JPH0948959A - ホットメルト粘着剤組成物 - Google Patents

ホットメルト粘着剤組成物

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JPH0948959A
JPH0948959A JP21944395A JP21944395A JPH0948959A JP H0948959 A JPH0948959 A JP H0948959A JP 21944395 A JP21944395 A JP 21944395A JP 21944395 A JP21944395 A JP 21944395A JP H0948959 A JPH0948959 A JP H0948959A
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正俊 鳥居
Kunihiko Takiguchi
邦彦 瀧口
Nobuaki Inoguchi
信明 猪口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期粘着性、接着性、保持力に優れ、低粘度
により加工性を改良した衛生材料用、特に紙オムツ、生
理用ナプキンに使用されるホットメルト粘着剤組成物を
提供すること。 【解決手段】 (A)一般式(I)(A−B−A′−
C)nX〔一般式(I)中、A,A′は芳香族ビニル化
合物を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエ
ンを主体とする重合体ブロック、Cはイソプレンよりな
る重合体ブロック、Xはスズ系またはエステル系カップ
リング剤の残基、nは2以上の整数である〕で表される
ブロック共重合体100重量部に対し、 (B)粘着付与剤樹脂40〜300重量部 (C)軟化剤0〜200重量部 (D)安定剤0.1〜5重量部 を配合してなるホットメルト粘着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットメルト粘着
剤用途に適した組成物に関し、加工性に優れ、初期粘着
性、接着力、保持力のバランスの優れた衛生材料用、特
に紙オムツ、生理用ナプキンなどに使用される粘着剤に
好適な組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的に粘着剤の基材への塗布
は、粘着剤を溶剤に溶かした溶液をロール、スプレーな
どによって塗布する方法が取られている。しかしなが
ら、この溶剤の使用は、大気汚染、火災、労働環境・衛
生などの面から問題を多く含んでおり、近年、社会問題
として重大視されつつある。そこで、この不都合を解決
する手段として、最近、非溶剤型のホットメルト粘着剤
が注目されてきている。
【0003】ホットメルト粘着剤のベースポリマーとし
ては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ビニル芳香族と
共役ジエンのブロック共重合体およびその水添物、エチ
レン−α−オレフィン共重合体、ポリエステル樹脂など
の種々の重合体が利用されている。とりわけ、ビニル芳
香族化合物と共役ジエンとからなるブロック共重合体
は、オープンタイムが長く、接着性と保持力のバランス
が比較的良好であることから、特に使い捨て衛生材料の
粘着剤として好適に使用されている。例えば、特公昭4
4−17037号公報、特公昭45−41518号公報
には、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン、
あるいはポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン
などの直鎖状ブロック共重合体による接着剤組成物が開
示されている。また、特公昭56−49958号公報に
は、(ポリスチレン−ポリブタジエン)nXの有枝鎖ブ
ロック共重合体を用いた熱溶融型(ホットメルト)粘着
剤組成物が開示されている。実際に、上記ブロック共重
合体を用いたホットメルト粘着剤組成物は、例えば紙オ
ムツの不織布とポリエチレン基材との接着などに使用さ
れている。
【0004】しかしながら、これらのブロック共重合体
からなる粘着剤組成物は、一般に溶融粘度が高く加工性
に劣っており、塗布工程の速度が遅く、また塗布温度も
比較的高温である必要があり、粘着剤および基材の熱劣
化の可能性や、使用できる材料に耐熱性の制限を受ける
など、未だ材料として不充分であり、粘着特性、すなわ
ち初期接着力、粘着力および保持力のバランスに優れ、
実際の加工温度領域においてより低い溶融粘度を与える
ホットメルト粘着剤組成物が望まれている。この問題を
解決する手段として、例えば特開平1−213381号
公報では、特定のカップリング剤を用いて製造したブロ
ック共重合体に特定の亜鉛化合物および粘着付与剤を使
用する方法が開示されているが未だ不充分であり、さら
なる改良が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、初期粘着性、接着
性、保持力のバランスに優れ、ホットメルト溶融粘度の
充分に低いホットメルト粘着剤組成物を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ビニル芳
香族重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックからな
るブロック共重合体を配合したホットメルト粘着剤組成
物のホットメルト加工温度における低粘度化への改良に
ついて鋭意検討した。その結果、特定のカップリング剤
を用いて重合された、ビニル芳香族化合物含有量、分子
量およびビニル芳香族重合体ブロックの分子量が特定の
範囲内にある特定構造のブロック共重合体を使用するこ
とにより、上記の目的が達成されることを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0007】本発明は、(A)下記一般式(I)で表さ
れるブロック共重合体100重量部に対し、 (A−B−A′−C)nX ・・・・・(I) 〔一般式(I)中、 A,A′は芳香族ビニル化合物を
主体とする重合体ブロックであり、Aは重量平均分子量
が6,000〜15,000、A′は重量平均分子量が
5,000〜11,000、ブロックAとブロックA′
の分子量比はA/A′=1.0〜2.5、Bは共役ジエ
ンを主体とする重合体ブロック、Cはイソプレンよりな
る重合体ブロックで上記一般式中に占める割合は0.3
〜5重量%であり、A−B−A′−C部分の重量平均分
子量が50,000〜120,000、Xはスズ系また
はエステル系カップリング剤の残基、nは2以上の整
数、AおよびA′の合計結合含量は20〜40重量%で
ある。〕 (B)粘着付与剤樹脂40〜300重量部 (C)軟化剤0〜200重量部 (D)安定剤0.1〜5重量部 を配合してなるホットメルト粘着剤組成物に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用される(A)ブロッ
ク共重合体は、上記一般式(I);(A−B−A′−
C)nXで表されるブロック共重合体である。上記一般
式(I)中、重合体ブロックA,A′は、ビニル芳香族
化合物を主体とする重合体ブロックであり、50重量%
未満の共役ジエンを共重合したものであってもよい。ま
た、一般式(I)中、重合体ブロックBは、共役ジエン
を主体とする重合体ブロックであり、共役ジエンの単独
重合体、または2種以上の共役ジエンの共重合体、ある
いは共役ジエンを50重量%以上含有する共役ジエンと
芳香族ビニル化合物との共重合体ブロックである。重合
体ブロックB中に存在することのある芳香族ビニル化合
物は、均一に分散していても、あるいはテーパー状に分
布していてもよい。なお、上記均一に分布した部分およ
び/またはテーパー状に分布した部分は、重合体ブロッ
クB中に複数個共存してもよい。
【0009】ここで、(A)ブロック共重合体を得るた
めに用いられる芳香族ビニル化合物としては、スチレ
ン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニル
スチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレ
ン、ビニルピリジンなどが挙げられ、好ましくはスチレ
ンが挙げられる。これらは、1種のみならず、2種以上
の混合物として用いてもよい。
【0010】また、(A)ブロック共重合体を得るため
に用いられる共役ジエンとしては、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペン
タジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3
−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジ
エン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレ
ンなどが挙げられるが、好ましくは1,3−ブタジエン
またはイソプレンである。これらは、1種のみならず、
2種以上の混合物を用いてもよい。
【0011】上記一般式(I)中、重合体ブロックAの
重量平均分子量は、6,000〜15,000、好まし
くは7,000〜13,000、さらに好ましくは7,
000〜12,000である。重量平均分子量が6,0
00未満では、溶融粘度が低く、加工性には優れるが、
得られるホットメルト粘着組成物の粘着力、保持力が低
下し好ましくない。一方、15,000を超えると、粘
接着力、凝集力は満足できるが、ホットメルト加工温度
域での溶融粘度が高くなり加工性に劣り好ましくない。
【0012】また、上記一般式(I)中、重合体ブロッ
クA′は、重量平均分子量が5,000〜11,00
0、好ましくは6,000〜10,000であり、かつ
その分子量は重合体ブロックAとの比、A/A′が1.
0〜2.5、好ましくは1.0〜2.0の範囲にあるビ
ニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックである。
重合体ブロックA′の重量平均分子量が、5,000未
満であると、得られるホットメルト粘着剤組成物の保持
力が極端に低下し、一方11,000を超えると、得ら
れるホットメルト粘着剤組成物のホットメルト加工温度
域での溶融粘度が高くなり加工性に劣り好ましくない。
また、A/A′が、1.0未満では粘着剤としての特性
が低下するだけでなく、ブロック共重合体の仕上げ生産
時に生産性が悪く、一方2.5を超えると初期粘着性に
は優れるものの、保持力が低下し好ましくない。
【0013】さらに、上記一般式(I)中、重合体ブロ
ックCは、イソプレンよりなる重合体ブロックであり、
これにより常温での取り扱いが容易で、かつホットメル
ト加工性に優れた粘着剤組成物が得られるという効果を
奏する。ブロックCの(A)ブロック共重合体成分中に
占める割合は、0.3〜5重量%、好ましくは0.5〜
4重量%である。重合体ブロックCが0.3重量%未満
では、得られるホットメルト粘着剤組成物の加工性に劣
り、また初期粘着性も低下し好ましくない。一方、5重
量%を超えると、得られるホットメルト粘着剤組成物の
物性の保持力が劣り好ましくない。
【0014】さらに、(A)ブロック共重合体中のA−
B−A′−C部分の重量平均分子量は、50,000〜
120,000好ましくは60,000〜110,00
0である。重量平均分子量が、50,000未満では、
得られるホットメルト粘着剤組成物の溶融粘度は充分低
いものの、粘着剤としての特性、特に保持力が低下し好
ましくない。一方、重量平均分子量が、120,000
を超えると、粘着剤組成物の粘度が高く、加工性に劣り
好ましくない。また、(A)ブロック共重合体中の重合
体ブロックAおよびA′の合計結合含量は、20〜40
重量%、好ましくは20〜35重量%である。重合体ブ
ロックAおよびA′の合計結合含量が、20重量%未満
では、得られる粘着剤組成物の加工性に対する保持力が
劣り、一方40重量%を超えると物性、特に初期粘着性
が低下し好ましくない。
【0015】本発明で用いられる(A)ブロック共重合
体は、上記一般式(I)を満たすものであれば、1種単
独でのみならず2種以上の混合物として用いてもよい。
【0016】本発明で用いられる(A)ブロック共重合
体の製造方法は、炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物
を開始剤として、アニオン重合することによって得られ
る。この製造方法は、アニオン重合の技術分野では公知
であり、例えば特公昭36−19286号公報、特公昭
40−23798号公報、特公昭40−24915号公
報、特公昭43−17979号公報、特公昭45−31
951号公報、特公昭46−32415号公報、特公昭
47−14132号公報、特開昭61−291610号
公報、特開昭62−64806号公報に記載された方法
を挙げることができるが、上記に規定した範囲を満足す
るような条件を選定しなくてはならない。
【0017】有機リチウム化合物を開始剤とする重合方
法において、炭化水素溶媒としてはブタン、ペンタン、
ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオ
クタンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチル
シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、エチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、ある
いはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンな
どの芳香族炭化水素などの不活性炭化水素溶媒の1種ま
たは2種以上の併用が可能であるが、好ましくはシクロ
ヘキサンである。有機リチウム化合物としては、有機モ
ノリチウム化合物、有機ジリチウム化合物などである。
これらの具体例としては、エチルリチウム、n−プロピ
ルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、n
−ヘキシルリチウム、フェニルリチウムなどが挙げられ
る。
【0018】本発明において、(A)ブロック共重合体
は、上記リチウム化合物を用いて重合を行い、カップリ
ング剤を用いて重合した(A−B−A′−C)nX(X
はスズ系またはエステル系カップリング剤残基を示す)
ものであり、カップリングされない未反応のA−B−
A′−C型ブロック共重合体が含まれることもあること
に留意する必要がある。ここで、nは、2以上の整数で
あり、2未満では(A)ブロック共重合体の取り扱い性
が悪く、該ブロック共重合体の仕上げ生産時の生産性が
悪く、好ましくない。nは、カップリング剤の種類によ
って決まり、通常、2〜4である。スズ系カップリング
剤の代表例としては、ハロゲン化スズ化合物が挙げら
れ、下記一般式で表されるものが好適である。 Ra SnYb 〔式中、Rは水素原子またはCm 2m+1(mは1〜20
の整数、好ましくは1〜8の整数)で表される炭化水素
基、YはClまたはBrなどのハロゲン原子、aは1〜
2、bは2〜4の整数を示す。〕
【0019】ハロゲン化スズ化合物としては、例えばジ
クロロスズ、モノメチルジクロロスズ、ジメチルジクロ
ロスズ、モノエチルジクロロスズ、ジエチルジクロロス
ズ、メチルトリクロロスズ、モノブチルジクロロスズ、
ジブチルジブロムスズ、モノヘキシルジクロロスズ、テ
トラクロロスズなどが用いられる。また、本発明で使用
されるエステル系カップリング剤の代表例としては、一
価または二価のカルボン酸と一価のアルコールとのエス
テルや、一価または二価のカルボン酸と一価フェノール
とのフェノールエステルなどが挙げられる。その具体例
としては、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロ
ピオン酸メチル、酢酸フェニル、安息香酸メチル、安息
香酸エチル、安息香酸フェニル、ナフトエ酸クレジル、
トルイル酸フェニル、アジピン酸ジエチル、コハク酸ジ
エチル、マロン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマ
ル酸ジエチル、フタル酸ジエチルなどが挙げられる。
【0020】他のスズ系またはエステル系以外のカップ
リング剤から得られる(A)ブロック共重合体では、粘
着剤のホットメルト塗工時の粘度を低く抑えることがで
きず、また粘着特性のバランスに優れた粘着剤を得ると
いう本発明の目的を達成することができない。また、上
記カップリング剤の添加量は、通常、リチウム末端ブロ
ック共重合体のリチウムを基準として、0.3〜1.5
当量用いることができ、カップリング率としては30%
以上が好適である。カップリング率が30%未満である
と、(A)ブロック共重合体自身が粘着性を呈し、取扱
いが悪くなり、また該ブロック共重合体の仕上げ生産時
に生産性が悪く、好ましくない。
【0021】また、この際、ミクロ構造すなわち共役ジ
エン部分のビニル結合量の調節剤として、ルイス塩基、
例えばエーテル、アミンなど、具体的にはジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル、ブチル
エーテル、高級エーテル、またエチレングリコールブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレン
グリコールブチルエーテル、エチレングリコールジブチ
ルエーテルなどのポリエチレングリコールのエーテル誘
導体、アミンとしてはテトラメチルエチレンジアミン、
ピリジン、トリブチルアミンなどの第3級アミンなどが
挙げられ、上記炭化水素溶媒とともに用いられる。
【0022】重合反応は、通常、20〜120℃、好ま
しくは30〜100℃で実施される。また、重合は、一
定温度にコントロールして実施しても、また熱除去をし
ないで上昇温度下にして実施してもよい。
【0023】(A)ブロック共重合体の具体的製造方法
としては、例えば炭化水素溶媒中にスチレンなどの芳香
族ビニル化合物と有機リチウム化合物を加えて重合し、
芳香族ビニル化合物の重合完了後、共役ジエンを添加
し、共役ジエンの重合が完了したのち、再び芳香族ビニ
ル化合物を添加し重合する。2回目の芳香族ビニル化合
物の重合が完了したのち、イソプレンを添加する。この
ようにして得られるブロック共重合体リビングアニオン
に、さらに上記カップリング剤を添加することによっ
て、重合体分子鎖が延長された(A)ブロック共重合体
が得られる。
【0024】なお、(A)ブロック共重合体中の芳香族
ビニル化合物の結合含量は、各段階における重合時のモ
ノマーの供給量で調節され、必要に応じて調整される共
役ジエンのビニル結合含量は、上記ミクロ調節剤の成分
を変量することにより調節される。また、(A)ブロッ
ク共重合体成分の重量平均分子量は、重合開始剤、例え
ばn−ブチルリチウムの添加量で調節される。共役ジエ
ンブロック中のビニル含量としては、例えば、通常、共
役ジエンがブタジエンの場合は10〜60%、共役ジエ
ンがイソプレンの場合は5〜50%が好適である。
【0025】次に、本発明で使用する成分(B)粘着付
与剤樹脂は、従来、粘着付与剤としてホットメルト粘着
剤などに使用されているものであり、例えばクマロン・
インデン樹脂、フェノール樹脂、p−t−ブチルフェノ
ール・アセチレン樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド
樹脂、テルペン・フェノール樹脂、ポリテルペン樹脂、
キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、合成ポリテルペン樹
脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族環状炭化水素樹脂、モ
ノオレフィンやジオレフィンのオリゴマー、水素添加炭
化水素樹脂、炭化水素系樹脂、ポリブテン、ロジンの多
価アルコールエステル、水素添加ロジン、水添ウッドロ
ジン、水素添加ロジンとモノアルコールまたは多価アル
コールとのエステル、テレピン系粘着付与剤などが挙げ
られる。特に好適な粘着付与剤樹脂は、テルペン系樹
脂、合成テルペン系樹脂、芳香族変性ポリテルペン樹
脂、脂肪族系飽和石油樹脂、ロジンエステル、不均化ロ
ジンエステル、水添ロジンエステル、脂肪族系石油樹脂
(C5 系脂肪族系石油樹脂、C5 ,C9 脂肪族系石油樹
脂など)、変性脂肪族系石油樹脂などが挙げられる。 (B)粘着付与剤樹脂の配合量は、(A)ブロック共重
合体100重量部に対し40〜300重量部、好ましく
は60〜300重量部である。(B)粘着付与剤樹脂の
配合量が上記の範囲外であると、粘着特性が悪く好まし
くない。
【0026】次に、本発明で使用する(C)軟化剤とし
ては、パラフィン系、ナフテン系、アロマ系のプロセス
オイルなどの石油系軟化剤、パラフィン、植物油系軟化
剤、可塑剤などがあり、単独で、あるいは2種以上混合
して用いることができる。 (C)軟化剤の配合量は、上記(A)ブロック共重合体
100重量部に対し、0〜200重量部、好ましくは0
〜100重量部である。軟化剤が200重量部を超える
と、得られるホットメルト粘着剤組成物の高温時の保持
力が低下するだけでなく、時間の経過とともに軟化剤が
接着表面に滲み出てきて好ましくない影響を及ぼす。
【0027】次に、本発明で使用する(D)安定剤とし
ては、フェノール系安定剤、イオウ系安定剤、リ
ン系安定剤などであり、単独でも、それらを組み合わせ
ても用いることができる。 フェノール系安定剤としては、2,6−ジ−t−ブチ
ル−p−クレゾール、ペンタエリスリトール−テトラキ
ス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェノール)プロピオネート〕メタン、ステアリル(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−
ジ−t−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
4,4′−チオビス(6−t−ブチルフェノール)、
2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−ジ−t−ブ
チルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−
4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、
1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2,4−ビス
−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,
5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジ
ン、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒド
ロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルア
クリレート、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ
−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−
ペンチルフェニルアクリレート、3,9−ビス(1,1
−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカン−ビス
〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)プロピオネート〕などが挙げられる。
【0028】また、イオウ系安定剤には、ペンタエリ
スリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネー
ト)、ジステアリル3,3′−チオジプロピオネートな
どが挙げられる。さらに、リン系安定剤には、トリス
ノニルフェニルホスファイトやトリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスファイトなどを挙げることがで
きるが、上記以外にもアミン系安定剤、紫外線吸収剤な
どの安定剤、エポキシ化合物、ハイドロタルサイトなど
の安定化助剤も用いることができる。これらの(D)安
定剤の配合量は、(A)ブロック共重合体100重量部
に対し、安定剤の総量として0.1〜5重量部、好まし
くは0.5〜3重量部である。0.1重量部未満では、
熱安定性が不充分でホットメルト加工時に熱劣化が起
き、好ましくない。一方、5重量部を超えても、ホット
メルト加工時の熱安定性は5重量部と変わらず、コスト
が上昇し、好ましくない。
【0029】なお、本発明の組成物をホットメルト粘着
剤に用いる場合には、特に(A)ブロック共重合体のカ
ップリング剤にスズ系を用いた場合には、有機酸を配合
することが望ましい。この有機酸としては、ステアリン
酸、オレイン酸、パルチミン酸などの脂肪族モノカルボ
ン酸類、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン
酸類、安息香酸などの芳香族モノカルボン酸類、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボ
ン酸類、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、ジヒドロア
ビエチン酸、α−ビマル酸、イソ−α−ビマル酸、デヒ
ドロアビエチン酸、レボビマル酸などの樹脂酸類などの
単独または2種以上の混合物として用いることができる
が、これらに限定されるものではない。有機酸の配合量
は、(A)ブロック共重合体100重量部に対し、20
重量部以下、好ましくは0.01〜20重量部、さらに
好ましくは0.2〜10重量部用いられる。この有機酸
の配合量が上記範囲内であると、粘着剤物性、すなわち
初期粘着性、粘着力、保持力に優れ、加工性、すなわち
ホットメルト加工温度域での溶融粘度の低い、優れた粘
着剤組成物が得られる。
【0030】また、本発明の組成物をホットメルト粘着
剤に用いる場合、(A)ブロック共重合体のカップリン
グ剤にエステル系を用いた場合には、ジチオカルバミン
酸の亜鉛塩を配合することができる。このジチオカルバ
ミン酸の亜鉛塩としては、例えばジメチルジチオカルバ
ミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチ
ルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカル
バミン酸亜鉛、ジメチルペンタメチレンカルバミン酸亜
鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジ
ルジチオカルバミン酸亜鉛などを挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。ジチオカルバミ
ン酸の亜鉛塩の好ましい使用量は、上記(A)ブロック
共重合体100重量部に対し、10重量部以下、好まし
くは0.1〜10重量部である。このジチオカルバミン
酸の亜鉛塩の配合量が上記範囲内であると、粘着物性、
すなわち初期粘着性、粘着力、保持力に優れ、加工性、
すなわちホットメルト加工温度域での溶融粘度の低い、
優れた粘着剤組成物が得られる。
【0031】なお、本発明においては、補強性樹脂とし
て、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体のほか、比較的分子
量の低い、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などを、(A)ブロッ
ク共重合体100重量部に対して、50重量部以下、好
ましくは2〜40重量部配合して耐クリープ性や硬さを
改良することができる。補強性樹脂の配合量が、50重
量部を超えると、粘着特性を低下させるため好ましくな
い。また、必要に応じて炭酸カルシウム、タルク、酸化
チタン、シリカ、炭酸マグネシウムなどの無機充填剤、
パラフィンワックス、低分子量ポリエチレンワックスな
どのワックス類を加えてもよい。
【0032】さらに、本発明の粘着性組成物には、粘着
剤としての特性を失わない限り他の普通のエラストマ
ー、例えば天然ゴム、合成ポリイソプレンゴム、ポリブ
タジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレ
ンゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリルゴム、ポ
リイソプレンイソブチレンゴム、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム、あるいは本発明で規定する以外のビニル
芳香族化合物/共役ジエンブロック共重合体またはその
水添物などを混合して使用してもよい。
【0033】以上の各成分は、通常の方法によって混練
することによって粘着剤組成物が得られる。混練の条件
は特に限定されず、公知の方法、例えば一般の槽式混合
機、密閉式ニーダー、押し出し機などを用い、必要な場
合には窒素ガス雰囲気中で、通常、130℃〜200℃
の範囲で混練が行われる。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例中、部および%は、特に断ら
ない限り重量基準である。また、実施例中の各種評価
は、次のようにして求めたものである。
【0035】ブロック共重合体の特性 重量平均分子量(Mw) GPC装置〔東ソー(株)製、HLC−8020型を使
用し、カラムはデュポン(米国)社製のZORBAX
1000Sを3本使用〕で測定し、標準ポリスチレンで
換算した重量平均分子量である。測定条件としては、移
動相としてテトラヒドロフラン、流量1.0ml/分、
測定温度40℃で測定を行った。 結合スチレン量 赤外分光分析装置(パーキンエルマー1600型)を用
い、699cm-1の吸収強度より求めた。
【0036】ホットメルト粘着剤組成物の特性 初期粘着性 ポリエステルフィルム基材に、塗布厚40μmの粘着剤
組成物を塗布し、粘着テープを作製したのち、ASTM
D2979−71に準じ、ポリケンプローブタックを
測定、幅25mm×長さ100mmの上記粘着テープに
ステンレス板を300mm/分の速度で接着し、3秒間
放置後、300mm/分の速度で剥離してループタック
を測定した。 粘着強度(180°剥離強度) ポリエステルフィルム基材に、塗布厚40μmの粘着剤
組成物を塗布し、粘着テープを作製したのち、JIS
Z−1522に準じてステンレス版に幅25mm×長さ
100mmとして粘着テープを貼り付け、23℃におい
て300mm/分の速度で180℃の方向に剥離して測
定した。 凝集力(保持力) JIS Z−1524に準じ、ステンレス板に25mm
×25mmの面積が接するように粘着テープを貼り付
け、50℃において1kgの荷重を加えて粘着テープが
ずれ落ちるまでの時間を測定した。 溶融粘度 加工性の指標として、B型粘度計により、140℃で測
定した。
【0037】実施例1ブロック共重合体の調製 ジャケットと攪拌機の付いた内容積5リットルのステン
レス製重合容器を充分に窒素ガスで置換したのち、シク
ロヘキサン2,500g、スチレン62.5gを仕込
み、ジャケットに温水を通して内容物を40℃とした。
次いで、sec−ブチルリチウム0.6gを添加して重
合を開始した。スチレンの重合完了後、内容物温度が8
0℃になるようにジャケットに冷水を通しながら、イソ
プレン371gをゆっくりと添加した。イソプレンの重
合が完了したのち、再びスチレン62.5gを添加し重
合した。2回目のスチレンの重合が完了したのち、イソ
プレン4gを添加し30分間攪拌後、カップリング剤と
してジブチルジクロロスズ0.74gを添加して10分
間反応した。
【0038】反応後、メタノール0.1mlを添加して
10分間攪拌したのち、内容物を重合容器から取り出
し、酸化防止剤である4−〔(4,6−ビス(オクチル
チオ)−s−トリアジン−2−イル)アミノ〕−2,6
−ジ−t−ブチルフェノール〔チバガイギー(株)製、
イルガノックス565〕を0.5g、トリス(ノニルフ
ェニル)フォスファイト(TNPP)1.5gを添加し
た。この重合溶液を、pH5〜7の熱温水中でスチーム
ストリッピングし、得られた含水ポリマーを乾燥し、表
1に示すスチレン−イソプレンブロック共重合体を得
た。
【0039】ホットメルト粘着組成物の調製 上記のようにして得たブロック共重合体100部に対
し、粘着付与剤樹脂〔ヤスハラケミカル(株)製、クリ
アロン P105〕を220部、パラフィン系プロセス
オイル〔出光興産(株)製、ダイナプロセスオイル P
W−90〕を80部、安定剤としてテトラキス〔メチレ
ン 3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕メタン〔チバガイギー(株)
製、イルガノックス1010〕を3部、ステアリン酸3
部を、150℃に加熱したニーダーに入れ、30分間混
合してホットメルト粘着剤組成物を得た。表2に、各特
性の評価結果を示す。
【0040】実施例2〜3、比較例1〜2 実施例2〜3、比較例1〜2は、スチレン、イソプレ
ン、sec−ブチルリチウム、ジブチルジクロロスズの
仕込み量を変更する以外は、実施例1と同様にして表1
に示す(A)ブロック共重合体を得、ホットメルト粘着
剤組成物を作製し、各特性を評価した。結果を表2に示
す。
【0041】実施例4 実施例4は、カップリング剤を酢酸エチル0.2gに変
更した以外は、実施例1と同様にして表1に示す(A)
ブロック共重合体を得、ステアリン酸をジブチルジチオ
カルバミン酸亜鉛1部に変更した以外は、実施例1と同
様にしてホットメルト粘着剤組成物を作製し、その性能
を評価した。結果を表2示す。
【0042】実施例5 実施例5は、スチレン、イソプレン、sec−ブチルリ
チウムの仕込み量およびカップリング剤を安息香酸エチ
ルに変更する以外は、実施例4と同様にして表1に示す
(A)ブロック共重合体を得、ホットメルト粘着剤組成
物を作製し、各特性を評価した。結果を表2に示す。
【0043】実施例6 実施例6は、スチレン、sec−ブチルリチウム、酢酸
エチルの仕込量および1回目に仕込むイソプレンをブタ
ジエンに変更する以外は、実施例4と同様にして表1に
示す(A)ブロック共重合体を得、ホットメルト粘着剤
組成物を作製し、その性能を評価した。結果を表2に示
す。
【0044】実施例7 実施例7は、スチレン、sec−ブチルリチウム、酢酸
エチルの仕込量およびカップリング剤をアジピン酸ジエ
チルに変更する以外は、実施例4と同様にして表1に示
す(A)ブロック共重合体を得、ホットメルト粘着剤組
成物を作製し、その性能を評価した。結果を表2に示
す。
【0045】比較例3 比較例3は、スチレン、イソプレン、sec−ブチルリ
チウムの仕込み量およびカップリング剤をジブロモエタ
ンに変更する以外は、実施例1と同様にして表1に示す
(A)ブロック共重合体を得、ホットメルト粘着剤組成
物を作製し、各特性を評価した。結果を表2に示す。
【0046】比較例4〜5 比較例4〜5は、スチレン、イソプレン、sec−ブチ
ルリチウム、酢酸エチルの仕込量を変更した以外は、実
施例4と同様にして表1に示す(A)ブロック共重合体
を得、ホットメルト粘着剤組成物を作製し、その性能を
評価した。結果を表2に示す。
【0047】比較例6〜7 比較例6〜7は、スチレン、イソプレン、sec−ブチ
ルリチウム、ジブチルジクロロスズの仕込量を変更した
以外は、実施例1と同様にして表1に示す(A)ブロッ
ク共重合体を得、ホットメルト粘着剤組成物を作製し、
その性能を評価した。結果を表2に示す。
【0048】比較例8〜9 比較例8〜9は、スチレン、イソプレン、sec−ブチ
ルリチウム、酢酸エチルの仕込量を変更した以外は、実
施例4と同様にして表1に示す(A)ブロック共重合体
を得、ホットメルト粘着剤組成物を作製し、その性能を
評価した。結果を表2に示す。
【0049】比較例10 比較例10は、スチレン、イソプレン、sec−ブチル
リチウム、酢酸エチルの仕込量を変更し、さらに2回目
のスチレン、2回目のイソプレンの添加を行わない以外
は、実施例4と同様にして表1に示す(A)ブロック共
重合体を得、ホットメルト粘着剤組成物を作製し、その
性能を評価した。結果を表2に示す。
【0050】表2から、本発明で規定するホットメルト
粘着剤組成物は、その低い溶融粘度により加工性が改善
され、しかも良好な粘着剤物性を示すことが分かる。こ
れに対し、比較例1は、(A)ブロック共重合体の芳香
族ビニル化合物を主体とするブロックA,A′の分子量
が上限を上回る例であり、粘着剤としての物性は良好で
あるが、溶融粘度が極端に高くなり、ホットメルトにお
ける加工性に劣るものとなっている。比較例2は、
(A)ブロック共重合体中の芳香族ビニル化合物を主体
とするブロックA,A′の分子量が下限を下回る例であ
る。得られるホットメルト粘着剤組成物の溶融粘度は充
分に低く、加工性には優れるものの、粘着剤としての物
性に劣り、好ましくない結果となっている。
【0051】比較例3は、スズ系またはエステル系以外
のカップリング剤を用いて作製された(A)ブロック共
重合体を用いた例であるが、実施例と比較して、やはり
本発明で規定するホットメルト粘着剤組成物に比べる
と、加工性と物性のバランスが劣ることが示される。比
較例4〜5は、(A)ブロック共重合体中の芳香族ビニ
ル化合物を主体とするブロックの全結合量およびカップ
リング前のブロック共重合体の分子量が本発明で規定す
る範囲を外れた例であり、比較例4では特に初期粘着性
が低下し、比較例5では特に加工性が著しく低下し、物
性と加工性のバランスが本発明で規定したホットメルト
粘着剤組成物と比べて劣ることが分かる。
【0052】比較例6〜7は、分子量比(A/A′)お
よびブロックA′の分子量が本発明の規定を外れた例で
あり、比較例6は、粘着剤物性としては優れるものの、
溶融粘度が高く加工性に劣り、比較例7は、粘着物性で
ある粘着力と保持力に劣ることが分かる。比較例1〜2
を加えて実施例と比較すれば、A/A′およびブロック
A′の分子量は、本発明で規定した範囲であることが望
ましいことが分かる。比較例8〜9は、(A)ブロック
共重合体中のイソプレン重合体ブロックCが0.3〜5
%を外れる場合であり、比較例8は実施例4などと比較
して、粘着剤の物性に対して粘着剤組成物の溶融粘度が
高く、逆に比較例9は、溶融粘度は低いものの、粘着物
性、特に保持力に劣り、粘着剤の物性と加工性のバラン
スが劣ることが分かる。比較例10は、例えば特開平1
−213381号公報などに開示されているようなブロ
ックA′およびブロックCを導入しない例であり、この
比較例と較べると、本発明が、粘着物性、特に保持力と
加工性のバランスにおいて改良されていることが示され
る。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、初期粘着性、接着性、
保持力のバランスに優れ、ホットメルト溶融粘度の充分
に低いホットメルト粘着剤組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀧口 邦彦 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田34番地 ジ ェイエスアール シェル エラストマー株 式会社内 (72)発明者 猪口 信明 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田34番地 ジ ェイエスアール シェル エラストマー株 式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(I)で表されるブロ
    ック共重合体100重量部に対し、 (A−B−A′−C)nX ・・・・・(I) 〔一般式(I)中、 A,A′は芳香族ビニル化合物を
    主体とする重合体ブロックであり、Aは重量平均分子量
    が6,000〜15,000、A′は重量平均分子量が
    5,000〜11,000、ブロックAとブロックA′
    の分子量比はA/A′=1.0〜2.5、Bは共役ジエ
    ンを主体とする重合体ブロック、Cはイソプレンよりな
    る重合体ブロックで上記一般式中に占める割合は0.3
    〜5重量%であり、A−B−A′−C部分の重量平均分
    子量が50,000〜120,000、Xはスズ系また
    はエステル系カップリング剤の残基、nは2以上の整
    数、AおよびA′の合計結合含量は20〜40重量%で
    ある。〕 (B)粘着付与剤樹脂40〜300重量部 (C)軟化剤0〜200重量部 (D)安定剤0.1〜5重量部 を配合してなるホットメルト粘着剤組成物。
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