JPH0948973A - コークス炉窯口部の乾留促進方法 - Google Patents
コークス炉窯口部の乾留促進方法Info
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- JPH0948973A JPH0948973A JP21975495A JP21975495A JPH0948973A JP H0948973 A JPH0948973 A JP H0948973A JP 21975495 A JP21975495 A JP 21975495A JP 21975495 A JP21975495 A JP 21975495A JP H0948973 A JPH0948973 A JP H0948973A
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- Japan
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- gas passage
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 容易に外部から炉蓋に形成したガス通路へ空
気もしくは酸素を吹き込み、窯口炉高方向の温度差を抑
制する。 【解決手段】 コークス炉11で石炭を乾留する際に発
生するコークス炉ガスを炉蓋1に形成したガス通路4へ
導入し、乾留中に空気もしくは酸素を吹き込んで前記コ
ークス炉ガスを燃焼させ、窯口部の石炭の乾留を促進す
る方法であって、前記空気もしくは酸素をコークス炉頂
部より炉蓋1に導き、炉高方向の任意の複数位置からガ
ス通路4へ吹込み、乾留の均一化、乾留熱量の低減、な
らびにコークス品質の安定化を図る。
気もしくは酸素を吹き込み、窯口炉高方向の温度差を抑
制する。 【解決手段】 コークス炉11で石炭を乾留する際に発
生するコークス炉ガスを炉蓋1に形成したガス通路4へ
導入し、乾留中に空気もしくは酸素を吹き込んで前記コ
ークス炉ガスを燃焼させ、窯口部の石炭の乾留を促進す
る方法であって、前記空気もしくは酸素をコークス炉頂
部より炉蓋1に導き、炉高方向の任意の複数位置からガ
ス通路4へ吹込み、乾留の均一化、乾留熱量の低減、な
らびにコークス品質の安定化を図る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、室炉式コークス
炉でコークスを製造する方法において、炉長方向の不均
一乾留を改善するための窯口部の乾留促進方法に関す
る。
炉でコークスを製造する方法において、炉長方向の不均
一乾留を改善するための窯口部の乾留促進方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】通常の室炉式コークス炉は、炉体の下部
に蓄熱室があり、その上部に燃焼室と炭化室とが交互に
配列されている。炭化室は、炉高4000〜7500m
m、炉幅400〜500mm、炉長13000〜170
00mmで、コークスの押出しを容易にするため、コー
クサイドがマシンサイドより50〜80mm程度広幅の
テーパが設けられている。コークス炉の炭化室へ装入す
る原料石炭は、通常全水分5〜10%、粒度3mm以下
80〜90%の配合炭、あるいは該配合炭と粒径20〜
50mmの成型炭からなる装入炭を、装炭車から重力落
下により装入している。このため、炭化室内の装入嵩密
度は、落下時の衝撃や粒径差に基づく安息角の相違等に
よって、炭化室の上下ならびに水平方向で偏析が生じる
ことは避けられない。このため、室炉式コークス炉によ
るコークスの製造においては、炭化室の炉長、炉高、炉
幅方向で生成するコークスの品質にバラツキの生じるこ
とが知られている。
に蓄熱室があり、その上部に燃焼室と炭化室とが交互に
配列されている。炭化室は、炉高4000〜7500m
m、炉幅400〜500mm、炉長13000〜170
00mmで、コークスの押出しを容易にするため、コー
クサイドがマシンサイドより50〜80mm程度広幅の
テーパが設けられている。コークス炉の炭化室へ装入す
る原料石炭は、通常全水分5〜10%、粒度3mm以下
80〜90%の配合炭、あるいは該配合炭と粒径20〜
50mmの成型炭からなる装入炭を、装炭車から重力落
下により装入している。このため、炭化室内の装入嵩密
度は、落下時の衝撃や粒径差に基づく安息角の相違等に
よって、炭化室の上下ならびに水平方向で偏析が生じる
ことは避けられない。このため、室炉式コークス炉によ
るコークスの製造においては、炭化室の炉長、炉高、炉
幅方向で生成するコークスの品質にバラツキの生じるこ
とが知られている。
【0003】また、炭化室に装入された装入炭は、両側
の25〜30余のフリュー列からなる燃焼室から炉壁を
介して間接加熱される。この燃焼室の端フリューは、図
10に示すとおり、炉壁71を介して外気と接触してお
り、また、コークスの窯出しの都度炉蓋72が取外さ
れ、窯口が外気に晒されるので、熱放散が大きく、各フ
リュー列の平均温度に比較して特にプッシャサイドでは
100℃近く低くなる。しかも、コークス窯出し終了後
取付けられる炉蓋72は、コークス押出しの間外気に接
触して冷却され、かつ、炉蓋72の断熱煉瓦73は装入
される常温の装入炭74と接触して冷却されると共に、
炉蓋72からの熱放散が大きい。このため、窯口近傍の
装入炭74は、コークス化が炉中央部より遅れることが
避けられない。このように、窯口部におけるコークスの
品質偏差は、際立って大きく、これら窯口部の不均一乾
留の改善を図らなければ、コークス炉の乾留熱量の低減
とコークス品質の安定化はあり得ないとさえ言えるほど
である。
の25〜30余のフリュー列からなる燃焼室から炉壁を
介して間接加熱される。この燃焼室の端フリューは、図
10に示すとおり、炉壁71を介して外気と接触してお
り、また、コークスの窯出しの都度炉蓋72が取外さ
れ、窯口が外気に晒されるので、熱放散が大きく、各フ
リュー列の平均温度に比較して特にプッシャサイドでは
100℃近く低くなる。しかも、コークス窯出し終了後
取付けられる炉蓋72は、コークス押出しの間外気に接
触して冷却され、かつ、炉蓋72の断熱煉瓦73は装入
される常温の装入炭74と接触して冷却されると共に、
炉蓋72からの熱放散が大きい。このため、窯口近傍の
装入炭74は、コークス化が炉中央部より遅れることが
避けられない。このように、窯口部におけるコークスの
品質偏差は、際立って大きく、これら窯口部の不均一乾
留の改善を図らなければ、コークス炉の乾留熱量の低減
とコークス品質の安定化はあり得ないとさえ言えるほど
である。
【0004】この窯口部の乾留遅れを改善するための対
策としては、端フリューに供給する燃料ガス量を他のフ
リューに比べて多くしたり、燃料ガスのカロリーを高く
して昇温する等の対策も試みられているが、端フリュー
の温度の上昇には限度があり、十分な効果を上げるまで
には至っていない。また、他の方法としては、窯口部に
装入する装入炭の水分を中央部に装入する装入炭の水分
より低減する方法(特開昭60−32885号公報)が
提案されている。この方法は、原理的には肯定できるも
のの、水分の異なる装入炭を炭化室の窯口部と中央部に
それぞれ装入する具体的な方法が確立されておらず、実
用的ではない。
策としては、端フリューに供給する燃料ガス量を他のフ
リューに比べて多くしたり、燃料ガスのカロリーを高く
して昇温する等の対策も試みられているが、端フリュー
の温度の上昇には限度があり、十分な効果を上げるまで
には至っていない。また、他の方法としては、窯口部に
装入する装入炭の水分を中央部に装入する装入炭の水分
より低減する方法(特開昭60−32885号公報)が
提案されている。この方法は、原理的には肯定できるも
のの、水分の異なる装入炭を炭化室の窯口部と中央部に
それぞれ装入する具体的な方法が確立されておらず、実
用的ではない。
【0005】また、炉蓋側の積極的な昇温対策として
は、図7に示すとおり炉蓋51の本体金物52に断熱材
53を内張りし、連結部材54を介して耐熱板55を設
置し、断熱材53と耐熱板55の間に乾留時の発生ガス
の導出を促進するガス通路56を垂直に形成せしめ、さ
らにこのガス通路内に管57から空気または酸素を導入
して積極的に増熱をはかる炉蓋(特公平05−3879
5号公報)が提案されている。特公平05−38795
号公報に開示の方式の耐熱板55としては、経済性を考
慮してステンレス鋼材が一般に使用されているが、熱変
形や腐食等の問題から耐久性が不十分である。また、耐
久性を有するセラミック材も使用されてはいるが、高価
であると共に、耐衝撃性に劣り実用に耐えるものではな
い。さらに、連結部材54は、導入された空気または酸
素による高温燃焼ガスに直接さらされるために熱変形や
腐食を受けその耐久性に問題がある。さらにまた、耐熱
板55と炉壁58との間には、炉蓋装脱着時の接触トラ
ブルを回避するために、所定の間隙が設けられている
が、耐熱板55が薄いためにこの間隙から装入炭の一部
がガス通路56に侵入し、コークス化して固着し、炉蓋
脱着作業が円滑にできないばかりでなく、窯口への落骸
が多量に発生し、窯出し作業に支障をきたす場合があ
る。特に最近の調湿炭操業では、この傾向は著しい。ま
た、この炉蓋の構造では、ガス通路を通過するガスが窯
口の金属製ドアフレームと直接接触することは避けられ
ず、ガス通路内に導入した空気または酸素により燃焼し
た熱のかなりの部分はドアフレームを通じて外部へ放散
され、窯口の乾留改善に有効に使用されないばかりか、
ドアフレームを通じて鋳鉄製の保護板の昇温を招き、保
護板の膨張損傷により、炉体に重大な損傷を与える可能
性が大きい。これらの理由からいまだ実用化されるに至
っていない。
は、図7に示すとおり炉蓋51の本体金物52に断熱材
53を内張りし、連結部材54を介して耐熱板55を設
置し、断熱材53と耐熱板55の間に乾留時の発生ガス
の導出を促進するガス通路56を垂直に形成せしめ、さ
らにこのガス通路内に管57から空気または酸素を導入
して積極的に増熱をはかる炉蓋(特公平05−3879
5号公報)が提案されている。特公平05−38795
号公報に開示の方式の耐熱板55としては、経済性を考
慮してステンレス鋼材が一般に使用されているが、熱変
形や腐食等の問題から耐久性が不十分である。また、耐
久性を有するセラミック材も使用されてはいるが、高価
であると共に、耐衝撃性に劣り実用に耐えるものではな
い。さらに、連結部材54は、導入された空気または酸
素による高温燃焼ガスに直接さらされるために熱変形や
腐食を受けその耐久性に問題がある。さらにまた、耐熱
板55と炉壁58との間には、炉蓋装脱着時の接触トラ
ブルを回避するために、所定の間隙が設けられている
が、耐熱板55が薄いためにこの間隙から装入炭の一部
がガス通路56に侵入し、コークス化して固着し、炉蓋
脱着作業が円滑にできないばかりでなく、窯口への落骸
が多量に発生し、窯出し作業に支障をきたす場合があ
る。特に最近の調湿炭操業では、この傾向は著しい。ま
た、この炉蓋の構造では、ガス通路を通過するガスが窯
口の金属製ドアフレームと直接接触することは避けられ
ず、ガス通路内に導入した空気または酸素により燃焼し
た熱のかなりの部分はドアフレームを通じて外部へ放散
され、窯口の乾留改善に有効に使用されないばかりか、
ドアフレームを通じて鋳鉄製の保護板の昇温を招き、保
護板の膨張損傷により、炉体に重大な損傷を与える可能
性が大きい。これらの理由からいまだ実用化されるに至
っていない。
【0006】そこで、本発明者らは、補強用ファイバー
を混入したキャスタブル製耐熱部材を空隙部を残して嵌
合して炉蓋の本体金物に取付け、形成したガス通路へ空
気もしくは酸素を吹き込むことにより、窯口部ガス圧を
減少し、さらに、ガス通路内への装入炭の侵入を防止し
つつ炭化室からガス通路へのガス流れが確保でき、空気
または酸素による安定的な燃焼が可能となると共に、ド
アフレームへの抜熱が防止できることを見いだした。そ
して、図8、図9に示すとおり、コークス炉の炉蓋31
の本体金物32の内側に設けた断熱材33に、断熱材3
3との連結部は装入炭がガス通路34に侵入しないよう
閉じた形状とし、補強用ファイバー入りで中央部にガス
通路34を形成せしめたキャスタブルからなる複数個の
耐熱部材35を、それぞれ隙間36を残して嵌合して、
連結部材37を用いて固定し、その形成せしめたガス通
路34に炉蓋31に連結した管38から空気もしくは酸
素を吹き込み、乾留中に発生する可燃性ガスの一部を燃
焼させることによって、コークス炉窯口部コークスの乾
留が促進され、炉体への損傷を与えないことを確認し、
既に特願平6−201446号として特許出願してい
る。
を混入したキャスタブル製耐熱部材を空隙部を残して嵌
合して炉蓋の本体金物に取付け、形成したガス通路へ空
気もしくは酸素を吹き込むことにより、窯口部ガス圧を
減少し、さらに、ガス通路内への装入炭の侵入を防止し
つつ炭化室からガス通路へのガス流れが確保でき、空気
または酸素による安定的な燃焼が可能となると共に、ド
アフレームへの抜熱が防止できることを見いだした。そ
して、図8、図9に示すとおり、コークス炉の炉蓋31
の本体金物32の内側に設けた断熱材33に、断熱材3
3との連結部は装入炭がガス通路34に侵入しないよう
閉じた形状とし、補強用ファイバー入りで中央部にガス
通路34を形成せしめたキャスタブルからなる複数個の
耐熱部材35を、それぞれ隙間36を残して嵌合して、
連結部材37を用いて固定し、その形成せしめたガス通
路34に炉蓋31に連結した管38から空気もしくは酸
素を吹き込み、乾留中に発生する可燃性ガスの一部を燃
焼させることによって、コークス炉窯口部コークスの乾
留が促進され、炉体への損傷を与えないことを確認し、
既に特願平6−201446号として特許出願してい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】コークス炉の炉蓋に形
成したガス通路へ乾留中の発生ガスを導入し、外部より
空気もしくは酸素吹き込み、燃焼させる上記特願平6−
201446号の発明は、窯口部の不均一乾留を改善す
るには極めて有効な方法である。しかし、この方法で
は、ガス通路へ外部から空気もしくは酸素を吹き込む方
法が重要な課題であり、単に空気もしくは酸素を吹き込
むだけでは、炉蓋ガス通路内で上下方向に温度差が生
じ、不均一乾留の改善にはつながらない。また、コーク
ス炉の炉蓋は、通常コークス窯出し時に窯口から押出機
およびコークガイド車に装備した炉蓋脱着機で取外すた
め、炉蓋ガス通路内に空気もしくは酸素を吹き込む配管
をどのように配設するかが重要である。
成したガス通路へ乾留中の発生ガスを導入し、外部より
空気もしくは酸素吹き込み、燃焼させる上記特願平6−
201446号の発明は、窯口部の不均一乾留を改善す
るには極めて有効な方法である。しかし、この方法で
は、ガス通路へ外部から空気もしくは酸素を吹き込む方
法が重要な課題であり、単に空気もしくは酸素を吹き込
むだけでは、炉蓋ガス通路内で上下方向に温度差が生
じ、不均一乾留の改善にはつながらない。また、コーク
ス炉の炉蓋は、通常コークス窯出し時に窯口から押出機
およびコークガイド車に装備した炉蓋脱着機で取外すた
め、炉蓋ガス通路内に空気もしくは酸素を吹き込む配管
をどのように配設するかが重要である。
【0008】この発明の目的は、上記コークス炉の炉蓋
に形成したガス通路へ乾留中の発生ガスを導入し、外部
より空気もしくは酸素を吹き込んで燃焼させる方法の問
題点を解消し、炉高方向の温度差を抑制できると共に、
容易に外部から炉蓋に形成したガス通路へ空気もしくは
酸素を吹き込みできるコークス炉窯口部の乾留促進方法
を提供することにある。
に形成したガス通路へ乾留中の発生ガスを導入し、外部
より空気もしくは酸素を吹き込んで燃焼させる方法の問
題点を解消し、炉高方向の温度差を抑制できると共に、
容易に外部から炉蓋に形成したガス通路へ空気もしくは
酸素を吹き込みできるコークス炉窯口部の乾留促進方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意試験検討を重ねた。その結果、空気も
しくは酸素をコークス炉頂部から炉蓋に導き、炉高方向
の任意の複数位置からガス通路へ吹き込むことによっ
て、炉蓋ガス通路内の上下方向温度を任意に制御できる
ことを究明し、この発明に到達した。
を達成すべく鋭意試験検討を重ねた。その結果、空気も
しくは酸素をコークス炉頂部から炉蓋に導き、炉高方向
の任意の複数位置からガス通路へ吹き込むことによっ
て、炉蓋ガス通路内の上下方向温度を任意に制御できる
ことを究明し、この発明に到達した。
【0010】すなわちこの発明は、コークス炉で石炭を
乾留する際に発生するコークス炉ガスを炉蓋に形成した
ガス通路へ導入し、乾留中に空気もしくは酸素を吹き込
んで前記コークス炉ガスを燃焼させ、窯口部の石炭の乾
留を促進する方法であって、前記空気もしくは酸素をコ
ークス炉頂部より炉蓋に導き、炉高方向の任意の複数位
置からガス通路へ吹込むことを特徴とするコークス炉窯
口部の乾留促進方法である。
乾留する際に発生するコークス炉ガスを炉蓋に形成した
ガス通路へ導入し、乾留中に空気もしくは酸素を吹き込
んで前記コークス炉ガスを燃焼させ、窯口部の石炭の乾
留を促進する方法であって、前記空気もしくは酸素をコ
ークス炉頂部より炉蓋に導き、炉高方向の任意の複数位
置からガス通路へ吹込むことを特徴とするコークス炉窯
口部の乾留促進方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】炉高方向の任意の複数位置から炉
蓋に形成したガス通路への空気もしくは酸素の吹込み
は、コークス炉頂部の炉端部に沿って空気もしくは酸素
の供給管を配設し、該空気もしくは酸素の供給管から分
岐して各炭化室毎に垂下した切替弁付きの分岐管と、炉
蓋に形成したガス通路と炉高方向の任意の複数位置で連
通した配管を、前記分岐管とワンタッチ着脱機構により
脱着可能となし、あるいはフレキシットパイプにより連
結し、切替弁を開放することによって、炉蓋のガス通路
へ空気もしくは酸素を供給することができる。また、切
替弁を閉止し、ワンタッチ着脱機構により分岐管と前記
炉蓋側部に湾曲させた配管とを切り放せば、炉蓋の装脱
着に支障を与えることもない。
蓋に形成したガス通路への空気もしくは酸素の吹込み
は、コークス炉頂部の炉端部に沿って空気もしくは酸素
の供給管を配設し、該空気もしくは酸素の供給管から分
岐して各炭化室毎に垂下した切替弁付きの分岐管と、炉
蓋に形成したガス通路と炉高方向の任意の複数位置で連
通した配管を、前記分岐管とワンタッチ着脱機構により
脱着可能となし、あるいはフレキシットパイプにより連
結し、切替弁を開放することによって、炉蓋のガス通路
へ空気もしくは酸素を供給することができる。また、切
替弁を閉止し、ワンタッチ着脱機構により分岐管と前記
炉蓋側部に湾曲させた配管とを切り放せば、炉蓋の装脱
着に支障を与えることもない。
【0012】ガス通路を流れる乾留中に発生したコーク
ス炉ガスの一部を炉高方向の任意の複数位置から炉蓋に
形成したガス通路へ空気もしくは酸素を吹込んで燃焼さ
せる場合のガス通路の温度は、600℃以上とすること
が必要である。これは、乾留中に発生するコークス炉ガ
ス中にはタール成分が含有されており、600℃以下で
は一部コンデンスして炭化室とガス通路の空隙部を閉塞
する恐れがあるからである。また、乾留末期の窯口部コ
ークス端面温度は、700℃以上となるように加熱する
ことが好ましい。その理由は、乾留不足による窯出し時
の黒煙・粉塵発生防止の観点から当然のことである。ガ
ス通路温度の上限については、温度上昇に伴う炉蓋の本
体金物の熱歪みによるシール性悪化の程度を勘案して決
定すればよい。
ス炉ガスの一部を炉高方向の任意の複数位置から炉蓋に
形成したガス通路へ空気もしくは酸素を吹込んで燃焼さ
せる場合のガス通路の温度は、600℃以上とすること
が必要である。これは、乾留中に発生するコークス炉ガ
ス中にはタール成分が含有されており、600℃以下で
は一部コンデンスして炭化室とガス通路の空隙部を閉塞
する恐れがあるからである。また、乾留末期の窯口部コ
ークス端面温度は、700℃以上となるように加熱する
ことが好ましい。その理由は、乾留不足による窯出し時
の黒煙・粉塵発生防止の観点から当然のことである。ガ
ス通路温度の上限については、温度上昇に伴う炉蓋の本
体金物の熱歪みによるシール性悪化の程度を勘案して決
定すればよい。
【0013】さらに、空気もしくは酸素の供給は、空気
もしくは酸素の供給管へ空気もしくは酸素を供給するに
先立ち、上昇管に形成したジャケットを通過させ、上昇
管の放熱によって空気もしくは酸素を予熱することによ
って、ガス通路内の温度を単に空気もしくは酸素を導入
する以上に上昇させることができ、窯口コークスの品質
改善および炉長方向コークスの品質バラツキを低減させ
ることができる。炉蓋のガス通路への空気もしくは酸素
の供給は、乾留開始直後からでも実施できるが、乾留初
期は発生ガスの大半が水蒸気であるので、乾留開始後1
0時間程度経過してから実施するのが実用的である。
もしくは酸素の供給管へ空気もしくは酸素を供給するに
先立ち、上昇管に形成したジャケットを通過させ、上昇
管の放熱によって空気もしくは酸素を予熱することによ
って、ガス通路内の温度を単に空気もしくは酸素を導入
する以上に上昇させることができ、窯口コークスの品質
改善および炉長方向コークスの品質バラツキを低減させ
ることができる。炉蓋のガス通路への空気もしくは酸素
の供給は、乾留開始直後からでも実施できるが、乾留初
期は発生ガスの大半が水蒸気であるので、乾留開始後1
0時間程度経過してから実施するのが実用的である。
【0014】この発明においては、空気もしくは酸素を
コークス炉頂部より炉蓋に導き、炉高方向の任意の複数
位置からガス通路へ吹込むことによって、炉蓋に形成し
たガス通路内の炉高方向温度分布を任意に制御すること
ができ、得られた熱を炭化室内装入炭に有効に伝達し、
炉壁側への熱伝達を少なくして、ドアーフレームからの
抜熱による熱損失を抑制し、窯口部の石炭の乾留を促進
して炉長方向の不均一乾留を解消することができる。
コークス炉頂部より炉蓋に導き、炉高方向の任意の複数
位置からガス通路へ吹込むことによって、炉蓋に形成し
たガス通路内の炉高方向温度分布を任意に制御すること
ができ、得られた熱を炭化室内装入炭に有効に伝達し、
炉壁側への熱伝達を少なくして、ドアーフレームからの
抜熱による熱損失を抑制し、窯口部の石炭の乾留を促進
して炉長方向の不均一乾留を解消することができる。
【0015】
実施例1 以下にこの発明方法の詳細を実施の一例を示す図1ない
し図3に基づいて説明する。図1はガス通路への空気供
給管をコークス炉頂部に設置したこの発明方法の概略説
明用側断面図、図2は図1の正面図、図3はワンタッチ
連結機構の連結部の側面図である。図1〜図3におい
て、1はこの発明方法に使用する炉蓋で、炉蓋1は本体
金物2、断熱材3、内部にガス通路4を形成せしめた断
面凹状の耐熱部材5、断熱材3に耐熱部材5を密着固定
する連結部材とからなる。6は炉蓋1の本体金物2の上
下方向に任意間隔で断熱材3を貫通して開口した複数の
空気吹込み管で、各空気吹込み管6は、炉蓋1の本体金
物2に沿って上下方向に配設した空気供給管7に連結さ
れ、空気供給管7の一端には炉蓋1上部のバックステー
8間の炉体に向いたワンタッチ連結機構の連結ソケット
9が設けられている。10はコークス炉11の炉頂のバ
ックステー8上に沿って配設した空気配管、12は空気
配管10から垂下した分岐管で、開閉コック13を介し
てバックステー8間から水平に立ち上がり、ワンタッチ
連結機構の連結ソケット14が設けられ、炉蓋1の脱着
に際しては、前記空気供給管7の連結ソケット9とワン
タッチで離脱または連結自在に構成されている。
し図3に基づいて説明する。図1はガス通路への空気供
給管をコークス炉頂部に設置したこの発明方法の概略説
明用側断面図、図2は図1の正面図、図3はワンタッチ
連結機構の連結部の側面図である。図1〜図3におい
て、1はこの発明方法に使用する炉蓋で、炉蓋1は本体
金物2、断熱材3、内部にガス通路4を形成せしめた断
面凹状の耐熱部材5、断熱材3に耐熱部材5を密着固定
する連結部材とからなる。6は炉蓋1の本体金物2の上
下方向に任意間隔で断熱材3を貫通して開口した複数の
空気吹込み管で、各空気吹込み管6は、炉蓋1の本体金
物2に沿って上下方向に配設した空気供給管7に連結さ
れ、空気供給管7の一端には炉蓋1上部のバックステー
8間の炉体に向いたワンタッチ連結機構の連結ソケット
9が設けられている。10はコークス炉11の炉頂のバ
ックステー8上に沿って配設した空気配管、12は空気
配管10から垂下した分岐管で、開閉コック13を介し
てバックステー8間から水平に立ち上がり、ワンタッチ
連結機構の連結ソケット14が設けられ、炉蓋1の脱着
に際しては、前記空気供給管7の連結ソケット9とワン
タッチで離脱または連結自在に構成されている。
【0016】炉蓋1の耐熱部材5は、各種スチールファ
イバー、カーボンファイバー、セラミックファイバー等
の補強用ファイバーを混入したキャスタブルで形成し、
装入炭のガス通路4への侵入を防止するため、図1に示
すとおり、上端面を外向き傾斜面15とし、下端面を内
向き傾斜面16となし、耐熱部材5の複数個を、縦向き
に配列して上下端の傾斜面を隙間17をもって対向さ
せ、各耐熱部材5、5間の間隔Aは、50mm以下と
し、重複部Bを50mm以上として隙間17を設けて連
結部材により断熱材3に密着固定することが好ましい。
この耐熱部材5、5間の間隔Aを50mm以下としたの
は、これ以上ではガス通路4への装入炭の侵入が十分防
止できないことがテストにより確認されたからである。
また、この耐熱部材5、5間の間隔Aは、ガス通路4と
炭化室とのガス流れ確保の点から広い方がよく、50m
m以下でできるだけ広い方が好ましい。さらに、各耐熱
部材5、5間の重複部Bを50mm以上としたのは、ガ
ス通路4への装入炭の侵入防止のためには最低50mm
が必要なことをテストにより確認したからである。耐熱
部材5、5間の間隔Aを50mm以下、ガス通路4との
間隔Bを50mm以上とし、炭化室18の炉壁と耐熱部
材5との隙間を、従来一般に用いられてきた炉蓋並みに
10〜20mmに設定する。
イバー、カーボンファイバー、セラミックファイバー等
の補強用ファイバーを混入したキャスタブルで形成し、
装入炭のガス通路4への侵入を防止するため、図1に示
すとおり、上端面を外向き傾斜面15とし、下端面を内
向き傾斜面16となし、耐熱部材5の複数個を、縦向き
に配列して上下端の傾斜面を隙間17をもって対向さ
せ、各耐熱部材5、5間の間隔Aは、50mm以下と
し、重複部Bを50mm以上として隙間17を設けて連
結部材により断熱材3に密着固定することが好ましい。
この耐熱部材5、5間の間隔Aを50mm以下としたの
は、これ以上ではガス通路4への装入炭の侵入が十分防
止できないことがテストにより確認されたからである。
また、この耐熱部材5、5間の間隔Aは、ガス通路4と
炭化室とのガス流れ確保の点から広い方がよく、50m
m以下でできるだけ広い方が好ましい。さらに、各耐熱
部材5、5間の重複部Bを50mm以上としたのは、ガ
ス通路4への装入炭の侵入防止のためには最低50mm
が必要なことをテストにより確認したからである。耐熱
部材5、5間の間隔Aを50mm以下、ガス通路4との
間隔Bを50mm以上とし、炭化室18の炉壁と耐熱部
材5との隙間を、従来一般に用いられてきた炉蓋並みに
10〜20mmに設定する。
【0017】また、耐熱部材5は、側面部厚みを前面部
厚みCより厚くし、ガス通路4に侵入した発生コークス
炉ガスの燃焼により得られた熱を炭化室内石炭層に有効
に伝達し、炉壁側への熱伝達を少なくして、ドアーフレ
ーム19からの抜熱による熱損失を抑制する。耐熱部材
5の側面部厚みDと前面部厚みCとの比率は、使用する
耐熱部材5の断熱性能により異なるが、概ねD/C=2
以上とすればドアフレーム19への抜熱量を最小限度に
抑えることができる。また前面部厚みCは、熱容量を小
さくするために薄い方が好ましく、強度の得られる範囲
内で適宜選択すればよい。
厚みCより厚くし、ガス通路4に侵入した発生コークス
炉ガスの燃焼により得られた熱を炭化室内石炭層に有効
に伝達し、炉壁側への熱伝達を少なくして、ドアーフレ
ーム19からの抜熱による熱損失を抑制する。耐熱部材
5の側面部厚みDと前面部厚みCとの比率は、使用する
耐熱部材5の断熱性能により異なるが、概ねD/C=2
以上とすればドアフレーム19への抜熱量を最小限度に
抑えることができる。また前面部厚みCは、熱容量を小
さくするために薄い方が好ましく、強度の得られる範囲
内で適宜選択すればよい。
【0018】上記のとおり構成したことによって、各耐
熱部材5、5の外向き傾斜面15と内向き傾斜面16間
の隙間17からガス通路4内に流入した発生コークス炉
ガスは、開閉コック13の開放により炉蓋1のガス通路
4に分岐管12、ワンタッチ連結機構の連結ソケット1
4、9、空気供給管7を介して炉高方向の各空気吹込み
管6から吹込まれる空気によって燃焼し、ガス通路4の
煙突効果によって上部空間に導出される間に、燃焼熱が
各耐熱部材5の前面を介して炭化室内の装入炭に伝達さ
れ、各耐熱部材5の前面に接触した装入炭が加熱され
て、乾留が促進される。また、各耐熱部材5の側面部厚
みを前面部厚みCより厚くしたことによって、ガス通路
4に侵入した発生コークス炉ガスの燃焼により得られた
熱が炭化室内の装入炭に有効に伝達され、炉壁側への熱
伝達が少なくなって、ドアーフレーム19からの抜熱に
よる熱損失を抑制することができる。
熱部材5、5の外向き傾斜面15と内向き傾斜面16間
の隙間17からガス通路4内に流入した発生コークス炉
ガスは、開閉コック13の開放により炉蓋1のガス通路
4に分岐管12、ワンタッチ連結機構の連結ソケット1
4、9、空気供給管7を介して炉高方向の各空気吹込み
管6から吹込まれる空気によって燃焼し、ガス通路4の
煙突効果によって上部空間に導出される間に、燃焼熱が
各耐熱部材5の前面を介して炭化室内の装入炭に伝達さ
れ、各耐熱部材5の前面に接触した装入炭が加熱され
て、乾留が促進される。また、各耐熱部材5の側面部厚
みを前面部厚みCより厚くしたことによって、ガス通路
4に侵入した発生コークス炉ガスの燃焼により得られた
熱が炭化室内の装入炭に有効に伝達され、炉壁側への熱
伝達が少なくなって、ドアーフレーム19からの抜熱に
よる熱損失を抑制することができる。
【0019】コークス炉の窯出し作業においては、押出
機およびコークガイド車に装備した炉蓋脱着機で炉蓋1
を取外すに先立ち、炉蓋脱着機に設けたワンタッチ連結
機構の連結ソケット9のロックをシリンダ等を操作して
解除すれば、ワンタッチ連結機構の連結ソケット9、1
4は離脱する。しかるのち、炉蓋脱着機を操作して炉蓋
1を取外せばよい。また、炉蓋1を窯口に取付ける場合
は、炉蓋脱着機を操作して炉蓋1を窯口に装着し、閂2
0でロックしたのち、炉蓋脱着機に設けたシリンダ等を
操作してワンタッチ連結機構の連結ソケット9をワンタ
ッチ連結機構の連結ソケット14に押込めば連結ロック
される。したがって、ワンタッチ連結機構の連結ソケッ
ト9、14の連結、離脱は、ワンタッチで実施すること
ができ、炉蓋1の装脱着に殆ど支障を与えることはな
い。
機およびコークガイド車に装備した炉蓋脱着機で炉蓋1
を取外すに先立ち、炉蓋脱着機に設けたワンタッチ連結
機構の連結ソケット9のロックをシリンダ等を操作して
解除すれば、ワンタッチ連結機構の連結ソケット9、1
4は離脱する。しかるのち、炉蓋脱着機を操作して炉蓋
1を取外せばよい。また、炉蓋1を窯口に取付ける場合
は、炉蓋脱着機を操作して炉蓋1を窯口に装着し、閂2
0でロックしたのち、炉蓋脱着機に設けたシリンダ等を
操作してワンタッチ連結機構の連結ソケット9をワンタ
ッチ連結機構の連結ソケット14に押込めば連結ロック
される。したがって、ワンタッチ連結機構の連結ソケッ
ト9、14の連結、離脱は、ワンタッチで実施すること
ができ、炉蓋1の装脱着に殆ど支障を与えることはな
い。
【0020】実施例2 炉高7125mm、炉幅460mm、炉長16500m
mのコークス炉において、稼働率100%、平均フリュ
ー温度1053℃、装入炭水分6%、平均装入蒿密度7
80kg/m3の調湿炭操業条件下において、マシンサ
イドの炉蓋に、スチールファイバーで補強し、中央部に
ガス通路を形成せしめ、断熱部との連結部は装入炭がガ
ス通路に侵入しないように閉じた形状としたキャスタブ
ルからなる耐熱部材を、それぞれ上方に傾斜した空隙部
を残して嵌合して、本体金物内側に設けた断熱部と連結
部材で一体に連結固定した炉蓋を装着し、ガス通路内に
空気を吹込まなかった場合、炉底から0.5mの位置か
ら外部より空気を50L/minで導入し、ガス通路内
でガス通路内に侵入したコークス炉ガスを燃焼させた場
合および炉底から0.5m、1.5m、2.5m、3.
5m、4.5m、5.5m、6.5mの7点の位置から
外部より空気を各点50L/minで導入し、ガス通路
内に侵入したコークス炉ガスを燃焼させた場合のそれぞ
れについて、炉高方向ガス通路内の温度分布を測定し
た。その結果を図4〜図6に示す。
mのコークス炉において、稼働率100%、平均フリュ
ー温度1053℃、装入炭水分6%、平均装入蒿密度7
80kg/m3の調湿炭操業条件下において、マシンサ
イドの炉蓋に、スチールファイバーで補強し、中央部に
ガス通路を形成せしめ、断熱部との連結部は装入炭がガ
ス通路に侵入しないように閉じた形状としたキャスタブ
ルからなる耐熱部材を、それぞれ上方に傾斜した空隙部
を残して嵌合して、本体金物内側に設けた断熱部と連結
部材で一体に連結固定した炉蓋を装着し、ガス通路内に
空気を吹込まなかった場合、炉底から0.5mの位置か
ら外部より空気を50L/minで導入し、ガス通路内
でガス通路内に侵入したコークス炉ガスを燃焼させた場
合および炉底から0.5m、1.5m、2.5m、3.
5m、4.5m、5.5m、6.5mの7点の位置から
外部より空気を各点50L/minで導入し、ガス通路
内に侵入したコークス炉ガスを燃焼させた場合のそれぞ
れについて、炉高方向ガス通路内の温度分布を測定し
た。その結果を図4〜図6に示す。
【0021】図4に示すとおり、ガス通路内に空気を吹
込まなかった場合は、ガス通路内の温度は平均600℃
程度であり、上下方向で±50℃程度の温度差が生じて
いる。したがって、炉中央部のコークスを950℃を目
標に乾留を行った場合は、窯口部のコークスから炉蓋へ
熱が逃げるため、窯口部コークスの温度が上がらず、炉
長方向コークスの品質偏差や乾留熱量の増加につなが
る。また、図5に示すとおり、ガス通路内に炉底から
0.5mの位置から空気を50L/minで導入した場
合は、炉底より0.5mより少し上でのガス通路内温度
は、図3に示す空気を導入しない場合に比べ200℃程
度上昇したが、炉底から2m以上の位置ではその影響が
ほとんどなく、炉長方向コークスの品質偏差の大幅な改
善にはつながらなかった。これに対し、図6に示すとお
り、炉底から0.5m、1.5m、2.5m、3.5
m、4.5m、5.5m、6.5mの7点の位置から空
気を各点50L/minで導入し、ガス通路内でガス通
路内に侵入したコークス炉ガスを燃焼させた場合は、図
3に示す空気を導入しない場合に比べガス通路内温度は
全体的に200℃程度上昇しており、窯口コークスの品
質改善が可能となり、炉長方向のコークス品質のバラツ
キも低減する。また、上下の温度差を是正する手段とし
ては、ガス通路内温度の測温結果をもとに炉高方向各点
での空気導入量を個々に制御すればよい。
込まなかった場合は、ガス通路内の温度は平均600℃
程度であり、上下方向で±50℃程度の温度差が生じて
いる。したがって、炉中央部のコークスを950℃を目
標に乾留を行った場合は、窯口部のコークスから炉蓋へ
熱が逃げるため、窯口部コークスの温度が上がらず、炉
長方向コークスの品質偏差や乾留熱量の増加につなが
る。また、図5に示すとおり、ガス通路内に炉底から
0.5mの位置から空気を50L/minで導入した場
合は、炉底より0.5mより少し上でのガス通路内温度
は、図3に示す空気を導入しない場合に比べ200℃程
度上昇したが、炉底から2m以上の位置ではその影響が
ほとんどなく、炉長方向コークスの品質偏差の大幅な改
善にはつながらなかった。これに対し、図6に示すとお
り、炉底から0.5m、1.5m、2.5m、3.5
m、4.5m、5.5m、6.5mの7点の位置から空
気を各点50L/minで導入し、ガス通路内でガス通
路内に侵入したコークス炉ガスを燃焼させた場合は、図
3に示す空気を導入しない場合に比べガス通路内温度は
全体的に200℃程度上昇しており、窯口コークスの品
質改善が可能となり、炉長方向のコークス品質のバラツ
キも低減する。また、上下の温度差を是正する手段とし
ては、ガス通路内温度の測温結果をもとに炉高方向各点
での空気導入量を個々に制御すればよい。
【0022】実施例3 炉高7125mm、炉幅460mm、炉長16500m
mのコークス炉において、稼働率100%、平均フリュ
ー温度1053℃、装入炭水分6%、平均装入蒿密度7
80kg/m3の調湿炭操業条件下において、マシンサ
イドの炉蓋に、スチールファイバーで補強し、中央部に
ガス通路を形成せしめ、断熱部との連結部は装入炭がガ
ス通路に侵入しないように閉じた形状としたキャスタブ
ルからなる耐熱部材を、それぞれ上方に傾斜した空隙部
を残して嵌合し、本体金物内側に設けた断熱部と連結部
材で一体に連結固定した炉蓋を用い、炉頂部の空気配管
から垂下した分岐管とガス通路と連通する空気供給管を
フレキシットパイプで接続した本発明例1およびワンタ
ッチ着脱機構で接続した本発明例2と、比較例の図10
に示す従来炉蓋の3種類の炉蓋を装着し、本発明例1お
よび2の場合は、表1に示す条件で空気をガス通路に供
給し、炉高方向6点の炉蓋端面より100mmの位置の
昇温状況、炉長方向中央(マシンサイドより8518m
m)の炉高方向3.5m位置での昇温状況および炉蓋脱
着の作業性について調査した。その結果を表2に示す。
なお、本発明例1および2においては、炉蓋の各空気供
給管より乾留開始10時間後より20時間後まで空気を
吹き込み、ガス通路でコークス炉ガスを燃焼させてガス
通路の温度を830℃程度に保持した。
mのコークス炉において、稼働率100%、平均フリュ
ー温度1053℃、装入炭水分6%、平均装入蒿密度7
80kg/m3の調湿炭操業条件下において、マシンサ
イドの炉蓋に、スチールファイバーで補強し、中央部に
ガス通路を形成せしめ、断熱部との連結部は装入炭がガ
ス通路に侵入しないように閉じた形状としたキャスタブ
ルからなる耐熱部材を、それぞれ上方に傾斜した空隙部
を残して嵌合し、本体金物内側に設けた断熱部と連結部
材で一体に連結固定した炉蓋を用い、炉頂部の空気配管
から垂下した分岐管とガス通路と連通する空気供給管を
フレキシットパイプで接続した本発明例1およびワンタ
ッチ着脱機構で接続した本発明例2と、比較例の図10
に示す従来炉蓋の3種類の炉蓋を装着し、本発明例1お
よび2の場合は、表1に示す条件で空気をガス通路に供
給し、炉高方向6点の炉蓋端面より100mmの位置の
昇温状況、炉長方向中央(マシンサイドより8518m
m)の炉高方向3.5m位置での昇温状況および炉蓋脱
着の作業性について調査した。その結果を表2に示す。
なお、本発明例1および2においては、炉蓋の各空気供
給管より乾留開始10時間後より20時間後まで空気を
吹き込み、ガス通路でコークス炉ガスを燃焼させてガス
通路の温度を830℃程度に保持した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】表2に示すとおり、窯出し時における炉蓋
端面より100mmの位置のコークス温度は、比較例で
は500〜600℃程度で十分にコークス化温度に達し
ているとはいえず、炉中央部コークスとの温度差も40
0℃程度ある。これに対し本発明例1、2の場合は、炉
蓋端面より100mmの位置のコークス温度は800℃
以上に達しており、炉中央部コークスとの温度差も15
0℃程度に低減している。また、炉蓋装脱着の作業性
は、従来と同様に何ら問題はなかった。
端面より100mmの位置のコークス温度は、比較例で
は500〜600℃程度で十分にコークス化温度に達し
ているとはいえず、炉中央部コークスとの温度差も40
0℃程度ある。これに対し本発明例1、2の場合は、炉
蓋端面より100mmの位置のコークス温度は800℃
以上に達しており、炉中央部コークスとの温度差も15
0℃程度に低減している。また、炉蓋装脱着の作業性
は、従来と同様に何ら問題はなかった。
【0026】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明方法によれ
ば、大幅な設備投資や作業上、特に労力や時間を必要と
することなく、窯口部の昇温を達成することができ、フ
リュー列の平均温度を低下させることが可能となり、乾
留の均一化、乾留熱量の低減、ならびにコークス品質の
安定化に大きく寄与することができる。
ば、大幅な設備投資や作業上、特に労力や時間を必要と
することなく、窯口部の昇温を達成することができ、フ
リュー列の平均温度を低下させることが可能となり、乾
留の均一化、乾留熱量の低減、ならびにコークス品質の
安定化に大きく寄与することができる。
【図1】ガス通路への空気供給管を炉頂に設置したこの
発明方法の概略説明用側断面図である。
発明方法の概略説明用側断面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】ワンタッチ着脱機構の連結部の側面図である。
【図4】ガス通路内に空気を吹込まなかった場合の炉高
方向ガス通路内の温度分布を示すグラフである。
方向ガス通路内の温度分布を示すグラフである。
【図5】炉底から0.5m位置からガス通路内に50L
/minで空気を吹込み、ガス通路内で発生コークス炉
ガスを燃焼させた場合の炉高方向ガス通路内の温度分布
を示すグラフである。
/minで空気を吹込み、ガス通路内で発生コークス炉
ガスを燃焼させた場合の炉高方向ガス通路内の温度分布
を示すグラフである。
【図6】炉底から0.5m、1.5m、2.5m、3.
5m、4.5m、5.5m、6.5mの各位置から50
L/minで空気を吹込み、ガス通路内で発生コークス
炉ガスを燃焼させた場合の炉高方向ガス通路内の温度分
布を示すグラフである。
5m、4.5m、5.5m、6.5mの各位置から50
L/minで空気を吹込み、ガス通路内で発生コークス
炉ガスを燃焼させた場合の炉高方向ガス通路内の温度分
布を示すグラフである。
【図7】特公平05−38795号公報に開示の炉蓋の
横断面図である。
横断面図である。
【図8】特願平6−201446号に開示の炉蓋の横断
面図である。
面図である。
【図9】特願平6−201446号に開示の炉蓋の要部
縦断面図である。
縦断面図である。
【図10】従来の炉蓋の概略横断面図である。
1、31、51、72 炉蓋 2、32、52 本体金物 3、33、53 断熱材 4、34、56 ガス通路 5、35 耐熱部材 6 空気吹込み管 7 空気供給管 8 バックステー 9、14 連結ソケット 10 空気配管 11 コークス炉 12 分岐管 13 開閉コック 15 外向き傾斜面 16 内向き傾斜面 17、36 隙間 18 炭化室 19 ドアフレーム 20 閂 37、54 連結部材 38、57 管 55 耐熱板 71 炉壁 73 断熱煉瓦 74 装入炭
Claims (1)
- 【請求項1】 コークス炉で石炭を乾留する際に発生す
るコークス炉ガスを炉蓋に形成したガス通路へ導入し、
乾留中に空気もしくは酸素を吹き込んで前記コークス炉
ガスを燃焼させ、窯口部の石炭の乾留を促進する方法で
あって、前記空気もしくは酸素をコークス炉頂部より炉
蓋に導き、炉高方向の任意の複数位置からガス通路へ吹
込むことを特徴とするコークス炉窯口部の乾留促進方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21975495A JPH0948973A (ja) | 1995-08-03 | 1995-08-03 | コークス炉窯口部の乾留促進方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21975495A JPH0948973A (ja) | 1995-08-03 | 1995-08-03 | コークス炉窯口部の乾留促進方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0948973A true JPH0948973A (ja) | 1997-02-18 |
Family
ID=16740484
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21975495A Pending JPH0948973A (ja) | 1995-08-03 | 1995-08-03 | コークス炉窯口部の乾留促進方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0948973A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006321963A (ja) * | 2005-05-19 | 2006-11-30 | Kikutake Masanobu | 炉蓋の炭化炉側に炉内ガス燃焼室を設けたコークス炉の操業方法 |
JP2015078294A (ja) * | 2013-10-16 | 2015-04-23 | 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 | コークス炉炉蓋の燃焼用ガス吹込装置及び吹込方法並びにコークス炉炉蓋 |
-
1995
- 1995-08-03 JP JP21975495A patent/JPH0948973A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006321963A (ja) * | 2005-05-19 | 2006-11-30 | Kikutake Masanobu | 炉蓋の炭化炉側に炉内ガス燃焼室を設けたコークス炉の操業方法 |
JP2015078294A (ja) * | 2013-10-16 | 2015-04-23 | 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 | コークス炉炉蓋の燃焼用ガス吹込装置及び吹込方法並びにコークス炉炉蓋 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040616 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |