JPH08511279A - 血管閉鎖の治療におけるヘモグロビンの治療的使用 - Google Patents

血管閉鎖の治療におけるヘモグロビンの治療的使用

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JPH08511279A JP7525250A JP52525095A JPH08511279A JP H08511279 A JPH08511279 A JP H08511279A JP 7525250 A JP7525250 A JP 7525250A JP 52525095 A JP52525095 A JP 52525095A JP H08511279 A JPH08511279 A JP H08511279A
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Abstract

(57)【要約】 低投与量のヘモグロビンの投与が、閉鎖後の心筋総の損傷を最少にとどめ、再灌流傷害を有意に減少させる。ヘモグロビンは、灌流を増大させて、虚血発生後の永久的な傷害をもたらす分子的事象を阻止することによって、薬理学的効果を発揮する。更なる利益としては、虚血後不整脈の数の減少、再狭窄の頻度の低下、及び危険に曝されている領域における収縮機能の改善が含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】 血管閉鎖の治療におけるヘモグロビンの治療的使用 発明の背景 動脈の閉鎖は、その閉塞した血管によって通常栄養供給されている組織に虚血 を引き起こす。もしも60分を超える虚血の後に閉鎖が除去され、影響を受けた組 織に灌流が許容されると、再灌流傷害と呼ばれる更なる傷害が逆説的に観察され る。この再灌流傷害は、細胞内酵素の遊離、血圧の一過性の上昇、収縮性の低下 、カルシウムの流入、細胞膜の破壊、及び最終的な組織壊死のような、多数の生 化学的及び生理学的事象と関連している(Ferrari,et al.,Am.J.Clin.Nutr. 53:2158(1991)を参照)。虚血及び再灌流に際して起こるこの組織傷害の多く は、過剰量に蓄積した酸素フリーラジカルの化学的作用の結果であると考えられ ている(Lefer,et al., Basic Res.Cardiol.,86 Suppl.2:109(1991);Kir sh,et al., J.Neutrotrauma,9 Suppl.1:S157(1992);及びBolli,Cardiov .Drugs & Ther. ,5:249(1991))。 多数の動物モデルでの実験によって、再灌流傷害を制御するための抗酸化剤又 は酵素の使用について研究がなされた。例えば、Weyrich,et al., Circulation ,86:279(1992)は、心筋梗塞のネコモデルで、L−アルギニンの投与が壊死性 傷害を減少させたことを示した。McMurray et al., J.Clin.Pharmac.,31、37 3(1991)は、スルフヒドリル含有のアンジオテンシン変換酵素阻害剤を研究し た。Naslund,et al., Circ.Res.66:1294(1990)は、ブタ冠状血管 モデルについての研究から、梗塞サイズはスーパオキシドジスムターゼの投与に よって、但し梗塞後の非常に狭い時間的窓の間でのみ、制限し得ると結論づけた 。Schaer,et al.,JACC,15:1385(1990)は、Fluosolとよばれる無細胞性の酸 素化したパーフルオロ化合物エマルジョンを投与することによる、再灌流傷害の 減少を報告している。 一つの重要なモデル系は、ブタにおける経皮的冠状動脈内腔拡張術である。Mc Kenzie,et al.,Cardiovascular Ressearch,“Effects of diiaspirin cross- linked hemoglobin during coronary angioplasty in the swine”,28(8):1188 -1193(1994)は、一過性の局部的心筋虚血の影響を研究するのにこの技術を利 用した。彼らは、近位左前下降冠状動脈内へカテーテルを挿入し、カテーテルバ ルーンを膨らませて動脈を4分間閉塞させた。平均動脈血圧(MAP)、最大収 縮期左心室圧(IVP)、左心室圧増大速度(dP/dt)、圧心拍数積(PR P)、及び心拍出量(CO)によって測定したところにより、対照に比して心機 能における有意な低下が観察された。加えて、心電図は、心電図(ECG)のS −T部分の上昇を示した。これらの実験は重要である。MaKenzie等は、ヘモグロ ビンの注入を受けた動物と対照を比較し、心機能が有意に増大し且つECGのS −T部分がベースラインへと復帰することを見出したからである。 血液の代替物としてのヘモグロビン製品の注入という概念は、長い歴史を有す る(歴史的概観については、R.M.Winslow,“Hemoglobin-based Red Cell Sub stitutes”,The Johns Hopkins University Press,1992を参照)。組織で放出 するには酸素が固く結合し過 ぎていることから、遊離のヘモグロビンはこの目的には適しない。また、ヘモグ ロビンモノマーは、血液から速やかに排除され且つ腎毒性を呈する。より良い成 功が、酸素の放出を許容するコンフォメーションを取るそしてサイズ及び安定性 が排除に一層抵抗性である、化学的に修飾されたヘモグロビンを用いて達成され た。 ヘモグロビンは、米国特許第4,600,531号及び再発行米国特許第34,271号(Wal der)に開示されているように、αα架橋でき、米国特許第4,861,012号(Estep )に教示されているようにウイルス不活性化され精製されてよい。ピリドキシ化 、カルバミル化、又はカルボメトキシ化による修飾もまた、グルタルアルデヒド によるような架橋及び重合の両方についての化学的スキームと同様に知られてい る。これらの化学の要約は、Winslow(上記)に含まれている。 発明の要約 本発明は、血栓、脂肪塞栓、斑、若しくは他の障害物、又は以前に閉鎖されて いた血管のずっと後になって起きた再狭窄等の、血管の閉鎖を治療するための、 組織虚血に陥っている患者にヘモグロビンを一般に静脈注入によって投与するこ とを含むものである方法を提供する。投与できる治療上有効投与量を規定するに は種々の方法がある。閉鎖によって栄養供給が途絶されている組織への再灌流傷 害を抑制又は減少させるに十分な量のヘモグロビンを投与してよい。これらの投 与量は、閉塞の間に、危険に曝されている心臓組織のパーセントとしての梗塞を 起こす組織の量を限定するためだけでなく、最初の閉鎖が解放された後における 血管の再狭窄をも防止するのに有効である。この保護効果はまた、心筋梗塞の患 者の有意な割合において突然の心拍動停止へと蓄積することの知られている、心 室性不整脈の発生数、強さの減少、及び発生までの期間によっても測定される。 この保護は、さらに、境界区域における局部的心筋機能改善によって更に測定さ れる。従って、本発明は、梗塞区域と危険に曝されている組織領域中の20本の索 との間に、少なくとも0.15相対単位の壁運動スコア改善を得るに有効な投与量の ヘモグロビンを投与することを含む、心臓血管閉鎖の解放後における虚血心臓組 織における収縮機能を改善するための方法を提供する。有効量は、10〜2500mg /kg体重、好ましくは75〜750mg/kgの範囲である。 本発明は、従って、一般に同様の投与量のヘモグロビンを投与することによる 、心動脈閉鎖の解放後の心不整脈の頻度及び持続時間を減少させる方法を提供す る。この方法はまた、一般に10〜2500mg/kg体重、好ましくは75〜750mg /kgの範囲に入る同様の投与量のヘモグロビンを投与することによって、血管 の閉鎖の解放後における、ずっと後になって起こる血管の再狭窄の頻度をも減少 させる。 血管閉鎖の治療としてのヘモグロビン投与の利点及び目的は、危険に曝されて いる領域の救助を高め、心虚血における場合などに循環系を安定させ、そして、 組織の損傷に関連した遊離酸素ラジカルその他の分子種のレベルを直接又は間接 的に低下させることである。それはまた、数週又はより長い時間が経ってから起 こる血管の再狭窄に伴う閉塞血管の傷害を和らげる。ヘモグロビンの薬理学的性 質の多くが、機構的にはまだ理解されていない。これらの性質の幾つかは、酸素 の放出に無関係であるように思われる。それらの効果が、このパラメータに有意 な影響を及ぼすには余りに低いヘモグロ ビン量において現れるからである。 図面の簡単な記述 図1A. 再灌流不整脈の総数に対する、ヒト血清アルブミン(HSA)及び ジアスピリン架橋ヘモグロビン(DCLHbTM)の効果。不整脈の数を、再灌流 の開始から45分間数える。値は平均±平均偏差(SEM)である。*HSAとの 間に有意差あり(P<0.05)。 図1B. 再灌流不整脈の発生までの時間に対する、ヒト血清アルブミン(H SA)及びジアスピリン架橋ヘモグロビン(DCLHbTM)の効果。秒で表した 時間は、再灌流の開始から再灌流不整脈の最初のシリーズまで測定される。値は 平均±SEMである。 図1C. 再灌流不整脈の総持続時間に対するヒト血清アルブミン(HSA) 及びジアスピリン架橋ヘモグロビン(DCLHBTM)の効果。分で表した不整脈 時間は、最初の加速された心室自体の拍動の開始から、不整脈が30秒毎に一回未 満の発生となるまでカウントされる。値は平均±SEMである。*HSAとの間 に有意差あり(P<0.10) 図2. HSA及びDCLHb処置群におけるS−T部分の変化(mV)。「 対照」(Cont)は、バルーン閉塞の前である。「虚血」(Isch)は、HSA又は DCLHb注入前の虚血80分である。「再灌流」は、3時間の再灌流期間である 。 図3. DCLHb及びHSA注入された試験動物の間における横断切片によ る梗塞サイズを比較した写真。 図4. 心臓壁の運動に対するDCLHb及びHSAの効果。 好ましい具体例の詳細な記述 血管の閉鎖は、変性斑、血栓症、脂肪塞栓、又は血餅を含む幾つかの機序のい ずれによっても起こり得、身体の多くの組織及び部位において起こり得る。その ような閉鎖の影響は、閉鎖の下流にある血管部分に対する血流を妨害し又は完全 に削減してしまうことである。その閉塞血管によって栄養供給されていた組織は 、こうして酸素及び栄養を奪われ、細胞の死がこれに続いて起こる。影響を受け る血管が冠状動脈又は重要な脳その他の器官の機能のために働いている動脈であ る場合には、閉鎖は生命を脅かすものである。 ヘモグロビンを用いた再灌流療法は、ある程度の血流が保持されている場合か 又は側副血流がヘモグロビン投与によってもたらされる灌流の増大を利用するこ とのできる状況において、有効である。血管の閉塞が本質的に完全である場合に おいては、流れの回復は、自発的に起こるか、ストレプトキナーゼ又は組織プラ スミノーゲン活性化因子のような血栓溶解酵素の投与によって、又は外科的介入 又は血管形成術によって回復できる。 再灌流療法において利用されるヘモグロビンの投与量は患者によって変化する が、しかし一般には、10乃至2500mg/kg体重の範囲内にあるであろう。 ヘモグロビンは、血流の増大によって示されるように、灌流を増加させるよう 働くが、ある適応症においては、心臓再灌流におけるこの機構によって作用して いるのではないように思われる。しかしながら、75乃至750mg/kg体重の範 囲内の低い投与量が、一般には好ましく、薬理学的に有効である。再灌流傷害の 劇的な限定及びその後の、危険に曝された領域における永久的細胞損傷の減少は 、現在のところ完全には説明できず、従って出願人は、如何なる特 定の理論にも拘束されようとは思わない。 理想的には、医者は、再灌流傷害を最適に抑制する望ましい効果を与えるヘモ グロビン量を投与し、それによって、閉鎖後の組織の生存性を保ち、永久的細胞 損傷を最小限にするであろう。再灌流傷害を抑制することは、危険に曝された領 域における組織損傷を限定することに加えて、間接的利益を有する。再灌流傷害 の概説については、Jenning and Yellon,Myocardial Protection:The Pathoph ysiology of Reperfusion and Reperfusion Injury(Raven Press,Ltd,N.Y.( 1992)を参照のこと。実施例1に示されているように、ヘモグロビンの使用は心 臓不整脈の起こるまでの時間を延長させ、そしてそれらの頻度を低下させる。従 って、ヘモグロビン投与は、心室不整脈の頻度を低下させそしてそのことにより 心拍動停止を防止する方法を提供する。 ヘモグロビン投与のもう一つの利益は、再狭窄の発生の防止又は減少にある。 閉塞が解放されたとき再狭窄が容易に起こるということは、血管形成術及び外科 的バイパス技術の頻度の低くない合併症である。これは閉鎖の解放後数分又は数 時間内に、又は数週以上等のずっと後になって起こり得る。、従って、閉塞排除 操作を反復せねばならず、又は患者は、結局閉鎖が解除されそして再び閉塞した その同じ血管のために死亡する。血管壁に残った損傷が細胞性血液成分を引き寄 せ、それらが血管内腔に接着して動脈硬化的沈着を開始させるものと信じられて いる。驚くべきことに、閉鎖の解放に続いてヘモグロビンを注入した後は、再狭 窄を起こす血管は、対照群に観察されるのに比して統計学的に有意に少ない。ま た、梗塞区域に隣接した領域における壁の運動が、HSA処置動物に比してヘモ グロビン処置動物において劇的に改善されることも観察される。このように、本 発明は、閉塞が解放された血管における再狭窄を減少させるための方法を提供す る。この量は、実験的に10乃至2500mg/kg体重の範囲に入ると判定された。 実際問題として、医者は、平均動脈血圧がヘモグロビン投与前ベースラインの約 5乃至15%上方の値となるまで、ヘモグロビンを段階的に増加させつつ投与する ことができる。出願人は灌流の増加とヘモグロビンの周知の昇圧剤効果とが必ず しも関連していないことを今や理解している。プラゾシンのような薬物によって 昇圧剤効果を抑制しても、観察される灌流増加を妨害しないからである。 投与のタイミングは、好ましくは閉鎖の解放と再灌流の直前の時点であるべき である。理想的には、これは、閉鎖の解放の20分以内であるべきである。しかし ながら、閉鎖の解放の1時間前又は1時間後における処置も、特に関与する血管 が比較的小さい領域しか危険に曝していない場合には、有益である。心臓の閉塞 の場合には、危険に曝される小さい領域は、心筋層の約5乃至25%を含むであろ う。 再灌流療法において利用されるヘモグロビンは、次の一般的性質を有する如何 なるタイプのものであってもよい。すなわち、間質不含、無抗原性及び無パイロ ージェン性(すなわち、1mlあたりエンドトキシン単位が0.25未満)、そして 細菌及びウイルス性汚染因子不含である。該ヘモグロビンは、参照によりここに 導入する米国特許第4,439,357号、第4,526,715号、第4,598,064号、及び第4,600 ,531号に開示されているようにして単離できる。該ヘモグロビンは、好ましくは 、参照により導入する米国特許第5,281,579号に 開示されているようにしてウイルス不含にされる。 該好ましいヘモグロビンは、架橋によって安定な酸素放出性コンフォメーシヨ ンに維持されている。架橋の最善の方法は、米国特許第4,600,531号及び再発行 特許第34,271号に開示されているように、αサブフニット間のリジン−リジン架 橋を伴う。該四量体は分離できないから、それによりその64,000の分子量を維持 し、血流からの排除は遅くなる。血中保持時間の更なる延長は、例えば共有に係 る米国特許出願8/173,882に開示されているポリアミド架橋基によって、ヘモグ ロビン四量体を重合させることによって実行される。代わりの架橋及び重合技術 が、Winslow(上記)に記述されている。一つの興味深い技術は、米国特許第5,1 94,590号に開示されているグルタルアルデヒドによる同時的架橋及び重合である 。 本発明の他の利点は、以下の実施例から明らかとなろう。 実施例1 持続させた虚血と再灌流傷害による組織傷害の制御に対するヘモグロビン灌流 療法の効果を研究するために、冠状血管閉塞を伴う動物モデル系を使用した。こ のブタモデルは、より抜きのモデルである。非常に多数の研究が、ブタの心臓が 生理学的にヒトの心臓に最も密接に類似していることを示しているからである。 概説については、Swindle,et.,“Swine as Medels in Biomedical Research” ,Iowa State University Press,(1992)を参照。 一つの特に重要な基準は、ブタ及びヒトの双方における側副流の同様の欠如で ある。側副流は、一つの動脈枝が別の枝における閉塞を補償する、毛細管床の能 力である。ブタの心臓は、側副流の能力の低さを示す点において、ヒトの心臓に 密接に類似している。Swin e as Models in Biomedical Research (上記)中のBloor,et al.,“The Pig a s a Model of Myocardial Ischemia and Gradual Coronary Artery Occlusion” ,を参照。 実験準備 両方の性の、体重21.3±1.4kgのヨークシャーブタ(n=15)を、耳静脈内 に静脈内カテーテルを設置できるよう最初にKetamine(10mg/kg、筋肉内注 射)で鎮静させた。ペントバルビタールナトリウム(Nembutal)30mg/kg( 静脈内ボーラス注射)によって得、6.3ml/時の速度における連続的静脈内注 入(Sage Instruments Pump)による31.5mg/時の投与量で、麻酔の手術面を 維持した。ブタに挿管して換気した(Harvard Respirator)。動脈血ガス測定に より呼吸状態を定期的にモニターし、生理的血液ガス量を達成するよう換気速度 及び/又は酸素流速を調節した。両側の大腿に縦の切開を加え、右大腿動脈に9 F鞘(Cordis)でカニューレ挿入し、そして、X線蛍光透視法による案内の下に 左心室内へと6Fのピッグテイル(pigtail)カテーテルを進めた。右頸動脈に 縦の切開を加え、そして該右頸動脈に9F鞘でカニューレ挿入した。3,000単位 のヘパリンナトリウムを静脈内投与し、そして30分毎に1,000単位の投与量を反 復した。1mg/kgのリドカインのボーラスを静脈内注射、そして実験を通し て50μg/kg/分の注入を維持した。静脈内ニトログリセリンを、案内ワイヤ ー及びバルーンの設置の間5〜10mmHgの血圧低下を達成させるために注入し たが、バルーンの膨張の前に中止した。実験を通して、心電図、血圧、及び体温 モニタリングを行った。 7F AR2案内カテーテル(Scimed)を左主冠状動脈へと進め た。カテーテル位置を確認し、1〜5ccのヨウ素化造影剤(Renografin-76) の手による注射を用いて血管造影を実施した。0.014インチのHi-Torqueフロッピ ー案内ワイヤー(Advanced Cardiovascular Systems)を、回旋冠状動脈の第1 の鈍麻な縁枝内へと進めた。 カテーテル(Advanced Cardiovascular Systems)を、案内ワイヤー上で該第1 の縁枝内へと進めた。バルーンが主回旋冠状動脈内の流れを妨害しないように注 意を払った。該第1縁枝の完全な閉塞を保証するに十分な圧(2〜4気圧)で90 分間バルーンを膨らませた。閉塞を、血管造影法により確認した。 試験プロトコール 機器使用前に、ブタを2つの試験群へと無作為に振り分けた。バルーンを萎ま せる10分前に、ブタに、10%ジアスピリン架橋ヘモグロビン(DCLHbTM)又 は浸透圧的に該ヘモグロビン溶液に一致させたヒト血清アルブミン(HSA)溶 液(アルブミン約8%)を5分間かけて5ml/kgの速度で(1ml/kg/ 分)静脈内注入した。90分の時点において、バルーンを萎ませて抜き取った。動 物を次いで3時間再灌流した。3時間の再灌流時間の後に、血管の開存を記録す るために血管造影を実施した。動物を安楽死させ、心臓を手早く摘出した。 心電図(ECG)記録 全てのブタに、導出I、II、III、aVr、aVl、aVf、及び下胸部導出V4により 、機器にかけた。不整脈の総数を、再灌流の開始から再灌流終了後45分まで数え た。不整脈の開始の時間を、再灌流の開始から再灌流不整脈の発生まで測定した 。再灌流不整脈の総持 続時間は、再灌流不整脈の開始から不整脈の発生が30秒に1回未満になる時点ま での時間量として計算した。バルーンによる閉塞に続くS−T部分の変化を、標 準化した下胸部導出V4からのP又はT波の何れかに続く等電位線から測定した 。 心筋層血流 心筋層血流を、放射性マイクロスフィア(microspheres)を用いて測定した。 マイクロスフィアは、ベースライン、閉塞60分後、再灌流開始5分後、再灌流17 0分後に、注射した。該放射性マイクロスフィアは、15.5±3.0μの直径の炭化し たプラスチック球として供給され、153Gd、85Sr、46Sc、113Snの何れか によって標識されていた。 該同位体は炭化したプラスチックに結合させてあり、食塩水又は血漿中では該 球から溶出しない。マイクロスフィア(New England Nuclear)は、10mlの食 塩水中核種1mCiとして得られ、凝集を最少に止めるためそれに0.05%のTwee n-80、界面活性剤が加えられた。20μCiのマイクロスフィアを無菌のシールし たバイアルからシリンジを用いて採取し、適当な濃度に食塩水中に希釈した。マ イクロスフィア注射の順序は、マイクロスフィアのロット又は同位体のタイプに よるデータの偏りを避けるために無作為化に振り分けた。完全な分散を保証する ために、球の混合物を注射の少なくとも30分前に超音波処理した。注射の直前に 、マイクロスフィアをVortexタイプの混合器によって機械的に震盪した。約1.3 ×106個のマイクロスフィアが、左心室内へ注射され、食塩水で洗い流された。 理論上、これらのマイクロスフィアは、左心室から排出される血液と混合して赤 血球と類似のパターンで組織へと輸送される。マイクロ スフィアは、それらより僅かに小さい直径の毛細管(8μm)に捕獲される。球 は毛細管床中に止まり、壊死が起こるまで最小限しか移動しない。血流を較正す るために、マイクロスフィアが注入される時間の間、抜取り速度2.06ml/分で 動脈血流サンプルを採取した。下に記述したように、危険に曝された領域及び梗 塞組織の決定に続いて、左心室組織のスライスを更に、心外膜、中心筋層、及び 心内膜の3分の1宛に再分割し、各同位体の活性をガンマ線計数システム(Sear l,Model 1185)中において測定した。この計数手順に続いて、組織を白、赤、 青の領域に分けて再計数した。心拍出量及び局部的な心筋層血流を、先に記述さ れているようにして各時間点において計算した(Heyman,et al.,“Blood flow measurement with radionuclide-labeled particles”,Progress in Cardiova scular Disease ,20:55-79(1977))。 危険に曝されている心筋層の解析 心臓摘出直後に、回旋冠状動脈の第1の鈍麻な縁枝を単離してカニューレ挿入 した。加えて、左前下降冠状動脈及び回旋冠状動脈の両方を灌流するために、左 主冠状動脈にカニューレ挿入した。両方の血管を同時に120mmHgで灌流した 。縁枝は、1.0%塩化トリフェニルテトラゾリウム(Sigma)で灌流し、左主冠状 動脈は、0.05%のモナストラルブルー(monastral blue)で灌流した。塩化トリ フェニルテトラゾリウムは、生存力のある心筋層を赤色に染め、壊死した又は梗 塞した組織を染めることがない。染色を許容するために心臓を食塩水中で37℃に て20分間インキュベートした。次いで心臓を、ホルマリンで灌流固定した。左心 室の平均総重量は、DCLHb及びHSA群について同等であり、それぞれ55.3 ±2.3及び53 .1±5.2gであった。 機械的スライサーで心臓を0.5cmの厚みの横断切片へとスライスし、各スラ イスを秤量した。各スライスの基底表面を写真にとった。各写真を、マッキント ッシュコンピュータ内へと走査し(Scanjet scanner,Adobe photoshop program )、及びコンピュータ補助プラニメータ・プログラム(NIH Image)を用いて、 危険に曝された面積及び梗塞面積を定量化した。梗塞の面積は、危険に曝されて いる面積の%として表現した。 データ解析 データは平均値±SEMで表してある。単一の時点における群間の差は、対に なっていないデータについてのStudent's t−検定によって評価した。標準偏差 間に有意な不均衡を有する群については、ノンパラメトリックMann-Whitney U− 統計解析を実施した。多数のデータ点についての群内の及び群間の差は、分散分 析によって比較した。統計学的差を評価するのには、0.05%の有意性水準を用い た。 血液動力学的データ 心拍数及び平均動脈血圧(MAP)は、CDLHb及びHSA処置群の双方に おいて実験の最初の95分の間は一定であった(表1)。HSAを投与されたブタ は、3時間の再灌流期間時点においてMAPの有意な低下を示した。心拍数は、 DCLHb群において3時間の時点で対照に比し30%の有意な減少を示した。心 拍出量は、閉塞の間又は5分の再灌流期間の間、対照との間に有意差がなかった が、3時間の再灌流時点においては、DCLHbとHSAの双方において有意に 減少した。心拍出量は、DCLHb群とHSA群との 間ではどの時点においても、有意差がなかった。計算された総末梢抵抗(TPR )については、DCLHb群とHSA群との間では、対照時間又は閉塞時間の何 れにおいても、有意差がなかった。しかしながら、DCLHb群には、5分の時 点及び3時間の灌流時点において、TPRにおける有意な増大があった。 血液データ 表2は、何れの群においても、如何なる時間の間においても動脈pHに有意差 がなかったことを示している。動脈pHは7.51±0.01であり、7.6乃至7.54の範 囲にあった。PCO2及びPO2の双方ともに実験を通して非常に安定に保たれた が、PCO2は、DCLHb処置群においては5分の再灌流サンプル時点におい てHSA群との 間に有意な差があった。DCLHb群のPO2は、閉塞期間において、HSA群 より有意に上昇した。 心電図データ 再灌流不整脈は、DCLHb群及びHSA群の双方において認められた(図1 )。しかしながら、再灌流の開始から再灌流終了後45分までの再灌流不整脈の総 数は、DCLHb群(437±198)に比してHSA群(1274±222)において一層 大きかった。不整脈の発生までの時間(DCLHbでは67.5±28.4秒、HSAで は43.7±17.0秒)及び不整脈期間の総持続時間(DCLHbでは14.5±6.5分 、HSAでは35.2±10.9分)は、これら2つの群につき統計学的な差はなかった 。しかしながら、DCLHbについては、不整脈の発生までの時間の延長及び不 整脈期間の総持続時間の短縮の傾向があった。バルーン閉塞は、双方の群におい て対照からの有意なS−T部分上昇をもたらした(DCLHbでは0.11±0.02m V、HSAでは0.18±0.03mV)(図2)。閉塞中又は3時間の再灌流期間中に は、S−T部分上昇に関しては2つの群の間に統計学的有意差はなかった。DC LHbはS−T部分上昇を0.02±0.01mVへと減少させ、一方HSA処置動物は 、依然として0.05±0.01mVのS−T部分変化を示した。 表3は、HSAを注入した又は何も注入しなかった(対照)動物に対する、D CLHb注入動物の比較を示す。検出された不整脈の数と不整脈の発生までの時 間の長さの双方に関して、対照(無処置)は、HSA処置群に最もよく類似した 。 血流データ 心筋層血流データが表4A及び4Bに提示されている。表4Aは、虚血又は梗 塞の危険に曝されていない左心室の心外膜、中間心筋層、心内膜のへの血流、及 び、自由壁の領域への心内膜:心外膜(内/外)血流比を示す。我々は、回旋血 管によって灌流されていない左心室の後壁からの組織を日常的に検査した。DC LHb処置群における3時間の再灌流時間において対照との間に心外膜血流の有 意な低下が見られたことを除いて、心筋層血流又は内/外比率に有意差はなかっ た。表4Bは、梗塞の危険に曝された組織における同じパラメータを明らかにし ている。これらの血流測定は、虚血領域(白)と、危険に曝されているがしかし 虚血はしていない領域(赤)との双方からの組織を含む。対照測定時間の間にお いては、この領域の組織と表4Aにおける組織との間には有意差はなかった。閉 塞時間は、DCLHb又はHSAで処置されたブタにおける危険に曝された組織 において、心筋層のこれら3領域の何れへの血流にも有意な減少をもたらした。 内/外比は、閉塞期間中、DCLHb群とHSA群の双方において増大し、この ことは、心筋層の心内膜層に比して心外膜領域への血流減少がそれに比例して大 きいことを示している。5分の再灌流時間の間、DCLHb及びHSA群の双方 において、HSA群の心内膜領域を除いて、心外膜、中間心筋層、及び心内膜組 織への劇的な充血があった。内/外比は、従って、対照群のそれより有意に低か った。血流は、DCLHb処置群におけ る心外膜への流れを除いて、3時間の再灌流において対照の値に戻った。このサ ンプルにおいては、DCLHb投与を受けたブタにおいて、対照値との間に及び HSA処置群における同じ組織との間に、有意な差があった。表5は、表4A及 びBに含まれている同じ心臓からの心筋層血流を示しているが、しかしこの組織 は、赤に染まる組織領域(危険に曝されているが梗塞していない)、白い組織領 域(染料を吸収しない、従ってこの領域は梗塞している)及びこの領域への結合 した総血流の領域に分けられている。これら領域への流れは閉塞の間有意に低下 する。危険のある領域への流れは、側副血流と定義され、DCLHbとHSAと の間に有意差はなかった(図3を参照)。この流れは処置前に測定されたことか ら、これら2つの流れは類似の筈である。閉塞の間、梗塞のある領域はゼロとの 間に有意差のない組織血流を示した。5分の再灌流データは、DCLHb処置群 及びHSA処置群の双方に全組織への有意に活動的な充血を明らかにしており、 そしてこれら2つの群の血流の間に差はなかった。3時間の時点においては、D CLHb処置群における危険に曝された領域及び梗塞した組織への血流は、対照 値に比して有意に低下し、一方、HSA処置動物における対応した血流は、対照 レベルへと復帰していた。 表6は、解剖学的に対になった器官において、マイクロスフィアが、左右の腎 臓に等しく分布したこと、及びDCLHb処理群とH SA処理群との間で腎血流量に差がなかったことを示している。これらの測定は 、このモデルにおけるマイクロスフィアによる技術を検証するために提示されて いる。 梗塞データ DCLHb及びHSA処置心臓における梗塞サイズ及び危険に曝されている領 域が、表7に示されている。総左心室のうちの危険のあるパーセントは、DCL Hb群については14.6±2.6%、HSA群については10.6±2.1%であった。これ らの値には有意差はない 。危険に曝されている総領域は、DCLHb及びHSA処置群につき、それぞれ 、1126±218mm3及び858±173mm3であった。DCLHbについての総梗塞領 域は326±91mm3であり、HSAについては456±101mm3であった。これらの データは、次いで、危険に曝されている領域と比較したときの梗塞組織のパーセ ントを与える。DCLHb群においては、危険のある領域の30.9±6.1%が梗塞 を起こし、一方HSA群においては、危険のある領域の53.2±1.9%が梗塞を起 こした。これは比であるから、統計解析のためにデータを逆正弦変換に付した。 非対のt−検定を用いて、P<0.009でDCLHb群は、HSA群との間に統計 学的に差があった。 ブタの回旋冠状動脈の第1の鈍麻な縁枝の閉塞後DCLHbの80分間の静脈内 注入は、浸透圧的に一致させたヒト血清アルブミン溶液を注入された対照動物に 比して、心筋梗塞のサイズの有意な減少をもたらした。加えて、DCLHbは、 有害な再灌流不整脈を有意に減少させ、血液動力学的に安定な動物を与えた。図 1は、ブタ心筋層を通る横断組織切片を示している。DCLHb及びHSA灌流 心臓における染色された(生きた)領域の比較は、DCLHb灌流心臓において 梗塞領域が遙に小さいことを示している。 放射性マイクロスフィアによって測定された心筋層血流データは、DCLHb 群における梗塞サイズの減少を説明できない。DCLHb群とHSA群との間の 唯一の差は、3時間の再灌流時点におけるDCLHb群での心外膜血流の減少及 び危険領域への血流減少である。この時点における血流減少は、酸素供給の改善 及び梗塞サイズの減少とは相関しない筈である。 実施例2 実施例1の実験において記述した一般的手順を、別のブタを用いて繰り返した 。しかしながら、操作は、傷が閉鎖して動物を回復させることができるよう無菌 的条件下に行った。21日間かけてブタの健康を回復させ、次いで屠殺した。表8 は、手術直後の再灌流に関する及び21日の時点での、それぞれDCLHb及びヒ ト血清アルブミンの注入の効果を示している。データは、ヘモグロビン注入が、 再灌流の維持及び再狭窄の不存在に高度に相関していることを示している。すな わち、本発明は、ずっと後まで再灌流を維持し、それにより、閉塞を解放した血 管の再狭窄の頻度を低下させる方法を提供する。 実施例3 体重40〜50ポンドの両方の性のヨークブタを、外科的に機器に取り付けた。耳 静脈内に静脈内カテーテルを設置できるよう、ブタを最初に、Ketamine(10mg /kg,筋肉内注射)で鎮静させた。ペントバルビタールナトリウム(10mg/ kg,静脈内注射)で麻酔をかけた。気管に、6又は7mmが気管内になるよう 挿管し、動物をHarvard呼吸器で換気し、3〜5cmH2Oの正圧の終期呼気圧に よって拡張不全を防止した。ペントバルビタールナトリウムの注入(1.2mg/ 分)によって麻酔の手術面を維持した。平均動脈血圧及び心電図を、実験全体を 通して連続的にモニターした。X線蛍光透視法下に、心臓カテーテルを適切な位 置まで進めた。5Fのピッグテイル・カテーテルを右大腿動脈から左心室まで進 めた。血液動力学的変数、血液ガス、及び心拍出量を含むように一組の対照デー タを収集した。9F鞘(Cordis)を左頸動脈内に設置し、そして7F AR2案 内カテーテルを、左主冠状動脈へと進めた。0.014インチのフロッピーチップ案 内ワイヤーを、回旋冠状動脈の第1の鈍麻な縁枝へと進め、そしてHartzler ACX 冠状動脈拡大カテーテルをこのワイヤー上に主回旋動脈の丁度末梢の点まで進め た。冠状動脈バルーンカテーテルを膨らませ、膨らませたまま90分間維持した 。バルーンの膨張後の80分の時点において、DCLHb又はHSAの何れか(5 ml/kg)を、1ml/分/kgの速度で5分間かけて注入した。風船を萎ま せて、45分の再灌流の間動物を観察した。この時に、最終の一組のデータを採取 し、そしてブタを麻酔から回復させた。 閉塞後21日において、上記と同じ方法でブタを麻酔し、60°LAO位置におけ る冠状動脈血管造影像及び左心室撮影像を記録した。MedRadインジェクターを用 いて、25〜40mlのヨウ素化造影剤を(Renografin-76)を、15ml/分の流速 で左心室内へ注入した。心臓を手早く除去し、右心室を切除し、左心室を心尖か ら基底部まで5mm幅のリング状にスライスし、各リングを4%リン酸緩衝化ホ ルムアルデヒド中に入れた。心臓を、顕微鏡分析に回した。 心室撮影像を、中心線解析(Sheehan et al.,Circulation,74(2)293(198 6))を用いて解析した。壁運動は、最大拡張及び最大収縮の輪郭の中間に描か れた中心線に対して直角に構成された100本の索に沿って測定し、心臓サイズに ついて標準化して相対的壁運動指数単位としてプロットした。索を、梗塞領域( 無運動)と正常な壁運動の領域とで比較した。我々は、正常運動性と無運動性の 領域の境界領域に特に注目した(これは低運動性と定義される)。無運動性及び 低運動性の領域を、冠状動脈造影像における梗塞関連動脈と比較した。結果は図 4に示されており、梗塞区域と危険に曝されている組織領域中の20本の索との間 において、壁運動スコアにおける少なくとも0.15相対指数単位の明瞭な改善を示 している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,BR,CA,JP,K R,NO

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 血管の閉鎖後の組織の生存性を保存する方法であって、 虚血を起こしている患者に10乃至2500mg/kg体重の範囲の投与量のヘモ グロビンを投与することを含む方法。 2. 血管の閉塞後の組織の生存性を保存する方法であって、 該閉鎖を有する患者に、該閉鎖によって栄養供給が途絶されている組織に再 灌流傷害を抑制するに十分な量のヘモグロビンを投与することを含む方法。 3. 該ヘモグロビンが架橋されたヘモグロビンである、請求項1又は2の方法 。 4. 該ヘモグロビンが架橋され重合されたものである、請求項1又は2の方法 。 5. 該ヘモグロビンがジアスピリン架橋ヘモグロビンである、請求項1又は2 の方法。 6. 該虚血が冠状動脈血栓症によって起こされたものである、請求項1の方法 。 7. 動脈の閉鎖の解放後の心臓不整脈の発生の頻度及び持続時間を減少させる 方法であって、 虚血に陥っている患者に10乃至2500mg/kg体重の範囲の投与量のヘモグ ロビンを投与することを含む方法。 8. 閉鎖の解放後の血管の再狭窄の頻度を減少させる方法であって、 虚血に陥っている患者に10乃至2500mg/kg体重の範囲の投与量のヘモグ ロビンを投与することを含む方法。 9. 心臓血管の閉鎖の解放の後の虚血した心臓組織の収縮機能を改善するため の方法であって、 梗塞区域と危険に曝されている組織領域中の20本の索との間の領域において 、少なくとも0.15指数単位の壁運動スコア改善を得るに十分な投与量のヘモグロ ビンを投与することを含む方法。
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