JPH09501441A - 細胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作用の処置 - Google Patents

細胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作用の処置

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JPH09501441A JP7506848A JP50684895A JPH09501441A JP H09501441 A JPH09501441 A JP H09501441A JP 7506848 A JP7506848 A JP 7506848A JP 50684895 A JP50684895 A JP 50684895A JP H09501441 A JPH09501441 A JP H09501441A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、細胞外ヘモグロビン投与に関連した副作用の重篤度および頻度を軽減する方法に関し、平滑筋緩和薬の投与を包含する。好ましい平滑筋緩和薬は、テルブタリンおよびニフェジピンであり、予防的処置、応答的管理処置、または応答的断続処置で投与され得る。

Description

【発明の詳細な説明】 細胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作用の処置 本発明は、平滑筋弛緩薬の投与を包含する、細胞外ヘモグロビン投与に関連す る副作用の重篤度および頻度を軽減する方法に関する。 背景 患者が血液を失うときは、通常、失った全液量を補給する必要がある。しかし ながら、通常は失ったヘモグロビンのすべてを補給する必要はない。ヘモグロビ ン補給療法の主要な目標は、肺から末梢組識へ酸素を運搬することである。ヘモ グロビンの投与はまた、血漿量の増加ならびに維持をもたらし、そして血液の粘 度を減少させる。多くの容積増量用コロイドおよび晶質溶液が現在市販されてい るが、酸素を運搬できるものはない。この能力を有する唯一の現在の治療は、ヒ ト血液による輸血である。 臨床上の実施にあたって、少量から中位の量の血液量を短時間に失った患者は 容量の回復のみを必要とする。更に重篤な血液損失においては容量の補給および 酸素運搬能の補給の両方を必要とする。大量の血液喪失のような状況においての み、血小板および凝固因子のような他の血液成分を補給することが必要である。 以下の危険性ならびに限界が、現在ヒト血液による輸血に関連している: 1)感染症の伝染の危険性(すなわち、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、非A非B型 肝炎、B型肝炎、エルジニア・エンテロリチカ(Yersinia enterolitica)、サイ トメガロウイルス、ヒトT細胞白血病1型ウイルス)。 2)免疫的危険性(すなわち、軽度の溶血性もしくは致命的な輸血反応、免疫抑 制、移植に対する宿主反応)。 3)投与前における血液型類別および交差性適合の必要。 4)ボランティア提供者の有用性。 5)制限された安定性(42日あるいはそれ以下の非凍結貯蔵寿命)。 数多くの細胞外ヘモグロビンが酸素の送達手段および他の用途として使用され ることについて提案がなされてきた。しかしながら、現在まで動物あるいはヒト において試験されたすべての細胞外ヘモグロビンはある程度、多くの場合は軽い かもしくは取るに足らないものだが、副作用を有する。このような副作用あるい は不都合な作用の軽減または緩和は、いずれの治療剤を投与する際にも常に望ま れる目標である。 組換え型ヒトヘモグロビン(rHb1.1)は新規なヘモグロビンを基にした酸素キャ リアー(HBOC)であり、その安全性ならびに効能は血液を喪失した患者において最 終的に研究される。現在までrHb1.1の安全性および薬動力学は健常な成人男子に ついて評価されてきた。 rHb1.1は遺伝子工学的に作成された無赤血球HBOCであり、しかも全血由来でな くて発酵により作られたものであるから、rHb1.1は輸血に関連する危険性ならび に制限を消滅もしくは最少にし得る。rHb1.1が容量補給の性質および酸素運搬特 性を有するという事実から、rHb1.1は血液喪失の患者に対する可能性のある多能 な補給液になるといえる。これはまた放射線照射または化学療法、赤血球生成お よび貧血、冠状動脈血管修復手術、そして鎌型赤血球貧血または組識虚血の処置 のような他の臨床領域においても有用性を有し得る。rHb1.1は他の臨床領域にお いてもまた有用性を有し得る。 投与されたrHb1.1は可溶性血漿タンパク質として循環するので、rHb1.1はコロ イド浸透圧の効果を加えることにより血管内の容量を維持および拡大する可能性 を有する。タンパク質のような巨大分子により加えられる浸透圧の部分は、コロ イド浸透圧あるいは膨張圧である。血管内血漿の膨張圧は、間質液の膨張圧より も高い。血漿の膨張圧は血管内空間に水を保持し従って血管内容積を維持する際 の主要な力となる。この膨張圧が、血管内空間から水を排出する傾向を有する微 小循環系内の流体静力学的圧力を平衡させる。 膨張圧は、微小管を透過しない巨大分子のモル濃度に比例する。通常血漿膨張 圧の70〜80%は血漿アルブミンによるものである。rHb1.1のコロイド浸透圧は、 Wescor 4420型コロイド浸透圧計で測定すると5%ヒト血清アルブミンの浸透圧 と同程度である。アルブミンの分子量が66,500ダルトンで、そしてrHb1.1の分子 量が64,600ダルトンであるから、両者のモル濃度は類似しておりそれ故に同程度 の膨張圧を有する。アルブミンは一般に25gの投薬量に製剤されている。従ってr Hb1.1を25g投薬すると、25gのアルブミンを投与したのと同程度の容積拡大の特 質を有することが期待される。 重要な膨張効果を有することに加えて、rHb1.1はまた酸素を運搬する能力をも 有する。rHb1.1に対する酸素の平衡曲線は全血のそれと類似しており、これはrH b1.1が赤血球と同様に肺で酸素を積みそして組識において酸素を降ろすことを示 唆している。rHb1.1の投与は、輸血の危険性に患者を曝すことなく、出血の間に 失われた酸素運搬能の一部を補給することになる。 発明の要旨 本発明は、平滑筋弛緩薬の投与を包含する、細胞外ヘモグロビン投与に関連す る副作用の重篤度および頻度を軽減する方法に関する。 本発明の1実施態様では、細胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作用の処置 は、患者または被験者を予防的に処置する方法により、この患者または被験者は 、平滑筋弛緩薬、好ましくはβアドレナリン性アゴニストまたはカルシウムチャ ンネル阻止薬、より好ましくはテルブタリンまたはニフェジピン、最も好ましく はテルブタリンと一緒に細胞外ヘモグロビンを与えられる。 本発明の別の実施態様では、細胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作用の処 置は、平滑筋弛緩薬、好ましくはニフェジピンを用いる患者または被験者の応答 的管理処置(responsive regimented treatment)方法による。 本発明の別の実施態様では、細胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作用の処 置は、平滑筋弛緩薬、好ましくはニフェジピンを用いる患者または被験者のを応 答的断続処置(responsive intermittent treatment)方法による。 本発明の別の局面は、種々の障害に対する処置として細胞外ヘモグロビンを用 いる新規な方法であり、その障害は放射線照射または化学療法、赤血球生成およ び貧血、冠状動脈血管修復手術、そして鎌型赤血球貧血または組識虚血の処置か らなる群から選択されるかまたはその群から生じる。 発明の詳細な説明 本発明は、細胞外ヘモグロビン投与に関連する副作用の重篤度(強度あるいは 程度とも称される)および頻度を軽減する方法に関する。本発明の主題である副 作用とは、胃腸(GI)の不快感に関する作用である。副作用を緩和する方法は、こ のような副作用を予防的ならびに応答的処置の両者を包含する。予防的処置とは 、副作用の症状が始まる前、好ましくは細胞外ヘモグロビンの投与を開始する前 に、この副作用の症状を処置するための薬理学的作用物質を投与することを意味 する。好ましくは、予防的処置はまた細胞外ヘモグロビンの投与を開始した後で 、副作用の症状を処置するための薬理学的作用物質の反復後続投薬(repeated su bsequent dosing)をも付加的に包含する。応答的処置とは、副作用の症状が始ま ったか、あるいは起こったかの後でのみ薬理学的作用物質を投与することを意味 する。応答的処置は、断続的かまたは管理的かのいずれかで行うことができる。 副作用の重篤度の軽減とは、副作用による症状の強度が有意に減少するかまた は症候群に包含される副作用の症状の数が有意に減少することを意味する。副作 用の頻度の減少とは、患者群中で副作用を受けている被験者または患者の数が有 意に減少することを意味する。副作用の症状の強度またはその数の有意な減少と は、一定量の細胞外ヘモグロビンを投与したときに起こる副作用の症状の強度ま たはその数が定量的に減少するか、あるいは副作用の症状の強度またはその数が 定量的に増加せずに細胞外ヘモグロビンの投薬量の増量を認めることを意味する 。副作用を受けた被験者数または患者数の有意な減少とは、測定法の誤差バーよ り多いが統計的に有意に少ない数の被験者または患者が、薬理学的作用物質によ る処置が介在した後も同強度の副作用を受けることを意味する。このような規準 は、所定の研究において一定量の細胞外ヘモグロビンの投薬により被験者または 患者が全く症状を受けない場合にも適用する。 細胞外ヘモグロビンの供給源および投与 添付の請求の範囲のために、「細胞外ヘモグロビン」は「ヘモグロビン」また は「ヘモグロビン様タンパク質」を意味するが、これは1個あるいはそれ以上の ヘテロ4量体を含有し、その組成は(a)2本のαグロビン様ポリペプチドおよび 2本のβグロビン様ポリペプチド、(b)1本のジ-αグロビン様ポリペプチドおよ び2本のβグロビン様ポリペプチド、(c)2本のαグロビン様ポリペプチドおよ び1本のジ-βグロビン様ポリペプチド、(d)1本のジーαグロビン様ポリペプチ ドおよび1本のジ-βグロビン様ポリペプチド、(e)1本の融合α/βグロビン様 ポリペプチドならびに別々のαおよびβグロビン様ポリペプチド、あるいは(f) 2本の融合α/βグロビン様ポリペプチドである。1個の4量体のポリペプチド は、別の4量体のポリペプチドと架橋または遺伝子操作によって融合し得る。も しヘモグロビンが4個以上のグロビンのサブユニットまたはドメインを含有する ときは、ヘモグロビンは多量体であるといわれる。そのために用語「多量体」は 、8量体ヘモグロビン(2個の4量体が結合したもの)および8量体以上のヘモ グロビンを包含する。このヘモグロビンは、1個またはそれ以上のヘム補欠分子 族により酸素を結合する能力を有することが好ましい。 ヒトαグロビン様ドメインまたはポリペプチドは、天然のヒトαグロビンまた はαグロビンの変異体(1残基またはそれ以上の置換、欠失、または挿入によっ て天然配列と異なる)であるが、ヒトαグロビンとのかなりの相同性(この後に 定義する)を残しており、そして依然としてβグロビンと会合し得る。βグロビ ン様ドメインまたはポリペプチドは類似的に定義される。ヒトαまたはβグロビ ンと十分相同的な動物ヘモグロビンまたはその変異体のサブユニットは、用語「 ヒトαまたはβグロビン様ドメインまたはポリペプチド」により包含される。例 えば、ウシヘモグロビンのサブユニットは、これらの用語の範囲内である。α- およびβ-グロビン様ポリペプチドは、「グロビン」としてまとめて称し得る。 便宜のために用語「ポリペプチド」は、単一鎖または相当長いポリペプチド鎖の ドメインを称し得る。好ましくは、グロビン様ドメインまたはポリペプチドはヘ ムを取込む能力を有する。 「遺伝子融合ヘモグロビン」は、少なくとも1本の「遺伝子融合グロビン様ポ リペプチド」(グロビン擬オリゴマー)を含有するヘモグロビン様タンパク質で あって、後者(グロビン擬オリゴマー)は2個またはそれ以上のグロビン様ドメ インを含有しているが、これらドメインは同一または異種のいずれでも良い。ジ -αグロビン様ポリペプチドは、第1のα-グロビン様ポリペプチド(ドメイン) の正常なC末端と第2のα-グロビン様ポリペプチド(ドメイン)の正常なN末 端との間のペプチド結合により連結された2本のαグロビン様ポリペプチド配列 (ドメイン)から本質的に成るポリペプチドである。これら2本の配列は直接に 連結され得るか、あるいは1個またはそれ以上のアミノ酸から成るペプチドリン カーを介して連結され得る;用語「ペプチド結合」は両方の可能性を包含するこ とを意図する。ジ-αグロビン様ポリペプチドは、βグロビンと一緒に折りたた み、そしてヘムを取り込んで、機能的なヘモグロビン様タンパク質を形成する能 力を有することが好ましい。ジ-βグロビン様ポリペプチドは類似的に定義され る。成分ドメインの1個だけに変異があるジ-αまたはジ-βグロビン様ポリペプ チドは、「非対称性」と呼ばれる。 1本のαグロビン様配列が1本のβグロビン様配列とペプチド結合により連結 されている「α/β-グロビン様擬2量体」を提供することもまた可能である。 この「α/β-グロビン様ポリペプチド」ならびにジ-αおよびジ-βグロビン様 ポリペプチドは、「擬2量体グロビン様ポリペプチド」または「ジグロビン」と まとめて称される。定義を拡大すれば、ジ-α、ジ-β、またはα/βグロビン様 ポリペプチドを包含するヘモグロビン様タンパク質は「擬4量体」である。 たとえジ-αヘモグロビンは2量体に解離しなくても、正常なヘモグロビンの 場合より遅いけれどもやはり血流から排泄される。 ポリペプチドがα(またはβ)グロビンに実質的に相同であるか否かを決める には、配列類似性が重要な定義であるがそれだけに限定されるものではない。配 列類似性は便利な算出法により決定され得るか、典型的には最良の適合を達成す るために少数のギャップが導入されてしまう。好ましくは、本発明のα-グロビ ン様ポリペプチド(またはそのドメイン)は、野性型ヒトαグロビンと少なくと も約75%の配列同一性を有する。しかしながら、配列の同一性がより少ないポリ ペプチドであっても、もしそのペプチドが偶然から期待されるよりも配列の同一 性が大であり、そしてまたαグロビンの特徴的な高次構造および同様の生物学的 活性を有するならば、やはりαグロビンと「実質的に相同」と考えられる。比較 によれば、Artemiaのヘム結合ドメインは、たとえ一次配列の同一性がわずか27 %であってもミオグロビンと相同であると考えられている。その理由は、保存 されている残基周辺のヘム結合ドメインおよび他のヘモグロビンに保存されてい る残基を並べると(すなわち、ヘムの接触部あるいは互いのヘリックスセグメン ト関係の決定に関わる)を並べると、Artemiaのドメインは古典的グロビンヘリ ックスAからHまでを有し、各々に対応するターンおよび種々の保存されたグロ ビンファミリー残基を有することが示唆されたからである。またセリンプロテア ーゼ阻害剤の中には、わずか30%しか配列相同性がない数組のメンバーが相同で あると認められたタンパク質ファミリーがある。 ヒトヘモグロビンにαおよびβ鎖の両方が変化している100種類以上の変異体 があることはよく知られており、そしてこの変異の多くは酸素の結合ならびにヘ モグロビンの他の性質に影響を及ぼすことが知られている。ヒトαおよびβグロ ビン自身は84箇所に違いがある。さらに、グロビン配列中の種間の変化は広範囲 にわたって研究されてきた。Dickerson,Hemoglobin Structure,Function,Evo lution and Pathology ch.3(1983)の報告によれば、1982年現在では60種の既知 の脊椎動物のαグロビンはその141箇所の内23箇所が同一の残基であり、一方検 討された66種の脊椎動物のβグロビンは146残基のアミノ酸の内20個が同一であ る。ミオグロビンもグロビンファミリーに所属するが、60種の脊椎動物のミオグ ロビンは153箇所の内27個のアミノ酸が不変であった。もし哺乳動物だけを考慮 すると、不変のアミノ酸はαグロビンで50/141、βグロビンで51/146、そして ミオグロビンで71/153である。不変の位置は、分子の活性中心:ヘムの裂け目 およびサブユニット間の接触部の周辺に群がっている。可変アミノ酸の中には、 検討されたわずかの種に対してのみ共通な配列から分岐しているものがある。 ヒトαグロビンと選択された他の脊椎動物のαグロビンとの違いの総数は次の 通りである:すなわちアカゲザル(4)、ウシ(17)、カモノハシ(39)、ニワトリ(3 5)、ヒトゼータ(human zeta)(胎児性)(61)、コイ(71)、およびサメ(88)である 。無脊椎動物のグロビンについては、分岐は、海生ヤツメウナギ(113)、軟体動 物(124)、Glycera(海生アカボウフラ;marine bloodworm)(124)、およびChirono mus (ユスリカ)(131)である。対象をβグロビンファミリーに転じると、ヒトのβ グロビンと他の脊椎動物のβグロビンとの違いはアカゲザル(8)、ヒトδグロビ ン(10)、ウシβグロビン(25)、ウシγグロビン(33)、ヒトγグロビン(39)、 ヒトε(胎児性)グロビン(36)、カモノハシ(34)、ニワトリ(45)、サメ(96)、海 生ヤツメウナギ(123)、軟体動物(127)、Glycera(125)、およびChlronomus(128) である。 この違いの多くは、読み違いであり得る−−可変性アミノ酸は他の機能的に等 価なアミノ酸について1個のアミノ酸の「保存的置換」だけしか表示し得ない。 「保存的置換」とは、グロブリン様ポリペプチド(またはドメイン)が、ヘムを 取り込みそしてαおよびβグロビンサブユニットと会合して、4量体(または擬 4量体)のヘモグロビン様タンパク質を形成する能力を破壊しない置換であり、 好ましくは酸素を可逆的に結合する。次の資料が保存的置換(および欠失または 挿入)を同定するために使用され得る: (a)ヘモグロビン変異体に関するデータ(このような変異体は100以上ある); (b)脊椎動物(特に哺乳動物)のαグロビンおよびβグロビン間の配列変動に関 するデータ; (c)脊椎動物(特に哺乳動物)のミオグロビン間の配列変動に関するデータ; (d)脊椎動物グロビンと無脊椎動物グロビンとの間の配列変動、あるいは無脊 椎動物グロビン間の配列変動に関するデータ; (e)ヒトヘモグロビンおよび他の実質的に相同なタンパク質の3次元構造、な らびにこのような構造の配列変化の影響を推定するための分子モデル作製用ソフ トウェアに関するデータ;および (f)相同なタンパク質ファミリー(グロビンファミリーに限定されない)のメ ンバー間のアミノ酸変化の頻度に関するデータ。例えばSchulzおよびSchirmer,Principles of Protein Structure (Springer-Verlag:1979)の表1-2ならびにCrei ghton,Proteins Structure and Molecular Properties(W.H.Freeman:1983)の図 3-9を参照せよ。 (a)から(d)のデータは、同系タンパク質の変動部位での許容できる変異を決定 するのに最も有用であるが、このデータはまた分子のどこか他の類似部位での許 容できる変異を同定する助けにもなり得る。カテゴリー(f)のデータに基づいて 以下の交換群が同定され得るが、その中でのアミノ酸の置換はしばしば保存的で ある。 I.小さな脂肪族非極性または低極性残基−アラニン、セリン、スレオニン(プロ リン、グリシン) II.負に荷電した残基およびそのアミド−アスパラギン、アスパラギン酸、グル タミン酸、グルタミン III.正に荷電した残基−ヒスチジン、アルギニン、リジン IV.大きな脂肪族非極性残基−メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、 (システイン) V.大きな芳香族残基−フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン タンパク質の構造上の特異な役割のために3個の残基をかっこで囲んだ。グリ シンは側鎖のない唯一の残基であり、そのため鎖に柔軟性を付与している。プロ リンは鎖を堅く抑える特異な幾何学的配置を有する。システインはタンパク質を 一定の折り畳み状態に保つジスルフィド結合に関係し得る。SchulzおよびSchime rは上記IおよびIIを1つにしていることに注意されたい。チロシンは、その水素 結合ポテンシャルのためセリン、スレオニンなどといくらか類似性があることに も注意されたい。 一般的に、あれば好ましいが必須ではない機能(すなわち酸素結合能)は、表 面の残基、少なくともヘムの裂け目またはサブユニットの接触部のいずれにも関 係しない残基の変異によっては影響を及ぼされそうにない。さらに、αヘリック スを連結する「ループ」、特にαヘリックスのDループ、ならびに遊離アミノま たはカルボキシ末端は、欠失および挿入にさらに耐え得るものである。 ヘモグロビンは多くの供給源から容易に入手できる。屠殺場は血液の形態で大 量のヘモグロビンを産み出し、その血液は現在安価な肥料として普通に売られて いる。もし特定の種または品種の動物が特定の用途に殊に適したヘモグロビンを 産生する場合には、それらの動物が、必要な血液を供給するため、この目的のた めに特に飼育され得る。また、変異ヘモグロビンを発現し得るトランスジェニッ ク動物も作出され得る。ヒトの血液銀行は一定の使用期限後は人血を廃棄しなけ ればならない。これも大量のヘモグロビンを産み出す。 動物供給源からの抽出のほかに、所望のヘモグロビンのサブユニットをコード する遺伝子をクローニングし、適切な発現ベクターにのせ、微生物、動物または 植物のような有機体、もしくは培養した動物または植物の細胞または組織に挿入 し得る。これらの有機体は標準的な組換えDNA技術を用いて作出され得る。ヒ トαおよびβグロビンの遺伝子は、それぞれLiebhaberら、Proc.Natl.Acad.Sc i. USA 77; 7053-7058(1980)およびMarottaら,Journal of Biological Chemist ry, 252;5040-5053(1977)によりクローニングされ配列解析された。野性型およ び変異型のαおよびβグロビンの発現の技術およびそれらのヘモグロビンへの組 立は、米国特許第5,028,588号およびPCT/US90/02654,PCT/US91/09624、および ヨーロッパ特許出願第87116556.9号に述べられている。 ヘモグロビンA0は、2個のαグロビンサブユニット(α12)および2個の βグロビンサブユニット(β12)からなるヘテロ4量体である。α1およびα2 またはβ1およびβ2の間に配列の差異はない。酸素添加されない(「デオキシ 」または「緊張」の意味の「T」)状態では、サブユニットは四面体を形成して いる。α1β1およびα2β2の境界面は酸素に結合する間比較的固定した状態にあ るが、一方、α1β2およびα2β1の境界面にはかなりの流動性がある。酸素添加 された(「オキシ」または「R」または弛緩した)状態では、サブユニット間の 距離は増大している。サブユニットはファンデルワールス力、水素結合、および デオキシHgbについては塩橋により、非共有結合的に会合している。ヘモグロビ ンが解離してα1β1およびα2β22量体になることは既知であり、それは腎臓で の濾過により血流から除かれる。ヘモグロビンの血管内保持は、例えば単一4量 体のサブユニット内または4量体間での化学的架橋により改良された。 1990年11月15日公開の米国特許第5,028,588号,WO90/13645号および1991年11 月8日に出願された米国特許出願第789,179号で教示されているように、その中 で2個の非共有結合的に会合したサブユニットが,2個の酸素結合ドメインを持 つ単一の擬2量体ポリペプチドに置き換えられ、直接にまたは1個以上のアミノ 酸からなるリンカーを介して結合しているような擬4量体ヘモグロビンを生成す ることは可能である。この擬2量体ポリペプチドは適切な融合遺伝子から発現さ れ得る。従って、2個のαグロビン遺伝子を融合して「ジ-αグロビン」遺伝子 にし得るか、または2個のβグロビン遺伝子を融合して「ジ-βグロビン」遺伝 子にし得るか、またはαおよびβグロビン遺伝子を融合して「αβ」グロビン擬 二量体遺伝子にし得る。これらのどの形態においても、ヘモグロビンはα1β1お よびα2β22量体への解離を防止され、従って血管内の保持時間を増す。 2個以上のグロビン鎖を融合することの別の利点は、鎖の両方ではなく一方を 選択的に変異させ得るということであり、このことは1991年11月8日に出願され た米国特許出願第789,179号に教示されている。ヘモグロビンを薬物送達担体と して用いるとき、このことにより、最終製品に等モル量の薬物およびヘモグロビ ンが認められるように目的の薬物に対する付着部位をひとつだけ提供することが できる。またこのことにより、鎖のひとつにおいてアミノ酸を選択的にシステイ ンに変異させ、ジスルフィド結合の部位を提供することにより8量体を生成させ ることができる。 もうひとつのやり方はヘモグロビン分子上に多くの付着部位を設けることであ る。これにより結合している化学物質のより多くの量を安定化することができ、 そしてひとつのヘモグロビンに結合する薬物の異なった放出速度を包含する可能 性をもたらす。 天然供給源から単離されたヘモグロビンは、過去に多くの技術を用いて化学修 飾されてきた。これらの技術はどれもヘモグロビンの調製に用いられ得る。その ような修飾の例は、とりわけ米国特許第4,412,989号、第4,301,144号、第4,670, 417号、第4,321,259号、第4,473,563号、第4,710,488号、第4,650,786号、第4,3 36,248号、第4,598,064号、第4,600,531号、および第4,377,512号にみられる。 個々のグロビン鎖は同様に半合成ヘモグロビンを合成するため修飾された形態 で再構成されてきた(Luisiら、Nature 320; 555-556(1986)およびNagaiら、N ature 329; 858-860(1987))。グロビン鎖の化学重合、グリコシル化、PEG化、 リポソームまたは細胞膜内への包括のような他の修飾も考えられる。 組換えDNAの発現により生成されたヘモグロビンもまた容易に修飾できる。 部位特異的変異誘発の標準的技術をグロビン遺伝子に適用することより(Kruse ら、Biotechniques 6; 338-339(1988)およびZollerら、Methods in Enzymology 100; 468-500(1987)が最近の例である)、得られるグロビン鎖においてアミノ酸 またはアミノ酸の組合せを付加したり、欠損させたり、変化させたりし得る。修 飾された部分は、例えば酸素親和性を変化させ得るか、または目的の薬物に対す る付着部位を構成し得る。これにより、薬物がヘモグロビン分子と会合または結 合する数および位置を変化させ得る。目的の薬物自身がポリペプチドの場合、そ れをグロビン鎖に付加することにより薬物-ヘモグロビン複合体を産出し得る。 化学的に架橋されたヘモグロビン(1992年7月9日に公開されたWO92/11283;米 国特許第4,857,636号;米国特許第5,194,590号;米国特許第5,084,558号)、また は遺伝子上αサブユニットを融合した(ジ-α Hgb)またはβサブユニットを融合 した(ジ-β Hgb)変異ヘモグロビンは、ハプトグロビンの結合を阻害することに より血管内の保持時間を増大し得る。 ヘモグロビンまたはその断片はいずれも修飾されてヘモグロビン自体の生物活 性を変化させ得る。例えば、米国特許第5,028,588号および第5,173,426号は血液 の代用物としての低酸素親和性変異体の利用を教示している。そのような修飾さ れた分子もまた、薬物に結合されて、本発明で意図される薬物−ヘモグロビン複 合体を形成し得る。 好ましいヘモグロビンはSGE1.1ならびに既知の擬4量体SGE1.1およびαLys 16 Cysの変異体(αD75C)であり、このことは1990年11月15日公開のWO90/13645お よび1991年11月8日出願の米国特許出願第789,179号に記載されている。 細胞外ヘモグロビンの精製は当該分野の周知の技術を用いて達成され得る。組 換えヘモグロビン精製の特に好ましい方法は、「ニッケルを含まないヘモグロビ ンおよびこのヘモグロビンの生成方法(Nickel Free Hemoglobin and Methods fo r Producing Such Hemoglobins)」という題名で1993年7月23日に出願された同 時係属中の特許出願第08/097273号に述べられた方法を使用する。 本明細書中で述べる細胞外ヘモグロビンは酸素担体、血液増量剤、または薬物 送達担体として薬学的組成物中に用いられ得る。さらに、それらは細胞培養にお いて細胞培養物への酸素の供給に(低親和性ヘモグロビン)、または酸素除去剤 としてそのような細胞培養において嫌気的環境を提供するために(高親和性ヘモ グロビン)、用いられ得る。高親和性ヘモグロビンはまた腫瘍のような酸素欠乏 組織に酸素を送達するためにも用いられ得る(例えば、1992年11月26日公開のPC T/US92/04068およびPCT US/US92/04067)。もちろん細胞外ヘモグロビンの好ま しい用途は献血者の全血の輸血に代わる血液代用物としてである。 本発明は、組織、酸素欠乏組織、および細胞培養物への酸素の送達に用いるた めの、赤血球生成の刺激および貧血の処置のため、および他の薬物についての薬 物送達担体としての薬学的組成物および製剤を提供する。本発明の組成物は、そ れらを必要とする哺乳類の処置に用いるための従来の固形または液体の薬学的製 剤(例えば、錠剤、カプセル、カプレット、注射または内服液剤)に採り入れ得 る。本発明の薬学的製剤は、単独でもしくは他の活性または不活性の試剤と組み 合わせて用いて、活性成分として、生理学的および/または薬学的に有効な量の 本発明の細胞外ヘモグロビンを含有し得る。例えば、非経口的処置用組成物は0. 1と90との間の重量対容量%のヘモグロビンを含む無菌生理食塩液を含有し得る 。4量体ヘモグロビンの好ましい細胞外ヘモグロビン溶液は、重量対容量で1% 〜10%、最も好ましくは約5%のヘモグロビンを溶液中に含む。各個体に与えら れる薬学的製剤の量は、0.0001μMと1mMとの間の細胞外ヘモグロビン血中濃度 を与えるに十分な量である。代表的なヘモグロビンの用量は、患者の体重1Kg当 たり細胞外ヘモグロビン10mgから2gである。従って、ヒト患者の代表的な用量 は数gから約150gである。各剤形の個々の用量中に含まれる活性成分の単位量自 身が有効量を構成する必要はないと認識される。なぜなら必要な有効量は、複数 個のカプセル、錠剤、注射剤など、またはそれらの組合せを投与することにより 達成され得るからである。 本発明による各製剤はさらに、薬学的に許容され得るキャリア、希釈剤、充填 剤、塩、当該分野で周知のその他の材料を包含する不活性構成物を含有し、それ の選択は、用いる剤形、処置条件、当業者の決定に従い達成される特別の目的、 およびそのような添加物の性質に依存する。 本発明の薬学的組成物は、経口、エアゾール、経皮吸収、粘膜吸収、または注 射のような従来のいずれもの手段で各個体に投与され得る。非経口投与が好まし く、特に静脈内または動脈内の非経口投与が好ましい。 細胞外ヘモグロビンの投与は、分単位から時間単位の間で行い得る;しかしな がら、通常の投与時間は患者にできるだけ早く酸素運搬物質を獲得させることで 決まる。代表的な点滴速度は約100ml〜3000ml/患者/時間であり、好ましくは 約1ml/kg/時間〜約300ml/kg/時間、最も好ましいのは約1ml/kg/時間〜約25ml/kg /時間である。 本発明の別の局面は、種々の障害に対する処置として細胞外ヘモグロビンを用 いる新規な方法であり、その障害は放射線照射または化学療法、赤血球生成およ び貧血、冠状動脈血管修復手術、および鎌型赤血球貧血または組織虚血の処置か らなる群から選択されるかまたはその群から生じる。そのような障害の処置のた めに、細胞外ヘモグロビン、好ましくは組換えヘモグロビンは、そのような障害 に苦しむ患者に所望の治療効果を与えるような量で投与され得る。 細胞外ヘモグロビンの投与に関連する胃腸作用の緩和 細胞外ヘモグロビンを投与したときに、ある患者は一過性の軽度ないし中等度 の胃腸作用を受けることが驚くべきことに観察された。これらの作用には、中上 腹部の不快感、腹痛および/または消化不良を含む胃腸上部の不快感、ならびに /あるいは下腹部の痛み、鼓腸および/または下痢を含む胃腸下部の不快感が包 含された。胃腸事象は代表的には点滴後1〜3時間に展開し、1から数時間持続 し、そしてその間増減した。 これら副作用の処置は、平滑筋弛緩の薬理作用を示す薬剤を用いることにより 達成され得る。臨床医は直接または間接に平滑筋の緊張力に影響を与え得る多く の処方に精通している。そのような平滑筋弛緩薬には、β-アドレナリン性アゴ ニスト、カルシウムチャンネル阻止薬、有機硝酸エステル、抗コリン剤、酸化窒 素合成酵素基質を含む血管拡張剤、H1およびH2アンタゴニスト、コルチコステロ イドなどを包含する。β-アドレナリン性アゴニストは好ましくはテルブタリン (Marion Merrell Dow Inc..Kansas City,Missouri)を包含する。カルシウム チャンネル阻止薬は好ましくはジヒドロピリジンカルシウムチャンネル阻止薬を 包含し、さらに好ましくはニフェジピン(Miles Inc.,West Haven,Connecticu t; Pratt Pharmaceutical Division of Pfizer Inc.,New York,NewYork)ま たはニカルジピン(Syntex Inc.,Palo Alto,California)を包含し、最も好ま しくはニフェジピンを包含する。有機硝酸エステルは好ましくはニトログリセリ ン(Sanofi Winthrope Pharmaceuticals,New York,New York;Parke-Davis Div ision of Warner Lambert Co.,Morris Plains,New Jersey)を包含する。抗コ リン剤は好ましくはアトロピン(Astra Pharmaceutical Products Inc.,Westbo ro,Massachusetts; Elkins Sinn Inc.,Cherry Hill,New Jersey)を包含する 。血管拡張剤は好ましくはナトリウムニトロプルシド(Roche Laboratories,Ho ffman-La Roche Inc.の1部門、Nutley,New Jersey)およびL-アルギニン(Ka bi Pharmacia,Piscataway,New Jersey)を包含する。H1およびH2アンタゴニス トは好ましくはジフェンヒドラミン(Parke-Davis Division of Warner Lambert Co.,Morris Plains,New Jersey)およびシメチジン(SmithKline Beacham,P hiladelphia,Pennsylvania)を包含する。コルチコステロイドは好ましくは酢 酸メチルプレドニゾロン(The Upjohn Company,Kalamazoo,Michigan)および ヒドロコルチゾン(Merck and Co.,Inc.,West Point,Pennsylvania)を包含 する。他の平滑筋弛緩薬はグルカゴン(Eli Lilly and Co.,Indianapolis,Ind iana)およびナロキソン(Du Pont Multi-Source Products,Du Pont-Merck Pha rmaceuticals Co.,Garden City,New York)を包含する。 平滑筋弛緩薬は当該分野の臨床医に既知のいずれもの許容可能な手段で投与さ れ得る。投与経路は静脈内、皮下、舌下、バッカル錠、経口、エアゾールなどを 包含する。種々の平滑筋弛緩薬は単独またはそれぞれを組み合わせて投与され得 る。平滑筋弛緩薬の用量は、頓服としてもよいし、分割して数回の投与としても よい。ときには患者の体内の活性成分を一定量に維持するため、初回は多めの用 量で投与し、後少しずつ少なめの用量とすることも有効であり得る。初回の増量 した用量は、細胞外ヘモグロビンの投与開始時に細胞外ヘモグロビンを投与され る患者が麻酔されているときにも行い得る。そのような麻酔は外科的処置を施す ときによく行われる。 担当の臨床医は種々の平滑筋弛緩薬の投薬量範囲に精通しており、投薬量およ び処方計画は細胞外ヘモグロビンを投与される患者が受ける胃腸の副作用の重篤 度によりしばしば決定される。平滑筋弛緩薬の予防的投与を用いる場合、少なく とも1回用量の平滑筋弛緩薬は、副作用の発症前に、好ましくは細胞外ヘモグロ ビンの投与開始前に投与される。その後は、反復投与は必要でもなく、同じ平滑 筋弛緩薬を用いる必要もないが、しばしば同じ平滑筋弛緩薬の反復投与がなされ る。 多くの平滑筋弛緩薬が細胞外ヘモグロビンの投与と関連する副作用の重篤度お よび頻度を軽減する能力を有することが認められたが、いくつかの平滑筋弛緩薬 についてのある投与方式および処方計画が細胞外ヘモグロビンの投与と関連する 副作用の軽減により大きな効果を示し、それ故そのことは本発明の好ましい実施 態様となっている。 本発明にとって最も好ましい平滑筋弛緩薬はニフェジピンおよび/またはテル ブタリンである。代表的な投与量および処方計画ならびに好ましい投与処方計画 および量は以下の通りである: 予防的処置 細胞外ヘモグロビンの投与と関連する副作用の予防的処置は、細 胞外ヘモグロビンの投与開始前に、単一の平滑筋弛緩薬、好ましくはテルブタリ ンまたはニフェジピンを患者に前もって投与することにより行われ得る。この事 前投薬に次いで、細胞外ヘモグロビンの投与開始後に同じ平滑筋弛緩薬、好まし くはテルブタリンまたはニフェジピンが反復して後続投薬される。事前投薬は、 細胞外ヘモグロビンの投与開始とほとんど同時から細胞外ヘモグロビンの投与開 始の数時間前までのいつでも行い得る。好ましくは、事前投薬は細胞外ヘモグロ ビンの投与開始の10分から1時間前までに、最も好ましくは細胞外ヘモグロビン の投与開始の約30分前に行う。反復後続投薬は、平滑筋弛緩薬の最初の投与後数 分毎から8時間毎までのいずれでも、好ましくは平滑筋弛緩薬の最初の投与後30 分毎から4時間毎まで、最も好ましくは平滑筋弛緩薬の最初の投与後約2時間毎 に行い得る。反復後続投薬は、細胞外ヘモグロビンの投与開始の後合計最大48時 間まで、好ましくは細胞外ヘモグロビンの投与開始の後合計最大24時間までで、 最も好ましくは細胞外ヘモグロビンの投与開始の後約12時間で行い得る。 この予防的処置に最も好ましい平滑筋弛緩薬は、テルブタリンまたはニフェジ ピンである。平滑筋弛緩剤を予防的処置に用いる場合、特にテルブタリンまたは ニフェジピンを用いる場合、代表的に用いられるいくつかの投与方式および処方 計画がある。 例えば、テルブタリンは細胞外ヘモグロビンの投与開始約30分前の事前投薬に おいて、0.05mg〜0.50mg、好ましくは0.10〜0.30mg、最も好ましくは約0.25mgの 量で皮下投与され得る。反復後続投薬は、同じ量であり得、その後約2時間毎に (すなわち、最初のテルブタリン投与後2時間毎)、好ましくは合計6回のテル ブタリン投薬(事前投与を含む)が与えられる。 あるいは、テルブタリンは、細胞外ヘモグロビンの投与開始約30分前に始まり 細胞外ヘモグロビンの投与開始後48時間まで続けて静脈内投与され得る。点滴速 度は代表的には10〜25μg/分である。 テルブタリンのもうひとつの投与方法は最初の投与は静脈内に行い、次いで皮 下投与、さらに経口投与を行う。最初の静脈内投与はすぐ上で述べたように行い 得、そして事前投与および反復後続投薬の一部を含み得る。皮下投与は反復後続 投薬の間に行い、次いで経口投与する。テルブタリンの経口投与は、代表的には 5〜10mg p.o.(経口あたり)の量で1日4回行う。 ニフェジピンを用いる場合、1〜80mgの量で、好ましくは5〜40mgの量で、更 に好ましくは約10mgの量で舌下投与し得る。反復後続投与は同じ量であり得、そ してニフェジピンの最初の投与後約2時間毎に、好ましくは合計6回のニフェジ ピンの投薬が与えられる。 テルブタリンまたはニフェジピンは予防的処置に用いるのに好ましい平滑筋弛 緩薬であるが、他に多くの平滑筋弛緩薬が製造会社の推薦する投薬量および担当 の臨床医の判断に従って調整された投薬量を用いて予防的処置のために用いられ 得る。 応答的管理処置 細胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作用の応答的管理処 置は、細胞外ヘモグロビンの投与開始後または細胞外ヘモグロビンの投与による 副作用の発症後、単一の平滑筋弛緩薬、好ましくはニフェジピンの反復後続投与 により行われ得る。反復後続投与は、胃腸の副作用の臨床徴候の開始後数分毎か ら8時間毎までのいずれでも、好ましくは胃腸の副作用の臨床徴候の開始後30分 毎から4時間毎まで、最も好ましくは胃腸の副作用の臨床徴候の開始後約2時間 毎に行われ得る。反復後続投与は、胃腸の副作用の臨床徴候の開始後合計最大48 時間まで、好ましくは胃腸の副作用の臨床徴候の開始後合計最大24時間まで、最 も好ましくは、胃腸の副作用の臨床症状の開始後約12時間行われ得る。 この応答的管理処置にとって最も好ましい平滑筋弛緩薬は、ニフェジピンであ る。任意の平滑筋弛緩薬が応答的管理処置に対して用いられるとき、そして特に ニフェジピンが用いられるとき、代表的に使用される数種の投薬方式および処方 計画がある。例えば、ニフェジピンは1〜80mg、好ましくは5〜40mg、最も好ま しくは約10mgの量で舌下投与され得る。反復後続投薬は同じ量であり得、そして 細胞外ヘモグロビンの投与を開始した後約2時間毎に、好ましくは合計6回のニ フェジピン投薬で投与される。 ニフェジピンは応答的管理処置に使用するのに好ましい平滑筋弛緩薬であるが 、多くの他の平滑筋弛緩薬が、造会社の推薦する投薬量および担当の臨床医の判 断に従って調整された投薬量を用いてこのような治療のために使用され得る。応 答的管理処置はある平滑筋弛緩薬の使用では有効であり得るが、一般的にはこの 治療方法は細胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作用を緩和するには有効でな い。 応答的断続処置.細胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作用に対する応答的 断続処置は、単一の平滑筋弛緩薬、好ましくはニフェジピンの投薬により行われ 得るが、この投薬は患者が受ける不都合な胃腸作用の重篤度のような因子を考慮 して担当の臨床医によって任意に決められる。この応答的断続処置はまた、上述 したような予防的処置、好ましくは事前投薬に対してテルブタリンを利用する、 あるいは、事前投薬および反復後続投薬の両方に対してテルブタリンを使用する 予防的処置に付加された方法として実行され得るのが好ましい。応答的断続処置 は、予防的処置と併用して使用されてもされなくても、患者が副作用の徴候を細 胞外ヘモグロビン投与の開始後に受けたときに利用される。 例えば、テルブタリンを用いる予防的処置が実行されるいくつかの場合では、 患者は細胞外ヘモグロビン投与後にまだなおある種の胃腸の不快感を受け得る。 「ブレークスルー(break through)」として知られている最初の予防的処置の後 に受ける副作用は、この応答的断続処置方法により短時間で処置され得る。応答 的断続処置における使用にとって、好ましい平滑筋弛緩薬はニフェジピンである 。代表的には1〜80mg、好ましくは5〜40mg、最も好ましいのは約10mgのニフェ ジ ピンが舌下または経口投与され得る。投薬は必要に応じて反復投与され得る。 ニフェジピンは応答的断続治療に使用するのに好ましい平滑筋弛緩薬であるが 、多くの他の平滑筋弛緩薬が、製造会社の推薦する投薬量および担当の臨床医の 判断に従って調整された投薬量を用いてこのような治療のために使用され得る。 本発明の方法は、細胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作用、特に胃腸の不 快感に関する副作用を緩和するのに有用である。 特定の実施態様に関する前述の説明は、本発明の一般的な性質を明らかにして いるのでその結果、当業者は、現在の知識を適用することによって、このような 特定の実施態様を一般的な概念から逸脱せずにいろいろな応用に容易に改変し、 そして/あるいは適合させ得る。それゆえ、このような適合および改変は開示さ れた実施態様と同等の意味および範囲の中に包括されるべきであり、そしてその ように意図される。本明細書中に用いられている語句および術語は、説明のため であって限定されるものではないことを理解すべきである。 本明細書中に引用された参考文献のすべては、本明細書によりそれと関連した 教示のために参考として援用されている。 実施例 以下の実施例は、本発明の特定の実施態様として提供されたものであり、本発 明の範囲の限定を決して意図するものでない。 実施例1 赤血球輸血を必要性とする患者への細胞外ヘモグロビンの投与 rHb1.1が与えられる前に、被験者を0〜11時間断食させた。ある被験者には、 Hbを点滴する2時間前からD-5半濃度の生理的食塩水(D-5 half normal saline )を用いて500cc/時(cc=ml)までの速度で水添加(hydrate)した。薬学的組成物中 にヘモグロビン(rHb1.1)が5%の重量対容積比(5%W:V)で含まれている溶液を、 患者に、静脈内点滴により(曝光の防止に注意しながら)、Hb1.1約25gまでの全 用量が投与されるように、3.75ml/kg/時の速度で2時間まで投与した。表1は0. 18g/kgまでの用量におけるrHb1.1の胃腸作用を示す。表に見られるように、いく つかの徴候は異常な平滑筋の収縮を示した。 0.15g/kgまたはそれ以上のrHb1.1を投与された被験者のほとんどは、一過性の 軽度から中等度の胃腸副作用を起こした。0.11g/kgまたはそれ以下のrHb1.1を投 与された16人の患者の中で、これらの徴候の報告はわずか2例であった。胃腸の 事象は典型的には点滴の1〜3時間後に起こり、そして中上腹部の不快感、腹痛 および/または消化不良を含む上部胃腸の不快感、ならびに/あるいは下部腹痛 、鼓腸および/または下痢を含む下部胃腸の不快感からなるものであった。腹部 の検査はこの事象の間中ずっと良性であった。作用は1〜数時間続き、そしてそ の間作用は増減した。 実施例2 テルブタリンを用いる細胞外ヘモグロビンの投与に関連する 胃腸の副作用の予防的処置 細胞外ヘモグロビンの投与に関連する胃腸作用の発生および/または重篤度を 減らすために、テルブタリンを患者に予防的に投与した。rHb1.1が与えられる前 に、被験者を約10時間断食させた。被験者には、rHb1.1を点滴する2時間前から D-5半濃度の生理的食塩水を用いて500cc/時の速度で水添加し、これをrHb1.1 の点滴を開始する時点では250cc/時に減速した。水添加は点滴後4時間続けた。 rHb1.1を0.15g/kg〜0.32g/kgまでの用量範囲で投与し、全用量は被験者当り約12 g〜25gという結果になった。rHb1.1を投与する30分前に、0.25mgの硫酸テルブタ リンを患者に皮下投与した。毎回0.25mg量のテルブタリンを最初のテルブタリン の投与後2時間毎に皮下投与で連続投与した。合計6回用量のテルブタリンを投 与した。 その結果を表2に示す。テルブタリンによる予防的処置をせずに12gと14gとの 間の用量のrHb1.1を与えたときに種々の重篤度レベルの徴候を受けた患者数と、 テルブタリン予防法により25gまでの用量でrHb1.1を与えたとき同程度の重篤度 を受けた患者数とを比較している。重篤度は2倍ものrHb1.1を投与したときでさ え、予防法により減少した。 実施例3 ニフェジピンを用いる細胞外ヘモグロビンの投与に関連する 胃腸の副作用の管理処置 細胞外ヘモグロビンの投与に関連する胃腸作用の発生および/または重篤度を 減らすために、ニフェジピンを患者に予防的に投与した。rHb1.1が与えられる前 に、被験者を約10時間断食させた。被験者には、rHb1.1を点滴する2時間前から D-5半濃度の生理的食塩水を用いて500cc/時の速度で水添加し、これをrHb1.1 の点滴を開始する時点では250cc/時に減速した。水添加は点滴後4時間続けた。 rHb1.1を0.15g/kgで投与し、全用量は被験者当り約8.9〜12.3gという結果になっ た。rHb1.1を投与する30分前に、10mgのニフェジピンを患者に舌下投与した。毎 回10mg量のニフェジピンを最初のニフェジピンの投与後2、4、6、9時、およ びときには12時に舌下投与で連続投薬した。合計5から6回用量のニフェジピン を投与した。 被験者の1/3は何の徴候もなかった。大部分の徴候は軽度と分類されたが、そ の応答はテルブタリンに対する応答ほど安定ではなかった。 実施例4 細胞外ヘモグロビンの投与に関連する胃腸の副作用の短時間応答的断続処置 細胞外ヘモグロビンの投与に関連する胃腸作用の重篤度を減らすために、種々 の薬物を、胃腸の不快感の発症または再発の際に、医師により決められたように 徴候が始まった後で、患者に断続的に投与した。例えば、1人の被験者は15.77g のrHb1.1が与えられた。点滴の2.5時間後にこの被験者は2mgのナロキソンを静 脈注射で投与された。点滴の3時間後にこの被験者は1mgのグルカゴンを静脈注 射(IV)で投与された。不快感はいくらか減少したが短時間後に増大した。その時 点で被験者は1/150gのニトログリセリンが舌下投与された。この被験者は点滴の 3.5時間後に10mgのニフェジピンを舌下投与され、そして2次的な投薬として4 時間後に1mgのグルカゴンを静脈内投与された。0.5mgのグルカゴンが点滴の5.5 時間後および9時間後に再び静脈内投与された。 ナロキソン投薬を除いて、それぞれの処置は上部胃の不快感を減少させた。し かしながら、すべての改善は記載された他の治療法で得られたものよりも一過性 であり、そして不十分であると判断された。 実施例5 ニフェジピンを用いる細胞外ヘモグロビンの投与に関連する 胃腸の副作用の短時間応答的断続処置 細胞外ヘモグロビンの投与に関連する胃腸作用の発生および/または重篤度を 減らすために、ニフェジピンを、胃腸の不快感の発症または再発の際に、医師に より決められた通りに、患者に断続的に投与した。rHb1.1が与えられる前に、被 験者を約10時間断食させた。被験者には、rHb1.1を点滴する2時間前から、D- 5半濃度の生理的食塩水を用いて500cc/時の速度で水添加し、これをrHb1.1の点 滴を開始する時点では250cc/時に減速した。水添加は点滴後4時間続けた。rHb1 .1は0.15g/kgで投与し、全用量は被験者当り約11.3〜13.1gという結果になった 。rHb1.1を投与する30分前に、10mgのニフェジピンを患者に舌下投与した。rHb1 .1の点滴後に10mgのニフェジピンを、徴候の発症または再発したときだけ、そし て医師により決められたように、胃腸の不快感が軽くなるまで被験者に舌下投与 した。例えば、ある被験者はニフェジピンを点滴の2.75時間後、8時間後、およ び11.5時間後に投与された。 すべての被験者は、点滴後8時間まで、不快感が中等度のレベルに進展した徴 候を受けた。 実施例6 テルブタリンおよびニフェジピンによる細胞外ヘモグロビンの投与に関連する 胃腸の副作用の併用治療 細胞外ヘモグロビンの投与に関連する胃腸作用の発生および/または重篤度を 減らすために、テルブタリン硫酸塩を予防的に患者に投与し、次いでニフェジピ ンによる断続投薬を実施した。rHb1.1が与えられる前に、被験者を約10時間断食 させた。被験者には、rHb1.1を点滴する2時間前から、D-5半濃度の生理的食 塩水を用いて500cc/時の速度で水添加し、これをrHb1.1の点滴を開始する時点で は250cc/時に減速した。水添加は点滴後4時間続けた。rHb1.1を0.25g/kgまたは 0.32g/kgで投与した。rHb1.1を投与する30分前に、0.25mgのテルブタリンを患者 に皮下投与し、次いで最初のテルブタリン投与の後、0.25mgの用量で2時間毎に 5回の追加投与を行った。各10mg量のニフェジピンの投薬を、不快感が発症また は再発したときだけ医師により、そして医師が決めた通りに舌下投与した。例え ば、ある被験者は点滴2時間後に1投薬を、その15分後にさらに1投薬を、そし て3.25時間後に3回目の1投薬を投与した。別の被験者は、3時間目に1投薬だ け与えられた。 臨床上の所見は、2種類の薬物の使用が常に示すとは限らないが、(a)この投 薬処方計画はどちらかの薬物だけよりも良い結果をもたらし、そして(b)ニフェ ジピンはテルブタリン予防法と併用して必要に応じて投与したとき、単独投与よ りも良い結果をもたらし、そして不快感をより速く解消するということであった 。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年8月14日 【補正内容】 (3a頁翻訳文) EP-A-0248150は、非ステロイド系抗炎症薬が誘発する胃腸の傷害を軽減させる ことに関するテルブタリンの使用を開示する。米国特許第5,043,358号は、多く の胃腸障害の処置に関する細胞保護剤としてのテルブタリンの使用を開示する。 下痢の疾患の処置に関するニフェジピンの使用は、Gastroenterology,89(4),(19 85),858-866中に開示されているが、モルヒネ禁断性下痢の抑制に関するニフェ ジピンの使用は、Scan.J.Gastroenterology,28(2),(1993),137-144中に記載され ている。下痢の処置に関するニフェジピンの有用性は、Eur.J.Pediatr.,148(b), (1989)489-495およびTurk.J.Pediatr.,34(2),1992,103-105中に開示されている 。 (23頁翻訳文) 応答的断続処置は、予防的処置と併用して使用されてもされなくても、患者が副 作用の徴候を細胞外ヘモグロビン投与の開始後に受けたときに利用される。 例えば、テルブタリンを用いる予防的処置が実行されるいくつかの場合では、 患者は細胞外ヘモグロビン投与後にまだなおある種の胃腸の不快感を受け得る。 「ブレークスルー(break through)」として知られている最初の予防的処置の後 に受ける副作用は、この応答的断続処置方法により短時間で処置され得る。応答 的断続処置における使用にとって、好ましい平滑筋弛緩薬はニフェジピンである 。代表的には1〜80mg、好ましくは5〜40mg、最も好ましいのは約10mgのニフェ ジピンが舌下または経口投与され得る。投薬は必要に応じて反復投与され得る。 ニフェジピンは応答的断続治療に使用するのに好ましい平滑筋弛緩薬であるが 、多くの他の平滑筋弛緩薬が、製造会社の推薦する投薬量および担当の臨床医の 判断に従って調整された投薬量を用いてこのような治療のために使用され得る。 (24頁翻訳文) 実施例 実施例1 赤血球輸血を必要性とする患者への細胞外ヘモグロビンの投与 rHb1.1が与えられる前に、被験者を0〜11時間断食させた。ある被験者には、 Hbを点滴する2時間前からD-5半濃度の生理的食塩水(D-5 half normal saline )を用いて500cc/時(cc=ml)までの速度で水添加(hydrate)した。薬学的組成物中 にヘモグロビン(rHb1.1)が5%の重量対容積比(5%W:V)で含まれている溶液を、 患者に、静脈内点滴により(曝光の防止に注意しながら)、Hb1.1約25gまでの全 用量が投与されるように、3.75m1/kg/時の速度で2時間まで投与した。表1は0. 18g/kgまでの用量におけるrHb1.1の胃腸作用を示す。表に見られるように、いく つかの徴候は異常な平滑筋の収縮を示した。 0.15g/kgまたはそれ以上のrHb1.1を投与された被験者のほとんどは、一過性の 軽度から中等度の胃腸副作用を起こした。0.11g/kgまたはそれ以下のrHb1.1を投 与された16人の患者の中で、これらの徴候の報告はわずか2例であった。胃腸の 事象は典型的には点滴の1〜3時間後に起こり、そして中上腹部の不快感、腹痛 および/または消化不良を含む上部胃腸の不快感、ならびに/あるいは下部腹痛 、鼓腸および/または下痢を含む下部胃腸の不快感からなるものであった。腹部 の検査はこの事象の間中ずっと良性であった。作用は1〜数時間続き、そしてそ の間作用は増減した。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.細胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作用を緩和するための薬剤の製造の ための平滑筋弛緩薬の使用。 2.前記平滑筋弛緩薬が、βアドレナリン性アゴニスト、カルシウムチャンネル 阻止薬、有機硝酸エステル、抗コリン薬、酸化窒素合成酵素の基質を含む血管拡 張剤、H1およびH2アンタゴニスト、ならびにコルチコステロイドからなる群から 選択される、請求項1に記載の使用。 3.前記平滑筋弛緩薬がβアドレナリン性アゴニストおよびカルシウムチャンネ ル阻止薬からなる群から選択される、請求項2に記載の使用。 4.前記平滑筋弛緩薬がテルブタリンおよびニフェジピンからなる群から選択さ れる、請求項3に記載の使用。 5.前記薬剤が1用量当り0.25mg量のテルブタリンを含有する、請求項4に記載 の使用。 6.前記薬剤が合計6回用量で皮下投与されるが、1回目の投薬は前記細胞外ヘ モグロビンの投与の約30分前に行い、その後5回の連続投薬を約2時間毎に行う 、請求項5に記載の使用。 7.前記薬剤が1用量当り10mg量のニフェジピンを含有する、請求項4に記載の 使用。 8.前記薬剤が合計6回用量で舌下投与されるが、1回目の投薬は前記細胞外ヘ モグロビンの投与の約30分前に行い、その後5回連続の投薬を約2時間毎に行う 、請求項7に記載の使用。 9.平滑筋弛緩薬の投与を包含する、細胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作 用を緩和する方法。 10.前記投与が予防的処置である、請求項9に記載の細胞外ヘモグロビンの投 与に関連する副作用を緩和する方法。 11.前記投与が応答的処置または応答的断続処置である、請求項9に記載の細 胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作用を緩和する方法。 12.前記平滑筋弛緩薬が、βアドレナリン性アゴニスト、カルシウムチャンネ ル阻止薬、有機硝酸エステル、抗コリン薬、酸化窒素合成酵素の基質を含む血管 拡張剤、H1およびH2アンタゴニスト、ならびにコルチコステロイドからなる群か ら選択される、請求項9に記載の細胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作用を 緩和する方法。 13.前記平滑筋弛緩薬がβアドレナリン性アゴニストおよびカルシウムチャン ネル阻止薬からなる群から選択される、請求項12に記載の細胞外ヘモグロビン の投与に関連する副作用を緩和する方法。 14.前記平滑筋弛緩薬がテルブタリンおよびニフェジピンからなる群から選択 される、請求項13に記載の細胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作用を緩和 する方法。 15.前記平滑筋弛緩薬がテルブタリンおよびニフェジピンからなる群から選択 される、請求項10に記載の細胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作用を緩和 する方法。 16.前記テルブタリンの前記投与が1用量当たり0.25mg量の皮下注射である、 請求項15に記載の細胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作用を緩和する方法 。 17.前記テルブタリンの前記投与が1用量あたり0.25mg量の合計6回用量を皮 下投与により実施されるが、1回目の投薬は前記細胞外ヘモグロビンの投与の約 30分前に行い、その後5回連続の投薬を約2時間毎に行う、請求項16に記載の 細胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作用を緩和する方法。 18.前記ニフェジピンの前記投与法が1投薬あたり10mgの舌下注射である、請 求項15に記載の細胞外ヘモグロビンの投与に関連する副作用を緩和する方法。 19.前記ニフェジピンの前記投与が1用量あたり10mgの合計6回用量を舌下投 与により実施されるが、1回目の投薬は前記細胞外ヘモグロビンの投与の約30分 前に行い、その後5回連続の投薬を約2時間毎に行う、請求項18に記載の細胞 外ヘモグロビンの投与に関連する副作用を緩和する方法。 20.前記平滑筋弛緩薬がニフェジピンである、請求項11に記載の細胞外ヘモ グロビンの投与に関連する副作用を緩和する方法。 21.放射線照射または化学療法、赤血球生成および貧血、冠状動脈血管修復手 術、ならびに鎌型赤血球貧血または組識虚血の処置からなる群から選択されるか またはその群から生じる種々の障害の処置のための細胞外ヘモグロビンの使用。 22.前記細胞外ヘモグロビンが組換え型ヘモグロビンである、請求項21に記 載の使用。 23.前記細胞外ヘモグロビンがrHb1.1である、請求項21に記載の使用。
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