JPH0947821A - プレス加工装置のワーク取り出し補助装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、型補正時にロックピン並びワーク押
し上げプレートを着脱することなく型補正作業を可能に
したワーク取り出し補助装置を提供する。 【解決手段】ワーク押し上げプレート１２を下型１上か
らワークＷを持ち上げるフルストローク上昇位置と、型
補正作業のために前記フルストローク上昇位置より下方
の待機位置にロックするロックピン１４のロックおよび
アンロックの動作を回転部材１６によって回転切り替え
するカムドライバー１７によって行うようにした構成を
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、上型の下降及び上
昇動に追従して下降及び上昇動し、上昇動で下型上のワ
ークを持ち上げて取り出すためのワーク取り出し補助装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】プレス加工装置において、ワーク曲げ成
形加工後のワークを下型上から持ち上げて取り出すため
にサブリフタと称するワーク取り出し補助装置が用いら
れている。図４に示す従来のワーク取り出し補助装置６
ａは、下型２の側部に固設したハウジング８内に昇降動
可能に保持しスプリング１１によって上昇方向に付勢さ
れたボス８と、このボス８の上面に固定され、上型１に
設けられたプッシュピン５が上型１の下降により当接し
て前記ボス８と共に下降し、上型１の上昇によって前記
ボス８と共に上昇して下型２上のワークＷを持ち上げる
ワーク押し上げプレート１２と、前記ワーク押し上げプ
レート１２をワーク持ち上げ位置のフルストローク上昇
位置Ｈに規制するために前記ハウジング７の上端部に固
設され前記ボス８の側面に設けた案内溝９の下端に形成
されている係合部１０が当接するストッパプレート１３
と、前記ハウジング７の立面に着脱可能に装着され、前
記ボス８に設けた案内溝９内に位置して案内溝９の下端
に形成した係合部１０に係合し、ボス８の上昇ストロー
クを規制して前記ワーク押し上げプレート１２を前記フ
ルストローク上昇位置Ｈより下方の待機位置Ｒにロック
するロックピン１４とを備え、前記ロックピン１４をハ
ウジング８にボルト２７によって固定したキープレート
２６によりハウジング８に固定した構造である。尚、図
４において、３はパッド、４は曲刃であり、何れも上型
１に設けられている。またストッパプレート１３はボス
８のフルストローク上昇位置Ｈを規制すると同時にボス
８の回り止めを兼ねている。

【０００３】上記の構成によるワーク取り出し補助装置
６ａは、ワーク加工時においてはロックピン１４がハウ
ジング７より取り除かれており、ワーク押し上げプレー
ト１２はボス８の側面に設けた案内溝９の下端に形成し
た係合部１０がストッパプレート１３に当接するフルス
トローク上昇位置Ｈの状態にされている。

【０００４】従って、上型１の下降によりプッシュピン
５がワーク押し上げプレート１２に当接してボス８と共
にワーク押し上げプレート１２を下降し、曲刃４によっ
てワークＷの端縁をプレス曲げ加工する。そして、上型
１が下死点から上昇する時に、スプリング１１によって
ボス８と共にワーク押し上げプレート１２は上型１の上
昇動に追従して上昇し、ワークＷの折り曲げ端縁に係合
してフルストローク上昇位置ＨでワークＷを下型２上か
ら搬出装置が受承するよう持ち上げる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、ワークの加
工前にはワークを搬入して下型を合わせ調整する型補正
を行う必要がある。このときは、ワーク押し上げプレー
ト１２をフルストローク上昇位置Ｈより下方の待機位置
Ｒにロックピン１４によってロックする。このロックア
ップ作業は、上型１を下死点状態にしてワーク押し上げ
プレート１２を下降端に位置させ、ロックピン１４をハ
ウジング７に装着し、その後上型１を上死点に上昇して
ワーク押し上げプレート１２を前記待機位置Ｒにロック
するが、ワーク形状，型構造上の制約あるいはワーク押
し上げプレート１２が邪魔になってロックピン１４の着
脱部位に作業者の手が入らない場合がある。このような
時にワーク押し上げプレート１２をその都度ボス８から
取り外してロックピン１４の着脱作業を行っているた
め、ワーク押し上げプレート１２とワークとの合せ精度
の確保が困難となり、作業工数高となっている問題があ
った。

【０００６】本発明の目的は、上記従来の問題に鑑み、
型補正時にロックピン並びワーク押し上げプレートを着
脱することなく型補正作業を可能にしたワーク取り出し
補助装置を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の構成は、下型の側部に固設したハウジング
内に昇降動可能に保持しスプリングによって上昇方向に
付勢されたボスと、このボスの上面に固定され、上型に
設けられたプッシュピンが上型の下降により当接して前
記ボスと共に下降し、上型の上昇によって前記ボスと共
に上昇して下型上のワークを持ち上げるワーク押し上げ
プレートと、前記ワーク押し上げプレートをワーク持ち
上げ位置のフルストローク上昇位置に規制するために前
記ハウジングの上端部に固設され前記ボスが当接するス
トッパプレートと、前記ハウジングの立面にスプリング
によって後退方向に付勢されて進退可能に装着され、前
進でボスに係合して前記ワーク押し上げプレートを前記
フルストローク上昇位置より下方の待機位置にロックす
るロックピンと、前記ハウジングの立面に前記ロックピ
ンを中心として回転可能に保持した回転部材に昇降動可
能に案内され、前記ロックピンを前進位置に保持させる
押動面とロックピンを後退位置に保持させる凹部とを有
し、前記ワーク押し上げプレートが当接して下降動する
カムドライバーとを備えた特徴とするものである。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図１において、１は上型であり、パッド
３，曲刃４及びプッシュピン５を備えている。２は下型
であり、前記プッシュピン５の直下の下型２の側部にワ
ーク取り出し補助装置６（サブリフタ）が配置されてい
る。

【０００９】前記ワーク取り出し補助装置６の構成は次
の通りである。下型２の側部にハウジング７が固設さ
れ、このハウジング７内にはスプリング１１によって上
昇方向に付勢されたボス８が昇降動可能に保持されてい
る。このボス８はハウジング７の上端部に固着されてい
るストッパプレート１３でフルストローク上昇位置Ｈが
規制され、かつ回り止めされている。

【００１０】前記ボス８の上面には、前記プッシュピン
５が上型１の下降により当接して前記ボス８と共に下降
し、上型１の上昇によって前記ボス８と共に上昇して下
型２上のワークＷを持ち上げるワーク押し上げプレート
１２が固着されている。

【００１１】前記ボス８の側面には、上下方向に長い案
内溝９が設けられ、案内溝９の下端には、後述するスト
ッパプレート１３とロックピン１４に係合する係合部１
０が形成されている。

【００１２】前記ストッパプレート１３は前記ハウジン
グ７の上端部に固設されており、これにボス８に設けた
案内溝９の下端の係合部１０が当接することによりボス
８をフルストローク上昇位置Ｈに規制する。

【００１３】前記ハウジング７の立面には、前進で前記
ボス８に形成されている案内溝９の下端の係合部１０に
係合してボス８の上昇ストロークを規制するロックピン
１４がスプリング１５によって後退方向に付勢されて進
退可能に装着されている。

【００１４】また、前記ハウジング７の立面には、保持
部材２３によって回転部材１６が前記ロックピン１４を
中心として回転可能に保持されている。この回転部材１
６には、前記ロックピン１４を前進位置に保持させる押
動面とロックピン１４を後退位置に保持させる凹部１８
とを有するカムドライバー１７が昇降動可能に案内され
ている。

【００１５】１９はガイドプレートであり、前記カムド
ライバー１７を回転部材１６と挾むようにして回転部材
１６にボルトにより一体的に固着されており、図２にも
示すように、カムドライバー１７の昇降動方向に案内長
孔２０を有し、この案内長孔２０に案内されたガイドボ
ルト２１がカムドライバー１７に螺着している。

【００１６】前記回転部材１６は１８０度の回転位置で
節度を持たせるように、ハウジング７の立面にボールプ
ランジャ２４が配置され、回転部材１６の面の１８０度
位置に前記ボールプランジャ２４が係合する凹溝２５が
形成されている。

【００１７】前記ワーク押し上げプレート１２には、前
記カムドライバー１７の上端面に当接するアジャストボ
ルト２２が取り付けられており、上型１の下降時にカム
ドライバー１７の上端面に当接してカムドライバー１７
を下降動する。

【００１８】上記の構成において、ワークの加工前にワ
ークを搬入して下型を合わせ調整する型補正を行う場合
は、図１で示すように、カムドライバー１７の凹部１８
が下方に位置するよう回転部材１６を回転して設定す
る。

【００１９】これにより、上型１の下降によってプッシ
ュピン５でワーク押し上げプレート１２を押し下げてボ
ス８が下降し、カムドライバー１７はワーク押し上げプ
レート１２のアジャストボルト２３により押し下げられ
スプリング１５によって後退方向に付勢されているロッ
クピン１４はカムドライバー１７の押動面で押されて前
進し、その先端はボス８に設けた案内溝９内に侵入する
が、ボス８の昇降動を許容する。

【００２０】その後、型補正作業のために上型１を上死
点に上昇させると、プッシュピン５がワーク押し上げプ
レート１２から離れるため、ボス８はスプリング１１に
よってワーク押し上げプレート１２と共に上昇する。こ
のときアジャストボルト２２がカムドライバー１７の上
端面から離れるが、カムドライバー１７はそのままの位
置を保持しているため、ロックピン１４はカムドライバ
ー１７の押動面で押された前進状態を保っている。従っ
て、ボス８の上昇ストロークは案内溝９の下端の係合部
１０がロックピン１４に当接して規制される。これによ
って、ワーク押し上げプレート１２がフルストローク上
昇位置Ｈより下方の待機位置Ｒにロックされるのであ
る。

【００２１】前記型補正作業を完了してワークを加工す
るときは図３で示すように、カムドライバー１７の凹部
１８が上方に位置するよう回転部材１６を手動によって
１８０度反転する。これにより、上型１の下降によって
プッシュピン５でワーク押し上げプレート１２を押し下
げてボス８が下降し、カムドライバー１７はワーク押し
上げプレート１２のアジャストボルト２３により押し下
げられ、カムドライバー１７の凹部１８がロックピン１
４の後端と一致し、スプリング１５で後退方向に付勢さ
れているロックピン１４は後退移動して、その先端はボ
ス８の案内溝９より脱出した位置となる。

【００２２】前記上型１の下降により曲刃４によってワ
ークＷの端縁をプレス曲げ加工する。そして、上型１が
下死点から上昇する時に、スプリング１１によってボス
８と共にワーク押し上げプレート１２は上型１の上昇動
に追従して上昇する。このときアジャストボルト２２が
カムドライバー１７の上端面から離れるが、カムドライ
バー１７はそのままの位置を保持しているため、ロック
ピン１４はカムドライバー１７の凹部１８で後退した状
態を保っている。

【００２３】従って、ボス８の上昇ストロークは案内溝
９の下端の係合部１０がストッパプレート１３に当接す
るフルストロークとなり、ワーク押し上げプレート１２
がワークＷの折り曲げ端縁に係合して待機位置Ｒより上
方のフルストローク上昇位置Ｈまで上昇し、ワークＷを
下型２上から搬出装置が受承するよう持ち上げる。

【００２４】前記図３で示すように、カムドライバー１
７の凹部１８が上方に位置するよう回転部材１６を１８
０度反転した状態は、次回の型補正作業のためのロック
アップまでそのままにしておき、ロックアップのときに
図１で示すように、凹部１８が下方に位置するよう１８
０度反転する。

【００２５】尚、ワーク押し上げプレート１２に取り付
けられ、上型１の下降でカムドライバー１７の上端面に
当接するアジャストボルト２２は、カムドライバー１７
への当接位置を調節し、カムドライバー１７の下降スト
ロークをロックピン１４に対する押動面あるいは凹部１
８を適正な位置になるようにアジャストするものであ
る。

【００２６】

【発明の効果】以上のように本発明によると、ワーク押
し上げプレートを下型上からワークを持ち上げるフルス
トローク上昇位置と、型補正作業のために前記フルスト
ローク上昇位置より下方の待機位置にロックするロック
ピンのロックおよびアンロックの動作を回転部材によっ
て回転切り替えするカムドライバーによって行うように
した構成であるから、ワーク押し上げプレートを取り外
すことなく、また、ロックピンを抜き差しする脱着操作
を行うことなくワンタッチで切り替えが得られ、型精度
確保を容易にし、作業工数を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明装置のロックアップ状態の断面図

【図２】図１のＡ矢視図

【図３】本発明装置のアンロック状態の断面図

【図４】従来装置の断面図

【符号の説明】

１ 上型 ２ 下型 ５ プッシュピン ６ ワーク取り出し補助装置 ７ ハウジング ８ ボス ９ 案内溝 １０ 係合部 １１ スプリング １２ ワーク押し上げプレート １３ ストッパプレート １４ ロックピン １５ スプリング １６ 回転部材 １７ カムドライバー １８ 凹部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下型の側部に固設したハウジング内に昇
   降動可能に保持しスプリングによって上昇方向に付勢さ
   れたボスと、 このボスの上面に固定され、上型に設けられたプッシュ
   ピンが上型の下降により当接して前記ボスと共に下降
   し、上型の上昇によって前記ボスと共に上昇して下型上
   のワークを持ち上げるワーク押し上げプレートと、 前記ワーク押し上げプレートをワーク持ち上げ位置のフ
   ルストローク上昇位置に規制するために前記ハウジング
   の上端部に固設され前記ボスが当接するストッパプレー
   トと、 前記ハウジングの立面にスプリングによって後退方向に
   付勢されて進退可能に装着され、前進でボスに係合して
   前記ワーク押し上げプレートを前記フルストローク上昇
   位置より下方の待機位置にロックするロックピンと、 前記ハウジングの立面に前記ロックピンを中心として回
   転可能に保持した回転部材に昇降動可能に案内され、前
   記ロックピンを前進位置に保持させる押動面とロックピ
   ンを後退位置に保持させる凹部とを有し、前記ワーク押
   し上げプレートが当接して下降動するカムドライバーと
   を備えたことを特徴とするプレス加工装置のワーク取り
   出し補助装置。