JPH09501539A - マイクロ波利用の材料加工 - Google Patents

マイクロ波利用の材料加工

Info

Publication number
JPH09501539A
JPH09501539A JP7506299A JP50629995A JPH09501539A JP H09501539 A JPH09501539 A JP H09501539A JP 7506299 A JP7506299 A JP 7506299A JP 50629995 A JP50629995 A JP 50629995A JP H09501539 A JPH09501539 A JP H09501539A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microwave
heat
heating
amount
energy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7506299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3712727B2 (ja
Inventor
キャサリン ルース ロー、フィオナ
Original Assignee
イーエイ テクノロジー リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=10740274&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH09501539(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by イーエイ テクノロジー リミテッド filed Critical イーエイ テクノロジー リミテッド
Publication of JPH09501539A publication Critical patent/JPH09501539A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3712727B2 publication Critical patent/JP3712727B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/08Processes employing the direct application of electric or wave energy, or particle radiation; Apparatus therefor
    • B01J19/12Processes employing the direct application of electric or wave energy, or particle radiation; Apparatus therefor employing electromagnetic waves
    • B01J19/122Incoherent waves
    • B01J19/129Radiofrequency
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/08Processes employing the direct application of electric or wave energy, or particle radiation; Apparatus therefor
    • B01J19/12Processes employing the direct application of electric or wave energy, or particle radiation; Apparatus therefor employing electromagnetic waves
    • B01J19/122Incoherent waves
    • B01J19/126Microwaves
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B6/00Heating by electric, magnetic or electromagnetic fields
    • H05B6/64Heating using microwaves
    • H05B6/80Apparatus for specific applications
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J2219/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J2219/08Processes employing the direct application of electric or wave energy, or particle radiation; Apparatus therefor
    • B01J2219/12Processes employing electromagnetic waves
    • B01J2219/1203Incoherent waves
    • B01J2219/1206Microwaves
    • B01J2219/1209Features relating to the reactor or vessel
    • B01J2219/1221Features relating to the reactor or vessel the reactor per se
    • B01J2219/1224Form of the reactor
    • B01J2219/1227Reactors comprising tubes with open ends
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B2206/00Aspects relating to heating by electric, magnetic, or electromagnetic fields covered by group H05B6/00
    • H05B2206/04Heating using microwaves
    • H05B2206/046Microwave drying of wood, ink, food, ceramic, sintering of ceramic, clothes, hair

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Furnace Details (AREA)
  • Constitution Of High-Frequency Heating (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Control Of High-Frequency Heating Circuits (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 マイクロ波加熱炉(10)の操作方法であって、前記マイクロ波加熱炉は、マイクロ波発生源(14)と、マイクロ波エネルギーを閉じ込め且つ加熱対象物を収容するための格納部材(12)と、前記マイクロ波発生源(14)と前記格納部材(12)とを連結するための手段(16)と、前記格納部材の内部において放射熱を供給すべく前記格納部材(12)と関連するように配置され且つ独立に制御可能な放射加熱手段(20)と、を具備しており、前記操作方法は、実質的に前記加熱炉(10)の加熱サイクル全体にわたって前記放射熱を発生させるべく前記放射加熱手段(20)を駆動するステップと、前記加熱対象物において所望の温度分布をもたらすべく前記マイクロ波と前記放射熱のうちの一方あるいは双方により前記加熱対象物に発生する熱の量を制御するステップとを含む。またマイクロ波加熱炉(10)は、マイクロ波発生源(14)と、マイクロ波を閉じ込め且つ加熱対象物を収容するための格納部材(12)と、前記マイクロ波発生源(14)と前記格納部材(12)とを連結するための手段(16)と、前記格納部材内部に放射熱を供給すべく前記格納部材(12)と関連するように配置された放射加熱手段(20)と、前記格納部材(12)内部の周辺温度を測定するための温度センサ手段と、前記マイクロ波エネルギーと前記放射熱のうちの一方あるいは双方により前記加熱対象物に発生する熱の量を制御して前記加熱対象物において所望の温度分布をもたらようにすべく前記温度測定に対応する制御手段(54)と、を具備している。

Description

【発明の詳細な説明】 マイクロ波利用の材料加工 序論 本願発明はマイクロ波利用の材料加工に関し、特にマイクロ波利用のセラミッ クス加熱に関するものであるが、これに限定されるわけではない。そのために、 マイクロ波加熱炉及びマイクロ波加熱炉の操作方法について説明するが、このと きのマイクロ波加熱炉は、マイクロ波発生源と、マイクロ波を閉じ込め且つ加熱 対象物を収容するための格納部材と、前記マイクロ波発生源を前記格納部材に連 結するための手段と、前記格納部材内部に放射加熱を施すべく前記格納部材に関 連するように設けられ且つ独立に制御可能な放射加熱手段と、を具備しているも のである。 マイクロ波を用いたセラミックス材料の体積的加熱(volumetric heating)は、 原則的に、セラミックス部品や、暗色ガラス又はガラスセラミックスなどのよう なある種のガラス材が本質的に有している低い熱伝達特性に関連して生ずる数々 の困難を除去するために用いられる。従って、以下においては主にセラミック材 料及び成分に関して述べるが、そこでの教示が、加熱が必要であって且つ低い熱 伝導率を有する材料、あるいは加熱の際の律速要因が質量移動によるものである ことから小さい拡散率を有する材料に対しても適用可能であることは明らかであ る。セラミックス及びガラスに対する従来の焼結方法に付随する問題点 セラミックスの焼結では、粒子表面積の減少を伴う様々な物質輸送過程に対す る活性化エネルギー障壁を乗り越えるために高い温度が必要である。一般に、物 質輸送の速度は焼結温度に依存しており、温度が高くなるほど密度集中が促進さ れる。ガラスやガラスセラミックスにおいても、第1の制限要因は物質輸送であ るが、これは赤外線放射がガラス材の表面を十分浸透することができないためで あって、ガラスが着色されている場合には特にこのことが当てはまる。 従来の加熱炉においては、熱の伝達は、部品表面への放射によるものが主であ り、これに続いて表面から中心への熱伝導が生ずる。焼結の際には、一定の時間 で作業を完成するのに必要な大きな放射負荷のために、おもに熱伝導率によって 定まる試料内部の温度勾配が大きくなり、中心よりも表面の温度が高くなる。一 般的に未焼結の均質材料の熱伝導率は極めて低い(1W/mK)ので、より大きな部 品になるほど、温度勾配に起因し中心と表面との間での温度の不整合が大きくな る傾向があり、このために部品表面に有効ヤング率Eeff及び熱膨張係数αの双 方に比例する応力が生ずることとなる。一般に、セラミックスに対するαの値は 8×10-6-1のオーダーである。 加熱の第1段階において、部品がすべての方向から均一に加熱された場合は、 上述の温度の不整合により部品表面に圧縮応力が生ずる。その結果、クラックの 拡大が抑制されて不良品をかなり減らすことができる。しかしながら熱勾配が大 き過ぎる場合にはクラックが生ずる。不都合にも、この最大熱勾配は材料及び温 度によって変化するため、予め予測することが困難であり、各部品及び材料成分 に対して最適焼成スケジュールを決定するためには広範な試験を行うことが必要 となる。 複数の部品が積み重ねられていたり又は何段階もの焼成を施したりする場合な どのように、放射加熱が均一でないときには、部品のある側面だけが張力にさら されクラックが拡大しやすくなる。極端な場合には、突発的な破壊が生じること もあるし、それほど深刻でない場合でも応力で部品が変形してしまう。 加熱が均一であろうとなかろうと、いったん焼結状態に達してしまえば、密度 集中過程に伴う線型収縮が温度の不整合を弱め、熱応力の緩和が生じることで応 力分布は予測するにはなおさら複雑になってしまう。 短い時間で焼結を行う際には、熱伝達が悪いという問題がさらに強調されるこ とになる。エネルギー効率を向上させ部品の処理量をさらに高めるためには、セ ラミックスを素早く焼結することが好ましい場合が多い。また、短時間で焼結す ることにより、微細構造の質の向上を図ることが可能となる。既に知られている ことであるが、加熱の速度を低くすると粒子の大きさが粗くなり、大きい粒子ほ ど欠陥として作用するので機械的強度が低下する。しかしながら短い時間で部品 を素早く焼結するためには、表面への放射負荷を増加せねばならないが、このこ とは加熱エレメントに対してより困難な役目を要求することになり、耐久期間を 縮めることになる。そこでより高品質で高価なエレメントが必要となる。さらに 熱伝導率は一般的に低いので、部品内部の温度勾配を促進することにもなる。 クラックの拡大に加えて温度勾配が急であると焼結が不均一になり、中心より も表面の方が先に、しかもより短時間で焼結される。この結果、材料内部の特性 が不揃いとなって予め設定しておいた品質仕様を満足することが難しくなり、多 くの廃棄材料を発生させることにつながる。このことは最終仕上がり部品が、大 きな材料片から機械加工される場合に特にあてはまることである。また、結合剤 及びその他の揮発性物質が除去されなくなる可能性がある。 さらにセラミックスを焼結する場合、体積変化を伴う、結晶の大きな相転移に 遭遇することもまれではない。例えば、卓上食器として使用するために石英含有 の粘土材料を焼結する場合に、α/β石英の転化には試料全体にわたって温度分 布が均一であることが必要である。このためには特別の焼結スケジュールが要求 されるが、これを実現することは上述した理由により困難であるため、部品設計 が制限されることになる。 以上のことを要約すれば、従来の加熱技術には理論的制限が存在するために、 大きな断面積を有する部品に対しては、そう大きくない速度でしか加熱できない ということになる。従って、セラミックス業界のある部門では大型の部品に対し て焼結スケジュールが2週間以上も続くことがあるので、所望の処理量を達成す るためには極めて大型のトンネル状加熱炉を使用することが必要となる。その結 果、焼結プロセスにはエネルギーが大量に必要となり、このために傾向として当 然に非電気的加熱方法が好まれることとなるばかりでなく、資金も労働力も大量 に必要とすることになる。このようなことすべてが要因となって、セラミックス の焼結を含んだ新しいプロセス及び製品を採用することが遅れることになるが、 これはまた、このようなプロセス及び製品がこのプロジェクトに関わる企業に対 する正味の価値を著しく低減することも原因となっている。マイクロ波のみを用いたセラミックス及びガラス焼結に付随する問題点 従来からマイクロ波加工は、上述した問題に取り組む試みにおいて、放射加熱 炉にとって代わるものとして示唆されてきた。マイクロ波加工における基本的な 利点は、部品内部にエネルギーを直接送り込むことにより、それぞれの部品内部 及び加熱炉全体を通しての熱伝達の問題を解決することが可能であるという点に ある。 いわゆる体積的加熱技術による利点は、以前から他の産業においても認識され ていた。例えば、乾燥工程においてRFを使用することや、熱処理及び金属の融 解において低い周波数を使用することは周知である。しかしながら、セラミック スは基本的に非伝導体であるために、効果的な結合状態の実現までにはマイクロ 波帯における非常に高い周波数の使用が必要となる。以前から、900MHzか ら30GHzの間のマイクロ波周波数によってセラミックスを加熱する試みがな されてきたが、これらの周波数で多くの材料が効果的に結合することが分かって きた。その結果、マイクロ波加熱は材料内部における温度の均一性を向上させる 方法として言及されてきた。 理論上は、エネルギーを直接部品内部に取り込むことにより、各部品及び加熱 炉全体における熱伝達の問題を解決することができるはずである。このことは、 さらに均一な製品を製造することにつながり、そのうえより迅速な、よりエネル ギー効率のよい加工の実現にも通じることとなる。その他の利点としては、焼結 温度を200℃も引き下げることが可能であることが挙げられ、これに対応して エネルギー効率の向上が達成される。 しかしながら、このような利点の主張にもかかわらず、最近の進展によりマイ クロ波のみによる焼結に付随する潜在的に深刻なかずかずの欠陥が明らかになっ てきている。これらの欠陥により、現実的な大きさの部品を焼結しようとする試 みが幾度となく失敗に終わったことが分かっている。そのために、セラミックス 産業界ではマイクロ波による焼結方法の価値に対してはかなり懐疑的である。 理論的には、十分に均一な電磁場に置かれた材料は、均等にしかも迅速に加熱 されるはずである。しかしながら、実際は、マイクロ波エネルギーのみを用いて 試料を高い温度まで加熱する場合には、さまざまな困難が生じ、このために熱応 力による破壊がしばしば起こる。試料の温度が上がると、熱は周囲に散逸し、逆 放物線状の温度分布が試料に発生する。試料温度の上昇に従い、熱損失はさらに 大きくなり、温度差の程度がさらにいちじるしくなる。 慎重に調節された空胴共振器内において非常に高い電磁場強度を発生させるこ とは可能である。しかしながら、大規模な加工に対して実際によく使用されるマ ルチモード空胴共振器(multi-mode cavity)は通常、200以下のQ因子に制限 されている。 アルミナなどの多くのセラミックスは相対的に小さな損失しか示さないが、こ れはマイクロ波吸収特性が低温から中間の温度において相対的に低いということ であり、典型的なマルチモード空胴共振器の電磁場強度においては迅速に加熱さ れない。しかしながら、臨界温度に近づくに従い、熱損失は激しく増加し、サー マルブレイクアウェイ(Thermal break-away)として知られる現象が生ずる。これ が起こると、共振器のQ因子が低下し、共振器内の他の部分によって吸収される エネルギーが少なくなる。相対的に温度が高い部分が優先的にマイクロ波を吸収 をするにつれて、この現象は自己拡大的となり、極端な場合には内部融解を起こ すが、一方では他の温度が低い部分は周囲と同じ温度のままである。このように マイクロ波のみによる加熱方式の多くは本質的に自己崩壊的である。 際立った非線型吸収特性を示す材料のサーマルブレイクアウェイの第1段階を 生じる駆動力には、以下のものが含まれることが分かっている。 a)電磁場分布の非一様性 b)材料の不均一特性 c)試料表面からの熱損失 このうちの最初の要因がサーマルブレイクアウェイや、表面深さが対象として いる材料の典型的な厚さよりも大きい場合の高温部の生成の主要原因であると以 前から認められている。従って、電磁場の一様性を向上させるべくさまざまな方 策が試みられてきた。 本質的に入射電磁波は空胴共振器の部品と相互作用し、共振器の壁に反射され たり、ある程度まで弱められたりする。このことは特有の頂点と谷を有する定常 波パターンの形成につながる。マイクロ波放射の波長は通常、共振器の寸法に比 較して長いか、少なくとも同じオーダー(すなわち、0.12m〜0.30mの 間)であるので、相対的に少ない数のモードだけが、適切なサイズの格納部材の 中で存在できる。空胴共振器の寸法を、使用するマイクロ波の波長よりも100 倍程大きくすることで空胴共振器の一様性を向上させようとする試みがなされて きたが、これは30GHz程の非常に高い周波数の場合にだけ可能である。しか し、資金面でのコストが大きいことや、マイクロ波の浸透性がさらに制限を受け る等、他の要因のために、商業上の適用においてこのような周波数を使用するこ とは現実的ではない。 マイクロ波による空胴共振器内における電磁場の一様性を改善する別の方法に は、モード攪拌部材、複合マグネトロン、及びターンテーブルの使用等が含まれ る。モード攪拌部材はアンテナとして効果的に作用し、それらの継続的な動きが 共振器内における定常波パターンを連続的に変化させて、空間の特定の点におい て平均的な電磁場強度を達成する。他方、複合マグネトロンの使用により、より 複雑な相互作用が生じ一様性を向上させる。しかしながら、最も効果的な解決策 のうちの1つはターンテーブルである。加熱対象物を電磁場のなかで常に動かす ことにより、試料に作用する定常波パターン及び電磁場強度は絶え間無く変化す る。実際の使用においては、これらの技術のうちの幾つかあるいはすべてを用い ることにより適切な電磁場の一様性が達成される。 サーマルブレイクアウェイにつながるものとされる第2の要因は、セラミック ス材料が本質的に不均一であって、しばしば大量のガラスを含んでいるというこ とである。その結果、単一の試料に含まれる多様な材料がさまざまな損率を有し ており、温度とともに損率は変化する。 サーマルブレイクアウェイにつながるものとされる第3の要因は、一旦温度差 が確立すると、マイクロ波エネルギーの吸収がもはや一様ではないという事実に 関するものである。このことは、材料に吸収されるエネルギー量をコントロール している損率が、温度とともに指数関数的に増大する場合において特に言えるこ とである。このような場合には、相対的に高温となっている試料の中心が、表面 よりも多くのマイクロ波エネルギーを吸収し始めるので、温度勾配がさらに増大 することになる。極端な場合には相対的に小さな寸法を有する試料にも数百度の 温度差が生じうることが実験により分かっている。この様な状況においては、サ ーマルブレイクアウェイを防止すべく、十分迅速に試料表面に熱を伝達すること はもはや不可能である。従来技術によるハイブリッドマイクロ波加熱炉 サーマルブレイクアウェイに緊密に関連する1つの問題は、必ずしも全ての材 料が周辺と同じ温度においてマイクロ波エネルギーを効率良く吸収できるとは限 らず、初めにより高い温度にまで加熱しておく必要があるということである。マ イクロ波加熱を用いてこのような高い温度にまで材料を加熱することは、時間が かかる非効率的なプロセスである。なぜならそのような始動形態は、少ししか温 度の上がらないドウェル時間が長くなるということを意味するからである。 周辺温度において多くの材料がマイクロ波に対し低い磁化率しか有していない という問題を、マイクロ波及び抵抗加熱技術を組合せて材料を加熱することによ り解決しようという試みが以前からなされている。従来技術を用いて、材料をマ イクロ波加熱が適用できる温度まで加熱することにより、はるかに効率のよい全 体的加熱方法を実現できると期待されていた。 しかしながら今までのところ、これらの試みは実験室だけに限られており、従 来の電気的抵抗加熱炉内に、オーステナイト系ステンレス鋼で形成したマイクロ 波共振器を設置することが必要である。このような加熱炉の利点としては、まず 従来技術による方法によりマイクロ波を用いた加熱が可能となる点まで試料を予 熱し、その点に達した時点で従来技術による加熱を停止させてマイクロ波のスイ ッチを入れるようにできることであると言われてきた。しかしながら、共振器の 材料に関する制限のために予熱が1000度をこえることができるかどうかは疑 問である。さらに、オーステナイト系ステンレス鋼がオーバーヒートしないよう に試料の周りに絶縁材料を完全に配置することが必要であるため、工程が非常に 面倒である。 共通の加熱炉環境においてマイクロ波及び放射加熱の双方を配置する試みは他 にもなされており、その中にはマイクロ波サセプタ(susceptors)を使用するもの があって、作動中にこれにより熱を加熱試料に向かって放射することが出きるよ うにしている。しかしながらこのような試みにも欠点がある。まず、サセプタの 使用により、サセプタ、絶縁材料及び試料によって吸収される熱の分量を工業と して成り立つスケールにおいて要求されるように完全に制御することができなく なっている。また、定常状態のもとで単にマイクロ波による加熱だけの場合に一 様な温度分布を維持していくことに関する問題もある。例えば、ホールドサイク ル(hold cycle)において、試料はマイクロ波エネルギーを吸収し続けるが、この エネルギーはのちに周囲に放出しなければならない。その結果、温度勾配が試料 内部に生じるが、その大きさは試料の寸法とその物理的特性に依存する。本願発明の要約 本願発明の第一の側面に基づくマイクロ波加熱炉の操作方法において、この加 熱炉は、マイクロ波発生源と、マイクロ波エネルギーを閉じ込め且つ加熱対象物 を収容するための格納部材と、前記マイクロ波発生源と前記格納部材とを連結す るための手段と、前記格納部材の内部において放射及び/又は対流熱を供給すべ く前記格納部材と関連するように配置され且つ独立に制御可能な放射及び/又は 対流加熱手段と、を具備しており、前記操作方法は、実質的に前記加熱炉の加熱 サイクル全体にわたって前記放射及び/又は対流熱を発生させるべく前記格納部 材内の前記マイクロ波エネルギーとは独立して前記放射及び/又は対流加熱手段 を駆動するステップと、前記加熱対象物において所望の温度分布をもたらすべく 前記マイクロ波エネルギーと前記放射及び/又は対流熱とのうちの一方あるいは 双方により前記加熱対象物に発生する熱の量を制御するステップと、を含んでい る。 好ましくは、前記放射及び/又は対流加熱手段により発生し且つ前記加熱対象 物に供給される熱の量は、表面からの熱損失機構により前記加熱対象物から失わ れる熱の量と実質的に相殺する。また、前記放射及び/又は対流加熱手段により 発生し且つ前記加熱対象物に供給される熱の量は、表面からの熱損失機構により 前記加熱対象物から失われる熱の量と実質的に相殺するために必要な熱の量より も多いか、あるいは少ない。 好ましくは、前記マイクロ波エネルギー及び前記放射及び/又は対流熱により 前記加熱対象物に発生する熱の量を制御するための前記ステップは、前記格納部 材内の周辺温度の測定と、前記マイクロ波エネルギーと前記放射及び/又は対流 熱とのうちの一方あるいは双方により前記加熱対象物に発生する熱の前記温度測 定に対応してなされる制御と、を含んでいる。 好ましくは、前記マイクロ波エネルギー及び前記放射及び/又は対流熱により 前記加熱対象物に発生する熱の量を制御する前記ステップは、前記格納部材に供 給される単位時間当たりのマイクロ波エネルギーの正味の量の決定と、前記マイ クロ波エネルギーと前記放射及び/又は対流熱とのうちの一方あるいは双方によ り前記加熱対象物に発生する熱の前記決定に対応してなされる制御と、を含んで いる。この点に関し、単位時間あたりのマイクロ波エネルギーの正味の量は、一 定のエネルギーとして与えても、あるいはエネルギーの範囲内で変動するデュー ティサイクルとして与えてもよいことは当業者にとって明らかなことである。し かしながら、後者の場合、単位時間を定める際には、多くのデューティサイクル を含むほど十分に長く且つ加熱炉の加熱サイクルの継続時間に比べると短くなる ように選択すべきである。 好ましくは、前記所望の温度分布は、前記マイクロ波エネルギーにより発生し たと算出される熱の量に対して前記放射及び/又は対流熱により前記加熱対象物 に発生する熱の量を調節することにより実現される。 本願発明の別の側面に基づき与えられるマイクロ波加熱炉は、マイクロ波発生 源と、マイクロ波エネルギーを閉じ込め且つ加熱対象物を収容するための格納部 材と、この格納部材内部に放射熱を供給すべく前記マイクロ波発生源と前記格納 部材とを連結するための手段と、前記マイクロ波エネルギーとは独立に制御可能 であり且つ前記格納部材内部に放射及び/又は対流熱を供給すべく前記格納部材 と関連するように配置された放射及び/又は対流加熱手段と、前記格納部材内部 の周辺温度を測定するための温度センサ手段と、前記マイクロ波エネルギーと前 記放射及び/又は対流熱とのうちの一方あるいは双方により前記加熱対象物に発 生する熱の量を制御して前記加熱対象物において所望の温度分布をもたらように すべく前記温度測定に対応する制御手段と、を具備している。 好ましくは、マイクロ波加熱炉は、さらに前記格納部材に供給される単位時間 当たりのマイクロ波エネルギーの正味の量を決定するための手段を具備しており 、前記制御手段は前記決定に対応するように構成されており、前記加熱対象物に おいて所望の温度分布をもたらすべく前記マイクロ波エネルギーと前記放射及び /又は対流熱とのうちの一方あるいは双方により前記加熱対象物に発生する熱の 量を制御している。この点に関し、単位時間あたりのマイクロ波エネルギーの正 味の量は、一定のエネルギーとして与えても、あるいはエネルギーの範囲内で変 動するデューティサイクルとして与えてもよいことは当業者にとって明らかなこ とである。しかしながら、後者の場合、単位時間を定める際には、多くのデュー ティサイクルを含むほど十分に長く且つ加熱炉の加熱サイクルの継続時間に比べ ると短くなるように選択すべきである。 好ましくは、前記放射及び/又は対流熱により発生する熱の量は、前記加熱対 象物において所望の温度分布をもたらすべく前記温度測定に対応し前記マイクロ 波エネルギーにより発生したと算出される熱の量に相対して調整される。 好ましくは、前記マイクロ波エネルギーにより発生する熱の量は手動により制 御される。 好ましくは、前記放射及び/又は対流加熱手段は前記格納部材の外部に設けら れている。また、前記放射及び/又は対流加熱手段は前記格納部材の内部に設け られている。後者のような構成の場合には、前記放射加熱手段は前記格納部材の 壁を貫通して延びる少なくとも1つの抵抗加熱エレメントを含む。特に、前記加 熱エレメントは、この加熱エレメントが前記格納部材の壁を貫通して延びている 第1の位置と当該加熱エレメントが前記格納部材から引き込まれた第2の位置と の間を移動可能に設けられている。また、前記加熱エレメントは伸縮不可能であ るように前記格納部材内部に設けられている。 好ましくは、前記放射及び/又は対流加熱手段は化石燃料を燃焼するための手 段を具備している。特に、前記化石燃料燃焼手段はスロットが設けられた導波管 を具備している。 好ましくは、前記加熱炉は不活性雰囲気、還元雰囲気、又は酸化雰囲気での使 用に適している。 本質的に、一様な体積的加熱によれば、温度の非一様性から生ずる熱応力を最 小化することができる。それにより、極めて迅速な試料の焼結及び粉体のか焼が 可能となり、さらに迅速な焼結は、炉をより効率よく利用するだけでなく、焼結 単位ごとの廃棄熱を量を低減することにより焼結のコストを下げることにもつな がる。 この点に関し、詳しく研究されてきた材料の一つがアルコアアルミナ,グレー ドA100SG(Alcoa alumina,grade A100SG)である。従来の、あるいはマイ クロ波のみによる焼結(ただしサセプタは使用せず)を行う際に達成可能である 最大加熱速度は毎分5度であった。これに対し、マイクロ波利用の焼結による場 合は、毎分35度であった。 これに加えて、迅速な焼結を用いると生産スケデュールの改善が可能である。 現時点では、生産計画は柔軟性の面において制限があるが、それは最新の需要に 違わずに生産することが必ずしも可能ではないせいである。これは、焼結時間が 長いことと、熱伝達及び製品処理量を最大限にするために、炉内部の試料の性質 及び積み方を変更する必要があることによるものである。その結果、ちょうどよ いタイミングでの製造が困難となり、顧客の要求を満たすためには進行中の仕事 を大量に必要とする。マイクロ波利用の焼結によれば、最適なタイミングでの製 造を実現するために必要な柔軟性が与えられ、進行中の仕事が少なくなる。これ により、本願発明の実施例を利用する企業の資金の流れが改善される。 本願発明の実施例を使用することにより、資料を柔軟に設計することが可能に なるが、これには今までのところ多様な断面にわたっての均等な温度分布を達成 することが難しいので限界があり、これが理由で熱応力が積み重なることにもつ ながってきた。例えば、衛生陶器業界において、従来からこの分野では断面は2 cm以下に制限されている。 環境への配慮という側面も高速焼結の導入に付随する。特に、基本材料として 粘土を使用している業界においてはそうである。粘土は、焼結中に放出される不 純物を相当に含んでいる。その一例はフッ素である。ドイツでは、1986年の T.A.大気条例(T.A.Luft Act 1986)のもとで、フッ素放出量は最大5mg/m3 (すなわち0.5kg/hr)に制限されている。イギリスにおける最近の調査に よれば、粘土製品焼結用加熱炉からの平均フッ素放出率は43mg/m3であり、 記録に残る最大放出量は106mg/m3である。従って、この調査を受けたイギ リスの加熱炉の3%以下しかドイツの規制に適合しない。1985年の1月1日 に初めて導入され、フッ素放出量限度を10mg/m3に定めた比較的制限の緩い イギリス の条例のもとでさえも、現存する加熱炉の7%しか許容範囲にあると見なすこと はできない。 しかしながら、フッ素放出量はマイクロ波利用の焼結を用いると相当低減する ことができるが、その理由は2つある。第一に、放出されるフッ素の量は、80 0度以上の温度に粘土が置かれている時間に比例する。マイクロ波利用の焼結に より処理速度が速くなれば、このような温度に置かれている総時間が5分の1に なる。第二に、焼結加工中に放出されるフッ素の90%は粘土の含まれている水 分と、水素を含んだ燃料を燃やすことに起因している。しかしながら、マイクロ 波利用の焼結法を用いれば、マイクロ波エネルギーが800度の臨界温度に達す る前に水分を除去することができ、供給されるエネルギーの少なくとも25%が マイクロ波であるから、水素を含有した燃料の燃焼量を低減することになる。 本願発明実施例による潜在的な利益を見積もる際に、資金が必要となる設備面 でのコストも非常に重要である。イギリスでは、広い範囲で採用する新しいプロ セスに対しては、資金投資をして得られる収益は高いものであって、少なくとも 長期間の高い利率により増加する負担にみあうものでなければならない。もし、 計画が重大なリスクを負っていると思われる場合には、この計画により得られる 収益はより大きなものでなければならない。 実験室規模においては、マイクロ波装置を大抵の既存の炉に合うように設計・ 設備(すなわち改装)することが可能であることが分かっており、したがって、 マイクロ波のみによる焼結法に完全に依存する全く新しい炉を設計し配備するこ とに含まれるリスク及び資金コストを減少することができる。 マイクロ波利用のための改装と同じく、既存の炉にマイクロ波装置を配備する ことに伴う資金コストの一例は、以下のようになる。1993年に行われたモデ リング及び実験によると、最新の5860kW(200therm)の高速焼結トンネ ル炉を改装し、温度の一様性及び処理量の向上を達成するために必要なマイクロ 波エネルギーの総量は5%であるという結果である。同じ年における産業規模の マイクロ波装置費用のコストは、1キロワット時あたり1785〜2500ポン ドであると見積もられ、出力の相対的に低い設備に関連してコストが大きくなっ ている。これは、ほぼ523000ポンドの資金コストに対応しており、返済期 間はほぼ13か月であって、大抵のユーザーの許容範囲であろう。 これに対して、同じ期間におけるマイクロ波のみによる炉へのマイクロ波装置 の配備に関する同様な資金コストは1000万ポンドをこえた。さらに、マイク ロ波のみによる場合は通常新しい炉の建設が必要となって、この分のコストが加 わることになる。 以上のことから、マイクロ波利用の焼結は、経済的に実行可能なマイクロ波焼 結方法であることが分かる。このことは、マイクロ波エネルギーをたいてい従来 からの熱エネルギーと組み合わせて用い、より少ない資金コストで最後の数パー セントの水分を材料から取り除いているマイクロ波乾燥方法に関しても言えるこ とである。 さらに、特定のセラミックス又はガラス製品内部の温度分布を制御することが 有利であるような応用例が多くある。そのような例の1つは、セラミックス製の 超伝導体の製作であり、ここでは、酸素が試料の中心まで達することが不可欠で あり、反応結合チッ化珪素では窒素の侵入が必要である。反応段階において、表 面よりも中心の温度が高い場合には、ガスが中心に侵入しやすくなる。このよう に、焼結サイクルの全ての段階において試料内部の温度分布を制御することは、 ハイブリッドマイクロ波加熱炉を用いることによって初めて可能となる。その結 果、本願発明の実施例を使用することにより新しい工学上の応用において機能す る、機械的に強化されたセラミックス材料の製造が可能となるであろう。 要約すると、マイクロ波利用の焼結においては、マイクロ波エネルギーによる 全体的加熱により試料を加熱する一方で、ガスの炎や電気抵抗加熱等による従来 からの放射加熱が、試料表面や環境に熱を供給することにより、試料表面から失 われる熱を最小限に抑えている。このため、従来技術による加熱及びマイクロ波 のみによる加熱において生ずる破壊的な温度分布の発生を防止することが可能で ある。 熱応力が最小化されれば、試料をより迅速に加熱することができる。その結果 として、焼結サイクルに関連する時間が短縮され、且つマイクロ波エネルギーを 必要な箇所に最大に向けることができ、場合によってはスイッチを切ればよいの でエネルギーや工程が大幅に節約できる。環境に有害な放出が含まれている場合 は、焼結時間を短くすることによりそのような放出のレベルを著しく低下させる ことになる。そして最後に、将来的にセラミックス業界においてマイクロ波焼結 が採用されるためにおそらく最も重要なことであるが、マイクロ波エネルギーの 供給設備を既存の炉に適合するように設計し、配備することが可能であることが 実証されているのである。 本願発明の多様な実施例を添付の図を参照しつつ、以下に説明する。 図1は、典型的なセラミックス材料の微細構造の概略図である。 図2は、セラミックス及びガラス材料における様々な分極機構の概略説明図で ある。 図3は、本願発明の第一実施例によるハイブリッドマイクロ波加熱炉の概略断 面図である。 図4は、図3の加熱炉における容量リード孔の拡大断面図である。 図5は、本願発明の第二実施例によるハイブリッドマイクロ波加熱炉の概略断 面図である。 本願発明の実施例の説明に移る前に、一般にマイクロ波がどのように試料、特 にセラミックスと相互作用するかをまず説明する。これに続いて、マイクロ波及 びこれと独立な放射加熱により発生する熱を制御するための手段の基礎をなす理 論を説明する。マイクロ波と試料の相互作用 よく知られているように、すべての試料はそれが置かれた電場に影響を与え、 その結果として試料内の局所場は外部の電場とは非常に異なったものとなる。さ らに、良く知られているように、ある種の誘電体絶縁物は高い周波数の電場と相 互作用し、その試料内に熱が発生する。一般に、実際に発生する熱は試料の誘電 性特性、すなわち、電導率や、周波数、局所場の強さ等に依存する。誘電体絶縁 物におけるこのような熱の発生が、すべての電波及びマイクロ波誘電加熱と乾燥 方法に関する応用の背後にある基本原理である。 150度をこえる温度でのマイクロ波とセラミックス材料との相互作用に対し て幾つかの機構が提案されてきた。この機構には、イオン飛躍緩和(ion-jump re laxation)が含まれており、これはアリオバレント(Aliovalent)イオン不純物― 空孔ペアの電場に対するアラインメントである。機構はさらに欠陥における電気 的中性の局所的破壊に起因する界面分極を含んでおり、結果として正味の双極子 モーメントを生じ、それ自身を印加電場の方向に一致させる機能を有している。 提唱されているまた別の機構は、マイクロ波放射が材料中の非熱的なフォノンの 分布を励起するというものである。しかしこれらの問題を詳細に考察する前にま ず典型的なセラミックスの微細構造について説明する方がよいであろう。 殆どのセラミックス材料は本質的に不均質であって、多結晶状粒子が密集し、 その粒子間にガラスの粒界層を有しているものとみなされる。この様子が図1に 概略的に示されており、多結晶の非有機的粒子あるいは結晶粒2は、結晶粒界6 においてガラス状あるいは再結晶化したガラス層4に囲まれた状態に描かれてい る。 粒子2は、ガラス状あるいは再結晶化したガラス層4とは組成が異なる場合が ほとんどであり、粒間層をもたない多結晶セラミックスに遭遇することは極めて まれである。結晶粒界相は、液相焼結を強化あるいは促進するために使用する添 加剤、又は多結晶材料に存在する不純物の結果である。この不純物は焼結中に結 晶粒界まで移動してガラス相を形成する。このようなことが起こるのは、セラミ ックス原材料に共通する不純物のほとんどが、ナトリウムや、カリウム、マグネ シウム、酸化鉄などのガラス形成剤であることによる。 マイクロ波環境におかれた材料の反応を制御するためには、材料がマイクロ波 とどのように相互作用するかを理解する必要がある。当然のことながら、相互作 用の機構は何種類もあるが、セラミックス材料に関連するもののリストを以下に 示す。 ‐イオン性伝導 ‐双極子回転 ‐界面分極 ‐ダイポールストレッチング ‐強誘電体ヒステリシス ‐電気的磁壁共鳴 ‐電気ひずみ ‐核磁気共鳴 ‐強磁性共鳴 ‐フェリ磁性共鳴 上記機構のなかで、イオン性伝導においては、イオン電荷キャリアが印加電場 の影響のもとで材料中を広範囲にわたって移動する。対照的に、その他の誘電性 特性は、そのような広範囲にわたる材料の電気的伝導性を含んでいない。しかし ながら、まず最初に材料のイオン性伝導について考察する。 イオン性伝導を考察する場合に、最も関連のある電荷キャリアは材料中で最も 移動可能なイオンである。珪酸ガラスの場合は、このようなキャリアは通常、移 動不可能な二酸化珪素マトリックス中を移動する+1価の陽イオンである。これ とは対照的に、多結晶セラミックスにおいては、結晶粒界中のアルカリイオンの 移動が支配的なイオン的伝導機構である場合が多い。ベータアルミナなどのよう な高速イオン伝導体においても、アルカリイオンが規則正しいイオン欠陥格子の なかを移動する。一方安定化ジルコニアにおいては、移動するのは陰イオンであ る。どの場合においても、電場とイオンとの相互作用は、印加された電場の方向 に遷移する確率を大きくすることによりランダムな熱運動を乱す傾向がある。 これとは対照的に、誘電反応は、印加電場のもとでの電荷キャリアの狭い範囲 における移動に起因している。このように電荷が移動すると、電気エネルギーが 蓄積されて、いわゆる誘電体のキャパシタンスと呼ばれるものに関連することに なるが、ここでキャパシタンスとは、近接する2つの導体が、印加電圧差Vの場 合に電荷Qを蓄えることのできる能力として定義される。従って、 となる。 真空では、コンデンサのキャパシタンスは、その幾何学的形状のみによって決 まる。例えば、平行板コンデンサの場合は、プレート上の電荷密度Qはそれらの 面積Aと印加電場の大きさEに比例する。ここで、 E=V/d であり、dは2つのプレート間の距離である。比例定数は、真空の透磁率ε0と して定義され、8.854×10-12F/mに等しい。従って、真空中における 平行板コンデンサのキャパシタンスは以下の式で与えられる。 ここで、qは単位面積あたりの電荷、 Aは平方メートル単位の平行板の面積、 である。 両プレート間に物質を挿入すると、キャパシタンスCは増加する。従って、プ レート間に誘電体を有するコンデンサのキャパシタンスとプレート間が真空であ るコンデンサのキャパシタンスとの比として誘電率kを定義することができ、 となる。εはファラッド/メートルを単位とする誘電体の透磁率である。 以上のことから分かるように、材料の誘電率kは、真空の透磁率に対する材料 の透磁率の比である。従って、これは比誘電率として知られている。 式(4)は、平行板コンデンサのプレート間に物質を挿入するとコンデンサの 電荷蓄積能力が向上することを示している。この理由は、挿入物質がこれに印加 された電場の影響により変位する電荷体を含んでいるからである。物質内で変位 した電荷は、分離距離をδとしたときモーメントμ=Qδの双極子を構成し、電 場の方向に向きをかえる。このような向きの変更による効果は、コンデンサのプ レート上の電荷を束縛し、印加電場の一部を打ち消す働きをする。双極子に打ち 消されずに残った電荷は自由電荷と呼ばれるもので、Q/kに等しく、電場と、 それに伴うV=(Q/k)C0で表される電圧を生じる。その結果、電場の一部 が誘電体内の分極により束縛されるために、同じだけの表面電荷を維持するのに 相対的に小さな外部電場が必要となる。 セラミックス及びガラス内部において、分極を生じさせる4つの主要な機構が ある。各機構は短い範囲での電荷の移動を含んでおり、材料の総分極に関与して いる。その機構とは以下のものである。 ‐電子分極(Pe) ‐原子分極(Pa) ‐双極子分極(Pd) ‐界面分極(Pi) この各々は図2(a)〜(f)に概略的に図示されている。 従来は、双極子分極に注意が向けられていたが、その理由は、これが主となっ て準赤外範囲の周波数において、誘電分極に寄与していると考えられていたから である。配向分極としても知られている双極子分極は、分子双極子やイオン双極 子の熱運動の摂動を含んでおり、印加電場の方向に正味の双極子配向を生ずる結 果となる。これら2種類の双極子のうち、ほとんどの注目を集めてきたのは分子 双極子の分極であって、この分極では永久双極子を含む分子が、平衡位置周りの 弾性的復元力に逆らって回転させられる。ほとんどの理論的研究もまた分子の回 転に焦点をあててきたが、それはこれが食料品の熱処理及び乾燥において特に重 要であるからである。この場合、回転しているのは水分子である。 しかしながら、室温でのガラス及びセラミックスの誘電反応に特に重要な寄与 をしている双極子分極の異なる機構がある。それは、2つの等価な平衡位置の間 における双極子の回転を含んでおり、強誘電性材料の非線型分極を生ずる平衡位 置のうちの1つにおいて、これら双極子の位置合わせが自発的に生ずる。リニア な誘電体に対しては、配向分極は材料のイオン構造内部において粒界位置の間で 電荷イオンが移動することによって主に生ずる。この場合は、印加電場の効果に より、電場に平行な方向へのジャンプが起こり易くなる。このようなイオン遷移 にはかなりの距離が関与しているので、室温の場合は、分極は103〜106HZ の周波数範囲で起こる。しかしながら、温度が上昇するに従って、イオンにはよ り多くのエネルギーが与えられるので、分極が生ずる周波数は高くなる。この機 構には、直流電導に寄与するものと同じ可動陽イオンを含んでいるので、それら は移行損失として知られている。 双極子分極に加えて、上記分極機構の4番目である界面分極あるいは空間電荷 分極もまた、セラミックス及びガラスの誘電反応において重要である。この機構 が生ずるのは、移動可能な電荷キャリアが、電荷の移行を妨げる物理的障壁によ り運動を妨害されるときである。このような電荷が障壁の箇所で積み重なって、 材料の局所的な分極を生み出す。多結晶セラミックスの場合のように、障壁が内 部の構造的な特徴によるものであるとき、あるいは、界面分極に関与する電荷密 度が充分に高いときには、分極の周波数領域は103Hzの範囲にまで及ぶ。 このような反応の最適な例は、多結晶のベータアルミナにおいてみられる。多 結晶ベータアルミナは、ナトリウム硫黄電池に使用される高速イオン電導体であ る。この材料においては、高速イオンの伝導パスは格子の不整合による結晶粒界 により妨害されている。その結果、結晶粒界はこれら高速イオン誘導体のコンダ クタンスを低減させて、交流周波数効果を生じさせる。実際、温度に関する多結 晶ベータアルミナの導電性は単一結晶の場合と比較して10倍以上も低い。これ から導かれる重要な結果は、結晶粒界の抵抗が高くなるほど、ナトリウム硫黄電 池の印加電圧がかなりの割合で結晶粒界の間に表れる。厚さが1mmで、1cmあた り103の結晶粒界を有し、結晶粒界の厚さが10-7cmである典型的な多結晶ベ ータアルミナセラミックスの両端に1Vの電圧を印加したとき、局所的な電場は 105V/cmにもなりうる。 同様に、通常の多結晶セラミックスにおいて、イオン性伝導の大半はガラスを 含有した結晶粒界で生ずる。このような材料にとって、伝導路は、非伝導性のセ ラミックスの低いコンダクタンスによって妨害を受ける。これと同様なことが、 こりうるのは、連続したガラス相が存在しない場合である。これはガラスが徐々 に反応させられているとき、例えば、液相焼結や、固相焼結の最後の段階などに おいて生ずるが、後者の場合には殆どのガラスが結晶粒の接合部の三重点で終わ っているか、あるいはガラスの形成が完成するには温度が充分に高くなかったよ うな場合に相当する。 さらに、セラミックスのなかには誘電性特性が半導体的な性質の結果として生 ずるものもある。この一例としては、炭化珪素がある。炭化珪素は高いバンドギ ャップの半導体であって、その抵抗は温度とともに急速に低下する。その結果、 炭化珪素は室温においてはマイクロ波エネルギーの適当な吸収体であるが、高温 ではマイクロ波エネルギーの反射体に変化する。セラミックス及びガラスの加熱モデルへの準備 正弦波電圧 V=V0expiωt……(5) が誘電体に印加されると、明らかに電荷は時間とともに変化し、充電電流Icが 流れる。ここで、 Q=CV;……(6) であるから、 Ic=dQ/dt=CdV/dt=iωCV=ωCVexp[i(ωt+π/ 2)]……(7) となる。 従って、理想的な誘電体に生ずる充電電流は、π/2ラジアン(90°)だけ 印加電圧の位相よりも進んでいることが分かる。 しかしながら、双極子による電荷の蓄積に関連する充電電流に加えて、現実の 誘電体においては、損流のことも考慮する必要がある。損流は、2つの原因によ り生ずる。即ち、オーム則に従う直流電流などの場合、電荷の長い移動距離によ るものと、双極子の回転振動に関するエネルギーの拡散によるものとである。後 者の誘電体損失への寄与は、電荷を帯びた粒子の移動によるものである。印加さ れた電界からの電気エネルギーは、分極においてこの慣性をうわまわることで失 われる。慣性抵抗からの交流電導及び直流電導は、印加電圧と同相である。従っ て、誘電体中の損流は、 IL=(Gdc+Gac)V……(8) と表現される。ここで、Gは単位をジーメンス(Ohms-1)とした場合のコンダク タンスである。 従って、現実の誘電体における全電流Itは、式(7)及び(8)の和であっ て、 IT=Ic+IL=(iωC+Gdc+Gac)V……(9) となる。 従って、現実の誘電体における全電流は複素数により表現される量であり、電圧 よりも(90°−δ)だけ進んでいる。ここでδは損失角である。 充電及び損失機構を示す現実の誘電体の概念を説明するための別の方法は、そ の材料の記述に複素誘電率を用いるものである。ここで、 ε*=ε’−jε”……(10) 及びk*=ε*/ε0=k’−ik”……(11) である。 その結果、誘電体における全電流は、一つの材料パラメイタk*により表すこと ができ、 C=k*0、よってQ=CV=k*0V……(12) かつ、 i=dQ/dt=CdV/dt=k*C0iωV=(k'-ik")C0iωV0expiωt…(13) であるから、 IT=iωk’C0V+ωk”C0V……(14) となる。 この最初の項は、誘電体内における電荷の蓄積を表しており、k’は充電定数 又は誘電定数である。また、e”及びk”はそれぞれ誘電損率、相対損失係数と 呼ばれる。誘電正接、誘電損角、あるいは散逸率と呼ばれるtanδは、 で定義される。 誘電正接は、ある一定量の蓄積電荷を得る際に散逸する相対的なエネルギー量を 示すものである。積、k”又はk’tanδは、時に全損率と呼ばれ、絶縁物と しての誘電体の有効性を評価する際の主たる基準を与えるものである。 しかしながら、誘電加熱において重要な材料パラメータは、誘電体充電定数( dielectric charging constant)k’及び誘電率σTであり、後者は、 σT=ωk”……(16) で与えられる。 従って、材料の有効誘電率は、 εeff=ε”+σ/ωε0……(17) で表される。 従来は、高温状態における誘電性特性のデータが無かったので、セラミックス 材料のマイクロ波による加熱や焼成を制御するためのモデルの数式化は、実験に 基づく研究によっていた。最もよく研究されてきたモデルては、マイクロ波加熱 の結果セラミックス試料内部に形成される熱の分布状況、及びセラミックスの周 知の熱容量と熱伝導性に焦点をあてたものであり、これらは放射及び対流に起因 する試料表面からの熱損失と関連している。誘電分極の振る舞いを考察する際に は、分極は一定であるか温度とともに指数関数的に増大すると考えられている。 例えば、あるモデルでは、さまざまなセラミックス材料に対してマイクロ波加熱 に対する誘電損率tanδは、周囲と同じ温度のときには非常に小さいと仮定し ているが、ある温度範囲においては極めて速く増大する。これは数学的には、定 常項及び温度とともに指数関数的に増大する項の和からなる加熱の速度として表 現され、 g(T)=g0(1.0+eγ(T−TB)……(18) である。ここで、TBは加熱速度が指数関数的に増大し始める温度を表わす。 しかしながら、もし、マイクロ波の場に置かれた材料の振るまいが、好ましく は既に確立されたデータを利用してさらに正確に予測することが可能であるとす れば、電波及びマイクロ波を利用した材料の加熱及び乾燥を制御する能力が著し く向上することになる。これはまた、必要とされるマイクロ波出力の総量が分か ることにより、設備の仕様が大幅に簡素化されることをも意味している。 マイクロ波利用のプロセスを制御する際の基本的な考え方は、炉内における熱 の流れをコントロールすることにより以下の3つの状況のうちの1つを達成する ことにある。 1.熱の流れをゼロにすること、すなわち、試料と周囲とは同じ温度で あること。 2.周囲から試料へ熱が流れる状態、すなわち、通常の温度分布を形成 すること。 3.試料から周囲へ熱が流れる状態、すなわち、逆の温度分布を形成す ること。 伝導熱流れに対する一般的な方程式は、以下のようになる。 ここで、Tは温度 tは時間 ρは密度 cは比熱 gは単位体積あたりに発生する熱の割合、である。 この方程式に対するいくつかの特定の解が、ある範囲の幾何学的状況に対して すでに公式化されている。以下のモデルは、表現の簡素化のために1次元で説明 されているが、2及び3次元における適当な数学的解が存在することは明らかで ある。 すべての関数が1つの空間的な方向rにのみ依存する1次元モデルの場合は、 方程式(19)を以下のように書き改めることができる。 ここで、Sは、rに垂直な断面の面積である。 Sがraに比例する場合は、上記の方程式は、 となる。 この式において、n=0とおくと直線形状に対応し、n=1とおくと円柱形状 に対応し、n=2とおくと球面形状に対応する。 しかしながら、nの値を変化させることにより、モデル化の対象となっている 試料の幾何学的状態に特徴的な表面積の体積に対する比を取り込むことができる ので、上記方程式は、nが整数の場合だけに限定されるものではない。これによ り、試料内部の温度分布の状況を知ることができるが、ここではrがゼロから表 面と中心間の距離である最外半径Rまで変化することを前提としている。 この広範囲に適用可能な方程式を補完するには、初期温度T0と表記する周囲 の温度及び試料の外表面における境界条件を定める必要がある。これらを全て考 慮すると、以下のような熱の伝達状況を示す式を得る。 ここで、hは外表面における伝導による熱伝達係数 Cは外表面における対流による熱伝達係数 εは放射率 σ0はステファン−ボルツマン定数、である。 一般に、材料特性及び熱生成に関する項は、位置、温度、時間及び過去の状態に 関する複雑な関数である。しかしながらすべてのパラメータを定数であるとし、 最終の定常状態における温度のみが求められるように仮定しても多くの情報を得 ることができる。定常状態のケースは、熱の流れが一方向の場合における、熱勾 配が最大である状況に対応している。 従来の加熱においては、熱は、対流、放射、伝導により周囲の熱源から試料に 伝えられる。そして熱は、試料内部を熱伝導により伝達される。その結果、セラ ミックス試料表面は中心部よりも温度が高くなり、その差はセラミックス試料の 熱伝導特性に依存する。 マイクロ波のみによる加熱においては試料は‘体積的’に加熱され、その中心 よりは温度が低くなっているセラミックス試料表面よりも、周囲の温度の方が低 くなるので、セラミックス試料表面から周囲の環境へ熱が移動する。 マイクロ波を利用した加熱のように、マイクロ波により試料を体積的に加熱す る一方で、従来からのガス又は電気による熱源で表面を加熱する場合には、この 2つの熱源のバランスを考慮することにより、試料表面への、あるいは試料表面 からの熱の伝達は事実上ゼロとなる。このような場合には、試料内部における熱 応力を最小化することが可能である。 しかしながら、これに加えて、マイクロ波利用の加熱を使用することで他の2 つの流れの状況を達成することも可能である。その2つとは、周囲から試料への 熱の流れ(すなわち、従来法による加熱にみられる通常の温度分布の形成)及び 、試料から周囲への熱の流れ(すなわち、マイクロ波のみによる加熱にみられる 逆の温度分布の形成)である。 加熱炉の環境及び試料を加熱し、t秒間で温度をT0からTに上げるのに必要 なエネルギーは以下のようになる。 シチュエーション1 試料の体積的加熱に必要な + 加熱炉からの放射、対流及び熱損失のバラ マイクロ波エネルギー ンスをとるための従来エネルギー シチュエーション2 試料の体積的加熱に必要な + 加熱炉からの放射、対流及び熱損失のバラ マイクロ波エネルギー ンスをとるための従来エネルギーであって 従来エネルギーの方がマイクロ波エネルギ ーよりも大きい場合 シチュエーション3 試料の加熱に必要なマイク + 加熱炉からの放射、対流及び熱損失のバラ ロ波エネルギー ンスをとるための従来エネルギーであって 従来エネルギーの方がマイクロ波エネルギ ーよりも大きい場合 従来技術に必要なエネルギーは、主に絶縁材を介する熱伝達を起因とする加熱 炉からの熱損失の、評価、モデル化、あるいは測定のいずれかを行うことにより 計算可能である。従って、加熱される試料の環境内部における特定の加熱速度を 維持するのに必要なエネルギー量を計算することが可能である。最大3次元の場 合までは、熱の流れを計算する既存のソフトウェアを使用することにより、従来 技術に必要なエネルギーを計算することができる。 しかしながら、密度や重量が変化する複雑な材料において、特定の加熱速度を 実現するために、与えられた温度で必要なマイクロ波エネルギーの量を計算する には、マイクロ波が関係する材料とどのように相互作用するかの詳細な知識が要 求される。簡単な近似を行うことにより、必要とされる最小の発熱率の理論値を 計算することが可能である。 ここで、Hは温度変化に要する熱 mは加熱されるセラミックスの質量 cは材料の熱容量、である。 しかしながら、この近似には材料に吸収されるマイクロ波のエネルギー量や、 試料の表面での反射量、そして上記因子が温度とともにどのように変化するかな どの点は考慮に入れていない。既に述べたように、高温状態でのセラミックス材 料に対する誘電性特性のデータはほとんど無く、しかも使用される測定方法に依 存している。 従って、以下の2つのセクションにおいて、制御された加熱及び冷却サイクル を得るために、周知のセラミックス組成に対して必要なエネルギー量を、現在入 手可能な誘電伝導特性及びこれと同様に重要なイオン伝導特性に関するデータを 用いて計算する方法を説明する。 以下において略述する制御モデルは、熱サイクルの任意の一点において必要な マイクロ波のエネルギー量を計算するために必要なものである。これらは、2つ の異なるセラミックス構造の状況を考慮したものであって、セラミックス試料の 焼結時及びそれに続く再加熱の状況における誘電伝導及びイオン伝導の振るまい において観察されたバリエーションを斟酌している。2つの状況とは、以下に述 べるものである。 状況1: セラミックス試料を、熱の流れ及び誘電特性を説明するためにモノ リシックな物質として扱う。このような状況は、以下のセラミックスに対して適 用可能である。 ‐炭化珪素などの半導体 ‐β’及びβ”アルミナなどの高速イオン伝導体 ‐強誘電性セラミックス及びフェリ誘電性セラミックス試料 ‐磁石 状況2: セラミックス試料を、球状の多結晶粒からなる図1に示すような構 造を有しているものとして扱う。この結晶粒は粒間相に囲まれているが、これは ガラスの共晶(形成)温度でガラスを形成するものである。このような状況は、 陶器、衛生陶器、耐熱性物質、比重の大きい粘土やブロックなどの伝統的なセラ ミックスを含む、たいていのセラミックスに適用可能である。 特定の材料が上記2つのどちらにあてはまるかを正確に見極めるためには、活 性化エネルギーを測定したり、焼結膨張計を利用して材料の焼結に関連する他の 重要なパラメータを測定したりするとよい。例えば、これまでの研究により、十 分に安定化したジルコニアなどの高速イオン伝導体に対しては、マイクロ波環境 において活性化エネルギーを測定することで、焼結機構は粒界の拡散によるもの であって陽イオンの拡散によるものではないということが示めされるということ が分かっている。これに対し考えられる説明の一つは、陽イオンの拡散が結晶粒 界における電荷の積み重なりを生じ、優勢な誘電的相互作用として空間電荷分極 を生じているというものである。従って、粒内モデルよりも粒間モデルの方がよ り現実的であるので、ジルコニア材料の焼結を制御する際には状況2を使用する ことが適切であろう。 これにより再度強調されることは、材料の電子的性質及びマイクロ波環境との 相互作用状況を知っておく必要である。また別の例として有機結合剤又は水分が 存在する場合には、結合剤又は水分が誘電体特性に著しい影響を与えるので、状 況2で略述したようにε”effを扱うことが望ましい。状況1に対するマイクロ波エネルギー制御モデル この状況ではセラミックスは、誘電体としての振るまいを説明するため、モノ リシックな試料として扱われる。セラミックス試料に単位体積あたり吸収される マイクロ波のエネルギーPは、表面を介しての熱の損失及び獲得を無視すれば、 温度Tの上昇速度を決定するのに使用される。従って、 ここで、ρは材料の密度(kg/cu.m) cpは比熱容量(J/kg.deg.C) ε0=10-12(F/m) ω=2πf、である。 これに加えて、試料が磁気損失を有する場合には、透磁率は複素形式をとり、 上記の方程式は、右辺にμ0μ”ωH2 rmsという項を加えることによって、磁壁 領域及び電子スピンによる損失を含むように変形しなくてはいけない。 任意の周波数において、f、ε”effは一般に温度に依存する。従って、一定の 割合で温度を上げる必要があるときには、E2 rmsを上記の方程式に従って制 御しなければならない。E2 rmsが一定である場合には、上記方程式を積分すると 時間tの間の温度上昇度が得られる。 従って、 このエネルギーが分かれば、時間tの間に温度をT0度から T度まで上げる のに必要なエネルギーを計算することが可能となるが、これは上記方程式を以下 のように展開することで得られる。すなわち、 ここで、Maは試料の質量(kg) Cpは比熱容量(J/kg℃)、である。 式(26)を式(25)に代入すると、 ここで、ρは材料の密度(kg/m3)である。 この式から、材料に吸収され温度を上げるのに必要なエネルギー量を決定するこ とができる。 ある与えられたfで高周波エネルギーにより加熱される材料に対し、温度上昇 速度はε”eff及びE2 rmsに依存し、この速度自身は通常、温度に依存する。こ れはε”effが温度とともに変化するからである。周波数及びε”effが分かって いる場合は式(27)からE2 rmsを計算することが可能である。 系を加熱するのに必要なマイクロ波エネルギーの総量は、加熱の局所的な速度 だけでなく、エネルギーがアプリケータ内部の試料に関連する効率にも依存して いる。入射マイクロ波は、試料の表面で反射成分と屈折成分とに分かれる。反射 エネルギーは、|r|2に比例する。ここで、反射係数rは次式で定義される。 損失角が小さい場合は、この式は以下のようになる。 k’<5ならば|r|2<15%であり、k’<12のときは|r|2は約30 %である。負荷に対して適切に設計されたアプリケータを用いると、エネルギー のかなりの量が壁に吸収されたり導波管内に反射されたりする前に、数多くの 反射が可能となる。しかしながらこれについては、材料の屈折性又は伝導性が大 きい場合、すなわち|k*|の値が大きい場合には、再考を要する。 損失を生じやすい材料を通過する際に、屈折波の量は減少するが、そのエネル ギー密度の減少度は以下の式で表される。 P=Prefr-2αz……(30) ここで、 損失角が小さい場合は、以下のようになる。 入射屈折エネルギーの場合、エネルギー密度が1/eに減少する点として定義さ れる侵入深さは以下の式で与えられる。 ある。 厚さLの試料に吸収される屈折波の割合は、(1−e-L/d)である。 d≪Lのときは、ほぼすべての屈折エネルギーが吸収される。しかしながら、 エネルギー密度は表面から内部へ向かうときにも急激に減少する。従って、均一 な加熱状況を実現することがより困難になる。d≫Lのときは、エネルギーの大 部分が材料内を伝達される。このことにより、負荷と供給とが非効率なつながり になるので、別の形態の初期加熱手段を設けて、電気伝導性が増大し且つdが減 少する温度にまで加熱することが望ましい。中間領域では、伝達されるエネルギ ーのほとんどがアプリケータの壁で反射され、加熱は試料内部にまで進む。材料 特性が分かっている場合は、実際の加熱状況は容易に計算可能である。必要とさ れる入力エネルギーは、所定の加熱速度を達成するために必要なエネルギー密度 と体積の積であり、これに吸収プロセスの効率に基づく小さな因子及びマイクロ 波エネルギーの発生効率に対する因子をかけるが、典型的な全体的効率は50% 〜60%である。 要約すると、状況1の場合には材料を加熱するのに要求される全エネルギーを 知るためには、以下のパラメータの値を知らねばならないということである。す なわち、ε”eff及び温度と密度に対するε”eff変動量、吸収エネルギー、伝達 エネルギー、反射エネルギーの各エネルギー量と、反射及び伝達の双方を支配す るε’、E2 rms、f、ρ及びCpである。状況2に対するマイクロ波制御モデル この状況において、セラミックスは、ガラス形成温度においてガラスとなる粒 界相により囲まれた、球状の多結晶粒から構成されている試料として扱う。 既に述べたように、化学的及び物理的性質が異なることにより、粒子とガラス 相は異なるイオン伝導性及び誘電性特性を有している。従って、他のすべてが同 じであるならば、それらのマイクロ波エネルギー吸収量は異なる。従って、マイ クロ波エネルギーは、セラミックスのバルクとガラスの界面相の双方によって吸 収されるものとして扱われ、セラミックスとガラスの相対的な誘電性特性が、ど ちらの相がよりエネルギーを吸収するかを決定している。ある温度において、ガ ラス相の方がより損失が大きい場合には、ガラス相がマイクロ波エネルギーの主 たる吸収体であり、結晶粒界から試料バルクへの熱の流れが試料の残りの部分を 加熱する。事実、このことを裏付ける証拠が蓄積されている。膨張計を用いた実 験により、マイクロ波エネルギーがガラス相の形成後に存在する場合、マイクロ 波環境における焼結速度は単調に増加することが分かっており、また結合実験で は、原子拡散の増大及び粒界相の軟化現象が見られ、また誘電混合方程式(Diele ctric mix equations)に関する研究などがある。 従って、マイクロ波エネルギーは、ガラスと多結晶粒の双方に吸収されるもの として扱われるが、ガラスの方がより多くを吸収している。その結果、ガラスは 高温、高周波数において非常によい電気伝導体であるから、系の長領域電気特性 を考慮する必要がある。実際、ガラスによっては、σ項がε”eff方程式におい て支配的となる。しかしながら、高温におけるガラスの電気電導性については文 献が豊富であり、誘電性特性に関する温度及び周波数の効果についてのデータは 非常に多い。 これは、変動する温度及び密度に関するε”effの計算をさらに困難にしてい る。一般に、誘電混合方程式は実験データとあまり合わないことが知られている が、もっとも良い一致は、この状況に典型的な低損失材料に対してランダウ、リ フシッツ、ローエンガ(Looyenga)方程式を使用することで得られた。その場合で も、ランダウ、リフシッツ、ローエンガ方程式は、10%の過剰評価を与えた。 このことは次のようなことを考慮すれば理解できる。すなわち、理論的なε”ef f 値は、98%以上の密度を有する試料を適切な温度で測定し、理論的な100 %の密度の場合まで外挿することにより導かれたものなのである。このような試 料は結晶粒界において輪郭の明瞭なガラス相を有しており、これが連結作用を担 って優れた電導パスを形成している。しかしながら、低密度で、しかもガラス共 晶点よりも低い、材料によっては1300度にもなるような温度では、ε”eff は低損失のアルミナ粒子などにより支配され、その結果誘電率は、ガラスの値が 含まれているときよりもかなり小さくなる。 ガラスが存在するときには、マイクロ波はこれらに優先的に吸収されて一時的 に特異な加熱パターンを形成するが、これは多結晶粒子が通常、特に低い温度で はマイクロ波エネルギーをあまり吸収しないことも関係する。従って、熱はガラ スから粒子に流れて温度を一様にしようとする。定常状態、例えば温度を一定に 保っているときには、平衡状態はすばやく達成され、試料内のどの点でも温度勾 配は最小となる。しかしながら、試料の加熱あるいは冷却中は、ガラスは相当に 高い温度にある。これにより、マイクロ波が存在するときにある温度で観察され る焼結速度の増大を説明することができるが、それはこのような状況では、熱が 必要な場所、すなわち結晶粒界に蓄積されるからである。さらに、マイクロ波エ ネルギーが結晶粒界に優先的に蓄積される場合には、ガラス共晶点以上において 加熱が一様になるのを補助する役目をはたす。 従って、試料内部に蓄積されるマイクロ波エネルギーの量を計算するのに2つ の方法があって、選択される方法は、入手可能な計算手段、所望の複雑さ、そし ておそらくは、実験対象である試料に依存することになる。状況2:最小ガラス量を有する材料の単純モデル ランダウ、リフシッツ、ローエンガの誘電混合方程式及び単結晶あるいは高純 度多結晶パウダー(又は粘土粒子の場合は原材料)に対するε”eff値を用いる と、焼結試料にみられるガラスの増加量のε”effに関する影響が計算される。 特定の温度で形成されるガラスの量は膨張計による実験から評価されるか、ある いは電子又は光学顕微鏡法などにより測定され、粒子が存在する媒体を表現する ものである。これに対して、ガラスに対するε”eff値は既存の文献に記載され ているか、これらから計算することができる。ε”eff(ceramic & glass)に関し て得られた値に対して同じ方程式を用いて、増加する密度に関する総ε”eff値 を計算することが可能であり、その後、モデルは状況1に関して提示されたもの と同じステップに従うことになる。状況2:別のモデル このモデルでは、かなりの量のガラスが含まれており、増加する複雑さを処理 するのに充分な計算手段があるものと仮定する。同モデルでは、一旦形成されれ ば、ガラスはマイクロ波エネルギーを吸収し、発生した熱を球状の多結晶粒子に 伝達するものとして扱う。従って、ガラスは粒子と密接に接触する固体として扱 うのが最良である。なぜなら、これと対照的に、液体から固体への熱伝導に関す る研究では液体が粒界から離れて大きく移動可能であることを仮定しているから である。従って、時間t秒の間に温度をT0度からT度まで上げるのに必要なエ ネルギーを導く方程式は以下の形をとる。 ここで、g= は単位体積あたりの熱生成率 H=0.556×10-10ε”efffE2 rms ρは試料の密度 Vはガラスの体積 Cpはガラスの熱容量 kはセラミックスの熱伝導率 R2−r2は(平均粒径/2)2 n=2(球形) Hは熱生成率 hは伝達係数(ガラスの粘性に依存)、である。 ここでε”effはガラスに対応する値とする。 必要とする総エネルギーは反射及び伝達されるエネルギーを考慮する必要があ る。従って、 吸収されるエネルギーは、主としてガラスの存在に依存し、反射されるエネルギ ーは累加するε’の関数である。双方共に状況1において示されたように計算可 能であり、適切な補正因子をHにかける。本願発明の実施例 図3において、ハイブリッドマイクロ波加熱炉10が示されており、これはマ イクロ波空胴共振器12と、マイクロ波発生器14と、マイクロ波発生器14か らマイクロ波空胴共振器12へマイクロ波を伝達するための導波管16と、を備 えている。現在の好適な実施例において、マイクロ波空胴共振器は幅455mm、 奥行き435mm、高さ390mmである。このため、試料収容室は、150mm×1 50mm×200mmとなり、使用の際には、1/4波長チョークマイクロ波シール (quarterwave choke microwave seal)を組み込んだドア18を閉じて、密閉状態 にする。モード攪拌機(図示せず)は、マイクロ波空胴共振器12の内部に組み 込まれるとともに、フェイルセーフ機構を具備しており、モード攪拌機が正常に 機能しなくなった場合にはマイクロ波の電源を切るようにしている。 収容不可能に取りつけられた複数の放射カンタル抵抗加熱エレメント20は、 マイクロ波空胴共振器12の壁を貫通して、試料収容室に突出している。加熱エ レメント20を極めて高い電導状態に構成することにより、これらの表皮厚さを 最小限に抑えて、これらに吸収されるマイクロ波を最小にしている。このような 構成にすることにより、加熱炉10は、3kWの放射加熱及び2kWのマイクロ波を 用いて、加熱エレメント20又は加熱炉のライニングを損なうことなく、175 0℃を越える温度を達成できることが分かっている。特に、放射加熱エレメント 20の間や、放射加熱エレメントとマイクロ波空胴共振器12の壁との間でのア ークの発生は観察されていない。 マイクロ波空胴共振器12からマイクロ波が漏れるのを防止するために、各放 射加熱エレメント20はそれぞれの容量性リード孔(capacitive lead-through) を介して試料収容室に入り込んでおり、その一例が図4により詳細に示されてい る。図から分かるように、円筒状のブッシュ22が放射加熱エレメント20に支 持されており、ブッシュと加熱エレメントの双方が空胴共振器壁26に設けられ た開口24を貫通している。円形のセラミックススペーサ27は、ブッシュ22 と空胴共振器壁26の間に置かれて、マイカワッシャ28及び30の1組の両側 の位置に保持されている。マイカワッシャ28及び30は、環状ブラスプレート 32及び40の組のうちの1つと止めナット42及び44の1組とのコンビネー ションにより保持されている。懸垂スカート部48を有する締付ナット46は、 マイクロ波空胴共振器12の外部において加熱エレメント20により保持されて おり、懸垂スカート部48が円筒状ブッシュ22の1つの端部50を収容してこ の上を慴動するように設けられている。最後に、フェライトリング52が加熱エ レメント20の上方から押し込まれて締付ナット46と接触状態に置かれ、使用 の際には、空気ファン(図示せず)によって冷却される。周波数にして2.45 GHz、温度で110℃までの範囲において、フェライトリング52が高い透磁 率を有するようにしておくことにより、容量性リード孔が、マイクロ波空胴共振 器12からのマイクロ波漏れを実質的に無くしてしまえることが知られている。 このような設計において検出される僅かな漏れは、正常作動の範囲外であるが、 現在の許容最大量の10%であった。 使用に際し、マイクロ波空胴共振器12内部における瞬間的な周辺温度は、高 温計や、ライトパイプ、黒体プローブ、被覆熱電対などの適切な温度センサ(図 示せず)を用いて測定される。しかしながら、被覆された熱電対を利用すること の利点は、それを用いることにより、空胴共振器内部の周辺温度が室温から17 50℃まで測定できることである(その他の温度測定装置はもっと制限された測 定範囲しか有さず、一般に500℃を越える温度でのみ使用される)。同時に、 マイクロ波空胴共振器12に送られるマイクロ波のエネルギー量も、導波管16 の入口に設けられるセンサ(図示せず)によって測定される。2つのセンサから の信号はユーロサーム818Pプログラマ(Eurotherm 818P programmer)などの 適切な制御装置54に送られ、この装置がマイクロ波及び放射加熱エレメント2 0の一方あるいは双方により発生した熱をすでに述べたアルゴリズムに従って調 節し、所望の熱分布を実現する。特に、加熱される試料の表面温度が中心よりも 高いような通常の温度分布を達成しようとするならば、放射加熱エレメント20 により発生する熱が、マイクロ波発生器14からのマイクロ波により発生する熱 よりも高くなるように調節する。これとは逆に、加熱される試料の表面温度が中 心よりも低いような逆の温度分布を達成しようとするならば、マイクロ波発生器 14からのマイクロ波により発生する熱が、放射加熱エレメント20により発生 する熱よりも高くなるように調節する。 しかしながら、最も有用な結果を実現するには、マイクロ波及び放射加熱エレ メント20のうちの一方あるいは双方を調節することにより、放射加熱エレメン トで発生する熱が、表面からのさまざまな熱の損失機構に起因し試料から失われ ていく熱を相殺するようにすればよい。このような状況においては、試料とその 周囲とは熱平衡の状態にある。その結果、これらの間における熱伝達は最小限に 抑えられ、試料内部の熱応力はほとんどゼロまで減少する。 これを実現するために、制御装置54は、温度センサからの信号を用い、数々 の所定の定数とあわせて、すでに述べた方程式(22)などの式を利用して、加 熱される試料の瞬間ごとの表面温度を決定している。そしてこの値は、温度セン サ及びマイクロ波電源センサから出力される値から、加熱される試料が当てはま る状況に応じて、既に述べた方程式(27)又は(34)の一方を用いることで 導かれる値と比較される。この比較による結果、試料の中心温度の方が表面の温 度よりも速く上昇していることが判明し、これが望む状態ではない場合は、マイ クロ波により発生する熱を減少させるか、放射加熱エレメントにより発生する熱 を増加させるかして所望の熱分布が達成されるようにすればよい。これとは逆に この比較による結果、試料の中心温度の方が、表面の温度よりも遅い速度で上昇 し、これがまた望む状態ではない場合は、マイクロ波により発生する熱を増加さ せるか、放射加熱エレメントにより発生する熱を減少させるかのどちらかに調整 すればよい。 予備試験段階において、一連の試験片の内部温度測定は、ドリルで試験片に小 さな穴を開けて被覆された熱電対を挿入することで可能である。内部温度と外部 温度とを比較することにより、制御アルゴリズムの正確さを評価することができ る。この際、必要ならば補正因子の採用を考慮すればよい。 現段階での好ましい実施例において、マイクロ波により発生する熱は手動で調 節するか又は一定の値に保たれており、一方、放射加熱エレメントにより発生す る熱は適切なアルゴリズムに従い制御装置54によりコントロールされて所定の 熱分布状態を実現している。また、マイクロ波エネルギーと放射エネルギーの双 方を同時に制御してもよい。 放射加熱エレメント20は収納不可能なものとして説明したが、このようにす ることが必ずしも必要でないのは、当業者にとって明らかなことである。実際、 マイクロ波空胴共振器の壁から試料収容室の内部へ突出しているという最初の位 置からそうではない別の位置に移動可能であるようにしてもよい。 さらに、加熱炉10は1つのマイクロ波発生器14を有しているとして述べて きたが、これも必ずしもそうである必要のないことは当業者にとって明らかであ る。実際、消費電力の大きい1つのマグネトロンを使用するよりも、2つ以上の 消費電力の小さいマグネトロン(すなわち1〜2kW)を使用する方が操作コスト の削減につながるという利点がある。このことは、加熱を受ける試料が適切な吸 収体となる点まで温度を上げられたときにのみ、マイクロ波の電源が入れられる 場合に特に当てはまることである。このようにすれば、空胴共振器内部の電磁場 の強さを最小限に抑えることができ、しかも完全ではないにせよ、アーク放電や 抵抗エレメントの高温部分の発生の可能性を最小とすることが可能である。この ためには、制御装置のプログラムを、一連の所定温度のうちの1つあるいはそれ 以上において又は所定の時間間隔でスイッチをオン・オフできるように設計して おけばよい。 このような方法による利点は数多くある。まず、全体的加熱の達成において、 加熱炉は、マイクロ波だけによる炉の場合の10〜25%のエネルギーしか必要 としないので、必要なハードウェアにかかる経費が大幅に削減される。次に、電 気的な放射加熱は、例えば1つ以上のサセプタを利用する放射加熱により発生す るマイクロ波よりもエネルギー効率がよく、制御が簡単である。さらに、長期に わたって使用することにより、サセプタ材料の特性が大きく変化して、制御や生 産物の調整が一層困難になることが分かっている。 最後に、セラミックス及びガラス業界において現在使用されている全温度範囲 において共通の装置内でマイクロ波と放射による加熱を個別に制御することで、 加工のどの段階に対しても、マイクロ波によるエネルギーと従来からのエネルギ ーとの間で理想的なバランスを保つことが可能であり、その結果、仕上がり製品 及び加工制御に関してだけではなく、加工の柔軟性の面においても利する点があ る。 以上のことに加えて、当業者にとっては明らかなことであるが、1つ以上のト ンネル加熱炉の使用を含む連続的な加工形態にも本願発明は適用可能である。ト ンネル加熱炉の一例を図5に示すが、これはインコネルMA956(Inconel MA9 56)などの耐熱性金属からなるマイクロ波空胴共振器60を具備しており、この 対向する面には複数の電気抵抗加熱エレメント62が設けられている。加熱エレ メント62及びマイクロ波空胴共振器60の双方は、絶縁層64内に囲まれた状 態に形成されており、加熱される試料はローラーによる搬送装置66によって加 熱炉の空胴共振器内を搬送される。マイクロ波エネルギーは、いわゆる漏洩導波 管68を介して空胴共振器内に送られる。 このようなホットウェーブガイド(hot wave guides)構成は、マイクロ波のエ ネルギー分布が作業中の工程に適するように制御できるような、連続的な加工装 置において特に有効である。例えば、短時間に焼結したり、顕著な体積変化を伴 う臨界相変態が生じたりするような領域には、相対的に大きな密度のエネルギー を送ることが可能である。非常に高いエネルギーは、装置の構成自体が本来的に 信頼の置けるものであって且つ連続作業中の維持が容易である場合に達成可能で ある。 電気抵抗加熱に代わるものとして、ガスによる放射加熱が考えられるが、この 場合は直接的あるいは間接的にバーナーを配列すればよい。前者の場合には、バ ーナーは直接、作業片に向ければよい。一方、後者の場合は、金属又はセラミッ クス製の適当なチューブ内で燃焼を起こし、作業片とは直接触れないようにして おくことになる。間接的燃焼ヒータチューブはすでに開発されており、マイクロ 波加熱炉における作業に必要な特性を有している。例えば、ホットウェーブガイ ドアプリケータは間接的な加熱構成を取り入れて、空胴共振器が放射加熱器を形 成するようにすることも可能である。このような場合は、燃焼室が空胴共振器の 構成要素となる。また、直接的なガス放射加熱を行うことが可能であることも分 かっている。この場合、マイクロ波はバーナーの炎及び炭素粒子と相互作用する が、それでも体積的な加熱が認められた。 バッチ処理用であっても、連続処理用であっても、加熱炉が不活性雰囲気、還 元性雰囲気、さらに酸化性雰囲気のいずれの場合にも使用可能であることは、当 業者にとって明らかなことである。従って、酸素含有量を高めた雰囲気中におい て超伝導体片に酸素処理を施すことが一般的であるセラミックス製超伝導体の形 成対して加熱炉を使用することなどが考えられる。 最後に、使用最大温度は加熱源及び絶縁体などの加熱炉構成材料にのみ依存し ている。従って、適切な制御及び操作状態の下で、2500℃を越える温度を実 現することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 放射熱を供給すべく前記格納部材(12)と関連するよ うに配置された放射加熱手段(20)と、前記格納部材 (12)内部の周辺温度を測定するための温度センサ手 段と、前記マイクロ波エネルギーと前記放射熱のうちの 一方あるいは双方により前記加熱対象物に発生する熱の 量を制御して前記加熱対象物において所望の温度分布を もたらようにすべく前記温度測定に対応する制御手段 (54)と、を具備している。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.マイクロ波加熱炉の操作方法であって、前記マイクロ波加熱炉は、マイクロ 波発生源と、マイクロ波エネルギーを閉じ込め且つ加熱対象物を収容するための 格納部材と、前記マイクロ波発生源と前記格納部材とを連結するための手段と、 前記格納部材の内部において放射及び/又は対流熱を供給すべく前記格納部材と 関連するように配置され且つ独立に制御可能な放射及び/又は対流加熱手段と、 を具備しており、前記操作方法は、実質的に前記加熱炉の加熱サイクル全体にわ たって前記放射及び/又は対流熱を発生させるべく前記格納部材内の前記マイク ロ波エネルギーとは独立して前記放射及び/又は対流加熱手段を駆動するステッ プと、前記加熱対象物において所望の温度分布をもたらすべく前記マイクロ波エ ネルギーと前記放射及び/又は対流熱とのうちの一方あるいは双方により前記加 熱対象物に発生する熱の量を制御するステップと、を含んでいる。 2.請求項1に記載の方法であって、前記放射及び/又は対流加熱手段により発 生し且つ前記加熱対象物に供給される熱の量は、表面からの熱損失機構により前 記加熱対象物から失われる熱の量と実質的に相殺する。 3.請求項1に記載の方法であって、前記放射及び/又は対流加熱手段により発 生し且つ前記加熱対象物に供給される熱の量は、表面からの熱損失機構により前 記加熱対象物から失われる熱の量と実質的に相殺するために必要な熱の量よりも 少ない。 4.請求項1に記載の方法であって、前記放射及び/又は対流加熱手段により発 生し且つ前記加熱対象物に供給される熱の量は、表面からの熱損失機構により前 記加熱対象物から失われる熱の量と実質的に相殺するために必要な熱の量よりも 多い。 5.先行する請求項のいずれかに記載の方法であって、前記マイクロ波エネルギ ー及び前記放射及び/又は対流熱により前記加熱対象物に発生する熱の量を制御 するための前記ステップは、前記格納部材内の周辺温度の測定と、前記マイクロ 波エネルギーと前記放射及び/又は対流熱とのうちの一方あるいは双方により前 記加熱対象物に発生する熱に対し、前記温度測定に対応してなされる制御と、を 含んでいる。 6.先行する請求項のいずれかに記載の方法であって、前記マイクロ波エネルギ ー及び前記放射及び/又は対流熱により前記加熱対象物に発生する熱の量を制御 する前記ステップは、前記格納部材に供給される単位時間当たりのマイクロ波エ ネルギーの正味の量の決定と、前記マイクロ波エネルギーと前記放射及び/又は 対流熱とのうちの一方あるいは双方により前記加熱対象物に発生する熱に対し、 前記決定に対応してなされる制御と、を含んでいる。 7.先行する請求項のいずれかに記載の方法であって、前記所望の温度分布は、 前記マイクロ波エネルギーにより発生したと算出される熱の量に相対して前記放 射及び/又は対流熱により前記加熱対象物に発生する熱の量を調節することによ り実現される。 8.マイクロ波加熱炉であって、マイクロ波発生源と、マイクロ波エネルギーを 閉じ込め且つ加熱対象物を収容するための格納部材と、この格納部材内部に放射 熱を供給すべく前記マイクロ波発生源と前記格納部材とを連結するための手段と 、前記マイクロ波エネルギーとは独立に制御可能であり且つ前記格納部材内部に 放射及び/又は対流熱を供給すべく前記格納部材と関連するように配置された放 射及び/又は対流加熱手段と、前記格納部材内部の周辺温度を測定するための温 度センサ手段と、前記マイクロ波エネルギーと前記放射及び/又は対流熱とのう ちの一方あるいは双方により前記加熱対象物に発生する熱の量を制御して前記加 熱対象物において所望の温度分布をもたらようにすべく前記温度測定に対応する 制御手段と、を具備しているマイクロ波加熱炉。 9.請求項8に記載のマイクロ波加熱炉であって、さらに前記格納部材に供給さ れる単位時間当たりのマイクロ波エネルギーの正味の量を決定するための手段を 具備しており、前記制御手段は前記決定に対応するように構成されており、前記 加熱対象物において所望の温度分布をもたらすべく前記マイクロ波エネルギーと 前記放射及び/又は対流熱とのうちの一方あるいは双方により前記加熱対象物に 発生する熱の量を制御している。 10.請求項8又は9に記載のマイクロ波加熱炉であって、前記放射及び/又は対 流熱により発生する熱の量は、前記加熱対象物において所望の温度分布をもたら すべく前記温度測定に対応し前記マイクロ波エネルギーにより発生したと算出さ れる熱の量に相対して調整される。 11.請求項8〜10のいずれかに記載のマイクロ波加熱炉であって、前記マイク ロ波エネルギーにより発生する熱の量は手動により制御される。 12.請求項8〜11のいずれかに記載のマイクロ波加熱炉であって、前記放射及 び/又は対流加熱手段は前記格納部材の外部に設けられている。 13.請求項8〜11のいずれかに記載のマイクロ波加熱炉であって、前記放射及 び/又は対流加熱手段は前記格納部材の内部に設けられている。 14.請求項13に記載のマイクロ波加熱炉であって、前記放射加熱手段は前記格 納部材の壁を貫通して延びる少なくとも1つの抵抗加熱エレメントを含む。 15.請求項14に記載のマイクロ波加熱炉であって、前記加熱エレメントは、こ の加熱エレメントが前記格納部材の壁を貫通して延びている第1の位置と当該加 熱エレメントが前記格納部材から引き込まれた第2の位置との間を移動可能に設 けられている。 16.請求項14に記載のマイクロ波加熱炉であって、前記加熱エレメントは伸縮 不可能であるように前記格納部材内部に設けられている。 17.請求項8〜13のいずれかに記載のマイクロ波加熱炉であって、前記放射及 び/又は対流加熱手段は化石燃料を燃焼するための手段を具備している。 18.請求項17に記載のマイクロ波加熱炉であって、前記化石燃料燃焼手段はス ロットが設けられた導波管を具備している。 19.請求項8〜18のいずれかにに記載のマイクロ波加熱炉であって、この加熱 炉は不活性雰囲気、還元雰囲気、又は酸化雰囲気での使用に適している。 20.本質的に添付図面に基づいてこれまで述べた通りのマイクロ波加熱炉の操作 方法。 21.本質的に添付図面に基づいてこれまで述べた通りのマイクロ波加熱炉。
JP50629995A 1993-08-10 1994-08-08 マイクロ波利用の材料加工 Expired - Lifetime JP3712727B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB9316616A GB2281016A (en) 1993-08-10 1993-08-10 Microwave-assisted processing of materials
GB9316616.3 1993-08-10
PCT/GB1994/001730 WO1995005058A1 (en) 1993-08-10 1994-08-08 Microwave-assisted processing of materials

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09501539A true JPH09501539A (ja) 1997-02-10
JP3712727B2 JP3712727B2 (ja) 2005-11-02

Family

ID=10740274

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50629995A Expired - Lifetime JP3712727B2 (ja) 1993-08-10 1994-08-08 マイクロ波利用の材料加工

Country Status (11)

Country Link
US (1) US6172346B1 (ja)
EP (1) EP0713633B1 (ja)
JP (1) JP3712727B2 (ja)
AT (1) ATE198396T1 (ja)
AU (1) AU1318495A (ja)
BR (1) BR9407228A (ja)
DE (1) DE69426494T2 (ja)
ES (1) ES2152988T3 (ja)
GB (2) GB2281016A (ja)
WO (1) WO1995005058A1 (ja)
ZA (1) ZA945824B (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003519071A (ja) * 1999-12-28 2003-06-17 コーニング インコーポレイテッド セラミックを焼成するためのハイブリッド方法
JP2004526649A (ja) * 2000-12-29 2004-09-02 コーニング インコーポレイテッド セラミックを処理するための装置及び方法
JP2006024448A (ja) * 2004-07-08 2006-01-26 Takasago Ind Co Ltd マイクロ波加熱炉
JP2006049000A (ja) * 2004-08-02 2006-02-16 Takasago Ind Co Ltd マイクロ波漏洩防止構造
JP2012238616A (ja) * 2006-02-21 2012-12-06 Goji Ltd 電磁加熱
WO2013031293A1 (ja) * 2011-09-02 2013-03-07 株式会社サニーエンヂニアリング 反応装置

Families Citing this family (41)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2297077B (en) * 1995-01-19 1999-03-10 Ea Tech Ltd Method of manufacturing cask staves
GB2315654B (en) * 1996-07-25 2000-08-09 Ea Tech Ltd Radio-frequency and microwave-assisted processing of materials
DE19648366C1 (de) * 1996-11-22 1998-04-02 Riedhammer Gmbh Co Kg Anlage zur thermischen Behandlung von Produkten
DE19700141A1 (de) * 1997-01-04 1998-07-09 Gero Hochtemperaturoefen Gmbh Brennofen für die Hochtemperaturbehandlung von Materialien mit niedrigem dielektrischem Verlustfaktor
DE19700140A1 (de) * 1997-01-04 1998-07-09 Gero Hochtemperaturoefen Gmbh Brennofen für die Hochtemperaturbehandlung von Materialien mit niedrigem dielektrischem Verlustfaktor
EP1007892B1 (en) * 1997-04-10 2010-09-01 Nucon Systems Inc. Process for the preparation of thick-walled ceramic products
US6344635B2 (en) 1999-12-28 2002-02-05 Corning Incorporated Hybrid method for firing of ceramics
WO2001049077A1 (en) * 1999-12-28 2001-07-05 Corning Incorporated Hybrid method for firing of ceramics
GB0002464D0 (en) * 2000-02-04 2000-03-22 Ciba Spec Chem Water Treat Ltd Analysis of catalysed reactions by calorimetry
US6408649B1 (en) * 2000-04-28 2002-06-25 Gyrotron Technology, Inc. Method for the rapid thermal treatment of glass and glass-like materials using microwave radiation
DE10021528A1 (de) * 2000-05-03 2001-11-22 Pueschner Gmbh & Co Kg Mikrowellenofen zum Aufheizen von Brenngut
US7095309B1 (en) * 2000-10-20 2006-08-22 Silverbrook Research Pty Ltd Thermoelastic actuator design
CN1307121C (zh) 2000-12-29 2007-03-28 康宁股份有限公司 利用电磁加工陶瓷的方法
US6713738B2 (en) * 2002-03-19 2004-03-30 City University Of Hong Kong Methods for temperature control in microwave processing
DE102004021016B4 (de) * 2004-04-29 2015-04-23 Neue Materialien Bayreuth Gmbh Vorrichtung zur Einspeisung von Mikrowellenstrahlung in heiße Prozessräume
US7867533B2 (en) * 2006-07-19 2011-01-11 Frito-Lay Trading Compnay GmbH Process for making a healthy snack food
US7993693B2 (en) * 2006-07-19 2011-08-09 Frito-Lay Trading Company Gmbh Process for making a healthy snack food
US7695746B2 (en) * 2006-07-19 2010-04-13 Frito-Lay Trading Company Gmbh Process for making a healthy snack food
US7541561B2 (en) * 2006-09-01 2009-06-02 General Electric Company Process of microwave heating of powder materials
US7326892B1 (en) 2006-09-21 2008-02-05 General Electric Company Process of microwave brazing with powder materials
US7775416B2 (en) * 2006-11-30 2010-08-17 General Electric Company Microwave brazing process
US20080138533A1 (en) * 2006-12-12 2008-06-12 General Electric Company Microwave process for forming a coating
US8574686B2 (en) * 2006-12-15 2013-11-05 General Electric Company Microwave brazing process for forming coatings
US7946467B2 (en) * 2006-12-15 2011-05-24 General Electric Company Braze material and processes for making and using
US8409318B2 (en) * 2006-12-15 2013-04-02 General Electric Company Process and apparatus for forming wire from powder materials
US8192680B2 (en) 2007-08-31 2012-06-05 Corning Incorporated Method for firing ceramic honeycomb bodies in a kiln
US20090139607A1 (en) * 2007-10-28 2009-06-04 General Electric Company Braze compositions and methods of use
EP2101547B1 (de) * 2008-03-11 2014-03-05 Vita Zahnfabrik H. Rauter GmbH & Co. KG Dental-Sinterofen sowie Verfahren zum Sintern keramischer Dental-Elemente
US8729436B2 (en) * 2008-05-30 2014-05-20 Corning Incorporated Drying process and apparatus for ceramic greenware
US9239188B2 (en) * 2008-05-30 2016-01-19 Corning Incorporated System and method for drying of ceramic greenware
US9545735B2 (en) * 2008-08-20 2017-01-17 Corning Incorporated Methods for drying ceramic greenware using an electrode concentrator
JP5644187B2 (ja) * 2010-05-31 2014-12-24 株式会社島津製作所 カラムオーブン
GB2481469B (en) 2011-01-31 2013-02-13 Frito Lay Trading Co Gmbh De-oiling apparatus and method in the manufacture of low oil potato chips
EP2807902B1 (en) * 2012-01-23 2020-08-19 CONNORS, Robert W. Compact microwave oven
KR101488659B1 (ko) * 2012-03-06 2015-02-02 코닝정밀소재 주식회사 고주파 가열 장치
US9429361B2 (en) * 2012-11-27 2016-08-30 Corning Incorporated Systems and methods for adaptive microwave drying of ceramic articles
US11513042B2 (en) * 2015-01-26 2022-11-29 SPEX SamplePrep, LLC Power-compensated fusion furnace
CN104930853A (zh) * 2015-05-29 2015-09-23 贵州格勒尔高新材料有限公司 一种微波煅烧系统
US10099500B2 (en) 2017-02-17 2018-10-16 Ricoh Company, Ltd. Microwave dryers for printing systems that utilize electromagnetic and radiative heating
CN107434358B (zh) * 2017-09-15 2023-05-16 内蒙古科技大学 一种微波加热玻璃陶瓷晶化方法及装置
FR3134014B1 (fr) * 2022-04-01 2024-03-29 Innovation & Dev Company four d’extraction à micro-ondes pour le traitement thermique en continu de produits organiques à l’état solide ou pâteux

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4375441A (en) * 1980-12-18 1983-03-01 The Standard Oil Company Method for producing sintered porous polymeric articles
JPS6241769A (ja) * 1985-08-13 1987-02-23 株式会社東芝 粉体成形物の脱脂方法およびその装置
JPS63236766A (ja) * 1987-03-26 1988-10-03 松下電工株式会社 セラミツクスの乾燥法
JPH06345541A (ja) * 1993-06-11 1994-12-20 Fuji Denpa Kogyo Kk マイクロ波焼結方法及びマイクロ波焼結炉

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3569656A (en) * 1969-07-24 1971-03-09 Bowmar Tic Inc Automatic cooking cycle control system for microwave ovens
JPS54102639A (en) * 1978-01-30 1979-08-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd High frequency heating device
US4307277A (en) 1978-08-03 1981-12-22 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Microwave heating oven
JPS5832084Y2 (ja) * 1979-01-25 1983-07-16 リンナイ株式会社 加熱調理器
JPS55119391A (en) * 1979-03-06 1980-09-13 Sharp Kk Cooking oven
JPS6340721Y2 (ja) * 1981-02-16 1988-10-25
US4876426A (en) * 1982-08-13 1989-10-24 Smith Donald P Method and apparatus for water vapor control in convection ovens
JPS5991594U (ja) 1982-12-09 1984-06-21 ハウス食品工業株式会社 マイクロ波乾燥装置
DE3528228A1 (de) * 1985-08-06 1987-02-12 Bosch Siemens Hausgeraete Anordnung zum ansteuern von herden mit mikrowellenenergie und/oder waermeenergie
DE3851165D1 (de) * 1987-03-06 1994-09-29 Microwave Ovens Ltd Mikrowellenherd und Verfahren zum Kochen von Speisen.
US4963709A (en) * 1987-07-24 1990-10-16 The United States Of America As Represented By The Department Of Energy Method and device for microwave sintering large ceramic articles
US4880578A (en) 1988-08-08 1989-11-14 The United States Of America As Represented By The United States Department Of Energy Method for heat treating and sintering metal oxides with microwave radiation
GB2227397B (en) 1989-01-18 1993-10-20 Cem Corp Microwave ashing and analytical apparatuses, components and processes
JP2879450B2 (ja) 1989-08-07 1999-04-05 譲 松原 マイクロウェーブ吸収発熱体
US5166484A (en) * 1990-10-05 1992-11-24 Astex/Gerling Laboratories, Inc. Microwave system and method for curing rubber
US5191183A (en) * 1991-02-21 1993-03-02 Ontario Hydro Apparatus for processing ceramics using microwave oven with resistance heating unit
GB2263976A (en) 1992-01-31 1993-08-11 Scient Generics Ltd Pressure sensing utilising magnetostrictive material
GB9126560D0 (en) 1991-12-13 1992-02-12 Staffordshire Polytechnic Ente Microwave heating method and apparatus
US5227600A (en) 1992-07-31 1993-07-13 The United States Of America As Represented By The United States Department Of Energy Microwave sintering of multiple articles

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4375441A (en) * 1980-12-18 1983-03-01 The Standard Oil Company Method for producing sintered porous polymeric articles
JPS6241769A (ja) * 1985-08-13 1987-02-23 株式会社東芝 粉体成形物の脱脂方法およびその装置
JPS63236766A (ja) * 1987-03-26 1988-10-03 松下電工株式会社 セラミツクスの乾燥法
JPH06345541A (ja) * 1993-06-11 1994-12-20 Fuji Denpa Kogyo Kk マイクロ波焼結方法及びマイクロ波焼結炉

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003519071A (ja) * 1999-12-28 2003-06-17 コーニング インコーポレイテッド セラミックを焼成するためのハイブリッド方法
JP2004526649A (ja) * 2000-12-29 2004-09-02 コーニング インコーポレイテッド セラミックを処理するための装置及び方法
JP2006024448A (ja) * 2004-07-08 2006-01-26 Takasago Ind Co Ltd マイクロ波加熱炉
JP2006049000A (ja) * 2004-08-02 2006-02-16 Takasago Ind Co Ltd マイクロ波漏洩防止構造
JP4585808B2 (ja) * 2004-08-02 2010-11-24 高砂工業株式会社 マイクロ波漏洩防止構造
JP2012238616A (ja) * 2006-02-21 2012-12-06 Goji Ltd 電磁加熱
WO2013031293A1 (ja) * 2011-09-02 2013-03-07 株式会社サニーエンヂニアリング 反応装置
JP2013053886A (ja) * 2011-09-02 2013-03-21 Katsuyoshi Tabuse 反応装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO1995005058A1 (en) 1995-02-16
EP0713633A1 (en) 1996-05-29
EP0713633B1 (en) 2000-12-27
US6172346B1 (en) 2001-01-09
ATE198396T1 (de) 2001-01-15
GB2281016A (en) 1995-02-15
GB9602639D0 (en) 1996-04-10
BR9407228A (pt) 1996-09-24
DE69426494D1 (de) 2001-02-01
GB2296173B (en) 1997-04-30
ZA945824B (en) 1995-03-15
GB9316616D0 (en) 1993-09-29
ES2152988T3 (es) 2001-02-16
DE69426494T2 (de) 2001-06-07
AU1318495A (en) 1995-02-28
JP3712727B2 (ja) 2005-11-02
GB2296173A (en) 1996-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09501539A (ja) マイクロ波利用の材料加工
Ramesh et al. Use of partially oxidized SiC particle bed for microwave sintering of low loss ceramics
JP4018151B2 (ja) 無線周波とマイクロ波とを利用した材料の処理
Thostenson et al. Microwave processing: fundamentals and applications
Bykov et al. High-temperature microwave processing of materials
National Research Council et al. Microwave processing of materials
Wang et al. Evidence for the microwave effect during hybrid sintering
Heuguet et al. Effects of the susceptor dielectric properties on the microwave sintering of alumina
Spotz et al. Thermal stability of ceramic materials in microwave heating
EP1421040B1 (en) Method for processing ceramics using electromagnetic energy
Clark et al. What is Microwave Processing?
ZA200205010B (en) Hybrid method for firing of ceramics.
Garnault et al. Is direct microwave heating well suited for sintering ceramics?
ZA200205009B (en) Hybrid method for firing of ceramics.
US4434342A (en) Microwave heating control and calorimetric analysis
Marinel et al. Tuning, impedance matching, and temperature regulation during high‐temperature microwave sintering of ceramics
CN1119921C (zh) 用于陶瓷加工的高均匀性微波多模应用腔
Clark et al. Recent developments in the microwave processing of ceramics
Riedel et al. Simulation of microwave sintering with advanced sintering models
US4541729A (en) Microwave heating control and calorimetric analysis
WO1993016571A1 (en) Microwave processing materials
Ikuma et al. Temperature Profile of Anatase‐TiO2Powder Compact during Microwave Heating
Leonelli et al. Microwave processing of ceramic and ceramic matrix composites
Santos et al. Microwave Radiation: Applications in Metrology and Materials Synthesis
Santos et al. Using microwave radiation for porcelain tableware sintering

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040302

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20040531

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20040716

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040902

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041026

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20050120

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20050307

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050726

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080826

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090826

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090826

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100826

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100826

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110826

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110826

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120826

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120826

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130826

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term