガラスに固定し、第二の蛍光標識化抗種抗体 、例えばもし最初の抗体がマウスIgGであればFITC標識化した抗マウスI gGによって抗体の結合を検出する間接的な免疫蛍光アッセイで結合を検出する 。もしくは懸濁液中の細胞に結合する抗体を測定することができ、抗体結合を放 射線活性標識した第二抗体、例えば125I標識化抗マウスIgGによって検出す るこ とができる。 (2)ヒトCEAが移入され、ヒトCEAを発現する細胞に結合するもの。例え ば、ベクターpCDM8(Invitrogen)内のCEA cDNA(Beaucheminら(1 987)Mol.Cell.Biol.7,3221-3230)を用いてエレクトロポレーションによっ て移入されたサルウイルス40-形質転換されたサルの繊維芽細胞ラインCOS- 7;デキサメタゾン(dexamethasone)誘発性ベクターpMAMneo(Clontech) 内のCEA cDNAを用いてエレクトロポレーションによって形質転換された チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO):プラスミドpSVneo2を用い たリポフェクションによってマウス結腸直腸の癌腫セルラインCMT93に共形 質転換(co-transfected)されたCEAのコスミドクローン(Willcocks,T.C. とCraig,I.W.(1990)Genomics 8,492-500);CEA遺伝子クラスター、例えば クロモソーム19の長い腕のq13.1−q13.3領域のICRFy9000 C02400を含有し、かつ、pYAC4の右腕のベクターアームを備えたプラ スミドベクターpRAN4(Ragoussisら(1992)Nucleic Acids Res.290,313 5-3138)を用いた相同的組換え(homologous recombination)によってネオマイシ ン耐性(neoR)遺伝子を含むように修飾されたイーストの人工的染色体(yea st artificial chromosome)すなわちYACで形質転換したCHO細胞であって 、形質転換はイーストスフェロプラスト細胞融合(Burgers,P.とPercival,K. (1987)Anal.Biochem 163,391-397)によって成されたものとすることができ る。 (3)例えばハイブリッド遺伝子を有するプラスミドpCDM8を用いたエレク トロポレーションで形質転換されたCOS-7細胞等の、ハイブリッド遺伝子B GP-CEAB3-GP1が移入され、これを発現する細胞に結合するもの。エレ クトロポレーションは実施例6に記載されている。 (4)CEAを発現せずにBGPを発現する細胞には結合しないもの。例えば、 BGPのcDNAを有するプラスミドpCDM8を用いて形質転換されたCOS -7細胞など。 (5)CEAを発現せずにNCAを発現する細胞には結合しないもの。例えば、 NCAのcDNAを有するプラスミドpCDM8を用いて形質転換されたCOS -7細胞など(Heftaら(1990)Cancer Res.50,2397-2403)。 (6)GPIアンカーが無くハイブリッドBGP-CEAB3を発現する細胞に は結合しないもの。これらの細胞では、正常に処理されればGPIアンカーで置 換されるCEAB3配列内の疎水性テール部の最初の位置にストップコドンが取 り込まれた、BGP-CEAB3のハイブリッド遺伝子を有するプラスミドpC DM8を用いて形質転換した形質転換型COS-7がある。PCRは、このよう なストップコドンを取り込むのに使用することができる。 (7)BGP-CEAB3-BGP TMを発現する細胞には結合しないもの。例 えば、CEAの処理された疎水性セグメントに代えてCEAのB3ドメインにB GPのトランスメンブレンドメインが付加されたハイブリッド遺伝子を有するp CDM8を用いて形質転換されたCOS-7など。 CEAに結合しない使用可能な対照の抗体は、例えばT細胞マーカーCD4を 認識するものである。適切な抗CD4抗体は、例えばOKT4(抗ヒトヘルパー T細胞サブセット;ATCC CRL 8002)等のATCCから利用できる。 本発明の抗体の選択は、どの順序で上記工程を行ってもよい。 最初のスクリーニングを、ヒト腫瘍セルラインまたはcDNAまたはコスミド のCEAを発現するトランスフェクトマ(transfectoma)等のCEA発現細胞ラ インで行うことが好ましい。 第二のスクリーニングを、上述の遺伝子およびハイブリッド遺伝子を用いて形 質転換されたセルラインで行うことが好ましい。 NCAは非特異的交差反応抗原であって、N、A1およびB1ドメインとGP Iアンカーを備えている(ThomsonとZimmerman(1988)Tumour Biol.9,63-83 並びにThomsonら(1991)J.Clin.Lab.Analysis 5,344-366参照)。 発現に適切な親セルラインは、CEAを発現しないCOS細胞およびCHO細 胞を含む。 本発明を、以下の実施例および図面を参照しながら詳細に記載する。 図1は、マウスのモノクローナル抗体のVH鎖の推測されるアミノ酸配列(マ ウスの重鎖;SEQ ID No1)、ヒューマナイゼーション(humanisation) 用のフレームワーク配列を提供するために用いたヒト抗体RF-TS3’CLの VH配列との比較(RF-TS3バックボーン;SEQ ID No27)および作 成したヒューマナイズ化配列(ヒューマナイズ化重鎖;SEQ ID No28) を示す。RF-TS3’CLの配列は、参照としてここに取り込まれたPascualら (1990)J.Clin.Invest.86,1320-1328に開示されている。 図2は、マウスのモノクローナル抗体のVL鎖の推測されるアミノ酸配列(マ ウスのκ;SEQ ID No2)、ヒューマナイゼーション用のフレームワーク 配列を提供するために用いたヒト抗体REIのVL配列との比較(REIバック ボーン;SEQ ID No29)および作成したヒューマナイズ化配列(ヒュー マナイズ化κ;SEQ ID No30)を示す。 図3は、CEAとNCA−50とのアミノ酸配列の比較を示す。対応するドメ インは共にグループ化されている。どちらの場合も、点は各グループの一番上の 行に示されたCEAドメインのアミノ酸と同一であることを示す。ダッシュは、 CEAと比較した場合のアミノ酸の欠失を示す。N-グリコシル化の可能性のあ る位置に下線を付した。 図4は、BGPのcDNA配列(SEQ ID No31)と推測されるアミノ 酸配列(SEQ ID No32)とを示す。 図5は、GPIの構造を示す。 図6は、ヒューマナイズ化した重鎖の構成を示す。FRは、フレームワーク領 域(framework regions)を示す;CDRは、相補性決定部位を示す;=はヒト 重鎖をコードする二本鎖DNAを示す;→は、オーバーラッピングPCR(overl aping PCR)のためのプライマーとして用いられた5’−3’の方向を示す合成オ リゴヌクレオチドを示す。 図7は、ヒューマナイズ化した軽鎖の構造を示す。FRは、フラグメント領域 を示す;CDRは相補性決定領域を示す;=ヒューマナイズ化した重鎖をコード する二本鎖DNAを示す;→は、オーバーラップPCRのためのプライマーとし て用いられた5’−3’の方向を示す合成オリゴヌクレオチドを示す。 図8は、BGP−CEAキメラ構造物を示す。 図9は、ヒューマナイズ化抗体のVドメインのモデルを示す。軽鎖(L)およ び重鎖(H)の相補性決定部位(CDRs)1〜3の位置を示す。抗原認識に関 係する二つのグルタミン酸残基、E(H:106)−重鎖の106位およびE( H:57)−重鎖の57位にしるしを付した。 図10は、CEAのB3ドメインのモデルを示す。リジンとアルギニン残基の 位置にしるしを付した。KG36(636位がリジン)とR594(594位が アルギニン)のin vitro変異は、抗原へのPR1A3結合を破壊する。 図11は、NCAのcDNA配列(SEQ ID No33)および推測される アミノ酸配列(SEQ ID No34)を示す。 図12は、CEAのcDNA配列(SEQ ID No35)および推測される アミノ酸配列(SEQ ID No36)を示す。 図13は、PR1A3κ軽鎖のcDNA配列(SEQ ID No37)および 推測されるアミノ酸配列(SEQ ID No38)を示す。 図14は、PR1A3重鎖のcDNA配列(SEQ ID No39)および推 測されるアミノ酸配列(SEQ ID No40)を示す。実施例1:PR1A3によって認識されるエピトープの同定 YAC(イーストの人工的クロモソーム)およびコスミドの研究は、PR1A 3抗原をコードする遺伝子を、CEA遺伝子が位置する染色体の領域にマッピン グし、CEA様のPR1A3エピトープがγ-インターフェロンによってアップ レギュレートされることが示された。CEAのcDNAの種々の細胞への移入に より、これらの細胞上にPR1A3が出現し、モノクローナル抗体PR1A3は CEAのエピトープを認識することが示唆された。 CEAのドメインは、N-A1-FC、N-A1-B1-FcおよびN-A1-B1- A2-FcとしてイムノグロブリンのFc部位への融合物としてCOS細胞内に 発現した。これらのどの構造物もPR1A3と反応するタンパク質を産生しなか ったことから、前記エピトープはN-A1-B1-A2領域に位置していない。 BGPとCEAのハイブリッド構造物は、CEAの(A3のC末端ハーフ)- B3-GPIドメインが、BGPのN-A1-B1-(A2のN末端ハーフ)ドメイ ンに融合するように調製された。CEAとBGPのアミノ酸配列は、図3および 4に示されている。このハイブリッド構造物ナンバー1は、BGPのシステイン 3 14までとCEAのグルタミン酸490〜C末端までを含む(図8参照)。この ハイブリッド構造物は、発現プラスミドpCDM8からCOS細胞内に発現され た。免疫蛍光アッセイで分析すると、形質転換されたCOS細胞は、マウスPR 1A3抗体とヒト/マウスキメラ抗体との両方で正のシグナルを与えた(以下を 参照)。これは、PR1A3エピトープがB3-GPI領域の領域内にあること を確証する。プラスミドpCDM8は、SeedとAruffo(1987)Proc.Natl.Acad .Sci.USA 84,3365-3369に記載されている。 GPIアンカーがタンパク質に添加されないように、ハイブリッド構造物ナン バー1にストップコドンを導入した。CEA部は、もはや膜結合型ではないが、 可溶化され分泌される。ストップコドンは、CEAの644残基の位置に導入さ れ、(N-A1-B1-(A2のN末端ハーフ))BGP−((A3のC末端ハー フ)-B3)CEAが形成された(構造物ナンバー2;図8)。ベクターpCD M8を用いたこの構造物のCOS細胞への移入(トランスフェクション)により 、BGPと交差反応する抗体3B10を用いた免疫蛍光的研究で陽性であるが、 PR1A3に陰性な細胞を得た。これは、ハイブリッドタンパクが発現したが、 ハイブリッドが膜結合型でないときにはPR1A3エピトープが欠如しているこ とを確証する。 キメラ構造物3aおよび3bを作成した。これらは、図8に示すような構造で ある。発現構造物の作成に用いたPCR法 BGPのクローニングに以下のプライマーを用いた: CEAのクローニングに以下のプライマーを用いた: キメラ1用にBGPとCEAフラグメントを親分子からPCRで増幅した。生 産物をClaIで切断し、連結した。アニールした産物の5’と3’末端を、C OS-7細胞内における一過性の発現のためのpCDM8ベクターのHindIII -XbaI部位に連結するために、HindIIIとXbaIで切断した。 以下のプライマーを用いた: キメラ2は、キメラ1から増幅して、pCDM8への連結のためにHindII IとXbaIで切断した。 以下のプライマーを用いた: キメラ3aと3bを作成するために、分子の5’部位を、BGP5’プライマ ーと必要な継ぎ目に相補的なアンチセンスオーバーラッピングプライマーとを用 いてキメラ1の鋳型から増幅した。このBGPトランスメンブレンドメインを、 センスオーバーラッピングプライマー(sense overlapping primer)とBGP3’ プライマーとを用いたBGPから増幅した。 アニール化した分子を集めるために、“プライマー-ダイマー”を形成するた めに二つの相補的フラグメントを18PCRサイクルにかけ、12の更なるPC Rサイクル用のBGP5’および3’アウトサイド(outside)プライマーを添加 した。 構造物3a用に以下のプライマーを用いた: 以下のプライマーを構造物3b用に用いた: アンカーの構造は、Ferguson(1992)に記載されており、哺乳類のGPIの遺伝 子構造は図5に示されている。GPIアンカーから脂質の尾部(テール)を切断 して可溶生産物を与えるホスホリパーゼでインキュベートすることによってMK N45細胞から放出されたCEAを用いた研究により、PR1A3エピトープを 含有するCEAを生産される。SDS PAGEおよびウェスタンブロッティン グで試験する際に、ジスルフィド結合を切断する還元剤ジチオトレイトールを含 む2%SDSサンプルバッファーでこの抗原を煮沸した場合に、弱いシグナルが 得られる。還元剤がジスルフィド結合を完全には維持しないことを除いては同様 の方法で、この抗原を試験した場合には、強いシグナルが得られた。このことか ら、このエピトープが少なくとも部分的に配座的(コンホメーショナル)である ことが示唆される。さらに、NCAは高度の配列相同性を備えた点でCEAと関 係しており、GPIアンカーを備えているが、PR1A3と反応しない。従って 、GPIは、このエピトープに十分なものではない。実施例2:分子モデルおよびin vitro変異 抗体PR1A3の分子モデルは、抗体のCDR領域に通常のものではない二つ の不対のネガティブチャージがあることを示している。これらのチャージは、抗 体によって認識されたエピトープに相補的なチャージが存在することを示唆して いるのだろう(図9および10参照)。 CEAのB3ドメインの分析および他のファミリーメンバーであるNCAとの 比較により、抗原-抗体反応で重要な役割を演ずるポジティブチャージを有する 3つの残基があることが示唆された。この残基は、CEA B3ドメインの61 0位および636位のリジンと514位のアルギニンであった。抗体PR1A3 によって認識されるエピトープにおける個々のチャージの役割を調べるために、 これらの残基をリジンまたはアルギニンからアラニンに変えた。DNA配列を変 えることによりアミノ酸を変更することが可能である。ポリメラーゼチェーン反 応は、増幅プライマーの一つに取り込まれる部分変異(ポイントミューテーショ ン)を 導入するために使用することができる。このフラグメントを、クレノウフラグメ ントを備えた平滑末端とするか制限エンドヌクレアーゼで切断し、産物を配列決 定するために適切なベクターに連結する。あるいは、配列の中部に変異を導入す るために、ミューテーションを包括する二つのフラグメントを互いにアニールし 、相互に開始される合成法(mutually primed synthesis)によって延長する。 次いで、このフラグメントを切断し、配列決定するのに適した適切なベクターに 連結する。 TaqポリメラーゼおよびTaqリガーゼで増幅する際に、リン酸化オリゴヌ クレオチドを取り込むためにPCRを使用することもできる(Michel,BioTechn iques 16(3),410-412)。 変異は、全体的に合成された遺伝子もしくは遺伝子の一部の調製によっても導 入することができる。 配列に変化を導入するのに使用した方法は、Kunkelの方法(1985 Proc. Natl.Acad.Sci.USA 82,488-492)によるオリゴヌクレオチド向け変異誘発(o ligonucleotide directed mutagenesis)である。 CEAの反復特性は、変異誘発を行うためにCEAのB3ドメインおよび下流 配列が類似の上流配列から単離される必要があることを意味する。この領域を、 ClaI5’部位とXbaI3’部位を導入するプライマーを用いて増幅し、このフラグ メントをpBluescriptII KS-にクローン化した。このプラスミドを、チミジンの 代わりに多量のウラシル残基を含むプラスミドを産生するE.coliのdut- ung-F’株(CJ236)に形質転換した。一本鎖鋳型をヘルパーファージ M13 K07を用いたスーパーインフェクション(superinfection)で産生し た。変異配列を含有するリン酸化オリゴヌクレオチドをこの鋳型にアニールし、 二本鎖環状分子を産生するためにT4 DNAポリメラーゼおよびリガーゼの存 在下で伸長した。このヘテロ二本鎖分子を野生株(dut+ung+)に導入する ことに より、ウラシル含有野生型鎖の分離および変異鎖の複製を引き起こした。コロニ ーを単離し、変異遺伝子型が存在することを確かめるためにDNAの配列を決定 した。 変異 変異構造物の配列決定を行った後、これらのB3ドメインをBGPの1−31 4残基およびCEAの490−668残基からなるキメラタンパクを作成するた めに用いた。これらの製造物は、COS細胞で一時的に発現された場合に、PR 1A3に陽性であることが示された。 pCDM8に挿入してCOS細胞で発現した後に、免疫蛍光実験によって、K 2(リジン636→アラニン)およびR3(アルギニン594→アラニン)変異 を有する製造物はPR1A3にもはや認識されないが、K1(リジン610→ア ラニン)変異は結合に何の影響も与えないことが証明された(図10参照)。こ れらの結果は、エピトープのK2およびR3残基がPR1A3によって認識され ることを示す。実施例3:CEAに反応するモノクローナル抗体の調製および特性 RichmanとBodmer(1987)の方法でCEAに反応するモノクローナル抗体を調製 した。 組織、細胞、細胞培養 正常な大腸および結腸の腫瘍の新鮮なサンプルを用いた。これらを、液体窒素 で素早く凍結し−70℃で保存した。結腸外(extra-clonic)正常成人および胎児 の組織の冷凍サンプルを用いた。 使用した結腸癌腫セルラインは、異なる腫瘍に由来する。HT29結腸癌腫セ ルライン(FoghとTrempe,1975)は、10%ウシ胎児血清(FCS)を含有する 培地RPM1 1640で、37℃、5%CO2を空気中に含み100%の湿度で 維持した。LS174T、SW1222、SW48、SW620およびSW83 7結腸癌腫セルライン(Tomら,1976;Leibovitzら,1976)を10%FCSを含 有するダルベッコの調節イーグル培地(Dulbecco's modified Eagle's medium)で 、37℃、10%CO2を空気中に含み100%の湿度で維持した。 P3/NS1/1-Ag-4-1(NS1)は、8-アザグアニン耐性BALB/ cミエローマセルラインである。これを、10%FCSと2x10-5M 6-チオ グアニンを有するRPMI 1640で維持した。 この研究で産生されたハイブリドーマは、20%FCS、10-4M ヒポキサ ンチン、1.6x10-5M チミジンおよび10-5 メトトレキセート(HAT) を有するRPMI 1640で最初に培養した。クローニング後、ハイブリドー マ細胞からHATを除き、10%FCSを有するRMPI 1640で維持した 。 免疫材料 BALB/cマウスを4種の異なる標品で免疫した。 1.正常な結腸粘膜の検体。正常な大腸のサンプルをコルク板(cork board)上に ピンでとめた。冷えた無菌リン酸緩衝液A,pH7.4(PBS-A)で(10 回)すすいだ後、粘膜をメスでこすり落として粘膜筋板から切開した。粘膜の検 体を液体窒素で素早く凍結し、タングステンボールベアリング(tungsten ballb earing)を備えたポリプロピレンバイアル中でパウダー状になるまで機械的に振 動を与えた。この物質を、0.2mlの完全フロイントアジュバントと0.2m lのPBS-Aで懸濁した。一度の接種につき、0.4mlのエマルション中の 0.2gの湿組織(wet tissue)を動物に与えた。 2.正常な結腸上皮のクルードな膜調製物。新鮮な正常結腸粘膜検体は上述のよ うにして調製した。湿組織1グラムを、各膜調製物のために使用した。組織サン プルを、ジチオトレイトール(DTT)を含有する10mlスクロースバッファ ーに解かし(戻し)、Dounce-ホモジェナイズを行った(250mM スクロール -RNアーゼ フリー:50mM トリエタノールアミン-HCl pH7.5;6 0mM MgCl2;2mM DTT)。40000gで15分間遠心した後、核 およびミトコンドリアのペレットを捨てた。その上清を30分間20000gで 遠心した。このミクロソームペレットを保持し、10mMのTris HCl p H7.4中の40%スクロースに再度懸濁した。このスクロース溶液を屈折計の 値が1.392−5となるように調節して、10mMのTris HCl pH7 .4中の25%スクロース(屈折計の値が1.375)を上層し、スクロース勾 配を4℃で65000gで15時間遠心した。膜を境界から回収し、10mMの Tris pH7.4で二度洗浄した;タンパク質含量をLowryら(1951)の方法で 概算した。1gの湿組織から約1mgの膜タンパクを回収した。注射用に、この 膜をPBS-Aおよび完全フロイントアジュバントに懸濁した。一度の接種につ き0.4mlのエマルションを動物に与えた。 3.HT29結腸癌腫セルライン。一度の接種につき、0.4mlのPBS-A に懸濁した2x106の生きたトリプシン処理細胞を与えた。 4.免疫原としてのエピトープ。免疫原は、ハイブリッドBGP-CEA B3- GPIタンパクを保有する細胞またはCEAのcDNAまたはコスミドを移入し た細胞である。CEA遺伝子を移入したマウスのL細胞を、CEAに対する抗体 を与えるのに適したマウスの系統を免疫するために用いた。CEAを発現するヒ ト腫瘍細胞を使用することもできる。 免疫化とハイブリドーマの作成 以下のプロトコールに従って、腹腔内接種によって免疫したBALB/cマウ ス由来の脾臓を用いて3つの融合(fusions)を行った。融合1と2では、粘膜の 検体と正常な結腸直腸の上皮の膜調製物で免疫および上昇(ブースト)させた( 上記“免疫材料”参照)。融合3では、最初の免疫化を正常な結腸の膜調製物で 行い、次のブースター(二次免疫)接種をTH29結腸癌腫細胞で行った。各融 合の6週、2週および4日前にこれらの材料の腹腔内注射を動物に行った。それ ぞれの場合に、脾臓を無菌状態で取り出し、単一細胞懸濁液を機械的に調製し、 RPMI 1640中の50%ポリエチレングリコール4000(Merck)を用い て脾臓細胞を108NSIミエローマ細胞と融合した。これらの細胞を、HAT +20%FCSを含むRPMI 1640および支持細胞層のマウス脾臓細胞を 入れた24または96ウェルプレートに塗布(プレート)した。このプレートを 37℃、100%の湿度、5%CO2の空気中でインキュベートした。ハイブリ ドーマは、一般的に14−21日で顕微鏡で見ることができる。所望のコロニー を同定するための最初のスクリーニングをクローニングの前に行った。引き延ば されたパスツールピペットで単一の細胞を拾うことによって、これらのコロニー を二度クローン化し、2mlのRPMI 1640、HATおよび20%のFC Sを上層したマウス脾臓細胞支持層を備えた96ウェルのミクロタイタープレー トの各ウェルに移し、37℃、100%の湿度、5%CO2の空気中で培養した 。 抗体産生のスクリーニングアッセイ 全ての融合物からの抗体産生のスクリーニングを、間接的イムノペルオキシダ ーゼ技術を用いた組織切片で行った。クリオスタットの切片(6μm厚)を正常 な大腸の凍結立法体から切断した。この切片を、0.1%ポリ-1-リジンで予備 被覆(precoated)された10ウェルマルチテストスライド(C.A.Hendley-Essex, England)に載せ、室温で30分間空気乾燥した。この切片を15分間アセトン で固定した。各ウェルを多湿のチャンバーで室温で30分間20μlの非濃縮ハ イブリドーマ組織培養上清でインキュベートした。スライドをTrisバッファ ー食塩水(TBS)pH7.6(1lの蒸留水中にTris,605mg、Na Cl,8g)で二度洗浄した後、5%正常ヒト血清を含有するTBSに1:50 で希釈したペルオキシダーゼ結合ウサギ抗マウスイムノグロブリン(DAKO, コペンハーゲン、デンマーク)と共に室温で30分間インキュベーションを行っ た。このスライドをTBSで再度洗浄し、0.03%過酸化水素を含有する10 mlのTris HCl pH7.6中のジアミノベンジジン(Sigma.St.Louis ,MO)5mgの新鮮な濾過液に浸した。5分後に、水道水で洗浄することによっ てペルオキシダーゼ基質反応を止め、Heyerのヘマトキシリンで染色し、ア ルコールで脱水してDPX(BDX、Poole,UK)に載せた。 免疫組織化学法(Immunohistochemical methods) 1.ホルマリン固定組織の間接的イムノペルオキシダーゼ染色。ホルマリン固定 、パラフィン包理組織とMAbsとの反応性を調べるために、(a)10%中性 緩衝化ホルマリンもしくは(b)酸性ホルマリン(10%ホルマリン中の2%酢 酸)のそれぞれに2時間固定した。一定の処理をした後、3−4μmの切片を上 述の間接ペルオキシダーゼ技術で染色した(“スクリーニング”参照)。染色の 前に、メタノール中の0.5%過酸化水素の新鮮な調製液を用いて室温で多湿の チャンバー内で10分間組織片をインキュベーションすることによって内因性の ペルオキシダーゼ活性をブロックした。水道水で洗浄した後、用いた固定液のタ イプに関わらず3つの方法の一つでスライドを処理した。(i)直接的染色;(i i)トリプシンで切断。切断用にスライドを蒸留水中で37℃に温め、0.1% トリプシ ン(Sigma.type II)、0.1%CaCl2、NaOHでpH7.8に調節した 新鮮な溶液に5−40分間移した。(iii)他のプロテアーゼ溶液で分解した。 温められたスライドを、TBS中のプロテアーゼ(Sigma,type IV),0.02 5%pH7.6の溶液に5−15分間移した。 上記(i)および(ii)では、酵素反応を冷えた流動水で止めた。水とTBS で洗浄した後、分解された切片を間接的なイムノペルオキシダーゼ技術で染色し た。 2.凍結組織切片の間接イムノペルオキシダーゼ染色。正常な大腸の凍結切片、 他の正常な組織および結腸の腫瘍を上述のように調製した(“スクリーニング” 参照)。これらを4ウェルのマルチテストスライド(C.A.Hendly-Essex)に拾 い、染色した。これらは酵素分解されず、内因性ペルオキシダーゼ活性はブロッ クされていなかった。全ての組織をMeyerのヘマトキシリンで染色し、段階 的なアルコールで脱水し、キシレンでクリアーにしてDPXに載せた。 3.凍結切片の免疫蛍光。正常な結腸組織と腫瘍の両方の凍結切片は、間接的免 疫蛍光によって調べることもできる。アセトンで15分間固定した後、切片をリ ン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄した。切片を多湿チャンバーで30分間20μ lの非濃縮ハイブリドーマの上清でインキュベートし、PBSで3度洗浄し、P BSに1:40で希釈した蛍光結合ウサギ抗マウスIgG(DAKO)でさらに 30分間インキュベートした。PBSでさらに3度洗浄して、蒸留水で最後の洗 浄を行った後、切片をGelvato 20/30(Monsanto,Springfield,MA)に載せ、エピ フルオレセンス(epifluorescence)を備えたLeitz Orthoplan顕微鏡で観察した。 4.セルラインの免疫細胞化学的試験。癌腫系統の細胞を、スライドガラス状で 生育する。PBS−Aでこれらを三度洗浄し、生きているものか10分間アセト ンで固定したもののいずれかを染色する。 5.コントロール。イムノヒストケミカル(Immunohistochemical)染色は、一次 層 として非ハイブリドーマ組織培養培地(10%FCSを含むRPMI 1640 )の使用によって調節される。さらに、イムノペルオキシダーゼ染色用の第二の 抗体酵素複合体およびジアミノベンジジン溶液は別々に使用することもできる。 免疫蛍光には、FITC結合ウサギ抗マウスIgGを単独で使用することができ る。これらの試薬による非特異的染色は観察されなかった。 結腸直腸腫瘍の評価 結腸腺癌は、ヘマトキシリンおよびエオシン(eosin)で染色された切片を用い てBlenkinsoppら(1981)の基準で組織学的に分類した。各抗体に対して、腫瘍を “陰性”(全く反応しない細胞)、“不均一”(ある細胞は反応する)もしくは “陽性”(全ての細胞が反応)と評価した。同じ腫瘍の異なる細胞間、もしくは 腫瘍細胞と隣接した正常な上皮との間の染色強度の違いは時々観察されるが定量 できない。 抗体は、空気乾燥してカバーガラス上にアセトン固定したCEA陽性細胞を用 いて間接的免疫蛍光アッセイでスクリーニングできる。また、CEAを有する全 ての細胞または組織切片は使用され、ELISAまたはラジオイムノアッセイ( IRA)で調べることができる。 CEA発現セルラインに陽性、BGP-およびNCA-発現セルラインに陰性、 BGP-CEA B3-発現およびBGP-CEA B3-BGPTM-発現セルライ ンに陰性である抗体は、本発明の抗体を含むものである。実施例4:CEAに対して反応する単一特異的ポリクローナル抗体の調製 CEAに対して反応する単一特異的ポリクローナル抗体を調製するために、適 切な動物(ウサギ、ヤギ等)をBGP-CEA B3-GPIで免疫化する。次い で、BGP反応性抗体を除去して本発明に係るCEA反応性抗体を残すために、 この ようにして得られた抗血清を、精製したBGPまたはBGPを発現する細胞で吸 収する。実施例5:結腸癌のラジオイムノシンチグラフィー(RIS) Nuclear Medicine,trends and possibilities in nuclear medicine,pp.53 1-534 SchmidtとBuraggi(eds.),Schattauer,New York.にGranowskaら(1989) が記載したRISでは抗体を用いる。実施例2の方法で得られたモノクローナル 抗体を、Hnatovichら(1987)の二価性キレート法を用いてインジウム−111で 標識する。イメージングは、メディアム・エナジー・パラレル・ホール’ガリウ ム’コリメーターを備え、Nodecrest V77コンピューターに連結さ れたSiemans75チューブ・ディジトラック回転ガンマカメラセットを用 いて行われる。イメージは、透明なフィルム上およびコンピューターのディスプ レイ上にカラーで表示される。 結腸直腸癌が最初からもしくは再発する疑いのある患者は、外科医によって選 択されRISを受ける。この研究は、保険社会福祉省(Department of Health)の 放射活性物質投与顧問委員会(Administration of Radioactive Substances Advi sory Committee)に承認されている。サインの入った通知された同意書を各患者 から得られた。外因性のタンパクにアレルギーの経験がある患者または、抗体に 対して陽性の皮膚試験を有する患者は除外する。低い直腸の腫瘍を有する患者は 、リンホシンチグラフィー(lymphoscintigraphy)を行うために抗体の直腸の粘膜 下注入として多様のものを用いて研究された。 既知の量の活性の2−3mCi(80−120MBq)の注入後、イメージン グを、放射の断層撮影法(トモグラフィー)で直ちに、時には4時間、24時間 後に行い、さらに48、72もしくは96時間後に行った。患者の還納(reposit ioning)および各時点における像をチェックするためにボーン・ランド-マーク(t he bone land-marks)に見られる6つの放射活性マーカー源と共に、下方の胸部 お よび上方の腹部、および下方の腹部および骨盤の前方および後方の像を得る。ガ ンマカメライメージも、削除された外科的検体から作成される。腫瘍の組織学的 な段階および等級付けが行われる。標準および適切な背景サンプルと共に、腫瘍 に関係するかしないかがわかった粘膜およびリンパ節の近くの腫瘍の被検物は選 別され数えられる。連続的な血液および尿のサンプルもまたアッセイされる。 24時間での血液クリアランスは、平均で5分のサンプル体積を100%とし て注射量の51%;48時間で33%、並びに72時間で27%である。尿での 排出は、3%未満である。 結腸直腸癌の根本的および再発のイメージは、質が高い。腫瘍部位は、4時間 ほどで腹部および骨盤にはっきりと同定される。時がたつにつれて、徐々に活性 を上昇させる早期イメージでは、焦点欠陥として肝臓転移が同定される。In− 111抗CEA(すなわち、PR1A3によって認識されるエピトープを認識し ない抗CEA抗体)で慣れているものより正常な腸での取り込みがかなり低い。 骨髄と肝臓の取り込みは似ている。間違った陽性もしくは間違った陰性の結果は 得られない。平面画像が良好であったので、単一のフォトンの放出トモグラフィ ーは特定の利益があるものではない。 外科的な被検物のイメージングは、腫瘍およびポリープは高度の取り込みを備 えること、並びに他のCEA抗体(PR1A3によって認識されるエピトープを 認識しないもの)と違って正常な節は視認されないことを示す。粘膜に対する腫 瘍の割合は、47:1と広範である。ほとんど分化していない腫瘍は、この抗体 をかなり良く取り込み、平均してIn−111抗CEA(PR1A3によって認 識されるエピトープを認識しない)より優れている。実施例6:マウスモノクローナル抗体のヒューマナイジング(CDR移植) モノクローナル抗体の種々の領域をコードする相補的DNA(cDNA)をク ローン化して配列決定した。重鎖V領域のPCRクローニングに使用したプライ マーはOrlandiら(1989)のものであり、軽鎖V領域に用いたものはJonesとBendig (1991)のものであった。それぞれの場合で、二つの配列は与えられ、それぞれ親 のNS1軽鎖および重鎖のもので、重鎖と軽鎖に独特の配列である。 独特な配列の特異性を確かめるために、これらを、マウス抗体V領域がヒトの 定常領域に融合されたヒト-マウスキメラ抗体として発現させた。マウス抗体VH 領域クローンは、PCR技術でヒトIgG1重鎖NEWM(Kabatら(1991)上述 )のC領域のcDNAクローンに連結した(図1参照)。マウス抗体VL領域を PCR技術によってヒトκ軽鎖REI(Kabatら(1991)上述)のcDNAクロー ンに連結した(図2参照)。 NEWM配列はPoljakら(1977)Biochemistry 16,3412-3420に開示され、RE I配列はPalmとHilschmann(1973)Z.Physiol.Chem.354,1651-1654に開示さ れており、参照としてこれらの両方をここに取り込む。 キメラ軽鎖および重鎖を発現ベクターpCDM8に挿入し、二つのプラスミド をCOS細胞に共移入(co-transfected)した。培養して8日後、約1μg/m lの抗体レベルをヒトIgG Fc特異的ELISAで調べ、このキメラ抗体は PR1A3が同定する決定基を備えたヒトの胃癌腫セルラインMKN45細胞上 に陽性免疫蛍光染色を与えた。 V領域のDNA配列は、ヒューマナイズ化した抗体を設計するのに用いられた 。データベースの分析により、マウス抗体に類似したヒト抗体の選択が可能であ る(約75%の相同性)。このヒト抗体の配列は、オーバーラッピングオリゴヌ クレオチドおよびPCRから構成され、次いでNEWM重鎖のcDNAに連結さ れたヒューマナイズ化された抗体の配列を設計するための鋳型として用いられる 。 マウスの軽鎖は、ヒトの軽鎖に対して70%の相同性を有していた。次いで、 この軽鎖を、LewisとCrowe(1991)の方法によりオリゴヌクレオチドおよびPCR を用いてヒューマナイズ化されたPR1A3軽鎖を作成するための鋳型として用 いた。 方法 重鎖(図6参照) 合成オリゴヌクレオチド,1−6は、モノクローナル抗体の重鎖の可変領域を コードする。これらのオリゴヌクレオチド(90mers)は、各配列オリゴヌクレ オチド間に12塩基対のオーバーラップ(重複)があり、DNAのセンスもしく はアンチセンス鎖をコードする。オリゴヌクレオチド対間のプライマーダイマー フォーメーションを起こした後に、PCR増幅を行う。 定常領域は、プラスミド内に含まれたヒト重鎖配列から開始された。これらの プライマーに取り込まれたものは、可変領域の3’末端との5’のオーバーラッ プおよび遺伝子の3’最末端のクローニング部位である。PCRの条件 軽鎖(図7参照) 軽鎖を重鎖と同様の方法で作成した。オーバーラッピングフラグメントを産生 するためにプライマー1+2、3+4、5+6、7+8をPCR増幅する。用い たプログラムは、重鎖と同様である。次いでこのフラグメントをPCRプログラ ムに用いて連結した。 最初にフラグメントだけを添加する。 外側のプライマーを添加する。 この作成物の鋳型は、プラスミド内に含まれていたヒト軽鎖配列であった。プ ライマー(20−30mers)は、ヒトのフレームワークに相補的な3’領域およ び外因性の5’領域(制限酵素部位または部分的なモノクローナル抗体CDR) を有するように設計された。このフラグメントを増幅し、5’外因性配列をこの 増幅の間に取り込んだ。個々のフラグメントを末端でオーバーラップさせ、完全 な遺伝子を形成すべくオーバーラッピングPCRによって結合させた。 軽鎖および重鎖を発現ベクターpCDM8に挿入し、抗体をCOS細胞で発現 させ、MKN45細胞に対する結合活性を免疫蛍光法によって確かめた。 PR1A3のV領域は、X線結晶学的研究から知られた抗体の構造の相関性(c o-ordinates)を用いてモデル化した。相補性決定領域(CDRs)は、Chothia ら(1992)から引き出されたカノニカル(canonical)ループ構造を用いたフレーム ワーク構造に適合するものであった。このモデルの顕著な特徴は、付加的な残基 を含むことであり、軽鎖のCDR3にチロシンならびに重鎖のCDR2と重鎖の CDR3にグルタミン酸残基を一つずつ含むことである。二つのグルタミン酸は 、通常は不対のチャージを有するが、このループをねじらせ、構造を安定化する ためにCDR3-Lループの二つのチロシンとVHの不対グルタミン酸との間に 塩橋を形成する。これらの特徴があることにより、これらが抗原認識のキーポイ ントであり、このエピトープが陽性チャージを有することが強力に示唆される。 マウスPR1A3重鎖V領域を配列決定することにより、CDR1-Hの最初 のアミノ酸の二つの残基の選択が一貫して与えられ、バリンとグルタミンの両方 が見出された。両方のイソタイプのキメラ抗体は、MKN45細胞を用いた免疫 蛍光的研究で同様に活性であり、モデル化は、両方のアミノ酸を構造上強いられ る拘束のない場所に位置させる。実施例7:細胞のアセトン固定と結合の決定 細胞懸濁液、約105細胞/リン酸緩衝塩溶液(PBS)ml、を顕微鏡のス ライドガラスに滴下し、乾燥させ、10分間アセトンに浸してPBSですすいだ 。もしくは、10ウシ胎児血清を含有するRPMI 1640等の培養液を含有 するペトリ皿にカバーガラスを配置し、細胞をこのカバーガラス上にまく。次い で、このペトリ皿を48〜72時間、37℃でインキュベートし、ペトリ皿から 移し、PBSですすぎ、10分間アセトンに浸してPBSですすぐ。このスライ ドガラスまたはカバーガラスを適切な試験抗体とインキュベートして洗浄した。 この試験抗体は、この細胞に結合するか否かのいずれかである。 試験抗体の結合を調べるために、フルオレセインイソチオシアナート(FIT C)で標識した抗種抗体(anti-species antibody)を添加して細胞を洗浄した。 結合は、蛍光を測定して調べた。 マウスIgGを試験抗体とする場合には、FITC結合ヒツジ抗マウス抗体( Sigma Chemical Co,Poole,Dorset,UK)をプローブとして用いる。 結合の研究に用いた細胞は、結腸癌腫セルラインHT-29(ATCC HTB 38);CEA cDNAを移入したCOS-7細胞;および実施例1に記載し たDNAキメラ作成物のいずれかを移入したCOS-7細胞である。 COS-7細胞の移入は、エレクトロポレーションによる。 エレクトロポレーション:200μgのプラスミドDNAを、107−108細胞 /mlの濃度のPBS中の0.8mlの細胞と混合した。細胞をBio-Rad Gene P ulserを用いて1kv、25μFDのキャパシタンスでパルスした。細胞を少な くとも10分間氷上に置いてから培養液に移した。37℃のオーバーナイトイン キュベーションの後に新鮮な培地を細胞に添加した。実施例8:マウスモノクローナル抗体のヒューマナイズ化 マウスモノクローナル抗体の種々の領域を、配列の5’末端にHindIII制限部 位を添加し、3’末端がヒト抗体REIのκ鎖の定常ドメインの5’末端とオー バーラップする領域を有するように設計したプライマーを用いたPCRで増幅し た。これは標準的な増幅工程を用いて増幅される(95℃で1分間の後、95℃ で1分間、60℃で2分間、72℃で2分間のサイクルを30回繰り返し、最後 に72℃で10分間)。このREIκ定常フラグメントを、モノクローナル抗体 κ可変部位の3’末端との5’オーバーラップと3’XbaI部位を添加するプライ マーで同じ条件で増幅する。これらのフラグメントを結合させ、相互開始合成(m utually primed synthesis)で伸長して、マウスモノクローナル抗体のκ鎖の可 変領域 とヒト抗体REIのκ鎖の定常ドメインとを含有する配列を作成した。PCRの 条件は、両方のフラグメントを含有する反応を95℃で2分間および72℃で4 分間で7回増幅し、その後、外側プライマーを添加して標準増幅工程を行う。 重鎖を、マウスモノクローナル抗体の重鎖の可変領域とヒト重鎖のNEWMの 定常ドメインとを用いて類似の方法で作成した。 これらのフラグメントをHindIIIとXbaIを用いた制限エンドヌクレアーゼ分解 によって取り出した。これらをベクターpCDM8に個別に配置し、COS細胞 に共移入(co-transfected)した。キメラ抗体が培地に分泌され、MKN45細 胞の表面に発現したCEAに対する免疫蛍光によって試験するとマウスを起源と する構成物の特徴の全てを示した。 請求の範囲 1.完全なマウスモノクローナル抗体におけるVH鎖の配列が、 あるいは完全なマウスモノクローナル抗体におけるVH鎖の配列が、VHCDR1 の最初のアミノ酸残基がグルタミンであること以外は上と同じであり、どちらの 場合でも前記完全なモノクローナル抗体におけるVL鎖の配列が であるIgG1グループIIA重鎖とκグループV軽鎖とを備える完全なマウス モノクローナル抗体以外の分子であって、 (i)膜結合性ヒト癌胎児性抗原を結合し、(ii)ヒト癌胎児性抗原の490 残基〜C末端に結合(N−C)したヒトの胆汁糖タンパク質の1〜314残基か らなるハイブリッドポリペプチドを結合し、(iii)ヒトの胆汁糖タンパク質に 結合せず、かつ(iv)可溶性でCOS細胞から分泌されるヒト癌胎児性抗原の4 90〜643残基に結合(N−C)したヒトの胆汁糖タンパク質の1〜314残 基からなるハイブリッドポリペプチドを結合しない分子。 2.分子が単一特異的抗体である請求項1記載の分子。 3.ヒトフレームワーク領域と、請求項1に記載されたVH鎖とVL鎖の少なくと も一つの相補性決定領域を有する抗体であって、VH鎖のCDR1がVFGMN 、CDR2がWINTKTGEATYVEEFKGおよひCDR3がWDFYD YVEAMDYであり、VL鎖のCDR1がKASQNVGTNVA、CDR2 がSASYRYSおよびCDR3がHQYYTYPLFTとされた抗体である請 求項1記載の分子。 4.抗体がモノクローナル抗体である請求項3記載の分子。 5.さらに直接的または間接的な細胞毒性分子を備えた請求項1ないし4のいず れか一項に記載の分子。 6.さらに容易に検出可能な標識を備えた請求項1ないし4のいずれか一項に記 載の分子。 7.医薬に用いるための請求項1ないし6のいずれか一項に記載の分子。 8.結腸直腸癌腫の診断に使用される医薬の製造における請求項1ないし4およ び6のいずれか一項に記載の分子の使用。 9.結腸直腸癌腫の治療に使用される医薬の製造における請求項1ないし5のい ずれか一項に記載の分子の使用。 10.(i)ヒト癌胎児性抗原を結合し、(ii)ヒト癌胎児性抗原の490残基 〜C末端に結合(N−C)したヒトの胆汁糖タンパク質の1〜314残基からな るハイブリッドポリペプチドを結合し、かつ(iii)ヒトの胆汁糖タンパク質に 結合しない単一特異的抗体を選択するように、抗体のプールをスクリーニングす ることを含む、請求項2記載の単一特異的抗体の製造方法。 11.単一特異的抗体がモノクローナル抗体であり、抗体のプールがモノクロー ナル抗体のプールである請求項10記載の方法。 12.プール内の抗体が、組換えDNA方法によって製造された抗体である請求 項10記載の方法。 13.抗体の結合部位が、レプリカベクターの表面に提示される請求項12記載 の方法。 14.レプリカベクターがバクテリオファージである請求項13記載の方法。 15.完全なマウスモノクローナル抗体におけるVH鎖の配列が、 あるいは完全なマウスモノクローナル抗体におけるVH鎖の配列が、VH CDR 1の最初のアミノ酸残基がグルタミンであること以外は上と同じであり、どちら の場合でも前記完全なモノクローナル抗体におけるVL鎖の配列が であるIgG1グループIIA重鎖とκグループV軽鎖とを備える完全なマウス モノクローナル抗体以外の分子であって、 請求項10ないし14のいずれか一項に記載の方法によって得られる単一特異 的抗体。 16.ヒト癌胎児性抗原の490残基〜C末端に結合(N−C)したヒトの胆汁 糖タンパク質の1〜314残基からなるハイブリッドポリペプチド。 17.ヒト癌胎児性抗原の490〜643残基に結合(N−C)したヒトの胆汁 糖タンパク質の1〜314残基からなるハイブリッドポリペプチド。 18.ヒトの胆汁糖タンパク質の1〜314残基、ヒト癌胎児性抗原の490〜 644残基、ヒトの胆汁糖タンパク質の391〜430残基の順で結合(N−C )したハイブリッドポリペプチド。 19.ヒトの胆汁糖タンパク質の1〜314残基、ヒト癌胎児性抗原の490〜 642残基、ヒトの胆汁糖タンパク質の387〜430残基の順で結合(N−C )したハイブリッドポリペプチド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12N 15/02 0276−2J G01N 33/574 E 15/09 0276−2J 33/577 B G01N 33/53 9284−4C A61K 39/395 T 33/574 9284−4C ADUE 33/577 9162−4B C12N 15/00 A // A61K 39/395 9162−4B C ADU 9051−4C A61K 37/02 (C12P 21/08 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD),AM,AT, AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C Z,DE,DK,ES,FI,GB,GE,HU,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LT,LU, LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SI,SK,TJ ,TT,UA,US,UZ,VN (72)発明者 ダービン,ヘルガ イギリス国 ロンドン WC2A 3PX ピーオー ボックス 123 リンカーン ズ イン フィールズ 44 インペリアル キャンサー リサーチ ファンド (72)発明者 スネイリー,デイビッド イギリス国 ロンドン EC1A 7BE バーソロミュー クロース 59 ドミニ オン ハウス エスティー バーソロミュ ーズ ホスピタル アプライド ディベロ ップメント ラボラトリー インペリアル キャンサー リサーチ ファンド (72)発明者 スチュワート,ローナ マリー ダイエッ ト イギリス国 ロンドン EC1A 7BE バーソロミュー クロース 59 ドミニ オン ハウス エスティー バーソロミュ ーズ ホスピタル アプライド ディベロ ップメント ラボラトリー インペリアル キャンサー リサーチ ファンド (72)発明者 ヤング,スーザン イギリス国 ロンドン EC1A 7BE バーソロミュー クロース 59 ドミニ オン ハウス エスティー バーソロミュ ーズ ホスピタル アプライド ディベロ ップメント ラボラトリー インペリアル キャンサー リサーチ ファンド (72)発明者 ベイツ,ポール アラン イギリス国 ロンドン WC2A 3PX ピーオー ボックス 123 リンカーン ズ イン フィールズ 44 インペリアル キャンサー リサーチ ファンド

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.VH鎖の配列が、 あるいはVH鎖の配列が、VHCDR1の最初のアミノ酸残基がグルタミンである こと以外は上と同じであり、どちらの場合でもVL鎖の配列が であるIgG1グループIIA重鎖とκグループV軽鎖とを備える完全なマウス モノクローナル抗体以外の分子であって、 (i)膜結合性ヒト癌胎児性抗原を結合し、(ii)ヒト癌胎児性抗原の490 残基〜C末端に結合(N−C)したヒトの胆汁糖タンパク質の1〜314残基か らなるハイブリッドポリペプチドを結合し、かつ(iii)ヒトの胆汁糖タンパク 質に結合しない分子。 2.ヒトフレームワーク領域と、請求項1に記載されたVH鎖とVL鎖の少なくと も一つの相補性決定領域を有する抗体であって、VH鎖のCDR1がVFGMN 、CDR2がWINTKTGEATYVEEFKGおよびCDR3がWDFYD YVEAMDYであり、VL鎖のCDR1がKASQNVGTNVA、CDR2 がSASYRYSおよびCDR3がHQYYTYPLFTとされた抗体である請 求項1記載の分子。 3.抗体がモノクローナル抗体である請求項2記載の分子。 4.さらに直接的または間接的な細胞毒性分子を備えた請求項1ないし3のいず れか一項に記載の分子。 5.さらに容易に検出可能な標識を備えた請求項1ないし3のいずれか一項に記 載の分子。 6.医薬に用いるための請求項1ないし5のいずれか一項に記載の分子。 7.結腸直腸癌腫の診断に使用される医薬の製造における請求項1ないし3およ び5のいずれか一項に記載の分子の使用。 8.結腸直腸癌腫の治療に使用される医薬の製造における請求項1ないし4のい ずれか一項に記載の分子の使用。 9.(i)ヒト癌胎児性抗原を結合し、(ii)ヒト癌胎児性抗原の490残基〜 C末端に結合(N−C)したヒトの胆汁糖タンパク質の1〜314残基からなる ハィブリッドポリペプチドを結合し、かつ(iii)ヒトの胆汁糖タンパク質に結 合しない単一特異的抗体を選択するように、抗体のプールをスクリーニングする ことを含む単一特異的抗体の製造方法。 10.単一特異的抗体がモノクローナル抗体であり、抗体のプールがモノクロー ナル抗体のプールである請求項9記載の方法。 11.プール内の抗体が、組換えDNA方法によって製造された抗体である請求 項9記載の方法。 12.抗体の結合部位が、レプリカベクターの表面に提示される請求項11記載 の方法。 13.レプリカベクターがバクテリオファージである請求項12記載の方法。 14.請求項9ないし13のいずれか一項の方法によって得られる単一特異的抗 体。 15.ヒト癌胎児性抗原の490残基〜C末端に結合(N−C)したヒトの胆汁 糖タンパク質の1〜314残基からなるハイブリッドポリペプチド。 16.ヒト癌胎児性抗原の490〜643残基に結合(N−C)したヒトの胆汁 糖タンパク質の1〜314残基からなるハイブリッドポリペプチド。 17.ヒトの胆汁糖タンパク質の1〜314残基、ヒト癌胎児性抗原の490〜 644残基、ヒトの胆汁糖タンパク質の391〜430残基の順で結合(N−C )したハイブリッドポリペプチド。 18.ヒトの胆汁糖タンパク質の1〜314残基、ヒト癌胎児性抗原の490〜 642残基、ヒトの胆汁糖タンパク質の387〜430残基の順で結合(N−C )したハイブリッドポリペプチド。
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