JPH0949736A - 振動型ジャイロスコープの駆動装置 - Google Patents

振動型ジャイロスコープの駆動装置

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JPH0949736A
JPH0949736A JP7202375A JP20237595A JPH0949736A JP H0949736 A JPH0949736 A JP H0949736A JP 7202375 A JP7202375 A JP 7202375A JP 20237595 A JP20237595 A JP 20237595A JP H0949736 A JPH0949736 A JP H0949736A
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piezoelectric
resonance frequency
amplifier
driving
elastic body
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JP7202375A
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Yoshiro Tomikawa
義朗 富川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動型ジャイロスコープでは、弾性体を駆動
するときの駆動部の共振周波数を検出部の共振周波数に
近似させまたは一致させるために、弾性体を機械的にト
リミングしていた。 【解決手段】 弾性体Aを駆動する圧電駆動部1への電
力供給経路に静電容量Cvが設けられている。またこれ
と並列に増幅器5と静電容量Csが設けられている。静
電容量Csを小さくすると、圧電駆動部1の共振周波数
を高くして圧電検出部2の共振周波数に近似させまたは
一致させることができる。増幅器5で電圧を増幅し、静
電容量Csを介して圧電駆動部1に電流を与えることに
より、静電容量Cvにより共振周波数を変化させる際
に、駆動電流Iが低下するのを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電効果により弾
性体が所定方向へ振動させられ、この弾性体が回転系内
に置かれたときにコリオリ力より生じる弾性体の振動が
圧電検出部により検出される振動型ジャイロスコープに
係り、特に、弾性体の駆動振動数を圧電検出部の共振周
波数に近づけ、好ましくは前記振動数を圧電検出部の共
振周波数に一致させることを可能にした振動型ジャイロ
スコープの駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図18は、振動型ジャイロスコープの構
成を示すものである。振動型ジャイロスコープでは、2
方向へ振動可能な状態に構成された弾性体Aに圧電駆動
部1と圧電検出部2とが設けられている。例えばエリン
バなどの恒弾性材料に駆動用の圧電素子と検出用の圧電
素子が設けられている場合には、駆動用の圧電素子が圧
電駆動部1となり、検出用の圧電素子が圧電検出部2と
なる。また弾性体A全体が圧電材料で構成されている場
合、または恒弾性材料と圧電材料の積層体により構成さ
れている場合には、駆動電極が設けられている部分の圧
電材料が圧電駆動部1となり、検出電極が設けられてい
る部分の圧電材料が圧電検出部2となる。
【0003】この振動型ジャイロスコープでは、交流駆
動電源部3から圧電駆動部1に駆動電力が与えられる
と、圧電駆動部1により弾性体Aが所定方向へ振動させ
られる。この弾性体Aが回転系内に置かれると、弾性体
Aに対し前記駆動方向と直交するコリオリ力が作用し、
弾性体Aに、駆動振動とコリオリ力による振動とが合成
された振動が生じる。このコリオリ力による振動成分
は、圧電検出部2から検出電圧V1として取り出され
る。
【0004】図21は、圧電駆動部1または圧電検出部
2を構成する圧電振動子の等価回路であり、図21
(A)は、圧電振動子が共振点付近で振動しているとき
の等価回路である。Lm、Cm、Rmから成る直列共振
辺は圧電振動子の振動を等価的に表わしている。前記直
列共振辺を含む並列共振辺内でのCdは制動容量成分で
あり、この制動容量Cdに流れる電流は圧電振動子の振
動に寄与していない無効電流である。圧電振動子が共振
点で駆動されるとLmとCmが直列共振となり、図21
(B)と等価になる。圧電振動子が共振点で振動してい
るときの共振周波数fは以下の数1で求められる。
【0005】
【数1】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図18に示す振動型ジ
ャイロスコープでは、圧電駆動部1での駆動時の共振周
波数fhと、コリオリ力により弾性体Aが振動したとき
に圧電検出部2で検出される共振周波数fvが一致して
いることが好ましいが、実際の振動型ジャイロスコープ
では、前記駆動側の共振周波数fhと検出側の共振周波
数fvを一致させることは困難である。
【0007】図19は、圧電駆動部1による共振周波数
fhと、圧電検出部2の共振周波数fvとが一致していな
いときの、各圧電振動子の共振周波数fとアドミッタン
スYとの関係を示したものである。また、図20は、前
記共振周波数fhとfvとが一致しているときの駆動電圧
V0に対する検出電圧V1との比(V1/V0)(イ)
と、共振周波数fhとfvが一致していないときの比(V
1/V0)(ロ)を示している。図20から、駆動側の
共振周波数fhと検出側の共振周波数fvとが一致してい
ると検出電圧が大きくなるが、両共振周波数が相違する
にしたがって、検出電圧が低下することが解る。
【0008】したがって、従来の振動型ジャイロスコー
プでは、圧電駆動部1と圧電検出部2が設けられている
弾性体Aの形状を機械的にトリミングし、駆動側の共振
周波数fhと、検出側の共振周波数fvをなるべく一致さ
せるような調節を行なっている。しかし、機械的なトリ
ミングは調整作業が繁雑であるばかりでなく、弾性体A
を削る作業で、共振周波数fhとfvを完全に一致させる
のは困難であった。
【0009】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、電気的な調整により、駆動側の共振周波数と、コ
リオリ力による共振周波数を近似させ、好ましくは一致
させることが可能な振動型ジャイロスコープの駆動装置
を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では、圧電効果に
より弾性体を振動させる圧電駆動部と、振動している前
記弾性体がコリオリ力により振動したときにこの振動成
分を圧電効果により検出する圧電検出部とが設けられ、
前記圧電駆動部への電力供給経路に、弾性体の駆動振動
数を圧電検出部の共振周波数に向けて変化させる容量素
子が設けられていることを特徴とするものである。
【0011】上記弾性体は、エリンバなどの恒弾性材料
に駆動用の圧電素子と検出用の圧電素子とが貼着された
もの、あるいは弾性体全体が圧電材料により形成され、
または恒弾性材料と圧電材料とが積層されて形成され、
この圧電材料に駆動用電極と検出用電極が設けられたも
のとして構成される。また、前記容量素子は、静電容量
が固定値とされたものを使用してもよいが、静電容量を
可変できる容量素子を使用することが好ましい。
【0012】図3に示すように、上記容量素子を設ける
と、その静電容量が小さくなるにしたがって、圧電駆動
部の共振周波数fhを高くすることができる。よって駆
動側の共振周波数を、コリオリ力により弾性体が振動し
たときの圧電検出部の共振周波数fvに近づけ、さらに
は一致させることができる。
【0013】また、前記容量素子と直列にインダクタン
ス素子を設けることができる。この場合、図8に示すよ
うに、容量素子の静電容量を変化させると、圧電駆動部
の共振周波数を基の共振周波数fhよりも高く、または
低く変化させることが可能になり、圧電駆動部の共振周
波数fhの調整幅を広くできる。
【0014】さらに、上記において、図2または図7に
示すように、圧電駆動部に与えられる電圧を増幅する増
幅器を設け、この増幅器の増幅出力端から容量素子を経
て圧電駆動部至り、圧電駆動部への駆動電流の変動を抑
制する経路を設けることが好ましい。
【0015】この構成では、図4または図9に示すよう
に、容量素子の静電容量を小さくして圧電駆動部の共振
周波数fhを高くなるように変化させるときに、圧電駆
動部に与えられる駆動電流が低下するのを防止でき、駆
動電流を常に一定にできる。これは増幅出力端に設けら
れた容量素子により圧電振動子の制動容量Cdの影響を
相殺(キャンセル)できることによる。増幅器の増幅利
得がnのとき、増幅器出力端に設けられる容量素子の静
電容量Csを前記制動容量Cdの(n−1)倍とし、ま
たはこれと近似したものとすることが好ましい。
【0016】さらに、上記において、圧電駆動部と並列
なインダクタンス素子を設けることが可能である。
【0017】このインダクタンス素子を設けることによ
り、容量素子の静電容量の変化に対する圧電駆動部の共
振周波数fhの変動幅を広くできる。
【0018】また、上記インダクタンス素子はコイルな
ど比較的大型の電子部品であり、IC化が困難である。
よってインダクタンス素子と同じ働きをするものとし
て、抵抗素子と容量素子およびオペアンプを有して、等
価インダクタンスを得るインピーダンス変換回路また
は、容量素子とオペアンプにより構成された負性素子を
使用することが可能である。
【0019】さらに、本発明の駆動装置として、圧電検
出部からの出力を増幅する増幅器と、抵抗素子および容
量素子とから成る発振回路とを有する自励発振回路を用
いることができる。この自励発振回路において、前記発
振回路からの発振出力が前記圧電駆動部に与えられる経
路に、弾性体の駆動振動数を圧電検出部の共振周波数に
向けて変化させる容量素子が設けられる。
【0020】また、上記自励発振回路において、発振出
力が圧電駆動部に与えられる経路に、容量素子とインダ
クタンス素子を設けることができ、またこれらと共に増
幅器と容量素子とから構成される駆動電流の変動を抑制
する回路を設けることも可能である。さらには、圧電駆
動部と並列にインダクタンス素子または前記インピーダ
ンス変換回路あるいは負性素子を接続することも可能で
ある。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は本
発明の第1実施例の振動型ジャイロスコープの駆動装置
を示す回路図である。弾性体Aは、平板状または平板の
2脚音叉形状あるいは3脚の音叉形状、または角柱形状
であり、直交する2方向へ振動可能なものである。弾性
体Aに圧電駆動部1と圧電検出部2とが設けられてい
る。例えば弾性体Aが、エリンバなどの恒弾性材料に駆
動用の圧電素子と検出用の圧電素子が設けられている場
合には、駆動用の圧電素子が圧電駆動部1となり、検出
用の圧電素子が圧電検出部2となる。また弾性体A全体
が圧電材料で構成されている場合、または恒弾性材料と
圧電材料の積層体により構成されている場合には、駆動
電極が設けられている部分の圧電材料が圧電駆動部1と
なり、検出電極が設けられている部分の圧電材料が圧電
検出部2となる。
【0022】この振動型ジャイロスコープでは、交流駆
動電源部3から圧電駆動部1に駆動電力が与えられる
と、圧電駆動部1により弾性体Aが所定方向へ振動させ
られる。この弾性体Aが回転系内に置かれると、弾性体
Aに対し前記駆動方向と直交するコリオリ力が作用し、
弾性体Aの駆動振動とコリオリ力による振動とが合成さ
れた振動を生じる。このコリオリ力による振動成分は、
圧電検出部2から検出電圧V1として取り出される。
【0023】図1の実施例では、交流駆動電源部3から
圧電駆動部1への経路に、圧電駆動部1の共振周波数f
hを変化させるための容量素子4(静電容量Cv)が設
けられている。容量素子4は静電容量Cvが固定値とな
るものであってもよいが、静電容量Cvを可変できる可
変容量素子であることが好ましい。
【0024】図3に示すように、上記容量素子4を設け
ることにより、圧電駆動部1の共振周波数fh(圧電駆
動部により弾性体Aを駆動するときの共振周波数)を、
圧電検出部2の共振周波数fv(コリオリ力により弾性
体Aが振動するときの共振周波数)に向けて変化させる
ことが可能である。すなわち、圧電駆動部1の圧電振動
子が共振点で振動しているときの共振周波数は数1で示
される。図1では、図21(B)に示す直列共振状態の
圧電駆動部1の圧電振動子に、静電容量Cvの容量素子
4が直列に接続されたものとなり、共振周波数fhは、
数1のCmを数2のCに置き換えたものと見ることがで
きる。
【0025】
【数2】
【0026】数2から、容量素子4の静電容量Cvが無
限大であると、圧電駆動部1の共振周波数は、容量素子
4が設けられていないときの基の共振周波数fhに限り
なく近づき、静電容量Cvを小さくすると、数2のCが
小さくなり、数1の共振周波数が高くなる。したがっ
て、圧電検出部2の共振周波数fvが、圧電駆動部1の
共振周波数fvよりも高い場合には、前記容量素子4を
設けその静電容量Cvを小さくすることにより、圧電駆
動部1の共振周波数を、圧電検出部2の共振周波数fv
に近づけまたは一致させることができる。ただし図1に
示すように、圧電駆動部1への駆動電力の供給経路に容
量素子4を設けたものでは、図3に示すように、容量素
子4の静電容量Cvを小さくし、圧電駆動部1の共振周
波数を高くしていくにしたがって、圧電駆動部1の圧電
振動子に流れる電流すなわち駆動電流Iが低下してい
く。
【0027】そこで、図2に示す実施例では、圧電駆動
部1の一端の電圧を大きくするための増幅器5が設けら
れ、この増幅器5の増幅出力端から容量素子6(静電容
量Cs)を経て圧電駆動部1に至る経路(駆動電流Iの
変動を抑制するための経路)が設けられている。前記容
量素子6は、圧電振動子の制動容量Cdの影響を低減さ
せる役割を発揮する。また増幅器5の利得は抵抗値R1
とR2とで設定される。
【0028】図5は、図2に示す駆動装置を等価回路に
置き換えたものである。ここでは、圧電駆動部1の圧電
振動子が共振点付近で駆動されているものとし、圧電振
動子をLm、Cm、Rmの直列共振辺および制動容量C
dで示している。またLm、Cm、Rmの直列共振辺の
インピーダンスをZmで示している。また増幅器5の増
幅利得をnとする。図5においてととの電流ルー
プから数3が導かれる。
【0029】
【数3】
【0030】図5における(a)点でのキリヒホッフの
電流則から数4が得られる。
【0031】
【数4】
【0032】数3と数4を整理すると数5が得られる。
【0033】
【数5】
【0034】上記において圧電振動子の直列共振辺のイ
ンピーダンスZmは、数6であるから、これを数5に代
入すると、数7が得られる。
【0035】
【数6】
【0036】
【数7】
【0037】数7から圧電振動子の直列共振辺に流れる
電流Imの、共振点でのレベルは数8となる。
【0038】
【数8】
【0039】数8において、共振点を変化させるために
容量素子4の静電容量Cvを変動させたときに、電流I
mの共振点でのレベルを一定にする条件は、数9であ
り、よって数10である。
【0040】
【数9】
【0041】
【数10】
【0042】上記数10から、増幅器5の増幅利得がn
のとき、増幅器5の増幅出力端と圧電駆動部1との間に
設けられる容量素子6の静電容量Csを、圧電振動子の
制動容量Cdの(n−1)倍に設定すると、容量素子4
の静電容量Cvを小さくして、圧電駆動部の共振周波数
を、圧電検出部2の共振周波数fvに向けて変化させて
も、図4に示すように、圧電振動子に与えられる駆動電
流が低下しなくなる。これは、前記静電容量Csにより
制動容量Cdが打ち消されまたは制動容量Cdの影響が
低減していることを意味している。前記数7により、圧
電振動子の共振周波数fhを求めると、数11となる。
【0043】
【数11】
【0044】容量素子4と6および増幅器5が設けられ
ていないときの、圧電振動子の共振周波数fは数1で示
した通りである。よって、図2と図5に示す装置おい
て、圧電振動子の共振周波数を変化させることのできる
帯域Δfは、数12に示す通りである。
【0045】
【数12】
【0046】例えばLm=42.61H、Cm=5.2
6pF、Rm=4.38kΩ、Cd=714pFの圧電
振動子について考える。駆動電圧(入力電圧)をV=1
ボルトとし、増幅器の増幅利得nを24倍とすると、数
10からCs=32.2pFである。ここで、Cv=1
pFとすると、圧電振動子の共振周波数をΔf=36.
1Hzだけ高くすることができる。増幅器5と容量素子
4と6が設けられていない場合の、圧電駆動部1の共振
周波数fhと、コリオリ力による振動を検出する圧電検
出部の共振周波数fvとの差がΔf=36.1Hzの範
囲内であれば、容量素子4の静電容量Cvの調整によ
り、前記共振周波数fhを圧電検出部の共振周波数fvに
一致させまたは近似させることが可能であり、図20に
示すように、コリオリ力の検出出力V1を高くできる。
【0047】なお、増幅器5の増幅利得nと、容量素子
6の静電容量Csと、制動容量Cdとの関係は、数10
に示すように設定しておくことが好ましいが、例えばC
sが正確にCdの(n−1)倍でなくても、圧電駆動部
1の共振周波数fhを変化させるときの駆動電流Iの低
下を抑制できる効果を発揮できる。
【0048】図6は本発明の第2実施例の振動型ジャイ
ロスコープの駆動装置を示す回路図である。図6に示す
駆動装置では、図1に示す装置において、容量素子4と
直列にインダクタンス素子7(自己インダクタンスL
v)を接続している。図6に示す実施例では、図21
(A)に示す圧電振動子のCmに対し、静電容量Cvが
直列に接続され、且つLmに対しインダクタンスLvが
直列に接続されたものとして見ることができる。よって
数1に示す共振周波数に関しては、Cvを無限大にした
ときに、共振周波数がfhに限りなく近づくのではな
く、fhよりも低い周波数に限りなく近づく。この漸近
する周波数は、LmとLvとで決められるものとなる。
【0049】よって、図8に示すように、容量素子4の
静電容量Cvを小さくすることにより、圧電駆動部1の
共振周波数を基の共振周波数fhよりも高くでき、また
静電容量Cvを大きくすることにより、圧電駆動部1の
共振周波数を基の共振周波数fhよりも低くでき、前記
漸近する周波数に近づけることができる。
【0050】したがって、図6に示す実施例では、図1
に示す実施例に比べて共振周波数の調整範囲を広くとる
ことができる。例えば、容量素子4とインダクタンス素
子7を有していないときの圧電駆動部1の共振周波数f
hよりも、コリオリ力を検出する圧電検出部2の共振周
波数fvの方が大きい場合には、容量素子4の静電容量
Cvを小さくすることにより、圧電駆動部1の共振周波
数を圧電検出部2の共振周波数fvに近づけまたは一致
させることができる。また、圧電駆動部1の共振周波数
fhよりも、コリオリ力による圧電検出部2の共振周波
数fvの方が低い場合には、静電容量Cvを大きくする
ことにより、圧電駆動部1の共振周波数fhを圧電検出
部2の共振周波数fvに近づけまたは一致させることが
できる。ただし、図6に示す実施例では、容量素子4の
静電容量Cvを小さくして、圧電駆動部1の共振周波数
を高くするにしたがって、圧電駆動部1を構成する圧電
振動子に与えられる駆動電流Iが低下する。
【0051】したがって、図7に示すように、増幅器5
と容量素子6とから成る駆動電流の変動を抑制する回路
を用いるのが好ましい。また、図7に示す実施例は、図
2に示す実施例において、容量素子4に直列にインダク
タンス素子7を設けたものに相当している。図7に示す
実施例においても、増幅器5の増幅利得をnとしたとき
に、容量素子6の静電容量Csを制動容量Cdの(n−
1)倍にすることにより、図9に示すように、圧電駆動
部1の共振周波数が変化したときに、圧電駆動部1の圧
電振動子に流れる駆動電流Iの低下が生じなくなる。
【0052】図6または図7に示す実施例では、容量素
子4の静電容量Cvを変化させたときの圧電駆動部1の
共振周波数の調整幅を広くでき、静電容量Cvを選ぶこ
とにより、圧電駆動部1の共振周波数fhを、コリオリ
力により成分を検出する圧電検出部2の共振周波数fv
に近づけまたは一致させることが容易になる。
【0053】図10は本発明の第3実施例による振動型
ジャイロスコープの駆動装置を示す回路図である。図1
0に示す実施例は、図6に示す実施例に対し、圧電駆動
部1と並列なインダクタンス素子8(インダクタンスL
d)が付加されたものである。このインダクタンス素子
8を設けることにより、圧電駆動部1を構成する圧電振
動子の制動容量Cdとインダクタンス素子8とで並列共
振が生じ、制動容量Cdの影響を低減できる。その結
果、図12に示すように、容量素子4の静電容量Cvを
変化させたときに、圧電振動子の共振周波数の可変範囲
を広くできる。図10は、インダクタンス素子8により
圧電駆動部1の制動容量Cdを低減することにより、静
電容量Cvの変化に対する共振周波数の可変範囲を広く
できるものであるが、制動容量Cdの影響を最も小さく
できるときの、インダクタンスLdと制動容量Cdとの
関係は、数13に示す通りである。
【0054】
【数13】
【0055】なお図10の実施例においても、図12に
示すように、共振周波数が高くなるにしたがって、圧電
振動子の駆動電流Iが低下する。よって図10の実施例
においても、図11に示すように、増幅器5と容量素子
6を設けることが好ましい。この回路を付加することに
より、図13に示すように、圧電駆動部1の共振周波数
を変化させたときの駆動電流Iの低下を防止できる。こ
の場合も、容量素子6の静電容量Csと制動容量Cdの
最も好ましい関係は数10に示す通りである。
【0056】なお、上記のインダクタンス素子8は、図
1および図2に示す実施例において、圧電駆動部1と並
列に接続してもよい。図1と図2において、インダクタ
ンス素子8を付加することにより、容量素子4の静電容
量Cvの変化による共振周波数の調整範囲を広くでき
る。
【0057】次に、上記インダクタンス素子8を設ける
場合、コイルなどのインダクタンス素子は外形寸法が大
きいため、回路の小型化とIC化に適していない。そこ
で、図14および図15に示すインピーダンス変換回路
を用いると、インダクタンスLdと等価的な回路を構成
できる。この回路はIC化が可能であるため、インダク
タンス素子8を設けるものよりも回路を小型に構成でき
る。図14のZ1からZ5は、各素子のインピーダンス
を示しており、これらのインピーダンスの比を求めるた
めのオペアンプ11、12が設けられている。Z1=Z
2のとき、入力インピーダンスをZinとすると、これ
は数14で表わされる。
【0058】
【数14】
【0059】図15に示すように、Z3を抵抗R3のイ
ンピーダンス、Z4を静電容量C4のインピーダンス、
Z5を抵抗R5のインピーダンスとすると、数15で示
す等価インダクタンスLeqが得られる。
【0060】
【数15】
【0061】図15のインピーダンス変換回路を、図1
1に示すインダクタンス素子Ldの代わりとして、圧電
駆動部1と並列に接続することにより、圧電振動子の制
動容量の影響を低減し、容量素子4の静電容量Cvの変
化に対する、共振周波数の調整幅を広くできる。なお、
前記各実施例のインダクタンス素子7の代わりに、図1
5に示すインピーダンス変換回路を用いて等価インダク
タンスを構成することも可能である。
【0062】次に、図10と図11に示すインダクタン
ス素子8の代わりに、図16に示す負性素子「−C」を
用いることにより、インダクタンスLdを設けたのと同
じ効果を得ることができる。この負性素子は、オペアン
プと抵抗と静電容量とで構成でき、回路的には、小型の
ものとなる。図16の回路における入力アドミッタンス
Yinは数16で表わされる。
【0063】
【数16】
【0064】インピーダンスZ6を静電容量Cで構成す
ると、Y6=S・Cとなる、よって
【0065】
【数17】
【0066】となり、負性素子を実現できる。次に、図
17は、振動型ジャイロスコープの駆動装置として、圧
電駆動部1と圧電検出部2を含む自励発振回路を構成し
たものであり、この自励発振回路に、図2に示す容量素
子4(静電容量Cv)、増幅器5および容量素子6(静
電容量Cs)から成る、圧電駆動部1の共振周波数fh
を、コリオリ力を検出する圧電検出部の共振周波数に向
けて変化させる調整回路を付加したものである。
【0067】上記自励発振回路は、圧電検出部2からの
出力が、電圧フォロワ15を介して増幅器14に与えら
れる。増幅器14の増幅利得は抵抗R6とR7で決めら
れる。増幅器14からの増幅出力は積分型の位相発振器
となるIC回路16に与えられ、IC回路16からの発
振出力が駆動電力として圧電駆動部1に与えられる。こ
の自励発振回路中に図2に示したのと同じ圧電振動子の
共振周波数を変化させる回路を付加したものである。
【0068】なお、図17に示す回路において、増幅器
5と容量素子6を設けず、容量素子4のみを設けてもよ
いが、図4に示すように圧電振動子の駆動電流を安定さ
せるためには、増幅器5と容量素子6を設けることが好
ましい。また図17の回路において、容量素子4と直列
なインダクタンス素子7を設けてもよい。あるいは図1
1に示すようにインダクタンス素子8を圧電駆動部1と
並列に設けてもよい。さらにこのインダクタンス素子8
の代わりに図15に示すインピーダンス変換回路また
は、図16に示す負性素子を用いてもよい。
【0069】
【発明の効果】以上のように本発明では、振動型ジャイ
ロスコープの圧電駆動部に交流駆動電源部から駆動電力
が与えられ、または圧電駆動部と圧電検出部を含む自励
発振回路が構成されて、圧電駆動部により弾性体が駆動
されるものにおいて、圧電駆動部の共振周波数を圧電検
出部の共振周波数に電気的に近似させまたは一致させる
ことが可能である。よって従来のように、弾性体を機械
的にトリミングする必要がなく、共振周波数の調整作業
が簡単になる。また機械的なトリミングに比べて圧電駆
動部の共振周波数を圧電検出部の共振周波数に近似させ
または一致させる精度を高くできる。
【0070】特に電圧を増幅する増幅器と、この増幅出
力端に設けられた容量素子を有して、圧電駆動部への駆
動電流の変動を抑制する回路を設けると、圧電駆動部の
共振周波数を変化させるときの圧電振動子の駆動電流の
低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の振動型ジャイロスコープ
の駆動装置を示す回路図、
【図2】図1に示す駆動装置に、増幅器と容量素子から
成る駆動電流の変動を抑制する回路を付加した駆動装置
を示す回路図、
【図3】図1に示す駆動装置での共振周波数の変化と、
圧電駆動部の駆動電流との関係を示す線図、
【図4】図2に示す駆動装置での共振周波数の変化と、
圧電駆動部の駆動電流との関係を示す線図、
【図5】図2に示す回路にて制動容量Cdと静電容量C
sとの関係を計算するための等価回路図、
【図6】本発明の第2実施例の振動型ジャイロスコープ
の駆動装置を示す回路図、
【図7】図6に示す駆動装置に、増幅器と容量素子から
成る駆動電流の変動を抑制する回路を付加した駆動装置
を示す回路図、
【図8】図6に示す駆動装置での共振周波数の変化と、
圧電駆動部の駆動電流との関係を示す線図、
【図9】図7に示す駆動装置での共振周波数の変化と、
圧電駆動部の駆動電流との関係を示す線図、
【図10】本発明の第3実施例の振動型ジャイロスコー
プの駆動装置を示す回路図、
【図11】図10に示す駆動装置に、増幅器と容量素子
から成る駆動電流の変動を抑制する回路を付加した駆動
装置を示す回路図、
【図12】図10に示す駆動装置での共振周波数の変化
と、圧電駆動部の駆動電流との関係を示す線図、
【図13】図11に示す駆動装置での共振周波数の変化
と、圧電駆動部の駆動電流との関係を示す線図、
【図14】図10、図11に示すインダクタンス素子8
の代わりに使用できるインピーダンス変換回路を示す回
路図、
【図15】図14のインピーダンス変換回路の具体的な
例を示す回路図、
【図16】図10、図11に示すインダクタンス素子8
の代わりに使用できる負性素子を示す回路図、
【図17】圧電駆動部と圧電検出部を含む自励発振回路
において、圧電駆動部の共振周波数を変化させる調整回
路が付加された駆動装置を示す回路図、
【図18】従来の振動型ジャイロスコープの駆動装置を
示す回路図、
【図19】圧電駆動部と圧電検出部の共振周波数とアド
ミッタンスとの関係を示す線図、
【図20】圧電駆動部と圧電検出部とで共振周波数が一
致しているときと一致していないときとでの、入力電圧
に対する出力電圧の比を示す線図、
【図21】(A)は圧電振動子が共振点付近で振動して
いるときの等価回路図、(B)は共振点で振動している
ときの等価回路図である。
【符号の説明】
A 弾性体 1 圧電駆動部 2 圧電検出部 3 交流駆動電源部 4 共振周波数を変化させる容量素子 5 増幅器 6 増幅器の出力端に接続される容量素子 7 インダクタンス素子 8 圧電駆動部と並列に設けられるインダクタンス素
子、 11、12、13 オペアンプ 14 増幅器 15 電圧フォロワ 16 発振回路となるLC回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電効果により弾性体を振動させる圧電
    駆動部と、振動している前記弾性体がコリオリ力により
    振動したときにこの振動成分を圧電効果により検出する
    圧電検出部とが設けられ、前記圧電駆動部への電力供給
    経路に、弾性体の駆動振動数を圧電検出部の共振周波数
    に向けて変化させる容量素子が設けられていることを特
    徴とする振動型ジャイロスコープの駆動装置。
  2. 【請求項2】 圧電効果により弾性体を振動させる圧電
    駆動部と、振動している前記弾性体がコリオリ力により
    振動したときにこの振動成分を圧電効果により検出する
    圧電検出部と、前記圧電検出部からの出力を増幅する増
    幅器と、抵抗素子および容量素子とから成る発振回路と
    が設けられ、この発振出力が前記圧電駆動部に与えられ
    る経路に、弾性体の駆動振動数を圧電検出部の共振周波
    数に向けて変化させる容量素子が設けられていることを
    特徴とする振動型ジャイロスコープの駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記容量素子と直列のインダクタンス素
    子が設けられている請求項1または2記載の振動型ジャ
    イロスコープの駆動装置。
  4. 【請求項4】 圧電駆動部に与えられる電圧を増幅する
    増幅器が設けられ、この増幅器の増幅出力端から容量素
    子を経て圧電駆動部に至り、圧電駆動部への駆動電流の
    変動を抑制する経路が設けられている請求項1ないし3
    のいずれかに記載の振動型ジャイロスコープの駆動装
    置。
  5. 【請求項5】 圧電駆動部と並列なインダクタンス素子
    が設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載の
    振動型ジャイロスコープの駆動装置。
  6. 【請求項6】 抵抗素子と容量素子およびオペアンプを
    有して、等価インダクタンスを得るインピーダンス変換
    回路が設けられ、これが圧電駆動部と並列に接続されて
    いる請求項1ないし4のいずれかに記載の振動型ジャイ
    ロスコープの駆動装置。
  7. 【請求項7】 容量素子とオペアンプにより構成された
    負性素子が設けられ、これが圧電駆動部と並列に接続さ
    れている請求項1ないし4のいずれかに記載の振動型ジ
    ャイロスコープの駆動装置。
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