JPH0949840A - 免疫測定用試薬及び免疫測定法 - Google Patents

免疫測定用試薬及び免疫測定法

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JPH0949840A
JPH0949840A JP20208195A JP20208195A JPH0949840A JP H0949840 A JPH0949840 A JP H0949840A JP 20208195 A JP20208195 A JP 20208195A JP 20208195 A JP20208195 A JP 20208195A JP H0949840 A JPH0949840 A JP H0949840A
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antibody
globulin
antigen
immobilized
immunoassay
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Akihiko Hatano
明彦 幡野
Mitsuo Watanabe
光雄 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 干渉物質の影響を抑えて正確に検体中の抗原
濃度を測定することのできる免疫測定用試薬及び免疫測
定法を提供する。 【解決手段】 固相に固定した固定化抗体及び標識抗体
を必須構成成分とする免疫測定用試薬において,α−グ
ロブリン(α-globukin)を干渉抑制剤として配合してな
ることを特徴とする免疫測定用試薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,異好性抗体などの
干渉物質の影響を抑えて,正確に抗原濃度を測定するこ
とのできる免疫測定用試薬及び免疫測定法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】血清,血奬,もしくは尿などの排泄物に
含まれている微量物質 (例えば,蛋白質,ぺプチドホル
モン,薬物など) を測定する場合には,被測定物の含有
量が少量であるために,高感度で,かつ特異性の高い測
定法が要求されている。この目的を満たす測定法とし
て,抗原抗体反応を利用した免疫測定法が知られてお
り,免疫測定法は,抗原とそれに対する抗体とが結合す
る反応が極めて特異的で,かつ低濃度でも起こることを
利用したものであり,抗原抗体反応の結果生ずる凝集反
応や,標識抗体あるいは標識抗原を用いたサンドイッチ
法あるいは競合法などによる測定法が知られている。
【0003】そのうちサンドイッチ法は,第一抗体を固
相に固定化した固定化抗体に被測定物質である抗原含有
試料溶液を添加して抗原抗体反応を行ない,次いで,酵
素,化学発光物質,蛍光発色物質,アイソトープなどで
標識した標識抗体 (第二抗体) を抗原抗体反応により抗
原に結合させ,結合した標識抗体の量から抗原の量を測
定する方法である。しかし,サンドイッチ法において
は,第一抗体と第二抗体を橋渡しする物質,例えば異好
性抗体などの干渉物質が存在すると,実際よりも抗原濃
度を多く見積ってしまうために,誤って偽陽性,もしく
は偽陰性と判定してしまうことがあるという問題があっ
た。このような干渉物質は,正常血奬の40%に含まれ
ていることがボスカト (Boscato)らによって報告されて
いる〔クリニカル ケミストリー(Clin. Chem.) 32,
8, 1492〜1495(1986)〕。異好性抗体による干渉の免疫
応答の原因は今のところ明らかにされていないが,腫瘍
組織に対して薬剤及び放射能を集中させるためにこれら
の抗体を用いたことにより,自然免疫応答の結果として
引き起こされるヒト抗マウス抗体などの発生率の増加に
よるものと考えられている〔臨床化学, 23, 175a-1 - 1
0(1994) 〕。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような干渉物質に
よる影響を抑える方法としては,血清などの検体を熱抽
出する方法や,抗原抗体反応を行なう際に,反応溶液中
にマウス血清や,血清成分のうち干渉を抑制すると考え
られている免疫グロブリン (以下,Igと略記する。)
又はそれを含む画分を加える方法が広く用いられてい
る。また,近年,HBR(Human anti-Mouse Antibodies
Blocking Reagent : Scantibodies社製) や,MAK3
3 (Boehringer Mannhaim 社製) などの異好性抗体によ
る干渉を抑制することを目的とした異好性阻止試薬が市
販されている。これらの異好性阻止試薬は,異好性抗体
と親和性を持つ抗体からなり,立体的な障害により異好
性抗体が固定化抗体及び標識抗体と結合するのを防いで
いる。
【0005】しかし,これらの異好性阻止試薬は,すべ
ての検体に対して干渉抑制作用を示すわけではなく,こ
れらの異好性阻止試薬を単独又は組み合わせて用いて
も,例えばマウス血清を用いた場合には,およそ4%の
検体で干渉物質の影響を抑えることができないことが報
告されている〔クリニカル ケミストリー(Clin. Che
m.) 32, 8, 1492〜1945(1986)〕。また,マウスIgと
HBR,あるいはマウスIgとPoly MAK33
(Boehringer Mannhaim 社製) とを組み合わせても約2
%の検体で干渉物質の影響を抑えることができないとい
う問題点があった。
【0006】本発明は,干渉物質の影響を抑えて,正確
に抗原濃度を測定することのできる免疫測定用試薬及び
免疫測定法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記課題
を解決するために鋭意検討の結果,従来の免疫測定用試
薬に,α−グロブリンを配合することで, 干渉物質の影
響を抑えることができるということを見出し,本発明を
完成するに至った。
【0008】すなわち,第1の発明は,固相に固定した
固定化抗体及び標識抗体を必須構成成分とする免疫測定
用試薬において, α−グロブリンを干渉抑制剤として配
合してなることを特徴とする免疫測定用試薬を要旨とす
るものである。
【0009】また,第2の発明は,抗原抗体反応を利用
して抗原濃度を測定するに際し,α−グロブリンの存在
下で抗原抗体反応を行うことを特徴とする免疫測定法を
要旨とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下,本発明を詳細に説明する。
本発明の免疫測定用試薬は,固相に固定化した固定化抗
体及び標識抗体を必須構成成分とするものであり,これ
らにα−グロブリンを配合したものである。
【0011】本発明の試薬においては,α−グロブリン
が抗原抗体反応を行うときに存在するように配合すれば
よく,例えば,固相に固定した固定化抗体,標識抗体,
血清希釈液,標識抗体溶液などに配合すればよい。ま
た,α−グロブリンの配合量としては,抗原と標識抗体
との反応液1ミリリットルに対して0.05〜10.0
mgとなるように配合することが好ましく,特に0.1
〜5.0mgとなるように配合することが好ましい。
【0012】本発明に用いられるα−グロブリンとして
は,市販のものを用いればよく,例えば,α−グロブリ
ン フラクションIV-4(α-GLOBULINS, Fraction IV-4,
由来:牛血液,United Stales Biochemical Corp. 社
製),グロブリン(alpha, Bovine fraction IV, lot.
GA01, 東京化成工業社製) などがあげられる。
【0013】本発明においては,α−グロブリンのほか
に,マウスIgやHBR,MAK33,Poly MAK3
3などの干渉抑制剤を配合してもよい。
【0014】本発明に用いられる固相としては,例え
ば, マイクロタイタープレートやポリスチレンビーズな
どがあげられ,固相に固定する抗体を緩衝液に溶解し,
これを固相に接触させて,4℃で一晩以上放置すること
により,固相に抗体を固定化することができる。このと
き,固相に均一にコートされているとは限らないため,
牛血清アルブミンをトリス緩衝液に溶解し,これを固相
に接触させ,同様にしてコートしておくことが好まし
い。固相にα−グロブリンを配合する場合には,トリス
緩衝液に血清アルブミンと同時にα−グロブリンを溶解
し,固定化すればよい。
【0015】また,血清希釈液としては,リン酸緩衝液
などの緩衝液が用いられ,血清希釈液にα−グロブリン
を配合する場合には,0.01〜1.0mg/ミリリッ
トルとなるように配合すればよい。
【0016】標識抗体としては,例えば, アルカリホス
ファターゼやペルオキシダーゼなどの酵素や,蛍光発色
物質,化学発光物質,アイソトープなどで標識したもの
が用いられ,標識抗体にα−グロブリンを配合する場合
には,標識抗体溶液にα−グロブリンを配合するか,標
識抗体を高濃度溶液又は凍結乾燥状態で保存し,標識抗
体希釈液にα−グロブリンを配合しておいて,測定時に
調製して標識抗体溶液としてもよい。この場合の配合量
としては,0.01〜1.0mg/ミリリットルとなる
ように配合すればよい。
【0017】次に,本発明の免疫測定法について説明す
ると,α−グロブリンの存在下で抗原抗体反応を行うこ
とが必要であり,このα−グロブリンにより,干渉物質
の影響を抑えて,正確に抗原濃度を測定することができ
る。
【0018】例えば,本発明の免疫測定用試薬を用いて
抗原濃度を測定する場合には,通常の1ステップ法及び
2ステップ法などの手順に従って行えばよい。すなわ
ち,1ステップ法では,抗体を固定化した固相に検体と
標識抗体溶液を加え,インキュベートし(例えば,4〜
37℃で60分〜1日間),固相に捕捉されなかった標
識抗体を洗浄して取り除いた後,固相に捕捉された標識
抗体の量を測定する。また,2ステップ法では,抗体を
固定化した固相に検体を加えてインキュベートし(例え
ば,4〜37℃で30分〜2時間),固相に捕捉されえ
なかった抗原を取り除く。次に,標識抗体溶液を加えて
再びインキュベートし(例えば,4〜37℃で30分〜
2時間),固相に捕捉されなかった標識抗体を洗浄して
取り除いた後,固相に捕捉された標識抗体の量を測定す
る。
【0019】標識抗体の量を測定する方法としては,酵
素で標識した場合には酵素活性の測定により測定するこ
とができ,蛍光発色物質で標識した場合には蛍光光度計
により測定することができ,化学発光物質で標識した場
合には酵素を用いた化学発光により測定することがで
き,アイソトープで標識した場合には放射線測定装置を
用いることにより測定することができる。例えば,アル
カリホスファターゼで標識した場合にはp−ニトロフェ
ニルホスフェートを,ペルオキシダーゼで標識した場合
には2’−アジノ−ビ−(3’−エチルベンジルチアゾ
リンスルホン酸)を基質として用い,一定時間反応させ
て生成する生成物の吸収波長の吸光度を測定すればよ
い。
【0020】本発明において測定対象となる抗原として
は,いかなる抗原でもよく,例えば,インシュリン,H
CG−β,成長ホルモン,TSH,サイロキシン,トリ
ヨードサイロニン,ガストリン,グルカゴン,ソマトシ
タチンなどのホルモン,エステラーゼ,アミラーゼ,プ
ロテアーゼ,リパーゼ,リボクレアーゼなどの酵素,I
gG,IgA,IgM,IgM,IgE,IgD,糖タ
ンパク質,β2 −マイクログロブリン,TBG,糖脂質
などの血清タンパク質,CEA,α−フェトプロテイ
ン,フェリチン,POA,PSA,CA19−9,CA
125などの腫瘍関連抗原,DNA結合性タンパク質因
子,インターフェロン,インターロイキン1,インター
ロイキン2などのサイトカイン又は種々の細菌,ウイル
ス,原虫などがあげられる。
【0021】
【実施例】次に,本発明を実施例によって具体的に説明
する。 参考例1 入手した検体に異好性抗体が含まれているかどうかをボ
スカト(Boscato L. M.)らの方法〔クリニカル ケミス
トリー(Clin. Chem. ), 32, 8, 1492 〜1495(1986)〕
を改変した方法で調べた。すなわち,尿中ヒト絨毛性ゴ
ナドトロピンβ分画(β−HCG)に対する抗体の代わ
りに,α−フェトプロテイン(以下,AFPと略記す
る。)の単一のエピトープを認識するモノクローナル抗
体を固定化抗体及び標識抗体の両方に用いて行った。こ
の方法は,固定化抗体と標識抗体のAFPの認識部位が
同一であるため,通常,標識抗体はAFPを介してプレ
ートに結合しないが,異好性抗体が含まれていると両者
の抗体は架橋され,プレートに標識抗体が結合すること
を利用している。
【0022】まず,ポリスチレンプレート(Nunc社製)
に,抗AFPモノクローナル抗体 (コスモバイオ社製 M
O-AFP-P)をホスフェート バッファー サリン(PB
S)緩衝液(pH7.2)に20μg/ミリリットルと
なるように溶解したものを加え,4℃で3日間放置して
抗体をプレートに固定化した抗AFPモノクローナル抗
体固定化プレートを得た。このプレートにブロッキング
溶液 (ブロックエース :大日本製薬社製) を添加して4
℃で保存した。
【0023】一方,抗AFPモノクローナル抗体に,ジ
メチルフォルムアミドに溶解した無水s−アセチルメル
カプトコハク酸 (東京化成工業製) を室温(約25℃)
で反応させた後,反応液を0.1Mのリン酸緩衝液(p
H6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)
G−25(ファルマシア社製)カラムで精製することに
より,チオール基を導入した抗AFPモノクローナル抗
体を得た。
【0024】また,アルカリホスファターゼ (以下,A
FPと略記する,ベーリンガーマンハイム社製) 3mg
に,ジメチルフォルムアミド100マイクロリットルに
溶解した5mgのN−ヒドロキシコハク酸シクロヘキシ
ルマレイミド (ベーリンガーマンハイム社製) を添加
し,37℃で15分間インキュベートした。これを0.
1Mのトリス−塩酸緩衝液(pH7.0)で平衡化した
セファデックス(Sephadex) G−25(ファルマシア
社製)カラムに供し,吸光度280nmで溶出画分を分
収してマレイミド基を導入したALPを得た。
【0025】次いで,標識抗体を得るため,チオール基
を導入した抗AFPモノクローナル抗体とマレイミド基
導入ALPとを混合した後,これを0.05Mのトリス
−塩酸緩衝液(pH7.0)で平衡化したウルトロゲル
(Ultrogel) AcA 34 (ファルマシア社製)カラムに通
し,吸光度280nmで溶出画分を分収してALP標識
抗AFPモノクローナル抗体溶液を得た。
【0026】次に,抗AFPモノクローナル抗体固定化
プレートに80マイクロリットルのALP標識抗AFP
モノクローナル抗体溶液及び20マイクロリットルの血
清を加えて1時間インキュベートした後,トリス緩衝液
(pH8.5)で洗浄した。これに発色試薬 (DAKO dia
gnostic laboratory社製,商品名:アンパック) を加え
て, 吸光度492nmより発色が観察されるかどうかを
調べた。
【0027】その結果, 血清125検体のうち,25検
体で発色が観察された。
【0028】次に,上記の方法で作成した抗AFPモノ
クローナル抗体固定化プレートに,α−グロブリン0.
5mg/ミリリットル又はHBR0.05mg/ミリリ
ットルを含むALP標識抗AFPモノクローナル抗体溶
液80マイクロリットルを加え,これに上記で干渉が観
察された血清25検体のうち20検体を20マイクロリ
ットルずつ加えて1時間室温(約25℃)でインキュベ
ートした。このプレートをトリス緩衝液(pH8.5)
で洗浄した後,上記の方法と同様にして発色が観察され
るかどうかを調べた。
【0029】なお,α−グロブリンとしては,United S
tates Biochemical Corp. 製のα−グロブリン(商品
名:α-GLOBULINS, FRACTION IV-4,由来:bobine blood,
lot.■44290)を使用した。
【0030】その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1に示すように,α−グロブリンの存在
下で抗原抗体反応を行うことにより,すべての検体にお
いて,異好性抗体の影響を抑えることができることがわ
かる。
【0033】実施例1〔カルボハイドレートアンチゲン
125(以下,CA125と略記する。)の測定〕,比
較例1,2 まず,標識抗体及び抗体固定化プレートに用いる抗体を
それぞれ抗AFPモノクローナル抗体から抗CA125
モノクローナル抗体Ov185MAb (CanAg社製) 及
びOv197MAb (CanAg 社製) に代える以外は参考
例1と同様にして,ALP標識抗CA125モノクロー
ナル抗体及び抗CA125モノクローナル抗体固定化プ
レートを作製した。
【0034】下記の成分からなるCA125測定用試薬
を調製し,検体中のCA125濃度を測定した(実施例
1)。
【0035】 ・抗CA125モノクローナル抗体固定化プレート 1枚 ・α−グロブリン0.5mg/ミリリトルを含むA LP標識抗CA125モノクローナル抗体溶液 80マイクロリットル ・洗浄液(トリス緩衝液:pH8.5) 400マイクロリットル×6 ・発色試薬(ダコジャパン社製,商品名:アンパック) 試薬S 100マイクロリットル 試薬A 100マイクロリットル ・0.3Mの硫酸 100マイクロリットル 上記の抗CA125モノクローナル抗体固定化プレート
に,ALP標識抗CA125モノクローナル抗体溶液を
加え,これに参考例1で発色が観察された血清25検体
のうち22検体を20マイクロリットルずつ加えて1時
間攪拌しながら室温(25℃)でインキュベートした。
このプレートを洗浄液で洗浄した後,発色試薬を加えて
10分間インキュベートし,0.3Mの硫酸を加えて反
応を停止した後,492nmの吸光度を測定した。CA
125の濃度は,CA125濃度既知サンプルを用いて
作成した検量線から求めた。
【0036】その結果を図1に示す。なお,陽性と陰性
を判断するカットオフ値は,健常者群の95%が陰性と
なる35.0U/ミリリットルとした。
【0037】なお,比較のため,実施例1のα−グロブ
リン0.5mg/ミリリトルを含むALP標識抗CA1
25モノクローナル抗体溶液の代わりに,HBR0.0
5mg/ミリリットルを含むALP標識抗CA125モ
ノクローナル抗体溶液(比較例1)又はALP標識抗C
A125モノクローナル抗体溶液(α−グロブリン及び
HBRを含まない,比較例2)を含むCA125測定用
試薬を調製した以外は実施例1と同様にしてCA125
の濃度を測定した。
【0038】その結果を図1に示す。図1は,本発明の
CA125測定用試薬と従来のCA125測定用試薬を
用いて,検体中のCA125濃度を測定したときの結果
を示す図であり,縦軸にCA125濃度を示した。
【0039】図2に示すように,偽陽性を示す10検体
のうち,7検体でHBRを含む免疫測定用試薬を用いる
ことにより偽陽性を抑制することができた。また,α−
グロブリンを含む本発明の免疫測定用試薬を用いること
により,すべての検体で偽陽性を抑制することができ
た。この結果から,本発明の免疫測定用試薬を用いると
従来の免疫測定用試薬を用いたときより,正確に抗原
(CA125)の濃度を測定することができることがわ
かる。
【0040】実施例2,3〔前立腺特異抗原(以下,P
SAと略記する。)の測定〕,比較例3,4 抗PSAモノクローナル抗体 (コスモ ・バイオ社製)
0.625mgにクエン酸緩衝液(pH4.3)を添加
して,クエン酸濃度が0.2Mになるように調製した。
これにペプシン (シグマ社製) 50ngを加えて37℃
で4時間インキュベートして抗体をペプシンで消化した
溶液を得た。この溶液を5mMのトリス−塩酸緩衝液
(pH8.0)で平衡化したPD−10(ファルマシア
社製)に通して脱塩,緩衝液交換を行ない,吸光度28
0nmで溶出画分を分収し,この溶出画分を上記緩衝液
で平衡化したジエチルアミノエチルセルロール(DEA
E,ファルマシア社製)カラムに通し,素通り画分を回
収してF(ab')2 とした。このペプシン処理抗体F(ab')2
に5Mのメルカプトエタノールアミンを加え,還元処理
を行なった後,0.1Mのリン酸緩衝液(pH7.0)
で平衡化したセファデックス(Sephadex) G−25
(ファルマシア社製)カラムに通し,吸光度280nm
で溶出画分を分収し,これをFab'とした。
【0041】このようにして得られたFab'を参考例1で
得たマレイミド基を導入したALPと混合した後,50
mMのトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)で平衡化した
ウルトロゲル(Ultrogel)AcA 34(ファルマシア社製)
カラムに通し,吸光度280nmで溶出画分を分収して
ALP標識抗PSAモノクローナル抗体溶液を得た。
【0042】また,ポリスチレンプレート(Nunc社製)
に,抗PSAモノクローナル抗体 (コスモ・バイオ社
製)をPBS緩衝液(pH7.2)に20μg/ミリリ
ットルとなるように溶解したものを加え,4℃で3日間
静置して抗体をプレートに固定化した抗PSAモノクロ
ーナル抗体固定化プレートを得た。このプレートにブロ
ッキング溶液 (ブロックエース :大日本製薬社製) を添
加して4℃で保存した。上記の方法で作成した抗PSA
モノクローナル抗体固定化プレートに,α−グロブリン
0.5mg/ミリリットル(実施例2),α−グロブリ
ン0.5mg/ミリリットルとHBR(Scantibodies社
製)0.05mg/ミリリットル(実施例3)又はHB
R0.05mg/ミリリットル(比較例3)を含むAL
P標識抗PSAモノクローナル抗体溶液及びALP標識
抗PSAモノクローナル抗体溶液(α−グロブリン及び
HBRを含まない:比較例4)80マイクロリットルを
加え,これに参考例1で発色が観察された25検体のう
ち3検体を20マイクロリットルずつ加えて1時間室温
(25℃)でインキュベートした。このプレートをトリ
ス緩衝液(pH8.5)で洗浄した後,発色試薬として
DAKO diagnostic laboratory社製のアンパックを用い,
492nmの吸光度を測定した。PSAの濃度は,PS
A濃度既知サンプルを用いて作成した検量線から求め
た。
【0043】その結果を図2に示す。図2は,本発明の
PSA測定法と従来のPSA測定法によって,検体中の
PSA濃度を測定したときの結果を示す図であり,縦軸
にPSA濃度を示した。また,カットオフ値は,PSA
における一般的なカットオフ値である3.0ng/ミリ
リットルとした。
【0044】図2に示すように,α−グロブリンの存在
下で抗原抗体反応を行うことにより,すべての検体にお
いて,偽陽性を抑制することができた。
【0045】
【発明の効果】本発明の免疫測定用試薬及び免疫測定法
によれば,干渉物質の影響を抑えて正確に検体中の抗原
濃度を測定することができる。このため,免疫測定にお
いて問題となっていた偽陽性や偽陰性を抑制することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の免疫測定用試薬と従来の免疫測定用試
薬を用いて検体中のCA125濃度を測定したときの結
果を示す図である。
【図2】本発明の免疫測定法と従来の免疫測定法で検体
中のPSA濃度を測定したときの結果を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固相に固定した固定化抗体及び標識抗体
    を必須構成成分とする免疫測定用試薬において,α−グ
    ロブリンを干渉抑制剤として配合してなることを特徴と
    する免疫測定用試薬。
  2. 【請求項2】 抗原抗体反応を利用して抗原濃度を測定
    するに際し,α−グロブリンの存在下で抗原抗体反応を
    行うことを特徴とする免疫測定法。
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