JPH09500295A - 防水性靴と中敷細片 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 選択された熱可塑性ポリマーでコーティングされた剛性のある繊維材料ガスケットシートを含んでなる防水性靴のガスケット中敷片。この中敷ガスケットは内底と本底の間に配置される。その剛性があるが柔軟な性質のため、釣り込み作業の間に適用が容易である。

Description

【発明の詳細な説明】 防水性靴と中敷細片 発明の利用分野 本発明は、防水性の靴とブーツ、及び新規で有用な中敷ガスケット片に関する 。 発明の背景 防水性で透湿性の甲が使用される靴の構造において、その組み合わせを中敷に 張り付けることは都合がよい。しかし、構造とコストの検討より、靴の底を横切 って甲とライナーを形成することは実行可能ではない。したがって、中敷ガスケ ットと称されることが多い中敷補助材が、その組み合わせによって覆われていな い領域を橋渡し、中敷と本底の間の防水性緩衝材を提供するために使用される。 しかしながら、開口部を横切って結合させることは困難である。多くのガスケッ ト材料は結合の際に皺が寄りやすい。その他のものは過度に柔軟で従順である。 多くの場合、接着剤が施されることを必要とし、このため別々な工程を生じさせ る。これらの要求に加え、中敷ガスケットは防水性であることが必要とされる。 柔軟性であるが剛性もあり、このため皺が寄らず又は形が崩れることなく適所 に容易に配置されることができ、強いけれど軽く、個別に接着剤が施される必要 がないように自己接着性であり、このため溶媒の使用と溶媒除去手段を不要にす る、防水性の中敷ガスケットを有することは望ましいであろう。 発明の要旨 本発明において、これらの基準に合った中敷ガスケット片が見出されている。 本発明の中敷片は、熱可塑性プラスチックで連続的にコーティングされた剛性が あり且つ柔軟性のある不織布ポリエステルの片を含む。 即ち、本発明の靴は、次の構成成分を含んでなる。 ａ）足の下に部分的に延長するに適する防水性の甲、 ｂ）その下側で甲のその部分的延長部に張り付けられた内底、 ｃ）他方の側の甲に張り付けられた本底 ｄ）内底と本底の間に配置され、甲によって覆われない足の裏の箇所を覆うよ うに構成・配置された中敷ガスケット材料であって、防水的関係でその甲に接合 された中敷ガスケット材料、 ｅ）前記中敷ガスケット材料は、有機系熱可塑性ポリマーの連続層でコーティ ングされた繊維材料を含み、防水性で柔軟性で心地よく且つ剛性がある。 「剛性がある」とは、そのガスケット材料が曲がることができるが力を与えて いるときだけであることを意味する。 繊維材料は、好ましくは発泡布地又は不織布のいずれかである。繊維材料は、 好ましくは重さが２．５オンス／平方ヤードより大きく、好ましくは５．０オン ス／平方ヤードより小さく、フィラメントあたり２．０〜５．０デニールの繊維 を有するポリエステル不織布であり、このポリエステル不織布は、ＦＴＭ５２０ ６、ＦｅｄＳＴＤ−１９１Ａ、４節にしたがって５インチより大きいカンチレバ ー長を有する。 好ましくは有機系熱可塑性ポリマーは４５℃〜７５℃、好ましくは５５℃〜６ ５℃の融点を有する。有機系熱可塑性ポリマーは、好ましくは約３００００より 高い分子量のポリカプロラクトン、又は約２０００より高い分子量のポリカプロ ラクトンジオール単位を有 するポリウレタンである。１つの有用なポリウレタンは、4,4'- ジフェニルメチ レンジイソシアネート、前記ポリカプロラクタンジオール、及び1,4-ブタンジオ ールの単位から調製される。 熱可塑性プラスチックのコーティングは、好ましくはポリカプロラクトンのコ ーティングである。 図面の簡単な説明 図１は靴の透視図である。 図２は、図１の断面２−２を見た靴の破断図である。 図３は、靴が足型上で作成されているときの線２−２にそった破断図である。 図４は図３と同様な図であるが、足型作業におけるその後の工程を描いている 。 図５は、中敷、中敷ガスケット、及び甲が接合している靴の種々の部分的構造 ａ、ｂ、ｃ、ｄ、及びｅを示す。 発明の詳細な説明 図１は、甲部分10と上部開口部11と本底12を有する靴構造１を示す。図２に関 し、甲部分10、内底13、本底12、及び中敷ガスケット片14が示されている。 甲は防水性構造に作成されている。これは通常軟らかい布帛裏地を有する革又 は帆布でよく、又は１つの層が防水性で透湿性の膜であるラミネートでよい。 「透湿性」は、膜が水蒸気の通過を許容することを意味する。膜は通常、例え ば編物又は織物材料の布帛のような保護材料に１面又は両面をラミネートされる 。防水性で透湿性の膜は任意の公知の材料から作成されることができ、例えばポ リテトラフルオロエチレン （ＰＴＦＥ）のシートが伸長されてフィブリルによって相互に接続されたノード を含む微細構造を形成した多孔質延伸膨張ＰＴＦＥ膜であるＧＯＲＥ−ＴＥＸ（ 商標）、米国特許第４４９３８７０号明細書に開示のポリエステルであるＳｙｍ ｐａｔｅｘ（商標）フィルム等がある。 単一の材料から作成された又はラミネートから作成された甲10は、内底板13が 張り付けられる一般に足型として知られる型20の周りに引っ張られる。この内底 は、図３に示されるように、甲のフランジ部21の上面にその底面が結合される。 次いで図４に示されるように、中敷ガスケット片14が施され、５０〜６５℃に加 熱することによって接着される。次いで本底22が施され、靴が完成する。 本発明の独創的特徴は中敷ガスケット片20である。これはポリカプロラクトン 接着剤で均一にコーティングされ、剛性があり皺にならない防水性中敷ガスケッ ト片を形成したポリエステル不織布の片からなる。剛性があり皺にならない片を 形成するため、ポリエステルは１平方ヤードあたり少なくとも２．５オンスの重 さであるべきで、好ましくはＲｅｅｍａｙ（商標）ポリエステルのようなスパン ポンドされたポリエステルから作成される。同様な理由により、ポリカプロラク トンは約５５℃〜６５℃の融点を有するべきであり、熱的に活性化されたときに 高度に粘稠で粘着性であるべきである。 中敷ガスケット片は、例えばＳｏｌｖａｙ Ｉｎｔｅｒｏｘ社から入手のＣａ ｐａ６５０のようなポリカプロラクトンを、例えばＦｉｓｃｈｅｒ Ｔｅｘｔｉ ｌｅｓ Ｒｅｅｍａｙ２０３３ポリエステルのような不織布Ｒｅｅｍａｙポリエ ステルの上に引き延ばし、厚さ０．０１５〜０．０３０インチの片を作成するこ とによって調製されることができる。先の文に開示の中敷ガスケット片を使用し て靴を作成する１つの態様において、２枚の編物層の間に結合され た延伸膨張多孔質ＰＴＦＥ膜で作成された防水性ライナーが革にラミネートされ 、２つの半片を縫い合わせ、その縫い目を防水性縫い目用テープで被覆すること によって靴の甲に形成された。この甲は足型の上に置かれ、通常の釣り込み方で 内底が施された。次いで熱可塑性プラスチックコーティングを有する中敷ガスケ ット片が、５０〜６５℃に加熱することによって内底に隣接して施された。中敷 ガスケット片は内底に順応した。次いで本底が通常の手段で施された。 この新規なガスケットの利点は多数ある。これは粘着と冷間状態の両方で自立 構成物であり、即ち剛性がありカールせず、取扱いと施工が容易である。予め施 した接着剤を含み、したがって釣り込み作業の間に溶媒が存在しない。良好に順 応し、高強度であるが、軽量である。 中敷ガスケットが防水仕上で甲に及び内底に対して固定される仕方は甲の構造 に依存するであろう。 例えば種々の構造が図５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄ、及び５ｅに示されている。こ れらの図において、甲10は、防水性で透湿性の膜30と布帛又は革の保護カバー31 のラミネートである。内底は13であり、中敷ガスケットは14である。甲の構成に かかわらず中敷ガスケットは常に甲の膜に隣接して配置され、連続的防水性シー ルを提供していることが分かる。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年５月２２日 【補正内容】 請求の範囲 １．(a) 内底の下に部分的に延長する防水性の甲、 (b) 下面と上面を有し、その下面が内底の下に部分的に延長する甲の部分に張 り付けられた内底、 (c) 防水性甲に張り付けられた本底、及び (d) 内底と本底の間に配置され、甲によって覆われない内底の下の領域に接触 する中敷ガスケット、を含む靴において、 中敷ガスケットは、２．５オンス／平方ヤード以上の重さを有し、２〜５デニ ールの繊維からなり、ＦＴＭ５２０６，Ｆｅｄ．ＳＴＤ−１９１Ａ、４節による 測定で５インチより大きいカンチレバー長を有する防水性で柔軟で剛性のある不 織布ポリエステルから本質的になり、前記不織布ポリエステルは、１つの面が約 ５５℃〜６５℃の融点と３００００より高い分子量を有するポリカプロラクトン でコーティングされたことにおいて改良された靴。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ａ）足の下に部分的に延長するに適する防水性の甲、 ｂ）その下側で甲のその部分的延長部に張り付けられた内底、 ｃ）他方の側の甲に張り付けられた本底、 ｄ）内底と本底の間に配置され、甲によって覆われない足の裏の箇所を覆うよ うに構成・配置された中敷ガスケット材料(13)であって、防水的関係でその甲に 接合された中敷ガスケット材料、 ｅ）前記中敷ガスケット材料は、有機系熱可塑性ポリマーの連続層でコーティ ングされた繊維材料を含み、防水性で柔軟性で心地よく且つ剛性がある、 を有する靴。 ２．熱可塑性ポリマーがポリカプロラクトンである請求の範囲第１項に記載の 靴。 ３．熱可塑性ポリマーが、ポリカプロラクトンの単位を有するポリウレタンで ある請求の範囲第１項に記載の靴。 ４．繊維材料が、２〜５デニールの繊維を有する２．５オンス／平方ヤードよ り大きい重さのポリエステル不織布である請求の範囲第１、２、又は３項に記載 の靴。 ５．熱可塑性ポリマーが４５℃〜７５℃の融点を有する請求の範囲第１項に記 載の靴。 ６．ポリカプロラクトンが、５５℃〜６５℃の融点と３００００より高い分子 量を有する請求の範囲第２項に記載の靴。 ７．ポリウレタンが、２０００より高い分子量で存在するポリカプロラクトン 単位を有し、４５℃〜７５℃の融点を有する請求の範囲第３項に記載の靴。 ８．ポリカプロラクトンでコーティングされた柔軟で防水性で剛 性のある不織布ポリエステルを含んでなり、足裏板の形状に成形された靴中敷片 。 ９．繊維材料が、２〜５デニールの繊維を有する２．５オンス／平方ヤードよ り大きい重さのポリエステル不織布であり、熱可塑性ポリマーが、４５℃〜７５ ℃の融点を有し、ポリカプロラクトンとポリカプロラクトン単位を有するポリウ レタンから選択された請求の範囲第８項に記載の靴中敷片。