JPH0949508A - 液圧式シリンダ装置 - Google Patents

液圧式シリンダ装置

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JPH0949508A
JPH0949508A JP7202252A JP20225295A JPH0949508A JP H0949508 A JPH0949508 A JP H0949508A JP 7202252 A JP7202252 A JP 7202252A JP 20225295 A JP20225295 A JP 20225295A JP H0949508 A JPH0949508 A JP H0949508A
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JP
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lock
piston
cylinder
lock member
hydraulic pressure
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Application number
JP7202252A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Murakami
宏明 村上
Hirofumi Okamoto
弘文 岡本
Kojiro Takagishi
宏二郎 高岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリンダ1内でピストン2が進退し、ピストン
2に内設したロックピストン3がロック位置でそのラン
ド部3aによりセグメント4を押上げてシリンダ係合溝
1cに係合させることによりピストン2をロックし、ロ
ック開放位置でロックピストン3がその凹所3b内にセ
グメント4を引き込むことによりシリンダ係合溝1cか
ら解離させるように構成される液圧式シリンダ装置にお
いて、ピストン2に掛かるスラスト力によりセグメント
4がランド部3aに強く押付けられてロックピストン3
の作動抵抗を増大させる不都合を解消する。 【解決手段】ロックピストン3のランド部3aに、セグ
メント4を凹所3bに案内するための傾斜面3cを設け
たので、ピストン2に掛かるスラスト力がセグメント4
の没入方向の力に変換されても、その力が更にロックピ
ストン3の推力に変換されて、ピストン2に作用する外
力の影響がキャンセルされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロック機能を有す
る直動式シリンダ等として利用可能な液圧式シリンダ装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、直動式シリンダとして、図5に
示す液圧式シリンダ装置が利用される。この液圧式シリ
ンダ装置は、内周にリング状の係合溝1aを有したシリ
ンダ1と、このシリンダ1の一対のシリンダ室A、Bの
間に配設され、一方のシリンダ室A又はBに液圧が導入
されることによって進退駆動可能であるとともに、軸心
位置に中空部2aを有し、周壁部の等角位置(例えば3
〜4箇所)に放射方向に貫通する溝部2bを有したピス
トン2と、このピストン2に摺動可能に嵌装され外周に
前記中空部2aに摺接するランド部3a及びこのランド
部3aよりも小径な凹所3bを形成されたロックピスト
ン3と、前記ピストン2の溝部2bに突没可能に配設さ
れたロック部材たるセグメント4とを具備してなる。ロ
ックピストン3はピストン2との間に弾設したスプリン
グ5によって図中左方向へオフセット力を受けているた
め、シリンダ室Aに液圧が導入されてピストン2が図中
左方向に駆動されたときには、シリンダ1内をロックピ
ストン3が図5のロック位置に移行すると同時に、その
ランド部3aによりセグメント4の基端4aを押上げて
該セングメント4の先端4bを前記シリンダ1の係合溝
1aに装入する。このため、この状態でピストン2に外
力である引張荷重FP が作用しても、該ピストン2は図
示の位置にロックされる。また、他方のシリンダ室Bに
液圧が導入されてピストン2が図中右方向に駆動された
ときには、ロックピストン3がその液圧を利用して図6
に示すロック開放位置に移行すると同時にその凹所3b
にセグメント4の基端4aを引き込んで該セグメント4
の先端4bをシリンダ1の係合溝1aから解離させ、ピ
ストン2をそのまま図7に示す作動端にまで移動させ得
るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ロックピス
トン3が図5に示すロック位置から図6に示すロック開
放位置に移行する動作に着目すると、先ずシリンダ室B
に液圧が導入され、ピストン2がその液圧付勢力によっ
て図中右方向へ移動しようとするが、そのスラスト力に
よって、ピストン2の放射方向の溝部2bに装入してい
るセグメント4には次のようにして没入方向への駆動力
が付与される。すなわち、最初はセグメント4は先端4
bをシリンダ1の係合溝1aに係合させており、このと
き、セグメント4と係合溝1aとの間には、セグメント
4がスラスト方向の液圧付勢力を受けて溝部1aに当接
する側の各面に、そのスラスト力をセグメント4のラジ
アル方向への力に変換するためのテーパ面4c、1cが
形成してある。そして、スラスト力を受けたセグメント
4は、そのテーパ面4cをシリンダ係合溝1aのテーパ
面1cに沿って摺動させながら没入方向へ移動すること
ができる。一方、シリンダ室Bに導入された液圧はロッ
クピストン3にも作用し、このロックピストン3が、ス
プリング5によるオフセット位置からスプリング5を圧
縮しつつ図中右方向へ移動するので、一定量の移動後に
このピストン2のランド部3aが図6に示す位置でセグ
メント4の基端4aから外れ、その基端4aに凹所3b
を合致させる。このとき、セグメント4を押上げていた
力が消失し、セグメント4がその基端4aを凹所3bに
没入させる位置にまで移動するので、先端4bがシリン
ダ1の係合溝1aから外れる。このため、ピストン2に
対するスラスト方向のロック状態が開放され、ピストン
2は図中右方向に向かって図7に示す動作端にまで移動
することが可能となる。
【0004】ところが、このような液圧式シリンダ装置
のピストン2に外力として引張荷重FP が作用した場
合、ピストン推力は、シリンダ室Bに導入される液圧に
よる付勢力の他に、ピストン2に加わる外力FP がその
発生要因となる。そして、このピストン推力に応じて、
セグメント4のテーパ面4cがシリンダ1のテーパ面1
cに押付けられ、その分力により、セグメント4の基端
4aがロックピストン3のランド部3aに押し当てられ
る。このため、ピストン2の外力が大きいほど、セグメ
ント4の基端4aがロックピストン3のランド部3aに
より強く押付けられて、ロックピストン3はセグメント
基端4aとの摩擦によって動き難くなり、それを克服す
るために、シリンダ室Bにそれに見合うより高い液圧を
導入してロックピストン3に対する推力を高めなければ
ならなくなる。このため、ロック機構全体の大容量化を
招くという不都合を招来する。
【0005】また、前述したセグメント4を収容するピ
ストン2の溝部2bは、組立てや作動上の必要性から、
セグメント4よりも僅かに大きく成形されていて、セグ
メント4を装入した状態で溝部2bとの間に若干の隙間
が存在している。そのため、先端4bをシリンダ1の係
合溝1aに装入し基端4aをピストン2の溝部2bに装
入した状態のセグメント4にピストン推力が作用する
と、図8に示すようにセグメント4は溝部2bの入口2
1 及び出口2b2 に部分的に付勢されて傾き、線接触
状態で局所的な高面圧を発生する。そして、このような
スラスト力を受けながらセグメント4が溝部2b内を没
入方向へ相対運動しなければならないため、セグメント
4や溝部2bの摩耗、焼付等の不具合を惹起するという
不具合を生じる。このような不具合は、セグメント4が
ピストン2からスラスト力を受けてその溝部2b内を摺
動しながら瞬時にロックピストン3の凹部3b内に没入
しようとする動作時に特に助長される。
【0006】本発明は、これらの課題をことごとく解消
した液圧式シリンダ装置を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次のような構成を採用したものであ
る。
【0008】すなわち、本発明の液圧式シリンダ装置
は、内周に係合溝を有したシリンダと、このシリンダの
一対のシリンダ室の間に配設され、一方のシリンダ室に
液圧が導入されることによって進退駆動されるととも
に、軸心位置に中空部を有し、周壁部に放射方向に貫通
する溝部を有したピストンと、このピストンに摺動可能
に嵌装され外周に前記中空部に摺接するランド部及びこ
のランド部よりも小径な凹所を形成されたロックピスト
ンと、前記シリンダの溝部に突没可能に配設されたロッ
ク部材とを具備してなり、一方のシリンダ室に液圧が導
入されてピストンが一方に駆動されたときに、ロックピ
ストンがロック位置に移行すると同時に、そのランド部
によりロック部材の基端を押上げて先端をシリンダの係
合溝に装入し、他方のシリンダ室に液圧が導入されてピ
ストンが他方に駆動されたときに、ロックピストンがそ
の液圧を利用してロック開放位置に移行すると同時に、
その凹所にロック部材の基端を引き込んで先端をシリン
ダの係合溝から解離させるように構成されたものにおい
て、第1に、ロック部材の基端とロックピストンのラン
ド部との摺動面に、ロック部材を凹所に案内するための
傾斜面を設けたことを特徴とし、第2に、ピストン溝部
とロック部材との摺動面に、ロック部材の傾動動作に伴
って傾動可能なスライドプレートを設けたことを特徴と
し、第3に、ロックピストンのロック開放位置側に、ダ
ンパ室を形成し、このダンパ室を絞りを介して一方のシ
リンダ室に連通させていることを特徴としている。
【0009】第1の構成によれば、ピストンに作用する
荷重が増加し、これに伴いロック部材の基端がより強く
ロックピストンのランド部に押付けられても、ランド部
とロック部材との摺動面にはロック部材を凹部に案内す
る方向の傾斜面が設けてあるため、この傾斜面によっ
て、ピストン荷重に比例した推力がロックピストンに付
与されることになる。このため、傾斜角を適宜の大きさ
に設定すれば、ピストンに作用する荷重が増大してもロ
ックピストンの作動抵抗が著しく増大する不具合を有効
に取り除くことができる。
【0010】また、第2の構成によれば、ロック部材と
ロックピストンの溝部との隙間でロック部材が傾いて
も、スライドプレートがロック部材に従動して傾くた
め、ロック部材とスライドプレートとの摺動面を常に面
接触させておくことができる。このため、異常な高面圧
によって摩耗や焼付を生じる不具合を有効に解消するこ
とができる。しかも、ロック部材とスライドプレートの
隙間は、その面圧に直接関係しないため、厳しい加工公
差を要求されることがなく、隙間管理も不要にすること
ができる。
【0011】さらに、第3の構成によれば、ロックピス
トンがロック位置からロック開放位置に移行する速度が
ダンパ室の存在により抑制される。このため、ロック部
材の基端がランド部から凹所に入り込む際の速度も抑制
され、該ロック部材の溝部に対する摺動動作も緩やかに
なって、高速で移動することによる摺動面の摩耗や焼付
の問題を更に有効に解消することができる。このような
効果は、ロック部材の基端とロックピストンのランド部
との摺動面に傾斜面を設けた場合に特に有効に発揮され
るものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
を参照して説明する。
【0013】<第1実施形態>図1及び図2に示す液圧
シリンダ装置は、基本的には図5〜図7に示したものと
同様である。すなわち、内周にリング状の係合溝1aを
有したシリンダ1と、このシリンダ1の一対のシリンダ
室A、Bの間に配設され、一方のシリンダ室A又はBに
液圧が導入されることによって進退駆動可能であるとと
もに、軸心位置に中空部2aを有し、周壁部の等角位置
(例えば3〜4箇所)に放射方向に貫通する溝部2bを
有したピストン2と、このピストン2に摺動可能に嵌装
され外周に前記中空部2aに摺接するランド部3a及び
このランド部3aよりも小径な凹所3bを形成されたロ
ックピストン3と、前記シリンダ1の溝部1aに突没可
能に配設されたロック部材たるセグメント4とを具備し
てなる。ロックピストン3はピストン2との間に弾設し
たスプリング5によって図中左方向へのオフセット力を
受けているため、シリンダ室Aに液圧が導入されてピス
トン2が図中左方向に駆動されたときには、ロックピス
トン3がランド部3aを溝部2bに合致させるロック位
置にまで移行すると同時に、そのランド部3aによりセ
グメント4の基端4aを押上げて該セングメント4の先
端4bを前記シリンダ1の係合溝1aに装入する。この
ため、この状態でピストン2に外力である引張荷重FP
が作用しても、該ピストン2はその位置にロックされ
る。また、他方のシリンダ室Bに液圧が導入されてピス
トン2が図中右方向に駆動されたときには、ロックピス
トン3がその液圧を利用して凹部3bを溝部2bに合致
させるロック開放位置にまで移行すると同時にその凹所
3bにセグメント4の基端4aを引き込んで該セグメン
ト4の先端4bをシリンダ1の係合溝1aから解離させ
るので、ピストン2をそのまま作動端にまで移動するこ
とができる。
【0014】このような構成において、本実施形態は、
図1に示すように、ロックピストン3のランド部3a
に、隣接位置にある凹所3bに向かって漸次縮径するテ
ーパ状の傾斜面3cを形成している。
【0015】このように構成すれば、ピストン2に作用
する荷重が増加し、セグメント4がロックピストン3の
ランド部3aに強く押付けられても、ランド部3aとセ
グメント4との摺動面に存在する傾斜面3cによりセグ
メント4をロックピストン3の凹部3bに案内する方向
の力が生じる。つまり、ピストン荷重に比例して図中右
方向に向かう推力が該ロックピストン3に付与されるこ
とになる。このため、傾斜面3cの傾斜角を適宜の大き
さに設定すれば、ピストン2に作用する荷重が増大して
もロックピストン3の作動抵抗が増大する不具合を有効
に取り除くことができる。そして、これによりロック機
構の大容量化を効果的に回避し、液圧式シリンダ装置の
信頼性や耐久性を確実に向上せせることが可能となる。
【0016】以上の作用をより具体的に説明すると、図
5に示す従来のランド部構造においては、セグメント4
の基端4aとロックピストン3のランド部3aとの間の
摩擦係数をμ、ロックピストン3に加わる荷重をW、ス
プリング力をFS 、シリンダ室Bに液圧Pが導入された
際のロックピストン3の受圧面積をALP、その際のピス
トン2の受圧面積をAp 、ロック部分の荷重変換効率を
η、ピストン2に作用する外力をFP とした場合、セグ
メント4のロック状態を開放するために必要な液圧力F
R は、 PR =(μW+FS )/ALP W=η(FP +AP ・P) となり、図2に折線Iで示すように、ロック開放圧力P
R は外力FP の増加に伴って増大する。
【0017】これに対して、本実施形態のようにランド
部3aにテーパ面3cを設けた構造においては、ロック
開放に必要な液圧力PR は、テーパ角をθとして、 PR =(μW+FS −Wtan θ)/ALP となる。ここで、tan θ=μとなるようなθを選定すれ
ば、 PR =FS /ALP となり、ロック開放圧力PR を、ロックピストン3に作
用する外力FP と全く無関係にすることができる。実用
上、例えばtan θ=μ/2とした場合にも、図2の折線
IIに示すように外力FP に対して、ロック開放圧力PR
を十分に低減する効果が奏される。
【0018】なお、以上の構成に代えて、傾斜面をセグ
メントの基端側に設けてもよく、またランド部とセグメ
ントの双方に傾斜面を設けることもできる。
【0019】<第2実施形態>図3に示す液圧式シリン
ダ装置は、図5に示した基本的構成において、ピストン
2の溝部2bとセグメント4との摺動面に、セグメント
4の傾動動作に伴って傾動可能なスライドプレート
1 、62 を設けたことを特徴としている。つまり、こ
の実施形態においては、セグメント4が角材状をなし、
これに対して、セグメント4を収容する溝部2bの図に
現れている方向の内法寸法をやや大きく形成して、その
溝部2bの内周に一対のスライドプレート61 、62
配設し、これらのスライドプレート61 、62 間にセグ
メント4を摺動可能に配設している。一方のスライドプ
レート61 には、背面内周側に部分円筒状の突起61が
設けてあり、この突起61を、溝部2bの入口2b1
近傍に形成した部分円筒状の穴21に回動可能に装入し
ている。また、他方のスライドプレート62 には、背面
外周側に部分円筒状の突起62が設けてあり、この突起
62を、溝部2bの出口2b2 の近傍に形成した部分円
筒状の穴22に回動可能に装入している。つまり、両ス
ライドプレート61 、62 は、ともに対向隙間を平行に
保って回動し得るようになっている。
【0020】このような構成によれば、先端4bをシリ
ンダ1の係合溝1aに装入し基端4aをピストン2の溝
部2bに装入した状態のセグメント4にピストン推力が
作用したとき、セグメント4が溝部2bの入口2b1
び出口2b2 に部分的に付勢されて傾くが、スライドプ
レート61 、62 がそのセグメント4の動きに従動して
傾くため、セグメント4とスライドプレート61 、62
との摺動面を常に面接触状態に維持することができる。
このため、図8のような状態で異常な高面圧を発生して
摺動面の摩耗や焼付を生じる不具合を有効に解消して、
液圧式シリンダ装置の信頼性や耐久性を確実に向上させ
ることが可能となる。しかも、セグメント4とスライド
プレート61 、62 との隙間は、面圧に直接関係しない
ため、厳しい加工公差を要求されることがなく、隙間管
理も不要となって、イニシャルコストやランニングコス
トも有効に削減することが可能となる。
【0021】なお、図示実施形態ではスライドプレート
側に突起を設け、溝部側に穴を設けたが、逆に溝部側に
突起を設け、スライドプレート側に穴を設けるようにし
てもよい。あるいは、スライドプレート、溝部ともに穴
を設け、両穴間に丸棒を介在させておくこともできる。
また、両スライドプレート61 、62 のうち特に高面圧
を発生するスライドプレート61 側にのみ本発明を適用
してもよい。
【0022】<第3実施形態>図4に示す液圧式シリン
ダ装置は、図5に示した基本的構成において、ロックピ
ストン3のロック開放位置側に、ダンパ室Cを形成し、
このダンパ室Cを絞り7を介して一方のシリンダ室Aに
連通させている。つまり、ピストン3の中空部2aの内
方端には、円筒状の嵌合孔が形成してあり、前記ロック
ピストン3をこの嵌合孔に摺動可能に嵌装して、ロック
ピストン3と嵌合孔との間にダンパ室Cを形成してい
る。そして、このダンパ室Cと、シリンダ室Aとを、ロ
ックピストン2の肉厚内に形成した絞りであるオリフィ
ス7を介して連通させている。
【0023】また、この実施形態においては、ロックピ
ストン3のランド部3aと凹部3bとを連続させる位置
に傾斜面3cを形成しており、加えて、セグメント3の
基端3aにもその傾斜面3cに平行な傾斜面4dを形成
している。
【0024】このような構成によれば、ロックピストン
3がロック位置からロック開放位置に向かって図中右方
向に移動しようとするときは、ダンパ室Cを圧縮し、ダ
ンパ室Cの内部に存在する流体を絞りであるオリフィス
7を介してシリンダ室A側に追い出しながら移動するこ
とになる。このため、移動速度はダンパ室Cの存在によ
って有効に抑制されることになる。一方、この実施形態
ではセグメント4の傾斜面4dがロックピストン3の傾
斜面3cに連続的に摺接するので、ロックピストン3の
移動量に比例してセグメント4が没入し、その速度もロ
ックピストン3の移動速度に比例して緩やかになる。こ
のため、セグメント4が溝部2aに対して摺動しながら
高速で移動することがなくなり、この点においても摺動
面の摩耗や焼付の問題を有効に解消して、液圧式シリン
ダ装置の信頼性や耐久性を確実に向上させることが可能
となる。
【0025】以上の作用をより具体的に説明すると、シ
リンダ室Bに液圧PR1が導かれ、ロックピストン3が動
作しようとするときに、オリフィス7によりロックピス
トン3の速度vに応じてダンパ室Cに液圧力PD が発生
する。そして、そのときのオリフィス7の通過流量Q
は、ロックピストン3の受圧面積をALP、オリフィス係
数をa、オフセットスプリング力をFS 、シリンダ室A
の液圧をPR2としたとき、 Q=a・(PD −PR2)1/2 Q=ALP・v の2式より、 PD =ALP2 ・v2 /a2 +PR2 …(1) となる。一方、ロックピストン3の釣り合いから、 PR1・ALP=PD ・ALP+FS …(2) が成り立つので、(1)、(2)式から、 v=(a/ALP)・(PR1−PR2−FS /ALP)1/2 が得られる。つまり、ロックピストン3の移動速度v
は、オリフィス7の係数aにより任意に設定可能とな
る。
【0026】なお、図示実施形態においては、ロックピ
ストン3の内部にシリンダ室Bとダンパ室Cとを連通さ
せる流路8を設け、この流路8にチェックバルブ9を介
設しているが、この構造により、シリンダ室Aに液圧が
導入されてロックピストン3がピストン2と共に図中左
方向に駆動されたときに、ロックピストン3がセグメン
ト4を押出す際の押出し力を緩和することができ、これ
によりシリンダ1の内壁にセグメント4が高速で衝突す
ることを有効に防止することが可能となる。
【0027】以上、本発明のいくつかの実施形態につい
て説明したが、各部の具体的な構成や断面形状などは、
図示実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨
を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す全体断面図。
【図2】同実施形態の作用を説明するグラフ。
【図3】本発明の第2実施形態を示す要部拡大断面図。
【図4】本発明の第3実施形態を示す全体断面図。
【図5】従来例を示す全体断面図。
【図6】同従来例の作用説明図。
【図7】同従来例の作用説明図。
【図8】同従来例の不具合を説明する要部拡大断面図。
【符号の説明】
1…シリンダ 1a…係合溝 2…ピストン 2a…中空部 2b…溝部 3…ロックピストン 3a…ランド部 3b…凹所 3c…傾斜面 4…ロック部材(セグメント) 4a…基端部 4b…先端 A、B…シリンダ室

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内周に係合溝を有したシリンダと、このシ
    リンダの一対のシリンダ室の間に配設され、一方のシリ
    ンダ室に液圧が導入されることによって進退駆動される
    とともに、軸心位置に中空部を有し、周壁部に放射方向
    に貫通する溝部を有したピストンと、このピストンに摺
    動可能に嵌装され外周に前記中空部に摺接するランド部
    及びこのランド部よりも小径な凹所を形成されたロック
    ピストンと、前記シリンダの溝部に突没可能に配設され
    たロック部材とを具備してなり、一方のシリンダ室に液
    圧が導入されてピストンが一方に駆動されたときに、ロ
    ックピストンがロック位置に移行すると同時に、そのラ
    ンド部によりロック部材の基端を押上げて先端をシリン
    ダの係合溝に装入し、他方のシリンダ室に液圧が導入さ
    れてピストンが他方に駆動されたときに、ロックピスト
    ンがその液圧を利用してロック開放位置に移行すると同
    時に、その凹所にロック部材の基端を引き込んで先端を
    シリンダの係合溝から解離させるように構成されたもの
    において、 前記ロック部材の基端と前記ロックピストンのランド部
    との摺動面に、ロック部材を凹所に案内するための傾斜
    面を設けたことを特徴とする液圧式シリンダ装置。
  2. 【請求項2】内周に係合溝を有したシリンダと、このシ
    リンダの一対のシリンダ室の間に配設され、一方のシリ
    ンダ室に液圧が導入されることによって進退駆動される
    とともに、軸心位置に中空部を有し、周壁部に放射方向
    に貫通する溝部を有したピストンと、このピストンに摺
    動可能に嵌装され外周に前記中空部に摺接するランド部
    及びこのランド部よりも小径な凹所を形成されたロック
    ピストンと、前記シリンダの溝部に突没可能に配設され
    たロック部材とを具備してなり、一方のシリンダ室に液
    圧が導入されてピストンが一方に駆動されたときに、ロ
    ックピストンがロック位置に移行すると同時に、そのラ
    ンド部によりロック部材の基端を押上げて先端をシリン
    ダの係合溝に装入し、他方のシリンダ室に液圧が導入さ
    れてピストンが他方に駆動されたときに、ロックピスト
    ンがその液圧を利用してロック開放位置に移行すると同
    時に、その凹所にロック部材の基端を引き込んで先端を
    シリンダの係合溝から解離させるように構成されたもの
    において、 前記ピストン溝部とロック部材との摺動面に、ロック部
    材の傾動動作に伴って傾動可能なスライドプレートを設
    けたことを特徴とする液圧式シリンダ装置。
  3. 【請求項3】内周に係合溝を有したシリンダと、このシ
    リンダの一対のシリンダ室の間に配設され、一方のシリ
    ンダ室に液圧が導入されることによって進退駆動される
    とともに、軸心位置に中空部を有し、周壁部に放射方向
    に貫通する溝部を有したピストンと、このピストンに摺
    動可能に嵌装され外周に前記中空部に摺接するランド部
    及びこのランド部よりも小径な凹所を形成されたロック
    ピストンと、前記シリンダの溝部に突没可能に配設され
    たロック部材とを具備してなり、一方のシリンダ室に液
    圧が導入されてピストンが一方に駆動されたときに、ロ
    ックピストンがロック位置に移行すると同時に、そのラ
    ンド部によりロック部材の基端を押上げて先端をシリン
    ダの係合溝に装入し、他方のシリンダ室に液圧が導入さ
    れてピストンが他方に駆動されたときに、ロックピスト
    ンがその液圧を利用してロック開放位置に移行すると同
    時に、その凹所にロック部材の基端を引き込んで先端を
    シリンダの係合溝から解離させるように構成されたもの
    において、 前記ロックピストンのロック開放位置側に、ダンパ室を
    形成し、このダンパ室を絞りを介して一方のシリンダ室
    に連通させていることを特徴とする液圧式シリンダ装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007057100A1 (de) * 2005-11-17 2007-05-24 Schwing Gmbh Hydraulikzylinder
KR101367531B1 (ko) * 2011-06-07 2014-02-25 이강창 지지구조를 갖는 유압실린더

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WO2007057100A1 (de) * 2005-11-17 2007-05-24 Schwing Gmbh Hydraulikzylinder
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