JPH0949096A - 三室法による塩の電解方法 - Google Patents
三室法による塩の電解方法Info
- Publication number
- JPH0949096A JPH0949096A JP7225876A JP22587695A JPH0949096A JP H0949096 A JPH0949096 A JP H0949096A JP 7225876 A JP7225876 A JP 7225876A JP 22587695 A JP22587695 A JP 22587695A JP H0949096 A JPH0949096 A JP H0949096A
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- JP
- Japan
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- chamber
- exchange membrane
- electrolysis
- intermediate chamber
- cathode
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- Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 三室電解槽を用いる塩の電気分解においてそ
の電流効率を改善する。 【構成】 陽極室と中間室の間に陰イオン交換膜を設
け、陰極室と中間室の間に陽イオン交換膜を設けた三室
電解槽において、中間室に塩の水溶液を、陽極室に酸水
溶液を、陰極室にアルカリ水溶液を入れ、中間室をアル
カリ性にして通電する。
の電流効率を改善する。 【構成】 陽極室と中間室の間に陰イオン交換膜を設
け、陰極室と中間室の間に陽イオン交換膜を設けた三室
電解槽において、中間室に塩の水溶液を、陽極室に酸水
溶液を、陰極室にアルカリ水溶液を入れ、中間室をアル
カリ性にして通電する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は陽極室と中間室の間の隔
膜として陰イオン交換膜を、陰極室と中間室の間の隔膜
として陽イオン交換膜を設置した三室電解槽に於いて中
間室に塩水溶液を、陽極室に酸水溶液を、陰極室にアル
カリ水溶液を存在せしめ、陽極より陰極に通電して電解
し酸及びアルカリを得る方法に関する。
膜として陰イオン交換膜を、陰極室と中間室の間の隔膜
として陽イオン交換膜を設置した三室電解槽に於いて中
間室に塩水溶液を、陽極室に酸水溶液を、陰極室にアル
カリ水溶液を存在せしめ、陽極より陰極に通電して電解
し酸及びアルカリを得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】陽極室と中間室の間の隔膜として陰イオ
ン交換膜を、陰極室と中間室の隔膜として陽イオン交換
膜を設置した三室電解槽に於いて中間室に塩水溶液を、
陽極室に酸水溶液を、陰極室にアルカリ水溶液を存在せ
しめ、陽極より陰極に通電して電解する方法は公知であ
る。たとえば特開昭62−97609号では三室法によ
る芒硝の電解について述べている。
ン交換膜を、陰極室と中間室の隔膜として陽イオン交換
膜を設置した三室電解槽に於いて中間室に塩水溶液を、
陽極室に酸水溶液を、陰極室にアルカリ水溶液を存在せ
しめ、陽極より陰極に通電して電解する方法は公知であ
る。たとえば特開昭62−97609号では三室法によ
る芒硝の電解について述べている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法では中間室
の液が成りゆきで酸性化し電流効率が低く経済的ではな
かった。その原因は陰イオン交換膜を通して陽極室の水
素イオンが中間室に移動する量が多いためである。即
ち、理想的には陰イオン交換膜は陰イオンのみを通す、
言い替えれば1ファラデーの電気を通すとき1当量の陰
イオンが透過する輸率 100%のものに近い事が望ましい
が実際は小量の陽イオンが電流により運ばれ、特に陽イ
オンが水素イオンである場合はその移動度が他のイオン
の5倍くらい大きいため電流により運ばれる量が多く、
陰イオン交換膜の輸率が著しく低いためである。
の液が成りゆきで酸性化し電流効率が低く経済的ではな
かった。その原因は陰イオン交換膜を通して陽極室の水
素イオンが中間室に移動する量が多いためである。即
ち、理想的には陰イオン交換膜は陰イオンのみを通す、
言い替えれば1ファラデーの電気を通すとき1当量の陰
イオンが透過する輸率 100%のものに近い事が望ましい
が実際は小量の陽イオンが電流により運ばれ、特に陽イ
オンが水素イオンである場合はその移動度が他のイオン
の5倍くらい大きいため電流により運ばれる量が多く、
陰イオン交換膜の輸率が著しく低いためである。
【0004】陽イオン交換膜に於いても陰極室の水酸イ
オンが透過して中間室に入り水素イオンを中和するが水
素イオンの透過量の方が多く陽極室の酸生成の電流効率
は陰極室のアルカリ生成のそれより大きくプロセス全体
の電流効率は陰イオン交換膜の性能に支配される。
オンが透過して中間室に入り水素イオンを中和するが水
素イオンの透過量の方が多く陽極室の酸生成の電流効率
は陰極室のアルカリ生成のそれより大きくプロセス全体
の電流効率は陰イオン交換膜の性能に支配される。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は三室法電解に
ついて鋭意研究の結果中間室液をアルカリ性にする事に
より陰イオン交換膜の輸率が改善され上記の問題点が解
決される事を見いだし本発明を完成するにいたった。
ついて鋭意研究の結果中間室液をアルカリ性にする事に
より陰イオン交換膜の輸率が改善され上記の問題点が解
決される事を見いだし本発明を完成するにいたった。
【0006】前述のように三室法電解プロセスの電流効
率は陰イオン交換膜の水素イオン輸率が支配するが中間
室の液をアルカリ性にすると陰イオン交換膜の水素イオ
ン輸率は低下しプロセスの電流効率は大となる。
率は陰イオン交換膜の水素イオン輸率が支配するが中間
室の液をアルカリ性にすると陰イオン交換膜の水素イオ
ン輸率は低下しプロセスの電流効率は大となる。
【0007】又、同時に陽イオン交換膜の水素イオンの
輸率も増大するため或pHで両者は均衡しそれ以上のp
Hでは中間室に生成する水酸イオンの量が水素イオンを
上回り陽イオン交換膜の水酸イオンの輸率がプロセスの
電流効率を支配すると考えられる。
輸率も増大するため或pHで両者は均衡しそれ以上のp
Hでは中間室に生成する水酸イオンの量が水素イオンを
上回り陽イオン交換膜の水酸イオンの輸率がプロセスの
電流効率を支配すると考えられる。
【0008】一定のpHの変化に対する陰イオン交換膜
の水素イオンの輸率の低下は陽イオン交換膜の輸率の増
大より大きいので中間室のpHは均衡点以上にするのが
有利と考えられる。
の水素イオンの輸率の低下は陽イオン交換膜の輸率の増
大より大きいので中間室のpHは均衡点以上にするのが
有利と考えられる。
【0009】本発明に於ける中間室液のpHの値は使用
される陰イオン交換膜と陽イオン交換膜の輸率の性能、
陽極室の酸濃度、中間室の塩濃度、陰極室のアルカリ濃
度、電流密度、温度等によって適当な値は変わるが通常
pH8以上の範囲である。
される陰イオン交換膜と陽イオン交換膜の輸率の性能、
陽極室の酸濃度、中間室の塩濃度、陰極室のアルカリ濃
度、電流密度、温度等によって適当な値は変わるが通常
pH8以上の範囲である。
【0010】陰イオン交換膜及び陽イオン交換膜として
は炭化水素系膜及び有機フッ素化合物系膜が使用され
る。輸率性能が良く、且つ電気抵抗の小さい膜が好まし
い。中間室の液のpHで膜の電気抵抗が高くなる弱解離
性のイオン交換基を有するものは好ましくなく強解離性
の基を有するものが好ましい。
は炭化水素系膜及び有機フッ素化合物系膜が使用され
る。輸率性能が良く、且つ電気抵抗の小さい膜が好まし
い。中間室の液のpHで膜の電気抵抗が高くなる弱解離
性のイオン交換基を有するものは好ましくなく強解離性
の基を有するものが好ましい。
【0011】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に述べる。
【0012】
【実施例1】陽極室、白金陽極、陰イオン交換膜、中間
室、陽イオン交換膜、白金陰極、陰極室を組み立て三室
電解槽を作った。陰イオン交換膜としては有機フッ素系
の強塩基性の膜(試作品)を、陽イオン交換膜としては
有機フッ素系の市販品(ナフィオン 324)を使用した。
陽極室に4当量/kgの硫酸、中間室に2当量/kgでpH
11.2の芒硝水溶液、陰極室には4当量/kgの水酸化ナト
リウム水溶液を入れ電流密度25A/dm2 で電解した。中
間室の液が35℃から95℃になったとき電解を中止し、各
室の液を分析した。陽極室には酸が生成しその電流効率
は71%、中心室には酸が生成し、その電流効率は14%、
陰極室にはアルカリが生成し、その電流効率は85%であ
った。
室、陽イオン交換膜、白金陰極、陰極室を組み立て三室
電解槽を作った。陰イオン交換膜としては有機フッ素系
の強塩基性の膜(試作品)を、陽イオン交換膜としては
有機フッ素系の市販品(ナフィオン 324)を使用した。
陽極室に4当量/kgの硫酸、中間室に2当量/kgでpH
11.2の芒硝水溶液、陰極室には4当量/kgの水酸化ナト
リウム水溶液を入れ電流密度25A/dm2 で電解した。中
間室の液が35℃から95℃になったとき電解を中止し、各
室の液を分析した。陽極室には酸が生成しその電流効率
は71%、中心室には酸が生成し、その電流効率は14%、
陰極室にはアルカリが生成し、その電流効率は85%であ
った。
【0013】
【従来例1】中間室のpHを硫酸にて 2.7に調節した他
は実施例1と同じ条件で電解した結果、陽極室には酸が
生成しその電流効率は68%、中間室には酸が生成し、そ
の電流効率は19%、陰極室にはアルカリが生成し、その
電流効率は86%であった。
は実施例1と同じ条件で電解した結果、陽極室には酸が
生成しその電流効率は68%、中間室には酸が生成し、そ
の電流効率は19%、陰極室にはアルカリが生成し、その
電流効率は86%であった。
【0014】
【実施例2】実施例1と同じ装置及び液を使用し、ただ
陰イオン交換膜として市販品(旭化成のA− 201)を、
陽イオン交換膜として市販品(旭化成のK− 101)を使
用し、中間室液のpHを水酸化ナトリウムにて12.8とし
た。実施例1と同様の条件で電解し分析した。陽極室の
酸の電流効率は29%、中間室の酸の電流効率は43%、陰
極室のアルカリの電流効率は71%であった。
陰イオン交換膜として市販品(旭化成のA− 201)を、
陽イオン交換膜として市販品(旭化成のK− 101)を使
用し、中間室液のpHを水酸化ナトリウムにて12.8とし
た。実施例1と同様の条件で電解し分析した。陽極室の
酸の電流効率は29%、中間室の酸の電流効率は43%、陰
極室のアルカリの電流効率は71%であった。
【0015】
【従来例2】中間室のpHを硫酸にて1.1 に調節した他
は実施例2と同じ条件で電解した結果、陽極室の酸の電
流効率は25%、中間室の酸の電流効率は53%、陰極室の
アルカリの電流効率は77%であった。
は実施例2と同じ条件で電解した結果、陽極室の酸の電
流効率は25%、中間室の酸の電流効率は53%、陰極室の
アルカリの電流効率は77%であった。
【0016】
【実施例3】実施例1と同じ装置及び液を使用し、ただ
陰イオン交換膜として実施例1と同一のものを、陽イオ
ン交換膜として市販品(デュポン社製ナフィオン No. 3
76)を使用し、中間室液のpHを11.6とした。各液をポ
ンプで電解槽とタンクの間に循環させつつ連続的に電流
密度30A/dm2 、温度80℃で電解した。陽極室の酸の電
流効率は85%、中間室の酸の電流効率は8%、陰極室の
アルカリの電流効率は77%であった。
陰イオン交換膜として実施例1と同一のものを、陽イオ
ン交換膜として市販品(デュポン社製ナフィオン No. 3
76)を使用し、中間室液のpHを11.6とした。各液をポ
ンプで電解槽とタンクの間に循環させつつ連続的に電流
密度30A/dm2 、温度80℃で電解した。陽極室の酸の電
流効率は85%、中間室の酸の電流効率は8%、陰極室の
アルカリの電流効率は77%であった。
【0017】
【従来例3】陽イオン交換膜としてナフィオン 324を使
用し、中間室のpHを硫酸にて 3.6に調節した他は実施
例3と同じ条件で電解した結果、陽極室の酸の電流効率
は66%、中間室の酸の電流効率は19%、陰極室のアルカ
リの電流効率は85%であった。以上得られた電流効率の
値を表にすると表1のようになった。
用し、中間室のpHを硫酸にて 3.6に調節した他は実施
例3と同じ条件で電解した結果、陽極室の酸の電流効率
は66%、中間室の酸の電流効率は19%、陰極室のアルカ
リの電流効率は85%であった。以上得られた電流効率の
値を表にすると表1のようになった。
【0018】
【表1】
【0019】この表よりわかる通り、実施例の方が、陽
極室での酸生成効率が向上しており、プロセスの電流効
率が向上していることがわかる。
極室での酸生成効率が向上しており、プロセスの電流効
率が向上していることがわかる。
【0020】
【発明の効果】本発明は従来電流効率が低く経済的でな
かった三室法による電気分解で電流効率が数%乃至20%
改善され、経済面で大きな効果をもたらすものである。
かった三室法による電気分解で電流効率が数%乃至20%
改善され、経済面で大きな効果をもたらすものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 陽極室と中間室の間の隔膜として陰イオ
ン交換膜を、陰極室と中間室の間の隔膜として陽イオン
交換膜を設置した三室電解槽に於いて中間室に塩水溶液
を、陽極室に酸水溶液を、陰極室にアルカリ水溶液を存
在せしめ、陽極より陰極に通電すると共に中間室をアル
カリ性にすることを特徴とする三室法による塩の電解方
法。 - 【請求項2】 前記の方法に於いて中間室のpHを均衡
値以上に保ち各室液を連続的に供給しつつ電解する請求
項1記載の電解方法。 - 【請求項3】 前記陽イオン交換膜の水酸イオンの輸率
が陰イオン交換膜の水素イオンの輸率より小である請求
項1又は2の電解方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7225876A JPH0949096A (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | 三室法による塩の電解方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7225876A JPH0949096A (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | 三室法による塩の電解方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0949096A true JPH0949096A (ja) | 1997-02-18 |
Family
ID=16836251
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7225876A Pending JPH0949096A (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | 三室法による塩の電解方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0949096A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012057229A (ja) * | 2010-09-10 | 2012-03-22 | Japan Organo Co Ltd | 三室型電解水生成装置のスケール防止方法及び三室型電解水生成装置 |
WO2021059379A1 (ja) | 2019-09-25 | 2021-04-01 | デノラ・ペルメレック株式会社 | 電極を含む積層構造体 |
-
1995
- 1995-08-10 JP JP7225876A patent/JPH0949096A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012057229A (ja) * | 2010-09-10 | 2012-03-22 | Japan Organo Co Ltd | 三室型電解水生成装置のスケール防止方法及び三室型電解水生成装置 |
WO2021059379A1 (ja) | 2019-09-25 | 2021-04-01 | デノラ・ペルメレック株式会社 | 電極を含む積層構造体 |
US11718922B2 (en) | 2019-09-25 | 2023-08-08 | De Nora Permelec Ltd | Laminated structure including electrodes |
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