JPH0950089A - 写真用分光増感色素及びそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

写真用分光増感色素及びそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料

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JPH0950089A
JPH0950089A JP7182342A JP18234295A JPH0950089A JP H0950089 A JPH0950089 A JP H0950089A JP 7182342 A JP7182342 A JP 7182342A JP 18234295 A JP18234295 A JP 18234295A JP H0950089 A JPH0950089 A JP H0950089A
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JP
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sensitizing dye
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JP7182342A
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Koichi Sumioka
孝一 住岡
Masao Koga
雅雄 古閑
Akira Tanaka
章 田中
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】色素汚染による残色が少なくかつ高感度の写真
用分光増感色素を提供する。また、亜硫酸イオン濃度の
高い安定な現像液を用いた迅速な現像処理によって、極
めて硬調で、感度が高く、砂カブリが改良されかつ現像
処理後の残色汚染の少ないハロゲン化銀写真感光材料を
提供する。 【構成】化1、化2で示される分光増感色素を少なくと
も1種含有するハロゲン化銀写真感光材料。および化
1、化2で示される分光増感色素を少なくとも1種とヒ
ドラジン誘導体を含有するハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 【化2】 [式中Z1 〜Z9 は、それぞれ5または6員含窒素複素
環を形成するのに必要な原子群を表す。R1 〜R5 は置
換もしくは無置換のアルキル基を表す。L1 〜L3 は、
それぞれ炭素数1または3個単位の置換もしくは無置換
のメチン基ユニットを表す。X- はカウンターアニオン
を表す。nは電荷を中和するのに必要な整数を表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料に関し、さらに詳しくはハロゲン化銀写真感光材料に
用いられる増感色素として有用な色素に関する。また写
真製版工程に用いられる高感度で超硬調なネガチブ画像
を安定して形成することができるハロゲン化銀写真感光
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料はその使用目
的に応じて、それぞれ異なる特定波長域において高い感
度をもつことが要求される。そのようなハロゲン化銀写
真感光材料の製造技術の1つとして、いろいろの型の増
感色素がハロゲン化銀写真乳剤に添加され、そのハロゲ
ン化銀の固有の感光波長域より長波長域において、特定
の波長域における感度を極めて有効に高めることは一般
によく知られている。
【0003】色素によって分光増感をハロゲン化銀写真
乳剤に適用する場合には、単に分光増感効果の付与およ
び感度の上昇のみならず、次のような諸要求を満足する
ものでなければならない。(1)分光増感域が適当であ
ること。(2)感光材料の保存中において安定な写真特
性を維持していること。(3)現像処理後に分光増感の
ために投与した色素の残存による汚染やカブリを残さな
いこと。(4)他の写真用添加剤との悪い相互作用がな
いこと。
【0004】上記諸要求を満足させるために、従来から
様々なタイプのシアニン色素やメロシアニン色素類が提
案されてきている。特に、He−Neレーザー、赤色L
D、赤色LEDといった赤色光源対応の増感色素につい
ては米国特許4,965,183号、同5,116,7
22号等に記載の色素などが提案されており、これらは
現像処理後の残色汚染が少ないことを特長の一つとして
あげている。
【0005】しかし、これらの増感色素でさえ前記諸要
求を完全に満たすものではなく、さらなる改良が求めら
れている。
【0006】一方、ヒドラジン化合物をハロゲン化銀写
真乳剤や現像液に添加することは、米国特許第3,73
0,727号明細書(アスコルビン酸とヒドラジンとを
組み合わせた現像液)同第3,227,552号明細書
(直接ポジカラー像を得るための補助現像薬としてヒド
ラジンを使用)、同第3,386,831号明細書(ハ
ロゲン化銀感材の安定剤として脂肪族カルボン酸のβ−
モノフェニルヒドラジドを含有)、同第2,419,9
75号明細書や、Mees著「The Theory of Photographic
process」第3版(1966年)281頁等で知られて
いる。
【0007】これらの中で、特に米国特許第2,41
9,975号では、ヒドラジン化合物の添加により硬調
なネガチブ画像を得ることが開示されている。即ち、塩
臭化銀乳剤にヒドラジン化合物を添加し、12.8とい
う様な高いpHの現像液で現像すると、ガンマ(γ)が
10を越える極めて硬調な写真特性が得られることが記
載されている。
【0008】この方法は、ネガ画像、ポジ画像のいずれ
にせよ、印刷製版に有用な網点画像(dot image )によ
る連続調画像の写真的再現あるいは、線画の再生には有
用な方法である。しかし、このようなpHが13に近い
強アルカリ現像液は、空気酸化され易く、不安定であ
る。
【0009】そこで従来は、塩化銀の含有量が50モル
%、好ましくは75モル%を越える様な塩臭化銀乳剤を
用い、亜硫酸イオンの有効濃度を極めて低く(通常0.
1モル/l以下)したハイドロキノン現像液で現像する
方法が一般的に用いられていた。(リス現像)
【0010】しかし、この方法でも、現像液中の亜硫酸
イオンが低いために、現像液は、極めて不安定で、3日
をこえる保存に耐えない。更に、これらの方法はいずれ
も塩化銀含有量の比較的高い塩臭化銀乳剤を用いること
を必要とするため、高い感度を得ることができなかっ
た。
【0011】従って、高感度の乳剤と安定な現像液を用
いて、網点画像や線画の再現に有用な超硬調写真特性を
得ることが強く要望されていた。
【0012】この目的のため、米国特許第4,168,
977号、同第4,224,401号、同第4,24
3,739号、同第4,269,929号、同第4,2
72,614号、同第4,323,643号明細書など
では、特定のアシルヒドラジン化合物を添加した表面潜
像型ハロゲン化銀写真感光材料を、pH11.0〜1
2.3で亜硫酸保恒剤を0.15モル/l以上含み、良
好な保存安定性を有する現像液で処理して、極めて硬調
なネガチブ画像を形成するシステムが提案された。この
新しい画像形成システムでは、従来のリス現像では塩化
銀含有率の高い塩臭化銀しか使えなかったのに対して、
ヨウ臭化銀や塩ヨウ臭化銀でも使用できるという特徴が
ある。
【0013】しかしながら、ヒドラジンを用いるこれら
の画像形成システムは、著しい高感硬調化と同時に未露
光部分での伝染現像による無数の円形のカブリ(砂カブ
リ;pepper fog)が発生し易く、著しく画像品質を損ね
るため写真製版工程上大きな問題となっている。
【0014】また、ヒドラジン誘導体を用い、超硬調の
写真特性を安定な現像液を用いて得る上記画像形成シス
テムでは、カチオン系増感色素によって高感、硬調化が
促進されることは当業界ではよく知られているが、一般
にカチオン系増感色素は処理後の残色汚染を悪化し、ま
た保存時、特に高温下で保存した場合に未露光部に砂カ
ブリが発生しやすいという問題があった。そのため分光
増感色素としてカチオン色素を用いて、砂カブリを改良
し且つ残色汚染を軽減することに多大な努力が払われて
きたが、未だ十分なものとは言えない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、前記諸要求を満足し、特に赤色領域に高い感度を有
し、かつ現像処理後の残色汚染が少ないすぐれた分光増
感色素を提供することである。本発明の第二の目的は、
安定な現像液を用いてγが10を越える極めて硬調で、
感度が高く、現像処理後の残色汚染の少ないハロゲン化
銀写真感光材料を提供することである。本発明の第三の
目的は、超硬調の写真特性を示し、しかも砂カブリの発
生が少ないハロゲン化銀写真感光材料を提供することで
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の目的は、
前記化1または化2で示される分光増感色素により達成
された。また本発明の第二、第三の目的は、支持体上に
少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、該
ハロゲン化銀乳剤層または他の親水性コロイド層にヒド
ラジン誘導体を含有するハロゲン化銀写真感光材料にお
いて、該ハロゲン化銀乳剤層中に前記化1または化2で
示される分光増感色素を少なくとも1種含有することを
特徴とするハロゲン化銀写真感光材料により達成され
た。
【0017】以下、本発明の増感色素について具体的に
説明する。式中Z1 〜Z9 は、それぞれ5または6員含
窒素複素環を形成するのに必要な原子群を表す。うちZ
1 、Z4 、Z5 で形成される含窒素複素環の具体例(便
宜上、原料三級塩基の名称で示す)としては、例えばオ
キサゾリン環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール
環、ナフトオキサゾール環、チアゾリン環、チアゾール
環、チアジン環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾー
ル環、ベンゾセレナゾール環、ナフトセレナゾール環、
キノリン環、ベンゾキノリン環、インドレニン環、ベン
ゾインドレニン環、ベンズイミダゾール環、ナフトイミ
ダゾール環等がある。さらにこれらの複素環の炭素原子
にはハロゲン原子(例えば、塩素、臭素原子など)、ア
ルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n
−ブチル、t−ブチル、nーアミル基など)、アルコキ
シ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ基
など)、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、シアノ
基、アルカンスルホニル基(例えば、メタンスルホニ
ル、エタンスルホニル基など)、スルファモイル基(例
えば、スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイ
ル、ピペリジノスルホニル、モルホリノスルホニル基な
ど)、アリール基(例えば、フェニル、メトキシフェニ
ル基など)などの置換基がついていても良い。これらの
中で好ましいものは、置換基を含めての炭素数が12個
以下のものである。またZ2 、Z3 、Z6〜Z9 によっ
て形成される含窒素複素環の具体例としては、例えばオ
キサゾリジン環、チアゾリジン環、イミダゾリジン環等
があり、これらの複素環の窒素置換基の例としてはアル
キル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−
プロピル、n−ブチル、nーアミル、β−ヒドロキシエ
チル、γ−ヒドロキシプロピル、β−アセトキシエチ
ル、γ−アセトキシプロピル、β−メトキシエチル、γ
−メトキシプロピル、カルボキシメチル、β−カルボキ
シエチル、γ−カルボキシプロピル、δ−カルボキシブ
チル、ω−カルボキシペンチル、メトキシカルボニルメ
チル、エトキシカルボニルメチル、β−メトキシカルボ
ニルエチル、γ−メトキシカルボニルプロピル、δ−メ
トキシカルボニルブチル、β−スルホエチル、γ−スル
ホプロピル、γ−スルホブチル、δ−スルホブチル、ベ
ンジル、フェネチル、p−カルボキシベンジル、p−ス
ルホフェネチル、アリル、プロパルギル基など)、アリ
ール基(例えば、フェニル、メトキシフェニル基な
ど)、複素環基(例えば、2−ピリジル、2−チアゾリ
ル、4−テトラヒドロピラニル基など)等がある。これ
らの中で好ましいものは、置換基を含めての炭素数が1
2個以下のものである。
【0018】R1 〜R5 は置換もしくは無置換のアルキ
ル基(例えばZ2 、Z3 、Z6 〜Z9 の窒素置換基の例
で述べたような)を表す。うち好ましいものは、炭素数
6個以下の置換もしくは無置換のアルキル基であり、特
にR2 、R5 については炭素数4個以下の低級アルキル
基であることが好ましい。L1 〜L3 は、それぞれ炭素
数1または3個単位の置換もしくは無置換のメチン基ユ
ニットを表す。それらの置換基の例としてはアルキル基
(例えばZ2 、Z3 、Z6 〜Z9 の窒素置換基の例で述
べたような)、アリール基(例えばZ2 、Z3 、Z6
9 の窒素置換基の例で述べたような)、アルコキシ基
(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ基な
ど)がある。X- はカウンターアニオン(例えば、塩
素、臭素、ヨウ素、過塩素酸、ベンゼンスルホン酸、p
−トルエンスルホン酸、メチル硫酸、エチル硫酸イオン
など)を表す。nは電荷を中和するのに必要な整数を表
す。
【0019】次に本発明で用いられる増感色素の具体例
を示す。但し、本発明に用いる増感色素がこれらに限定
されるものではない。
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】
【化15】
【0033】
【化16】
【0034】
【化17】
【0035】
【化18】
【0036】
【化19】
【0037】
【化20】
【0038】次に本発明の色素のうち、代表的な合成例
について述べる。
【0039】化3の合成 イソニペコチン酸エチル157g、トリエチルアミン1
50ml、テトラヒドロフラン750mlを混合し、氷
水浴冷却、撹拌下にメタンスルホニルクロリド85ml
を15分かけて滴下した。ついで冷浴を取り去り、室温
で30分間撹拌後、析出物を濾別し、濾液から溶媒を減
圧溜去した。ついで残査に、水酸化ナトリウム44g、
エタノール250ml、水500mlを加え、75分間
加熱還流を行った。冷却後、酢酸エチルにて洗浄(50
0ml×3回)し、残った水層に濃塩酸120mlを加
え、氷水浴冷却下、30分間撹拌した。ついで析出晶を
濾取し、冷水100mlで洗浄後乾燥した。このように
して得た粗結晶をアセトン600ml中に加え、5分間
加熱還流を行ってから熱時に不溶物を濾別し、濾液から
溶媒を減圧溜去後、乾燥して、イソニペコチン酸誘導
体:中間体A155gを得た。(融点158〜162
℃)
【0040】中間体A20.7gと塩化チオニル20m
lとを混合後、浴温50℃にて45分間撹拌し、ついで
過剰の塩化チオニルを減圧溜去した。このようにして得
た酸クロリドをテトラヒドロフラン20mlに溶解し、
氷水浴冷却、撹拌下に3−エチル−2−メチルベンゾチ
アゾリウム−p−トルエンスルホナート34.9g、ピ
リジン100mlの混合溶液中へ15分かけて滴下し
た。ついで温度を上昇させ浴温75℃で45分間撹拌を
行ってから溶媒を減圧溜去した。そして残査にメタノー
ル75mlと水25mlとを加え、析出した結晶を瀘取
し、メタノール、水、メタノールの順に洗浄後乾燥し
て、ケトン誘導体:中間体B24.2gを得た。(融点
202.5〜205℃)
【0041】中間体B18.3g、ローソン試薬11.
6g、ベンゼン250mlを混合し、2時間加熱還流を
行ってから熱時に析出晶を濾取した。ついでメタノー
ル、水、メタノールの順に洗浄後乾燥して、チオケトン
誘導体:中間体C17.2gを得た。(融点196℃〜
分解)
【0042】中間体C2.30g、硫酸ジメチル0.7
9g、スルホラン1mlを混合し、浴温90℃で30分
間加熱した。ついで3−エチルローダニン0.98g、
アセトニトリル15mlを加え、再び浴温90℃で加熱
して均一としてからトリエチルアミン3.3mlを加え
た。30分間反応後冷却し、析出した結晶を瀘取して、
メタノール、イソプロピルエーテルの順に洗浄後乾燥を
行い、メロシアニン色素:中間体D2.06gを得た。
(融点235℃〜分解、メタノール溶液の吸収極大値5
41nm)
【0043】中間体D0.76g、硫酸ジメチル0.3
8g、スルホラン1mlを混合し、浴温90℃で30分
間加熱した。ついで3−エチル−2−メチルベンゾチア
ゾリウム−p−トルエンスルホナート0.52g、アセ
トニトリル10mlを加え、再び浴温90℃で加熱して
トリエチルアミン1mlを加えた。30分間反応後冷却
し、析出した結晶を瀘取して、エタノール、イソプロピ
ルエーテルの順に洗浄した。このようにして得られた粗
色素結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒:クロロホルム/メタノール=8/1)にて精製し
て、0.34gの化3を得た。(融点251℃〜分解、
メタノール溶液の吸収極大値608nm)
【0044】化12の合成 中間体C2.87g、硫酸ジメチル0.95g、スルホ
ラン1.5mlを混合し、浴温90℃で30分間加熱し
た。ついでローダニン−3−酢酸1.43g、アセトニ
トリル15mlを加え、再び浴温90℃で加熱して均一
としてからトリエチルアミン3.1mlを加えた。30
分間反応後溶媒を減圧溜去し、残査に酢酸カリウムエタ
ノール溶液(1.47g/30ml)を加え、10分間
加熱還流を行ってから熱時に析出した結晶を瀘取し、エ
タノール、イソプロピルエーテルの順に洗浄後乾燥を行
い、メロシアニン色素:中間体E2.66gを得た。
(融点209℃〜分解、メタノール溶液の吸収極大値5
33nm)
【0045】中間体E0.87g、p−トルエンスルホ
ン酸メチル0.67g、m−クレゾール2.5mlを混
合し、浴温50℃で4時間加熱撹拌した。ついでローダ
ニン−3−酢酸0.29g、アセトニトリル15mlを
加え、再び加熱し浴温50℃、撹拌下にトリエチルアミ
ン0.6mlを加えた。30分間反応後溶媒を減圧溜去
し、残査にメタノール20ml、2N塩酸1mlを加え
室温にて30分間撹拌した。ついで析出した結晶を瀘取
し、メタノール、イソプロピルエーテルの順に洗浄し
た。このようにして得られた粗色素結晶をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メ
タノール=3/1)にて精製して、0.23gの化12
を得た。(融点219℃〜分解、メタノール溶液の吸収
極大値573nm)
【0046】本発明の前記化1、化2をハロゲン化銀乳
剤に使用するには、水溶性の場合は水と任意に混和可能
なメタノール、エタノール、アセトン、セロソルブ、ピ
リジン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド
等の有機溶媒の単独または混合溶媒の溶液としてハロゲ
ン化銀乳剤に添加することができる他、固体微粒子分散
体としてハロゲン化銀乳剤に分散添加することができ
る。これらの化合物をハロゲン化銀乳剤に添加する場合
は、その添加は乳剤製造工程中いかなる時期でもよい
が、一般には物理熟成から化学熟成終了後の塗布直前ま
でに行うのが好ましい。またその添加量は化合物の種
類、またはハロゲン化銀乳剤の種類等によって異なる
が、通常ハロゲン化銀1モル当たり5×10-6〜2×1
-1モルの範囲がよい。
【0047】また、本発明で用いる前記化1、化2で示
される色素は単独で用いてもよく、2種類以上併用して
もよい。また、本発明以外の増感色素と組み合わせて用
いてもよい。
【0048】本発明におけるハロゲン化銀乳剤層及び/
又は他の親水性コロイド層に含有されるヒドラジン誘導
体は下記一般式(2)で表されるものが好ましい。
【0049】
【化21】
【0050】一般式(2)中、A1 、A2 はともに水素
原子又は一方が水素原子で他方はスルホニル基、又はア
シル基を表し、R11は脂肪族基、芳香族基、又は複素環
基を表し、G1 はカルボニル基、スルホニル基、スルホ
キシ基、ホスホリル基、オキサリル基又はイミノメチレ
ン基を表し、R12は水素原子、脂肪族基、芳香族基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又は、一般式
(3)を表す。
【0051】
【化22】
【0052】一般式(3)中、Q+ はカチオン性の基を
含む基を表し、A- はアニオンを表すが、Q+ がスルホ
基を含む時は不要である。
【0053】次に一般式(2)及び(3)について詳し
く説明する。一般式(2)に於て、A1 、A2 は水素原
子、炭素数20以下のアルキルスルホニル基及びアリー
ルスルホニル基(好ましくはフェニルスルホニル基、又
はハメットのσp の和が−0.5以上となるように置換
されたフェニルスルホニル基)、炭素数20以下のアシ
ル基(好ましくはベンゾイル基、又はハメットのσp
和が−0.5以上となるように置換されたベンゾイル
基)、あるいは直鎖、分岐状又は環状の無置換及び置換
脂肪族アシル基(置換基としては例えば、ハロゲン原
子、エーテル基、スルホンアミド基、アミド基、ヒドロ
キシ基、カルボキシ基、スルホ基が挙げられる。)であ
り、A1 、A2 としては水素原子である場合が最も好ま
しい。R11で表される脂肪族基は直鎖、分岐又は環状の
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基である。R11
で表される芳香族基としては単環又は2環のアリール基
であり、例えば、フェニル基、ナフチル基が挙げられ
る。R11の複素環基としては、N、O、S原子のうち少
なくとも一つを含む3〜10員の飽和もしくは不飽和の
複素環であり、これらは単環であってもよいし、更に他
の芳香環もしくは複素環と縮合環を形成してもよい。複
素環として好ましくは、5ないし6員の芳香族複素環基
であり、例えば、ピリジル基、イミダゾリル基、キノリ
ニル基、ベンズイミダゾリル基、ピリミジル基、ピラゾ
リル基、イソキノリニル基、チアゾリル基、ベンズチア
ゾリル基を含むものが好ましい。
【0054】R11は置換基で置換されていてもよい。置
換基としては例えば以下のものが挙げられる。これらの
基は更に置換されていてもよい。例えば、アルキル基、
アラルキル基、アルコキシ基、アリール基、置換アミノ
基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド
基、ウレタン基、アリールオキシ基、スルファモイル
基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、スルホニル基、スルフィニル基、ヒドロキシ基、ハ
ロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、アン
モニウム基、ピリジニウム基、チウロニウム基、イソチ
オウレイド基などである。これらの基は可能な時は互い
に連結して環を形成してもよい。R11として好ましいの
は、芳香族基、更に好ましくはアリール基である。又、
11はその中にカプラー等の不動性写真用添加剤におい
て常用されているバラスト基が組み込まれているもので
も良い。バラスト基は8以上の炭素数を有する写真性に
対して比較的不活性な基であり、例えば、アルキル基、
アルコキシ基、フェニル基、アルキルフェニル基、フェ
ノキシ基、アルキルフェノキシ基等の中から選ぶことが
できる。一般式(3)におけるQ+ は、少なくとも1つ
の四級窒素原子を有するカチオン性の基を含む基であ
り、炭素数1〜4個の炭素原子を持つ直鎖または分岐炭
化水素鎖を通じてG1 に結合し、この鎖の一部又は全部
は四級窒素原子を持つ複素環の一部を構成していてもよ
い。Q+ の好ましい例としては、トリアルキルアンモニ
オアルキル基、ピリジニウム−1−イルアルキル基、1
−アルキルピリジニウム−2−イル基、1−アルキルピ
リジニウム−3−イル基、1−アルキルピリジニウム−
4−イル基、チアゾリニウム−3−イルアルキル基、オ
キサゾリニウム−3−イルアルキル基、1−アルキルイ
ミダゾリウム−3−イルアルキル基などが挙げられる。
これらの基は置換されていてもよく、置換基としてはR
11の置換基として挙げられたものが好ましい。更にこれ
らの基が環構造を形成する場合、他の環と縮環していて
もよい。A- はQ+ の対アニオンであり、好ましい例と
してはCl- 、Br- 、p−トルエンスルホナート、メ
チルスルホナートなどが挙げられるが、Q+ の置換基と
してスルホ基を持ち、分子内塩を形成する場合は存在し
ない。
【0055】G1 はカルボニル基、スルホニル基、スル
ホキシ基、ホスホリル基、オキサリル基又はイミノメチ
レン基を表し、G1 としてはカルボニル基、オキサリル
基が好ましい。R12で表される脂肪族基としては、好ま
しくは炭素数1〜5のアルキル基であり、芳香族基とし
ては単環又は2環のアリール基が好ましい(例えば、ベ
ンゼン環を含むもの)。G1 がカルボニル基の場合、R
12で表される基のうち好ましいものは、水素原子、アル
キル基(例えば、メチル基、トリフルオロメチル基、3
−ヒドロキシプロピル基、3−メタンスルホンアミドプ
ロピル基、フェニルスルホニルメチル基など)、アラル
キル基(例えば、2−ヒドロキシベンジル基など)、ア
リール基(例えば、フェニル基、3,5−ジクロロフェ
ニル基、2−メタンスルホンアミドフェニル基、4−メ
タンスルホンアミドフェニル基、2−ヒドロキシメチル
フェニル基など)、一般式(3)などであり、特に水素
原子、一般式(3)が好ましい。R12は置換されていて
もよく、置換基としては、R11に関して列挙した置換基
が適用できる。G1 がオキサリル基の場合、R12として
好ましいものは、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、
エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシエトキシ基な
ど)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、2−
ヒドロキシメチルフェノキシ基、4−クロロフェノキシ
基)、アミノ基(例えば、3−ヒドロキシプロピルアミ
ノ基、2,3−ジヒドロキシプロピルアミノ基、2−ジ
メチルアミノエチルアミノ基、3−ジエチルアミノプロ
ピルアミノ基など)、一般式(3)などであり、特にア
ミノ基が好ましい。R11、R12はその中にハロゲン化銀
粒子表面に対して吸着を強める基が組み込まれているも
のでも良い。かかる吸着基としては、チオ尿素基、複素
環チオアミド基、メルカプト複素環基、トリアゾール基
等の米国特許第4,355,105 号に記載された基が挙げられ
る。又、R12はG1 −R12の部分を残余分子から分裂さ
せ、−G1 −R12部分の原子を含む環式構造を生成させ
る環化反応を生起するようなものであってもよく、その
例としては例えば、特開昭63-29751号などに記載のもの
が挙げられる。一般式(2)で示される化合物の具体例
を以下に示すが、本発明は以下の化合物に限定されるも
のではない。
【0056】
【化23】
【0057】
【化24】
【0058】
【化25】
【0059】
【化26】
【0060】
【化27】
【0061】本発明のヒドラジン化合物は例えば、特開
昭61-213847 号、同62-178246 号、同62-180361 号、同
62-260153 号、同63-253357 号、米国特許第4,684,604
号、同第3,379,529 号、同第4,377,634 号、同第4,332,
878 号、同第4,937,160 号、特願昭63-98803号等に記載
されている方法を利用することにより合成できる。
【0062】本発明のヒドラジン化合物は適当な水混和
性有機溶媒、例えば、アルコール類(メタノール、エタ
ノール、プロパノール、弗素化アルコール)、ケトン類
(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、
メチルセルソルブ等に溶解して用いることができる。
又、既によく知られている乳化分散法によって、ジメチ
ルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリ
ルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオ
イル、酢酸エチルやシクロヘキサノン等の補助溶媒を用
いて溶解し、機械的に乳化分散物を作成して用いること
ができる。あるいは固体分散法として知られている方法
によって、ヒドラジン化合物の粉末を水の中にボールミ
ル、コロイドミル、あるいは超音波によって分散して用
いることもできる。
【0063】本発明の感光材料において上記のヒドラジ
ン誘導体は、ハロゲン化銀乳剤層に含有させるのが好ま
しいが、その他の親水性コロイド層に含有させてもよ
い。層中でのヒドラジン誘導体の含有量は、用いられる
ハロゲン化銀乳剤の特性、化合物の構造及び現像条件に
よって異なるので、適当な含有量は、広い範囲にわたっ
て変化しうるが、ハロゲン化銀乳剤中の銀1モル当たり
約10-6〜10-2モルの範囲が実際上有用であり、より
好ましくは、10-5〜10-2モルの範囲がよい。
【0064】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤には
特に限定はなく、塩臭化銀、塩沃臭化銀、沃臭化銀、臭
化銀などを用いることができるが、塩沃臭化銀または沃
臭化銀を用いる場合には、沃化銀の含有量は5モル%以
下であることが好ましい。
【0065】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形
態、晶癖、サイズ分布等には特に限定はないが、平均粒
子径0.7ミクロン以下のもの、とくに0.5ミクロン
以下のものが好ましく、且つ全粒子数の90%以上が平
均粒子径の±10%の範囲の粒子径を有するものが好ま
しい。ハロゲン化銀乳剤の調製方法は順混合、逆混合、
同時混合などの公知の方法のいずれであってもよい。
【0066】物理熟成を終えた乳剤は、脱塩した後に必
要な添加剤を加えて塗布されることが好ましいが、脱塩
処理は省略することもできる。
【0067】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
公知の方法によって化学熟成することができる。硫黄増
感剤としては、例えば、チオ硫酸塩、チオ尿素、アリル
イソチオシアネート、シスチン、ローダニンや、米国特
許第1,574,944号、同第2,278,947
号、同第2,410,689号、同第2,440,20
6号、同第3,187,458号、同第3,415,6
49号、同第3,501、313号等に記載されている
ような含硫黄化合物を用いることができる。また、硫黄
増感と共に米国特許第2,448,060号、同第2,
540,086号、同第2,556,245号、同第
2,566,263号に記載されている白金、パラジウ
ム、イリジウム、ロジウム、ルテニウムのような貴金属
の塩を用いる増感法を組み合わせて用いることができ
る。また、カリウムクロロオーレート、オーリッククロ
リド等の各種金の化合物やパラジウムクロリド等のパラ
ジウム化合物等による増感法を組み合わせて用いること
ができる。
【0068】本発明の感光材料には、感光性乳剤の他に
オーバーコート層や中間層、バックコート層、下塗り層
その他の親水性コロイド層を設置することができる。更
に、これらの層にはマット剤を含有せしめることもでき
る。
【0069】本発明の感光材料の乳剤層やオーバーコー
ト層、中間層、バックコート層等に用いることのできる
結合剤又は保護コロイドとしては、ゼラチンを用いるの
が有利であるが、それ以外の親水性コロイドも用いるこ
とができる。例えば、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の
高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等
の蛋白質、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、セルロース硫酸エステル類の如きセル
ロース誘導体、アルギン酸ソーダ、でんぷん誘導体など
の糖誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコ
ールの部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、
ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルイミダゾール等の単一あるいは共重合体
の如き多種の合成高分子物質を用いることができる。ゼ
ラチンとしては、石灰処理ゼラチンの他、酸処理ゼラチ
ンやBull.Soc.Sci.Phot.Japan,No.16,P30(1966) に記載
されたような酸処理ゼラチンを用いてもよく、また、ゼ
ラチンの加水分解物や酵素分解物も用いることができ
る。
【0070】本発明に用いられる写真乳剤には、例え
ば、メルカプトテトラゾール類、メルカプトトリアゾー
ル類、ベンゾトリアゾール類、ベンツイミダゾール類等
の公知の安定剤、カブリ防止剤やポリアルキレンオキサ
イド、チオエーテル化合物、四級アンモニウム塩化合物
等の各種の現像促進剤を含有することができる。更に硬
調化を促進する化合物としてアミン化合物、ヒドラジン
化合物、四級オニウム塩化合物及びカルビノール化合物
等を含有してもよく、これらの造核促進剤は米国特許第
4,975,354号,同第5,126,227号、特
開昭62−250439号、同63−124045号、
特開平2−97939号に記載されているものが挙げら
れる。
【0071】本発明の写真感光材料には、写真乳剤層そ
の他の親水性コロイド層に無機又は有機の硬膜剤を含有
してもよい。例えば、クロム塩(クロムミョウバン
等)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グリオキサー
ル等)、N−メチロール化合物、ジオキサン誘導体
(2,3−ジヒドロキシジオキサン等)、活性ビニル化
合物、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒ
ドロキシ−s−トリアジン等)などを単独又は組み合わ
せて用いることができる。
【0072】更に、本発明を用いて作られる感光材料の
写真乳剤層又は他の親水性コロイド層には、塗布助剤、
帯電防止、スベリ性改良、乳化分散、接着防止及び写真
特性改良(例えば、現像促進、硬調化、増感)など種々
の目的で界面活性剤を含んでもよい。例えば、サポニン
(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導体(ポリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキル
エーテル類等)、グリシドール誘導体(アルケニルコハ
ク酸ポリグリセリド等)、多価アルコールの脂肪酸エス
テル類、糖のアルキルエステル類などの非イオン性界面
活性剤、アルキルカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル
類、アルキルリン酸エステル類などの様なカルボキシ
基、スルホ基、ホスホ基、硫酸エステル基、リン酸エス
テル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸
類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸
又はリン酸エステル類などの両性界面活性剤、脂肪族あ
るいは芳香族第四級アンモニウム塩類、ピリジニウム、
イミダゾリウムなどの複素環第四級アンモニウム塩類な
どのカチオン界面活性剤を用いることができる。
【0073】本発明に用いる写真感光材料には、写真乳
剤層その他の親水性コロイド層に寸度安定性の改良など
の目的で、水不溶又は難溶性合成ポリマー分解物を含む
ことができる。例えば、アルキル(メタ)アクリレー
ト、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、
酢酸ビニル、アクリロニトリル、オレフィン、スチレン
などの単独もしくは組み合わせ又は、これらとアクリル
酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレート、スチレンスルホ
ン酸等の組み合わせを単量体成分とするポリマーを用い
ることができる。
【0074】本発明に用いる写真感光材料には、当業者
で知られているいかなる支持体をも用いることができ
る。支持体としては、ガラス、酢酸セルロースフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、紙、バライ
タ塗布紙、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等)ラミネート紙、ポリスチレンフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、アルミ等の金属板等が
挙げられる。これらの支持体は公知の方法でコロナ処理
されてもよく、また必要に応じて公知の方法で下引き加
工されてもよい。
【0075】本発明のハロゲン化銀感光材料を用いて超
硬調の写真特性を得るには、従来のリス現像液や米国特
許第2,419,975号明細書に記載されたpH13
に近い高pH現像液を用いる必要はなく、安定な現像液
を用いることができる。即ち、本発明のハロゲン化銀写
真感光材料は、保恒剤としての亜硫酸イオンを充分に
(特に0.15モル/l以上)含む現像液を用いること
ができ、又,pH9.5以上、特に10.5〜12.3
の現像液によって充分に超硬調のネガ画像を得ることが
できる。現像主薬には特別な制限はなく、ジヒドロキシ
ベンゼン類、3−ピラゾリドン類、アミノフェノール類
などを単独あるいは組み合わせて用いることができる。
現像液にはその他、アルカリ金属の亜硫酸塩、炭酸塩、
ホウ酸塩、及びリン酸塩の如きpH緩衝剤、臭化物、ヨ
ウ化物、及び有機カブリ防止剤(特に好ましくは、ニト
ロインダゾール類又はベンゾトリアゾール類)の如き現
像抑制剤ないし、カブリ防止剤などを含むことができ
る。又、必要に応じて、硬水軟化剤、溶解助剤、色調
剤、現像促進剤、界面活性剤、消泡剤、硬膜剤、フィル
ムの銀汚れ防止剤(例えば、2−メルカプトベンツイミ
ダゾール−5−スルホン酸類)などを含んでもよい。こ
れらの添加剤の具体例は、リサーチディスクロージャー
176号の17643項などに記載されている。
【0076】本発明では、感光材料中に現像主薬を内蔵
させて、アルカリ性のアクチベーター溶液で処理する方
式を採用してもよい。(特開昭57−129433号、
同57−129434号、同57−129435号、5
7−129436号、米国特許第4,323,643号
などを参照)。処理温度は通常18℃から50℃の間で
選ばれるが18℃より低い温度又は50℃を越える温度
としてもよい。
【0077】写真処理には自動現像機を用いるのが好ま
しい。本発明では感光材料を自動現像機に入れてから出
てくるまでの時間を60〜120秒に設定しても充分に
超硬調のネガ階調の写真特性が得られる。
【0078】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明がこれらに限定されるものではない。
【0079】実施例1 慣用のハロゲン化銀写真乳剤の製法によって調製された
塩化銀乳剤に本発明の増感色素と比較の増感色素化28
〜化33の0.75mmol/lDMF溶液1.2ml
/gAgを添加した。これらの乳剤を40℃の浴で45
分間経時して分光増感作用を安定化させた。その後、安
定剤、界面活性剤、硬膜剤の所定量を添加してから、ポ
リエチレンをラミネートした紙支持体上に塗布、乾燥
し、35℃で一夜経時した。次いで適当な大きさに裁断
し、試験サンプルとした。このようにして得た各サンプ
ルをISO法に基づきウエッジ露光し、Dー72現像液
(米国イーストマンコダック社現像液処方)を用い、2
0℃で90秒間現像し、停止、定着をさせ、さらに水洗
を行い、乾燥後所定の黒白像をもつストリップスを得
た。これを米国マクベス・コーポレーション社製MAC
HBETHーTD504濃度計を用い濃度測定して、感
度、カブリおよび残色を評価した。感度を決定した光学
濃度の基準点は[カブリ+0.70]の点であった。白
光感度は増感色素を投与していない未添加サンプルの感
度を100とし、また赤感度はイーストマンコダック社
製ラッテンゼラチンフィルターNo.29を用いて求
め、表1については比較の増感色素化30の感度値を1
00とした時の相対値で、表2については比較の増感色
素化33の感度値を100とした時の相対値でそれぞれ
示した。残色性は未露光部分の色相を視覚的に評価し
た。「5」が最もよく、「1」が最も悪い品質を表す。
その結果を表1、表2に示す。
【0080】
【化28】
【0081】
【化29】
【0082】
【化30】
【0083】
【化31】
【0084】
【化32】
【0085】
【化33】
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】表1、表2より明らかなように、本発明の
増感色素は比較用増感色素に比べ、処理後の残色が少な
く、また感度、カブリとのバランスという点から見ても
優位性を示すことがわかる。
【0089】実施例2 水600ml中に塩化ナトリウム5g、ゼラチン40g
を含む水溶液に40℃でpAg8.5にコントロールし
たダブルジェット法で硝酸銀水溶液と、水溶性イリジウ
ム塩(銀1モルに対し3.25×10-6モル)と水溶性
ロジウム塩(銀1モルに対し1.8×10-7モル)を含
むハロゲン溶液を混合して平均粒子径0.25ミクロン
の塩臭化銀乳剤(臭化銀30モル%)を調製し、銀1モ
ルに対し0.2モル%となるようヨウ化カリウム水溶液
を添加した後、沈殿、水洗、再溶解した。この乳剤を常
法により金硫黄増感した後、1−フェニル−5−メルカ
プトテトラゾール、フェノキシポリエチレングリコール
系の界面活性剤を添加して分割した後、例示の化1、化
2の増感色素を添加して、一般式(2)のヒドラジン化
合物H−3を2×10-4モル/モルAgと下記A−1の
造核促進剤2×10-2g/m2 をそれぞれ添加して仕上
がり乳剤とした。こうして得られた乳剤をポリエチレン
テレフタレートフィルム上に硝酸銀で5.1g/m2
ゼラチンが3.0g/m2 になるように塗布した。この
上に保護層として、ゼラチン1.0g/m2 、フェノキ
シポリエチレングリコール系の界面活性剤、マット剤、
硬膜剤を加え塗布し表3に示す試料を作成した。又、増
感色素の比較として下記化35、化36を同様に塗布し
て比較試料とした。
【0090】造核促進剤
【化34】
【0091】比較増感色素
【化35】
【0092】
【化36】
【0093】
【表3】
【0094】このようにして得られた試料を633nm
の干渉フィルターを通して10-4秒間のセンシトメトリ
ー露光を施した後、下記組成の現像液で現像(35℃、
20秒)し、停止、定着、水洗した。これらの相対写真
感度、コントラスト、砂カブリ及び残色を評価した。コ
ントラストは特性曲線の直線部の傾き(光学濃度1.0
〜3.5のtanθ)を表す。砂カブリは、眼視判定に
より1を極めて不良、5を砂カブリが殆ど認められない
良好な状態とした5段階に評価した。5、4が実用可能
で3は粗悪だが、ぎりぎり実用でき、2、1は実用不可
である。残色の評価は未露光の試料を同様の処理をした
試料の残色による白色光の吸光濃度を測定した。濃度値
が0.08を上回る試料は強い残色が見られ一般製版用
感光材料としては大きな欠点とされるレベルである。得
られた結果は、表4に示した。
【0095】 〈現像液(濃縮物)〉 ハイドロキノン 65.0g 4-ヒト゛ロキシメチル-4-メチル-1-フェニル-3-ヒ゜ラソ゛リト゛ン 2.9g ピロ亜硫酸ナトリウム 145.0g ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩 6.0g ホウ酸 6.9g 臭化ナトリウム 12.0g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.05g 水酸化ナトリウム 23.0g ベンゾトリアゾール 0.4g 水酸化カリウム 80.0g 炭酸カリウム 80.0g ジエチレングリコール 120.0g 水を加えて 1リットル 上記濃縮物を水4部に対して1部の割合で希釈してpH10.5の現像液と した。
【0096】
【表4】
【0097】表4の結果より、本発明の写真感光材料は
比較例の写真感光材料に比べて、高感度で硬調な画像が
得られ、なおかつ砂カブリの発生と現像処理後の残色も
少なく良好な特性が得られていることがわかる。
【0098】
【発明の効果】本発明の増感色素を用いることにより、
色素汚染による残色が少なくかつ高感度のハロゲン化銀
写真感光材料を得ることができる。また、赤色光源に対
して最適の分光感度を有し、低いpHで安定な現像を用
いて超硬調で、感度が高く、砂カブリの発生が少なく、
かつ現像処理後の残色汚染が少ないハロゲン化銀写真感
光材料を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1または化2で示される写真用分
    光増感色素。 【化1】 【化2】 [式中Z1 〜Z9 は、それぞれ5または6員含窒素複素
    環を形成するのに必要な原子群を表す。R1 〜R5 は置
    換もしくは無置換のアルキル基を表す。L1 〜L3 は、
    それぞれ炭素数1または3個単位の置換もしくは無置換
    のメチン基ユニットを表す。X- はカウンターアニオン
    を表す。nは電荷を中和するのに必要な整数を表す。]
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有し、該ハロゲン化銀乳剤層または他
    の親水性コロイド層にヒドラジン誘導体を含有するハロ
    ゲン化銀写真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層
    中に請求項1記載の化1または化2で示される分光増感
    色素を少なくとも1種含有することを特徴とするハロゲ
    ン化銀写真感光材料。
JP7182342A 1995-05-26 1995-07-19 写真用分光増感色素及びそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料 Pending JPH0950089A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1069467A1 (en) * 1999-07-16 2001-01-17 Konica Corporation Photographic spectral sensitizing dye, silver halide light sensitive photographic material and image forming method using said material

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