JPH0949897A - 炉内機器の照射損傷検出と補修の方法及びその装置 - Google Patents

炉内機器の照射損傷検出と補修の方法及びその装置

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JPH0949897A
JPH0949897A JP7200725A JP20072595A JPH0949897A JP H0949897 A JPH0949897 A JP H0949897A JP 7200725 A JP7200725 A JP 7200725A JP 20072595 A JP20072595 A JP 20072595A JP H0949897 A JPH0949897 A JP H0949897A
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equipment
damage
magnetic
irradiation damage
repair
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JP7200725A
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English (en)
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Masahiro Otaka
正廣 大高
Tadashi Morinaka
廉 守中
Takahiko Kato
隆彦 加藤
Kunio Enomoto
邦夫 榎本
Makoto Hayashi
眞琴 林
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 原子力プラントの炉内機器材料の中性子照射
による損傷度を把握し、その回復処理を行う。 【構成】 原子力プラントのステンレス鋼製炉内機器の
の中性子照射損傷を、材料の磁気特性を介して検出・評
価し、予防保全施工が必要と判定された機器の当該損傷
部位を局部的に劣化改善温度にまで速やかに昇温させた
後に降温する昇降温熱処理を施し、熱処理対象部位をす
こしづつ変えながら、当該劣化部位全体の熱処理を実施
し、しかる後に、再度、磁気特性を介して材料の強度特
性を測定し、損傷改善(損傷回復度)を確認する。回復
度を測定するにあたって、熱処理によって誘起されるお
それのある材料の熱鋭敏化についても評価する。 【効果】 中性子照射による材料の損傷、劣化の検出及
び回復処理を、損傷、劣化が回復不能になる前に実施で
き、原子力プラントの中性子照射による材料劣化に基づ
く事故を未然に防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は運転を開始した原子力プ
ラントの炉内機器、特に、ステンレス鋼炉内機器の中性
子照射による材料損傷の検出及び補修改善の方法及び装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力プラントの炉内機器、特に、ステ
ンレス鋼炉内機器の中性子照射による材料損傷の検出に
関する従来技術としては、特開昭57−179746号
公報に記載のプラント機器材料の疲労度の監視装置の例
がある。この装置は、超音波探傷子と音速計測器で構成
され、機器の超音波の音速変化を測定し、き裂発生以前
の段階で非破壊的に異常を検出するものである。
【0003】また、炉内機器材料の照射脆化について
は、サーベランス試験片での評価が法令で規定されてい
る。サーベランス試験片は、機器と同じ材料、使用環境
で保管されたものであり、サーベランス試験片の材料特
性変化から供用中の機器の状態を推定するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭57−179746号公報に記載の従来技術は、超
音波の音速変化から機器の損傷を推定しているのみであ
り、また、参照(サーベランス)試験片を用いる方法
は、参照試験片から間接的に機器材料の材質劣化等を推
定するだけであって、損傷を受けた材料の回復処理の方
法、回復処理結果の評価の方法及びこれらの方法を実施
する装置までには触れられていない。
【0005】本発明の第1の目的は、原子力プラントの
機器材料の損傷度を直接的に把握することであり、第2
の目的は損傷を回復することであり、第3の目的は回復
処理結果を評価することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、ステ
ンレス鋼の照射損傷と磁気特性の相関関係を示す第1の
データベースを予め準備し、被検材の残留磁気、保磁力
等の磁気特性を計測し、得られた磁気特性データと前記
第1のデータベースを参照して当該被検材の材料強度デ
ータを演算出力することにより、達成される。
【0007】上記第2の目的は、得られた被検材の材料
強度データと予め設定された基準値に基づいて補修施工
の要否を判定し、補修が必要な炉内機器表面に熱処理を
行うことにより、達成される。
【0008】上記第3の目的は、ステンレス鋼の照射材
の熱処理特性、強度特性と磁気特性との相関関係を示す
第2のデータベースを予め準備し、熱処理終了後の被検
材の残留磁気、保磁力等の磁気特性を計測し、得られた
被検材の磁気特性データを入力とし前記第2のデータベ
ースを参照して照射損傷の回復度を演算出力することに
より、達成される。
【0009】原子力プラントの炉内機器材料では中性子
照射による照射脆化、及び鋭敏化等の損傷が生じること
から、実測により損傷程度を磁気的手法により確認し、
予防保全処置が必要か否かを判断し、必要な場合には、
当該炉内機器材料に熱処理を施し、その後照射損傷の改
善を確認して予防保全効果を確実にする。
【0010】炉内機器の照射損傷を据付け状態のまま改
善するための装置としては、炉内で局部的な熱処理施工
可能な熱処理施工装置と、この熱処理施工装置を熱処理
対象面に沿って移動させる駆動装置を用いることができ
る。
【0011】炉内機器材料の照射損傷の回復するために
熱処理を行った場合、熱処理により材料の鋭敏化を招く
場合があるから、熱処理による損傷の回復度を評価する
とともに、熱鋭敏化の程度を評価する手段を備えるのが
望ましい。
【0012】炉内機器材料の微小サンプルを採取する手
段と、この微小サンプルの劣化度を判定するための磁気
特性を計測する磁気特性測定装置と、及び測定した磁気
特性に基づいてから材料劣化度あるいは回復度を判定す
る演算手段と、を用いるようにしてもよい。
【0013】
【作用】ステンレス鋼の照射損傷と磁気特性の相関関係
を示す第1のデータベースを予め準備し、炉内機器材料
の残留磁気、保磁力等の磁気特性を計測し、得られた磁
気特性データと前記第1のデータベースに基づいて当該
炉内機器材料の材料強度データを算出する手法により、
照射損傷部の同定が可能となると同時に、損傷程度の評
価が可能となる。また、損傷程度の評価結果に基づい
て、必要な部位にのみ予防保全施工が行われ、施工が効
率化されるとともに材料の信頼性が確保される。特に、
熱処理による中性子照射損傷の回復は、補修や取替えに
比較して施工時間の短縮、作業員の被爆低減の作用があ
る。さらに、局部熱処理を漸進して行うことは、大型熱
処理装置が不要で、しかも、広い面積の熱処理が可能と
なる。熱処理後の回復度の検査は、熱処理施工の確実性
と機器の安全性確保に有効である。
【0014】炉内機器材料においては、中性子照射によ
る転位密度の増加及び照射欠陥クラスタの増大により、
照射誘起変態が生ずる。このため、照射損傷と磁気特性
には密な相関が得られ、磁気的に照射損傷を検出でき、
損傷部位を同定できる。
【0015】照射損傷は、中性子照射による転位密度の
増加及び照射欠陥クラスタの増大を、熱処理により減少
させることで回復される。予め損傷の位置を同定してい
るため、ヒータ等(誘導加熱を含む)で損傷部位を確実
に熱処理できる。
【0016】中性子照射による機器材料の損傷(劣化)
を当該材料の磁気特性から推定する方法では、予め準備
された材料損傷の程度と磁気特性の相関関係を示すデー
タベースを参照することにより、照射損傷の程度を高精
度に評価でき、熱処理による改善施工の要否、あるい
は、熱処理後の劣化の回復度の評価と再度の熱処理によ
る改善の要否を判定できる。
【0017】炉内機器側で材料の微小サンプルを採取し
ても問題ない場合、放電加工や機械研削等の微小サンプ
ルを採取する手段により炉内機器の特定部位の試料を採
取・回収し、回収した微小サンプルの磁気特性を磁気測
定装置で測定することにより、磁気特性の測定精度を高
めることができる。磁気測定装置は。回収した試料群の
磁気特性を計測する。演算手段は、計測された磁気特性
を入力とし、予め準備しておいた材料強度データと計測
値の相関関係を示すデータベースを参照して、機器の材
料劣化度あるいは回復度を判定する。
【0018】磁気センサが炉内機器の特定部位の磁気特
性を直接検出する場合、機器にサンプリング等でダメー
ジを与えることがなく、また、検査後の補修溶接や研磨
等の後処理が不要である。
【0019】
【実施例】以下、実施例を参照して本発明の実施例を説
明する。図1は、本発明の実施例を示すフローチャート
であり、原子力プラントの炉内機器において、中性子照
射による損傷の検出・評価、及びその回復処理を以下の
3つのステップで実施するものである。
【0020】−ステップ1− 予め、炉内機器材料の磁気特性と材料強度との相関関係
を示す第1のデータベースを準備しておく。原子力プラ
ントの炉内機器材料の中性子照射に伴う磁気特性(残留
磁気、保磁力等)を計測し、測定した磁気特性データを
入力とし前記第1のデータベースを参照して材料強度デ
ータに演算(換算)処理し、中性子照射による強度の低
下を推定する。推定結果に基づいて、炉内機器材料の損
傷度を求める。得られた損傷度を予め設定された基準値
と比較し、基準値より小さい場合には作業を終了する。
基準値は中性子照射を受ける前の当該材料の強度及び必
要とされる強度に基づいて予め設定され、データベース
に格納される。
【0021】一方、損傷度が基準値より大きい場合に
は、次にステップ2が実施される。
【0022】−ステップ2− ステップ1の評価で損傷度が基準値より大きいと判定さ
れた場合に実施される。炉内機器の形状や寸法及び損傷
状態に基づいて回復処理施工の要否が判定される。施工
が不要と判定された場合は、作業を終了する。
【0023】一方、回復処理の施工が必要と判定された
場合は、熱処理、材質改善処理等による機器材料の回復
処理が実施される。回復処理後、必要に応じて次のステ
ップ3が実施される。
【0024】−ステップ3− ステップ2の炉内機器材料の照射損傷の回復処理施工後
における回復状態を評価するため、ステップ1と同様の
検査工程が実施される。但し、ステンレス鋼の中性子照
射材の熱処理特性、強度特性と磁気特性の相関関係を示
す第2のデータベースが予め準備される。すなわち、熱
処理等の回復処理が実施された部位の磁気特性(残留磁
気、保磁力等)が計測され、計測された磁気特性データ
を入力とし、前記予め準備されたステンレス鋼の中性子
照射材の熱処理特性、強度特性と磁気特性の相関関係を
示す第2のデータベースを参照して照射損傷の回復度が
求められる。求められた回復度が予め設定されている回
復基準値に比較され、この結果、回復度が回復基準値よ
り大であれば作業を終了する。
【0025】回復度果が回復基準値より小であれば、さ
らに、回復処理を実施するステップ2に戻る。
【0026】図1に示す作業のフローを実施することに
より、中性子照射を受けた機器材料の損傷を評価、改善
できる。
【0027】図1に示す作業のフローを実施する装置構
成の例を図2から図5に示す。
【0028】図2に、ステップ1を実施する照射損傷検
出装置の基本装置構成の例を示す。図示の装置は、炉内
構造物1の中性子照射による磁気特性の変化を計測する
ための磁気センサ700と、磁気センサ700を炉内機
器1の表面に固定する走査装置710と、走査装置71
0を介して磁気センサ700の位置を制御する制御装置
720と、磁気センサ700で測定されたデータを処理
する強度評価装置73と、強度評価装置73に接続され
た第1のデータベース740と、を含んで構成されてい
る。強度評価装置730は、磁気センサ700で測定さ
れた磁気特性データを入力とし、データベース740に
収納されているステンレス鋼の照射損傷と磁気特性の相
関を関係付けるデータを用いて材料強度データを演算
し、損傷度の評価を実施する。
【0029】なお、磁気センサ700には放射線下で使
用可能なSQUIDセンサを使用したが、渦電流プロー
ブを使用してもよい。図2に示す装置はまた、データベ
ース740にステンレス鋼照射材の熱処理特性、強度特
性と磁気特性との相関を関係付けるデータを予め収納し
ておくことにより、ステップ3を実施する結果評価装置
の基本構成としても運用できる。
【0030】図3に、ステップ2を実施する補修装置の
基本装置構成の例を示す。図示の装置は、ステップ1の
評価結果をもとに回復処理施工の要否を判定する判定装
置830と、判定装置830の指示に基づいて熱処理に
よる照射材の損傷回復の施工を行う熱処理施工装置であ
る加熱装置800と、加熱装置800を炉内機器の熱処
理対象位置に移動させる駆動装置810と、加熱装置8
00及び駆動装置810を制御する制御装置820と、
を含んで構成される。
【0031】判定装置830で回復処理施工が必要と判
定された炉内機器1の場所に、駆動装置810で加熱装
置800が配置され、所定の条件で回復処理が実施され
る。回復処理施工条件等の情報は、判定装置830から
制御装置820に伝送され、制御装置820が、駆動装
置810及び加熱装置800を制御して処理を行う。
【0032】図4及び5は、炉内構造物から微小試料が
サンプリングできる場合の照射損傷検出装置の基本装置
構成の例である。図4は、炉内からのサンプリングシス
テムの例を、図5はサンプリング試料での損傷評価シス
テムの例を、それぞれ示す。サンプリングシステム及び
サンプリング試料での損傷評価システムを組み合わせて
照射損傷検出装置が構成される。
【0033】図4のサンプリングシステムは、炉内構造
物1の表面から放電加工等の方法で微小試料をサンプリ
ングするサンプリング装置900と、サンプリング装置
900を所定の位置に配置する駆動装置811と、サン
プリング装置900及び駆動装置811を制御する制御
装置821と、を含んで構成される。また、図5に示す
サンプリング試料での損傷評価システムは、採取したサ
ンプルを測定する磁気センサ700、磁気センサ700
の制御装置720、評価装置730及びデータベース7
40を含んでなり、これらは、図2のものと基本的に同
じである。
【0034】図4及び図5のシステムを用いることによ
り、直接に炉内機器材料を評価できるため、損傷度評価
の精度を高めることができる。また、損傷度評価の精度
が高められる結果、適正な回復処理の実施が可能とな
る。
【0035】図6は、本発明の実施例である炉内機器の
照射損傷評価補修装置の要部構成を示す構成図である。
本実施例の炉内機器の照射損傷評価補修装置は、機器材
料の磁気特性を測定する損傷測定ヘッド(磁気センサ)
27と、この損傷測定ヘッド27を支持し水平方向、鉛
直方向に移動させるとともに水平軸、鉛直軸の周りに回
転させる駆動ロボット11と、同じく駆動ロボット11
に支持され水平方向、鉛直方向に移動させられるととも
に水平軸、鉛直軸の周りに回転させられる誘導加熱ヘッ
ド15と、この誘導加熱ヘッド15に誘導加熱用電力を
供給する誘導加熱装置16と、前記駆動ロボット11の
動作を制御するロボット制御装置18と、損傷測定ヘッ
ド27の出力信号を取り込んで処理する損傷評価装置2
8と、ロボット制御装置18,誘導加熱装置16,及び
損傷評価装置28の動作を統合制御する統合制御盤19
と、を含んで構成される。
【0036】駆動ロボット11は、原子炉圧力容器のフ
ランジ上に配置される駆動機11Aと、この駆動機11
Aが原子炉圧力容器のフランジ上に配置された状態で駆
動機11Aから鉛直下方になる方向に延びその軸線(鉛
直軸)を回転軸として回転するとともに鉛直軸方向に上
下する主柱11Bと、この主柱11Bに固定された駆動
機構11Cと、この駆動機構11Cに装着され主柱11
Bの軸線と直角方向の軸線(水平軸)を回転軸として回
転するとともに該水平軸の方向に沿って進退するセンサ
駆動アーム11Dと、同じく駆動機構11Cに装着され
主柱11Bの軸線と直角方向の軸線(水平軸)を回転軸
として回転するとともに該水平軸の方向に沿って進退す
る誘導加熱ヘッド駆動アーム11Eと、を含んで構成さ
れている。センサ駆動アーム11Dと、誘導加熱ヘッド
駆動アーム11Eは、駆動機構11Cに、主柱11Bの
軸線を挟んでほぼ対称の位置に装着され、各アームは駆
動機構11Cにより駆動されて、移動、回転を行う。損
傷測定ヘッド27はセンサ駆動アーム11Dの先端に装
着され、誘導加熱ヘッド15は誘導加熱ヘッド駆動アー
ム11Eの先端に装着されている。誘導加熱ヘッド15
の被加熱面に対向する面には、被加熱面の温度を検知す
る温度センサ29が装着されている。
【0037】ロボット制御装置18,誘導加熱装置1
6,損傷評価装置28及び統合制御盤19は、駆動ロボ
ット11とは別置きの装置となっており、関連する機器
と電線で接続されていて原子炉圧力容器のフランジ上に
配置しなくてもよいようになっている。
【0038】損傷評価装置28には、ステンレス鋼の照
射損傷と磁気特性の相関を関係づける第1のデータベー
スと、ステンレス鋼の照射材の熱処理特性、強度特性と
磁気特性の相関を関係づける第2のデータベースと、損
傷回復の要否を判定する基準値が内蔵されており、損傷
測定ヘッド27の出力データを入力とし第1のデータベ
ースを参照して材料強度データを演算出力する強度評価
装置と、強度評価装置の出力と基準値に基づいて損傷回
復の要否を判定する判定装置と、損傷測定ヘッド27の
出力データを入力とし第2のデータベースを参照して照
射損傷の補修結果を演算出力する結果評価装置とを兼ね
ている。したがって、損傷測定ヘッド27とセンサ駆動
アーム11Dと損傷評価装置28を含んで照射損傷を検
出し評価する照射損傷検出装置が構成され、誘導加熱ヘ
ッド15と誘導加熱ヘッド駆動アーム11Eと損傷評価
装置28を含んで照射損傷を補修回復する補修装置が構
成される。照射損傷検出装置はまた、炉内機器の損傷の
回復状況を評価する炉内機器評価装置をも兼ねている。
【0039】上記構成の装置の動作を次に述べる。ま
ず、統合制御盤19に検査対象の機器の面の領域を指示
する一連の座標が入力される。統合制御盤19は入力さ
れた座標に従ってロボット制御装置18に検査領域を指
示する。ロボット制御装置18は駆動ロボット11を駆
動して損傷測定ヘッド27を指定された検査領域に対向
させ、順次その領域を走査させる。炉内機器1の材料の
損傷度を表す磁気特性が損傷測定ヘッド27で測定さ
れ、損傷評価装置28で内蔵している損傷材の強度物性
データベース(第1のデータベース)と対比して損傷程
度が評価される(ステップ1)。損傷評価装置28は、
次いで、得られた損傷程度と内蔵している前記基準値と
を対比して回復処理施工の要否を判定し、判定結果を統
合制御盤19に出力する。回復処理施工が必要と判定さ
れると、統合制御盤19は、ロボット制御装置18、駆
動ロボット11を介して誘導加熱ヘッド15を損傷部位
に対向させて位置決めし、誘導加熱装置16を介して損
傷部位を局部的に損傷改善温度にまで速やかに昇温す
る。昇温温度は、温度センサ29によって計測して確認
される。昇温後に降温する昇降温熱処理が施工される。
ロボット制御装置18は、施工部位、領域に応じて、誘
導加熱ヘッド15を昇降、回転させ、機器表面に沿って
漸進させて同様に、昇降温熱処理を施す(ステップ
2)。熱処理終了後に、損傷測定ヘッド27で熱処理部
位の磁気特性が測定され、強度物性データベース(第2
のデータベース)を用いて施工後の損傷度が評価され
る。熱処理前後の損傷度を対比して、所定の損傷改善が
確認されれば終了となる。これが不十分であれば再度、
回復処理が行われる(ステップ3)。
【0040】図7は、炉内構造物であるシュラウドへの
適用の実施例である。まず、装置構成を述べる。駆動ロ
ボット11は、原子炉圧力容器9のフランジ10の上面
にセットされる駆動機11Aと、この駆動機11Aに、
据付け状態で原子炉圧力容器9の中心軸方向(鉛直方
向)に昇降自在且つ該中心軸周りに回転自在に係合した
主柱11Bと、この主柱11Bの下端に着脱自在に連結
され雨傘状に開閉自在な複数の傘関節12と、傘関節1
2のうちの一つの先端に設けられ主柱11Bの軸線に直
角な方向(水平軸)に沿って進退可能でかつ該水平軸を
回転軸として回転するセンサ駆動アーム11Dと、傘関
節12の他の一つの先端に設けられ主柱11Bの軸線に
直角な方向(水平軸)に沿って進退可能でかつ該水平軸
を回転軸として回転する誘導加熱ヘッド駆動アーム11
Eと、傘関節12のさらに他の一つの先端に設けられた
サンプリングヘッド270と、を含んで構成されてい
る。センサ駆動アーム11Dと、誘導加熱ヘッド駆動ア
ーム11Eは、駆動機構を内装した傘関節12に、主柱
11Bの軸線を挟んでほぼ対称の位置に装着され、各ア
ームは傘関節12に内装された駆動機構(図示せず)に
駆動されて、進退、回転を行う。損傷測定ヘッド27は
センサ駆動アーム11Dの先端に装着され、誘導加熱ヘ
ッド15は誘導加熱ヘッド駆動アーム11Eの先端に装
着されている。誘導加熱ヘッド15の被加熱面に対向す
る面には、被加熱面の温度を検知する温度センサ29が
装着されている。主柱11Bは駆動機11Aに駆動され
て原子炉圧力容器9の中心軸方向(鉛直方向)に昇降す
るとともに、該中心軸周りに回転する。誘導加熱ヘッド
15は、加熱・冷却コイル3及び温度センサ29を含ん
で構成されている。
【0041】誘導加熱ヘッド15には、加熱冷却コイル
3に加熱電流を供給するための誘導加熱装置16、加熱
冷却コイル3に炉水7を冷却水5として供給する冷却ポ
ンプ17が連結されている。駆動機14及び傘関節12
に内装された駆動機構はロボット制御装置18で制御さ
れる。誘導加熱装置16とロボット制御装置18は統合
制御盤19に接続されて、統合的に制御される。損傷測
定ヘッド27には、損傷評価装置28が接続され、損傷
測定ヘッド27の出力データは、前記損傷評価装置28
で評価される。また、微小サンプルを採取可能な場合に
は、サンプリングヘッド270で微小サンプルが採取さ
れ、ホットラボに別に備えられた測定ヘッド27及び評
価装置28を含んでなる専用装置に送られて損傷度合い
が評価される。
【0042】この実施例の施工手順を以下に説明する。
原子力プラントの炉内構造物に予防保全施工が必要と判
定されると、図示を省くが、まず、蒸気乾燥器、湿分分
離器、核燃料が原子炉圧力容器9から取り出され(蒸気
乾燥器、湿分分離器、核燃料は図示を省略した)、原子
炉圧力容器9のフランジ10の上面に、駆動ロボット1
1がセットされる。次いで、駆動ロボット11の駆動機
11Aはロボット制御装置18の指令に応じて主柱11
Bを下降させる。検査対象部が上部格子板20よりも下
方にあるときは、傘関節12を閉じた状態で誘導加熱ヘ
ッド15及び損傷測定ヘッド27を上部格子板20の桝
目を通過させる。誘導加熱ヘッド15及び損傷測定ヘッ
ド27が桝目を通過したところで、傘関節12を開き、
検査対象部の高さレベルに達したところでセンサ駆動ア
ーム11Dの水平方向出し入れと水平軸周りの回転及び
主柱11Bの鉛直軸周り回転を調節して、損傷測定ヘッ
ド27で損傷部位を探索する。損傷測定ヘッド27の出
力は損傷評価装置28に送られ、損傷評価装置28によ
り損傷、劣化の程度が評価される。得られた結果は予め
設定されている基準値(回復処理の要否判定の基準値)
と比較される。
【0043】その結果、損傷が大と判定され、且つ回復
処理が必要な施工部位には、加熱冷却コイル3を施工部
位に設置する誘導加熱ヘッド駆動アーム11Eの位置決
めをロボット制御装置18で行う。さらに、施工部位の
直下まで炉水水位を下げて、施工部位の表裏を大気暴露
状態とする。この状態で誘導加熱装置16により、加熱
冷却コイル3に電力を送り、施工部位を劣化改善温度に
まで昇温して後に炉水7を加熱冷却コイル3から冷却噴
水21として噴射する。このときの温度制御は温度セン
サ29によって行う。対象範囲が広い場合は、加熱冷却
コイル3の位置を変えて逐次漸進させて実施する。照射
損傷改善温度として1000℃から1100℃とし、溶
体化処理をすることにより、鋭敏化改善及び脆化改善が
図れ、450℃から550℃とすることにより脆化改善
が図れる。
【0044】図8は、図4に示すサンプリング装置90
0の一例で、図7に示すサンプリングヘッド270の詳
細を示したものである。サンプリングヘッド270は、
放電加工の電極271と、電極271を回転させる電極
駆動装置272と、電極271に放電電流を供給する電
源300から構成される。電源300は必ずしも傘関節
12に装着しておく必要はなく、誘導加熱装置16など
と共通の筐体に収納しておいてよい。
【0045】炉内機器1からサンプル採取が可能な場合
には、ロボット制御装置18によりサンプリングヘッド
270を測定対象部位に移動し、位置決めする。しかる
後、電源300から放電加工に必要な電力を電極271
に供給しながら、電極駆動装置272によりサンプリン
グヘッド270(電極271)を回転させて、所定の微
小サンプルを採取する。このサンプルは原子炉圧力容器
外に回収後、別途設置した損傷測定ヘッド27及び損傷
評価装置28の組合せからなる微小サンプル専用装置で
評価する。図8では、放電加工により微小サンプルを採
取する例を示したが、機械的な研削等の方法により微小
サンプルを採取するようにしてもよい。その場合は、研
削時の機械的な反力を支持するため、炉内機器あるいは
原子炉圧力容器に当接して反力を受ける支持材を複数の
傘関節12に設けておく必要がある。
【0046】図9は、別途設置した損傷測定ヘッド(磁
気センサ)27の一例の詳細を示す。この装置には、検
出用のセンサとして高感度SQUIDセンサが用いられ
ている。SQUID600には、差分型検出コイル60
5が接続してあり、差分型検出コイル605の内部に下
端を閉じた真空断熱試料挿入管640が挿通されてい
る。この真空断熱試料挿入管640の上方には、劣化
(損傷)度あるいは回復度を検知するための微小サンプ
ル620を保持する試料ホルダ660と、試料ホルダ6
60を真空断熱試料挿入管640内で上下に移動させる
試料ホルダ駆動装置650とが設けられてある。差分型
検出コイル605の外側には励磁マグネット610が配
置され、微小サンプル620は、測定中、励磁マグネッ
ト610により励磁されるようになっている。SQUI
D600と、差分型検出コイル605、真空断熱試料挿
入管640及び励磁マグネット610は、クライオスタ
ット630に納められ、冷媒で動作温度に保持されてい
る。SQUID600及び励磁マグネット610の出力
は、計測器670を介して損傷評価装置28に入力さ
れ、損傷評価装置28で評価される。
【0047】図8のサンプリングヘッド270で採取さ
れた微小サンプル620は試料ホルダ660に固定保持
され、真空断熱試料挿入管640内を差分型検出コイル
605の位置まで下げられる。そのときの励磁マグネッ
ト610の磁界変化と、その時のSQUID600の出
力から微小サンプル620のB−Hカーブが計測され
る。
【0048】図10は、B−Hカーブの測定例である。
損傷によりB−Hカーブが変化する。同様に熱処理でも
変化し、B−Hカーブ形状、ヒステリシスロス及び各パ
ラメータが変化する。図の細い実線は、中性子照射を受
けていない材料(処女材)のB−Hカーブ、太い実線は
中性子照射を受けて変化した同一材料のB−Hカーブで
ある。破線は中性子照射を受けた材料を低温熱処理した
場合のB−Hカーブで、一点鎖線は中性子照射を受けた
材料を高温熱処理した場合のB−Hカーブである。この
B−Hカーブは、磁気センサを用いて機器の表面で直接
計測することもできる。
【0049】図11〜図14は、直接非破壊検査、ある
いはサンプリング法による材料損傷評価における損傷評
価装置28での比較演算に用いる劣化(損傷)度及び劣
化材強度物性データベースである。
【0050】図11及び図12は、硬さと残留磁気及び
保磁力との関係を示したものである。これらの図を較正
曲線として用いることで、測定した残留磁気や保磁力か
ら中性子照射による硬さの増加が判定できる。また、降
伏応力の増加や破壊靭性値を同様に得ることもできる。
【0051】この他、照射による応力腐食割れ性の増加
と残留磁気保磁力との関係を図13及び図14に示す。
同様に、これらの図を較正曲線として用いることで、測
定した残留磁気や保磁力から中性子照射による応力腐食
割れ性の兆候や程度を判定できる。
【0052】このように照射材の強度物性と磁気特性の
データベースとして確保することで炉内機器材料の損傷
度を高精度に評価できる。
【0053】図15は、照射材の等時焼鈍熱処理での強
度物性データの硬さの変化を示したものである。高温で
の熱処理により硬さが回復しており、照射脆化が改善さ
れる。この時の材料の残留磁気及び保磁力の変化を図1
6及び図17に示す。温度550℃以下の熱処理では、
残留磁気及び保磁力は、非照射材の磁気特性に近づき、
図15の硬さの回復挙動に対応している。一方、温度5
50℃以上では、熱鋭敏化が生じるため、残留磁気はピ
ークをも持つ増加を示し、保磁力はほぼ一定になる。溶
体化温度では非照射材の特性に回復する。よって、熱処
理による回復処理は、回復効果が出る400℃以上から
550℃以下の温度範囲、あるいは、1000℃から1
100℃の溶体化温度が適当であり、磁気特性から回復
度が判定できる。
【0054】図18は、熱処理材の残留磁気と保磁力の
関係を示す。非照射材の鋭敏化線図を一点鎖線で、照射
材の損傷曲線を実線で、図中に示した。照射材の磁気特
性は、熱処理で照射材の損傷曲線上を戻り回復するが、
熱処理によって熱鋭敏化が生じた場合には、破線で示す
ように熱鋭敏化曲線に移行していく。
【0055】このように、残留磁気と保磁力の関係で損
傷の分別及び回復処理の適正化を評価でき、炉内機器材
料の熱処理による回復度を高精度に評価できる。
【0056】なお、上記各実施例では中性子照射による
材料の劣化(損傷)回復を熱処理によって行うが、材料
の劣化(損傷)の程度、種類によっては、表面コーティ
ング、ピーニングなどの手段を採用することも可能であ
る。いずれの場合も誘導加熱ヘッド駆動アーム11E
に、誘導加熱ヘッド15に代えて表面コーティング、ピ
ーニングを行う工具を装着して作業を実施する。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、炉内機器材料の磁気特
性を測定することにより非破壊的に損傷、劣化の程度を
診断できるため、機器の再生、再生後の保全が容易にな
る。さらに、磁気特性測定が画一なシステムでできるた
め、複数の機器及び多数の測定点のデータを処理でき、
機器の信頼性の確保が容易となる。
【0058】また、回復処理を施工する場所を真に必要
な部位に限定でき、機器の信頼性を低下させることな
く、施工の効率化を図ることができる。また、短時間で
の熱処理のため、施工時間が短縮されるとともに作業員
の放射線被曝量が低減される。さらに、局部熱処理を漸
進して行うことで、大型熱処理装置が不要となり、しか
も、広い面積の熱処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す処理フローチャートを示
す図である。
【図2】炉内機器材料の照射損傷を直接的に評価する照
射損傷検出装置の基本構成を示すブロック図である。
【図3】炉内構造物の損傷を回復させるための補修装置
の基本構成を示す図である。
【図4】炉内構造物から微小試料を採取するシステムの
基本構成を示す図である
【図5】採取した照射材の微小試料の照射損傷を評価す
る装置の基本構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施例である炉内機器の照射損傷評
価補修装置の要部構成を示す全体配置図である。
【図7】本発明の一実施例である炉内機器の照射損傷評
価補修装置の要部構成を示す全体配置図で、シュラウド
内外面加熱式の装置の機器の動きと、シュラウド内外共
に炉水水位を下げて、冷却水を噴射している状況及び損
傷計測状況を示す図である。
【図8】本発明の一実施例による微小サンプリング装置
を示す概念図である。
【図9】本発明の一実施例である微小サンプルの磁気特
性評価のための装置の要部を示す概念図である。
【図10】照射及び熱回復処理による損傷材の磁気特性
の変化の例を示すグラフである。
【図11】照射及び熱回復処理による損傷材の硬さと残
留磁気の関係の例を示すグラフである。
【図12】照射及び熱回復処理による損傷材の硬さと保
磁力の関係の例を示すグラフである
【図13】照射損傷材の応力腐食割れ感受性と残留磁気
の関係の例を示すグラフである。
【図14】照射損傷材の応力腐食割れ感受性と保磁力と
の関係の例を示すグラフである。
【図15】照射損傷材の熱処理による回復特性の例を、
熱処理温度を横軸に、硬さを縦軸にとって示すグラフで
ある。
【図16】損傷材の熱処理による残留磁気の変化の例
を、熱処理温度を横軸に、残留磁気を縦軸にとって示す
グラフである。
【図17】損傷材の熱処理による保磁力の変化の例を、
熱処理温度を横軸に、保磁力を縦軸にとって示すグラフ
である。
【図18】材料が熱鋭敏化した場合と照射損傷を受けた
場合の磁気特性曲線の違いを示すグラフである。
【符号の説明】
1 炉内機器,炉内構造物 3 加熱冷却コ
イル 5 冷却水 7 炉水 8 シュラウド 9 原子炉圧力
容器 10 フランジ 11 駆動ロボ
ット 11A 駆動機 11B 主柱 11C 駆動機構 11D センサ
駆動アーム 11E 誘導加熱ヘッド駆動アーム 12 傘関節 15 誘導加熱ヘッド 16 誘導加熱
装置 17 冷却ポンプ 18 ロボット
制御装置 19 統合制御盤 21 冷却噴水 27 損傷測定ヘッド 28 損傷評価
装置 29 温度センサ 270 サンプ
リングヘッド 271 放電加工電極 272 電極駆
動装置 300 放電加工電源 600 SQU
ID 605 差分型検出コイル 610 励磁マ
グネット 620 微小サンプル 630 クライ
オスタット 640 真空断熱試料挿入管 650 試料ホ
ルダ駆動装置 660 試料ホルダ 670 計測器 700 磁気センサ 710 走査装
置 720 制御装置 730 強度評
価装置 740 データベース 800 加熱装
置 810,811 駆動装置 820,821
制御装置 830 判定装置 900 サンプ
リング装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎本 邦夫 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 林 眞琴 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子力プラントの炉内機器の中性子照射
    損傷を検出、補修する方法において、 ステンレス鋼の照射損傷と磁気特性の相関関係を示す第
    1のデータベースを予め準備し、炉内機器材料の残留磁
    気、保磁力等の磁気特性を計測し、得られた磁気特性デ
    ータと前記第1のデータベースに基づいて当該炉内機器
    材料の材料強度データを算出する手順を含んでなること
    を特徴とする炉内機器の照射損傷の検出、補修方法。
  2. 【請求項2】 原子力プラントの炉内機器の中性子照射
    損傷を検出、補修する方法において、 指定された炉内機器表面を部分的に加熱、熱処理するこ
    とを特徴とする原子力プラントの炉内機器の中性子照射
    損傷の検出、補修方法。
  3. 【請求項3】 原子力プラントの炉内機器の中性子照射
    損傷を検出、補修する方法において、 ステンレス鋼の照射材の熱処理特性、強度特性と磁気特
    性との相関関係を示す第2のデータベースを予め準備
    し、中性子照射損傷を補修、回復した炉内機器材料の残
    留磁気、保磁力等の磁気特性を計測し、得られた磁気特
    性データと前記第2のデータベースに基づいて照射損傷
    の補修結果の評価を演算出力する手順を含んでなること
    を特徴とする炉内機器の中性子照射損傷の検出、補修方
    法。
  4. 【請求項4】 原子力プラントの炉内機器の中性子照射
    損傷を検出、補修する方法において、 ステンレス鋼の照射損傷と磁気特性の相関関係を示す第
    1のデータベースを予め準備し、炉内機器材料の残留磁
    気、保磁力等の磁気特性を計測し、得られた磁気特性デ
    ータと前記第1のデータベースに基づいて当該炉内機器
    材料の材料強度データを算出し、該算出された材料強度
    データと予め設定された基準値に基づいて当該炉内機器
    材料の補修、回復の要否を判定し、補修、回復が必要と
    判定された炉内機器表面を部分的に加熱、熱処理する手
    順を含んでなることを特徴とする原子力プラントの炉内
    機器の中性子照射による損傷の検出、補修方法。
  5. 【請求項5】 原子力プラントの炉内機器の中性子照射
    損傷を検出、補修する方法において、 ステンレス鋼の照射損傷と磁気特性の相関関係を示す第
    1のデータベースを予め準備し、炉内機器材料の残留磁
    気、保磁力等の磁気特性を計測し、得られた磁気特性デ
    ータと前記第1のデータベースに基づいて当該炉内機器
    材料の材料強度データを算出し、該算出された材料強度
    データと予め設定された基準値に基づいて当該炉内機器
    材料の補修、回復の要否を判定し、補修、回復が必要と
    判定された炉内機器表面を部分的に加熱、熱処理して補
    修し、ステンレス鋼の照射材の熱処理特性、強度特性と
    磁気特性との相関関係を示す第2のデータベースを予め
    準備し、前記熱処理された炉内機器材料の残留磁気、保
    磁力等の磁気特性を計測し、得られた磁気特性データと
    前記第2のデータベースに基づいて補修結果の評価を演
    算出力する手順を含んでなることを特徴とする炉内機器
    の中性子照射損傷の検出、補修方法。
  6. 【請求項6】 請求項2、4、5のうちのいずれかに記
    載の炉内機器の中性子照射損傷を検出、補修する方法に
    おいて、炉内機器表面の加熱、熱処理は、当該機器の当
    該照射損傷部位を局部的に照射損傷改善温度にまで速や
    かに昇温させた後に降温する昇降温熱処理を施工できる
    ヒータ等の加熱装置を用いて行われ、該加熱装置を照射
    損傷部位に沿って漸進させながら行われることを特徴と
    する炉内機器の照射損傷の検出、補修方法。
  7. 【請求項7】 請求項1、3乃至5のうちのいずれかに
    記載の炉内機器の中性子照射損傷を検出、補修する方法
    において、炉内機器材料の磁気特性の測定は、当該炉内
    機器材料の表面から採取された微小サンプルを用いて行
    われることを特徴とする炉内機器の中性子照射損傷を検
    出、補修する方法。
  8. 【請求項8】 請求項1、3乃至5のうちのいずれかに
    記載の炉内機器の中性子照射損傷を検出、補修する方法
    において、炉内機器材料の磁気特性の測定は、当該炉内
    機器材料の表面に対して直接行われることを特徴とする
    炉内機器の中性子照射損傷を検出、補修する方法。
  9. 【請求項9】 請求項1、3乃至8のうちのいずれかに
    記載の炉内機器の照射損傷の検出、補修方法において、
    算出される材料強度データにステンレス鋼の中性子照射
    による脆化進行度が含まれていることと、算出される補
    修結果の評価が機器材料の脆化の回復度と熱処理による
    鋭敏化度を含んでいることを特徴とする炉内機器の照射
    損傷の検出、補修方法。
  10. 【請求項10】 原子力プラントの炉内機器の中性子照
    射損傷を評価、補修する装置において、 ステンレス鋼の照射損傷と磁気特性の相関を関係付ける
    第1のデータベースと、被検材の磁気特性(残留磁気、
    保磁力等)を計測する磁気センサと、該磁気センサを炉
    内機器表面に固定する走査装置と、前記磁気センサの測
    定した磁気特性データを入力とし前記第1のデータベー
    スを参照して材料強度データを演算出力する強度評価装
    置と、を含んでなる炉内機器の照射損傷検出装置と;前
    記評価装置の出力を入力とし予め設定された基準値に基
    づいて補修施工の要否を判定する判定装置と、炉内機器
    表面を加熱、熱処理する熱処理施工装置と、該熱処理施
    工装置を炉内で所望の位置に移動させる駆動装置と、を
    含んでなる補修装置と;ステンレス鋼の照射材の熱処理
    特性、強度特性と磁気特性との相関を関係付ける第2の
    データベースと、被検材の磁気特性(残留磁気、保磁力
    等)を計測する磁気センサと、該磁気センサを炉内機器
    表面に固定する走査装置と、前記磁気センサの測定した
    磁気特性データを入力とし前記第2のデータベースを参
    照して照射損傷の補修結果の評価を演算出力する結果評
    価装置と、を含んでなる炉内機器評価装置と;を含んで
    構成される炉内機器の照射損傷評価補修装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の炉内機器の照射損
    傷評価補修装置において、熱処理施工装置は、炉内機器
    の表面を局部的に照射損傷改善温度にまで速やかに昇温
    させた後に降温する昇降温熱処理を施工できるヒータ等
    の加熱装置を含んでなり、駆動装置は、該加熱装置を炉
    内機器表面に沿って移動させるものであることを特徴と
    する炉内機器の照射損傷評価補修装置。
  12. 【請求項12】 請求項10または11に記載の炉内機
    器の照射損傷評価補修装置において、強度評価装置は材
    料強度データの一つとしてステンレス鋼の中性子照射に
    よる脆化進行度を出力するものであり、結果評価装置
    は、脆化回復度と共に照射損傷改善の熱処理による鋭敏
    化度を算出出力することを特徴とする炉内機器の照射損
    傷評価補修装置。
  13. 【請求項13】 請求項10乃至12のいずれかに記載
    の炉内機器の照射損傷評価補修装置において、磁気セン
    サ及び操作装置に代えて、炉内機器の表面材料から微小
    サンプルを採取する手段と、この微小サンプルの残留磁
    気、保磁力、B−Hカーブ形状等の磁気特性を検出する
    磁気特性測定装置と、該磁気特性測定装置の出力データ
    を演算処理し、機器材料の中性子照射による脆化進行度
    及び熱処理による脆化の回復度を評価すると共に、照射
    損傷改善の熱処理による鋭敏化度を分別評価する演算手
    段と、を含んでなることを特徴とする炉内機器のの照射
    損傷評価補修装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の炉内機器の照射損
    傷評価補修装置において、磁気特性測定装置が高感度の
    SQUID若しくは磁気天秤を用いたものであることを
    特徴とする炉内機器のの照射損傷評価補修装置。
  15. 【請求項15】 請求項10乃至12のいずれかに記載
    の炉内機器の照射損傷評価補修装置において、磁気セン
    サとして、高感度のSQUID若しくは渦電流プローブ
    が用いられていることを特徴とする炉内機器のの照射損
    傷評価補修装置。
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